魔王「ト、トーキョー?」 女「う……うん。東京」 (4)

魔王『勇者よ、よくここまできたな。ここは素直に誉めておいてやろう』

勇者『……』

魔王『確かにこの吾が輩さえ倒せば、人間界侵略は撤退となるだろう。みごとクーデター成功というわけだ』

勇者『……』

魔王『だが、お前では吾が輩を倒すことはできない』
『なぜなら吾が輩には、数億年単位でこの地を支配するべく、不死の魔法が掛けられているからだ』

勇者『……』

魔王『人ながらに魔力を有するとは珍しい。貴様に興味が湧いた、今忠誠を誓えば我が配下にしてやろう』

勇者『いいえ』

魔王『……少し冷静になるがいい勇者よ。貴様が配下になるということは、人間への支配を、貴様がある程度和らげることができるということだぞ?』

勇者『いいえ』

魔王『……なら、仕方あるまいな。わかりやすいだけの正義に殉ずることだけが望みだと言うならば、惨めにここで犬死にするがいい』スッ

勇者『……』

魔王「……!」

女「だからそれはテレビっていって」

魔王「その自慢は昨日聞きました。別にそんなことに驚いた訳ではないのです」

女(テレビにコンプレックスでもあるのかコイツ)

魔王「この写真です。この公園の写真」

女「荒れてるねぇ。なんか最近、この辺りで爆弾魔が出るんだってさ」

女「夜は気をつけないと、特に私みたいな可愛い女の子は」

魔王「跡が、似ている」

女「え?」

魔王「勇者の使った魔法の跡と、さっきの公園にあった窪みの型が」

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