上条「16歳の誕生日に魔王倒しに行く羽目になった」(164)

詩菜「当麻さん的にはまだもう少し寝ていたいでしょうけどそろそろ起きないと王様に怒られますよ」

上条「・・・ん・・・ごはんはまだだぞ・・インデックス・・」

詩菜「あらあら、当麻さんったら寝ぼけちゃって本当に起きないと間に合いませんよ」ユサユサ

上条「ん・・・?ってあれ何で母さんが?ってか何で俺ベッドに寝てるんだ?」

詩菜「こんな大事な日に寝ぼけてるなんて当麻さん的には魔王なんてかなり余裕な感じなのかしら?」

魔王?何その不幸そうな単語

詩菜「早く準備して王様に会いに行きなさい、今日が勇者当麻さんの旅立ちの日なんですもの」

当麻「え?」

当麻「ええええええええええええ!!」

どうやら目が覚めると私上条当麻は不思議な幻想の世界に来てしまってるらしい

んで俺が魔王ってのを倒しに行くため立ち上がった勇者らしい

とりあえず簡単な話を聞いてお決まりの「不幸だー!!!」と叫んでおく

そして何でいきなりこんな可笑しな事になったのか昨日の寝るまでの事を思い出してみる

―それは昨夜の事

土御門元春がいきなり「かみやーん!このゲーム面白いから貸してやるぜよ!」

と勢い良くゲームを持ってきたのが始まりだ

「ふむふむ・・・ドラクエ3・・・?しかし土御門の奴いきなり来てゲームだけ貸して行くなんて・・」
頭をボリボリと書きながら当麻は改めてゲームを見る
ソフトラベルを見る限り冒険もののRPGらしい
「ねーねーとうま、それどんなゲームなの?」
インデックスもどうやら愛猫スフィンクスとじゃれ合うのにも飽きて
飛び込んできたゲームに興味を持つ
何せインデックスはこういったコンピューターなどの機械にはめっぽう弱いのだ
なので今までゲームも見ているだけであまりプレイしたりはしない
必然的にプレイヤーは上条自身になるのだ
「ま、土御門のおすすめだ、一回やってみようぜ」
そういってソフトを刺して電源を入れる

上条「とそこで二人でオープニングを見たのはいいが・・・」

上条「そこでいきなりインデックスの奴が眠りだして・・・」

上条「俺もだんだん気が遠くなって・・・・」

しばらく静かになった部屋で母さんが持って来てくれた何やら変わった服装に着替えながら
冷静に昨日のことを思い出す




上条「・・・・・・」

上条(つ・ち・み・か・ど!!!!!)

一通り着替えを終わり一度顔をつねってみる

上条「っ・・痛ぇ!!」

もちろん右手だ 異能の力ならなんでも打ち消す
それは神の奇跡さえも
そんな特異な右手つねっても何も変わらない

上条「っつーことは俺自身が魔術とか異能の力によっておかしくなってるわけじゃない・・か」

考えていても仕方がない と上条当麻は切り替える
確か”王様に会いに行け”って母さんは言ってたな

上条「ハァ・・・・何かこんな状態で案外落ち着いている自分が悲しいですよ・・・はい」

上条はとっとと部屋から出て王のもとへ向かう

あぶない水着を誰に装備するか

>>16
セロリさん以外に誰がいるんだ

詩菜に「頑張ってねぇー当麻さーん!」と激励されつつ家から外に出る

上条「うわぁ・・・」

外の異様な光景に呆気にとられてしまう
上条の住む学園都市は科学に町だ
掃除用ロボが徘徊していれば車や飛行機など
外の世界とは10年の技術差と呼ばれるほどに科学の代名詞となっている

だが上条の見た光景は全くの別のものだった
道行く人は上条の恰好に似たマントを羽織っている者もいれば
本当にゲームで見たような鎧や剣を身に纏った剣士や
あ、こいつ魔法使いだというようなとんがり帽子を被ったもの
あるいは町の住人なのか古めかしい服を着ている人がほとんどだ

上条(マジで異世界に来ちゃってるんですね・・・ハァ・・・こういうときに役に立たないのかよ・・)
改めて自分の右手に視線を落とす
上条(ま、落ち込んでもいられないよな!っつーか俺がこの世界にいるっつーことは、インデックスもこっちに来てるはずだよな)
当面の目標が決まった
多分一緒にこっちにきているであろう暴飲暴食シスターを探さなければ
どっかの家で拾われて後で食費を請求される前になんとかしなければ
上条は改めて右手をぐっと握る

新たな決意を決め込んだ上条に ふと聞き覚えのある声が聞こえてきた

「今日は僕の旅立ち感謝デーや!とうとう僕もこのアリアハンから出て世界中の僕を待ってる女の子に・・」

上条(ハハ、こっちの世界にも青ピみたいなやつはいるんだなー)
上条はそちらの方を見向きもせずに詩菜に簡単に書いてもらった地図を参考にお城を目指す

?「それこそもう猫耳悪魔魔女っ娘・・・それらを手なずけて美女・キャラバン青髪を作ったるでー!」

上条「そーそー、あいつなら何かそんな感じの事言って・・・・ってはぁ!?」

声の方を勢いよく振り向く

青髪ピアス「えぇでえぇで奥さん!今日の道具屋青髪は店じまいセールやぁ!次回から移動キャラバン・青髪になるでどーぞよろしく!!」

上条「」


上条「やった! とうとう虹のしずくを手に入れたぜ!
   元の世界に戻るまであと一歩(パッキーン!)」


┗あと一歩┓三三
  ┏┗   三三


上条「あァッヅ!! あと一歩が逃げていくうぅぅぅッツ!?」

上条「青髪ピアスッ!!」

青髪ピアス「ん?おぉ!誰かと思えば勇者かみやんやないの!今から旅立ち?なんなら薬草セット安ぅしと・・」
走ってきた上条にいきなし肩をつかまれる青髪ピアス

青髪ピアス「なんやなんやかみやん、僕はいろんな種族やいろんな属性愛しとるけどそっちの趣味はないでぇ~?」

上条「ちっがーう!そーじゃない!お前、俺の知ってる青髪ピアスだろ!?」
ユサユサと肩を揺らす上条
青髪ピアスがこっちに? 母さんもそーだったけど何でこっちの世界に
俺の知ってる人物がいるんだ?
っつーかコイツも飛ばされてきたのか?

青髪ピアス「何言うとんのやかみやん、僕は僕やで!ハーレムキャラバンを夢見る道具屋の美青年や」

上条「っ・・・」
中身は大体一緒だがやっぱり学園都市の青髪ピアスとは全くの別人のようだ
つまり外見は俺の知ってる青髪ピアスで中身はこの世界の道具屋の一人ってことか

青髪でピアスしてるから青髪ピアスと呼ばれているだけだ
そんな特徴の人間なんて探せばそれなりにいるさ

青髪ピアス「まぁまぁかみやんも今日旅立ちやろ?プレッシャーとか寝不足で頭混乱しとんのわかるけどもはよお城行った方がええんちゃう?」

上条「ハッ!そうだ!忘れてた」
すっかり青髪ピアスを見つけたことで本来の目的を忘れていた上条

青髪ピアス「ハァ・・・世界を救う勇者のかみやんがそんなんではあかんでぇ・・・」
ため息をこぼす青髪ピアス
上条は不幸だー!と叫びながら地図を見てお城へ走り出す

青髪ピアス「かみやん・・・確かに旅はつらいけども・・・不幸だー!ってうらやましすぎるで本当に」

青髪ピアス「だって勇者てあのBAR使えるんやろ?・・・ホンマうらやましい限りやわー」

そんな青髪ピアスの言葉を残し上条は既に青髪ピアスの視界から消えていた

―数十分後、アリアハンの城の前―

「で?」
といきなり兵士に通せんぼされていた
「で、と言われましても・・・」
上条はお城の前まで来ていた
だがそこにある姿は家からいってきますした時とははるかに違う恰好となっていた
服は乱れマントはビリビリに破け体のあちこちに擦り傷のようなものまであった
「そんな恰好で王に謁見にきたと?」
城門の警備をする兵士からすると上条は明らかに怪しい人物である
この姿で「勇者です」なんて言い訳ができるはずもない

そもそも青髪ピアスと別れた後
走っている上条の横から何故か電撃が飛んできて
どこかで見たような少女が何か言いながら走ってきたので方向転換し町を逃げ回った
なんとか少女を撒いたと思ったら今度は足が動かなくなったご老人が声をかけてきたので
おぶって教会まで運んであげたりもした
とまぁ一部語るだけでかなり時間がかかってしまうのでここは自分の心にしまっておこう
いつもの事なのだ

「・・・もし貴様が勇者だというならそのとなるものを見せてみろ!」

「へ?証?」

>>上条の横から何故か電撃が飛んできて

おい既に上条さんじゃない人が勇者じゃねーか

上条の出した証とは王からの手紙であった が
濡れてしまっていて読み取れるかなりギリギリのラインだったが何とか通行の許可を得た
だけどやっぱりこの恰好ではと一度帰って替えの服に着替えた上条だった
「うちの経済も結構厳しいのよー当麻さん」と笑顔で威圧をかける母さんに笑顔で手を振り
今度は何事もなく城にたどり着いたのだった

「へぇー、お城ってやっぱすっげーでっかいんだな」
キョロキョロする上条に「あまりキョロキョロするなよ」
と圧力をかけられてしっかり兵士についていく
いくつか階段を上ってついに大きい扉の前に到着した

「ここからは貴殿一人で行きたまえ」

「あ、はいどうも」

そういって軽くお辞儀をし、扉に手をかける

「お邪魔しまーす・・・っとうわッ!」

パキーンと突き出した上条の右手が何かを打ち消す
上条がドアを開いた瞬間何かが上条に向けて放たれたのだ

「なん・・・だよ・・・っ!」

ガンと少し焦げてしまったドアを蹴破って上条は多分王室であろう部屋に入る

「・・・チッ・・・・生きていたか」

そこには赤い髪の右頬にバーコードのような墨を入れた上条のよく知る魔術師が立っていた

「ステイル・・・か」

「フン、君にそう名前を呼ばれるような親しい関係じゃないはずだが?上条当麻・・・いや世界を救う勇者(仮)というところか」

フーっと王室でたばこを吹かすステイル
(こいつが・・・王様?)

なるほど
こいつならバスタードソードを最初に渡さないのも頷ける

「あー、勘違いしないでくれよ?僕は君を殺そうと思ったんじゃない あくまで試したんだ」

そう言って手をフラフラさせるステイル
なんでもステイルはこの国じゃ一応大臣という役職を与えられている
一応国王と呼ばれる人も先ほどまで居たがあまりにも上条の到着が遅いので
先にお昼寝に行ってしまった
で残ったステイルが国王の代わりに勇者にありがたいお言葉を授けるために待っていたというわけだ

「しっかしいきなりドア開けた途端魔法ぶちかますなんてもし違う兵士とかだったらどーすんだよ」

「ああ、その点は問題ないよ」
「君の胸糞悪い気の抜けた声はドア越しでよく分かるからねと」とつづけた

(コイツ・・・喧嘩売ってますよね?絶対喧嘩売ってますよね?!)

ワナワナと震える上条を余所にステイルは何もなかったように

「それじゃ、本題と行こうか?」

ステイルの話じゃこうだった

最近魔物の動きが活発になりつつある
これを各国の王たちは魔王の暗躍があると睨んだ
しばらく均衡を保っていた魔物と人間の戦いだったが
あるとき現武力(おもに剣や斧などの物理攻撃や魔法による攻撃)
を一切受け付けない特殊な魔物が表れて魔族の進行が進んでいる

そこでアリアハンが誇る? 異能を打ち消すという上条当麻が16歳となるのを待ち
彼を勇者にして世界の情勢をひっくり返してもらおうという魂胆らしい

「・・・・・」
上条は話を全て聞きこめかみをピクピク引き攣らせる

「ま、そういうわけだ、世界の為に、アリアハンの為に頼むよ 勇者様」

「ハァ・・・・」

とため息を一度つく
インデックスを探すついでだと思っていたが

事態は結構深刻らしい

「ま、一応世界ではもうすでに滅ぼされた町なんかもあったみたいだよ?何なら見てみるかな?」

ステイルが態々その町の様子を上条に見せて焚き付けようとする が

「要は俺がその変なモンスターとやらをぶっとばして、魔王って奴を潰せばそれでみんなが救われるんだろ?」

一瞬間を置いて「ああ、そうだね」とだけ答えるステイル

「だったら一々そんなん見せてもらわなくても俺はこの右手でやれるとこまでやってやる」

異能を打ち消す右手 魔術を打ち消す右手
この右手でこの世界が 仮に本来の上条の世界と違う世界だったとしても

そこに困っている人がいるのであれば上条に迷いは全く無かった

城でステイルに事情を聞き、「君に手を貸そうにも生憎僕は大臣でね」とステイルに
いくらかのお金(ほとんど小銭である)と細やかな武器一式
道具袋を渡され 

「この町の外れに腕の立つ冒険者が集う酒場があるらしい、そこで旅の仲間でも探して旅に出ればいいんじゃないか?」

とすぐ城から締め出されてしまった

「・・・って流石の上条さんでもこんな物資で世界救えって言われても・・・まぁでもこういうゲームだと最初は・・・」
等と文句を垂れながらステイルに聞いた酒場とやらに行くことにした
道中やはり犬の尻尾を踏んでしまい追いかけられたのはもう省略しておこう

上条は(一応苦難の道を得て)酒場の前に到着した

「こ・・・ここか・・・ふ・ふーんトムソンの酒場・・・か・・・」

もう嫌な予感しかしなかった上条であった

「あらぁん、大臣サマからお話は聞いてるわぁ、上条当麻クン だったわね?」

出迎えたのはやはり歩く18禁 オリアナ=トムソン
上条の記憶には大覇星祭とクーデーターと時に顔を合わせた魔術師だ
前者は敵として 後者は協力者として戦った相手だ
まぁ毎回大体上条としては魅力的な服で顔を合わせているが
今回の酒場のマスターとしての姿は最早爆弾並みの破壊力だった

「ど・・・どうも、か、上条当麻です」

「知ってるわぁん」とニッコリ笑う 何回か会っているはずなのに
紳士な上条さんは顔を赤らめてそっぽを向いてしまう

「お姉さん、上条君が世界の為に戦うからって選りすぐりの人材を引っ張ってきちゃった」

「は・・はぁどうも」

「この酒場にいる連中、かなりの使い手ばかりよ・・誰でも好きなの連れってあげてね」

上条は周りをざっと見まわす

一応パーティとか職業安価で決めたいんですが


とあるテーブル① 御坂美琴+白井黒子

「ちょ・・・アイツ!やっぱりここに来たわね!!」パチィと前髪から火花が散る

「さっきはこの御坂美琴様を無視してくれちゃったけど次は絶対決着つけさせるんだから!」

彼女は先ほど上条がお城へ向かう途中一度声を掛けたが城へと急ぐ上条に無視されて追いかけっこをしたばかりだった

「べ・・・別についでに旅の手伝いだなんて・・・ゴニョゴニョ・・」////
頬をこれでもかと言うほど赤らめる美琴

一方向かいの席では

「ち・・・ちょっとお姉さま!?何をそんなに頬を染めておいでですの?!」

ワナワナと震えるのは白井黒子であった

とあるテーブル② ねーちん+五和


「ぷっぷぷ女教皇様ッ!ああ・・あの人が来てますよ?!」

尋常じゃなく動揺している二重瞼の女の子は五和
その向かいの席では

「おおおお落ち着きなさい!かの少年には私たちは幾度となく救われてます、そっそそれを返すチャンスのようですね!」

更にテンパっているのが神裂火織(18歳)である

「でも女教皇様、周りにいる・・・そ・・・その女の子達の目つきがなんだか先ほどと違うのですが・・」

周りを見て少しシュンとしてしまう五和

「くっ、やはり彼は私たちのように様々な人たちを救っているようですね、多分周りの方も同じような方ばかりなのでは・・・?」

それを聞いた神崎もやはり少し落ち着きを取り戻す

「で・・・では彼に、彼から声を掛けていただいた場合に我々は彼の手助けとして同行するとしましょう」

「そ・・・そうですね、そのほうがいいですよね!」

後一歩押しが足らない二人であった

とあるテーブル③ 御坂妹+姫神秋沙

「・・・・・」 「・・・・・」

周りが何かと騒がしい中シーンと静まり返った席

二人(何でこの人と相席にしてしまったんだろう。)(とミサカは考察します)

シーン

「お、おやおや、あの人はミサカ達を救ってくれた方じゃないですか とミサカはワザとらしく彼との面識を呟いてみます」
先に切り出したのは御坂妹の方だ

「これはMNWの総意に基づいてミサカは彼のパートn・・・いえ冒険の仲間の座をビシッと狙ってみます」

「あなたも。彼と面識があるのね。」
そう呟くのは姫神秋沙だ

「!・・・これはこれはあなたもミサカ達のライバルの一員でしたか とミサカは敵がすぐ足元に居たことに驚きを隠せません」

「私も。上条君に助けてもらってばっかりなの。だから彼を手伝いたい。」

「おやおや、まずそこからお話を付けなければいけないようです とミサカは長い話なることを予測しながらも彼との関係は自分の方が深いであろうことを打ち明けます」
と言って以前の事を語りだす御坂妹

(この人・・・すごくあっち《テーブル①》の人と似てる気がする。)

ボーっと話を聞き流す姫神であった

テーブル④ レッサー+オルソラ

「ピキーン!と私のレーダーがあの人物の存在を捕らえましたっ!」
と尻尾を振りガタンと椅子から勢いよく立ち上がる
彼女の名はレッサー

向かいの席に座るのは

「あらあら、元気がいいのでございますね ところであのお方は何故こちらの酒場にこられたのでしょうか?」
とゆっくりのんびり話す女性はオルソラ=アクィナス

「何言ってるんです?彼は様々な事件に首を突っ込み最早結構今の状態で英雄みたいな扱いですよ!そんな彼を丸め込めれば・・」

「まぁまぁ一度落ち着きましょうレッサー様、私たちにも得意不得意等ございます」
でも
「あくまで必要不必要を決めるのはあのお方です、だれを連れて行かれるか、パーティのバランスというのがございましょう」

と現状かなり穏便派な意見のオルソラに対し

「ダメダメですね!そんなんじゃこの周りの強豪共から彼の貞そ・・・いや彼の仲間という座を取るのは難しいでしょうね!」

「・・・確かに、それはそれで私も彼のお手伝いをするというのは・・・」

「だぁー!!いいですか・・・・」と手をワキワキさせ邪悪な笑みを浮かべるレッサー
「?」と笑顔で首を傾げるオルソラ この後自分がレッサーに何をされるか知りもせずに・・

「な・・・何かすごく殺気めいた物をヒシヒシと感じるのですが・・・」
異様な酒場の空気に上条は少し後退りをする

「あらぁん、すごいじゃない上条クン こぉんなに沢山貴方を狙ってる女の子ば・か・り」

「は・・・ハハッ・・・」(しかも殆ど知ってる顔ばかりというのが恐ろしい話であって・・・)
青ピもそうだったがどうやらこっちの世界の俺も現実世界と少しリンクして
現実で出会った人はほとんどこちらでも同じような関係で知り合いらしい

「この中から3人仲間という名目でご指名することができるわぁ」
ま、見ての通り女の子ばかりだけど と凄く含みのあるように言われてしまう

(っと・・・そ、そうだよ 俺は冒険に出る『仲間』を探しに来たんだ・・もし連れて行くなら慎重に選ばないとな・・・)

「まず誰を誘おうかな?」


一人目のPT ↓+5

(うーん姫神か、あいついまいち何を考えてるのかよくわかんないんだよなー)

(アイツの能力は吸血殺し・・・確かにヴァンパイア系のモンスターに対して無敵の強さだよな・・・よし)
ツカツカツカ ざわ・・・ざわ・・


テーブル③

「来たッ!ミサカを連れに来ました!とミサカはガッツポーズを取ります!」
と勢いよくグッと手を握る御坂妹 それを見て
「おめでとう。多分選ばれるのはあなた」
とどこか寂しそうに半ば諦めたように呟く姫神

(私はやっぱり。あの人について行っても・・・足手まといになってしまう。)

ツカツカ
「姫神ッ!よかったら俺の冒険の手伝いをしてくれっ!」

「えっ!?」
「 」

「いいの?」
とても不安そうに聞き返す
「いいも悪いも俺にはお前の力が必要なんだ!多分険しい道になるが俺と一緒に来てくれないか?」

「そんなの。」

「そんなのいいに決まってる。その為に私はここにいたのだから。」


★姫神秋沙が仲間に加わった★

「さて、一人目も決まったことだし 次はどんな奴を誘おうかな・・・っと」

再度周りを確認する上条


二人目 ↓+3 

ビリビリ

>>75

「さってと次は・・・っと」キョロキョロ

「ちょろーっと、アンタ」ガシ
いきなり肩を掴まれる

「へ?・・・ってうぉ!!ビリビリッ?!!」

「ビリビリじゃないって言ってんでしょーがっ!!!」ビリビリ
勢いよく雷の槍を繰り出す美琴
「うわっ」パキーン
とっさに慣れた手つきで右手をかざす上条

「ふぅ・・・いきなり吹っかけてきて電撃するなんて間違いなく他の人なら死んでますからねッ!!」

「うう・・・うっさいわね!アンタがその・・・無視するからいけないんだからね!!」
あの時はかくかくしかじかで・・・と傍から見たら単なる言い訳をする上条

「へ・・へぇーあんたそんな大役任されちゃってる訳?」

「まぁな・・・で?何の用なんだ?御坂」

「そそ・・・その旅にわた・・私も協力してあげても・・・ゴニョゴニョ」

「え?何?よく聞こえなk「だから!私が協力してあげるって言ってんの!!!」バリバリバリ パキーン

「・・・え?」

「あっ!・・その・・えと・・・その・・・」
と顔を真っ赤にし爆発しそうになる美琴
「そ・・・そうよ!あんたがそんな旅で死んだら決着が付けられないじゃない!!そうよだからこの美琴様が手伝ってやるって言ってんの!!」

「いや、まぁ助けてくれるのはありがたいんだけど・・・」

「何か、不満?」バチバチッ

「・・・・何でもございません」


★御坂美琴が仲間に加わった★

(何かなし崩し的に御坂が加入してしまった・・・不幸だ・・・)


「最後の一人か・・・これは慎重に選ばないとな・・・」


↓+5

「   」プスプス

「・・・・・」

「   」

「この方は何故酒場で黒焦げになっているのでしょう?とミサカはわかりきったことを聞いておきます」ツンツン

「お・・・ね”い”・・・さ”・・・ま”・・・・」プスプス

「ハァ・・・と一瞬ぬか喜びしてしまった自分の行動にミサカは後悔の念を絶やせません・・・」

「   」

「もし安価なら↓ですとミサカは告げます」

かんざきさんじゅうはっさい

ごめんなさい眠さ限界なので寝ます;
中途半端でごめんなさい
後進度遅すぎですはい
また立て直すのでメンツは上の決まったメンツで立て直します

>>80 から >>83

「むぅ・・・どうしましょうね・・・」
神裂火織は悩んでいた
あの少年の助けとなるなら真っ先に挙手でもしてお供をするべきだと
ただ、やはりあくまで選ぶのは彼である
それは五和も同じであった
二人して上条の意見を優先するという形で待機していたのだが

「よぉか『はい!私で(なんか)良ければ!!!!!』ガタン
と勢いよく二人で立ち上がってしまう

一瞬の沈黙

「あ・・あの・・・・」罰の悪そうに頭をかく上条
何故こんなに危険なお願いしてるのに勢いよく立ち上がるのか上条はよくわからなかった

「上条当麻(上条さん)!!」グッ

「は・・・はぃ!」  とすごい剣幕で二人に迫られ思わず後退りしてしまう

「五和か」「女教皇様か」 『どっちを連れて行くんですか!!』

「あの・・・・神裂さんお願いします・・」

ある席では一人ぶつぶつ凹みながら呟く子もいれば
真っ黒に焦げて尚身悶える子もいれば
いきなしヤケ酒モードへと突入し「チラメイドか・・・」と漏らす子もいれば
「こっちはノータッチですかー!」と「あらあらこういうこともあるのでございますよ」と騒がしかったり静かだったりする子もいる

「とりあえず冒険の仲間は決まったかな」
なかなか仲間を揃えるだけで苦労した気がする
この先上手くやっていけるのだろうか・・・ 少し不安に思う上条だったが
一つ気になる点がある

(この酒場・・・何で俺の女の知り合いしかいないんだ?)

それこそ大臣になってしまったステイルや事の元凶のような男土御門元春
こういった奴らが何故こう仲間キャラとしていないのだろう

(まぁこの世界で冒険してれば他の知り合いにも会えるだろう)

そう思っておく上条であった

―上条パーティ確認―

上条当麻 勇者 イマジンブレイカー(幻想殺し)の能力 一応剣も使える
姫神秋沙 魔法使い ステッキは警棒★ ディープブラッド(吸血殺し)の能力 アンデットには無類の強さを誇る
御坂美琴 武闘家 エレクトロマスター(電撃使い)の能力 電気と格闘どちらもいける
神裂火織 戦士 戦士より侍っぽい感じ 七天七刀を使いワイヤーを持った物理攻撃

こんな感じで進めます 尚全員上条にはなんらかの形で原作と同じように助けられてます

「よし!これでパーティ結成だ!これからよろしく頼みますよ?」
上条は自分が集めたパーティに向かってお願いの一言を言う
「ふん・・・わかってるわよ、アンタも一応リーダーなんだからしっかりしなさいよね!」

「上条君。私も精一杯頑張るね。」

「ええ、必ず魔王を打ち破りましょう」

ということで早速旅の始まりである
四人は酒場を後にした

「ふ・・・不幸だ・・・」

あの後装備や道具を揃えるためステイルからもらった(ささやかな)ゴールドを四人で割り
各々冒険の準備をしていただくよう頼んだ上条さんだったが

「早速持ち金0か・・・」

いきなり持っていたゴールドを池に落としてしまい探そうとするも転んで全身ずぶ濡れになってしまっったところだ
とりあえず近くで閉店準備していた青髪ピアスを見つけて何とか薬草を3つ恵んでもらい(正確には奪った)
今に至るのだが

「っつーか幸先不安でしょうがないよなー 一応右手は効くみたいだし”この世界”の上条当麻は少し剣も使えるようだし」
持っているのもどうのつるぎ とあまり剣というよりは叩いて使う棍棒のようなものだ
「はぁ・・」と上条が息を漏らす
上条には魔王討伐の他にもう一つ重要な問題があった
上条家の同居人である例のシスターを探すことであった
あの時一緒にいたインデックスもこっちに来ているはずだ

(アイツ・・・大丈夫なんだろうな)

上条は空を見上げる
今はとりあえず一刻も早くこの冒険に出かけなければいけない

集合の時間となりアリアハンの入り口に集まった四人

「ってちょっとアンタ!何いきなしボロボロになってる訳?!」といきなり御坂に言われてしまう
一々自分の不幸を言ってるときりがないので「ちょっとな」と軽く誤魔化しておく

神裂は
「・・・まさか一人でいる時を狙われて・・・こ・・・今度からは護衛として私も・・・」とブツブツ言っている

「上条君。大丈夫?」と姫神も聞いてくるので「大丈夫ですって!上条さんにとっちゃいつものことなんですから」

とやり取りを得て冒険の始まりである


アリアハンの門をくぐるとそこは大草原だった
広い大地が上条の目を奪う
(学園都市に居るとなかなかこんな風景見れないからな・・・)
風の音 草木のにおい 全て新鮮な物ばかりだった

「さーってこれからみんなで力を合わせてがんば「伏せてくださいっ!」

「へ?」

神裂の咄嗟の発言で思わず言われたまま屈む上条

「え?何?何でせうか?」

呆気にとられる上条の前で神裂はいつ抜いたかわからない日本刀を鞘に納めるところだった

「危なかったです、今あなたはいきなり上空の敵に狙われていました」

神裂はこんなことを言う

「ちょっと!いきなりしゃがめって言ってるけど敵なんてどこにも・・・」
御坂がそう言いかけると同時に何かが空から落ちてくる

ボトボトボトっとそれは既に真っ二つに裂かれた何かであった

「これ。おおがらす・・・・魔物。」

「え、ちょ」と焦る上条だったが神裂は
「もう大丈夫です我々の周り500m圏内に魔物はいないようです」

流石現実の聖人 こっちでもやっぱ頼りになる存在だ
上条は早速神裂を仲間にしてよかったと思うのあった

とりあえず目先の目標としてはアリアハン大陸を出るところからのスタートとなった
このアリアハン大陸は一種の孤島となっていて世界の連なる大陸からかけ離れている
まず何とかこの島から出ることが最優先事項となる

「っつーか・・・・何なんですか?これ」

上条は何故かすごくやるせない気持ちでいっぱいだった
先ほどから一向に魔物と出くわさない
いや多分出くわしているんだろうがそのすべてを上条はまだ見てない
一応最初におおがらすの死体は見たもののそれ以外一切魔物を見てないのだ

「あ・・・あの・・・神裂さん?」

「はい?何でしょう?」

先ほどから何かを察知っしたように急に居なくなりわずか十数秒で戻ってくる神裂さん

「確かに魔物は危険です、ええ危険ですとも!だから上条さんとしては大変うれしいのですが・・・」

「?・・・っ 失礼」 と言ってまた鞘を握り信じられない速度で飛んで行く神裂火織

他の二人はというと
「あの女の人。一体何者なの?」と不思議そうな姫神と
「ちょっとー!これじゃあ私たちに経験値が入んないじゃない!!!」と憤る御坂

だが一つ追記しておくと御坂美琴の能力には常に微弱な電波が生じる
これによって実は常時自分より弱い魔物は500m圏内に近づくことはできなくなってるのだ

上条はそのことを全く知らないがそのせいか先ほどから一回も戦闘の場面にあったことがなかったのだ

ごめんなさいちょっと急用ができたのでしばらく離れます

「気持ちはすごくうれしいんだ 神裂」
と言ってはみるもののやはり先行して神裂が魔物を倒してしまうと
三人が全く育たないという結論になった
何故だか(理由はあるが)基本的な魔物のエンカウント率すら低い状態で
下手すると上条なんかずっと初期状態で魔王戦を迎えることになりかねん

唯でさえ訳の分からない敵がいるっていうのにそれではいけないと
こうして話し合いが行われているのであった

「はい・・・確かにその通りです・・」とやたら落ち込んでしまう神裂
何かすごく罰が悪くなってしまう

「いやいやいや!俺たちを思っての事なのはヒジョーにありがたいんですが」
慌てて言葉を続ける
「神裂にはその強さをもっと強敵などとの戦闘で生かしてほしい訳ですよ」

「っていうか神裂さん・・・めっちゃくちゃ強いじゃないですか」
と先ほどの動きを見て感動している御坂

「いえ//・・・そんな褒められるようなものでは・・・」

「すごい。あんな動き。見たことない。」


「あ・・・あはは」
一つ間違えればもうこの人勇者でいいんじゃない?的な状態に嫌な汗をかく上条であった


今は丁度アリアハンとレーベの中間くらい

今の隊列としてはこうだ
上条が(一応勇者なので)先頭を行き
二番目に御坂 三番目に姫神 最後に神裂だ
隊列を決める時三人が若干揉めたようだが今の形で落ち着いている

「♪~」
何故か少しご機嫌な御坂に
「(この間って何か怖い。)」
と多少ビクついている姫神
「・・・・・」
無言でやはりあたりを警戒しつつもこの順番に少し不満そうな神裂


「ふぅー、大分暗くなってきたな」
あたりは少しうす暗くなってきたところだった

「このへんの魔物もちょろいもんね」バチバチ

「少し。疲れた。」

「もうすぐレーベという村があります、そこまで辛抱しましょう」

「・・・・・」

何かが違う気がする

電気でバリバリッとしてしまう”武闘家”御坂美琴
何故か杖の代わりに警棒の様な物を「杖。」と振り回す姫神
言わずもがなチート級の神裂

(あれ・・・俺戦いで何したっけ?)

思い返す上条

スライムの群れに襲われた時
「危ないッ!神裂ッ!」と飛び出したのはいいけど
「ピキー!!」フニッ  「え?」と見事にスライムを踏んづけてしまい
「上条当麻っ!?」


ボスン


と神裂火織の豊満な胸元にダイブしてしまいその後瀕死の重傷
(もちろんこれは御坂の電撃なども含む)
を負い実は一度アリアハンに戻ってしまっている

アリアハンで気絶状態の上条を教会へと連れて行き
カエル顔の神父にお祈りしてもらい目が覚めた上条

神父曰く「死なない限りは助ける」がモットーらしい

まぁこの人物も上条のよく知る人物なのだが

兎に角そんなこんなで時間がかかってしまったというわけだ


「アンタが馬鹿みたいなことで一々気絶するから・・・」
ハァーと呆れたようにため息をつく御坂

「あのな!俺だって好きで気絶したんじゃないんだぞ! 助けに入ろうと思って近づいたら・・・その・・・かんz

「忘れなさい!上条当麻!!!」

とおしかりを受ける始末

「でもみんな。見て。」
といきなり姫神が指を指す
前方には人工的な明かりが灯っていた

「あれがレーベの村か・・」
上条はもちろんアリアハン以外を見るのは初めてで
むしろ村なんて規模だと見ること自体が初めてだったりする

「そのようです、今日は日も暮れてしまっています あそこで宿を取りましょう」

「あ・・の?ちょっと神裂さん?」
あれ?何か完全に主導権奪われちゃってる気がしなくもないんですが・・・

「あー疲れた!早くお風呂に入りたいわー!!」

「そうね。私も今日は疲れてしまった。」
と二人も先を行く神裂についていく


あれ?

レーベの村~

上条達一向はレーベの宿に来ていた
「すいませーん、一泊お願いしたいんですけど」

奥からおかみさんが出てきた
「あらあらお客さんかね!部屋なら空いてるよ」

との事だったので一泊することとなった
上条も今日はいろいろあって疲れたので直ぐにでもフカフカベッドにダイビングしたかったのだが


「これはどういうことでせう?」

部屋についた上条は唖然とした
確かに部屋はあいている
だがやはり何といっても所詮は村の宿
そうそう大きな部屋も無くこじんまりとした部屋には二つのベッドと敷布団が詰めた状態で二枚ひかれていた

「こっ・・・これは・・・」「ちょ・・・!」「///」
と各々が反応を示した


上条当麻は寒い空の元レーベの村を歩いていた
結論を言うと上条は一人宿屋から出てきたのである
流石にあの状態で寝るとなると上条さんの健全な精神が
何かおかしな間違いを起こしてしまいそうだったからだ
宿を出る際おかみさんに「今晩はお楽しみですね」とやたらニヤニヤしながら
言われてしまったが聞かなかった事にしておこう

おかみさん曰く本来二部屋あるんだが丁度俺たちが泊まる前に一人
旅人が来てその部屋に宿泊してるらしい
何でもこんな二組も続けてお客が入ることは珍しいらしい
(まぁこんな田舎だしな・・・)
辺りを見ると確かにのどかな風景だった

(平和・・・だな・・・)
そんなことを思っていると突然

「もし・・そこの若いの」

「へ?」

話しかけてきたのはおじいさんだった

「あ・・・の・ここんばんわ!」
咄嗟の出来事だったので焦ってしまう
「ふむ、君の事は聞き及んでおるよ 上条当麻くん」

「へ?、じいさん俺の事知ってるの?」

当然、と言うように答えるおじいさん
「君はあれじゃろ?アリアハンから来た勇者じゃないかの?」

「そうだけど何でわかるんだ?」
不思議に思う上条 このおじいさんは現実の世界でも見たことのない
全く上条の知らないおじいさんだったのだ

「ほっほ!今夜は寒いのぉ、見た所宿に戻れなくてどうしようか悩んでおるように見えるのじゃが?」

「うっ・・・何だよじいさん、あんた精神系能力者か?」
確かに何か怪しいが今の上条にとって屋根のある部屋で眠れるだけまだましというものだ
素直にお爺さんの後に付いていくことにする

爺さんの家~

お爺さんの家は村の外れにあった

「本当にいいのかよ爺さん、今晩泊めてもらって」

「いいんじゃよ、どうせ独り者じゃて」

聞いた上条が少し罰の悪い顔になってしまう
爺さんは料理をお茶を入れてくれるらしく奥の部屋へ入っていってしまう

(っはー!ラッキー!上条さんこの世界に来て初の幸運ですよ!)
と少し舞い上がってしまう
(でも・・・本当は良くないよな・・・こんなの、 やっぱ爺さんに悪いよな)
そう思い部屋を出ようとしたときにふと部屋のある物に気が付く

「これ・・・」
それは地球儀だった
その横には多分この世界の地図が飾られておりいくつかのしるしがついているようだ
上条が気になったのはこの地球儀に関してだ
本来こんな世界に地球儀なんてものがあるはずもなく
あるとすればそう横にある大きな地図だ

それにもう一点気になる点が・・

「おやおや、もう帰るのかね?上条当麻くん?」

奥からティーカップを手におじいさんが戻って来る

「爺さん、これ」
上条は地球儀に目を向ける

「ほっほ、それは地球儀と言ってな、この横の地図を球状に・・」

「違うよ、爺さん 俺が聞きたいのは」
お爺さんの言葉を遮り上条は話を続ける


                    ・・・・・・・
「俺が聞きたいのはどうしてこの地球儀が、俺の世界の地図になってんのかってことだよ」

「・・・・」

「これはここにあったらいけないものなんじゃねぇのか?」
上条の問いかけにお爺さんはだんまりを決め込む

「この家自体もそうなんだけど何か他の家とは違う気がするんだよ」
詳しくはわからないけど
と続ける

「なぁ爺さん」


「あんたは何者なんだ?」

「・・・ふむ、まぁどのみち隠すつもりも無かったしのう」
重く口を開きお爺さんは話し始めた

「おぬし、わしがこの世の神だと言ったら何という?」

・・・・・・

「え?神様? えっ?」
何かすんごい単語が聞こえたと思ったんだが気のせいだったのだろうか

「言葉のままじゃよ、わしはいわいるこの世界の神様なのじゃよ」

「・・・・・」
にわかに信じられない話だった
っつーかこんな話すぐ信じれるかよ!
と一人で問答していると

「勿論君の事は知っておるつもりじゃよ、学園都市のイマジンブレイカー(幻想殺し) 上条当麻くん」

「っ!」
お爺さんがそういった途端 上条は構えを取る

「待て待て、言ったろ?わしは神じゃと それを信じさせるための発言なんじゃ そう身構えるでない」

(この爺さんは俺が違う世界の住人だと知ってる・・のか?)
上条は少し肩の力を抜く

「ふぅ・・・聞き及んでおる通り少し喧嘩っぱやいようじゃのう」
とお爺さんは笑う

「何でこんなところで? っつか神様って普通の爺さんじゃねーか!?」
いきなり緊張の糸が切れたように口走ってしまう
あ、この人神様なのかと早速発言の後悔をする

「ほっほっほ!あくまで君との接触が目的だったのでな、この姿はカモフラージュじゃよ」

この爺さん、基神様はどうやら俺に要件があったらしい
「で?そんな神様が姿カモフラージュしてまで俺に会いに来た理由は何なんだ?」

そこで爺さんの顔つきががらりと変わる

「Index-Librorum-Prohibitorum・・・おぬしにはインデックスや十万三千冊の魔道書、と言った方が早いかな?」

「っ_」
あまりに予想外な答えだった
こんなところでインデックスの名前が出てくるとは全く予想していなかった

「インデックスの事を知ってるのか!!あいつは今どこに!!」
いきなり大声を上げる上条を抑えるようにお爺さんは続ける

「彼女の基本的な情報ならわしも知っておる、だが彼女の居場所については・・・」


その時だった

ガシャンと大きな音がして上条のすぐ横の窓ガラスが叩き割れる
そして黒い何かが部屋の中に入ってくる

「っっ!・・なんだ!?」

上条は低く体制を崩しその何かをかわす
「おおおおおおおおおおおおお!!」
転がるようにしてガラスの破片などから身を遠ざける

「一体・・・何なんだよ!!」

壁を見ると一本の剣が突き刺さっているのがわかる

だけどおかしい点がある

それは


その剣は先ほどの自称神様を貫いて壁に刺さっていた

「カカカカカ!!神様ともあろうものが無様だな!!」

窓を破って入ってきたのはよくゲーム何かでも目にする悪魔
そのものだった
大きな翼を広げ禍々しい牙を光らせている

ガーゴイル
石造に悪意ある魂が宿って生まれる怪物

ガーゴイルは一直線に神様の元へ向かい先ほど投擲した剣に手をかける

「お忍びで来てみれば何とまぁ神様だけじゃなくて噂の勇者様までいるじゃねーかよぉ!」

ズボッっと神様の胸から剣を引き抜く

「ぐぅ・・・」とくぐもった声を上げる

上条は次の行動に迷いはなかった
「っっ! おおおおおおおおおおおおおおお!!!」
自らのちっぽけな銅の剣を出してガーゴイル目がけて走り出していた

だがガーゴイルの剣によっていとも簡単にはじかれてしまう

「カカカ!ダメダメだなぁ勇者様よお!!」
今度はガーゴイルが上条に向かって一直線に突っ込んでくる
その突撃を何とか紙一重でよける

「いい身のこなしじゃねぇか!だが、これならどうだぁ!!」
と大きく息を吸い込み口から炎を吐き出した

「っっ!!!!」
咄嗟に右手を突き出す上条

異能を消し去る
魔法を消し去る右手

その上条の右手が相手の炎に触れる寸前
パキンと音を立て割れていくガラスのように炎は消え去った

「な・・・何っ?!」
一瞬何が起こったのか全く理解できなかった
吐いていたはずの炎が何故か急に消えてなくなったのだ

「___っ馬鹿「テメェがっ!!」

そこにはテーブルを蹴って肉迫する上条の姿があった

「こんなくだらねぇ事するってんなら!!!」

大きく振りかぶる右手

「まずはそのふざけた幻想をぶち殺すっ!!!」

そのまま勢いよく右手はガーゴイルの頭部に炸裂した

ゴッという音の後に

「痛っっあああああああああああああ!!!!」

重力に従って上条は落ちて行った

右手はおびただしい血が流れておりとても使い物になるような状態ではなかった

(なん・・・で)
異能を消し去る右手
神の奇跡でさえ打ち消してしまう右手

上条は今まで様々な戦いをこの右手一本で戦ってきた

(右手・・・が・・・通用していない?!)

ドンっと地面に叩きつけられる上条
「ガハッ!!」

「ハァハァ・・・何だよ・・・何なんだよオマエはぁ!!」

「何をするのかと思えば唯の猪突猛進の馬鹿野郎じゃねぇか!」

「確かに一瞬ガツンときたがあんなもんでくたばるような俺様じゃねえんだよおおお!!」



「くっ・・・ハァハァ・・・」

何とか立ち上がる上条
先ほどの落下の衝撃で体中に痛みが走る

「カカカカカーッ!!!妙な力を使いやがるから何かと思えば・・・」
とガーゴイルは剣を持ちなおす
「どうやら貴様炎は防げてこの剣の攻撃は防げないんじゃないのか? カカッ!」

その通りだ
上条の右手は異能の力ならなんでも打ち消す
だが実際に剣で切ったりする物理攻撃や能力によって飛ばされた瓦礫等は
打ち消すことはできない

「くっ・・・」
苦痛に顔が歪む

「ネタがわかればそんなもんだ、コイツでとっとと殺してやる!」



「まぁまぁ、そう焦るんじゃない」

その言葉と共にすごい衝撃がガーゴイルを襲い家の外へと吹き飛ばす
後ろを振り返ると神様がフラフラと立ち上がっていた

「ふむ、どうやらこの体で無理をしすぎたようだな」

上条のすぐ傍までやってくる

「すまんの上条君、君にはいい時間稼ぎとなってもらったわい」

「えっ・・・?」

咄嗟の一言に声が出なった

「コイツの仕上げに時間がかかってしまっての」

そう言って懐から一振りの剣を取り出した

「やはり実際のオリジナルを見てからでないといくら神といえどこいつの完成は不可能じゃったよ」
とはいえ試作品じゃがと続けた

「これは?・・・」

「ふむ、これは幻想をた・・・っと・・・本当にタイムリミットの様じゃの」

その途端神様の体が凄い速さで消えていっている

「ちょ・・・何でだよ!あんたは何がしたかったんだよ!!」

「わしは主にこの剣を渡すために来たのじゃよ、ただそれだけだ」

「そんな悔しそうな顔をするな、死ぬわけではない、まあた直に会えるさ」

そう言って剣を渡すと神様は消えていった

上条の手に一本の剣を残して



「っく・・・神の野郎・・・余計な事を・・・」

外に吹き飛ばされたガーゴイルは消えていく家を目にした
(どうやら神の野郎は逃げたか)
だが今はそちらはどうでもいい
今この場所には魔王の脅威とならんとする勇者がいるのだ

(あの野郎のあの目・・・絶対に生かしてはおけねぇ)

ガーゴイルは恐れていた
彼の空中で一撃を放つ瞬間
彼の目に

(アイツはここで始末しておかないと)
握る手に力が籠る
そこへ

「おい」

消えた家の方から一人の少年が現れた
その右手には先ほどはじいた物とは別の剣が握られて
否、千切った布を巻きつけるようにして固定されていた
先ほどの傷のせいか血が赤く滲みだしている

さきほどまでとは少し雰囲気が変わっている


「てめぇが何者かは知らねぇよ・・・」

一歩

「てめぇが俺を狙ってこんなことしたっていうんなら俺が完全に爺さんを巻き込んじまった」

一歩

「だけどっ」

走り出す

「ケヒッ・・・」

ガーゴイルも剣を取り、上条に向かって突撃する

「てめぇがまたこんなことを繰り返すってんならっ!!」


ザッっと二つの影が交差する



「まずはそのふざけた幻想をぶったぎるっ!!!!」




一閃 勝負は一瞬であった

数日後

私上条当麻はまたもや見覚えのある教会の天井で何故か棺桶のような物から顔を出した
カエル顔の神父は「こんな短期間でよくもまぁこれだけ教会を利用するようになるとはね」
と呆れたように言いながらも「まぁ勇者だし仕方がないかな」と言っていた

でまぁ実は起きてすぐに心配した仲間三人にフルボッコにされまたしばらく気を失ったんだが・・


「はぁ・・・不幸だ・・・」
確かにあの時レーベの宿屋で
『誰がどこで寝るのか』で三人がやたら喧嘩しだして巻き添えを食らわないように
外に出ていたのであった

どうやら襲ってきた魔物はあいつ一匹じゃなかったようで
他にも魔物が村を襲ったらしい

神裂や御坂、姫神達が何とか村を防衛してくれたらしい
後で村の離れで倒れていた俺を回収して今に至るんだが

俺はあの時に爺さんから託された剣をまだ持っている
この剣の特徴は特に何も切れない事だ

剣で何も切れないってのもおかしな話だけど切れないものは仕方ない
試しに葉っぱや布で試したけど駄目だった

でも俺はあの日 この剣であの魔物を斬った
何か特別な条件でもあるのかもしれない

とりあえずしばらくこの剣で
何も斬れないが上条が斬らなければいけないものだけ斬れる剣

上条自身はそう感じている

この剣で何とか戦って見せる

(待ってろよ・・インデックス!)

初のSSだったんですが
厨二病全開でごめんなさい;
何回も空けてしまって更にごめんなさい;
かなりの進度の遅さですが全くの序章ですねはい

二日くらい用事で書けなくなるのでもう落として下さい
多分続きはもうないですw

>>1ですが
携帯から失礼します
結構飛び飛びになっちゃったのと
初期段階でパーティーキャラ決まってなかったので
書き溜め出来なかったんですよね

なんで次始める時は書き溜めして投下したいです
次は別の場所のがいいのかな?
できれば誘導お願いします

んじゃここかね、基本的みんな一週間に一回くらい更新してるから楽に書いてけるよ
SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/

>>159
どもども
もし次回立てる時はこっちにします

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