実況風小説:でゅある・もあ・ざん! (25)

まったり書いてく。

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 ここは東京都江戸川区にある、なんの変哲もない一軒屋。
 しかし、その実態は、多重人格作家・大田彩香が、多(?)軍奮闘する、修羅の場所だった!

「ええと、主人公は武道の達人……ねぇ、バトル? こんな設定いるの?」
「いるに決まってんだろ! いまどきのトレンドはバトルなんだよ!」
「これ、恋愛ものなんだけど……」
 おおっと!!
 速くも、恋愛脳とバトル脳が対立しているぞ!!
 しかし、これは作品的には、やや恋愛脳が有利か!?

「いや、そもそも恋愛つってもさ~、シリアスにするか、ギャグにするかあるわけじゃん?」
 今度はギャグ脳が突っかかっていったぁ!
 そしてそれに反論するのはもちろん!
「はぁ……シリアスは人気ないんだよな、最近」
 最近、誰得シリアスで叩かれ過ぎて凹んでる、シリアス脳だ!
 というか、反論する気力は残っているのかぁ!?

「ふふ……それを言ったら、ホラーなんて、もっと狭い門だよ……」
 シリアス脳の暗いオーラに便乗!
 ホラー脳が参戦だぁぁぁぁぁ!!
 当初の流れが早くもうやむやになろうとしている!
「ふむ。恋愛と言えど、守りつつ愛を育てるというものもあるのでは?」
 ここで助け船! 
 大田彩香の、縁の下の力持ち!
 推理脳のお出ましだぁぁぁぁぁ!!
 これは期待が膨らむぞ!

「ふははは! ここはいっそどうだ!? 魔法でも使えばよかろう!」
 ここで空気を読まずに登場したのは、ファンタジー脳!
 場をしっちゃかめっちゃかに掻きまわしに来たぁぁぁぁ!!
「黙れ厨二病」
 おおっと!
 気が立っていたのか、本来仲のいいバトル脳からカウンターパンチ!
 これは手痛い!
「ぐぬぬ」
 これにはファンタジー脳も怯むことしかできない!

「まぁ、推理の言う通り、バトルをサブってのもありね」
「だろ!? だろ!?」
 ここで、話がひと段落ついたぞ!
 バトル脳は自分の意見が通ったからか、嬉しそうだ!

「んじゃ、こっちはこっちで決めますか~」
「……そうだな」
 続く第二試合は、ギャグ脳とシリアス脳の対立だ!
 テンションの低いシリアス脳が圧倒的不利に見えるが、果たして!?

「やっぱりみんな疲れてるんだよ、最近はさ」
「だから、ギャグの方が受けがいいと?」
「そーそー。お疲れのみなさんに、一種の清涼剤ってね」
 ギャグ脳が、戦う前から瀕死だったシリアスに、ジャブを食らわしていく!
 これはのちのち響いてくるぞぉ!?
「いや、こんなご時世だからこそ、シリアスで攻めるべきだ。まっすぐに立ち向かう力を……」
 やはりシリアス、疲れている!
 どことなく説教臭いぞ!?

「そんな説教臭い内容は受けないよ~だ」
 揚げ足をとるのも欠かさないぞ、ギャグ脳!
 嫌な女だ!
「お持ちください」
 しかし、こんな時、頼れる女の介入だ!
 もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな?
 推理脳だぁぁぁぁぁ!!

「そもそも、ギャグとシリアスを対立させようと思うこと自体間違っています」
「どゆこと? 推理ちゃん?」
「私もわからない……」
 試合中の二人は、推理脳の言うことがわからず、困惑中だ!
 しかし、どういうことだ!?
 どういうことなんだ、推理脳!!
 答えてくれ、推理脳!!

「さきほどギャグが言ったじゃないですか、疲れてるからこそ、ギャグを清涼剤に、と」
「言ったね~」
「……なるほど」
「シリアス?」
 そうか! そういうことだったのかぁ!!
 つまりはこういうことだ!
 シリアスがあるからギャグが引き立ち、ギャグがあるからシリアスが際立つのだ!
 つまり、最初から、シリアスとギャグを切り離すことなどできなかったのだぁぁ!!

 これで、粗方道筋が決まってきたぞ!
 ジャンルは恋愛、主人公は武道の達人!
 シリアスとギャグは半々だぁ!!
 さて、お次はヒロインの設定!
 一体どんな脳内バトルが飛び出すんだぁ!?
 

「ふむ。ここは魔法の国からやってきたという設定が良いだろう」
 おお! 先制攻撃はファンタジー脳だ!
 まぁ、ギリギリセーフと見せかけたアウトと言えなくもない設定だぁ!!
「うう……私の持ち場が荒らされていく……」
 今度はシリアス脳でなく、恋愛脳が凹んだぞ!?
 大丈夫か、恋愛脳!

「……」
 しかもここに来て、頼れる女、推理脳が無言、沈黙だ!
 助け船なし! これはまずいぞ、恋愛脳!
 どうする、どう出る恋愛脳!
「ふふふ……うむ……」
 ファンタジー脳は無茶苦茶ノリ気だぞ!?

「ふふ……ファンタジー、まぁ、お前さんの案、悪くないんだが……」
 おおっと!?
 意外なとこから助け船!
 ホラー脳だ!
 しかも一度相手を認める譲歩の構え!
 うまい、うまいぞ!
 しかし、問題はここからだ!
 どう出る? ホラー脳!

「ここはどうだ? 心に傷を負っていて、それで魔法世界が見えるようになってしまった、と」
「う……うむ。それもいいな」
 こ……これは鮮やかぁぁぁぁ!!
 ファンタジー脳を納得させつつ恋愛方面につなげただけでなく、自分の得意分野である、ヤンデレにも持っていきやすくしたぞ!
「いいぞ! ホラー!」
 ギャグ脳も、電波キャラにもできるためか、かなり嬉しそうだ!
「ほっ……」
 これには恋愛脳も一安心!

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