京太郎「合同合宿ですか?」 (1000)
京太郎メインのSSです
更新は気分次第なので遅筆になります
苦手な方は閲覧注意と言うことで
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久「そう。インターハイも終わって夏休みも残り少ないけど後身育成の為にね」
和「合同と言うことはまた以前の3校ですか?」
久「いいえ。今度は別の学校よ」
まこ「ほう。いったい何処とやるんじゃ?」
久「なんとあの白糸台! そしてもう1校、阿知賀女子が来るわ」
咲「白糸台!? それってお姉ちゃんの」
久「ええ。話を持ち掛けてくれたのは阿知賀の赤土先生なんだけど、じゃあ一緒にどうかって白糸台に連絡を取ったら先方も是非にって」
咲「わぁ、じゃあ久し振りにお姉ちゃんに会えるんですね」
優希「咲ちゃん嬉しそうだじぇ!」
和「よかったですね。咲さん」
咲「うん! ありがとう、優希ちゃん和ちゃん」
咲「あ、でも……合同合宿って事は京ちゃんは……」チラッ
京太郎「あ、はは……まぁ俺に気にせずみんなで行ってきてくれよ」
久「ああ、今回は須賀君にも参加してもらうから」
久以外「えっ!?」
久「言ったでしょう? 後身育成の為の合宿だって」
久「須賀君も立派な部員なんだから。もっと強くなってもらわないとね」
和「けど、私達は構いませんが先方は大丈夫なんでしょうか」
久「その点もだーいじょーうぶ。バッチリ許可を取ってあるから」
久「雑用を任されるって言ったら二つ返事でOKしてくれたわ」
京太郎「あはは、はぁ……雑用するのは確定なんですね」
久「そりゃ唯一の男手なんですもの。頼りにしてるわよ男の子」
京太郎「はぁ……わっかりました! 雑用でもなんでもやりますから是非連れて行ってください!」ペッコリン
久「よし! 良い返事ね」
咲「よかったね京ちゃん!」
和「頑張りましょうね須賀君」ニコ
京太郎「ああ! ありがとな咲、和」
優希「これで少しは成長してくれれば京太郎も練習相手になるんだじぇ! 今のままじゃよわよわ過ぎてただのカモだじぇ」
和「優希、そんな言い方をしてはダメですよ」
京太郎「はん! 見てろよ今にお前より強くなってやるからな!」
優希「ほほう! このゆーき様より強くとは大きく出たもんだじゃ」
まこ「くく、まぁ練習相手云々は置いておくとして合宿の間お前さんをシゴけるのかと思うとなかなか楽しそうじゃの」ククク
京太郎「う、お、お手柔らかにお願いします」
久「はいはい意気込みもいいけどこっち注目」パンパン
久「合宿は3日後。はぐれても行けないからいったん学校に集まること。良いわね咲?」
咲「な、なんでそこで私に振るんですかぁ?」
咲以外(そりゃ……)
京太郎「じゃあ当日の朝は俺が迎えに行ってやるよ」
咲「学校までなら迷わないよ!」プンプン
まこ「はいはいじゃれないじゃれない」
咲「じゃれてません!///」
久「と、まぁそう言うわけだから明日から当日まで部活はお休みね準備とかもあるでしょうし。いいわね」
久以外「はい」
久「じゃあこれで今日の部活は終了。解散!」
全員「お疲れ様でした!」
―――――
―――
―
1年生が帰った後
まこ「のう久、この合宿ってのは」
久「相変わらず聡いわね。そうよ」
久「あの子達のおかげで夢の全国制覇を達成できたこれはそのちょっとしたお礼よ」
まこ「また回りくどい事を、素直に慰安旅行だと言えばよかろうが」
久「嫌よそんなの、なんか……恥ずかしいじゃない///」
久「それに合宿って言うのも別に嘘ってわけじゃないわ。ただそういう言い方も出来るってだけよ」
まこ「はいはい。お前さんがそう言うならそういう事にしとくか」
久「あ、なにその言い方、可愛くない」
まこ「はいはい。さーてわしも帰るとするか」
久「早!? あ、ちょっと待って」
まこ「ほれ、はようせんか」スタスタ
久「言いながら置いていかないでよ! ちょっとまこー!」タタタ
ガチャ、バタン!、カチャン
酉付けるの忘れてた
とりあえずここまでってことで
乙
他の高校は出ないの?
電車に揺られバスに揺られやって来ました合宿場。
京太郎「へぇ、なかなか良いとこですね。落ち着いた感じで」
まこ「なんじゃノスタルジックな感じじゃの」
優希「そんなことより早く行こうじぇ!」
京太郎「そうだな。…………ん?」
優希に促がされながら歩き出そうとするとあるものが目に留まる。
その名も自動販売機。
京太郎「ふむ……」
逡巡、後の閃き。
京太郎「すまん。ちょっと待っててくれ」
咲「京ちゃん?」
咲の声を半ば無視しつつ、俺は自販機に硬貨を投入。
ボタンを押して商品を取り出す。うえぇ熱い。
和「飲み物ですか? それなら私、水筒にアイスティーを入れてきましたけど」
日傘を差した和がそういって少し手荷物を振ってみせる。
優希「うわぁしかもホットコーヒー。京太郎、暑さでとうとう頭までやらっれちゃったじぇ」
京太郎「ああ、これはこれで良いんだよ。その内わかる。和のは後の楽しみにさせてもらうよ」
和「はぁ……」
要領を得ないと言った感じだ。でしょうねぇ。
久「あなた達、しゃべってると置いてくわよ」
1年生「はーい」
旅館前
その玄関先でごろ巻いてるあの集団は、
久「弘世さん」
菫「! ああ、竹井部長か。先週の電話以来だな」
振り返ったのは白糸台の部長である弘世先輩。
照「咲、久し振り」
弘世先輩と並んで咲のお姉さんである照さんが振り返る。
咲「うん。直に会うのは久し振りだねお姉ちゃん」
咲は照さんに会えて本当に嬉しそうだ。
照「咲、少し見ない間にまた大きくなって」
咲「やだお姉ちゃん、親戚のおばさんみたい」クスクス
2人もいろいろあったが今となってはそれも過去。気兼ねなく話せている。
美しい姉妹愛だ。
誠子「お久し振りです!」ペッコリン
尭深「お久し振りです……」ペコ
亦野先輩と渋谷先輩が挨拶とともに会釈をしてくるのでこちらもそれに応える。
そして残りの1人は……
淡「サキー! ユッキー! ノドカー! 久し振りー!!」
さーてうるさいのが来たぞぉ。
周囲を見て回っていたんであろう一際やかましいのが向こうから突っ走ってくる。
淡「わーい!」ダキッ
咲「わわ、もう淡ちゃんってば」
和「お久し振りです淡さん」
優希「久し振りだじぇ!」
淡「うん! 2人とも久し振り!」
女の子が4人でニャンニャンしている。
微笑ましい。
淡「お?」
再会の挨拶もそこそこに、俺に気付いた淡がこちらに近付いてくる。
淡「よ!」
京太郎「おう」
かっっる……
淡「ふーん、ほーう……」ジロジロ
なんすか?
淡「やーい荷物持ちー」ケラケラ
京太郎「うっせ、力仕事は男の仕事なんだからいいんだよ」
淡「”男の”じゃないでしょ、”キョータローの”でしょ」ケラケラ
淡「それより私喉渇いた。なんか買ってきて」
京太郎「ああ、そんなことを言い出すんじゃないかと思って用意してあるよ。ほれ」
そう言って俺は先程買った缶コーヒーを差し出す。
淡「うえ、コーヒー……しかもホットで無糖。これやだ! 苦いもん」
京太郎「そうだと思ったから買った」
淡「むぅ~!」ブンッ
京太郎「おわっ!? おま、投げるなよあぶねぇな!」
こいつ、中身の入ったスチール缶を全力投球しやがった。
相変わらず無茶苦茶な奴だな。
菫「おい淡、遊んでるなら置いてくぞ」
部長と話をしていた弘世先輩が淡を呼び付ける。
どうやら話は終わったらしい。
って言うかこのやり取りさっき見たな。
淡「あ、待ってよスミレー!」
先立っていた白糸台のメンバーに合流していく淡の後姿を見ながら俺は地面に転がるスチール缶を拾い上げる。
照「じゃあまた後で」
淡「また後でね! サキ!」
咲「うん、また後で」フリフリ
淡「……」
淡「キョータローのアホ! べー!」
あっかんべーをした後そのまま照さん達に付いて建物の中へ入っていく。
まったく、やれやれだぜ。
久「じゃあ私達も部屋に荷物を置きに行きましょうか」
和「はい」
部長に促がされて歩みを進める清澄の面々。
咲「見てたよ京ちゃん。ダメだよああいうの」
京太郎「いやいや咲さん。あれは俺らなりのコミュニケーションでしてね」
和「どこの地域限定のコミュニケーションですか」
京太郎「き、今日の和は突っ込み厳しいね」
prrrrrrr
咲「ケータイ?」
優希「誰だじぇ?」
京太郎「すまん俺だ。ん、っと……」
ズボンの後ポケットに突っ込んでいて携帯電話を取り出そうとするが荷物が邪魔で上手く取れない。
咲「片方持つよ」
京太郎「あ、すまん」
咲に荷物を分担してもらい、俺は取り出した携帯電話の液晶を眺める。そこには『赤土先生』の文字。
嫌な予感がする。
京太郎「はいこちら宇宙大統領。イタズラ電話の場合は銀河的に抹殺……」
晴絵『もしもし須賀君? 私、赤土だけど』
京太郎「あ、はい。須賀です。はい」
もっと乗っかってきてほしかった。
晴絵『悪いねー急に。今どこ?』
京太郎「今ですか? ちょうど玄関前ですけど」
晴絵『お、タイミング良いねぇ。じゃあ裏の駐車場までヨロ』
京太郎「え?」
晴絵『そんじゃね、待ってるから! よろしくー!』ガチャッ、ツー…ツー…
そして唐突に切れた。
台風みたいな人だ。
咲「京ちゃん?」
京太郎「デートに誘われましたー」
咲「え!? デートって、ええっ!!??」
久「モテること」
咲「デートって、え!? 京ちゃん私聞いてい、聞いてないよ!?」
和「落ち着いてください咲さん。あれはどう見ても用事を押し付けられただけです」
咲「あ、え、そ、そうなの? 京ちゃん」
京太郎「まぁ、はい。そうなんだけどね」
まこ「で、誰からだったんじゃ?」
京太郎「阿知賀の赤土先生が。なんか駐車場まで来てほしいって」
まこ「駐車場か。地下駐車場じゃなくてよかったの」
京太郎「地下?」
まこ「いや気にせんでいい」
久「駐車場ってことは車までってことね。とするとなにかの荷物運びかしら」
京太郎「おそらく」
和「どうします? 私達も行きますか?」
京太郎「いや特になにも言ってなかったしたぶん俺だけで良いと思う。みんなは先に荷物降ろしてきてくれよ」
咲「じゃあ京ちゃんの荷物は私が運んでおこうか?」
京太郎「いいよいいよ、別に。玄関ホールのどっか適当に置いといてくれれば」
咲「でも……」
久「咲。ここは須賀君を立ててあげましょう。きっと須賀君の1ミリ程のプライドが許さないのよ」
事実その通りだけどそういわれるとなんか悲しい。
咲「わかりました。じゃあ京ちゃん、用事が済んだらお昼、一緒に食べようね」
京太郎「おう!」
女衆が引き上げていくのを見送った後、俺は1人建物の裏手に回る。
コンクリで綺麗に舗装された駐車場にはほとんど車が停まっていない。
俺は視界を巡らせ目当ての人物を探す。いた。
晴絵「やぁ、悪いね。わざわざ」
京太郎「どうも、お久し振りです」
晴絵「はい、お久し振り。で、早速で悪いんだけど」
そう言って先生は車の荷台を開ける。
晴絵「これ、運んでもらって良いかな?」
なんだこりゃ、いや日本人なら誰でも知ってるようなものだけどなんでこれが今ここに?
京太郎「なんですかこれは?」
晴絵「なにって、炬燵だけど」
京太郎「それは把握してます(直伝)」
もうちょっと書きたかったけど時間なので終わりってことで
>>14
今のところこの集まりには来ない予定
小ネタとして時系列無視で京太郎が単独で遠征する話みたいなのは書きたいなーとは思ってるけど
晴絵「悪いんだけどそれ、上まで運んでってくれない」
京太郎「はぁ、まぁ良いですけど」
なんで炬燵。真夏に炬燵?
いや待て、いるだろ。知り合いに1人。真夏でもこれを必要とする人が。
京太郎「これってやっぱり宥さんの?」
晴絵「そーそー、大正解」
っしゃーっ!! なんかやる気出て来た。
京太郎「OK! 任してください」
晴絵「君ならそう言ってくれると思ってた! よ! 男前!」
京太郎「よしてくださいよ! おだてられると調子に乗るタイプなんで」
晴絵(だからおだててるんだけどな~)
京太郎「それじゃあ、よっと」
掛け声で勢いをつけて一気に持ち上げる。あ、あんまり重くない。
京太郎「これなら炬燵布団も一緒に持っていけそうですね。どこですか?」
晴絵「へぇ、素直に驚いた。結構力持ちなんだ」
京太郎「そりゃあ、日々のあれこれの賜物ですよ」
晴絵「じゃあ、ホントに悪いんだけどよろしくね」
京太郎「はい。任されました」
同行していた赤土先生と途中で別れ、宥さんと玄さんの宿泊する部屋に向かう。
京太郎「え、っと確かこっちだよな」
?「京太郎?」
お、この声は……
京太郎「鷺森先輩、トゥーッスッ!!(舎弟風)」
京太郎「お久し振りッス!! お変わりないッスか!?」
灼「うん、久し振り。……その荷物、宥さんの?」
京太郎「うッス!!」
灼「ならそこを真っ直ぐ行ったところだよ」
京太郎「アザッリャッスッ!!」
灼「じゃあ私、ハルちゃんの所に行くから。がんばって」フリフリ
京太郎「トゥーッスッ!!(舎弟風)」
去っていく鷺森先輩が見えなくなってから下げていた頭を上げる。
京太郎「さて、行こうか」
コンコン
<ハーイ
京太郎「失礼しま~す」ソロ~リ
ノックの返事を聞いてゆっくり戸を開く。
宥「あ、京太郎君」
京太郎「どうもどうも、お久し振りです宥さん。本日もご機嫌麗しゅう」
宥「うん。久し振り」ニコニコ
そろそろ久し振りという単語がゲシュタルト崩壊してきそうだ。
京太郎「1人ですか?」
部屋で1人座っていた宥さんが立ち上がり出迎えてくれるが、我がベスト・オブ・マイフレンズの姿は見えない。
宥「うん。玄ちゃんは穏乃ちゃんや憧ちゃんと一緒に、和ちゃん達に会いに行ったよ」
京太郎「そうなんですか」
そりゃ残念。
宥「それ持ってきてくれたんだ。炬燵」
京太郎「あ、はい。赤土先生に頼まれて」
宥「そうなんだ。ごめんね? 自分で持って行くって言ったんだけど……」
申し訳なさそうにシュンとしてしまう宥さん。
なぜかこっちまで申し訳ない気持ちになってしまう。
京太郎「おっと、待ってください。俺はお礼を言われこそすれ、謝られるような事をしたつもりはないですよ?」
ちょっとキザったらしかったかな。
俺の言葉にしばしキョトンとした後、口元を押さえてクスクスと笑い出す宥さん。
宥「ふふ、そうだね。ありがとう京太郎君」
ああ、やっぱり女性の笑顔は良いね。明日への活力になる。
それが美人ならなおさらね。
京太郎「じゃあちゃっちゃと組み立てちゃいましょうか」
宥「ええ!? そんな悪いよ」
京太郎「いえ実はこう見えて僕、炬燵の組み立てが趣味でして1日に1回は炬燵組まないと気がすまないんですよ」
宥「ええ~」
京太郎「ほらほら、ちゃっちゃとやりますよ。ちゃっちゃっちゃっと」
宥「わわわ、私も手伝うよ~」
そんなこんなで炬燵完成。
部屋の隅の邪魔にならない場所に設置。そこはまさに宥さんだけの聖域。
宥「よかったら京太郎君もどうぞ」ニコッ
京太郎「あ、これはご丁寧にどうも」ペコ
ゴソゴソ
あ~
宥「あったかいね~」ニコニコ
…………………………………………あっつ。
やっべぇ、これやっべぇ。
宥「~♪」ホコホコ
京太郎「……」ダラダラ
つい流れでご一緒することになってしまった。
いや、宥さんとご一緒するのはやぶさかではないのだがこれはちょっと。
京太郎「……」チラッ
宥「?……」ニコ
微笑まれてしまった。
普段の俺なら「暑い!もうお家帰う!」といって跳び出しているところだが、が!
そんな俺を見たら宥さんはどう思うよ? 涙目ぞ?
故意に宥さんを悲しませようと思えるほど俺はまだこの世界に絶望しちゃいないが、はてどうしたものか。
尭深「……」
な ん か 1 人 増 え て る !
尭深「……」ジョー
ティ○ァールですか、なかなか良いポットを使ってますね。
尭深「あの……お茶、どうぞ」スス
宥「あ、どうも~」
尭深「須賀君も」
京太郎「あ、すみません。ありがとうございます」
宥「……」ズズズ
宥「あったか~い」
平然と飲んだ。そしてめっちゃ幸せそうな顔してる。可愛い。
尭深「……」フーフー、ズズズ
湯のみ両手で持ってめっちゃフーフーしてから飲んでる。可愛い。
京太郎「……」ズズズ
…………………………………………あっつ。
トゥーッスッ!!(舎弟風)
ごめんねまったく話進まなくて
後、あんま見直しとかしてないから誤字とかあってもごめんね
言い忘れたけど厳密には電気ケトルね
その後、なんかすごい3人でお茶飲んだり積み木やったり趣味の園芸(録画)を見たり、
治安警察特殊機動隊(ユーバーファルコマンド)との激闘だとか、ラインアーク攻防だとか、第6聖女がうんぬんかんぬんだとか、
俺と宥さんと渋谷先輩の三角関係からなるラブロマンス(願望)だとか、もうアカデミー賞とかバンバン取っちゃう位の大スペクタクルが展開されたが割愛。
まぁこれで夏休みの絵日記の宿題に書くネタが出来たからよしとするか。そんな宿題ないけど。
で、今は3校全員がホールに集まっている。
咲「京ちゃん、大丈夫だった?」
京太郎「ん? ああ、なんか炬燵運ばされたけどただそれだけ。平気ヘーキ」
優希「この万年発情期の犬はすぐ他所の女の子と仲良くおしゃべりし出すからな。きちんと見張ってないとダメだじぇ」
京太郎「しゃべるのもダメなのかよ。大体ここ俺以外みんな女の子じゃん」
まぁ1人、年季の入った女の子がいらっしゃるけど。
京太郎「逆に俺が1人で壁に向かってブツブツしゃべってたらどう思うよう? 嫌だろ? 同じ部活の仲間的に」
優希「あー……」
咲「ち、ちょっとイヤだね……」
和「咲さんよく考えてください。だいぶ嫌です」
清澄カルテットで相変わらず中身のない雑談に耽っていたが、それも自然に収まりそれに合わせてか場がシンと静まる。
久「コホン、この度は3校合同合宿にお集まり頂き誠にありがとうございます」
穏乃「こう言うのって先生がアイサツとかするもんじゃないんですか?」ヒソッ
晴絵「良いの良いの。先生は生徒達の自主性を重んじる派だから」ヒソ
憧(面倒だっただけじゃないでしょうね……)
久「移動の疲れもあることと思いますので今日は自由行動ということで、よろしいでしょうか」
和「聞き覚えのある挨拶ですね」ヒソヒソ
まこ「考えるの面倒じゃったんじゃろ」ヒソッ
久「それと、今回はうちの須賀君が参加することになりましたので。よろしくお願いします」
部長の言葉に自然と全員の視線が俺に集まる。
俺は一歩前へ。ぐるっとみんなの顔を見回
淡「……」ムスー
なんかすげー目してる奴がいるんだけど。
穏乃・玄「……」ニコニコ、フリフリ
にこやかに手を振ってもらえた。天使や。
淡「ふん……」プイ
京太郎「えっと、この度は俺の参加を認めて頂いてありがとうございます」
京太郎「えー麻雀とかいろいろ不慣れ、不勉強なことも多いでですがご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします!」ペッコリン
<ワー、パチパチパチパチ
久「まぁ本人もこう言ってる事ですので、皆さんもビシビシこき使ってあげて下さい」
京太郎「任せてください! やりますよ俺は」
久「お、やる気満々ね男の子」
京太郎「もちろんですよ」
京太郎「なんか前回、長野でやった4校合同合宿で俺だけハブられましたけれど、それでも俺は部長に着いて行くという忠誠心の高さと心の雄大さここぞとばかりにアピールしていくって」
京太郎「そういう気概なんで!」
白糸台「……」ジトー
阿知賀「……」ジトー
久「ちょっ!? 須賀君あなたなに言ってるのよ! 違、みんな違うの! 仕方なかったの!」
久「だって来るのはみんな女生徒なのよ! 今回のが特例なの! やめて、私の悪者にするかのようなそんな目で私を見ないで!」
部長孤立! 経済制裁。
京太郎「……」
久「あなたも黙ってないでなにかフォローしてよ!」
京太郎「え? あー、大丈夫です! 俺、部長のこと尊敬してます!」
久「……」
久「なにが!? あなた連れて来てあげた恩を忘れてるんじゃないでしょうね」
京太郎「や、まぁそうなんですけど。けど言う時は言わないと」
久「良い度胸ね。須賀君は後で反省室に来るように」
え? ここそんなのあんの?
まこ「はいはい。そこら辺にしときんさい。お前さんらが漫才始めたら日が暮れるわ」
それを言われたら反論の余地がない。
まこ「それじゃあ、堅苦しい挨拶はこの辺にして解散ということで」
全員「はい!」
染谷先輩が締めてこの場は解散となった。
久「ちょっ!? 須賀君あなたなに言ってるのよ! 違、みんな違うの! 仕方なかったの!」
久「だって来るのはみんな女生徒なのよ! 今回のが特例なの! やめて、私の悪者にするかのようなそんな目で私を見ないで!」
部長孤立! 経済制裁。
京太郎「……」
久「あなたも黙ってないでなにかフォローしてよ!」
京太郎「え? あー、大丈夫です! 俺、部長のこと尊敬してます!」
久「……」
久「なにが!? あなた連れて来てあげた恩を忘れてるんじゃないでしょうね」
京太郎「や、まぁそうなんですけど。けど言う時は言わないと」
久「良い度胸ね。須賀君は後で反省室に来るように」
え? ここそんなのあんの?
まこ「はいはい。そこら辺にしときんさい。お前さんらが漫才始めたら日が暮れるわ」
それを言われたら反論の余地がない。
まこ「それじゃあ、堅苦しい挨拶はこの辺にして解散ということで」
全員「はい!」
染谷先輩が締めてこの場は解散となった。
なんかエラーで二重投稿になったわ
咲「京ちゃん、さっきの約束」
京太郎「おう。昼飯のな、先に部屋に荷物置いてくるから待っててくれ」
宥さん達の部屋から直でこの場に来た為、俺はまだ自分の部屋すら確認していない。
部屋割りは、清澄、白糸台が5人部屋。阿知賀がティーチャー赤土を含む6人の大部屋らしい。
かく言う俺は1人部屋。まぁ個室って言うのも気楽でいいよね。誰に気兼ねすることもない自由さと解放感、これは同室の人間がいては味わえない個室ならではですよね。
自己暗示で孤独感を誤魔化していたら俺の泊まる部屋に着いた。
まぁまぁゆーても外観が立派でしたし、きっと内装もなかなか趣のある……
…………………………………………せっま。
べぇ、まじやっべぇ。
これたたみ二畳くらいしかないですやん。これ。
布団敷いたらもうほとんどスペースないですやん。
部屋って言うか倉庫じゃん。
俺は部屋から顔を出して表を確認する。
『犬の間』
っと書かれていた。嫌なネーミングだ。
京太郎「いやいやいや、俺庶民だし? あんま広くても落ち着かないし? むしろこの閉塞感が心地良いし?」
狭い所が落ち着くのってなんでだろうねあれ?
自分を叱咤しつつ、この部屋唯一の特徴と言っても良い窓へと歩み寄る。
京太郎「ほら、窓を開ければこんな自然豊かな景色が……」ガラララ
…………。
ガララ、ピシャ
京太郎「崖じゃねぇか」
もうこの時点で先行き不安なんだけど。
大事なことだからもう一回言うけど>>45はミスです
後、なんか前の投稿とかと細々矛盾あるけど>>1は基本設定とかあんま深く考えてないのであんま突っ込まんとってください
やっとプロローグ終わったよ
こっからはテキトーに時系列とかあんま関係なく思い付いたネタ書いていくんでよろしくお願いします
安価って程じゃないですけどなんかリクとかあったら言ってください
答えれるかはわかりませんがネタ出しの参考にさせて頂きます
投下乙
部屋2畳だと誰かが京太郎の部屋に遊びに来たらすっげ接近して面と向かってになりそう
狭い密室で二人きり(意味深)のシーンが読みたいな
部屋見せれば他の部屋に入れてもらえそう
あまり見なかった合同合宿ネタ。もう一層の事全国合同合宿ネタ誰か書かないものかしら。……オレェ?
激動と混濁の合宿編第一部が幕を開けた。第二部なんかねぇよ。
ガラッ
淡「……」
京太郎「? ……淡?」
今を生きる俺は部屋の間取りと言う5分前の絶望を過去へと追いやり、飯でも食って気持ちを落ち着けようと部屋を出た。
出た先には壁に凭れ掛かってる淡。
京太郎「どうした? 女子の部屋は向こうだろ? それとも俺になんか用?」
淡「あの、えっと……」
京太郎「ん?」
淡「さっきは、ごめん……」
京太郎「なにが?」
淡「だから、自分でもさっきの態度は酷かったかなって……だから……」
泣きそうな顔で、長く伸びた上質な金糸のような髪を弄っている。
京太郎「ちょっとごめん」ガラッ
断りを入れて一旦部屋に戻る。
淡「あ、え? なんで……!?」
戻ろうとするのを遮られた。
淡「やだ、怒らないで。謝るから! 嫌いになっちゃヤダ!」
京太郎「怒ってないから、ならないから。ちょっとだけ、な? すぐ戻るから」ポンポン
淡「ホントぅ?」
京太郎「ホントホント」
淡「絶対だからね?」
京太郎「おう!」
再び自室(仮)。
俺はわき目も振らずに窓へと駆け寄り盛大に開け放す。
うむ! 改めて見ても崖だ。
俺は肺いっぱいに空気を吸い込み、そして一気に解放した。
京太郎「可愛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
カワイイイイイイイ
イイイイ
イイ
…
おい、なんだあれあんな可愛い生き物おるんかい?
ガラ
京太郎「悪い。待たせたな」
淡「///」
京太郎「なにモジモジしてんの? なんかキモいよ」
淡「っ…………もう! キョータローのアホ!」アワー!
京太郎「そーそーお前はそういう風に不遜な感じでいろよ。そっちのがお前らしい」ナデナデ
京太郎「まぁたまにはさっきみたいなしおらしいのも悪くないけどな」
淡「あ、う…………うん///」アワワ…
京太郎「よし! じゃあ飯でも食いに行くか」
淡「うん! えへへ」ダキ
京太郎「おわ!? おおい、いきなりしがみ付いてくるなよ」
さっきと打って変わって上機嫌な淡が腕に抱きついて来る。
淡「いーんだもーん!」アワワ!
京太郎「ったく、現金な奴」
まぁそういうとこ嫌いじゃないけどね。
淡「そだ、ついでにちょっとジュース買ってきて」
京太郎「おい、あんま調子に乗るなよ」
>>50
>>53
狭い部屋で密着だの、突撃!隣のお部屋だの出来たらいいかなって
>>54
ちょっとねぇあんまキャラいっぱい出すと>>1の技量的に扱いきれなくなるかなって思って参加校絞ったんだよね
ごめんね
いまんとこ淡がちょいリードしてトップなのかな?宥さんもけっこう先行してるけど
まだ始まったばかりなんで何とも
まあ非安価だから>>1の好み次第なんだろうが他の人の出番にも期待
咲「……」
京太郎「買出しですか?」
久「そうなのよ。実はここ、食事は自炊なんだけどどうも備蓄が空みたいなのよ」
京太郎「なるほど。そこで俺の出番ってわけですね」
京太郎「優希、お前なに食べたい?」
優希「タコス!」
京太郎「でしょうねぇ。言うと思ったよ」
京太郎「他のみんなは?」
和「そうですね。なにか軽いものでお願いします」
京太郎「あいよ。じゃあ、そうだなぁ……今から行って帰ってくるとそんなたいした物作れないし簡単に出来るサンドイッチかなにかにするか」フンフム
まこ「すまんの。お前さんにばっかり雑用を押し付けて」
京太郎「気にしないでくださいよ。これはこれで結構楽しいんですよ」
まこ「ありがとうな。……っで、それはそうとさっきから気になっとったんじゃが」
久「ああ、うん。実は私も気になることが1つ」
京太郎「なんですか?」
「なんで、京太郎(須賀君)の腕に大星さんがしがみ付いてるの(んじゃ)?」
淡「えへへ、キョ~タロ~」アワスリスリ
優希「やっぱり京太郎は天然ジゴロだじぇ」
和「麻雀もこのくらい熱心に取り組んでくれればいいんですが……」
京太郎(ボロクソ言うなこいつら)
咲「……」
京太郎「うわ、無言の咲めっちゃコワッ!?」
優和ま久「……」ジトー、シラー
咲「……」
ああ、ing系で俺の信用とかなんかいろいろが低下している……
照「話は聞かせてもらった」バーン!!
な ん か ま た や や こ し い の が 来 た !
菫「なんというか、その……すまない」
お付の人も来ちゃったよ。しかも第一声が謝罪って……
苦労なされてるんですね。
久「え、えーっと……宮永さん?」
照「買出しに行くんでしょう?」
久「ええ、まぁ」
照「私も行く!!」ドーン!!
清澄「……」チラッ
菫「うう、すまない……」
京太郎「さ、作戦タイム!」
照「了承」
照さん(と淡)をいったん放置し、弘世先輩を加えた6人で顔を突き合わせて作戦を練る。
京太郎「どういうことですか弘世先輩!?」ヒソ
菫「わからん! 買出しの件で竹井部長や鷺森部長、赤土先生と相談せねばと言ったら突然自分も行くと言い出して」ヒソヒソ
菫「というわけで須賀、申し訳ないがよろしく頼む」ヒソヒソ
ええ~また俺ぇ~?
京太郎「あの、そういう面倒ごと俺に丸投げするのやめて頂けません?」ヒソヒソ
菫「あれを制御出来るのお前と、妹さんだけだ。だからお前に頼らざるを得ない」ヒソヒソ
まぁもう一方がこれだからな。
照←あれ
咲←これ
咲(今、酷い扱いを受けた気がする)
久「良いじゃない。人手は多い方がいいんだし」
さすが部長。他人を使うことには余念がない。
京太郎「そもそも、危険ですよ。知らない土地で宮永の血族を無闇に歩き回らせるのは」
咲「え? それ私も含んでるの?」
菫「う、うむ。それもそうか……」
京太郎「ダメですよ、きちんと管理しないと。この2人迷子の頻度が多いですから」
京太郎「ちょっと常軌を逸してるんで、その辺管理しないとやばいですよ」
照「まだ?」
しびれを切らした照さんが俺達が囲んでいた円陣を覗き込んでくる。
「……」
淡「~♪」
誰も何も答えない。あ、これ俺が交渉する流れだ。
太郎「え~っとなんで照さんは自分から買出しを申し出たんですか?」
照「それは、えっと……」ワタワタ
ジェスチャーでなにかを必死に伝えようとしている。
ふ~む。なるほどなるほど、なるほど~
京太郎「お菓子なら買いませんよ」
照「…………え?」テルガーン!
そんなこの世の終わりみたいな顔されても。
なんか久々に会ったら嗜虐心を擽られるなこの人。
照「どうしても?」
京太郎「どうしても」
照「なんでいじわるするの?」
京太郎「なんででしょうねぇ?」
黒目の縁の辺りがフルフルしてる。可愛い。
咲「だ、大丈夫だよお姉ちゃん。私がお菓子持ってきたからそれ一緒に食べよう? ね?」ナデナデ
照「うん……」テルテル
京太郎「咲、そうやってお前が甘やかすからいつまで経っても照さんがポンコツなんだぞ」
咲「ううぅ……」
菫(この男、順当に宮永の血統に火をくべているな)
京太郎「なんつって」
照咲「……ふぇ?」
京太郎「お菓子ですね? もちろん買って来ますよ」
照「本当?」
京太郎「本当本当」
咲「よかったね! お姉ちゃん」
照「うん!」
ふぅ、好きな子に意地悪しちゃう系の小学生の心境が少し垣間見えたな。
しかしよかった。これでめでたしめでたしだな、うんうん。
咲「あ、そうだ京ちゃん」
京太郎「うん?」
咲「そう言えば、さ……」
京太郎「お、おう……」
なんだこの、得体の知れない悪寒は……
咲「な ん で 淡 ち ゃ ん と ベ タ ベ タ し て た の ?」ゴッ
京太郎「え?」
咲「京ちゃんのぉ…………」
咲「バカァァァァァァァァァァーーーーーーーーー!!!!!」ドゴォッ!!
京太郎「どぅごっふぉっ!?」
なんか……魔貫光殺砲みたいなエフェクトのボディブローが腹部に突き刺さった。
お前、ずっと気をためてたんか……
優希「見え透いたオチだじぇ」
和「予想外という程のものではないですね」
う~ん(難産)
>>73-74
まぁ基本は女の子とキャッキャウフフするのが目的なんで
今はそんなあんま個別の好感度とか√とかは考えてないです
>>75
安価もやってみたいんだけど人が多くいる時間帯はあんま家にいれないし
シチュエーション安価も期待だけさせといてやっぱ出来ませんでしたってなるのも悪いかなって思うし
まぁまた考えてみるます
小銭を取り出し自販機に硬貨を投入、商品を選択してボタンを押す。
足音。
音した方に顔を向けると阿知賀の中堅がいた。
京太郎「よう、憧」
憧「やっほ」
一考。
京太郎「お前なに飲む?」
憧「ん……ん~じゃあ、りんごジュース」
京太郎「あいよ」
同じ動作を反復し取り出し口から缶ジュースをもう一本取り出す。
京太郎「ほら」ヒョイッ
憧「わっとと……お、まとも。京太郎の事だからおしるとか渡してくるかと思った」
京太郎「そのネタはもうやった」
憧「誰に、とは聞かないでおくわ」
京太郎「ありがとよ」
憧「ってかなに? 120円であたしとコミュニケーションでも取ろうって? 安く見られたものね」
京太郎「これでも高く見積もったつもりだけどな。しっかり受け取ってるし」
憧「貰えるものは貰うわよ」
京太郎「ちゃっかりしてるね」
憧「それがあたしの良いところ♪」
京太郎「はは、言ってろ」
憧「そうだ、あんたどうせ暇でしょう? ちょっと付き合ってよ」
そう言って憧は右手に掲げた缶の縁を指先で叩いて鳴らす。
これは一杯付き合えって事なんだろうな。
連れ立ってサロンにやってきた。
サロンと言ってもただの応接室でもなくれっきとした麻雀の練習室でもある。
中央には自動麻雀卓が4つあり、周りにはテーブルや長椅子、観葉植物が置かれており部屋の隅には給湯用のコンロなんかもある。
幸い、と言うわけでもないが人はおらず俺達は揃ってソファーに腰を下ろす。
憧「それで、クラブのちび達が『私達も行く~!!』って聞かなくてさ」ケラケラ
京太郎「そりゃ災難だったな。ところで、阿知賀のこども麻雀クラブって無くなったんじゃなかったのか?」
憧「ん? ああ、ハルエが戻ってきたからね。インハイ終わって時間も出来たし、ちょっとずつまた集まりだしたのよ」
京太郎「ふぅん。楽しそうだな、憧」
憧「まぁそれなりにね。…………ふぁ」
可愛らしく欠伸をかみ[ピーーー]憧。
京太郎「眠いのか?」
憧「ん、少し」クシクシ
京太郎「移動で疲れたんだろ。もう部屋戻るか?」
憧「もう、少……し……」
トン。
肩に軽い重みと温かな温もり、それ混じって微かに甘いような女の子特有の香りがして僅かに動悸が早まる。
京太郎「ああ、だから言わんこっちゃないのに……」
しゃーない。面倒、ではないが……いや誰かに見付かって誤解されるのは面倒だが部屋まで運んでやるとするか。
そう思いつつも、少しだけ可愛らしく寝息を立てている少女の顔を観察する。
憧「Zzzz……ん……」
小さく身動ぎする憧。前髪が一房目元に掛かる。
途端、寝苦しそうに僅かに顔をしかめる。俺は空いている方の指先で、乱れた前髪を払ってやるとまた元の穏やかな寝顔に戻る。
京太郎「まぁ、もうちょっとだけこのままでもいいか」
缶の底に残った飲み差しのコーヒーを一気に仰ぐ。
京太郎「冷めちゃったな……」
>>100
やっべ完全に忘れてたわ
>可愛らしく欠伸をかみ[ピーーー]憧。×
可愛らしく欠伸をかみ殺す憧。○
ここ修正って事で
京憧って難しいね(小宇宙並の感覚)
前回のオチはまぁ自分でもどうかなって思いましたけど
まぁいいでしょたまにはこう言うのも
憧「京太郎のことだからおしるでも渡してくるのかと思った」
おしる(意味深)
ガチャ
京太郎「ん?」
久「あ……」
テーンテンテーン!、テーンテンテーン! テッテッテッテ、テッテッテッテ……
憧「…………」スースー
京太郎「あの、か、こ、これ勘、勘違いしちゃダメですよ?」
久「ふ~ん。もうそんな事するとこまで進んでるんだ? 意外と手が早いのね」ニヤニヤ
久「むしろ意外でもなんでもないのかしら?」
京太郎「いやだから、これはあのだから」
回らない舌と頭で必死に言い訳を捻り出していると、部長は近くにあったテーブルの椅子を引き寄せ俺と隣で寝息を立てている憧の前に陣取る。
京太郎「なんでしょうや?」
久「いや、続きが気になるから」
京太郎「何もしませんよ!?」
久「うそん。こんな女の子が無防備な状態で近くにいるのに何もしないなんて……はっ!?」
その瞬間、我が清澄高校麻雀部部長竹井久先輩今日も緩く結んだおさげが決まっている。その額に閃光が駆け抜ける。
まるで世界の真理を見出した賢人の様に重々しく頷き、
久「実はホモ?」
京太郎「違います」
そうのたまいやがった。
そんな事実あってたまるか火サスとかそんなレベルじゃないぞ。
京太郎「これはあの、あくまで善意から偶発的に自然発生した状況であってこれ以降はなんら進展性を保持していませんよ?」
久「つまんなーい」
俺はあなたを楽しませるために生きてるんじゃありませんよ?
久「まぁいいわ。新子さんに悪いし馬に蹴られる前に退散しましょうっと」
ガタ
京太郎「良いんですか? なんか用事とかあったんじゃ」
久「良いのいいの。ブラブラしてただけだから」
久「須賀君もあんまりフラフラして、周りをやきもきさせるのはダメよ?」
京太郎「? ……はぁ」
久「じゃあね」フリフリ
そういって手を一振りし言うだけ言って部長は去っていった。
なんだったんだろうな。
ワイワイ! ガヤガヤ!
照「……」モッキュモッキュモッキュモッキュモッキュモッキュ
菫「おい照、そんな一気に頬張ると……」
誠子「この紅茶美味しい」
和「それはアールグレイのウンタラカンタラ」
尭深「紅茶も悪くない……」コクコク
灼「ハルちゃんお酌するよ」
晴絵「お、悪いな灼」
久「私も一杯いいかしら?」
優希「こういう時こそタコスだじぇ!」
宥「辛いけどあったかいね」ニコニコ
まこ「お好み焼きっちゅんわな、こうして……よっと!」
穏乃「おー!!」パチパチ
淡「上手ー!!」パチパチ
咲「カレー出来ました!」ガチャ
玄「食べる人は挙手してください!」
「「「「「「「「「「「「「「「はーい!!」」」」」」」」」」」」」」」
京太郎「って、ちょっと待てい!! なんでみん、」
「「「「「「「「「「「「「「「しーーーーー……」」」」」」」」」」」」」」」
京太郎「っ……!?」
憧「…………」スースー
穏乃「ダメだよ、京太郎。そんな大声出したら、憧が起きちゃう」ヒソヒソ
お前が、いや……お前らが言うな。
京太郎「ちくしょう、ああうん。えーみなさんなんでここに集まってるんですか?」ボソ
晴絵「それは私が説明しよう」
教師出陣。
晴絵「須賀君は衆人監視の密室って知ってる? つまりそういうことよ」
京太郎「は?」
晴絵「よし! 宴会再開!」
ワー!ワー! ガヤガヤ
こいつらただ騒ぎたいだけと違うか?
久「言っとくけど私じゃないわよ」
なにもゆーとらんがや。
咲「京ちゃん、スルメ食べる?」
京太郎「ありがとう。けど煙いから屋内で七輪はやめて」
咲「ねぇ京ちゃん」ヒソヒソ
京太郎「んあ?」モキュモキュ
咲「もし隣にいたのが私でも、同じようにしてくれた?」
京太郎「それは、まぁ」
咲「そっか」ニコ
タタタッ
京太郎「なんだ?」
優希「タコスもあるじぇ!」
京太郎「ありがとう。俺の作り置きだけど……」
優希「なにおう!? 犬のくせにこのゆーき様のタコスが食えんというのか!?」
京太郎「もらうっつってんだろ。あ、やめろ鼻に押し付けるな! 痛い!? スパイスが鼻に痛い!! やめろぉ!!!」
宥「大丈夫? 寒くない? タオルケット持ってきたから」パサ
京太郎「すみません。わざわざ」
宥「~♪」
京太郎「あの、なにか?」
宥「ううん。暖かそうだなって」ニコニコ
淡「む~」プク
京太郎「今度はお前か」
淡「アコばっかりズルい!」
京太郎「ズルいってなぁ」
淡「おでこにマジックで魚肉って書いてやる」
京太郎「やめなさい。ってかなんで魚肉」
淡「そんでアコが起きたらキョータローがやったって言っちゃうもん」
京太郎「おいそれやったらお前あの、あれだからな? 今晩寝てるお前の部屋侵入して顔と言う顔に牛タン貼り付けて油でギトギトにするからな?」
淡「じゃあ私には腕枕して」
京太郎「何故そうなる」
淡「良いもん! 私が逆に京太郎の部屋に侵入してやるもん」タタタッ
京太郎「あ、おい…………なんなんだあいつは」
玄「あはは、みんなすごいね」
京太郎「玄さん」
玄「お腹空いてない? カレー持ってきたけど」
京太郎「ありがとうございます。…………なんですか、この珍妙なものは」
玄「えっと、これが照さんがくれたマフィン、優希ちゃんのタコス、こっちが咲ちゃんのスルメでしょ?」
玄「この部分が染谷さんの広島焼きで、それと亦野さんがくれたマグロの目玉とウツボの肝かな」
ふざけたトッピングしやがって。盛れば良いってもんじゃない事を物理的に教えて差し上げたい。
玄「そのままじゃ食べにくくないかな?」
京太郎「え? まぁ片手が少し」
玄「その、ね? よかったらわわわ私が! その、た、食べさせてあげたりとかしようか? なんて言っちゃったりなんかしてみたりして!///」テレテレ
京太郎「あ、マジですか?」
平静を装いつつ内心で盛大にガッツポーズを決める。おいおいどんだけ天使やねん。
憧「…………」
心なしか憧からかかる重みが増した気がするがそれはきっと俺の心境の変化的なそれだろう。つまり気のせい。
玄「そ、それじゃあ失礼します///」カチャ
京太郎「は、はい。お願いします」ドギマギ
晴絵「玄ー! おつまみ足りなーい!」
玄「」
京太郎「」
玄「あ、あはははは。それじゃあ先生も呼んでるし私行ってきますのだ!///」ワタワタ
京太郎「はい。ど、どうぞ……」
タタタッ
京太郎「……」
空気読めよレジェンゴォォォォォォ!!!!
穏乃「よし、1番! 高鴨穏乃、歌います!」
淡「なにおう! なら歌で勝負だ高鴨穏乃!」
穏乃「お!? デュエットだね? 受けて立とうじゃないですか!」
淡「選曲は?」
穏乃「もちろん!」
淡穏「「ルミナス!」」
穏乃「呼んだ希望辿って止めた世界を超えた」
淡「諦めない想いいつしか心繋げた」
穏乃「泣いていたって笑って」
淡「明日迎えに行こう」
淡「決めた誓い辛くて倒れても」
穏乃「君のココロを守るため」
穏淡「君の側にいよう」
シーン……
ワー! ワー! パチパチパチパチ
イイゾー! フタリトモカワイイー!
最早、収拾不可能なほどのどんちゃん騒ぎに発展していた。
3人寄れば姦しいとは言うがその3倍近い人数が集まるとこれ程の騒ぎになるのか。恐るべきパワーだ。
憧「Zzzz……ん、…………」スースー
と言うかこいつもこの状況でよく寝ていられるな。実は起きてるんじゃないのか?
憧「ん、んん……」
そう思った矢先、先程まで大人しく寝息を立てていた憧がモゾモゾと身動ぎしだす。
憧「ん、ふわぁぁ~~…………あれ、あたし? なにして?」ゴシゴシ
憧「うん?」キョトン
京太郎「おはようございます」
メインシステムパイロットデータの認証を開始します。
憧「お、おはよう……」
メインシステム通常モードを起動しました。これより作戦行動を再開、あなたの帰還を歓迎します。なんつって。
憧「ん……?」ゴソゴソ
ここで状況を整理しよう。俺と憧は今ほぼ一分の隙もないほど密着している。それはもうお互いのまつ毛の本数が数えられるほどだ。
なにかで見た恋人の距離が10cm、あれ5cmだったっけな? まぁとにかくそんなものを超越した至近距離である。しかも仲良く同じタオルケットに包まっている。
憧「…………!?!??!?!!?!?!////////////」プシュー!!
見てわかるほどに憧の顔が急沸騰。あ、なんか嫌な予感。
憧「きゃああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ドゴォッ!!
右腕のミサイルが俺の鼻っ柱に突き刺さった。
そこは普通に女の子らしくビンタとかじゃないんですか?
憧「ごめん! ほんっとごめん!」ペコペコ
さっきからこの調子で謝りっぱなしの憧。
京太郎「いや、いいよ。大丈夫だから」
憧「でも……」
京太郎「いや、お前はいい。いったん置いとくいったんな? だからいい」クルッ
京太郎「…………………………君達だよ」
「「「「「「「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」」」」」」」
京太郎「なんか、俺が憧の鉄拳を受けた瞬間『これが見たかった!!』みたいな顔しやがって」
久「あはは、いやーしかしなかなかいいのが決まったわね」
部長が顎先を撫でながら俺の鼻の頭をまじまじと見つめる。
菫「ふむ、これ程のヘヴィパンチャーはそうはいないな」
弘世先輩がうんうんと関心している。くそ、あなたはこっち側だと思ってたのに!!
晴絵「まぁあれね、予定調和って奴?」ケラケラ
この人本当に教師か? 教員免許偽造とかじゃないだろうな?
穏乃「憧は男の子に免疫無いからね~。まぁ仕方ないっちゃ仕方ないよね」
穏乃「けど、京太郎には結構心許してるみたいだよ?」ヒソヒソ
耳元で小さく耳打ちする穏乃。
京太郎「ほっほぉ~~~~~う」ニヤニヤ
憧「うっわ、嫌な笑い」
咲「……」
淡「むぅ……」
玄「あうあう……」ソワソワ
久「さーて、見るもの見たし片付けしてみんなお風呂にでも行きましょうか」
最早、大晦日の年越しの感覚か? 「年明けたし寝よう」みたいな。
京太郎「あ~あ~、まったくこんなに散らかして……」
これが合宿の間ずっと続くのか……
まったくもって前途多難だ。
つづく
俺が書きたいように書けば良いと思った
>>108
やっちゃったぜ
ってかうわ~死にて~
狩人やってるのかな?
咲「だからね? えっとここでカンすると、次で嶺上開花を和了れるから……」
京太郎「……」
優希「タコスだじぇ。タコスを食べれば配牌もツモも良くなるんだじぇ」
京太郎「……」
久「須賀君も悪待ちやってみたら? あなた幸薄そうだし逆を突いてみるのもいいかもね」ケラケラ
京太郎「……」
照「京ちゃん京ちゃん。明日のおやつはホットケーキがいいな」
京太郎「……」
淡「だから、こう……フッ!って力を入れると配牌でテンパッてるから初手ダブリーぶっぱで後はカンして和了だけ。ね、簡単でしょ?」
京太郎「……」
尭深「各局の第一打がオーラスの配牌として戻ってくるからそれを意識して打つといいよ」
京太郎「……」
誠子「とにかく鳴くんだ。鳴けばいい」
京太郎「……」
穏乃「目の前の山を踏破すれば良いんだよ!」
京太郎「……」
玄「ドラです。ドラを集めるのです」
京太郎「……」
宥「あったかい牌がね、いっぱい集まると手がとってもあったかいんだよ?」
京太郎「……」
灼「ボウリングの技法を取り入れて筒子多面張で」
京太郎「……」
晴絵「須賀君って10回に1回くらいの確立で不要牌ツモるよね。あはははは」
京太郎「……」
京太郎「お前らみんなアホッ! [ピーーー]ばいい!」ダッ
菫「逃げたぞ、者共! ひっ捕らえろ!」
和「須賀君! 気持ちはわかりますがここで逃げてはダメです」ガシッ
まこ「あれらは例外じゃ。もっと普通に、普通にやれば良いんじゃ」ガシッ
憧「本質的にダメね。この男」
久「軽いコントも終わったところでお風呂でも行きましょうか」
まこ「相変わらず切り替えが早いな。お前さんは」
久「喜びなさい。なんとこの旅館、温泉があるのよ」
京太郎「お! 良いッスね温泉」
女性陣「……」シラー
なんか酷い誤解を招いてる気がするが。
京太郎「あの、一応言っときますけど別にそんな皆さんが思ってるような下心とか無いですからね」
ってか温泉に反応したのにあの目。普段からそういう思われてんのかな俺って。
和「須賀君は温泉好きなんですか?」
京太郎「温泉ね。まぁ人並か、より上くらいには好きよ」
咲「気持ちいいよね。温泉」
京太郎「そうそう。『日本人たる者、心の郷愁を覚えずにはいられないな!』って宮守のエイスリン先輩も言ってたしな」
久「あの娘確かニュージーランド出身よね?」
憧「一応釘刺しておくけど、お風呂覗こうなんて考えたら……わかってるわね?」ジト
京太郎「ああ? この俺が? 覗き?」
京太郎「随分と低く見られたもんですな?」
っていうか、人の肩で好き放題寝息立てといてよう言うわ。
京太郎「俺がそんな姑息な事をするとでも思ってるんですか?」
憧「言い切ったわね。信用していいの?」
京太郎「おう、覗きなんて卑怯な手段は使わない」
京太郎「正面から堂々と一緒に入る!」バーン!!
―――――
―――
―
京太郎「ちくしょう! 冗談なのに! 解けちくしょう!」
ビッタンバッタン!!
憧のヤロー両手両足を縄で縛った上にその上からさらに布団でグルグル巻きの簀巻きにしやがった。
仮にそこは大譲歩するとして廊下に放置するのやめてもらえませんかね?
玄「ふぇぇぇぇ」ビエーン
京太郎「玄さん、俺のために泣いてくれるんですか?」
玄「ごめんね。京太郎君、私に力が無いばっかりにこんなことに」グスン
そう言いながら玄さんは無造作に放り出されていた俺の頭部を自らの膝に乗せてくれた。
後頭部に感じるこの柔らかさと温かさ。
そしてこのアングルから見える双丘のなんとすばらなことか。
京太郎「玄さん、行ってください」
玄「ふぇ?」
京太郎「俺はここまでみたいです。しかし同じ志を持つ者として玄さんには先に進んでもらいたいんです」
玄「で、でも……」
京太郎「泣いても、後悔しても、それでも前に進めってあんたはあの準決勝でそう決めたなんじゃなかったのか!?」
玄「それは……」
京太郎「じゃあ行けよ! 行って思いを遂げろ! 俺の心はいつでも一緒にいるから」ニコ
玄「っ……」ゴシゴシ
玄「わかりましたのだ!」ガバ
決意を宿した瞳を湛え、玄さんは勢いよく立ち上がる。同時に俺の頭部が廊下の床に激突、鈍い音を上げる。
いって……
玄「松実玄、行ってまいります!」ビシッ
京太郎「あの、でももしどうしてもって言うならここで俺の話し相手になってくれてもいいですよ?」
京太郎「俺なんも出来ないですけど、しりとりくらいなら、」
玄「待っててね! おもちパラダーイス!!」ドヒューン!
京太郎「出来ま………………はえぇ……」
しばし一考。
京太郎「縄解いてもらえばよかったな」ビタンビタン
温泉
淡「それワシャワシャ!」アワアワ
優希「あはははくすぐったいじぇ淡ちゃん!」ワシャワシャ
晴絵「ああ~五臓六腑に染み渡るわ~」
憧「ハルエ年寄りくさぁ」
晴絵「はっ、あんたらもね二十を過ぎればこうなんのよ。せいぜい覚悟しておくことね」
憧「うわ、嫌だな」
晴絵「若い若い若さ漲るパワー最高っ」
和「気持ちいですね」バイーン
照「」テルーン
尭深「はい」バイーン
照「あの、お願いだから2人とも私を挟んで座らないで」ザバザバ
和「行ってしまいましたね。どうしたんでしょか」
尭深「さぁ?」ハテナ
まこ「京太郎には悪いことしたかもな。なにもあそこまでせんでも」
久「うーん…………面白いから許す!」
まこ「相変わらず辛辣じゃな」
みんなが風呂に行ってからそれなりに時間が経った。
京太郎「うーん……」ゴロゴロ
身動き出来ないのはいいが退屈なのは簡便してもらいたいな。
京太郎「うーん……」ゴロゴロゴロ
プ~ン……
京太郎「この音は……」
蚊「やぁ」
ちくしょう! なんか来やがった! やめろ、やめて来ないで!
プス
あ……
眉間を刺された。 どうする! どうする!?
京太郎「だぁー!」ドゴッ
手が使えない俺は咄嗟に壁にヘッドバットを叩き込んだ。
プ~ン
蚊は血を吸うだけ吸うと、何事も無かったかのように去って行った。後には痒みと痛みと簀巻き俺だけが取り残された。
このやり様の無い、言葉では言い表せない虚しさと悲しさ。
そしてなにより眉間が痛い痒い痛い痒い。
今、この両手が自由なら眉間を掻き毟ってしまいたい。
だが出来ない!!
目の前にあるのは床と壁。
ふと、その壁がとても魅力的見えた。
この痒みを抱えた額を擦り付ければどれだけ気持ちいいだろうか。
いかんとてもいい案に思えてきた。
けどそうれはどうだ? 人としてのなには大事な尊厳的なものが瓦解するんではなかろうか。
しかし背に腹はかえられない。俺は人間を捨てる!
ゴリゴリ、ズリズリ
ああ、俺、今すごく気持ちいい。
ちょっと気持ちよがり過ぎな気もしなくも無いが。
カラーン
京太郎「え?」
咲「京、ちゃん……」
京太郎「咲?」
乾いた音が響き、そちらに目を向けるとそこには風呂上りの咲が立っていた。
音源はどうやら手に持っていた風呂桶を落っことしたためらしい。え? 普通備え付けのがあるだろ。まさか自前?
咲「京ちゃん!」ダッ
咲「ごめん、ごめんね。辛かったんだね? 苦しかったんだね?」
なに言ってんだこいつ。
咲は一生懸命、俺に巻かれたプーロ……違う。ロープを解いてくれる。
京太郎「え、なに? …………ああ」
なるほど、客観的に見て今俺は簀巻きのままデコを壁に押し付けててなにはやっている状態だったのか。
…………………我ながら頭おかしい。
咲「大丈夫? 頭」
言葉だけ聞くと心配されてるのかバカにされてるのか判断に困るな。
なぜかまったく意図していなかった幼馴染の同情を買うことに成功してしまった。
今思い出しても恥ずかしい。死にたい。
俺と咲はマブだ。
ここに集まってるメンバーの中でもっとも付き合いが長い古馴染みだ。
お互いの結構恥ずかしい失敗談なんかももちろ知ってる。
だからこそ逆に見られた無かった。
これからしばらくの間、あの雨に濡れた捨てられた仔犬を見るような憐憫の眼差しで見つめられるのかと思うと、
悔しさと悲しさで枕を濡らさずにはいられなかった。
なんかなんも思い付かんから今日は終わり。
>>131
僕カプ畜だけど4は買ってないんだ
京太郎「う~ん……」ゴロゴロ
京太郎「う~ん…………」ゴロゴロ
なんとなく寝付けずに自室(仮)を右往左往。
右往左往っていうか狭い上に寝転がっているので言うほど動けないんですがね。
興奮して眠れないとか、しかも前日でもなく当日とは。小学生とも言えない謎の感性。
コンコン
京太郎「ん?」
小さく響いたノックの音。こんな時間に?
トイレに立った咲が道に迷ってたまたま通りかかったから泣き付きに来たか?
俺はのそのそ起き上がりずれた寝巻きを正しつつ戸を開ける。
京太郎「はいはいどちら様?」
和「こんばんわ♪ 須賀君」
そこにいたのはチームメイトの和だった。
意外な人物に思わず目を丸くする。
京太郎「和? どうしたんだこんな時間に」
和「ふふふ」トン
京太郎「え?」
俺の疑問に答えず、軽く胸を押される。
それほど強い力でも無いのに抗えない何かに気圧されるように、俺は一歩、自室(仮)に後退る。
一歩引いた事でその分、和が一歩踏み込む。
踏み込んだ勢いのまま和はゆるゆると俺の身体に両腕をまわしてきた。
京太郎「の、和……?」
行き成りの事で事態が飲み込めない。
それと抱き締められる事で押し付けられるあれこれが、なんというか、その……すごく柔らかいです。
和「やっと、やっと……この時が来ました」ギュゥ
京太郎「は? いや、あの……」
和「須賀君、いえ京太郎さん……」
下の名前で言い直しながら潤んだ瞳で見上げてくる。
ゴク
正直、堪りません。
和「ずっとこうしたかったんです」ギュウ
そういっていっそう身体を強く押し付けてくる和。
おいおいおい、これってもしかしてそういうことなんですかね?
京太郎「それってその……和は俺のこと?」
和「はい。ずっとお慕いしてました」
遂に来ちゃったかぁ~俺の時代が。
京太郎「あの、いやでもほら。ここ合宿場で他にみんなとかいるし」
和「京太郎さんは、私のこと嫌いですか?」
京太郎「もちろん好きだよ。好きか嫌いかって言われりゃもちろん好きだけど、でもたぶん和の言う好きとはたぶん違うって言うか」
たぶん俺の好きは麻雀に、そしてそれ以外にも真剣に向き合う憧れ的なもので。
それに俺には咲が…………あれ? 俺なんで咲に義理立てしてるんだっけ?
よく考えりゃ咲とか別にどっちでもよかった。俺は「ちょっと!?」っとむくれる幼馴染の顔を遠投で遠くに追いやる。
和「…………ん」
これは……
目を閉じ、そっと唇を上に向けている。つまりそういう事で良いんですよな?
ってか、今更だけど憧れてた女の子が夜自分の部屋に逆夜這いをかけに来るなんて、
こんな男心をくすぐる様な俺好みな展開は強引過ぎるって言うかまるで夢見たいな……え? 夢!?
和「ピピピピピピピピピ……」
あ、夢だこれ。
―――――
―――
―
pipipipipipipi
ムクリ
ゆっくりと上体を起こし、鳴り止まぬ目覚まし、っというかケータイのアラームに手を伸ばす。
頭を掻きながらあたりを見回すと、まぁ当然だが自室(仮)の布団の上だった。
カーテン越しに差し込む薄白んだ明かりからするともう朝らしい。いつの間にか寝てたようだ。
立ち上げってカーテンを開き、窓を開け放つ。
京太郎「夢ならもっといろいろサービスしてくれよぉぉぉぉぉ!!!!!!」
誤解の無いように言っときますけど1番好きなのは京咲です
ちなみに>>1はMHF民のカプ畜です
京太郎「っていう夢を見たんですけど、どう思います?」
菫「そのいかがわしい夢の話を何故私にする?」
京太郎「誰でもいいからブチ撒けたかったんです!」
菫「バカか君は」
一刀のもとに斬って捨てられた。
確かに自分でもちょっと頭悪いかなって思わなくもないけど。
淡「むぅ……」グデーン
それとさっきから俺の背中に乗っかってくるのが1人。
京太郎「なんなのさっきからあなたは?」
淡「な~んで私じゃなくてノドカが夢に出てくるの!? 私の夢を見ろ!」
京太郎「はぁ? お前、俺が夢を自在にコントロール出来る系の能力者かなにかと勘違いしてないか?」
京太郎「もしそうならもっとこう、……さぁ」チラ
ついつい視線がおも、渋谷先輩の方へと引き寄せられてしまう。
尭深「ポッ(棒)」
淡「なんか見詰め合ってるー! タカミーも満更じゃない感じだしてるー!」アワーン!
尭深「お茶美味しい」ズズ
淡「とにかくキョータローは今晩は私の夢を見ること!」
京太郎「前から思ってたけどお前なんでそんな偉そうなの? どこの立場の人間だお前は」
淡「そうだ! 枕の下に写真入れるとその人の夢が見れるっていうよね」
京太郎「ああ、まぁ言うな。思いっきり眉唾だけど」
淡「写真、写真を撮ろう!」
京太郎「言うけどカメラなんて無いぞ?」
淡「んーと、んーと……そだ! ケータイで撮ろっと」グイグイ
京太郎「……」
ノータッチ。
淡「さっさと屈め! このジャイアントバーバリアン一族!」グイグイ
どこの部族だ。
腕に抱きついて引っ張ってくる淡に急かされ、俺は頭の位置がちょうど同じくらいの高さになるように腰を屈める。
淡「イェイ~ ピースピース♪」
京太郎「はいはいピース」
ピロリン
淡「やったー!ツーショット! 待ち受けにしよーっと。見て見てテルー!」タタタ
枕云々の話はいいんだろうか? 敢えて突っ込もうとは思わないが。
京太郎「淡はバカだなぁ」
まぁそういうとこ嫌いじゃないけどね。
照「京ちゃん京ちゃん」ツンツン
突然背中を突かれる。
京太郎「? 照さん?」
照「私も、写真」フリフリ
どうやら淡のツーショットが羨ましいらしく、自分も自分もと言った具合にケータイを振ってみせる。羨ましいか?
京太郎「ん、わかりました。使い方わかりますか?」
照「む、京ちゃんは失礼。お姉ちゃんはけーたいでんわくらい使えます」
照さんは昔からこのお姉ちゃんアピールを俺に対してよくしてくる。
照「えっと、えっと……」アセアセ
京太郎「やりましょうか?」
照「う、うん……///」
ケータイの操作がわからなくて四苦八苦してる照さん萌。
違うそうじゃない、照さんからケータイを受け取り慣れた手付きで操作する。今時ガラケーかよと思わなくも無いが照さんらしいといえばらしいのでなんとなく微笑ましい。
照「ごめんね。私こういうのぜんぜんダメで……」シュン
京太郎「……」ナデナデ
照「き、京ちゃん!?」
京太郎「はっ!? すいませんつい」
しょげてる照さんがなんと言うか庇護欲を誘うのでつい反射的に頭を撫でてしまった。
咲とか穏乃とかにもついやってしまうのだが、憧なんか言わせれば気安くそういうことをするのダメらしい。よくわからん。
照「もっと撫でていいよ……」
京太郎「え?」
照「頭……」
京太郎「あ、ああ! 頭ね」
ナデナデ
照「///」テルテル
京太郎「……」
うむ、なんともすばらな手触り。
しかし、この先端の……なんだこれ? この鋭い部分はなんなんだろうな。
咲にもあるんだよな、宮永の血統なのだろうか?
そういえば以前、薬局に寄ったとき咲が『超強靭ワックス!!戦闘民族専用』とかいうのを買っているところを目撃してしまった。
結果の程は推して知るべし。
照「京ちゃん、そろそろ」
京太郎「おっとそうでした」
脱線してしまった。当初の目的を思い出し照さんと肩を並べる形で身を寄せる。
なんだろう。なんか照れる。
京太郎「いいですか? 撮りますよ」
照「う、うん///」
ピロリン
京太郎「淡みたいに待ち受けにしますか?」
照「うん。お願い」
京太郎「了解ッス」カチカチ
京太郎「はい、これでオッケー」
ケータイを照さんに返し出来栄えを確認してもらう。
照「ありがとう。京ちゃん」
柔らかくはにかむ照さん。可愛い。
京太郎「どういたしまして、お姉ちゃん」
今日はこのへんで
ちょっと今回はギャグ挟む隙だ無かったので次回はがんばります
急須に茶葉を入れる。ケトルから湯のみにお湯を注ぎ冷めるのを待つ。
その間に、鶴口ポットで沸騰させておいたお湯を、ネルドリップでむらしを行いながら外から円を描くようにサーバーに注ぐ。
注湯の茶色の濃さを見つつ、適度なところで手を止める。コーヒーはこれで良し。
冷ましておいた湯を急須に注ぎ、再び湯のみへ絞るように注ぎきる。
マグカップを5つに湯のみを1つ、ミルクの容器、砂糖の容器、それからもう一つをお盆に載せお嬢様方が待つ席へ向かう。
まずは、
京太郎「どうぞ、渋谷先輩。今日は深蒸し煎茶にしてみました」
尭深「ありがとう。須賀君」ニコ
白糸台屈指のお茶マイスターである渋谷先輩に本人愛用の湯のみを目の前に置く。
唯一のお茶なので最初に渡しただけで、ゆっときますけど俺の好みとかは関係ないですからね?
京太郎「亦野先輩はブラックでしたよね」
誠子「ありがとう。うん、良い香りだ」
亦野先輩はコーヒーをブラックで飲む。この年代の女子学生にはなかなか珍しい好みだと思うが、
本人によると「夜釣りなんかのときに眠気覚ましに飲んでたらブラックじゃないと飲めなくなった」らしい。
相変わらずワイルドな人だ。
照「京ちゃん京ちゃん」
淡「キョータローキョータロー」
京太郎「はいはい、今行きますよ」
二大甘党の前にそれぞれマグカップを置く。
京太郎「照さん、砂糖の数は?」
照「3つ!」テルテル
京太郎「はいはい」
苦笑しつつ、角砂糖を3つ投入しミルクをたっぷり注ぐ。
京太郎「どうぞ」コトッ
照「ありがと、京ちゃん」
京太郎「淡は……」
淡「苦……!?」
聞く前からすでに飲んでいた。そんでもって苦さに顔をしかめていた。
京太郎「お前は……ホント、バカだなぁ」
淡のカップに砂糖とミルクを足しつつ用意しておいた茶菓子を前においてやる。
淡「あむあむ、あんでコーヒーってこんな苦いの?」ポリポリ
京太郎「だから紅茶にするか? って聞いたんだろうが……ほら」スッ
淡「ん……ズズ ……あわーい」ニパァ
京太郎「はいはい、甘い甘い」
最後に弘世先輩の前にカップを持っていく。
京太郎「お待たせしました。先輩」
菫「いや、ありがとう。いつもすまないな」
京太郎「いいですよぉ。好きでやってんですから」
京太郎「先輩はミルクと砂糖は?」
菫「そうだな……」チラ
僅かに亦野先輩の方に視線を送る。
実は弘世先輩も照さん達程ではないがなかなかの甘党である。だが、後輩がブラックで飲んでる手前あまりそれを見せたくないらしい。
もうみんな知ってますよ? とは言ってはいけない雰囲気。一見クールに見えて結構可愛い人だよね。
京太郎「じゃあこれはどうですか?」
俺はお盆に残されていた最後の一つを弘世先輩の前に差し出す。
菫「なんだこれは?」
京太郎「塩です」
菫「なんだって?」
塩。塩化ナトリウム。NaCl。舐めるとしょっぱい。白い粒。
菫「なぜ塩なんだ?」
京太郎「それはコーヒーに入れるためですよ」
淡「塩ってコーヒーに入れるものなの?」
横から淡が口を挟んでくる。
言葉にはしないが他の3人も興味深げにこちらも伺っている。
京太郎「弘世先輩はコーヒーに塩を入れて飲んだことはありますか?」
菫「いや無いが」
淡「コーヒーに塩なんて、ただでさえ苦いのにその上しょっぱくなっちゃったらますます美味しくないと思うな」
照「……」コクコク
京太郎「そうかな? 世界にはコーヒーに塩を入れて飲む地域だってある」
京太郎「そこに住み人たちにはコーヒーは塩で飲むのが常識で、逆に砂糖やミルクを入れる方が非常識ってことになる」
俺が今言ったセリフとまったく同じことを昔ある人に言われたことがある。
―
―――
―――――
京太郎「コーヒー入りましたよ、部長。インスタントですけど」コト
久「ありがと」
短くお礼を言いつつ、部長は俺の手からマグカップを受け取る。
久「ん……」ズズ
久「これはブラック?」
京太郎「はいそうですけど。部長ってブラック派じゃありませんでしたっけ?」
以前にふと見かけた飲み差しのカップはそうだったと思うのだが。
久「ふふ、私は塩派よ」
京太郎「は? 塩?」
なに言ってんだこの人? 前々から変な人だとは思ってたけどまさかここまで極まってたとは……
久「意外かしら? けど世界にはコーヒーに塩を入れて飲む地域だってあるわ」
久「そこに住み人たちにはコーヒーは塩で飲むのが常識で、逆に砂糖やミルクを入れる方が非常識ってことになるわね」
京太郎「まぁ……」
そうでしょうけども。
久「ところでコーヒーにミルクを入れるとコーヒー牛乳になるけど、紅茶にミルクを入れると紅茶牛乳じゃなくてミルクティーになるわよね」
久「このミルクティーを作るとき紅茶とミルク、どちらを先に入れるかというここ何百年もの間、未解決な命題がある訳だけど、これについて須賀君はどう思う?」
京太郎「いや、どうって言われても……っていうかまたテレビかなんかの雑学ですか?」
久「話のネタにはいいでしょう?」
~数日後~
京太郎「部員集まりませんね」
久「まぁそんな簡単に集まったら苦労しないわね」
京太郎「2年の先輩の、えぇっとなんて人でしたっけ? その人を連れ戻すって話は……」
久「染谷まこ、ね。そうねぇ須賀君もやっとルールを覚えてきた頃だしそろそろ突撃しようかしら」
京太郎「は? 突撃?」
久「まこの実家の麻雀喫茶にね」
京太郎「その先輩のご実家喫茶店なんですか?」
久「そそ、それもあって部活離れしてたってとこかな」
京太郎「はぁ……」ポカーン
久「よし! じゃあ行きましょうか」
京太郎「え? もしや今から?」
久「もちろん! 思い立ったら吉日って言うでしょ?」
京太郎「この場合は行き当たりばったりの方が合ってるような」
久「いいから来る!」
京太郎「わかりました! わっかりましたよもう!」
久「っと、その前に……」ズズ、コクン
久「ん、良い塩加減。やっぱり須賀君の入れるコーヒーが1番美味しいわね♪」ニコ
―――――
―――
―
京太郎「っと、つまりゆで卵に塩をかけて食べるように、コーヒーに塩を入れて飲んだら意外と美味しいかも。って俺はそう言いたい訳ですよ」
俺の話をふんふむと聞いていた一同。
俺が話し終えると、そこで口火を切るのも白糸台チーム虎姫賑やかし担当の淡・大星。
淡「ん~、けど私、ゆで卵にはマヨネーズなんだけど」
しばし一考。
京太郎「なるほどマヨネーズか……」
マヨネーズ、コーヒーにマヨネーズか。
マヨネーズinコーヒーを想像しながら自分の分に口をつけるとなんと言えない味が広がる。
どうしようか迷った末、苦々しい表情をしながらなんとか飲み込む。
菫「塩のコーヒーか……」
呟きながら、塩の小瓶から一匙掬い自分のコーヒーへ。
俺の長話の所為で少し温くなったコーヒーをかき混ぜ、一口啜る。
菫「ふむ……」
京太郎「どうですか?」
菫「あまり美味しくないな」
部長、どうやらここでは塩は非常識に分類されるようです。
一発ネタ
正直スレ立ててからあんま登場してない阿知賀勢でやればよかったかなって思わなくも無いけど
もう半分以上書いちゃってたしまぁいいかってなっちゃった。阿知賀はまたなんか考えよう
えっと補足というかこのスレの清澄は部長→京ちゃん→まこ(幽霊復帰)→和、優希→咲の順で集まってるってことにしてるんで
まぁまたその内その辺のネタもやれたらなって思ってます。それでは
後>>1はお茶とかコーヒーの知識とか皆無だからあんま深く突っ込まないでね
乙です
欲を言えば京淡のほのぼのが見たいです(懇願)
京太郎「……」ペラッ
午後の昼下り。俺は1人でソファーに腰を沈めながら読書に耽る。
こう見えても俺はそこそこ本を読む。っというのもまぁ単純に身近に重度の読書家がいてそいつがあれこれと熱心に勧めてくるので、
いつの間にかそういう習慣が身についただけで、別に瀟洒を気取ってるとか知的さを振り撒いて女の子にモテたいとかそういうことじゃ……
いや、すんません。ちょっとだけ期待してました。
京太郎「…………」ペラッ
ガチャ
淡「……」キョロキョロ
淡「あ! キョ、っ……」
扉が開き顔を覗かせたのは、ここではもう見慣れたメンバーの1人。
一瞬だけ顔を輝かせ俺の名前を呼び掛けるが、こちらが本を読んでいたことに気付くと慌てて口を噤む。
淡「……」タタタ
ボフ
俺が座っていたソファー、その右横に勢いよく腰を下ろす淡。
俺は特に無い言及せず読書を続ける。
ちなみの俺は学校の授業や、こういった読書の時に俺はメガネをかけている。
オススメというだけありつい内容に引き込まれて夜中に暗がりで熱中して読みふけっていたら最近少し視力が下がってきてしまったからだ。
晴れてメガネデビューを果たした俺がそれについて部内でからかわれた事もあったのだがそれについては今は割愛。
淡「キョータローってメガネ掛けてたっけ?」
京太郎「ああ、ちょい前くらいから」
知っての通り普段は掛けてないから未だにこうやって驚かれたりすることもままある。
京太郎「頭良さそうだろ?」
淡「うん! 知性があるように見える」
京太郎「……」
お前もっと言葉を選べよ……
内心で呆れつつ再び本に視線を戻す。
淡もそれ以上なにも言わず、裸足のつま先にスリッパを引っ掛け楽しそうに脚をパタつかせているだけだった。
淡「~♪」
淡は特になにかをするでもなにかを話すでもなくただ俺の隣に座っているだけ。
それにしてはいやに機嫌が良さそうだ。
俺が読んでいる本は文庫本サイズ。それを左手で持ち替え、空いた右手でメガネのフレームを押し上げつつ隣に座る淡の頭に手を伸ばす。
京太郎「……」ナデナデ
淡「! にゅふふ~♪」
頭を撫でてやると気持ち良さそうに目を細めながら、満足気に声を漏らす。
淡「ねぇねぇ、それなに読んでるの?」
けどやっぱりというか堪え性が無いため質問を投げかけてくる。
京太郎「官能小説」
ズサササ!
思いっきり距離を取られた。
京太郎「いや、あの冗談ですよ?」
さすがにながらでいられないので落としていた視線を上げ淡に顔を向ける。
淡「な、なんだ冗談か~」
淡「もうもう! キョータローのジョーダンは質が悪いよ!」プンスコプン
京太郎「そうむくれるなよ。大体お前こそなんだその反応。いつもならここからもう一言二言遊ぶだろ?」
淡「それはまぁ……そうだけど」
まだ少し警戒の色を残しながらおずおずと元の位置に戻ってくる。
淡「それでなに読んでたの?」
京太郎「フランス書院」
淡「なにそれ?」
京太郎「いややっぱ今の無し。普通のミステリー小説だよ、ほれ」
ページを閉じてしまわないように気を配りながら淡の方に向ける。
淡「ふ~ん、あ! これ知ってるこないだテルーが読んでた奴だ」
京太郎「へぇ照さんがね」
ってことは照さんから咲に、そんで俺にといった感じだろうか? 読み切ったら是非語り合いたいな。
淡「なんか実は、真犯人の共犯者が主人公の弟だったとかって驚いてた!」
京太郎「え……」
淡「それで、えっとえっとなんだっけ……キョータロー?」
京太郎「まだ、そこまで読んでない……」
淡「え、あ!? あわわわわわわ……ごご、ごめん!」
京太郎「いや、いいけど……」
俺は本を閉じ、ソファーの肘掛けにぐったりとうな垂れる。栞を差し込む気力も無い。
京太郎「冷水ぶっ掛けられた……」ガックシ
淡「もーごめんって! キョータローってばー!」アワアワ!
イメージとしてはみにヴァンの櫂くん
>>199こんな感じでよろしいかしら?
別に安価スレでないから>>1の自由だが他の人の出番少ないのは気になるね
>>215
実は私自身が一番それを気にしていたりいなかったり
じゃあまぁこれも一つの試みと言う事でみんなの好きな安価でも取ってみようか
キャラ(複数可)とシチュを
↓3
↓5
穏乃の着替え中にバッタリ
すみません言葉足らずでした
キャラとシチュ合わせて1つの安価ってつもりでした
>>221
穏乃の着替え中にバッタリ
了解しました
後、申し訳ないですけど今回は淡は一回休みという事で
もいっこ再安価
↓3
阿知賀人気やね
では
・穏乃の着替え中にバッタリ
・玄とおもちトークデート
という事でがんばってひり出すので気長に待っててくだしあ
なんか微妙に題材と違う感じになっちゃったけどよろしいか?
ぶっちゃけると着替え中にバッタリじゃなくて脱ぎ終えたところへバッタリそのままお風呂
ってなったわ
京太郎「うえぇ、さっぶ……」ガタガタ
湿った肩を自分で抱きながら、全身に纏わりつく寒さをなんとか誤魔化そうとする。
京太郎「ちくしょうついてな、ふぁ……っくしゅん!!」
あー、ついてない。まさか外の水道が老朽化していて捻った瞬間爆発しようなどと誰が予測出来ようか。
濡れた前髪が顔面に張り付いてなんとも不愉快だ。
着替えを片手に暖簾を潜り、浴場へ続く脱衣所への戸を開ける。
ガラララ
穏乃「うん?」
京太郎「…………え?」
そこにいたのは生まれたままの姿の高鴨穏乃だった。
京太郎「す、スッポンポンのポンポコポーン……」
穏乃「おっす京太郎。京太郎もお風呂?」タタタ
京太郎「前を隠せぇぇぇぇーーーっ!!」
俺は絶叫しながら手から着替えの袋が落ちるのも気にせず、両手で顔を覆いながら穏乃に背を向ける。
京太郎「すすすす、すまん! すぐ出るから」
穏乃「えー京太郎お風呂入りに来たんじゃないの? なら一緒に入ろうよ」
出来るかボケェ!!
穏乃「ねー聞いてる?」グイグイ
京太郎「ちょ、おおい!? なに引っ付いてきてるの!?」
穏乃「って、京太郎ビショビショじゃん! 早く温まらないと風邪引くよ!」
そういって入り口付近で二の足を踏んでいた俺をズルズル引き摺っていく。
なにこのパワー!?
京太郎「ちょ! やめて、俺今あの、あれ! すごい、極限状態だから!」
穏乃「なにゴチャゴチャいってるの! ほら早く!」
京太郎「大体、穏乃! お前俺に一瞬とは言え裸見られてんのにそれについてはなんかないの!?」
穏乃「ん~?」
穏乃の視線が自分を見下ろし、それからゆっくりと正面に戻ってくる。
穏乃「わああああああああああああああああ!?!?!??!!!////////////」
パタパタパタパタ
突然の足音。
シズ~ドウカシタノ~
戸口の向こうから聞こえたこの声は、……憧!?
やばい、この状況。バレればあの、えぇっと……とにかくとんでもないことになるよ!?
穏乃「な、なんでもな~い! ちょっと滑って驚いただけー!」
京太郎「!?」
キヲツケナサイヨ~
穏乃「わかった~!」
パタパタパタ……
足音が遠ざかっていく。
シーン……
残ったのは静謐。
京太郎「じゃ、じゃあ俺出直すからまた後で……」
穏乃「ダメだよ! 風邪引くって」
京太郎「だけどお前なぁ」
穏乃「私は大丈夫、平気……だから///」
京太郎「はぁ……わかったよ」ポン
俺はなるべく穏乃の裸体を見ないようにしつつ頭に手を載せる。
穏乃「あ……」
京太郎「そんかわり、お前は先浴室いっとけぶっちゃけ今の穏乃のが風邪引きそうだ」
穏乃「あ、うん!」パァァ
勢いよく頷くと穏乃は勢いよく駆けていく。
途中でホントに足を滑らせかけ「どえぇぇぇ!?」などと女の子が口にするにはいささか奇特な声を漏らしながら、
浴場へ繋がる戸口へ消えていった。
京太郎「あいつ、俺がこのままバッくれるとか考えないのかな?」
カポーン
鹿脅しに似た幻聴が聞こえる。
京太郎「…………」ボケェー
穏乃「…………///」ポー
俺と穏乃は近すぎずさりとて遠すぎず、微妙な距離を保って肩を並べて湯船に浸かっていた。
あのまま逃走も考えたがそれはそれで後からなに言われるかわからないので大人しく穏乃の意向に従うことにした。
京太郎「…………悪かったな」
穏乃「なにが?」
京太郎「不可抗力とは言えその、なんだ……裸見ちゃって」ポリポリ
穏乃「あ、ああ! うんまぁ、私も悪かったし。別に」
京太郎「そうか? そう言ってくれると助かる」
穏乃「うん。それに恥ずかしかったけど、京太郎になら別に嫌じゃないって言うかブクブクブク……」
京太郎「は?」
穏乃「なんでもない! なんでも///」
京太郎「いや、今……」
穏乃「私逆上せたみたい! 先に上がるね? それじゃ!」
バシャ、タタタタ
京太郎「ちょ、おおい。だから走るなって! ……聞いちゃいねぇ」
一人残された俺は、何の気なしに天を仰ぐ。
京太郎「あー……」
両手で湯船を掬い顔に思いっきり叩きつける。
去っていく穏乃の顔が赤く見えてのは果たして本当に逆上せたからだったのか。
そして俺自身のこの顔の熱さも。
俺の疑問はその答えを得る事無く、熱い水面に落ちて溶けた。
終わり終わり!
実際、穏乃の羞恥心とかってどんなもんなのかね実は結構恥ずかしがったりとか
これ書く前に間違って京ちゃんの着替え中に穏乃がバッタリっての間違って書いてて
慌てて書き直したらこんなことになったすまぬ
玄「京太郎くん」
京太郎「玄さん?」
玄関で上履きから外履きに履き替えているところへ後ろから声をかけられた。
振り返ると白いワンピースにつば広の帽子を被った玄さんが立っていた。
玄「お出かけ?」
京太郎「はい、少し。玄さんもですか?」
玄「うん。少しお散歩」
京太郎「あ、じゃあそこまで一緒に行きますか?」
玄「お邪魔じゃないかな?」
京太郎「まさか。こちらこそ、お供させていただいてよろしいですか?」
玄「ふふ。うん、よろしくお願いします」
京太郎「あれ? 玄さん、髪……」
後ろに立たれていたときには気付かなかったけど並んで立つことでその事に気付いた。
玄「あ、うん。今日は熱かったから結んでみたんだ。へ、変じゃないかな?」
無茶苦茶可愛いです。この滾る感情を打ち明けたかったがまぁここは紳士・須賀としてね。その名に恥じぬ振る舞いをしようか。
京太郎「無茶苦茶可愛いです!! うなじがチラチラ見えてすごく興奮します!」
あ……
玄「かわっ!?」
川?
玄「そ、そっかぁ~えへへ、そっか///」テレテレ
よし! よし!!
なんかわからないけど上手く誤魔化せた。
京太郎「そういえば聞くの忘れてたんですけどいいですか?」
玄「なにかな?」
並んで歩いていた玄さんにスッと一歩歩み寄る。
京太郎「おもちの方はいかがでしたか?」ヒソ
玄「! ふふふさすが我が同志。やはり気になしますか?」ヒソ
京太郎「そりゃあ」
玄「それで誰のおもちが聞きたいのですかな?」
どこか得意気な玄さん。
京太郎「ふむ。いろいろ聞きたいですがじゃあここは渋谷先輩で」
玄「ふんふむ。渋谷さんですか、大きさではやや和ちゃんに負けるけど張り、艶、そして柔らかさも申し分なく」
京太郎「柔らかさ!? 玄さん、あなたまさか……」
玄「触らせていただきました///」ポッ
京太郎「なん……だと……」
玄「ご本人に似てなんともやんごとなき手触りで」
京太郎「羨ましい!?」グギギ
玄(血涙……)
玄「やっぱり触ってみたいのかな? 男の子だし」
京太郎「そりゃ、いや……でも俺、学者タイプだし」
今度こそ紳士・須賀でいきたい。そう願って今を生きる。
京太郎「というわけで、宇宙飛行士タイプの玄さん。その辺りのいろいろはすべてお任せします!」ペッコリン
玄「おまかせあれ!」
そういって胸を張る玄さん。
京太郎「……」
うむ。すばら。
京太郎「それでじゃあ和は……」
玄「和ちゃんは、ガードが固くて……」
京太郎「ダメだったんですね」
玄「うん。タオルできっちり巻いてて、湯船に浸かるときもそれはもう神業の如く脱着も一瞬で」
京太郎「そうですか……」グヌヌ
さすが和としか言いようがない。
京太郎「あ、じゃあ弘世先輩は……」
玄「弘世さん、か……」
玄さんが憂いを秘めた遠い眼をしてる。
玄「レギュレーション変更とはかくも恐ろしい」
京太郎「?」
それはまるで要領を得ない説明だった。
京太郎「しかし宥さんも含めてすばらなおもともちな方々揃ってなんともすばらですね! 玄さん」
後、玄さんも。とは口が裂けても言えない。
玄「ん、うん。そうだね」
玄(京太郎くんとおもちの話をするのはすごく楽しいけど、なんだろうおもちの辺りがもちもちする)モヤモヤ
京太郎「どかしました?」
玄「ううん。……京太郎くんはこの後どうするの?」
京太郎「俺ですか? そうですね、このまま街の方まで行ってついでに夕飯の買出しでもしようかなって」
玄「じゃあ荷物持ちとかいた方が良いよね! 私も一緒に行くよ!」
京太郎「そうですか? じゃあお願いします」ペッコリン
玄「こういうのもデートって言うのかな?」ボソ
京太郎「ふぁい? なんか言いました?」
玄「んーん。なんにも」
玄(もしそうなら)
ギュウ
京太郎「ちょ!? くくく玄さん!?」
いきなり玄さんが俺の腕に自身腕を絡めてきた。そしてこの肘に当たる柔らかいものは……
紳士が……! 俺の紳士が……!!
京太郎「な、なんでもないです……」
玄「ふふ、そっか」
玄(久し振りに会えたんだもん。ちょっとくらい大胆になっても良いよね?)
あ、終わりです
【おまけ】
ドドドドドドドド、バーン!!
京太郎「え? なに? なに事!?」
凄まじいラッシュの後、盛大に戸が開け放たれる。
穏乃「やっほー! 京太郎! 遊びに行こう!」
京太郎「は!? し、穏乃!?」
まるでパパスの様に現れたのは阿知賀女子の大将、高鴨穏乃。ぬおおおお。
突然だが状況を整理しよう。
現在ここは俺の自室(仮)、時間は早朝。そして今さっき起きたばかりの俺はまさに着替えの真っ最中。
しかも今日に限って自分でもなぜかわからないが下から脱ぎだしたので、
上は寝巻き用のTシャツで下は現在パンツ一枚という最悪の絵面でお送りしております。
京太郎「きゃあああああああああああああ!! いやあああああああああああああ!!」
穏乃「あ、ごめん。着替え中だった? って、うわ……京太郎の部屋狭いね」
あれ!? 意外と冷静……
穏乃「じゃあ終わるまで待ってるね」
京太郎「あの、ちょっと……」
穏乃「ん?」
京太郎「お前、俺の渾身のボケをスルーするのやめてもらえません?」
穏乃「とりあえずズボンはいたら?」
京太郎「大体なんださっきのノック……ノック?」
京太郎「ゴエモンインパクトの殴りこみかと思ったぞ」
穏乃「だってこんないい天気なんだよ! 元気よくいかないと勿体無いよ!」
ガラッ
俺の横を通り過ぎ、閉められていた窓ガラスを盛大に開け放つ。
穏乃「」
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーー……………カキーン
どこかで七色石が割れる音がした。
穏乃「え!? なにやだっ、怖いっ!?」ゴフ
穏乃「え? 京太郎こんな極限状態みたいな部屋に泊まってるの?」
京太郎「ああ、まぁうん。とりあえず窓から離れとけ」
ガラララ
穏乃「う、うん……後そろそろズボンはいた方がいいよ?」
京太郎「しかしお前、さっきのは無いんじゃないの?」
穏乃「なにが?」
京太郎「仮にも女の子が同年代の男子の着替えをうっかり覗いてしまった。ともすれば恥じらいの一つも見せて然るべきでは無かろうか?」
穏乃「ふ~ん……」
京太郎「こいつ、もしや自分ちに全裸の男とかいても『ふ~ん』で済ますタイプか……?」
穏乃「そんなこと無いよ。誰でもじゃなくて、京太郎だしまぁいっかなって」
京太郎「お、ふっふ~ん。そんな意味深なこといわれるとお兄さんちょっと穿った捉え方をしちゃいますよ」
穏乃「ん? よくわかんないけどズボンはかないの?」
京太郎「だいたいお前さぁ見ろよこの状況。このシャツの丈がもうちょっと長かったらアレだよ? お前とペアルックみたいになっちゃうよ?」
穏乃「ホントだ! 京太郎ジャージとか持ってないの? ペアルックで闊歩しようよ!」
京太郎「バカかお前は! 穏乃でもかなりギリギリのラインなのに俺がそんな格好してたら通行人腰抜かすわ! そんで補導されるわ!」
穏乃「じゃあズボンはけよ!」
京太郎「はいはい。今はきますよ、ちぇっ」
穏乃「なんでなんか私が悪いみたいな空気出してるの?」
京太郎「いやお前は悪いだろ。穏やかなこの朝のこの、……そういえばお前の名前にも「穏」って字が入ってるな」
それでこの性格か。穏やかさの欠片もないな。
京太郎「遊びに行くのはいいが、とりあえず朝飯食ってからな。お前なに食いたいよ?」
穏乃「う~ん……目玉焼き!」
京太郎「おう! 準備してくるから穏乃はみんなを起こしてきてくれ」
穏乃「わかった」タタタタ
元気よく返事をするとそのまま部屋をとび出していった。今のあいつは朝飯のことで頭がいっぱいなのだろう。
京太郎「扱いやすいのは良い事だ」
今日も騒がしい1日になりそうな予感はするが。
没にした穏乃が京ちゃんの着替えにバッタリの方も一応あげとく
ガラス製の丸テーブルの上にはアップルパイにチョコレートケーキ、エクルズケーキ、シュークリーム、マカロン、クッキー、
スコーンとその添え物の生クリームとストロベリージャムが所狭しと並び、それから人数分のミルクティーが置かれている。
咲「わぁすごいね」
京太郎「まぁな。ちょっといろいろ奮発してみた」
半分は買ってきたものだが、もう半分は俺の手作りだ。
京太郎「照さんも遠慮せずにたくさん食べてくださ、……」
照「……」サクサクサクサクサクサクサク
言う前から、すでにマカロンやクッキーを頬張っていた。はえぇよ。
ちょっと用意しすぎたかとも思ったが杞憂だったようだ。
咲「お姉ちゃん……」
京太郎「あ、はは……まぁ咲も遠慮せずに食べてくれよ」
咲「えっと、京ちゃんが作ったのはどれかな?」
京太郎「ん~っと、アップルパイとシュークリームとクッキーかな。後そのイチゴジャムは俺の自作」
咲「じゃあシュークリームを」
そういって咲がシュークリームに手を伸ばそうとした瞬間、まるで小動物を強襲する猛禽類のような速度で照さんの手が翻る。
一瞬早く、照さんが菓子を掻っ攫っていく。
双眸には猛獣の眼光。
咲「……」
京太郎「てい」
指先で照さんの額を弾く。
照「あう」
京太郎「まったく。大人気ないことしおって」
京太郎「ほら、咲」
咲「あ、うん。ありがと京ちゃん」
照「京ちゃん。酷い……」サスサス
京太郎「あんたが悪い」
用意したお菓子の半分が照さんの手によって消費された頃、ようやく一息つく。
咲「美味しかったよありがと京ちゃん」
京太郎「どっちが?」
咲「どっちも、と言いたいところだけど、身内贔屓で京ちゃんかな」
京太郎「花を持たせてもらったって感じがするけどまぁ良いか。俺も久々に思いっきり料理が出来て楽しかった、ありがとな」
咲「うん」
照「……」サクサク
京太郎「照さんは……うん、まぁ作り甲斐があってよかったです。うん」
照「?」
照「ふぅ……」
ようやく照さんも一息。
咲「なんだか久し振りだね。この雰囲気」
京太郎「3人で集まったのはインハイの決勝の後だったっけ?」
咲「そうだけど、なんかそれよりももっと長く感じる」
京太郎「まぁ実際そうだしな」
照「……」ジー
京太郎「? どうかしました? 照さん」
こちらをジッと見ている照さんを疑問に思いつつミルクティーの注がれたカップに口をつける。
照「京ちゃんは、今好きな人っているの?」
京太郎「ぶふぅっ!?」
吹いた。盛大に。
咲「ちょ! おおおお、お姉ちゃん、いきなりなに聞いてるの!?」
京太郎「ゴホッ、ゴホッ!」
いかん、気管支に入った。苦しくて涙が滲む。
咲「京ちゃん、大丈夫?」サスサス
京太郎「ゴホッ、ああ、うん。すまん咲、ありがとう。ゴホッ」
咲に背中をなでてもらってなんとか持ち直す。
京太郎「あ、えー照さん?」
照「なに?」
京太郎「なんでいきなりそんな話に?」
照「京ちゃんは清澄の人たちはもちろん、うちや阿知賀のみんなと仲が良い。だからどうなのかなって」
もしかしてこの人この間ずっとそのこと考えてたのか?
京太郎「それ答えないとダメなの?」
照「ダメ」
京太郎「言い切ったな」
京太郎「大体なんでこんな話を、咲からもなんか言ってやってく、」
咲「……」モジモジ
わーお。君もそっち側なの?
咲は俺と目を合わせないように、けどチラチラこちらを伺いながら早く話せと無言で続きを催促してくる。
京太郎「好きな人ねぇ。好きな人……いません」
照「京ちゃんは私たちのこと嫌いなんだって咲」メソメソ
咲「ええ!? そうなの京ちゃん!」
京太郎「なんでそうなった!? どんな飛躍だよ!」
照「じゃあ好き?」
咲「///」
京太郎「はぁ……究極の二択ですね。もちろん好きですよ」
照「だって、やったね咲」
咲「わ、私は別に……///」
京太郎「あの、ゆっときますけどそんな深刻な意味じゃないですよ?」
照「にやり」
京太郎「おい、その『してやったり』みたいな顔やめろ」
照「でも今好きって言った」
京太郎「いいよそういう言葉のマジック!」
照「京ちゃん、うちの淡や阿知賀の玄ちゃんとも仲いいよね」
咲「!」ピク
京太郎「あの、もうちょっと会話の前後の繋がり重視してもらっていいですか?」
京太郎「そりゃまぁいいですけど、別にそんな、そういうアレじゃないですよ」
照「付き合いたいとか、そういった考えはないの?」
京太郎「俺だって別にそういった願望がないわけじゃないですよ。たとえばその2人に限らずに」
京太郎「ただ、俺のポンコツ許容量は君ら2人で本体、予備、緊急用、来世の前借分までいっぱいなんでそういった隙がないだけです」
ポンコツの姉とポンコツの妹、両方面倒を見なくちゃいけないのが中間管理職の辛いところだ。
咲「ホッ」
照「よかった」
照「好きな人がいないなら、じゃあ好きなタイプとかは?」
京太郎「好きなタイプ~?」
照「たとえば年上と年下ならどっち?」
京太郎「俺、どっちかって言うと同い年か年下がいいんだけど」
咲「ホント!?」ガタッ
京太郎「お、おう?」タジ
照「ちなみにどうして?」
京太郎「俺が主導権を握りたいから……」
京太郎「っと最近まで思っていたんだけどどうも俺は年齢に関わらず女性に頭が上がらない気質らしく、正直これはどっちでも良くなった」
照「じゃあ次の質問」
京太郎「あ、これ続くのね」
照「家事は出来るほうがいい?」
京太郎「家事ねぇ、別にどっちでも。最初は出来なくてもやってくうちに上手くなるだろうし」
京太郎「最悪、俺が自分でやるし」
咲「京ちゃん……」ホロリ
照「では最後の質問です」
京太郎「へぇ」
照「胸は小さいほうがいいよね?」
京太郎「なにその質問」
京太郎「おも、胸は大きいほうが……いや待て今のは無しだ。なんで幼馴染の女の子2人に俺の性癖暴露せにゃならんのだ」
照「そもそも京ちゃんのその趣向はおかしい」ズビシ
京太郎「ほう、言ったな。一席打つか?」
照「たとえば人の価値観って育ってきた環境に影響さえたりするよね」
照「たとえば、お金持ちの人から見たら価値のないものでも、貧しい人から見たら価値があるとか」
京太郎「はぁ」
照「京ちゃんは、私たちの一緒に育ってきたんだから、私や咲みたいなポンコツで胸の無い娘を好きになるはず」
京太郎「いやむしろその環境にあったが故のというか。後、自分で言ってて悲しくありません?」
照「少し」
咲「私! 私はまだこれから大きくなるよね! 牛乳だって飲んでるし」
照「……」
京太郎「……」
咲「お姉ちゃん!? 京ちゃん!?」
京太郎「なぁ咲、遺伝学的に考えてこの先そんなことが起こりうると本気で思ってるのか?」
咲「それは……」チラッ
照「」テルーン
咲「ふえぇぇぇぇぇぇ、京ちゃぁぁぁぁん!」
こうまで科学的な証拠を提示されてはさしもの咲も納得せざるを得ない。
咲は止め処もなく、失意の涙を滂沱と流した。
照「2人とも失礼」ムゥー
咲「やっぱり京ちゃんは胸が大きいほうがいいんだ!」
咲「だから和ちゃんとか渋谷さんとか松実さんのお姉さんとかには対応が妙に優しいんだ!」
京太郎「ん? ん、まぁそうだけど」
けどそれ宗教上の理由であって、いやまあ可愛いと思うしぶっちゃけ結婚するならああいった人たちがいいけど。
京太郎「それがすべてじゃないから、な? なんで泣いてるかわかんないけど泣き止めよ。お前が泣いてると俺も悲しい」
照「咲を泣かせるなんてダメだぞ。京ちゃん。お姉ちゃんは憤慨します」
京太郎「あの、ちょっと黙っててもらっていいですか?」
照「胸なんて飾りです! 京ちゃんにはそれがわからんのです!」
咲「そうだ! そうだ! 胸はなくても人権はあるぞ!」
京太郎「ちょっと落ち着け! っていうかなんか会話の方向性おかしくない? 後、俺ばっか質問されてて釈然としない」
京太郎「逆に聞きたいんだけど、2人はどうなの? 好きな人とかいるの?」
照「黙秘権を行使します」
咲「お、同じく……」
京太郎「まぁ絶対そういうと思ってたけどね!」
この俺ルールっぷり。これについては我々はもう熟知してるのでね、最早なんの感慨もないですが。
ちょっと落とし所がわからなっかんですがここまでということで
「安価取っといて遅ぇんだよ!ボケェ!」と思った方本当にごめんなさい
京太郎「淡はいるかあああああああっ!!!」バーン!
白糸台の面々が泊まっている部屋の戸を盛大にブチ開ける。
何故俺がこんなに怒り心頭なのか。昼飯の後サロンのソファーで昼寝をしていた俺は、目を覚ましてから洗面所で顔を洗おうとして鏡を覗き込んで驚愕した。
それはもうなんか、なんかすごいとんでもなく面白い顔になっていた。噴飯ものである。
根拠はないがこんなことをするのはきっと淡だ。俺の本能がそう言っている!
菫「!?」
部屋にいたのは弘世先輩だけ。突然の不躾な訪問に驚いているようだ。そういえばノックするのを忘れていた。
普段、礼節を重んじる俺だがそんな精神的余裕は存在しなかった。
菫「す、おま、……!?//////」
京太郎「?」
真っ赤になりながら口をパクパク開閉させる。弘世先輩。
よく見れば服の胸元が肌蹴ている。微かな違和感。
一瞬で状況把握。
はっはっはっ。な~んだ、今日は俺の命日だったのか。…………っておいぃぃ!?
京太郎「すんませんっした!? さーせんっした!!」
即座に土下座した。有史以来最も美しい形だったと自分でも思う。
菫「いいからさっさと出ていってくれ!」
曰く至言。
俺は速攻で回れ右をし、部屋を出て行こうとする。
パタパタパタ
響いたのは足音、しかも複数。おそらくこの部屋に向かってきているらしい。
京太郎「」
ちょっと待て、この状況はすごくまずいんじゃないか?
菫「くっ! 来い!」
弘世先輩に襟首を掴まれ、次の瞬間世界が回転。
暗闇の中に放り込まれる。背中には柔らかな感触を感じ、次いで身体の前面にも背中に感じるものとは違う柔らかくまた仄かに温かななにか。
ガラッ
淡「あれー? スミレいないねー」
誠子「どこかに出かけたのかな」
尭深「別の場所も探してみよう?」
パタパタパタ
声と足音が遠ざかっていく。っていうかちょっと待て! そこにいるのは世界の根源悪である淡か!
ちくしょう! そこを動くな!
菫「おい須賀! モゾモゾ動くな!」ボソボソ
かなり近い位置から弘世先輩のこれが聞こえる。
まさかこのあったかくて柔らかいものは……。
京太郎「弘世、先輩……だと」モゾリ
菫「こらだから動くなと、あ、ん……」
なにか手のひらに一際やわっこいものが掠めた。
一瞬だが弘世先輩の声に色が混じった。
これはもしや……おもち!?
玄さん、俺やりましたよ。初めておもちに触れました。今晩は赤飯だな。
ようやく理解できた。ここはどうやら備え付けの押入れの中で、布団やその他の雑多なものに紛れて俺と、俺に抱えられるようにして弘世先輩が押し込まれているようだ。
菫「くっ、いいか須賀。とりあえずいったんここから出るぞ。貴様を尋問するのはその後だ」
そういって身を捩るが完全にはまり込んでしまっており俺達は抜け出せない。
菫「どういうことだ? 無理矢理とは言え入れたなら出れるはずだろう!?」
京太郎「……」
菫「そんな短時間で人間の体積が大きくなるわけ……」
暗闇に慣れてきた目に弘世先輩の顔が薄ぼんやりと映る。その顔には極大の嫌悪感。
菫「おい、この腰の辺りに当たる硬いものはなんだ?」
京太郎「えっと、その……リー棒とか、じゃないでしょうか?」
菫「こんな大きなリー棒があるか!?」
京太郎「いやいや、わかりませんよ? 大判トランプとかありますし、それにほら悪魔の証明ってあるでしょう? まずは存在しないことを証明しないと」
京太郎「案外、大きなリー棒とかジョークで作られたりとかも痛たたたったたたっい!?」
弘世先輩が遮二無二にでも出ていこうとして俺の下半身に凄まじい荷重が加わる。
菫「うるさい! こんな不愉快な状況1秒たりとも我慢できるか」
京太郎「ちょっ! ホント、ホントに痛いんですって! 悪魔? 悪魔は実在したの!? 弘世先輩自身が悪魔なの!?」
俺は這い出そうとする弘世先輩の身体をガッチリ抱きしめる。
菫「あ、こら! なにを抱きついている! 離さないか!」
京太郎「いや、もうホント勘弁してください。ホント、マジで」
菫「じゃあこの状況をどうしてくれるんだ?」
京太郎「少しだけ時間をくれませんか? 時間が、そう優しい時の流れだけが僕らを癒してくれるんです」
菫「よし、わかった。君を気絶させよう。そうすればその超局部的体積膨張も解消され、ここから抜け出せる。そこから改めて君を処刑しようか」
京太郎「ひぃ!? なんでそんな実力行使なんですか!?」
菫「心配するな、これでも私は武道の心得があるし人体急所もきちんと把握している。顎を出せ、一瞬で昇天させてやろう」
京太郎「死にますよね!? それ死んでますよね!?」
菫「いいから早くしろ。私はあまり気が長いほうではない」
京太郎「あの、えっと……そうだ! そもそも弘世先まで一緒にここ入る必要なかったですよね!?
必死に捻り出した俺の疑問をぶつけると、押し入れ内に充満していた凄まじいまでの怒気が収まっていく。逸らせたか!?
菫「須賀。貴様、私の胸に触れたな。どう思った?」
京太郎「すみませんだした! お願い殺さないで! 俺まだ命が惜しい……」
菫「いいから答えろ」
京太郎「えっと、なんていうか。やんごとなき手触りで。いやすいません、正直思ってたより小さいというか」
菫「そうか……」
先輩の声には落胆。
京太郎「弘世先輩?」
菫「実は普段のあれはパットだ」
京太郎「」
最初に感じた違和感の正体はこれか。
ってかマジかよ。世界は嘘と欺瞞に満ちていた。もう、もう俺は誰も信じない。世界なんて信じない。
菫「……」
京太郎「あの……じゃあここに一緒に入ったのはそれを他に人にバレないようにってことですか?」
菫「……」コクン
京太郎「隠すくらいならなんでそんなこと……」
菫「元からこうだったわけではないんだ。ある日突然、朝目が覚めたら小さくなっていて……」
京太郎「」
どゆこったい。
アレか? 世界の修正力か? いや知らんけど。
玄さんがいっていたのはこれか。さすがおもちソムリエ、その審美眼に一点の曇りなし。
京太郎「だからってそんな隠さなくても」
菫「だって……」
京太郎「だって?」
菫「恥ずかしいじゃないか///」
京太郎「」キュン
可愛いなぁもう!
菫「だから須賀、できればこのことは他言無用で」
京太郎「わかりました。誰にも言いません」ナデナデ
菫「お、おい//////」
気付けば俺は弘世先輩の頭を撫でていた。
京太郎「は!? すみませんつい」
菫「いや、いい……ちょっとビックリしただけだ」
京太郎「そ、そうですか……」
菫「その、続けてもいぞ……?」
京太郎「え?」
菫「だから、頭、撫でてもいいぞ///」
京太郎「クスッ、はい」
なんだか腕の中に納まる弘世先輩の身体が一回りだけ小さく感じられた。
おおよそ四半刻が経ったころ。ようやく俺達は狭苦しい押入れから抜け出した。
菫「い、いいぞ」
背中越しに声。肌蹴ていたブラウスを正した弘世先輩に向き直る。
京太郎「あの、いろいろすみませんでした」
そしてありがとうございました。
菫「いや、いい。もう……///」
いつもハキハキとした弘世先輩にしては歯切れが悪い。
京太郎「そうですか? けどそれじゃあ俺の気が済みません。いずれこのお詫びは必ず」
菫「君の気が済むのなら、じゃあそれで」
京太郎「はい!」
菫「いいか、念を押しておくがこの件は絶対に他言無用だぞ」
京太郎「はい! 2人だけの秘密ですね」
菫「2人だけ、そうか2人だけの秘密か。ふふ」
京太郎「?」
なにやら嬉しそうだ。ぶっちゃけ玄さんにもバレてたし、案外知ってる人いそうだけども。
菫「頼むぞ京太郎」
京太郎「!? はい! 菫先輩」
いろいろあったが少しだけ弘世、いや菫先輩と仲良くなれた気がした。
―――――
―――
―
淡「そういえばスミレって胸小さくなったよねー」アハハハ
照「知ってた」テルーン
菫「貴様らあああああああああ!!!」
それはそれは凄まじい折檻だったという。
京太郎「ってなんで俺まで!?」
菫「連帯責任だ!」
京太郎「理不尽だ!?」
以上です。次は安価じゃなくて自前のネタで書こうと思います
今週は狩人祭なんでちょっと更新頻度落ちると思いますがご了承ください
まぁ元々そんな勤勉な方じゃないですが。それでは
みんな忘れてると思うけど、この合宿はインターハイ後の8月中旬から下旬にかけての期間に行われている。
8月といえば我々学生は夏休みの真っ最中なわけだが、っとくれば日本全国の学生諸君の大敵である、そう夏休みの宿題も当然あるわけである。
優希「うあ~なんでこんな遠出してまで宿題なんてやらないといけないんだじぇ~」
京太郎「そら、お前がぜんぜんやってないからだろ」
優希「こちとらインハイ優勝チームなのに!」
和「たとえそうでも学生の本分は勉学ですよゆーき」
京太郎「事実そうなんだけど、ちょっとその意見には同意しかねる」
京太郎「そっちも悪いね。付き合わせちゃって」
玄「あはは、いいよ。ぜんぜん」
憧「まぁこっちも同じようなのがいるからね」
穏乃「あ~なんでこんなことしなきゃいけないの~」
どこも苦労するな。
そしてもう1人……。
淡「む~ん」
こいつ……。
京太郎「ペンくらい持てよ。やる気ゼロだな」
淡「だって~つーまんないー」アワーン
優希「大体京太郎! なんでお前はそんな呑気にしてるんだじぇ!」ガタッ
穏乃「そうだそうだ! 京太郎はどう考えてもこっち側の人間だ!」ガタタッ
ぎゃーぎゃー騒ぎ出す。いいから口じゃなくて手を動かせ絶頂バカ2人!
京太郎「は? そりゃお前俺は時間だけはあったからな。コツコツやってたんだよ」
京太郎「まぁ大半テキトーに埋めただけだけど」
和「それもどうなんでしょうか」
優希「くっ、のどちゃんや咲ちゃんはともかく京太郎はこっち側だと思って高を括っていたのに」
穏乃「酷い裏切りだよ! こんなのってないよ!」
京太郎「ちょっとその俺も同じタイプ認定やめてくれる? お前らが仲良いのわかったからさぁ。俺そっちのグループ入りたくないんだけど」
優希「春は曙、曙って?」
京太郎「明け方ってことだ」
優希「やうやう白く、やうやうって?」
京太郎「徐々にとか、だんだんととかってことだ」
優希「なりゆく山際、山際って?」
京太郎「山と空の境界線の、っていうかあのさぁ」
優希「なんだじぇ?」
京太郎「一節ごとに聞いてくるのやめてくれない。なんかそういう規約でもあるの?」
優希「そんなのこの文章に言ってほしいじぇ! なんでこんな読みにくいんだ、そういいたいなら最初っからそう書けばいいのに!」
京太郎「いや、うん、まぁ、そうだけどさ、これ古典だし。言い回しってのも覚えると結構便利なんだぞ?」
優希「知らないんだじぇ! 私には関係ないんだじぇ!」
京太郎「だじぇだじぇ言いやがってこいっつぅ~」
穏乃「なんで英語なんて勉強しなくちゃいけないの~」ムーン
憧「なんでって」
穏乃「大体私達は日本人なんだから! 日本語だけで十分じゃん!」
京太郎「地球人だろ地球語勉強しろ」
京太郎「それに日本語の勉強って、それはそれでアレだぞ」
俺はうんうん唸っている優希の方を指差す。
優希「のどちゃ~ん、これ教えて~」
和「この『たなびきたる』の『たる』は、助動詞『たり』の連体形止めで、これは体言止めと同じ働きを」
穏乃「日本語って難しい……」
京太郎「英語といえばさ。俺、以前部長の指令で姫松に遠征に行った事があるんだけど」
憧「ふぅん、それで」
京太郎「そこの主将の洋榎先輩が英語の授業で『I can fly』のlがrになってたらしく」
憧「ぷふっ」
察した憧が小さく噴出す。
京太郎「これって直訳すると『私はからあげになるぞ!』って意味なんだよな」
京太郎「主将これは痛恨のミス! 末原先輩達にしばらくネタにされてたんだわな」
玄「それは、なかなかのなかなかだね……」アハハ
玄さんのリアクションに困ったかのようなぎこちない笑い。わかります。
京太郎「今どうしてんだろな、からあげ先輩」
―――――
―――
―
洋榎「はっ! 今ガースーがうちのこと考えてるような気ィする」
絹恵「おねーちゃん頭大丈夫?」
恭子「あかんやろなぁ」
淡「クロー、これはー?」
玄「あ、えっとね。これは3ページ前の……これ。この公式に数字を当て嵌めて」
京太郎「あなたそれ20分くらい前にも聞いてなかった?」
淡「だって忘れちゃったんだもーん」
博士の愛した数式かよ……4分の1しか保ててないけど。
京太郎「淡って得意な科目とかあんの?」
淡「ありまへん」
京太郎「え、じゃあ苦手な科目は?」
淡「恋?」アワ?
ぶ、ぶん殴ってしまいたい……。
優希「淡ちゃんがんばるんだじぇ! 私も痛みに耐えてがんばるから!」
淡「ユッキーがそこまで言うならがんばる!」ムン
和「痛みに耐えて?」
京太郎「なんか政治みたいな話になってきたな」
玄「け、けど。京太郎くんって意外と真面目なんでね」
間を取り持とうと話題を振ってくる玄さん。
京太郎「俺って基本どんな風に見られてんだろうな?」
憧「見た目通りでしょうよ」
京太郎「左様で」
和「そういえば咲さんが、須賀君は赤点の補習でインターハイ一緒に行けるか、なんて話を以前してましたよ」
優希「ほら見ろ! ほーら見ろ! やっぱり犬は所詮犬だじぇ!」
京太郎「うっせ! 俺だって真面目にやれば赤点なんて取らねぇんだよ!」
憧「じゃあ不真面目にやったらどうなるのよ」
京太郎「実は中2の一学期にな、クラスの奴と赤点チキンレースなるものをやってな」
憧「なにその聞くからに頭の悪そうなレース」
京太郎「まぁその名の通り、いかに赤点ギリギリを多くの科目で取れるかという過酷な競技でな」
和「あ、大体察しました」
京太郎「まぁ予想の通り盛大にオーバーランしたんだわ俺、その数なんと7つ。で、補習で夏休みの大半を消費しちまってな」
京太郎「咲と約束していたプールだとか夏祭りだとかをほとんどぶっちぎってしまい、これには普段温厚で通ってる咲さんもぶち切れてね」
京太郎「機嫌を直すまでしばらくかかってな、二学期になっても1週間くらい口利いてくれなった」
優希「アホだじぇ」
穏乃「アホだ」
憧「アホね」
和「アホですかあなたは」
淡「アーホー!」
ぼろくそ言うなこいつら。
玄「でもほら、今年は大丈夫だったみたいだし合宿もこうして一緒に参加出来てるから良かったよね!」アセアセ
京太郎「さすが玄さん! 俺のことをわかってくれる高徳の聖者はあなただけだ!」ニギ
俺は身を乗り出し、対面に座る玄さんの手を握る。
玄「はわわわわわ!?///」
急に顔を赤らめる玄さん。熱かったのだろうか。冷房の設定いくつだったっけ?
京太郎「玄さん……」ジッ
玄「京太郎くん……///」ポォ
しばし見詰め合う俺達。
淡「むぅ~いつまで見詰め合ってんの!」ピシッピシッ!
小さく刻んだ消しゴムの欠片を指先で弾いて跳ばしてくる淡。
京太郎「くっ、地味な攻撃ながら心にズンとく来る!?」
玄「……」ニギニギ
ガチャ
晴絵「ん……お! 雁首揃えて何してるかと思ったら」
扉が開き、そこから顔を覗かせたのは赤土先生。
晴絵「ほぉ、宿題とは関心関心」
憧「やだハルエ、そんな教師みたいなこと言って」アハハ
晴絵「教師ですが」
穏乃「センセー! なんで学校ってこんな勉強しなくちゃいけないんですか!?」
晴絵「なんでってそりゃ、将来のためとかいろいろあるでしょ」
穏乃「学校の勉強なんて将来役に立つわけないじゃないですか!」
晴絵「先生もそう思ってた時期があったんだけどね」
晴絵「社会に出てから、これが案外使うから困り物なのよ」
京太郎「先生も苦労してるんですね」
晴絵「ありがとよ」
心底嫌そうにお礼を言われた。
京太郎「どういたしまして」
憧「ハルエはこれから?」
晴絵「灼とちょっとドライブ」
和「そういえば、小学校の頃から気になっていたんですが憧は何故先生に対して呼び捨てなんですか?」
晴絵「私が許可してんの。気安いほうが私も楽だし、年功序列は年寄りに悪しき風習だからね」
穏乃「私は先生は先生って感じだな~」
晴絵「穏乃は良い子だね!」グリグリ
穏乃「あはは、やーめーてーよー!」
口では拒否しつつも決して振り解こうとはしない穏乃。師弟、微笑ましい光景である。
京太郎「ふむ……気安い感じか」
優希「どうしたんだじぇ?」
京太郎「よっしゃ、ハルエちょっと焼きそばパン買って来い!」ピッ!
晴絵「調子に乗るなよ青二才」
先生が去って再びここ。
京太郎「なぁ、俺、今どんな顔してる?」
穏乃「んとね、ストⅡの負けたキャラの顔グラみたいな顔」
京太郎「マジか。ちょっと写メ撮っとこうかな」パシャ
憧「はいはい。横槍入ったけどほら、宿題の続き」パンパン
手を叩いてその場を仕切り直す憧。
優希「ちぇ~このまま煙に巻けるかと思ったのに」
穏乃「憧は容赦ないな~」
憧「このまま見限ってもいいのよ?」
穏乃「やるよ! ゆーき!」
優希「合点だじぇ! しずちゃん!」
淡「スピー……」Zzzz
全員「え?」
玄「寝ちゃってるね」
憧「やけに静かだと思ったら」
京太郎「あの、もうホント俺こいつもう見放したいんだけど」
いったん区切り~もうちょい続くよ
お待たせしました。今回は俺の大好きなバカ話回だよイチャイチャはあんま無いよ
誰も待ってないとか言うなよ。それではまた
和「大星さんは寝てしまったようですし、どうしましょうか?」
京太郎「起こす? 起こす!? 鉄拳で!」
俺は右の拳を硬く握り締める。淡を叩き起こせと轟き叫ぶ。
玄「可哀想だよ~こんな気持ち良さそうに寝ちゃってるのに」ナデナデ
淡「ふにゃ……」Zzz
京太郎「じょうがねぇなぁ」ガタ
悪態をつきながら俺は席を立つ。
穏乃「どかしたの?」
京太郎「そのまま寝てて風邪でも引かれても寝覚めが悪いからな」
京太郎「なんかかけるもん取ってくる」
ガチャ、バタン
穏乃「なんだかんだいって優しいよね、京太郎って」
玄「だね~、気配り上手だよね」
和「そうですね。須賀君自身はなんでもないことのように振舞ってますけど」
優希「それがあいつの良いところだじぇ」フンス
和「特にゆーきは日頃からお世話になりっぱなしですよね」
和の声に僅かにからかいの要素が含有されていた。普段の彼女からは珍しい行為である。
優希「ちょ、違うじょ! 私は犬の飼い主として普段から躾を」
憧「とかなんとか言って~ホントは構ってもらいたいだけのくせに~」ニヤニヤ
その空気に便乗し、ここぞとばかりに優希を弄りだす。
玄「あはは、仲良しさんだ~」ニコニコ
一緒になって笑う玄。この人に関しては本気でそう思っているんだろう。
ガチャ
穏乃「お、帰ってきた」
京太郎「ただい、……なにこの雰囲気?」
帰ってきてみると、女性陣はなんともいえない雰囲気に包まれていた。
和と玄さんは楽しそうにニコニコと微笑み、憧は訳知り顔で朗笑している。穏乃だけは平常運転。
優希だけがなにやら納得いかないといった顔で俺を睨んでくる。心なしか顔も赤い。何故だ?
京太郎「なに怒ってんのお前?」
優希「なんでもないじぇ!」
怒鳴られた。不合理だ。
憧「それよりかけるもの取ってきたんじゃないの?」
京太郎「おっとそうだった」
憧の指摘で本来の目的を思い出す。
京太郎「タオルケットみたいな手頃なものが無かったからダンボール持ってきた」
憧「何故そうなる」
俺は畳んであったダンボールを広げ、底辺だけをガムテープで止めると即席で箱を組み上げる。
京太郎「そうだ、名前も書いといてやろう大、星、淡っと」
油性マジックで側面に超前衛的な字で署名をしておいてやった。
京太郎「どうだこの特別仕様感。きっと喜ぶぞこの天然記念物バカは!」
ダンボールといえば咲のアイデンティティーだが今回は同い年のよしみで見逃してもらおう。
俺は机に突っ伏して寝ている淡の上にそっとダンボールを被せる。
うん、完璧。
和「あれは絶対根に持ってますね」
憧「淡が起きた後がさぞ見ものね」
不穏当な会話が聞こえるが華麗にスルー。
___________
.... -‐'''¨´ .... -‐''''¨^´ |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| | |__
| | 大星淡. | / <Zzz…
| | .. ''´
|________|_.. -‐'''¨´
'――――――――'
ちょっとだけ更新。シクレやらなきゃなので今日は短いです
次回、憧無双!……になるかはちょっとわからないです
それではまた。待ってろ凛テオ!
GAのぶちさんかもしれん
>>349
段ボールかぶって寝てるのはあーさんだぞ
京太郎「『だよー』、『なのよー』、『ですよー』……『三よー』!!」
和「なにを言ってるんでしょうか彼は」
憧「あたしに聞かないでよ」
穏乃「わかった! つまり『よー』の部分がかかってるんだ」
京太郎「さすが穏乃! よくわかってくれた、俺のこの難解なギャグをよくわかってくれた」
玄「わかる?」
優希「さすがに無理だじぇ」
穏乃「understand、う、うんだー……?」
京太郎「アンダースタンドな」
穏乃「意味は?」
京太郎「理解する」
穏乃「ほうほう。り、か、い、す、る……っと」
京太郎「ちなみにアンダー(下)がスタンド(勃つ)するって意味じゃないぜ! アンダスタン?」
憧「ちょっと、京太郎ちょっと」
京太郎「なんじゃらほい」
憧「黙れ」
京太郎「はい」
穏乃「さぁいい具合に場が白けてきたところでなんかして遊ぼう!」
憧「いやシズは宿題やりなさいよ」
優希「今日はもう十分やったよ! もうそろお開きでいいと思うじぇ」
京太郎「そんんだからお前らは、今この結果があるんだろうが」
厳然たる事実がそこには横たわってますよ?
京太郎「そんなんで休み明けのテストとか大丈夫なんか?」
穏乃「大丈夫! 私、本番に強いタイプだから」
優希「私も私も!」
京太郎「ホントか~」
自信満々で言ってのける穏乃に怪訝な視線を向ける。
穏乃「ホントだよ!」
京太郎「じゃあ得意な科目は?」
穏乃「ずがこーさく!」
『折り紙』とは、
正方形の色紙を決まった手順で折り動植物や生活用品などを形作る日本伝統かつ、日本起源の遊び。
古くは千代紙と呼ばれる和紙を使用した。
もっとも一般的な正方形の紙を使用する不切正方形一枚折り。
いくつかの部分に分けてそれを組み合わせる複合折り。
紙に切り込みを入れて角の数を増やしたり一部を切り取ったりする切り込み折り。
形作ったものを動かせる玩具として作られた仕掛け折りなのどがある。
憧「ってなんであたしたち折り紙なんてやってるのよ」
京太郎「そらお前、穏乃が工作得意だって言うから」
完成した風船を机に置く。
京太郎「まぁいった本人はアレだが」
穏乃「うにゃ!? またズレた!」
和「…………」バババババババババ
玄「和ちゃんは折り紙を見た瞬間、折鶴職人みたいになってるね」
和の周りには出来上がった折鶴が群舞となって散乱する。
京太郎「ああ……いるいる、クラス1人はこういう女子」
和「ふぅ……」
一段落したからか洗脳が解けたのか、和は忙しなく動かしていた手を止め額を拭う真似をする。
京太郎「和はなんていうか、……すごいね」
俺が賛辞を送ると、和は今で見たこともないような朗らかな顔で笑う。
和「そうですか!? 私、折鶴には少し自信があるんです!」
やや興奮気味に詰め寄ってくる。こんな和かつてないな。
和「実は『秘伝千羽鶴折形』も愛読してまして」
なにそれ? 魔導書?
和「これは原本はもう手に入らないんですが、改訂版が出版されてて」
なんだこいつの目。目が離せねぇ、キラキラ輝いてまるで星みたいな……。
玄「そういえば和ちゃんがまだ吉野にいたころ、赤土先生のお誕生日会をやろうってなった時もこんな風に折り紙で飾り付けとかしたよね」
憧「やったやった。色紙切って連環にして飾ったりね」
穏乃「花とかも作ったよね。紙だけど」
和「懐かしいですね」
言葉の通り、昔を懐かしむように和が目を細める。
玄「またこうやってみんなで集まれたらなってずっと思ってたから、とっても嬉しいよ」
憧「ま、それもシズの行動力のおかげかしら」
穏乃「憧は最初、断ったくせに~」
憧「もう! そのときの話はもういいでしょ!」
玄「あははは」
幼馴染組が仲良く談笑しているのをよそに俺は何かに没頭している優希を観察する。
京太郎「それ、さっきからなにやってんの?」
優希「これか? ふふふ、見ろ! 折り紙で作ったタコスだじぇ!」
優希はドヤねん顔でその白と緑と赤と橙の色紙を重ねて折っただけの物を俺に突き出してくる。
眼前の物体を反芻するがやっぱり白と緑と赤と橙の色紙を重ねて折っただけの物にしか見えない。
京太郎「いやどう見ても色紙を重ねて折っただけの物にしか見えんのだが?」
優希「犬の目は節穴か! よく見るんだじぇ!」
そういって優希は同じ物を大量に作り出す。
なんだこの不毛な生産光景……。
京太郎「よし! お前のそのタコスに対する飽くなき執着心はわかった。ちょっと待ってろ!」
それだけ言い残すと俺は再び部屋を出て行った。
穏乃「またどっか行ったね」
和「ゆーき。まさかまたなにか無茶を言ったんですか?」
優希「言い掛かりだじぇのどちゃん! 私はなにも言ってないじょ」
憧「どうせいつもの発作でしょ? 放っておけばその内戻ってくるわよ」
玄「て、手厳しいね……」アハハ
トン
憧「あ、玄それ……バラ?」
玄「うん!」
穏乃「へぇーよく出来てますね」
憧「これ難しい? 簡単?」
玄「簡単だよ。慣れれば2分もかからないくらい。良かったら教えようか?」
玄「他にもアサガオ、アジサイ、コスモスとかもあるよ」
穏乃「教えて教えてー!」
憧「玄先生教えてくださーい!」
和「この感じ……」
園児『のどか先生ー!』ワーワーキャッキャッ
和「~~~///」ポワァー
玄「和ちゃん?」
憧「なんか咲いてる」
ガチャ
京太郎「待たせたな!」
穏乃「遅かったじゃないか」
俺は開いた片手で後ろ手に扉を閉めつつ、もう片方で持っていたトレイをテーブルの上に置……こうとしてその異常性に気付く。
京太郎「って、うお!? なにこの薔薇園? ちょっと退けて退けて」
俺が手で横に退けるようにジェスチャーを送ると、女性陣によってテーブルにスペースが作られそこに持ってきたトレイを今度こそ置く。
穏乃「なにして来たの?」
京太郎「これよ!」
トレイの上の皿に山積みにされいていたのは、
優希「タコスだじぇ!」
言うが早いか、優希の手がサッと翻り我先にとタコスを頬張る。
後、ついでにみんな喉渇いたんじゃないかと思ってお茶淹れてきた。
京太郎「どうよ優希、これが本物のタコスだ」
優希「ん、ん~?」
咀嚼しながら、自身が先ほど作っていた良くわからない紙の集合体に目をやる優希。
優希「んぐ、なんだぁ!? この紙切れはぁ!!」
そういって紙切れをテーブルに叩きつける。
京太郎「いや、それお前が作ったんだろ」
穏乃「これ私たちも貰っていいの?」
京太郎「おう! たくさん作ったからいっぱい食ってくれよ」
和「ありがとうございます♪」
玄「いただきます!」
憧「それにしても見事な手際ね」
京太郎「慣れりゃ簡単なもんよ」
憧「高1の男子が料理に慣れって……」
京太郎「いや~、実は1学期の家庭科の調理実習と裁縫の実技でA評価を貰ってしまってな」
京太郎「これは喜んでいいのかどうか……」
和「ま、まぁ成績が上がるのは良い事ですよね?」タジ
京太郎「そういうそっちはどうなんだよ。一応、女子高だろ?」
憧「あたしはそれなりには出来るわよ」
玄「旅館のまかないは私の担当ですのだ」
優希「タコスうまー!」バクバク
穏乃「これなら毎日でも食べたいよー!」バクバク
こいつらはダメそうだ。
優希「やはり犬のタコスは絶品だじぇ、まぁそこにこそ価値があるからな!」
京太郎「お前は俺を全自動タコス製造機かなんかと勘違いしてないか?」
憧「前脚の使い方がお上手だものね」
そう言いながら憧が俺の右手の甲を摘んでくる。それを振り払いつつ、俺も負けじと言い返す。
京太郎「お前もさり気無さを装うことなく俺を犬扱いするんじゃねぇ」
憧「そうね、犬の方が賢い物ね」プクク
京太郎「玄さん! あいつが、あいつがー!」
悪びれる素振りを見せない憧を指差しつつ、玄さんに泣き付く俺。
この上なく情けない光景だが、そんなん知るか! 俺は味方がほしい。
玄「もう! そんな言い方ダメだよ憧ちゃん」ナデナデ
京太郎「そうだよ! 憧ちゃん!」
憧「ちゃっとなにいきなりちゃん付けで呼んでんのよ!」
京太郎「だって~」
玄「女の子だも~ん」
京玄「「ね~♪」」
そういって笑い合う俺と玄さん。うん、見事なコンビネーション。
憧「しゃぁぁ~~らくっせぇぇぇぇ~~……(巻き舌気味)」
穏乃「ぶふぅ!? ちょ、憧! 顔、顔!? すごいことになってる!」
放送コードに引っ掛かりそうな凄まじい、筆舌し難い憤怒の形相を浮かべる憧。
マジで怖いんだけど。
京太郎「よっと、これで完成」
玄さんに教えてもらった通りにバラを折る。
顔に真っ赤な紅葉を浮かべながら赤いバラを折る俺。う~ん、マンダム。
京太郎「ちょっとよれてるかな?」
玄「そんなことないと思うよ?」
和「須賀君は本当に器用ですね」
京太郎「こういうチマチマした作業は昔から得意なんだよ」
京太郎「なんか俺の人生そのものみたいで」
和「嫌な表現ですね」
京太郎「しかし、これはちょっと作り過ぎじゃないか?」
穏乃「調子に乗って遊びすぎたね」
俺と穏乃は今やすっかり忘れ去られた眠れる淡、その淡が被るダンボール箱に作った花や鶴、連環や切り紙のレリーフを糊で飾り付けている。
なんか邪教の祭壇みたいになってきたな。
淡「ふにゅ……」Zzz
俺は細く切った紙に花やレリーフをくっ付け即席の花冠を作る。
それをソッと、穏乃の頭に載せる。
京太郎「結構似合うじゃん」
穏乃「任しといて」フフン
京太郎「うん?」
溢れかえる折りバラの中に1つ珍しい物を見付ける。
京太郎「なんか青いバラが混じってるぞ」
玄「ホントだね」
玄「そういえばブルーローズは自然界には存在しない花という事で、花言葉には『不可能』や『奇跡』って意味があるらしいよ。後、『神の祝福』とか」
玄「もっとも今は品種改良が進んで実在するそうなんだけどね」
和「なんだかロマンチックですね」
京太郎「玄さん詳しいですね」
玄「おねーちゃんがお花とか好きで、一緒に見てたら自然とね」
あー、なんか納得。
憧「へぇ。で、誰がこれ作ったの?」
穏乃「あ、それ私」
なんでもない事のように普通に穏乃が手を挙げる。
京太郎「え”」
憧「しししし、シズがバラを創造した!?」
和「しかしこれはなんとも見事の川崎ローズ!」
京太郎「まさに奇跡!」
穏乃「いや、それアサガオのつもりだったんだけど」
京太郎「え、なに? お前んち実は錬金術師の家系なの? とうとう摂理超えちゃったの?」
穏乃「いえ家は代々和菓子屋ですが?」
穏乃「だって私、山登りばっかりしててこういうのあんまりやったことないんだもん」ブーブー
お前さっき得意科目は図画工作って言ってたですやん。
京太郎「なに、じゃあそんな小さい頃から山に登ってたのか?」
穏乃「そうだよ! 吉野の街の子は5歳も過ぎればみんな山で修行して育つんだよ!」
京太郎「……」チラッ
俺はさり気無く穏乃の同郷の友に視線を送る。
憧玄「「」」ブンブンブンブンブンブン!!
すげー勢いで首を左右に振る阿知賀メンバー。
さすがにそのレベルはお前だけらしいぞ。
穏乃「いやー、うち、おかーさんがさぁ『穏乃はもっと女らしくしなさい! 山は危ないから無闇に入っちゃダメ!』って」
穏乃「その抑圧された感情が、ね? だから私、日頃からいかにして山に行こうかってそればっかり考えてたよー!」タハー
京太郎「猛獣かお前は」
和「花言葉って面白いですよね」
憧「いろいろあるわよね。しかも大体2つ通りで、意味が反転してたりするの」
京太郎「タロットに通じる物があるな」
玄「たとえばこの黄色いバラだと、『友情』または『誠意がない』とかかな」
京太郎「なんか今日の玄さん格調高いね」
憧「友情、誠意がない……」
憧「京太郎は後者かしらね~」
したり顔でそんなことを言う憧。
京太郎「どーゆー意味かなそれ?」
憧「言葉通りの意味だけど」
京太郎「おいおい俺は誠実さと爽やかさと透明感でここまでやってきたんだ」
憧「ああ、モテない男が大事にしてそうな語群ね」
京太郎「言ったなこの野郎っ!! ちょっと澄ましたキャラ気取りやがって実はこっそり絵日記つけてるくせに!」
憧「ななな、なんであんただそんなこと知ってるのよ!? 見たの!? 読んだの!?//////」カァァァ
京太郎「穏乃に教えてもらった」ケロ
憧「シィィィィィズゥゥゥゥアァァァァァァ!!」
穏乃「うわぁぁこっちに振るなぁ!?」
和「もう! どうしてあなたあなた達は仲良く出来ないんですか」バン
机を勢いよく叩きさすがに和が仲裁に入る。
京太郎「い、いや待て和。これは俺と憧なりのスキンシップなんだよ!」アセアセ
憧「そうそう、仲の良さって別にベタベタするだけじゃないと思うのよね!」ワタワタ
和「本当ですか~?」ジトッ
うろんげな表情でこちらを伺う和。
あ、これぜってー信じてねぇ。
京太郎「憧もほら、嘘でもいいからいっぺん俺のこと好きって言ってみ?」
憧「え~しょうがないな~」
まさに不承不承を絵に描いたような表情である。
憧「コホン」
_. .-. . . . ̄. .゙. . . 、
, '´: . . . . /. . . . . . . . . .ヽ
/:;ィ´: : : : :/: : : : : : . . . .ヽ. .\
_,-─tァヽゝL:_/_:,': : : : : :|: : : : . . .゙ . . ヽ
,〃,r‐'7ハ: レ!__,'_ : ;イ | : : : /!!: : : : : ヽ. l . . .、
,':./ !: |: :|::LL_ヽ| !:||: : : ! |'T:‐:-|、: :|: ト、 !| \:ヽ
,':/ .|:.:|: :| ハチ≧ト、|ハ: : :!土_ヽ: :|: |: !:.|. .ヽ!! ヾ.、
,'/ λ:.r=|: |.{:;;::Cヾ ヽ|チ不≧!/! |: !. ./,'| ヾ:、
|l ハ: | (!: !`ー'' { {゚:;;:C |>|:.!:.|,:'./|j ヽl 好きよ、京太郎。
|| |: :|ヽト、!:.!xxx ' ` ー'' ,イハ|: |:/.:l ||
|:!. |N:l:.ミト、!:.| 、 xxx /ノノ !:.|: _;| |:!
|:l r、 .N:.ト {ヽ: !、 ー ,イf.l´.:.:|:.j//ハ l:.|
i!:| \\:|:゙、| |:ヽ:|:>、_ .... -≦|:.:.:.| !:.:.:.|,.'/:.:∧ .|:.|
. 从! l\\:| |: :l: !:| |ヽ|: !:.:.:.| |: :/ ,イ|:゙、:ヘ !:.|
ハ:ト:l Lf~ヽ `_ヽ_:!|ヽ ||、-、ヽ:_L`_r"∠!: :!:∧ |:.:!
,' :|::!ミ、 | >、ゝ.|´ヽ ヽヽ:ヽ-、 ,.r!::>‐'{ | |ノ|ノ7: |:.:.ヘ. ,':.:|!
|,' |!| ヾ,へ.ヽハノ、/ ̄`ヽヾ´ ̄`|::::\_ヽ_!__! .| /|: :.!:.: ∧ ./:.:.:!i!
言わせておいてなんだけど凄まじく疑わしい。
京太郎「本当かよ」
憧「いや、嘘だけど」
京太郎「嘘とか言うなよ」
憧「いや、だって嘘でも言えっていったじゃない」
京太郎「憧ってもしかして俺のこと嫌いのか?」
憧「好かれてるとでも思ってるんなら京太郎の頭はおかしい」
京太郎「」
なんだこの一連のやり取り。
和「嘘をつきましたね。嘘をついた須賀君には罰を下します」
京太郎「え!? 嘘ついたの俺じゃなくね!?」
和「言い訳は聞きたくありません。罰として原稿用紙3枚分の反省文を書いてください」
和「もしくは『将来の夢』をテーマに作文を書いてください」
京太郎「うう、僕の将来の夢は~……」カリカリ
俺の将来の夢か。
やはりそれを語るに当たって欠かせないのが俺の中学生の頃の話だろう。
それは遡ること3年前……ブツブツブツブツ
ガチャ
咲「こんにちわ~」
和「咲さん?」
優希「んぐ、いや~食べた食べた」
穏乃「まだ食べてたんだ……」
憧「あれ? 咲ってチャンピオンと出掛けてたんじゃなかったっけ?」
咲「うん、そうなんだけど。今帰ってきて聞いたらみんなここだって」
玄「おかえり、紅茶飲む?」
咲「あ、ありがとうございます」
玄「どういたしまして♪」
咲「ところでさっきから京ちゃんはなしてるの?」
京太郎「ん? おお、咲か。今ちょうどお前の自叙伝書いてたところだ」
咲「なにしてるの!?」
京太郎「タイトルはこう、単純に『咲』と」
京太郎「いや、これは過去話に当たるわけだからなんか副題つけるか『咲~過去編~』。いや、『咲~中学生編~』
京太郎「ん~『咲-Saki-中学生編 episode of Once Upon a Time 在りし日の二人』ちょっとくどいかな? いやいいか」
京太郎「これは面白い! これは売れる! 皆さんも是非、お茶の間の皆さんも是非これ買ってくださいこれ。全国の書店にて絶賛発売中!」
和「誰に向かってしゃべってるんですか?」
憧「壁のほう向いてることはだけは間違いないわね」
京太郎「あれ? 俺今なにしゃべってた? なんか一時のテンションに身を委ねてわけのわからないこと口走ってた?」
咲「うん。そこだけは間違ってないね」
京太郎「まぁいいや。どうせここ編集でカットするし」
憧「残念これはライブ中継」
和「人生に編集点なんてそんなオカルトありえません」
僕の将来の夢は本の印税で優雅に暮らすことです。
咲「なにこれ?」
咲が怪訝な表情を向けたのは邪神崇拝の祭壇。……ではなく淡が被るダンボール箱。
京太郎「バカ! 不用意に近付くなその下には世界によって封印された暴虐の邪神が眠ってるんだ」
京太郎「静かに、静かにこっちに来い」
咲「う、うん……」
頷くとゆっくりと戻ってくる。……と。
ガタッ
咲「あ……」
咲が淡の座っている椅子に脚を引っ掛けた。
京太郎「あ……」
淡「う、う~ん」
呻きを零しながら、ダンボールがモゾモゾと鳴動する。
淡「あわ!? なにこれ暗い!?」
淡「なにこれ? なにこれ!?」
ガタガタと動くダンボールもとい、淡。
優希「京太郎の仕業だじぇ」ボソ
あこらバカ! 優希てめぇなに火ぃくべてんだよ!?
動きがピタリと止まる。
ダンボールの天面に貼られたガムテープが白磁のような10本の指で押し上げられ、張力限界を超えて剥がれ落ち、蓋の部分がゆっくりと開かれる。
淡「キョォォォォォォタロォォォォォォォ…………」
地鳴りのような底冷えする声。現れたのは髪を大きく逆立て、口元は憎悪に痙攣し、眼球には毛細血管が浮かんでいる、
これでもかというほど装飾のあしらえられたダンボールを胴体とし、赫怒の炎を背景効果に纏った異形の邪神がそこにいた。
麻雀の対局中ですら、こんな激烈な殺気を放っている奴になどいまだかつて出逢ったことがない。
京太郎「なぁ、俺、今どんな状態になってる?」
穏乃「んとね、わかりやすくいうと小説版デビルメイクライのギルバ」
京太郎「つまり包帯でぐるぐる巻きってことだな?」
和「わかりにくいネタ持ってこないでください」
淡「ふんだ!」バクバク
京太郎「ちくしょう、愚かしいほどの真摯な善意でやったことなのになんでこうなるんだ」
淡「そりゃ寝たのは私だけどさ! ダンボールは無いでしょダンボールは!」
京太郎「だから手頃なもんがなかったんだって」
淡「じゃあ、……その、上着とかでもいいじゃん」ボソボソ
京太郎「え? なんだって?(難聴)」
淡「なんでもないもん!」
優希「すまんじぇ淡ちゃん、うちの僕用犬が」
淡「ううん。ユッキーは悪くないよ」フルフル
京太郎「わかるぞ、その『ぼくよう』って字が牧羊じゃなくて『しもべ』って意味の僕ってことが俺にはわかる」
優希「うっさじょ犬」
淡「そーだそーだ犬~」
京太郎「なにこの仕打ち。ちくしょう淡まで俺を犬扱いしてきやがる」
淡「犬~犬犬犬犬犬!」
京太郎「あ? 俺が犬ならじゃあお前は猫か?」
淡「私のどこが猫なのよ!」
京太郎「その自分勝手なところとか、気分屋なところとか、後エサやってるとき以外はまったく可愛げないところだろうが!」
淡「ふ~んだ、猫らしさっていうのは自分でルールを決める自由さ。飼い犬とは違うのよこの首輪ヤロー!」
京太郎「こっの……はぁ、なんか疲れた。これやるから機嫌直せよな」
俺は手元に残っていた折りバラの中から白いバラを1つ取り上げ淡の頭に載せる。
淡「ふん、こんなんで誤魔化されるわけ、」
玄「淡ちゃん、淡ちゃん」チョイチョイ
淡「なぁに? クロ」
玄「白いバラの花言葉はね、『私はあなたに相応しい』って意味なんだよ?」ボソボソ
淡の目が見開かれる。玄さんがなにやら耳打ちしているが俺の位置からでは聞き取れない。
淡「もうもう! しょうがないな~キョータローは~」アワアワ
え?! なんか一瞬で機嫌が直ってるんだけど? 白いバラを手に握り360度どこからどう見てもニコニコ顔である。
視線を向けると、玄さんが指でOKの形を作りサインを送ってくる。
よくわからんがさすがベスト・オブ・マイフレンズ。
京太郎「そういえば、一番代表的な赤いバラの花言葉ってなんなんですか?」
玄「え?」
俺の質問に、玄さんは一瞬虚をつかれたような顔になる。
玄「え、え~とそれは……///」
口ごもる玄さん。
え? そんな言いにくいことなん?
映画や小説でもよく贈り物とかになってるし良い意味なものだとばかり思ってたけど実は不吉な意味があるとか。
和「あ、それなら私も聞いたことありますよ。確か……」
___
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|:.`ヽ!゙、ヽゞ-' ,  ̄ |ノi: : :|
|: :.:.|:|ゝ、 '''''' __ ''"" /:| !: : :! 私を射止めてください! とか
i: : :/ リ/i \_ ´ー ′ /|:.:|:|.: : :|
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ト、\ 人: l:.| } jト、 \j : リ: :/: :/
| .\ \ ヽ j\ _ _j ハハ ` <': :./
|:::\\ \ \ ⌒ } i `<}ト、
|: :: :::\\ \ \ .N // ト、
たぶん今の俺達は外人四コマの2コマ目みたいな顔してるんだろうな。
和「ああああああああああ//////」
和「だったような気がするんですが、咲き方とかによってもいろいろ違うみたいでえええ///」
京太郎「へぇ」
和「あの、須賀君」
京太郎「ん? なんだ和」
和「人生の編集点ってどこで入れれば良いんでしょうか?」
京太郎「そうさな、やらかしちゃった時点から大体10秒前くらいに血痕が落ちてるから。まず、それを回収して……」
照「……」タコスー
i
_||__
=ニニニ二ロ [∞]ニニ=-
 ̄lニコ二I´
\ヽヽ よく来てくれた 残念だが、憧無双など存在しない
ヽヽヽ だまして悪いが、仕事なんでな 諦めてもらおう
, ───,-―‐-、 ─| ̄|ー┐─,-―‐、
/ / _l`、 ̄ ;/ヽ ` 、 __ __l
| i二l __ j_l ̄ ̄ ̄l ̄ ゙̄〕_l __ j_l
ヽ___ヽ ,l-l、 / _/ ヽ_,/ _,l-l、/
└── `l二二l /〔二` ´二〕 l二二l
あ、今回のネタこれで終わりです。なんか久々に長く書いたな
まぁいろいろ言いたい事とかあると思いますがそこはグッと堪えてもらうということで
それではまた
陽光を遮る葉と梢の天蓋。木の根と緑の苔の絨毯。
緑葉の合間から差した日差しに一瞬だけ視界が眩み、俺は目を細めながらそれを手で遮る。
真夏の暑さを感じさせない木々の隙間を縫うように、僅かに湿った苔に脚を取られない様に気を配りながら緩く傾斜した地面を進む。
何故、俺がこんなところを1人で歩いているのかと問われれば単に高鴨穏乃のお目付け役を仰せつかったからである。
宿泊施設から少し行った場所にある森林の先にある小高い丘へ行きたいと言い出し穏乃が俺を誘い、
拒否しようとしたところをその友人と顧問に言い包められてこんな場所までわざわざ付き合ってここまで来たのだが、
現地に着いた穏乃は俺の存在など忘れてしまったかのように、弾かれたように走り出し俺が声をかける間もなく木々の奥へと消えていった。
仕方なく穏乃の走り去っていった方向へとゆっくりと歩き出し林へ足を踏み入れて今に至る。
アウトドアやサバイバルの経験も知識も皆無な俺は、森の中で他人を追跡する術など存在せず脚と目と耳を使って地道に少女を探すことにした。
京太郎「とは言え、見付からない」
もう少し先まで行ってみようか、そう思いさらに歩を進めようとしてふと違和感に気付く。
鼻先を掠める、濃い緑の匂い。
まるで深い森に迷い込んだかのような感覚。
一陣の風が吹き抜ける。耳朶を打つ音。
京太郎「…………っ」
俺はそれを声と認識した。誰かが呼んでいる。
何故そう思ったのか、そう感じたのかは俺にもわからない。
不思議と恐怖心はなかった。俺は向かおうとしていた方から踵を返し、
風が吹き抜けていった方、俺を呼ぶ声の方へと歩き出した。
歩き続けていると開けた場所に出た。
展望台、っというほど整備はされていないがハイキングコースかなにかのなのか歩くにはさほど苦労はしない程度には均された高台といった感じか。
落下防止の欄干が左右に伸び、その向こう側には街並みが見える。
視線を巡らせると、見慣れたポニーテールと上半身をすっぽりと覆ったぶかぶかのジャージ姿の背中が目に入った。
俺はガシガシと後頭部を掻くと、そちらへゆっくりと近付いていく。
後数歩というところまで来て、俺は先にも感じた違和感を再び感じた。
目と鼻の先にいる少女から漂う、霞にも似た儚さ。
これは本当に俺の知る高鴨穏乃なのか?
普段の騒がしさをまるで感じない、なんて静かな気配。
俺は違和感を振り払い穏乃の背後に立つ。
京太郎「おい」
俺は緩く拳を握り、手の甲で穏乃の頭を後ろから小突く。
穏乃「お?」
そこまで来てようやくこちらに気付いたのか、打たれた頭を片手で押さえながらこちらに振り返る。
穏乃「お! おっす京太郎」
手を上げて気軽に挨拶してくる穏乃、同じように片手を挙げてそれに応じる。
京太郎「おっす。…………じゃねぇよ、勝手にどっか行くなよ。心配するだろ」
穏乃はそんなことを言われるとは思っていなかったのか目を丸くする。
穏乃「心配してくれたの?」
京太郎「まぁ多少はな、いくら穏乃がこういうとこに慣れてるっていっても目の届かないところに行かれるとな」
穏乃「そっか」
小さく微笑む。
穏乃「私はずっと京太郎の近くにいたけどなー」
京太郎「あん?」
穏乃の言葉に俺は怪訝な声を上げる。ずっとというのはここに着てから、っということだろうか?
京太郎「いやいや、お前ここに着いた途端俺のことなんて放って1人で突っ走っていったじゃん」
穏乃「ん~、そうだけどそうじゃないというか」
顎に人差し指を当て天を仰ぎながら考え込むように言葉を選ぶ。
穏乃「京太郎、途中で道に迷ってたよね。あのまままっすぐ進んでたら急な坂になってたよ?」
穏乃「もしかしたら、足を滑らせて転んで怪我してたかも知れなかったよ」
京太郎「は?」
穏乃の言葉が理解できなかった。俺とこいつはつい今再会したばかりで、森を抜ける間は別々に行動していたのだから、
こいつが俺がどの道をどう歩いてきたのかなど知っているはずがないのに。
穏乃「だから呼んであげたんだ。そっちじゃないこっちだよって」
京太郎「……」
あの音……俺が感じていた風の中にあった声は俺を呼ぶ穏乃の声だったというのか?
そんなバカな。和ではないが、そんなオカルトありえない。
普段ならそう考えるはずなのに、何故か穏乃の言葉がゆっくりと身体に浸透していきすんなりと受け入れることができた。
京太郎「穏乃は、ずっと俺と一緒にいたのか?」
穏乃「うん!」
元気よく朗らかに頷く。よく知る穏乃らしい笑み。
穏乃「私はいつでも、何処にでもいるよ。京太郎の見るもの感じるもの」
自由を知る鳥が両翼を広げるように、穏乃はその両腕を左右に目一杯広げる。
穏乃「風の先にも大地の上にも」
そしてその右の人差し指の先がゆっくりと俺の胸に触れる。
穏乃「京太郎の中にもね」
そういって笑う穏乃の笑顔にはどこまでも透き通るような純真さがたゆたっていた。
京太郎「俺は……」
胸に触れる穏乃の指。
京太郎「俺はそういう観念的な話はよくわからないけど」
そこから繋がる右手をそっと握る。
京太郎「そのどれでもない今、目の前にいて手に触れられる『この』穏乃がいいな」
ハッと息を呑むのが聞こえた。
穏乃「あは、そうだね」
頬を掻きながら照れたように笑う。
穏乃「私もそう思う」
そういって穏乃は俺の手を握り返してきた。
京太郎「なにをしてたんだ?」
穏乃「風と話してた」
京太郎「そっか」
抽象的でいまいち要領を得ないが、俺ははっきりと頷く。
俺達は肩を並べて眼下に木々の群れとその先に見える街並みを眺めている。
穏乃「中学生の頃……」
急な切り出しに、俺は疑問に思うでも戸惑うでもなく静かに耳を傾ける。
穏乃「流れでみんなバラバラになっちゃって、だから山に1人でいることが多かった」
穏乃「だから自分ってものがハッキリと感じ取れたし、いろいろ考える時間もあった」
穏乃「いつしか意識は自然の中に溶け込んで、深い山のすべてと一体化してるようなそんな感覚」
京太郎「風……いや、大地と語るって感じだな」
穏乃「! そっか。うん、そうだね」
穏乃「ほっ!」
掛け声ひとつ。穏乃は勢いよく地面を蹴ると、その勢いで欄干の上に立つ。
京太郎「おい、あぶな、」
穏乃「とう!!」
そこまで言いかけて俺は言葉は霧散して消えた。細い手摺りの上で器用にターンを決めると、俺のほうに向かって跳びかかってきた。
穏乃は身長も相まって身体が非常に軽い。けれど勢いがあればそれなりの運動エネルギーが生まれ、当然衝撃もある。
それでも俺はなんとか踏ん張り、背中と膝裏に腕を回して横抱き、所謂お姫様抱っこの状態で受け止める。ここで倒れ込んでは男の沽券にかかわる!
京太郎「バッカ野郎! 危ねぇだろ!」
穏乃「京太郎なら受け止めてくれるった信じてた」
一点も曇りもなく本当にそう思っているかのように言われ、俺は僅かに言葉に詰まる。
京太郎「それでもダメなもんはダメ。次はないからな」
穏乃「はーい!」
わかってないなこいつ。
俺は穏乃を落としてしまわないように、しっかりと抱き上げる。
肌に感じる体温と、微かに聞こえる吐息の音。
穏乃は俺の中にも自分はいるといっていた。けれど当の本人は今、俺の腕の中にいる。
それは俺の内なる世界と外なる世界。
俺の見ている世界と、穏乃の見ている世界は別々でそれは互いに不可知の領域のははずだが。
京太郎「なにを見てるんだ?」
穏乃「空、かな」
視線をたどり同じように空へと目を向ける。
晴れ渡った何処までも続くような青空。
俺の見ている青空と穏乃の見ている青空は果たして同じものなのか。
感覚所与、感覚与件、センス・データそう呼ばれる外界からの情報を内面で構築して世界を感じている。
だから人は内なる世界と外なる世界の二重構造を持っている事になる。
ならその世界はどうやって線引きされるのか。
人は外なる世界の共通部分で間接的にしか交われないのか。
自分、青空、木の根、虫、土、梢のざわめき、穏乃。
そよ風が吹き抜ける。
京太郎「!」
一瞬、自分が何処にいるのかわからかった。
ただ俺が感じるすべての中に俺自身も含まれているんだと、上手く言葉にできないがそんな気がした。
京太郎「穏乃」
穏乃「ん?」
下から穏乃の大きな瞳が俺を見上げてくる。
京太郎「少しだけわかった気がする」
これが穏乃の感じている世界。
穏乃「~♪」
それを感じ取ったのか穏乃はなにもいわず俺の首筋に鼻先を近づけてくるだけ。
穏乃「もっと、いろんな世界を感じたい」
穏乃「もっとずっとずっと遠くへ行きたいね。京太郎と一緒に」
京太郎「たとえば?」
穏乃「そうだな~」
再び青空を、その先にあるずっと向こうも見据える穏乃。
穏乃「この深く蒼い瞳のような空の終わりまで……かな」
i
_||__
=ニニニ二ロ [∞]ニニ=-
 ̄lニコ二I´
\ヽヽ to the end of this sky which deep blue like eyes
ヽヽヽ 途中から自分でなに書いてるのかわからんかった
, ───,-―‐-、 ─| ̄|ー┐─,-―‐、
/ / _l`、 ̄ ;/ヽ ` 、 __ __l
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ヽ___ヽ ,l-l、 / _/ ヽ_,/ _,l-l、/
└── `l二二l /〔二` ´二〕 l二二l
スレ立て当初から書きたかったネタを消化。元ネタは作中の穏乃自身の発言とほか2つくらい
ちょっと皆さん俺の文章力の所為でなに言いたいのかわからないと思うんですけど
まぁその、すんません
それではまた
__
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\.、 /´ /::/:::::/彡|::´|::///ノ/:::ムリ.lλ|| |j |リ
` `ー――- __ , イ/::/::::/:,. 、::l:::::l伝丁` ム '乏灯ハn /.ハ
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_ヽ\マ、 `ー//===テ´:::::::::::::::::::::,、::::>-‐´ ̄ ̄ 八 l:::::ト` x _´ .イ .l::::|:::::ⅰ `ト \
.\` `>==イ`ー┴' ̄`´ ̄`ー….  ̄ - _ \ | ヽlλ|/Yヽ_レ、 人/イ::ハ ` 、 } あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅとぅートゥットゥルー
.r- ` /ミ ` ー _ - _ \ .| ヾ「 ̄`r{:.:.:.:.{ { 彡イ::::::ヽ_ ヘ __ノ クロチャー☆なのですのだ!
. `  ̄└- _ ― ` / 入:.:.:水\__ト |  ̄ ヽ:::::ヾ、  ̄ ̄ ̄ ̄¨¨ ̄
アァ―ァ‐‐ァ‐-‐ァ…'ー―‐-- ____/ ー、:.`:./ λ:.:/ :. }::::::|ヽ.
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、 - ´ / ' } ヽ ヽ\ \
`  ̄ >' / ,: | ∧/! | } ヽ ヽ
/,ィ / ' / /| _/,.ム斗}-/ ハ :.
{/.' ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ } | . <それカツオだけど…
/ イ/{ : ! ィ斧从}/ Vzソ ノ /イ ,:
<__ ´// 从{ Vソ / / イ- 、 |
{'{ { , ' /' ⌒ } |
从Ⅵ u /.: ノ |
叭 v_ ̄ヽ ,rー' 从
、 イj / /
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、__ ´ } イ从/
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「 ̄| 「 ̄ ̄ ̄ ̄}
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AAって難しいね…
AASSもちょっとやったみたかったけどまだまだ精進が足りない
すぐに書くかはわかりかねますが
ネタに困った時のストック程度にってことで久々に安価を
↓3
↓5
今度こそ憧無双を……!
宥姉とのほのぼのとした話が見たいかな
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. /: : ヽ:ヽ 、:::Χ::::::、::::. : :!¨ヽ:::::: : : : : : : : 、:ヽ 牌
/: : : ::\、:. /`ΧV::',::::::::「 }:.:.:.:. : : : : : : ::\\
. . : : /: : :::ヽ/ヽ代J}ヽN::::::!) /::.:.:.::.:.: : : : : : : : ヽ の
/: ; イ: ハ: : ::::\__ `' V:! 「:::::!:::::!::::::ヽ: ヽ: : }ヽ}
// |/ .V: ::::::〉 ` リ .|::::/!::::ハ:::::} ハ } \! ヽ 悪
. / | V: :::ト、 ,_ァ / ´ ̄¨|::√}::::厂 }!、 j
V::/ `i:r- 、 j .::. !/`、|:/ >、 魔
. V j! }::「! :::l / /\ `>、
j:ハ l ::::l ::ヽ ::... ≧x を
叩 /y ::::! ::::::〉、 :::>:::7/
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い 〃 { /=≦ム://' ∨
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て x:´ : : :/::ハ ::::Lヘ´ 'i
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く |::/ l: :/ / :. .::::::::::l l
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スカーフ(リボン?)のところが微妙にズレたな
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// i | 「\ \ ゙, ゙, ;:.
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. / '´ _.. ``> $.温泉 × グレネード = 日本 <_.. .._ `、
. { '´ .._> ゚ ° ど __ }
. ! ´ __,ノ 有澤重工日本の誇り . ゜ と___ }
イ]「「| ゚。 . |`Tハ /
. \__| || | ゚+ 大艦巨砲主義 . | || l/
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| || | ゜' +心 | || |
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Lこ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ごノ
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\ / ハ /
/` .._ ,゙ ハ _.. ∧
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/ ∧
ただの改変ってだけなのにAA難しいですね
アコチャーより先に宥姉のが先になるかも知れませんがゆるりとお持ちください
最近アラサーがアンサラーに見えるのは俺がちょっと病んでるからなんだろうか
それではまた
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...:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : : : : .
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/:./:.:/ : : : : : : : : : : : : ヽ : : :.
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/ ー|―|斗f‐┼ |: : : :| |─-l、|:_l,ノ|
. //:i: : |: : |八ハ:{ |:..:./リ |/ }人 : l:ヽ!
厶イ |.:.: ∨:|灯j芯ヽ1ソ ィjア苅Υ: :/: : |
│:..: :{い.乂(ソ ′ 乂(ソ/ }ィ: : : :|
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│!│|:.:.:.:.:.:.:.:.| __ |:.:.:.:.:.:.:.|:.:./リ I'm thinker ♪
乂人|八:.:ィTノ {爻} {ア> :.ノイ トゥートゥートゥートゥトゥー ♪
/ < |___ Ⅵ/__/ >
. r<丶 ∧__ }へ‐ァ >‐┐
/ \ 、 ∧/ニニ}′ // `ヽ
| 丶\ | ー‐} // |
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| { ヾ≧=/ .}={=≦:.:./ .′ |
′ 〉 ゞ=/ /}{:.、:.:イ==ノ
/ __,,/斗-〈 / /: }{:.:.:\ { 、 ノ }
ゝ /.-====ハ . ′ /.:.:.}{:.:.:.:.:.ヽ Υ¨¨¨¨¨ ヽ /
\{/ 斗―∨ .:.:.:./}{\:.:.:.:.| }=======/
∨ハ / /:.:./.〃 }:.:.:.| ‘ァ…‐‐;、/
http://www.youtube.com/watch?v=s_BWeomDsvQ
??「好きなように打ち、好きなように負ける…それが、わしらのやり方じゃったのぉ」
??「…ス………コス……タコス………タコスタコスタコスタコスタコスタコス(ry」
??「この程度のオカルト想定の範囲内ですよォ!」
??「好きなように打ち、理不尽にトぶ それが俺」
咲「四人とも何言ってるんですか、部長?」
久「気にしちゃ駄目よ」
/ヽ、 ,,
/////ィ, ィノイイイイィィィ,,,,,,
_,,,、./--------ィィ,,/_/_/_/_////イィ,,,,, __,,、-ァ
,,、-.ァ<二、ヘ;:;:;:;:;:::::::::::::::: : : : : : : : : : :::::::::":":":-,-,'、、、>_,,、-'´三::::/
≪´ ゚<◎ィ/ } \::::>''"ヲ::::::::::::::::: : : : : ::::::::::::::::::‥‥‥::: ̄:::::) 三::::〈
.マミ_ _ノ | /)_三::/: : : : : : : : : : : : : : : : : __,,、─--、_ 三::::ヘ
```ヽ==ィイ__ _ ̄ ___,,,,,,,、、---─''´´\\`ゝ ``ヽ-┘
 ̄ ̄∨ミミ ̄ ̄ ̄ `ヘ:::ヘ::ヘ::ヘ::ヘ::ヘ:ィ''´´
∨ミ ``````´´
V:::::::::ヘ __r‐ァ
V::::::::::ヽ . .―:―<:ヘ ..-<::ヽ \
V::::::::::::\ /: : : : :/ ヽ : :\ /::::::::::i/⌒'┘
V::::::::::::::ヽイ: 7:ヽ:/ ノ: : : : :\ ..―:´::::::::::::/
. \:::::::::::ハ V:i,_{_ ` ノフヽ:ノ:}:/::::::::::::::::/
V::::::::::V: i,,, _` ' ⌒゙ !ィ/::::::::::::::/
ヽ::::::::{:八 (  ̄i ''' /:/::::::::::::/:\ <魚ぉぉぉぉぉぉぉ京太郎ぉぉぉぉぉぉっ!!!
ヽ::::::::::::zト .二 イ.レ':::::::::ィ: : : :ヽ:\ <キスゥゥゥゥゥキスだぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
V:/:::::::::〃 ̄::::::i:::::/ ヽ: : :ヽヽ )
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└┬―‐ Tニl ̄  ̄!:>'
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/|{/ // /芹ミ八{ ィf笊ハヽi 〈/ | f_l_| /l
j 〈/ィ ト弋ツ 弋)ツノィ l|l| //
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: / | l| 人 、 , /, //
/{ | |ト { > _ _ イ、/ // ___ fヽr─ 、
八 八_>ー/┏━━━━━[____]━━━┷//⌒ヽ
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(喜んでるはるる)
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(怒ってるはるる)
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(哀しんでるはるる)
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(楽しんでるはるる)
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(麻雀を打ってるはるる)
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(自販機で飲み物を選んでるはるる)
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(今日の晩御飯は筑前煮がいいなと思ってるはるる)
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(黒糖を食べてるはるる)
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(スクエア三大ゲーは武蔵伝とアインハンダーと後1つなんだろうと考えてるはるる)
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(純刃マラソンに飽きてきたはるる)
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(京太郎に会いたいなーと思ってるはるる)
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(京太郎に会えて嬉しいはるる)
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(京太郎が黒糖を持って来てくれて嬉しいはるる)
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(京太郎が黒糖を持って来なくて怒ってるはるる)
: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ \ : :!丶  ̄ Vイ:ハ |\:i
.: : 丶 \゙、 `> リ ` 「ちょっと待てなんかおかしくないか?」
ヽ: : :`┬ 、 ヾ /
i: ;ィノ U ,....-ィ /
,,:‐レリ _  ̄ /
゛=!_ \ `ー-、_ _/
::::::゛== 、 \ / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、 >
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.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ \ : :!丶  ̄ Vイ:ハ |\:i
.: : 丶 \゙、 `> リ ` 「なんで俺に会えた時より、俺が黒糖持って来た時の方が嬉しそうなんだよ」
ヽ: : :`┬ 、 ヾ /
i: ;ィノ U ,....-ィ / 「そんでなんで俺が黒糖持って来なかったらそんな怒ってんだよ」
,,:‐レリ _  ̄ /
゛=!_ \ `ー-、_ _/ 「その感情を式で表すと、俺+黒糖=正の値で、俺-黒糖=負の値」
::::::゛== 、 \ / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、 > 「この不等式を解くと黒糖>俺という事になるが?」
./: : :l: : |: : :||V: : : : : :∨: : 斗-l: : : l: |: : : :/  ̄ \
i/: : :|: : |i|: : :| l ∨: : : : : l\: : | l: : :|:l:|: : /
||!: : :|: : |l|: :⊥ヽ ∨: : : : :\\l └‐' ||: :l 自 そ
||l: : :l: : ぃイ: : :l \\>‐'´ x-‐==气: :| 慢 れ
.l |l: :l : : ぃヽ ´ ‐'´勹:::::::::::|」: :l : が
{ l ヽ斗< x_=气 ∨二ノ|: 〉
|i: : :∧ 乂ン |:l: : : : : :|: : :
.(つ li: : : ∧ /// ′ |:|: : : : : l: : :
lニ⊇|i: : : : ∧ . ‐ ァ / |:|: : : :|/ ̄
└ュ | |i: : : : : :ヽ ` |:|: : : |l /
└‐┘|i: : : : : : ||  ̄ ¨ ―-< /|:|: : :八
さ す が は る る !
頭の悪い京太郎SS略してワルきょう
すいません。俺がふざけた所為でこのスレの主旨がよくわからなくなってきたと思うけど
明日からはちゃんと書くので見限らないでください
こんなことばっかやってるからたまに真面目な話書くと別人扱いされるんだな
最初に耳にしたのは水音。
勢いよく噴出した水が地面を叩く音に、徐々に意識が覚醒してくる。
小さく震えた目蓋の隙間から夏の日差しが差し込み、視界が白く染まる。
右手で目元を擦りながら現状確認すると、どうやら場所は屋外。
いまだにぼんやりとする頭でようやく状況を把握する。
夏の昼下がり、旅館の中庭の木陰にベンチを見付けた俺は食後の昼休みとばかりにそこで優雅に昼寝を決め込んでいたのか。
?「ごめんね。起こしちゃったかな?」
この頭がふにゃふにゃしてきそうな癒し系ボイスは……。
京太郎「宥さん?」
声の方に視線を向けると、中庭の隅に設置された花壇に水遣りをやっている宥さんの姿が目に入る。
8月の太陽光の下、相変わらずのコートにマフラーの重武装形態。マスクとメガネはしていないのでフル武装形態ではない。
俺が投げ出したいた両脚を地面に下ろし、ホースで水遣りをやる宥さんをしばらく観察する。
宥「~♪」カタカタカタカタ
表情だけなら機嫌が良さそうなんだが、その実は全身を駆使して凄まじいビートを刻んでいる。
夏場と言えど冷水は宥さんには堪えるようだ。大丈夫かなこの人?
京太郎「あの」
宥「ん~?」
故につい声をかけてしまった。
京太郎「よかったら代わりましょうか? 水遣り」
宥「ありがとう。でも大丈夫だよ? 私、慣れてるから」ニコ
笑顔でやんわりと断られてしまった。
食い下がってもいいのだがあんまりしつこいのも鬱陶しいかなと思うので、ここは静観することにする。
宥「~♪」カタカタカタカタ
可愛い。
高く上げたられた水流の放物線が太陽の光を反射、屈折させ円弧状の大気光学現象。所謂、虹を作り出す。
花壇に植えられた花々と、水滴と光の乱反射。その中に立つ宥さん。それは間違いなく現世に光臨せし女神そのものだった。
ああ^~ゆうキチになる~。
宥「ごめんね。待たせちゃって」
京太郎「いえ、俺が勝手に待ってただけですから」
さすがに後片付けは手伝わせてもらう。
水を抜いたホースを巻いて、蛇口の脇に寄せておく。
宥「うう……ちめたい……」
両手と両目をギュッと瞑り寒さに震える宥さん。
俺は無言で両の手の平を前に差し出す。
意図を察した宥さんが俺の両手を握る。
宥「あったか~い」ポヤァー
あら咲いてる。
京太郎「喜んでもらえてよかったです」
宥さんは手があったかくて幸せ。俺は宥さんと手を繋げて幸せ。
誰も損をしない完璧な構図。これこそ世界平和の第一歩である。
京太郎「他のメンツには俺の手は冷たいとあまり評判はよくないんですけどね」
宥「そうなんだ」ムム
なにやら考え込む宥さん。
宥「手が冷たい人は、心も冷たいっていうよね?」
京太郎「……」
本当は逆で手が冷たい人は心が温かいというのが通説だが。とは言えそれを自分で訂正するのはなんかイヤだ。
俺が渋い顔をしていると、俺を観察していた宥さんと視線が衝突する。
宥「~♪」ニコ
微笑む宥さん。脳裏に雷光。
からかわれたんだ、からかわれたんだ! ちくしょうなんか恥ずい!
京太郎「まったく、人が悪いですよ宥さんも」
宥「ごめんね? なんだか京太郎君が可愛くって」
可愛い……か。
まぁ宥さんがそれで笑ってくれるんなら俺は甘んじて弄られキャラに徹しようか。
京太郎「そういえば宥さん手袋も持ち歩いてましたよね? そっちを使ってもよかったんじゃ」
宥「あ……そ、そうだね」ゴソゴソ
普段、腰の辺りに紐で吊られている宥さんの手袋。
宥「あ、あれ……」
京太郎「どうしました?」
宥「あの、手袋なくなっちゃって……」
京太郎「え? 落としちゃったとかですか?」
宥「う、うん……たぶん……」
宥「どうしよう……」
心なしかいつもより振るえが大きい気がする。目元もフルフルしている。
京太郎「あれって大事なものなんですか?」
宥「うん……玄ちゃんがプレゼントしてくれた大切な……」グス
あちゃ……そういうことか。
京太郎「じゃあ、探しにいきますか」
なんでもないことのように言う。
宥「え、でも……」
京太郎「いいからいいから。どうせ俺、昼寝くらいしかやることないですし」
そういって俺は宥さんの手を取って歩き出す。
京太郎「狭い旅館ですし、2人ならすぐ見付かりますよ」
いまだオロオロしている宥さんに笑いかける。
宥「うん」コクン
俺の言葉に少しだけ笑ってくれた。
宥「それで、どこを探せば」
京太郎「まぁ中庭周辺にはなかったですし、あるとすれば館内ですね」
?「あれ?」
俺と宥さんがこれからの捜索方針を話し合っていると横合いから声がかかる。
玄「おねーちゃんに京太郎くんではないですか」
それは宥さんの妹さんの玄さんだった。
京太郎「こんちは、玄さん」
宥「く、玄ちゃん……」
罪悪感か、少したじろぐ宥さん。
玄「御二人はなにをしてたですのだ?」
京太郎「ああ、花壇で少し」
玄「ボードゲーム?」
京太郎「玄さん、そのボケめっちゃ突っ込み辛い。流しで」
玄「う、はい……」
俺はこっそり宥さんに耳打ちする。
京太郎「この際だから玄さんにも協力してもらいます?」
宥「でも……」
京太郎「大丈夫、玄さんはそんなことで怒ったりしませんよ」
京太郎「逆の立場なら。宥さんは玄さんを怒りますか?」
宥「ううん」フルフル
京太郎「なら大丈夫ですよ」
宥「うん」
玄さん「2人ともどうしたの?」
京太郎「ああ。玄さん、実は……」
玄「ふ~む、なるほどなるほどなるほど~」
宥「ごめんね玄ちゃん。玄ちゃんがせっかくプレゼントしてくれたのに」
玄「おねーちゃん!」ダキ
宥さんに力一杯抱き付く玄さん。
玄「そんなに大事にしてくれてたなんて感激だよ!」
宥「玄ちゃん……///」
玄「おねーちゃん……///」
見詰め合う2人。
京太郎「あの」
宥玄「わわわっ!?」
俺が声をかけると慌てて離れる宥さんと玄さん。前々から思ってたけどなんかこの2人怪しくない?
京太郎「それで、玄さん。なにか心あたりとかないですか? どこかで見掛けたとか。もしくわ宥さんがうっかり仕舞い込みそうな場所とか」
玄「おねーちゃんがうっかり置いてきそうな場所…………………………………………こたつ?」
宥(妹にダメな子って思われてる!?)
それからあーでもないこーでもないと議論し玄さんは別れて別の場所を探すことになった。
じゃあ三手に別れようと俺も別の場所に向かおうとしたところ、玄さんに宥さんに着いててほしいと頼まれた。
理由を聞いても教えてくれず、玄さんは「真実はいつもじっちゃんの名に懸けてたった一つのQ.E.D.!」とか言いながらさっさと行ってしまった。
大丈夫かなあの人? 少し心配だ。
京太郎「ね? 言ったとおりでしょう」
宥「うん」
京太郎「いい妹さんですね」
宥「私には勿体無いくらいの、自慢の妹だから」
京太郎「それ、玄さんに直接言ってあげるといいですよ。まったく同じ返ししてきますから」
その光景を想像すると、つい口元がニヤけてしまう。
松実姉妹恐るべし。
阿知賀女子の泊まる部屋。
初日に俺が炬燵を運んだあの部屋にやってきた。
宥「う~ん」
着くや否や。宥さんは炬燵布団を捲るとそのまま炬燵の中に頭を突っ込んで探し出す。
京太郎「ま、宥さん! ちょっと」
四つん這いで頭を突っ込んでいる姿勢はまぁなんというか臀部を突き出すような姿勢でもあるわけで、
なんというか……物凄く目のやり場に困る。
宥「ない~」
ないなら早く出てきて下さい!
俺の切なる願いなど露知らず宥さんはさらに腹ばいになってどんどん奥へと潜っていく。
ああっ! そんなズルからスカートの裾が捲くれ上がって……いいぞ、もっとやれ!
いや違う! 目を覚ませ俺!
京太郎「宥さん! ちょっと待って」
自分の欲望に決して屈したりしないという内なる絶対律。感情を理性で屈服させ、制止に入る。
宥「京太郎く~ん……」
布団越しに聞こえる篭った声。
宥「引っ張り出して~」
ええ~、もうなんなのこの人ぉ~?
京太郎「もしかして、もしかすると俺を誘惑してるんではなかろうか」
宥「なに~?」
京太郎「なんでもないです」
俺はいわれたとおり宥さんを引っ張り出そうとし、……て、硬直する。
京太郎「」
どこを持てというんだこの人は。
京太郎「あの、どこを持って引っ張れば……」
宥「脚でいいよ~」
そういって自らの脚をパタパタと漕ぐ。
これに触れろというのか。
京太郎「わ、かりました……」
搾り出すような声で承諾。俺はゆっくりと宥さんの脚に触れる。
フニッ
柔っこい! 温かい! 俺の理性は脳髄をぶち抜き成層圏まで達しそうだった。
落ち着け俺。ここで不埒な事をして宥さんからの信頼を損なっては俺の築いてきた人物像とかなにか大事なものが失われる、永久に。
そうだ。俺はただ宥さんの脚を持って後ろに引き宥さんを炬燵から引っ張り出すだけの機械。
心を無にしろ。心象風景は深山の清流。
ガラッ
憧「は~暑、い……」
京太郎「」
穏乃「憧~どうしたんだよ、早く入れよー」
憧「……」
ピシャリ
1mmの弁解を挟む余地もなく、戸は無常にも閉められた。
憧のあの目が忘れられない。
男子高校生が巨乳物のエロ本をこっそり購入しているのを目撃した時のような、そいつをゴミとしか思っていような氷結地獄の冷血な視線だった。
いや、その状況に実際に出くわした事があるのでかなり正確な表現だと思う。
宥「京太郎君。大丈夫?」
気遣わしげに声をかけてくれる宥さん。
京太郎「はい、まぁなんとか……」
乾いた笑いを浮かべつつ、なんとか返事を返す。
女性の前では弱さを見せない。
女性の目の届く範囲で格好をつけたがるのは男の悪い癖だが、一方で見栄を張らなくなった男は最低の生き物だと思う。
そんなことは今はどうでもいい。
京太郎「ここにもなかったですね」
俺はフラつく膝でどうにか立ち上がる。
京太郎「ありませんでしたね」
宥「うん……」
意気消沈の宥さん。
京太郎「宥さんは本当に玄さん、大切なんですね」
宥「うん……うちおかーさんいなくて」
そういえば少し聞きかじっただけだが宥さん達のお母さんは2人が小さかった頃に他界しているらしい。
詳しくは知らされていないががないが、その辺りのことも伺っていいのだろうか。
宥「私、こんなだから玄ちゃんいつも私のこと助けてくれて」
宥さんの独白が続く。
宥「それで、ある時に玄ちゃんがあの手袋をプレゼントしてくれて『これでもいつでも寒くないね!』って……」
思い出は記憶。想いは無形。けれど形に残しておきたい大切なものも確かに存在する。
京太郎「元気出してください。絶対見付けますから!」
それにないより俺はこの人に笑っていてほしいから。
?「あ、いた」
俺が宥さんを励ましていると、背後から声がかかる。
この平坦な声の主は、
灼「やっと見付けた」
鷺森灼先輩がゆっくりとこちらに歩いてくるところだった。
京太郎「チューッス!(舎弟風)」
灼「ん」
俺の挨拶に目礼で返してくる鷺森先輩。いやん、もっと構って!
灼「宥さん、これ」
そういって差し出したのは件の、
宥「これ、私の手袋」
灼「落ちてるのを見付けて、汚れてたから洗ってから返そうと思って」
灼「それで乾くのを待ってたら玄が探してたって」
灼「だから持って来、」
宥「」フルフル
灼「宥さん?」
宥「灼ちゃん!」ダキッ
灼「わぷ!?」
宥「ありがとう。本当にありがとう」
感極まったのか鷺森先輩に抱き付く宥さん。身長差の所為で先輩の顔の下半分くらいが胸元に埋もれている。けしからんもっとやれ!
俺も宥さんに抱き付かれたい。そして、俺も先輩に抱き付きたい。
2人ともそこ代わってくんないかなぁ。
………………それ俺が俺と抱き合ってるだけじゃねぇか。恐ろしく最悪な絵面だ。
一瞬でも想像してしまった自分の妄想力を呪い殺してやりたい。
灼「宥さん、胸……苦し」
宥「わわ、ごめんね。灼ちゃん!?」
鷺森先輩の言葉に慌てて拘束を解き、解放された先輩に紅潮した顔で謝る宥さん。
なんか和んだ。
かくして今回のちょっとした騒動は解決した。
小説の物語のように劇的な顛末など存在せず、終わってみれば俺達が無駄に騒いだだけになってしまったようだ。
鷺森先輩と別れて中庭。
俺と宥さんはさっきまで俺が昼寝をしていたベンチに肩を並べて腰を下ろしていた。
宥「ありがとう。京太郎君。おかげで無事に見付かって」ニコニコ
両手に手袋を嵌めた宥さんが嬉しそうに笑いながらお礼を言ってくれる。
京太郎「いやいや、俺はなんにもしてないですから」
謙遜でも過小評価でもなく事実そのものでもある。
もうちょっと俺の活躍する場面があっても良かったんじゃないかなぁ~とも思う。
宥「そんなことないよ。京太郎君が励ましてくれたときとっても嬉しかったから。だから」
俺の手を取る宥さん。布越しに伝わる宥さんの手の温もりが心地良い。
宥「ありがとう。これからもよろしくね」
そういって微笑む宥さんの手を俺は優しく握り返した。
それを俺の答えとして。
以上です。ほのぼのというよりしんみりって感じになってしまって申し訳ない
書いては中断、書いては中断を繰り返してたら
いつもより遅くなってしまったことも合わせて謝罪させてもらいます
憧無双も構想は出来てますが
ちょっとこれキャラ崩壊というか人格崩壊が酷くて書いていいものなのか迷ってるんでもう少し待っててください
それではこれで
会いたい。
ただ、ひたすらにそう想う。
私は諦めたつもりでいた。
でも、それは嘘だった。
だって私の心は、こんなにも彼に惹かれ続けていたんだから。
胸を締め付ける郷愁の甘さと温かさ。
それ以上の苦しさと切なさ。けれど、それを感じる自分は嫌いじゃなかった。
もしこの世界が私と彼の恋物語なら、私は最後に彼の隣で笑っていられるの?
けれどそれは誰にもわからない。
私達はいつも現実という物語の途中で立ち尽くす。劇中人物に物語の結末は見通せないのだから。
見上げる青空より光の花弁が舞い落ちて、光は想いと共に溢れ逆流する。
奈良と長野。その茫漠とした隔たり。
この空の向こう、最短空路約368.7kmを時速2000kmで翔ればあなたに会える?
「会いたい。会いたいよ……頭、撫でてほしいよ」
いつでも探しているよ。こんなに君の姿を、交差点でも夢の中でも、そんなところにいるはずもないのに。
もしまたもう一度、君に会えるなら今度こそ「好き」って伝えるから。
だから……。
次回、『合同合宿~京玄編~時速2千キロメートルの恋』
今、その想いは音速を超えてオゾン層を引き裂く。
今、俺は大きく身動きが取れずほぼ黙って座っているだけになっている。
下手に動いたりして変な言い掛かりをつけられると俺の命にかかわる。
憧「えへへ、きょ~たろ~」スリスリ
椅子に腰掛けた俺の膝に乗り、身を寄せて頬擦りをしてくるのは阿知賀女子麻雀部中堅新子憧さん。
普段とはかけ離れた言動に正直戸惑っている。
京太郎「あの、出来ればどいてほしいんだけど」
憧「やーだー。ここがいいのー」
え~。
穏乃「……」
玄「……」
宥「……」
灼「……」
針の筵か。
晴絵「あっははは」
あんたはなんでそんな楽しそうなんだよ。
事の起こりは十数分前。
時は晩刻。最早その意義は失われたかのような和気藹々とした空気が旅館全体を包んでいるが、一応この集まりは部活の合宿という名目でここまで来ている。
その為、時間を見ては他校の生徒ともこうして雀卓を囲んだりするのだが。
京太郎「どうぞ宥さん。ホットココア、ミルク多めです」
宥「ありがとう。京太郎君」
俺の手からマグカップを受け取り、そのまま口に運ぶ宥さん。
宥「あったか~い」ニコニコ
嬉しそうに微笑むのへ、俺も小さく笑い返す。
穏乃「京太郎、こっちも~」
京太郎「はいはい。お嬢様方」
俺はトレイに乗せていた他のメンバーの分のカップを他の面々の前へ置く。
穏乃「美味しい!」
玄「美味しいね」
憧「悔しいけど、美味しい……」
灼「さすが京太郎」
晴絵「須賀君、ちーとこっち来てお酌しなさい」
阿知賀の面々から賛辞を貰っていた俺を、顧問の赤土なにがし先生が呼び付ける。
俺は先生の座る机に置かれた酒瓶を手に取り、先生の掲げた空の酒杯に酒を注ぐ。
京太郎「あんまり飲みすぎないでくださいよ」
晴絵「もーおかーさんみたいなこと言わないでよ!」
アルコールが入っているからか、微妙に精神年齢が退行している。
酒瓶のラベルには奈良吉野が秘蔵の地酒『悶絶チュパカブラ』と記されている。
酒とか言う以前に人類が口にしていい液体なのか甚だ怪しいが、面倒なので敢えて突っ込まない。
摘みになにか作ってこようかと考えた時点ではたと気付く。
腰が砕け、その場に頽れる。
穏乃「うわ!? どうしたの京太郎?」
京太郎「ちょっと待って今俺なにしてた?」
玄「えっと、みんなに飲み物淹れてくれたりしてたけど……」
京太郎「ですよね~。俺、最近気付いたら掃除したり給仕したりしてるんだよ」
京太郎「無意識で身体が動いてた。なるほど、これが第二の天性って奴か……」
俺の悲嘆の独白、俺以外の全員の顔が引きつるのを俺は見逃さなかった。
玄「えと……そうだ! 京太郎くんが淹れてくれたこのココアとっても美味しいよ!」
灼「玄。それはあんまりフォローになってな」
憧「あんた。無意識でこれだけ働くってどれだけ奴隷根性染み付いてるのよ」
呆れを多分に含有した憧の言葉が突き刺さる。
ちょっとは容赦しろよ。
京太郎「俺だって好きでこうなったんじゃねぇよ!」
自分で自分を再確認してまた悲しくなってくる。
憧「なんだったら将来、うちの給仕係で雇ってあげてもいいけど?」
京太郎「い、ら、ねぇ!」
こいつは何かにつけて俺をおちょくってきやがる。しかも優希や淡なんかと違い下手に頭の回転が速いだけになかなかの難敵だ。
手近な椅子を引き寄せ座り直す。俺と憧の舌戦は続く。
京太郎「とにかくもうちょっと、俺のこの努力と忍耐力をもうちょっと認めていく方向にしろ。じゃないとそろそろ泣く」
憧「あんたがそんな繊細だなんて初めて聞いたけど」
京太郎「なぁ憧。礼儀って知ってるか? 噂で聞いたんだが本当に実在するらしいぞ」
憧「ねぇ京太郎。そう思っても口にしないのが本当の礼儀なんじゃないかしら?」
売り言葉に買い言葉。顔を付き合わせればこの繰り返しというのはちょっと我ながら進歩がなさ過ぎる気がしなくもない。
晴絵「まぁまぁ2人ともそう熱くならないでこれでも飲みなって」
間に入ってきたのは赤土先生。俺たちはそれぞれ透明な液体の注がれたグラスを手渡される。
冷えた液体の冷たさが指先から伝わり、幾分か冷静さが戻ってくる。
渡されたそれをなんの疑いもなしに口に運ぶ。
舌先にわずかな苦味。そこで気付く。
京太郎「ってこれ酒じゃねぇか!?」ダン!
俺はグラスを勢いよくテーブルに叩きつけるように置き、これを渡してきた張本人に食って掛かる。
京太郎「あの先生。一応、この国には未成年飲酒禁止法ってのがあってですねぇ」
晴絵「まぁまぁそんな硬いこと言わずにさぁ。あははっは」
ダメだこの酔っ払い。
カラン。
ガラスの乾いた音。見れば空になった酒杯がテーブルの上に転がっていた。
…………………………はっ? 空?
酒杯を空けた当人は顔を俯かせ、前髪で隠れたその表情はこちらには窺えない。
ガタッ
ゆっくりと立ち上がる憧。
テーブルを迂回し、俺の元まで歩いてくる。
あまりに事態に他の人間も固唾を呑んで状況を見守っている。
京太郎「あの、憧さん?」
ポフ
柔らかな衝撃。
京太郎「は?」
女の子特有の温かさと柔らかさが膝から胴、背中にかけてを包む。
仄かに香る甘い香気が鼻腔をくすぐり、薄桃色に紅潮した頬と艶やかに濡れた双眸が俺を見上げてくる。
憧「えへへ、きょ~たろ~」スリスリ
そして止めに甘えたような声。
舌識を除く五感のうち、視識、鼻識、耳識、体識の四感を貫き第六感である意識すら吹き飛ばしそうだった。
っていうか、え~と…………あなた誰?
ごめん一旦区切らせて
って言うか憧無双ってなんだ……(悲嘆)
ここ最近マジでなんも思い付かないんで
こんなん酒の力を借りんとやっとれるかいってことで続きはまた後日
それではまた
さり気ない化学練成系咒式士的ジョークに草不可避
京太郎「咲。改めて誕生日おめでとう」
咲「ありがとう京ちゃん」
京太郎「バースデーパーティー楽しかったか?」
咲「うん! すっごく。こんなにたくさんの人から祝ってもらったのなんてはじめてだから、少し戸惑っちゃったけど」
京太郎「そっか」
咲「あーあ。もうすぐ今日も終わりかー」
京太郎「ご不満ですか?」
咲「かも。もうすぐ魔法が解けちゃうからかな」
京太郎「はは、1日限りのシンデレラだったな」
咲「それ、普段は私がモブだって言いたいの?」ジト
京太郎「さぁ? どうだか」
咲「む~」
咲「……」
京太郎「……」
咲「あのね。京ちゃん」
京太郎「ん?」
咲「まだ、魔法が効いてるなら最後にもう一つだけ、お願い事していいかな?」
京太郎「はぁいつもはこれでもかってくらい遠慮がちなくせに」
京太郎「いいよ。なんなりと申し付けください。お姫様」
咲「その……///」モジモジ
咲「今晩、京ちゃんの部屋に行ってもいいかな?」
京太郎「…………は?」
咲「っ///」
京太郎「お前、それ意味わかってるのか?」
咲「わ、わかってる! わかってるよ……」
京太郎「はぁ~」ガシガシ
京太郎「なんでそんな話になるわけ? 第一お前、親父さんにはなんていうんだよ」
咲「おとーさんには和ちゃんの家に泊まるっていって来てから……」
京太郎「根回し済みかよ」
咲「///」
京太郎「あのさ、それってつまりそういうことなの?」
咲「うん……私、ずっと京ちゃんのこと……」
京太郎「咲……」グッ
京太郎「うん。そうだよな、いつまでも半端なまましといちゃダメだよな」
京太郎「俺もはっきり答え出すわ」
咲「京ちゃん?」
京太郎「咲。俺は、俺も咲が好きだよ」
咲「! うん……うん!」ポロポロ
京太郎「って、おおい。なんで泣くんだよ」
咲「だってぇ~」グシグシ
咲「ずっと、そう、言ってもらい、たくて……だから嬉しくて」
京太郎「ああもう! 可愛い奴め!」ダキッ
咲「はわわ! き、京ちゃん!?」
京太郎「咲! 好きだ、大好きだ!」
咲「わ、私も、好き……だよ!」
京太郎「あ~あ、これで咲と恋人同士かぁ~」
咲「嫌なの?」
京太郎「うんにゃ。むしろなるべくしてなったというべきか」
咲「なにそれ」
京太郎「あのさ……」
咲「なに?」
京太郎「マジで家来るの?」
咲「あ、そ、それは……その///」
京太郎「いや、別に無理しなくていいんだぞ? 告っていきなりってそれもなんかなって思うし」
咲「ううん。大丈夫、だから」
咲「不束者ですが、よろしくお願いします」ペッコリン
京太郎「その言い回しもなんか違くないか?」
咲「あれ?」
京太郎「まさかシンデレラはシンデレラでもお泊りコースのシンデレラとは」
京太郎「このムッツリさんめ」
咲「やっぱり帰る」スタスタスタ
京太郎「すんませんした! 謝りますんで戻ってきてください!」
咲「もう、京ちゃんのバカ」プイ
京太郎「いやだから悪かったって」
咲「私だって、ホントはすごく恥ずかしくて、怖かったんだもん」
咲「だけど、もたもたしてたら、誰かに取られちゃうって思って、だから」グスグス
京太郎「咲。もういいよ、それ以上言わなくていい」
京太郎「俺はどこにも行かないし、咲以外の誰かのものにもならないよ」
京太郎「だからそんな顔すんな」
咲「うん」
京太郎「咲。ちょっとこっち向いてくれ」
咲「なに、」
チュッ
京太郎「へへ、咲の唇ゲットー!」
咲「う、あ…………っ//////」カァァァー
京太郎「あれ? あの咲さん?」
咲「あう、あう……//////」パクパク
京太郎「おーい咲さーん!」フリフリ
咲「もう! 恥ずかしいからこれからは今みたいのは無しだからね!」プンシャカ
京太郎「うう、だからわかったってのぉ。いい加減機嫌直せってば」
咲「……い…か…」ボソボソ
京太郎「あん?」
咲「もう一回、ちゃんとしてくれたら、許す」
京太郎「……はは、了解。お姫様」
咲「ん……」
京太郎「……」
チュッ
京太郎「な、なんか改めてやると照れるな///」
咲「……」ギュー
京太郎「咲?」
咲「私ね? 京ちゃんを好きになってよかった」
咲「あなたと出逢えて本当によかった」
京太郎「咲……。ああ、俺もだ、咲に出逢って、咲を好きになってホントによかった」
咲「京ちゃん」
京太郎「うん?」
咲「いつもありがとう。大好き!」
カンッ!
やっぱり起源にして頂点のリア充京咲は末永くナンバーワン爆発しろ!
本編とはまったく関係ない一発ネタ誕生日SS
総合の方でがっつり書いたのでこっちは地の分なしのあっさりテイストで
次からはまた合宿の方に戻るよーってかそもそも本編自体に本編らしさがないといわないでね
それではまた
>>525
そのレスも実はどこぞの枢機卿長猊下の策謀なのだよ
>咲「あなたと出逢えて本当によかった」
ちなみにただこれが言わせたかっただけ
憧「えへへ、きょ~たろ~」スリスリ
なんだろう。
可愛い、の、だが。普段とのギャップが激し過ぎてむしろドン引きなんですけど。
京太郎「……」
穏乃「……」
玄「……」
宥「……」
灼「……」
心なしかみんなの視線が冷たい。
京太郎「あの、これ皆さんこれ勘違いしちゃダメですよ?」
京太郎「ボクの意思じゃないですよ?」
晴絵「あはははははっははははは」
っんだこの女。腹立つなぁ。
穏乃「憧! いっつも私が京太郎にくっついてると、そういうのよくないって言うじゃん!」
最初に言い放ったのは穏乃。さすが切り込み隊長。
憧「え~? んー知らな~い」
穏乃の言葉などどこ吹く風といった体で軽く受け流す。
穏乃「ぐぬぬ」
悔しそうな穏乃の顔。ちょっと面白い。
穏乃「う~!」
憧には歯が立たないと悟ったのか俺の方に視線を送ってくる。
いや、そんな目で見られても。
玄「あの、あの憧ちゃん! 憧ちゃんもそういうの人前でするのよくないと思う!」
2番手は玄さん。初めから勝負は見えていなくもない。
憧「なに~もしかして~くろもこうしたいの~」
挑発を含んだ間延びした声。
玄「ふぇ!? あ、いや別にそんなのことは、えと、あの……」
相変わらずコロコロと表情が変わる。見ていて飽きない人だ。
玄「い、いいの……?」モジモジ
微かに頬を赤らめながら上目遣いに憧に伺う。
俺の膝上という限られた土地の利権を巡って抗争が起きているようだ。
どゆこったい。
憧「ゆずってあげな~い」
玄「ぐぬぬ」
宥「あったかそうだけど、あったかくない」ブルブル
語義矛盾ですか?
灼「京太郎……」
感情が欠落したような深淵の双眸が俺を見据える。
京太郎「はい!?」
灼「ボーリングの玉って人間の頭部と同じくらいの重さなんだよ」
京太郎「え、ちょっ」
その情報を今出して俺をどうしたいんですか? 超怖いんだけど……。
逆三角形に配置された点を見るとボーリングの玉の穴に見えてくる逆シミュラクラ現象?
京太郎「あのだからこれ俺が原因じゃなくて憧が勝手に」
この騒動の当事者ではあるが主要原因ではないという事実をこの場で明らかにしておかないといけないだろう。
俺の今後の身の安全の為に。
京太郎「憧も、そろそろ降りてくれよ」
俺の理性もオーバードライヴよ?
いまだに俺の膝の上で擦り寄ってくる憧を押し退けようと、軽く肩を押す。と……。
憧「や、もう……きょーたろーのエッチ///」
肩しか触ってねぇよおおおおおおおおおおおおおおお!!!
穏乃「なぁっ!?」
玄「え、ええええエッチなのはおねーさんいけないと思いますのだ!?」
京太郎「なんもしとらんわぁボケェッ!!」
京太郎「ってかなんだよ、もうめんどくせぇよこの板ばさみ!?」
なんかもう全部ブチ撒けてやろうか!
憧「ん~」スンスン
憧「えへへ、きょ~たろ~の匂い~」クンカクンカ
京太郎「なに人の匂いかいでんだよ!? なんか、あの……あれ、恥ずかしいだろ!」
無理矢理引き剥がそうと、強く肩を押す。
憧「黙ってろ低脳タラシ金髪。毎日三食ココナッツジュースとカブトムシ食べてるような顔してるくせに」
京太郎「え……?」
さっきまでの若干舌足らずなソプラノではなく、すべての感情が払拭された氷点下の声音。
さしもの俺もこれには硬直。
っていうかあなたキャラぶれ過ぎな気やしませんか? 実は正気だったとかってオチは。
憧「~♪」
大人しくなった俺に機嫌を良くしたのか、再度俺の胸板に鼻先を宛がい深く吸い込む。
熱病に中てられたかのような頬の紅潮が、なんか……エロい。
穏乃「む~」
玄「うう~」
視線を巡らすと穏乃と玄さんがまるで試合後のボクサーのような格好で互いに肩を貸し合いながらテーブルに凭れ掛かっていた。
宥「寒い」ブルブル
見てるこっちが凍えそうなほど震えている宥さん。
え? 俺が原因なの? いや違うよね? え?
灼「……」
憮然としたままの先輩。表情からは内心が読み取れない。
ただ、今の状況を快く思ってないであろう事だけは辛うじてわかる。不甲斐ない俺を赦してください、ボス。
晴絵「タ、ラ、シ! タラシは辛いねぇ。あははっは」
先生は相変わらず爆笑の渦だった。もういいわあんた。
なんもう、もうどうにでもなれだ。くそなんか自暴自棄になってきた。
スッと俺の両頬に左右五指、計十本の指が添えられる。
ひんやりとした感触が僅かに心地いい。
憧「余所見しちゃダ~メ」
京太郎「あっはい」
もう逆らう気力もない。
潤んだ瞳がまっすぐ見上げてくる。
吸い寄せられるかの如く見詰め返し、俺と憧の視線が絡まる。
憧「あたし、ね?」
口ごもる憧。これ以上なんだというのだ。
憧「あたし……///」
/. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .\
/. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .ヽ
/ : . / : . : . : . ,. : . : . : .i. : . : . : . : .ヽ . : ',
, 'ニ/. : .:,'. : . : . : . :i . : . : . : |. : . : . : . :、. :! : ._{_}ミ ヽ
// /. : . :i: .,' . : . ,':/! . : . : . : |. : . : . : . :.:i .|: イ:| \: \
. // .,' /: . :| :| ./: . |/ | |:ノ: .ヽ、 |: . : . : . : .:.|: |r:{: .| \: \
. /:, ' /:/! : .:.| .|/| :|: | ,|イ : . : . : ト:、{ :i:.:| : i: |: |/| : | \: `. 、
/:/ !:| | :i . :!:.∧.斗匕 圦 : . ト : | ヽ`{:十t}: } :|: !: i | ヽ: . :i
. /:/ |:!|:| . |.:|:{x示㍉xミヽ\:{ ヽ{xテヤ示xV!: :!,'.: .| | ヽ:.|
,' :i {! .|∧: :! 圦 {トイ_刈` ´{トイ_刈 灯:.:| : . :| | |.::|
| :| |:i :ヾ|: :{c乂こソ 乂こソっ|: :!|. : . :l | !: |
| :| |.| . : |:从 :xx //////xx | :|ノ . : . |:.| |.::|
| :| |l.|: . : |:.{ム "゙ ' ""゙ | :|: . : . : |: | |:| 「あたしはいつでも準備OKなんだよ?///」
|: | i| i!: :. :.|: |:.:ヽ. __ イ:.|: |. : . : . :|: | |.|
| :| l|:.:| : . : | :|: .|: > . ´ ` イ:.:..!.:|: | . : . : . |: | |.::|
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从Ⅵ /.: ノ |
叭 v_ ̄ヽ ,rー' 从
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: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ \ : :!丶  ̄ Vイ:ハ |\:i
.: : 丶 \゙、 `> リ `
ヽ: : :`┬ 、 ヾ / 「なにがッ!?」
i: ;ィノ U ,....-ィ /
,,:‐レリ _  ̄ /
゛=!_ \ `ー-、_ _/
::::::゛== 、 \ / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、 >
ポフッ
再び俺の胸元に顔をうずめる憧。
憧「……」
京太郎「おい? おーい、憧さーん?」
憧「ん……」Zzzz
ね、寝てらっしゃる……。
あまりにもあんまりな展開に口角が引き攣る。
散々場を引っ掻き回して最終的に寝落ちって……どんだけフリーダムなんだよ。
晴絵「じゃあ憧も寝ちゃったみたいだし私たちも部屋に戻ろっか」
京太郎「え!?」
突如、謎のリーダーシップを発揮しだした阿知賀のレジェンド(独身)。
灼「賛成」
晴絵「じゃま、憧のことは任せた! おやすみ須賀君」
灼「おやすみ須賀君」
穏乃「おやすみ~須賀君」
宥「おやすみなさい須賀君」
あれ~? なんかみんな友好度下がってない!?
京太郎「あの、誰か憧も連れて帰ってくださいよ! ちょ、誰か、ねぇ」
チラリと、一瞬だけ玄さんと視線が衝突。
/ . . . . . . . : : : : : : : : . . . \
, . . . . : : .:. .:..:.:.:.:.:.:. .:. .:.:.:.:.:..ヽ:. . :. ヽ
/ . . . : .:.:.:.:.:.:.:′.:.:.:.:. i{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:..‘. ∧
/ :/ :/:/ ..:.:.:.:.:.:.:.| :.:.:.:.:.:. | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨. ‘.. .
/ .イ ′:.:.:.:.:.:{:.:.:.:,| ...:.:.:.: {∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:. :. i
././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :
i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
|′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \ ヽ. \} :. : |: :{
i . .:.|:八.:.|ヽ{ _ \ ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!
| : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ ´ `'^| :. : |:.小
|.:/ :! .:.:.:.ハ ′ /i/, | :. : |:.|i
|:′:} .:.: :| ∨ /i ' .:. :. :.!:. l: {
○: :′.:.:.ト. . , 八:.:..:}:. l:.‘
/:.{: :| .:.:.:. {:: 込 ` ´ /}::.:.:./::. :!:. ‘
/:;:.|:.::| .:.:.:. |:::::::个:..... .イ::∨:.:.:/:/.:.′:∧
i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.
|{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂 / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘. 「おやすみ須賀君」
.′..:.八:!ム:.七¨⌒} >t_ん /:./「/:.:.: 厂 ̄ ≧ 、
/ . rヘ´ ヽ \ | ∧ ∧'ィ斗v′:.:/ ヽ
. / . :′ 八_{ ̄≧ V__/イ´ {'リ:.:.:.:′ / }
/ . . {⌒ヽ 八 z__{ }___, {.':.:.:./ / |
.′. .:| \ 《 ハ下 . /.:.:.:.′ , 小
/ . . .:.{ ヽ } ∧__/ }ハ ≧7.:.:.:./ / {:∧
. / . ./..:.:} . | く / } ;:.:.:.:.:′ .′/ {:. .‘.
/ . ./..:.:.:.i ∨ } `≧-ヘ ∧ノ}:.:.:.:.{ . { .′ }:. . ‘.
/ . :/′:.:.:.} ‘. V| ∨ |:ノ}:.:} j / / {:.:. . ‘.
京太郎「」
戸は無情にも閉められた。
他の面々が去って憧と2人。
憧「……」Zzzz
静かな寝息だけが室内に響く。
正直、無理矢理叩き起こしても良いんだが。
憧「ん……」Zzzz
こう呑気に無垢に寝られるとそんな気力も失せてくる。
そういえばここに来て憧の寝顔を見るのは二度目だなと、どうでもいい事を思い出した。
俺のすべては諦観に達しもうこのまま一夜を過ごす覚悟で四肢を投げ出した。
人生も投げ出したい。
結論。憧に酒を飲ませるな。
翌日。
憧「ハルエ! 昨日あたしが寝ちゃった後になんかいろいろ京太郎が触りまくったり嗅ぎまくったってマジ!?」
晴絵「もちろん大マジ」
憧「きょうううううううううううたろおおおおおおおおおお!!!」
京太郎「俺は悪くねぇ!」
憧「犯人はみんなそういうのよ!」
京太郎「冤罪だチクショウ!!」
京太郎「冤罪だけど、冤罪だけどなにかが気に障ったなら謝るからとりあえず落ち着け!」
憧「ごめんで済んだら呪いとか暗殺とかないのよ!」
京太郎「チクショウ昨日から俺がなにしたってんだよぉ!!」
ダダダダダ
憧「逃げるなぁ! 待てぇぇぇぇ!!」
ダダダダダ
晴絵「あはははは、今日も仲良いなぁあの2人!」
ダンレボとかで点数が一定以下になると唐突に終了するじゃん?あんな感じ
このスレのアコチャーが京太郎のことを好きなのかどうかは
神とその時々の俺の気分次第のみぞ知るということで
そういえばこのスレを立てる時にこういった女の子とのキャッキャウフフじゃなくて
百物語みたいなみんなで順番に怖い話をしていく怪談ものを書こうと思ってたということを最近思い出した
次は自前のネタだ書こうかなーと思いますが、今週は狩人祭なのでまた更新頻度は下がると思います
それではまた
和「私は黒糖ポンデなどが好きですね。黒糖は想像より甘さも控えめで」
京太郎「あ~、なんかわかる。実は俺、周りに甘党が多いけど俺自身甘いのはそんな得意じゃないんだ」
和「確かに須賀君はコーヒーなどもそのまま飲んでいますね」
京太郎「けど最近、無性に高速回転するフレンチクルーラーが食べたくてな」
和「では、長野に戻ったら皆さんと一緒に行きましょうか」
京太郎「おう」
淡「……」ジー
玄「こういう民間伝承があるのです。女性ホルモンのプロゲストロンが減ると、乳腺が萎縮しおもちが小さくなるのです」
玄「しかし、昆布や若布、寒天やヒュジk……コホン、ひじきに含まれるボロンというミネラルが、プロゲストロンの分泌を高め、おもちの脂肪と乳腺を増やすのです」
玄「煮る、焼く、湯通しするとボロンが減るのでそのまま召し上がるのがいいかな」
玄「つまり海草サラダなどは女性のおもちの味方なのです!」
京太郎「なるほど」フム
京太郎「つまりうちの胸囲平面民族たちにもそれらを食べさせれば……」
玄「そうなのですのだ」
玄「それでは京太郎くん、楽しいおもちライフをば!」
淡「……」ジー
テクテク
京太郎「チェケダーン!! 'Cuz it's a lyrical power crash. that tries to make me last. He's burnin' the microphone.~♪」
京太郎「He takes that smash, finally. The nitty gritty? He'd be the one to get to say it and then you'd highway it.~♪」
京太郎「He bails on the next way to the top ten. Started lookin' to be faster than lightning.~♪」
淡「……」ジー
京太郎「ん……?」
淡「……」サッ
京太郎「気のせいか?」ポリポリ
(´・ω|チラッ ←淡
チラッ|ω・‘)
京太郎「!」バッ
淡「!?」
京太郎「……」
淡「」
京太郎「なにやってんの?」
淡「ああ!? 須賀君だぁ偶然ですね?」
京太郎「須賀!? 君!? ですね!?」
淡「どうかしました?」
京太郎「お前、どうした? ちょっと見ない間にえらい真人間になったな、人格改造でもされた?」
淡「うっさいハゲ」ブチ
京太郎「ちょ!? おま……抜くか普通ッ!?」
京太郎「なにこれ、いってぇこれ……」
淡「キョータローってああいうタイプの娘が好みなの?」
京太郎「ああいうタイプとは?」
淡「えっと、だからノドカとかクロみたいな丁寧なしゃべり方というか、そういうの」
京太郎「そんな事より若年者の若ハゲ問題について話し合わない? 俺、今そっちの方向に興味津々丸なんだけど」
淡「いいから答えてよぉ」グイグイ
京太郎「そうねぇ、うんまぁそうなんじゃね? 知らんけど」
淡「なるほど」
京太郎「あの、俺もう行っていいかな? あんまお前と親しくしてると関係各位からお叱りを受けるんだけど」
淡「じゃあじゃあ今日から丁寧なしゃべり方するね!」
京太郎「なんだいつも通りの淡か」
京太郎「けどお前、敬語とか使えんの? ちょっと思想的に無理がある気がするけど」
淡「ふっふっふっ。キョータローはどれだけ私を可愛くて麻雀が強くて賢い白糸台の超新星だと思ってるの?」
京太郎「ふぇぇ? そんな事ちっとも思ってないけど……」
淡「インターハイより前、まだ全国の淡ちゃんファンが私というキャラクターを掴みかねていたその頃」
淡「テルーの真似をして雑誌の取材で真面目系キャラを演じてたんだからね! 侮ってもらったらヤだよ?」
京太郎「……」
淡「あれ? 喝采は?」
京太郎「え? あ、ん、ごめん。なんか、そんなあんま興味ない」
淡「むむ、よーし! じゃあ見ててよ」
淡は自分の顔を五指を広げた両手で覆い、それをすばやく上下に振ってみせる。
淡「人格チェェェェェーーーンジ!!」シュシュシュ
京太郎(救いようのないバカだな)
淡「ほッ!!」キュル~ン
鮮やかなターンで一回転。
京太郎(今、人として出しちゃダメな音が聞こえた気がする)
淡「とう!」
淡「改めてまして、こんにちわ。今日もいい天気ですね? 京太郎君」ペッコリン
京太郎「え? 誰こいつ」
京太郎(見た目は淡そのものなけど……)
淡「♪」ニコニコ
京太郎(背筋を伸ばし、両手を前で合わせてピシッと立っている)
淡「あの、そんなに見詰められると照れちゃいます///」モジモジ
京太郎「あ、おう……すまん」
京太郎「……」ジー
淡「っ//////」モジモジ
京太郎(なんだろうこの可愛い生き物)
京太郎(この名もなき花になんと名付けようか)
京太郎「えと、淡……さん?」
淡「普段通り、呼び捨てでいいですよ? 淡、って」
京太郎「あ、じゃあ淡。立ち話なんだし、食堂かサロンでも行くか? お茶入れるぞ」
淡「あ、はい!」
京太郎「そんじゃ、」
淡「あの……」
京太郎「ん?」
淡「手、繋いでいいですか?」
京太郎「お、おう……どうぞ」スッ
淡「ありがとうございます」ニコッ
ギュゥ
京太郎(なんか照れる!)
淡「///」ニコニコ
京太郎(この空気はダメだ! なんかわからんけど、なんか……ダメだ!)
京太郎(会話で誤魔化そう)
京太郎「なぁあわ、」
淡「……」ツー
京太郎「い?」
淡「」
京太郎「あの、なんか口元から血が垂れてるけど」
淡「ゴフッ!!」
京太郎「吐いたぁぁぁぁっ!?」
淡「」フラ
京太郎「危ない!」ダキッ
京太郎「おい、淡! どうしたしっかりしろ!」
淡「実はこれ、3分くら、い、しか、持たないんだ、よねぇ」ゴホゴホ
京太郎「なんだって?」
淡「私の、精神崩壊を、防ぐために、全身が、拒否反応、起こして……」ゴホ
京太郎「バカ野郎! 無茶しやがって」
淡「えへへ、けど、ちょっとは可愛かったしょ?」
京太郎「ああ! ああいう淡もいいと思うよ。だからしっかりしろ!」
淡「あは、ねぇキョータロー……」
京太郎「なんだ?」
淡「私、ね? キョータローのこと、大好きだよ……」ガクッ
京太郎「うん、俺もお前のことそこそこ好きだよ」
淡「そこそこってなによッ!?」ガバッ
京太郎「生き返るのかよッ!?」
ギャーギャー!!
菫「お前たち、今日も仲良いな」アキレ ←通りすがり
スレ立て当時から書きたかったネタ第2弾
人格改造ネタ二連荘だけどまぁ良いよね
http://i.imgur.com/BiQrTel.jpg
この画像見たら書かずにはいられなかったものね
【おまけ】
____
,. ´ __ `¨¨ヽ
,  ̄` / ヽ `ヽ
/ _ ,: ∨ 、 :.
/ /,´ / | ヽ .
/ //' ' / ' / l| | : : ∨ :
l// / , / ' l| | | | | | | | |
_/ ィ / { l |__|_{ |∧ }/ ' / l | ∧
 ̄ {〃 Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
/ , 从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
/ イ从 l ム Vり ム' ノ/}'
´ \∧ ' ,r ' / 小鍛冶プロってすごいですよね
、 v ァ / 从/ 史上最年少でプロ八冠、世界ランク2位!
\ `こ イ _|、 俺、すげー尊敬してます
` r ´ //∧
/| /////∧
「 | //////////> 、
, </∧ / {///////////////> 、
, </////// ∨__∨//////////////////>、
?∧?::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::?∧
?∧:::::i::::?i::::?i:::?/:::?/i:::::::?/?`ヽ?::i?`ヽ:::::i::::::::?i:::?i::::?∧
? ∧:::::::|::::?|::::?Ⅳ|::::?|弋:::::| |:::| ?|::::|ヽ?::::|:::?|::::::?∧
? i:::::::::::Ⅳ?\| ?\| ?\| |?ノ |?ノ |/?Ⅵ?::::::::::i
i:::::::::::?| ?____ ? ____ ?|?:::::::::::i
i::::::::::::|?/ - ` ?´? - \?|?:::::::::::i ふぇ? そ、そうかな?
?i::::::::::::?| ? ___ ___ |::::::::::::i
?i::::::::::::?| ? x≦斧≧x` ? ´x≦斧≧x ? |?::::::::::::i
?i:::::::::::::?{?〃ん ?刈 ん ?刈ヾ ?}:::::::::::::i
i?:::::::::┌i? ゝ?{伝 刃 {伝 刃 /?i┐:::::::::i
i::::::::::::{?ハ ?乂辷彡′ 乂辷彡′ ハ }?:::::::::::i
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i::::::::::::弋?| /// ?/// ?|ン?::::::::::::i
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Ⅵ\|\|?\| ?人 人 |/ |/|/Ⅳ
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i. :!. :! : :γ´\: : : : :.i: : :.|:: : : : : : : . : :.:.!
|i|: :i : :/ iヾ、_i\ : : i: : ::|: : : : : : : . : . :.i
. i !l: :ト、:/ ,rf'斧 ‘,: :i: : ::l: : : : |i: : : . :.八
!| i: :iハ ヽ Vリ !: !: : ::|: : : : !|: : : . : . :\
! i: :.! Vハ. ´ ,!: !: : ::i : : : 从: : : . : . : ._`ニ== == 、
__人_!:::∧く / ! ! : : ;': : :.〃: :ヽ.: : : . : . ` ミヽ )
. / \ V | i i\` ー';' : :/ : : /: : : : : : : : : . : . : . \' 、
/ 丶 \ Vl l i __>'": :/: : :./i: : : : : : : : : : : : : ヽ: : :} } おいおい京太郎、私のことは尊敬してないんか?
/≧=x \ \= i,/(_i, ィ≦7 : : ; ' ノハ: : : : : : : : : : : : } ヽノ ノ 確かにすこやんは強いねぃ。序盤、中盤、終盤、隙がないよねぇ
/三≧=- ≧ ニ ,': : /Vl/ /: :/イく)ぅ\__ _: : : ト、 i でも私も負けないよぃ?
〉三三二ニ==‐-i{: : :! / / イ_): ̄\::. .(_乂_)|`ヽi )
∠)::. . :: j):. :. ..:.\/ ,fクぅ//::::;' .:: .. :: . . :..∧:.. . .:|
!ヽ: .. . :: .. :: : :.:. ..\ /ソ' /: :% _,..:: .. ::. :..(_ハ. .::::!__
. ‘,o)::.. :() . : . (⌒).::....\{イ! ..:x8''" .: く)ノ):. . .:. }.::::i|//∧
|ソ)::. .::. .:.(⌒○⌒) :. : Y%"゚ .. . .: .(フ〈):. . :%:::::::i| }//!
!:: . .:ノ). :...(__乂__)::... .:.|ミメ⌒Y⌒):. . . .::... ./::::::::/_,///i
i .._::::::::::::::::::::::::::::.... . : {\ >Oく:. ...::. . .:::_r‐<|////,'
. V 〉:::::::::::::::::::::::::::::::.... .:: . ヽ人_)::.. :. .::::}/ !//// //
. !_)::.: . : .(V) . ::::::&:.. (ハ::.. . .:: .::::::|//!/// //!
!: ..:.. .. . .: く)O(フ. :::::::..\::.. . ..: .:.. ..<)(>}ニコ!/////|
| :. . .::...: (人):. .::人 ::: .ヾrt?.. : <)(> .`i/ | /////!
l く)ノ)::.. . :. :..::. . . ⌒::. .:. .:Y⌒ :.. .:. .:. .///!/////」
| (フ〈) .::. ,ノ)::.. . . .:. ..::.. . .. .::. . .:... . .:: .l// | ///
`!:.. . . .:.⌒′: .. .(乂):. .. .: .::... .:. .:x≦\/!l/\
__,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__
> ´ ̄ / ` `、 、
、 - ´ / ' } ヽ ヽ\ \
`  ̄ >' / ,: | ∧/! | } ヽ ヽ
/,ィ / ' / /| _/,.ム斗}-/ ハ :.
{/.' ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ } | .
/ イ/{ : ! ィ斧从}/ Vzソ ノ /イ ,:
<__ ´// 从{ Vソ / / イ- 、 |
{'{ { , ' /' ⌒ } | え? いやいやそんなことないですよ
从Ⅵ /.: ノ | みんな同じ道の上の人。余さず尊敬してます
叭 v_ ̄ヽ ,rー' 从
、 イj / /
:. < |' /}/
、__ ´ } イ从/
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「 ̄| 「 ̄ ̄ ̄ ̄}
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/ .. .. .. .. .. .. .. .. .. 丶
. .: .: .: .: .: .: .: \:. :. :. :. :. :. . 、
/ . .:| .: .: .: .: .: ¦:. :. \:. :. \:. :. `
. . . .:.| .: .: .: .: .: | i :. , :. :. :. :. :. :. :. ,
; . . .: .: .:.| .: .: .: 、_|__j_|ノ|ハ:. :. |i :. :.
l i. ..: ..:|. .:.| i :. :. :. :. :..| i | 人 ⅰ:. |i :. :. i |
| | .: i.: |/l ∧ :. ___ノ 〃 トィ/f心| :. |i :. :. | | 知らんけど
| | .: i.: | :. ァヒ扞ト′ _)ツ| :. |i :. :. | |
| i .: .:i.:| 爪 トィ心 ,,, | :. l/ :. :.. |:八
| | .: i.: | :. |i' )ツ | ; ′:. :. | : :\ /㍊i
| i ’.: ,.: | :. ||:、 ,,, ′ ィ / .: .: .: ノ|: :/ ㍊i
|/ V/, |i :. 〈癶 ーく ノ / .: .: .: /: : |/ ㍊i
V 八:. :. V:.ゝ / .: .: .: ィ/: : :/ ァ㌻¨:\
\:. \i:. \:. ≧=ー/ .: .: ≠≪'/: :/ ,ァ㌻¨。 ゚xヘ: \
}≧=\------辷r< //。※゚l/ ァ㌻¨ ※/。※ハ: `
/ ;冖冖冖冖/ i/ `X升ォt/ ァ㌻¨ 。※゚/。※゚。※゚| : |
/ / /。※゚.。※゚/: :{※゚/ ゚| | ァ㌻¨: :/。※゚〃※。※゚。※゚| : |
. / イ/ /※|。/。※/ : : {/。※゚| |¨l : : : /※/゚/゚。※゚。※゚。※゚| ノ
___
, . .:.´::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`丶
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
/:.:.:.:/:.:.:.:/ /|:.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
′:.:.:|:.:./}/ :|/ V}∧:.:.:.:.:.:.
i:.:|:.:.:.Ⅳ ノ` ー-、__.Ⅵ:.: |
|:.:|:.:.:.| ー‐'_ __ |:.:.:|
|:.:|:.:.:.| ,ィfチ芋 斧テ式.|:.:.:|
|:.:|:.:.:.|《 V::ソ V:ソ 》:.:.:.|
|:.:|:.:.:.ハ :::::::::: , ::::::::: }:.:.:.| ええ!? 今のってそういうことなの?
|:.:|:.:.:.l:.{ ノ:.:.: |
l:.:.:.:.: |:.:ヽ. ⊂⊃ /:.:.:.:.:|
|:i|:.: :.i:.:.:|:.:.:.i ___ ..ィ:.i:.: i:.:|:.:.|
{八:.:.:|:.:..|:.:i:.| |:.:}ノ:./|:.:|:.,′
ヽ{\|斗' ー:i/._|/|/
-┬┬'、__ ̄`___´ ̄_/⌒7⌒ヽ
/ | |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / / }
: : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ \ : :!丶  ̄ Vイ:ハ |\:i
.: : 丶 \゙、 `> リ ` い、いや……そういう事じゃ……
ヽ: : :`┬ 、 ヾ / それに皆さん美人なんですから俺なんかよりもっといい人すぐ見付かりますよ
i: ;ィノ U ,....-ィ /
,,:‐レリ _  ̄ /
゛=!_ \ `ー-、_ _/
::::::゛== 、 \ / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、 >
/.............................................\
.............:::::::::::::::::::::::::::::..................ヽ
/...........i::::::l:::l:::::::::::::l::::::::::................ハ
′:/::::::i::::::|:::|::::::::::::|ト::::::::::................
i......i:::i:::::i::::::|:::|:::::::::::'⌒ヽ::::i:::::::::i........i
|.....::::匕丁j::|/:ハ:: =- ヾ ヾ:|::::::::|::......|
|i:...|::::i::{ |{_V⌒" ´_斗=tV:::::ハ...:|l
|i:...|::从i |⌒ r七ぅ j |::::{.....Ⅵl いやいや、京太郎も十分いい男だよ
|ト..1:::::ハ」ト=彡 乂_ ソノ 廴7...::::|l
!{ ヽ::/:::ヘヾ とつ/.......::: }|l
|{ vヘ:::从}} `~' /.......:::::::::/八
_ ヾ:::{ト=- r=≦.............__彡:/::::::\
/ \ />=ミ=彳::::::::ニ=- ¨/::::人::\::::
. / ※ i ∨ /:::/※r< 7´ ̄/\/〃⌒ヽ::::ヽ
「i ※ 1※V{::/ 〃:_У r=' ※ .\ ※ ト-
|入 ※ ノ ヾ:f´/`7//ト\ j ヽ. |
|{ 〉 イ ※ ※ |::{/イ※i 〉〉※ / ※ \!
_,.. -- 、__, 、___
⌒> ´ ´ ヽ `ヽ、
_,. ´ , , 、 | 、 、 ヽ
 ̄7 / / 从 、 | | | :.
/イ / /l/ | | | l}从} | {
_/_ { 从ヽ、 { | |/ イ´∨} :
 ̄´ {∧ { ○ 从{ ○ }'⌒}、{
{从 r-く| \ え? お、俺がですか?
叭 __ 八}イ
、 └―┘ ィ/∨
「¨>-- rく「 ̄ }
, ------ ∨_」 :, ∨]/|ィ¨7ー-- 、
////////「//| ー- 」 }ヽ// ///////}
{/{////// \∧ r' ヽ }' {///////
|l∧////////Ⅵ,〈 | |///////|
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|////|////////////\///// ∧/ /
|////|//////////////\//////,イ
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/:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ハ:.:.iヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:./l:.:.レ'|:.:./ }:.:| V:.:∧:.:|.:.:.:.:.:.:.:',
′:.:.:.:|八: :/ V ヽ{ レ' V }/ヽ: :.:.:.:.:.:.
i:.:.:.:.:.:.| V i:.:.:.:.:.:.i
|:.:.:.:.:.:.|/ ̄ ̄ ̄` ´ ̄ ̄ ̄`ヽ|:.:.:.:.:.:.|
|:.:.:.:.:.:.| __ __ |:.:.:.:.:.:.|
|:.:.:.:.:.:.| 斗ぅ芋ミ 抖ぅ芋ミ. |:.:.:.:.:.:.|
|:.:.:.:.:.:.l. {{ rJ::::::ハ rJ:::::::ハ }}. |:.:.:.:.:.:.| 確かに京太郎君。よく気が付くし優しいし
|:.:.:.:.:.小 V::::::ソ V:::::::ソ ′:.:.:.:.:| それに、その……カッコいいし(ボソボソ
|:.:.:.:.:.:.| ', /.i:.:.:.:.:.:.|
|:.:.:.:.:.:.ト、} ::::::::::::: ' :::::::::::: 厶:|:.:.:.:.:.:.|
|:.:.:.:.:.:.|:八 /:.:.:|:.:.:.:.:.:.|
|:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:\ r‐、 イ:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.|
|:.:.:.:.:.:.|:.:.:i:.:.:.:.ゝ、 ィ:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.|
|:i|:.:.:.: |:.:.:|:.:.:.:|:.:.:| ー l:.: :i.:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.|
|八:.:.:八: l:.:|:.:|:.:.:l |/|:.:l:.:/:. |:.:.:.:.:./
\:.:.乂人ィ¨ノ >乂|/|/:.:./V
,. -‐ァ{ `¨''┬<_
rく´ / / \ /ヽ ヽ¨ヽ、
/{_ . : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : :ヽ: : :_: ハ
/ _/ニ=- : :| .:.:.:.|: : : : : : : : ‐=ニ _
. ′´.:.∧__.: .:. .:.|.:.:-┼…‐- : |: : : : :| : . `ヽ
|:i|.: .:.|´ {. :| .:.:.:.ト、: : |\: : : : :| . : : .:| : : : : |
|:i|.: .:.| _ヽト、: : | _\|_`ヽハイ . : : .:| : : : : |
|八: .:{乍i苅ミ\{ '乍r苅¨ア | .: .: ..:| : : : :.,
|\弋cソ 弋cソ ' | .: .: ..:| .: .: :,′
|: : :.「´.:.:. , .:.:.:.. | .: .: ..:! .: .:.,′
|:. :.i:. | . : : ,′. :/
|: :.从 r───┐ ,′.: /. .:.:./ おや~小鍛治プロもしかして須賀君のこと?
|: :. :込、 ヽ ノ / . : /. .:/
人: :. :\丶、`¨¨´ イ . ,:イ /
ト、 \: : :ヾノ>-‐ァf´ /:{ :/.:.:|人
. ト、 |: :`ー=≫彡'. : : : /'∧ i : :\__|_》>イ. イ_____
. |.:.:`¨¨: : : : : : : : : :./| {{ { : : : : : : : : ¨¨´:. :ノ 厂`ヽ
\: : : : : : : : : : : :/ l| ゞ=ヘ:. :. :. :. :. : : : :/ /`ヽ i
___
, . .:.´::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`丶
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
/:.:.:.:/:.:.:.:/ /|:.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
′:.:.:|:.:./}/ :|/ V}∧:.:.:.:.:.:.
i:.:|:.:.:.Ⅳ ノ` ー-、__.Ⅵ:.: |
|:.:|:.:.:.| ー‐'_ __ |:.:.:|
|:.:|:.:.:.| ,ィfチ芋 斧テ式.|:.:.:|
|:.:|:.:.:.|《 V::ソ V:ソ 》:.:.:.|
|:.:|:.:.:.ハ :::::::::: , ::::::::: }:.:.:.| え?ち、違うよ! そうじゃなくて一般論というか客観的な評価であって
|:.:|:.:.:.l:.{ ノ:.:.: | 私個人は別に……
l:.:.:.:.: |:.:ヽ. ⊂⊃ /:.:.:.:.:|
|:i|:.: :.i:.:.:|:.:.:.i ___ ..ィ:.i:.: i:.:|:.:.|
{八:.:.:|:.:..|:.:i:.| |:.:}ノ:./|:.:|:.,′
ヽ{\|斗' ー:i/._|/|/
-┬┬'、__ ̄`___´ ̄_/⌒7⌒ヽ
/ | |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / / }
. /{_ . : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : :ヽ: : :_: ハ
/ _/ニ=- : :| .:.:.:.|: : : : : : : : ‐=ニ _
. ′´.:.∧__.: .:. .:.|.:.:-┼…‐- : |: : : : :| : . `ヽ
|:i|.: .:.|´ {. :| .:.:.:.ト、: : |\: : : : :| . : : .:| : : : : |
|:i|.: .:.| _ヽト、: : | _\|_`ヽハイ . : : .:| : : : : |
|八: .:{乍i苅ミ\{ '乍r苅¨ア | .: .: ..:| : : : :.,
|\弋cソ 弋cソ ' | .: .: ..:| .: .: :,′
|: : :.「´.:.:. , .:.:.:.. | .: .: ..:! .: .:.,′
|:. :.i:. | . : : ,′. :/ そうですか~?
|: :.从 r───┐ ,′.: /. .:.:./ 確かすこやんは
|: :. :込、 ヽ ノ / . : /. .:/ アラフォーですよねー?
人: :. :\丶、`¨¨´ イ . ,:イ / もう少し能動的になっていいのでは~?
ト、 \: : :ヾノ>-‐ァf´ /:{ :/.:.:|人
. ト、 |: :`ー=≫彡'. : : : /'∧ i : :\__|_》>イ. イ_____
. |.:.:`¨¨: : : : : : : : : :./| {{ { : : : : : : : : ¨¨´:. :ノ 厂`ヽ
\: : : : : : : : : : : :/ l| ゞ=ヘ:. :. :. :. :. : : : :/ /`ヽ i
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、 .:.::::::::::::::::. / // // ノ (_
.,′. ..: .:: :::::::::::::/|:::::/|:::::/|:| }::ト、:::|::| :::i / / ) ー┬ァ (
: .:::::::::::::|::::|: / j/ j/ j/ V ∨イ::::i| / } ノ |
| .: ::::::::::|::::|/ u | :::i| | ニニ, |
| .:::|::::::::::::|::::ト .___,ノノ 廴___,.| :::i| | _,ノ {
| .:::|::::::::::::|::::|≫笊气ミ ィ笊气ミ ::::i| | ┼┼ |
| .:::|::::::::::::|::::| 乂゚ノ 乂゚ノ |:::::i| } 丿 {
| .:::|::::::::::::|::::| `'ー一'′ , ー一 |::::八 〈 │ |
| .:::|::::::::::::|::::| /ハヽ /ハヽ{ ::::ト、\ } ┼〃 │
| .:::|::::::::::∧::| /`¨¨¨´| u ノ ::│ ヽ:ヽ | ノ こ |
| .:::|::::::::::|ーi ト . {.:.:.:.:.:.:.:.ノ イ::::::::i| }:::} │ ├ {
| .:::|::::::::::|:∧∨ `> . `¨¨¨´ . イ ::: |:::::::::リ |:::| } c!、 {
|_:::」 :::i::::|-‐ヘヽ `ァ‐ャ┬‐- :、:|イ.:::/ |:::| | rv‐, {
. . ..|:::::| ::! _乂 ,′ V》.. .. .ハノ.:/ j::;′ | |/l/ |
. . ..乂:ト、| ` ´ ̄ }..》.. . . .V /'′ } o o (
. . . . .《{. | |..》. .{. j .} \ ) (
. . . . . 《{`Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y´|..》.. .Y..│ \\ \ \`Y⌒Y⌒Y´
. . . . . . 《{ 爻=====}><{====|.》 . . } . | \ \\ \ \
. -‐…‐- .
´ ` 、
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. .: .: .: .: .: .: .: \:. :. :. :. :. :. . 、
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; . . .: .: .:.| .: .: .: 、_|__j_|ノ|ハ:. :. |i :. :.
l i. ..: ..:|. .:.| i :. :. :. :. :..| i | 人 ⅰ:. |i :. :. i |
| | .: i.: |/l ∧ :. ___ノ 〃 トィ/f心| :. |i :. :. | |
| | .: i.: | :. ァヒ扞ト′ _)ツ| :. |i :. :. | |
| i .: .:i.:| 爪 トィ心 ,,, | :. l/ :. :.. |:八
| | .: i.: | :. |i' )ツ | ; ′:. :. | : :\ /㍊i え? アンサラー?
| i ’.: ,.: | :. ||:、 ,,, ′ ィ / .: .: .: ノ|: :/ ㍊i
|/ V/, |i :. 〈癶 ーく ノ / .: .: .: /: : |/ ㍊i
V 八:. :. V:.ゝ / .: .: .: ィ/: : :/ ァ㌻¨:\
\:. \i:. \:. ≧=ー/ .: .: ≠≪'/: :/ ,ァ㌻¨。 ゚xヘ: \
}≧=\------辷r< //。※゚l/ ァ㌻¨ ※/。※ハ: `
/ ;冖冖冖冖/ i/ `X升ォt/ ァ㌻¨ 。※゚/。※゚。※゚| : |
/ / /。※゚.。※゚/: :{※゚/ ゚| | ァ㌻¨: :/。※゚〃※。※゚。※゚| : |
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i⌒i i⌒i
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┌―冊-冊-冊-冊-冊-冊-/_二二_\______rl li___| |/_二二_\-冊-冊-冊-冊-冊-冊-冊―┐
|[三||三||三||三||三||三||三ゝ_____ノ/|二二二/ /|__| ̄ ̄ゝ_____.ノ.三||三||三||三||三||三||三||三]|
└―lムマllムマllムマllムマllムマll;;;;;;;,-=ニ/-=ニニ==-, -、/;;;;;;;;|_ゝ、-_};\\.└lムマllムマllムマllムマllムマllムマl―┘
,-=ニニ,/-=ニニニ=-_( ;;;;;;/;;;;;;;;;;;_) }ニ==-\\.\
///./-==-/_/_/_/ ;;;;/;;;;;;;;;;;;∨ノニ=-|_∧\ \.\
//// /_/_/_/_/_/_/.,.;;;/;;/;/;;|.|;;;;;;∨;-|_|_|_|_|_∧;;;;;\ \.\
//// /_/_/_/_/_/_/ |/ |/;W/;||;W;;;∨_|_|_|_|_|_|_∧;;;;;; \ \.\
//// /_/_/_/_/_// / //\{ ∨_|_|_|_|_|_|_|∧;;;;;; \ \_\
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//_/ ∠.ノ(. // };;;;;| |.{ \| ;;;;;;;;;;;;;; \___/
∠,_/ / / ´ -=;;;;;;;;;| .|;;;=- ;;;;;;;;;
/ / 彡;;;;;;||;;ミ '';;'
{/ 从从;| |从
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l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/ ∧ /~7 /)
二コ ,| r三'_」 r--、 (/ /二~|/_/∠/
/__」 _,,,ニコ〈 〈〉 / ̄ 」 /^ヽ、 /〉
'´ (__,,,-ー'' ~~ ̄ ャー-、フ /´く//>
`ー-、__,| ''
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|................:::::::?/?......::::::::::::/::/ .|/ ?|/ |/ |/ ∨?∨?|::?/l?::::::::::|
|..............:::::::::|?......:::::::::::::Ⅳ |/?|?Ⅳ::|
|............:::::::::::|.....:::::::::::::::| ? ______彡 ,, ?Ⅵ:Ⅳ
|...........::::::::::::|....::::::::::::::::| ? ´ \ .|?:|
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|........:::::::::::::::|...:::::::::::::::::| ?〃 ヾ /?:::|
|........:::::::::::::::|....::::::::::::::::| ?{{ ?}} γ⌒ミ? |?:::::|
|........:::::::::::::::|....::::::::::::::::| Ⅶ リ ,' }} |?:::::|
|........::::::::::::::::....::::::::::::::::?| ? .乂 ?彡′ ?{{ ?リ?.|?:::::|
|........::::::::::::::::....::::::::::::::::?|. ?  ̄ 弋__乂? |?:::::| ……え?
|....?|..:::::::::::::|:.....::::::::::::::::| ヽヽヽ |?:::::|
|....?|..:::::::::::::|::....::::::::::::::::| ヽヽヽ? |?:::::|
|....?|..:::::::::::::|::...?i?.::::::::::::::| し ノ?:::::|
| | |..:::::::::::::|::...?|?.::::::::::::::| ? γ´~⌒~⌒~ソ ? /?::::::::|
| | |...::::::::::::|::...?|?..:::::::::::::| ゝ~ー-~' /?::::::::::::::|
| l |....:::::::::::|::...?|?...::::::::::::| ≧ュ。 。<::::::::::::::::::::|
| | |.....::::::::::|::...?|?....:::::::::::|. ≧ュ。?_ _?.....::::::::::::::::::|::::::|?:::::::|
乂?|......:::::::::|::...?|?....:::::::::::| / |:::/?|:::::|::::::::::::::|:::::::|::::::|?:::::::|
Ⅳ\::::::|::...?|?.....i:::::::::| ?∧? |?/? |/|/|:::::?ノ:::::?ノ::::?ノ?:::::ノ
? 。c≦弋 { \|\|\ト?.::::::| ? / ≧ュ。_ ? |/ |/|/?|/
。≦. ヽ ∧ゞ ?\| ヽ ? ヾ ≧ュ。_
〆 ∨ .∧\ ハ ?ヽ `ヽ.
? ∧ ? ∨ .∧ ?≧ュ。 / ∨? ∧ ハ
∧ ∨ .∧ ?≧ュ 。 __ 。c≦ ∨? ∧ .i
__,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__
> ´ ̄ / ` `、 、
、 - ´ / ' } ヽ ヽ\ \
`  ̄ >' / ,: | ∧/! | } ヽ ヽ
/,ィ / ' / /| _/,.ム斗}-/ ハ :.
{/.' ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ } | . 死んだはこれ……(汚染で)
/ イ/{ : ! ィ斧从}/ Vzソ ノ /イ ,:
<__ ´// 从{ Vソ / / イ- 、 |
{'{ { , ' /' ⌒ } |
从Ⅵ u /.: ノ |
叭 v_ ̄ヽ ,rー' 从
、 イj / /
:. < |' /}/
、__ ´ } イ从/
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「 ̄| 「 ̄ ̄ ̄ ̄}
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ヽ`
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ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ
/゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
`;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´
小鍛治プロのスポンサーが企業総出で誕生日を祝いに来てくれたよ
やったねすこやん!歳が増えるよ!
文字化けしたけど知らんわそんなん!ごり押ししたわ!
眠いし、狩人祭負けたし!もう!
それではまた
なんという爆発オチ
ちゃんと祝って差し上げろ
>>599
総合の方に書いてきたからそれで手打ちって事で
京太郎「…………ん」
まどろみの中で寝返りをうつ。
ふにゃりと、なにか柔らかいものに触れた。
なんかいい匂いもする。クン、クンクン!
京太郎「んあ?」
その微かな違和感に、腑抜けた声を上げながら目蓋を開く。
玄「スー……スー…………」Zzz
なんだぁ、玄さんか。なぜか俺の布団に潜り込む、ピッタリと引っ付いて眠る玄さんがそこにいた。
ドラゴンが あらわれた ドラゴンのむれはこちらにきづいていない。
どうしますか?
京太郎「どうするって、あーた。そりゃもちろんこうげき……ぐへへ、フヒヒwww」
むにゅっと、こう……。
京太郎「ちげーよ!」ガバッ
京太郎「え、ちょ、なに?」
急激に意識が覚醒。
現状把握。場所はマイハウス(仮)、時間は……ケータイの液晶を確認すると、うわぁまだ3時半じゃん。
なにがどうなってんだってばよ。
玄「ん~……」
京太郎「なんでこの人ここいんの?」
考えられる可能性として一番高いのはトイレかなにかに起きて、そのまま部屋を間違えたとかだよな。
京太郎「いや、間違えねぇだろ」
俺の部屋と阿知賀の人達の部屋どんだけ離れてると思ってんねんな?
いや、でもなぁ~玄さんだしなぁ~。
そもそもつい最近こんなのことあったよな。夜中に誰か訪ねてきたことが。
京太郎「これもしかしてまた俺が都合の良い夢を見てるんじゃないだろうな」
もしそうだとさすがに恥ずかしいぞ。
検証実験に移ろうか。
俺は身を起こして胡座をかき、寝ている玄さんに向き直る。
右の人差し指を立てると、玄さんの頬に触れるか触れないか、産毛一本分くらいの間を開けて指先を添える。
ぷに。
玄「ふにゃ」
可愛い。
なるほど。
京太郎「ユメジャ、ナイヨー!」←すごくネイティブ
夢ではなく現だった。
ナンテコッタイ。
時間は遅く、部屋は密室。しかも狭い。
これってつまりそういうことだよな。
ちょっとこれからどう行動するか、オーディエンスを使ってアンケートを取りたい。
玄「ん~」ムニャムニャ
京太郎「……」ズリズリ
座ったままにじり寄る。
鼻梁、唇、顎、首筋、うなじ、浴衣の襟元ぉぉぉぉぉ!!
俺は伸びかけていた右手を左手で押さえる。
落ち着け俺。
誂えられたようなこの状況。
誰かに誘導されてるみたいでなんか嫌だろ。
再び人差し指で玄さんのほっぺをフニフニとつつく。
玄「ん、うにゃ」Zzz
気持ち良さそうに寝やがって。
なんかこいつと真剣に戦ってる俺がバカみたいじゃねぇか。
視線が自然と下へ。浴衣とシーツを押し上げる双丘。
これはこれは立派なものをおもちで。
憧とかがいたら「おい、どこ中心の視野よ。この変態」と謗られそうだ。
すんませんもうホント、こういう構造なんです男の子。
ちょ、ちょっとくらいなら触ってもいいかな?
そもそも男が1人の部屋に間違って入ってきて、あまつさえ一緒の布団に潜り込んでくるとか自己責任っしょ?
………………いや、みんなは俺を信頼してこの合宿に呼んでくれたんだ。その信頼を裏切ることは出来ない。
鎮まれ俺の右腕! 力は制御出来る、何故なら、そう! 俺の力だからだ。
ぜんぜん別の事を考えよう。そうだ、イメージしろ!
ふんどし一丁で大胸筋を躍動させながら、ビルドアップ状態で迫ってくる大沼プロの姿を。
………………………。
うっわ、なんだこれくっそ萎えた。死にてぇ……。
俺の苦悩など知らぬ存ぜぬで、玄さんは俺から見て向こう側に寝返りをうつ。
もう一人の僕が機能不全になるかと思った。
けどおかげで冷静になれた。
玄「スピー……」
なんだこうやって見ればただの可愛い残念な手のかかるおねーさんじゃないか。HAHAHA!
風邪を引いてもいけないので、俺はシーツを掛けなおそうと手を伸ばす。
だが俺は松実玄という人間を甘く見過ぎていた。阿知賀の竜の王手はまさにこの瞬間だったっ!!
玄「んゆ」ゴロン
再び寝返りをうって真上に向いた玄さんの浴衣の胸元が大きく肌蹴てなんか白い柔らかそうなマシュマロみたいのが見えてるぅぅぅーーー!?
京太郎「」
なんかこれもう、いいんじゃないかな?
ここでゴールしても、いいんじゃないかな?
見ろこれ! この白磁器みたいな綺麗な肌、血色のいい薄いピンクの唇。
こういう経験からはじまる関係もあるだろ。
夜這いから始める……プログラミング言語。
俺は上を向いて眠る玄さん顔の両側に手をつき、覆いかぶさるように身を乗り出す。
そっと顔を近づける。
玄「……」
規則的な呼吸。徐々に迫る安らかな寝顔。いや迫ってるのは俺だけど。
後、目算で10cmくらい。
8cm。
6cm。
玄「ん」パチ
4……。
目が合った。
玄「う~ん……」
大きく伸びをし、上体を起こす。
玄「ここ、あれ? 私たちの部屋じゃない?」
目を擦りながら周りをキョロキョロ見回す玄さん。
その視線が俺を見付ける。
玄「京太郎くん?」
京太郎「はい」
玄「なんで壁際で、決定的瞬間にゴールを逃したサッカー選手みたいな佇まいをしていますのだ?」
京太郎「気にしないでください」
前々からちょこちょこ要望のあったクロチャーネタ
ちょっと散文的過ぎるかな
最近、東京レイヴンズとかストブラとか見てると、ああいう能力者バトル物のSSとかも書いてみたくなるよね
それではまた
久「ふっふっふっ」
京太郎「なんですか部長。気持ち悪い」
久「あら、そんな口を利いていいのかしら?」
京太郎「な、なんですか?」
久「明日は海水浴よ!」
京太郎「な、なんだってーっ!?」
久「もちろん嘘よ」
京太郎「なんだ嘘か」
久「というのは嘘で本当は本当よん♪」
京太郎「イヤッッホォォォオオォオウ!」ガタッ
京太郎「ウィー、ウェ、ウェイー! ヒュー!」
_, ,_ パーン
京太郎→ ( ‘д‘)
⊂彡☆))Д´) ←京太郎
久「はいはい。そう1人でハッスルしないの」
京太郎「あ、さーせん」
久「というわけで、明日の朝に荷物の積み込みやるから少し早めに起きてきてね」
京太郎「了解です」
京太郎「ところで、この近くに海なんてあったんですか?」
久「あったじゃない。来る時にあなたも見たでしょ?」
京太郎「え、どうだったかな? なんかその辺の描写カットされた気がするからな」
京太郎「なんか近くに山があったり海があったり、よくわからない地形ですね。瀬戸内?」
久「まぁ彼岸島みたいなのを想像してくれたらいいわ」
久「その内、砂漠とか雪山とかも出てくるかもね」
京太郎「やめてくれるそういうの? 往々にしてありえるから、この世界観だと」
久「とりあえず、伝えたから。それじゃあまた明日。おやすみなさい」
京太郎「はい、おやすみなさい」
その夜
京太郎「海水浴かぁ~」
京太郎「この走り出したくなる衝動をどうしようか」
京太郎「取り敢えず、電話するか」
prrrr
嫁田『はい、もしもし』
京太郎「おう、嫁田か? 俺だけど」
嫁田『おう、ちょっと振りだな。今、合宿って聞いてるけどどうした?』
京太郎「うちの麻雀部さ、インハイの決勝で戦ったじゃん?」
嫁田『おう! 学校でみんなで応援してたぜ』
京太郎「ありがとな。みんなを代表してお礼を言うぜ」
嫁田『そんなことの為にわざわざ電話してきたのか?』
京太郎「いや、ちょっとお前と話したくてた」
嫁田『なんだよ気持ち悪いな。まぁ俺でよかったら話くらい付き合ってやるよ』
京太郎「決勝でさ、うちが戦った3校のなかに白糸台と阿知賀っていたじゃん?」
嫁田「おお、いたな。麻雀強いだけじゃなくてみんなすげー可愛い娘ばっかのな」
京太郎「俺、明日その娘たちと海水浴に行くんだ」
嫁田『は? 死ね』
プツッ ツーツーツー
翌日
バタン
京太郎「ふう、こんなもんかな」
晴絵「悪いねー朝っぱらから」
京太郎「いやぁ、お互い様ですよ」
晴絵「あはは、まぁね」
京太郎「それに思ったほど荷物もなかったですし。パラソルとかは向こうで借りるんですよね?」
晴絵「そだよ。運ぶのはもっぱら人間だけ」
京太郎「なるほど。ところで17人も乗れるなんてこれもうちょっとしたバスですね」
晴絵「そうよぉ、この為にわざわざ借りてきたんだから」
京太郎「え、そうなんですか? そんな話聞いてないですけど、お金とか」
晴絵「♪」b グッ
京太郎「先生……」
晴絵「あの子たちには感謝してるんだ。まぁこれくらいは、ね?」
晴絵「それに宥や、他の3年の子たちも今年で卒業だし、進路のこととか考えたらホントに今しかないからさ思い出作りとか」
晴絵「ちょっとくらい、年上らしいことしてやりたいじゃん?」
晴絵「あ、これあの子らには内緒な」
京太郎「ふふ、はい。わかったますよ」クスッ
移動中
淡「東京♪」
優希「神田♪」
穏乃「秋葉原♪」
京太郎「御徒町♪」
玄「上野♪」
咲「う、鶯谷♪」
憧「日暮里♪」
淡「西日暮里♪」
優希「田端♪」
穏乃「駒込♪」
京太郎「巣鴨♪」
玄「大塚♪」
咲「池袋♪」
憧「目白♪」
淡「高田馬場♪」
優希「新大久保♪」
穏乃「新宿♪」
京太郎「代々木♪」
玄「原宿♪」
咲「渋谷♪」
尭深「!?」ピク
憧「恵比寿♪」
淡「目黒♪」
優希「五反田♪」
穏乃「大崎♪」
京太郎「品川♪」
玄「田町♪」
咲「浜松町♪」
憧「新橋♪」
淡「有楽町♪」
優希「東京♪」
晴絵「なにこの歌のチョイス」
晴絵「うえ、ちょっと込んできたな」
穏乃「えー! もうちょっとなのにー!」
優希「この車、マシンガンとかミサイルとかついてないのか!? 前の車蹴散らそうじぇ!」
憧「いや、そんなボンドカーじゃないんだから」
照「ダークジェイカーじゃないんだ」
京太郎「俺はそこで敢えてFAB-1を推すね」
まこ「お前さんなかなかやるな。ペネロープ号のが通りがいいはずじゃが」
京太郎「それほどでも」
淡「空とか飛べないの!? こう、ビューンッ! って」
菫「いやまだ車が空を飛ぶ時代ではないだろう」
京太郎「空飛ぶ車なら、龍門渕の技術班が開発したそうですよ」
全員「え?」
京太郎「なんでも今、特許と生産認可の承諾待ちだとか」
穏乃「龍門渕って龍門渕さんとか天江さんのいる龍門渕!?」
淡「空飛ぶ車とかすごーい! 私も乗ってみたい!、ね、ねキョータローそれホント!?」
京太郎「お、おう。こないだ透華さんがすげー自慢気に電話してきたからたぶん本当。あの人、見栄は張るけど嘘はつかないから」
和「本当に空を飛ぶんですか? オカルトとは言いませんがちょっと信じがたいですね」
京太郎「デジタルの和に説明するとだな」
京太郎「なんでも、酸化剤として過酸化水素、還元剤としてヒドラジンアミドとメタノールを混合液として使用したロケットエンジンを内蔵してるらしい」
和「結構真面目に開発してるんですね」
京太郎「それで爆発的な加速力を生み出すらしいんだが、空気力学的形状上バランスを取るのが難しく」
京太郎「燃料が非常に発揮性が高くて飛行中に分解爆発する可能性があるらしい」
全員「うわぁ……」どん引き
京太郎「今度、地元の先輩が試運転させてもらうらしいんだが」
久「ねぇ、その先輩って……」ボソボソ
まこ「十中八九そうじゃろう」ヒソヒソ
京太郎「そん時は是非相乗りさせてもらいたいな」ウンウン
咲「ダメだよ! 京ちゃん、絶対行っちゃダメだからね!」グイグイ
京太郎「うおお!? 落ち着け咲、いきなりどうした!?」
ブゥオーン
晴絵「お、動いた」
灼「ん、外。見えてきた」
穏乃「おお、ホントだ!」
ガラ
淡「私も!」
ガラ
誠子「2人とも、ちゃんと座ってないと危ないぞ」
京太郎「まぁ気持ちはわかりますけどね」
優希「そうだ、これは叫ばずにいられないじぇ!」
「「「海だぁぁぁぁぁぁーーーーーーッ!!」」」
i
_||__
=ニニニ二ロ [∞]ニニ=-
 ̄lニコ二I´ ご要望にお応えして次回、水着櫂
\ヽヽ それではまた
ヽヽヽ
, ───,-―‐-、 ─| ̄|ー┐─,-―‐、
/ / _l`、 ̄ ;/ヽ ` 、 __ __l
| i二l __ j_l ̄ ̄ ̄l ̄ ゙̄〕_l __ j_l
ヽ___ヽ ,l-l、 / _/ ヽ_,/ _,l-l、/
└── `l二二l /〔二` ´二〕 l二二l
あ、ボク旬を逃した所為で阿知ポとか持ってないんで水着の画像とか、
公式でも二次でもなんでもいいので貼ってくれると嬉しいです
http://i.imgur.com/l7eAagV.jpg
ヘイ画像お待ち!
菫さんの水着画像は宗教上の都合で保存してないんですよ(迫真)
晴絵「じゃあ私は車止めてきちゃうからみんなは着替えてきてねー」
全員「はーい」
京太郎「……」
咲「あれ、京ちゃんはいかないの?」
京太郎「いや俺は荷物運ばないと。その後でも男の着替えなんてすぐだし」
優希「うむ、なかなか殊勝な心掛けだじぇ」ウンウン
和「ゆーき、そんな言い方はダメですよ。須賀君もすみません、いつもいつも」
京太郎「いいっていいって、これくらいしかやれることないからな」
京太郎「なんにしても、やることがあるってのはいいね」
和「そうですか? では、すみませんがまた後ほど」
咲「また後でね京ちゃん」
優希「おい犬。いくらこの優希様が恋しいからって着替えを覗きにくるなんて不埒なことはするなよ!」
京太郎「バカか貴様は?」
優希「は?」
京太郎「俺は別にみんなの裸が見たいとか、着替えが見たいとかじゃないんだよ」
京太郎「俺はみんなの水着姿が見たいんだよ」
京太郎「卵生む前の鶏絞めてどうすんだよ?」
優希「お、おう……」
優希(真剣すぎてちょっと気持ち悪いじぇ)
優希「ならこのゆーき様の水着姿をしかと見せてやろう。楽しみにしておけよ」
京太郎「おう! 待ってるぜ」
京太郎「と、大見得切ったものの」
京太郎「この流れだと絶対みんなから『どう? 須賀君、これ似合うかな?』みたいなことを聞かれると思うんですよ」
晴絵「はぁ……あ、クーラーボックスはそっち置いといてね」
京太郎「あ、はい」
ドン
京太郎「で、ですね俺の語彙力じゃあ全員を褒めちぎることなんて出来ないと思うんですよ」
晴絵「シートのそっち側持って」
京太郎「あ、はい」
バサッ
京太郎「そういえば先生は水着に着替えないんですか?」
晴絵「私はパス。帰りの運転もあるからあんまり疲れるようなことしたくないし」
京太郎「ブーブー!」
晴絵「ブーイングは受け付けません」ツーン
京太郎「話が逸れました。で、この危機を乗り越えるべく作戦を立てたんですよ」
ゴソゴソ、キュキュキュ
京太郎「ホワイトボードに書いて一括で処理するってのはどうでしょうか?」
『みんな違って、みんな可愛い』
晴絵「ナイス屁理屈」b グッ
京太郎「シーズン真っ只中にしては思ったより空いてますね」
晴絵「そうね。もっと混んでるかと思ったけど。まぁそっちの方がいいでしょ」
京太郎「そうですね。人が多くても鬱陶しいし、少な過ぎても寂しいし」
晴絵「それなりには賑わってるけど苦にはならない程度で」
京太郎「浜辺は綺麗だし」
ワイワイ、ガヤガヤ
<オイ、ミロヨアノグループ
<ウオ、ムネスゲェ
<オレ…コエカケテミヨウカナ
京太郎「なんか向こう騒がしいですね」
晴絵「あーそりゃ多分あれよ」
久「お待たせー」
バーンッ!!
晴絵「ほら、ビーチクイーン達のお出ましだ」
京太郎「先生なんか親父くさい」
晴絵「……」
スパーンッ!
京太郎「いってぇ!?」
彼女が水着にきがえたら
超短いけど更新
みんなどんな水着だといいんだろな
穏乃は>>648で、憧は咲日和2巻の表紙の奴が可愛くて好きだな
咲と和はこんな感じか?咲さんちょっと盛り過ぎか?
http://i.imgur.com/92mWgg0.jpg
二次だけどクロチャーとあらたそはこれが可愛かったな
http://i.imgur.com/nvryeTS.jpg
部長とスミレ先輩はパレオとかか?
ってか別に全員分きちんと描写する必要ないか
それではまた
目の前にはのは水着の天使たちだった。
正直、先生をバカにしたことを申し訳なく思う。
ビキニ、ワンピース、セパレート、スクール水着……。
スクール水着!?
優希「どうだ京太郎!? 私のスク水は」フンス
その自信はどこから来るのだろう。
京太郎「通過儀礼として一応聞くけどなんでそれをチョイスしたんだ?」
優希「部長が男はこれが好きだといっていたじぇ。部長のアドバイスは絶対だじぇ」フフン
視線を移すと、必死に笑いを噛み殺す部長の姿が。いや、最早なにも言うまい。
優希「どうだ? 似合ってるか?」
俺は無言で先程のホワイトボードを翳す、
スパーンッ!
途中で後から頭をどつかれた。
振り返ると厳しい視線の赤土先生。顎で示してくる。
京太郎「ああうん。似合ってるんじゃないかな、歳相応で」
憧「歳相応って……」←同い年
和「言わないであげてください」←同い年
周りからなにか聞こえるが黙殺。
優希「可愛いか?」
京太郎「可愛い可愛い」
優希「そうか!」パァァ
う、純真な笑顔が胸に突き刺さる。
淡「どうキョータロー? 淡ちゃんの水着姿は」
京太郎「セパレートか」
ツーピースであるがビキニよりも露出の低いセパレートタイプ。
淡い青の布地に花柄が映える。
淡「あんまり可愛過ぎて心奪われるなよー!?」
京太郎「うん。普通に可愛いな」
淡「ふぇ?」
京太郎「え?」
淡「あ、あわわわわわ///」カァァ
淡「あわー!」ダダダ
走っていってしまった。なんか知らんが勝った。
京太郎「さて……」クル
咲「///」モジモジ
和「///」ウツムキ
憧「……」プイ
玄「///」ソワソワ
宥「……」ガタガタガタガタガタガタ
照「……」テルーン
なんか順番待ちみたいになってるんですが?
京太郎「」
晴絵「……」ポン
先生は軽く俺の肩を叩くと、未だに手に握られていたホワイトボードをそっと取り上げた。
疲れた。
改めて俺のボキャ貧具合を確認させられた。
まぁ眼福なこともあったので差し引きしてもプラスだろうか。
誠子「……」ソワソワ、ワクワク
一団の後方に一人ひときわ異彩を放つ人が。
京太郎「あの亦野先輩」
誠子「ん、なにかな? 須賀君」ソワクソワク
京太郎「いやなんていうかその格好」
誠子「え、変かな? この水着」
京太郎「いえ、水着はよく似合ってますが」
丈の短めなタンキニにボーイレッグ。
活発な亦野先輩の肢体によく似合っていた。
けど三点だけ、三点だけ突っ込みたいところが。
京太郎「その背中に背負った釣竿と、肩に提げたクーラーボックスと、腰に巻いたヒップバッグは……」
誠子「せっかく海に来たんだから、もちろん釣りだよ」
ですよね~。
誠子「じゃあ私はあそこに見えてる岩場にいるからなにかあったらケータイで!」ドヒューン
行ってしまった。
後で少し様子を見に行くか。
そういえばさっきから気になることが。
京太郎「なぁ、穏乃はどこにいるんだ? さっきから姿が見えないけど」キョロキョロ
憧「シズならそこにいるけど」
指で示された方向に顔を向ける。
晴絵「……?」
腕組みをして事態を見守っていた先生と視線が衝突。
よく見ると、その背後からちらちらとこちらを伺っておる者ありける。
穏乃「//////」
メイドだった。いや、厳密には穏乃だった。
ハート型のエプロンを模したストラップレスのトップ。帆前掛を合わせたスカート型のボトム。
赤いスカーフと付け襟、カフス、黒のニーソックス、白い太ももに僅かに見える帯はガーターだろうか?
ネコミミにも見えるカチューシャの両端にはアクセントとしてスカーフと同じ色のリボン、ご丁寧にパンプスまで用意していやがる。
京太郎「」
今日、何度目かの絶句。
さすがにこれはやり過ぎだと思……。
穏乃「うううう//////」ウルウル
なにも言えないでいる立ち尽くしていると、穏乃の顔が羞恥に染まり瞳は徐々に水気を帯びてくる。
憧「なにやってんのよ! なにかいいなさいよ」ボソボソ
俺の小脇に肘打ちを突き立てながら憧が先を促してくる。
玄「京太郎くん。ファイトなのです!」グッ、タユン
あ、揺れた。
和「あ、ははは」
困った笑いを浮かべながら様子を伺っている和。
一応、指摘しとくとあなたの普段着も結構負けてないですからね?
京太郎「あー、どうしたんだその水着」
穏乃「これ、憧が……」
憧だと? 俺は件の少女に視線を水平移動。
憧「……」フイ
亜音速で目を逸らしやがった。
改めて穏乃の格好を見直す。
え、これヤバくない?
京太郎「あのさこれヤバくないこれ? これ犯罪じゃないのこれ?」
こんな小さな子にこんな格好。けしからんもっとやれ。
穏乃「私、学校の水着しかなくて、だからこういうのよくわからなくて……」モジモジ
胸元で合わせられた両手の先、人差し指の先を弄っている。穏乃の感情に感応してネコミミまでうな垂れて見える幻覚。
京太郎「え? それ学校指定の水着なの?」
京太郎「そんな学校、あって、たまるかってんだ!! どこだよその学校俺も通いてぇよ」
憧「単語だけ拾って頭の中で適当に再構成するのやめなさい。お年寄りじゃないんだから」
穏乃「やっぱり変、かな……似合ってない?」
不安げに俺を見上げてくる穏乃。俺はその細く震える薄い肩に優しく手を置く。
京太郎「いいかよく聞け穏乃」
穏乃「?」
京太郎「めちゃくちゃ可愛い。すげー似合ってるよ」
瞳の奥に感情の揺らぎ。そして光明。
穏乃「ホントッ!?」
京太郎「おう! 俺はバカだが嘘はつかない」
穏乃「そっか、可愛いか。…………可愛いかぁ、えへへへ///」
照れ隠しだろうか頭を掻く穏乃。それに合わせて結い上げたポニーテールが揺れ、ネコミミも機嫌良さ気に反応している。
え? ちょっと待って、どうなってんのこれ?
京太郎「それで前提としてよく似合ってるし可愛いけど、それを踏まえたうえで敢えて言うけど」
京太郎「やっぱヤバくないこれ? 犯罪臭が」
穏乃「えへへ、可愛いって褒めらちゃった///」テレテレ
和「よかったですね。穏乃」
憧「まぁ似合ってないとかいったら、八つ裂きにして海に撒いてたけどね」
玄「けどホントに可愛いね」
最早、誰も俺の意見など聞いていなかった。
なにがおかしいって男と女の感性の違いというか、あの格好を誰もおかしいと思わないということが一番おかしいと思う。
いや可愛いんだけどね。
あるいは、俺の前だけでとかにしてくれるとおにーさん嬉しいよ?
晴絵「まぁあんな格好出来るのも若いうちだけさね」ポン
先生がいうと説得力が違いいますね。
【おまけ】
玄「京太郎くん!」
京太郎「はいなんでしょう」
呼ばれて振り返る。
おうふ……。
視界に収まるホルターのトップ。薄い桜色のシンプルなビキニだ。
清楚で大胆というまさに玄さんの為のデザイン。
あの夜の過ちが脳裏をよぎる。
俺は熱い砂浜に額を叩きつける。
玄「い、いきなりどうしたの?」ビクビク
俺のいきなりの奇行にビビり気味の玄さん。
京太郎「いえ今、自分の中の自分という存在を徹底的にブチ滅ぼそうと」
玄「そ、そうなんだ……」
京太郎「それより玄さんこそどうしてんですか? てっきりみんなと泳ぎに行ったのかと」
玄「そう大変ですのだ! オペレーション・おもち発動ですのだ!」
京太郎「な!? オペレーション・おもちですって!?」
オペレーション・おもち
かつてはクロチャーの地球降下作戦のことをそう呼んだ。
クロチャーの回転速度を上昇させ、ラグランジュポイントでドラを爆発、均衡を破壊し地球に落とす。
その後、混乱に陥った地球を降下してきたクロチャーで制圧する。
これがオペレーション・おもちの全容である。
次回、キョウタロウ閃光に散る
イチャラヴSSを書いてるときにたとえばキスシーンで
「チュッ」←この擬音を書くときの「俺なにやってるんだろう…」的な虚無感といったら
今回、女性物の水着のデザインを調べてるときの虚無感はそれに近いものがががが
渋を漁って見繕ってきた水着画像で、まぁこれらを参考にしてくれれば
部長
http://i.imgur.com/ENctyhL.jpg
染谷先輩
http://i.imgur.com/FSn2ZS3.jpg
たかみー
http://i.imgur.com/Jcl2dGD.jpg
クロチャー
http://i.imgur.com/pVSpvst.png
宥姉
http://i.imgur.com/KtQ4hb3.jpg
あらたそ
http://i.imgur.com/rqafpex.jpg
おまけ1 「ボケとツッコミと天使」の天使 早く時代が追いつきますように
http://i.imgur.com/Gr8E9Ox.jpg
おまけ2
http://i.imgur.com/copGye7.jpg
それではまた
ダイジェスト
菫「……」キュピーン
玄「ふぁ!?」
京太郎「ふぁ!?」
菫「ん? どうしたんだ2人とも」
玄「おもちが……」
京太郎「……ある?」
菫「ふ、これか」ポヨン
菫「レギュレーション変更だ」ドヤァァ
玄(なにがなんだかわけがわからない)
京太郎(いい加減な設定にしやがって)
玄「しかし!」
京太郎「我々で協議」
京玄「「した結果」」
京太郎「おもちがあれば細かいことなんてどうでもいいよね!」
玄「ですのだ!」
菫「まさか君たちはそれを締めのセリフにしようというのではないだろうな?」
穏乃「海だー!!」
優希「青いー!!」
淡「すごーいー!!」
3バカ「「「行くぞーっ!!」」」
京太郎「おーい。気を付けろよ!」
咲「あはは、みんな元気だね」
優希「咲ちゃんも京太郎も早く来るんだじぇ!」
ガシッ
咲「わわっ!?」
淡「テルーも行こう!」
ガシッ
照「えっ!? ちょ、待っ」
ダダダダダ
京太郎「海はにげねーから落ち着けってー」
憧「まったく子供なんだから」ヤレヤレ
和「そういう憧も、走り出したくてウズウズしてるように見えますけど」
憧「そ、そんなわけないでしょう!?」アセアセ
玄「じゃあ憧ちゃんが待ちきれないみたいだし私たちも行こっか?」
憧「もう、玄まで!」
京太郎「はははは」
憧「笑ってんじゃないわよ!」
ダッパーン
京太郎「ん?」
優希「おおおお、京太郎っ!!」
淡「たいへんたいへん! テルーとサキが波にのまれた!!」
京太郎「なにやっとんじゃあのアホ姉妹は!?」
ザザッ…
京太郎「はぁ……はぁ……ああ、くそ、マジ疲れた……」
咲「」
照「」
和「2人ともぐったりしてますが、ケガもないようですし呼吸も安定してますから、すぐに気が付くと思います」
玄「もう、優希ちゃんも淡ちゃんも無理矢理連れまわしちゃダメだよ?」
優希「反省してるじぇ」
淡「むしろ猛省」
憧「気のせいかな? あんまり反省してるように見えないけど」
穏乃「京太郎。大丈夫?」
京太郎「なんとか。ああ、ちょっと海水飲んじまった」
穏乃「はい、水」
京太郎「おお、すまん」
京太郎「あー生き返る」プハァ
和「これからどうしましょうか?」
京太郎「ああ、この2人なら俺が見とくからみんな泳いできてくれよ」
玄「そんな、悪いよ」
京太郎「いや、っていうか少し休ませてください」
京太郎「まさかものの数分で体力使い切るとは思わなかった」ハァ
玄「でも……」
京太郎「いいんですよ。せっかく海に来てるのにこんなとこで固まってても仕方ないですよ」
淡「よし! じゃあ行こうクロ!」ガシ
玄「え、あ……待って待って淡ちゃん!」
ダダダダ
憧「ぜんぜん反省してないわね」
京太郎「まぁあいつらしいっちゃあいつらしい」
憧「……」ウーン
憧「あたしも泳いでこよっと」
タッタッタッ
穏乃「あ、ちょっと憧!」
タタタタ
京太郎「憧は察しがよくて助かるね」
優希「のどちゃん、私たちも行くか?」
和「私は……私はそうですね、よろしければ須賀君の話し相手になりましょうか」
京太郎「え? いや、俺は別に」
優希「……」ジィイ
優希「わかったじぇ、じゃあまた後で」
タッタッタッ
咲「」ウーン
照「」ウーン
京太郎「よかったのか? 行かなくて」
和「身体を動かすのはあまり得意ではないので。隣、失礼しますね」
ポスッ
和「どちらかと言えば見ている方が好きなんです」
和「須賀君と一緒ですね?」ニコ
京太郎(リアクションに困るな……どう答えるべきなんだ?)
京太郎「へぇ。そうなんだ。和はもっと率先して動くタイプだと思ってたけど」
和「そんなことないですよ。割と内向的なので」
京太郎「そうか」
和「そうです」
京太郎「ははは」
和「ふふ」クスクス
京太郎「それで内向的な和さん。久し振りに旧友と遊べる感想は?」
和「懐かしい、と言うのが本音ですね」
和「海ではないのですが穏乃や憧、玄、赤土先生といろいろなところに行きましたから」
和「と言っても吉野の、小学生が行ける範囲でですけど」
京太郎「和は転校が多かったんだっけか」
和「はい。父も母も忙しい方なので。昔は、それが辛かったんですけど」
京太郎「……」
和「けど、悲しいことばかりでもないって最近になって気付けたんです」
京太郎「?」
和「清澄の皆さんに出会えましたから」
京太郎「……」クス
和「ゆーき、部長、染谷先輩」
和「そして咲さん」
京太郎(俺は?)
和「もちろん須賀君も」ニコ
京太郎「っ!?///」ドキ
和「覚えてますか? わたし達が始めて会ったときのこと」
京太郎「ん~、どうだったかな? あんま覚えてないな」
和「私、須賀君がいたから麻雀部に入ったんですよ?」
京太郎「え?」
咲「う、う~ん……」
京和「「!?」」
ムクリ
咲「あれ? 私……」
京太郎「お、おお。咲、目が覚めたか!?」
咲「確か、優希ちゃんに連れられて海に入って……」
京太郎「気分はどうだ? 水飲むか?」
咲「うん。ありがとう……」
咲「あ! おねーちゃんはっ!?」
照「」
咲「おねーちゃん、おねーちゃん!?」ユサユサ
京太郎「おいおい、そんな乱暴な」
照「う……ん~」
咲「よかった目が覚めて」
照「海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い」ブツブツ
京太郎「すっかりトラウマになったな」
和「どうしましょうか」
京太郎「う~ん、」
京太郎「照さん? 照さ~ん!」
照「海怖い海怖い海怖い海こわ、あ、え? なに?」
京太郎「そんなに海が怖いなら浜辺で俺らと遊びませんか?」
照「あ、えっと……」
咲「……」ウンウン
和「……」コクコク
照「じゃあちょっとだけ」オズオズ
京太郎「はい」クス
京太郎「じゃあ砂上の楼閣でも作ろうか」
咲「す、すぐ壊れそうだね」
和「まぁまぁ」
京太郎「じゃあちょっと水汲んでくるからこっちはよろしく」
3人「「「はーい」」」
―――――
―――
―
和「~♪」シャッシャッ
咲「和ちゃんすごい!?」
和「ふふ、私の計算にかかればこのくらい造作もないですよ」
京太郎「いやしかしこれは凄いな。まさかこんな片田舎のビーチにサグラダ・ファミリア・カテドラルを創造する奴がいるとは」
京太郎「照さんそっちは、」
照「ぱーぱぱーん、ぱぱぱぱーん、ぱーぱぱぱぱーぱぱーん♪」
京太郎「」
京太郎「あの、照さん」
照「ん、なに? 京ちゃん」
京太郎「なんで反対側にマジ○ガーZの顔が付いてるんですかね?」
照「え? だってお城って」
京太郎「それは鉄の城です」
照「あれ?」
咲「ぷっ、あはははは。もう、やだおねーちゃん」
和「ふふ」クスクス
京太郎「まったく、照さんは。ははは」
照「………………ふふ、ははは」
―――――
―――
―
和「出来ましたね」
京太郎「反対側おかしいけどな」
照「むぅ、京ちゃんしつこい」
京太郎「いや、だってこれは」
咲「まぁまぁ。これはこれで面白いから」
京太郎「ん~、まぁそうだな」
4人「「「「完成! 聖家族贖罪教会Z!」」」」ワーイ
ダッパーン!
咲「あ、高波……」
グチャ~
4人「「「「…………」」」」
おまけ
宥「気持ちいいね~」ガタガタガタガタ
灼「気持ちい」
尭深「あの、お茶飲みますか?」
宥「あ、ありがとう~」ガタガタガタガタ
尭深「鷺森さんも、よかったら」
灼「どうも」ペコ
灼(熱い……)
宥「ずず~」
尭深「ずず~」
宥尭「「ほぉ……」
宥「あったか~い」ニコニコ
灼(熱いけど、お茶)
灼「美味し……」ズズ
尭深「……」ニコリ
灼「///」
宥「こんな日は、お鍋とか食べたね~」
灼尭「「うん」」
「「……………………え?」」
次回予告
京太郎「鍋やるべー!!」
穏乃「鍋やるべー!!」\>ワ</
次回 夏だ!海だ!水着で鍋パーティーだ!
天津飯の音が聞こえる
・京太郎は部内で古参のメンバー
・和が麻雀部に入ったのは京太郎と知り合ってから
・入部のきっかけは京太郎の存在
この3つのキーワードが意味することとは
と、なんかそれっぽいことを書いておくと後々ネタに困ったときに使えるかもしれない
そう思って伏線みたいにしておこうかな
それではまた
次回でちょっと京太郎と買出しに行くキャラを安価で募集しようかな
別に安価スレではないのでこれが好感度に繋がるとかではないです
が、なるべく阿知賀メンバー以外でお願いします
↓5
【前回までのあらすじ】
宥「お鍋とか食べたね~」
<食べたいね~
<ね~
この一言が発端となった。
灼(また宥さんがわけのわからないこと言い出した)
尭深「さすがに、屋外でお鍋は無理があるかと」
宥「そっか~」ショボ~ン
京太郎「話は聞かせてもらいました!」
宥「あ、京太郎くん」ポヨヨ~ン
尭深「須賀君?」タプ~ン
灼「いったいどこから」ツルペッターン!!
京太郎「……」
京太郎「俺はいつだって鷺森先輩の味方です」ポン
灼「……」イラッ
京太郎「まぁそれはいいとして、ここはひとつ俺に任されてみませんか?」
宥「?」
京太郎「今日のお昼はお鍋にしましょう」
宥「え、いいの?」
京太郎「問題ありません。俺はいつだって宥さん全肯定の論調で語ってますから」
宥「はわわ///」
こうして俺たちの昼食は鍋パーティーとなった。
京太郎「と、見栄を張ったはいいが準備が大変そうだな」
土鍋はある。何故あるのかとかは気にしていけない。少なくともこの世界観においては。
淡「あ! キョータロー!」タタタッ
京太郎「問題は具材だな。買出しに行かないと材料なんてないしな」ブツブツ
そういえば亦野先輩の成果はどうなったろうか。鰤とか釣れてるなら是非とも分けてもらいたいが。
淡「あのね! 向こうですっごいキレーな貝殻拾ってね!」ピコピコ
京太郎「とにかく今から買出しに行かないとな」
淡「買出し? 私も行く!」ピョンピョン
京太郎「しかしさすがに今回は一人だと少し厳しいな援軍を呼ぶか」
淡「ねーねー! キョータローってばぁ!」ブンブン
京太郎「けど仮にも先輩たちに頼むのは気が引けるしな。和とはちょっと2人っきりだと顔合わせ辛いし、理由が理由だけに憧にはからかわれそうだし」
京太郎「穏乃はどこか突っ走って行きそうだし、咲は迷いそうだし、優希はタコスだし、空気はそもそも生命体じゃないし」
淡「キョータロオオオオオオーッ!!」
絶叫に近い高音が俺の耳朶を劈く。
音源を捜すと、いつの間にか傍らには淡が立っていた。
京太郎「あ、淡……お前いつか、」
淡「私ってそんな後?」
京太郎「なにが?」
俯いて髪先を弄っている淡。心なしかいつもの元気がない。
淡「私ってそんな後なんだ。その買出しの手伝いに呼ばれる順番みたいなの」
京太郎「え?」
淡「ちょっと傷付いた、かも」グス
え、っと。よくわからないが淡はどうやら自分の名前が挙がらなかったことが不満らしい。
京太郎「いや、違っ、これは違くて淡をハブにしたとかじゃなくて」
淡「ホントぅ?」
その上目遣い!
京太郎「お、おう。じゃあなんだったら一緒に行くか?」
淡「良いの!?」パァァ
俺の提案に途端に破顔する淡。
京太郎「いいって言うか、単なる買出しだぞ?」
淡「良いの! ほら行こう! ね?」グイグイ
京太郎「おい、そんな引っ張るなって!」
淡は急にに俺の手を取ると、急き立てながら走り出した。
先生と部長に軽い連絡を入れ終え、俺と淡は並んで海岸沿いの街道を歩く。たしかこの先に小さなスーパーがあったはずだ。
淡「ところで買出しってなに買うの?」
京太郎「昼飯の材料」
覗き込んで尋ねてくる淡に視線を向けながら返答を返す。
淡「あれ? でもお昼は海の売店で買うんじゃんなかったっけ?」ハテ?
京太郎「まぁそうなんだけどちょっと鍋をやることになってな」
淡「鍋ってお鍋?」
京太郎「ああ」
淡「キョータロー頭大丈夫?」
京太郎「失礼だなお前は」
淡「だって夏だよ! 夏真っ盛りだよ!? なんで海に来てお鍋なの?」
なんかそこまで言われるともっともな気がしてきた。
京太郎「いや、でも宥さんがな」
淡「! ……ふーん。ユーの」
あれ? またなんか機嫌が。
淡「むぅ」プクゥ
京太郎「……」
ほっぺが膨れておられる。
なんか地雷踏んだか?
淡「うぅ……」ブルル
いきなり淡が身を震わせた。それから両手で肩を抱き身を縮込ませる。
京太郎「寒いのか?」
淡「わかんない」
京太郎「海から上がってちゃんと身体拭いたのか?」
淡「拭いてない」
京太郎「はぁ、ったく」
俺は自分の羽織っていたパーカーを脱ぎ淡に差し出す。
京太郎「これ着とけ」
俺の言葉に目を丸くする淡。
淡「いいの?」
京太郎「無いよりましだろ?」
淡「……ありがと」
手渡した上着をいそいそと羽織る淡。
淡「……」スンスン
京太郎「ちょ、おおい!? なに嗅いどんじゃ!」
淡「キョータロの匂いがする」
やめて! 羞恥プレイはやめて!!
淡「んふふふ~」ニッコニッコ
なんかまた機嫌よくなってるし。ちょっと刹那的に生き過ぎじゃないですかね?
淡「それで買うものは?」
京太郎「ん~、とりあえず水、料理酒、みりん、醤油、和風だし、塩、かつおだし……」
京太郎「寄せ鍋のつもりだからこれと言って決まりは無いけどお前なに入れたい?」
淡「野菜はイヤ」
京太郎「わかった野菜はしこたまぶち込もう」
淡「鬼!」
キングクリムゾン!
淡「いっぱい買ったね」
京太郎「大所帯だしな。まぁ余ったら俺が持って帰るさ」
言いつつ袋を持ち直す。もちろん自前のエコバッグである。
淡「重い……」
同じく袋を持とうとしている淡だが、言葉の通り割と大量に買い込んだのでその分だけバッグも重くなっている。
淡の二の腕がぷるぷる震えている。
京太郎「ほら貸せ」
そういって手を差し出す。
淡「え? でもそれじゃあ一緒に来た意味ないし……」
京太郎「でも、お前持って帰れないだろ?」
淡「そうだけど、あ! じゃあこれで!」
そういって袋の両側に着いた取っ手。その両端をそれぞれ俺と淡で片側ずつ持つ。
淡「えへへ、これなら私も持てる」
京太郎「まぁ、いいけど」
事なきを得て肩を並べて帰路に着いた。
海水浴場に戻り買って来たものを折り畳み式のテーブルに置く。
淡「ふい~疲れた」
凝った手首を振り、具合を確かめながら一息つく淡。
京太郎「おう。ご苦労さん」
淡「……」
俺の労いに返事をせず、黙って見上げてくる。
淡「それだけ?」
え?
京太郎「い、いいいいくら欲しいんだ!?」プルプル
財布を取り出し、小銭と札を確認する。
買出しの手伝いしただけなのにお金要求してくるなんて、淡、恐ろしい子!?
淡「違うわアホー!」タタタッ
怒って走り去ってしまった。
っていうか上着返せよ。
誠子「今、淡が走っていたけど須賀君なにかしたの?」
京太郎「あ、亦野先輩」
そこには釣竿を担いだ亦野先輩の姿が。
京太郎「首尾は?」
誠子「上々。……じゃなくて淡になにかしたの?」
京太郎「いや、なんでそこで疑いの余地も無く俺なんですか?」
誠子「そりゃあ、ここ最近の淡の悩みの種はもっぱら君だからさ」
京太郎「?」
亦野先輩の言い振りはいまいち要領を得ない。
誠子「で、いったいなにしたのさ」
京太郎「なにっていうか、」
俺はここまでの経緯を先輩に説明する。
時折頷きながら聞いていた先輩が、得心が行ったとばかりに口を開く。
誠子「それはたぶん褒めてほしいんだよ」
京太郎「え?」
意外な意見に思わず間抜けな声が漏れた。
京太郎「え~っと、たかが買出しの手伝いですよ?」
誠子「そうだね。でも、たとえば淡は1年からレギュラー入りして部活では常に練習練習で、基本的に新入生がこなす様なそういった雑用はしてこなかった」
誠子「才能を生まれ持ったばっかりにそういった普通の人が当たり前のように経験することを得ないまま育ってしまった」
誠子「だから私たちにとってはなんでも無いことでも淡にとっては大事なこともあるんだ」
京太郎「はぁ……」
誠子「っとまぁ偉そうなこと言ったけどもっと単純に須賀君の役に立ったから褒めてほしいだけかもね。甘えてるんだよ」
京太郎「けど、逆に怒らないかな?」
誠子「それはどうだろうね。けどそれで本当に怒るかどうかは君のほうがわかってるんじゃないかな?」
俺は背中に鉄板仕込んだかのように背筋を伸ばし、敬礼の姿勢を取る。
京太郎「うっす。さすが亦野先輩、ありがとうございます!」
やはり困ったときは2年生だな。約一名を除いて、真っ当な人材が揃ってる。
京太郎「お~い、淡!」
砂利を蹴って砂浜を走る。目標はあまり移動していなかったのかすぐに見付かった。
波打ち際にしゃがみこんで、なにかやっている。
京太郎「なぁおい淡」
俺の声に一瞬肩を震わせた淡はゆっくり立ち上がり、肩越しにこちらを一瞥してくる。
淡「なに?」
淡らしからぬ酷く平坦な声。
京太郎「さっき悪かったよ謝るから、な? こっち向けよ」
渋々という感じを隠そうともせず身体の向きを変える。後ろ手に両手を組み、いじけた様に打ち寄せる水面を蹴る。
京太郎「え~っと、なんだ。買出し手伝ってくれたありがとな?」
淡「……うん」
京太郎「助かったよ。その、偉かったぞ?」ナデナデ
淡「!?///」
そういって俺は淡の髪を撫でた。その瞬間、淡か頬に朱が差し込む。
淡「あ、あわわわ。ああ、あのね!!」
京太郎「うん?」
淡「こここ、これ!」
差し出された右手、その上に載った小さな欠片。
京太郎「貝殻?」
淡「う、うん。その……綺麗だったからキョータローにも見せてあげようと思って」
京太郎「へえ、ホントに綺麗だな」
淡の手から貝殻を受け取り指先で摘むとそれを太陽に翳す。
京太郎「ありがとな、淡」
淡「うん!」
京太郎「さ、戻ろうぜ。腹減っただろ?」
淡「うん。あはは、実はお腹ペコペコ」
そういって淡は少しだけ恥ずかしそうに微笑んだ。
もと来た砂浜を引き返していく俺たち。
淡「あのね、キョータロー」
京太郎「あん?」
淡「私、毎朝キョータロのお味噌汁が飲みたいかも」
京太郎「え、やだよ。めんどくせぇ」
淡「」
何日か振りに更新
いやぁ今週はまた狩人祭でちょっと忙s、いえいい訳ですけど
総合の方に入り浸ってるのも原因かなぁ
ホントはもっとレジェンドとアラフォーがカーチィスするみたいな頭の悪い内容にする予定だったんですけど
なんか気付いたらこんなことにこれじゃあ京淡スレじゃなぇかって思う人もいると思いますが
どうかご容赦を
たかみーの小ネタはもうちょい待ってね
それではまた
__
. -'" ̄  ̄` 、
/ ヽ、
/ . . . . : : : : : : . . . \
/ .:r . : ! : : : |: : : : : :゙.: : : : ヽ:.\
/ .: :| . : : !.: : : :| : : |: : : l!: : : :ハ.:l: : .ヽ
,' ..: :|. : : :l: : :∠L: :l|: : :l:|l: |: :l :| :!: : l:ハ
! . :l.. : :|. : : :|:///:/:/|: :/l/リTTヽ: !: :.i!:.|
, l . .:|.. : :!: : : :!/ "´'" '" ´ l从:!: |: :,'l: !
| l . : :|: : :.|: : : :l ,ィ==、 ,ィ=、リ!: :l:/ l/
l. ! . :.:|: : λ: : : ! {: :.| ´
!. l . :.:|: :/ |: : : :.l """ , "" l: :.:!
, .| .:.:.|:k !: : : :.l ___ |: : |
, .:! : : :!:ハヽl: : : : | r.{_::::;ノ ..イ: : :l
. : : !: : :|:ハ: :!.: : : :ト 、 \ヾ _..ィ´: |: : :j
.: : :l : :|'\∨l:ト: : :l ` ァ、 ヾ.:.:!: :.:|: :./
' . : : :.! : : : :.`゙、ヾ\ヾー‐ァtノニヽ: |: :_!_,':!
. . ;.r‐''ヽ: : : : : :ヽ、r''ヾ!ヽ'_/─, | ト-y'/_: |
/ \\: : : : ヘ\:::::::〈 ‐(_!ノ'゙ Y / ヽ
,' .! ヽ.\: : :∧<:_:/l ヽ .| λ
/ .:l Yヽ: : :K_::::}、 } ノ l ゙.
, .: l } ヽ: :.ヽ. Y \ / Y !
. / . : ハ ∨ ヽ: ,L/ ヽlヽ ヽ !
/ . :/: :.ヽ ヽ Y `l 丶 l
. (1995~ 日本)
グツグツ
憧「煮立ってる」
和「煮立ってますね」
まこ「なんでお前さんはこれを作ろうと思ったんじゃ?」
京太郎「なんででしょうね? 一時の情念に身を委ねると失敗するということを身をもって体現したというか」
久「よくそういう適当な言い訳即座に思い付くわね」
京太郎「そらもちろん部長の教育の賜物ですよ」
久「その、あなたの人格形成の責任の一端を私になすり付けるのやめて」
宥「あったかそう」ニコニコ
京太郎「どうですかこの笑顔。なんかもう……なんでも許せる感じしませんか?」
まこ「まぁ、こんだけ幸せそうじゃとな」
京太郎「いいですねぇ。美人は特ですねぇ」
京太郎「お前は損だな」ポン
咲「京ちゃん、ちょっと向こうでお話しよっか? 大丈夫少しだけ麻雀を交えながら親睦を深めるだけだから」クイクイ
全員『いただきます!』
誠子「あ、でも美味しい。暑いけど」
灼「暑い。けど美味し」
玄「これなら毎日でも食べたいですね!」
菫「え、いや毎日はちょっと……」
和「すみません。タオル取ってもらっていいですか?」
晴絵「お酒がほしくなる」
京太郎「駄目ですよ。帰りも運転あるんですから」
宥「あったか~い」
京太郎「宥さん、土鍋に手ぇ近付けないでください。危ないから」
京太郎「照さんはご飯のときはお菓子食べない」
京太郎「あ! おい優希、鍋にタコス入れようとするな。美味いものに美味いもの足しても必ずしも美味いとは限らねぇから!」
京太郎「淡は春菊を脇に除けない。野菜もちゃんと食べる!」
京太郎「穏乃! 手掴みで食うな!」
憧「全部つっこんだ」
久「まぁ半分仕事みないなものよね」
咲「京ちゃん、うるさい」
京太郎「あ”あ”!?」
咲「……」ツーン
京太郎「ったく」ブツブツ
和「まぁまぁ須賀君も抑えて抑えて」
玄「仲良く食べたほうがご飯も美味しいよ」
玄「京太郎くんも。はい、あーん」アーン
京太郎「え?」
和「な!?」
憧「ちょ、く、玄!?」
玄「え? あ…………はぁ!?」
咲「……」
京太郎「は!? 今、俺絶好の好機を逃したんじゃないか?」
京太郎「『はい、京太郎くんあーん』、『おい、よせよクロみんな見てるだろ?』」
京太郎「『これじゃまるで俺たち恋人同士みたいじゃないか』、『えーうっそーマジー超キモーい』」
和(ミ○キーみたいな声ですね)
京太郎「みたいなさぁわかるこれ? この感じ」
玄「//////」
憧「いや、その声真似は確かに超キモいけど」
京太郎「玄さんにあーんをしてもらいつつ、それを指摘してテレ顔を堪能する。一挙両得」
京太郎「のはずが、素で返してしまったからな。一瞬の判断ミスで人生を棒に振ったな」
和「そんな重大なことですか?」
玄「あの、それくらいならいつでも」モジモジ
京太郎「いえ、意表を突いてもらわないと面白みが無いので結構です」
玄「」
憧「あんた今、自分の人生盛大に棒に振ってるわよ」
京太郎「俺さ。憧のそういう鋭い突っ込み結構好き」
憧「うっさいわ」
チョイチョイ
京太郎「ん?」
尭深「あーん」
京太郎「……」
京太郎「あーん」モグモグ
尭深「美味しい?」
京太郎「うーん…………美味い!」\テーレッテレー/
尭深「よかった」ニコ
京太郎「ふむ……」
京太郎「これだよこれ」
憧「なにが?」
咲「……」
京太郎「だから咲。無言なのは怖いよ?」
グ ラ イ ン ド ツ モ
対麻雀闘牌規格外六連超和了突撃拳
宮永照の保有する超大量点棒獲得技能。起動すると右腕を軸に気流の渦と紫電が高速回転。
和了数に応じて徐々に回転数を増していき、6回目の和了時に右腕をドリルのように回転させつつ炎を撒き散らしながら牌を自摸る。相手は死ぬ。
しかしこれにも一応の弱点はあり打点を上げ続けなければならないために前回より安い手で上がることができず、段々と手役が狭く遅くなっていくという。
だがそれがいい。もっとやれ。
嫉妬しちゃう咲さんかわいい
まぁ久々の更新だしこんなもんだよね
量も質も
それではまた
ノシ
京太郎「スイカ割りやるべー!」
穏乃「スイカ割りやるべー!」
スイカを掲げながら小躍りする俺と穏乃。
海に来たらなにやる?
スイカ割りっしょ!
優希「いつの間にスイカなんて用意したんだ?」
京太郎「ん? ん~……さっか?」
憧「答える気ゼロね」
穏乃「ねー京太郎ー。スイカどの辺に置く?」
アコスとタコスとくだらない問答をしていた俺をよそに穏乃はすでにスイカのポジショニングに入っていた。
穏乃ってなんか自分のやりたい事とかにすごいやる気の生産性を見せるよね。
その瞬発力に乾杯。
穏乃「あ、でも下にシートとか敷いた方が良いよね? 衛生的に」
衛生……だと?
京太郎「なんか似つかわしくない単語来たな」
穏乃「え?」
京太郎「いや、なんでもない」
泥だらけの手で松ぼっくりとか齧ってそうとか言ったら怒られそう。
京太郎「さて、スイカの位置も定まったところでここからが本番」
口元を歪めて笑う。
京太郎「誰を支配下におきたい?」
和「なんで一々そういう言い方をするんですか?」
憧「じゃあ京太郎で」ピッ
優希「犬は常に私の支配下だじぇ」ピッ
穏乃「なら最初は京太郎で良いんじゃないかな?」ピッ
咲「……」スッ」
和「ではここは多数決で須賀君ということで」
京太郎「民主主義なんてクソ喰らえだな」
和「では共産主義の国にでも政治亡命しますか?」
京太郎「バカと俺が同等に扱われる国なんて真っ平ごめんだね」
目隠しをされ、手には木刀……は、なかったので柄に『四万十川工房』と彫られた棒を持って砂浜に立つ。
スイカ割りの戦士、須賀京太郎。すなわち俺。
京太郎「さぁどっからでも来い!」
咲「京ちゃん、こっち。こっち!」パンパン
こっちってどっち?
憧「京太郎、前!」
京太郎「……」スタスタ
優希「止まれ!」
京太郎「……」ピタ
穏乃「しゃがめ!」
京太郎「……」スッ
穏乃「バック宙!」
京太郎「出来るかぁ!?」ボスッ
投げ捨てた棒切れが鈍い音とともに砂浜に突き刺さる。
穏乃「次、私ー!」
無能の烙印を押され地面にうな垂れる俺を放っておいて、さっさとゲームを進めていく女性陣。
和「穏乃もっと右です」
穏乃「右ってどっち!?」
優希「お箸を持つほうだじぇ!
穏乃「お箸を持つほうってどっち!?」
和「右です」
穏乃「なるほど!」
大丈夫かこいつ?
憧「シズ! 違うそっちじゃなくて、もっと……ああっ!?」
穏乃「チェストー!」
転瞬、後頭部に鈍痛。
穏乃「あれ?」
俺の身体は真夏の熱い砂浜にノックダウンした。
目を開けると、世界が90度傾いていた。
後頭部に鈍痛。そうか、俺は穏乃の放った誤射で昏倒させられたのか。
…………あの野郎。後で泣かす。
それはそれとしてこの頬っぺたに張り付く柔っこい人肌は……?
京太郎「……」チラッ
咲「……あ」
視線が絡まる。
京太郎「なんだぁ。咲かぁ……」
ドスッ
京太郎「ぐふっ!?」
咲「ふん!」
京太郎「ってなことがありましてね」
誠子「ふ~ん」
近くの埠頭。亦野先輩が釣り糸を垂らすその横で、俺は体操座りをして海を眺めていた。
誠子「で、気が付いたらここにいたと」
京太郎「まぁ、はい」
誠子「便利な場面転換だね」
やだ、辛辣。
京太郎「あ、これスイカです」
誠子「こりゃどうも」
俺たちは並んでスイカを齧る。(俺が寝てる間に)割ったものではなく後できちんと切り分けたものだ。
誠子「うん。冷たくて美味しいね」シャクシャク
京太郎「ですね」シャクシャク
京太郎「ビーチバレーやるべー!」
淡「ビーチバレーやるべー!」
ビーチボールを掲げて小躍りする俺と淡。
憧「私、パース。疲れちゃった」
和「私も少し休憩しますね」
ああ、和がパラソルの下へと去って行く。
京太郎「ちぃ……」
玄「う~む……」
京太郎「……」チラッ
玄「……」チラッ
ガシッ
俺たちは硬い握手を交わした。それはおそらく穢れのない天上の風景だっただろう。
菫「はぁ!」スパーン!
菫先輩の放った鋭いスパイクが地面に突き刺さる。
京太郎「く、さすが白糸台のシャープシューター括弧笑い」
菫「京太郎、次言ったら顔面を打ち抜く」
京太郎「はい」
照「ふっ!」ギュルルルルル
高速回転する右腕から繰り出されるサーブ。予測不能な軌道を取るビーチボールが迫る。
玄「させません!」
玄さんの手首が翻り、ボールの乱回転をいなしながら打ち返す。
ボールは上ではなく、横に軌道を取りネットの脇を迂回しながら疾走していく。
照「ポール回し!?」
そんなんありかよ。
玄「名付けて、玄スネイクなのです」キュピーン!
なにそのドヤ顔。
淡「あまい!」
意表を突いた玄さんの奇策も、うねり猛る淡の髪に絡め取られていた。
京太郎「いや、ボール持っちゃったらそれ反則だろ」
淡「あわっ!?」ズコーン
熱月の夢! 白熱の終章! これを取った方がマッチポイント。つまりオーラス!
菫「照!」
照「はい!」ポスッ
照さんのナイスアシストを貰い、菫先輩が再び空に舞う。弾むおもち!
菫「せい!」スパーン
しまった!?
あまりにすばらな光景につい見惚れてしまい、反応が一瞬遅れた!
俺の脇を抜け、ひとつの影が躍る。それは今まで沈黙を保ち、アシストに徹していた鷺森先輩だった。
灼「はっ!」
鋭い一喝とともに突き出される右腕。その先端、親指と中指、そして薬指がビーチボールを貫通した。
……………………は?
弾力破断限界を越え、ビーチボールが乾いた音を上げて爆ぜる。
灼「ふぅ……間一髪」
なにが?
玄「すごいよ灼ちゃん!」
照「見事な刺突だった」bグッ
菫「出来るなら是非、うちにほしい逸材だ」ウンウン
淡「ねーねーアラタ。もっかい、もっかいやって!」
灼「あ、いや。その……///」カァァ
持て囃す皆々様。照れる先輩。取り残される俺。
俺がおかしいのかなぁ? これ、俺がおかしいのかなぁ?
なんかみんなちょっと常軌を逸し過ぎてない? 突込みが追いつかないんだけど。
やめるか。この面子に一々突っ込んでたら切りないからな。
菫「ボールが無くなってしまった」
まぁな。っていうか、菫先輩は常識人の、こちら側の人間だと思ってたのに酷い裏切りだよ。こんなのってないよ。
淡「新しいの取ってくる!」
駆け出す淡。
京太郎「おい、ちゃんと前見ないと」
言うな否や、
玄「きゃうっ!?」
淡「あわん!?」
近くにいた玄さんにぶつかった。
跳ねる肢体。撓む身体。弾むおもち(二回目)。
解れる結び目。零れる、……えっ!?
玄「はうっ!?///」
咄嗟に胸元を押さえる玄さん。吸い寄せられそうになる視線を気合で逸らす。
玄「み、見た……?///」
顔を真っ赤にしながら恨みがましい目で問うて来る玄さん。
京太郎「……」ブンブン
千切れんばかりに首を振る俺。
女性陣「……」ジトォ
疑わしいと言わんばかりにねめつけて来る。これ俺の所為か?
玄「k、京太郎くんはもう大人だから……、玄の裸を見てもいやらしい気持ちになったりは、しないんだよね?///」
ん? いや待て、俺は常識人として振舞いたいね。ここが紳士と変態の分水嶺。
京太郎「大丈夫ッス。僕、そういうの興味ないんで」
完璧。これなら俺に掛けられた嫌疑、も……。
玄「ふ、ふふふ……あはは、興味ないんだぁ?」
あれ? なにこの空気?
京太郎「ってかあれ、みんなどこ行った?」
気付けば、回りには俺と玄さん以外誰もいなくなっていた。普段なら鬱陶しいくらい絡んだ来る淡や照さんの姿もない。
玄「あははははは」
哄笑する玄さん。煌めく銀色。…………え?
玄「ザックリザックリwwwwwザックリザックリwwwwwwザックリザックリwwwwwwザックリザックリwwwwwザックリザックリwwwザックリザックリwww
ザックリヨイショwwwwwザックリヨイショwwwwザックリヨイショwwwwwwwwコレハドウカナァ?wwwww蛇翼崩天刃!」ザシュザシュザシュザシュ
京太郎「玄さん、それ、蛇違いや……」
玄「千魂冥烙……」
ポロリもあるよ!(俺の首が)
けど痛くないよ!(即死だから)
京太郎「はぁっ!?」ガバッ
急激に意識が覚醒。コンクリ床の上で俺は勢いよく上体を起こす。
誠子「あ、起きた?」
京太郎「はぁ……はぁ……あれ?」
そこは亦野先輩が釣りをしていた埠頭。
誠子「大丈夫? すごい汗だけど」
京太郎「え? あぁ……」
頬を伝う雫を手の甲で拭う。
誠子「うなされてたけど、いやな夢でも見たの?」
京太郎「ええ、まぁ、はい。なんか、バタフライナイフと鎖持った玄さんに追い掛け回される夢見ちゃったよ」
俺は頭を振り、悪夢を追い払う。
京太郎「そんなわけないですよね。いつもにこにこしてて優しい玄さんに限って」
誠子「あはは、まぁ、ね?」
京太郎「なんか、ここ来てからおかしな事ばかり起きてる気がする」
誠子「ねぇ須賀君。ここから何が見える?」
京太郎「はい?」
亦野先輩が指差す先。そこに広がるのは……。
京太郎「海、ですか」
誠子「そう。私はね、昔からなにかあると海を眺めに行ってたんだ」
誠子「私は白糸台の中じゃあ凡人な方だし、そうでなくても昔からなにをやるにも失敗は付いて回ったからね」
誠子「だから落ち込んだことがあると、こうやってよく海を眺めてたんだ」
誠子「そうすると、なんだか自分の悩みが酷く小さなものに思えてね。また次もがんばろうってそんな気になれるんだ」
京太郎「それが高じて釣りが趣味になったんですか?」
誠子「はは、まぁね」
誠子「だからまぁ、君もここでしばらく海を眺めて行くと良いよ」
青い空。白い雲。寄せてはかえす潮騒。果てしなく続く水平線。
ささくれた心が凪いでいくようだった。
京太郎「先輩」
誠子「ん?」
京太郎「ありがとうございます」
誠子「これでも年上だからね」
京太郎「はは、ご尤も」
顔を見合わせて笑う。穏やかな笑みだった。
誠子「むっ!?」
柔和だった先輩の表情が引き締まる。それに合わせて俺たちを取り巻いていた空気が帯電して行く。
誠子「掛かった!」
先輩の声に導かれ垂らされていた釣り糸を見る。それは先程のまでの緩んだものではなく、
獲物が掛かったことを告げるように強く張られていた。
誠子「これは、大きそう!」
苦々しく呟きながら先輩の顔が強張る。俺は置かれていた釣り用タモを手に取る。
誠子「それはいいから今はこっちを手伝って!」
先輩の声に俺はタモを投げ出し、竿を握る先輩の手に自身の手のひらを重ね竿を立てる。
獲物も必死で抵抗する。海面に連なる釣り糸が右へ左へと激しく動く。
竿を持っていかれそうになるのを踏ん張りながら耐える。先輩の手は必死で竿を起こしながらリールを手早く巻き取っていた。
海面に魚影が浮かび上がってくる。これはなかなかの大物だ。目算で50cm前後。
ここで一か八か。
京太郎「先輩、ここは俺に任せてください!」
誠子「任せててって?」
京太郎「こうするんですよ! …………とぅ!」
俺は先輩から身を離し迷わず海へ飛び込んだ。
誠子「……………………………………………………へ?」
ワー! キャー!
和「なにやら騒がしいですね」
咲「どうかしたのかな?」
穏乃「大変大変! 海で誰か溺れてるんだって!」
憧「えぇ!?」
晴絵「うちの子たちは全員いる!?」
晴絵「各校の部長は点呼取って」
灼「阿知賀は全員いる」
久「清澄も、あら? 須賀君は!?」
菫「うちに亦野もいない」
照「誠子は埠頭のほうに行ってた。京ちゃんがそっちに行ったのを見たからたぶん2人は一緒に」
淡「そんな! セーコ先輩とキョータローが」
菫「落ち着け、あの2人に限ってそんなことは……」
灼「でも、もしかしたらってことも」
晴絵「私は現場に行ってくる。あんたらはここ待機いいね?」
灼「ん…」コク
久「はい」
菫「わかりました」
晴絵「2人ともどうか……」ボソ
タタタタッ
咲(…………京ちゃん)
オイ、アレウイテルノヒトジャナイカ!?
ライフセーバーマダカヨ!?
晴絵「どいて、どいてください!」
そこで目にしたのは波に揺られる人影。
遠くて見辛いが、それは辛うじて金髪だと判断できる。
晴絵「まさか、ホントに須賀君!?」
咲「そんなっ!?」
思わぬ声に、晴絵は脇を振り返る。
晴絵「宮永さん! 待ってろって言ったでしょ!?」
咲「だって私! 京ちゃんと仲直りしてないんです! なのに、なのにこんなのって……!」
咲は涙を零しながら海水を掻き分け、海へ入って行こうとする。
晴絵「バカ! 素人が勝手なことするんじゃない!」
咲は静止の声を振り切り、大切な人の許へ駆け出していた。
誠子「いやー、須賀君がテトラポットに頭から激突していった時はさすがにどうしようかと思ったよ」
京太郎「あはは、まさか俺も埠頭の先から海まであんな距離があるとは思いませんでしたよ」ダラダラ
誠子「ところでまだ血、止まってないけど大丈夫?」
京太郎「大丈夫大丈夫。こう見えて血の気は多いほうなんで」
誠子「そっかそっか。でもおかげで大物が釣れて良かったよ。これは竿頭は須賀君に譲らないといけないかなぁ」
京太郎「よしてくださいよ。俺はただ手伝っただけなんですから」
ワー! キャー!
オンナノコガー!
京太郎「なんか騒がしいですね」
誠子「なにかあったのかな?」
京太郎「ちょっと見てきますね? すみませーん、なにかあったんですか?」
晴絵「どうする。私が行くか? けど私まで溺れたら、誰が……くそっ情けない!」
京太郎「先生? どうしたんですか?」
晴絵「ああ、実は須賀君が海で溺れたらしくてそれは助けるために宮永さんが海に」
京太郎「なにぃ!? 俺を助けるために咲が海に!?」
言うが早いか、京太郎は荷物をその場に放り出し海へと駆け込んでいった。
晴絵「あれ!? 須賀君!?」
誠子「あの、先生。どうかしたんですか?」
晴絵「あれあれ? 亦野さん?」
誠子「はい、亦野ですけど?」
晴絵「あれー?」
つづく
シリアスとか書けるわけないじゃん(血涙)
っとまぁやっぱヒロイン?枠は咲ちゃんだよね
勢いで書いて見直しとかもほとんどしてないから出来のほどはお察しってことでひとつ
それではまた
咲(京ちゃん! 京ちゃん!!)
咲は必死に泳いだ。
泳ぎどころか、運動すら得意とはいえない自分だけどそれでもなお懸命に手足を動かした。
けれど大自然のうねりの前に非力な少女一人の力など矮小に過ぎた。
日が傾きはじめことにで海面が上昇し、波が高くなっていたのだ。
しかし遂に、咲は水面のに漂うそれへと手をかけた。
大切な人への思いが限界以上の力を発揮したのだ。
咲「京ちゃん! 大丈、……え?」
咲の掴んだそれは、幼馴染の少年でもなんでもなく単なるマネキンだった。
デパートの服売り場で悠然と佇んでいる様などこにでもある人形。
水難事故は誤報だった。
安堵と、それを上回る虚脱感。全身の一気に抜けた。
その瞬間、まるで悪意あるもののように迫る高波が咲の身体を頭上から飲み込んだ。
俺は咲の向かった方角に走り出し、波打ち際の水面を蹴り上げたところで急制動。
視線を巡らせ、目当てのものを探す。
あった。
京太郎「すみません! それ貰っていいですか?」
若い男女の女の方が手に持っていたものを指差す。
女「え? こ、これ?」
それは飲みかけのペットボトルだった。
俺は強く頷く。その剣幕に押されて、女はペットボトルを差し出してくる。
手早く栓を外し中身をすべて地面に流す。そして再び栓をすると、それを握りしめながら駆け出した。
後方からなにやら声が掛かるがすべて無視。
京太郎(待ってろ咲!)
海中を進み、足がつかなくなったあたりから泳ぎに移行。
片手が塞がっているが、染谷先輩に習った古式立ち泳法を混ぜた泳ぎでなんとか進む。
一秒でも早く。咲の許に!
先行していた咲の姿が高波に飲まれる瞬間が目に入る。
焦る気持ちを精神力で抑え、なんとか距離を詰める。
海上に潜水艦の潜望鏡のように出していた頭部を引き下げ、潜水に移行。海中に沈んだ咲の姿を探す。
いた。少し流されたようだがおおよそ右手前方二時十三分の方向、目算で8メートル。
俺は海水を掻き分け、身体を水平に移動。
咲はまだ沈んで間もないため、辛うじて意識が残っているようで必死に手足をバタつかせている。
ここだ。ここからがもっとも神経を使う作業となる。
水難事故で最も恐ろしいのは二次災害だ。
たとえば、よくありがちなケースとして溺れた子供を大人がすぐに飛び込んで泳いで助けに行く。っというのはよくある話だが、実はこれは最もやってはいけないことである。
水に溺れた遭難者は基本的にパニック状態に陥っているため助けに来た救助者に必死にしがみ付こうとしたりして暴れるため、
それによって救助者が逆に水に引きずり込まれまとめて溺れてしまうことになりかねないからだ。
極論からいえば、遭難者が気を失ってから助けに行くのが安全なのだが生憎、目の前で苦しんでいる咲を放って置けるほど俺の気は長いほうではない。
俺は手に持っていた500ミリリットルの空のペットボトルの感触を確かめる。
本来なら1,5リットルのくらいの方がいいのだが仕方がない。っというかそもそも浮き輪なりなんなりを借りてくればよかった。
やはり、自分で考えている以上に俺は冷静ではないらしい。
慎重に咲へと近付いていく。
暴れる両手にぶつからない様に迂回しつつ、背中側に周り腰に腕を回す。
鼻先を手の甲が掠める感触に鼻の奥が熱くなるが、懸命の堪えて海上を目指す。
咲の左の肘が俺の脇腹を打つ。肺から気管支を抜けて呼気が抜けていき、俺たちよりも一足先に気泡が昇っていく。
三半規管の混乱を押さえ込み脚で水を蹴ってさらに上昇。
どうやら体力が限界に近いらしく咲の動きが次第に弱まってくる。
ここで手にしていたペットボトルを咲の顎下に添える。
これは所謂、『浮き』の役割で即席の救命具だ。
海面の表面張力を突き破り、俺たちはなんとか海上へと顔を出した。
貪るように酸素を吸い込む。口を開閉させ、肩を上下させながら全身で空気を取り込む。
俺に抱きかかえられた咲は、一度大きくむせ返り鼻と口から海水を吐き出す。
それから一呼吸置いて弱々しいながらもなんとか自力で呼吸していた。
安堵の溜息。なんとか最悪の事態は回避できた。
両手が塞がっているため、バタ足しかできないがそれでなんとか水を蹴って沖を目指す。
腕の中に納まる咲に目をやると、濡れた睫毛が微かに震える。
咲「ん……あれ?」
視界に靄がかかったように焦点が定まらず茫々と宙を泳いでいる。
泳いでるのは俺なんだけどね。なんて冗句が浮かんでくるくらいには心身ともに回復してきた。
いや、身体は疲れきっているが咲の無事がわかっただけでも俺にとっては活力元となる。
京太郎「気付いたか?」
咲「京ちゃ、え!? なんで?」
京太郎「いいから、もうしばらく大人しくしてろ」
咲「う、うん」
いろいろ問い詰めたいんだろうが身体が疲れきっているため今は俺の言葉に従い口を噤む。
問い詰めたいのは俺のほうだと言いたいが、俺もおしゃべりで無駄な体力の消耗は避けたい。
突如発生した高波の身体が煽られる。
咲を放すまいと腕に力を込める。甲高い悲鳴。
咲「ちょ、ちょっと! どこ触って!?」
京太郎「どこも触ってねぇよ! いいから大人しくしてろ」
またも波に飲まれそうになる。波濤が渦を巻き、俺たちに覆いかぶさって来る。
咲「うひゃぁ!?」
顔を真っ赤にしながら溺れかけていたとき以上の勢いで手足を暴れさせる咲。
京太郎「バカ! だから暴れんなって!」
咲「だって京ちゃんがぁ!?」
再び左の脇腹に鈍痛。先程打ち付けられた部分と寸分違わず同位置に打ち込まれた。
わざとでは断じてないだろうが、自分の運の悪さが腹立たしい。
京太郎「落ち着け! なにもしない。もうすぐ陸だ、かっつ!?」
俺の言葉はそこで途切れた。
おわかりいただけるだろうか? 咲の脚が男の人体急所、即ち股間を正確の打ち据えた。
全身を打ち抜く激痛。視界に火花が散る。尾?骨のあたりから力が抜くていく。
普段の俺なら激痛に悶えるだけで済んだだろうが、いろいろ限界が来ていた俺に止めを刺すには十二分に過ぎた。
咲「あ、あれ? 京ちゃん?」
事態が飲み込めない咲が、急に弱まった拘束に疑問を感じこちらを振り返ってくる。
最早、返事を返すことすらできない。
薄れ行く意識の中、目にしたのは泣きそうな顔の咲。
ああ、そんな顔すんなよ。俺は大丈夫だから。
視界の空が減り、減った分を水の青さが増していく。
再び海中に沈んでいき、意識が暗黒へと混濁していった。
頭が頭髪の先まで沈みきり、最後に掲げていた右手を誰から触れた気がした。
?「京ちゃん!」
誰だ?
?「京ちゃん!!」
誰かが俺の名前を呼んでいる。
暗闇が裂け、光が漏れ入ってくる。
自分が目蓋を開きかけているんだと気付き、そのまま一気に開け切る。
差し込む光量に、一瞬網膜が灼かれるがすぐに眼球が明度調整を行い、それに合わせて視界が戻ってくる。
目の前にあったのは唇。
小皺の見える鼻梁。
シミの浮いた浅黒い肌。
顎先にたくわえた髭。
白んだ眉毛。
禿げ上がった額。
それらをパーツとしたどう見ても中年男性の顔面が俺へと迫った来る。
京太郎「うわああああああああああああっ!?」
その横っ面を盛大に殴り飛ばしてしまった。
いや、だって……おえ、夢に出そう…………。
?「ほう? 元気そうじゃないか?」
声とともに起き上がってきたのは、
京太郎「大沼プロ!?」
大沼「如何にも、ワシだ」
京太郎「え、あれ? なんで大沼プロが?」
大沼「決まっておるだろう。お前の貞操をいただくためだ」ジュルリ
京太郎「」
次回。
【たった一人の最終決戦】
なんで俺こんなの書いてるんだろう(涙目)
真剣な話これどこに需要があるんだろうな
先にネタバレしとくとこの大沼プロは夢オチです。
作中の京太郎の水難救助はあくまでフィクションですので
リアルでは絶対に真似しないでください
ただ、ペットボトルを救命具にするのは割と有用なので
もしそういう場面に出くわしたら手段のひとつとして覚えておくといいかもしれません
その場合は少しだけ水を入れてやると遠くに投げることが出来るのでそれも有用です
それではまた
白い砂浜。青い空。微細な違和感。
大沼「ははは、これー! 待たんかー!」
京太郎「来るなああああああああああああああああっ!?」
追いかけて来るホモ(中年)。
なに? なんなの!? なんで俺がこんな目に合ってるの!?
大沼「聞けぃ小僧!」
京太郎「っ!?」
先程の猫撫で声とは違う大沼のおっさんの突然の恫喝に思わず立ち止まる。
大沼「今、お前は死の危機に瀕しておる」
京太郎「どういう、ことだ?」
大沼「ここは此岸と彼岸の境界。言わばお前さんが見ておる明晰夢のようなものだ」
京太郎「明晰夢?」
確か、見ている本人が夢を夢と自覚しながら見る夢のことだったか?
メカニズムとしては思考、意識、長期記憶などに関連する前頭葉が海馬と連携して覚醒時に入力された情報を整理する前段階において、
前頭葉が半覚醒状態のために起こるとかどうとか。
言われてなるほどと思う。
身体を取り巻く鉛が纏わりついているような、独特の身体感覚のおかしさは夢の中のそれだ。
大沼「お前は今、海で水難事故に遭い生死の境を彷徨っている」
京太郎「……」
そうか、俺は俺を助けようとして海に飛び込んだ咲を追ってなんやかんやあって咲に……。
あの野郎。
大沼「日本とシアトルでは救命率がまるで違う。なぜかわかるか?」
京太郎「?」
大沼「日本の救急車はたとえば、緊急の走行中に目の前に別の車両が現れるとブレーキを踏む」
大沼「だがシアトルの救急車はノーブレーキで突っ込んでくる。だから皆、臆して救急車を避けるから日本とシアトルでは救命率がまるで違う」
京太郎「? それとこの状況とどんな関係がある?」
大沼「…………ないな」
京太郎「……」
なぜ俺の周りには会話の前と後で論点がおかしい人間ばかりなのだろうか。
類は共を呼ぶ。ではない。っと思う……たぶん、きっと……。
大沼「ははは、すまんすまん」
大沼のおっさんは照れたように頬を掻きながら笑う。
京太郎「やめろ。中年のおっさんの照れ笑いを微笑ましいと思えるような奇特な趣味はないんだ」
大沼「貴様の引き締まった臀部を撫で回しながら、その菊門にワシのいきり立ったイチモツを捻じ込m」
京太郎「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」
おっさん(ホモ)の汚らわしい腐れ妄想を俺の絶叫が打ち消す。
京太郎「とにかく、そういうことなら俺は帰らせてもらうぜ」
踵を返しその場を後にしようとする。
明晰夢は見るのは難しいが覚めるの簡単だと聞く。このおっさんとの物理的な距離は関係ないが、なんとなくこの場にはいたくない。
大沼「帰ってどうする?」
京太郎「なに?」
大沼の挑むような声に、俺はつい振り返ってしまった。
大沼「帰ったところでお前に居場所はあるのか?」
大沼「すべての人間は部品だ。その部品が組み合わされことで世界が成立している」
大沼「だが、お前はどうだ? 物語の主筋に関わらない。人数合わせの背景役の一人でしかないお前があの場に戻ってそれにどれ程の価値があるのだ?」
大沼の言葉に俺は打ちのめされていた。
確かにその通りだった。咲たちが輝かしい栄光をと賛美を浴びる一方で俺は県大会初戦敗退という、なんの価値もない結果しか残せなかった。
初心者だから、などという言葉は言い訳にもならない。
結果がすべてなのだ。努力した人間すべてが評価されるなどそんなことはありえない。
大沼「戻ったところで辛いだけだ。ならこの場に留まり、ワシと肉欲の限りを尽くすほうが建設的だ」
その言葉はまるで甘露のように俺の身の内に甘く染み込んでくる。
そうなのだろうか? そうすることが正解なのだろうか?
『京ちゃん』
弾かれたように顔を上げる。
中空に気泡が浮かんでいた。その内側には懐かしい思い出たちが投影されていた。
京太郎「悪いなおっさん。やっぱ俺は帰らなくちゃいけないみたいだ」
大沼「ほう?」
京太郎「俺が側にいないとさぁ、咲が泣いちまうんだよ!」
大沼「だが、そうかといってお前を帰すとでも思っているのか?」
話を最後まで聞かず、俺は砂利を蹴り立てて前方へ疾走。
京太郎「こういうわけのわからない状況ってのは、大体その場に現れた奴をぶっ飛ばせば目が覚めるって規約というか相場があるよな!」
一気に間合いを詰め、互いの殺傷圏が衝突。
身を捻りながら背中から肉薄。身体ごと旋回させ右足を軸に裂帛の回し蹴りを叩き込む。
だが大沼は数歩横に移動しただけで俺の蹴りを躱す。
左に上体が流れたその勢いを利用して、地を舐めるよな下段からの右拳の打ち上げを大沼は状態を逸らしただけで難なく回避。
詰め寄った大沼が俺の眼前に掌を翳し、視界を封殺。反射的に動きを止めた俺の右側頭部に、そのまま裏拳が打ち込まれる。
さらにその動きに合わせて、砂利に踏み締めていた俺の軸足を捌く。
空手における禁じ手の一つで、頭部を左側、軸足を右側に弾くことで視界と身体が半回転。
このままでは垂直に頭から地面に落ちる!? ……ことはなく上下を逆さまにされたまま足を掴まれ宙吊りの状態にされる。
見上げる俺の決死の視線と、大沼の余裕の笑みが絡み合う。
そのまま背後へ放り投げられた。空中で内臓が浮く感覚に全身が総毛立つ。
懸命に身を捻り、両手両脚で砂浜を削りながら手負いの四足獣の姿勢で急制動。
視線の先。大沼秋一郎はただ悠然と佇んでいた。
その余裕の態度が癪に障る。
体勢を立て直し、爪先で間合いを詰めながら接近。相手の呼吸に合わせ不意を突いて加速。
颶風を纏いながら疾駆。再び拳と蹴りの旋風を見舞ってやる。
だが大沼はそのすべてに反応し、完璧に対応して見せた。
京太郎「はぁ……はぁ…………」
俺の方だけが一方的に消耗していた。
大沼「わかったろう? お前は現実でも夢でも誰にも勝てない。指一本触れることもできず、ただ敗北に打ちのめされるだけだ」
どうする? 小技で攻めてもすべて対処される。
となれば対処しきれない程の飽和攻撃で一気に攻めきるしかない。
あれをやってみるか。
背筋を伸ばし、深く息を吸い込む。咲、俺に力を貸してくれ。
京太郎「確かに、俺にはこれといって秀でた才能はないし、英雄のような勇ましさも賢者のような賢明さも聖人のような高潔さもない」
京太郎「けどなぁおっさん。そんな平凡な俺のくだらない冗句を笑ってくれる奴が俺の周りにはたくさんいるんだ」
京太郎「そんな奴らが夢の為に懸命に戦ってきた。俺はずっとそれを側で見てきた」
京太郎「俺はこれからもそいつらの手助けをしてやりたい。俺にしか出来ないことだってあるはずだ」
京太郎「そういう在り方ってのも、意外と悪くないもんだぜ?」
憮然とした態度で黙っていた大沼の目がはじめて驚愕に見開かれる。
もう遅い。俺のくだらないおしゃべりに気を取られていたお前はすでに俺の術中に嵌っている。
BGM:http://www.youtube.com/watch?v=-z0BaKefOyw
大沼秋一郎を中心に周囲を、半球状の霞が満ちている。
雲は膨大な数の俺自身。半球内部に向け拳と視線を向けていた。
しかし数を数えようとすると不可能になる。その姿は見えるようで見えないという不可思議な光景。
大沼「なんだ、これは?」
大沼は須臾と、退くか進むか逡巡した。その一瞬が致命的となった。
大沼を包む雲から無数の須賀京太郎が同時に疾走。
迫る俺たちを迎え撃とうと拳や蹴りが放たれるがどれ一つとして捉えられない朧がかった霞の群れ。
無理に迎撃しようとして、体勢の崩れたプロ雀士の身体に俺は打撃の旋風を打ち込んでいく。
顎下、左右のこめかみ、右頬、首、両肩、右上腕部、左前腕部、右手首、左胸、鳩尾、両脇腹、両太股、両脛、足払いを決めつつ、最後に眉間を打ち抜く。
傾斜していた大沼の身体は後方へ大きく吹き飛んでいった。
不確定性原理によって運動が決定された身体は位置が定まらなくなり、存在する場所を確率でしか現せない粒子の雲となる。
本来なら、身体が対象に接触する確率の総和が時間的に変化しないことを、確率の保存が保証し空間内の確率密度の総和も必ず1となるしかない。
だが、身体が位置rに存在する絶対確率を表す方程式を操作し、確率密度の総和を1以上の膨大な数に引き上げてやることで数え切れないほどの須賀京太郎を並行的に同時存在させる。
限定空間内の、自らの意思でコントロール可能な明晰夢という、物理法則が一定に機能しない世界だからこそ出来る芸当。
量子を身体に置き換えて確率保存を破るため、打撃が刺さる瞬間までどの俺も決して捉えることは出来ない。
早い話が分身の術だ。須賀京太郎は分身する。これは世界の共通認識。なーんつってつっちゃって。
大切な人たちを護るためと教わっていたが、現実では扱えないと放棄していたがまさかこんな形で役に立つとはな。
京太郎「けどまだまだ、ハギヨシさんの様にはいかないな」
小さく呟きつつ、警戒心を緩めないよう心掛けながら大沼へと歩み寄る。
大沼「まさか、こんな姑息な手に引っ掛かるとはな」
京太郎「の割には、どこか満足気なのは気の所為か?」
大沼「行くのか?」
京太郎「………………ああ」
大沼「この先、お前自身が報われる保障などどこにもないぞ?」
京太郎「それでもだ。生きる意味や理由付けなんて暇人の思考遊びだ」
京太郎「俺はポンコツの世話で忙しいんだ。一々そんなことを気にしてる暇はないよ」
大沼「そうか」
京太郎「…………ありがとな、おっさん」
大沼「礼などいらん。ああ、だが一つだけ心残りがあるとすれば……」
京太郎「?」
大沼「貴様との腐肉の饗宴を開けなかったこ、ったぶぁわっ!?」
ふざけたことをのたまう中年ホモの顔面を盛大に踏み付けて黙らせ、今度こそ俺はこの世界から抜け出すことにした。
周囲を取り巻いていた風景が歪み、それに代わって網膜を灼く莫光が視界を埋め尽くす。
身体が引き上げられるような浮遊感。目を開けていられない様な閃光の中で俺はあの、懐かしい笑顔と声を感じた。
急激に意識が覚醒する。
見開いた視界に、白い肌。茶色がかった前髪と、瞑られた目蓋の縁の睫毛が意外と長いなと、どうでもいいことに気付いた。
口元に粘膜の感触。合わされた口腔から、肺腑に息が送り込まれてくる。
内側に苦痛が生まれる。
込み上げてくる不愉快な嘔吐感とともに、胃の中から海水が競り上がってくる。
激しく咳き込みながら、身を捩って水を吐き出す。
鼻と口を手の甲で拭いながらようやく一息ついた。
状況に混乱しつつ、周囲を見回す。
俺を取り囲むように、学校の面々が俺を見下ろしていた。
俺はゆっくりと上体を起こす。
傍らに座り込んでいた咲と目が合った。
咲「京、ちゃん……」
京太郎「咲……」
咲「京ちゃん! よっかたよかったよぉ、京ちゃぁぁん!」
弾かれたように縋り付いてくる咲を抱きとめる。その身体の熱さが、俺が生きているということを実感させた。
しゃくり上げる咲の背を優しく撫でる。
京太郎「お礼を言うのは俺の方だ。咲は俺の命の恩人だ」
咲は無言で首を振る。俺は背を撫でていた手を咲の頭に置く。
京太郎「本当に、本当に助かった。もう少しで……」
死に掛けている間に見た夢の内容が脳裏にフラッシュバックする。
目尻に熱い雫が溜まり、零れ落ちて頬を伝う。
京太郎「怖かった……ホモに追いかけられる夢見ちゃった……」
全員「マジ泣きだ……」
みんなの声が妙に優しかった。
新年明けましておめでとうございます。
まだまだ寒さが厳しい日々が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか?
わたくしは、近頃……なんだろうな?
そういえば最近友人にせがまれてモンハン4を買いました。はい。
酷いなこれ…
SSを書いてて辛いと思ったのは今回が初めてです
皆様勘違いしちゃダメですけどこれらはすべてギャグですのでお間違いなきよう
それではまた
人口呼吸で安価取って……なんかスマン
前回ちょっと私の不適切な発言で気分を害された方
誠に申し訳ありませんでした
まぁSSの内容もそうですが
自分で書いたものを自分で貶めるような発言は確かに褒められたものではないなと
皆さんの仰るとおりだと
今後こういうことがないよう善処していきたいと思います
この度は本当にすみませんでした
京太郎「花火やるべー!」
穏乃「花火やるべー!」
優希「花火やるじぇー!」
淡「花火やるべー!」
ワーワー キャーキャー
まこ「さっきの今で元気な奴じゃな」
久「まぁ、寝込むよりは良いんじゃないかしら?」
京太郎「先生、花火持ってくるなんてやりますね!」
晴絵「でしょう? もっと褒めていいわよ」
灼「煩わし……」
和「少々古めかしい花火ですね。パッケージの厚紙がだいぶくたびれてますけど」
晴絵「ああ、それ貰い物だから。1年寝かせたビンテージものなんだって」
穏乃「んー! んー!」グイグイ
玄「どうしたの? 穏乃ちゃん?」
穏乃「これ、口のビニールが固まってて開かない……」
憧「これ絶対1年じゃないでしょ!?」
シュゴォォォ
淡「あはは、見て見てキョータロー! すごいキレー」
京太郎「わかったからこっちに向けるんじゃねぇ!」
尭深「終わった花火はこっちにもらうね」
京太郎「あ、すみません渋谷先輩」
尭深「……」コクッ
ジュッ シュー
ワー ワー
尭深「……」
ジュッ シュー
憧「渋谷さん。これも」
尭深「あ、はい」コクッ
ジュッ シュー
尭深「……」
誠子「尭深。それ、楽しい?」
尭深「割と」ニコ
玄「花火とは火薬に金属の粉末を混ぜ込んだもので、火を付けたときの燃焼、破裂時の音や火花の色を鑑賞して楽しむものです」
玄「それぞれ色が異なるのは混ぜ合わせた金属の種類による炎色反応を利用しているからですのだ」
和「詳しいですね。玄さん」
パシュ ジュゥ ゴー ボボボボボ
宥「あったか~い」
玄「ただし、うちのおねーちゃんのばやい色や音や形ではなく火の勢いや発熱量のが重視されます」
京太郎「え? ちょ、え……そういう価値基準なの?」
憧「宥姉も普通に噴射花火で暖をとろうとしないで」
まこ「これは……」
咲「ロケット花火ですね」
まこ「ふ~ん……」
久「どうしたの? 不思議そうな顔して」
まこ「いや、わし。今までこれやったことないなと思ってな」
優希「お! じゃあやってみるか?」
咲「けどロケット花火やったことないって珍しいですね」
まこ「咲はあるんか?」
咲「私じゃないですけど、京ちゃんが」
久「須賀君?」
咲「はい。中学の頃に、クラスの男の子たちと鉄パイプの先端に挿して撃ち合いしてるのを他のクラスの子たちと見てまして」
まこ「どこまでバカなんじゃあやつは」
照「どうして染谷さんはロケット花火をやったことがないの?」
まこ「ん? いや、実はうちのおじいがなんかやったら街中大騒ぎになるとか言っとっての」
まこ「なぜかは知らんのじゃが」
菫「久。確か染谷さんのお爺様は……」ヒソヒソ
久「ええ、そういえば広島の……」ヒソヒソ
優希「仁義なき戦いだじぇ……」
咲「まぁ近くに民家もあまりないですし。一本くらいなら」
まこ「すまんの」
優希「手頃なものがないから空き缶でいいか?」
咲「うん」
シュッ ジジジ
まこ「ん? なんでみんな耳を塞いどるんじゃ?」
パシュッ ヒュー パン!
まこ「なっ、ええ!?」
まこ「げ、迎撃されたんか!?」
菫「いや、ああいうものなんだよ」
久「はっ!? みんな、まこの貴重なボケよ。全力で拾いなさい!」
咲「え? え!?」
照「私達はどうすれば……」
菫「とりあえず見てるか」
ザッ
京太郎「呼びましたか!?」
ザザッ
穏乃「なんかわからないけどセンターは任せてください!」
ザザザッ
淡「守りにもそこそこ自信があるよ!」
まこ「いや、お前さんらのボケのが切れっ切れじゃぞ? 普段通り」
穏乃「みんなで護ってみんながセンター!」
京太郎「いや、みんなセンターだと偏りが酷いだろ」
穏乃「じゃあどうするの?」
京太郎「穏乃は反射神経と瞬発力があるからショートとかいいんじゃないか?」
穏乃「おーショート。じゃあじゃあ玄さんは?」
京太郎「玄さんか……」ウーム
玄「……」ドキドキ
京太郎「シューティングガードとか?」
玄「シューティングガード?」
穏乃「おーシューティングガード」
まこ「なんの会話をしとるんじゃ」
久「まぁいつものことよね」
穏乃「最後はみんなで線香花火しよう!」
淡「なら100本勝負だ! 高鴨穏乃!」
穏乃「おお! 望むところですよ!」
憧「いや、そんなに量ないから……」
ワーワー ギャーギャー
<アー! センタンモギトッテイクナー!?
<コレガ、センコウハナビズモウ…!
咲「京ちゃん。一緒にやろう」
京太郎「おう。いいぜ」
パチパチパチ
咲「綺麗だね」
京太郎「そうだな」
咲「今年は……一緒に花火出来てよかったね」
京太郎「お前、まだ去年のこと根に持ってんのか?」
咲「そうじゃないけど……あ」
ポト
京太郎「落ちちまったな」
咲「うん……」
咲「私、線香花火ってなんだか苦手」
京太郎「へぇ、そうなのか? 初めて聞いたな」
咲「うん。なんだか寂しい気持ちになるから」
京太郎「………………まぁな」
京太郎「歓楽極まりて哀情多し……いや、夏草や兵どもが夢の跡って感じか?」
咲「松尾芭蕉? 京ちゃんのくせに生意気ー」
京太郎「うっせやい」
京太郎「まぁ、あれだ。来年ももまた、こうやってみんなで騒げたらいいよな」ポンポン
咲「うん。えへへ……そうだね」
咲「ねぇ、京ちゃん」
京太郎「ん?」
咲「約束だよ?」
京太郎「ははっ。ああ、約束だ」
<サキー、キョータロー
京太郎「行こうぜ」
咲「うん」
ワーワー、キャーキャー
<アーオチチャッター
<ワタシモー
灼「……」パチパチパチ
優希「おお! ボウリングのお姉さんすごいじぇ!」
玄「ホントだー灼ちゃんすごいねー」
灼「そ、そんなことないと思……」テレテレ
スタスタ
京太郎「おお、ホントだ! すげぇ」
灼「///」テレ
パチパチパチパチ…
京太郎「あの、そろそろ手ぇ放した方が……」
灼「あ、うん。そうだね」
優希「手に持つ部分まで昇ってきてるの初めて見たじぇ」
京太郎「規格外過ぎる」
玄「私たちももう一本やろっか」
優希「望むところだじぇ!」
京太郎「あ、ありがとうございます」
玄「はい、咲ちゃんも」
咲「ありがとうございます」
優希「じゃあ、私たちも誰が一番長くもつか勝負だじぇ」
京太郎「お、いいぜ。ジュースでも賭けるか?」
咲「もう、またそういうの」
玄「あはは」
灼「じゃあ私も」
優京咲玄「「「「いえ、あなたは不動のチャンピオンですので!」」」」
灼「」
ダダダダッ
穏乃「勝負なら私も混ぜて!」
淡「横綱、横綱!」
京太郎「うおっ!? なんだその火の塊!?」
穏乃「8連勝中!」
京太郎「危ねぇ!! こっちに持って来るんじゃねぇ!」
晴絵「おーし、そろそろ帰るぞー! ゴミ片付けろー」
全員「はーい!!」
ガヤガヤ、ゾロゾロ
咲「今度こそ本当に終わりだね」
京太郎「ああ……」
咲「さっきの約束。忘れちゃだめだからね?」
京太郎「忘れねぇよ」
咲「絶対?」
京太郎「ああ、絶対だ」
ってことで期間的にレス数的にも長くなりましたが海水浴編終わりということで
スレの残り的に後は京太郎と部長の漫才を交えながらの清澄の面々との対談みたいな話で
当スレは完結って流れになりますね
対談って言っても軽い感じで他の学校の面々も交えながらですけど
>>864
まぁ安価捌いたのは僕ですからね
気にしないでください
それではまた
照「……」ボケー
ガチャ
憧「あ……」
照「新子さん……」
憧「えっと、おはようございます。チャンピオン」
照「……おはよう」
照「その、チャンピオンっていうの……」
憧「はい?」
照「私はチャンピオンって名前じゃないし、もうチャンピオンでもない」
憧「あ、ご、ごめんなさい……」
憧「えと、じゃあ宮永さん?」
照「……」ウーン
照「新子さんは、ご兄弟は?」
憧「え~、姉が1人」
照「そう……」
憧(とっつき辛い!)
照「お姉さんのことはなんて?」
憧「普通にお姉ちゃんですけど」
照「そう……」
照「じゃあ私のこともお姉ちゃんって呼んでもいいよ?」
憧「え?」
照「さぁ」
憧「ええ~っと…………お姉ちゃん?」
照「なぁに? 憧ちゃん」テルーン
後日
照「……」ボケー
ガチャ
京太郎「あ、おはようございます。照さん」
照「京ちゃん。おはよう」
京太郎「今から朝飯の準備しますけど、なにかリクエストありますか?」
照「卵焼き。甘いの」
京太郎「はいはい」クス
ガチャ
憧「おはよー」
京太郎「おう憧か。おはよう」
憧「おはよ、早いじゃない」クス
京太郎「お前もな」ニカ
憧「あ、照姉もおっはー」
照「おはよう。憧ちゃん」
京太郎「え? なに君ら、いつからそんな仲良くなったの?」
憧「ん、ないしょー」ネー
照「……」コクコク
みたいなのをもっと書けたらよかったなって今更思う
ジャー カチャカチャ バシャバシャ
京太郎「……ンジャンジャンジャーン、ジャンジャジャンジャジャンジャジャーン!」
カチャカチャ バシャバシャ
京太郎「ジャンジャジャーンジャジャジャジャンンンジャジャジャジャーン!」
カチャカチャ バシャバシャ
京太郎「ジャジャジャッジャジャンジャントゥルータタタタタターン!」
京太郎「トゥルトゥチャチャチャ、ジャンジャンジャ、タタカ! タカダ!」
京太郎「ランランルー! ルンルランラランラルー! ランラランララトゥルラララー!」
ガチャ
灼「京太郎。残りの食器も持ってきた」
京太郎「」
灼「京太郎?」
京太郎「は! あ、はい。そこ置いておいてください」
灼「ん」
カチャ
灼「なにか手伝うことは?」
京太郎「いえ、もう後これだけなんで大丈夫ですよ」
灼「そう?」
京太郎「はい。お茶でも淹れるんで食堂で座って待っててください」
灼「わかった」コク
ガチャ、バタン
京太郎「あー、心臓止まるかと思った」
ガチャ
灼「やっぱり、情熱大陸は今時ないと思……」
京太郎「い、言わなくていいですよ!///」
灼「あと、所々音外れて」
京太郎「だかた言わなくていいですってば!」
食堂
京太郎「ニコ兄のパニッシャーやチャペルの銃はそこそこ有名なのになんでファンゴラムのセンターヘッドって認知度低いんですかね?」
誠子「それはたぶんゲーム自体の知名度が低いからだよ」
京太郎「けどガングレイヴはアニメ化もしてそこそこ知名度あると思うんですよ」
誠子「アニメはともかくゲームは良くも悪くも中堅って感じだからなぁ」
ワイノワイノ ナンチャラカンチャラ
久「須賀君ってさ……」
京太郎「はい?」
久「意外とモテるわよね?」
シーン…
京太郎「…………はぁ?」
咲「ぶ、ぶぶぶ部長!? なに言ってるんですか?」
優希「そうだじぇ! そんなこと言ったらまたこの犬が調子に乗り出すじぇ!!」
黙殺!
京太郎「はぁ……」
久「なにそのため息」
京太郎「部長。なにを、なにをゆっとるんですか貴女は?」
京太郎「モテる? 俺が? じゃあ俺のこの、彼女居ない歴=年齢っていうこの、この事実はどう扱われていくんですかね?」
京太郎「厳然たる事実がそこには横たわっていますよ?」
久「あ、変なスイッチ入った。やめればよかったわこの話題」
久「また須賀君が変な絡み方をしてくるわね」
京太郎「っていうかなに? まったそういう話?」
京太郎「最近色恋沙汰の話が多くてイライラするんですけど」
久「けどあなた、普段の部活にしてもそうだけど今のこの状況」
久「女子複数に対して男一人というこの状況でなにか思うところはないの?」
京太郎「……」ウーン
京太郎「なるほど」
京太郎「まぁそんな俺ですが。実は中学の時にラブレターを渡されたことがあります」
シーン……
優希「どどどどどどういうことだじぇ!?」
咲「聞いてない!? 京ちゃん、それ私聞いてないよ!!」
玄「おもちは!? おもちはどうっだったんでうのだ!?」
淡「ま、まさかそれで付き合ったりとか……」アワワワワ
照「京ちゃん、その娘なんて名前なの? その、あれ、あの頭パーンってさせてくるから」ギュルルルル
京太郎「え、なに君ら? いきなりどうしちゃったの?」
京太郎「ちなみに玄さん。おもちは可もなく不可もなくって感じでした」
玄「ほっっほぉ~~う」
京太郎「思い返せば、あれは中学2年の夏頃……」
女性陣「……」
京太郎「え、なにこの俺が話を語って聞かせるタイムみたいな空気?」
京太郎「皆さんこんな与太話に付き合わずにもっと各々好きにしてくれていいんですよ」
憧「いいから早く続き。話なさいよ」
京太郎「お、おう……」
京太郎「季節は移り、長袖から半袖に衣替え済ませ、初夏の陽射しが降り注ぐ頃」
京太郎「俺は学び舎の屋上に呼び出された」
京太郎「待っていたのは別のクラスの女の子。肩口までの黒髪に、タレ目がちの柔和な笑顔を湛えた優しそうな娘だった」
京太郎「夏場にも白さを失わない頬を微かに朱に染め、差し出される恋文の封書」
京太郎「秘めた想いを文章に託し、勇気を振り絞ってこう言った」
京太郎「『これ、同じクラスの中村君に渡してほしいの』」
女性陣「あ~、あるある」
京太郎「だあああああああああああ!!」ボルッテクバチコーン!!
淡「な~んだ。そんなことかー」ニコニコ
優希「まぁ京太郎なんてそんなもんだじぇ」ウンウン
宥「あったかいね」
菫「まぁ、その、なんだ。ドンマイ」
咲「ほっ……」
京太郎「冷静に考えると女の子が嫌がらせ以外の理由で、言い寄ってくる魅力が俺にあるとは思えないしなぁ」
まこ「恐ろしく後ろ向きな自己認識じゃな……」
憧「あながち間違ってないけど」
京太郎「だいたいなぁっ!!」
京太郎「クソッ、どいつもこいつも猫も杓子も愛だの恋だの!」
京太郎「そんなもんよりねぇ世の中もっと大事な事ややるべき事はたくさんあるんですよ」
灼「たとえば?」
京太郎「ちくしょう、代替案など……」ガクッ
久「まぁそう落ち込まないの」
京太郎「部長?」
久「須賀君だって惑星の直列とか、気象の変化とか、地磁気の影響で人の好かれたりもするわよ」
久「男には人生で3回モテ期があるらしいものね。人に好かれることが重なり、時には周囲からまとめて嫌われることもあるわよ」ウンウン
京太郎「なるほど。…………なんかその、俺のモテるモテないの話と天変地異を同列に扱うのやめてもらえません?」
久「言葉の綾よ」
京太郎「言葉の綾ねぇ。ところでなんで人生で3回なんですかね?」
久「え? さぁ? でも3回っていうじゃない?」
京太郎「世界には3人自分とのそっくりさんがいるって言いますよね」
久「中学、高校は3年制だし」
京太郎「そういえば、千里山の船久保先輩がインターハイになると3年生が強くなるとか言うわけのわからない意味不明な仮説を立ててました」
久「将棋なら後一回昇段したらプロ入りよね」
京久「「3って不思議な数字(です)ね」」
まこ「お前さんらのその会話の拡張性みたいなのが一番不思議じゃ」
京太郎「っていうか、」
京太郎「部長が俺を誘いさえしなければ、俺は他に適当な運動部にでも入って、可愛い彼女でも作ってひと夏の思い出を謳歌していただろうに」
京太郎「なにが悲しくてこんなところで皿なんか洗ってんでしょうね」
久「いやあなた、後半の妄言は置いておくとして、私が部に誘った時点で他の部の誘い全部断ってたじゃない」
京太郎「そでしたっけ?」
穏乃「ねーねー京太郎」
京太郎「あん?」
穏乃「京太郎は、なんで麻雀部に入ったの?」
京太郎「え?」
淡「キョータローのことだからどうせ、ノドカのおっぱいに釣られたんでしょ」プププ
和「いえ、須賀君が入部したのは私が入部するより前ですよ?」
女性陣「え?」
ざわ…… ざわ……
照「あの、おっぱい県民の京ちゃんが?」
尭深「私や弘世先輩や松実さんたちの胸をチラチラ盗み見している須賀君が?」
玄「京太郎くん! おもちに興味が無くなってしまったのですか!?」
玄「死ぬまでに一度は和ちゃんのおもちを触ってみたいって言ってたではないですか!」
京太郎「なんで今ここでそれを言うんですか!?」
和「須賀君……」ササッ
京太郎「違、あの違うんです。言い訳をさせてください」
照「京ちゃん……」ギュルルル
京太郎「ピーンチ。殺さないで、俺まだやりたいことある」
淡「ノドカのおっぱい触るまで死ねないってこと?」
京太郎「俺の人生をそこに集約するんじゃねぇ!!」
咲「……」
京太郎「さ、咲~? 咲さ~ん? 無言はやめてー」
ざわ…… ざわ……
京太郎「ちょっと君ら黙ってくれる? 俺にもしゃべらてくれ。慎んで拝聴しろ」
久「私、自身疑問だったんだけど。ねぇなんであの時、誘いに応じたの?」
京太郎「それは……」
久「それは?」
京太郎「麻雀って人気のある競技じゃないですか?」
京太郎「もしこれで活躍とかしちゃったらさぁ、いやモテちゃうでしょ? 常識的に考えて」
京太郎「だから、俺の隠された才能が覚醒して大活躍とかしちゃう少年漫画的展開を期待してたんですよ」
女性陣「……」シラ~
京太郎「うっわ、みんななにその微妙な顔」
久「それ本当?」
京太郎「あ、すんません。嘘つきました」
京太郎「本当はただ麻雀経験者なら進路選択の時に有利かなって」
京太郎「一昔前なら政治家に剣道経験者が多かったし今なら麻雀かなって、あ、いやすんません。これも嘘です」
誠子「このタイミングで嘘をつく意味がわからない」
京太郎「ホントは部長が」
久「私?」
京太郎「部長が、俺を誘ってきた時なんて言ったか覚えてますか?」
久「? いえ、ぜんぜん」
京太郎「『部員一人の部だけど、全国大会目指してるから一緒にどう?』ですよ?」
京太郎「もうね。アホかと。あんた3年だろさっさと帰って勉強しろと。そう思ったんですよ」
久「あっそう。いい度胸ね」ボキボキボキボキ
京太郎「ちょ、最後まで聞いてくださいよ!」
京太郎「けど、部長の目が」
久「目?」
京太郎「部長の目が、すげー真っ直ぐで本気でやる気なんだってそう感じた」
京太郎「だから見てみたくなったんですよ」
京太郎「この人が何処までやれるのか。その結果を」
久「須賀君……」
京太郎「逆に部長はなんで俺を誘ったんですか?」
京太郎「団体戦に出るなら、どうしたって俺は戦力にはなれません」
京太郎「どうして俺だったんですか?」
久「ん~、しいて言うなら一目惚れってとこかしら」
京太郎「は?」
久「今ちょっと期待した?」
京太郎「チッ、うぜぇ~」
久「まぁ半分冗談で半分本当かしら。須賀君を見た瞬間感じたのよ」
久「この子をは使える! ってね」
京太郎「おい」
久「あの時の須賀君。すごくつまらなそうな顔してた」
京太郎「え?」
久「だからね、見せてあげたくなったの。この世界はまだまだ面白いことで溢れてるんだってね」
久「まっ、背は高いし、顔は割と整ってるし、真面目そうだし世話を焼いてあげたくなったのよ」
京太郎「部長……」
久「実は私、変っ……て言うものが好きなの」キリッ
京太郎「ちょっと待って。今し方俺を褒めちぎっておいてのその発言はなに?」
つづく
「3」ってなんなんですかね
一旦区切りです
ボク、SS書く時よく音楽…っといっても大体アニソンなんですが音楽聴きながら書くんですが
最近ちょっと2013年のアニメ振り返る的な感じで今年度のアニソン聴いてたんですよ
ガルガンティアの空とキミのメッセージを聴いててなんとなく以前書いた穏乃の話を思い出して
ああ、次はこういう雰囲気で旅をするみたいなSSを書くのも悪くないかなぁっと
とか考えてるうちはきっと書かないでしょうけど
それではまた
淡「あーわーいーだーYOッ!」
淡「ジャンジャジャ~ン! 今明かされる衝撃の真実ー」
淡「なんと私こと淡ちゃんと、キョータローは小さい頃に生き別れた双子の姉弟なのでしたー!」
玄「ええっ!? そうだったの?」
咲「なんだか、すごい込み入った話。そんな事が……」
京太郎「あれ、ねぇちょっと幼馴染だと思ってたの俺だけ!? 小学校から一緒でしょ」
和「そんな過去があったなんて……」
照「ぜんぜん知らなかった」
京太郎「信じちゃってるよ!?」
京太郎「大丈夫かこの人たち。将来、壷とか買わされたりしないだろうな」
はい。本編投下します
京太郎「今思い出すとねぇ。俺、前回の合宿のとき一人だけ置いてけぼり食らってずっと家にいたんですけど」
京太郎「あの、期間誰とも会話しなかったからな」
京太郎「両親は、新婚かよってテンションで旅行に出かけるし」
京太郎「クラスの奴には合宿に行くって言ってたから当然連絡なんて来ないし」
京太郎「俺のこの漲るやる気をどうしてくれるんだって感じで」
京太郎「ペットのカピーやネトマのPCに向かって一人でブツブツなんかしゃべってて」
京太郎「ちょっとあれは、今思い出しても自分でもドン引きするくらい気持ち悪かったな。うん」
シーン…
照「京ちゃん、お菓子食べる?」
優希「タコス! タコスを分けてやるじぇ!」
尭深「お茶、飲む?」
宥「え~っと、え~っと……手、握ってあげるね?」ポヤーン
京太郎「あれ? みんなが急に優しい」
久「やめて! 私を、私を悪者にするのはやめて!」
まこ「弁解したいが、こればっかりは出来ん」
和「思えば、雑用から何から任せっぱなしで」
咲「うう、ごめんね。京ちゃん」
灼「部の事はみんなで分担した方がいいと思……」
憧「まぁ、任せっきりはよくないわね」
京太郎「まぁまぁ、そう言わないであげてください。良いんですよ俺はそれくらいしか役に立てませんし」
京太郎「迷子の捜索に、タコス作りに、ぬいぐるみの縫合。寝起きのムーミンにコーヒー淹れたり、喫茶店手伝ったり」
京太郎「デスクトップPCとか自動雀卓担いで移動したり」
京太郎「清澄の雑用は皆さんこれ、特殊な訓練を受けてないと出来ませんのでね。オススメはしません」
京太郎「用法用量は計画的に」
菫「なにを言ってるんだ君は」
久「あの、これ前から言いたかったんだけど私、そんなに言うほど須賀君に雑用押し付けてないわよね?」
久「そりゃ、もちろんないとは言わないけど。けどそんな酷い扱いもしてないわよね?」
久「まぁ平行世界じゃどうだか知らないけど」
京太郎「またそういう……そういうねぇメタな発言してるとまた世論からパッシングを受けますよ」
京太郎「まぁ、でも? この世界にではいい先輩ですよ?」
京太郎「いい上司、竹井先輩。経理部長」
まこ「役職変わっとるぞ」
京太郎「むしろ、逆に部内の雑用全部先取りして『それもう終わってますけどぉ?』みたいな、ドヤ顔をしてやろうかなって」
菫「従順なのか反抗的なのかよくわからない奴だな……」
久「ちょいちょいあるわよね須賀君、突如として私に反旗を翻してくるときが」
京太郎「部長忘れたんですか? 俺が部に入ってすぐのときの第一回清澄麻雀部大議会を」
咲「なに、清澄大議会って?」
京太郎「おう。部長のその日の気分が俺の自由意志のすべてを超越するという独裁性議会だ」
京太郎「あの日の約定により俺は雑用大臣に任命された」
京太郎「ちなみに世襲制な」
久『じゃあ、私は麻雀担当。須賀君はその他の担当』
久『私は和了るのが担当。須賀君は点棒を差し出すのが担当』
久『私は勝利担当。須賀君は画面の端で失神して泡吹きながら解説する担当ね』
―――――――
―――――
―――
京太郎「なにもかも皆懐かしい」
女性陣「……」ジー
久「視線が痛い!?」
まこ「お前さんらは最初の頃からそんなアホな事やっとたんか」
和「そういえば、染谷先輩はその頃は部にはいなかったんでしたっけ?」
まこ「ん? ああ、そうじゃな。あん頃は部員もおらんから、なんとなくわしも流れで部活離れしとってな」
まこ「自分のうちで客相手に打っとる事のが多かったな」
淡「ねーねー! マコのうちって喫茶店なんだよね?」
まこ「ん? おお、麻雀喫茶じゃな」
淡「へー、なんか楽しそう。行ってみたい!」
穏乃「あ、私も私も!」
照「お菓子ある?」
まこ「お菓子なぁ~」チラッ
京太郎「……」ダラダラ
まこ「まぁ、運が良けりゃ出会える裏メニューってとこじゃな」ニヤ
優希「染谷先輩はどんな経緯で部に復帰したんだじぇ?」
まこ「どんな、か。そうじゃな……」
―――――――
―――――
―――
カランカラン
まこ「いらっしゃ、」
バーン
久「まこ!」
まこ「ん、おお。久か。珍しいの」
久「ええ、久し振りね。ってそんなことはいいのよ」
久「まこ。今日はあなたを連れ戻しにきたわ!」
まこ「ほう。っということは新入部員でも入ったんか?」
久「紹介するわ。須賀君」
カランカラン
京太郎「どうもはじめまして。突如として現れたサテライトの流れ星。須賀京太郎です」
まこ「男子か。まぁええじゃろ。わしは染谷まこ、2年じゃ」
久「早速だけどまこ。一人とは言え部員も入った事だし、本格的に部活を再開するわ」
まこ「ほうか。ほんなら明日からにで、」
久「いやわかってるの! まこにもお店の手伝いがあるというのは」
まこ「は? いや、人の話を」
久「そこでこういうのはどう? 私たちと麻雀を打って私たちが勝ったらまこは部に戻る」
まこ(相変わらず人の話を聞かん奴じゃな)
まこ「わしが勝ったら?」
久「須賀君を一週間、無料で貸し出すわ」
京太郎「え」
まこ「乗った」
京太郎「ちょ」
久「ただ働いてもらうだけじゃつまらないからメイド服でも着てもらいましょうかしら」
京太郎「何故レートを上げるのか」
まこ「ちなみにお前さん麻雀の腕の程は?」
京太郎「将棋で言ったら羽生名人クラスで、」
久「最近ようやく全体の流れを覚えたくらいよ」
京太郎「あ、はい……そうです。はい……」
まこ「ほうか。まぁええが、3麻でもいいんか?」
京太郎「3麻って?」
久「書いて字の如く3人でする麻雀よ」
京太郎「へぇ」
久「まぁ今回は気にしなくていいわ。私ががんばるから須賀君は気楽に楽しんでくれればいいから」
まこ「それじゃ、はじめるとするか」
京太郎「え、っと。これ、かな……」ビクビク、トン…
久「あ、須賀君それまたロン」
京太郎「」
京太郎「はっ!? だからなんで部長が俺から和了るんですか!?」
久「いやー、須賀君ってば面白いくらい振り込んでくれるから和了り甲斐があるわー」
まこ(アホかこいつら)
久「まぁまぁ、そう熱くならないで。気楽にね気楽に」
京太郎「部長、残念ですけど遊びの時間はとっくに終わっています」
京太郎「ここはすでに地獄の賭博場。交わされるのは言葉の銃弾。振るわれるのは悪意の刃」
京太郎「掛け替えのない己の魂の尊厳を賭け金(ベッド)にして紅(ルージュ)か玄(ノワール)か!」
久「なにこのやる気」
まこ「お前さんが焚きつけたんじゃろが」
まこ:なんやかんやあって1位
久:終盤に京太郎のビギナーズラック的役満親っかぶりで2位転落
京太郎:安定のラス
京久「「ああああああああああああああああっ!?」」ガクッ
まこ「なにしに来たんじゃお前ら」
久「ふ、ふふふ……こんなことで私が諦めると思ったら大間違いよ。いかなる手段を使ってもまこを部に引き入れるわ」
京太郎(悪役みたいなセリフだな)
まこ「わしは部に戻らんなど、一言も言っとらんが」
京久「「えっ?」」
まこ「最初からそう言おうとしとるのにお前さんらがどんどん話を進めていくからじゃろうが」
京太郎「なんだじゃあまた、まった部長が一人で騒いでただけじゃないッスか!」
久「須賀君だって凄まじいやる気を発揮してたじゃない!」
まこ「最初から最後まで人の話を聞かん奴らじゃな」
京太郎「ち、ちなみに負けた時の話は……」
まこ「そっちが賭け金を吊り上げたんじゃからきっちり払ってもらおうかのう。身体で」ニヤニヤ
京太郎「ですよねー」トホホ
ギャーギャー、ワーワー
まこ「しかし、久よ。まだ全国出場の夢を諦めてなかったのか」
久「当たり前じゃない。後、訂正しとくと出場じゃないわ優勝よ」
まこ「須賀といったか? お前さんもようこんなのに付き合っとるな」
京太郎「ええ、まぁ、自分でもなんでかなって思うんですけどね」
京太郎「見てみたいんですよ、この人がどこまでやるのか。全国の景色って奴を」
久「高校最後の夏だもの。全国優勝の夢くらい見させてよ」
まこ「全国優秀の景色……か」
まこ「ふふ、はははは」
久「まこ?」
京太郎「染谷先輩?」
まこ「ええじゃろ。わしも見てみとうなったわ。全国の景色っちゅうんをな」
京久「「っ!!」」ビシバシグッグッ!!
まこ「今日はもう遅いが、明日からはまた部室に顔を出すとするか」
京太郎「これでようやく2人」
久「3人でしょ? 須賀君も大事な部員なんだから」
京太郎「部長……」ジーン
まこ「ふふ」
京太郎「じゃあ、染谷先輩!」
久「行きましょう。まこ」
京久「「我等と共に全国へ!!」」
第三部カンッ!
皆さんだいぶお久し振りですね遅くなって申し訳ないです
明日こそ書こう、明日こそ書こうってやってたらずるずると長引いてしまって
とまぁこんな感じで後は和と優希の入部の話をやって、エピローグをやって当スレは完結って流れですかね
ですから投下としては後2回くらいになると思ういます
スレの残りが気になるところですがまぁどうにかなるでしょう
それではまた
今思い出したけど賭け金はベッドじゃなくてベットですね
修正しとこうと思って忘れてました
京太郎「へぇ、この学校、学食のメニューにタコスなんてあったのか」
どういうチョイスだ? っと疑問に思うと同時に興味も沸いてきた。試しに買ってみるか。
この清澄高校の学食は食券制なので、券売機に硬貨を投入してボタンを押し、取り出し口から食券を取り出す。
顔を上げると、ボタンの下半分が赤く点灯。蛍光板が「売り切れ」の文字を点していた。
気にせず食券を持って厨房前のカウンターへ向かう。
?「ぬおおおお!? タコスが売り切れてるじぇ!?」
?「残念でしたね。ゆーき」ポン
ゆーき?「だけどのどちゃん……私はタコスを食べないと」
のどちゃん?「食べないと?」
ゆーき?「私自身がタコスになってしまうんだじぇ!」バーン! いや、ドーン!
のどちゃん?「なんですかそれは?」
まったくだ。
俺は自分の手の中に納まる食券を見下ろす。
まぁ、俺は今これを食べなくても死にはしないし。………………タコスになるわけてもないし。
京太郎「あのー」
「「はい?」」
京太郎「あの、これよかったら……」
そういって俺は手にしていたタコスの食券を2人に差し出した。
あれ? なんかこれ、俺今すげーギャルゲの主人公みたいじゃね?
ゆーき?「うおおお!! それはタコスの食券!」
のどちゃん?「ち、ちょっとゆーき。あの、いいんですか? それはあなたが買ったものじゃ」
京太郎「いや、まぁうん。そうなんだけどね」チラ
ゆーき?「……」ダバァー
なんかすっごい涎垂れてるんだけど……。
たとえば平均体重の人間の血液総量は約6リットルとされ、約2リットルの血液が流れ出ると失血死となる。
もし2リットル以上唾液が流出したら人間はどうなるんだろう? 脱水症状で死にのかな?
そう思うとこの高がタコスの食券といえど、この少女の命運を握っていると考えられ途端に重みが増したような気がする。
京太郎「まぁ、これもなんかの縁と思って受け取ってくれよ」
京太郎「なんかさっきの会話とか聞いてると、譲ってあげないとって思えてきたし」
和「それが、私たちと須賀君のファーストコンタクトでした」
みんな「へぇ~」
優希「京太郎、お前覚えてるか?」
京太郎「いや、ぜんぜん。優希、お前は?」
優希「いや、ぜんぜん」
京太郎「ってか、なんで和の回想なのに俺視点なんだ?」
和「それから、食堂で何度か会って話してみると須賀君は麻雀部だと言うではないですか」
京太郎「なんか、話したような話してないような……ほぼタコスに印象塗り潰されてあんまり覚えてないな」
照「京ちゃん、その歳で若年性健忘症なんだ……」
宥「可哀想……」ブルブル
京太郎「やめて、なんかその生暖かい同情の目はホントやめて。違うからほんとそんなんじゃないから」
京太郎「えっと、ほらあれだよ。なんだっけ? 当時はなんとか部を存続させようと必死だったからどうにか2人を巻き込めないかなと」
久「そういえば、八方いろいろ手を尽くしたわね」
京太郎「備品が足りねぇってんで夜中に校舎に侵入して使えるものかっぱらって来ようぜ! みたいな、後に『冒険野郎事件』って呼ばれたあれ」
久「あー、やったやった」
まこ「お前さんらそんなことやっとたんか」アキレ
優希「その陰謀に巻き込まれたから、私たちの今この結果があるのか」
和「私の美しい思い出をよくも汚してくれましたね」
京久「「いや、あの……なんかすんませんでした。なにかの作用で一連の会話を記憶喪失してください」」ペッコリン
和「無理に決まってるじゃないですか!」
淡「それでノドカは麻雀部に入ったの?」
和「それで、と言いますか」
―――――――
―――――
―――
優希「おー、京太郎だじぇ」
京太郎「ん、優希。…………和も一緒か」カチカチ
和「こんにちわ」
優希「そんなに一生懸命ケータイいじって何してるんだじぇ?」ヒョコ
和「優希、失礼ですよ」
京太郎「これか? 麻雀だよマージャン」
和「!」ピク
優希「ほう、お主も麻雀をやるのか」
京太郎「やるっていうか、俺、麻雀部なんだよ。っても、初心者だからこうやって空いた時間で練習してるんだ」
京太郎「っというか、『も』ってことは?」
優希「ふっ! なにを隠そう私達も元麻雀部だじぇ! そしてなんと~」
優希「こののどちゃんはインターミドルのチャンピオンだじぇ!」
和「ゆ、ゆーき!///」アセアセ
京太郎「インターミドル?」
和「えと、インターミドルっていうのは中学生のインターハイのようなもので」
京太郎「SUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEッ!?」
京太郎「なんだよ! 和ってそんなすげー奴だったのか!?」
和「え? あ、いやその……それほどでも///」
京太郎「そうか、2人とも麻雀部だったのか。ん? でもじゃあなんで麻雀部に入らないんだ?」
優希「私は今のところ部活にはあんまり興味ないかなーって」
和「私は、その……麻雀は部活動でなくても出来ますし」
京太郎(優希はともかく和はなんかわけでもあんのかな?)
京太郎(でも、もし2人が入ってくれれば女子は4人。もう1人を見付ければ団体戦に出れる)
京太郎(なら俺のやることは一つ!)
京太郎「じゃあ、見学だけでもどうだ?」
和「見学、ですか」
優希「どうする? のどちゃん」
和「まぁそのくらいなら……」
京太郎「ありがとう! じゃあ行こう、さぁ行こう! すぐ行こう!」
和「あの、そんなに急がなくても」
優希「やれやれだじぇ」
部室
京太郎「こんちゃーっす! …………った、まだ誰も来てないのか」
和「部室ってここなんですか?」
京太郎「え? そうだけど」
和「ここって確か『クロックタワー事件』の……」
優希「クロックタワー?」
和「先週、この部室棟から学校中に聞こえるくらいの音量でたくさんの目覚まし時計の音が響いていたの覚えていませんか? ゆーき」
優希「おー、そういえば」
京太郎「ああ、あれそんな風に呼ばれてんだ」
和「心当たりがあるんですね」
京太郎「俺の買い置きのお菓子を勝手に食べちゃった部長に素敵な仕返しだテヘ! みたいな感じでそこらじゅうからかき集めてきた目覚ましをこう、一斉に、ね?」
和(ここの部の人たちはなにやっているんでしょうか)
優希(ここ本当に麻雀部なのか?)
和「私たちしかいませんけど、どうしますか? ほかの部員の方を待ちますか?」
京太郎「ん、まぁ三麻でいいんじゃないか?」
和「その、失礼ですけど須賀君は初心者ということでしたが、大丈夫ですか? 三麻は少々ルールが複雑ですけど」
京太郎「大丈夫だ! 何故なら先日から先輩たちにボコボコにされてるからな!」グッ
和優「「なんて逞しい……」」
で、
1位:優希
2位:和
3位:京太郎
優希「さすが私、のどちゃん相手にもまったく引けを取らないじぇ!」フフン
和「逃げ切られてしまいましたか。もう少しだったんですが」
優和「「それにしても……」」
京太郎「」ボーゼン
優希「まさか、ここまで初心者だったとは」
和「まぁまぁ、ゆーき」
和(しかし、手付きもあまりなれているとは言い難かったですね)
京太郎「はっ!?」
優希「お、帰ってきた」
京太郎「っ~~~~~~~っはぁ! 2人ともすっげぇな!」
優希「んあ?」
和「はい?」
京太郎「ごめん! 実は俺さ、2人のこと団体戦の頭数になればってくらいにしか考えてなかったんだ」
京太郎「でも、和と優希と麻雀打ってすげー楽しかった。だから、もっともっと2人と楽しみたい」
京太郎「だから改めてお願いする。2人ともうちの部に入ってくれ! そんで俺にもっといろいろ麻雀のことを教えてくれ!」ペッコリン
優希「団体戦ってのはなんのことだじぇ?」
京太郎「ああ、うちのアホ部長がいい歳して全国大会優勝とか言う夢見がちなこと言っててさ、その、どうにか叶えてあげたいなぁって」
和「全国大会、ですか。でも長野には名門の風越や、昨年度県大会優勝の龍門渕もいますし。正直、無名のうちが彼らに勝つのは難しいのでは?」
京太郎「大丈夫! なんてったってうちの部長は、性根の腐り切り具合なら負の人間国宝級だから」
京太郎「きっと俺なんかじゃ及びもつかないような、こそ浅ましいあらゆる姑息な手段を用いてきっと全国へ連れて行ってくれる」
京太郎「それに、2人がいてくれたら心強い。だから一緒に全国を目指してみないか!?」
和「全国……」ポォ
優希「私は、のどちゃんが入るなら、いいじょ」
和「ゆーき?」
優希「のどちゃんは、東京の進学校や風越や龍なんとかって学校の誘いを断って私と一緒のこの清澄に来てくれたじぇ」
優希「だから今度は、私がのどちゃんについて行く番だじぇ!」
和「ゆーき……」
和「っ!」グッ
和「わかりました! 麻雀部、入部させていただきます」ニコ
京太郎「! やったー!」
優希「よろしく頼むじぇ! のどちゃん、京太郎!」
京太郎「おう! よろしくな、2人とも」
和「ふふ、よろしくお願いします」
―――
―――――
―――――――
淡「そっかー、キョータローに誘われたからノドカは麻雀続けることにしたんだね」
和「ええ、でもそれだけではないんですよ?」
憧「どゆこと?」
和「その時の楽しそうに麻雀を打つ須賀君の姿が、記憶の中の友人と重なって」
穏乃「そ、それって」
和「はい。阿知賀にいたころの、穏乃と憧と玄さんと赤土先生とクラブのみんなとの思い出が私の背を押してくれて」
和「この人と麻雀を打てたらあの時のように、きっと楽しいだろうなって。だから」
晴絵「和……」
玄「和ちゃん。えへへ、なんか照れちゃうね」
京太郎「ちょ、部長待ってください。ね? 昔のことじゃないですか、お互いにさぁ許し合おう? 分かち合おう?」
久「うふふふふ。なにを許し合うのかしら? さ、2人だけでちょっと向こうに行きましょうねー? そんなに首を振ったってダメよ?」
久「大丈夫大丈夫。最初は痛いけど次第に気持ちよくなってくるから。自己啓発セミナー、悟りを開くみたいなものよ」ウフフフフ
咲「じゃあ、うちの部って実質京ちゃんがメンバー集めたってことですか?」
京久「「っ!?」」
久「そう、なるのかしら?」
まこ「まぁ、わしもお前さんらの熱意に中てられたわけじゃしな」
咲「ねぇ京ちゃん」
京太郎「うん?」
咲「私を誘ってくれたのはなんで? それも、部のためとか、団体戦のメンバー集めだったから?」
京太郎「ん、ん~まぁ。それもあるけどさ」
京太郎「お前、俺が置いてくと泣くだろ?」
咲「な、泣かないもん!」
京太郎「いーや、泣く。絶対泣く」
咲「泣かないったら泣かないもん!」
京太郎「本当は?」
咲「ちょっと、泣くかも……」
京太郎「ほーらな」
咲「うう……」
京太郎「それにさ、やっぱ楽しいことは咲と一緒にやりたいなって思ってさ」
咲「京ちゃん……」ジーン
久(楽しい、か……)
久「ねぇ。須賀君」
京太郎「はい?」
久「今まで怖くて聞けなかったけど、うちの部に入ってどうだった?」
久「みんなが入部して、県大会で優勝して、全国を目指して……」
久「私たち2人で再建した部なのに、どんどんあなたのことを蔑ろにしてしまって」
久「正直、いつか退部されても、嫌われても仕方ないって思ってたけど。あなたはあの時と変わらずここにいる」
久「須賀君にとってこの半年間は、有意義だった?」
京太郎「……」
京太郎「部長。部長が俺のことそんな気にかけててくれたってのは正直意外でした。でもこれだけは言えます」
京太郎「この半年間は本当に楽しかった。ここにいる人たちも、ここにいないけど麻雀を通して出会った人たちも」
京太郎「俺にとっては出会ってから今日まで、夢中で見つめ続けた光そのものです」
京太郎「俺、なんの役にも立てなかったけど、それでもみんなの夢を叶える手助けになれたなら俺は嬉しい」
京太郎「なぁ、部長。あの時、あんたについて行ってよかった」
久「っ!? ……バカね」ボソッ
久「私の方こそ感謝してる。須賀君、あなたがいてくれてよかった」
翌日
京太郎「荷物はこれで全部ですか?」
晴絵「オッケー。悪いねぇ積み込むの手伝ってもらっちゃって」
京太郎「いいっすよぅ、これくらい」
憧「こっちも準備出来たわよ」
晴絵「おーう。忘れ物とかないかい?」
穏乃「ないでーす!」
玄「短い間だったけど楽しかったよ!」
京太郎「はい、俺もみんなに会えて楽しかったです」
宥「これから寒くなるから、暖かくしないとダメだよ?」
京太郎「あはは、宥さんもですよ」
灼「吉野にも、また遊びに来て」
京太郎「はい。その時は是非、先輩のところにも寄らせてもらいます」
憧「……」
京太郎「……」
京憧「「ははっ……」」
憧「元気でやんなさいよ」トン
京太郎「お前もな」
穏乃「京太郎、手ぇ出して」
京太郎「? ほい」
穏乃「ターッチ! また遊ぼうね京太郎!」
京太郎「おう!」
菫「短い間だが世話になったな」
京太郎「いえ、こちらこそお世話になりました」
菫「また東京に来ることがあれば呼んでくれ。そのときは喜んで照の世話を押し付けてあげよう」
京太郎「あはは、お手柔らかに」
尭深「またね」フリフリ
京太郎「はい。渋谷先輩もまた。今度、茶葉とお茶菓子もって訪ねますよ」
尭深「うん。待ってる」
誠子「また一緒に釣りに行こう。そうだな、冬場に静岡の田貫湖でワカサギ釣りなんてどうだい?」
京太郎「お、いいッスね!」
誠子「朝霧の中で富士山が見えるんだけど、朝日が昇ってくるとこう、凍りついた足場が一気にバキバキバキバキってひび割れてね」
京太郎「クレイジーッスね……」
照「京ちゃん。咲のこと見ててあげてね」
京太郎「任せてください」
照「冬休みには一度帰るから」
京太郎「待ってますね。咲もつれて久々に3人で初詣行きましょうか」
照「うん」
淡「……」
京太郎「どうしたよ」
淡「だって、またキョータローと会えなくなっちゃうもん」
京太郎「なんだ、そんなことかよ」
淡「そんなことって、長野と東京だよ! すっごく遠いんだよ!」
京太郎「距離も時間も関係ない。会いたくなったら会いに行けばいい、それだけだろ?」
淡「! うん、会いに行く! 今度は私から!」
京太郎「おう! いつでも来い」ポン
久「短い期間でしたが此度の合同合宿に参加していただきありがとうございました」
久「って、もうこんな堅苦しい挨拶はもういいわね」
咲「ねぇ、京ちゃん」ヒソ
京太郎「ん?」ヒソ
咲「合宿、楽しかった?」ヒソ
京太郎「へっ、わかってんだろ?」ニカ
咲「えへへ、一応聞いておきたくて」
京太郎「もちろん楽しかったに決まってんだろ!」
咲「うん。私も!」
久「では、これにて清澄・白糸台・阿知賀による三校合同合宿を終えたいと思います」
全員『お疲れ様でした!!』
カン!
GAの6巻を買って1ページ目を捲ると如月が「要塞の中で日々創作兵器を延々作り続けている組織集団『GA』」って
それってグローバルアーm……いやこれ以上は言えないけど
更新が大変遅くなってしまい誠に申し訳ありませんでした
去年の9月頃にスレ立ててのらくらやってきましたがどうだったでしょうか
わたくし少々メンタル面に難がありまして
「死ねks」とか「消えろgmkz」とか言われたらどうしようとか考えてましたけど
そんなこともなく皆さんから温かい声援が頂けてホントによかったです
速報でスレを立てたのは初めてでしたがどうでしたでしょうか
皆さんのいい暇つぶしにでもなって頂ければ幸いです
今後はまた少しインターバルを置いてなにかスレを立ててみようかなーと考えていますが
なにか「こういうの書けハゲ」みたいなのあったらお願いします
それではまたどこかで会いましょう
乙、支援等々を含め今まで付き合って頂いて本当にありがとうございました
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