兎娘「今年の干支ってなんだっけ?」猫娘「猪ニャ」 (28)

兎娘「あーイノシシか…早いねぇ。もう一周するじゃん」

猫娘「そうニャ。もう来年は猫年で十二支が一周するニャ」

兎娘「え?猫っていたっけ」

猫娘「何言ってるニャ。最初からいたニャ」

兎娘「子牛寅…あっ、ほんとだ。『ね』って猫のことだったのか」

猫娘「そうニャ。猫が先頭ニャ」



ドンッ



犬娘「今年は犬だよ!!!!!戌年だよ!!!!!!!!」

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兎娘「」ビクッ

猫娘「うるせぇニャ。もっと静かに登場しろニャ」



犬娘「なんで犬を忘れてるの!?あり得ないでしょ!犬だよ?一番身近な動物だよ!!!!そこだけは忘れちゃダメでしょ!!!!!」

犬娘「ってか、猫ちゃん!なにさり気なくホラ吹いてるんだよ!!!!十二支に猫はいないでしょうが!!!!!」



猫娘「」ギクッ

猫娘「な、なんのことニャ。知らねぇニャ」



犬娘「子の『ね』はネズミの『ね』だよ!猫はネズミに騙されて十二支に入れなかったって有名な話でしょ!!」

兎娘「へーそうだったんだ。初めて聞いた」

猫娘「そ、それは迷信ニャ!!!!本来はそこのポジションは猫だったのに、ネズミのロビー活動のせいでいつの間にか変わってたんだニャ!!!!!」


犬娘「んな話、初めて聞いたよ!いい加減認めなよ!!!猫は十二支に入っていない、これは確定事項だよ!!!!」


猫娘「ク、クソがニャ…余計なこと言いやがって。帰ってこなくて良かったのにニャ」ゴロン


犬娘「ふん、嘘つこうとするから悪いんだよ。ほら、そっちによってよ。私もこたつに入るんだから」スッ

犬娘「で、なんでウサギちゃんが来てるの?」


兎娘「お正月だしねぇ、新年の挨拶に。あと暇だったから」


犬娘「もうとっくに三が日過ぎてるんだけど。普通はもっと早く来るんじゃない?」

犬娘「それにしても、戌年を忘れるなんて本当に信じられないよ。なんで忘れてたの?ね、うし、とら、う、たつ、み」

犬娘「うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、い…で覚えやすくない?馬から犬までフルネームじゃん。こんなのボーナスゲームだよ」


兎娘「むしろ逆じゃない?いきなりテンポが変わるからちょっと覚えにくいと思うよ」

猫娘「戌と亥で『い』が連続で並んでるせいニャ。ややこしいニャ」


犬娘「それは猫ちゃんの記憶力が悪いからでしょ。普通は覚えられるよ」


猫娘「お前にだけは頭のことで言われたくないニャ。このアホ犬」

兎娘「ま、頭文字が同じでややこしいってのはあるかもね。ほら、『う』なんて三つもあるし」


犬娘「確かに、うって多いよねぇ…ウシとウサギとウマ…まあどれも動物の中だと有名だし仕方ないか」


猫娘「正直、牛と馬に比べたらウサギは型落ちしてるニャ。こいつだけ何の役にも立たないニャ」



兎娘「あ?殺すぞ」



犬娘「まあまあ落ち着いて、ウサギにもいいところはあるじゃん」

犬娘「ほら、ウサギの毛皮ってフワフワして人気だし」


猫娘「でも毛皮なら羊の方が量も多いしよく取れるニャ。それに羊は乳も出すことが出来るニャ。完全上位互換ニャ」

兎娘「」ピクッ

犬娘「で、でも…ほら、ウサギは可愛いじゃん!キュートだよ!」


猫娘「じゃあ聞くニャ。お前はウサギと犬、どっちが可愛いと思うニャ?」

猫娘「ちなみに私は猫がこの世で一番可愛い生物だと思っているニャ。犬のお前はどっちが好きなんだニャ?」


犬娘「え…ど、どっちかって言われると…」

犬娘「……犬だけど」


兎娘「」ピクピクッ


猫娘「ほら見ろニャ。可愛さの指標なんて個人によって変わるニャ。何の自慢にもならないニャ」

犬娘「で、でも…ほら、他にもあるじゃん。ジャンプ力とか、足の速さとか」


猫娘「跳躍力ならウサギより体格も筋肉もある虎の方が上ニャ。足も馬の方がスタミナもあるし、競馬用なら速いニャ」


犬娘「ウ、ウサギのお肉って美味しいじゃん!?」


猫娘「牛と鶏より美味しいなら、今頃人間はみんなウサギを食ってるニャ。そもそも、肉の味で競うなんて本人からしたら遠慮してほしいに決まってるニャ」


犬娘「あっ…」

犬娘「ご、ごめんね?ウサギちゃん」

兎娘「ねぇ、何で謝るの?」


犬娘「えっ…な、なんでって…そりゃあ……」


兎娘「ううん、こっちこそごめんね。やりたくもないウサギの擁護なんてしちゃって、そうだよね、所詮ウサギは何の役にも立たない食用の動物だよね」

兎娘「天下の犬猫様から見たら不人気もいいところだよね?ごめんね、永遠の三番手で」


犬娘「も、もしかして…ウサギちゃん怒ってる?」



兎娘「怒ってるに決まってんだろうがああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!ウサギディスってんじゃねえぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」ドンガラガッシャーン



猫娘「あーあ、まーたいつものが始まったニャ」

兎娘「悪かったな!特に取り柄も何もなくて!!ウサギと言ったら、兎と亀とか万年発情期とか、マイナスイメージしかないもんな!!!!」

兎娘「でもさぁ、キャラクターとしては完璧じゃん!?バニーガールとか見てみなよ!あんなエロい格好なんてこの世に存在しないよ!完璧だよ!」

兎娘「この大きな耳以上に特徴的な部分がある動物っている!?いないよねぇ!天使級の可愛さだよ!!!!むしろ天使だよ!!!!」

兎娘「少なくとも、何も特徴のない羊よりはずっとマシだよ!!!!羊なんて毛ぐらいしかないじゃん!あんなのソシャゲだったらR枠だよ!!ハズレもいいところだよ!!!」

兎娘「その点、ウサギは間違いなくSSRの風格があるよね!?最高ランクの可愛さだよ!!!ウサギの可愛さに気付いていないのなんて人類だけだよ!!!!!」



犬娘「ひ、ひぇぇ…」

猫娘「ほら、お前が下手に触るせいニャ。どうにかしろニャ」

犬娘「ど、どうにかしろって…こうなったウサギちゃんを止める方法なんてないよ」

猫娘「はぁ、新年早々うるさいニャ。せっかく静かに過ごしてニャのに」

兎娘「ぜぇ…ぜぇ…」ハァハァ


犬娘「ウ、ウサギちゃん大丈夫?何か飲む?」


兎娘「い、いただくよ…」


猫娘「やっと収まったニャ。小一時間もよく喋っていられるニャ」


兎娘「う、うん…ごめんね。久しぶりだったからテンション上げ過ぎちゃった。人様の家で、しかも年が明けてから間もないのに…」


犬娘「まあいいよ。もう慣れてるし。はい、お茶」スッ


兎娘「ありがとね」ズズー

猫娘「…で、話を干支に戻すニャ」


犬娘「あーそういや干支の話してたんだったね」

兎娘「うん、すっかり忘れてたよ」


猫娘「私はどうしても十二支で納得できない部分があるニャ」

猫娘「ずばり、辰の存在についてニャ」


犬娘「あー龍は十二支に相応しいか、相応しくないか問題ね」

兎娘「よく論争になるよね」

猫娘「なんで家畜同士の争いに、いきなり霊獣級の生物が現れるんだニャ。最初の天下一武道会でいきなりサイヤ人が襲来してくるレベルでスペックが違うニャ」


兎娘「まあ確かに、龍は浮いてるよね。一人だけ架空の生物だし」

犬娘「浮いてると言ったらトラもじゃないの?ウシやらウマやらヒツジやら鶏の群れに混ざってるとかめっちゃ食う気満々じゃん。こいつだけ食糧調達に来たんじゃないの」


猫娘「虎はいいニャ。昔から虎は力の象徴として崇められてきたニャ。だから混ざっても不思議じゃないニャ」


犬娘「あ、同じネコ科だから贔屓してる」

猫娘「それに比べて辰はどういうことニャ。なんでこいつは十二支のレースに参加しようと思ったんだニャ」

猫娘「お前が参加するべきなのはウマ枠がペガサスでウシ枠がミノタウロスとかの大会ニャ。明らかにパワーバランスが取れてないニャ」

猫娘「で、一番情けないのはこいつが五位だってことニャ」


兎娘「確かに、龍のくせに五位ってちょっとおかしいよね」


猫娘「ネズミと牛は…まあ今更どう見てもルール破ってるじゃねえか、審判仕事しろとか言わないニャ。気付かなかった他のやつらがマヌケなだけニャ」

猫娘「なんで虎とウサギに負けているんだニャ。まあ虎は百歩譲って、虎じゃなくてチーターだった可能性もあるニャ」

猫娘「ウサギに負けるって…こいつは徒歩で移動でもしてたのかニャ?空は飛べなかったのかニャ」

兎娘「ん?さりげなくウサギのこと馬鹿にした?」ピクッ

犬娘「ウサギちゃん、抑えて、抑えて」


猫娘「明らかに身の丈に合ってない大会に参加して、家畜や小動物に負けて五位って…一族の恥もいいところニャ」

猫娘「こいつはきっと、大会後に晒首にされたはずニャ。ドラゴンのくせに情けなさ過ぎニャ」


犬娘「まあ順位に納得できないってのはあるよね。犬なんてブービー賞だし、明らかにおかしいよね」


猫娘「いや、それは当然の結果ニャ。犬なんて所詮は人間に尻尾振ってるだけの存在ニャ。むしろ十二支に入ってることがおかしいニャ。今すぐ猫に席を譲るべきニャ」


犬娘「あ?やんのかコラ」

兎娘「ちょっと、やめてよ二人とも」

猫娘「だから私は思うニャ。辰の枠は除外にして、代わりに猫を入れるべきニャ。これなら順位的にも納得できるニャ」


犬娘「あのさぁ…さっきから他人のことばっかり言ってるけど、猫が一番ダメでしょ」

犬娘「ネズミに騙されたってどういうこと?レースに参加できてない時点で論外でしょ。ちゃんと人の話聞いてなかったからそうなるんだよ」

犬娘「それに、もし参加できても入賞してないでしょ。猪に猫ちゃんが勝てるの?まあウサギでも四位に入ってる時点で、順位はあんまり信頼できないけど」




兎娘「おめぇらぶっ殺したろか」

猫娘「はぁ?騙された被害者の猫が悪いのかニャ?」

猫娘「これだから犬は…猫の人気に嫉妬してるからそういう汚い心になるんだニャ。好きな動物ランキングで二位に落ちたからって、僻むのはやめろニャ」


犬娘「はああああああああああ?????どこ調べなの?そのランキング?」

犬娘「猫が犬に勝てるわけないじゃん。馬鹿なの?アホなの?」

犬娘「古来から、人間のパートナーは犬って決まってるんだよ。猫なんて永遠の二番手じゃん」


猫娘「ぷっ、かませ犬が何か吠えてるニャ」

猫娘「こういうのを負け犬の遠吠えって言うんだニャ。恥ずかしいニャ」

猫娘「去年に流行ったアニメでも、主役級のキャラはネコ科だったニャ。それに干支のアニメでも主役は猫だったニャ。もう犬の人気なんてたかが知れているニャ」

犬娘「はぁ?猫のキャラなんて、特徴付けやすいから量産されているだけでしょ。下手な鉄砲も数うちゃ当たるってやつだよ。適当に語尾にニャニャ付けてる誰かさんと同じで、安易な設定だからね」


猫娘「…あ?今なんて言ったニャ」


犬娘「ところで、犬の日っていつかご存知?私の誕生日なんだけど、11月1日なんだよね」

犬娘「で、猫の日、つまり猫ちゃんの誕生日だね。これが2月22日」

犬娘「1…2…もう運命的にどっちが優れているかなんて分かってるんだよね。神様は残酷なことをするよ本当に…ここまではっきり言わなくてもいいのに」




兎娘「あの、兎の日で私の誕生日は3月3日の耳の日なんですけど。3番なんですけど」

兎娘「というか、去年は私だけ誕生日祝ってもらってないよね?酷くない?思い出したら腹立ってきたんだけど」

猫娘「そんなの偶然ニャ!!!!!!そもそも犬の鳴き声がワンってのがおかしいニャ!!!!!どう聞いてもそんなこと言ってないニャ!!!!!」

犬娘「鳴いてます~ちゃんとワンって鳴き声です~猫ちゃんの耳がおかしいんだよ。耳鼻科行ったら?あとついでに精神科も受診した方がいいよ」

猫娘「このクソ犬が!!!!!!表に出ろニャ!!!!!!今日こそどっちが強いかはっきりさせてやるニャ!!!!!!!」

犬娘「上等だよ!!!!!私の狂犬モードで猫ちゃんなんかワンパンで倒してやるよ!!!!!!犬だけに!」



兎娘「二人ともストーップ!」バッ



猫娘「ニャ?邪魔するニャ。これからどっちが真の動物の王者が決めるんだからニャ」

犬娘「そうだよ。ウサギちゃんはどいて」

兎娘「黙って聞いてたら誰が一位だの二位だの…そんなのもう分かり切ってることじゃん」


猫娘「ホントかニャ!?どっちが一位ニャ!?」

犬娘「もちろん犬でしょ!ねぇ、ウサギちゃん!?」


兎娘「一位はもちろん……」











兎娘「ウサギだよね!だってこんなに可愛い生物、地球にいないもん!」


猫娘「…」

犬娘「…」

兎娘「欠点らしい欠点と言えば、飼ってる人が少ないぐらいだよね!まあ後10年もすればウサギブームが起こること間違いなしだよ!!うん!」



犬娘「…ウサギちゃん、ちょっと言いにくいんだけどさ」

猫娘「ウサギだけは絶対にないニャ。そもそも三番手すら怪しいニャ」



兎娘「はあん!?」


兎娘「こ、この畜生共がああああああああああああ!!!!!!!戦争じゃワレエエエエエエエエエエエエ!!!!!!」

兎娘「おめえら二人ともぶっ殺してやったるわあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

猫娘「こうなったら誰が真の十二支に相応しいか喧嘩で決めるニャ!!!!先に気絶したやつが十二支から追放決定ニャ!!!!」

犬娘「なにそのルール!?そんなの猫ちゃんしか得しないじゃん!!!」

猫娘「そんなの知るかニャ!!!!!ネコパンチ!!!!」ブンッ

犬娘「なっ…この!やったな!!ワンコキック!!!!!」ダッ


兎娘「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!こころぴょんぴょんアタック!!!!!!」バッ




犬猫兎「「「  勝つのは私だああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!  」」」









おわり

終わりです
なんで十二支に辰が入ってるんでしょうね

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