真「アイドルとしてのボク」(206)
代行
ID:mxg0RGL60
期待
>>1
代行ありがとうございます
タイトルの通り真ssです。
代行してもらったんだからちゃんと最後まで書きなよ?
しえん
夏。太陽が最も高くまで昇り、ボクたちを照りつける季節。道路に揺らぐ陽炎が、窓の外の熱気を表していた。
時計の針は九時半を示している。いつものボクならもう現場まで出向いて、仕事をしている時間だけど、今日は事務所でファッション雑誌を読んでいた。
最近は暑いし、働きづめだったということで、久しぶりにプロデューサーが休みをくれたのだ。
せっかくの休日に事務所にいるのは、765プロのみんなと会うため。駆け出しのころから支え合ってきた仲間がいるこの場所は、ボクにとってもう一つの家のようなものだ。
そりゃそうだべ
最後まで書かないわけねーよなぁ
「エアコンがあると涼しいなー! この前壊れたときは、どうなるかと思ったさー」
そう言いながら、響がボクの横に座る。そしてボクの広げている雑誌を覗き込んだ。
「真、またフリフリの衣装見てるのか?」
「うん。……やっぱり、こういうの憧れちゃうなぁ……」
一度でいいから、かわいい服を着て、女の子扱いされてみたいものだと思う。いつも男のような扱いを受けているボクだって、れっきとした女の子だ。少しくらい夢見たって、罰は当たらないだろう。
やるじゃん支援
期待
じゃあ安心だね、支援
そこまで考えて、ふと、もうすぐ自分の誕生日が来ることに思い至る。もし、誕生日だけでも、誰かがボクのことをお姫様のように扱ってくれたら……。
いや、その「誰か」は、すでに頭の中では分かっている。デスクでスケジュールの整理をしているプロデューサーをちらと見る。
いつ抱いたともわからないこの想い。ボクの鈍感な王子様は、いつか気付いてくれるのだろうか。
「ん……あふぅ」
そんなことを考えていると、向かいのソファで寝ていた美希が起き上がった。響と全く同じように、雑誌を覗き込む。
「あ、これ、一昨日出たやつだよね? ミキ、いろんなファッション誌読んでるけど、この雑誌はセンスがいいって思うな」
身内びいきを抜きにしても、美希のファッションセンスは芸能界でもかなり上位に位置している。その美希が認めたということは、この雑誌のセンスは信用に足るということだ。
そのまま雑誌を眺めていた美希の顔が、不意に訝しげなものに変わる。視線の先をたどってみると、さっきまでボクが見ていたかわいいブランドの紹介があった。
顔を上げ、何とも言えない表情でこちらを見つめてくる美希。
「な……何?」
「真くん、この服を見てたの?」
「えっと、そうだけど……」
このペースだとさるさんがくるような...
「ミキ的には、真くんにはこーゆーの、似合わないって思うな」
……ボクが可愛い衣装が似合うタイプではないことは、いろんな人にさんざん言われてきたことだし、それのおかげで多少の自覚もある。あまり受け入れたくはないけど、それが事実というものだ。ただ、そんな似合わないものに憧れる自分が存在するのも、また事実だった。
「でもボクだって、いつかお姫様みたいな服を着て、素敵な王子様とのロマンスを……」
「真くん、面白いこと言うの。王子様は、真くんだよ?」
「そういうことじゃなくて……響はどう思う?」
「……自分、真にはもっとかっこいい服の方が似合うと思うぞ!」
「響まで……もう、プロデューサーはどう思います?」
話を振られるとは思っていなかったのだろう、プロデューサーは若干驚いた風にこちらを向いた。
真SSキタ!
支援
真ちゃんかわいいよ
「俺か? そうだなぁ……今、真がそういう服を着ると、イメージに影響が出るかもしれないからな……」
「……そうですか」
プロデューサーの出した答えは、アイドルとしてのボクの評価だった。それがプロデューサーの仕事だから、イメージ前提の考えになるのはボクも理解できる。でも、こういう時くらいは一人の女の子として見てくれたっていいのになぁ……。
「あれ? どうしたんだ、真?」
「……もういいですよーだ」
もう一度雑誌に目を戻して、フリフリした衣装を着こなすモデルを眺める。
……ボクも、こんな風になれるかな?
その笑顔に心の中で問いかけるも、返答はなかった。
それから数日。その日は、みんな現場に直接向かう日だったということで、事務所にはボクとプロデューサーの二人だけだった。
もうそろそろ、765プロ総出のライブがあるから、その告知や、各所への挨拶などで忙しいのだ。
ボクも、朝から公園でのゲリラライブの後、午後にはテレビ出演の予定が一本控えていた。
つまり、今日はプロデューサーを一人占めできるということになる。仕事上のものではあるけど、プロデューサーと一緒に過ごせる貴重な時間だ。プロデューサーのことが気になっている同僚は、枚挙に暇がない。
このような小さな機会ですら、なかなか得られるものではないのだ。
「よーし真、そろそろ行くぞ」
「はいっ」
しえ
プロデューサーの運転する車に乗って、県立の海浜公園に向かう。
「確認するぞ。今日やる曲は、『エージェント夜を往く』、『まっすぐ』、『迷走mind』の順に、三曲だ。
一曲挟まるとはいえ、ダンスの激しい曲が二つ入っている。今日はかなりハードなスケジュールだけど、今の真ならこなせると俺は思ってる。
今日が終わったら、明日はフリーだから、ゆっくり休んでくれ。それと……」
いつものように、プロデューサーが読み上げるスケジュールを記憶と照らし合わせていく。
たまに勘違いがあったりするから、こういう風にプロデューサーが送迎してくれるのは、仕事上、とても助かることだった。
……もちろん、送迎してくれること自体の嬉しさの方が大きいけれども。
「よし、今日のスケジュールはこんなもんだな。何か質問あるか?」
「はーい! プロデューサー、今日仕事が終わったら、ボクと一緒にご飯食べに行きませんか?」
「そういう質問か……って、今日か?」
「はい、ダメですか?」
こんなチャンスも、あまり無駄にはしたくない。できれば、765プロのみんながいないうちから、約束を取り付けておきたい。
「今日は、ちょっとな……真、本当に今日、食事に行きたいのか?」
「そうですけど……それがどうかしましたか?」
「いや、まあいいんだけどな……」
プロデューサーの言っていることがよく分からない。どうして今日誘うと、そんなに不思議がられるのだろうか。
車に乗っている間考え続けたけれど、その答えが出ることはなかった。
いいよ
「うわぁ……もう結構沢山、人いますね」
「ああ。なんたって真は、人気アイドルだからな」
会場に着くと、耳が早い百人ほどのファンが、既にたむろしていた。運営から情報が漏れたのだろうか。
詰め寄るファンをかわしつつ、素早く舞台裏に滑り込む。ボクの登場で、会場は熱気に包まれていた。
今日のゲリラライブは、オールスターライブの宣伝も兼ねた、ごく小規模なものの予定だから、当日の情報拡散以外の集客はしない。
にもかかわらず、詰め寄るファンの数は、予想をはるかに超えるものだった。
暴力ゴリラかよ
積極的さるよけ
>>26訂正です
「うわぁ……もう結構沢山、人いますね」
「ああ。なんたって真は、人気アイドルだからな」
会場に着くと、耳が早い百人ほどのファンが、既にたむろしていた。運営から情報が漏れたのだろうか。
詰め寄るファンをかわしつつ、素早く舞台裏に滑り込む。ボクの登場で、会場は熱気に包まれていた。
今日のゲリラライブは、オールスターライブの宣伝も兼ねた、ごく小規模なものの予定だから、当日の情報拡散以外の集客はしない。
にもかかわらず、集まったファンの数は、予想をはるかに超えるものだった。
昨日のうちに音響は確認してあったけれど、ここまでの入場は予想していなかった。ちゃんとみんなに歌が聞こえるか心配で、そっと会場を覗く。
視界いっぱいに広がったのは、たくさんの女の人の顔。
小学生くらいの子から、ボクと同じくらいの高校生らしき人、家では主婦でもしていそうな人など、年代問わずたくさんの女性で会場はいっぱいだった。
「……ほとんど、女の人かぁ」
思わずため息が漏れる。別に、女性のファンを軽視しているわけでも、男のファンばかりに好かれたいと思っているわけでもない。
ただ、一応ボクも女性アイドルだ。女性として、男の人にちやほやされる存在を夢見たことは、何度もある。
「どうした、真?」
「あっ、いえ、何でもありません!」
「今日のライブの評判は、今度のライブの集客にも影響が出る。一曲一曲、気を引き締めて臨もう」
「はいっ! ……あっ、プロデューサー」
「ああ、分かってる」
マッコマッコリーン
0時におめでとうって言う予感
皆まで言わなくても、プロデューサーはボクの言わんとすることを察して、拳を伸ばしてくれる。それを少し嬉しく思いながら、ボクは自分の拳を軽く当てた。
「ダーン! へへっ、今日もひとつ、ガツンと決めてきますからね!」
拳を合わせる。ただそれだけの動作だけれども、それはボクの集中を高め、一気に仕事モードに切り替わらせる。
ボクのアイドルとしての形、『王子様』の菊地真へと。この形をボク自身が望んでいるわけではない。
それでも、プロデューサーに見てもらえているという歓びと、その期待に応えなければいけないという程良い緊張が、ボクの糧となっていた。
「気合十分だな。よし、行ってこい!」
プロデューサーがぐっと背中を押してくれる。ボクはその勢いのまま、ステージに飛びだした。
し
支援
ステージに出ると同時に、甲高い歓声がボクの体を包んだ。お客さんの視線を一身に受ける。
今この瞬間、ボクはみんなの王子様(アイドル)だ。煮え切らない自分も心のどこかにはいる。それでも、今はこのステージを成功させることに、全神経を集中させる。
「みんなー! 今日はボクのライブに来てくれて、ありがとう!
このライブのことは、誰にも言ってなかったんだけど、こんなにたくさんの人たちが集まってくれて、ボク、凄く嬉しいよ! ……じゃあ、早速一曲目、行きます!
『エージェント夜を往く』!」
きらめくステージの上、ボクは出来る限りの力を出して、ボクを輝かせた。
せめてもの必死のさるよけ
ステージが終わり、ボクは車の中で息を吐いていた。
「真、よくやったな! 大盛況だったぞ!」
激励してくれるプロデューサーに、満面の笑みで応える。ライブは大成功を収め、集まったファンの数は五百人を超えたという。
ボクとしては、会心の出来、の一言に尽きるものだった。この分なら、オールスターライブもきっと成功できるだろう。
「ほんとに、よくやったよ」
頭をくしゃくしゃっと撫でてくれるプロデューサー。その様子が何だか男らしくって、何故だか少し嬉しかった。
がんばれしえn
真誕生日おめでとおおおおおおおおおおおおおおお
これからもよろしくね愛してるよおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
まこちん誕生日おめでとぉぉぉぉぉぉぉぉぉう!!!!
真ちゃんおめでとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
マッコリーーーーーン!!!
真誕生日おめでとりーーん!!!
イヤッッホォォォオオォオウ!
「えっと、昼ごはんは、どこで食べるんですか?」
「これから三時間昼休みをとって、十五時から、ブーブーエスのスタジオで収録だから……。真、何か食べたいものはあるか?」
「じゃあ……一旦765プロに戻りませんか? お弁当でも買って。事務所でちょっと、ゆっくりしたいです」
「わかった、じゃあ事務所に戻ろう。どのみち、ブーブーエスに行くときに通る道だしな」
その後、少しの休憩をとって、ボクたちは公園を後にした。
まこりん誕生日おめでとおおおおおおおおおおおお!!!!!!
おめでとおおおおおおお!!!!
マッコマッコリイイイイイイイイイン!!!!!!!
「あ、おかえりなさーい」
事務所に戻ったボクたちを出迎えてくれたのは、二人で歌番組の収録に行っていた、春香と千早だった。
「たっだいまー! 聞いてよ二人とも! 今日のライブ、大成功だったよ!」
ライブを成功させた嬉しさそのままに、ボクは二人に報告をする。
まっこりんおめでとう
そして同じ誕生日の俺おめでとう
>>50
おめでとう!
「そうなんだ、やったね真! 私達も、今回の番組の収録、かなりいい出来だったよ。千早ちゃんの歌を、司会の人がとっても気に入ったみたいで……ねっ、千早ちゃん?」
「私はただ、いつも通りに歌っただけだから……」
楽しそうに千早の活躍を話す春香と、冷静に振る舞いながらも、どこかまんざらでもなさそうにする千早。
やっぱり、自分の能力が認められるというのは嬉しいことだ。それは、ボクについても同じことが言えるし、たぶんほかのみんなもそうだろう。
>>50
おめでとう
>>50
おめでとう
昼ごはんのお弁当を広げて、少し落ち着くと、より鮮明にさっきの様子が思い出される。
今回、心残りがあるとすれば、それは、来てくれたお客さんのほとんどが女性だったということだ。
もちろん男性だけを多めに集めるなんてできないし、それに意味なんてないけれど、こうも女性が多いと、ボクには男性のファンがいないのではないだろうか、とさえ思ってしまいそうになる。
そう考えると少し、寂しいような悲しいような気分になった。
「あれ? どうしたの、真?」
顔には出していないつもりだったのだけれど、春香が目ざとくボクの変化に気付いた。
春香はこういう他人の感情の機微に鋭いところがある。もっとも、ボクが単に分かりやすい反応をしていただけなのかもしれないけど。
真おめでとう!
支援
黙っておこうか、とも考えたが、別に隠すようなことでもないし、余計な心配をかけることもないだろうと思い、正直に話すことにした。
「聞いてよ二人とも。ボクのライブに来てくれたお客さん、女の人ばっかりなんだよ!」
それを聞いて、何やら二人が、なんとなくわかったような顔をする。
「あー……真は、女の子に大人気だもんね」
「……きっと、真には女の子を惹きつける魅力があるんじゃないかしら。気にすることはないと思うわ」
>>57
今すぐやめろ
「まあ、そういうことになるんだろうけどさ……」
確かに、ボクが二人の立場だったとしても、同じような反応をするだろう。
だって、これはボクのアイドルとしてのイメージで、言ってしまえばどうしようもないことなのだから。それでも、不満なものは不満なのだ。
「でもでも、真が女の子に人気なのは、私達には無い武器だよ? もっと、胸を張らないと!」
「……確かに、そうかもしれないね」
春香の言葉で、少し気持ちが楽になる。確かに、女の子らしいボクを見せられているかとは関係なく、女性に人気なのは、ボクの長所だろう。
>>57
アイマスを知らない素人はやめろ迷惑
自動保守さんキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
>>59
早くやめろ
早くやめろ
早くやめろ
「あ、ちょっとは元気出た?」
「うん、ありがとう、春香。もうバッチリだよ! よーし、午後も頑張るぞぉ!」
立ち上がって、気合いを入れ直す。それが聞こえたのか、デスクからプロデューサーが顔を出してきた。
「お、真、昼食は食べ終わったみたいだな。そろそろ行くか?」
>>59
菊地ホモ真の話はやめろ
自動保守来た!これで勝つる!
>>63
なぁホモ真はやめろキモイ
「はいっ! すぐ行きましょう、プロデューサー! なんだかやる気が出てきました!」
「分かった。……じゃあ、春香、千早、行ってくるな」
「行ってらっしゃい、二人とも」
「行ってらっしゃーい。頑張ってね、真」
二人の送り出す声を背に、事務所を出る。そして、ボクたちは次の収録があるブーブーエスへと向かった。
>>63
やめろやめろやめろやめろやめろ
なんかきた?
糞コテは全部NG
>>67
アイマス知らないくせに書くな
迷惑だからやめろ
スタジオに到着し、楽屋に入って、メイクをしてもらった後、台本の確認を行う。
今日の出演内容は、番組内のコーナーで、ボクが自身の半生をドキュメンタリー形式で紹介する、というものだ。
ただ、ボクは人に語れるほど長く生きてきたわけでもないし、取り立てて立派なことをしてきたわけでもない。
正直なところ、このコーナーに、まだまだ人生経験の浅い自分が呼ばれることには、違和感があった。
それでも、せっかくプロデューサが選んできた仕事だし、そんなコーナーにこの歳でボクが呼ばれたこと自体に意味もあるのだろう。
そう考えると、この仕事一つを受ることにも誇りを持てるというものだ。
>>71
菊地ホモ真のことを知らないのに書くな
支援
「菊地真さーん、そろそろ準備してくださーい」
「あっ、はーい、今行きまーす!」
感慨に浸っていると、スタッフさんから声がかかる。再度気持ちを引き締め、ボクは楽屋を出た。
>>73
アイマスアンチは黙れ
「金マス波瀾万丈ーっ!」
司会のタイトルコールで、ボクのコーナーが始まる。そして、ボクの軽い紹介がされた。
「……ということで、今回のゲストは、今を時めく人気アイドル、菊地真さんです!」
デモのVTRが終わり、ボクがセットに入る。
>>74
早くやめろみんな迷惑なんだよ
早くやめろ
>>76
ホモ真キモイからやめろうざい
「真ちゃん、今日は午前中、ライブをやってきたらしいね」
「はい、そうなんです! ゲリラライブだったんですけど、結構たくさんの人が来てくれて。ライブに来てくれたファンの皆さん、ありがとうございました!」
「まさに、今旬のアイドルといった感じの真ちゃん。では今日は、彼女がいかにして今の地位を手に入れたのか。
それを解き明かしていこうと思います。今日はよろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします!」
>>79
だからやめろ
席に着くと、パネラーの一人が興味ありげにこちらを見つめてくる。このパネラーさんとの共演は初めてだ。
ボクがどの程度のものか、この番組で評価されるのかもしれない。少しでもよく見られようと思って、襟を正す。
「デビューしたのは……去年の今頃なのかな?」
「はい、まだ一年経つか経たないかです」
「それでもうこの人気だもんねー。今、乗りに乗ってるって感じだよね」
「ありがとうございます。でも、出来ればもっと上を目指していきたいと思ってます」
>>81
アイマスファンに迷惑だからやめろ
支援
「それでは、ファンの方もそうでない方も必見。今を時めくアイドル、菊地真さんに密着しました」
パネラーの人の言葉に続き、VTRが流れ出す。
制作には携わっているし、もちろんどんな内容になるかは知っているものの、実際に完成したものを見るのは初めてで、いざそういうものが流れると思うと、少し気恥ずかしい。
映像をはさんだトークによって、番組はつつがなく進行する。
VTRは、売れるまでの下積みの時や、プロデューサーとしてきた努力についての話とか、お父さんにアイドル活動を賛成してもらえなかった話が続き、
ボクがしてきた数少ない苦労を圧縮したような内容だった。
この程度で努力なんて言ったら、本当に努力してきた人達、まさに今この番組で司会やパネラーをしているような人達に怒られてしまうんじゃないかと、心配になる。
wktk
ぶってる
『父は男の子が欲しかったみたいで、ボクは男のような教育を受けてきました。当然、アイドル活動なんて許されなくて。最初は、家族には内緒でやってました』
『辛い時や困ったときは、いつもプロデューサーが助けてくれました』
画面の中のボクが話すのを見ていると、色々な思い出が次々に浮かんでくる。
お父さんにアイドルをしていることがばれたとき、プロデューサーが直々に家に来て、お父さんを説得してくれたこと。
思うように踊れなかったときに、励ましてもらったこと。
ボクのこれまでのアイドル活動は、プロデューサーによって成り立っていると言っても、過言ではないと思う。
……全部、プロデューサーに支えられて、ここまで来てるんだ……。
そう考えると、改めてプロデューサーへの感謝の思いが湧いてきて、胸が熱くなるのを感じた。
>>88
やめろやめろやめろゆめろやめろやめら
収録が終わり、楽屋に戻る途中。さっき、ボクを見ていたパネラーの女の人が、ボクに声をかけてきた。
「菊地真さん? 同じ番組に出るのは、初めてだったわよね。……あんた、ホントに男みたいな顔してるわね」
「は、はい……自分では、あまり男みたいな扱いを受けるのは、好きではないんですけどね……」
突然の物言いに少しむっとしたが、相手は年上。ちゃんとした礼節をもって接する。にもかかわらず、相手の反応は、少なくとも礼をわきまえたものではなかった。
長い髪を神経質そうに触ると、醜いものを嫌々見るような目でボクを見下ろしてくる。
④
「その歳で自分の扱われ方に不満なんて……まぁ、人気からくる余裕ってとこかしら。でも、あんまり調子に乗らないほうがいいと思うわよ」
「えっ……?」
言っている意味がよく分からず、そんな反応をしてしまう。すると、彼女は薄ら笑いを浮かべながら鼻を鳴らして、吐き捨てるように言った。
「あんたみたいなイロモノは、一発屋に終わるか、そうじゃなくてもブームが終われば、何か別の路線でもなきゃ、大した扱いはされなくなるものよ。
短い間だろうけど、せいぜい頑張ってみたら? ……まぁ、そんな男みたいな顔じゃ、他の路線目指そうとしても、無駄だろうけどね」
「…………」
ボクの隣を抜けていく彼女。言いたい放題言われたことよりも、何も言い返せなかった自分が悔しかった。
>>93
早くやめろよ
楽屋に戻ると、椅子に座りこむ。思い出すのは、さっきの一言。ボクの長所は、女性に人気なこと。
それは昼にも春香に言われたことだし、はっきりと自覚している。でも、その人気がなくなってしまったら? 今のボクには、どうしていいのかわからない。
結局のところ、ボクはイロモノの『王子様』でしかないのだろうか。お姫様になることを目指して入った芸能界。
それを諦めてまで演じる王子様がいずれ必要とされなくなるのなら、アイドルとしてのボクに、意味なんてあるのだろうか。
一旦ネガティブな方向に向かった思考は、加速するばかりだった。
ふと、ドアが開く音がする。ボクの楽屋にノック無しに入る人。そんな人は一人しかいない。
「お疲れ、真……真? どうしたんだ?」
「お疲れ様です、プロデューサー……実は、さっき、共演した人から……」
事の顛末を、プロデューサーに話す。ボクが話している間、プロデューサーは、何をするでもなく、ただ黙って聞いてきてくれた。
>>96
やめろうざい
ボクが話し終わると、ゆっくりとプロデューサーが立ち上がる。そして、優しくボクに微笑みかけた。
「あのな、真。確かに俺は、今、真が可愛い服を着ると、イメージに影響が出ると言った。だけどな、これからの真には、そういった可能性もあるんじゃないかと、俺は思ってる」
「これからの、ボクですか……?」
「ああ。真は、あんまりにも王子様扱いされすぎたんだな。……ごめんな、それはそういう路線で売り出してしまった俺の責任だ。
でもな、真は確かに凛々しいけど、それに負けないぐらい、可愛いところもあるんだ。俺が保証する」
お、NGてこんなに便利なんだ
初めて使ったわ
しえーん
プロデューサーが、ボクの頭を、優しく抱きしめてくれる。プロデューサーの体は、思っていたよりもがっちりしていて、男らしかった。
「だから、誰に何を言われても、気にするな。俺はお前が可愛いって、分かってるから。これからいくらでも、時間はあるんだ。
いつか、真がなりたかったお姫様にも、絶対にしてみせる。それまで、少しの間、我慢してくれないか?」
プロデューサーに触れてもらうと、不思議と心が落ち着く。この人がそう言ってくれるなら、安心できる。
さっきまで心に沈着していた不安が、嘘のように消えていくのを感じた。この人が、信じてくれるなら……。
>>98
やめろやめろやめろ
>>101
やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろゆめろやめれ
「ありがとうございます、プロデューサー……ボク、もう大丈夫です」
静かにプロデューサーから離れる。プロデューサーは歯を見せて笑うと、ボクの頭の上に手を置いた。
「よしっ、じゃあ帰るか、真! みんな待ってるぞ」
「はいっ! ……みんな?」
「なに、着けば分かるさ」
④ミ
パンパンパーンッ!
事務所に戻ったボクを出迎えたのは、たくさんの破裂音と、「おめでとう」の声。何が起こったのかわからず、周りを見回す。
春香たちや、小鳥さん、社長までもが、クラッカーを持って立っていた。
「驚いたか?」
隣で、やはりクラッカーを持ったプロデューサーが聞く。
「何でこんな……って、あっ」
そこでようやく気付く。プロデューサーが今日の夕食を断った理由。さっきの言葉の意味。こんな簡単なことに気付かなかった自分がおかしくて、ひとりでに笑みがこぼれる。
支援
「なんだ、やっぱり気づいてなかったのか。おかしいと思ったよ。まぁ、その方がサプライズのしがいがあるってものだけどな」
「真、誕生日おめでとう! もしかしたらばれちゃうかなーって思ってたけど、真ったら、気付かないどころか誕生日自体忘れてるんだもん。こっちがびっくりしちゃったよ」
「あはは……ありがとう、春香」
何日か前まで、覚えていたはずなんだけどな……ここ数日のハードスケジュールや、今日のいざこざですっかり頭から抜けていたらしい。
>>102-104
「じゃあ、主役も来たことだし、一つ、乾杯でもするかね、諸君!」
「社長はお酒飲みたいだけでしょ? 経費じゃ落ちませんからね」
「わ、分かっているとも、律子君」
「ほら真、今日は真が主役なんだから、みんなの前に出ないと」
「わっ……とと」
部屋の真ん中まで春香に押されて、みんなの前に出る。ボクをじっと見つめる沢山の嬉しそうな顔。
こんなにたくさんの人が、ボクの誕生日を祝ってくれていることに、少し涙が出そうになった。
「では、菊地君の誕生日を祝って、乾杯!」
「「「かんぱーいっ!」」」
乾杯して、ご飯を食べて。忙しいはずのみんなが作ってくれた時間は、何にも代えがたいものだった。
一通りテーブルの上が片付いてきたところで、プロデューサーが手を叩いて注目を集めた。
「さて……ご飯も食べ終わったことだし。みんな、プレゼントの用意は出来てるか?」
「当たり前っしょ→」
「兄ちゃんこそ、忘れてんじゃないの?」
「んっふっふ~。亜美たちからは、これだよ!」
「えっと……ゲーム?」
「まこちん、あんまゲームとかやんないっしょ? だからこれでゲーム始めて、真美たちと一緒に、もっともっと遊ぼうぜー」
「コラあんたたち、自分のためにプレゼント買ってどうすんのよ!」
「うげっ、律っちゃん!」
いつも通りのやり取りに、思わず笑ってしまう。最近はプロデューサーも忙しいことが多いし、二人はもっといろんな人と遊んでいたいのだろう。
今度からは、もっと二人に付き合う時間を増やしてあげようと思った。
「まぁまぁ律子落ち着いて。ありがとう、亜美、真美、嬉しいよ」
「あっ……へへっ」
「……さすがまこちん、かっこいいですなー」
頭に手をのせると、二人は少し照れたように笑った。
まこりんHappyBirthday!志宴。
「じゃあ次は、私たちがプレゼントしちゃいまーっす!」
そう言って出てきたのは、いつも通り元気そうなやよいと、いつもと違って何やら気後れした様子の伊織だった。
「私たちからは、はい! ぬいぐるみです! 伊織ちゃんと、二人で作ったんですよー!」
やよいの手からクマのぬいぐるみを、伊織の手からウサギのぬいぐるみを、それぞれ渡される。
「何よ……変なら変ってはっきり言いなさいよ……」
④
いいね
「そんなことないって。ありがとう、二人とも」
伊織は、ちょっとほっとしたような表情をした後、その顔をすぐにこわばらせた。全く、もうちょっと素直になってもいいと思うんだけど。
「喜んでもらえて、嬉しいですー!」
「ふ、ふん、当然よね。なんたってこの伊織ちゃんが、私とおそろいのうさちゃんを、わざわざ作ってあげたんだから。感謝、しなさいよね……」
素直なやよいも、素直じゃない伊織も可愛くって、亜美や真美と同様に頭をなでる。
「はわっ!? ……えへへ、真さん、優しいです……」
「んなっ……ちょっと、やめなさいよ……」
うん
しばらく二人の頭を撫で続けていると、後ろから声をかけられた。
「真ちゃん、次は、私たちのプレゼントを受け取って欲しいな」
「真。わたくしと雪歩の二人で、あくせさりぃしょっぷなる場所で購入したものです。気に召すとよいのですが……」
おずおずと雪歩に渡されたのは、小さな腕時計。
「四条さんと、何をプレゼントするか迷ってた時に見つけたんだ。それで、これを見たときに……」
「わたくしも雪歩も、これしかないと思ったのです。きっと、似合うと思いますよ」
「ありがとう、貴音、雪歩」
早速腕時計を付けていると、貴音が頭を下げてこちらを見ているのに気が付いた。
「えっと……どうしたの、貴音?」
「? ……頭を撫でるのでは、ないのですか?」
中学生組――美希も中学生だけど――が可愛くて頭を撫でていたのを、プレゼントをくれたみんなの頭を撫でるものと勘違いしているらしい。
でも、今更訂正するのも気が引けたし、貴音の髪の毛も触ってみたかったから、黙っておくことにする。
お姫ちんかわいいな
オヒメチーン
「うわ……貴音の髪、柔らかいね……ホントにお姫様みたいだ」
「ふふ、ありがとうございます。……雪歩は、頭を撫でられられなくても、よろしいのですか?」
「えっ……私は、その……じゃ、じゃあ、よろしく、お願いします……」
「何で敬語なんだよ、雪歩……」
雪歩の頭も、なるべく優しく撫でる。自分と同じくらいの雪歩と、明らかに自分より大きい貴音を撫でるのは、何だか変な感じがした。
「まったく、これだから真は王子様なんて呼ばれるのよ……」
伊織がため息交じりにそんなことを言う。雪歩たちの頭は別に撫でようと思って撫でてるわけじゃないんだけどな……。
「次は、私たちね」
「何だかいつも通りな気がするんだけど、千早ちゃんと二人でケーキを作ってみましたっ!」
そう言いながら、春香が冷蔵庫から大きなケーキを取り出す。赤いイチゴの乗った、真っ白なショートケーキ。チョコレートを使った文字で、名前まで書いてある。
「私は、あまり力になれなかったと思うんだけど……」
「そんなことないって! 千早ちゃんがいてくれて、ほんとに助かったんだから!」
「ありがとう、二人とも。じゃあ、みんなで食べよっか」
ケーキにろうそくが立てられ、部屋のあかりが消される。こんな誕生日は、本当に久しぶりだ。
昔は、家族みんなに誕生日の歌を歌ってもらっていたけれど、いつの間にかそれもなくなってしまっていた。
それが今は、こんな風にみんなから歌を贈られ、プレゼントを贈られ、こんな嬉しいことが他にあるだろうか。
ケーキを一通り食べ終わると、今度はあずささんが前に出てくる。
「真ちゃん、私たちからのプレゼントも、受け取ってもらえるかしら? 私と、律子さんと、音無さんと、社長さんからのプレゼントなの」
「オホン! 菊地君の我々からのプレゼントは、今外に置いてあるんだ。見に行ってくれるかね」
社長に促されて、事務所の下に行く。そこに置いてあったもの、いや、停めてあったものは、ボクの想像の遥かに上を行くものだった。
「……GIANTの、コンポジットSE」
今年発売された、まだ新しい自転車だ。欲しいと思ったけど、値段が高くて手が出なかった覚えがある。
「真ちゃんには、いつも頑張ってもらってるから、私たちも頑張ってみました!」
「頑張ったのは、お財布ですけどね……」
何やら胸を張る小鳥さんと、ちょっと余裕のなさそうな律子。いくら四人で買ったとはいえ、安いものではないのに……。
「なに、君たちは私にとって家族のようなものだ。大切な家族へのプレゼント、受け取ってはくれないか」
「社長……分かりました……ありがとうございます」
社長は、真っ黒な顔をほころばせて笑った。
イイハナシダナー
「家族ですかー。じゃあ私も、伊織ちゃんと家族だねー」
「そ、そうね、やよいは妹ってとこかしら」
「うっうー! よろしくね、伊織お姉ちゃん」
「わ、悪くないわね……」
ふと、背中を叩かれるのを感じて振り向く。美希と響が並んでいた。
「じゃあ今度は、ミキたちからのプレゼントを受け取ってほしいの。真お姉……ちゃん?」
そこは何で疑問形なのか。
「この前、真くんに、フリフリの服が似合わないって言っちゃったから……ミキ、ちょっと悪いことしちゃったかなって思ったの」
「だから自分たち、真のために可愛い服を用意したんだぞ!」
渡されたのは、いかにも女の子といった感じの、白いワンピース。今までイメージしていた『可愛い』服とは違うけれど、少なくとも普段ボクが着るような服ではなかった。
「ミキ達のコーディネートだから、真くんに絶対似合うの! ミキ、真くんにはこういう可愛さが似合うって思うな」
確かに、フリフリの服を着たときの周りの意見は、総じて芳しいものではなかった。でも、このワンピースなら、そこまで今までのイメージの差がない気がする。
もしかしたら、フリフリの服を着るためには、ボクにはある程度の段階が必要なのかもしれない。
>>129
> 社長は、真っ黒な顔をほころばせて笑った。
ヤザンからしげるに変わっていくのはなぜだろう……
真は白ワンピ似合うよね
「ありがとう、二人とも。とっても嬉しいよ」
そう言うと、美希は花が咲いたように笑う。
「気に入ってもらえて、よかったさー」
天真爛漫な二人の様子を見ていると、さっきまで悩んでいたことが、バカみたいに思えてきた。
「この服着るからさ、今度どこかに行こうよ」
「じゃあ自分、真に負けないくらい可愛い服、着てくぞ!」
「一番可愛いのはミキで決まりなの。あはっ」
真は清純派だよなぁ
男っぽい言われてるだけで超純粋そう
パーティーもたけなわ。お酒を飲み始めた大人組や、舟を漕ぎ始めているやよいを見ていると、プロデューサーがボクを呼んでいるのに気づく。プロデューサーのほうまで行くと、
「俺だけ、プレゼントを渡しそびれちゃってたからな……。はい、おめでとう」
そう言って、ボクの手の上に小さな箱を置く。
「……開けても、いいですか?」
まあ乙女ですから
「……開けても、いいですか?」
ゆっくりと頷くプロデューサー。恐る恐る箱を開けると、そこには銀のネックレスが慎ましやかに光っていた。
「これ……ほんとに貰っても、いいんですか?」
そのネックレスは、見るからに高価で、受け取るのをためらうほどだった。プロデューサーだって、そんなにお金を持っているわけではないだろうに……。
ボクなんかのために、無理をさせることは気が引けた。
「真のために買ってきたんだからな。受け取ってもらえなかったら、泣くぞ?」
「あっ……はい、ありがとうございます」
もちろん、他のプレゼントと比べようなどとは、微塵も思わない。それでも、プロデューサーからのプレゼントは、ボクの中で特別な意味を持つものだった。
「真、あれ、やらないか?」
「あれ? ……ああ、あれですね」
いつものように、拳を合わせる。これは、ボクとプロデューサーだけの特別な合図。拳を通して、二人の心は繋がっていた。
「あー! 真くんがハニーにいいもの貰ってるのー!」
「美希!?」
「プ、プロデューサーさん! いいものって、真に何あげたんですか?」
「春香まで……」
「これはちょっと、詳しい話を聞かないといけないの」
最後は美希たちに見つかって、大変なことになってしまったけど、その日は間違いなく、今までで最高の日だった。
パーティーから一週間ほど経って、ボクは営業でインタビューを受けていた。
「では、真くん。今度のライブの、注目すべきところはどこですか?」
「はい! 今回のライブは、ファンの皆さんにとっても、ボクたちにとっても大事なライブになると思います。だから、ボクたちの新しい魅力に注目してくれたら、嬉しいです!」
「新しい魅力といいますと、具体的にはどんなものがあるのでしょう?」
アイマススレに誤爆したの?
アイマススレに誤爆したろ、笑っちまったじゃねえか
真はゴテッとしてない、シンプルな可愛い服装が超似合うよな
誕生日おめでとう
「か、可愛さですか!?」
ライブ当日、プロデューサーに無理を言って、ボクも一曲、可愛い衣装を着てステージに立つことが決まった。
もちろんリスクは高いけど、これからのボクの路線を変えていくためには、避けては通れない道だと思う。
実のところ、ボクはもしかしたら、プロデューサーにさえ可愛いと思ってもらえたらそれでいいと思っているのかもしれない。
自覚があるわけではないけど、そう思うことがたびたびある。もちろんお姫様扱いされてみたい、という望みは変わっていない。
ただ、それは結局は無い物ねだりにすぎないような気もしてきたのだ。でも、プロデューサーはあの時、ボクのことをお姫様にしてくれると言った。
王子様として扱われてこなかった、このボクを。だからボクは、プロデューサーを信じる。そしていつか、お姫様になるんだ。だって……
アイマススレに誤爆しだだろ(便乗)
「か、可愛さですか!?」
ライブ当日、プロデューサーに無理を言って、ボクも一曲、可愛い衣装を着てステージに立つことが決まった。
もちろんリスクは高いけど、これからのボクの路線を変えていくためには、避けては通れない道だと思う。
実のところ、ボクはもしかしたら、プロデューサーにさえ可愛いと思ってもらえたらそれでいいと思っているのかもしれない。
自覚があるわけではないけど、そう思うことがたびたびある。もちろんお姫様扱いされてみたい、という望みは変わっていない。
ただ、それは結局は無い物ねだりにすぎないような気もしてきたのだ。でも、プロデューサーはあの時、ボクのことをお姫様にしてくれると言った。
王子様としてしか扱われてこなかった、このボクを。だからボクは、プロデューサーを信じる。そしていつか、お姫様になるんだ。だって……
とりあえず名前欄で句読点使うほどしゃべるのやめとけ
「はい! 今はあんまり似合わないかもしれませんが、いつか必ず、とっても可愛いって、みんなに言わせてみせますからね!」
だって、プロデューサーの願いは、ボクの願いだから。
これでssは終わりです。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
>>151
そんなかっかすんなよ
俺もお前も名前欄に句読点あるじゃないか
なんとも中途半端だな
最初から書き切ってたと言ってた割に打ち切り感がするのは何故
まあなんでもいいや、乙
乙
やっぱり真は可愛い
いや見栄え悪いだろカッカしてるとか自己紹介乙
真ちゃん天使かわいい乙
乙とだけいっておこう
お疲れ様
真可愛い乙
お疲れ
真ちゃん可愛い!
誕生日だから許せるレベルのだな
そもそも地の文が邪魔なのに読みづらいからタチが悪い
せっかくの誕生日にカッカしてるお前の方がタチが悪いって気がついてないの?
>>165
こいつは真性臭いから触れないほうがいいぞ
/j
/__/ ‘,
// ヽ ', 、
// ‘
/イ ', l ’ …わかった この話はやめよう
iヘヘ, l | ’
| nヘヘ _ | | l ハイ!! やめやめ
| l_| | | ゝ ̄`ヽ | |〈 ̄ノ
ゝソノノ `ー‐' l ! ¨/
n/7./7 ∧ j/ / iヽiヽn
|! |///7/:::ゝ r===オ | ! | |/~7
i~| | | ,' '/:::::::::::ゝ、 l_こ./ヾ.. nl l .||/
| | | | l {':j`i::::::::::::::::`ーr ' ||ー---{
| '" ̄ ̄iノ .l::::::::::::::::::::::∧ | ゝ ',
, 一 r‐‐l γ /、::::::::::::::::::::::::〉ー= ___ ヘ ヽ }
/ o |!:::::} / o` ー 、::::::::::::i o ,':::::::{`ヽ ヘ ノ
/ o ノ:::::∧ /ヽ o ヽ::::::::| o i::::::::ヽ、 / /
/ ノ::::::/ /::::::::ヽ o ヽ:::| o {::::::::::::::Υ /
おつ
触れるなよスルーが一番だ
乙!今日の真SSが更に楽しみになるな!
↓以下真の画像スレ
困ったらアスペだの真性だのちょっと指摘したらこれか?
まあ今時のSS読み手()は低年齢と聞いてるから仕方ないか
真可愛い乙
ところで>>150はどこらへんが変わってるんだこれ
SS誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって
エーベルージュ
センチメンタルグラフティ2
Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
初恋ばれんたいん スペシャル
ファーランド サーガ1、2
MinDeaD BlooD 4
【シヴァンシミター】WOG【クリムゾンクルセイド】
アイドルマスターブレイク高木裕太郎
まことおとこ
>>172
空行
>>175
最後の行
王子様として『しか』が抜けてます
意味が全然変わってしまうので……
乙
乙
まだみてる人います?よかったら続きを書こうかと思うんですが
どうぞどうぞ
言う前に始めませんかねぇ(ゲス顔)
待ちに待った765プロオールスターライブの日。控室で、ボクは手の震えをじっと押さえていた。
手に持っている衣装は、今までのボクのイメージとはかけ離れた、いわゆる『可愛い』もの。
今まで、こんな服を着てステージに上がることはほとんどなかった。そして、こんなに緊張したことも……。
今までに築き上げてきた人気が、これからの数分で地に堕ちるかもしれない。この衣装は、そんなリスクを秘めていた。
人は、手にしているものを失うことを極端に恐れるという。今のボクの震えは、そんな人間の本能に通じるものを感じさせていた。
「真ちゃん、大丈夫?」
いつからそこにいたのか、雪歩が隣にいて、ボクを気遣ってくれていた。
「ああ、雪歩……大丈夫だよ」
「真ちゃん……」
自分でも笑ってしまうほど、大丈夫ではない声。それは結果的に、雪歩の不安を助長するだけのものとなった。
ふと、てのひらに違和感を覚える。見ると、ボクの右手は、首から下がっているネックレスを握りこんでいた。
プロデューサーから貰ったネックレス。あの時の拳の感触。それらが鮮明に思い出される。
あの日、プロデューサーと誓った約束。もちろんそれを忘れたわけではない。でも、いざステージに出るとなると、どうにも足が震えて、止められなかった。
控室を見回すと、プロデューサーの姿がない。何か一言、言葉をかけてもらえば少しは気も紛れると思っていたけど、そうもいかないようだった。
「真ちゃん。もう時間がないよ……」
どんなに足が震えていようと、ボクの出番は刻一刻と近づいてくる。今更、逃げようがなかった。
「……うん、分かった。行こうか」
震える足を叩き、強引に歩を前に進める。半ばやけくそになりながらも、走ってステージに飛びだした。
後日談のまこりんイチャラブタイムか!?志宴
ステージに立った一瞬、会場が静寂に包まれる。集まった一万超のファンたちが、一斉に静まり返る様子は、ある種の畏れさえも感じるものだった。
戸惑うファンたちの様子が、雰囲気で伝わってくる。何を言っているかははっきりと感じ取れなくとも、今のボクを異様なものとして認識していること。
それだけがひしひしと伝わってきた。
数秒の沈黙に、心が折れそうになる。このまま会場が盛り上がらなかったら、ボクは一体どうすればいいのか。
いっそこのまま逃げ出してしまいたい。そんな衝動が頭を支配しようとした、その時だった。
「真ーっ!! とっても似合ってるぞーっ!!」
今この場で聞こえるはずのない声に、耳を疑う。プロデューサーは今頃、控室でみんなを激励しているか細かい確認をとっているか、どちらかのはずなのに。
「可愛いぞーっ!! 真ーっ!!」
今度は間違えようもない。正真正銘、プロデューサーの声だ。暗い会場の中、必死に目を凝らしてみると、ファンたちの中、最前列で揺れる紫のサイリウム。
そのサイリウムは一人、必死に叫んでいた。
「似合ってるぞーっ!! 自信を持てーっ!!」
「お前はかわいいんだ!! 真ーっ!!」
どんな言葉より、どんな声援より。プロデューサーが一番に声を張り上げてくれたこと。ボクのために最前列の席まで行ってくれたこと。それだけが嬉しかった。
そんな声が何度聞こえただろうか。にわかに会場がざわつき始め、少しずつ今までの喧騒を取り戻してゆく。
貴音かわいいよ貴音
「真くん、可愛い!!」
「思ったより、可愛い格好もイケる!!」
そんな声が、聞こえたような気がした、次の瞬間。
「わぁ……」
一斉に光る、紫のサイリウム。それは、今までと全く異なる自分を見せたボクに、今までと全く変わらぬ声援を向けてくれた、何よりの証だった。
ふと、足の震えが止まっていることに気付く。今ならできる、いや、今しかできないと思った。だから、プロデューサーの声に応えるように、声を張り上げる。
「みんな、ありがとーっ!! ボクの新しい衣装、気に入ってもらえると嬉しいな。じゃあ、新曲行きます! 『THE IDOLM@STER』!!」
「ふぅ……」
ライブも終わり、人がいなくなったドーム。ボクは一人、ステージに座って息を吐いていた。
「大成功、だよね……」
恐らく今日のライブは、そう呼べる代物だっただろう。ボクは結局、予定されていたよりも一曲多く新しい衣装でこなすことになった。
「ああ、大成功、だな」
後ろからの声と、振り向くより先に手渡されるスポーツドリンク。ボクは座ったまま、体を反対側に向けた。
「プロデューサー……今日は、本当にありがとうございました。プロデューサーがいなかったら、ボク……逃げ出していたかもしれません」
あの時、誰も声を出してくれなかったら。ボクは、恐らく何もできなかっただろう。下手をすれば、その後の進行にまで影響があったかもしれない。
「気にするな。言っただろ? 絶対真をお姫様にしてみせる、って」
「えへへ……そうですよね」
この人は、どんな無茶でもして、どんな時もボクを導いてくれる。そんなプロデューサーが嬉しくて、なにより愛しかった。
だから、
「プロデューサー。ちょっとだけ、動かないでいてくれます?」
ボクはプロデューサーを、必ずボクのものにしようと思う。
「なんだよ、いきなり……まあ、いいけど」
プロデューサーが動きを止めたのを確認すると、ボクは素早く立ち上がり、プロデューサーの唇にさっと口づけた。
「お、お前、バカ、何を……」
「えへへ。お姫様は、欲張りなんですよ。欲しいものは、手に入れなくっちゃ、ね?」
今は、これだけでもいい。でも、いつか必ず、プロデューサーの心を、手に入れてみせる。だってボクは、お姫様なのだから。
支援
SS終わったってよ
785 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/08/29(水) 02:49:04.04 ID:5A4MbR9p0 [12/12]
すみません、
真「アイドルとしてのボク」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1346164281/)
このスレでさるさん食らいました。
終わったということをどなたか伝えてくれないでしょうか?
乙でした!
寝る前に良いまこりんSS読めましたありがとう。
真誕生日おめでとう!!
ものすごいところでさるくらうな
乙
すげータイミング
乙
いい話だった
乙
乙
乙
感動して泣いた…乙!
そして、今日のまこりん誕生日おめでとう
転載禁止でお願いします
乙
真の誕生日だし真の画像誰か貼ってほしいな
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