【艦これ】陰陽師日進物語 (9)
元ネタギャグマンガ日和
提督「ついにこの鎮守府も寮を増設して艦娘をもっと受け入れる許可がでた!」
提督「だが、その寮へと改装する廃墟には、私が着任する前の大規模作戦で轟沈した艦娘の幽霊が出るという噂が流れている!」
提督「除霊しとかないと、このままでは事故が多発する鎮守府になりかねん!」
提督「そんなわけで、呉から陰陽師の日進さんに来ていただきました」
日進「おばけめっちゃ怖い」
暁「なんか言ってるー!!」
提督「日進さんにはこの鎮守府一のレディーである暁を付けますので、幽霊の件よろしくお願いします!」
暁「え」
R要素はないです。
暁「なんで、夜に調査に出る必要があるのよー。何も出ないといいわね」
日進「出てたまるか」
暁「ホント頼むわね。幽霊て私苦手なんだから」
日進「おどりゃ! 幽霊て言うな、おばけと言うのじゃ!」
暁「怖いの?!」
暁「あ、例の建物が見えてきたわ。あそこが幽……おばけの出るという噂の廃墟施設よ」
日進「もう無理じゃ」
暁「なんで無理なの!?」
暁「とにかく、ここでとどまっていても何も進展しないわ、建物の中に入ってみるわね」
暁「ひ~、本当になんか出てきそうだわ。どう思う、日進さん?」
山城幽霊「……不幸だわ」
暁「きゃああああああ!!!! ホントに出たあああああああ!!!」
日進「」
暁「ごめんなさい!ごめんなさい!許してください! 命だけは助けて! あ、これ伊良湖モナカです。差し上げます! 中に餅が入ってます! どうかこれで許してください!」
暁「ハッ! こんな時こそ日進さんの出番だわ。日進さんお願い!」
日進「もういいから、わしを沈めるのじゃ」
暁「諦めちゃってる!!」ガビーン
日進「生まれ変わったら、アーマードコアの新作やりたいのじゃ」
暁「なに来世に期待しちゃってるの!?」
日進「アーマードコア6来世で発売しているとええなぁ」
暁「とにかくここを離れるわよ! 日進ちゃん歩いて!」
日進「それならワシを運ぶのじゃ、腰が抜けて立てん」
暁「まったく、手間の掛かる水母なのだわ」プンスカ!
暁「く~、重い~」
山城幽霊「ばぁ♪」
暁「きゃああああ!いやあああああ! 日進ちゃんなんとかしてー!」
日進「うわーん!パパ助けてー!!」
暁「どうしよう。日進ちゃんがショックのあまり、見た目通りの精神年齢になってしまったわ! 陰陽師でしょ? もう式神でもなんでもいいから出してなんとか出来ないの!?」
日進「……しき……がみ? は、その手があったのじゃ! 重カラサワカラサワイザナミイザナミアラキデアラキデ」
ポン(式神が出る音)
朝潮「駆逐艦は艦隊の屋台骨です」
暁「なんか朝潮ちゃんが出た」
日進「なんじゃこ奴は、式神なのか?」
暁「いや、どう見てもただの駆逐艦よ!」
日進「重逆バトバト範サブオックスオックスタンクアンチ中カラサワカラサワアマテラスオックスオックスネズミKEオート速スト速ストタンク肩指定ヨロ」
ポポポポポン(式神がいっぱい出る音)
大潮「大潮です!」
満潮「なんで私ここに呼ばれたのかしら」
荒潮「あ・ら・し・お・よ」
霰「んちゃ」
霞「フン!」
暁「うわぁ! どうするの!?こんなにいっぱい朝潮型を呼び出して!」
日進「ほいじゃ次は呪文を変えてみるけんのう。アイムシンカートゥートゥートゥトートゥトゥーゴーゴーリムファイアエビノカラアゲ」
ポン(式神が出る略)
暁「あ、今度は朝潮型じゃないわ」
卯月「ぴょんぱらりー」
暁「また駆逐艦が出た」
卯月「うーちゃんはただの駆逐艦じゃないぴょん♪ うーちゃんは、うさぎの精ぴょん!」
暁「どう見てもいつもの卯月ちゃんなんだけど……」
日進「のう、暁よ。これは式神なのか?」
暁「いや、知らないわよ」
卯月「うーちゃんは式神ぴょん」
日進「初めて式神が出た。よし、あのおばけを倒すのじゃ! レールガンハンデレールガン!」
卯月「……そんなものないぴょん」
幽霊山城「きゃー可愛い!」
暁「え」
幽霊山城「なにこの子可愛い。めっちゃ可愛い。私うさぎっぽい子大好き」
卯月「頭撫でるの止めるぴょん。どうせなら耳撫でて欲しいぴょん」
暁「ちょっと貴女何よ!今までの怖いキャラはなんだったのよ!」
山城幽霊「いや、なんかそういうのを求められているのかと思って幽霊だし。ひょっとして怖かったのかしら」
暁「滅茶苦茶怖かったわよ! 怖がって損したわ! モナカ返してよ!」
朝潮「損得を一々気にしていたら駆逐艦は務まりません」
暁「誰もそんなこと聞いてないわ。でも良かったー。怖い霊じゃなくて。ね、日進ちゃん?」
日進「まだまだ十二分に怖いのじゃ!」
暁「……もう日進ちゃんは帰った方がいいと思う」
おばけ山城「それでこんな廃墟になんの用なの?」
暁「私達はあなたを除霊しに……」
おばけ山城「それは困るわね。私にはやり残したことがあるの」
暁「え、それは」
卯月「あぁん。もっと耳コシコシしてぇ……」
おばけ山城「あれは十年前、この鎮守府に深海棲艦の攻撃があった時のことよ」
おばけ山城「激しい攻撃の中、随伴艦の時雨とはぐれてしまって。鎮守府の中で時雨を探していたら攻撃に混じって降り注いできたカジキマグロに刺さって死んでしまったのよ」
おばけ山城「時雨を見つけるまでは成仏できないわ」
暁「そうだったの……。ねえ、日進ちゃん。十年前にいた時雨さんを探してあげられないかしら?」
日進「いや、もう死んでるじゃろ」
幽霊山城「お願い!!!時雨を探して!!!!!」
日進「ビクゥ!」
日進「ワタシハナニカサレタヨウダ。ニンゲンデナクナッテシマッタ。ムラクモヲシュウゲキシタイ」
暁「どうしよう。この人、驚くほど使えないわ」
卯月「人探しなら任せるぴょん!」
暁「あ、卯月ちゃん」
卯月「ぴょんぱらりー♪ うーちゃん神通力が使えるから、数キロ圏内ならどこにいるのか探すことは可能ぴょん」
暁「じゃあお願いするわね卯月ちゃん」
卯月「耳をコシコシされていい感じにゲージが溜まっているぴょん。それ!」
卯月「必、殺! 13号電探!」
暁「電探なの!?」
卯月「む、電探に感ありぴょん! 東の砂浜に妖精になった時雨の反応を見つけたぴょん!」
走って東の海岸に移動する暁達。
日進「のう、暁よ。これは一体なんの集団なんじゃ?」
朝潮「遠征で鍛えた駆逐艦の足を舐めないで頂きましょうか!」
大潮「遠征なら大潮にお任せ下さい!」
満潮「……なんで私こんなことに付き合っているのかしら?」
荒潮「あははは! みwんwなwいwそwがwしwそwうwwwwww」
霰「んちゃ」
霞「あーもうホント見てらんないったら!」
暁「いや、なんで貴女たちまで追いてきてるのよ!?」
おばけ山城「いた!あのアホ毛があって夜戦ではしゃいでなくて妖精の方が時雨よ!」
暁「ええ、夜戦で喜んでる妖精じゃない軽巡の方は時雨じゃないわね」
おばけ山城「……時雨元気ないわね……」
暁「でもこれで安心して消えることが出来るでしょ? おばけさん」
おばけ山城「……おばけさん……」
暁「あ、このまま行ったら川内さんを驚かせてしまうわ。姿消すこと出来る?」
おばけ山「消えたかしら?」
暁「ちょっとしか消えてないわ」
おばけ「ちゃんと消えた?」
日進「うわーん! めっちゃ怖いのじゃー! パパ助けてー!」
暁「ああ、またショックで日進ちゃんが泣き出してしまったわ」
日進「大丈夫じゃけえ、涙の数だけ強くなれると聞いた覚えがあるけんのう」
暁「トゥモロウ!?」
暁「あ、あの時雨妖精、山城さんに気づいたみたいだわ。見えないハズなのに、ねえ日進ちゃん」
日進「何故じゃ。こんなに泣いたのに胸の戦闘力がまるで増えてない」
暁「日進ちゃん……」
卯月「もともと艦娘は霊力の強い生物ぴょん。艦娘が解体されたり、陸上で死んだ場合は無数の妖精へと分裂することもあるぴょん。艦娘から生まれた妖精が霊力強いのは当然で、あの時雨妖精が山城幽霊に気が付くのは当たり前だぴょん」
日進「おどりゃー!何急に怖い話をしちょるんじゃー!」
暁「あんた荷物まとめて帰れ」
おばけ山城「……あ、………時雨死んだ」
その時雨妖精は山城さんと一緒に幸せそうな顔して成仏していきました。
日進「のう、あの妖精待っていたんじゃないのかのう」
暁「日進ちゃんもそう思う?」
日進「あの時雨、きっと山城が探しに来てくれるのをずっと待っておったと思うんじゃ」
暁「ちょっと感動的よね」
朝潮「でも待っているだけじゃだめなんです」
大潮「駆逐艦は常に先制して行動しないと!」
荒潮「だめなのよ♪」
霰「……いつ遠征班から外されるか分からない」
霞「だったらなによ!」
朝潮「突っ走るしかないんです。何故なら私達は――」
朝潮型達「駆逐艦なのだから!」
満潮「いやなにこの流れ」
暁「わ~、朝潮ちゃん達が無理やり締めたわ! 良い話が台無しよ!」
終わり
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