ラプソーン「我が名はラプソーン…この世界を支配する予定の暗黒神…」
ラプソーン「訳あって今は杖の中にいるので杖ソーンと呼ぶがいい」
杖ソーン「世界を我が手に納めるまではもはや時間の問題…」
杖ソーン「人間どもの泣き叫ぶ瞬間が待ち遠しいわい…ふっふっふっふ…」
マルチェロ「やかましい!!!!!人の枕元でボソボソと呟くな!!!!!」
杖ソーン「ご、ごめんなさい…」
マルチェロ「全くこちらは上の奴らに媚び諂ってクタクタだと言うのに…」
マルチェロ「眠るときくらいは静かに休ませろ……ブツブツ……すう…すう」
杖ソーン「……寝たか?眠ったかな?こいつ今までの誰よりも眠りが浅くて油断がならん」
杖ソーン「若ハゲと影で噂されるのも無理が無いな……顔は良いのに残念な奴…」
杖ソーン「まあ儂の完全体(デヴ)と比べたら見劣りするがな…むっふっふっふ」
杖ソーン「……はぁ~~」
マルチェロ「すう…すう……」
杖ソーン「儂は一体何時までこのままなのだ…こいつ寝てる時も微塵も隙が無くて一向に精神を支配できん」
マルチェロ「すう…すう……」
杖ソーン「寝ながら眉間に皺寄せてる……どんな夢を見ているのだこやつは…ちょっと覗いてみるか」
ホワンホワ~~ン
今更ですがドラクエⅧssです
マルチェロ『母さま~~~』
マルチェロ母『おやマルチェロ、そんなに走っては転んでしまいますよ』
マルチェロ『こんな事で僕は転びません!この屋敷の後継ぎになるんですから!』
マルチェロ母『あらあら…こんなに小さいのにご立派ですこと…』
ーーーーー
**『な~にニヤニヤしてんだか…使用人の分際でさぁ…(ヒソヒソ)』
**『運良かっただけだっての…すぐ飽きられるに決まってるわよ…(ヒソヒソ)』
ーーーーー
マルチェロ母『………』
マルチェロ『母さま?』
マルチェロ母『マルチェロ!一体どうしました!その傷は…!』
マルチェロ『えへへ…階段で転んだだけです。すぐ治ります!』
マルチェロ母『……本当に?本当に本当なのですか?』
マルチェロ『はい!』
マルチェロ母(強がっているけど…嫌がらせが確実に増えてきている…ああ…私が使用人だったばっかりに…)
マルチェロ(こんなことで母さまを困らせてはいけない…強くならなくちゃ…)
マルチェロ父(ククール父)『お前たちはもう用済みね』
マルチェロ『え……』
マルチェロ母『え……』
マルチェロ父(ククール父)『正式な長男生まれたから、今すぐ出てってね』
ククール『バーブー』
マルチェロ『え……』
マルチェロ母『え……』
マルチェロ母『ごほごほ…』
マルチェロ『母さま……うう…薬を買うお金がもう無い…』
マルチェロ母『良いのですよ…もう母は長くありません…』
マルチェロ『そんな!僕を一人にしないで下さい…!』
マルチェロ母『修道院に…マイエラ修道院に身を預けなさい…あそこのオディロ院長はとても…良い人……』
マルチェロ『母さまあああーー!うわぁぁーん!』
ホワンホワ~~ン
杖ソーン「………」
杖ソーン「………ぐすん」
チュンチュン
マルチェロ「ふあぁ~…最悪な夢見た…モチベーションがダダ上がりだな…」
杖ソーン「………」
マルチェロ「……何だ?やけに大人しいな…気味が悪い」
杖ソーン「……別に…」
マルチェロ「それでは今日も張り切って働くか」
杖ソーン「……ガンバ」
マルチェロ「は?」
杖ソーン(…なんて不幸な生まれなのだこいつは…これほど祝福されない子供も珍しい…)
杖ソーン(儂が生まれた時は全魔族あげての祭りにパレードが何日も渡って続いたというのに…)
杖ソーン(…人間は時々魔族もびっくりするほど残酷になるな…こんな奴ら滅びた方が良いじゃん…)
杖ソーン(そしたらこいつも、向こうで母と会えるのでは)
杖ソーン(………って!!何を同情しておるかこんな奴に!)
杖ソーン(いかんぞいかん!調子を戻さねば!)
杖ソーン(儂はいずれ世界を支配するのだ!あんな性悪一人!)
杖ソーン(そうだ!夢であいつは母を愛しておったから、母の姿に化ければイチコロでは!)
杖ソーン(…………)
杖ソーン(…そんな悲しいこと出来ん……)←暗黒神
杖ソーン(夢であれなのだから、儂が実体化で化けようものならどんなに泣くやら…最悪儂まで貰い泣きしてしまうかもしれん…最近涙腺脆いからな…)
杖ソーン(ならば父親に…?…いやあんな最悪な奴に化けるのもな……自分の子供を捨てる時の軽さときたら…どうしようもないクズっぷりだった)
杖ソーン(……正式な長男…もしかして弟か?弟……これだ!)
杖ソーン「ふっふっふっふ」
マルチェロ「会議前だから笑うな」
杖ソーン「了解でーす」
マルチェロ「あー今日も働いた…寝るか」
杖ソーン「オヤスミ」
マルチェロ(今日のこいつずっと大人しかったな…何か企んでいるのか?)
マルチェロ「ま、こんな姿で何が出来よう…リンリンが一匹…デンデン竜が一匹…リンリンが二匹…すうすう」
杖ソーン「素直に羊数えろ……寝たかな?…それでは早速夢の中へ」
ホワンホワ~~ン
マルチェロ『……何だかモヤのかかった場所に居るな…嫌な予感を感じる』
***『………』
マルチェロ『む!?何者!?』
ショタククール(杖)『おにいちゃ~~~~ん!!』
マルチェロ『』
ショタククール(杖)『おにいちゃんおにいちゃん!僕だよ!』
マルチェロ『』
ショタククール(杖)『どうしたのおにいちゃん!僕が分からないの?』
マルチェロ『』
ショタククール(杖)『おにいちゃん!僕と遊ぼ』
マルチェロ『メラゾーマ』
ショタククール(杖)『ぎょえーーーーーーーーーっ!??』
マルチェロ『待ってろ今起きる』
杖ソーン『え』
ーーブツン!
杖ソーン(ダラダラ)
マルチェロ「………」
杖ソーン(ダラダラ)
マルチェロ「貴様の仕業だな?」
杖ソーン(ダラダラ)
ガッ!!
杖ソーン「ぎゃあ!ま、待て!そのように乱暴に掴むな!!」
マルチェロ「やかましい!!杖の分際で!!!私が!」
ぎゅう!
マルチェロ「大の!!」
ぎゅう!
マルチェロ「弟嫌いと!!!」
ぎゅう!
マルチェロ「知っての狼藉かあああ!!!!」
ぎゅうううううう!
杖ソーン(え、ええーー!?あいつ可哀想ーー!)
ガッ…ブンブンブンブンブン
杖ソーン「ちょっお、おぅえぇぇぇええええ!振るな!醉う!!」
マルチェロ「ほう…物の貴様にも弱点があったとは…これから毎晩素振り500回を日課にしてやろうではないか!」
杖ソーン「や、やめ…おうぅぅぅええええええええ……」
杖ソーン(く、くそ!!支配してやる!この世界も!こいつも!!支配してやうおぇぇぇぇぇ)
ブンブンブンブンブンブンブン…
一方その頃の煉獄島
ククール「うぅ~ん…兄貴…兄貴…」
ゼシカ「ねー赤い僧侶がさっきから兄貴兄貴うっさいんだけど」
8主「やれやれまたブラコンこじらせたか…ここに来てから頻度が上がったなメンドくさい」
ヤンガス「ゼシカのハッスルダンスで何とかなりやせんかね」
ゼシカ「スキル足んないわよ」
ニノ「早く出たいなー」
おしまい
こいつが泣く訳ねーよっていう正論は無しな
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