紅の髪の奴隷の脱走劇 (43)

たつかな?

前回SS→http://blog.livedoor.jp/ayamevip/archives/25639165.html
男「捨てられていたエルフ奴隷を拾った」というSSを書いたものです
人間が魔物を支配する時代という舞台設定です

あの時は急いで書いたため、「文章力が無い」などの意見を頂きました
今回はゆっくり書こうと思います

世界観は同じですが、登場人物とかは違いますので前回SS読まなくても支障は無いと思います。

飽きずに最期まで完結させるの頑張ります(・ω・`)



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1373296461

突然だが、もし今この現代社会に魔界とのゲートが開かれたらどうなるだろう?
ベタな勇者モノのような展開が起こるだろうか?いや、恐らくないだろう。

軍の兵器は日々威力を高め、殺傷能力をあげている。
今の人類の科学力ならば核兵器等を使い魔界の魔物達を殲滅できるだろう。

だが、欲深い人間は考えた。魔族にも様々な種類があり繁殖している。それらを支配できれば大きな労働力になる。
その労働力を手に入れるため、人類は魔族の軍を殲滅し降伏させた後 魔族を人間界に連れてこさせ奴隷として働かせるようにした。


勿論、魔族は元々の戦闘能力が高い種族が多いので人間は対策をした。

魔族の力を奪う「魔封じの首輪」を開発し、市販できるまでに大量生産された。
魔族には人権が持たされず、人間の思うように働かされたり奴隷として売り出された。
奴隷は安価で、一般人でも手に入るようなものであった。

「奴隷に人権を持たせてあげよう」という動きもあったのだが、少数であるうえ貴族にとって都合の悪い意見であったためすぐに情報操作などがされた。
人類の大半は「魔族に人権を与えると暴れるかもしれない」という考え方であったため、奴隷制度はあまりよく思っていなくても、黙認した。

現代社会に魔界とのゲートが開かれたらこのようなことが起こるのではないか。
このような世界はパラレルワールドとしてきっと存在するだろう。

この物語はそんな世界での物語である

??「ハァ…ハァ…」ザッザッザッザ



深夜の森に木の葉の擦れる音が響く

暗闇の森の中何人かの人間が走る音と時々銃声が聞こえる。

彼女は息を荒げながら、ひたすら、ただひたすらと走り続けていた



??「キャッ!」ドサッ

暗い森の中故に、足元が見えなく石のようなものに脚をとられ、転倒してしまった。転んだ拍子に膝を擦ってしまい血が出た。痛い。

全身が疲労と倦怠感に包まれている。もう走りたくない、痛い、涙が出そうだ。



だが彼女は走らなければならない。





――自由のために。

月夜に照らされ、彼女の姿が浮かんだ



とても痩せていて顔には汗が浮かんでいる

血が出てしまった足もとても華奢で、細い足をしている

裸足で走っている彼女は泥だらけだった

肩までのびた彼女の紅の髪はぼさぼさで、とても美しいものとはいえなかった

服も粗末で、使い古されたぼろぼろの服も着ていてとてもみすぼらしかった

だが、彼女の目は鋭く希望に熱く燃えているかのような、そんな目をしていた。



??「あと・・・ちょっと・・・!」



自分に言い聞かせるかのようにして彼女は再び立ち上がり、走り始めた。



彼女にはどうしても走らなければいけない理由があった

彼女がこうして走っている約2時間前、奴隷達が集団で自由への最後の望みを賭けた脱走を始めた



ある有名な資産家の貴族に雇われて、家畜同然の扱いを受けていた奴隷達は数週間前から計画を始め、苦しい生活の中で情報収集や仲間集めなどを行った



ある日、ある仲間が奴隷達の希望となる情報をもってきた

彼らの住む施設からうっすらと見える山の頂上付近に灯台がたっていてそこから、魔界へのゲートが開かれている。

魔界へは特殊な装備がないと人間達は入れないので一度魔界に戻ってしまえば少なく見積もっても半日程度は時間を稼げるという。


その又別のある日、他の奴隷がまた情報を持ってきた。



月に一度、決まった日に監視兵の交代が行われ警備が少し緩めになる日があるという。

彼らの意思は固まった。

「次の交代日、自由への脱走を決行する。灯台の下でまた会おう」



そういって彼らはその運命の日に向けシミュレーションを繰り返し、仲間を増やしていった。



彼女も勿論その一員となった。みんなでひっそりと暮らしていく姿をイメージし、それだけで生きているのが楽しくなった。

元々は明るい性格であった彼女は仲間を呼ぶのを助けた。

全員で辿りつくのは無理とわかっていたが、敢えてそれは口にしない。





・・・・暗黙のルールとして、後ろ向きな発言はタブーであった。




運命の日、監視員を殴り、気絶させ鍵を奪い主導者の掛け声で一斉に駆け出した

少し少なめになっていた監視員も驚き、急いで逃がしまいとした。



奴隷に人権など、ない。



監視員たちは逃がすくらいならと銃を持ち出し奴隷達の射殺を試みた。

見つかった仲間が銃で撃たれて倒れていくのも見た。

仲間が無理矢理拘束され、何人も連れ去られていくのも見た。



彼女は何度も振り返り、助けたいと思った。だが、自分がかけよったところでなにも出来ないのはわかっている。



しかもこの脱走のチャンスは一度きりだ。

最初は抵抗するもの以外は殺しはしなかったのだが彼女たちを雇っている主は、射殺命令を出したようで、容赦なく発砲してくる。



絶対に、逃げなきゃ。



彼女は仲間のことを想い、顔を涙でぐしゃぐしゃにしながらも走った。



監視員達も顔を鬼のようにして、逃走を邪魔したがそれでも奴隷達は走りその多くは施設から抜け出すことに成功した。

このままゲートに行き、魔界で攫い屋に見つからないようひっそりと暮らしていく。―――あるいは、死。 



彼女は頭を横に振った。そんなことにはならない、絶対に







・・・・はずだった。



運命というのはわからないものだ。この時彼女が思っていた2つの結果、そのどちらにもならなかったのだから。



>>1です。
ついたかな?

乙。酉ついてますぜ

>>9
あり。
んじゃあゆっくり投下してく

書き溜めは少しだけあります

誰かが脅されて、情報が漏れたのだろう。
灯台に集まろうとしていることがばれてしまった。

集団で走っていた奴隷達の前に「くるま」という乗り物で先回りした人間達が銃を持ち、罠をしかけ奴隷達を逃すまいとした。

混乱した奴隷達はバラバラに逸れてしまった。だが、遠くから聞こえる監視員の怒号を聞く限り、まだ走り続けている仲間がいるようだ。彼女も仲間との未来のために走った

―――そうして今に至る。



灯台は大分近づいてきた。もう少し近づけば脱走が成功する。魔界にひっそりと暮らしている家族にも会えるはずだ



もうちょっとだ。もうちょっと、あと少しで…..

          

        ガシッ

女奴隷「えっ…?」ドサッ

金属の擦れる甲高い音が聞こえたと思ったら、急になにかに脚がとられ、再び転んでしまった。




女奴隷「・・・!?ンッ!!!」

すぐ立ち上がろうと思ったのだが、脚に激痛が走った。
監視員達が奴隷達のために使用したと見られる、動物などに使う古典的な罠だった。脚にがっしりと食い込んでしまった。



やばい。やばい。やばい。



必死で抜け出そうとするが、全然外れそうにない。
こうしてモタモタしている間にも監視員が近寄ってくるかもしれない。
彼女は焦って罠をはずそうするが、下手に触ってしまったため傷口が広がり悲鳴をあげる。



その時、暗闇から一つの影が彼女に近寄った

酉付け忘れたww

女奴隷「!?」


彼女は一瞬にして警戒する。
だが、そこにあるのは監視員の制服ではない服を着た若い男だった。
暗い色の服を着ていて髪もボサボサで、無表情で何を考えているのかわからない男だった。

彼が彼女を人目見て、少し眉をつりあげた。

男「・・・、お前は誰だ?」

女奴隷「わ、私は・・・」

思わず口を閉ざす。沈黙が訪れる。。。。素性などいえる筈がない。      
―どこかで鳴いている蝉やコオロギの声が響く。


男「ふむ、まぁその姿を見れば大体何者かはわかるな」

女奴隷「あの・・・貴方は・・・?」

男「俺はこの山の所有者だ。・・・何故人の土地に勝手に侵入してきた」

女奴隷「それは・・・・」



・・・・再び長い沈黙が流れる。説明しろ等といわれても。

男「・・・まぁいい、とりあえずその罠をはずしてやる」ザッ

彼が近づく。とりあえず悪い奴ではなさそうだ。


・・・・そんなことを考えたちょうどその時

監視員「動くなぁ!!!!」




―――彼女の最も見たくない人物が現れた。

終わった。監視員に見つかってしまった、ということは死かまた奴隷暮らしを意味する。脱走は失敗だ・・・


だが。

監視員「おい、おとなしく出て来い・・・・おや?」

男「…」

監視員が彼の顔をみて表情を変えた、そして彼女には見向きもせず彼と話し始めた。

監視員「おや、男さんでしたか。こんなところ歩いてたら危ないですよ、」

男「うるせえ、お前達は出て行け。ここは俺の土地だ」

監視員「すみませんねえ、用が終わったらすぐ出て行きますんで、この娘も回収していきますよ」

男「まだお前らはそんなことしているのか」

監視員「いやですねぇ、奴隷といったら労働させるための道具、じゃないですか!」ケラケラ

男「…」

彼の表情が曇った。

そしてなにやら懐を漁りなにかを取り出した

彼は、その姿(彼はとても地味な格好をしている)に見合わない程の大量の札束を取り出した。

女奴隷にはお金の単位というものがよくわからなかったのだが、男が出した金のその額は約500万円という大金であった

彼女は二人の会話の意味がよくわからなかったので、ただ痛む足を押さえていた。

男「これだけあれば十分だろう。この娘は俺が買う」バサッ

監視員「・・・!………ですが主人様にもご許可を取らないと、ですね」

男「その心配はない、ちょっと待ってろ」ピッ

彼はなにも装飾のない地味な携帯を取り出し誰かと話し始めた。

彼が小声だったのでほとんど聞こえなかったのだが「くそじじい…」やら「しつけぇ…」やら聞こえた。

そして、監視員に「許可は取った」と告げた。

彼は監視員に鍵を無理矢理ださせ「どっかいけ」言い放った後、監視員がいなくなったのを見計らい彼女の罠をはずした

人いないのかな(;ω; )

なんかテンポ悪いのは気をつけます
ペースはあげ・・・たいですorz

いや、面白いよ?〆とかがないからどこで終わったのか分からないだけ

みてるぜ

>>17 >>18
ありがとう。ありがとう。
なんか嬉しくなったから寝るつもりだったけどきりいいとこまで書いちゃう。

今日はここまでとかも言うね。超遅筆なのはきにしないで

その後、彼は脚が痛む私のために応急処置としてテーピングをしてくれた。
その時に、色々な話をした。

最初に彼がこういった。

「人間が怖いかもしれないけど、悪いことはしないから安心してくれ」
彼が、あまり人とのコミュニケーションは得意でなさそうだが、私を安心させようとしてこんなことをいった。

不器用な彼なりに彼女の恐怖を取り去ろうとしてくれた。そんな彼に対して好感は持てた。

だが、彼女はその時もうすでにとりあえずとても悪い人には思えなかったし、脚が治ってゲートまで旅立てるまででも是非お世話になりたいと思った。

だが、彼女が思い描いていたこととは違う現実が突きつけられた。

彼は残念そうにこういった。「君の知り合いの奴隷達にはもう、会えないと思う。」

思わず彼に顔を向け、聞き返した。「ど・・・どういうことですか!?」

男「別の監視員が言っていたんだが、君以外のほとんどの奴隷はもう射殺されたか、ゲートを取り囲んでいた監視員に捕まってしまった・・・」

脳に鋭い電撃が走った。
そうだ、今思えば監視員達は先回りしてゲートを囲んでしまえば奴隷の脱走を食い止めることなど容易だ。どうして今まで気がつかなかったのだろう。

女奴隷「そ・・・そんなことって・・・」

自分達の愚かさと仲間を失った悲しさから思わず泣き出してしまった
彼はなにも言わずそっと背中を摩ってくれていた。

泣き止んだ私は立ち上がり、彼の家へ向かいながら色々な話をした。
魔界にいる妹の話、彼の今の生活スタイル(晴耕雨読、が最も近い)、趣味、などどうでもいい話などもした。


そんな話をしている中で驚いたのが、彼が私達を雇っていた貴族の息子で、ある日親と喧嘩して家を飛び出してきたのだという。
彼はあの貴族のことが大嫌いなようだ。
「なんで喧嘩してしまったんですか?」

とたずねたところ少し不機嫌そうな顔をして

「あいつらの考え方についていけなくなったんだよ・・」と返された。何か後ろめたそうな顔をしていた。
話を変えようと思って「なんで私を買おうと思ったんですか?」と尋ねたところ

「・・・ちょっと、な。」と、またはぐらかされた。
この二つはタブーらしい。


・・・空周りしちゃってるなぁ、自分。

―数分後―

移動中…

男「そういえば君は自己紹介はしないのか?ほら、名前とか」

女奴隷「えっ?」
少し戸惑った。この手の質問は苦手なのだ。

女奴隷「えっと・・・私は魔族の中でも『女悪魔』に所属する吸血鬼という種類の者なんですけど・・・」

女奴隷「…… 名前は、ありません」
彼女は視線を落とす。彼は無表情のままだった。

男「ふぅん・・・。」

彼は無表情でそう答えた。
そして再び口を開いた

男「じゃあ、『リリーちゃん』、かな。」

女奴隷「えっ?」
無表情のままそんなことをいった彼に驚いた。

男「今庭で赤いアマリリスが満開でさ。綺麗だな、ていっつも思ってて。君は紅い髪だし『アマリリス』からとって、略して『リリー』。」

男「・・・どうかな?」

女奴隷「・・・・・・」

男「・・・・・・」

男・女奴隷「プッ、 あっはっはっはっは!」

女奴隷「あはははは!男さんもこういうこというんですね!」

男「はははは!柄でもないなぁ」

それは、無表情の彼が見せてくれた初めての笑顔だった。






男「これからよろしくな、 リリー」

リリー「はい!」

【二人の出会い】完

キリがいいので今日はたぶんここまで。今から寝るのでおきたら2時ごろ再開するかも。

花の名前から女奴隷の名前を決めようと思って長い時間ggってたのは内緒です。
因みに花言葉は「誇り」「すばらしく美しい」「強い虚栄心」だそうです。

オンボロPCだから書くのも更新するのも保存するのも一苦労だ(ノ_;)

久しぶりに投下します

文章力、できるだけ上げられるように頑張ります

その後、彼の家に向かった。
貴族の息子、と聞いていたのだが予想よりはこじんまりとした質素な家だった。

男「汚いけど入ってよ」

リリー「お邪魔しま」ガチャ

部屋「」ゴッチャリ

男「はははは…」

リリー「」

・・・・本当に汚かった。

リリー「なんというか・・・『The 男の部屋』といった感じが・・・」

男「すみません」

リリー「はぁ・・・」

こんな変な形で私の新しい生活は始まった

仕事は家事全般を任された。
全般、といっても一日2/3以上働いていた彼女にとっては短すぎるくらいの労働時間だった。

奴隷として雇われたはずなのだが、男さんは家族のように接してくれて決して無理なことは私にさせなかった。過保護というくらいに。


何も仕事をしていないのも歯痒いので6時間くらいぶっ続けで掃除していたら男さんに「もっと休め」と怒られてしまった
休憩時間など今までなかったので妙にそわそわしてしまう。


以前の生活と比べると変化が多すぎて困惑したが、元々明るく環境に順応する力もあったので割とすぐになれた。

正直にいうと、ここに来るときは足が治ったらさっさとゲートまで逃げてしまおうと思っていたのだが生活に慣れるととても快適でもう少しここにいるのも悪くないかな、などと思っていた。

何日か男さんと生活して彼についてわかったことがある。

町まで遠出をして必需品を色々買ってきた男さんがクタクタになって帰った日のこと。
男「あ゙あ゙あ・・・疲れたぁ・・・・」ヨロヨロ

リリー「お疲れ様です、男さん。」

男「ああ・・・・悪い、もう寝る・・・zzz」ドサッ

リリー「え?」

男「zzz」スースー

本当にそのまま床で寝始めた。

リリー「はぁ、仕方ないなぁ、よいしょっと」スススッ

男「!?!? なにしてんだお前//」

リリー「なにって・・・膝枕ですけど?」キョトン

男「『ですけど?』じゃないよ・・・早く飯でも作ってくれ//」

リリー「・・・なんでこのくらいで顔を赤らめるんですか・・・」

彼は女性経験がないのか凄いウブだ。

前にお風呂をお供にしようとした時も全力で拒否された。
・・・中々可愛い。からかいがいがある。

いつかまたからかってやろう、うひひ。

こうしてゆったりと毎日が過ぎていった。

ある日のこと AM8時

リリーが朝食を作り、男が寝ぼけながら味噌汁をすする。いつもどおりの光景だった。
だが、今日は少し違っていた

TV<タイフウ○○ゴウガチカヅイテイルタメ、ガイシュツハオヒカエクダサイ。クリカエシマス、タイフウ(ry

男「やばい、農作物が全滅になる・・・おいリリー俺ちょっといってくる!」ガチャッ

リリー「え!?でも今は・・・!」

外<ドッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!ブォォォォオォォオオオオォォオオオオオオオオオオオオォォオォォオオオ!!ヒャッホオオオオオオオオオオオオオオウウウ!

男「」

リリー「外出はやめましょう、ね?」アセアセ

男「いや・・・俺は見てこなきゃいけない、リリーは家事頼んだ」ダッ

リリー「あっちょっとまって男さ・・・痛ッ」ズキッ

痛む足が追いかけようとする行動を阻む。
為す術もないため彼女は家に留まった

リリー「・・・仕方がない、戻ってきた男さんに美味しいご飯でも作ろうかな」

AM8時半

リリー「・・・そろそろ終わるかな?」ソワソワ

AM9時

リリー「ご飯、なにを用意しといたらいいんだろう」

AM10時

リリー「ちょっと、流石に遅くない?大丈夫かな・・・?」

数時間後 
いまだ風が強く帰宅が遅い男が心配になりだした時。

ドア<ガチャ

リリー「あ、男さんおかえりなさ・・・!?」

男「」グッタリ

リリー「大丈夫ですか男さん、ドロだらけで顔色もよくないですよ!」

男「いやぁ・・・思ったより作業に時間がかかってさ・・・風も強くて・・・もう・・」バタッ

リリー「男さん、大丈夫ですか男さん!」オデコピトッ

男「///」コホコホ

リリー「人間と魔族の体温は違うからわかんないんだった」アセアセ

リリー「……とりあえずベットに運ぼう」ズリズリ

男「ぅあー」チーン

男「ううぅ、、、いてぇ……」ズキズキ

リリー「体温は・・・39度?人間の体温は普通36度、これはやばいのでは?」

リリー「とりあえず台所にいってなんかもってきましょう」ストッ

ギュッ

リリー「え?」

男「うう、、苦しい・・・」ギューーーー

リリー「ふふふ、行かないでってことですか?わかりました。寝付けるまで一緒にいますね。」ニコッ

男「コホッゲホッ」ギュッ...

リリー「♪」ナデナデ

リリー「あ、男さんまだ着替えてないじゃん」

深夜11時ごろ、男が体を起こす。

男「ん、大分寝てたな何時だろう」パチッ

男「あれ?リリー?」

リリー「スー...スー...」ギュッ

彼女は彼の横に横たわって彼の手を握っていた。
どうやら寝ているらしい。

彼は少し恥ずかしかったが、彼女が寝ているのを確認してからこういった。

男「・・・ありがとうないつも感謝してるよ。」ボソッ

その時、リリーは声は出さず口の形だけでこう告げた。



「私もですよ。男さん」

男「そうだ、ずぶ濡れの服きたまんまだった」

男「早く着替えないとな・・・あれ?あの服じゃない着替えてある?パンツも・・・変わってる」

男(え?ってことはリリーが俺の服を脱がせて着替えさせたってこと・・・・)

男「こ、こいつは寝てる間になにをしてるんだ///」

リリー「スースー」ニヤッ

男「あれ、メモが置いてある」

メモ「男さんへ 冷蔵庫におかゆがおいてあるので机の上においてある風邪薬と一緒に体に入れておいてください。」

男「ははは、今日は助けられてばっかりだな。美味しくいただくよ、おかゆ」ポンポン

彼が部屋から出て行き、部屋にはリリー一人が残った。

彼女の細く小さい声が響く

リリー「ふふふ、今日はいい日だなぁ。」

そして男が戻ってくると再び寝るフリをした。
彼が寝始めると寝顔を確認してから、彼女も彼の横で寝息を立て始めた。


こうして夜が更けていった。

【リリーさんによる看病編】終わり。

今日はここまで。ねむい。

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