キノ「ここが、2ちゃんねるの国か……」(1000)

書き溜め少ないのでご容赦を

何の障害物もない砂漠に延びるコンクリートの道を
一台のモトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)が走っていた。

日も落ちてきたために気温は低く、かじかむような冷気が辺り一面に漂う。
その中をモトラドはただただ道に沿って直進していた。

「おかしいな……そろそろの筈なんだけど」

運転手の言葉にモトラドが答える。

「目的地が見つからないのはいつものことでしょ、キノ。そろそろ慣れようよ」

「うん、慣れてたつもりなんだけど……さすがに凍えそうだよ、エルメス」

キノと呼ばれた運転手がぶるっと身震いした。

「本当にあるの? そのお師匠様が言ってたっていう2ちゃんねるの国って」

「たぶん、ある。詳しくは教えてくれなかったけど。『二度と行きたくないと思った国は
あそこが最初で最後』、だって。相当強烈みたいだ」

エルメスは少し考えて、

「2ちゃんねるってどういう意味さ、放送局が二つしかないとか?」

「さあ……でも興味がある。あの人に二度と来ないとまで言わせた国だ。
何かの参考ぐらいにはなると思って―――見えてきた」

遠くの地平線に巨大なドームが現れる。
エルメスが感嘆したような声を上げる。

「建物の規模や外装から判断するとかなり技術力の高い国だね。
あれだけの大きさの物をよくドーム状に建てられたもんだ。そしてなにより――」

「壁面に大きく描いてある『Welcome to under ground』の文字と……あれは顔文字かな
前に行った国で、似たようなものを見たことある」

キノが呟く。するとエルメスが、

「オチの予想はついた?」

何処かの誰かに、身も蓋もないことを言った。

「おやwww旅人さんでありますかwww敬礼www」

城壁からすぐの入国審査室で、軍服を着た男性が立っていた。スピーカーから
音声が流れる。



『「ハッキング」から「今晩のおかず」までを手広くカバーする巨大掲示板群『2ちゃんねる』へようこそ!』


「三日間ほどの滞在を希望したいのですが……」

「あと腕利きの整備士の場所も教えて」

男が了解でありますwww、と言うとすぐに後ろから一枚の地図を持ち出してきた。

「これがwwwこの国の全体図でありますwww住人はすべて各個人の意思で
様々なジャンルに分けられた居住エリアに住んでいるでありますwww」

地図にはニュース速報、大規模OFF、Downloadなどの地名が書かれていた。
男が、ここでは地名じゃなくて板というでありますwwwと付け加えた。

「なんでこんなにブロック分けされてるの?民族間の対立とか?」

とエルメスが聞くと、男が答える。

「住み分けというやつでありますwwwここの住人にはいろんな方がいらっしゃいますが、
私たちは自分たちの境遇、趣味、年齢などでカテゴライズされることによって
アイデンティティを確立しているのでありますwww」

「ちなみに、貴方はどこに住んでいらっしゃるのですか?」

キノが聞くと男は気恥ずかしそうにうつむいて、ポツリと一言だけ呟いた。

「……ホモが好きな子この指とーまれ」

キノの姿は、既になかった。

「とりあえず、モトラドが整備できそうなところは……バイク板ってところがあるみたいだね。
趣味っていうジャンルのところにあるみたいだから、まずはそこに向かおうか」

キノがエルメスを押しながら歩いていると、中年の男が歩いてきた。

「お前、旅人か?この国は道が複雑に入り組んでるからな。
迷ってるならここからすぐの案内にある初心者の質問に行くといい。
そこの奴らならきっと全力で答えてくれるはずだ」

そういうと男は去って行った。

「親切なおっちゃんだったね」

エルメスが言った。

「うん……でも全裸だったよね」

キノは、それ以上なにも言わなかった。

「本当に全力で答えてくれた、あんなに勢いのある人たち初めて会ったよ」

感心するキノにエルメスが答える。

「で、どこを通り抜ければバイク板にいけるのさ」

「とりあえず次は……というところに行けと言われた」

「まあ観光がてら色々なところを見て回るのはいいけど、ちゃんと修理してよねー?」



キノの行き先(板名)>>15

すまん、●ってどこだっけ

雑談系2
上から3番目

>>17
すまんさんきゅ

「ここが●板……」

「結構人が少ないもんだね」

エルメスがぼやいた。しばらく歩くと女性が一人立っていた。

「あら、ここは●を購入したもののみが立ち入ることのできる神聖な
土地でしてよ?……ああ、旅人さんでしたの。これは失礼を」

「ねーねー、ここってなんでこんなに人が少ないの?」

エルメスが聞いた。

「ここは●を持つ者、つまりはゆとりは入ってこれない清らかな
場所なのですわ。必然的に人が少なくなるのは当たり前のこと」

「つまりある程度の所得層のみが住まうことのできる場所、と」

「あら、運転手さんはものわかりがいいですわね、そういう事ですわ」

女性が自慢げに答えた。キノが続けて聞く。

「ここの国の人たちは皆共通する特徴を持つ人たちで集まっていると
お聞きしたのですが、あなた方はどのような?」

女性が困ったように首を横に振る。

「残念ですけど、ここにはこれといってコンセプトがありませんの」

エルメスが、

「金がかかって敷居が高い上に、テーマ性もないとしたら、そりゃ過疎にもなるよね」

女性がひきつった笑顔で答える。

「ちょっと待っててくださいね? 今お家からお茶菓子と……
あとパースエイダーはあったかしら?」

キノはエルメスのエンジンをかけると、全力で走り出した。
女性が後ろのほうで叫んでいる。

「ごらあああああああ!!!●買って行けやあああああああ!!!!
じゃねえと管理人すら忘れてんだよここをよおおお!!!」

一息つくと、女性は最後につぶやいた。

「ひろゆき、カムバック……」

「殺されるかと思ったね」

エルメスが言った。

「それぐらい、あの人は寂しかったのかな……」

「綺麗にまとめないでよキノ」

珍しくエルメスが突っ込みをいれた。

「さて、次はどこに行こうかな」

「適当に進めばぶち当たるでしょ、ささ、レッツゴー」



キノ達の行き先(板名) >>40

自作PC

「ここは……自作PC板、みたいだ」

「すごいや、電子的な技術で言うと今までに行ってきた国の中でも
トップレベルかもね」

エルメスが感心したように言った。
しばらく歩くと遠くから口論が聞こえてきた。

「AMD厨は帰れカスが」「今の性能知らないの?wwww」
「安かろう悪かろう」「まざーぼどってなんですか?教えてくださいお願いします」
「初心者は帰れよ」「やはりi7が至高」「←こいつ最高にアホ」「←こいつ(ry」

「……僕には何を言ってるのかさっぱりだ」

キノが呟いた。するとエルメスが、

「大丈夫、生きるためには必要のないことだよ。個人的には大好きだけどね」

「さて、次はどこに行こうか」

「ええ、キノ早すぎ。まだ全然この板を見てないよ」

「エルメスだって僕には必要ないっていったじゃないか」

「ぶーぶー、まあ、いいけどさ」

エルメスは不服そうに答えた。

「さて、今度はどこに行こうか」



キノ達の行き先(板名) >>60

【途中に在るあとがき】
PCに詳しくないから住民との絡みはカットした。後悔はしている。

競馬
http://dubai.2ch.net/keiba/

「ここは……競馬板?」

「馬を走らせて順位を競うギャンブル、その予想をやってるみたいだ」

エルメスが答えた。すると遠くから一人の男が走ってきた。

「な、なあ!!絶対次のジャパンカップはロジ一択だよな!!??」

「は、はあ……」

「お、おっちゃんわかってるね!」

困惑するキノをよそにエルメスが嬉々として答えた。

エルメスと男性が意気投合してしばらくすると、遠くから女性がやってきた。

「ロジなんて駄目、やはり経験の差からウォッカがくるわ」

「ウォッカなんてもう落ち目じゃねか! 来るはずねえ!」

「あら、わからないわよ? でも確かに言えるのはロジよりはいけるわ」

「んな訳ねえだろwww ―――で」

急に二人がこちらを振りかえる。

「「あなたたちはどちらに賭けるのか」」

「えっと、すみません、競馬には詳しくないもので」

キノが謝る。

「だんぜんレッドディザイアだね!でも長期的な目線でみると、
ちょっと危険なギャンブルかも」

エルメスが答えた。

「お、モトラドのくせにわかるじゃねえか」「なかなか分析力があるじゃない」
「いやいやーそれほどでもないよ」「じゃあその次のレースだが……」

その後競馬関連の話題が2時間続いた。

「…………」

キノは寂しそうだった。

「そろそろ行くよ、エルメス」

「えー、まだ複勝をどれにするか決めてないのにー」

「言っておくけど馬券は買わないよ。ギャンブルは苦手だ」

少し間をおいてエルメスが言った。

「もしかして、キノ怒ってる?」

「怒ってないよ」

「ならいいけど」

「…………」



キノ達の次の行き先 >>85

【途中に在るあとがき】
書き溜めなしで書くのって難しいのね。

オカルト


「ここがオカルト板かー」

「エルメス、なんだか嬉しそうだね」

「そりゃオカルトっていうんだから、怖い話とかいっぱい聞けるじゃん」

「エルメスは信じてるの? そういう類のことは」

「いいや、まったく信じてないねー」

キノが不思議そうに聞く。

「それじゃなんでそんなに嬉しそうなのさ」

エルメスが答える。

「だって、普段信じてないから―――本当に『出会った時』に面白いんじゃないか」

し、ししし師匠はおばけなんか怖くねーし!!

「…………」

「なんちゃってねー、どうキノ? 怖かった?」

「…………」

キノは小刻みに震えている。

「どーしたのさキノ、師匠と違って怪談には強かったんじゃなかったっけ?」

「え、エルメス……う、し、ろ……」

「じょ、冗談きついなー!信じてないんだってばそういうのは―――え」

後ろから、突然影が飛び出した。


「ぎゃああああ『ようこそ!オカルト板へ!』ああああああああああああ」


エルメスは、しばらく話さなくなった。キノがひきつった顔で答える。

「ど、どうも……」

ガチホモ板住民はみんな紳士だろ、なぜかみんなオネェ言葉だし

「イヤ、タイシタコトナカッタネ、キノ」

「今まで聞いたことないぐらいふさわしい機械語になってるよエルメス」

「ソンナコトナイヨ、ダッテゆうれいトカシン「後ろから手が!!」ぎゃあああああああ」

手の主の男が言った。

「ここの恒例行事みたいなもんですんで、勘弁してくださいね」

キノは「さすがに慣れたよ」と笑った。エルメスはまたしゃべらなくなった。

「さて、ここもこれぐらいでいいか。エルメスが気絶(?)してる間に
美味しいものでも食べてこよう」



キノ達の行き先(板名) >>120

【途中に在るあとがき】
ハロハロ食いてえ……

B級グルメ

801

801でキノに何食わせるんだバカやろう

エルメス美バイク化(アナルディルド付き)
キノ美少年化(貧乳→無乳&ちんこ付き)

森の人×エルメス

ある意味女の子しかいない街じゃん


「うーん、むにゃむにゃ。あれ?キノはどこ?」

エルメスは木陰に立てかけられていた。運転手の姿は見えない。
代わりに遠くから女性の声が聞こえてくる。

「ねー?あのモトラドなんだか可愛くない?」「ホヴィーとの絡みが見たい」
「この国にホバー系の移動手段なんてないでしょ」「妄想でカバーっす」
「……よし描けた!」「ktkr!!」「可愛いwwwホヴィーまだー?」
「できたよー」「うはwww美少年wwww」「意外とおっきいのね……」

「なんだかとっても怖いところに来てしまったようだ」

エルメスが呟いた。すると運転手が帰ってきた。

「遅いよキノーどこいってたのさー」

「ちょっと……新しい世界に」

キノは死んだ魚のような、悟った聖職者のような目をしていた。

>>139
カノフルが至高

>>148

カノンとフルートは女の子と信じたいから百合で妄想する

>>152
褐色清楚系巨乳美少女と金髪ロン毛貧乳高飛車だな

「エルメスって、よく見ると可愛いよね。愛嬌があるよねそのボディ」

「ど、どうも……ってどうしたのさキノ、毒でも盛られた?」

「いや、そんなことはないけど……」

キノはエルメスの荷台に手を伸ばすと、キノが森の人と呼ぶ
パースエイダーを取り出した。キノが微笑んだ。

「長いね」

「う、うん、精密な射撃ができるよね」

「そして……どこにでも差し込めそうなほど、細い」

「そうだねパースエイダーとしては細身だねってあれキノなんでこっちに近づいてくるのさ」

キノが森の人を構える。エルメスのマフラーに向かって。
その目は腐ったように濁った色をしていた。

フルートがライフルだろ?

「エルメス……この国で聞いたんだけど、男同士でも
『おしべとおしべうんぬん』が出来るらしいんだ……」

「いやそれおかしいしそもそも性別とかないし」

キノが今まで見せたことのない表情で笑った。

「それに気持ちいいらしんだ……最近エルメスをいたわってなったからさ。
ご褒美をあげるよ―――」

キノがマフラーに森の人を少しずつ差し込んでいく。
もうキノの顔は笑っていなかった。

「ぎゃあああああああ誰得ううううううううううううううううう!!!!!」

エルメスの断末魔は、周りの婦女子たちの歓声でかき消された。

エルメスはエルメスだよ


【突然現れては消えてゆく儚きあとがき】

ちょっと家族に晩飯つくってくる。1時間ぐらいでもどる、たぶん
今日はシチューだぞー
落ちてたらまた立てるけど、できれば保守を頼みたい

ここは旅行・外出に行ってだな

薬・違法板見てきたけどなんだあいつら……

【まだ晩飯出来てないけどあとがき】
俺っち半角二次元ぐらいしか行かないからわかんねー

>>236
葉鍵「身内争い」

格ゲー「ネタ・ガチ・アンチと板のなかでさらに内訳されてる感じ」


【ただいま、といえるお利口なあとがき】
ひと段落ついたから少しの間再開するよーよい子のみんな集まってー(NHK風)


「ん……あれ、寝ちゃってたのかな」

キノが起き上がり、体に着いた土を払う。

「確か、ここの人に連れて行かれて、何か本を見せられて……
駄目だ、思い出せないや」

キノが衣服を整えていると、

「あれ、エルメス寝てるの?」

傍らのいつもはおしゃべりな相棒に声をかける。返事はない。

「おーい、エルメース。大丈夫?」

「……ひ」

「ひ?」

「ひぎゃあああああああああもうマフラーに異物を挿入するのはらめえええええええええ!!!
壊れちゃううううううううう!!!!」

「ど、どうしたのさエルメス!悪い夢でも見たの?」

エルメスがハッと我に返る。(描写不明)

「き、キノ……正気に戻ったの?」

「……そっちこそ大丈夫なの?」

エルメスが恐る恐る聞き返す。

「大丈夫って何が」

「キノ、森の人についてどう思う?」

「え、レーザーサイトとかあって命中精度高いな、と」

「よし戻った。失われた大切なものは戻らないけれど」

「なんの話さ」

「知らないほうがいい話さ」

「変なエルメスだなあ」

キノが首をかしげる。

「それよりキノ! 早くここから出よう!
もう二度とあんな目に遭うのはゴメンだよ!!!」

エルメスの気迫に押され、「わ、わかったよ」といってエルメスにまたがる。

「んっ……」

「? どうしたのさキノ、柄にもなく色っぽい声出しちゃって」

「わかんないけど……早く行こうか」



キノ達の行き先(板名) >>285

【変態にしか見えないあとがき】
もうすぐご飯だから再び落ちる。みんなも飯ちゃんと食えよな!

戦時

【ただいまーと元気に声を出すあとがき】
戦時見てきたけど面白いとこだね、すぐ書く


「見えてきた、ここが戦時板だみたいだ」

「ふーん、なンカ意外ニ普通ノトコロダネ」

エルメスガ言ッタ。

「一体ドコガ戦時ナンダロウ」

スルト男ガ近ヅイテキタ。

「ヤア、旅人サンダネ。ココハ戦時板。
存分ニ戦時中ノ雰囲気ヲ味ワッテイキナヨ」

キノガ聞クト、男ガ答エタ。

「書ク文字ニ平仮名ヲ使ッテハイケナイノサ!!」

エルメスガ、

「メンドクセーダケジャン」

身モ蓋モナイコトヲ言ッタ。スルト男ガ、

「ソコハソレ、不便ヲ享受スルノガ戦時中デスカラ」

身モ蓋モナイコトヲ言ッタ。

【あとがきじゃなくて修正】
ミスった、>>300>>301の間に

「アノ、質問ナンデスケド。一体何処ガ戦時ナンデスカ?」

を入れといてくれ

「変ナトコロダッたねキノ、なんだか無駄に疲れちゃった」

「そうだね、片仮名だけで表記するのはとても面倒なことだと知ったよ、エルメス」

「とくに文章の変換がめんどくさくてめんどくさくて……」

「? 何の話?」

「なーんでも」


キノ達の行き先(板名) >>310

【晩餐後のあとがき】
シチュー最高。ビーフもいいけどクリームもいいよね
大量生産したから明日の晩飯もシチューかも

しりとり

「ねえキノっ!」

ノリノリでエルメスが話しかける。

「ルンバルンバ!なんだいエルメス!」

スイトピーの花が咲く庭を爆走。

「うはー!気持ちいいぜ!」

ぜえぜえと一息つくキノっち。

「ちくしょう、やっぱりモトラドには勝てないね」

ねっとりとした汗を流した。

「たまたまだよキノ、キノだって若いんだからまだいけるよ」

よっこらせ、とキノが立ち上がる。

「ルンバルンバ!そうだよなエルメス!」

~2時間後~

「ね、ねえキノ?」

「のほほーん!……なんだいエルメス」

「スリジャヤワルダナプラッコッテ!……あと何回?」

「い、い、イスカンダル!……よし!1000回繰り返した!」

キノが地面にへたり込む。

「いきなり『1000回しりとりするか死ぬかどちらかを選べ!!』だもんね。
さすがにびっくりしたよ」

エルメスが言った。

「もう……行ごうが」

キノがかすれた声で言った。

「次はどこに行こうか」

エルメスが聞くと、

「とりあえず、ゆっくりと休憩の出来るところに行こう。
さっきの無理やりなしりとりでボロボロだ」

キノが答えた。するとエルメスが遠い目をして、

「……僕のマフラーも修理したいしね……」

消えそうな声で呟いた。



キノ達の行き先(板名) >>340

【吹けば消えそうな脆いあとがき】
休憩とか聞くとあっちのホテルを想像しちゃう、
汚い大人になりました。

既婚女性

「……ねえキノ?」

エルメスが主語を省いて聞く。

「……わかってるエルメス、ここは通り過ぎよう」

キノが察してうなずく。アクセルをいっぱいに入れ――――



「あら、旅人さん?既婚女性板へようこそ。心の底から歓迎するわ!」



この手の国で良い目に遭ったことはない、
キノは心の底から後悔した。

「本当にあのアイドルむかつく、死ねばいいのに」「市橋イケメン」
「専業主婦こそ在るべき姿」「←夫の年収にもよる」
「この間夫の態度がムカついたから晩飯に洗剤まぜてやったwww」
「GJ!!」「ついでに小遣いも減らしちゃえ!」「女をもっと敬うべき」

「「「「「「「「「「ねえ!旅人さん聞いてるの!!??」」」」」」」」」」

「は、はい、大変ですね……」

キノが思わずたじろいだ。

「……………………ぐぅ」

エルメスは寝たふりをした。

「それでねそれでね!うちのネコちゃんがね!」「小栗旬可愛いよね」
「夫の貯金使ってバッグまた買っちゃったw」「←正当な取り分」
「うわーんVIPPERが凸してきたよー」「殺そうか」「殺しますか」
「やっちゃいますか」「招集ですよ奥さん」「女性の意地をかけた戦争だ」

「…………なにやら不穏な雰囲気だね、キノ」

エルメスが小声で話しかける。

「今のうちに逃げよう、今しかない」

キノが冷や汗を手でぬぐいながら言った。

「この時、鬼女たちの行動が、キノの旅路にどのような影響を与えるのか、
知る者はいなかった―――――(ナレーション)」



キノ達の行き先(板名) >>385

【言い訳に必死なあとがき】
少し前まで「おにおんな」だと思ってた

物理

「着いたよ、ここが物理板みたいだ」

「今までのところと比べて随分落ち着いた街だね」

すると背の高い青年が近づいてきた。

「やあ旅人さん、こんにちは。よかったら
僕たちの仲間が集まってるんだけど、一緒にお茶しないかい?」

エルメスが小声で、

「美味しいお菓子が出るならね、とキノが言っている」

エルメスをごん!と叩くとキノは「よろこんで」と答えた。

「たとえば、すべての自然現象を支配する―――」
「それなら超対称方程式の―――」
「複数の法則が存在する―――」
「剰次元の研究イコールミラーシンメトリーの研究が―――」
「超メコスジ理論解明しようずwww―――」
「それだと重力理論が―――」
「それなら連続時空間として考えたらどうかな?」
「それだ!」「モトラドさんは聡明だな」「今ので全てに納得がいった」
「それならさらに別の理論が展開できるんでは―――」

「…………………」

キノはずずっ、とお茶を啜った。
ほんの少し、寂しそうだった。

「また来てくださいねー!歓迎しますよ」

男が遠くで手を振った。

「いやーごめんごめん、つい熱くなっちゃって」

エルメスが言うと、

「もう慣れたよ」

ちょっとふてくされて言った。



キノ達の行き先(板名) >>410

【明るく前向きで有名なあとがき】
物理板は未知の言語で記述してあり、全てを解読する事は不可能だった

パン

「ここは……どこだろうねキノ」

「さっきの板の人に高級料理が味わえるから北に行けって言われて
それを信じてきたのは来たんだけど」

辺りには工場のような建物しかなく、高級料理が出てくるような店は
一軒も見当たらない。すると中年の男が道で呻いていた。

「また騙されてパン板に行ってしまった!!畜生!!」

キノが話しかける。

「あのー、ここはどこかわかります?」

「パン板だよパン板!!くそ、レイプされた中学生の画像は何処だよ!!」

うわあ、とキノはあからさまに引いた。

別の男がニヤニヤと笑いながらこちらに歩いてきた。

「やあwww君たちは騙されてパン板なんかに来てしまったわけだがwww
気分はどうだいwwwん?www」

「畜生……エロリは俺の生きがいなのに……」

中年男性は泣き崩れてしまった。

「あの、すいません」

「ん?wwwなんだい?www言い訳でもするのかい?www」

キノは力いっぱい答えた。


「パンを、なんでもいいのでパンをください」

「それで高級料理の代わりに大量のパンを貰ってきたと」

エルメスが言った。

「ふんはあほへへひひんははいはは、ほはへへほははほ
ひっはひひはっはひ」

キノが未知の言語で言った。

「うんまあそれでいいんじゃないかな、おかげでお腹も
いっぱいになったし、か。まあキノがいいならいいけど」

「はあ、ふひほひはひひほほは」

「さあ、次の板に行こうか、ね」

エルメスには非常に優秀な翻訳機能が付いていた。



次の行き先(板名) >>470

【胡蝶のあとがき】
メロンパンナのメロメロぱんつ

東亜+


【焦るあとがき】
はじめて行った。困惑した。時間かかりそう。

「………………」

「………………」

街中を、高速で走るモトラドがあったアル。

「………………」

「………………」

二人は街を抜けるまで、無言だったニダ。



キノ達の行き先(板名) >>500

【謝罪するあとがき】
ニュー速みたいな感じかなとか想像してたけど、
あそこまで行くと何も言えません。申し訳ない

AAサロン

「着いた、ここがAAサロンって場所だ」

「なんだか愉快な人が多いね」


                       ヘ(^o^)ヘ やあ旅人さん
                         |∧  
                     /  /

                 (^o^)/ ここらへんの観光が
                /(  )    どうしてもしたいってなら
       (^o^) 三  / / >

 \     (\\ 三
 (/o^)  < \ 三 
 ( /

 / く  僕が街のすみずみまで
       案内して差し上げますよ


「ど、どうも」「どもね」

いきなり来た青年に戸惑いながらも答えた。

「名物のチャーハンがあると聞いてやってきました」

「キノの食いしん坊」


 ∧,,∧   よし、旅人さんにチャーハン作るよ!!
・(;`・ω・) 。
 /。つ彡@ トントントントントン
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ∧,,∧    ∩ カシャ!
ココン (;`・ω・)彡⊂ ◎
∑0と彡  つ━ヽニニフ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|_()()()()

  ∧,,∧
 (;`・ω・)  。・゚・⌒) ジャンジャンジャンジャン
 /   o━ヽニニフ))
 しー-J   ()()()()

         。・゚・ 。
  ∧,,∧    ・   )  ジャーン!
 (;`・ω・)o━ヽニニフ
 /  // 彡
 しー-J   ()()()()

  カシャカシャ  ∧,,∧
    ((/⊂(;`・ω・)⊃\ て カッ!
ヽニニフ━ と   つ ヽ ∩ /
        しー-J | ̄ ̄ ̄ ̄

           ,,,
          (◇・ )
 ∧,,∧     ( ,,,,ノ へいおまt・・・
( ´・ω・)つ━ヽニニフ


           ,,,

          (・◇・)
 ∧,,∧     ( ,,,,ノ
( ・ω・ )つ━ヽニニフ


「わー!!すごいや!!」

エルメスがはしゃぐ。

「………………チャーハン」

キノが落ち込んだ。


         ,.ィ'´:::ィ'-‐‐-- .、 _                __,.ィtjT
       /::::::'´::::::::::::::::::::::::::::`ミ≧             `!::`::77
    /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、             /::::::/:/
   /:::::::::/::::::/:::::::::::/:::::::l:::::::::::::ト、::::::ヽ.          /::::::/:/
   /:::::i::::l:::::::l::::::|::::/:::イ:/!:::::::::::::l !:::l:::ヘ        /::::::/:/
  l::::::::l::::l:::::::|::::::l::/::/ !:l |::::::::::/:l l::::i:::::ハ         /:::::/:/    「チャーハンをいただけませんか。
  l::::i:::l:::::l:::i:::l:::::l/::/ l / l::::::::イ:::i-‐l::::l::::i '       /:::::/:/
   !:::l:::l:::::|:::l:::i::::|:/‐‐リ- |::::/ |:::l,=ォ|:::l:::::l        /::::/:/        すごくお腹が減っているんです」
    l:::i:::|::::i::::l::::l:::i__二ニ,. !:/ l:ノトソl:::/::ハl     /:::/_,什7
   ヽ::r'f゙rl::::|::::i:::l弋゚リ l/  リ  ̄/イ:::i !      /,-、/--/
    `{ヘソ!:::l:::ハ::i ` ´    ヽ   l::/l      /ゝ-1::::/
     ゝ、_j:::|::i:ト、:ヽ.     __ .  /l/リ    _ノ!::::::/:::/
       Vハルノ!‐丶ゝ     /|/ /    {ヽ.フ{ミ/`!
     r'´ ̄` ー‐-: 、リ゙ーr- ‐ '´   ,. 'フ   勹T:‐-/ /
     入        `メミ`ヽ、  //二⊃ `|::::/ /-、
    〉ニ=-‐'"´二三_ _ `≧:} / /'´フ二ニ) r‐'    ヽ.
    ゝ:__,. r'T'´ ̄`ヽ、ヽミ   7 l ' r'ヽ ,.ニ⊃ l       `!
     {/:::::::.:::l_,:-:::::::::::::\`ヽィ'〈 |  ト、 l    l        /
     リ::::::::/:r'´ ̄`ヽ::::::ヽ. ` ゝi、   ノ    ,.┴、    /
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       ``ヽ.、..    ノr;ソ~,!
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                 ``ヽ,!

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   |::r |ヽ::! ̄l} \::::::! ,-- 、、ヽ::|::|    「じゃあ撃ちます」

   |::、_|:::`|ー ''   \| 廴_ノ//:/l::|
   ∨l:\:|     ,       /イレN
     |/l/.iヽ           /l/|::::|
     r-...、 ]` 、 ‘.’_ . ´   .|::/
     〉::::::::\ ‐-、 ト、_     i'
    ,〈__:::::::::\〈 !i |::::|

   /─-、:::`、_//\ .|、::}、



  ∧,,∧  ……
 (;`・ω・)
 /   o━ヽニニフ)
 しー-J



  -=≡   Λ,,Λ すぐ作ってくるよ!
 -=≡   (;´・ω・)
-=≡   ⊂   o

 -=≡   (  ⌒)
  -=≡   c し'


「ふー食べた食べた」

キノが満足そうに言った。

「さっきパンを食べたばっかりなのによく入るね」

「まあ……『チャーハンは別腹』って言うしね」

「それ僕のネタだよ」

エルメスが不服そうに言った。


キノ達の行き先(板名) >>565

【叱咤激励するあとがき】
人生やっぱり運だね!!

神社仏閣

「ねえキノ」

「なんだいエルメス」

「ここは神社・仏閣板なんだよね」

「うん」

「神社とか仏閣っていうのはこの国の宗教的な意味合いを持つ
神聖な建物なんだよね?」

「そう聞いてるね」

「じゃあさ、なんで……」

「「こんなにアニメキャラクターのポスターばっかりなんだろうか」」

二人は無駄にハモった。

「やあ旅人さんwww了法寺スレへようこそwwww」

中肉中背の男が話しかけてきた。

「あのーここは神社仏閣に趣のある人たちが集まっている
場所ですよね?」

「いやwwwまあそうなんだけどここは特別wwwwとろ弁天萌えwwww」

男は不敵に笑った。するとここの管理者らしき老人が現れた。

「いやはや、鷲宮神社がアニメで成功して以来、
萌豚達はいいお客様なのですじゃwww」

うっひっひ、とアニメっぽい声を出すと、

「どうじゃ?あんたもアニメになってみらんかね?
わしらがスポンサーになるぞい」


『アニメなんてなかった』


どこかから声が聞こえた。


「見てみてーキノー、声優さんと写真撮ってもらったよー!」

エルメスは無邪気に笑った。

「よかったね、一体誰のサインだい?」

「前田愛さん」

キノは少し考えてから、

「どっちの?」

聞いてはいけないことを聞いた。



キノ達の行き先(板名) >>635

【弁解するあとがき】
アニメキノは作画さえクリアできれば良かった。
劇場版は普通に感動した。
アリリリは能登ボイスしか見どころなかった。
なかった。

食べ物


【ちょっとだけ愚痴るあとがき】
ちょっぴりだけ休憩してくるよ。30分ぐらいで戻る予定だよ
ちょっぴりだけ落ちないように頼む


【復讐に燃えるあとがき】
さあみんな画面の前に集まって!
電脳戦士ポリゴンの再放送が始まるよー


「さあ、ついにメインイベントだねエルメス」

「へ、次の国がバイク板なの?」

キノが首を横に振った。

「違うよ、この国の食物の流通の中心地である
食べ物板に向かってるんだよ」

「まだ食べるのか、この食いしん坊、いや、いやしん坊め!」

「はっ、なんとでも言え。僕は食べ物のためなら親鹿の居る前で
小鹿を撃ち殺すような男さ」

「キノ、キャラ変ってるよ」

「僕は、(食べ歩きの)旅を続けたいと思います」

上手いこと言った気がした。

乱立

おと・・・こ・・

ああ、男の娘か

>>676
キノって男として生きているのか、女として生きているけど
無関心なだけなのかがよくわかんないや


【人様に迷惑をかけるあとがき】
また30分くらい待ってて欲しい。本当に申し訳ない
地元のスレでも加速しててくれ

わがさいたまの国の技術力は圧倒的だよ

>>1000に一番早かったのは千葉だが>>1->>1000が一番速かったのが埼玉

埼玉だな

過疎県が可哀想過ぎる

そろそろ終盤だし旅人さんをVIPにお招きしなくちゃな

【鬼畜なあとがき】
すまんかった、再開する

「食べ過ぎた、もう動けない」

キノがベンチに倒れ込むように座った。

「よく食べるね、キノ。そろそろ改名したら?」

「なんて名前さ」

「謎のフードファイターキノ」

「それもうやったよ」

「ありゃ」


キノ達の行き先(板名) >>730

【盲信するあとがき】
結局日本一決定戦はどうなったの?

>>725
エルメスたんが魔改造されそうだ


【恍惚のあとがき】
エロパロの時雨沢スレに行ってきた
正直勃った

1000げっと

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