佐天「小説を書く能力かあ……」 (15)

初春「佐天さん。システムスキャンの結果はどうでした?」

佐天「うん。能力身についてたよ」

初春「おめでとうございます。どんな能力ですか?」

佐天「小説を書く能力なんだ」

初春「へえ。凄い能力ですね」

初春「佐天さん。あそこに御坂さんがいますよ」

佐天「あ、ほんとだ」

御坂「暇ねー……なんか面白いことないかしら」

佐天「御坂さーん」

御坂「あ。佐天さんに初春さん」

初春「御坂さん。実は佐天さんが能力取得したんですよ」

御坂「ほんと?おめでとう!」

佐天「えへへ……」

御坂「それでどんな能力なの?」

佐天「小説を書く能力です!」

御坂「ふーん……」

佐天「プンプン!なんですかその冷めた反応は!」

御坂「ご、ごめんなさい!」

初春「御坂さんは小説に興味はないんですか?」

御坂「うん……。漫画は立ち読みするんだけどね」

佐天「ふふっ。御坂さん子供ですね」

御坂「だってまだ中学生だもん!」

佐天「駄目ですよそれじゃ。もっと本読まないと頭よくなりませんよ」

御坂「あの、私一応レベル5なんだけど」

佐天「御坂さんこの半年で小説何冊読みました?私は10冊は読みましたよ!」

御坂「ゼロ……」

初春「今日の佐天さん既にウザイですねえ」

初春「ちなみにどんな小説を読んだんですか?」

佐天「えっとねー、キノの旅!」

佐天「小説だけじゃないですよ。SSも100個は読みました」

佐天「そんな私がこの能力を手に入れたのはまさに運命」

御坂「初春さん、SSって何?」

初春「なんで佐天さんに聞かないんですか?」

御坂「だって……なんだか怖いんだもん」

初春「そうですか。私もそう思います」

初春「私もSSがなんなのか知らないです」

佐天「将来は人気ラノベ作家になって印税ウハウハですよ!」

御坂「う、うん」

御坂「あっ!そうだ!佐天さんが書いた小説読ませてよ」

佐天「……」

御坂「……?」

佐天「小説というものはですね、クリエイティブなものなんです」

御坂「えっ」

佐天「そりゃあね。書こうと思えばいくらでも書けますよ。私は」

佐天「でもですね。小説というものは人に読ませるものなワケで」

佐天「人に読ませるからには、それなりにメッセージ性のあるものを書かなければならないんです」

佐天「壮大な舞台背景、伏線回収、ボーイミーツガール、友情努力勝利」

佐天「それらを過不足無く一から作り上げ、一つにまとめるのは大変なんです」

御坂「ご、ごめんなさい!」

初春「小説書いたこと無いんですか?」

佐天「書こうと思えば書けると思うよ」

初春「なんではっきり答えないんですかね」

御坂「さ、佐天さんは凄いなあ!」

佐天「いえ。まだまだこれからですよ。私は決してタカビーな売れっ子作家にはなりません」

御坂「う、うん」

初春「じゃあ地の文だけでいいんで書いてみてください。どんな内容でもいいですから」

佐天「くっ……」

御坂「さ、佐天さん無理しなくていいから……」

佐天「無理ってなんですか!?」

御坂「ひっ」

佐天「書きますよ!書けますよ!たかが地の文くらい!?」

佐天「ハアハア……ハアハア……」

初春「どうぞ」

佐天「ハッハッ……ハッハッ……」

御坂「もういいから!顔色悪いよ!?」

佐天「ハア―――――!!!!!」

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