【予定は未定】ライラ「サプライズでございます!」 千早「……いい笑顔だわ」 (54)

・アイマス×モバマス
・千早とライラさんが誰かを巻き込んで散歩
・ヤマ、オチ特になし
・のんびり更新予定

よろしければお付き合いください


↓なお前回
【予定は未定】ライラ「ほぼ」 千早「二周年」
【予定は未定】ライラ「ほぼ」 千早「二周年」 - SSまとめ速報
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↓関係のある話
【アイマス×モバマス】たくさんの、小さな幸せ
【アイマス×モバマス】たくさんの、小さな幸せ - SSまとめ速報
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ライラ「おー、凛さんこちらでございますよー」

凛「ごめんね、ちょっと待たせちゃったかな?」

ライラ「いえいえ、お気になさらずなのです」

凛「ふふ、じゃあそういうことで」

ライラ「突然お呼びしてしまいまして、申し訳ございませんですよ」

凛「いや、それはいいんだけどさ」

ライラ「はいです?」

凛「ライラがこんな風に呼び出すなんて、珍しいよね?」

ライラ「あー……そうかもしれませんです」


凛「何かあったの?」

ライラ「実はでございますね」

凛「うん」

ライラ「ライラさん、凛さんにこの前のお返しをしたいのですよ」

凛「……この前?」

ライラ「お花を選んでくれた時のお礼でございます」

凛「花って……ああ」

凛「花屋の娘としては当然のことだし、気にしなくていいのに」

ライラ「いえ! 優しくして頂いたら、ちゃんとお返ししないといけないのです!」

凛「……ふふっ」

ライラ「……凛さん?」

凛「ああ、ゴメン。ライラってホントに律儀だなって」

ライラ「うーん、ライラさんには当然のことなのでございますが」

凛「うん。そういうとこ、凄いなって思う」

ライラ「おー……」


凛「ところで」

ライラ「ほえ?」

凛「私はどうすればいいのかな?」

ライラ「あー……では、ライラさんについてきていただけないでしょうか」

凛「ん? どこかに行くの?」

ライラ「ふふー、今はまだ秘密なのですよー」

凛「ふーん」

ライラ「それでは、レッツゴーでございます」


***************************


千早「皆さんこんばんは、如月千早です」

千早「今回も久しぶりになってしまいました、予定は未定です」

千早「こんな気まぐれな番組にお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます」

千早「さて、なぜ私一人なのかというとですね」

千早「ライラさんが『ゲストを連れてくる』と言ったきり、帰ってきていないんです」

千早「にもかかわらず、収録は始まっています」

千早「正直どうかとは思うんですけど、いい加減慣れてきてしまいました」

千早「……慣れてしまっていいんでしょうか」

千早「…………止めておきましょう。真剣に落ち込みそうだわ」


――千早さーーん!

千早「ああ、どうやら戻ってきたようですね」

ライラ「お待たせいたしましたですよー」

千早「そんなにではなかったわよ?」

ライラ「……千早さん、ちょっと元気がありませんです」

千早「(こういう所、ホントに鋭いわよね)」

ライラ「何かございましたですか?」

千早「いえ、本当に何でもないの」


千早「それより、そちらにいるのが?」

ライラ「はいです。今日のゲストなのですよ!」

凛「……えっと?」

千早「ようこそ、渋谷さん」

ライラ「千早さんは凛さんをご存知なのですか?」

凛「まあ、何度か共演させてもらってるしね」

ライラ「おー……」

千早「この番組、ちょっと毛色が違うけれど大丈夫かしら」


凛「あの……というか、それ以前にですね」

千早「どうかしたの?」

凛「私、何も聞いてないんですけど……」

千早「……へ?」

凛「ライラに呼び出されて、連れてこられただけで……」

千早「…………ライラさん?」

ライラ「ふふー、サプライズなのでございますよ!」

千早「(ドヤ顔だわ)」

凛「(ドヤ顔だね)」

ライラ「スタッフさんに相談したら、こうすればいいと教えていただいたのです」

千早「はあ、まったく……」

千早「ごめんなさいね、渋谷さん」

凛「まあ、ライラに悪気がないのは分かってますし」

千早「スタッフにはあとでキツく言っておくわ」


ライラ「……ライラさん、何か間違いましたですか?」

凛「ううん、ライラは気にしなくていいんじゃないかな」

ライラ「おー……」

千早「それで、どうしましょうか」

ライラ「ほえ?」

千早「いきなり番組に出てくれっていうのも無理があるでしょう?」

凛「あ、それは問題ないです」

千早「え?」

凛「実は今日、突然オフになっちゃったから、予定らしい予定もなくて」

ライラ「ふふふー、スケジュールはちゃんと確認したのですよー」

千早「(この周到さ……プロデューサーも噛んでるわね)」


凛「まあその、お邪魔じゃなければ……ですけど」

千早「こういう言い方はしたくないけれど、こんな番組よ?」

凛「せっかくのライラのサプライズを、無駄にしたくないですし」

ライラ「えへへー」

千早「そう……じゃあよろしくね、渋谷さん」

ライラ「よろしくお願いしますですねー」

凛「ふふ、こちらこそ」

千早「それでは、渋谷さんをゲストに迎えて」

ライラ「予定は未定、始まりますですよー」

とりあえず出来上がっているところまで
来週くらいまでには終わると思います

いよいよ明日、総選挙の結果が判明します
ライラさんはどこにいるのでしょうか


お読みいただけましたなら、幸いです


***************************


凛「それで、何をするんですか?」

千早「特に決まってないわ」

凛「……え?」

ライラ「とりあえず歩いて、それからでございます」

凛「…………」

千早「言ったでしょう? こういう番組なのよ」

ライラ「何か素敵なものに出会えるといいですねー」

凛「すごい番組ですね……」

千早「まあ、普通はそういう反応よね」

千早「(やっぱり慣れてちゃいけないわ)」


凛「それはともかく、なんだけど」

ライラ「ほえ?」

凛「サプライズで呼ばれたんだから、何かあるのかと思ったんだけど」

ライラ「あー……」

凛「ライラ?」

ライラ「えへへー」

千早「笑ってごまかさないの」
凛「笑ってごまかさない」

凛「……」

千早「……」

凛「……ぷっ」

千早「……ふふっ」

ライラ「おー、仲良しさんでございます」

凛「ライラ?」

千早「まあまあ」


ライラ「ライラさんは、凛さんにこの番組に来てほしかったのですよ」

千早「……どういうこと?」

ライラ「お世話になった凛さんにご恩返しなのでございます」

凛「いや、だからそれは……」

千早「ちょっと興味あるわね」

ライラ「この前の千早さんへのプレゼント、一緒に選んでくださったのですよ」

凛「ちょ、ライラ!?」

千早「この前の……って、ひょっとして、あのカランコエ?」

ライラ「そうなのです」

千早「そうだったの」

千早「ありがとう、渋谷さん」

凛「いえ、そんな大したことじゃ」

ライラ「そこで凛さんおっしゃっていたのです」

ライラ「凛さんは千早さんのことを」
凛「ストップ、ライラ。それ以上はダメ」

ライラ「おー……?」


凛「でもまぁ……ありがとね」

ライラ「えへへー」

千早「……ふふ」

凛「千早さん?」

千早「渋谷さんって、そんな顔でも笑うのね」

凛「……そんなに変な顔してました?」

千早「いえ、決して悪い意味ではなくて」

千早「以前歌番組で共演した時は、すごくクールな感じだったから」

ライラ「凛さんはキレイで格好良くて、可愛らしいのですよー」

凛「へっ!?」

千早「ふふ、そうみたいね」


凛「そ、それを言うなら、千早さんだって……!」

千早「あら、私?」

凛「千早さん、近寄りがたいオーラみたいなのがあったから」

ライラ「歌っている千早さんは、迫力がございますからねー」

凛「確かに。今目の前にいるのが同じ人とは思えないよね」

千早「……そんなにかしら?」

凛「でもいつか、私もあんな風に歌えたらなって、そう思います」

千早「そこまで言ってもらえるなんて、光栄ね」

凛「あ、もちろんアイドルとして負ける気はありませんから」

千早「ふふ、こちらこそ」

ライラ「うー、ライラさんもー!」

凛「ちょ、ライラ!?」

千早「あらあら」


――――――
――――
――

凛「ところで、さ」

ライラ「どうかしましたですか?」

凛「ただしゃべりながら歩いてるだけで、いいの?」

ライラ「あんまり気にしなくてもいいのですよー」

千早「スタッフが何か企んでなければ、こんなものよ」

凛「企むって……」


ライラ「凛さん、どこか良い所をご存知ではないですか?」

凛「……またアバウトな」

ライラ「えへへー」

凛「いや、褒めてないからね?」

千早「(この二人、確かライラさんの方が年上なのよね)」

凛「でも、この辺りなら……そうだね」

ライラ「おー、心当たりがございますですか」

千早「(ということは、私より年下でもあるのね)」

凛「昔からお世話になってるところがね」

ライラ「では、レッツゴーでございますねー」

凛「……どこに行くかも言ってないんだけどなぁ」

千早「(……この差はなんなのかしら?)」


凛「千早さん?」

千早「…………え?」

凛「いや、ライラが走って行っちゃったんで」

――置いていきますですよー?

凛「だ、そうです」

千早「ライラさんはどこへ?」

凛「勢いだけです」

千早「まあ、いつものことね」

――凛さーん、千早さーん!

凛「でも、放っておくわけにもいかないので」

千早「ふふ、じゃあ行きますか」

間隔が空いた割には大して進んでいませんが
本日はここまで

菜々さんの戴冠、茄子さんの躍進をはじめ、今年もいろいろドラマがありました
その輪にライラさんも加われるよう、頑張ろうと思います

お読みいただけましたなら、幸いです


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ライラ「おー、キレイなお花畑でございます」

凛「気に入ってもらえたみたいでよかったよ」

千早「これはレンゲの花、でいいのかしら」

凛「ええ。子供のころからよく遊ばせてもらってるんです」

ライラ「ほほー」


――おお、凛ちゃんじゃないか

凛「あ、ご無沙汰してます、おじいちゃん」

――やめておくれよ、そんな他人行儀な

凛「いや、でも」

――アイドルになったって、儂にとって凛ちゃんは凛ちゃんだよ

凛「……うん、ありがと」

――ん? そっちの子はお友だちかい?

凛「ああいや、今日は仕事なんだ」

千早「こんにちは」

ライラ「こんにちはですねー」

――ほー。こりゃ、凛ちゃんに負けない別嬪さんたちだ

凛「ちょっと、おじいちゃん?」

――はは、ごめんよ


ライラ「ライラさんたちは凛さんに連れてきてもらったのですよー」

凛「近くまで来たし、せっかくだから紹介したいなって」

――ふふふ、それは嬉しいねぇ

千早「あの、一応テレビ番組なんですが、大丈夫でしょうか?」

――こちらこそ、こんな何もない所でいいのかい?

ライラ「とてもキレイで素敵なところだと思いますですよ」

――いやぁ、嬉しいことを言ってくれるねぇ


凛「じゃあ、ちょっとだけお邪魔させてもらうね」

――昔みたいに、花冠でも作っていくかい?

ライラ「花冠でございますか?」

――凛ちゃんがね、『じぃじにプレゼント』って、よく作ってくれたんだよ

ライラ「おー」

――ここで遊ぶ子らは、みんな孫みたいなものだからね

ライラ「ライラさんもでございますか?」

――ふふ、そうなるかな?

ライラ「えへへー」

――さ、いつまでもこんな爺としゃべってないで、いってらっしゃい

凛「もう、そんな言い方しなくてもいいのに」

千早「まあまあ、お言葉に甘えましょう」

ライラ「それではおじいさん、お邪魔しますですよー」


――――――
――――
――

千早「素敵な方ね」

凛「ありがとう……って、私が言うのも変かな?」

千早「ふふ、そんなことないと思うわ」

ライラ「レンゲの花、可愛らしいですねー」

凛「ここ、元々は田んぼだったんだけどね」

千早「そうなの?」

凛「結構前にそっちはやめちゃって、でも、レンゲ畑だけは残してるんだって」

ライラ「田んぼにレンゲを植えるのでございますか?」

凛「昔は稲を刈ったらレンゲを植えて、次の年の肥料にしてたんだよ」

ライラ「ほほー」

凛「今は化学肥料の方が便利だから、レンゲを植えるところも少ないみたいだけど」

千早「流石に詳しいわね」

凛「それほどでも……かな?」


ライラ「それでもおじいさんはレンゲを植えられているのですよね?」

凛「こういう所をなくしたくないんだって」

凛「本人は、年寄りの道楽だ、なんて言ってるけど」

ライラ「素敵な方でございますねー」

千早「ええ、本当に」

ライラ「ライラさん、何かお礼がしたいでございますよ」

凛「普通にありがとう、じゃ駄目なの?」

ライラ「それだけでは足りない気がしますです」

千早「じゃあ、渋谷さんに倣って花冠をプレゼントしましょうか」

ライラ「おー! いい考えでございます」

凛「そうだね、喜んでくれると思う」


ライラ「というわけで凛さん、作り方を教えてくださいです」

凛「……やっぱりそうなるんだ」

千早「私からもお願いします、先生」

凛「そういうのはやめて欲しいんだけどなぁ」

ライラ「ダメでございますか?」

凛「大丈夫、ちゃんと教えるから。だから、そんな顔しないでよ」

ライラ「えへへー、ありがとうございますですよー」

千早「ふふ」


ライラ「まずはどうすればいいのでございますか?」

凛「とりあえず、花を摘むところからかな」

千早「どういう花がいい、とかはあるのかしら」

凛「茎を長めにした方がやりやすいけど、あとは好みでいいと思う」

千早「なるほど」

ライラ「……」

凛「どうかしたの、ライラ?」

ライラ「せっかくキレイに咲いていますのに、なんだか申し訳ないでございますよ」

千早「ライラさん……」

凛「想いを形にするお手伝いをしてもらうんだから、感謝を忘れないこと」

凛「多分、それが私たちにできる一番大切なことだから」

ライラ「おー……」


凛「なんて、受け売りだけどね」

凛「でも、ちゃんと感謝して、無駄にしないなら大丈夫だよ」

千早「ふふ、これはしっかりやらないと駄目みたいね」

ライラ「はいですよ!」

凛「って言っても、そんなに難しくはないんだけど」

ライラ「そうなのですか?」

凛「うん。まずはこうやって花を二本交差させるでしょ?」

ライラ「ほうほう」

凛「で、上にきてる茎を後ろからぐるっと回して、二本揃える」

ライラ「おー」

凛「それから、新しい花を一本交差させて、あとはその繰り返し」

千早「(これなら、私でも大丈夫かも)」


ライラ「凛さん、こんな感じでございますか?」

凛「そうそう、上手いね」

ライラ「えへへー」

千早「えっと、これをこうで……ああっ、バラバラに……」

凛「(ひょっとして、千早さんって不器用?)」

ライラ「ふふー、ライラさんはコツを掴みましたですよ」

千早「……くっ」

凛「(まあ、楽しそうだしいいか)」


***************************


ライラ「できましたー」

千早「わ、私も何とか……」

千早「形はちょっと、不格好になってしまったけれど」

凛「あはは。そこも含めて手作りの醍醐味だから」

ライラ「心を込めて作りましたですから、大丈夫なのでございます」

千早「……そうね」


ライラ「凛さんのそれは何でございますか?」

凛「これ? 余ったレンゲで作った花毬だよ」

ライラ「おー……」

凛「最後に余った茎をこうして……まあ、ちょっとしたアクセサリーだね」

千早「……すごいわね」

ライラ「素敵でございます」

凛「いや、ただ昔からやってたってだけだから」

千早「いえ。それでもすごいわ」

凛「ええと、その……」

ライラ「照れてますです?」

凛「照れてない!」

ライラ「ふふふー」

凛「あー、そんな顔するんだ」

凛「せっかく、レンゲの蜜の吸い方教えてあげようと思ったのになぁ」

ライラ「凛さんごめんなさいです」

凛「……言っといてなんだけど、変わり身早いね」

千早「ふふっ」


凛「まあいいか。こうやって花びらを咥えてね……」

ライラ「……おーっ! ほんのり甘くて美味しいでございます!」

凛「手当たり次第に吸っちゃ駄目だから……って、もう行っちゃったよ」

千早「まあ、ライラさんだから」

凛「やれやれ」

千早「そうだ、今のうちに聞いておきたい事があるのだけれど」

凛「私にわかることなら……」

千早「渋谷さんのご実家で、カスミソウって取り扱っているかしら?」

凛「うん、それなら大丈夫だけど」

千早「そう。良かったわ」


凛「えっと、カスミソウだけ?」

千早「……変かしら」

凛「いや、珍しいなって」

凛「カスミソウって、他の花の引き立て役になることの方が多いし」

千早「確かにそうかもしれないわね」

凛「あと、カスミソウだけだとちょっと匂いがね」

千早「えっ!?」

凛「やっぱり知らなかったか」


千早「……どうしよう」

凛「数を少なくすれば、そこまで気にはならないと思うけど」

千早「でも、それじゃあ……」

凛「じゃあ、少なくても見栄えがするアレンジを教えてあげるよ」

千早「そんなものがあるの?」

凛「ふふ、まあ任せてよ」

凛「ところで、カスミソウってことは……お返し?」

千早「……そんなことまでわかるのね」

凛「これでも、花屋の娘ですから」

千早「ふふっ」

凛「それでは、ご来店お待ちしています」

千早「こちらこそ、よろしくお願いします」

本日はここまで
……どうにか当初の予定には間に合いそうです

お読みいただけましたなら、幸いです


***************************


凛「ライラ、もうレンゲの蜜はいいの?」

ライラ「……吸い過ぎるとお花が無くなってしまいますので、我慢なのです」

凛「そこまで……」

千早「ふふ、気に入ったみたいね」

ライラ「はいですよ!」

凛「まあ、ほどほどにね」

千早「また来てもいいって、仰ってくださったしね」

凛「花冠のお陰かな?」

千早「ふふ、とても喜んでもらえたものね」

凛「冥土の土産だなんて、縁起でもないこと言ってたけど」

ライラ「……冥土のお土産は縁起が悪いのでございますか?」

千早「まあ、死ぬ前に良いものがもらえた、みたいな意味だから」

ライラ「おー……」


凛「ライラ?」

ライラ「ライラさん、この前皆さんに冥土のお土産配ってしまいましたですよ」

凛「あー……あったね、そういえば」

ライラ「そんなつもりではなかったのでございます」

千早「気にしなくても、みんな本気にしていないと思うけれど」

凛「確かに、楓さんなんか逆に目をキラキラさせてたし」

千早「どういうことかしら?」

凛「『このお土産、メイドさんと選んだんですか』って」

千早「……くっ、くふふっ…………ふふふふっ……」

凛「千早さん?」

千早「メ、メイドさんと…………冥土の……み、土産……はふっ、ふふふっ」

凛「え、そんなに?」

千早「ふくく……ふぅ、はぁ……」

ライラ「千早さん大丈夫でございますか?」

千早「え、ええ……くふっ、だ、だいじょ、ぶ……ふふふふっ」


凛「大丈夫じゃないね、これは」

ライラ「そのようでございますねー」

凛「ま、ライラも気にしなくていいってことだよ」

ライラ「ほえ?」

凛「ライラのお陰で、千早さんがこんなに笑ってるんだし」

ライラ「おー……」

千早「……ちょ、ちょっと複雑なのだけれど」

凛「あ、お帰りなさい千早さん」

ライラ「お帰りなさいですよー」

千早「ただいま、でいいのかしら?」

凛「ふふ、貴重なものを見せてもらったよ」

千早「で、出来れば忘れてもらえると……」

凛「うーん、なかなか衝撃的だったしなぁ」

ライラ「(凛さんとても楽しそうでございます)」


千早「あの、渋谷さん……って、え、もう時間?」

ライラ「おー」

千早「……悪意を感じるわ」

凛「ところで、本当にこんな感じで良いの?」

ライラ「いいのですよ」

凛「いいんだ……」

ライラ「凛さん、今日はどうでございましたか?」

凛「言い方はおかしいけど、のんびりできたよ」

ライラ「お連れして大正解でございましたねー」

千早「そうね。渋谷さんとも打ち解けられたし」

凛「……え?」

ライラ「ふふふー」

凛「ライラ?」

ライラ「凛さん、事務所にいる時と同じしゃべり方なのです」

千早「気づいてなかった?」

ライラ「千早さん、ニコニコでございますねー」

千早「あら、そんなに顔に出てたかしら」


凛「……」

ライラ「凛さん?」

凛「……えっと、その」

ライラ「照れてますです?」

凛「……照れてない」

ライラ「ふふー」

千早「ということで、今回の予定は未定はここまでです」

凛「え、ちょ……」

千早「相変わらず次回は未定ですが、またお会いできることを願っています」

ライラ「またお会いしましょー」

凛「待って、まだ話は終わってないよ!?」

千早「ふふふ、これでおあいこかしら?」

凛「千早さん!?」


***************************


【後日・CGプロ】

ライラ「ただ今戻りましたですよー」

ちひろ「お帰りなさい、ライラちゃん」

ライラ「おー、ちひろさん」

ちひろ「撮影のお仕事はどうでしたか?」

ライラ「ふふー、バッチリでございますです」

ライラ「色んなお洋服が着られて、とても楽しかったのですよ」

ちひろ「ふふふっ」

ライラ「……おや?」

ちひろ「どうかしましたか?」

ライラ「ちひろさん、何かいいことございましたか?」

ちひろ「……どうしてですか?」

ライラ「なんだか、いつもより嬉しそうでございます」

ちひろ「ライラちゃんって、そういう所鋭いですよね」

ライラ「ふふふー、人を見る目には自信があるのですよ」

ちひろ「ふふっ、そうみたいですね」


ちひろ「実は、ライラちゃんにお客様が来てるんです」

ライラ「ライラさんに、でございますか?」

ちひろ「はい」

ライラ「それでどうして、ちひろさんが嬉しいのでございましょうか?」

ちひろ「まあまあ、行ってみれば分かりますから」

ライラ「おー……?」


――――――
――――
――

ライラ「失礼いたしますですよー」

凛「お疲れ、ライラ」

ライラ「おー、凛さん、と……ほえ?」

千早「ふふ、お邪魔してます」

ライラ「……千早さん?」

凛「まあ、そうなるよね」

千早「そんなに驚く事かしら」

凛「逆の立場になって考えてみればいいと思う」

千早「……ああ、確かに」

千早「この前ライラさんがウチに来てくれたときは、目を疑ったものね」

凛「……ライラ、そんなことしてたんだ」


ライラ「…………」

凛「ライラ?」

ライラ「あの、どうして千早さんがこちらにいらっしゃるのでございますか?」

千早「これを渡そうと思って」

ライラ「……はぇ?」

千早「誕生日おめでとう、ライラさん」

ライラ「…………」

凛「あらら、固まっちゃった」

千早「ひょっとして、気に入らなかったとか……?」

凛「いや、それは大丈夫だと思うけど……ライラ?」

ライラ「ひ、ひゃいっ!?」

凛「ほら、千早さんが不安になってるよ?」

ライラ「あ、はいです……えっと……その、嬉しいでございます、とても、すごく!」

凛「だってさ、千早さん」

千早「ふふ、気に入ってもらえたなら何よりだわ」


ライラ「小さなお花がたくさん、いっぱいの色で、とてもキレイでございます」

ライラ「これは、なんというお花なのですか?」

千早「カスミソウよ」

ライラ「カスミソウ……」

千早「本当は白い花なのだけれど、渋谷さんに教えてもらってね」

千早「色を付けて、ドライフラワーにしてみたの」

凛「ちなみに、ライラの誕生花だよ」

ライラ「なんと、そうなのでございますか」

凛「花言葉は『清らかな心』、『無邪気』、『幸福』とかがあるね」

ライラ「おー」


凛「ライラにぴったりだからって、千早さんが」

千早「ちょ、ちょっと渋谷さん!?」

凛「どうしたの?」

千早「どうって……何も今言わなくても……!」

凛「だって、本当のことだし」

千早「いえ、確かにそうなのだけれど、今言われるのは恥ずかしいというか……」

凛「駄目だよ、こういうことはちゃんと伝えないと」

ライラ「えへへー」

ライラ「ライラさん、とても、とても感激でございます」

凛「ほら、この笑顔に免じて、ね?」

千早「…………もう」

ライラ「千早さん、凛さん、本当にありがとうございますですよ!」


<どんとはれ>

というお話でございました

突然の新しい噂のお陰で、修正を余儀なくされてしまいました
嬉しい悲鳴ではありますが、流れがおかしくなっていないことを祈ります
なにより、間に合ってよかった
ライラさん、誕生日おめでとう

お楽しみいただけましたなら、幸いです

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