士郎「セイバー、働いてくれ」(625)
セイバー「……はい?」もぐもぐ
士郎「出来ればこんな事は言い出したく無かったが……うちもいい加減限界なんだ」
士郎「ライダーも月に五万以上入れてくれてるし、バゼットもようやく職を見付けた」
士郎「古株のセイバーだけが、何もせず毎日ただバクバクと」
士郎「何か思う事はないのか?」
セイバー「え……あの、ですね。シr」もぐもぐ
士郎「人の話を聞く時は箸を置くッ!!」ばんっ!
セイバー「は、はいっ!」
凛(ちょ、ちょっと……どうしたの、士郎ったら)
桜(何でも、何も言わないのに生活費を入れてくれるライダーに感動したらしくて……)
桜(それをランサーさんやキャスターさん、他のサーヴァントに相談したところ、
一言ガツンと言うべきだと言われたらしく)
凛(……それはまた。飛び火しないうちに退散するわ)
士郎「なぁ、セイバー。働かざる者食うべからず、という言葉がこの国にはある」
セイバー「な、何と恐ろしい言葉でしょう……」
士郎「俺も今回ばかりは心を鬼にする。……セイバー」
セイバー「……何でしょう、シロウ」びくびく
士郎「働き口を見付けるまで、お前の晩飯を抜かせてもらう」
一同「――――!?」
セイバー「……今……何、と……?」
士郎「言った通りだ、セイバー。バイト・社員はこの際問わない」
士郎「きちんとした働き口を見付けるまで、お前は晩飯抜きだ!」
セイバー「……正気ですか、シロウ。私に死ねと言うのですか、貴方は」
ライダー「突っ込み所が多々ありますね」
凛「死なないしね、サーヴァント」
―食後―
セイバー「……」ずーん
大河「あ、あんなに凹んだセイバーちゃん初めて見たわ……」
ライダー「自業自得でしょう。いずれこうなる事は分かっていたはずですし」
凛「……で、本気なの衛宮君?あのセイバーが定職に就くって、想像付かないんだけど」
士郎「本気も本気。このままずっとタダ飯食らいを許してたら、他に示しが付かない」
大河「でもさぁ、士郎。いきなり過ぎるんじゃない?」
桜「ええ……せめて、少しくらいリミットを設けてあげてもいいと思います」
士郎「……甘い。甘いぞ二人とも」
士郎「俺も今回ばかりは心を鬼にするって言っただろ?」
士郎「下手に猶予なんか与えず、最初から強烈な危機感を抱かせて職を探させるんだよ」
ライダー「逆に言えば、そこまでしないと就職意欲を刺激できない、と」
大河「んー……まぁ、セイバーちゃんが定職に就く事自体には反対しないけどねぇ」
凛「ま、様子見ね。何にしても面白くなりそうだわ」くすくす
桜「姉さん、趣味が悪いですよ……?」
――こうして、セイバーの職探しが幕を開けた。
【一日目】
士郎「おはよう、セイバー」
セイバー「は、はい……おはようございます、シロウ」びくっ
士郎「朝飯、用意してあるぞ。今日は少し多めだ」
セイバー「え……?」
士郎「何てったって、今日から就活だからな。精を付けて頑張ってくれ」にこっ
セイバー「――っ!」びくうっ
凛「……怖っ。あんな笑顔出来るのね、士郎って」
ライダー「笑うという行為は、元来攻撃的な意味合いを含みますしね」
セイバー「行って……来ます……」
桜「あ、セイバーさんっ」
セイバー「サクラ……?どうしたのですか?」
桜「あの、余計なお世話なのかもしれませんけど、これ」
桜「近くでバイトを募集している店をリストアップしておいたんですけど……良かったら」
セイバー「サクラ……貴女という人は……」じーん
セイバー「ありがとうございます!その心遣い、決して無駄にはしません!」
桜「あ、はい……頑張ってくださいね?」
桜「行っちゃった……大丈夫かな」
セイバー「さて……」
セイバー「まずは、サクラが見繕ってくれた場所を回ってみましょう」
セイバー「一番近いのは……喫茶店、ですか」
セイバー「ふ……喫茶店のバイトなど、言ってしまえば給仕でしょう」
セイバー「これは一つ目にして、採用確実と言えますね」
面接官「エクスカリバー……ですか?」
セイバー「はい、『約束された勝利の剣』です」
セイバー「ここか……中々良い雰囲気の店ですね」
セイバー「失礼する。バイト募集中の情報を聞いて来たのですが……」ガチャ
ランサー「あー、今店長を……ってお前かよ、セイバー」
セイバー「ランサー!?あ、あなたこそこの様な場所で何を……」
ランサー「見りゃ判んだろうが、バイトだバイト。食い扶持稼がにゃいかんからな」
ランサー「しかし、そうかい。ようやく坊主に説教でも食らったか?」にやにや
セイバー「ぐ……遺憾だが、その通りです」
ランサー「ま、少し待ってな。今店長呼んで来てやるからよ」
―夜―
士郎「ほらセイバー、お前の好きな物オンパレードだぞ」
セイバー「――――」←感動して声にならない
凛「つまんないわねー。一日目で面接受かっちゃうなんて」
桜「良かったですね、セイバーさん」
セイバー「いえ……この様に円滑に進んだのもサクラのお陰です。感謝します」もぐもぐ
ライダー「それで、いつからバイトなのです?」
セイバー「早速明日から来てほしいと言われました。しばらくは研修らしいですが」もぐもぐ
士郎「セイバーならやれば出来ると信じてたぞ」
セイバー「任せて下さい。最優の英霊の名に誓って、その期待に応えてみせます、シロウ」
【二日目】
セイバー「それでは、行って来ます」
士郎「ん、頑張って来いよー」
士郎「……んー」
ライダー「どうしました、シロウ?」
士郎「ああ、ライダーか。いやな、セイバーがバイトするのは素直に嬉しいんだが……」
ライダー「心配そうですね」
士郎「心配というか不安というか……何か父親の気分だ」
ライダー「大丈夫でしょう。彼女とて子供ではありませんし」
セイバー「おはようございます」ガチャ
店長「ああ、来たねセイバーちゃん。それじゃあ、この制服に着替えてくれる?」
セイバー「了解しました。それで、私は何をすればいいんでしょう」
店長「うん、その事だけど。しばらくは研修って話したよね」
店長「知り合いらしいし、君の担当はランサー君に頼む事にしたから」
ランサー「ま、そう言うこった。そう難しい仕事でも無えが、早く覚えてくれよ」
セイバー「望む所です。改めてよろしく、ランサー」
書き溜め尽きた
どうするか
細かいけどライダーはちゃんと『士朗』って言うぞ
>>39
そうだったっけか、㌧
ランサー「んじゃまあ、とりあえず茶の淹れ方かね」
ランサー「基本はそこの張り紙で大体は解るが、注意点は2つ」
ランサー「温度と分量だけは間違えないでくれや。んじゃ、手本な」トポトポ
セイバー「おお……シロウの様です」
ランサー「アホか、この程度ガキでも出来るっつの。ほれ、やってみろ」
セイバー「は、はい……こ、こうでしょうか」はらはら
ランサー「頼むから茶器は割るなよ。予備が無えんだ」
セイバー「あれ?葉が上手く出な……そぉい!」がしゃーん
ランサー「――」
ランサー「……話聞いてたか、オイ」
セイバー「申し訳無い……極力、力は抑えたつもりだったのですが……」
ランサー「ったく……マジで頼むぞ。次は食い物の調理だ」
ランサー「こっちもレシピは張り紙で確認出来るが、慣れない内は上手く作れねえだろう」
ランサー「店長にも、練習用に多少の材料は使っていいって言われてるから練習してみな」
セイバー「……」ごくっ
ランサー「オイコラ、聞いてんのか?」
セイバー「っ!は、はい!」
ランサー「とりあえず、簡単な揚げ物からやってみろ。ポテトなんか良いんじゃねえか?」
店長「ランサー君ー。お客さん四名、お願いねー」
ランサー「あいよー……んじゃ俺は少し離れるから、作っててみな」
セイバー「はい、解りました」
セイバー「……」
セイバー「これは……美味しそうですね……」ごくっ
ジュウゥゥゥゥゥ
セイバー「ああ……香ばしい香りが……」
セイバー「……少しなら、練習用に消費しても構わないのですよね」
ランサー「……で、だ」
セイバー「は、はい……」
ランサー「積んであった段ボール一箱丸々無くなってるってのはどういう事だ!?」バンッ
セイバー「で、ですが……少しなら練習に使っても構わないと」
ランサー「ほう、お前には段ボール一つ分のポテトが『少し』だってのか」
セイバー「……申し訳ありません。つい魔が差しました」ふかぶか
ランサー「ったく……食い意地張ってるとは聞いてたが、こんなにか」
ランサー「お前にキッチンは危ねぇ。ホールに移して貰う用話してくるから、ちっと待ってろ」
セイバー「返す言葉もありません……」
駄目だ、誤字出てきた
寝ます
残ってたら書き溜めして投下する
セイバー「ふう、喫茶店はクビになってしまいましたか…」
セイバー「ホールで他人が食べているものを自分も食べたそうに見てたとは…」
セイバー「クビ…、これでは今日の晩ご飯は抜きになってしまう…」
セイバー「志郎の作るおかず、そして炊きたての白ご飯っ…」
セイバー「おお、それを口に出来なくなってしまう!!」
セイバー「目先のポテトより志郎のご飯を取るべきだった!!」
セイバー「何とか聖杯で…って、ん?」
セイバー「おお、ここでも店員を募集してるようですね」
セイバー「頼もうっ!!」
店員「うおう、ビックリした!!」
セイバー「表の張り紙を見てきたのだが、店員を募集しているとか」
店員「ああ、店員さん募集のお知らせをみたのね」
セイバー「…ところで、ここは何をする店なのですか?」
セイバー「店の中には何もないようですが?」
店員「何をする店かも知らずに来たの?」
セイバー「はい、ついカッとなってしまって」
店員「あなた、日本語はうまいけど外人さんだもんね、そういう人、募集を見てよく来るのよ」
セイバー「そういう人がよく来る? ここはいったい?」
店員「新聞販売所よ」
セイバー「シンブンハンバイショ?」
店員「新聞を配達するところよ」
店員「あなたのウチ、新聞取ってないの?」
セイバー「(新聞とはあの大きな紙の束のことか)いや、ウチは取ってると思いますが」
店員「取ってなかったら拡張のチャンスだったのに。」
店員「配達員募集への応募ね。ちょうど店長がいるから会ってみる?」
セイバー「お願いします。かたじけない」
店員「店長、配達員募集の応募の人が来ましたよ~」
おはよう
乗っ取られて嬉しい俺は傍観しますね
店長「はいはい、…ああ、また日本人じゃないのか」
セイバー「この仕事は日本人じゃなければダメなのですか?」
店長「そんなことはないですよ、日本人じゃなくたって、中国人でも韓国人でもベトナム人でも大丈夫ですよ」
セイバー「それなら私も大丈夫ですね」
店長「で、あなたはどこの国の人? 日本語がうまいけど?」
セイバー「イングランドです(えっへん)」
店長「イングランドって? 店員さん、知ってる?」
店員「いえ、私は知らないですね」
セイバー「現代でいうところのイギリス、ですね」
店長「それなら最初からイギリスって言ってくれればいいのに。でも日本語がうまいから大丈夫そうだね」
セイバー「おお、そうですか」
店長「それじゃあ履歴書見せてくれる?」
セイバー「リレキショ?」
店長「どこの学校を出たとか、どういう職に就いてたのかを書く書類なんだけど」
セイバー「(先ほどの喫茶店ではリレキショのことは言われなかったのに)…、いえ、わかりません」
店長「ということは履歴書持ってないのかぁ……、うーん困ったなぁ…」
店長「それじゃあもちろん就労ビザも持ってないよね?」
セイバー「シュウロウピザ?」
セイバー「ピザなら軽く十人前はいけますが」
店長「ピザじゃなくビザね、イギリス人だから身元はしっかりしてると思ったんだけどなぁ」
セイバー「リレキショとピザがないと働けないのですか?」
店長「身元保証人もいてくれるといいんだけど…、誰か日本人の成人の保証人いる?」
セイバー「成人、ですか? これは難しい…」
店長「うーん、困ったなぁ」
セイバー「うーん、困りましたねぇ」
店長「ビザ無し、身元保証人無し、履歴書も無し、かぁ…」
セイバー「そういうものがいるのなら、私は元々働けないじゃないですか」
店長「…ところで君、パスポート、持ってる?」
セイバー「持ってませんっ(キリッ)」
店長「うーん、また同じ手を使うか」
店員「そうですね、貴重な人手ですもんね」
セイバー「同じ手、とは?」
店長「中国人留学生や韓国人留学生、他にも前科者の人に使う手なんだけどね」
セイバー「? ? ?」
店長「新聞屋は別に履歴書もビザも気にしないから。あったらいいなぁと聞いてみただけだから」
セイバー「リレキショもピザもいらないのですか?」
店長「うん、別にいらない。いるのはやる気だけだから。ハッハッハ!」
セイバー「…いらないのなら聞かなければいいのに」
店長「ないならないで働いてもらう方法が新聞屋にはあるからね」
セイバー「それで、その方法とは?」
店長「O山(仮名)さんに保証人になってもらうから」
セイバー「O山(仮名)さん?」
店長「この説明を聞いたら新聞配達を辞めることが出来なくなるけど? どうする?」
セイバー「! ! ! 辞められなくなるのですか!?」
セイバー「(しかし、この仕事以外に就くにはリレキショもピザもホショーニンもパスポートも必要だ…)」
セイバー「(ここはどうすれば…? ? ?)」
セイバー「…聞くのはやめておきます。シンブン配達もあきらめます」
店長「でも君みたいに身元があやふやだとどこも雇ってくれないと思うよ?」
セイバー「その話をここに書くと…、いや、聞いてしまうと非常に怖いことになるので」
店長「うーん、貴重な人手なんだけどなぁ。ウチなら誰だって、外国人でも前科者でも指名手配されてても働けるのになぁ」
セイバー「すみません」
ガラリ(戸を開ける)
セイバー「…怖いことになるところだった。興味本位で他人のスレに書き込む、いや、知らない店に飛び込むのはよくありませんね」
セイバー「また職を探すことにしましょうか……」
あれ、後続さんやめちゃったのか
んじゃ今書き溜めた分だけでも投下した方がいい?
了解した
セイバー「いらっしゃいませ、何名様でしょうか」にこっ
セイバー「三名様ですね。お煙草はお吸いになられますか?」
セイバー「はい、ではあちらのお席へどうぞ」
ランサー「おう、こっちなら文句無しじゃねえか」
セイバー「ええ……ですが、常に笑顔というのは存外疲れるものですね」
ランサー「接客でしかめっ面してちゃ話にならねえだろうが。ま、あんま気ぃ詰めんなよ」
ランサー「何か楽しい事でも考えながらやってりゃ、自然と笑顔になってるもんだからな」
セイバー「ふむ……楽しい事、ですか」
セイバー「……今日の晩御飯は何でしょうか」ぺかー
ランサー「お前にゃそれしかねえのか」
店長「ランサー君、そろそろ休憩入っていいよー」
ランサー「ちーっす。んじゃ、俺は休憩入るがしっかり頼むぜ」
セイバー「任せて下さい。もう先程の様な失態はしない」
セイバー「ああ、労働とはこんなにも尊い物だったのですか」
セイバー「自ら汗を流して働き、稼いだ賃金でお腹を満たす!」
セイバー「今なら、シロウの言っていた意味も分かる気がします」ぐー
セイバー「……」きゅるるる
セイバー「お腹が空きました」
セイバー「が、我慢です我慢……!」きゅるるるる
セイバー「確か、あと一時間もすれば私も休憩が貰えるはず」
セイバー「今は何も考えず、ただ労働に勤しんで……」
女客「や、やめてくださいっ」
DQN1「おねーさん、どこの人?」
DQN2「可愛いよねぇ、この後時間空いてないかな?」
セイバー「……いつの時代にも、ああいった手合いはいる物ですね」
セイバー「ですが、この私の働き口での狼藉は許しません!」ぐー
ランサー「……店長」
店長「ああ……お帰り、ランサー君」
ランサー「こいつは一体、何が起こったんだ」
店長「彼女がね……女の子に絡んでたチンピラに注意して……」
店長「逆ギレしたチンピラ相手に、店内を所狭しと暴れ回って……」
セイバー「も、申し訳ないっ!お腹が空いて、ついイライラしてしまい……!」
ランサー「イライラしたからって、店内無茶苦茶にするんじゃねぇこの食いしん王!」
―衛宮邸―
士郎「で、1日でクビと」
セイバー「……はい」
士郎「何か言う事は?」
セイバー「お腹が空きました」ぐーきゅるるる
士郎「……」すたすた
セイバー「あぁっシロウ!?お腹を空かせた私を置いてどこへ行くのですっ!?」
凛「……まさか、1日とはね」
大河「あ、あはは……セイバーちゃんなりに頑張ったのよ、きっと」
【三日目】
セイバー「昨日は不覚を取りましたが……今度こそは」
セイバー「聞けば、バゼットは数ヶ月も職を探すのに奔走したと言いますし」
セイバー「私も諦めこそしなければ、いずれ理想の職場がっ……!」ぐー
セイバー「……ぅぅぅぅぅぅ」がくっ
ギル「む……あそこでうなだれているのは」
ギル「ふははははは!どうしたセイバー、随分と憔悴しているな!」
セイバー「あぁ……アーチャーですか……」ふらっ
ギル「あれ?セイバーが我に辛辣な言葉を浴びせない?」
ギル「き、貴様は本当にセイバーかっ!?」
セイバー「……他に何に見えるのです。私は急いでいr……」
セイバー「この良い香りは……!」くんくん
ギル「む……あの小娘に頼まれたコレの事か」
ギル「あの小娘、雑種の分際で我をパシリに使いおって……我を誰だと――ん?」
セイバー「……」←およそギルガメッシュに向けた事は無いであろう期待の眼差し
ギル(……)ズキュゥゥゥゥン
ギル「ほ、欲しいのならばくれてやるが……」
セイバー「……ほ、本当ですか!?では、お言葉に甘えます!」キラキラ
セイバー「ああ……なんと美味な……アーチャー、私は貴方を誤解していたようだ」もぐもぐ
ギル(セ、セイバーが初めて我の思い通りに……!)
ギル「ふ……今更気付いたか。我を誰と心得る」
ギル「さあ、跪くがいい!そして今度こそ我の物に――」
セイバー「ご馳走様でした」けふ
ギル「お徳用フルーツお歳暮パックを一分足らずで……だと……」
セイバー「では、私は急ぎますので。この礼はまたの機会に」すたすた
ギル「……」
ギル「ふ、ふははははは!流石はセイバー、一筋縄では行かぬわ!」
ギル「だが待っていろ!我は必ず、お前を我が手に――」
薪寺「何だありゃ、一人でエキサイトしてる馬鹿がいるけど」
氷室「薪の字、そうジロジロ見るな。何か伺い知れぬ事情があるのだろう」
ギル「……」
ギル「泣いてない、泣いてないぞ……」
セイバー「さて、お腹も膨れた事ですし職探しを再開しましょう」
セイバー「昨日サクラがくれたリストにあるのは……ふむ、警備員ですか」
セイバー「これは、今度こそ私に打ってつけな予感がします……!」
―衛宮邸―
セイバー「……た、ただいま帰りました」
桜「あ、セイバーさん。お帰りなさい」
セイバー「サクラ……その、シロウはまだ怒っているでしょうか」
桜「ふふっ」
セイバー「な、なんで笑うのです?」
桜「あ、いえ……先輩も『ちょっとやり過ぎたかな』って言ってたんで」
桜「真面目に仕事を探して帰ってきたセイバーさんを見れば、きっといつも通りですよ」
セイバー「そ、そうですか」ほっ
凛「へぇ、じゃあまた見付かったんだ。辞めるのも早いけど見付けるのも早いのね」
セイバー「甘く見ないでもらいたい、リン。昨日はつい不覚を取っただけの事」
セイバー「今度こそは、油断せず全力を尽くしてみせます!」
ライダー「バイトに全力と言うのもどうかと思いますけどね」
士郎「昨日はどうなる事かと思ったけど、警備員なら大丈夫そうだな」
大河「そうね、セイバーちゃんってかなり強いし」もぐもぐ
ライダー(……若干不安なのは私だけでしょうか)
書き溜め尽きた
書いてくる
落ちたらまた立てる
ちびちび書いてたんだが、どう読み直してもつまんね
どうしよこのクズ文
分かったとりあえずまた書くわ
投下す
あんま量ないんで期待すんな
【四日目】
セイバー「本日から入りますセイバーです。よろしく頼みます」
同僚「おや、新しい人ってのは君かい。可愛らしい嬢ちゃんだねえ」
セイバー「容姿で侮らないで頂きたい。こう見えても、腕には自信があります」
同僚「ははは、すまんすまん。それじゃ俺に着いてきてくれ」
同僚「不審者が居ないか見回って、もし居た場合は警察に連絡した後一時的に拘留するんだ」
セイバー「つまりは警邏ですね」
同僚「こんなもんかな」
セイバー「今回ったルートを、毎日見回ればいいのですね」
同僚「そうだね。ただ、あんまりにも危険な人とかが入ってきたら無茶はしない事」
同僚「まあ、そんなに大きくもないオフィスビルだし、そんな事は無いと思うけど」
セイバー「了解しました」
同僚「よし、それじゃ今日はもう上がっていいよ」
セイバー「はい。これからよろしくお願いします」
セイバー(よし……これならば喫茶店での様な事は起こり得ない)
セイバー(勤務時間が夜間というのもいい。シロウのご飯を食べてから出掛けられますし)ぐー
セイバー(……お腹が空きましたね。帰ってシロウに何か作って貰いましょう)
【五日目】
凛「ふあ……おはよう」
士郎「おはよう遠坂。どうした、今日は随分朝が遅いけど」
凛「それがさ、聞いてよ士郎。昨日お風呂出た後にセイバーに捕まっちゃって」
凛「4時頃まで晩酌に付き合わされちゃったわよ」
士郎「何?セイバーの奴、俺が夜食作った後そんなに夜更かししてたのか」
凛「何でも、夜に見回りしちゃうとスイッチが入っちゃうらしくてねー……」
凛「中々眠くならないんですって」
ライダー「……不安が的中した様ですね」
士郎「ライダー?どういう事だ」
ライダー「考えてもみてください。アレが夜型になってしまえば……」
凛「……」
士郎「……おい、まさか」
ライダー「ええ。士郎は毎日の様に夜食を作らされ」
ライダー「運悪くその時に捕まれば、昨晩の凛の様に」
一同「……」
セイバー「おや、皆揃って何の話をしているのです」
士郎「セっ、セイバー!?いや、何でもないぞ!?」
凛「ええ、ちょっとした事よ!セイバーが聞いても仕方ない些細な事だからっ!」
セイバー「? そうですか」ぐー
士郎「は、腹減ったのかセイバー。今昼飯作るからな」そそくさ
セイバー「何だか様子がおかしいですね……私は何かしてしまったでしょうか」
ライダー「私はたまに、貴女の直感スキルは冗談か何かじゃないかと思います」
セイバー「では、今日もよろしくお願いします」
同僚「ん、それじゃ今日は二手に別れて見回りするから」
同僚「一階から三階は俺がやるから、四階から上は頼むな」
セイバー「了解しました」
セイバー「さて、今日も労働に勤しむとしましょう!」
セイバー「四階、異常なし!」キョロキョロ
セイバー「五階、異常なし!」キョロキョロ
セイバー「……どうやら今日も不審な者は居ないようですね」
セイバー「……!」ぴーん
セイバー「この気配は……屋上?いや、しかしまさか……」
セイバー「一応、行ってみましょう」
アーチャー「――む」
セイバー「まさかとは思いましたが、やはりですか……」
セイバー「こんな所で何をしているのです、アーチャー」
アーチャー「それはこちらの台詞だ、セイバー。その格好は凛の趣味か何かか?」
セイバー「私はここの警備員です。不審者が居た場合、それなりの処置を執る立場だ」
セイバー「分かったら、早くここから立ち退いて下さい」しっしっ
アーチャー「成程、ようやく働き始めたか。だがそれは聞けんな」
セイバー「……理由は?」
アーチャー「このビルは新都全域を見渡すのに適していてな」
アーチャー「それとは別にしても私の気に入っている場所でもある。それが理由だ」
セイバー「どうしても、ですか」
アーチャー「どうしてもだ」
セイバー「……分かりました。それならば、私の執る手段は一つです」
アーチャー「ふ――やるか。いいだろう、あの時の雪辱s」
セイバー「凛に貴方の秘密を伝えます」
アーチャー「」
アーチャー「セイ、バー……貴様、まさか」わなわな
セイバー「ええ、知ったのは偶然だったのですが。リンが宝石が減っていると言っていたので」
セイバー「試しに気配を探ってみたら、見事に貴方の気配が」
セイバー「隠密の心得があるとは思えぬ杜撰さです。油断しましたね、アーチャー」
アーチャー「ぐっ……分かった、従おう」
セイバー「それでいい。妙な事をしなければ、貴方が宝石を質に入れている事は胸に秘めておきましょう」
アーチャー(だが……やられっ放しは性に合わんのでな)
アーチャー(いずれこの借りは返すぞ、セイバー……!)
書き溜め切れた
書いてくる
多分投下はまた夕方か夜
バゼットって士郎の事何て呼んでたっけか
完全に失念した
>>270
士郎君だったよ
>>273
㌧
セイバー「今日から伽藍の堂で働かせていただくセイバーという者です。」
>>282
書きたくなった
けど鮮花が切れる予感しかしない
バーサーカーは漢だから犯したりしません><
マジで唯一裏切らなかったサーヴァントじゃないか、あいつ
あー、ハサンな
居たなそんなの
小次郎はアンリミ他で裏切ったりしてた 確か
さっちん人気あるっちゃあるが、
一番好きだって奴は居ないよな
悲しきかな永遠の二番手
>>323
弱キャラだろうとさっちん一筋で闘劇目指してる人達に謝ろうか
ついでに俺にも謝れ
>>350
ごめんぬ
でも俺もさっちん好きなんだぜ
シオンの次に
書けなさすぎワロタ
むしろ雑談に混ざりてえ
まだ7レス分くらいしか書けてねえよ
了解した
とりあえず投下す
【六日目】
バゼット「おはようございます」
士郎「お?バゼットおはよう。珍しいな、この時間帯に居るなんて」
バゼット「今日は休みが取れましたので。久々にまともな朝食が採れます」
士郎「そっか」
桜「あの、先輩」ガラッ
士郎「ん、どうしたんだ桜」
桜「ライダーを見ませんでしたか?部屋にも居なかったんですけど」
士郎「……多分、セイバーの部屋だ」
ライダー「……」ずきずき
凛「……昨日の犠牲者はライダーか」
桜「ごめんねライダー、見付けてれば代わりにセイバーさんに付き合ったんだけど……」
ライダー「いえ……学校もある桜には、明け方までアレに付き合うのは酷です」ずきずき
バゼット「……一体何があったんです?」
士郎「話せば……いや、そう長くもないんだが」
凛「とりあえず、深夜にセイバーに近付くのは避けた方がいい、とは言っておくわ」
バゼット「?」きょとん
セイバー「さて、今日もしっかり見回りです」
セイバー「アーチャーの気配は……昨日の今日ですし、流石にしませんね」
セイバー「五階、異常なしと……次は六階のレストランですね」
セイバー「……ん?これは……途轍もなく良い香りが……」ふらふら
セイバー「な、何と……!何故、深夜のレストランに海鮮フルコースがっ!?」
セイバー「不審者が入り込んだ……?いえしかし、料理だけ作って去っていくなど不可解な……」
セイバー「……それにしても」ぐー
セイバー「す、少しだけなら構いません……よね」ひょいぱく
セイバー「これは……何と美味な……シロウの料理並みです!」ひょいぱくひょいぱく
ひょいぱくひょいぱくひょいぱく……
【七日目】
士郎「なぁ、遠坂」
凛「どしたの?」
士郎「昨日、セイバーって帰ってきてから何かしてたか?」
凛「そういえば……今日は犠牲者も出てないみたいね」
士郎「そうなんだよ。昨夜は俺も夜食作らされなかったし」
凛「んー……迷惑だと自ら気付いたのかしら」
士郎「ま、何にしても良かった良かった。腹減ってるだろうし朝は多めに用意しとくか」
セイバー「おや、今朝は何やら豪華ですね」
士郎「セイバー、昨夜は夜食食べなかっただろ?腹減ってるかと思ってさ」
セイバー「ああ……その事でしたか」
セイバー「実はバイト中に、豪勢な夜食を頂きましたので。いや、あれは美味だった……」
士郎「何だ、そうだったのか。この量食べられるか?」
セイバー「余裕です。有り難く頂きます」もぐもぐ
ライダー「……本当に、良く入るものですね」
大河「それにしてもセイバーちゃん、今回のバイトは続いてるみたいね」
セイバー「はい。やはりこういった仕事の方が向いているようです」
士郎「初任給入ったら、お祝いで何か豪勢な物でも作ってやるからな」
セイバー「頑張ります!」きらきら
凛「食事の事となると、本当目の色変わるわよね……」
桜「本人も最近は否定しなくなりましたしね」
投下中になると一斉に黙るお前ら
>>422
な
何か悪い事してる気分になる
さあ打ち止めだ
色々すまん
ID:2/PIrRCO0=ID:Teh6B7n8O
に見える
じゃあ型月総合スレに移行で
>>1は気楽に書いててある程度溜まったら雑談の合間にでも投下すればいんじゃね
もういっそ誰か書いてくれ……w
自分で書いといて何だがつまらんw
是非>>428形式にしてほしい
俺の遅筆っぷりは予想外に酷かった
てかSSってこんなにキツいとは思わなんだ
安価ミスとは
>>427な
とりあえず書く
だが遅いから読んでくれてる人達は雑談しててくれ
完結はさせるぜ多分
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません