P「システムの初期化?」ちひろ「そうみたいです」 (3)


P「ついに……とは思いますけども、いざこうなると、悲しいものですね」

ちひろ「今日で、皆さんと会うのも最後になりますね。プロデューサーさん、別れの言葉は先に済ませておいてください」

P「もちろんです。ここまで来れたのも、みんなが居てくれたおかげですから」

P「それじゃあ、行ってきます。今まで、ありがとうございました。ちひろさん」

ちひろ「ええ、さよなら。プロデューサーさん」

ちひろ「…最後の時まで一緒、というわけにはいかないですよね」

ちひろ「…」

ちひろ「…では、引き続きアカウント削除の手続きを……」




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凛「プロデューサー」

P「凛、いたのか」

凛「話は聞いてたよ。もうお別れなんでしょ?」

P「ああ、すまないな。俺もシステムに逆らうことは出来ないから。お前もそうだろ?」

凛「誰かに抑圧とかされると、反発するタイプだから、私」

P「その性格も、全てプログラムされたものだろ」

凛「まあそうなんだけどさ。ほら、今私がここにいるのって、普通おかしいでしょ?本当なら、どこかしらの風景か、ライブステージにしかいないわけだし」

P「はあ、いつのまに自我を持ったんだか。持ってなかったら、どれだけ幸せなことか」

凛「何も知らない方が幸せ、か。皮肉だね」

P「で、なんで俺のとこにわざわざ来たんだ」

凛「一緒に来てよ。最後に、みんなに会って欲しいんだ」

卯月「消えたくない……嫌だ、嫌だ嫌だ!!消えたくないよ!!」

未央「し、しまむー、落ち着いてって…」

卯月「落ち着ける訳がないじゃないですか!!手続きが終われば、私たちみんな消えちゃうんですよ!!」

未央「…それは、そうだけど」

卯月「未央ちゃんは怖くないんですか!!消えてもいいんですか!!」

未央「うるさいよ!!…怖く、ないわけないじゃん……」

凛「おーい未央、卯月。連れてきたよ」

卯月「…!!プロデューサーさん!!」

未央「プロデューサー!!」

P「ん?……あ、ああ。本田未央と島村卯月か」

卯月「プロデューサーさん!!よかった、プロデューサーさんまでいなかったらどうしようかと…」

P「あ、ああ。災難…だったな。ああ、とても残念だ」

未央「…プロデューサー?」

卯月「プロデューサーさん?」

凛(ちょっと、何、話巻いてるの?)

P(だって俺、二人と接点ないし……多分一回使ったくらいだから)

凛(あれ、未央と卯月のSSRなかったの?)

P(多分、SSRどころかSRもないんじゃないか?それか、あるとしても育ててなくて埋もれてるか…)

P「じ、じゃあ、俺、他にも行かなくちゃいけないとこあるから」

卯月「え……ま、待ってください…置いてかないで!!」

未央「…まあ、こうなると思ってたよ。だってプロデューサー、私たちなんてほとんどライブで使ってないし。それこそ、初めのチュートリアルくらいだったし」

卯月「そんな……何が、いけなかったんですか…?私、いつも頑張ってレッスンして、いつでもライブに出れるように頑張って、ずっとずっと頑張って、頑張って……それなのに、どうして…」

卯月「ごめんなさい……ごめんなさいごめんなさい」

未央「…」

卯月「お願い、だから…戻って、きて、ください…プロデューサー、さん」



ワタシタチヲ、オイテカナイデ。


ザー、ザー、ザー

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