ミカサ(10)「アルミンの誕生日を祝おう」(38)

ミカサ「でも、知るのが遅くてプレゼントを用意できてない」

ミカサ「カルラおばさん、どうしよう」

カルラ「うーん、あ、そうだ。材料があるから、パイでも作ってみたらどう?」

ミカサ「パイ?」

カルラ「ええ。大丈夫、ミカサでも作れるから」

ミカサ「じゃあ、それにしよう」

……

「誕生日おめでとう!」

アルミン「ありがとうエレン、ミカサ。おばさんたちも」

カルラ「いいのよ気にしなくて。大切なお友達のお誕生日なんだからね」

グリシャ「そうとも。ゆっくりしていきなさい」

アルミン「はい」

ミカサ「…」ソワソワ

カルラ「ほら、ミカサ」

ミカサ「うん」

エレン「ん? 何かあるの?」

ミカサ「私はエレンと違ってプレゼントを用意できなかったから…パイを作った」

グリシャ「ほう、ミカサがか」

ミカサ「これ…」コトッ

アルミン「わぁ、すごい美味しそうだね! 僕パイ大好物なんだよ!」

ミカサ「喜んでもらえて嬉しい」

カルラ「でもこれは、ただのパイじゃないのよアルミン」

アルミン「それってもしかして、ガレッド・デ・ロワっていうのですか?」

ミカサ「言い当てられてしまった…」

グリシャ「ほー、物知りだな、アルミン」

エレン「え、なにそれ。俺知らないんだけど」

アルミン「パイの中にフェーヴっていう小さな人形が入っていて、切り分けた時にそれを当てた人は幸せになれるっていう言い伝えがあるお菓子なんだ」

エレン「へー!」

カルラ「じゃあ私が切り分けるから、みんな好きなのを持って行ってね」ストンッ ストンッ

グリシャ「間違って人形を切らないようにな」

ミカサ「人形がなかったから、代わりにコインが入っている」

グリシャ「ははは、なるほど。それなら心配いらないな」

カルラ「さあどうぞ」

エレン「じゃあ俺これ!」

ミカサ「エレン、最初はアルミンに選ばせないと」

エレン「あ、そっか。ほらアルミン、早く選べよ!」

アルミン「う、うん。じゃあ、これ!」

エレン「じゃあ俺これー!」

ミカサ「私はこれ…」

グリシャ「では私はこれにしよう」

カルラ「はい、じゃあいただきまーす」

「いただきます!」パクッ

エレン「んー、うめぇ! でもコイン入ってないなー」モグモグ

ミカサ(エレンが美味しいって言ってくれた…嬉しい)モグモグ

グリシャ「どうやら私は外れのようだね。カルラは?」

カルラ「私も外れですよ。ということは…」

アルミン「…なんか、硬いものが…」

エレン「やったなアルミン! お前が当たりみてえだぞ!」ドンッ

アルミン「わっ…!?」ゴクン

アルミン「…あれ…なんか、硬いの飲み込んじゃったみたい…」

グリシャ「なんだって?」

カルラ「小さなコインだから大丈夫だとは思うけど…エレン!」

エレン「ご、ごめんなアルミン! 悪気はなかったんだよ! ホントに!」

アルミン「う、うん。平気だよ。おばさんも、僕は大丈夫ですから」

グリシャ「油断は禁物だ。具合が悪くなったらすぐに私のところにきなさい。診てあげよう」

アルミン「はい、ありがとうございます…」

……

グリシャ「もうこんな時間か。少し出てくるよ」

カルラ「わかりました。ミカサ、エレンとアルミンは?」カチャカチャ

ミカサ「部屋で遊んでる」

カルラ「そう。悪いんだけど、少し買い出し頼んでもいい? ここに書いてあるのだけでいいから」

ミカサ「うん。行ってきます」

カルラ「お願いねー」カチャカチャ

……

ミカサ「ただいま」

カルラ「どこに行ったのかしら…困ったわ…」

ミカサ「探し物?」

カルラ「地下室の鍵を知らない? 左の部屋の」

ミカサ「いつものところにないの?」

カルラ「それがないのよ…パイに入れたのと同じコインなら置いてあったけど」

ミカサ「あ…」

カルラ「どうしましょう…お父さんに怒られちゃうわ」

カルラ「エレーン、見つかった?」

エレン「まだ探してるー」

ミカサ(どうしよう…多分私が鍵とコインを間違えてパイに入れてしまったせいだ…)チラッ

食器棚「」

ミカサ(……)

包丁「」

ミカサ(……)

……

ミカサ「カルラおばさん、鍵、見つけてきたよ」

~完~

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月27日 (水) 14:35:55   ID: S2_mNvGu

アルミィィィィィィィィィィィィィィィィンンンンンンンンン!!!!!!

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