サターニャ「わ、雨降ってきた…」 (16)
サターニャ「傘持ってきてないのよね……どんどん強くなってきたし、どこかで雨宿り……」キョロキョロ
サターニャ「する場所ないわ……走りましょう」タッタッタッ
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サターニャ「あ、あそこの公園に屋根あるところがあるわね……仕方ないわ、誰かいるけど……ん?」
ラフィエル「あれっ、サターニャさんではないですか」
サターニャ「ひぃっ!? ラフィエル!」
ラフィエル「濡れてしまいますから、早くこちらへ」
サターニャ「で、でもあんた何してくるか分かんないし……!」
ラフィエル「濡れて帰ったら風邪引きますよ」
サターニャ「ぐ…………」
サターニャ「し、仕方ないわね……ま、大悪魔は風邪なんて引かないけど…」スタスタ
ラフィエル「…ふふっ」ニコリ
サターニャ「!? なんか今ニヤっとしなかった!?」
ラフィエル「いえいえ♪」ニコニコ
サターニャ「…………ま、いいわ」
サターニャ「しっかしすごいわねー、雨」
ラフィエル「ですねー……天気予報は曇りだったんですが」
サターニャ「これ止むのかしら…」
ラフィエル「まあまあ、止むまで待てばいいじゃないですか」
サターニャ「どういう発想なのよ」
ラフィエル「かの家康様のような…」
サターニャ「それとは違うでしょ」
ラフィエル「では……止まぬなら、止ませてみせましょうか?」
サターニャ「そんなことできるの!?」
ラフィエル「ええと……」
ラフィエル「……」チラ
サターニャ「……?」
ラフィエル「……まさか、できませんよそんなこと」
サターニャ「まあ、そうよねー……」
サターニャ「あー……早く止まないかしら」
ラフィエル「まあまあ、雨が降っているから起こる良いことだってありますよ」
サターニャ「ないでしょそんなの」
ラフィエル「ありますよー? たとえば…………あっ」
サターニャ「ん?」
ラフィエル「……良いこと、ありますね」
サターニャ「だからそれがなんなのかって聞いてんのよ」
ラフィエル「それはちょっと、恥ずかしくて言えないですねー……♪」
サターニャ「恥ずかしい?どういうことよ……」
ラフィエル「いえいえ、なんでもありませんよ♪」
ラフィエル「ところで、せっかくですし何か暇潰しでもしませんか?」
サターニャ「暇潰し?しりとりとか?」
ラフィエル「下界的には何が定番なんでしょうかね? 割り箸?それとも古今東西とか?」
サターニャ「古今東西ってなに?」
ラフィエル「お題を決めて……たとえば、ええと……人間界に来て良かったこと、とかでいいですかね」
ラフィエル「そしたらそれを順番に、リズムに乗って言っていくんです。言葉に詰まったり答えになっていないことを言ってしまったら負けです」
サターニャ「へえ、よくそんなの知ってるわね」
ラフィエル「まあこちらに来る前に色々調べましたからね~」
ラフィエル「やります?」
サターニャ「まあいいけど……もっと大人数でやるものじゃないの?」
ラフィエル「そうですけど、まあ暇潰しですから」
サターニャ「うーん……」
ラフィエル「あ、じゃあにらめっこやりませんか?私得意なんですよ」
サターニャ「にらめっこ?えー……」
ラフィエル「サターニャさん、大悪魔たるもの勝負は受けなくては…」
サターニャ「あんた大悪魔って言えばなんでも騙されると思ってるでしょ」
ラフィエル「違うんですか?」
サターニャ「ちが……いや、違うわよ」
ラフィエル「少しは自覚あるんですね」
サターニャ「うるさいわね」
サターニャ「にしても全然雨止まないわね……」
ラフィエル「ガヴちゃん達に傘持ってきてもらいましょうか」
サターニャ「なんで私がガヴリールの力なんか借りなきゃなんないのよ」
ラフィエル「そうですか、では一本でいいと伝えておきますね」
サターニャ「あっいや、呼ぶなら私の分も用意しなさいよ!」
ラフィエル「少し待ってみて、止まなさそうなら連絡してみましょうか」
サターニャ「そうね……」
サターニャ「はぁー…」サスサス
ラフィエル「冷えちゃいますよねー……」
サターニャ「寒いわよね……」
ラフィエル「……おしくらまんじゅうします?」
サターニャ「なにそれ?」
ラフィエル「むこう向いてください」
サターニャ「こう?」クルッ
ラフィエル「そしたらこうやって背中を合わせてですね」
ラフィエル「お~しくらまんじゅう~♪」ドンッ
サターニャ「痛っ!ちょっと、何するのよ!」
ラフィエル「押し合うんですよ、サターニャさんも」
サターニャ「そうなの?」グイッグイッ
ラフィエル「本来は円の中に入って押し合って、円から押し出されてしまったら負けなんですが」
ラフィエル「体を暖める時にやったりもします、と言っても最近はあまり聞かないようですが」
サターニャ「へえ…」
ラフィエル「今回は屋根のあるところから出たら負けにしましょうか」
サターニャ「濡れるじゃないの」
ラフィエル「ふふ、冗談です♪」
サターニャ「そうじゃなくても寒いんだから……」
ラフィエル「あ、いいこと思いつきました」
サターニャ「なに?」
ラフィエル「こうすれば暖まりますよ♪」ギュッ
サターニャ「ちょっ、何するのよ!///」バッ
ラフィエル「あ、そんなに離れると濡れますよ……!」
サターニャ「えっ……あーー!?」
サターニャ「……って、あれ?濡れてない……」
サターニャ「なんだ、もう止んでたのね」ホッ
ラフィエル「本当ですね、いつの間に……」
サターニャ「やっと帰れるわ…」
ラフィエル(……ふふ、本当はもう少し一緒にいたかったですけど…)
サターニャ「ん?ラフィエル、今何か言った?」
ラフィエル「えっ!? あ、あぁいえ、何も…」
サターニャ「ふーん、そう?」
ラフィエル(口に出て……き、気をつけなければ……)
サターニャ「じゃあ今のうちに帰りましょうか、またいつ降ってくるかわかんないし」
ラフィエル「そうですね、私も帰ります。サターニャさんの家に」
サターニャ「自分の家に帰りなさいよ」
ガヴリール「急な雨だったな……引きこもりでよかった」
ヴィーネ「何もよくないわよ」
おわり
ラフィエル誕生日おめでとう!!
内容は誕生日関係ないですけど…
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