2月14日

朝　執務室

提督「よし。まず遠征組。基本的にいつも通り……と言いたいが、大本営からはぐれ深海棲艦に十分注意せよと通達が来ている」

川内「十分注意、ね」

球磨「とりあえず載せられる艦は水偵を搭載すればいいクマね」

鬼怒「ストック装備の水偵を使えばいいよね？」

提督「ああ。それでいいよ」

天龍「はぐれ深海って、基本駆逐と考えていいんだろ？」

高雄「報告が上がっているのはほぼ駆逐艦級ですね。あっても軽巡までです」

多摩「じゃあ艦列は詰めておくかニャ」

龍田「そうね～。駆逐艦だけなら集中砲火で沈めるのが一番よね～」

提督「そうだな。他に意見や質問は？」

ｼｰﾝ

長良「では準備でき次第出撃します」ﾋﾞｼｯ

提督「うん。よろしく」ｹｲﾚｲ

2月14日

朝　執務室

提督「よし。まず遠征組。基本的にいつも通り……と言いたいが、大本営からはぐれ深海棲艦に十分注意せよと通達が来ている」

川内「十分注意、ね」

球磨「とりあえず載せられる艦は水偵を搭載すればいいクマね」

鬼怒「ストック装備の水偵を使えばいいよね？」

提督「ああ。それでいいよ」

天龍「はぐれ深海って、基本駆逐と考えていいんだろ？」

高雄「報告が上がっているのはほぼ駆逐艦級ですね。あっても軽巡までです」

多摩「じゃあ艦列は詰めておくかニャ」

龍田「そうね～。駆逐艦だけなら集中砲火で沈めるのが一番よね～」

提督「そうだな。他に意見や質問は？」

ｼｰﾝ

長良「では準備でき次第出撃します」ﾋﾞｼｯ

提督「うん。よろしく」ｹｲﾚｲ

提督「それから演習組……全員いるな。高雄、」

高雄「はい。こちらが本日の演習予定です」ｽｯ

武蔵「ほう……今日は大型艦中心の編成が多いな」

伊勢「それでこっちも大型艦ばっかりで揃えたって感じ？」

提督「それもあるけど、大型艦で艦列組んでの訓練や演習が少なかっただろ？燃料弾薬も貯まってきたし、そろそろやりたいと思ってね」

日向「提督もなかなか酔狂だな」

提督「否定はしないよ」

武蔵「私もそろそろ全力の勝負をしたいと思っていたところだ。ありがたく出させてもらうぞ」

提督「頼むぞ。それと瑞鶴、」

瑞鶴「何？」

提督「演習から戻ったらちょっと開発を頼みたい」

瑞鶴「新しい艦載機？」

提督「そうだ。ボーキサイトもだいぶ貯まってきたからな」

瑞鶴「了解っ。期待しててね」

提督「期待ししておくよ。他に何かあるかな？……無いなら所定の時刻に出撃、演習に向かってくれ」

武蔵「了解した」

提督「遠征、よし。演習、よし。諸通達……よし。書類片付けるか」

高翌雄「はい。今日はこれだけですね」

提督「よーしやるぞ」

雷「司令官？」ﾋｮｺｯ

提督「お？どうした？」

雷「司令官、今日はバレンタインデーでしょ？だから、私たちで司令官にあげるお菓子を作ってきたのよ！」

提督「ああ、そうだ。ありがとう」

五月雨「提督ー？」

提督「どうした？」

五月雨「今日はですねー、バレンタインデーなので白露型みんなでお菓子を作ってきました！」

提督「おおー。それは嬉しいな」

時雨「提督、チョコは好きだったよね？」

提督「好きだよ」

ﾜｲﾜｲ

提督「だめだだめだ。これでは仕事が全然進まない」

高翌雄「仕事もお菓子も積み上がる一方ですね」ｸｽｯ

提督「積み上がるのはお菓子だけにしてほしいよまったく」ｶﾀｽｸﾒ

高翌雄（よし、工廠関係は終了ね。次は……）

提督「……ん？」ﾋﾟﾀ

高翌雄「提督？何か、気がかりが？」

提督「気がかりというか、嫌な予感がする」

高翌雄「え？」

提督「今のところ、ここにお菓子を持ってきてくれたのは早い順に暁型、白露型、祥鳳型姉妹、十九駆、飛鷹型姉妹だったね」

高翌雄「ええ、そうでしたね」

提督「うちには現在軽く三桁の艦娘が所属しているんだが、この調子だと……」

高翌雄「……私も、嫌な予感がしてきました」

提督「だよねえ」

夕食前

提督「……いや、嬉しいんだぞ。嬉しいんだが」

提督「なんだこれは」

ﾄﾞｻｯ←お菓子の山

高翌雄「ええと、ええと……提督の人望の厚さ、ですかね」

提督「あー……それなら可視化できてよかったな、うん」

高翌雄「あるいは……」

提督「あるいは……？」

高翌雄「……うふっ。みんなから提督への愛かもしれませんね？」ﾆｺｯ

提督「ふふっ。そうかもしれないね。それもそれで困ったものだ」ﾆｯ

高翌雄「司令官も楽ではありませんね」ｳﾌﾌ

愛宕「提督？」ﾋｮｺｯ

提督「お。どうした？」

愛宕「うふふっ。安心してください、私たちで最後ですよ」

提督「なるほど」

摩耶「しっかし、予想以上の量だな」

高雄「みんな戦隊とか駆逐隊とか姉妹艦単位で用意してたものね。来年からはもう少し調整しようかしら」

鳥海「面白みはないけど、そのほうが良さそうね」

愛宕「焼き菓子にしたので多少は日持ちすると思いますけど、無理はなさらないでくださいね？」

提督「うん。そこは安心して」

食堂

ｺﾞﾁｿｳｻﾏﾃﾞｼﾀｰ

提督「さて、部屋に戻ろうか」

高雄「あ。先に戻っていただいてよろしいですか？すぐ参りますから」

提督「？ああ、分かったよ」

高雄型の部屋

高雄（……これで、よしっ！さあ、提督の部屋に行きましょ）

高雄（あの人は喜んでくれるかしら……うふふっ♪）

提督の私室

ｺﾝｺﾝ

高雄「高雄です」

提督「ああ」

ｶﾞﾁｬ

提督「何かあっtおおっ」

高雄「お待たせいたしました。遅くなりましたけど、私からの気持ちです」ｽｯ

提督「これは、わざわざ別に用意してくれたんだ？」

高雄「ええ。四戦隊としてだけでは私も物足りなかったので」

提督「ありがとう。嬉しいよ」ｷﾞｭｯ

高雄「あっ///」

高雄「もう。お礼の言葉にはまだ早いですよ」ｷﾞｭｯ

提督「全然早くないよ。さあ、入って」

高雄「はい」

提督「こういうの、包装を解くのがもったいなくていつも躊躇ってしまうんだよね」

高雄「お気持ちは分かりますけど、貴方に解いていただくための包装ですから」

提督「嬉しいこと言ってくれるなあ。じゃ、解かせてもらおうか」

提督「チョコクッキーか。おいしそうだ」

高雄「お口に合うと良いのですけど」

提督「既に口に合う気しかしてないよ。いただきます」

高雄「どうぞお召し上がりください」

提督「」ﾊﾟｸｯﾓｸﾞﾓｸﾞ

高雄「いかがですか……？」

提督「うん、おいしいよ。いい甘さ加減だ」

高雄「ありがとうございます」

提督「ダメなところがあるとすれば、ちょうどいい甘さだから無限に食べたくなるところぐらいかな」ﾌﾌｯ

高雄「ご安心を。ここにあるだけしか用意していませんから、無限には食べられませんよ」ﾆｺｯ

提督「それは残念だ」ﾆｯ

提督「あ。高雄、」

高雄「はい」

提督「はい」ｽｯ

高雄「あ、あの……これは？」

提督「せっかくなんだし一緒に食べない？」

高雄「あなたの分が減ってしまいますよ？」

提督「一緒に食べてるんだから、高雄が食べるのも僕が食べたみたいなものだよ」

高雄「ちょっと何をおっしゃっているのか分からなくなっていますよ」ｳﾌﾌ

提督「自分でもそう思ったよ」ｱﾊﾊ

高雄「でも、そういう謎理論で気遣ってくださるところ、好きですよ」ﾆｺｯ

提督「そういう不意打ちは良くないぞ。大好きだけどね」ﾆｺｯ

高雄「もうっ///」

高雄「ではお言葉に甘えて」

提督「あーん」

高雄「あー、んっ」ﾊﾟｸｯ



高雄「では私も」

高雄「あーん」

提督「あー、んっ」

提督「ふふっ、おいしいな」ﾆｺｯ

高雄「ええ、おいしいですね」ﾆｺｯ

提督「あ。もう最後の一つか」

高雄「あっという間でしたね」

提督「ね。高雄、食べる？」

高雄「まさか。貴方がお食べになってください」

提督「それもそうなんだけど、できれば分けたいよね」

高雄「どうやって分けます……？」

提督「……ポッキーゲームみたいな？」

高雄「ポッキーよりもかなり短いですよね」ｸｽｯ

提督「じゃあやらない？」

高雄「そうは申し上げていませんよ」

高雄「では、失礼して」ﾊﾟｸｯ

高雄「はい、どうぞ」

提督「いただきます」


ﾁｭｯ














ﾊﾟｷｯ

提督「んふふ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

高雄「うふふ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

高雄「もう、何が趣旨だったのか分からなくなってしまいましたね」

提督「そうだね。でも楽しかったからいいのいいの」ｷﾞｭｯ

高雄「そうですよね」ｷﾞｭｯ

提督「ごちそうさまでした」

高雄「お粗末さまでした」

提督「こんないいものもらったらお返しに困るな」

高雄「お返しだなんて、貴方がここにいてくだされば十分なんです」ﾑｷﾞｭｯ

提督「そう言われると逆に困るんだよね」ｷﾞｭｯ

提督「そう言えば高雄、最近全然わがまま言ってないよね。一つぐらいわがまま言わない？」

高雄「わがままの催促も久しぶりですね」ｳﾌｯ

高雄「わがままですか……」

高雄「ええと……その」

高雄「……今日はバレンタインデーですし明日は非番ですし、よろしければ……」

提督「よろしければ？」

高雄「……オールナイト、しませんか？///」

提督「」ｽﾞｷｭｰﾝ

提督「もちろんだよっ！」ｶﾞﾊﾞｯ

高雄「いやんっ♡」

愛宕「そして次の朝。提督と高雄は二人とも眠そうに食堂にやってきて、みんなからの『昨日何時に寝たの』『何してたの』というからかいの嵐に遭いましたとさ。めでたしめでたし♪」

摩耶（なんかこのパターン前も見たぞ）