荒岩「ハンター試験?」 (48)
クッキングパパとハンター×ハンターのSSです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396417157
ストーカーの唄
_金丸産業 営業二課_
常務「荒岩君はいるかね?」
荒岩「はい、ここにおります」
常務「うむ、実は君に折り入って頼みがあってね」
荒岩「はい、次回の料理教室ですか?」
常務「いや、今回は仕事だ」
荒岩「そうですか、それで、私に折り入ってというのは?」
常務「出張を頼みたい。場所はザバン市だ、大きな港町で、魚も美味いぞ」
荒岩「はあ、そこで私が何を?」
常務「詳しい事は、そこで係りの者が説明してくれるじゃろう」
常務「兎に角、我が社の今後を担う重大な任務なのだ、会社の命運は君に託されたといっても良いぐらいだ」
荒岩「それは、大変嬉しい話なのですが、何分急な話なもので」アセアセ
常務「何を臆しているんだ荒岩くん、課長にも昇進して脂の乗り切った頃じゃないか」
荒岩「はあ、そうですが…。」
常務「先方の都合もあって、期間ははっきりとは決められんが、君なら安心して任せられる」
荒岩「分かりました」
常務「うむ、それで良い、先方にはもう話を通しているから、君は明後日にザバン市のホテルに着いていればOKじゃ」
荒岩(うむむ…、何かと思えば出張か…)
常務「明日は準備もあるだろうから、休みを取りたまえ。君が今取り掛かっているプロジェクトは、田中君と梅田君が共同で引き継ぐ手筈になっているよ」
荒岩「わかりました、精いっぱい勤めてまいります」
常務「その意気じゃ、君には社長も期待しているぞ」
常務「お、忘れる所じゃった。荒岩君、これを」
荒岩「なんですか、この紙は?」
常務「ザバン市で一番美味い定食屋の地図じゃよ、お勧めは断然ステーキ定食で、焼き加減も選べるが、君は初めてだからそこに書いたように頼むと良いじゃろう」
荒岩「何から何まで、ありがとうございます」ペコリ
常務「味を究めた君の舌をうならせる絶品じゃ、仕事よりやみつきになるかもしれんな」
常務「さて、わしはこれで。頼んだぞ、荒岩君」
けいこ(この時期にザバン市というと…、もしかするとアレじゃないかしら? なんだか楽しみだわ)
けいこ「課長、出張頑張って下さいね」
荒岩「いたのか、けいこくん。それにしても、仕事の内容がサッパリわからないんだよ」
けいこ「行けばわかると常務もおっしゃっていたので、課長は心配しないでドーンと構えていてくださいよ」
荒岩「うむむ…、そうかな」
けいこ「成果、期待してますからね」ニッコリ
荒岩「うむ」
けいこ「うふふ」
_荒岩宅_
荒岩「実はな、明後日から急に出張することになった。期間は仕事が終わるまでだそうだ」
虹子「随分急な話ね、断れなかったの?」
荒岩「俺でなきゃダメだと念を押されてな、押し切られちまったよ」
虹子「ふーん、それで出張する場所は?」
荒岩「確か、ザバン市って所だったかな」
虹子「成程ね」ピキーン
荒岩「?」
虹子「期待されてるじゃない、あなた♪」
荒岩「お、おう…」
虹子「そうと決まれば荷造りよ、いい、荷物は最小限が基本よ」
荒岩「そうなのか?」
虹子「靴はスニーカーが良いわね、あと、必ずしもスーツは必要ないと思うわ」
荒岩「おいおい、俺は仕事で行くんだぜ?」
虹子「文化部記者の勘よ、この時期にザバン市といえば、やる事は一つしかないもの」
荒岩「なんなんだ?」
虹子「着いてからのお楽しみよ、もし間違えても、スーツ一式ぐらい現地でそろえられるでしょう」
荒岩「そうだな」
虹子「あと、使い慣れた包丁とナイフは必ず持って行った方が良いわ。もしもの時に何にでも役に立つから」
荒岩「うむ」
_それから、じっくりと荷物を吟味し、包丁、ナイフ、塩、みそ、醤油、ソース、治療セットを携帯バッグに詰め、荒岩は空港へ向かった_
_空港内_
荒岩「見送りなんて良いのに」
虹子「いーのよ、私がしたいんだから」
みゆき「そうだよ、とーちゃんにはちゃんと会っておかないとね」
虹子「まことも来れればよかったんだけど、沖縄だもんね」
荒岩「あいつは、俺が家を空けて心配するタマじゃないさ、今も元気でやってるよ」
虹子「あなたも、健康には気をつけてね。これは、元気のおまじない」チュッ
荒岩「おいおい////」アセアセ
みゆき「とーちゃんが照れてるー」
田中「課長ー!見ちゃいましたよー!!」ドタドタ
梅田「いやー、間に合いましたね」
けいこ「誰かさんが道を間違えなければねー」チラリ
江口「すいませーん」アセアセ
荒岩「みんな」
田中「課長昨日は休みだから、行ってらっしゃいも言えないし」
梅田「社内だとどうしても気を使っちゃいますからね」
江口「なので、僕たちで課長を送る会を開きたいと思いまして」
工藤「僕も駆けつけましたよ」
荒岩「工藤か、久しぶりだな!」
工藤「今日の事を妻に話したら来たがったんですけど、赤ちゃん連れて車は飛ばせないんで、僕だけです」
荒岩「うむうむ、奥さん(種ヶ島ちゃん)も元気でなによりだ」
けいこ「課長の出張、みーんなに伝えましたから」
荒岩「たかが出張なんだぜ、そんなに大事にしなくても」
けいこ「うふふ、みんなそれだけ課長に期待してるんですよ、ネ、奥さんも」ニッコリ
虹子「うふふ」
荒岩(期待…?)
荒岩「とにかくありがとう」
田中、梅田、江口「それでは、課長の成果と栄転を祈って、万歳三唱!!!」
みんな「万歳!万歳!!万歳!!!」
荒岩(うむ、頑張るぞ!!)
田中「課長昨日は休みだから、行ってらっしゃいも言えないし」
梅田「社内だとどうしても気を使っちゃいますからね」
江口「なので、僕たちで課長を送る会を開きたいと思いまして」
工藤「僕も駆けつけましたよ」
荒岩「工藤か、久しぶりだな!」
工藤「今日の事を妻に話したら来たがったんですけど、赤ちゃん連れて車は飛ばせないんで、僕だけです」
荒岩「うむうむ、奥さん(種ヶ島ちゃん)も元気でなによりだ」
けいこ「課長の出張、みーんなに伝えましたから」
荒岩「たかが出張なんだぜ、そんなに大事にしなくても」
けいこ「うふふ、みんなそれだけ課長に期待してるんですよ、ネ、奥さんも」ニッコリ
虹子「うふふ」
荒岩(期待…?)
荒岩「とにかくありがとう」
田中、梅田、江口「それでは、課長の成果と栄転を祈って、万歳三唱!!!」
みんな「万歳!万歳!!万歳!!!」
荒岩(うむ、頑張るぞ!!)
_ザバン市_
荒岩「思ったより早く着いたな。まだ時間もあるし、先に常務の言ってた定食屋に行くとするか」
荒岩「えーと確か住所は」
荒岩「ツバシ町の2-5-10か」
店主「いらっしゃーい、御注文は?」
荒岩「ステーキ定食」
店主「焼き方は?」
荒岩「弱火でじっくり」
店員「奥へどうぞ」
荒岩「うむ」
荒岩「いただきまーす」パクパク
荒岩(弱火で焼いたステーキ肉の、特上の肉汁が牛脂の匂いと合わさっている、レモンの酸味と相俟って極上の旨味だ)
荒岩(普段なら、躊躇してしまうバターライスもガツガツとかき込める)
荒岩「うむ、大満足だゾ」
荒岩「帰ったら、あいつらにも食わせてやらんとな、それにしても、なんで地下に向かっているんだ?」
荒岩「止まったか、着いたみたいだな」
荒岩「なんだ、この異様な雰囲気は?」
荒岩(よく分からんが、何かの集まりみたいだな)
トンパ「よう、見た所あんたもルーキーみたいだな」
荒岩「?」
トンパ「俺はこの試験のベテランさ、ナビはいたのかい?」
荒岩「いや」
荒岩(試験だと?)
トンパ「ナビも付けずに此処までたどり着いたのか、なかなかだね」
トンパ「ま、お近づきのしるしだ、飲みなよ」
レオリオ「あのおっさん、またやってんのかよ…」
ゴン「止めさせた方が良いよね」
レオリオ「ほっとけよ、あのアゴのおっさんが倒れれば、倍率も下がんだろ」
荒岩「うむ、いただこう」グビ
_その時、荒岩の舌が瞬時に危険信号を発した、荒岩の身体の反射がそれを吐き出し、口内に残った僅かな液体さえも取り払った_
荒岩「朝顔の種を乾燥させてすり潰した下剤か…」ギロリ
トンパ「な…、毒の種類を瞬時に?」
荒岩「いい加減な調理法に、味の悪い飲み物、毒の使い方も知らないのか、貴様」
トンパ「この通り、許してくれ」
荒岩「料理を舐めるなあ!!」
_トンパは失禁した_
荒岩「馬鹿者が」
ゴン「おじさん凄いね、何の毒かわかるなんて!」キラキラ
荒岩「朝顔はな、日本じゃ良くある花なんだ、だから分かったのさ」
クラピカ「素晴らしい観察眼をお持ちのようだ、貴方は」
レオリオ「いやー、スカッとさせてもらったぜ」
荒岩「君たちは?」
ゴン「俺はゴン、ハンターになって親父を探すんだ」
クラピカ「私はクラピカ」
レオリオ「俺はレオリオだ」
荒岩「私は荒岩一味だ、よろしく」
ゴン「荒岩さんは、なんのハンターを目指してるの?」
荒岩「そうだな…」
荒岩(よく分からずにここにいるなんて、この子の前では言えんしなぁ…)
ゴン「ひょっとして、美食ハンターじゃない?おじさん料理に詳しいんでしょう?」
荒岩「うむ…」
荒岩(そういう事にしておこう、うん)
_荒岩は、ゴン達と仲良くなった_
サトツ「ただいまより、ハンター試験を開催いたします」
サトツ「一次試験は、私についてくることです。それでは_」スタスタ
荒岩(ハンター試験か、よく分からんが、ここに連れてこられたのは偶然じゃなさそうだな…)スタスタ
荒岩(思わず、美食ハンターなんて口走ってしまったが、本当の所、よく知らんしな…)
荒岩「うむむ…」
レオリオ「荒岩さん、遅れてるぜ」
荒岩「ん?いかんいかん」ダッシュ
_60キロ地点_
荒岩「ぜぇぜえ」
荒岩(どうなってるんだ、受験生の体力は?)
レオリオ「うぐぐ…足が…」
荒岩「しっかりするんだ、レオリオ」
荒岩(といっても、俺も辛いんだが)
レオリオ「ちくしょう、俺はこんな所でへこたれるわけにはいかねーんだ」
荒岩「どうしたものか。ん、これは…」ピキーン
レオリオ「荒岩さん、俺なんかに構わないで行ってくれよ、すぐに追いつくから」
荒岩「レオリオ、これを噛むんだ」
レオリオ「これは?」
荒岩「ミントだ、奥歯ですり潰すように噛むといいゾ」
レオリオ「モグモグ」
荒岩「ミントには鎮静効果がある。落ち着いたら、君ならすぐにまた走れるさ」
レオリオ「荒岩さん…」ジーン
荒岩「医者が倒れちゃしょうがないからな」
レオリオ「どうして、知って?」
荒岩「鞄から消毒液の匂いがしてな、鞄の形状からも、本格的な器具も入ってるんだろう?」
レオリオ「……」
荒岩「さあ、行こうか」
_荒岩たちは、何とか追いついて、ゴン達にもミントを配った_
_ヌメーレ湿原__
サトツ「ここは通称、詐欺師のねぐらといいます」
サトツ「騙されると死にますよ」
男「ウソだー、そいつはウソをついている!」
ヒソカ「クククク」ヒュン
男「」ドサッ
ヒソカ「ククク」
サトツ「…行きましょう」
荒岩「うむむ…」
荒岩(あの男、ヒソカか。恐ろしい筋を持っているようだな…)
_濃霧_
荒岩(さすがに限界だ、足を捕られて上手く走れん)
荒岩「これはいかん、いつの間にか迷っちまった」
ヒソカ「クククク」
荒岩「ん?」ヒュン
荒岩「うおっ!!」
レオリオ「ってえー!」
クラピカ「はっ!」
ヒソカ「試験管ごっこ♦」
荒岩(なんて奴だ、間一髪で避けたが、まともにくらったら間違いなくヤバかった…)
ヒソカ「君たちを、僕が判定してあげる♥」
モブ「ぎゃあああ」×20
荒岩「くそ、思ったよりもばててるな、運動不足が祟ったか…」
レオリオ「ここは任せな荒岩さん、助けてもらった恩は忘れねーぜ」
クラピカ「私も礼を言う。ミントは非常に役に立った」
ゴン「なんとかヒソカを止めないと…」
荒岩「君たちだけを置いて、逃げれると思うか?」
ゴン、クラピカ、レオリオ「荒岩さん?」
荒岩「さあ来い、パパはなんでも知っているぞ!」
ヒソカ「んー、君たちは合格だね」スッ
荒岩「消えた?」
クラピカ「奇術師ヒソカ、危険な男だ」
ゴン「とりあえず助かったし、先を急ごうよ」
_ビスカ森林公園_
サトツ「これにて一次試験は終了です。お疲れ様でした」
荒岩「ふぅ、どうにか助かった、ゴンのおかげだ…」
ゴン「他にも薬草の事教えてね、荒岩さん」
荒岩(いい子だ、まことをもう少しアウトドアにしたようだな)
荒岩(まことは沖縄の大学で、上手くやっているだろうか?)
荒岩「いかんいかん、そんなことを考えている場合じゃなかったな」
荒岩「さて、二次試験も頑張るか!」
キルア「あのおっさん、なかなかやるな」
_荒岩一味 一次試験通過_
メンチ「さて、二次試験を始めるわ」
メンチ「試験内容は料理よ」
ブハラ「まずは、俺が指定する料理を作ってもらい」
メンチ「合格した者が、次に私の指定する料理を作って、合格したら二次試験通過って事」
ブハラ「俺の指定するメニューは豚の丸焼きだ」
メンチ「それじゃ、始めてちょうだい」
荒岩「豚の丸焼きか、大きさにもよるが、どう料理したものかな」
ゴン「やったね荒岩さん、得意分野じゃん!」
荒岩「確かにそうだが、ここに生息している豚は、世界で最も危険な豚、グレイトスタンプだぞ」
クラピカ「弱点はあるのですか?」
荒岩「頭部に一発入れれば完璧だ」
ゴン「それなら簡単だね」ダッシュ
荒岩「おいおい、うかつに近づくと危ないぞ」
ゴン「ほいっ、と」ドーン
ゴン「へへ、一丁あがりっと。これは荒岩さんのね」
荒岩「いいのか、ゴンが仕留めたんだろう?」
ゴン「良いの、それよりおいしい焼き方教えてよ」
荒岩「わかった、任せろ」
荒岩「内臓を抜いて血抜きをして、塩を丹念に擦り込めば、下ごしらえは完璧だ」
荒岩「先ず、豚の毛を軽く炙って、表面を焼くんだ。脂が垂れてくるからそれでほかの部位を焼いていくんだ。火加減は中火から弱火にしていって、胡椒をまんべんなくかける」
荒岩「後は、火が通れば完璧だ」
荒岩「うむ、焼き加減もばっちりだな。これ持って行けそうだ」
レオリオ「すっげーうまそうっすね、荒岩さん」
荒岩「子豚の丸焼きも、俺たち用に作ったからな」
全員「いただきまーす!」
荒岩「豚骨で出汁をとったスープも作ったゾ」
全員「うまーい!!」
_二次試験① 荒岩通過_
ブハラ「いやーうまかった。作った全員合格で」ポンポン
メンチ「ほとんど通過か、私の審査は厳しめにつけますかな」
ブハラ「ただでさえ厳しいじゃん、メンチの審査って…」
メンチ「うっさいわね、豚の丸焼きで審査なんてのがそもそもおかしいのよ」
メンチ「さて、やりますか」
メンチ「二次試験後半、私のメニューは寿司よ」
メンチ「酢飯と調理器具はこっちで用意してあるわ、握り寿司しか認めないからね」
メンチ「私が満腹になったら試験は終了、じゃヨロシク」
ゴン「スシ?」
レオリオ「クラピカ、分かるか?」
クラピカ「私も分からないが、荒岩さんは御存じか?」
荒岩「うむ、俺は分かるが…」
荒岩(あの審査員の舌に、俺の腕は通用するのか?)
荒岩「必要なのは魚だ、先ずはそれを捕りに行こう」
ゴン、クラピカ、レオリオ「了解!」
他の受験生「…」無言でついていく
メンチ(どうやら、あのアゴの大男が知ってるみたいね)
メンチ「楽しみじゃない」ニヤリ
_そして、殆どの受験生が寿司を作れなかった_
ハンゾー「どうだ、これがスシだろ!」
メンチ「不味いわ、却下」
ハンゾー「」
荒岩(寿司の形を成していても失格か…)
荒岩(他に寿司を知っているような人間は見当たらんか)
荒岩「うむむ…」
ゴン「荒岩さん、どうしたの?」
レオリオ「俺たちにも作り方を教えてくれよ」
荒岩「わかった、だが、先ずは俺の腕で勝負させてくれ」
荒岩「新鮮な魚肉を一口大にカットして、一口のシャリに載せる」
荒岩「やる事といえばこれだけだが、一流と呼ばれる人々の寿司はそれだけで芸術の趣きすらある」
荒岩「果たして、これで通用するか…」
荒岩「寿司です」
メンチ「ふむ、ようやくマトモな料理にありつけそうだわ」
メンチ「それじゃ、いただきます」モグモグ
荒岩「……!!」
メンチ「ふむ、…不味くは無いけど、失格ね」
荒岩「何故ですか?」
メンチ「この寿司、いやあなたの料理には魂がこもってないわ」
メンチ「まるで店の前に並ぶサンプルみたいな、ただそれだけって感じの料理よ」
荒岩「なっ!」
メンチ「ハンターに、それこそ美食ハンターになりたいんならこんな寿司は認められないわ。小手先だけで魂がこもっていない料理なんて、一番低俗なものよ」ドーン
荒岩「…」ガーン
ブハラ(あーあ、メンチがキレちゃった)
ゴン「荒岩さん、そんなに落ちこむ事無いって」
レオリオ「そうだぜ、あいつの言ってる事だって眉唾モンかも知れないっすよ」
クラピカ「しかし、荒岩さんでも失格だとするなら、誰も合格出来ないのではないだろうか?」
全員「……」
荒岩(魂のこもった料理? 俺は、俺の作った料理で笑顔になる人が見たくて料理を作ってきたんだ。それに、魂はない?)
荒岩(俺の料理とは、なんだ?)
_その後、誰も合格者は現れなかった_
ブハラ「合格者無し、ってのは不味いよメンチ」
メンチ「それじゃ、審査を甘くしろっての? そんなのは料理の道に反するわ」イライラ
ネテロ「それでも、ちと厳しすぎやしないかの?」
メンチ「会長!」
ネテロ「メニューを変更して、君にも実演してもらって再試験というのはどうじゃ?」
メンチ「わかりました、そしたらメニューは」
メンチ「ゆで卵よ」
_マフタツ山_
メンチ「マフタツ山に生息するクモワシの卵のゆで卵、これを作れば合格よ」
メンチ「大釜に熱湯はこっちで準備するから、貴方たちも私みたいに卵を捕ってくればいいわ」
メンチ「私にとっての信念は、料理人として、もといハンターとして、未知なるものへの探求よ」
メンチ「はじめ!」
ゴン「こういう方がハンターって感じだよね」
レオリオ「そうだよな」
クラピカ「単純明快だ」
荒岩(ハンターとしての、未知なるものへの好奇心、そして新しい調理法の発見、共有)
荒岩(そうだ、俺はもっとたくさんの人を笑顔にしたい、こんなところで止まるわけにはいかないんだ!)
ゴン「どうしたの荒岩さん、行かないの?」
荒岩「いや、なんでもない、行こうか!」
_クモワシの卵ゲット_
メンチ「とった卵はこの大釜に入れて、さあ市販の卵と食べ比べてみて」
荒岩「うむ、うまい」
荒岩(この濃厚な黄身、卵料理以外にも流用できそうだな)
荒岩(たとえば、ソースに加えて、調味料としても使えるんじゃないだろうか)
荒岩「ゴン、キルア卵を4つばかり取ってきてくれないか」
ゴン「分かった、行こうキルア」
キルア「なんで俺まで…」
荒岩「美味い物を食わせてやるぞ」
荒岩「さて、3つは固ゆでのゆで卵にして、その間にソースを作るゾ」
荒岩「市販のソースに卵黄を加えるだけじゃ物足りないな、塩加減の調整と、途中で仕入れたミントを使って、そこにかき混ぜた白身を加えてと」
荒岩「出来たぞ、ゴンとキルア、食べてくれ」
ゴン キルア「いただきまーす」
ゴン キルア「うまい!!」
荒岩「ただのゆで卵も美味いが、少し手間をかければもっとうまくなるんだ」
荒岩「後1つは_」
荒岩「メンチさん」
メンチ「あなた、あの寿司の」
荒岩「もう一度、勝負してください、ゆで卵のソース和えです」
メンチ「いただきます」
メンチ「ふむ」
メンチ「味はまだ粗削りで、ミントも臭みが残ってるけど」
メンチ「この料理には、間違いなくあなたの魂があるわね」
荒岩「ありがとうございます」
メンチ「良い美食ハンターになれるわ、がんばりなさい」
_荒岩一味 二次試験通過_
_飛行船内で、荒岩はコックと共に料理の研究に明け暮れた_
_第三次試験 トリックタワー_
マーメン「ここが、第三次試験会場となります。試験内容は、72時間以内に生きて下まで降りる事です。それでは、始めて下さい」
荒岩「カボチャチャーシューメン明太子コンビーフ」
荒岩「うう、もっと研究がしたい。何とかして早く降りなければ…」
モブ「俺にかかれば、こんな絶壁楽勝だぜ」
鳥「ギャース」
モブ「ぎゃあああ」
荒岩「ふむ、崖を伝うのが一番の近道だが、そのまま降りたのでは狙い撃ちか」
荒岩「あの鳥の研究もしたいしな、さてどうしたものか」
荒岩「そうだ、いっそのこと利用するのも手だな」
荒岩「やってみるぞ」
ゴン「荒岩さん、ダメだよ、そのまま降りたら鳥に食べられちゃうよ」
荒岩「ゴン、逆だ。今から鳥を襲うのさ」
鳥「ギャース」
荒岩(予想通りだ)
荒岩「はっ」トビツキ
鳥「ギャース」バタバタ
荒岩「牙と爪は発達しているが、案の定背は普通の鳥と変わらないな」
荒岩「そして、背中を攻撃は出来ない」
荒岩「動脈を切る」ザクリ
鳥「グギャアア」ヒュウウン
荒岩「落ちるか、よーし」
ドサッ
荒岩「ふぅ、落下時のクッションになって何とか助かった」
マーメン「おめでとうございます、三次試験の新記録ですよ荒岩さん」
荒岩「そうなのか。それより、この近辺の調査はして良いのか?」
マーメン「生き残る事が出来れば、ですが」
荒岩「うむ、わかった。食料調査に向かうゾ」ガサガサ
マーメン「ストイックな受験生だなぁ」
荒岩「未知の食材が、ここにはまだたくさん眠っているようだな、楽しみになってきたゾ」
_荒岩一味 三次試験通過_
ヒソカ「僕が一番かい?」
マーメン「いいえ、荒岩さんですよ。試験トップの通過です」
ヒソカ「え…?」
荒岩「このキノコは使えそうだな、きんしゃい屋のママに教えてやらんとな」
荒岩「さて、研究研究」
_72時間後_
ゴン「全員で降りれたね」
キルア「そーだな」
クラピカ「ゴンの発想力の賜物だな」
レオリオ「さすがだぜ」
ゴン「なんだかいい匂いがする」クンクン
荒岩「長い時間おつかれさん、さあ食べな」
荒岩「鳥の丸焼きに、この辺の野草と混ぜたシチューだ」
レオリオ「うまそーだな」
荒岩「アツアツをかぶりつくんだ、うまいゾ」
荒岩「さあ、みんなで食べよう。全員分あるぞ」
他の受験生「俺たちも良いんすか?」
荒岩「当然だろ、冷める前に食べようぜ」
みんな「いただきまーす」
みんな「うまーい」
荒岩(少し味付けが薄かったかな)
_船内_
リッポー「三次試験通過おめでとう、さっそくだがくじを引いてくれ」
リッポー「引く順番は、タワーを脱出した順だ、荒岩さん」
荒岩「うむ」
リッポー「四次試験では、6点分のプレートを集めてもらう」
リッポー「引いた受験生の番号のプレートは3点、そうでないプレートは1点だ」
リッポー「試験期間は7日間、それまでに6点以上のプレートを集める事」
カラ「それでは、ゼビル島に着くまでの2時間、船の旅をお楽しみ下さい」
荒岩「うむむ」
キルア「どうしたの、荒岩さん?」
荒岩「一緒に笑顔で飯を食った奴らと、プレートを奪い合うのか、ってな」
キルア「荒岩さんは、優しすぎなんだよ。俺が、荒岩さんを狙ってるかもしれないんだぜ」
荒岩「本当に俺を狙っているなら、話しかけてきたりしないさ。それに、キミなら卑怯な事はしない。俺はそう信じてるさ」
キルア「な、、そこが甘いっての!ありえねーよ///」
荒岩「そうかな」
キルア「調子狂っちゃうぜ」
荒岩「新しい島でも、新しい料理の研究が出来そうだしな。腹が減ったら来いよ、俺には何もないが、胃袋だけは満足できるだろ」
キルア「ありがとう、荒岩さん」ボソッ
荒岩「素直でよろしい」
_ゼビル島_
カラ「それでは、一番の荒岩さん、どうぞ」
荒岩「うむ、ありがとう」
荒岩「さーて、研究研究」ワクワク
他の受験生(荒岩さんは狙えねーよ…)
荒岩(しかし、俺も狙われているのか…うむむ、少し怖いが、まあいいか)
荒岩「来る者拒まず、かな。プレート集めは二の次だ」
_それから、荒岩は訪ねてくる受験生には出来る限りの治療と、食事を与えた_
_6日目_
荒岩「今日は、とっておきの鹿の燻製だゾ、初日からじっくり臭みをとって熟成させていたからな。うまくできそうだ」ルンルン
モブ「ううう…、自分のプレートを守る事に時間を費やしていたらターゲットを狙えなかった…」
モブ「こうなったら、誰彼かまわず狙ってやる」
モブ「あれは、荒岩さんか。腕っぷしは大したこと無さそうだし、いけんべ」
モブ「うおりゃー」ガシャーン
モブ「ぎゃああ、熱いい!!!」
荒岩「いかん、熱い鍋を地面に置きっぱなしにしていた」
荒岩「キミ、大丈夫かい?」
モブ「熱い!熱いい!」
荒岩「なんてこった、大やけどじゃないか」
荒岩「兎に角すぐに冷やすぞ、よく冷やしたら薬草をすりつぶした液を塗るんだ」
モブ「ううう…」
荒岩「俺の不注意で、とんでもない事をしてしまった。出来る限りの治療をさせてもらう」
荒岩「さすがに、包帯も切れたか、ええい」ビリビリ
モブ「荒岩さん、何を…」
荒岩「簡易の包帯だ。今患部をしっかり治療しないと、一生モノの傷になっちまう」
モブ「うう…、意識が」
荒岩「これはいかん、おい、おい!」
_最終日_
モブ「うう、ここは」
モブ「そうだ、俺は荒岩さんのプレートを奪おうとして…」
モブ「これは、新しい薬草と包帯じゃないか!!!」
荒岩「zzz」
モブ「俺はなんて事を…」
荒岩「ん?良かった、目が覚めたな」
モブ「荒岩さん、これを」
荒岩「これは、君のプレートじゃないか」
モブ「俺はまた来年チャレンジします。それよりも、俺は荒岩さんにどうしても合格してほしいんだ」
荒岩「確かに、今確認した君のプレートは、俺のターゲットだ。しかし_」
モブ「いいんです、貰ってください。こんな俺を助けてくれてありがとう、荒岩さん」
モブ「そろそろ試験も終わります。これまでだって、荒岩さんの料理で俺たちは助かってきたんです、だから恩返しをさせて下さい」
荒岩「うむむ…」
荒岩「ありがとう。君の厚意は、無駄にはしないゾ」
_荒岩一味 四次試験通過_
_飛行船内_
レオリオ「荒岩さん!」
荒岩「レオリオじゃないか、どうしたんだその傷は?」
レオリオ「蛇に噛まれただけっすよ、解毒剤も飲んだんで、腫れが引けば問題ないです」
荒岩「それならいいが、そうだこの乾燥キノコを食べると良い、体内の活力を高めてくれる作用があるんだ」
レオリオ「荒岩さんのいう事なら、ありがたくいただきます」
荒岩「うむ、味付けも改良したから、それなりに食えるはずさ」
レオリオ「うまいっす、荒岩さん。俺、この試験で荒岩さんに会えて、本当によかったですよ」
荒岩「おいおい、大袈裟だな」
レオリオ「そうだ、ゴンにもこのキノコを分けてやって下さい、あいつも酷く噛まれたんで」
荒岩「うむ、わかった」
荒岩「ゴン、腫れはどうだ?」
ゴン「荒岩さん…」
荒岩「どうした、元気がないじゃないか」
ゴン「俺、ヒソカにプレートを譲られたんだ…。断ったけど、怖くて動けなかった…」
荒岩「悔しいか?」
ゴン「とっても」
荒岩「そうか、なら強くなれ、その為には_」
荒岩「美味い物をいっぱい食べて、身体を元気にしないとな」ズイ
ゴン「これは?」
荒岩「試験中に作った乾燥キノコさ。体内の活力を高めてくれる」
荒岩「今のゴンにぴったりさ」
ゴン「ありがとう、荒岩さん」
荒岩「なーに、たくさんあるから、あるだけ食べな」
ネテロ「…ふむ、荒岩一味か」ボソッ
荒岩「ん?」
ネテロ「おっと、いかんいかん」
ネテロ(勘も鋭いか、こりゃあますます楽しみじゃわい)
荒岩「まぁいいか、さて、厨房に行かないと…」
みんな「うまーい」
荒岩「うむうむ、修行の甲斐があったな」
ネテロ「んー、荒岩君」
荒岩「ネテロ会長?」
ネテロ「ちょっとした面談をしたいから、ワシの部屋に来てくれ」
荒岩「はい」
_会長室_
ネテロ「さて、荒岩君。君はなぜハンターを目指すのじゃ?」
荒岩「そうですね。最初は訳も分からずにいましたが、料理一つにしても、好奇心と熱意にあふれています。私はそう言った環境に身を置いて、料理に限らずもっと色々な事を知りたいんです。ハンターになるのは、その通過点に過ぎません」
ネテロ「ふむ、よろしい」
ネテロ「注目している相手と、戦いたくない相手を教えてくれ」
荒岩「注目しているのは、ゴンですね。合格してほしいと思います」
荒岩「戦いは正直苦手なので、基本的に全員とは戦闘は避けたいですね」
ネテロ「うむ、わかった」
荒岩「うむむ…、不思議な爺さんだったな」スタスタ
荒岩(会社の命令とはいえ、ついにここまで来たんだな)
荒岩「みんなは、元気にしているだろうか?」
クラピカ「故郷が懐かしいのですか、荒岩さん?」
荒岩「いや、残してきた家族の事を考えていてな」
荒岩「クラピカも、故郷には話せる仲間がいるんだろう?」
クラピカ「いえ、私は」
荒岩「これは、失言だったかな」
クラピカ「気を悪くしないで下さい、察しの通りです」
荒岩「すまなかった。それより、肩に虫がいるぞ」
クラピカ「虫?」
荒岩「これは、クモか?」
クラピカ「くっ」ゾワッ
荒岩「緋の目か_成程」
クラピカ「落ち着けば、直ぐに元に戻ります」
荒岩「クラピカ、これを食え」
クラピカ「これは?」
荒岩「いつかのミントだ。改良してあるから、味も青臭さが消えているはずさ」
荒岩「修羅の道か。君は、俺なんかよりも大きいものを背負いすぎているよ」
クラピカ「しかし、決めた事なので」
荒岩「君には素敵な仲間がいる、願わくば俺もその中に入っていると嬉しいんだがね」
クラピカ「…」
荒岩「一緒に美味い物を食って笑おう、あと一歩じゃないか」
クラピカ「荒岩さん…、ありがとう」
_最終試験_
ネテロ「最終試験は、トーナメントで行う。一勝したら合格じゃ。つまり、不合格は1人のみ」
ネテロ「ついでに、殺してしまっても失格となる」
ネテロ「武器もOK反則は無し。相手に参ったと言わせるんじゃ」
ネテロ「それでは、始め」
一回戦
○ゴンVSハンゾー×
二回戦
○クラピカVSヒソカ×
三回戦
○ポックルVSキルア×
四回戦
荒岩「ついに、出番か…」
ギタラクル「カチカチ」
荒岩(こいつは、俺の料理を食べたことが無い…)
荒岩(正直言って、全く未知の相手だ。しかし)
荒岩「負けられん」
試験管「はじめ!」
ギタラクル「お前は俺には勝てないよ」
荒岩「そうならないために、こうして勝つんだよ」
_数時間後、死闘はまだ続いていた_
荒岩「ぜぇぜぇ、あいつのピンは底なしか」
ギタラクル「…、当らない」
荒岩「いつの間にか、あいつの攻撃も見切れるようになったが、しかし」
ヒソカ「凝か、いつの間に…」
荒岩(持久戦ではこっちに分が悪いか)
荒岩「さすがに限界だ。このままだと押し負ける…」
ギタラクル「そろそろだな…」ジャキン
荒岩「な…んだと…??凄まじいピンの量だ」
_荒岩は、包丁を回転させてピンを跳ね飛ばした_
荒岩「どうだ!」
ギタラクル「ふーん、そろそろ顔もきついから、本気出すとするよ」
荒岩「ん、顔のピンを抜いた?」
イルミ「ふぅ、もう少し隠しておくつもりだったけど、君がしぶといから、こっちも本気を出すとするよ」
荒岩「何だ・・、この禍々しい気迫は…」
キルア「そんな、どうして兄貴が…」
イルミ「キル、話は後だ。こいつを片付けてから話をしよう」
キルア「ガタガタ」
荒岩「お前は、キルアの兄か」
イルミ「そうだね」
荒岩「彼はあんなに怯えている、彼に何をしたんだ?」
イルミ「家族の事情さ、君には関係ない」
荒岩「何故、兄弟にそんなことが出来るんだ?」
イルミ「関係ないだろ」
荒岩「そうか、こっちもはっきりしたよ」
イルミ「何が?」
荒岩「お前のような男にまいったとは、死んでも言わんゾ」
_その時、荒岩に古代人の力が復活した_
(コミックス118巻参照)
_鰐の顎を引き裂く腕力、どこまでも見通せる視力、厳しい環境に耐える強靭な肉体が蘇った_
荒岩「うおお!」
イルミ「このオーラは?」
イルミ「ぐはっ…」
荒岩「両肩の腱を切った。これでピンは投げられんだろう」
イルミ「…」
荒岩「さあ、キルアにあやまれ」
キルア「荒岩さん…」
イルミ「…」
荒岩「俺は本気だぞ、ここでお前を二度と動けないようにすることだって出来る」
イルミ(くそ、腱を切られて動かない)
イルミ「まいった」
試験管「試合終了です」
荒岩「まだ話は終わっていな…い…ぐはっ…」バターン
_荒岩気絶_
荒岩「はっ!」
サトツ「起きましたか、荒岩さん」
荒岩「俺は、いったい…」
サトツ「丸三日も寝ていたんですよ、荒岩さん」
荒岩「試験は?」
サトツ「ボドロ氏が不合格になりましたが、後は皆合格です」
荒岩「そうですか」
サトツ「ともあれ、ハンター試験合格おめでとうございます」
荒岩「ありがとうございます」
サトツ「あなたの心の優しさに救われた受験生はたくさんいるでしょう、それがあなたの美徳です」
サトツ「本当におめでとうございます。常務も喜んでいますよ」
荒岩「ん、常務?」
常務「いやーおめでとう荒岩君、君ならやれると思っていたよ」ドアバーン
荒岩「常務?」
田中「課長―!ハンター試験合格おめでとうございます!!」
江口「おめでとうございまーす!!」
荒岩「お前ら」
虹子「あなた、ほんとうにおめでとう」ニコッ
荒岩「お前も、どうしてこんなところに?」
虹子「テレビで観てるだけじゃ我慢できなくなっちゃって」
荒岩「テレビ?」
田中「課長の活躍は、途中まで衛星で中継されてたんですよ」
江口「ジャングルの活躍とか、もうカッコよすぎで痺れましたよ」
けいこ「絶対においしいものを食べさせてあげたい、という思いが溢れていましたよ」
荒岩「うむむ////」
常務「積もる話もあるじゃろうが、荒岩君にはこれから簡単な講習を受けてもらわねばならん、のうサトツさん」
サトツ「ええ、荒岩さんこちらに」
_会議室_
サトツ「_というわけで、ライセンスの管理はくれぐれも慎重にお願いします」
荒岩「うむうむ」
サトツ「では、これで終わりです」
荒岩「サトツさん」
サトツ「なんですか?」
荒岩「ゴン達はどうなりましたか?」
サトツ「彼らは、ゾルディック家に向かいました。キルア君の家族と話をつけるつもりの様です」
荒岩「そうですか…」
サトツ「ともかく、これからどんなハンターになるかは荒岩さん次第ですよ」
荒岩「はい、ありがとうございます」
_それから、荒岩は日本に戻った_
荒岩「今日はパーティだぞ」
荒岩「ハンター試験で研究した料理のフルコースだ、存分に味わってくれ」
田中「この豚の丸焼きが」
江口「このミントのパスタが」
梅田「野菜スープが」
工藤「ゆで卵ソース和えが」
みんな「もっ、最高!」
田中「課長も一緒に呑みましょうよ、今日の主役じゃないですか!」
荒岩「今日の俺は、楽しむより楽しますモードに入ってるのさ」
シンゴ「荒岩さん、新鮮な魚っす!」
荒岩「おう、来たな」
シンゴ「何を作るんすか?」
荒岩「握り寿司と、魚のステーキをな、食ってくか?」
シンゴ「良いんですか?」
荒岩「おう、商店街のみんなも呼びな。派手にやろーぜ」
_宴は続いて_
常務「いやー、楽しんどるね」
荒岩「常務」
常務「せっかくハンターになってもらったんじゃ、会社の為に、尽くしてくれたまえ」
荒岩「勿論です」
常務「それでな、少し先の話しになるが、また出張してくれんか」
常務「行先はヨークシン・シテイじゃ、わかるな?」
荒岩「ええ」
常務「9月に行われるオークションに参加してほしい」
荒岩「わかりました」
常務「試験を受けた仲間もそこにいるらしい、仕事とはいえゆっくり羽を伸ばしてくると良いじゃろう」
荒岩「そうですか」
虹子「うふっ、あなたとっても嬉しそうよ」
荒岩「うむ、新しいものに対する好奇心がな、抑えきれんよ」
虹子「あなたらしいわ」
みゆき「とーちゃん、かーちゃん」
虹子「どうしたの、みゆき?」
みゆき「みんな見てるよー」
荒岩「うむむ///」
虹子「あらあら///」
田中「こりゃー、お邪魔虫は退散するとしますかね」
けいこ「それじゃ、本日はお招きありがとうございます」
荒岩「うむ、俺がいない間サポートしてくれて助かったよ」
けいこ「今度はヨークシン・シティですもんね。成果期待してますよ」
荒岩「うむ、任せろ!」
おしまいです。
クッキングパパとハンター×ハンターはどちらも好きです。
読んでくれた人ありがとう。
乙
かずみちゃんかっけー
乙
乙乙
おっつおつ
このSSまとめへのコメント
良い感じっす。続き早よ