妹「急にアンタの部屋に呼び出されたかと思えば…、特に変わったところはないじゃない」
ワイ「め、女神様ですか!?」
妹「は?」
ワイ「ワイのチート能力はどんなんや!?」
妹「何言って」
ワイ「女の子と出会った瞬間ヤレる能力ゥ!? ハァハァ…興奮して来たで! まずはお前からや!」ボロン
妹「最悪…。……って、やめて! 触らないで!」
ワイ「ハァハァ…! あかん! あかん…イッてまう!」
妹「やめて! 胸元でしごかないで!」
ワイ「アァ〜!」ドピュルルルル
妹「さ…最悪…」
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ワイ「…ハッ! 最高や! 最高やこの能力! 女神様に手コキしてもらえたで! 次は街の住人や! 奴隷少女の膣に入れたるで!」ドタバタ
妹「で、出て行った…。何なの…、何年かぶりに部屋から出てきたと思ったら…。前までは『死にたい』ってばっか言ってたくせに…」
妹「……!?」
妹「もう…そんな次元じゃ、ないって言うの…?」
妹「…なら…、虚構と現実の区別も完璧につかなくなっているなら……、あの人は…!」
妹「追いかけなきゃ……!」
ワイ「ヒャッホ〜! ナーロッパの街は最高や! 見渡す限り女の子や! アァ〜! もう誰でもええわい! お前に決めたぞォ〜!」
一般JK「ヒッ!」
ワイ「ほぉ〜! 逃げへんのやな! ええ判断や! そのまま尻向けてくれたらもっとええ判断やで〜!」ガバッ
一般JK「あ……あ……(声、が…出ない。体も…動かない…。駄目…、こ、怖、くて…)」
一般JK「(出せ…声、声を出せ、私…! 声を出せええ!)」
一般JK「…タッ…タスケ…(だ…駄目…だ…)」
ワイ「アハハハハ! ええ顔! ええ表情!」ボロン
ワイ「ああああああああかん! あかんん! 尻を出せえ!」
一般JK「や…やめ…(駄目…! パ、パンツが…!)」
一般JK「(入る…! 入るってえええええ!)」
一般JK「ふ…ふざけんなこのクソジジイ! 離せ! 離せえええええええ!」
ワイ「もう…遅いで」ヌポッ
一般JK「ヒッ…(も…う…、嫌…)」
パコパコパコパコ
一般JK「許…して…。許してえぇ……!」
ワイ「ヒャッホ〜! JKの膣は最高やで! お前処女やろ!? ええ感じや! えええええええ感じやあでえええ!」
一般JK「も……や、め……。……ァァ…」
一般JK「(だから…だからウチは、都会に行きたかった…。幸子と都会に行って……、親元から離れて……)」
一般JK「(…こんな田舎…声を上げても、誰も……──)」
妹「──やめろおおおお!」バコンッ!
ワイ「ぎゃわぁ!?」ズザザザッ
ワイ「ア……ア……」
ワイ「あああああああああ!」ドピュルルルル!
ワイ「どうしてくれんねん…! どうしてくれんねん! このクソ女がァ! 膣に…膣に出す予定やったんやぞ! くそガキがああああああ!」
妹「もう…[ピーーー]よ、アンタ」
ワイ「アァ!?」
妹「子供の頃は優しかった…。孤立してた私の、救いだった…。でも──」
ワイ「あはあはあはあはあはあは! ははははははハァ! 分かったで! 2Pイベントや! やっぱ異世界転生って最高やァ!」
ワイ「次は何や!? 奴隷か!? 奴隷少女か!? そっからそっから!? 魔王!? この世界に魔王はおるんか!? ワイの無双チーレムの始まりやァァァァ!」
妹「……かけるべき言葉も、見つからないよ」ピポパポ
妹「…!?(いつの間に!?)」ガバッ
ワイ「スーハースーハー…あぁあかん! 女神最高や! この精巧な目鼻立ち! 萌えを追求したみたいなその顔! このおっぱい! ママァ! ママァァァァァァ!」
ワイ「おぎゃああああああああああ!」シコシコ…ドピュルルルル!
ワイ「疲れたで…。疲れた、で…」
ワイ「女神様、膝枕してくれ…や…」
ワイ「ア…ァ…」スヤスヤ
妹「……」
妹「…私の、兄です…。〇〇〇〇で、兄が女の子に強姦を…。…はい、はい…。分かりました…」
一般JK「私の…あ、に…?」
妹「はい…。すみません…では、収まりきれないですよね」
一般JK「いえ……あなたが謝る必要なんて…どこにもないんです」
一般JK「そこの…クソジジイのせいですから…」
一般JK「何が異世界転生ですか…。異世界なんて…あるわけないのに」
妹「……。(異世界転生…。聞いたことある。というか、お兄ちゃんの部屋に、ズラリとそんな題材の本が並んである)」
妹「…。(一体……──)」
妹「……え?」
妹「(熱…い…)」
妹「(声、が…。体…も…)」
妹「(痛い…かも…。…いや、痛い。痛い…これは──)」
妹「アァァァァァァァァァァァッ……!」
妹「おに…い…ちゃ──」
ワイ「──魔王、はっけ〜ん!」
ワイ「道端に剣が落ちとるなんて運がいいで! これで魔王のお腹をグリグリしてサァァァ! 殺して殺してコロチテコロチテエエエエエ! ワイは異世界の勇者になるんやあああああああああ!」
妹「(駄目…だ。岩……、食い込んで…、アァ…入る…。全部……)」
妹「(ねぇ…、お兄ちゃん…。何が…何が駄目だったのかな…あ…。どこで…間違ったの、かなぁ…)」
妹「(学生の頃は確か…友達、いたんじゃなかったっけ…。いい大学にも…行ったよね…。…でも…就職してから…おかしくなっちゃったんだよね…)」
妹「(俺はこの程度の人間じゃないって言って…、与えられた仕事を放棄し続けたって…ママから聞いてる。お兄ちゃん…、そこで、間違ったんだね…)」
妹「(私に…何か、できたのかなぁ…。ママから…、冷たくしろって、お兄ちゃんが仕事辞めてから、ずっと言われてた…。だから、その通りにしてたけど、ね…、ずっと、お兄ちゃんのこと…好きだった。大好き…だった)」
妹「(私がいるよ…って、……言って、あげればよかったの、かな……あ……)」
一般JK「ア……あ……(殺される…! 次は…、次はウチだ……!)」
一般JK「うわああああああああ!」
ワイ「おい! 何で逃げるんだヨォ! ワイは魔王を倒したんや──」
ワイ「だ、誰や!? 誰やアンタら! 男の分際で気安く触ってんじゃねえええ!」
警官A「動くな! 動くなって言ってんだろ!」
ワイ「ワイは世界を救ったんや! ワイが異世界の勇者や! これからチーレムの幕開けなんやあああああ!」
警官B「こいつ…何言ってやがる…!」
ワイ「ワイは勇者や! ハーレムでウハウハになるんや! てめえらとは違うんだァァ! 与えられた仕事をこなし続けて、何が楽しいいいイイイイ!?」
ワイ「離せ! ハナセエエエエエエエエエエ──」
一般JK「はあ、はあ…ここまで、逃げれば…」
一般JK「(ていうか…ウチ、何で逃げてるんだっけ…)」
一般JK「(帰る場所なんて……ないのに)」
一般JK「──殺されておけば…良かった」
一般JK「異世界が、もしあったら」
一般JK「異世界転生……できたかもしれないのに」
一般JK「ただいま…」
母「……」
父「……」
一般JK「……今日、強姦された」
一般JK「色々と…警察の方にしてもらった」
母「……話しかけないで」
父「だから何だって言うんだい? 必要最低限のこと以外、僕たちに話しかけない約束だったよね? それは必要最低限のことかい? もしそうだとしても、僕たちにも既に警察から連絡が来てるって分かるよね? 分かるよね?」
一般JK「……はい」スタスタ
父「待ちなさい」
父「今何時だと思ってるんだ?」
一般JK「……」
父「門限は二十時までだ。どこをぶらついてたんだい?」
母「……」
一般JK「……」
父「洗濯物を干してきなさい」
父「魔王を倒してきなさい」
父「夕食のスパゲティの中でおしっこをしなさい」
父「人を殺してきなさい」
父「死後の世界は信じるかい?」
父「異世界はあるって、お父さんは信じてるよ」
一般JK「(駄目だ、やっぱり話にならない)」
一般JK「(ここまで精神がおかしくなってるのに、どうしてママは何もしないんだろう)」
一般JK「(答えは分かってる)」
一般JK「(面倒なんでしょ)」スタスタ
ガチャリ
一般JK「ふぅ…。(やっぱり、自分の部屋が一番落ち着く)」
一般JK「それにしても、不思議だなぁ」
一般JK「あんなことがあったっていうのに、もう遠い日のことみたいに思える」
一般JK「お父さんにもいっぱいヤられたからかなぁ」
一般JK「ね、幸子」
一般JK「……あはは、そうかなぁ」
一般JK「幸子だけだね、私を分かってくれるの」
一般JK「…あれ、幸子…、耳のところが解れてるよ。直してあげるね」
一般JK「……ねえ、幸子、……異世界ってあるのかなぁ」
一般JK「私はね、あると思ってるよ。死んだらね、異世界に転生して、チート能力を授かって、イケメンを仲間にして日夜ヤリまくれるんだ」
一般JK「……え? 前までは否定してたのに、急にどうしたって?」
一般JK「あはは、どうしてかなぁ」
一般JK「今日襲ってきたおじさんね、異世界転生したと思い込んでたんだけどね、その人のおかげかも」
一般JK「あのおじさん、すごい煌びやかだった。初めは怖かったけど、思い出せば、とても楽しそうで、嬉しそうだった」
一般JK「異世界がないなんて、誰が決めたんだろう」
一般JK「異世界に行けないなんて、誰が……決めたんだろうね…」
一般JK「……死後のことは、誰にも分からない」
一般JK「そう……分からない」
一般JK「わ……分からない、けど、ね…?」ガクガク
一般JK「[ピーーー]ば……、わ、分かる、よね…?」ガクガク
ガララッ
一般JK「高い……。マンションの4階から飛び降りるん、だ……。し、死ぬ、よ…。あはは、死ぬ、死ぬ…」ガクガク
一般JK「あ、はは……は──」
幸子「(誰よりも、健常者だと思ってた)」
幸子「(声も出ない、足も動かせない、そんな私に、お姉ちゃんはたっぷりの愛情を注いでくれた)」
幸子「(ママはアルコール中毒者)」
幸子「(パパはここ数年、世間を賑わせてる、幼女だけにターゲットを絞った快楽殺人鬼)」
幸子「(お姉ちゃんは、少し、異世界とやらに現実逃避をすることもあったけど、私を守ってくれていた)」
幸子「(だから私は……今日の今日まで、生きてこられた)」
幸子「(生きて…こられたんだ)」
幸子「(ねえ、お姉ちゃん)」
幸子「(お姉ちゃん)」
幸子「(大好きだよ)」
幸子「(だから…)」
ガクガク
幸子「(わ…私、は…)」ガクガク
幸子「(お姉ちゃんが…、お姉ちゃん、だけ、が…)」ガクガク
幸子「(…駄目、だ)」
幸子「(死んじゃ、駄目だ)」
幸子「(ずっと、お姉ちゃんに守られてきた)」
幸子「(だから…、私は──)」
バタンッ!
母「……」
母「あの子を強姦した男は自殺した。新しい異世界に転生する…って」
母「あと…呼んでる。下で、警察が」
母「…あの子は、どこ?」
幸子「……」首ブンブン
母「…ッ」
母「面倒くせえことすんじゃねえよカス…」
バタン
幸子「……」
幸子「…………」
幸子「………………」
幸子「……。(はは)」
幸子「(……お姉ちゃん、私、昔からお姉ちゃんが好きになったもの、全部好きになるんだ。それでね、お姉ちゃんよりも詳しくなるんだ)」
幸子「(確かね、異世界転生の方法はね、ただ死ぬだけじゃ駄目なんだ。どこかの本に書いてたよ。ライトノベル…って、言うんだっけ? あれ)」
幸子「(…あれ、それじゃ駄目だ)」
幸子「(私だけ異世界転生しても、お姉ちゃんに会えないよ)」
幸子「(じゃあ、普通に……死のう、かな)」ガクガク
幸子「(……お姉、ちゃん…)」ガクガク
幸子「(……会える、……と……)」ガクガク
幸子「(いい……ね──)」
見た人なんていない気がするけど終わった。自分お疲れ様
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