初めまして。去年からミリオン始めた初心者です。
初投稿になります。志保とPメインのSSになります。
ちょっとだけ恋愛要素もありますが、一線は越えないです。
自分の勝手に考えたキャラの進路の話とかちょっとだけ出てきます。
キャラ崩壊や誤字脱字などご容赦ください。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1558105221
~765プロ事務所~
美咲「あれ?Pさんおかえりなさい。今日は遅いですね」
P 「美咲さん。おつかれさまです。美咲さんこそ、もう10時ですよ?ウップ…」
美咲「私は衣装仕上げをしてて…。もう帰るところでした。それより打ち上げですか?」
P 「ええ…。春香たちが出演していたドラマのスタッフ打ち上げで。アイドルたちは一次会で帰しましたが、
二次会でカラオケに…」
美咲「お酒のあとのカラオケは喉によくないですよー?声が20歳くらい老けて聴こえます…」
P 「監督がノリノリで…。アイドルのPならアイドルの曲も振り付け付きで完コピだろ!って
ファンタジスタカーニバルを絶叫しながら踊らされて……」
美咲「それはお気の毒で…お水持ってきますね?」
P 「ありがとうございます…。明日は朝早く群馬まで1泊2日の出張なんで、今日は事務所の仮眠室に
泊まっていきま…ウップ。こんなことだろうと出張の準備をしておいて良かった…」
亜美ガチャッ「おっす!にいちゃーん!おっかれちゃーん!」
P 「おっ、亜美か?こんな時間だぞ。レッスンか?」
亜美「そうそう!本番近いからねー!他の子は帰っちゃったけどぉ、
亜美はわっすれ物ー!事務所空いてて、チョー助かったよーん!」
P 「もう遅いから、送っていく…って、車は出せないな…。帰りはタクシーだな。
美咲さん、手配をおねがいできますか?」
美咲「はい。お呼びしますねー。」
亜美「ところで兄ちゃん兄ちゃん、ひどい有様だね?。特に声が社長みたいになってるよー。打ち上げ?」
P 「ああ…やりたい放題させられたよ。」
亜美「ふーん…(ニヤリ)そういや、こないだのCMのお仕事でもらった新製品の試供品のぉ、
制汗スプレーあるよーん!汗ベッターな兄ちゃんに吹いたげるねーん!」ブシュ-
P 「うわっ…いきなり何を……って気持ちいいなぁ…香りもいいし、火照った顔がスーっとするなぁ。」
亜美「クスクス…でしょでしょー!大サービスでぇ?、もーっと吹いたげるにー!」ブシャーーーー
「あ、もうタクシー来たっぽい!にいちゃん!じゃあまたにーん!トトト…」
P 「あ、気をつけてな亜美! ん?亜美が制汗スプレーの試供品?」
「……あー、ためだ。頭が働かない。」
「美咲さんもありがとうございました。事務所の戸締まりはやっておきますので。」
美咲「お願いしますね。ではPさん、お休みなさーい!」トトト
P 「お疲れ様です! …さて、喉も痛いしシャワーは明日にして戸締まりを確認したらもう寝よう…」
~翌朝~
ピピピ…ピピピ…
P 「…む。モサッ もう朝か…って喉痛い…昨日むちゃしたからなぁ。…そうか事務所か…。
シャワー浴びて出張準備だ…モサッ」
~シャワー室~
P 「事務所にシャワー室があって助かった…っと(服ヌギー)モサッ
…んーさっきから顔のあたりがモサモサでチクチクするなぁ……」(鏡チラッ
キャアアアアアアアアアーーーー!!!!!!
社長「い、いま音無くんと事務所前を掃除していたが、この世のものとは思えない声が…
…っと君かね……って、どうしたんだねそれは…!!」
小鳥「なにかあったんですか……って、Pさん!
……こ、これは…」
「「ヒゲ……!?」」
P 「なるほど、昨晩、亜美に噴射されたスプレーは制汗スプレーではなく…」
真美「育毛スプレーだったわけダネ!モッサリ兄ちゃん!」
P 「ああああ!!どうするんだ!こんなモサモサのヒゲで!」
「しかも…毛根が強力に根を張ってて剃るに剃れないぞ!!」
恵 「『強制育毛!モーコンハナサナーイ』だって!超強力なやつで、1日1プッシュで様子を見て使用してくださいって…」
P 「おかしいと思ったんだが、制汗スプレーの仕事は真美で、育毛剤のPR映像の仕事は亜美だったか……!
俺としたことが…酒は怖い!」
真美「でもでも、兄ちゃんみたく、つけすぎる人がおおいみたいで、亜美がメーカー指定の脱毛剤も
もらってるらしいけど…」
P 「亜美は律子たちと1泊2日のバラエティーのロケ収録だ……。くっ…帰ったらプリン没収だ…!」
可憐「プ、Pさん、声もいつもと違って低いし…目の下のクマも…ここのところ無理も続いていたようですし、
お休みしては…?」
P 「ありがとう…可憐。でも、今回の撮影はあの娘にとってもチャンスなんだ。」
「あとの仕事に続くように関係各所に挨拶しておきたいんだ!
でも…」
恵 「そのヒゲじゃぁ、悪印象っしょー! ……それにしても……にゃはは!!!そのヒゲ…!!」
可憐「め、恵ちゃん…!笑ったら失礼……チラッ……プッ!!!」
社長「はははは!君ぃ!意外と似合うじゃないのか!?はははは!」
美咲「笑いどころじゃないですよぅ!みなさん!Pさんこんな姿じゃ……チラッ……プッ………
お仕事に行けないじゃないですかぁ!」
P 「もう好きにしてください…」
社長 「はー愉快愉快……っと、うおっほん!たしかに、このむさ苦しいヒゲでは
先方にも失礼に当たる。おなじビジネスマンとしてこれでは君を送り出すわけにいかん。……ならば!」
小鳥「逆に考えると、むさ苦しくないヒゲにすれば良いわけですね!社長!」
社長「そうだ音無くん!幸い、今いるこのメンバーで役者は揃っていると思うがね……!」
P 「……?どういうことでしょう?(オロオロ」
1時間後…
小鳥「Pさーん!お着替えはまだですかぁー?」
P 「も、もうちょっと……これ、すごくいいスーツですが……!いいんですか社長!」
社長「なぁーに、私の若いときのスーツをとっておいてよかった…!昔はどこも売り手買い手で、
それを着てよく黒井とアイドルの営業へ……」
小鳥「社長の話は後でききます!さて、スーツの仕立て直しは美咲ちゃんに!」
美咲「これくらいはお茶の子再々ですー!」
小鳥「ヒゲの剪定は恵ちゃんに!」
恵 「根っこはチョー強力でハサミ通んなかったけど、毛先は通ったかんねぇ!」
小鳥「仕上げのデオドラントは可憐ちゃんに…!」
可憐「お、大人で落ち着く雰囲気のウッディ系と、爽やかなシプレ系のフレグランスを調合した
香水を作りました……ど、どうでしょう?」
小鳥「さぁ、結果は……?」
P 「できました。開けますねー(低音)」
ザッ!
~東京駅 新幹線 車内~
志保「今日は駅で待ち合わせって話だったけど、
Pさん、遅くなるから新幹線の指定席で座って待っててくれって……」
志保「まったく。もう少ししっかりしてもらわないと…。そもそも今回も私ひとりでいいっていってたのに…」
???「やぁ、またせたね、志保?」
志保「本当です。Pさん。チラッ もうちょっと大人のよゆ……(あんぐり)」
P 「やぁ、悪かったな。事情があって。」
出張2人きりだけど、よろしく頼むな?(低音」
志保「…えっあ、その、はい。(混乱」
志保「えっ プ、Pさん?」
P 「ん?どうした志保?」
志保「あ、いえ…確認しただけです。なんでもありません。
……その声、どうしたんです?あとそれも。」
P 「あぁ、喉を傷めてな。ヒゲは…生やした……じゃないな。生やされた。」
志保「……生やされた?まぁ、よくわかりませんが…」
P 「変かな?(低音」
志保「えっ…? んー、ジッ……」
P 「…?」
志保(口ひげとあごひげがキレイに整えられてて…髪は整髪剤でまとめられてて…
体格に合ったすらっとしたクラシックスーツ…なんだかいい匂いもするし、
声すごい低いし…目元のクマも渋さに一役してて…)
志保……ポッ「まぁまぁじゃないですか?///」
P 「そうか!よかったよ!(ニコッ」
志保「////~(やかんの鳴く音)」
~新幹線にて移動中~
P 「さて、今回の撮影だが…」
志保「旅行代理店のパンフレットの撮影…でしたか。」
P 「そうだ。群馬の草津温泉だな。写真の使われるパンフレットは5カ国語に翻訳されて、
海外の系列店にも置かれる予定だから、発行部数が相当多くなる。
代理店側の関係者も来るみたいだから、うまくやれば、今後の仕事につなげるチャンスになる!」
志保「そうですね。いろいろな衣装での撮影するようですね。私服、浴衣…これは…湯もみ服…ですか?」
P 「ああ、草津の湯は熱いからな。昔は女性陣が長い板を使って湯を混ぜる(揉んで)
適温に調整してたんだな。湯もみ服はその伝統的な衣装だ。」
「 今ではショーのように実演されてて、観光客に人気なんだよ。」
志保「……へー、詳しいですね。調べてたんですね。ちょっと…見直しました。」
P 「付け焼き刃だけどな!志保は演技に造詣が深いからわかるだろうけど、
歴史的な背景を知っていたほうがリアルな撮影になるだろ?(ニコッ」
志保「……っ/// プイッ そっ、そうですか。ありがとうございます。」
P 「ところで、今回は入浴シーンの撮影もあるそうだが…いけそうか?」
志保「えっ?はい。大丈夫ですが。温泉の撮影なら定番ですよね。何かありましたか?」
P 「いや大丈夫なら、いいんだ。」
(年頃の娘だからちょっとは恥じらうかと思ってたけど、こういうところはドライだよな!)
~群馬県 草津温泉~
P 「新幹線と電車を乗り継いで3時間!やっと来たなぁ!しかしすごい湯気と匂いだな!」
志保「本当に…。建物も全体的にモダンで…。この湯畑…ですか?この温泉の滝のような。」
P 「ああ。源泉の高い草津の湯は源泉から湯を木桶に流して、外気に触れさせて湯を冷ましたり、
桶の中の湯の花を取ったりするみたいだな。しかし、実物はすごいな!」
志保「ふふっそうですね(見た目や声は渋くなったけど、やっぱりいつものPさんね…)」
P 「おっ、撮影班も準備できたみたいだ。撮影開始だな!」
志保「はい。わかりました。始めは湯もみ体験ですね。」
~湯もみ体験 撮影後~
P 「志保、お疲れ様!すごかったな湯もみ!チョイナーチョイナー!って板動かして!」
志保「Pさん、楽しそうですね……湯もみ板って結構重たくて、唄も歌いながらなので…」
P 「おっと…すまない。あんまり見事だったもんで。体はつらくはないか? 」ズイッ
志保「いっ、いえ/// 大丈夫ですから!近いです!」
P 「それなら良かった。カメラマンさんも、"志保さんの楽しそうな1枚が撮れました"っていってたぞ!」
志保「そうですか…心なしかあまり嬉しくない一言ですね…」
P 「次は私服に着替えてモダンな街中の散策シーンの撮影だ。」
~草津温泉 街なかでの撮影~
志保「平日とはいえ、人通りがすごく多いですね。」
P 「そうだな。瓦屋根の老舗旅館が連なる通路はレトロで雰囲気があって、写真映えするな!」
志保「街のそこここに小さな湯船がある小屋があって…共同浴場っていうんですか?」
P 「そうだな。例外はあるらしいが、基本的には地元の人が優先だ。」
「湯船も大きくはないし、そんなところに観光客が大挙してきたら大変だからな…。」
志保「…ところでPさん。あそこのおまんじゅう屋さん…」
P 「ああ。人が店先を通るたびにタダでまんじゅうと熱いお茶を配ってるな。」
志保「そんなことをして、お店に儲けはあるんでしょうか?」
P 「ほら、よく見てごらん志保。まんじゅうは釣りで、本命は茶の入ったあの湯呑だ。」
「湯呑は店内に返すことになってて、もらったら最後、店内に入らないといけない仕組みだ。」
「巧みな戦術を感じるな…。」
「撮影班の何人かは箱入りを買わされてたな。安いしおいしいし、土産にいいんだが。」
志保「でも、前を通るたびに強引におまんじゅうを渡すなんて…私はちょっと…。」
P 「ははは。そういう押し売りも旅情と割り切れたら立派な旅人なのかもな!」
志保「でも、通るたびにおまんじゅうが貰えるなんて……ふふっ。可奈が喜びそう。」
P 「ははは。可奈なら、この間は撮影の合間に入ったカフェでパンケーキ5枚重ねをたいらげてたぞ
……って、あ…」
志保 ジトー…「P。あんまり可奈を甘やかさないでください。あの子、太りやすい体質なんですから。」
「またいつかみたいに衣装が入らなくなりますよ?」
P 「うっ…そ、そうだったな…気をつけるよ。(墓穴を掘った…)」
志保「まったく……ふふっ。でも、あの子なら、一度に2個も3個ももらっちゃうかも?」
P 「ははは。確かにな!」 パシャッ
「さぁ、次は今日泊まる、老舗旅館で浴衣に着替えて撮影だ。
「着替えと化粧直しをメイクさんにしてもらってくれ。」
~メイク室~
志保「~♪」
メイク 「北沢さん、なんだかご機嫌ですねーパタパタ…ところで、北沢さん!あのお付の男性!」
志保「え?ああ、Pさんのことですか?」
メイク 「そう!渋くてカッコいいですよねー!高級スーツもピシッと着こなして!」
「あんな人にずっと付いてもらえるなんて、北沢さん、お姫さまみたいで羨ましいなぁ!」ヌリヌリ
志保「へ、へぇー……そ、そうでもないですよ?/// 遅刻もたまにするし、すぐ約束忘れるし!」
「前なんか、自作した絵本を読んでくれ、なんて言い出したこともあったんですよ!///
「変です。あの人。」
メイク 「男の人はちょっとスキがあったほうがグッと来ますよー!」
「 ……ところで、Pさんって、恋人とかいるんですかー?」
志保「え?どうしてです?」
メイク 「わたし今婚活してて?! Pさんって優しそうだし、あんな高級スーツ着こなしたり…
「収入ありそうじゃないですかー!だから~、今フリーなら、あたしでも~……なんて!!」
志保 「………」ムスッ
~旅館 志保の部屋~
志保「はぁ…(わたし、なんであの時メイクさんにPさんは将来を誓いあった恋人がいる、
なんて言っちゃったんだろう…)
(それが気になってミスを連発…入浴シーン撮影は明日になっちゃった…)
コンコン
P 「俺だ。志保。」
志保「Pさん?」 ガチャ
P 「今日はお疲れ。なんか元気がなさそうだったから、ちょっと様子を、な。」
志保「はい…。どうぞ。…喉、良くならないですね?お茶、入れますね。」
P 「ありがとう。もらうよ。薬も飲んでるし、のど飴も舐めてるんだけどなぁははは…」
「お、ノート広げて、勉強中だったかな?」
「日頃から復習や課題はしっかりやって、基礎を固めておかないと。」
「ただ今日は、あまり集中は出来ていませんでしたが…。」
P 「そんなことないさ。未来や翼なんか筆記用具すら持ってこない時があるんだから
意欲があるだけ、立派なもんだ。」
志保 …///「 別に、普通のことです」プイ
ッ
P 「はは……。 ところで、志保は、もう進路は決めてるのか?」
志保「え?進路ですか…?」
P 「志保は中2だったな。そろそろ進路の話も出てきてるのか気になって。…答えたくなければいいけど。」
志保「…いえ。母とも相談してますが、うちは学費の都合もあるので、近所の公立高校を考えています。」
P 「……行ってみたい学校や、かわいい制服の私立の学校は興味はないのか?」
志保「私は別に。特にこだわりないので。……学費で学校を選ぶのはいけませんか?」
P 「いや、志保がいいならそれでいいけど。」
「……おせっかいかもしれないけど、今後もし、行きたい学校や、やってみたいことができたら
お金のことはワキにおいて、親御さんに相談したほうがいいぞ?」
志保「…ふふ!」
P 「…? なにか変なこと言ったか?」
志保「…いえ。Pさん、母と同じことを言うので。」
「もしお父さんがいてくれたら、こんな風に進路相談してたのかなって。」
P 「俺がお父さん!?たしかに今はこんな格好だけど、俺はまだ…」
志保「分かってます。ただ、その姿を見るとどうしても連想してしまって……。
Pさんがお父さん……ふふっ!おかしい!///」
P 「……色々言いたいが、まぁ元気は出てるようだからよし!」
「ところで温泉は入ったか?このあとは40分間、お風呂を貸し切りにしてもらったから。
俺はもう入ったから、ゆっくり入って来るといいよ。」
~旅館の温泉~
カポーン
志保「あつっ!やっぱり湯温が熱めだ…。よくかけ湯して肌に馴染ませて……ふぅー…気持ちいい…。」
(Pさんと話してたらなんだかもやもやも晴れてきたし…明日はしっかりやれそう!)
(でも、わたし、メイクさんになんであんなこと言ったのか…)
(収入や見た目だけを判断材料にされたから…?)
(いや、違う。私はPさんを…誰かに取られるのが……)
カアア~ ///っっっ!!!ボゴボゴボゴボゴ
P 「お、志保!温泉あがりか?
志保 ボーーー。「あ、はい。おはようございます。Pさんは?」
P 「・・・? 俺は今まで旅行代理店関係者の人と卓球大会だったんだ。」
志保「そうですかそれはそれは…メガウツロ- もう寝ますおはようございます…」フラフラ~
P 「ん?志保?ふらついてるぞ!言動もおかしいし、大丈夫か?部屋まで送るぞ!」
~志保の部屋~
志保「すいません…Pさん…」
P 「いいから。気にするな。草津の湯は熱めだが…完全な湯あたりだな。」
「水飲んで横になって。うちわで仰いでやるから…」パタパタ
志保「……Pさん…」
P 「ん、どうした?」
志保「浴衣、渋くて似合ってます。」
P 「えっ?あぁ、ありがとうな。志保も似合ってるぞ!」
志保「……Pさん…」
P 「なんだい?」
志保「今日は…すいませんでした。」
P 「……撮影のことか?気にするな。今はゆっくり休んでな。志保が落ち着くまでここにいるからな?」
志保「……Pさん…」
P 「クスッ …なんだい?お嬢さん?」
志保「絵本を…読んでくれませんか?」
P 「絵本?持ってきてるのか?
」
志保「机のノートの下に…。弟に、せがまれて…内容の予習で…」
P 「…分かった。今持ってくるな。」
P 「えっと、『おきゃく おことわり?』外国の翻訳絵本だな」
志保「はい。お願いします…」
P 「分かった。ん、ん。
(志保の絵本は、森の奥に住む大柄のクマが、誰も自分を訪ねてこないことに腹を立てて、
家の前に"おきゃくおことわり"の張り紙を張る。その張り紙を見たネズミが、
あれやこれやと手を尽くしクマの家に何度となく現れ、クマの淹れる美味しいお茶をせびる。
でも最後はクマは頑なだった心をほぐし、素直になってネズミと友達になる…。)
P 「~でした。おしまい。…すごくいい話だったな。」
「 大人が読んでも…素直になることの大切さを考えさせられるな。」
志保「そうですね。内容はとてもいいです。」
「でもPさんは声はいいのにセリフの抑揚の付け方がヘタですね?
あと緩急の付け方も全然です。それじゃ、ちいさな子は寝ちゃいますよ?」
P 「うっ…。すまない。」
志保「ふふっ…いえ。もっと精進してください?」
P 「ははは。そうだな。」
P 「…それはそうと、だいぶ顔色が良くなったな?」
志保「そうですね。おかげさまで。こんな時間まで付き合わせてしまってすいませんでした。もう大丈夫です。」
P 「そうか?うん。よかった。じゃあ、俺はこれで…」
志保「待ってください。……その、さっき、落ち着くまで、いてくれると言ってくれましたよね?」
「私、寝付きはいい方だと思うので…その、10分程でいいので……私が寝るまで、手を…握って…ん…///」
P 「そうか。うん。それで志保が落ち着くなら。」 ギュッ
志保「あ、Pさんの手、ちょっと冷たい…」
P 「ごめん。離そうか?」
志保「いえ。気持ちいい…。 ふふっ、Pさんの手、働いてる男の手って感じですね?ちょっと素敵かも?」
P 「おいおい。茶化すなよ…。」
志保「はい… じゃあPさん…おやすみなさい。」
P 「おやすみ。志保。」
志保(絵本を読んでくれ、なんて、今の私…普通じゃない…。)
(でも昔、同じようなことを誰かにせがんだような……すっかり忘れてた。あの感覚。)
(誰だったかな?ダメだ。眠い。寝てしまおう…)
志保 スー…スー…
P (ほんとにすぐ寝た。寝てるときは年相応なあどけなさだな。)
(絵本の内容にあてられたのか、俺の今の見た目だからなのか、最後だけは素直になって…くれたのかな?)
(・・・彼女はつねに避けられないリアルと戦ってる。他人に距離を保って接してしまうのも、
そういうリアルと戦うための彼女なりの処世術なのかもしれない。)
(そんな彼女に今日は少しだけ寄り添えた…かな。
この格好になったのも、そう悪いことばかりじゃなかったかな!)
~翌朝~
コンコン
P 「おはよう、志保。俺だ。起きてるか?」
ガチャ
志保「Pさん。おはようございます。」
P 「おはよう。顔色は良さそうだな。その、今日は…」
志保「昨晩撮れなかった、入浴シーンの撮影ですね?大丈夫です。いけます。
昨日はちょっと深湯しすぎただけですから。」
P 「本当か?なら30分後に予定通り貸し切りにしてもらうから。」
「…無理そうなら、ちゃんと言うんだぞ?」
志保「はい。分かっています。用意しておきます。
…ところでPさん、喉もちょっと良くなってきてますか?」
P 「違和感はまだあるけど、言われてみれば喉に引っかかる感じはなくなってきたかな?
あとは亜美の脱毛剤さえあれば…っ!」
~入浴シーン撮影後~
P 「入浴シーンの撮影お疲れさま!早朝の日の出と合わせた、朝靄の中の撮影は雰囲気が出て、
カメラマンさんも昨日撮れなくてよかったかも、と絶賛だったな!」
志保「そうですね。ところで、温泉の件、ありがとうございました。
まさか、撮影用に温泉の湯温を下げてくれていたなんて…」
P 「宿の人に事前に交渉して、源泉を止めてもらって、撮影までに湯もみして下げておいたんだ。
昨日、志保が言っていたように、湯もみって結構な力仕事だな!朝からいい運動になったよ」
志保「そんなにしてくれたんですね…。私は別に、源泉のままでも…」
P 「前、カフェでココアを飲んだときに、猫舌で暑いのは苦手だって言っていただろ?」
「昨日のこともあるし、風呂もそうなのかなって。余計なことをしたのなら、すまなかったな?」
志保「あ…いえ。すごく、その、助かりました。私も、リラックスして撮影できました。」
P 「あとは、朝の観光客が少ないうちの、朝の街なかでの撮影だな。」
「最後の撮影だ。ひと踏ん張り、頑張ろう!」
志保「はい!Pさん!」
~撮影から3日後、事務所にて~
P (あれから3日経った。予定外のこともあったが、先方は写真の出来に満足しているようだった!)
(撮影から事務所に帰ると、律子にこってり絞られている亜美が、泣きながら助けを求めてきたが…)
(無視して脱毛剤を手に入れ、俺からヒゲはなくなった。)
恵 「Pのヒゲ、あたしの力作だったのに、すぐ無くしちゃうんだもん!
出来たときテンション上がって写メ撮るの忘れたしー。」
可憐「わ、私も、あのおヒゲ、お似合いだったと…おもいます。あと、匂いも…♪」
P 「たしかに、ちょっともったいなかった気もするけどな。ただ、あんなハリガネみたいなヒゲじゃ、
手入れも難しいしな。生やすにしても今度は自然に生やすさ。」
志保「…P。ちょっといいですか?スケジュールの件でお話が。」
P 「ん? ……あー!忘れてた!いま行くな!」
志保「はぁ……昨日言ったばかりじゃないですか。もう忘れたんですか?」
P 「う…。面目ない…。」
(あれから志保とはこんな感じだ。年の割に落ち着いた、真面目ですこし距離を感じる、いつもの志保だ。)
(あの夜、絵本の朗読をせがんだ弱々しい少女は、もういない。)
P 「…わかった。その日は弟さんの迎えだったな。スケジュール調整しておくよ。」
志保「はぁ…Pさん、お願いしますよ? 忘れてると思って確認しておいてよかった。
ピロリン♪
P 「お、志保! この前の撮影の写真が、カメラマンさんから送ってきたぞ。見るか?」
志保「…! はい。是非。」
P 「ほら、湯もみの写真。衣装がよく似合ってるだろ?」
志保「そうですね。あれだけ湯けむりが上がってたのに、こんなにキレイに撮れてる…。」
P 「ほら、夜の湯畑のライトアップも!」
「……ん?これだけタイトルがついてる。」
"最高の一枚が撮れました"
だと。どれ…
志保「これは…初日でおまんじゅう屋さんのまえでPさんと話してるところですね。」
P 「そうだな。確かによく撮れてる……この志保、笑顔がすごく自然じゃないか?」
志保「……」
P 「たしかに、これまでの写真は大人びて落ち着いた志保らしい写真ばかりだ。でもこれは…」
志保「……カアア…///」
P 「確かに、すごくよく撮れてるな!」
「だが、残念だがヒゲ面の俺がバッチリ写り込んでるから、パンフレットには使えないな…。」
志保「……Pさん。」
P 「ん?どうした、志保。」
志保「その…もし差し支えなければ、この写真、私にも頂けませんか?」
P 「え?いいけど、でも記念になら、俺の写ってない他の写真でも…」
志保「いえ。これがいいんです。今、送っていただけませんか?お願いします。」ズイッ
P 「わ、わかったよ。志保のケータイに送っておくな?ポチー
(有無を言わさぬ雰囲気に飲まれてそれ以上は聞けなかったな…)
志保「ん、受信しました。ありがとうございます。
…そうだ。Pさん。このまえのこと…事務所のみんなには内緒でお願いします。」
P 「この前のことって、志保がミス連発して撮影が押した件とか、
志保が湯あたりしたり、
俺がそれの看病したりとかか?」
志保「っ/// そうです!この間のこと全部です!もしも言ったら…このヒゲのPさんの写真、
みんなに一斉送信ですからね?」
P 「それは困るな…! わかったよ。約束する。」
志保「分かればいいんです。」
志保 ……
一瞬考えるような間をおいたあと、志保は、ズイッと俺のそばに近づき、俺の耳元に手を当て…
ふたりだけの秘密ですよ? ""お父さん?""
そういたずらにささやいた少女は、上気した顔を隠すようにすぐに後ろを向いてしまう。
チラリと見えたその唇は、薄く笑んでいるように見えたーー
了
以上です。お目汚しを失礼しました。
草津の湯は本当に湯温が高く、自分も湯あたりした思い出があります。
初SSがヒゲ×観光×ミリオン というキワモノだったのは自分でも謎です。
初見であのグッドコミュ選んだのか、凄いPだな
乙です
北沢志保(14)Vi/Fa
http://i.imgur.com/cxqzrbg.jpg
http://i.imgur.com/timk9E7.jpg
>>2
青羽美咲(20)Ex
http://i.imgur.com/N78dpoq.png
>>3
双海亜美(13)Vi/An
http://i.imgur.com/FrYx56P.png
http://i.imgur.com/H1PzeRU.jpg
>>6
音無小鳥(2X)Ex
http://i.imgur.com/hFRWAa5.jpg
http://i.imgur.com/t8UWbZq.jpg
>>7
双海真美(13)Vi/An
http://i.imgur.com/3a9H2nD.jpg
http://i.imgur.com/yZHfbr5.jpg
所恵美(16)Vi/Fa
http://i.imgur.com/5KqA8nZ.jpg
http://i.imgur.com/BLSRWlS.jpg
篠宮可憐(16)Vi/An
http://i.imgur.com/nU6iUmf.png
http://i.imgur.com/5TtX7iZ.jpg
このSSまとめへのコメント
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