ほむら「魔法少女 マギゾンズ」 (20)

何もない真っ黒な空間

向き合うのは二つの人影

「…ここはどこかしら」

「……」

「魔女の結界の中?」

「……」

「それとも時の狭間?」

「……」

「だんまりか…」

「……」



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「…あなたは誰」

「……」

「……」

「……た………な…」

「…よく聞こえないわ」

「…な………か……」

「聞こえないわ。はっきり言ってもらえないかしら」

「……」

「……」

「…わたしは」

その瞬間空間が一気に白へと染められ上げられ、『彼女』と視線が交差する

「…!」

「わたしは―、」






















「貴方のなかのあなた」

魔法少女まどか☆マギカ×仮面ライダーアマゾンズ

8:2

「っ!」

見慣れた天井

また巻き戻された世界の時間

<転校日!>

カレンダーが今私が存在する時を伝える

「……」

自分の体があることを確認するように、ゆっくりと体を起き上がらせる

…夢、か

じんわりと手の内側ににじむ汗を握りしめ、再度自分の存在を確認する

数えるのやめるほど繰り返した日々の中でいつしか夢も見なくなっていたが…

「変な夢ではあったけど、幸せな夢に比べればマシね」

中途半端な希望を見せられるくらいならこれでよかったのかもしれない

そう自分に言い聞かせる

ただの夢であることを確認するため壁掛けの時計に視線を移す

「8時00分、ジャスト」

時計の針はいつもの起床時間を寸分違わず示している

…どうやら杞憂で済んだようだ

ふわりと体をベッドに沈める

これまでも、すでに巻き戻した時点からイレギュラーが発生していたという事態も少なからずあった為警戒してしまったが、本当にただの夢であったようだ

過去には何故かさやかが私の病室で寝ているといったことや、まずもって転校先が違うといった致命的なものまであったりしたが…

そのケースは基本的にさらにイレギュラー要素が連鎖発生するため思う通りに行かないことがほとんどであった

まあ、どちらにせよ失敗してるのでここにいるわけだが

とにかく、最低条件として何も変化がないというのが必須なのだが、今回は満たしてくれている

あれはただの夢

過去にあったことを考えればほんの些細なこと

「そうならば普段通りに動きましょうか」

ひとまずイレギュラー要素はないものとして今回も動く

たとえ何があったとしても私のやることは変わらない

まどかを助ける

それだけのこと

たとえ今回が無理だとしてもそれを無駄にはしない

まどかを救うまでは決して止まらない

勢いよく体を起こし、ベッドから降りる

とりあえずいつもと同じようにまずは自然に裸眼が使えるよう院内の店でコンタクトを購入しに向かう

魔力で眼鏡要らずにするのは当然なのだが…

昨日まで眼鏡をかけていた子がいきなり外していたら不思議と思うのはふつうのことだ

だから面倒ではあるがこうして理由付けをしている方が後が楽なのだ

ベターではあるが入学前のイメチェンと言えば納得してもらえる

病室を出て店に足を向ける

さて着くまでの間に視力を回復させよう

手を目の前にかざし魔力を込める

……

「……まって」

あれ

『カレンダーが今私が存在する時を伝える』

『壁掛けの時計に視線を移す』

『勢いよく体を起こし、ベッドから降りる 』

メキッ

掴んでいた手すりが割れる

ああ、よく見える

飛んでいく木片の細かな破片がくっきりと見える

そしてよくわかる

今の私にはこれをどうすることもできないと

踵を返し病室へと引き返す

体が軽い

久しぶりの感覚

そして全くの想定外

「ソウルジェムがない……!」

私の体から魔力がキレイさっぱりなくなっていた

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