あずさ「初詣」 (20)




765プロ事務所

P「おーい、皆、用意は出来たか?っても、こんだけか」

小鳥「な、こんだけとはなんですか!」

律子「まあ、他の子達はご両親と帰省されたりしてますから」

あずさ「小鳥さんと律子さんは、良いんですか?」

小鳥「…帰ったところで、結婚まだかと催促されるだけですから」

P「…ま、まあ、と、とにかく、行きましょうか」

小鳥「大体、プロデューサーさんだって実家に帰らずにここじゃないですか」


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P「俺は良いんですよ、実家近いから」

小鳥「むぅ…」

律子「まあまあ…ほ、ほら、振袖着れるのも未婚の内だけですよ」

小鳥「今一つ納得がいかない…」

あずさ「うふふっ、律子さんも振袖着てくればよかったのに」

律子「わ、私は良いんです」

P「そうか?律子の振り袖姿も、見てみたかったなぁ」

律子「ちゃ、茶化さないでください!ほら!行きますよ!」

P「あ、俺、車持ってくるから待っててくれ」


神社

P「凄い人だなぁ」

律子「人の波が…!」

小鳥「あ、あららら!」

律子「小鳥さん、待って!」

小鳥「ち、違うのよ人の流れに」

律子「あー、小鳥さん!待って!プロデューサー、小鳥さんは私が」

P「あー、頼む!」


あずさ「あ、あらあら」

P「あずささん!」ガシッ

あずさ「プロデューサーさん!(手繋いでる!)」

P「こっちへ」

あずさ「あ、あの」

P「凄い人の流れですね…」

あずさ「はい…その、もっと強く手を握って貰っても良いでしょうか…?はぐれちゃいそうで」

P「ええ、放しませんよ、絶対に(あずささんの手、凄く細いのに凄く柔らかい!)」ギュッ

あずさ「ありがとうございます~…律子さんと小鳥さん、大丈夫でしょうか」

P「んー、ダメですね、携帯も電波が悪くて…」

ドンッ

あずさ「きゃっ」

P「あずささん、大丈夫ですか!?」

あずさ「は、はい、大丈夫です」

P「全く、ぶつかっても目もくれないなんて…」ギュッ

あずさ「!?」

P「俺にしっかりついてきてください(…しまった、やり過ぎた)」


あずさ「は、はい~(どうしましょう、プロデューサーさんに抱き寄せられてるわぁ~!)」

P「折角あずささんの綺麗な着物が、これじゃあんまり見えないですね」

あずさ「え?!」

P「紫色に花柄の、とてもきれいな着物なのに」

あずさ「うふふっ、これ、母の着ていた物を仕立て直したんです」


P「そうなんですか…後で、写真でも撮りましょうか?」

あずさ「うふふっ、プロデューサーさんも、一緒に?(言っちゃった…!)」

P「あ、いや、その…(あ、あずささんとツーショット?!)」

あずさ「あ、そ、その、嫌ですか?」

P「い、いえ!そんな、とんでもない!」

あずさ「そ、それなら…また、あとで」





あずさ「あっ、見て下さーいプロデューサーさん!」

P「あー、露店ですか、良いですね、ちょっと見て行きましょうか」

「らっしゃーい、どうだいお姉ちゃん。彼氏さんと初詣のお供にたこ焼きでも」

あずさ「あ、あらあら~」

P「あ、あはははは」

「おっ、満更でも無いねぇー、ほいおまけしてやるから、三百万円」

P「?!」

「あっはっはっはっ、にーちゃんは冗談が通じないねぇ、ほい、おつり七百万円」

P「あ、ああ、どうも」


あずさ「おいひいれふね…あひゅっ!」

P「あははは、あずささん、慌ててて食べるから」

あずさ「…んっ、だって、折角なら温かい時に食べたいんですもの」

P「それもそうですね…あふっ!?」

あずさ「うふふっ、プロデューサーさんだって同じじゃないですか」

P「…はぁ、少し人ごみも途切れてきましたね、行きましょうか」


P「っていっても、やっぱり本殿前はまだ凄い人だ」

あずさ「プ、プロデューサーさん、その、腕を組んでも…?」

P「え、ええ、どうぞ。足元も悪いし(良いよな、良いんだよな?!)」

あずさ「はい、ありがとうございます」ギュッ

P(胸が!腕に!)

あずさ「あ、進みだしました」

P「ええ、行きましょう」



ガランガラン

パンパンッ


あずさ「…」

P「…」

あずさ「…」

P「…これで、よしっと」

あずさ「プロデューサーさんは、何をお願いされたんですか?」

P「え?ああー、えーと、まあ、秘密です」

あずさ「あ、人に言えない願い事ですか?」

P「そ、そんなやましいものじゃありませんよ」


あずさ「うふふっ、じゃあ…何ですか?」

P「…765プロの皆が、トップアイドルになれますように」

あずさ「隠さなくっても良いんじゃないですか?」

P「な、なんか恥ずかしいんですよ、もうちょっとこう、何か」

あずさ「プロデューサーさんらしくて良いと思います」

P「あずささんに言って貰えるなら、まあいいですけど…で、あずささんは何をお願いしたんですか?」

あずさ「それは、ひ・み・つ・です」

P「あっ、ズルいじゃないですか!」

あずさ「あっ、プロデューサーさん、おみくじがありますよ~」

P「あっ、話はまだ、あ、待ってください!」


ガシャガシャ

「はい、72番ですね」

P「さーて、新年初めの運試し運試し…っ」

「はい、91番ですね」

あずさ「うふふっ、あらあら、大吉です」

P「……大凶」

あずさ「あ、あらあら…」

P「出るんだなぁ…大凶…大病を患うかもとか、失物は出てこないとか…あ、仕事も…転居も…」

あずさ「あ、あの…」

P「は、ははっ、まあ、おみくじですからね、気にしてないですよ、ははは」


あずさ「ちょっと貸してください…これを、こうして」カサカサ

P「へ?」

あずさ「プロデューサーさんのおみくじと、一緒に結んで…はいっ」ギュッ

P「?」

あずさ「私の大吉と、プロデューサーさんの大凶、足して二で割れば、吉ですから」

P「…ぷっ…あっはははははっ、そうか、そういうことか!」

あずさ「もうっ、私はプロデューサーさんの事を考えて」

P「いえ、ありがとうございます、新年から元気になれそうです」

あずさ「うふふっ、それに、私は健康も転居も…恋愛も、バッチリの結果でしたから」

P「えっ」

あずさ「うふふっ、どこかに、引っ越したいなーとか」

P「あー…いや、その」

あずさ「…」


小鳥「だから言ったじゃ無いですかー!ここの神社大凶が出やすいって!」

律子「そんなの噂に決まってるじゃないですか、おみくじだけで気にしてたらキリが無いじゃないですか」

小鳥「律子さんは信心が足りません!どうするんですかこれ!待ち人は来らずとか縁談は望みなしとか!」

律子「あ、プロデューサー、あずささんも!やっと見つけた」

小鳥「あーっ!あずささん、おみくじどうでした?!」

あずさ「えーと…そうですねぇ、吉です、プロデューサーさんも」

小鳥「そうですか…」

律子「はいはい、御札も買ったし、皆へのお守りも買ったし、どこかでお昼でも食べて帰りましょう」

小鳥「今日は自棄よ!ヤケ酒よ!」

律子「正月早々止めて下さい…」


P「そういえば…あずささん、本当に、何をお願いしたかは教えて下さらないんですか?」

あずさ「そうですねぇ、じゃあ、プロデューサーさんのお願い、もう一つは何だったんですか?」

P「えっ?!」

あずさ「一つにしては、長いなーって思ったんです」

P「…やれやれ、隠し事が下手だなぁ、俺も…もう一つは…あなたと、これからも一緒に、幸せに過ごせますように、です」

あずさ「…ふふっ、私も、実は、同じことをお願いしていました」

P「え?」

あずさ「今年も、プロデューサーさんと、一緒に過ごせますように、って」

P「…あずささん…」


律子「プロデューサー!何してるんですか?!行きますよー!」


あずさ「ふふ、行きましょうか」

P「ええ…今年も一年、よろしくお願いします」

あずさ「はい、こちらこそ…あ・な・た…なんて」

P「?!」

あずさ「うふふっ、ほら、二人が待っていますよ」

P「あずささんは卑怯だ、そんな、俺」

あずさ「じゃあ、プロデューサーさんも、ね?」

P「…あずさ、今年も、よろしく」

あずさ「はい~」



律子「…何いちゃついてるんですかね、新年早々」

小鳥「あのP、潰す、絶対に潰す」





あずささん可愛い

乙!

小鳥さんのやけ酒に付き合いたい

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