男「……」ヌリヌリ
不良「あいつ男のくせにリップ塗ってやがるぜ!」
DQN「ダッセェ!」
不良「ちょっとからかってやるか」
DQN「いいねいいね~」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1515170260
不良「お~い」
男「……?」
不良「お前、男のくせになにリップなんか塗っちゃってんの?」
DQN「そんなに唇の乾燥が気になるお年頃なんでちゅか~?」
不良「ワハハハハハハッ!」
DQN「ギャハハハハハハッ!」
不良「ちょっと寒いからってリップ塗るとかさ~、情けなくねえの? おめぇ女かよ!?」
DQN「オカマかよ!?」
男「……」
不良「ワハハハハハハッ!」
DQN「ギャハハハハハハッ!」
不良「つか、黙ってねえでなんかいえよ、コラ!」
DQN「シカトこいてんじゃねえぞ!」
男「……」
不良「なに、ずっと口閉じてんだよ!? お前にゃプライドがねえのか!?」
DQN「それともオレらなんかとは会話すんのも嫌ってかぁ!? ナメてんのかぁ!?」
不良「少しは言い返してみろやぁ!」
DQN「このオカマちゃんよぉ!?」
不良「ほら、なんかいってみろよ! ムカついてんだろ!? 殴ったりしねえからよ!」
DQN「反論しろよ! そしたらオカマじゃないって認めてやるぜ!」
男「……」
不良「……ちっ」
不良「もういいわ」
DQN「えっ、一発ぐれえ殴んねえの?」
男「……」
不良「こんなヘタレ殴ったら、俺たちにもヘタレがうつっちまうよ」
DQN「そりゃそうだ!」
不良「じゃあな! 一生唇の乾燥を気にしてろや!」
ワハハハハハ… ギャハハハハハ…
男「……」
ある日――
不良「うう……寒い。なんなんだよ、この寒さは!?」
DQN「天気予報だと、今日はこの冬一番の寒さだってよ」
不良「“この冬一番の寒さ”ってのはいったい何回あるんだよ!?」
DQN「知るかよ!」
ビュゥゥゥゥゥ……
不良「寒っ!」
DQN「寒すぎる……」ガタガタ…
不良「こんだけ寒いと、すぐ唇ガサガサになっちまうな」
DQN「オレもだ……さわるとささくれみたいのが沢山できてやがる」
不良「ちくしょう……」ピシッ
不良「ん?」
DQN「どうした?」
不良「あまりの寒さに、俺の唇にひび割れがどんどんひどくなって……」ピシピシ…
不良「!」ブシュゥゥゥゥゥ
不良「うぎゃあああああっ!」ブシュゥゥゥゥゥ
不良「唇のひび割れが限界を越えて、血が出てきたぁ!」ブシュゥゥゥゥゥ
DQN「マ、マジかよ……ん?」ピシピシ…
DQN「んぎゃあああああああっ! オレもだぁぁぁぁぁっ!」ブシュゥゥゥゥゥ
不良「ど、どうしよう!?」ボタボタ…
DQN「どうしようって、とにかく唇を湿らせるしか……」ボタボタ…
不良「だけど、水分らしきものはどこにもないし……」
DQN「ベロでなめたところで、応急処置にもならねえよなぁ……」
男「……」ヌリヌリ
二人「あっ!!!」
DQN「こうなったらあいつにリップ借りるしかねえよ!」
不良「だけど、こないだはリップ塗ってること散々バカにしちまったし……」
DQN「ぐっ……!」
不良「うおおおっ!?」ブシュゥゥゥゥゥ
DQN「また血がっ!」ブシュゥゥゥゥゥ
DQN「借りるしかねえよ……背に腹は代えられねえ!」
不良「ちっ、分かったよ……!」
不良「あの~」
DQN「男く~ん」
男「……?」
不良「じ、実はさ? 君がいつも唇に塗ってるものを貸して欲しいんだ~」
DQN「オレらにも使わせて欲しいんだ~……ダメかな?」
男「……」
不良(貸してくれるかなぁ……)ドキドキ
DQN(オレがこいつの立場だったら絶対貸さないけど……)ドキドキ
男「……」スッ
不良「貸してくれるの!?」
DQN「マジで!?」
不良「ありがとうございます! ありがとうございます! ありがとうございます!」ペコペコ
DQN「君は素晴らしい人だ! この間はバカにして本当にごめんなさい!」ペコペコ
不良「じゃあ、さっそく塗らせてもらうね!」ヌリヌリ
DQN「次オレね!」ヌリヌリ
男「……」ヌリヌリ
不良「じゃーねー!」
DQN「ありがとよ!」
不良「いやぁ~、おかげで唇がすっかりよくなったよ」
DQN「オレも血が止まった――!?」
不良「……!?」
DQN「……!?」
不良「……!」
DQN「……!?」
不良(口を閉じたら……唇が開かなくなっちまった!)
DQN(どうなってんだ、これ!?)
不良「……!」
DQN「……!」
不良(ま、まさか……あいつがずっと唇に塗ってたのは……)
DQN(リップクリームなんかじゃなくて――)
二人(スティックのり……!)
おわり
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません