木の間の影、打ち時雨たる叢雲 【艦これ】 (346)
【提督、着任する】
『提督が鎮守府に着任しました!これより艦隊の指揮に入ります!』
「え?」
『どうしました?』
『そういえば着任初日でしたね』
「何の」
『胸中お察しいたします。先駆者のいない新型艦隊の提督任務は不安でしょうが、貴方は我が国の期待の星です。自信を持ってください』
「????」
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鎮守府提督室
任務娘「本日より着任中の雑務のお手伝いをさせていただく任務娘です。宜しくお願いします」
提督「…………………任務娘さん」
任務娘「はい、なんでしょう」
提督「まだ何も話聞いてないんだけど」
任務娘「またまたご冗談を」
提督「記憶は正常なんだけど一応、一応今の状況を説明してくれないか」
任務娘「承知しました。記憶が正常な提督のためにきっちり説明させていただきます」
任務娘「まあ私も下っ端ですので詳細まではわかりかねるのですが」
任務娘「ここは佐世保鎮守府第二艦隊第二三戦隊です」
任務娘「そして貴方の任務は暴走した生物兵器、通称深海棲艦の殲滅です」
提督「なにそれこわい」
初です。至らん所があればすまんこつ
任務娘「第二次世界大戦中、我が国は艦船に無差別攻撃を行う簡単な生物兵器を実験的に放ったそうです」
任務娘「その時の実験で用意された標的艦には見向きもされず逃亡され、計画は凍結されその後60年間何もなかったそうですが」
任務娘「どうも世代交代を重ねながら増えちゃったみたいで最近になって日本近海で船が沈みまくるようになったんですよね、最近は貿易にも支障が出ています」
任務娘「それでボロクソに言われた我が国が20年の歳月を掛けて開発したその撃滅を担う新兵器を指揮するために着任したのがあなたという訳です」
提督「長い」
任務娘「これでもかなり圧縮しました」
提督「まあいいや、いくつか質問してもいい?」
任務娘「はいどうぞ」
提督「なんで日本の仕業ってバレたの?」
任務娘「深海棲艦は高い知能を持っているようで、何と日本語を話すんです」
任務娘「それで強制捜査されて資料が出てちゃったみたいな」
提督「やっぱり強いの?」
任務娘「普通の船は片端から沈みました」
提督「強過ぎるだろそいつら」
提督「一体どんな兵器を使うつもりなんだ?ガンダムかなんかか?」
不思議な高翌揚感に包まれる。やべえ超楽しそう。
任務娘「そんな現実味のない事言わないで下さい、仮にも貴方は日本を背負って立つ提督です」
任務娘「別室で待っているので連れてきますね」
提督「別室で待っているので連れてくる?どういうことだ?」
???「遅すぎるわ!どんだけ待たせるつもりよ!」
任務娘「申し訳ないです、少し新任の提督への説明に手間取りまして」
???「大丈夫なんでしょうね」
任務娘「上からの信用は厚いみたいですが」
任務娘「現在錯乱して記憶が混乱してるみたいです」
???「それヤバいんじゃないの!?」
???「なんだか心配になってきたわ」
それから十分もすると、再びノックの音が急ごしらえのようにも見える簡素なドアから響いた。
任務娘「失礼しまーす」
提督「はーいって……誰その子」
???「私は叢雲よ、子供呼ばわりしないでね」
そこにいたのは中学生になってすぐ、下手すれば小学生にも見える小さな少女であった。彼女の持つ武器のようなモノを見て、自らを納得させようとするが、どうにも上手くいかない。
提督「えーと………任務娘さん?」
任務娘「彼女が深海棲艦に対抗しうると期待されている新兵器『艦娘』です」
任務娘「ちなみに肩に乗っているのは艦娘専用インターフェースの妖精さんです」
信じ難い話だ。頬を軽く抓った後、
提督「艦娘ねえ…こんな子供が?」
叢雲「アンタ喧嘩売ってんの!?私は子供じゃないって言ってるじゃない!」
提督「いくつ?」
叢雲「……………に、二十歳よ」
提督「」プッ
叢雲「」チャキッ
任務娘「ちょっとダメですって……!」
ズガーン
なんということでしょう。あの鬱屈とした暗い執務室に素敵な天然の照明が生まれたではありませんか!
任務娘「そこに座ってください」
叢雲「アンタ何私に命令してんのよ」
任務娘「」ニッコリ
叢雲「ひっ……!」
叢雲「」ガクガクブルブル
任務娘「本来なら一発で首なんですが貴方達は換えの効かない人材なんですよね」
任務娘「………叢雲さん、もう次からは室内で主砲撃ったりしないと誓えますか?」
叢雲「はい…」
任務娘「提督さん、手を出したのは叢雲さんとはいえ、貴方も悪い事、分かってますよね?」
提督「勿論です」
任務娘「はぁ…じゃあお互いに謝りましょう、それで終わりです」
提督「…………馬鹿にしてすまなかった」
叢雲「アンタは悪くないわよ。提督に主砲向けた軍艦なんて私が史上初じゃないかしら」
提督「違いないな。でもまあ怪我人もいなかった訳だし、それくらい元気があっても良いんじゃないか?」
叢雲「またそうやって子供扱いするのね」
提督「あっ…!」
叢雲「別にいいわよ」
叢雲「そうやっていちいち目くじら立てる方が子供っぽいわ」
提督「大人っすねー」
叢雲「ふふん、もっと褒めたっていいのよ」
任務娘「仲直りできたみたいですので敷地管理人さんからの連絡をお伝えしますね」
任務娘「では今日は寝床を用意出来ないので懲罰を兼ねて野宿しろとの敷地管理人さんのお言葉です」
とんでもないお言葉を賜った気がする。
提督「今なんて?」
任務娘「野宿」
提督「え?いま冬だよ?」
任務娘「罰としてはちょうどいいんじゃないでしょうか」
任務娘「一応毛布くらいは頂けましたので使ってください。私は管理人さんの所で休みますので宜しくお願いします」
任務娘「私は寒いのでもう行きますね」
叢雲「冗談じゃないわ……!アンタホテルかなんかに連れていきなさいよ」
提督「あの騒ぎで財布落としたみたいだ」
叢雲「じ、じゃあどっか民家に泊めてもらいましょう」
提督「このペアで押しかけたら多分通報される」
叢雲「え、じゃあマジでアンタと野宿すんの?」
提督「俺も嫌だけど仕方ないだろ」
叢雲「まさに懲罰ね」
提督「ドックの鍵持ってるからそこで寝るぞ」
叢雲「ホント最悪の気分よ」
寒空の下、短気は損気という昔の立派な言葉を噛み締めながら叢雲と共にドックへ歩いた。
休憩
いいや、見え張らず書き溜め全部落とします
第一ドック内
声が反響するような大きなドックで、本当の船もここで修理してそうだった。
提督「おーい叢雲ー」
提督「いくら嫌だからってそんなに離れることはないんじゃないかー?」
叢雲「アンタと寄り添って寝るくらいなら死ぬわよー」
提督「せめて大声会話しなくてもいい距離で寝ましょー」
叢雲「近づきたいならアンタが近づいてきなさいよー」
提督「りょうかーい」
叢雲「ちょっと近すぎよ」
提督「まだ10mはあるぞ」
叢雲「まあいいわ、聞きたいことがたくさんあるんでしょ?」
提督「まあな」
提督「叢雲はなんなんだ?」
曖昧すぎるような気もするが、どうしようもない。
叢雲「曖昧ね」
提督「しょうがないだろ、まず人間なのか?もしかしてアンドロイドかなにかなのか?」
叢雲「失礼ね、人間よ。多少強化されてるとはいえ攻撃されたら痛いし血だって出るわ」
提督「そんな危険な仕事をお前一人に請け負わせるのか」
叢雲「そのうち艦娘も増員していく予定だそうだけど、まあ今は一人ね」
提督「なんでそんな危険な艦娘になろうと思ったんだ?」
叢雲「艦娘にも適性があって私は産まれる前から艦娘になることが決まってたのよね」
叢雲「私が不幸な子みたいに見ないで頂戴ね。同じ艦娘の候補の友達もたくさんいるし艦娘候補の学校だってあるわ。それに…」
提督「それに?」
叢雲「世界の存亡が私の働きにかかってるのよ?それってヒーローじゃない?」
提督「なるほどね、そりゃ幸せだ」
叢雲「でしょう?」
叢雲「ちなみに私の叢雲って名前は本名じゃなくて昔の軍艦の名前からもらったものよ。」
提督「本名は?」
叢雲「教えない」
叢雲「じゃあね、私はもう寝るわ」
提督「最後に一つだけいいか?」
提督「お前ホントは小学生だろ」
叢雲「あんた私が撃てないと思って調子乗ってるでしょ」
【叢雲、出撃する】
任務娘「あ、おはようございます叢雲さん、提督……ってどうしたんですかその顔」
提督「小学生かって聞いたら寝てる顔をサッカーボールみたいに蹴られた」
任務娘「全く懲りてないですね」
叢雲「私は悪くないわ」
任務娘「まあ取り敢えず作戦部からの任務を連絡しますね」
任務娘「明日午前7時より開始する鎮守府近海の深海棲艦掃討戦に備え機関火器等の最終点検および整備を行うようにとの事です」
提督「え、それだけ?」
任務娘「本当は昨日のうちに済ますべきだったのですが」
提督「じゃあ早速始めるか……とは言ったものの艦娘なんてどうやって点検すればいいんだろうな」
任務娘「取り敢えず試運転してみたらどうでしょう?」
提督「そうだな、叢雲、海に出るぞ!」
叢雲「随分アバウトね」
海岸
提督「よし叢雲、宜しく」
叢雲「投げっぱなしにも程があるわよ!簡単で良いから指示を出しなさいよ!」
提督「そうだな…まあ五分程航行して海の方に主砲撃ってくれ」
叢雲「魚雷は撃たないの?」
提督「じゃあそれも」
叢雲「適当すぎるわよ!スマホ買って一緒にアプリ使い放題のオプション付けるくらいのノリで言わないでよ!」
叢雲「…まあ一応指示はもらったから行ってくるわ」
叢雲「よく見ておきなさい!」
叢雲航行中…
叢雲「」シャー
提督「ねぇ任務娘さん」
任務娘「なんでしょう」
提督「あれ浮遊してるよね」
任務娘「そこに気づくとは…流石は提督ですね」
任務娘「しかし足は水面についているのでセーフです」
提督「何に対してのセーフなんだよ……お、帰ってきた」
叢雲「どうよ!」
提督「おう、アイススケートみたいでかっこよかったぞ」
叢雲「ま、当然よね!」
提督「装備の調子はどうだ?」
叢雲「特に違和感は感じなかったわよ?」
提督「そうか、鎮守府に戻る頃には整備員さんが出勤してると思うからそこに装備を預けて明日に備えればいいかな」
叢雲「そうと決まれば早く戻りましょ!お腹がすいたわ!」
提督「カレーでも食べたい気分だな、CoCo壱でも行くか」
叢雲「馬鹿ね!海軍は金曜日以外カレーは食べちゃいけないのよ!そんなことも知らないの?」
提督「つやつやに輝く炊きたての立ったご飯に食欲を唆るスパイシーな香りのカレーがたっぷりと、そして湯気の立つカレーの海に大ボリュームのカツが……」
叢雲「ちょっとやめなさいよ!食べたくなるじゃない!こんなのテロよ!」
提督「バレなきゃ犯罪じゃ無いんですよ」
叢雲「それもそうね」
任務娘(チョロ過ぎます叢雲さん!)
任務娘(それに海軍には金曜日にカレーを食べる慣習があるだけで禁止はされてないです!)
任務娘「………私も行けばよかったかな…」
叢雲「美味しかったわ、いい腕してるわねここのシェフ!」
提督「チェーンだけどな」
提督「折角街まで出てきたし本屋でも寄るかな、ついて来るか?」
叢雲「嫌よ早く帰りたいわ」
提督「一冊くらいなら買ってやるぞ」
叢雲「本当に!?」
叢雲「仕方なくよ、ホント仕方なく」
提督「そうか、助かる」
本屋
提督「サブカルの棚にある戦術書に軍艦図鑑……こんなので大丈夫か?」
提督「叢雲、こっちは買う本決まったぞ。決まったか?」
叢雲「じゃあこれお願いね」
提督「ちゃおか、ちょっと意外だな」
叢雲「!」
叢雲「………間違えたわ、このseventeenっていうの買って頂戴」
提督「無理しなくていいぞ、面白いじゃないか、ちゃお。」
叢雲「そうよね!アイカツ!のかえでちゃんとかめちゃくちゃかわいいのよね!」
叢雲「……私くらいになると一周回ってちゃおが面白く感じるのよ」
提督「へー」
叢雲「帰るわよバカ!」
鎮守府前
任務娘「随分遅かったですね」
提督「ああ、本屋に寄ったんだ」
提督「任務娘も誘えばよかったな」
任務娘「いえ、私はお弁当がありましたので」
提督「そうか、任務娘はしっかりしてるな」
提督「…」
提督「もう鎮守府が復旧してるのか」
任務娘「海軍の威厳に関わるということで担当の建築業者だけでなく海軍の皆さんも動員されて全力で建て直されてました」
任務娘「提督室以外と叢雲さんの部屋以外の内装はまだですがが今日はそこでお休みになってください」
提督「海軍基地に足向けて寝れないな……」
提督「(いよいよ明日か…)」
翌日
提督「不安でほとんど眠れなかった…」
叢雲「ちょっと大丈夫?」
任務娘「少し不安ですが偵察機の偵察結果を報告しますね」
任務娘「駆逐艦3、軽巡洋艦1、以上です」
提督「意外に少ないな」
任務娘「しかし民間船の航行には十分過ぎる脅威です」
提督「叢雲、魚雷の射程は?」
叢雲「最大射程は40000mね」
提督「確実に当てられるのは?」
叢雲「1000mならまあ十中八九当たるわ、連射すればそれこそ百発百中じゃないかしら」
任務娘「艦娘の叢雲さんを1000m離れた所から見つけ出すのは容易なことではないでしょうね、というかまず見つからないでしょう」
提督「今敵艦隊は?」
任務娘「ここから15キロ沖を西にゆっくりと航行しています」
提督「奇襲だ。後ろから近づいて1000m圏内に入ったらの魚雷を撃てるだけ同時に撃て」
叢雲「同時に撃てるのは三射線までよ」
提督「十分だ、一発ずつくれてやれ」
提督「残った敵についてはその後無線で連絡する」
叢雲「了解!叢雲、出撃するわ!」
※近代砲戦完全無視
突っ込まないでね
提督「…大丈夫だろうか」
任務娘「大丈夫ですよ」
任務娘はこれを叢雲に対する心配と受け取ったようだった。
任務娘「あの程度艦娘の敵ではありません、それに彼女、とても優秀ですから」
妖精さん「もうすぐせんめーとるけんないです」
提督「おう」
叢雲「突入カウントダウン入るわ、5…4…3…2…1…」
叢雲「0!」
妖精さん「ぎょらい、はなちます?」
瞬間、彼女の61cm魚雷が水面下を疾走する。
叢雲「発射したわ!次はどうするの!?」
提督「そのまま突っ込め!敵が混乱しているうちに方を付けろ!」
叢雲「了解!」
任務娘「報告きました!敵被害、駆逐艦撃沈2、軽巡洋艦中破1です!残った駆逐艦は海域を離脱し始めました!」
提督「聞こえたか、叢雲!中破した軽巡洋艦を狙え、駆逐艦は無理して追わなくても構わない!」
叢雲「了解したわ!全砲門、一斉射!」
推進能力を失ったらしい深海棲艦は為すすべもなく叢雲の砲撃を待つのみである。
深海棲艦軽巡「」ズブズ
叢雲「撃沈確認したわ!」
提督「よし!作戦終了だ!帰還してくれ!」
任務娘「完全勝利です!」
叢雲「ただいま帰投したわ」
提督「おかえり叢雲、よくやったぞ」
叢雲「ま、当然の結果よね、こんなとこで躓いてちゃ話にならないわ」
叢雲「悪い気分じゃないけど」
整備員「叢雲さーん、補給の準備出来てますよー」
叢雲「今行くわ」
叢雲「じゃあちょっと補給行ってくるわね」
叢雲「………アンタの作戦指揮、悪くなかったわよ」
去り際、彼女は呟いた。
提督「悪くなかった………か」
任務娘「大本営より伝令です」
任務娘「貴官の作戦指揮、見事であった。近日中に新たな艦船を配属する予定である。次戦も一層の活躍を期待する、とのことです」
【球磨、死線を潜り抜ける】
提督「喜べ叢雲、新しく軽巡洋艦がこの鎮守府に配備されるそうだ」
叢雲「どんな奴なの?」
提督「なんでも軽巡洋艦部門卒業試験をトップの成績で合格したそうだ」
叢雲「良く知らないけど阿賀野さんのことじゃないかしら」
叢雲は不機嫌そうに教えてくれる
提督「阿賀野?」
叢雲「確かに優秀だったみたいだけど性格キツめだから苦手なのよね彼女」
提督「どの口が言うか」
提督「お前の印象がどうであれ今度の対南西諸島大型深海棲艦の合同作戦は二人で参加してもらうぞ」
叢雲「嫌だけど仕方ないわね」
球磨「今日からこの鎮守府でお世話になる軽巡洋艦球磨クマ。よろしくクマ。」
叢雲「誰よアンタ、軽巡トップっていったら阿賀野さんじゃないの?」
球磨「阿賀野なら卒業試験の日に大風邪惹いて寝込んでたクマ。追試でもう少しかかるクマ。」
叢雲「それでアンタが繰り上がったって訳ね」
球磨「さっきからアンタアンタって年上に対する敬語がなってないクマ。本当なら花の女子高生クマ。お前みたいな小学生とは違うクマ。球磨さんだろクマ。」
叢雲「ここでは私が先輩よ。大体何?さっきからクマクマクマケマ」
提督「あっ、今噛んだ?」
叢雲「うっさい!嬉しそうに指摘するんじゃないわよ!」
球磨「まあもう止すクマ。ここは先輩らしく球磨が引くクマ」
叢雲「あっ!ズルイ!それなら私が引くわ!」
球磨「遠慮することないクマ、後輩に道を譲るのも先輩の仕事クマ。」
叢雲「ちょっと!私が引くって言ってるのよ!」
球磨「球磨が先輩で良いなら引かせてやるクマ」
叢雲「分かったわ!………………あれ?」
球磨「撤回は許さんクマ」
張り切って書いたけど需要ないかな
※その後、喧喧囂囂の激論の末、互いに対等ということで決着がついたようです
出撃当日
叢雲「それじゃあ行ってくるわ」
提督「向こうの司令官に迷惑かけるなよ」
球磨「お土産買ってくるクマ」
提督「そんなに気を遣う事無いぞ?」
球磨「球磨がちんすこう食べたいクマ。球磨は雑食性クマ。」
提督「さいですか」
提督「ま、気をつけてな」
提督「行ってしまったな…」
任務娘「心なしか鎮守府が広い気がしますね」
提督「叢雲言わずもがな、球磨もトップクラスの期待の軽巡だ、大丈夫だとは思うが…」
任務娘「そうやって心配してもらえる彼女達は幸せだと思いますよ」
提督「60年前の戦争では駆逐艦、巡洋艦、航空母艦、戦艦を合わせた258隻の内、最後まで生き残ったのはたった35隻だったそうだが」
提督「俺は絶対に沈ませない」
沖縄本島沖
叢雲「随分な乱戦ね」
那覇港での補給前で油断していたのだろうか、それとも訓練が足りていなかったのか
整然としていたはずの単縦陣は潜水艦からの攻撃を受け、被害を受けた艦が離脱しそこなったせいで今や完全に陣形は崩され、敵水上打撃部隊の突入により今や沖縄本島沖は敵味方入り乱れる混沌の空間と化していた。
球磨「一向に指示が来ないクマ」
叢雲「きっとのんびり作戦会議でもやってんのよ。あれならうちの提督の方が幾分マシよね」
球磨「基本何にでもボロクソ叩きにかかる叢雲がそう言うなら相当出来るクマね」
叢雲「……無駄口叩いてる余裕は無いわ、ここ相当危険海域よ」
球磨「戦場ど真ん中クマ。こういう時はさっさと離脱するクマ」
叢雲「ウチの艦隊二人だから万一の時フォローできる保証がないのよね」
叢雲「背後任せるわ、後ろから弾が当たったら怒るわよ」
球磨「了解クマ」
叢雲「こういう時に言うのも何だけどいい加減その語尾やめてくれない?」
球磨「無理クマ」
鎮守府
任務娘「叢雲さん達の参加する艦隊が奇襲に遭ったそうです」
提督「無事なのか?」
任務娘「不明です………ただかなり甚大な被害が出ていて現在も交戦中だそうです」
提督「…!」
見てるよ―
沖縄本島沖
球磨「この辺が一番キツいとこクマ」
叢雲「こんなとこ通れないわよ」
球磨「落ち着くクマ。これが最善手クマ。層が厚いだけで味方も多いからまあ囲まれることは無いクマ。」
球磨「これから球磨の言う通りに動くクマ。」
球磨「まず魚雷捨てるクマ。」
球磨「爆雷も捨てるクマ。」
球磨「主砲の弾薬も捨てるクマ。」
叢雲「機関銃以外全部捨てちゃったんだけど」
球磨「それでいいクマ。誘爆したら大変クマ」
球磨「主砲外して盾にしてそーっと通るクマ」
叢雲「何だか球磨がトップで卒業した理由がわかる気がするわ」
球磨「球磨の才能は大したこと無いクマ」
球磨「小学生のスマブラの集まりで一人だけ緊急回避つかってドヤ顔するようなものクマ」
叢雲「ああ…なんかわかる気がするわ……」
球磨「さっさと離脱するクマ」
>>43
ありがとう
まだまだ書き溜め残ってるし良かったら見ていって
戦艦タ級「」ゴゴゴゴゴゴ
不知火「くっ…やはり火力も耐久も格が違いますね…」
戦艦は駆逐艦一隻が手に負えるものではない。
不知火「(私の砲撃ではとても戦艦は撃ち抜けない、せめて戦艦への魚雷を庇う駆逐艦を排除出来れば…)」
叢雲「佐鎮第二艦隊第二三戦隊所属、叢雲よ!援護するわ」
球磨「同じく球磨、助太刀クマ」
不知火「……あの激戦区を抜けてきたのですか」
球磨「魚雷捨てて誘爆を防いで来たクマ」
不知火「叢雲に球磨、頭に留めておきましょう」
不知火「私があの戦艦まで魚雷を通します、庇う駆逐艦を足止めしてください」
叢雲「了解よ!私に牙を剥く愚か者共め、全て沈めてあげるわ!」
鎮守府
提督「」ウロウロ
任務娘「いい加減所在なさげにその辺うろつくの止めてください、ウザイです」
その時、部屋に電話のベルが鳴り響く。
任務娘「はい佐鎮第二艦隊第二三戦です」
叢雲「私よ!提督を呼びなさい!」
任務娘「オレオレ詐欺は間に合ってますので」
任務娘「もしかして叢雲さんですか?」
叢雲「そうよ!早く提督に変わって頂戴!」
任務娘「詐欺師さんに質問です。ウチで買っている犬の名前はなんでしょう」
叢雲「!?」
叢雲「そんな犬いないわ!」
任務娘「残念、正解は国家権力の犬でしたー」
任務娘「冗談です」
叢雲「私キレてもいいわよね」
任務娘「提督ですね、今変わります」
提督「大丈夫か!?」
叢雲「ええ、結構かすり傷を負ったけど概ね軽傷よ、球磨もね」
提督「そうか良かった…今どこにいる?」
叢雲「沖縄本島の公衆電話よ…………………球磨に変わるわね」
球磨「クマー」
提督「おお、球磨も元気そうだな」
球磨「正直ヤバかったクマ」
提督「初陣がバトルロワイヤルなんてツイてなかったな」
球磨「しょうがないクマ、いい勉強になったクマ」
球磨「兵装ほとんど捨てて勝手にちんすこう買って戻るからこれからボロクソ怒られること間違いなしクマ。後始末よろしくクマ」
提督「おいちんすこう買って戻るのは止めとけ、悪いことは言わん」
球磨「もう買っちゃったクマ」
提督「宅配便使え」
球磨「そうするクマ」
提督「こっそり戻れよ」
球磨「了解クマ。じゃあ戻るクマ」
ガチャン ツーツーツー
任務娘「良かったですね」
提督「全くだ」
不知火「遅いです、一体何をしていたのですか」
叢雲「ごめんなさいね、敵の残党を掃除していたのよ」
不知火「そうでしたか、しかし単独行動は控えてくださいね」
不知火「目標は達成しましたがこちらは組織的な壊滅を被りました」
不知火「撤退します」
本島沖海戦
駆逐艦21隻、巡洋艦10隻
、大破3、中破11、小破13
結果 戦力的敗北
我が鎮守府所属の艦娘の被害は球磨の機転により寡少
鎮守府
勢い良く提督室のドアが開かれる。安っぽいドアは壊れそうだ。
叢雲「ただいま帰投したわ!」
球磨「ただいまクマー」
提督「よく帰って来てくれた、本当に心配したよ」
叢雲「バカ大袈裟よ、殆ど怪我も無かったし」
提督「いや、酷い目に遭って帰ってきた艦娘もいるんだ、今回は非常に幸運だったと言っていい」
叢雲「幸運なんかじゃ無いわ、球磨のお陰よ」
叢雲説明中…
提督「そんなことがあったのか…ああ、それで武装すっからかんで帰ってきたのか」
球磨「高い魚雷ポイポイ捨てたのは謝るクマ」
提督「魚雷なんか消耗品だ、いくら捨てたって構わない」
提督「新しい兵装受注してあるから工蔽まで取りに行ってくれ、予算当てて新鋭武装を用意してもらった」
叢雲「じゃあさっそく行きましょう」
球磨「そうクマね、何も兵装がないと何だか不安クマ」
工蔽
技術者「よく来たねお嬢ちゃんたち、これ、重いけど大丈夫かい?」
叢雲「大丈夫です。私達一応艦娘ですから」
技術者「頼もしいねえ」
帰り道
叢雲「お……重すぎる……!!!」
球磨「なんで見栄張ったクマ……!明らかにトラックで運ぶレベルクマ………!!!」
???「あの、手伝いましょうか?」
叢雲「い、一般人の出る幕じゃないわ……!!」
???「」ヒョイ
???「そこまで持って行きますね」
鎮守府前
叢雲「私は叢雲よ。本当に助かったわ。もし良ければ名前教えてくれないかしら」
球磨「球磨は球磨クマ」
扶桑「扶桑と申します。まだ何処に配属されるかは決まっておりませんが、超弩級戦艦として就役する予定です」
叢雲「戦艦だったのね、強い訳だわ」
扶桑「私はこれで。ご縁があればよいですね」
球磨「上品な人だったクマ」
叢雲「憧れるわね」
球磨「これは配属フラグ立ってるクマ。確実にウチに来るクマ。」
叢雲「フラグって何?」
球磨「叢雲は知らなくてもいいクマ」
叢雲「戦艦なんだから第一艦隊にきまってるじゃない」
はい半分
【青葉、南国を楽しむ】
提督「お、帰ってきたか……って大きくないかそれ!?」
球磨「途中戦艦候補の方が助けてくれたクマ」
叢雲「それより早く開けましょ」
球磨「ウキウキしてるクマ?」
叢雲「多少楽しみにしてるのは認めるけどね」
提督「今回注文したのは四連装酸素魚雷、21号対空電探、15,5cm三連装副砲だ」
提督「この酸素魚雷は叢雲に、得意な雷撃を伸ばして欲しいからな」
叢雲「あ、ありがと…………………べ、別に感謝なんてしてないわよ」
提督「副砲は球磨に、ちょっと大きい気がしないでもないが、火力の大幅な向上が見込めるだろう」
球磨「ありがとクマ、これからも頑張るクマ」
提督「問題はこの衝動買いしてしまった電探だな、どうしようか」
叢雲「これ衝動買いだったの!?」
提督「本当は魚雷と電探だけのつもりだったんだけど本日ポイント5倍って言われたからつい」
叢雲「凄くスーパーっぽい店ね」
提督「平和堂で注文したぞ?」
叢雲「平和堂で兵器売るってなんかもうめちゃくちゃね」
提督「まあさておき、問題はこの電探だ」
提督「とりあえず装備できそうな重巡洋艦でも配属してもらうか……」
青葉「ども、恐縮です、青葉です!一言お願いします!」
叢雲「なんともテンション高めね」
提督「青葉はこの21号対空電探を装備してくれ」
青葉「はえー、良いんですか、一個で豪邸が立ちますよ」
叢雲「アンタそんなもん衝動買いしたの!?」
球磨「流石に億単位の衝動買いはドン引きクマ」
提督「ほら……その……三割引だったから!」
叢雲「そういうレベルはとっくに超越してるわよ」
青葉「…ありがたく使わせてもらいます」
疲れた今度こそちょっと休む
乙
期待してる
提督「予算がない」
青葉「当然ですよね」
提督「マズイな……来月まで訓練のための石油弾薬代すら危ういぞ……」
青葉「海上護衛任務なんてどうでしょう?」
提督「そんな余裕あるわけ無いだろ」
青葉「聞く人によると資源輸送船護衛任務は資源集積地で資源を分けて貰えるそうですよ」
提督「へー、そんな裏技があるのね」
提督「何でそんなこと知ってるんだ?」
青葉「取材の真似事が好きで艦娘じゃ無かったら私新聞記者になりたかったんですよねー」
提督「すげえ似合いそうだな」
青葉「養成学校の頃は校長の不倫をすっぱ抜きました、あれは爽快でした」
提督「週刊誌でやれ」
青葉「まあそのせいで第一艦隊の内定取り消しで水雷戦隊に入ることになったんですよねー」
提督「うん、薄々おかしいと思ってたよ、重巡洋艦が水雷戦隊に入るわけないって」
翌朝
叢雲「…遠征ねえ」
球磨「でもいいアイデアクマ」
叢雲「バカ買いしなければ切羽詰ってアイデアひねり出す必要なんて無かったわよ」
提督「少し遠いが三人でボルネオ島ブルネイ泊地の資源集積地に行ってくれ、詳しい事は遠征先で説明がある」
青葉「ではでは!青葉!取材、いえ、出撃致します!」
提督「おう、土産話期待してるぞ」
ボルネオ島ブルネイ泊地
叢雲「やっと着いたわね」
球磨「こんなにかかると思わなかったクマ」
青葉「昔は全速力でも丸三日はかかったそうですよ、日が暮れる前に着いただけありがたいと思いましょう」
青葉「もっとも、帰りは三日は余裕でかかるでしょうね」
叢雲「え?お風呂入れないじゃない」
青葉「我慢するしかないですねー」
叢雲「この私に風呂無しで三日も過ごせって言うの!?」
青葉「無いものは無いですからねえ」
叢雲「…グスッ…こんなのってないよ…あんまりだよ…」
球磨「叢雲がショックのあまりキャラ忘れて魔法少女っぽくなってるクマ」
職員「あー君たちが第二三戦隊かい?………って大丈夫か君」
球磨「大丈夫クマ。そっとしといてあげるクマ」
職員「それならいいけど…じゃあ説明するね」
職員「君たちの任務は福井石油備蓄基地行きのタンカー護衛だ、第三十駆逐隊と共に佐世保鎮守府まで担当してもらう」
???「あ、彼女らがお手伝いさん?」
職員「紹介するよ、彼女が第三十水雷戦隊旗艦、軽巡夕張だ」
夕張「夕張よ、よろしくね。第三十水雷戦隊は護衛任務を主としているんだけど、ちょっとノロが流行って私以外やられちゃったのよねー」
球磨「大変クマ」
叢雲「それで私たちが呼ばれたのね」
職員「6時間交代のシフトで食事などは全てその間にしか出来ないから注意してくれよ」
叢雲「お……お風呂は………?」
職員「シャワーならあるけど」
叢雲「」パァァッ
球磨「あ、甦ったクマ」
職員「明日の四時出発だからそのつもりで用意しておいてね、じゃあ解散!」
叢雲「この叢雲がいれば百パー安全よ!任しときなさい!」
球磨「今の内に洗面用具とか買いに行くクマ」
夕張「私もついて行っていい?いい市場知ってるわよ」
叢雲「構わないわ、むしろありがたいくらいよ」
青葉「海外で現地に詳しい人がいると頼もしいですよね」
市場
青葉「いっぱい屋台がありますねー、取材のチャンスです!」ダダッ
夕張「待ちなさい」ガシッ
青葉「だって…!」
球磨「だってじゃないクマ、こんなとこではぐれたら二度と戻ってこれないクマ」
叢雲「一緒に行って取材すればいいじゃない」
夕張「その取材魂、新聞記者の方が向いてるんじゃない?」
叢雲「案外外国語ができなくてもなんとかなるものね」
夕張「この辺は観光客も多いからね、あちらさんも慣れたものよ」
球磨「ご飯も食べておやつもトランプも買ったし、他何か必要クマ?」
青葉「提督にお土産なんてどうでしょう!」
叢雲「別にあんな奴に買わなくてもいいだろうけど、貸しを作るのも悪くないかもね」
球磨「叢雲は素直じゃないクマねー」
叢雲「」ギュー
球磨「痛い痛い、ほっぺた抓らないでクマ」
青葉「あ、あのおさるさんの置物はどうですか!コンパクトで可愛いです!」
叢雲「あらいいわね、それにしましょう」
叢雲「えーと…てぃす………てぃすふぁいぶぷりーす」
店主「Thank you yes every time, 12 Brunei dollars.」
叢雲「オーケーオーケー」
青葉「すごいです、ちゃんと通じてます」
叢雲「」ドヤアアアア
青葉「でもドヤ顔出来るほど大したことないですから」
叢雲「うん、見れば見るほどいいセンスしてるわ」
球磨「謝るからいい加減離して欲しいクマ」
青葉「いやー、楽しい海外旅行ですねー」
叢雲「家に帰るまでが遠征よ」
球磨「帰りのタンカー楽しみクマ」
夕張「あんたら何しに来たか忘れてないわよね」
その頃の鎮守府
提督「暇だなー」
提督「任務娘もここぞとばかりに休暇とったし」
提督「………………………………寂しい」
提督「暇だなー」
提督「あいつらちゃんとやってるだろうか」
提督「……………………………………散歩でも行くか………」
海岸
提督「たまには夜に一人で散歩するのも良いもんだな」
???「」グスッ
提督「な、なんだ!?」
???「」シクシク
提督「まさか幽霊!?」
???「ち、違います!」
扶桑「わ、私、扶桑と申します」グスッ
提督「扶桑さんは確か第一艦隊の第二戦隊だったよね、どうしたんだ?良かったら話くらい聞くよ」
扶桑「わ、私、役立たずで必要ないって言われて……」グスッズピー
提督「なんだかのっぴきならない事態っぽいな」
提督「鎮守府で詳しく聞くよ」
提督室
提督「一体何があったんだ?」
扶桑「」グスッ
提督「(話させるのも酷だな)」
ジリリリリリリリリ
二戦提督「はい、佐鎮第一艦隊第二戦隊です」
提督「夜分遅く失礼します、第二艦隊第二三戦隊です」
二戦提督「……第二艦隊が何の用だ?」
提督「実は当方所属の戦艦扶桑が外におりまして、今こちらで預かっております。何かあったのでしょうか」
二戦提督「ああアイツか、こう言っといてくれ、お前みたいなゴミに居場所は無いってな」
扶桑「…………………ッ!」
提督「……………い、いくら何でも言い過ぎではないではしょうか、判断するには些か早すぎると存じます」
二戦提督「うるさいぞ三下、あんなトロい奴ウチには要らねえよ、足手まといだ」
提督「………もういい、本部に連絡してウチに転属させるようにしとけ」
二戦提督「ああ?なんだその口の聞き方は」
提督「[ピーーー]クソ野郎」
ガチャン
提督「………………………扶桑」
扶桑「は、はい」
提督「絶対に俺はお前を見捨てない」
扶桑「でも私………」
提督「大丈夫だ、方策はある」
提督「それより今日の寝床だな、俺は床で寝るから扶桑はそこのベッドで休んでくれ」
扶桑「いえ、そんなわけには参りません。わたしが床で構いません」
提督「俺だって軍人としての矜持がある。それだけは許せないよ」
扶桑「なら一緒にベッドを使いましょう。それなら良いでしょう?」
提督「あ、ああ。扶桑が構わないなら」
提督室
提督「一体何があったんだ?」
扶桑「」グスッ
提督「(話させるのも酷だな)」
ジリリリリリリリリ
二戦提督「はい、佐鎮第一艦隊第二戦隊です」
提督「夜分遅く失礼します、第二艦隊第二三戦隊です」
二戦提督「……第二艦隊が何の用だ?」
提督「実は当方所属の戦艦扶桑が外におりまして、今こちらで預かっております。何かあったのでしょうか」
二戦提督「ああアイツか、こう言っといてくれ、お前みたいなゴミに居場所は無いってな」
扶桑「…………………ッ!」
提督「……………い、いくら何でも言い過ぎではないではしょうか、判断するには些か早すぎると存じます」
二戦提督「うるさいぞ三下、あんなトロい奴ウチには要らねえよ、足手まといだ」
提督「………もういい、本部に連絡してウチに転属させるようにしとけ」
二戦提督「ああ?なんだその口の聞き方は」
提督「死ねクソ野郎」
ガチャン
提督「………………………扶桑」
扶桑「は、はい」
提督「絶対に俺はお前を見捨てない」
扶桑「でも私………」
提督「大丈夫だ、方策はある」
提督「それより今日の寝床だな、俺は床で寝るから扶桑はそこのベッドで休んでくれ」
扶桑「いえ、そんなわけには参りません。わたしが床で構いません」
提督「俺だって軍人としての矜持がある。それだけは許せないよ」
扶桑「なら一緒にベッドを使いましょう。それなら良いでしょう?」
提督「あ、ああ。扶桑が構わないなら」
深夜
提督「」グー
扶桑「…提督、貴方はゴミ呼ばわりされた私を絶対に見捨てないと言ってくださいました」
扶桑「恥ずかしながら、その時何もかも諦めていたはずの私はとても嬉しかったのです」
扶桑「」ピトッ
佐世保港湾
夕張「ありがとう、本当に助かったわ」
叢雲「このくらいお安い御用よ、それになかなか楽しかったわ」
青葉「同じ鎮守府所属ですからまたいつでも遊びに来てください!」
球磨「また一緒にトランプしたいクマ」
夕張「ええ、また会えるわ」
鎮守府
叢雲「ただいまー、艦隊帰投したわ………って扶桑さん!?」
扶桑「ムニャ…提督…お慕いしております……」グー
球磨「わーいフラグ回収クマー」
青葉「はわわ、青葉、見ちゃいました……提督と謎の美人との熱愛………これは一大スキャンダルですよー!!!!!!!」パシャパシャ
叢雲「アンタまさか…………!」
提督「ま、待て!誤解だ!」
青葉「第二三戦隊提督、戦艦扶桑と熱愛発覚!二人の爛れた日常性活とは!!??ふふふ、インスピレーションが沸き上がりますよー!!」
提督「もうお前黙ってろ!お、おい流石に主砲で殴るのは命が危ない……!」
叢雲「問答無用!沈みなさい!!!!」
※奇跡的に命に別状は無かったそうです
【扶桑、捲土重来を期す】
叢雲「そうだったの……他の艦隊には酷い提督もいるのね」
提督「おい何事もなかったように話進めてんじゃねえ謝れこら」
叢雲「殴ったのは謝るけど元凶は青葉よ青葉」
青葉「いやーあんなフライデーなシチュは初めてでした」
青葉「興奮しちゃうのも無理ないです」
提督「新聞記者はそんな下賤なもの取材しない」
叢雲「それよりアンタ、ちゃんと考えてるんでしょうね」
提督「任せとけ、俺だって考え無しに決戦艦隊の提督を罵ったわけじゃない」
提督「前の護衛任務で夕張と共に任務にしただろ?」
叢雲「ええ、超重武装で押し切る珍しいタイプの軽巡だったわ」
提督「彼女は実験艦でな、排水量に対して過剰なまでの新鋭装備を実際に装備してデータを取っている」
提督「それが彼女の大きな強みなんだが、余りに多くの装備が割り当てられて若干持て余し気味らしい」
提督「そんな彼女から新型タービンを借りる事が出来れば扶桑の低速は改善出来る」
叢雲「それを借りてくるのが私たちの仕事って訳ね」
提督「できるか?」
叢雲「私にかかればちょちょいのちょいよ!」
球磨「夕張は今ここの鎮守府にいるはずクマ」
青葉「水雷戦隊は忙しいですから今すぐ行った方がいいですね」
球磨「各艦、この球磨に続くクマー」
叢雲「あっずるい、旗艦は私よ!」
提督「扶桑は俺と工蔽に来てくれ、一つ提案がある」
扶桑「ありがとうございます、こんな私のために」
提督「戦艦の名前は旧国名から命名されるのは知っているか?」
扶桑「はい、第二戦隊の日向さんや伊勢さんもそうでした」
提督「扶桑国は何処か知っているか?」
扶桑「いえ、気にはなっていたのですが…存じませんね」
提督「正解は『日本』そのものだ」
扶桑「日本…ですか」
提督「俺が知っている限りそんな大層な名前が付いているのはお前と大和しかいない」
提督「それくらいの期待をされて名付けられたんだ、もっと自信を持ってもいいと思うぞ」
扶桑「…提督は優しいですね」
扶桑「私も恩に報いる事が出来るよう頑張ります」
提督「その意気だ」
工蔽
技術者「お、叢雲ちゃんと球磨ちゃんの所の提督さんだね。そちらの上品さ溢れるお嬢様は?」
提督「訳ありでウチに転属した戦艦の扶桑だ」
扶桑「扶桑とです。本日は宜しくお願い致します」
技術者「それで今日は?」
提督「扶桑の主砲の一部を取り外して飛行甲板を取り付けて欲しいんだが」
技術者「飛行甲板を…そりゃまた難しい注文だね」
提督「無理か?」
技術者「出来るとは思うよ、主砲半分取り外して艦載機20機ってとこだね」
提督「充分だ。よろしく頼むよ」
技術者「扶桑ちゃんはそれで構わないのかい?この主砲は誇りだろうに」
扶桑「それでお役に立てるなら私は構いません」
技術者「んー、主砲を半分に減らしたら火力は大幅に削がれてしまう。考え直した方がいいんじゃないかい?」
提督「まあ聞いてくれ」
提督「扶桑のもう一つの弱点は主砲の配置にある」
提督「技術者である以上扶桑型戦艦が極端な巨艦大砲主義をコンセプトに設計されていることは知っているだろう」
提督「長門型で8門、大和型でも9門の主砲を単純に比較は出来ないとはいえ扶桑型は12門を備えている」
提督「詰め込むように配置された主砲を斉射すると爆風が艦を覆い、被弾危険箇所も多い」
提督「一部を爆撃機の飛行甲板にすれば火力、命中率、機動力、防御力全てにおいて従来より優位性を保てるはずだ」
技術者「…なるほど」
提督「とはいえ今の司令部の方針に真っ向から反対する事になるな」
技術者「戦艦が一隻の場合において万能艦を目指すことは理にかなっているね」
技術者「それに今の司令部は割と寛容だよ。一提督が装備を直接注文できるくらいにはね」
鎮守府軽巡寮
夕張「え?タービン?いいわよ?」
叢雲「そんなサクッと承諾されたらこっちが心配になるわ」
夕張「大丈夫大丈夫、ずっと装備してないやつだから絶対バレないって」
夕張「それに困ってる部隊もあるのに常々装備貰いすぎてちょっと悪いなって思ってたのよね」
球磨「ありがたいクマ、何かお礼したいクマ」
夕張「んー、じゃあちょっとお願い事聞いてもらえる?」
叢雲「夕張がアニメファンだったとはね」ポチポチ
夕張「助かるわ、ウチのDVDレコーダー重複録画できないのよ」
数日後
扶桑「全機、発艦してください!」
妖精さん「了解!全機発艦ですよー!」ピー
提督「もう発艦は完璧だな」
扶桑「提督…!ありがとうございます!」
提督「休日も熱心で結構だが、少し聞いてくれ」
提督「第一艦隊の訓練として我が第二三戦隊との演習が決定した」
提督「そこで秘密兵器を試すといい」
扶桑「は、はい!精一杯頑張ります!」
演習当日
提督「相手は第一戦隊、つまり長門と陸奥だ」
叢雲「相手に不足なしね」
青葉「むしろボコボコの未来しか見えないんですが」
球磨「連携して動かないとあっという間に全滅クマ」
提督「そして今回の旗艦は扶桑だ」
扶桑「わ、私ですか!?そんな、私には勿体無いです」
提督「第一艦隊の主砲に真っ向から立ち向かえるのは扶桑だけだ」
青葉「扶桑さんなら適任です!」
球磨「いい経験になるクマ」
叢雲「…」
提督「ん?どうした叢雲」
叢雲「べ…別に旗艦じゃなくて悔しいなんて思ってないんだから!」
今日はこれで終わります
もし読んでいる方がいればありがとうございました
乙クマー
荵吶〒縺励◆
乙です
乙です
演習中
叢雲「まだ敵艦隊は見えないわね」
扶桑「瑞雲は飛ばしてるんですが…」
球磨「退屈クマー」
青葉「私おやつ持ってきました!食べます?」
球磨「そのポッキー頂戴クマ」
叢雲「ちょっと、油断しすぎよ」
青葉「大丈夫ですって、瑞雲も飛んでま」ゴシュッドーン
青葉「」チーン
叢雲「」
妖精さん「青葉大破!」
陸奥「あ、初弾当たったわ」
長門「ツイてるな」
運3の陸奥さんからいいのを1発もらうとは青葉も相当不甲斐ないなw
叢雲「どどどどどどどうすんのよ!致命傷よこれ!」
球磨「演習だから沈みはしないクマ」
妖精さん「八時の方向にに敵艦隊見ゆ!距離二万、針路0-9-0です!」
叢雲「扶桑さん、指示を!」
妖精さん「敵艦発砲!」
扶桑「(私は旗艦よ、頑張りなさい!)」
扶桑「左90度方向転換!縦陣反航戦に入ります!砲戦用意!」
球磨「よーそろクマー」
扶桑「全機発艦して下さい!」
妖精さん「発艦!」ピ-
妖精さん「距離一万六千ですっ」
球磨「主砲、副砲、一斉射クマ」
叢雲「全砲門、放ちなさい!」
扶桑「主砲、副砲、撃てー!」
これから12時間は更新しません
コメントくれた方ありがとうございました
励みになります
乙です
おもろいで
のんびり更新してな
再開します
陸奥「ひゃん!」ズドン
陸奥「痛ー」
妖精さん「第四砲塔損傷、発射困難です」
陸奥「やってくれるわね」
妖精さん「第一射弾着、叢雲近近、球磨扶桑遠遠遠、球磨近遠、命中、夾叉です」
球磨「直撃したのに殆ど効いてないクマ」
妖精さん「目標との距離三万」
扶桑「そのまま距離を離して、夜戦に持ち込みます」
球磨「夜までやるクマー?」
叢雲「追撃しちゃダメなの?」
扶桑「私はともかく、お二人が戦艦と立ち向かうのは危険すぎます」
球磨「追撃されるクマ」
扶桑「大丈夫です」
陸奥「あいつら逃げるわよ」
長門「追撃するぞ!」
瑞雲「」ブーン
長門「爆撃機!?防空兵装を用意しろ!」
陸奥「どう考えても戦艦の持てる数じゃないわ」
瑞雲「」プシューー
長門「…煙幕か」
陸奥「やられたわね」
長門「痛い思いをしなくて良かった」
陸奥「……逃げられたんだからね?」
夜
扶桑「距離七千で攻撃開始、その際通信を送りますので」
叢雲「了解!」
球磨「了解クマ!」
長門「演習はまだ終わりじゃないのか」
陸奥「向こうは夜戦の意思があるようね」
長門「[たぬき]としんちゃん録画しとけばよかったな」
陸奥「私しかいないとは言えもうちょっと連合艦隊旗艦らしい事言いなさいよ」
長門「演習はまだ終わりじゃないのか」
陸奥「向こうは夜戦の意思があるようね」
長門「ドラえもんとしんちゃん録画しとけばよかったな」
陸奥「私しかいないとは言えもうちょっと連合艦隊旗艦らしい事言いなさいよ」
扶桑「…」
扶桑〈我、夜戦ニ突入ス!〉
叢雲「ここからが私の本番なのよ!全火力開放!」
球磨「魚雷発射クマー」
扶桑「全砲門、放て!!」
第一戦隊
長門「ついに来たか、針路0-6-0!多少の被弾は気にするな!」
陸奥「了解!」
妖精さん「面舵いっぱーい」
妖精さん「第一砲塔損傷、危険です!」
長門「この長門、これしきでへこたれるものか!主砲、撃てー!」
互いに必中の距離において戦艦を相手にすれば、現代のイージス艦ですら歯がたたない。そんな相手に駆逐艦はあまりに無力だった。
叢雲「痛っ……くっ…この私が…!」
妖精さん「叢雲大破!継戦困難です!」
扶桑「叢雲さん!」
叢雲「大丈夫よ…それより目の前の敵に集中しなさい」
扶桑「…はい!全砲門、一斉射撃!」
第一戦隊
妖精さん「二時の方向に雷跡!」
陸奥「そんな…!回頭中を狙って……!」
妖精さん「回避不可能です!」
陸奥「……ッ!!!」
陸奥の装甲にただでは済まぬ炸薬量計1500kgの必殺酸素魚雷が突撃する。
そして凄まじい轟音。
妖精さん「左舷にニ発被雷!浸水します!」
陸奥「注水!!体勢を立て直して!!」
妖精さん「ようそろ!」
その隙を扶桑は見逃さなかった。陸奥が気づいた時には遅く、鋼鉄の槍が突き刺さる。
陸奥「きゃああああああああ!?!!」
妖精さん「体勢維持できません!撃沈判定です!」
陸奥「ぐっ…ただではやられてあげないんだから…!!」
妖精さん「魚雷ニ本命中!敵艦発砲音です!」
球磨「取り舵いっぱいクマー」
必死の陸奥が放った砲弾、球磨への砲弾は外れたかに見えたが、砲弾は水中を進み、命中した。
球磨「…痛いクマ」
妖精さん「至近弾一発、多量の浸水です」
球磨「球磨をもってしてもここまでクマ」
球磨「扶桑も結構被弾してるみたいクマ、そろそろ辞め時クマ」
扶桑「まだです!諦めません!」
長門「ほう、まだやるか」
長門「容赦はせんがな」
長門「針路3-3-0」
長門「全主砲、撃てー!!」
大半の砲塔が破壊されても、容赦無く砲弾は降り注ぐ。
扶桑「カハッ…!全砲門、一斉射!」
妖精さん「これ以上は危険すぎます」
扶桑「構いません!たとえ刀折れ矢尽き果てようとも、私は必ず提督に勝利をお届けします!」
長門〈こちら長門、貴艦の降伏をする推奨する〉
扶桑〈………面白いことをいうのですね。誰が降伏なんぞするもんですか〉
長門〈演習で命の危険に晒される方が滑稽だと思うがね私は〉
扶桑〈あなたとは覚悟が違うのです〉
長門〈演習で勝つ為此処にいるのではないだろう〉
長門〈覚悟と言ったな、それは何の覚悟だ?〉
扶桑〈〉プツン
長門「…切断された」
長門「まだやるつもりなのか彼奴」
陸奥「いえ…………見なさい………」
陸奥「白旗よ……………」
演習結果
第二三戦隊
扶桑 大破
叢雲 大破
球磨 大破
青葉 大破
第一戦隊
長門 小破
陸奥 大破
敗北
扶桑「…本当に申し訳ありませんでした」
提督「馬鹿かお前は!無茶しすぎだ!」
叢雲「本気で沈むまでやりかねなかったわね…」
球磨「実はヤンデレ属性クマ?」
提督「以後は絶対にこんな真似しないように」
提督「…それより演習に菓子を持ち込んで発砲に気づかずに被弾した奴がいるらしい」
提督「心当たりのある者は後で提督室にくるように」
青葉「(アカンこれ)」
提督「…扶桑」
提督「よく頑張ったな」
扶桑「…!」
扶桑「はい!ありがとうございます!」
演習編が終わったので今日はこれで
もし読んでいる方がいればありがとうございました
コンマ安価は嫌いなんでやる予定はありません
乙
楽しく読ませて貰っているから、スレ主のやりたいようにやるといいよ
乙です!
乙
大半の砲塔が破壊されても、容赦無く砲弾は降り注ぐ。
扶桑「カハッ…!全砲門、一斉射!」
妖精さん「これ以上は危険すぎます」
扶桑「構いません!たとえ刀折れ矢尽き果てようとも、私は必ず提督に勝利をお届けします!」
長門〈こちら長門、貴艦の降伏を推奨する〉
扶桑〈………面白いことをいうのですね。誰が降伏なんぞするもんですか〉
長門〈演習で命の危険に晒される方が滑稽だと思うがね私は〉
扶桑〈あなたとは覚悟が違うのです〉
長門〈演習で勝つ為此処にいるのではないだろう〉
長門〈覚悟と言ったな、それは何の覚悟だ?〉
扶桑〈〉プツン
長門「…切断された」
長門「まだやるつもりなのか彼奴」
陸奥「いえ…………見なさい………」
陸奥「白旗よ……………」
演習結果
第二三戦隊
扶桑 大破
叢雲 大破
球磨 大破
青葉 大破
第一戦隊
長門 小破
陸奥 大破
敗北
誤字訂正
【加賀、無双プレイ】
提督「ウチの艦隊名が変わるそうだ 」
叢雲「へえ、何になるの?」
提督「第一混成戦隊」
叢雲「ぱっとしないわね」
提督「一戦隊で作戦がこなせるように編成するらしい」
青葉「水雷戦隊なのに重巡が加入して、果ては戦艦ですもんね」
提督「本部ももうフォローできないと言わんばかりだ」
扶桑「全く失礼な話です」
球磨「その通りクマ、ウチは超精鋭集団クマ」
提督「(扱いにくいのが集まっただけじゃないのか)」
扶桑「なにかおっしゃいましたか?」ニッコリ
提督「(読まれてる!?)」
提督「その…なんだ、個性があっていいんじゃないかな」
青葉「ゆとり教育みたいなこと言い出しましたね」
叢雲「その大人が子供にすり寄る精神が教育をダメにするのよ」
提督「何この言われなきアウェー感」
提督「」コンコン
指令長官「入りなさい」
提督「…失礼します」
指令長官「この間の演習はご苦労だったな」
提督「いえ、彼女達にとっても良い経験になりました。感謝致します」
指令長官「うむ。では次の作戦を伝える」
指令長官「先日南西諸島の交易ルートの奪回を示唆する暗号を傍受した」
提督「奴らは暗号通信も使うんですか」
指令長官「これについては我々も知らなかった新事実だ」
指令長官「これは一方的な害虫駆除ではない、立派な戦争だ」
指令長官「話をもどそう。貴官の任務は南西諸島防衛線へ向かう敵艦隊の撃滅である」
提督「他の参加艦艇は?」
指令長官「第一航空戦隊から加賀を引き抜く」
提督「無謀です。我々に空母を護衛できる余裕はありません」
指令長官「そうは言っても主力艦隊は南方海域にいる。加える加賀も偶然ドックに入っていたからに過ぎない」
指令長官「頼みの綱は貴官しかいない。どうかよろしく頼む」
提督「…分かりました、そこまで仰るなら引き受けせていただきます」
指令長官「よろしく頼むよ」
提督「というわけで今日からウチに加わる正規空母の加賀だ」
加賀「加賀です。貴方方が第一混成戦隊ですか。」
提督「彼女は第一航空戦隊、通称一航戦の空母だ」
加賀「思い出すだけで腹が立ちます。なんで私がこんな所に」
叢雲「こんなとこで悪かったわね」
加賀「しかしながらこの気持ちどこにぶつければ良いのでしょうか」
叢雲「知らないわよ。敵艦隊にでもぶつければ?」
提督「えー、明日那覇港に出発する。各自準備しておくように」
寝落ちかな?
乙です。
青葉「もし暇ならこの後夕飯食べに行きませんか?
叢雲「ええ、いいわよ」
扶桑「加賀さんもどうです?」
加賀「行きます。嬉しいです」
叢雲「全然嬉しそうに見えないわね」
加賀「感情を表すの苦手なだけです。心の中では私踊ってます」
叢雲「提督も行かない?」
提督「いいのか?」
叢雲「ゆ、夕飯奢ってもらうためよ!」
球磨「回らないお寿司初めてクマ」
提督「旨いだろ?」
加賀「ええ、とても美味しいです」モグモグ
青葉「加賀さん良く食べますねー」
加賀「お寿司は好きですから」モグモグ
扶桑「ご馳走になるのが申し訳なくなるお店ですね」
提督「遠慮するなよ、これまで頑張ってきてくれたほんの気持ちだ」
球磨「サーモンちょうだいクマ」
大将「へい!」
叢雲「大将!この特上うなぎってのを頂戴!」
大将「へい!」
青葉「トロ鉄火お願いします!」
大将「へい!」
加賀「お品書きの寿司全部2貫ずつ」
大将「へい!」
扶桑「野沢菜漬と大吟醸の能代をお願いします」
大将「へい!」
提督「(お金足りるかな…)」
出かけます
おつおつー
加賀を回らない寿司に連れていくとか正気か
乙ですー
提督「…」ガックリ
扶桑「申し訳ないです…まさか日本酒が十五万もするとは思いませんでした…」
加賀「私もいつもの回転寿司のペースで食べてたら大変な事に…」
提督「いや…良いんだ…気にしないでくれ…」
叢雲「結局いくらだったの?」
球磨「知らない方がいいクマ。レシートが巻物になってたクマ」
提督「皆の活躍に比べりゃ安いもんさ…」
加賀「私感動いたしました、提督に恥はかかせません。どんな任務も成し遂げてみせます」
扶桑「私も飲み食いの借りは戦果で返します…」
那覇港
加賀「索敵成功です。敵機動部隊はバタン諸島イトバヤを東に15海里、北北東にゆっくりと進んでいます」
提督「イトバヤ…?おい、ちょっと地図持ってきてくれ」
青葉「はい、南西諸島周辺の海図です。この海図にあるバシー海峡の入口から台湾島へ伝うように進んでいます」
提督「奴らの狙いはなんだ」
叢雲「先には先頭諸島…石垣島に港湾施設はあるけれど」
球磨「軍事的価値はゼロに等しいクマ」
加賀「暗号まで使っている以上必ず意味がある筈です」
提督「波照間…波照間空港はどうだ!?」
扶桑「飛行場を狙っているのですか?」
青葉「まさか、深海棲艦の上陸作戦なんて聞いたことありませんよ」
球磨「深海棲艦自体まさかの産物クマ」
叢雲「でもそんなまさかを信じるの?ヤマ張って外したら酷い目に遭うわよ」
提督「加賀、もう少し詳しく偵察できるか?」
加賀「…」
提督「おい加賀?」
加賀「うるさいです」
加賀「…重巡1、駆逐艦1」
加賀「大型空母1、軽空母1、駆逐艦1、軽空母1」
加賀「駆逐艦1、2…それに輸送船団でしょうか……?5、6」
加賀「バレました、戦闘機です」
提督「輸送船だと?」
青葉「初めての艦種ですね」
加賀「…撃墜されました」
加賀「ほかの偵察機を回しますか」
提督「いや、よくやった」
扶桑「提督、ご決断を、すぐにでも出発しなければ間に合いません」
提督「…これより我が艦隊は波照間沖に出撃し、水際で迎え撃つ!」
提督「艦隊出撃せよ!」
8時頃また更新します
乙です
楽しみしてます
待ってるぜ
駆逐艦イ級「…偵察機来テタ」
駆逐艦ロ級「作戦バレタ?」
空母ヲ級「大丈夫ダ、問題無イ」
ヲ級「我々ガ飛行場ヲ取ルトハ思イモヨラナイハズダ」
イ級「ソーッスヨネー」
ロ級「上陸部隊上ゲルノ初メテデスモンネ」
波照間島沖
叢雲〈こちら叢雲、到着したわ〉
提督〈よし、敵は油断しているはずだ、陣形は加賀を中心とした輪形陣、初期段階として正規空母を目標とし先制攻撃をくわえろ〉
提督〈この後制空優位の元艦隊決戦に持ち込むのが理想だが無理はするな〉
提督〈追って指示する〉
叢雲〈了解〉
誤字
元→下
すまんこつ
青葉「敵空母は現在装備換装中です!まだ気づいてないよ!」
叢雲「じゃあ航空戦、よろしく頼むわ」
扶桑「全航空機、発艦開始!」
加賀「第一次攻撃隊、発艦して下さい」
妖精さん「」ピー
加賀「第二次攻撃隊、発艦して下さい」
妖精さん「」ピー
扶桑「加賀さん艦載機多いですねー」
加賀「航空戦艦の貴方とは違いますから」
叢雲「私達も進撃するわよ!」
重巡リ級「不明ナ航空機見ツケタンダケド」
軽空母ヌ級「ドーセ民間機ダッテ」
ヲ級「ホットケホットケ、コッチハ換装ニ忙シイ」
リ級「ウワア死亡フラグヤワア」
イ級「多クネ?」
九七艦攻「」ブーン
九九艦爆「」ブーン
瑞雲「」ブーン
扶桑〈攻撃開始してください〉
加賀〈攻撃開始、特に空母どもは絶対沈めて〉
妖精さん「サー、イエッサー!」
空母に向かって攻撃が集中し、魚雷が剥き出しの飛行甲板に爆風の華が咲く。
ヌ級「イヤー!!オタスケー!」ズブズブ
ヲ級「ヌ、ヌキュー!!戦闘機、早ク発進シロ!」
艦爆「」ブーン
ヲ級「グホアアア!!」
ヲ級「アカン飛行甲板使エン、終リヤネ終リヤネ」ズブズブ
リ級「ウワア清々シイマデノ慢心」
リ級「撤退スルゾ!!」
ロ級「イ、イエッサー!」
輸送船ワ級「モウヤダーアンマリダー」
今日はこれで終わります
もし読んでいる方がいればありがとうございました
もし質問や登場希望の艦娘があれば出来る限り答えます
乙乙
青葉の「敵はまだこちらに気付いてないよ」ほど当てにならん言葉も無いが…w
乙乙
青葉の「敵はまだこちらに気付いてないよ」ほど当てにならん言葉も無いが…w
乙です
これは深海棲艦たち、お仕置きやろなあ
ワレアオバワレアオバ
おつ
乙です
乙ー
潜水艦とか見たいかなー
>>146
オーケー
ちょっと後になるかも
加賀「ほぼ敵艦隊は壊滅です」
扶桑「敵さん明らかに油断してましたね」
球磨「なんか知らない内に終わった感が半端じゃないクマ」
青葉「私も水上偵察一機飛ばしただけです」
叢雲「私達必要だった?」
加賀「今回はたまたまです」
扶桑「…次は出番ありますよ」
球磨「慰めが逆に心に来るクマ」
波照間沖海戦
敵正規空母他多数撃沈
味方に損害無し
S
おつおつ流石に加賀強いな
リクエスト有りなら雪風を頼みたい
これ以上駆逐増やしてもあれかもしらんが
>>150
艦隊に加えられるかどうかは分からんが絶対出す
気長に待っててくれれば
提督「ご苦労さん」
加賀「鎧袖一触、何も問題ないわ」
提督「うん、流石は一航戦だ」
青葉「私達の出番なかったんですけど」
球磨「青葉はまだ偵察任務があったからいいクマ」
叢雲「球磨と私なんかトボトボついていっただけよ」
扶桑「今回こそアウトレンジ戦法で全てが決まりましたが本来空母は砲撃に晒されると脆いです」
提督「接近戦では頼りにしている。間違いなく必要な戦力だ」
叢雲「だと良いのだけれど…」
指令長官「本当に良くやってくれた」
提督「いえ、彼女たちの成果です」
長官「奴等の上陸作戦を見抜いたのは君だそうじゃないか」
長官「どうだ、第一艦隊に空きが一つある。やってみんか」
提督「……光栄ですがお断りします」
提督「彼女たちを放ったらかしにしての栄転など私には出来ません」
長官「君は何を言っているんだ」
長官「第一混成戦隊まとめての異動に決まってるだろう」
今日はこれで終わります
少なくてすんません
乙
最近配信された艦娘も登場しますか?
リクエストであきつ丸お願いします。
>>151
おつおつ
気負わんと楽しく書いてな
>>155
まだ持ってないが頑張ってみる
大型建造で結構溶かしたけど持ってないわ
ありがとうございます。
【翔鶴、レンタルトレード】
某所
「…でありまして、深海棲艦の上陸作戦が同時多発に行われました。」
「上陸作戦だと!?奴等は陸には関与しないのでは無かったのか!」
「状況は変わりました。」
「ふざけるな!!こんなことと知っていれば我々は準備していた!」
「…続けます」
「環太平洋の多くの無人島が無抵抗のまま占領されました」
「さらに有人二島にも攻撃の手が加えられ、その内波照間島への上陸は撃退に成功しましたが、」
「ガダルカナル島には上陸を許し、守備隊は全滅、今も11万人の現地住民が危険に晒されています」
「…海軍はこれをどうするつもりだ」
「我々の面子を掛けて全て奪還します」
「さらに深海棲艦の研究をさらに詳しく行い、根本的解決方法を探ります」
「ふん、これ以上恥を晒さんよう精々努めることだな」
提督「明日は海軍将官会議だ、今回からは一人だけ秘書として艦隊の中から連れていっても良いことになった。誰か志望者はいるか?」
叢雲「黙って聞いてるだけの仕事でしょ?」
提督「一応意見も可能だ」
球磨「球磨行きたいクマ」
提督「…ローソン鎮守府店設置みたいな提案はナシだぞ」
球磨「じゃあいいクマ」
提督「図星かよ」
加賀「私も行きたいです」
提督「何か言いたいことがあるのか?」
加賀「空母の運用方法について意見があります」
提督「じゃあ加賀に来てもらおうかな」
叢雲「……っ」
提督「ん?どうした叢雲」
叢雲「…なんでもないわ」
提督「そうか?何か言いたげだったが」
叢雲「なんでもないって言ってるでしょ」
提督「すまん」
今日はこれで終わります
もし読んでいただいた方がいればありがとうございました
高校生やから勉強もせんならん
乙
高校生か…
海軍将官会議
中将「これであ号作戦要綱の説明を終了する」
中将「えー、他に何か提案、意見、質問のある者」
加賀「(提督、お願いします)」
提督「中将、私の秘書艦に意見があるそうです」
中将「よし、発言を許可する」
加賀「最近、この鎮守府が慢性的なボーキサイト不足に悩まされていることはご存知でしょうか」
加賀「原因は明快です。黒字運用の範囲を超えた艦載機の運用、即ち空母の過多にあります」
提督「(加賀は論理的だなあ)」
加賀「これを解決するため、正規空母として誕生しておきながら、無能の癖して大量の資源を食い散らかす五航戦のクソ共を解体することを提案します」
提督「(あれー?)」
瑞鶴「第五航空戦隊二番艦瑞鶴、発言許可をお願いします」
中将「冷静な対話を心がけるように」
瑞鶴「嫌ですねー中将、私はいつも冷静ですよ」
瑞鶴「私は時代遅れで私たちより金食い虫の一航戦を解体べきだと思うわ」
瑞鶴「特に誰とは言いませんがクール気取りの勘違い欠陥空母さんは今この場で解体すべきだと思いまーす」
加賀「その欠陥空母さんとやらに全艦載機撃ち落とされて涙目になってた最新空母(笑)さんはどこに所属していましたか」
瑞鶴「あれは旧式機での演習よ!」
加賀「艦載機に責任を押し付けるとは流石は誇り高き五航戦ですね」
瑞鶴「プッ、加賀さんは速度が足りなくて新式の艦載機を載せられませんもんねー、まだ九九艦爆とか使ってるんですかー?」
加賀「七面鳥がうるさいですね、ミッドウェーにも参加せずにのうのうと食う飯は美味しいですか」
瑞鶴「流石は一航戦様、肝心のミッドウェーの戦果は如何でしたかー?」
加賀「ええ、足手まといのクズがいなかったので大勝でした」
瑞鶴「嘘言わないでよ!大敗を喫してアンタ沈没寸前を助けられたんでしょ!?」
加賀「貴方に渡った報告書は偽物です。私が入渠した記録はありません。人としてどうなのかというくらいニコニコしてましたね、これだから五航戦は」
提督「おい…!もうその辺にしとけ…!」
五航戦提督「お前もだ瑞鶴!いい加減にしろ!」
加賀「非は無能の五航戦にあります、生きてて恥ずかしくないんですかね彼女」
瑞鶴「残念ながら私以上の恥さらしがいるから恥ずかしくないわね、[ピーーー]ばいいのに」
中将「もういい、つまみ出せ!」
瑞鶴「表に出ろ」
加賀「面白い」
本日終了
乙です。
乙
乙乙
普通に面白い
これからも続けていって欲しい
乙ですよ
加賀「…」
提督「…お互いもう少し認め合うことは出来ないのか?」
加賀「……無理です」
加賀「いつからでしょうか、五航戦相手に何時も喧嘩腰で話すようになったのは」
加賀「お互いに譲れないモノがあるのでしょう。五航戦の前では言えませんが、彼女達は私と赤城との演習で敗北したあと、訓練を重ね、装備の刷新を繰り返し強くなりました。今では互角、いえそれ以上かもしれません」
加賀「私には無敵艦隊を赤城と共に引っ張ってきた一航戦としての誇りがあります。」
加賀「それゆえ、私は怖くなるのです。」
加賀「陳腐と化しつつある私は操艦技術や艦載機の数を増やし、不可避の迫り来るそれと必死に戦い続けてきました」
加賀「…私は恐らくどこかではわかったいたのだと思います。しかしその避け様の無い事実から目を背け、一航戦の誇りをさけぶ。滑稽ですね」
そこに一騎当千の心強い一航戦の姿は無く、今にも不安に潰されそうな少女が一人いるのみであった。
加賀「話し過ぎました、私は先に帰りますね。今日は色々とありがとうございました。」
提督「…待ってくれ」
提督「俺は加賀の誇りも努力も、勇気を出して打ち明けてくれた不安さえも分かってやれないかもしれない!」
提督「でも、それでも加賀が積み重ねてきたことは確実にこの国を支え、幾億の笑顔を守っている!それだけは違えようの無い事実だ!!」
加賀「……」
この時加賀が何を思っていたのかは知る由もない。何様のつもりだと罵倒されていたのかもしれない。それでも言わずにはいられなかった。
提督「俺は加賀がこの艦隊に来てくれたことに心から嬉しく思っている!」
加賀「私も…、貴方と一緒にいられて嬉しいです」
加賀は振り返ることなく静かに言った。
加賀「…では」
その頃
叢雲「暇ねえ」
球磨「することないクマ?」
青葉「人間が一番辛いのは持ち手無沙汰の時だと思うんですよねー」
叢雲「なんかないの?」
球磨「…提督の机のプライベートスペースイジるとかどうクマ?」
叢雲「んー、流石にちょっと良心が痛まないこともないわね」
青葉「私、気になります!」
球磨「よしきたクマ」
叢雲「ちょっとちょっと駄目よ!幾らあの馬鹿提督でもそれは不味いわ!」
青葉「でもちょっと気になるなあ」
叢雲「そうね…って何言わすのよ!」
叢雲「良心の問題もあるけど変な物出てきても嫌じゃない」
球磨「仮にメガストアがてんこ盛りでも動じないクマ」
叢雲「メガストアならまだいいわ…!液のかかったLOが入ってる可能性だって0じゃ無いのよ…おぞましい…!」
青葉「なんで妙に知識豊富なんですかね…」
球磨「それは…ちょっと引くかもしれないクマ…」
本日終了
叢雲「世の中には知らない方がいいことだってたくさんあるのよ」
球磨「…それでも球磨は開けるクマ」
青葉「チャレンジして失敗を恐れるよりも何もしないことを恐れろ、車の本田さんの金言です」
叢雲「なっ…」
球磨「んなもん入ってるわけないクマ」
青葉「もういいですかー?開けますよー?」
叢雲「ま、待ちなさい!」
青葉「いいや、限界だ開けるね」
ガチャッ
提督「ただいまー」
叢雲「て…提督!?」
提督「そんな俺の机の周りに集まってどうした」
叢雲「いえ、なんでもないわ」
球磨「この引出しの中身が気になるクマ」
提督「別に大したものは入ってないが」
そこには沢山のノートが入っていた。
叢雲「これ全部アンタがまとめたの?」
提督「そうだけど?」
提督「何時までも不勉強じゃ駄目だからなあ」
球磨「なんかがっかりクマ」
青葉「もっとスキャンダラスなのが良かったです」
提督「何を期待してたんだお前ら…」
提督「ほら部屋に戻れ部屋に」
夜
叢雲の部屋
叢雲「(アイツはアイツで頑張ってるのね、ちょっとだけ感心したわ)」
叢雲「(なんで私あんな奴のこと考えてるのかしら)」
叢雲「(…まあ命を預ける相手だしね、まあそれくらいは)」
叢雲「(あくまで仕事相手としてだから……)」
叢雲「そこんとこ、勘違いしないでよね…………」
叢雲「………いや………さっきのなしで……あんたなんか大っきらいよ………」
叢雲「zzz」
提督「皆、聞いてくれ。ガダルカナル島奪回の初期段階となるあ号作戦が発令された。我々第一混成戦隊の叢雲、球磨、加賀はアッツ島付近を哨戒している敵艦隊を攻撃しこの作戦に関する陽動を担うこととなった」
扶桑「私は…」
提督「扶桑と青葉については、後発の水上打撃部隊に編入してもらう」
青葉「しれっとハブられたかと思いました」
提督「しかも第一戦隊に入るそうだ、完全に主力扱いだぞこれ」
球磨「実力が認められたクマ?」
加賀「そう見て間違い無いでしょうね」
加賀「戦った貴方達ならわかると思いますが第一戦隊は主力中の主力です。そんな所にへっぽこが入れる訳はありません」
叢雲「まあ何にしろ日頃の研鑽を発揮するチャンスだわ!」
球磨「腕が鳴るクマ」
加賀「ええ、そうですね、と言いたい所ですが提督。お願いがあります」
提督「ん?なんだ?」
加賀「私をガダルカナル攻略主力機動艦隊に加えて頂くよう掛け合っていただけないでしょうか」
提督「ええ!?それは難しいかもしれんな…それに何より…」
加賀「それは承知してます。しかし私は五航戦と私なりのケジメをつけたいです。」
加賀「掛け合ってくださるだけでかまいません。どうかお願いします」
提督「わかったわかった、そこまで言うなら頼んでみるよ」
提督「ただしあんまり期待はするな。一航戦と五航戦、特に加賀と瑞鶴の不仲は上層部にも有名だからな」
これから年が明けて一段落するまでは休みます。
よいお年を
乙です。
よいお年を
面白い
じゃあわしも初投下するかな
提督「という訳で加賀をガダルカナル攻略の機動戦力に加えて頂けないでしょうか」
指令長官「良いぞ」
提督「…」
指令長官「どうした?」
提督「いえ、てっきり反対されるものかと思っておりました」
指令長官「…良いか、単独の空母など水に浮かぶタライだ、各艦の連携がなっていなければすぐに沈む」
指令長官「一航戦と五航戦の不仲はいずれ致命的なミスとなって表れるかもしれない」
指令長官「こちらとしては是非この機会に和解してもらいたいのだ」
提督「仰るとおりです…私も加賀を信じて送り出したいと思います」
五航戦提督「翔鶴は急遽加賀と変わって陽動作戦に参加する事になった。そのつもりで準備しとけよ」
瑞鶴「瑞鶴姉が囮役なんて納得いきません!提督、説明して下さい!」
翔鶴「やめなさい瑞鶴、陽動も立派な作戦よ。これも作戦に不可欠、貴賎なんてないわ」
瑞鶴「翔鶴姉がそういうなら…………って駄目よ!私が加賀の奴と一緒に作戦なんて有り得ないわ!」
五航戦提督「いい加減にしろ瑞鶴。命令は絶対だ」
瑞鶴「うぅ…ホント無理だって…」
翔鶴「五航戦の翔鶴です。短い間ですが、宜しくお願いしますね。」
叢雲「よろしくね翔鶴、加賀と仲が悪いんですって?」
翔鶴「ええ、前に演習で醜態を晒してしまい、加賀さんは余りよく思っていないようです」
球磨「花形の空母も色々大変クマ…」
翔鶴「しかしせめて加賀さんの足手まといにはならないように必死で訓練を重ねてきました」
翔鶴「今の瑞鶴なら必ず加賀さんに認めてもらえる筈です」
叢雲「加賀だって強くあって欲しいと願ってのことだと思うわ、安心出来るところを見せれば大丈夫よ」
提督「三日後に出航する。各自連携を含めた準備を済ませておくように」
アッツ島道中
叢雲「寒いわ……」プルプル
翔鶴「北海道よりも北ですからね」
球磨「球磨は平気だクマー」
叢雲「いつも思ってたけど熊の鳴き声はクマじゃないわよね」
球磨「えっ」
球磨「……もー叢雲、冗談はよすクマ、びっくりしたクマ」
叢雲「本気で熊がクマーって鳴くと思ってたの?」
球磨「……鳴かないの?叢雲が嘘言ってるだけクマ、そうに違いないクマ」
翔鶴「クマーはないと思います。がおーとかじゃないでしょうか」
球磨「とんだカルチャーショッククマ、デカルチャークマ、こんな事は許されないクマ」
翔鶴「むしろリアル熊の凶悪な顔でクマクマ言ってる画が浮かびませんね」
球磨「2ちゃんも信用できないクマ」
翔鶴「よく分かりませんが嘘を教えるなんて怖いですね」
叢雲「……間違いに気づいてもクマ口調貫くのね」
球磨「今更止められないクマ」
提督〈あーこちら司令部から一混戦提督、聞こえるか?〉
叢雲「ん、通信ね」
叢雲〈こちら陽動部隊旗艦叢雲、聴こえてるわ〉
提督〈大事な事を言い忘れていた〉
ヨ級潜水艦「……………見ツケタ」
ヨ級〈コチラヨ-32、敵艦隊発見ス、援軍向ケラレタシ〉
〈了解〉
ヨ級「フフッ……苦シンデ死ネ」
その潜水艦は幾多の味方を沈めた憎き小娘共を自らの手で裁きを下せる状況に高翌揚し、周囲への警戒を怠っていた。
ドボンドボンドボンドボン
ヨ級「ン?」
ヨ級「バッ爆雷!!」
痺れるような振動とともに、海面が丘のように盛り上がる。
妖精さん「敵潜水艦、下降して行きます。恐らく撃沈です」
望月「ん。ごくろーさん」
提督〈第三十駆逐隊が援軍が来ている。もうすぐそこまで来ているはずだ〉
叢雲〈もう目の前で水柱が上がったわ、ありがと、切るわね〉プツッ
夕張〈また会ったわね!叢雲!〉
叢雲〈また会えて嬉しいわ。アッツ島攻略の別動隊ってことで良いのよね?〉
夕張〈ええ、潜水艦の警戒に当たるわ。今度はフルメンバーよ〉
叢雲〈頼りにしてるわ、夕張〉
夕張〈任せときなさい!〉
プツッ
叢雲「第三十駆逐隊が対潜警戒に当たってくれるそうよ」
球磨「護衛に護衛がついたクマ」
翔鶴「心配してくださってありがたい限りです」
叢雲「アッツ島まで後少しよ。気を抜かないようにね」
第三十駆逐隊
夕張「第一混成戦隊を中心として輪形陣を展開!指一本触れさせないで!」
睦月「睦月、了解です!」
如月「如月了解したわ、きちっと恩返ししないとね」
望月「ん」
翔鶴「索敵成功しました。軽空母1、軽巡1、駆逐4、潜水艦2、補給艦2です」
球磨「これくらいなら何とかなりそうクマね」
叢雲「島からの射撃で熱烈歓迎を受けるかもしれないわ。初めての島嶼戦なん
だから油断はダメよ」
翔鶴「行きます!第一次攻撃隊、発進!」
妖精さん「発進!」ピー
翔鶴「第二次攻撃隊も出せますが、どうします?防空要員にしますか?」
叢雲「それも良いけど、やっぱり一度に多く送り出した方が艦載機の被害は少ないわ。出しましょ」
翔鶴「了解しました。第二次攻撃隊も発進して下さい!」
妖精さん「よーそろー!第二次攻撃隊、発進!」ピー
本日終了
何とか楽しんでもらえるように頑張っていくつもりです。
今年も宜しくお願い致します。
ID:ykTmcR+ro
今年もよろしく!
>>191
よろしゅうな!
乙、今年もよろしくー
乙です、今年もよろしくです
乙です。今年もよろしく
お、初風落ちた
縁起がいいね
軽巡ト級「電探ニ反応アリ、多数ノ敵機ガ襲来ス」
軽空母ヌ級「マジカ」
ト級「マジ」
ヌ級「ウワア、マサカコッチ来ルトハ思ッテナカッタワ」
ヌ級「……我ノ他ハマッサカル湾に退却、兵装を整エ、反撃ノ狼煙ヲアゲヨ!」
駆逐艦イ級「ヌ、ヌ級サンハドウスルツモリナンスカ!」
ヌ級「オマエラガ退却スルマデノ時間稼ギダ」
イ級「ソンナ、ヌ級サンダケ置イテイケマセン!俺モ戦イマス!!」
ヌ級「シツコイゾイ級!ココニイテハ全員ガ犬死ニダ!!」
ト級「早ク行クゾ、ヌ級ノ覚悟ヲ無駄ニスルナ」
イ級「ヌ級サン、ドウカ御武運ヲ!」
ヌ級「オマエラモナ」
翔鶴「敵はヌ級軽空母一隻の完全迎撃体制、間もなく接触します!」
球磨「殿軍を引き受けるなんて敵ながら尊敬するクマ」
深海艦戦「」ブーンタタタ
天山「」ガーン
彗星甲「」ドーン
烈風「」ブーンタタタタタ
深海艦戦「」ギャー
ヌ級「(最後ノ戦闘機ガ堕チタ…)」
ヌ級〈我此処迄、天佑ヲ確信シ戦イ抜ケ〉
ヌ級「決別電モ出シタ、モウ何モ思イ残ス事ハナイ」
ヌ級「ト思ッテイタノダガナ…情ケナイカナ、ヤハリ死ヌノハ恐イヨウダ」
天山「」シャー
そんなことはお構いなしに魚雷は走る。
ヌ級「今トナッテハドウシヨウモナイガ」
姫〈アー聞コエルカ?〉
ヌ級〈姫様!?〉
姫様〈別ニ沈ンデモ死ヌワケジャナイゾ、ソレダケ言イニ来タ〉
ヌ級〈エッ?〉
次の瞬間、魚雷は命中した。
翔鶴「思った以上に手間取りました…」
翔鶴「まだ艦載機の余裕はあります、進撃しましょう」
球磨「どっちに逃げたクマ?」
翔鶴「マッサカル湾に逃げられました。南の湾です」
叢雲「この辺の地理は良く知らないのよね」
球磨「かと言って任務を放り出せる訳ないクマ」
叢雲「行くしかないわ」
叢雲〈こちら叢雲、輪形を狭め進撃されたし〉
夕張〈了解〉
本日終了
乙です
アッツ島マッサカル湾入口
夕張〈こちら夕張、現在濃霧発生中、注意されたし〉
叢雲〈了解〉
翔鶴「慣れない地理に濃霧、もうこれは戻った方が良いと思います」
叢雲「私たちが諦めたらガダルカナル攻略は下ごしらえでつまずくわ」
叢雲「進むわよ」
叢雲〈全軍陣形を維持し突撃する〉
夕張「やめた方がいいと思うんだけどなあ」
マッサカル湾内
球磨「流石にやめた方がいい気がしてきたクマ、叢雲の姿が霞んでるクマ」
叢雲「大丈夫よ、大したことないわ」
その時、翔鶴の方向から爆発音が聴こえた。
翔鶴「あいたたた、機雷が敷設されていたようです」
翔鶴「大丈夫です、航行に支障はありません」
ヨ級「カカッタ!敵艦隊補足、サーチライト点灯!」ピカー
ト級「ヨッシャ!死ニ晒セエエエエ!!!」
イ級「魚雷発射!!」
ロ級「ヌ級サンノ敵討チダ!」
夕張〈八時の方向より三十射線以上の雷跡!私だけでは対応しきれない!〉
夕張の迎撃虚しく、無数の魚雷が彼女の対魚雷網を潜り抜ける。
夕張〈第三十駆逐隊、集合!敵本隊を叩くわ!〉
〈了解したわ〉〈了解!〉〈了解〉
本日終了
ごめんなさい。あきつは出せそうにないです
どう考えてもあきつから人の乗った大発が出てくる様子が浮かばない
お疲れ様です
球磨「叢雲、早く準備するクマ!!」
叢雲「ええ、そうね。私のせいよね」
球磨「何寝ぼけてるクマ!!すぐに魚雷が到達するクマ!!」
叢雲「ごめんなさい……私の判断ミスね……」
球磨「反省する暇があるなら早く魚雷抑えろクマー!!」ドドドドドドドド
球磨の速射砲は的確に魚雷を捉え、護衛対象の翔鶴は勿論、叢雲に向う魚雷まで全て撃破していた。
翔鶴「私に何か出来ることは無いでしょうか!?」
球磨「無いクマ。すっこんでろクマ」
翔鶴「」シュン
この会話で集中が乱れたわけでは無いだろうが、球磨は叢雲へ向かう魚雷を一本仕留め損ねた。
球磨「しまったクマ!!!叢雲、避けるクマ!!」
叢雲「…………」
球磨「何してるクマ、さっさと動くクマ」
叢雲「……」
球磨「叢雲!!!!!」
叢雲「………………」キュッ
彼女は目を瞑った。
鈍い音がし、間髪入れず彼女を吹き飛ばす。
妖精さん「システム大破、自動姿勢制御装置喪失、緊急信号発信、ダメージコントロール失敗、緊急ライフセーバー作動、一分以内に装備の離脱を行います」
妖精さん「装備の切り離しできません。スクリプトが破損しています。接合部爆破を行います」
妖精さん「起爆できません、スクリプトが破損しています、引き続き緊急信号を発信します」
翔鶴「私は夕張さんのところに合流します、球磨さんは叢雲さんを連れて脱出して下さい!」
行います」
妖精さん「起爆できません、スクリプトが破損しています、引き続き緊急信号を発信します」
翔鶴「私は第三十駆逐隊に合流します、球磨さんは叢雲さんを連れて脱出して下さい!」
球磨「助かるクマ!」
ミスった
球磨「叢雲!!大丈夫クマ!?」
叢雲は意識を失い力なく海面を漂っていた。
球磨「しっかりするクマ……どうしてクマ……」
球磨は西から響く轟音を横目に、沈むように重くなった叢雲を背負い脱出を始めた。
あ号作戦
アッツ島マッサカル湾にて駆逐艦1大破、艦載機を失うも敵護衛艦隊の撃滅に成功、ガダルカナル攻略の陽動の役割を果たす
その後、海空制圧の下上陸作戦が行われ、アッツ島は取り戻された。
補足
この世界においての撃沈は、システムが損傷することによって浮力を失い、武装の重みで沈む。
救助の見込みが薄い単艦行動では沈没の危険が大幅に増す。
本日終了
もし読んでいただけた方がいればありがとうございました
乙
球磨ちゃんかっこいい
おつおつ面白いよー
これはなかなかイケメンの球磨ちゃんクマ
なかなかやるクマね
>>209
ここの前に何個かありそうな気配
>>220
歯抜けにはなってない
夕張からの連絡を受けて叢雲は奇襲を受けたのを自分の責任として茫然自失、球磨が早く準備しろとせかすみたいな
確かに分かりにくいな
すまぬすまぬ
>>221
(読み切れんで)すまんな
球磨ちゃんかわわ
面白い
というか酉バレてないか?
マジで?
Idって書いてる奴なら違う
211:ちんこにせんたくばさみ[]
ミスった
2014/01/03(金) 11:53:06.31 ID:JRVtfYM90
これ
いろんな意味で酷すぎワロタ
変えますんで宜しく
マジで?
うわwwwwwwひでえ酉鍵wwwwww
【強襲揚陸】
任務娘「叢雲さんは一週間ほどで退院できるそうです。身体的ダメージはシステムによってかなり抑えられたようですが、むしろ精神的ダメージが大きく、医師の問いかけにも答えられていないそうです」
提督「…そうか」
球磨「…………」
提督「……球磨、作戦を承認した俺に罪はあれど、球磨が責任を感じる必要は無いんだぞ」
球磨「……」
球磨「……もし叢雲の強行策を止めていれば、もし叢雲への魚雷を撃ち落としていれば……思い出せばきりが無いクマ」
球磨「その中の一つでも手が打てたなら、叢雲はきっと…………!」
提督「球磨、もうやめとけ。今は叢雲の回復を祈ろう」
球磨「少し部屋で休んでるクマ……」
【強襲揚陸】
任務娘「叢雲さんは一週間ほどで退院できるそうです。身体的ダメージはシステムによってかなり抑えられたようですが、むしろ精神的ダメージが大きく、医師の問いかけにも答えられていないそうです」
提督「…そうか」
球磨「…………」
提督「……球磨、作戦を承認した俺に罪はあれど、球磨が責任を感じる必要は無いんだぞ」
球磨「……」
球磨「……もし叢雲の強行策を止めていれば、もし叢雲への魚雷を撃ち落としていれば……思い出せばきりが無いクマ」
球磨「その中の一つでも手が打てたなら、叢雲はきっと…………!」
提督「球磨、もうやめとけ。今は叢雲の回復を祈ろう」
球磨「少し部屋で休んでるクマ……」
提督「……そろそろ時間だな」
加賀「はい。行って参ります」
提督「どうかお前達は無事で帰って来てくれ……」
加賀「私だって元一航戦、心配されるほど弱くないわ」
加賀「これでも未だ空母最強として名高いのです」
扶桑「ふふ、私と青葉が編入するのが第一戦隊ということをお忘れなく」
青葉「私たちをここまで鍛え上げた提督が不安がってちゃ世話ありません!」
提督「………そうだな、少し弱気になっていたのかもしれん」
提督「加賀、扶桑、青葉。お前たちなら求められる最高の戦果を叩き出すことだろう。自信を持って行ってこい!」
加賀「それでこそ私の知る提督です」
扶桑「全てこの扶桑にお任せください!この手で栄光を掴んでみせます!」
青葉「ではちょっくら、暁の水平線に勝利を刻んでまいります!」
本日終了
どうも調子が悪い
乙 がんばれ
乙
あまり無理はなさらずに
乙ですよー
佐世保湾岸
第一戦隊提督「全員いるか?」
高雄「第四戦隊、高雄、愛宕、鳥海、摩耶。全員います」
扶桑「第一混成戦隊、扶桑、青葉。揃っております」
一戦提督「よし。長門と陸奥……はいるな」
陸奥「さっきから目の前にいるじゃない」
一戦提督「そこうるさい。確認のしすぎで損することは無いんだぞ」
一戦提督「我々の役割は強襲揚陸の露払いだ。海空どちらの優勢が欠けても揚陸は失敗するだろう」
一戦提督「お前らの働きによって輸送船に乗る人々の生死がかかっている。それだけは絶対に肝に銘じておけ」
一戦提督「まだ(笑)言いたいことは沢山あるが、後がつかえてもいけない。すぐに出航してくれ」
長門「よし!艦隊、この長門に続け!!」
一戦提督「張り切って号令かけてもらって申し訳ないが今回の旗艦はお前じゃない、陸奥だ」
長門「」ショボーン
一戦提督(ながもんは可愛いなあ)
同湾岸
加賀「……ご無沙汰しておりました」
一航戦提督「加賀か。またお前と仕事が出来るとはな。司令官冥利に尽きる」
加賀「勿体無いお言葉です」
瑞鶴「来たわね、絶対アンタだけには負けないんだから」
加賀「…………そういえば共に作戦を行うのは初めてですか」
瑞鶴「実力の差を見せつけて今回で引導渡してやるわ」
加賀「……」
瑞鶴「何か言いなさいよ、調子狂うわね」
赤城「赤城、加賀、瑞鶴。全員揃いました」
一航戦提督「御苦労。下がっていいぞ」
一航戦提督「お前達の知る通りガダルカナルは現在深海棲艦の巨大泊地となっている。現地住民の限界も近い。絶対に作戦を成功させろ」
その他第三戦隊、第九戦隊、第一水雷戦隊第六駆逐隊、第二十一駆逐隊、第二水雷戦隊第十六駆逐隊、第十八駆逐隊が本い号作戦に参加し、これに高速タンカー二隻と給糧艦一隻による補給隊と日本陸軍を中核とした一万人規模の多国籍軍を載せた輸送船団が追随、更に先発部隊として前路偵察および救出任務を与えられた哨戒隊、伊19、伊58、伊168が加えられる過去最大級の戦力が投入された。
一応参加艦艇
第一艦隊 旗艦陸奥 長門 扶桑 高雄 愛宕 鳥海 摩耶 青葉
第二艦隊 旗艦金剛 比叡 榛名 霧島
第三艦隊 旗艦北上 暁 雷 電 響
第四艦隊 旗艦神通 初風 雪風 陽炎 不知火
第一機動部隊 旗艦赤城 加賀 瑞鶴
第一潜水隊 旗艦伊19 伊58 伊168
本日終了
いつも読んでいただいてありがとうございます
ストックが尽きかけですので更新速度は落ちるかもしれませんが、これからも読んでいただければ幸いです
おつです
のんびり待ってますよ
おっつおっつ
第四艦隊にほのかに漂う死臭
乙
期待してるぞ
アドミラルティ諸島周辺 一三〇〇頃 第一潜水隊 伊-19
伊19「イクの魚雷さんがうずうずしてるのね。早く撃ちたいのね」
その時、光り輝く水面下の境界に、黒い影が映る。
伊19「怪しいのねー」
伊19「百二十度反転、追いかけるのね」
妖精さん「りょーかいです!進路1-2-0!せーおんこーこー」
トリップつけ忘れ
アドミラルティ諸島周辺 一三〇〇頃 第一潜水隊 伊-19
伊19「イクの魚雷さんがうずうずしてるのね。早く撃ちたいのね」
その時、光り輝く水面下の境界に、黒い影が映る。
伊19「怪しい船なのねー」
伊19「百八十度反転、静かに追いかけるのね」
妖精さん「りょーかいです!進路1-8-0!せーおんこーこー」
アドミラルティ諸島周辺 一三〇〇頃 第一潜水隊 伊-19
伊19「イクの魚雷さんがうずうずしてるのね。早く撃ちたいのね」
その時、光り輝く水面下の境界に、黒い影が映る。
伊19「怪しいのねー」
伊19「百二十度反転、静かに追いかけるのね」
妖精さん「りょーかいです!進路1-2-0!せーおんこーこー」
同海域 一三一四
伊19「どうも深海棲艦っぽいのね」
伊19〈哨戒中の小型深海棲艦一隻を発見したの〉
陸奥〈了解〉
伊19〈攻撃してもいい?〉
陸奥〈小型一隻なら構わないわ〉
伊19「酸素魚雷、六発発射するのね!」
妖精さん「よーそろー」シャシャシャシャシャシャー
ドゴーンドカーン
駆逐イ級「!?!?!?」ズブズブ
伊19〈撃沈したのね〉
陸奥〈早いわね……ってあなたどんだけ近付いてたのよ〉
伊19〈暇だからチキンレースしてたのね〉
「哨戒中ノ駆逐艦ト連絡ガ取レマセン」
「ココモ戦場ダ」
「コッチニハ『戦鬼』ガイル、負ケル訳アルマイ」
サンタクルーズ諸島ネンドー島周辺 一六五〇 伊168
伊168「全然見つからないわね……」
伊168〈なんか見つけた?〉
伊19〈駆逐艦一隻沈めたのね、でも大したものは見つかってないのね〉
伊58〈鳴かず飛ばずでち。今テーブルサンゴの上で休憩中。思ったより固いでち〉
伊168〈こっちもダメだわ〉
伊168「今のところはイクが一位ってところね」
伊168「何かないかしら、一気に私を戦果ダービーの先頭に導いてくれる衝撃的何かは」
本日終了
いつも読んでいただいてありがとうございます
物語の着地点は見えておりますので、最後までお付き合い頂ければ幸いです。
乙
鬼が・・・来る・・・!
乙
その時、一隻の小型艦が島の陰から姿を現した。
伊168「あれは……雷巡かしら。カモがネギ背負ってやってきたわね!」
伊168「急速潜航!突撃よー!」
妖精さん「イェッサー!」
妖精さん「目標との距離2千!」
伊168「魚雷発射!」
妖精さん「魚雷さんレッツゴー」スパパパー
雷巡チ級「!!」スルッ
妖精さん「雷巡魚雷回避」
伊168「第二射行くわよ!」
妖精さん「待ってください!雷巡一隻ではありません!島の陰より重巡洋艦に戦艦、敵主力艦隊と思われます!」
更に、戦艦よりも大きな艦船が姿を現す。禍々しくも美しい、そんな深海棲艦だった。
妖精さん「これまでの蓄積データには存在しない個体です!」
伊168「れ、連絡しないと!」
伊168〈こちら伊168!サンタクルーズ諸島にて未確認の巨大深海棲艦含む敵艦隊を発見!〉
伊168〈ガダルカナルへの援軍と思われます!〉
陸奥〈こちら第一艦隊陸奥、攻撃せずに退却して。よくやったわ〉
伊168〈了解!〉
プツッ
陸奥「新種ですって。困ったわね、私の判断できる範疇を超えているわ」
長門「そんな時は司令官に相談すると良いぞ」
本日終了
おつおつ
おつ
>>1むつ
陸奥〈第一艦隊旗艦陸奥、司令長官をお願い致します〉
司令長官〈何かあったか〉
陸奥〈実はかくかくしかじかで〉
司令長官〈以前から軍の研究者から戦艦級を超えるクラスの深海棲艦の存在は示唆されていた。予想は当たっていたようだ〉
陸奥〈このままでは衝突は避けられません。いかが致しましょう〉
司令長官〈ガダルカナルの目の前に立ちはだかる以上排除するしかあるまい〉
司令長官〈支援艦隊を追加で派遣する。進撃速度を落とせ〉
陸奥〈了解〉
司令長官〈貴様らの武運長久を心から願っている〉
プツッ
陸奥〈追加の支援艦隊が送られることになったわ。支援艦隊との調子を合わせるため全て速力15ノットまで落として頂戴。敵艦と遭遇した場合遵守する必要は無いわよ〉
金剛〈了解デース。みんなー、速力15ノットに減速ネー…………無線切るの忘れてたネ〉
北上〈第三艦隊北上、了解ー〉
神通〈第四艦隊神通了解です……〉
赤城〈赤城了解しました〉
陸奥「これでよしと」
扶桑「かっこいいです……」
高雄「いかにも出来る大人の女性って感じで」
陸奥「やーね、そんなんじゃないわよ」
長門「ぐぬぬ……私はかっこいいってなかなか言われないのに」
鳥海「長門さんも第一印象はかっこいいです」
愛宕「長門さんは一部の駆逐艦の子達の間で『ながもん』の愛称で親しまれていて、とーっても人気なんですよ」
摩耶「それかっこいいのか……?」
陸奥「かっこよく見られたかったら、とりあえず満面の笑みで間宮プリン食べるのは止めた方がいいわね」
青葉「駆逐艦の子たちと一緒に遊ぶのもアウトですね」
長門「私に死ねと言っているのか」
本日終了
毎度頂ける乙が嬉しいです
おつよー
むつー
おつです
翌日
ビスマルク海マヌス島 時刻0500
陸奥「ここからは極力無線封止、旗艦主導の下、スケジュール通りに動いてください。では、解散!」
金剛「手筈通り、第二艦隊は水道を突き進むネー!全軍速力30ノットデース!」
赤城「第一機動部隊は第二艦隊を援護します」
瑞鶴「元一航戦さんは30ノットも出るんですかねー」
加賀「失礼ですね、この作戦のために少し改修して速力を向上させました。30ノットであれば可能です」
瑞鶴「ふん。精々オーバーヒートして足を引っ張らないようにね」
北上「第三艦隊は途中で水道を出て北上するよーついてきてねー」
北上「……」
響「北上だけに?」
北上「いいねーナイスだよー」
電「全く気づかなかったのです……」
陸奥「第一艦隊は待機。突入タイミングが大事よ」
神通「同じく第四艦隊もしばらく待機です……」
時刻0930 第二艦隊 ラッセル諸島沖
妖精さん「まもなくレル島を通過します」
金剛「OK、総員射撃準備!」
霧島「既に完了してます。姉様」
榛名「榛名も大丈夫です」
比叡「いつでも行けます!」
妖精さん「電探に反応あり!南東微東距離五十万、情報通り多数の敵艦です!」
霧島「いつもありがとうね」
金剛「科学ってすげーデス」
霧島「お姉さま、興味ありますか?」
金剛「電探はすごいと思うけど理屈に興味はないデース」
霧島「」ショボーン
比叡「霧島の話は始まると長いのよ」
同所同刻 第一機動部隊
赤城「周囲に敵影はありませんね……」
瑞鶴「…………」ツーン
加賀「…………」
赤城「わ、私お饅頭持ってきました!二人とも食べませんか!?」
瑞鶴「いらない」
加賀「気持ちは嬉しいけれど、今はいいわ」
赤城「そ、そう?」
加賀「…………………………」
瑞鶴「………………………………」
赤城(空気悪すぎて泣きたい……)
本日終了
今までのを見返すと冗談抜きでゲロ吐くようなクオリティで泣きたい
そのゲロ飲んでやるから続きはよ
そうかな?情景や雰囲気を想像し易い、読みやすくていい文章だと思いますよ
乙です
乙です
特に最初の方の酷いこと酷いこと
よくぞ糞文を乗り越えてここまで来たなと言いたい
なあに酷さがわかるようになった分進歩したって事だろ
継続は力っていうし何が言いたいかと言えば乙って事だよ
普通におもろいでー
頑張ってくださいな
サンタイザベル島北 時刻1035 第三艦隊
妖精さん「敵艦見ゆ!駆逐艦サイズが四体です!」
北上「よーしのめしに行くよー。撃ち方始め、雷撃は四万でよろしくー」
雷「アイアイサー!」
電「命中させちゃいます!」
暁「第一射いくわよ!」
響「砲撃も好きさ。ガンガン行くよ」
妖精さん「電第一射、近近。暁第一射、近近」
北上「量より精度だよん。じっくり狙ってー」
妖精さん「雷第一射、近近。響第一射近近」
妖精さん「電第二射、遠遠。暁第二射、遠近、挟射」
妖精さん「雷第二射、遠近、挟射。響第二射近近」
妖精さん「北上第一射、遠遠遠」
妖精さん「雷第三射、遠命中。二番艦です」
雷「やった!」
響「敵の統制が崩れる、チャンスだよ」
妖精さん「響第三射、命中近、北上第二射、近遠命中、電第三射、近遠、暁第三射、近命中」
敵駆逐隊の縦陣は二番艦の離脱の遅れから綻び、完全に統率は失われていた。敵駆逐隊も応戦するが弾の方向はまるで定まらない。
暁「第四射、撃てー!」
妖精さん「暁第四射、命中命中。五番艦撃沈します」
響「ハラショー。今日の暁は絶好調だね」
暁「そうかしら?」
電「喜びが顔に出てるのです」
妖精さん「距離四万」
北上「じゃあ雷撃開始ー!」
暁「全門発射よ!」
駆逐艦四人、計十六本の魚雷が残り二体となった深海棲艦へ向かう。
雷「北上は撃たないの?」
北上「私の魚雷は秘密兵器だからねぇ」
妖精さん「一番艦に2本、三番艦に1本命中。撃沈です」
北上「よーし撃ち方やめ、お疲れさん」
電「ふー。緊張したのです」
暁「ふふ。見てた?すごいでしょ!」
北上「いやー痺れるねー最高だよ」ナデナデ
暁「ち、ちょっとぉ!撫でないでぇ……私は一人前のレディなんだから……」
北上「駆逐艦はかわいいねえ。ふふ」
響「あれ?北上は駆逐艦嫌いじゃ無かったかい?」
電「言われてみればいつもよりフレンドリーなのです」
北上「昔は役かぶりだったし本気でウザがってたけどね……今は雷巡畑でポジション争いも無くなったからね。可愛いし好きよ」
雷「そんなポジション争いなんて考えた事も無かったわ」
暁「見かけによらずストイックね……」
北上「雷ちゃんみたいに考えない方が楽なんだろうけど、やっぱ艦娘として選ばれたからには活躍してナンボって考えちゃうのよねー私」
響「おしゃべりは楽しいけれど、合流時間は大丈夫なのかい?」
北上「………………あと1分で合流だね」
電「はわわ、はわわわわ、急ぐのです!!」
暁「もう間に合わんちゅーの」スパン
電「はうわっ!」
響「ど、どうしよう」
北上「落ち着け皆の衆!静まれい!静まれい!」
北上「こういう時は焦るとどうしようもなくドツボにはまるのよ」
雷「さすが北上さん」
北上「まず焦らず……」
北上「でも少しだけ焦って……」
北上「全速前進だよー!」
「「「「おー!!」」」」
本日終了
叢雲おいてけぼり
乙です
サンタイザベル島南 時刻1153第二艦隊
霧島「遅いわね……」
榛名「榛名は少し心配です。何かあったのでは無いでしょうか」
加賀「水道の外に回した方が良いですか」
金剛「ソーデスネー、12時まで待ってそれでも来なければお願いしマース」
その時、水平線の向こう側に人影が映る。
比叡「あれじゃないですか?」
同所 時刻1207
北上「いやーごめんね。遅れちゃった」
赤城「何かあったのですか?」
北上「敵に出会っちゃった。ボコボコにして追い返したけど」
霧島「姉様、急ぎましょう。スケジュールに狂いが出てきています」
金剛「Oh,suit!!じゃあ北上、赤城さんたちを頼むネ」
金剛「第二艦隊、突撃デース!!」
ニュージョージア島付近 時刻1209 第一艦隊第四艦隊
妖精さん「第二艦隊金剛より暗号通信です」
金剛〈キリシマ、マイクテステス〉
陸奥「合流成功したようね」
扶桑「随分遅れているみたいですけど……」
高雄「差し当たり北上艦隊がトラブったんでしょう。一番危ない役回りですし」
青葉「お陰でこちらは余裕ですね」
摩耶「大体この作戦精密すぎんだよ、どっかトラブったらすぐ狂うじゃねえか」
長門「私は全軍突撃で構わないと思うのだがな。覚えることが多くて敵わん」
本日終了
いつもありがとうございます。
次から派手なシーンが続く予定です
乙乙
乙です
なんという脳筋…
おつおつ
すごく読みやすくていいな乙
これからもがんばれ
ガダルカナル島沖 時刻1350 第二艦隊
霧島「電探に反応!多数の敵機です!」
金剛「こっちも航空支援はバッチリネー!奴らに目に物見せてやりマース!」
彼女たちの頭上では第一機動部隊の直掩機が翼を振る。
どれもこの日のために用意された最高練度の空母による最高性能の艦載機である。
比叡「いよいよ戦場ですね姉様!気合入れていきます!」
榛名「勝手は榛名が許しません!機銃に高角砲、準備万端です!」
一瞬の静寂の後、耳の痛くなるような機銃の音が戦闘の始まりを告げた。
高速戦艦として誕生した金剛型の対空兵装を戦艦の対空兵装として見れば、お世辞にも充実しているとは言えない。
しかし、12.cm連装高角砲6基という火力は航空支援を前提とした防空戦では十分過ぎるものであった。
敵攻撃隊は瑞鶴の担当する戦闘編隊が追いかけ回し、防空網をかいくぐって攻撃する余裕など殆ど無い。
霧島「三式用意して!」
妖精さん「装填完了」
霧島「撃てー!」
飛行場砲撃用に用意されていた三式弾を霧島が放つと、上空で花火のように散り敵攻撃隊を纏めて撃墜していく。
霧島「よし!」
瑞鶴〈良しじゃないわよバカ!私の艦載機巻き込まれたんだけど!?〉
霧島〈無線封止中の通信の御利用はご遠慮下さい〉プツン
霧島「さあ面白くなってきたわ!」
四姉妹の中では知的な印象を受ける末っ子の霧島だが、やはり姉と血は争えない。
一瞬の静寂の後、耳の痛くなるような機銃の音が戦闘の始まりを告げた。
高速戦艦として誕生した金剛型の対空兵装を戦艦の対空兵装として見れば、お世辞にも充実しているとは言えない。
しかし、12.7cm連装高角砲6基という火力は航空支援を前提とした防空戦では十分過ぎるものであった。
敵攻撃隊は瑞鶴の担当する戦闘編隊が追いかけ回し、防空網をかいくぐって攻撃する余裕など殆ど無い。
霧島「三式用意して!」
妖精さん「装填完了」
霧島「撃てー!」
飛行場砲撃用に用意されていた三式弾を霧島が放つと、上空で花火のように散り敵攻撃隊を纏めて撃墜していく。
霧島「よし!」
瑞鶴〈良しじゃないわよバカ!私の艦載機巻き込まれたんだけど!?〉
霧島〈無線封止中の通信の御利用はご遠慮下さい〉プツン
霧島「さあ面白くなってきたわ!」
四姉妹の中では知的な印象を受ける末っ子の霧島だが、やはり姉と血は争えない。
サンタイザベル島南 時刻1351 第一機動部隊
瑞鶴「霧島……!後で覚えときなさいよ……!」
加賀「瑞鶴」
瑞鶴「……っ」
瑞鶴「……何よ」
加賀「先程のような格闘戦は止めておくのが賢明です。敵の動線上にいては艦砲射撃に支障が出ます」
加賀「空戦は据え物切りと心得よ。六十年前のエースパイロットの格言です」
瑞鶴「……いきなり立派な先輩気取り?見てて痛々しいわ」
瑞鶴「でも、まあ、一応心には留めておくわ」
赤城「加賀も変わったわね。ドッグファイトして味方に撃墜なんて可哀想なくらい罵倒してたでしょうに」
加賀「やはり変ですか」
赤城「そんな訳ありません。私は優しい加賀の方が好きですよ」
本日終了
いつも読んでいただきありがとうございます
次から派手なシーンが続くと言ったな
あれは嘘だ
明日から艦隊決戦に入ると思います
乙です
乙
トリップ届いた
トリップ変えます
ガダルカナル島テテラ湾付近 時刻1430 第二艦隊
妖精さん「敵艦見ゆ!戦艦5、空母3、重巡5、軽巡6、駆逐艦13です!」
比叡「こ、この数は予想外です」
榛名「あれが主力艦隊でしょうか?」
霧島「新型さんがいないわ」
妖精さん「距離2万です」
霧島「敵艦発砲!」
金剛「一斉回頭ー!」
金剛は旗流信号で赤赤(緊急左四十五度回頭)を告げる。
比叡「面舵いっぱーい!」
それから十秒もすぎると、変更前の針路上に砲弾が雪崩込む。
敵の砲撃は精度が上がっており、明らかに今までとは様子が違っていた。
霧島「もしかしたら過去に報告されたflagshipクラスってやつかもね。通常個体よりも高い能力を持ち、赤っぽい色になっているそうよ」
榛名「言われてみれば赤っぽい気がしなくもないですが……よく見えません」
比叡「霧島ー!眼鏡貸してよ眼鏡!」
霧島「駄目です」
比叡「けちー!」
霧島「駄目ったら駄目です」
金剛「Hey!戦闘中のお喋りはダメデス!」
金剛「それより報告の大型艦がいないデスネー」
榛名「まだきっと奥にも沢山いるに違いありません。どうしましょうか」
比叡「突撃です!私達が行かねば作戦は台無しです!作戦成功のためにも行かねばなりません!」
霧島「流石に危険過ぎます。この規模の泊地への突撃など自殺に等しい行為です」
金剛「Let's see……困りマシタ……」
榛名「金剛姉様、こういう時はアレですよ」
金剛「……I see!」
金剛「紅茶が美味しいネー」ホッコリ
硝煙の臭いが、カミモールの香りに押し流される。
榛名「……金剛姉さま?」
金剛「Yes?」
榛名「司令部に相談するのでは?」
金剛「英国淑女の余裕デス。今考えてマス」
榛名「え、えーと……」
紅茶の至福で満たされた金剛の中で、議論はされるだけなされた。
間もなく第二艦隊は沈黙した。今は決断の時である。
全ての目と耳が彼女に集中され、世界は金剛ただ一人であった。
金剛はその実感の中で、決断した。
金剛「突入は回避!」
金剛「私一人なら望むところデス」
金剛「However、私は可愛い妹たちを殺せないデス」
他ならぬ長女の決断である。
誰も異議を唱えようとはしなかった。
しかし、第二艦隊に単騎先陣を切らせたのはなぜか。
何を期待したのか。
湾内に突入し、海軍の誇るその鋼鉄の槍で、憎き深海棲艦を突き破る為ではなかったか。
例え、それが少女に命ずるにはあまりに過酷な物であったとしてもである。
金剛「一航過の攻撃とするネ。通過後、ジェラ・スールで反転して、主力艦隊に合流するデース!」
金剛〈敵戦艦多過ぎて突入出来なかったネ。ゴメンチョ〉
金剛「砲撃開始っ!」
ようやく金剛艦隊も臨戦態勢を整え、戦闘が始まると、目も眩む閃光と息も詰まる硝煙、そしてひどい頭痛のような轟音があたり一面に鳴り響く。
それは苛烈そのものであり、少女たちは神経を押し殺し無心で零式弾を敵艦船に叩き込む。
肉薄魚雷を試みる小型艦は近づく間もなく蹴散らされた。
しかし、後方に強固に据えられた戦艦群は多少の被弾をものともせずに弾を打ち返す。
本日終了
いつも見て頂き本当にありがとうございます
さらっと300突破やったぜ
当初の目標でした
戦闘描写が丁寧
その調子でがんばってちょ
乙です
flagshipって黄色じゃなかった?
>>308
やらかした
脳内変換宜しくお願いします
なんか赤の方が強そうじゃない
しかもカミモールの紅茶って何だよ
がっつりハーブじゃねえか
やっと追いついた。
会話とかテンポ良くてなかなか面白いな。
あ、ちょっと気になったことを一つ。
×指令長官→○司令長官な
>>311
ありがとうございます
メモ帳をクッションにして水際で潰すようにはしてるのですが、中々ミスが減らなくて困ってます
>>300
>金剛は旗流信号で赤赤(緊急左四十五度回頭)を告げる。
>比叡「面舵いっぱーい!」
広がったのか?
>>313
死にたい取り舵ですねはい
なに考えてるんでしょうね
まあよかよ
がんばれ
比叡「ひええ!スカートが!スカートが!」
巨大な鉄の塊が打ちのめされ、軋み上がる。
妖精さん「霧島第四砲塔、第二高角砲群、左舷機関に被弾!機関高度損傷!速力5ノット以下です!」
霧島「そんな馬鹿な……!?」
霧島「……っ、まだまだやれるわ」
と、誰に聞かすわけでもなく強がっては見る。
しかし、自力でこの海域が抜け出す事が不可能であることは、霧島自身よく分かっていた。
その身に宿したプライドが彼女を突き動かす。
榛名「馬鹿言わないで霧島!今助けるから!」
榛名「榛名は霧島の救助に当たります!お姉様方は引き続き全速で脱出してください!」
比叡「もっと頼っていいのよ!」
金剛「比叡の言う通りデス!私達はおねーちゃんデス!可愛い妹が苦しんでる所を見て見ぬふりなど出来るわけないでショ!」
それもまた、姉としての譲れないプライドである。
霧島「そんな……必要ありません!」
比叡「榛名、ゆっくりで良いから霧島を背負って行きなさい。私たちが守るから」
金剛「たまには見せ場も必要デスヨ。安心して頼れる姉の背中を見てるが良いのデス」
比叡「気合入れていきます!」
金剛「主砲一斉射!バアアアアニングゥ!ラアアァァヴ!!」
姉たちは危険度の高い戦艦に的を絞り、次々と弾丸を命中させる。
敵艦隊は予期せぬ反撃に戸惑うものの、着々と追撃の準備を整える。
金剛(このままでは追撃は必至、五分と持たず全滅シマス。どうすれば切り抜けられるデショウ……)
金剛が最終手段を視野に入れ始めた時、敵味方ともに予想だにしなかった事態が発生する。
本日終了
いつも読んでいただき本当にありがとうございます
問題
結果的に金剛達は全員健在で脱出します。
この後何が起こったでしょう?
乙です
大穴:霧の艦隊
カミカゼ
むつかれさまです
幸運艦雪風による
「その時、不思議なことが起こった」
敵戦艦の第三砲塔が
筑摩大明神
霧島「雨……」
霧島は何の感慨もなく呟いた。しかし、数瞬の内に彼女はその意味に気が付く。
あっという間に雨脚は強くなり、天然の煙幕が海面低く垂れ下がる。
更に砲撃の砲煙硝煙がそれに重なった。
視界はたちまちの内に狭められ、辺りは白一色となる。
金剛「Oh……慈悲深い神はわたし達にスコールを贈りたもうたネ……」
第二艦隊はのろのろとスコールの中を進む。
追撃の砲音も聞こえてこない。
金剛「ここまで来ればとりあえず大丈夫デス」
榛名「ふふ、びちゃびちゃですね」
比叡「死ぬかと思いました」
霧島「ごめんなさい。私の責任です……」
金剛「仕方ないデス。誰もがこうなる可能性がありマシタ」
榛名「なんにしろ全員無事で良かったです」
金剛「正直、全滅覚悟したネ」
比叡「ひえー」
激しいスコールの所為か、いつの間にか艦隊を守る直掩機も、恐るべき敵攻撃隊も何処かへ消えてしまっていた。
本日終了
いつも読んでいただき本当にありがとうございます
ちょっと少ないなあ
乙です
>>323
コテハンデビューどうでしょう
夕立がパーリィしたか…
乙です
323書いた者ですがコテハンデビューするようなことやらかしてます?
>>332
やらかしてないです
ここ最近頂ける「むつかれさま」が同一人物の証明であるならコテハンでも良いんじゃないかと思ったからです
貶める意図はありませんでした
申し訳ないです忘れてください
サンタイザベル島南 1600 第一艦隊第四艦隊
金剛〈第二艦隊スコールに紛れて海域脱出〉
金剛〈霧島比叡損傷。任務遂行厳シー〉
金剛〈ワタシと榛名は第一艦隊に合流シマース〉
陸奥〈了解。無事で良かった〉
陸奥「全員無事だそうよ」
赤城「よかった……!」
長門「まったくだ。霧島機関停止は肝を冷やしたぞ」
雪風「幸運の女神さまのキスを感じちゃいますっ!」
神通「次はいよいよ私たちの出番ですね」
不知火「駆逐してやります。この世から、一匹残らず」
電「駆逐艦だけに?」
不知火「は?」
電「なんでもないのです。ごめんなさいなのです」
響「……失敗は成功のもとさ」
北上「まあ……そうね……そんなこともあるよね……」
初風「……もうちょっと愛想よくできないの?」
不知火「不知火に何か落ち度でも?」
陸奥「はいはい、お喋りはお終いよ」
陸奥「皇国の興廃この一戦に在り、各員一層奮励努力せよっ!」
陸奥「艦隊突撃!」
テテラ湾内 1620 深海棲艦
「クッソ!逃ガシタヤンケ!」
「戦犯スコール」
「戦鬼モ待テド暮セド来ヨランシ、ドウナットルンジャイ」
「戦鬼部隊到着シマシタ、入港中デス」
「オ、噂ハシテミルモンヤナ」
「見テロヨ、返リ討チニシテヤルワ」
連合艦隊司令部 1749
金剛〈敵戦艦多過ぎて突入出来なかったネ。ゴメンチョ〉
この金剛からの電報が横須賀にいる司令部に届けられたのは五時四十九分である。
金剛艦隊からの突入回避の電報を受けた司令部は激怒した。
苦戦をするのは分かっている。
だが、お前たちも軍人ではないのか。
恥とは思わないのか。
年端もいかない少女達が文字通り戦場の華となった現在も、日本海軍、いや日本の軍隊に共通した思想がそこでは生きていた。
長官は激励の意味も込め、艦隊が撃滅されようと進撃せよ、と命じた。
長官死すべし
乙です
うーんこの外道長官、まぁ立場上仕方ないのかもだけどさ
乙です
立場上ではなく本心でしょう
昔の日本は どう考えても無理な状況なのに「気合いでいけ。大和魂さえあれば負けることはない」
って思想で何人も犬死にさせてたのよ
死ぬことは誉れだ とも洗脳してた
だが自分は安全圏で 前線にでない
一旦立て直します
本当に申し訳ないです
了解
酉が違うぞ
あ
あ
あ
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