魔法少女アレイスたん☆マギカ (144)

 終章
 体の感覚が失くなってくる。
 あれ程全身を叩くような痛みと灼熱の業火に焼かれるような熱さが、今となってはほとんど感じなくなっている。
 私は死ぬのだろう。
 体にどれだけ力を入れてもピクリとも動かない。体温も下がって、恐らくもうすぐにでもただの肉塊へと変り果てるだろう。
 無様だ。
 今の姿は誰がどう見ても無様に映るだろう。
 だがそれだけの事をしてきたのだ。仕方の無いことだ。
 リリスは無事に育つだろうか。反抗期などきたら...いや、ミナ=メイザースに任せておけば大丈夫だろう。少なくともまともに子育てをしていなかった私よりはいい。
 世界は、学園都市は、子供達は大丈夫だろうか。私が引っ掻き回した世界、これからも病みは必ず出てくる。それらに対抗しうるだけの力をそなえていればいいが...いや、他人の心配事など、私らしくないな。任せたのだから後は祈るよりも他はあるまい...

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  沈みゆく意識の中、アレイスター=クロウリーはぼんやりと考えていた。
 自分の娘の事、これからの未来の事を。問題はまだ山積みである。しかし心配する事はないだろう。
 何故なら、大人達の支配は終わり、これからは子供達が時代を築くのだから。彼ら彼女らを阻む壁がどれだけ高かろうと、どれだけ闇の力が強かろうと、対抗し、打ち勝つだけの力ある。そうアレイスターは信じていた。
 心配事といえばリリスに脅威が降りかかるかも知れないということだが、これもミナ=メイザースや子供達に任せて大丈夫だろう。

 などと考えている内に意識が朦朧としてきた。
 当然だ。アレイスターはただでさえオルソラやメイザースとの戦闘、コロンゾンの奇襲で重症を負っているのだ。これまで動けていた方が不自然なのだ。そして何よりもアレイスターの命を奪っていっているのは、コロンゾンの一撃による腹の風穴である。腹の穴からは今もおびただしい量の真っ赤な鮮血が溢れ出ていた。
 これから死ぬ。
 なのに胸の内は満足感でいっぱいだった。
 これまで不幸続きだった、失敗だらけだった、敗北ばかりだった。けれど今は違う。コロンゾンの野望を食い止め、リリスを救う為に皆を信じ、共に戦った。結果として自分が死ぬ事になっても、それでも構わなかった。リリスを救えれば、それで。
 心残りがあるとすれば父親としてリリスの成長を見られない事くらいか。
 ガゴンッッ!!という重い金属音が遠く聞こえた。この船もじきに沈む。そして暗い海底へと沈んでいくのだろう。
 全く良い人生とはいえなかった。しかしこういう最期も乙なものだ。
 そう思案するアレイスターの顔は満足気で晴れ晴れとしたものだった。たった一人の娘を守りきったとある男の、父親の人生が今幕を閉じようとしていた。






さあ、最期の時間だ




 アレイスターはイタズラを企てるような笑みを浮かべ、
 「それからこの場の後処理は私に任せたまえ。血の後処理なぞは君のような子供がする事ではない」
 「それはどういう.....!?」
 アレイスターが黒いマントを翻し鳥の血で描かれた巨大な魔方陣に覆い被せるようにして魔方陣の上を歩くと、どうやって取り除いたのかまるで何も無かったかのような綺麗な床が顔を出した。アレイスターはイタズラが成功したと言いたいような笑みを浮かべて、
 「これでいいだろう。鳥は適当な山にでも埋めておくよ。ああそこの男はそのまま放置していても問題ない。恐らく彼の知っている誰かさんに拾われるだろう」
 一方のメルヘン少女はアレイスターの鳥の血の後始末を見て何か考え事をしているようである。そして結論が出たのかメルヘン少女は顔を上げ、
 「.....今更の質問だけれど、あなた魔法少女よね?」
 まただ。どうやら彼女はただのイタイ女の子なのではなく、彼女の発言から魔法少女という存在がこの世界ではいるのだろうか?
 続けてメルヘン少女は
 「さっきの血のを消す時魔力らしい魔力を感知しなかった。だけどさっきみたいな事、魔法でもない限り出来ない事よね?あなた一体.....?」
 「私はただの『人間』だよ。何者でもない」
 魔法少女、物質化した魂。気になる事はあるが彼女もまたアレイスターに対して疑問を感じているようだ。それにアレイスターはこう答えた。
 自分は何者でもないただの『人間』だと。
 「話はそれで終わりかね?なら私は先に失礼させていただこうかね」
 「あ、ちょっと!」
 とアレイスターは鳥の死骸を手に取り、すっかり暗くなってしまった路地裏の外へ出る。それを黄色いメルヘン少女は呼び止めようとするがアレイスターはメルヘン少女に手を振るだけで歩みを止めず、闇の中へ消えていった。

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 なんとかこの場を穏便に済ませることができたマミであった。一方の銀の少女はイタズラを企てるような含み笑いをしていた。
 「それからこの場の後処理は私に任せたまえ。血の後処理なぞ君のような子供のすることではない」
 さらっと銀の少女に小馬鹿にされた。そりゃ確かに血の後処理なんかは年頃の少女がすることではないが、それふ彼女とて同じこと。見た目で人を判断してはいけないが、むしろ彼女の方が年下であろう。この場に第三者がいた場合、恐らくマミの方が年上というだろうと確信できる程目の前の少女は幼かった。やはりこの銀の少女は他人を馬鹿にするのが好きなようだ。
 ただ、この銀の少女の言い方ではこの場の後始末が出来るというようなことだったので、それが少し気になったので銀の少女に問おうとすると、
 「それはどういう.....!?」
 銀の少女は黒いマントを翻し鳥の血で描かれた魔方陣に覆い被さるようにして魔方陣の上を歩くと、まるで魔法でも使ったかのように、しかし魔力を一切感じられず、血の跡が取り除かれた、まるで何も無かったかのような綺麗な床が顔を出した。
 銀の少女はイタズラが成功したかのような笑みを浮かべ、
 「これでいいだろう。鳥は適当な山にでも埋めておくよ。ああそこの男はそのまま放置していても問題ない。恐らく彼の知っている誰かさんに拾われるだろう」
 .....彼女は本当に魔法少女なのだろうか?
 さっきの血を消す時、魔力らしい魔力を感知できなかった。あれは魔法でも使わない限り出来ないことだろう。それとも単に科学技術で血を取り除いたのだろうか?いや、それはない。いくら科学が発展している見滝原であってもあれほどの、それも血の跡を完全に取り除くことはできない。
 (キュウべえ、どう思う?)
 (.....)
 足下にいるキュウべえに話しかけても珍しくだんまりだし、本人に聞かなければ話にならない。

 「.....今更の質問だけれど、あなた魔法少女よね?」
 と銀の少女へ問いかける。続けて、
 「さっきの血を消す時、魔力らしい魔力を感知しなかった。だけどさっきみたいなこと、魔法でもない限り出来ないことよね?あなた一体.....?」
 と問いかけた。銀の少女はそれに対して、
 「私は『人間』だよ。何者でもない」
 と答えた。マミは『人間』というところが妙に頭に残った。何か彼女の大切な矜持のようなものをマミは感じ取った。などと考えている内に銀の少女は、
 「話はそれで終わりかね?なら私は先に失礼させていただこうかね」
 鳥の死骸を手に取ると、すっかり暗くなってしまった路地裏の外へ出ようとしていた。
 「あ、ちょっと!」
 マミは咄嗟に彼女を呼び止めようとするが、銀の少女は手を振るだけで歩みを止めず、そのまま闇夜へと体を溶かしていった。

 結局銀の少女がどこへ行ったかは分からなかった。それに一応治療したとはいえ黒いローブの男を放っておく訳にもいかなかった。それから間もなくして、黒いローブの男の知り合いだと言う人に男を引き渡し、銀の少女を探してみたが、見つからなかった。仕方がないので家に帰ることにした。
 なんとも不思議な出会いだった。
 人を小馬鹿にするかと思ったら年相応の子供っぽい側面を見せる。しかし不可解な点も多く、なんともミステリアス少女だったとマミは銀の少女へ思いを馳せていた。
 それに気になったのはそれだけではない。
 「キュゥべえ、あの時なんで黙っていたの?あの娘に何か気になることでもあったの?」
 あの時、マミが銀の少女が本当に魔法少女なのか疑問を感じていた時、キュゥべえに話しかけても返事が来ず、珍しくだんまりしていた時だった。それに関してキュゥべえは、
 「うん、あの少女は魔法少女の素質があったんだけれど、」
 「?、言葉を濁して、キュゥべえらしくないわね。魔法少女の素質があるのなら契約するんじゃないの?」
 やけに言葉を濁しているキュゥべえに疑問符が浮かぶマミ。
 「いつもならそうするんだけれどね。魔法少女の素質があったって言っても特殊でね、いわゆるイレギュラーってやつさ。それで少し不可解なところがあって僕でも彼女の正体は分かりかねたんだよ」
 あの銀の少女がキュゥべえに魔法少女の素質があると見込まれるのも驚きだが、この不思議小動物型生命体キュゥべえが彼女の正体が分からないと言ったのが衝撃的だった。
 「キュゥべえでも分からないこともあるのね。ちょっと意外だわ」
 この博識な不思議生命体が分からないことがあるというのが本当に意外だった。

 しかしキュゥべえが分からないのは本当に珍しく、マミはあの銀の少女について好奇心が湧いてきた。
 マミはティーカップに紅茶を注ぎながら、
 「キュゥべえ、聞くけどあの娘ってどこら辺が普通じゃなかったの?魔法少女になったらただの魔法少女にはならないってこと?」
 一方のキュゥべえはマミのソファーの上でゴロゴロしながら、
 「そうだね、彼女は普通の少女とは言えないかな。魔法少女の素質には因果律っていうのが関係しているんだけど、彼女の因果律は過去最高のものだったよ。それこそ史上最強の魔法少女になれる位にね。だけど不可解なことに彼女には因果律が収束しているだけじゃなかったんだ。僕にも分からない謎の力があってそれで魔法少女に出来るかどうか分からなかったんだ」
 「魔法少女の素質ってそういうので決まるのね。でもキュゥべえにも分からない謎の力が働いているせいで魔法少女に出来るかどうか分からないってことね」
 ますますミステリアスさが増していく銀の少女。最初、というか最後まで印象としては悪かったが、もしも彼女が魔法少女になった時、共に戦ってくれるだろうか。もう一人ぼっちにならなくていいのだろうか。
 (本当は巻き込んじゃいけないのかもしれないけど)
 キュゥべえは彼女のことについて考えているのか目線は上の空だ。
 そしてキュゥべえは、
 (あの力.....。何か懐かしいような、どこかで感じたような気がする)

 一方の銀の少女こと糞薬中バイセクシャルド変態魔法少女アレイスたんは鳥を近くの山へ埋め、ネット喫茶へ戻ってきていた。その頃には既に辺りが静まり返り、本格的な夜へと変貌していた。
 そして今日、街を散策した結果を頭の中で整理していた。
 (この街は科学の街のくせして魔法少女など随分とメルヘンチックなものを抱え込んでいるな)
 散策した結果を整理するといっても成果といえば夕方に出会ったあの魔法少女(?)と彼女の足下にいた謎の生命体についてだった。
 (気付いていないとでも思ったのかね)
 あの魔法少女(?)についてもそうだが何よりも奇妙だったのはあの謎の小動物型生命体だった。
 一見するとマスコットのような愛らしい見た目だが、アレイスターには解る。あれは別の星、別の世界からきたものだと。
 この街にある妙な違和感の正体の一つだった。
 (何処かで感じたことのあるものだと思ったが、あの小動物擬き、ネットワークを構築していたのか)
 ネットワーク。
 アレイスターがキュゥべえが別の星、別の世界から来たと断言出来る根拠がこれだった。
 アレイスターもかつては御坂美琴のDNAマップを元にクローンを製造し、そのクローンを使ってネットワーク、通称ミサカネットワークを構築していた。そのためか、キュゥべえの構築しているネットワークに気付いたのだ。そのネットワークの先が遥か遠くの宇宙まで繋がっていたのは驚きだったが。
 「さあて、どうしたものかねぇ」
 今日何度目になるかも分からない台詞を吐きながら、アレイスターはパソコンの前に座る。
 この街、というよりかはこの世界はどうもおかしい(アレイスターのいた世界も十分、なんならアレイスターの方が十分におかしい)。とりあえずは当座の目標はこの街についてインターネットや街の散策等で調べることである。勿論非合法な手段も用いるが。

 「巴マミ」
 辺りが喜びのムードになる中、暁美ほむらは巴マミの名前を短く呼んだ。
 「......何かしら?」
 先程和解したばかりだというのにほむらの目はなにやら鋭かった。
 「あなた、さっきのことがあってまだ魔女と闘える?」
 「......」
 「例えわたしと組んでもあなたは足手まといでしかないじゃないかしら?」
 「ちょっ、そんなこと言わなくても!!」
 「そうだよほむらちゃん、そんな言い方ってないよ!!」
 ほむらの棘のある言い方につい反抗する二人だったが、
 「いいのよ二人とも。ええ、わたしは多分もう魔女とは闘えないかもしれないわ。」
 認めた。後輩に弱いところを見せたがらない巴マミが今、弱音を吐いている。しかし、
 「でも、だからと言って魔女を野放しにする訳にはいかないわ。これはわたしのソウルジェムが穢れるから、グリーフシードが欲しいからじゃなくて、この街が魔女によって一般人が脅かされることが許せないから」
 固い決意と正義感だった。それとも後輩には弱いところは見せまいという意地だろうか?さっきは魔女に喰い殺される直前だというのに。
 しかしほむらもこの回答を予測していたのか、
 「ええ、そう言うと思ったわ。けどさっきも言った通り例えわたしとあなたが組んでもあなたは足手まといでしかない」
 「っ、!!」
 しかし、その後に続く言葉はマミの予想を反していた。
 「だから、わたしがあなたの代わりにこの街の平穏を守る。あなたも含めてみんなを魔女からわたしが守るわ」

 「いいの?」
 「ええ、勿論よ。約束する」
 予想外の返答に一瞬呆ける巴マミ。そして理解が現実に追い付いたのか、
 「ありがとう......!本当にありがとう......!!」
 「別に気にしなくていいわ。わたしにもわたしの目的があってその為にやっているだけですもの」
 「それでもよ。あなたはこの街を守ってくれるというのならわたしも嬉しいわ」
 この街の平和の為に闘ってくれている魔法少女がいる。その事実だけで励みになる。これからは魔法少女を一旦やめるがこの少女がいれば問題ないだろう。
 「それから......」
 と、くるりとほむらはアレイスターの方へと体の向きを変え、
 「今日は本当にありがとう。あなたのおかげで巴マミを救うことが出来たわ」
 「礼を言う必要は無いさ。私は私で勝手に動いていただけなのたからな」
 そう、ほむらが今日一番感謝したかったのは目の前にいる銀の少女だった。彼女のおかげで巴マミを救うことが出来たどころか今までにない程順調なスタートをきれた。
 と、ここで今まで空気だったキュゥべえがアレイスターへ話しかけてきた。
 「ねえ、突然で申し訳ないんだけど、アレイスター、今日はマミの家に泊まっていかないかい?ねえ、いいだろうマミ?」
 「ええ、そうね。そうだ、今日はわたしの家でみんなでパーティーをしましょう!」
 キュゥべえがアレイスターを巴マミの家に泊まっていかないかと言う誘いを受け、マミはそれを聞き家でパーティーすることを提案した。
 「いいな、それ。私はその提案は悪くはないと......

 言いかけた時、アレイスターに異変が起こった。
 「ごぶっ......」
 先程までは何の問題もなく、シャルロッテの攻撃も受けていない筈のアレイスターの口から血が垂れてきていた。それが引き金なのかアレイスターはその場にしゃがみこみ思いきり赤い鮮やかな血反吐を吐いた。
 「ごふ......ごほっごほ......」
 一瞬のことで何が起こったのか理解出来ずに固まってしまう少女達。そしてやっと理解が追い付き、
 「アレイスターちゃん大丈夫?!」
 「な、何が......?さっきの魔女にでもやられたの?!」
 まどかとさやかはアレイスターが血反吐を吐いたことに驚き、何をすればいいか分からない様子。精々アレイスターの心配をする他ないだろう。しかしベテランの魔法少女達は落ち着いているもので、
 「鹿目まどか、美樹さやか、応急処置をするからそこをどきなさい。巴マミ」
 「ええ、分かってるわ」
 ほむらが戸惑っているまどかとさやかをほむらがどかすと、入れ替わりでマミがアレイスターの前へと立った。そしてソウルジェムをアレイスターの前へと翳し、魔力を使った治療を開始した。
 「おお、美少女から治療を受けるとは......今日は珍しくついているな」
 「喋らないで。......なにこれ......何か呪いみたいなのが邪魔をして上手くいかないわ!」
 「いや、治療が出来ないというのなら結構だ。痛み位は引いたしな。そもそもこれは私自身が仕組んでいることだ、あまり気にするな」
 アレイスターはマミのソウルジェムを手でどかすとすくっと立ち上がった。
 「私は大丈夫だ。こんなことも慣れっこだしな」
 「あれだけ血を吐いているのに大丈夫なわけ......!」
 「では君の家で治療してくれないかな?折角のパーティーが私のせいで台無しになるわけにもいかないだろう?」

 「いや......でも......」
 「ではそこの暁美ほむらと言ったか。君が私をおぶってくれないか?そうすれば移動中も状態が悪化しないだろうしな」
 「本当にいいのかしら?ここは病院の敷地内でもあるのよ」
 「いや、病院は結構するよ。諸事情で病院にお世話になりにくくてな」
 「......分かったわ」
 「暁美さん!?」
 「治療ならあなたの家でも出来るでしょ?なら早くあなたの家へと連れてくべきだと思うけれど?それに本人がここまで言うのにも訳があるのでしょうし、その訳も含めてあなたの家で話させればいいでしょう?」
 ここで押しに弱いマミは、
 「......分かったわ。ただしあまり無茶はしないこと。分かった?」
 「ええ」
 「りょーかい」
 適当に返事をする銀の少女を心配するが、今は家に帰ることが先決だ。
 「じゃあ、アレイスターさんの為にも早く家に帰らなきゃね!」
 方針は決まった。後は家に帰るだけだ。
 「あんた大丈夫?スゲー血吐いてたけど......」
 「そうだよ。やっぱり病院に行った方が......」
 マミの家へと帰る途中でも後輩二人はアレイスターの心配をしていた。
 「くどいぞ。それ以上言うのならば私の夜の相手、詳しくはセッ○クスの相手をしてもらうぞ」
 ......ここで下ネタを言うところは歪みない変態少女擬きアレイスターだった。まどかとさやかは顔を真っ赤にしていた。
 「それに私よりもあの黄色い方を気にしたまえ」
 とアレイスターが後方へ指を指すとそこには足を震わせながら歩いているマミの姿があった。

 「マミさん大丈夫ですか?」
 「一旦休んだ方が......足も震えてますし......」
 「マミ、僕も休んだ方がいいと思うよ」
 みんな察していた。恐らく今まで見栄を張って恐怖を紛らわしていただけだと。当たり前だ人は誰でも恐怖から逃げたがる生き物だ。それに死の恐怖を味わってすぐにその恐怖が抜けるわけがないのだ。その為なのか魔女が居なくなった今でも魔法少女の格好をしている。普段の格好よりも魔法少女の方が心強いのかも知れない。しかしマミは後輩二人に迷惑をかけまいとしているのか、
 「大丈夫よ、みんな先に行ってて」
 強がりを見せるマミを見て二人は顔を合わせ、
 「わたしはマミさんのペースに合わせますよ」
 「マミさんにはあたし達がついていますから!」
 「僕も一緒にいるよ、マミ」
 「みんな......」
 マミは二人と一匹(?)を見てまた泣き出しそうになった。
 「ありがとう、ゆっくりだけどいいかしら?」
 「はい!」
 「勿論です!」
 「きゅっぷい!」
 この様子を遠目に見ていたほむらとアレイスター。
 「微笑ましいな」
 「ええ、そうね」
 三人と一匹(?)の先を歩きながら(アレイスターはおぶられながら)その光景を眺めていた。
 「君はあそこに混ざらなくていいのかね?」
 「そうしたいけどあなたを先に巴マミの家に行かせるのが先でしょ」
 「おっとそれは失礼」
 そうこうしている内に横断歩道に差し掛かった。先に行ってたほむらとアレイスターは渡れたが、他は渡れずに赤信号に足止めされていた。
 そして、












 ドンッとマミはまどかとさやかを突き飛ばした。
 それは何故か?答えはすぐそこにあった。そう走る大型トラックだ。
 そして、そして、そして───









ここまで前座、ここから本編





















ゴグシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァッッッッッッ!!!!!!と大型トラックがマミの体を撥ね飛ばした。



















 大型トラックはマミを撥ね飛ばした後、吹き飛んだマミの体を追うようにして再びマミへと追撃した。
 「「マミさん!!」」
 突き飛ばされてなんとかトラックに轢かれずにすんだ後輩二人はマミを呼ぶが時既に遅し。
 そして、
 ジャリジャリジャリジャリジャリジャリッッッッッッ!!!!!!という、タイヤと地面が噛む音が響く。どうやらタイヤが滑って上手く前へと進めないようだ。いや、正確にはタイヤと地面の間にある“何か”が潤滑油の役割をしているらしい。
 トラックのタイヤと地面の間から覗いたのは鮮血で赤く染まった黄色い髪。
 トラックのタイヤと地面の間にある“何か”とは、それは撥ね飛ばされたマミの頭だった。
 トラックがタイヤを回転ノコギリのように回転させる度にマミの頭部からは脳と脳脊髄液が撒き散らされる。また、辺りに散らばっている白い物体は頭蓋骨だろうか?脳と血液が潤滑油となりトラックの前進を一瞬だけ止めていたのだ。
 そして、そして、そして───










 パキンッというガラスが割れるような小さな音が、しかし全員の耳に届いた。










 「マミさん!!」
 「まどか!!危ない!!」
 「まどか!そこは危険だ、下がって!!」
 「でも、マミさんが......マミさんが......!!」
 助かる筈がない。分かりきっている筈なのにそれを頭が拒む。
 どうして、どうして、どうして。
 マミさんは何も悪いことはしていない筈なのに......一人ぼっちで闘ってきて、それでも歯を食い縛ってきたマミさんが、どうして......?
 「そこをどけえええええええぇぇぇぇッッッ!!!!」
 アレイスターの怒号がとぶ。そしてアレイスターの魔術で強化された渾身の右ストレートが炸裂した。そのおかげかトラックは一瞬だけ浮きその隙に身体強化した体でトラックをどかす。

 ほむらはマミの方へと駆け寄り、ソウルジェムを当てている。その間アレイスターはマミを轢いたクソ野郎の面を叩きのめす為にトラックの座席へと移動したのだが、
 「あ、」
 間抜けな声がでた。
 中にいたのは確かに小太りした中年の男で普通ならばこいつがクソ野郎ということなのだろう。
 しかし中にいたのはそいつだけではなかった。
 中年の男の首筋には魔女の意匠のような模様。奥には喪服のようなスーツやドレスを纏った出来損ないの人形のような奴ら。
 そう、こいつらは、
 「花嫁の魔女の......使い魔......!!」
 脳の血管が破裂するかと思った、あるいは歯が砕けるのかという程奥歯を噛み締めたか。
 アレイスターは右手と左手で銃のジェスチャーをとると、アレイスターの手から火花が散った。










ズガンッと、花嫁の魔女の使い魔をアレイスターは瞬殺した。









はい、ここから本編に入ります。やることはあまり変わりません。
※注意事項
・原作通り死人が出ます
・名前欄がウザイです(重要)
・コテハンがウザイです(重要)
・作者(私)の絡みや関係ないレス、ふざけがウザイです(重要)
・下ネタ上手くない癖して無理にぶっこんできます
・展開に無理があったりします(まあ基本私のオナニーですので)
・最後はハッピーエンドになります
まあ他にも色々あると思いますが以上のことが無理だという方は即ブラウザバックしてください。
あと本日入るのでもうふざけは控えます。
今まで通りぼちぼち投下していきます。飽きたらエタるかもしれません。どうかよろしくお願いいたしますm(_ _)m
ついでに登場人物
 禁書
・アレイスター
・コロンゾン
 まどマギ
・まどか
・ほむら
・さやか
・マミさん
・杏子
位かな?今のところ予定してるのは
それでは次回までノシ

あと『本日』入るのでもうふざけは控えます
×本日
○本編

何か質問があれば遠慮なく質問してください。出来る限り答えますので

質問っていうかなんていうか、俺もssを描いてる身で今スランプなんだよな...
とある風味(?)をどういう意識をして書いてるか教えてくれたりするとうれc

>>132
ぶっちゃけ自分はとある風味出せてないとおもうんですけどね
とあるは何かと比喩表現を使ったり、戦闘シーンなんかはゴッッッバッッッ!!!!みたいな大仰な擬音なんか使ったりしますね。それらを意識すればいいんじゃないでしょうか?自分はとある風味を出す練習もかねてこれを書いていますから実践あるのみとしか言い様かないのですが
これでいいでしょうか?お力になれればいいのですが

後は語彙力ぅ...ですかね

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