僕「今日はお正月」 (8)



僕「今日はお正月」

僕「親戚のおじさん、おばさん、男の子や女の子、お兄さんやお姉さん、たくさん人が来た」

僕「二万円のお年玉、こんな大金貰えてすごく嬉しい」

僕「お年玉を机にしまったら、みんなでカルタやって遊ぶんだ!」

僕「その前にご馳走も食べられる」

僕「今日はお正月」

僕「こんな幸せなお正月」

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僕「今日はお正月」

僕「僕よりも小さな親戚が増えた」

僕「昔憧れたお姉さんの子供、幸せそうなお姉さん」

僕「ちょっぴり胸の奥がチクリと痛む」

僕「でも大丈夫、親戚の兄ちゃん達と遊んでる間にすっかり胸の奥にしまわれた」

僕「4万円のお年玉、あんまり金額は気にしない」

僕「可愛らしいポチ袋に入った綺麗に折られた5000円」

僕「きっと今年は3万5千円までは使うんだろう」

僕「今日はお正月」

僕「切ない気持ちと使えないお金を手にしたお正月」

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「お正月じゃねえよクソが」

「クソスレしかたってねえじゃねえか」

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僕「今日はお正月」

僕「一通り挨拶をしてお年玉を貰った、中身は見てない」

僕「机にしまうときにチラリと見えた可愛らしいポチ袋に一瞬時間が止まる」

僕「でもすぐに引き出しを閉じ、参考書を開く」

僕「みんなの声が騒がしいけど、今は集中集中」

僕「頑張ってきたことを無駄にしないためにも、今は懸命に勉強あるのみ」

僕「今日はお正月」

僕「勉強して過ごすお正月」

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僕「今日はお正月」

僕「親戚のおばさんから彼女の有無を聞かれたりするのは恥ずかしい」

僕「子供達と遊んであげることにする」

僕「……小学生は無邪気で可愛いな」

僕「え、なに? あはは、そうだね、僕も大好きだよー」

僕「ちょっ! 違います違います! 合わせただけですから! おばさんをお母さんなんて呼べませんってば!」

僕「今日はお正月」

僕「よくある親戚の集まりという感じのお正月」

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僕「今日はお正月」

僕「大学落ちて、バイトをしている、勉強もしている」

僕「いわゆる浪人」

僕「親戚に挨拶をしてすぐに部屋に戻った」

僕「親戚の子が僕の部屋の戸を叩く」

僕「開けたくはないけど、我慢我慢、何も知らない子供達に嫌な顔は見せられない」

僕「今日はお正月」

僕「精神力が一気に削れていくお正月」

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僕「今日はお正月」

僕「一年浪人したけれど無事に就職も決まり、卒業まであとわずか」

僕「親戚のおっさんには褒められた、親戚のおばさんにはうちの子の方が良いところに行ったと自慢された、高卒の癖に」

僕「それでも波風立たないように我慢する、ちょっぴり大人の気分」

僕「親戚の子に、気持ち程度のお年玉を上げる、来年からはもっとあげよう」

僕「今日はお正月」

僕「子供達にしっかりお年玉あげられるように、頑張る決意をしたお正月」

うん

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