2月14日
269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した聖ウァレンティヌス(テルニのバレンタイン)に由来する記念日だと、主に西方教会の広がる地域において伝えられていた。
兎にも角にも由来はどうであれ、世間では今も昔も男女にとっては様々な思惑がこの1日に交錯し、混沌する。
――普段は世間から断絶されていると言っても過言ではない彼らも、今回はその例外ではない……
―特車2課・第2小隊オフィス―
野明「………」
熊耳「………」
山崎「………」ソワソワ
進士「………」ソワソワ
遊馬「………」ソワソワ
野明「……ねぇ熊耳さん」
熊耳「なぁに泉さん」
遊馬・山崎・進士「!」ガタン
野明「ちょ、ちょっと、どうしたんだよ!いきなり」
遊馬「いや……別に……」
これは珍しい
野明「なんか……朝からみんな、ちょっとおかしくないですか?」ヒソヒソ
熊耳「そうねぇ、整備班もいつもより落ち着きがなかったわね」ヒソヒソ
野明「……なんなんでしょうね」
熊耳「なんなのかしらねぇ……」
遊馬(……ちきしょ!あの二人、わかってるくせに惚けやがって!)
山崎(……貰えるのかなぁ、貰えるのかなぁ)
進士(ベ、別に多美子さんから貰えるわけだし、そんなアセアセする必要も……いやでもやっぱりここは職場の人間関係を円滑に……)
男一同「………」ソワソワソワソワソワソワ
野明「あれ、そう言えば太田さんは?」
熊耳「太田君なら、何だか本庁に直接提出しなきゃならない書類があるとかで遅れて来るみたいよ」
野明「ああ、通りで静かだと」
熊耳「そうねぇ、太田君がいないとこんなに静かなのよねぇ……」
遊馬(……そうだ、渡すなら軟弱だとか何だとかギャーギャーうるさい太田が帰って来る前に!)
山崎(太田さんがいると色々厄介ですからね……)
進士(ですから、お二人とも……)
遊馬・山崎・進士(さあ!さあ!さあ!)
ガラッ
シバ「やっほー!泉ちゃん!熊耳さん!」
整備班一同「どうもこんにちは!」
野明「あれ、シゲさんたち、どうしたの?」
熊耳「わざわざ全員そろって……」
シバ「やぁ、いい天気だと思って!さぁ!ねぇ?」チラッ
整備員A「本当、今日はいい天気ですねぇ!」チラッ
整備員B「本当、今日はなんだか特別な日のような気がしてきたぞ!」チラッ
野明「?」
熊耳「……一体どうしたのよ」
シバ「ほら……バのつく!」
野明・熊耳「バ?」
遊馬「そうだ野明!今日はバのつく……ほらっアレだアレ!」
野明「バ……バ……バ……うーん」
一同「………」ゴクリ
野明「ああっ!」
一同「おおっ!」
野明「アルフォンスの『バランサー点検の日』!」
一同「………」ズコーッ
遊馬「違うっちゅうの!」
野明「じゃあ『バッテリー交換の日』!」
遊馬「違う!」
野明「じゃあ『バビロンプロジェクトが…」
遊馬「違う!違う!違う!」
野明「じゃあなんなのさ!」
遊馬「……野明、お前は日頃世話になってる男性職員一同にチョコレートのひとつやふたつ、配ろうって気にはならんのか」
野明「……あっ、そっか、今日はバレンタインデーだったんだ」
シバ「そう!それ!ビンゴよ泉ちゃん!」
野明「……ちょっと待ってよね」ガサゴソ
一同「………」ゴクリ
野明「………」ガサゴソ
野明「………」ガサゴソ
野明「………」
野明「……何にもないや、ごめん」テヘッ
一同「………」ズコーッ
南雲さんは・・・?南雲さんはいないの・・・?
遊馬「無いなら、期待させるような事をするなちゅーの!」
野明「仕方ないだろ!急に言われたってなんにも無いんだよ!」
遊馬「だからお前には細やかさ足りないっちゅうんだ」
野明「貰う側の言うセリフか!」
シバ「ま、まあ、泉ちゃんだし」
山崎「そうですよ泉さんですし」
進士「泉さんですから」
遊馬「まあ、野明だからな……」
野明「……皆してどう意味だよ、それ」
遊馬「って事で熊耳さん!熊耳さんなら……」
熊耳「………」カタカタカタ
進士「あの……」
熊耳「…………」カタカタカタカタカタ
進士「熊耳……さん?」
熊耳「……………」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
シバ「……」
遊馬「野明もダメ、熊耳さんもダメ、ということになるとうちにいる女性警官は」
一同「南雲隊長」
遊馬「……」
シバ「……」
進士「……」
山崎「……」
遊馬「解散」
シバ「かいさん、かいさーん!これからイングラムのバランサーのチェック、しなきゃなんないんだからさぁ!日付変わるまでに終わらせないとおやっさんに海に叩きこまれるよぉ!」
整備員A「ちぇー……」
ゾロゾロゾロゾロゾロゾロ……
遊馬「はあ、可哀想な俺達だなぁ。ここ数年、世間一般のイベントに何一つ関われてない」
山崎「クリスマスはありませんでしたし、お正月もありませんでしたよね」
遊馬「GWもなけりゃ夏休みも海開きも勤労感謝の日すら除け者だよ。こんなに働いてるのにおかしい話だろ」
遊馬「その中で唯一手軽に実現可能なのがバレンタインデーってわけだ。チョコレートを渡しゃそれで済むんだからな」
野明「だったら、欲しいなら欲しいって前々から言っておくべきでしょ。未練がましいぞ遊馬」
遊馬「そう言う問題じゃない」
野明「そんなにチョコレートが食べたいんだったらコンビニで買ってくればいいじゃない。はい、1000円。大きい袋3つくらいあれば全員分足りるだろ」
遊馬「…だからお前は何にもわかっとらんっちゅうんだ」ハァ
野明「なにがだよ」ギロッ
山崎「あ……あの、なんか空気が……」
言っちゃあなんだけど誰得やねん
パトレイバーは好きだけど別にvipでなんちゃってSS読みたいとは思わぬ
進士「ぼ、僕たちがはしゃぎ過ぎちゃっただけですから泉さん……」
熊耳「そんなことより、始末書、終わったの?提出は今晩よ」カタカタカタカタカタ
遊馬・野明・山崎・進士「………はい」
ガチャッ!
シバ「ちょっとぉ!事件だよ事件!」
遊馬「まーた、後藤隊長の馬券が当たったとか?」
進士「今度は3000円くらいですかね」
シバ「そんなチンケな話じゃなくてぇ!来たんだよ!太田さんに!」
熊耳「太田くんに?」
野明「何が?」
シバ「小包が!」
遊馬「そら小包くらいは来るだろうよ」
進士「そうですよ、いくら人付き合いが悪い太田さんだって小包くらいは」
シバ「問題は中身!中身なのよほら!」
遊馬「えー、中身は食品」
野明「『チョコレート』」
一同「…………」
一同「うええええええ!!!?」
野明「おっ、太田さんにチョコレートぉ!?」
熊耳「ま、まさかそんな……バカな」
遊馬「破壊狂で銃マニアで、歩く火薬庫と呼ばれた松本加奈ファンクラブ会員番号0001番を持ってるようなアイドルオタクの太田にそんなもん来るわけがない!断じてない!」
シバ「でも宛名は太田ちゃんなのよ。ほら」
進士「『東京都港区13号埋立地特車2課・太田功様』……太田さんですよ、間違いなく」
野明「さ、さ、差出人は!?」
シバ「それが破れちゃってて分かんないのよ。後で持ってくるとは言ってたけど」
遊馬「差出人が分からんとなれば、だ…誰が太田に送って来たんだかますます気になるってのが人情だ」
進士「でも分からないんじゃなんとも。プライバシーの観点から聞いても業者は答えてくれませんし」
熊耳「ちょっとみんな、仕事中よ。それに、太田くんの個人的な問題なんだし……」
遊馬「熊耳さんは気にならないんですか?」
熊耳「気にならないと言えば嘘になるけど」
遊馬「それはいけない。気になったまま仕事をすれば効率が落ちる!」
熊耳「……そうかしら」
一同「そうです!」
熊耳「それもそうねぇ」
一同(……第一関門突破!)グッ
遊馬「んで、話を戻すと、三通り考えられる」
遊馬「一つ、第三者が太田に送ってきた。一番あり得そうな話に思えるが太田に限っては一番あり得ない」
遊馬「二つ、実家の母親が太田に送ってきた。間違えて職場に送ってしまうあたりが実に母親らしい」
野明「……そうかぁ?母親なんだからそう言うところは気をつけるんじゃない?」
遊馬「……三つ、太田が自分自身に送った。俺としてはこれを一番推したい」
野明「まさか」
熊耳「そんな……ねぇ」
再放送?
進士「いや、意外にあることかも知れませんよ。学校なんかでは見栄を張るために自分で自分の下駄箱にチョコレートを入れる生徒もいましたから」
シバ「でも、あの太田ちゃんが、そんな自作自演するぅ?」
遊馬「そう言う人間がやるから自作自演の意味があるんですよ。わざわざ特車2課に送ってくるあたりがなんとも……」
野明「あれっ、これ翌日到着ってなってない?」
熊耳「本当だわ。ということはチョコレートが発送されたのは昨日ってことになるわね」
シバ「だとすると……あれぇ?遊馬ちゃん、ちょっとおかしくなぁい?」
シバ「昨日は確か第2小隊は一日中勤務だった訳でチョコレートを買いに行く暇も、ましてや、遠くの郵便局もしくは宅配便の営業所に行くなんて無理に等しいようなもんでしょ」
遊馬「じゃ、じゃあ!実家の……」
野明「それも変だよ。太田さんの実家って岩手でしょ?確かここの会社、岩手って範囲外じゃなかったっけ」
熊耳「速達でもないし……岩手からここまで1日では無理ね」
遊馬「じゃあ……まさか」
一同「………第三者から」
遊馬「いや、でも太田に限って…そんな……」
野明「太田さんに送りそうな相手と言ったら……」
進士「……香貫花さん」
一同「………まさか」
一同(……でも、文通してるらしいし)
>>19
微修正+追加
シバ「でもそしたら普通海外なら海外だって書いてあるんじゃないのぉ?」
野明「だ、だよねぇ!」
熊耳「海外なら翌日到着は更に考えにくいわ」
進士「翌日到着ってことはですよ、首都圏……まあせいぜい長野から静岡あたりだとして」
山崎「……そうだ、あの…太田さんが前にお見合いをした方とか」
遊馬「あの二人結婚したんだろ。旦那がいるっていうのに、わざわざ送るかよ」
野明「でもその線はありだよひろみちゃん!事件解決のお礼みたいな感じでさぁ」
遊馬「特車2課の悪評のほとんどを築き上げたような男に、か?」
野明「……わかんないぞ。太田さんって、たまに凄い時があるからさ」
熊耳「そうねぇ、チョコレートが太田くんに届いてること自体は揺るぎない事実なんだし」
カラカラカラカラ……
シバ「………うーん」
カラカラカラカラ……
シバ「あとちょっと……」
野明「何やってるの?シゲさん」
シバ「いやね、中身の形状がわかんないかなーって思ってさぁ」
野明「箱振っただけでわかるの?」
シバ「食玩の類で養ったからねぇ……うーん……これはぁ……」
一同「これは!?」
シバ「………間違いなく」
一同「………間違いなく?」
シバ「ハート型だね、こりゃ」
一同「………」
一同「ハート型ァァァアアアアア!?」
遊馬「は、は、ハート型のチョコレートがあの太田に……」
一同「ぶううううううう!!」
野明「ちょ、わ、わらっちゃ悪いよ、んひっ」
遊馬「そ、そ、そういうお前も……ぶふっ」
熊耳「だ、だめよわらっちゃ……んふっ」
シバ「ひぃー!ひぃー!お、太田ちゃん!」
山崎「んふっ」
進士「ぷふっ!太田さんにハート型のチョコレートって!」
一同「…………ふぅ」
野明「……一通り笑って落ち着いて考えてみるとさ」
遊馬「……なんだ」
野明「いくらなんでもお礼にハート型のチョコレートは送らないよね」
遊馬「……送らんな」
シバ「……愛されてるよね」
進士「職場にハート型のチョコレートを送りつけてくるくらいですからね」
野明「………どういう人なんだろう」
遊馬「想像するだけ体力の無駄だ。ただ」
野明「ただ?」
遊馬「美人だったら頭にくる」
野明「………はぁ」
進士「とにかく、相手は相当太田さんに熱をあげてますよ。」
シバ「しかもわざわざ見せびらかすように送ってきてるんだから、いやだねぇー」
遊馬「……やっぱり太田には俺たちの知らない間に女が出来てたのか」
進士「香貫花さんはデコイだったんですね……」
シバ「こりゃ確定事項だね」
進士「想像するに、かなり自分に自信のある人ですよ。それから太田さんの行動範囲を考えると都内でしょう」
遊馬「ってことは美人なのか!?美人ってことなのか!?」ぐいっ
進士「ま、まあ、確定はしませんけど……多分…美人でしょうn……」
遊馬「ぬわあああああああああああ!!!」
遊馬「どうして太田なんかに彼女が出来るんだよ!それも!美人が!おかしい!おかしい!おかしい!」
野明の口調がちょっと……
野明「太田さんには何か、遊馬にはないような魅力があったんじゃないの?」
遊馬「太田の魅力?なんだよそりゃ!」
野明「声が大きい」
進士「止まっている相手なら百発百中ですよ」
山崎「よく食べますよね」
シバ「ああ、あと上司には従順かな」
熊耳「耳がいいわよ」
遊馬「………魅力か?」
一同「………」
野明「でも気になるよね、やっぱり太田さんの彼女」
進士「意外とアイドルオタクな太田さんのことですから、亭主関白に見せかけて…」
(以下想像)
太田「○○たん帰ったぴょん!」
女「功たんおかえりだぴょん!」
太田「今日も疲れたぴょん……」
女「功たん元気だすぴょん!ぴょんぴょんビーム!!」
太田「元気が出たぴょん!ありがとぴょん!」
一同「………」
一同「おええ……」
野明「…って言うかこんな感じの話、前にどこかでしたような気がするんだけど」
遊馬「………気のせいだ」
野明「……とにかくさ、遊馬。太田さんに直接、ちゃーんと聞いてみたら?」
遊馬「ダメだ!お前は事態の深刻さがわかっちゃいない!」
野明「深刻って大袈裟だなぁ……」
シゲ「太田ちゃんには彼女がいて、われわれにはいない!!」
遊馬「これ以上の恥辱があるものかよ!!」
進士「僕には多美子さんがいますけど」
男一同「………」ギロッ
進士「ひいい!」
遊馬「………開けるか」
野明「ま、まずいってばぁ!」
シゲ「だけど気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって仕方ないよぉ!これじゃあ仕事も手につかない!!」
整備員一同「そうだそうだ!我々をこういう状態にした太田には、我々をスッキリさせる責任と義務がある!」
野明「………むちゃくちゃだよ」
熊耳「駄目よ。警察官たるもの、規範に沿った生活を心がけなきゃ。いくら気になるっていったって」
遊馬「熊耳さんは中身が気にならないんですか?」
熊耳「そりゃ気になるわよ。なるけど……」
シゲ「なるんだったらみちゃえば?」
熊耳「だ、だめよ!」
遊馬「でも気になるんですよね?」
熊耳「そ、それは……」
ガチャッ
一同「ッ!?」
太田「帰ったぞ」
一同「……お、お、おかえり太田(さん)(くん)!!!」ガバッ
太田「……なんなんだおまえ達は」
野明「な、な、なんでもないよ!ねえっ!」
山崎「そ、そ、そ、そうです!何でもありませんよ!」コクコク
進士「え、え、え、ええ!もう何でもありません!」コクコク
熊耳「ほ、ほ、ほ、ほら太田君!き、着替えてきたら!」コクコク
シバ「そ、そ、そ、そ、そうだよ!ね!」コクコク
太田「……やはり何かあったのか」
一同「なんにも!!!!」
太田「………」
太田「まあいい。ああ、それから」
一同「!」ギクッ
太田「……俺に小包が届かなかったか?」
一同「!」ギクッギクッ
野明「さ、さ、さ、さあ………」
シバ「し、し、し、し、しらないよね!!」
遊馬「あ、あ、あ、ああ!ああ!」コクコクコクコク
太田「そうか」
……ガチャッ
バタン
一同「………」
一同「……ほっ」
熊耳「危なかったわね」
野明「と、とりあえずごまかせたみたいだけど……」
遊馬「……届いてないと言っちまった以上」
一同(どうするよ………)
―――――
【廊下】
南雲「……一体何をやってるのよ後藤さんのところは」
後藤「………」
後藤「季節連動型レクリエーション」
南雲「………ご苦労な事で」ハァ
野明「……どうする?」
遊馬「……わざわざ口に出すんじゃない」
シバ「……いっそ本当に開けちゃう?」
野明「ダメだって!太田さんが帰ってきてるんだから!」
遊馬「って言ったって、このままじゃ気になって仕事が手に着かん」
野明「だから太田さんに素直に聞きなってば……」
男一同『それだけは死ッッッッッんでも嫌だ!!!』
野明・熊耳「……」ハァ
遊馬「……とりあえず、太田が帰ってきた以上は迂闊にはこの話題は出せん。しかし、その前にこの件に関する我々の統一した意思と指針を、あえて!示めして置きたいと思う!」
整備員A「賛成!」
整備員B「俺達の気持ちは今一つだ!」
男一同『くたばれバレンタイン!くたばれ太田ー!!!』
遊馬「独身主義に乾杯!!」
男一同(進士以外)『独身主義万歳!!!!!!!』
シバ「議題は終業後に持ち越す!解散!」
男一同『了解!!』
ゾロゾロゾロ………
野明「な……なんだなんだ……」
野明「……なんかさ、ちょっと太田さんが不憫なような気がしてきたんだけど」
遊馬「一番不憫なのは、何にも貰えん俺達の方だ。それに野明は気にならんのか」
野明「ものすごく気になるよ。太田さんの彼女」
遊馬「だろ?興味本位は詮索する第3の理由だからな」
野明「第1と第2の理由は?」
遊馬「裏切り者に対する弾圧と制裁、そして俺達、非チョコレート受給者のストレスからの解放」
野明「……良くやるよ」
ガチャッ
太田「………」ボケーッ
野明「あ、太田さんの分の書類はそこにあるよ」
太田「………」ボケーッ
野明「太田さん?」
熊耳「太田くんっ!」
太田「はっ!はい!熊耳巡査部長!!」シャキッ
熊耳「ぼうっとしてるみたいだけど、具合が悪いの?」
太田「い、いえ!失礼いたしました!」ビシッ
太田「………」ボケーッ
野明・熊耳「………」
野明「…なんだか太田さんの様子おかしくありません?」ヒソヒソ
熊耳「おかしいどころじゃないわよ。あんな太田くん、見るの初めてだわ」ヒソヒソ
太田「………ふへへへ」ニヘリ
野明「……わ、笑った!?」ヒソヒソ
熊耳「………笑ったわね」
ウー!ウー!ウー!ウー!
『第2小隊に出動要請!台東区上野にて不審な行動をするレイバーが出現!現場に急行せよ!繰り返す……』
遊馬「なんだよ出動か。野明、支度しろ」
野明「うん!」
熊耳「太田くん、急いで」
太田「…………」ボケーッ
野明「太田さん?」
遊馬「おい太田!行くぞ!」
太田「お、おお!」
遊馬「ったく太田ぁ、出動だってのに、なぁにやってんだよ」ギロッ
太田「存在そのものが規律違反みたいなお前に、とやかく言う資格があると思うのか?」ギロッ
熊耳「おやめなさい!」クワッ
太田・遊馬「……はい」
《現場》
レイバー「おーうおうおう!おーうおう!おーう!おーう!」
警察官「そこの不審なレイバー!直ちに停止しなさーい!」
後藤「……で、停止する位なら、俺達は要らないよなぁ」
熊耳「配置、完了しました」
後藤「はい、ご苦労ー様。んで、状況は?」
警察官「……まあ別に破壊行為なんかは行ってないんですけど……泣き叫ぶやら、なんやらで、近所迷惑なことは確かでして」
レイバー(お前ら)「どうしてかな!チョコレートがくれなかったんだ!!!!俺はあんなに、あんなに、貢いだのに……貢いだのにぃぃぃ!!」
野明「どうしてかなって言われても……ねえ」
遊馬「どうしようも、なぁ……」
後藤「どこも似たようなこと、やってるんだなぁ……」
レイバー「ああ!ああ!ああ!ううううう………あああああああ!!!」
遊馬「隊長、相手は何にもしてないんだから、このまま気が済むか、稼働限界までほっといたらどうです?お互い大事にならなくてWINWINでしょう」
後藤「みんなで幸せになりたいのは山々なんだけどね。ないとは思うけど、万が一暴れ出したりしたら…我々まとめてクビだよクビ」
遊馬(正直同情の余地ありなんだがなぁ)
後藤「右に同じ」
遊馬(よ、読まれた?)
後藤「読んだも何も、顔に書いてあるよ」
遊馬(い、一体…なんなんだこの人は……)
遊馬「ってことで野明、適当に相手を威嚇して、操縦席から降ろせ!」
野明「了解!」
イングラム(野明)「そこの不審なレイバー!近所迷惑だから直ちに降りなさい!今なら何の罪にもならない!」
レイバー(男)「ゲエェ!と、と、特車2課!!こっ、殺される!!!!」
イングラム(野明)「人聞き悪いな……一応死人は出してないはずなんだけど……」しょんぼり
遊馬「……変なところで戦意喪失するなよ」
イングラム(野明)「とにかく!何にもしないから、降りてきて、ねっ?」
レイバー(男)「………なら誠意を見せてほしい」
イングラム(野明)「せ……せいい?」
レイバー(男)「素直に降りたらチョコレートくれ!」
イングラム(野明)「え、ええー……」
レイバー(男)「くれないなら降りんぞ!」
イングラム(野明)「はいはい、わかったわかった。チョコレートでも何でもあげるから素直に降りてよね」
レイバー(男)「……本当だな」
イングラム(野明)「や、約束は守るよ。お巡りさんなんだから」
レイバー(男)「いやっほおおおおおおお!!!!カーチャン以外から初めてチョコレートもらえるぞぅぅう!!!」
野明(なんで私があげなきゃならないんだか全然よくわかんないけど……)
野明「ま、解決するなら…いっか」
レイバー(男)「ゴディバ!」
イングラム(野明)「へ?」
レイバー(男)「ゴディバくれ!」
イングラム(野明)「ちょ、ちょっと!流石に贅沢言い過ぎだよ!」
レイバー(男)「嫌なら……」
イングラム(野明)「ああん!もうわかった!わかったから!ゴディバでもゴテンバでもオテンバでもなんでもあげるから降りてきなさい!」
レイバー(男)「3000円くらいのじゃなきゃダメだからな!」
イングラム(野明)「わかったから早く!」
一同(この男は遠慮というものを知らないのか……?)
熊耳「そういう訳で太田くん。大丈夫みたいだから、私達は引き上げましょう」
太田「………」ボケーッ
熊耳「太田くん、返事は!」
太田「りょ、了解!リボルバーで敵を威嚇でありますね!!」
熊耳「いや、ちがっ……」
太田「ぬおおおおおおおお!!!」ジャキッ
熊耳「ちょ、太田く……」
太田「往生せいやああああああああああああああ!!!!!!」
バキュウウウウウウン!!!!
一同「!?」
後藤「あーあー……撃っちゃったよ……」
警察官「……」ギロッ
後藤「あ……あははー……」ポリポリ
バキュウウウウウウン!
野明・男「ぬああああああ!?」
イングラム(野明)「ちょ、ちょっと太田さん!一体どういう……」
レイバー(男)「こ、こ、殺される………」
イングラム(野明)「お、落ち着いて!今のはほら手違いっていうかさ……」
レイバー(男)「殺される!!逃げろおおおおお!!!!!!」
ドドドドドドドドドド!!!!
イングラム(野明)「ちょ、待って!待って!」
遊馬「な、なにしてくれるんだよ!太田ァ!!」
イングラム(太田)「お、俺は指示に従っただけだぁ!!」
熊耳「誰もそんな指示してないわよ太田くん!」
イングラム(太田)「い、いや…しかしぃ………」
熊耳「早く追いかけなさい!!!!」
イングラム(太田)「はい!!!」ガシャン!ガシャン!
熊耳「………ハァ」
イングラム(野明)「待って!待ってよ!」ガシャン!ガシャン!ガシャン!
レイバー(男)「殺される!殺される!殺される!」ダダダダダダダダ!
イングラム(野明)「……聞く耳持たないなら無理やりにでも!」ガシャン!ガシャン……
イングラム(野明)「どおおおりゃあああああああ!!!」
ガバッ!
レイバー(男)「!?」ググッ
イングラム(野明)「捕まえたぁ……!」ググググッ
レイバー(男)「は、羽交い締めにされた!殺される!殺されるぅ!!」ジタバタジタバタ
イングラム(野明)「素直に出てきなさい!!チョコレートあげないぞ!」ググググッ
レイバー(男)「嫌だ!嫌だ!嫌だ!」ジタバタジタバタ
野明(仕方がない!スタンスティックでとどめを……)
野明(って!この体制じゃ使えないよ!)
ガシャン!ガシャン!ガシャン!
イングラム(野明)「!」
イングラム(太田)「泉ィィィ!!!!」
イングラム(野明)「太田さん!!」ググググッ
イングラム(太田)「なんだそのザマは!」
イングラム(野明)「ザマは、って!太田さんのせいでしょお!!」ググググッ
イングラム(野明)「は、はやくしてぇ……!」グググググググッ
イングラム(太田)「……そのまま動かすなよ」
ジャキッ
遊馬「って、聞いてるのか太田!なんでこの距離でリボルバーを出すんだよ!!スタンスティックで攻撃しろと……」
イングラム(太田)「泉、しっかり押さえておけ!」ググググッ
イングラム(野明)「……ちょ、ちょっと太田さん!?」
遊馬「アホか!この距離で外れたら……!」
イングラム(太田)「だから……外さないようにやっとる!」
遊馬「そういう問題じゃあないと……」
熊耳「……いえ、太田くんの判断は正しいわ」
遊馬「くっ、熊耳さん?」
熊耳「この態勢で、電磁警棒を使えば、相手だけじゃなく、泉さんだってダメージを受ける可能性がある。」
熊耳「……でも、リボルバーカノンなら、うまくいけば相手のエンジンのみにダメージを与えられるわ」
遊馬「…上手くいけばの話でしょう。問題は撃つのがあの太田だってことで!」
熊耳「あら、忘れたの篠原巡査?太田くんの止まっている対象物への命中率」
遊馬「……あっ」
イングラム(太田)「………往生」
熊耳「基本的に演習においてはほぼ100パーセントよ」
熊耳「……そして、対象は泉さんが押さえてくれているとなれば」
イングラム(太田)「せいやああああああああああああああ!!!!!!」
バキュウウウウウウン!!!!
男「ギャアアアアアアアアア!!!ママあああああああ!!!!」
野明「ああっ………」
太田「………」
カンッ!
ブブブブ…………ブ………
野明「あ………」
男「 」
熊耳「対象のエンジン停止、確認」
遊馬「ほ、本当に当てやがった………」
警官「 」
後藤「ね?スゴいでしょ、ウチの部下?」
――――――
《特車2課》
野明「………本当に一時はどうなることかと」
山崎「怪我がなくって、本当に良かったですね」
野明「太田さんがいて、助かったと言うべきかどうなのか……アハハ」
遊馬「しっかし、アレな話だな。彼女にチョコレート貰えなかったくらいで、こんなことになるってのは」
シバ「ちなみにさ、あのレイバーに乗ってた男も重度のアイドルオタクだったらしいよ」
野明「……天と地の差だね」
シバ「そう言えば、うちの勝ち組は?」
遊馬「隊長にお説教喰らってるころだろうよ」
《隊長室》
熊耳「………」ドサッ
太田「………」ドサッ
進士「………」ドサッ
後藤「申請書に詫び状に始末書に始末書に始末書に始末書に始末書。これ、明日までにはよろしくね」
熊耳・太田・進士「……はい」
後藤「まあ、なんだ。熊耳と進士はまあ……完全に、とばっちりだなー、あ」
太田「申し訳ありません」
後藤「いやさ、その、まあ、やる気に満ちてるのは良いことなんだけど、ほら、バックアップの仕事がなくなっちゃうからさ」
太田「はい」
後藤「俺達は『今度から頑張ればいい』ってのは出来ないわけ…って前に言ったっけな。歳はとりたかないもんだなあ……」
太田「申し訳ありません」
後藤「とにかく、自分の役割を考え直すように。以上。南雲隊長からは?」
南雲「右に同じよ」
後藤「ってことで解散。回れ右」
熊耳・太田・進士「………失礼しました」クルッ
パタン……
南雲「後藤さんのところは良いわね。毎日が何だったかしら……そう、レクリエーションで」クスクス
後藤「参っちゃうよ……」
久々だな
後藤「それよりさ、しのぶさん」ニヤニヤ
南雲「どうしたの?手なんか出しちゃって」
後藤「……ほら」
南雲「なに?」
後藤「ほら」
南雲「だからなんなのよ、後藤さん」
後藤「『バ』のつく」
南雲「………ば?」
後藤「そう。『バ』のつく!」
南雲「………?」
後藤「バだよバ。しのぶさん、バ。バ。」
南雲「………ああ。なるほどね」
後藤「……気がついた?」
南雲「『馬券』を買うんだったら、自分のお金で買って下さい。ギャンブルの為ならお金は貸さないわよ」カタカタカタカタ
後藤「…………」
後藤「いや…あの…しのぶさ……」
南雲「……何?」
後藤「………なんでも」
南雲「そう」カタカタカタカタ
後藤「………」
――――
シバ「んで、どうすんのよコレ」
野明「………太田さんのチョコレート?」
シバ「そう。太田さんの彼女の有力な手掛かりでしょ」
遊馬「やっぱり開けるか」
野明「あ、遊馬!本気!?」
遊馬「もう気になって気になって仕方ない!夜も眠れんぞこのままじゃ!」
野明「だけど」
熊耳「……ちょっとだけならば包みは直せるわ」
進士「いっそ、梱包自体をそっくり変えるっててもあります。伝票部分を上手く誤魔化せば……」
野明「く、熊耳さんに進士さん……いつの間に」
遊馬「ま、まさかもう終わったんですか、始末書」
熊耳「終わらせてきたわ」
進士「そりゃもう、正直な話、ずーっと中身は見たかったんですから」
遊馬「んで野明、お前はどうなんだ」
野明「えっ?あたし?そりゃ……」
野明「……そりゃみたいよ」
シバ「ってことで決まり!野郎共、慎重に開けろよ!慎重に!」
整備員一同「了解!」
ペリ………
一同「………」ゴクリ
ペリペリ……
一同「………」ゴクリ
ペリペリペリペリ…
パカッ
一同「おおおおお!!」
シバ「こ、こ、神々しい光がァアアアアアァアアアアア!!!」
遊馬「俺には眩しい!眩しいぞ!」
整備員一同「目がァアアアアア!目がァアアアアア!」
野明「全然眩しくないよ」
熊耳「馬鹿なことやってないで」
男一同「………」
野明「中身はやっぱりハート型かぁ……」
遊馬「ハートはハートでも、ほら真ん中に白い文字が」
『功さんへ☆大好きだよ!』
一同「………うへぇ」
シバ「………なんか、俺達の精神衛生上良くないね」どんより
山崎「何なんでしょう、この感じは」どんより
整備員A「敗北感っていうか」どんより
遊馬「……完全に敗北してるよな、俺達」どんより
野明「ちょ、ちょっとみんな……」
遊馬「……とりあえず太田に彼女がいることは拭い去れない事実だと言うことが、よーく分かった」
シバ「梱包しなおすよー」
整備員一同「………了解」
ヒラリ
野明「ん……なんだこの紙」
遊馬「……ラブレターかなんかだろ」どんより
野明「いや、ちがうよ。パソコンかなにかで打ってあるみたい。ええと……」
――――――――――――――
太田功様
☆当選おめでとうございます!☆
この度は、「松本加奈の手作りチョコレートプレゼントキャンペーン」に
ご応募いただきありがとうございました!
厳正なる抽選の結果、見事あなたが当選いたしました!
おめでとうございます。今後も松本加奈を応援よろしくお願いします
松本加奈ファンクラブ事務局
――――――――――――――
一同「………えっ」
一同「えっ?」
野明「ま…松本加奈ちゃんの……手作りチョコレート…?」
遊馬「…ああ、そう言えば……あのレイバーに乗ってた奴もなんかそんなようなこと……」
レイバー(男)『どうして加奈!チョコレートがくれなかったんだ!!!!俺はあんなに、あんなに、貢いだのに……貢いだのにぃぃぃ!!!!!!!』
野明「『どうしてかな』じゃなくて『どうして加奈』……だったのかな、もしかして」
一同「……」
シバ「じゃ、じゃあ、このチョコレート………」
進士「彼女からなんかじゃなくって、抽選で当たったアイドルのチョコレート………」
一同「………」
整備員A「梱包、終了しました」
遊馬「よし。じゃあ今日中に太田に渡しに………」
太田「なんだ、お前らまだいたのか。」
一同「おっ、太田(さん)(くん)!?」ビクゥ!
太田「小包は届かなかったか」
シバ「……い、いま!いま届いたよォ!アハ!アハハハハ!!」
一同「アハハハハハハハハハ!!!」
太田「おお!来たか来たか来たか!」
太田「おおぅ……加奈ちゃ~ん!後でお礼の手紙を書かなくてはなぁ……!」
太田「……加奈ちゃ~ん」ボケーッ
一同「………」
一同(………ごめん、太田(くん)(さん))
画して、嵐のような2月14日は過ぎ去った。
【上海亭】
遊馬「くっそぉ……結局、俺達はチョコレート貰いはぐっちまったよぉ……」
シバ「ううっ……ううっ……」
整備員一同「チッキショー……」
太田「情けないぞぉ!」
遊馬「うるせぇ!お前に発言権はない!」
遊馬「そぉだあ!同じく負け組になってそうな後藤隊長をよべぇ!」
シバ「ずぅえぇぇぇぇぇぇったい!!!南雲隊長から貰えてないに1000000000000円かけてもいい!!!」
一同「ギャハハハハハハハ!!!!!!!!」
遊馬「おい、のあー!ひゃれ、のあは?」
シバ「そういや、途中から見かけないねぇ……」
ポンッ
遊馬「へっ」
野明「もう、飲み過ぎだぞ遊馬」
熊耳「お酒はほどほどに、ね」
遊馬「のあ!くまがみしゃん!」
シバ「熊耳さん!どこいってたのよぉ!」
野明・熊耳「………うふふっ」
野明「はい、これ!ギリギリ12時に間に合ったぞ!」
遊馬「………これ」
熊耳「私と泉さんで急遽、上海亭の調理場を借りて作ったのよ。人数分あるわ」
一同「!」
コメントなさすぎワロタ
読んでるよ
遊馬「………」ジッ
シバ「………」ジッ
山崎「………」ジッ
太田「………」ジッ
整備員一同「………」ジッ
男一同「いよっしゃあああああああああ!!!!!!」
野明「もう」
熊耳「大げさなんだから……」
後藤「俺にもくれる?」ヌッ
野明「ご、後藤隊長!?」
熊耳「い、一体どこから……」
男一同「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
■TO BE CONTINUED
この物語はフィクションである……
が、 10年後においては定かではない。
【おまけ】
シゲ「ねーえ、今年は結局、チョコレートどのくらい貰ったのよ?」
一同「………」
シゲ「まぁ勿論!結局!加奈ちゃんから貰った太田ちゃんを除いて、泉ちゃんと熊耳さんから貰った1つだけだ・ろ・う・け・どぉ!!!」
シゲ「まあ……俺っちもそうなんだけどさ………」
遊馬「2つ(野明にもう一つ貰った)」
太田「3つだな(結局香貫花からも貰った)」
進士「2つですね(多美子さんから貰った)」
山崎「………2つ(沖縄の婚約者から貰った)」
シゲ「えっ?」
パトレイバーいいよねー読み直そうかな
ペース早くていいな
シゲ「……お、おめぇぇぇぇぇらは!?」
整備班一同「………2こ以上」
シゲ「う……裏切り者ぉ………!た、隊長!後藤隊長は?」
後藤「2個」
シゲ「えっ……ま、まさかぁ……なぐm」
後藤「姪っ子(真帆子)から」
シゲ「で、ですよねー!アハハハハハハハハハ!!」
シゲ「ん……んぐぅ………!しかしそうなると……俺っちが、喪男揃いの特車2課で一番チョコレートを貰ってないという事にぃ………」フルフルフル
榊「おい、シゲ!テメェまたサボリやがったな!!!」ドス!ドス!ドス!
シゲ「そぉぉぉぉっだ!おやっさあああああああああん!おやっさんはあの場にいなかったしぃ!」
榊「……なぁに言ってんだオメェは」
シゲ「おやっさんって!今年チョコレート、いくつ貰いましたぁー?」ニヤニヤ
榊「………」
シゲ(勝った!まさか!恐れ多いおやっさんにチョコレート渡すヤツなんて!!)
遊馬「……大丈夫なのかシゲさん」
進士「……判断が付かなくなっちゃったんですかね」
榊「そうだなぁ……今年はここの女職員……ほとんどから貰ったなぁ……」
シゲ「勝ったあああああああああああああああああああああ!!」
シゲ「へ?」
榊「いやぁ……毎年参っちまうよ………甘いもんはガラじゃねぇし、うちの犬に食わせる訳にもいかねぇからなぁ……」
榊「おかげで1ヶ月、毎日朝メシにチョコレート食うハメに………」
シゲ「 」
遊馬「え、じゃあ、まさか南雲さんからも………」
後藤「………」チラッ
榊「アハハ、南雲さんは渡す側じゃねえさ。毎年えらい量のチョコレートが送られて来るんだと」
遊馬「た……確かに」
進士「南雲隊長は……」
山崎「渡すより、貰う側ですね……」
後藤「………」
パトレイバー好きだ
遊馬「そういや、野明も幾つか貰ってたなぁ……子供にだが」
山崎「熊耳さんも結構貰ってましたよね……」
進士「イングラム宛てにも5~6個は届きましたよね今年は」
シゲ「 」ピクピクッ
山崎「シゲさんが白眼むいたまま動きませんよ……」
遊馬「………立場、ないもんな」
シゲ「んがああああああああああああああ!!!!」
おわり
面白かった
乙
お付き合いありがとうございました
おっさんにはとても面白かったわ
乙!
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