男「……ん」グビグビ
男「なんだぁ~? 変な奴が目の前にいるぞぉ~?」ゴシゴシ
死神「変な奴とは失敬な、私は死神だ」
男「死神ぃ~?」
死神「私の姿が見えるとは、貴様とは波長が合うようだ」
死神「貴様にはこのノートを授けよう」
男「なんだそりゃ?」
死神「これは名前を書くとその者を泥酔させることができる“泥酔ノート”だ」
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男「名前を書くとぉ?」
死神「正確には顔も知っていなければならないがな」
男「へぇ~、おもしれえ」
男「だけど、なんの役に立つんだぁ? そんなもん」
死神「使い道なら色々あるぞ」ニヤ…
死神「たとえば、貴様とライバルがある試験を受けるとしよう」
男「ふんふん」
死神「その時、ライバルの名前をノートに書いておけば……」
~
ライバル『あれ……急に考える力がなくなってきたぁ~……』
男『ふふふ……これでライバルは落第点だ』
~
死神「貴様は労せずして、ライバルに勝利できる」
男「ほぉ~」
死神「他にも、ある女性を恋敵と奪い合いになった時」
死神「そいつがその女性といる時を狙って、泥酔させれば……」
~
恋敵『ほげほげほげぇ~! 急に脱ぎたくなってきたぞ~!』ヌギヌギ
女『やだ! あなたなんて大嫌い!』
~
死神「恋敵の好感度を最低レベルまで下げることができる」
男「なるほどぉ~」
死神「もっと直接危害を加える方法もあるぞ?」
男「へえ?」
死神「ムカつく奴が車を運転してるであろう時間に、そいつの名前を書けば……」
~
ムカつく奴『な、なんだ? 急に酔っ払ったような気分に……』
ムカつく奴『う、うわぁ~っ!!!』
キキーッ! ドカーンッ!
~
死神「大怪我させたり、殺したりすることも可能……!」
男「デスノートみたいなこともできるってわけかぁ」
死神「うまく使えば、もっと大きな被害を生み出すことも可能だ」
~
機長『あ~……なんか今日はいい気分だな……急降下だーっ!』
副機長『機長、なにやってるんですか!? 墜落しちゃいますよぉ!』
~
死神「電車や飛行機の運転者を酔っ払わせることでな……」
男「恐ろしいねえ……」
死神「国を動かすことだってできる」
死神「気に食わない政治家が選挙演説でもやってる時に泥酔させれば……」
~
政治家『ウ~イ……』
政治家『いいか、愚民ども! 俺は偉いんだ! もっと税金納めやがれぇぇぇぇぇい!』
~
男「気に食わない奴は失脚させられるってかぁ~」
死神「そういうことだ」
死神「どこぞの大統領でも酔っ払わせれば……」
~
大統領『うへへ~いい気分だぁ~』
大統領『核スイッチ押しちゃおっ!』ポチッ
~
死神「世界大戦をも引き起こせるかもしれない」
男「ハハハ、それも面白いかもな!」
死神「……というわけだ」
死神「この“泥酔ノート”……貴様の好きなように使うがいい」
男「ああ、好きなように使わせてもらうぜ!」
死神(さっそくペンを握ったか……ククク、気の早い奴だ……)
死神(さぁ、泥酔ノートで思う存分世の中を混乱させるがよい!)
男「よぉ~し……」カリカリ…
死神(欲望に身を委ね、人々に死と混沌をもたらし、この私を楽しませてくれえええ!!!)
……
……
男「うへへへへ……」カリカリカリカリ…
死神「……また自分の名前書いてるの?」
男「うん!」
男「だって、金も使わず泥酔できるなんてサイコーじゃん! どんどん泥酔するぞぉ! うへへへぇ……」カリカリ…
死神(あーあ、とんだ飲んだくれにノート渡しちゃったよ……トホホ)
おわり
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