加蓮「改めて状況の説明を願えるかな」
凛「はい。現在は2月15日の夜。バレンタインデーの終焉から約20時間が経過しました」
加蓮「ふむ……これは?」
凛「神谷奈緒ちゃんが手作りしたバレンタイン・チョコレートです」
加蓮「可愛らしい包みだね」
凛「はい。作り手の性格が如実に表れています」
奈緒「なぁ」
加蓮「ん?」
奈緒「帰っていいか?」
凛「許すと思う?」
奈緒「だよな」
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凛「それで、バレンタインデーはとっくに終了した訳だけど」
奈緒「ああ」
加蓮「何で奈緒のチョコがこの場にあるのかなー?」
奈緒「……渡さなかったから」
凛「三人一緒に作って、三人一緒に渡そうとしてたよね」
加蓮「うん。だから私も凛もチョコは持ってないんだけど」
凛「奈緒はどうして持ってるのかな」
奈緒「…………渡さなかったから」
凛「どうして渡さなかったの?」
奈緒「いや、なんか……急に……恥ずかしくなった、つーか」
加蓮「やーい恋する乙女」
奈緒「やかましい」
凛「いやびっくりしたよ。あの場でまさかのガン逃げだもん」
加蓮「Pさんめちゃくちゃ落ち込んでたよ」
奈緒「……本当かよ」
加蓮「私がウソついた事ある?」
奈緒「あ。そういや加蓮お前先週の日曜に服屋で」
加蓮「まぁそれはそれとして」
奈緒「おい」
凛「というかさ、今からでも渡せばいいじゃん」
奈緒「……」
加蓮「ちょっと遅れるくらい可愛いもんでしょ」
奈緒「……正直な所さぁ」
加蓮「ん?」
奈緒「今さらになってチョコ渡されたら……どう思うかな、Pさん」
加蓮「うーん……」
凛「……そうだね」
奈緒「やっぱ、あんまり良い気は……」
凛「昨日は恥ずかしくてつい逃げ出しちゃったけど」
加蓮「やっぱり、あなたにだけは嘘をつきたくなくて」
凛「どうしても我慢できずに、チョコを渡したかったんだと思われて」
加蓮「めちゃくちゃキュンとされると思う」
奈緒「やっぱ帰っていい?」
加蓮「許すと思う?」
奈緒「だよなぁ」
奈緒「……逆に訊くけどさぁ」
凛「うん」
奈緒「その、アレだ。二人が渡したのも……本命、チョコ……だろ?」
加蓮「そりゃね」
凛「当然」
奈緒「何でそんなほいっと渡せるんだよ……」
加蓮「そりゃあ、自信あるし?」
凛「ね」
奈緒「……」
凛「奈緒は自信、ないの?」
奈緒「そりゃ……昔より少しはついたけど……それでも二人みたいに可愛くはないし……」
凛「え?」
奈緒「ん?」
加蓮「え?」
奈緒「いや、だからあたしは……二人みたく」
凛「自信って、チョコの話だけど」
奈緒「……」
凛「……」
加蓮「……」
奈緒「穴掘って埋まりたい」
加蓮「奈緒はもっと自信持っていいと思うよ」
凛「うん。今かなりキュンときた」
奈緒「うるさい」
加蓮「というか、奈緒の本命チョコとか私が欲しいくらいだし」
凛「同じく」
奈緒「……じゃあ、お前らにやるって言ったらどうするんだ」
凛「いや、プロデューサーにけしかけさせるけどね。面白いし」
加蓮「奈緒かわいい……」
奈緒「面白くない。あと加蓮は日本語喋って」
P「……ん? 何だ三人とも、こんな遅くまで事務所に」
奈緒「帰る!」
加蓮「止める!!」
凛「けしかける!!!」
奈緒「いつもいつも何なんだよその連携は!」
P「とりあえず落ち着いてくれ」
加蓮「という訳でほら、奈緒。棚からモバコインだよ」
凛「据え物斬らぬは女の恥だよ」
奈緒「……あぁもう! そっ、の……Pさんっ!!」
P「お、おう?」
奈緒「こ、これっ……あげるっ! 遅れてごめんっ!」
P「……」
奈緒「……」
凛「……」
加蓮「……」
P「……」
奈緒「……な、なんか言えよ」
P「……奈緒」
奈緒「……なんだよ」
P「正直……正直な」
奈緒「……」
P「めちゃくちゃキュンときた」
加蓮「いぇーい」
凛「へーい」
奈緒「だから何なんだよその連携は」
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