P「のり子、今日もかわいいぞ。」 (20)

3/30福田のり子生誕記念。
のり子は今日もかわいい。
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のり子「アタシ、プロデューサーのことが好きだから。覚悟してね!」

シアター所属のアイドル、福田のり子がプロデューサーにそう言った日からもうすぐ三ヶ月。

のり子「あ、おはよう、プロデューサー。...今日も大好きだよ。」

  P「おお、おはようのり子。今日は早いな。」

のり子「今日撮影あるでしょ?一緒に行けるかなと思って。」

  P「今日の運転は俺じゃないぞ。」

のり子「ええ~せっかく色々準備してきたのに~。」

  P「仕事が多いんだよ仕事が。って準備ってなんだ?」

のり子「お弁当...。」

  P「それなら今渡してくれても良いんじゃないか。」

のり子「...あと大人な下着とミニスカート。」

  P「......。」

のり子「...少し興奮した?」

  P「なあ、その下着って今履いてるのか?」

のり子「うん。バイクだったからスカートはこっちで履こうと思ったんだけど。」

  P「のり子。撮影場所で着替えるときにその下着って共演者に見られるんじゃないか?」

のり子「あ。」

  P「...替えの下着は?」

のり子「...ない。」

  P「馬鹿野郎!移動まで何分だ!?普通の下着買ってきなさい!」

のり子「ご、ごめんなさ~い!」

あの日からもうすぐ三ヶ月。最近のり子はこんな調子である。

のり子「今日はごめんってプロデューサー...機嫌直してよ~。」

  P「なあ、前に言ったよな?普段はどう振舞ってても仕事はきっちりやるって。」

のり子「そうだけどさ...」

  P「とにかくだ。明日からは普通の服で来ること。」

のり子「...下着も?」

  P「当たり前だろ!っていうか服より下着が問題なんだよ!」

のり子「ごめん!ごめんって!下着は冗談!ジョークだって!」

  P「まったく。で大人の下着?なんて一人で買いに行ったのか?」

のり子「んーん。莉緒姉と。」

  P「軽くでいいからどんな下着か聞いてもいいか...?」

のり子「...えっと簡単に言うと赤いので、あと...薄いの。」

  P「分かった。それ以上言わなくていい。」

のり子「うん...。顔が熱くなってきた...。」

  P「莉緒との付き合いも制限した方がいいかもしれないな...。」

のり子「...プロデューサーはあんまり好きじゃない?」

  P「多分、初めて見たら引くと思うわ。」

のり子「...今度からこのみさんと行くよ。」

  P「それも...まあいいや。見ることもないだろうし。」

のり子「む...。」

  P「何か?」

のり子「ラッキースケベ?ってのがあるかもしれないじゃん。」

  P「お前更衣室のカギ閉めないとかホントやめろよ?...前もまつりにどつかれたんだから。」

のり子「反射的に胸を見たプロデューサーが悪いでしょ。」
 
  P「いや、そりゃ見るだろ...。」

のり子「...あ、アタシの方が大っきいんだけど。」

  P「そうだね。」

のり子「なにさ、その反応!」

  P「はいはい。そろそろ飯食うか。」

のり子「何か釈然としないんだけど...。」

  P「...ごちそうさま。」

のり子「ごちそうさま。今日はどうだったプロデューサー?」

  P「今日は、って今日も、肉だっただろ。それとサラダ。」

のり子「いいじゃんお肉。おいしいんだもん。」

  P「いやおいしいよ。おいしいけどさあ。」

のり子「お酒は飲む?」

  P「飲む。」


のり子「はい。アタシもいい?」

  P「ダメ。一応未成年だろ。」

のり子「大学生とかじゃ飲むの普通じゃん。プロデューサーも飲んでたでしょ?」

  P「俺はな。けどのり子はダメだ。のり子は飲むと無防備になりすぎるんだよ。」

のり子「...まあ、そうかもしれないけど。」

  P「いつか慣れるかもしれないけどさ。学校とかでも飲むなよ。危ないんだから。」

のり子「週刊誌とかあるから?」

  P「それもだけど。...男共だって何考えてるか分かんないんだからな。」

のり子「...心配してくれるんだ?」

  P「心配するに決まってるだろ。」

のり子「もう...。そういうストレートなのは禁止だよ...。」

  P「顔、赤いぞ。」

のり子「言わなくてもいいって!」

  P「相変わらずこういうので赤くなるんだな。」

のり子「...うるさい。」

  P「毎日、俺に好きだとか言ってくるのに。」

のり子「うるさ~い!」

  P「はいはい。まあこういうので揶揄うのは良くないな。すまん。」

のり子「...だって毎日言うって決めたんだもん。」

  P「恋愛は攻めてこそ。だっけ?」

のり子「そうだよ。アタシだってホントは恥ずかしいんだけど...!」

  P「本当に欠かさず続けてるんだもんな。それはすごいよ。」

のり子「...単純接触の原理だとかなんとかっていうのもあるし。」

  P「まあ他の人間が聞いてないところであったらいくら言っても構わないよ。」

のり子「そこは気を付けてるから...。」

  P「いや前危なかったろ。急に美奈子が入ってきたとき。」

のり子「う。」

  P「プロデューサー、好きだよ「わっほーい!」...中華。だっけ?」

のり子「あれ大変だったんだから。美奈子にたらふく食べさせられて...。」

  P「それは同情するが。」

のり子「......ねえ、プロデューサー?」

  P「あの時言った通り、俺がのり子に好きっていうことはないからな。」

のり子「わかってるよ。そういうのにけじめをつけなきゃいけないって約束も。そうじゃなくて。」

  P「何だ?」

のり子「私、迷惑...嫌じゃない?」

  P「......。」

のり子「あの時トップアイドルになったら考えるって言ってくれたけどさ。」
のり子「それってアタシが落ち込まないように言ってくれただけじゃないかって...」

  P「あのな、のり子。」

のり子「いやっ、ごめん!聞かなかったことにして!今日は帰るね...」

  P「のり子。」

のり子「な、何...?」

  P「今日の服装のことなんだけどな。...のり子はああいう無理なことしなくたってかわいいんだから、
    いつもどおり自分の思った格好でいればいいんだぞ。」

のり子「えっ、ど、どうしたの急に。」

  P「急にって。俺はいつものり子のことがかわいいと思ってるって言ってるだけだよ。」

のり子「か、かわいいってそんなに言わなくていいから!」

  P「嫌だ。のり子が俺を好きだっていう分、俺ものり子のことをかわいいっていうからな。」

のり子「...それって。プロデューサー。」

  P「...だから不安になんてならなくていいからな。」

のり子「...ありがと。」

  P「俺だって照れるんだからなこういうのは....」

のり子「うん。ありがと。プロデューサー...大好きだよ。」

  P「...自信もっていいんだからな。のり子はかわいいんだから。」

あの日から三ヶ月が過ぎた。最近のり子は前にも増して仕事の調子がいい。

美咲 「あっ、のり子ちゃん!前のドラマの撮影、監督さんが褒めてましたよ!」

のり子「そうなの?ありがと美咲さん。今度また会ったらあいさつしとくね!」

  P「は~い。じゃあ衣装づくりに行ってきま~す。」

のり子「いってらっしゃーい。」

のり子「よ~し。今日も頑張るか!」

  P「よう。のり子。今日も早いな。」

のり子「朝は来てる子も少ないし、気合も入れたいし!...ね、それより」

  P「ん。」

のり子「おはようプロデューサー...大好きだよ。」

  P「おはようのり子。...今日もかわいいぞ。」

 おわり

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