・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・描写について、複数のコンテンツの要素や独自の解釈を含むことがあります
佐久間まゆ「はいっ。ゆるふわ交流系トークバラエティ、『もりくぼカケル!』。今回も始まりましたぁ」
早坂美玲「今回も、ノノがいろんなトークを披露するから、期待してろよなッ!」
まゆ「MCはお馴染み、一途な想いよ貴方に届け、佐久間まゆと」
美玲「最強のコダワリ、見せつけてやる! 早坂美玲でお送りするぞッ!」
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美玲「前回の放送は、ここからチェックだッ!」
※ここにテロップがあるものとする※
前回
まゆ「巷でウワサの?」 美玲「もりくぼカケル!」
PHASE 16
『森久保乃々×浅野風香』
浅野風香「ご、ごめんなさいっ! 私なんかがトークのゲストで……」ペコペコ
森久保乃々「ひぃぃ……あ、謝られても困るんですけど……!」ワタワタ
風香「そ、そうですよね! ごめんなさい! ……でも、私、ちゃんとお話出来るか心配で……」
乃々「それを言うなら、もりくぼも同じです……。すみません、こんなもりくぼの番組に来て頂いて……」ペコペコ
風香「そ、そんな! 乃々ちゃんは大丈夫ですよ! 大丈夫じゃないのは、私の方で……」ワタワタ
乃々「そ、そんなことないです……なんでかこうして番組のメインに祀り上げられていますが、面白いトークなんて、本当にむーりぃー……」
乃々「そもそも、人と目を合わせることすら苦手なのに……どうしてこんなことに」
風香「わ、わかります……! 人から見つめられると、何か失敗したんじゃないかとか、怒らせてしまったんじゃないかって考えて、不安になってしまって……」
乃々「風香さんも……?」
風香「あっ、ごめんなさいっ! 私なんかが、分かったような口を利いてしまって……」
乃々「い、いえ……! むしろ、分かってもらえて、嬉しいんですけど……」
風香「そ、そうですか……」テレテレ
乃々「えへへ……」テレテレ
風香「……はっ。これじゃあ、話が進まないですね。ごめんなさい」
乃々「あぅ……やっぱり、もりくぼのトークスキルが足りないせいで……すみません……」
風香「小説の中なら、スムーズにお話も出来るのに……」
乃々「……そういえば、風香さんは小説を書くのが趣味だと聞いたことがありますけど……」
風香「はっ、はい! そうです……一応」
風香「でも、そんなに大層なものではありませんし……人に見せる勇気も、なかなか出なくて」
乃々「ですよね……。趣味は趣味であって、得意とは限りませんし……」
風香「はい……酷評されても、万が一褒めてもらえても、どのみち恥ずかしさに耐えられそうにないです……」
乃々「……風香さんに、自作小説の朗読なんていう無茶振りなお仕事が来ないことを、願ってます……」
風香「そういえば……乃々ちゃんはラジオでやったんですよね。ポエムの朗読」
乃々「はい……しかも即興で……」
乃々「うぅ……今思い出しても、あれはきちくでした……。もりくぼのポエム帳を、人質にとるなんて……」ズーン
風香「ご、ごめんなさい! 嫌なこと、思い出させてしまいましたか……?」
乃々「あ、いえ……すみません。お気になさらず……」
風香「でも、それでもちゃんとやりきるなんて、すごいと思います……! 私には、そんな度胸無いかも……」
乃々「あれは度胸というか、やむにやまれず……」
乃々「風香さんのほうが、すごいと思います……。グラビアのお仕事で、セクシーな衣装を着こなしたりして……。もりくぼには、絶対にむりです……」
風香「そ、そうですか……? あれは、普段の私と正反対なのが、逆に良かったというか……」
風香「あっ。普段の反対っていうなら、『∀NSWER』の時の乃々ちゃんは、いつもと違ってきりっとしてて、素敵でしたよ? やっぱり、乃々ちゃんはすごいです」
乃々「あぅ……いえ、風香さんのほうが……」
風香「いえいえ、乃々ちゃんのほうが……」
乃々・風香「「……」」
乃々「風香さんが」
風香「乃々ちゃんが」
乃々・風香「「あっ」」
乃々・風香「「……」」
乃々「すみません……」
風香「ごめんなさい……」
まゆ「うふふ♪ 今日の美玲ちゃんは、元気いっぱいですねぇ」
美玲「まぁな。ノノがあんなだから、ウチがちょっとでも盛り上げてやろうと思って」
まゆ「美玲ちゃん……お友達想いなんですね。素敵です」
美玲「ふ、フンッ! 別に、これを機にノノだけじゃなくて、ウチのファンも増やしてやろうと思ってる、だけだしッ」
まゆ「さて、そんな乃々ちゃん……の等身大パネルが、今回も置いてありますね」
美玲「……なんでこのノノ、ウェディングドレスなんか着てるんだ?」
まゆ「最近ウェディングドレスを着るお仕事があったそうで、折角なのでその写真を使わせて頂きました♪」
美玲「はー……ノノってさ、やっぱりこういうヒラヒラフワフワした衣装、似合うよなぁ」
まゆ「ええ。本当の花嫁さんみたいで、素敵ですよぉ。ね、乃々ちゃん?」
<モリクボハイマ、マリッジブルーナンデスケド……
美玲「いやいや、ホントに結婚するワケじゃないだろッ」
まゆ「うふふ。それでは、乃々ちゃんが復活するのを待ちながら、VTRを見ていきましょうか」
美玲「まったく、相変わらずだな……。よーしッ! それじゃあいくぞ! VTR、スタートだッ!」
(改めて、続きます)
PHASE 17
『森久保乃々×高峯のあ』
高峯のあ「……」
乃々「……」
のあ「……」
乃々「……あ、あの……」
のあ「……机の下。本来ならば、何も存在しない、虚ろな領域。単なるデッドスペースに過ぎない場所……」
乃々「は、はぁ」
のあ「……けれど……なるほど。ここは孤独なようで、その実は違う。居場所と指定するに足りる温もりが、確かにここにはある」
乃々「……えぇと……つまり……?」
のあ「……悪くないわ」
乃々「……そ、そうですか……それは、なによりです……」
のあ「……」
乃々「あうぅぅ……! の、のあさんのポエム力が高すぎて、もりくぼ、付いていけないんですけど……!」
乃々「か、かといって、何も話さないわけにはいかないですし……」ワタワタ
のあ「……」チラ
のあ「乃々」
乃々「ひゃうっ!? な、なんでしょう!?」
のあ「……」スッ
乃々「あ、あの……こ、こっちに手を伸ばして、何を……!?」
のあ「……止まりなさい。抵抗が無ければ、一瞬で済むわ」
乃々「ひぃぃ! むっ、むーりぃ~!」ガクブル
乃々「……って、あれ……?」
のあ「……これでいい。私と貴女は、これで同志となれる」
乃々「……へ?」ニャーン
乃々「……!? い、いつの間にか頭にねこみみが……!?」
のあ「……? 戸惑う必要は無いわ。在るべきモノを、在るべき場所へ還しただけ。乃々……いえ、にゃんくぼ」
乃々「そ、それは! まさか……みくさんから……?」
のあ「……貴女は既に『こちら側』の住人だと、みくからは聞いているわ。私もにゃん・にゃん・にゃんの一員として、貴女を歓迎しましょう」
乃々「あうぅ~……あれはその、みくさんの熱心なマーケティングについ流されてしまっただけで……もりくぼの意思というわけでは……」
のあ「…………」
乃々「あっ、その! け、決して、ねこみみのことを悪く言ったわけではなくて……! お、怒らせてしまったなら、すみません……!」オロオロ
のあ「……乃々の振る舞いは、猫ではない、別の何かを想起させる……」
乃々「……はい?」
のあ「猫よりも、小さい……そう、静謐な森に佇む、リスのような……」
乃々「は、はぁ……確かに、以前そういうお仕事も、したことがありますけど……」
のあ「……そう……。けれど、今手元には、リスみみは存在しない。残念ね」
乃々「別に、残念ではないです……。……のあさんがねこみみを持ち歩いている時点で驚きなのに、これでリスみみまで出てきたら、もう衝撃的すぎますよ……」
のあ「……安心しなさい。次の機会には必ず、立派なリスみみと尻尾を用意して、貴女を完全なリス……リスくぼへと、昇華させてみせる」
乃々「ええぇ……ど、どうしてそうなるんですか」
のあ「再現には自信があるわ。リスのサイズ感、毛並み、仕草……しっぽの、フワフワ。全て、インプットされている」
乃々「な、なんでそんなにやる気に満ちてるんですか、のあさん……?」
乃々「……もしかして、もりくぼを着せ替え人形にして、楽しもうとしてませんか……?」
のあ「……乃々がそう感じるのであれば、或いは……そうかもしれないわね」フフ
PHASE 18
『森久保乃々×十時愛梨』
十時愛梨「えぇと、ちょっと一枚、脱がせてもらいますね」ヌギヌギ
乃々「ひぃぃぃ! だっ、だだだダメです! 開幕からいきなり服を脱ごうとしないでくださいぃ~!」ワタワタ
愛梨「そう? ごめんね、乃々ちゃん」
乃々「……というか、開幕じゃなくてもやめたほうがいいと思うんですけど……カメラもありますし」
愛梨「うーん、机の下って、思ってたよりジメジメしてるんですねー」パタパタ
乃々「あ、はい……ここには、輝子ちゃんのキノコが置いてあるので……キノコの栽培には、適度な湿気が重要だそうです……」
愛梨「あっ、本当だぁ。可愛いキノコさんたちだねっ」
乃々「は、はぁ……」
愛梨「そうだ! 乃々ちゃん、今度予定が合ったら、久しぶりにあのカフェに行かない?」
乃々「あのカフェ……あっ、Sweetchesのお仕事の時、一緒にお話した……?」
愛梨「うん! 出来れば、法子ちゃん達も誘って。どうかな?」
乃々「はい……その、もりくぼなんかでよければ、ぜひご一緒したいです……」
愛梨「本当? ありがとう、乃々ちゃん! あの時食べたフルーツのタルト、とーっても美味しかったから、もう一度行きたいなってずっと思ってたんですっ♪」
乃々「え、えへへ……そう言ってもらえると、お薦めした甲斐があります……。あ、いえ。もりくぼが薦めたわけじゃなくて、お店のコルクボードにそう書いてあっただけなんですけど」
愛梨「でも、教えてくれたのは乃々ちゃんでしょ? だから、乃々ちゃんのおかげっ」
乃々「うぅ……な、なんだかいたたまれなくなってきました……」
乃々「あの時は、愛梨さんにはとてもお世話になって……すみっこにいた森久保のことを、気にかけてくれて。……嬉しかった、です」
愛梨「うふふ、嬉しかったのは、お互いさまだよっ。私がオリジナルのスイーツを考えられたのは、乃々ちゃんがアドバイスをくれたからだしっ」
乃々「あ、あれはたまたま思い付いたことを言っただけで、アドバイスというほど大それたものでは……」
愛梨「ううん。乃々ちゃんはすごいと思うな。みんなのことをよく見てくれてるし、お仕事も丁寧だし」
乃々「あ、あぅぅ……そ、その……あんまり褒められると……もりくぼ、恥ずかしくて、消滅してしまいます……」
愛梨「えぇ~!? 大変! 乃々ちゃんの番組なのに、乃々ちゃんがいなくなったら……どうしましょう?」
乃々「そ、その場合は、どうぞ『とときカケル!』にしちゃって下さい……。そのほうが、きっと視聴率も伸びますし……」
愛梨「そうだ! じゃあ、乃々ちゃんが消えちゃわないように、私がぎゅってしておきますねっ」ギュー
乃々「ひぃぃ! あ、愛梨さん、何を……!?」ワタワタ
乃々「あふぅ……せ、迫りくる、まんまるどんぐり、再びぃ……」
愛梨「どんぐり?」キョトン
乃々「あ、いえ……こちらの話です……」
乃々「あふぅ……愛梨さんの側にいると、なんだか、いい匂いがしますね」
愛梨「あっ、もしかして、また服にバニラエッセンスが付いちゃったのかなぁ? 今日、事務所に来る前にケーキ作りをしてたから……」ヌギヌギ
乃々「ひぁぁあ! す、ストップ! ストップです!」ワタワタ
愛梨「うんしょ、うんしょ……机の下だと、ちょっと脱ぎ辛いですね~」
乃々「そういう問題じゃないんですけど~!」
愛梨「でも、服が汚れてないか確認しないと……」
乃々「だ、大丈夫です! えと、愛梨さんのいい匂いは、その……服じゃなくて、愛梨さん自身の匂いなので……」
乃々「って、あぁぁ……も、もりくぼは何を口走っているんでしょう……こんなの、ただの怪しい人なんですけど……!」
愛梨「乃々ちゃん? 大丈夫ですか?」
乃々「む、むーりぃー……///」プシュー
愛梨「わっ、顔が真っ赤。もしかして、乃々ちゃんも暑いのかな? だったら、一枚……」
乃々「脱ぎませんけどぉ!」
美玲「な、なんだか今回は、全体的にわちゃわちゃしてたな……」
まゆ「ですねぇ。ふふっ、乃々ちゃんが楽しそうで、何よりです」
美玲「さてと。おーい、ノノー。出番だぞー」テマネキ
乃々「あぅ……今回は、いつも以上に精神力が擦り減った気がします……」トボトボ
美玲「あ、本物はドレスじゃないんだな」
乃々「こ、この嫁くぼは、幻かなにかだったということで……ふつうのもりくぼで、勘弁してくださいぃ……」
まゆ「乃々ちゃんは、ふつうでも可愛いから問題ありませんよ♪」
乃々「はうぅ……まゆさん、あまり褒めないでください……消滅するので……」
美玲「そんなこと言うけどさ。こないだインディヴィジュアルズでレッスンした時は、プロデューサーに褒められてニヤニヤしてたじゃん」
乃々「そ、それはその……は、恥ずかしいですけど、嬉しくもあるので……」
まゆ「…………プロデューサーさんに?」
乃々「ひゃう!? ま、まゆさん……近いんですけど……?」
美玲「それじゃあ、今回はこのへんかな。次回もノノの頑張り、見逃すなよッ!」
まゆ「乃々ちゃん。この後、いろいろお話聞かせてくださいねぇ。うふふふ……」
乃々「……何故でしょう。なんだか背筋が寒い気が……?」
おわり
以上、お付き合いありがとうございました。
嫁くぼ、もといエスケープブライドがデレステにも実装されましたね。
私は引けなかったので、お迎えできた方は大切に育ててあげてください(白目)
他シリーズ
キャンディアイランドの大抵毒にも薬にもならないおしゃべり
も、よろしければどうぞ。
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