誰か教えてくれ
笑顔で尋ねる男の声には、対照的に険しさがあった。
女の肩に置かれた手が痛みを感じる程度の強さで握る。
それでも振りほどけない拘束ではない。
少し腕を振れば容易にどかすことができる。
けれども女はそれをしなかった。できなかった。
「誰だよ。俺にちゃんと教えてよ」
聞き慣れたはずの恋人の声が、意味を持たない音として聞こえた。
Free!のキャラかな
日本語という名前のついた音。
突然の追及をされて処理能力を越えた頭は、驚きと焦りでまともな働きを失っていた。
頭が真っ白になるというのはこういうことを指すんだな、と女は思った。
許しを請う謝罪、その場を凌ぐための言い訳、事実を勘違いと言い切る冤罪。
頭の中をぐるぐる巡る言葉はどれも自分勝手なもので、どれを選んでも正解ではない気がした。
連れ込まれた路地裏。狭い通路の先に見える道路には、いつも通りの喧騒が溢れていた。
いつも通りの、ごまかしてこれたからこその日常が。騒々しさに浮かれていられた毎日が。
手を延ばしても届かないありふれた風景が懐かしくなり、気付くと目から涙がこぼれていた。
きっとこれはたぶんこうじゃないですか?
馬鹿の立てた糞スレが>>2のおかげでSS っぽくなったな
>>2よ、ナイスだ。
ただし、ちょっとSSが絡んじゃうと削除しづらくなるという
つまり、完結までオネシャス
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