未央「プロデューサー！今日は何の日？」

武内P「今日は……午前は雑誌の取材と撮影、午後はラジオのゲスト出演になりますね」

未央「……そっか」

武内P「どちらも社内での仕事ですので落ち着いていけると思います」

未央「うん、わかったよ」

武内P「どうかされましたか？」

未央「………なんでもない。じゃあ仕事行こっか？」

武内P「は、はい」

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武内P「お疲れ様です」

未央「ありがとう。まぁ、写真はちょっと取り直しがあったけどね……」

武内P「そうですね。ですが2度目はしっかりとできていたのですから、気にしないでください」

未央「そっか、ありがとう♪……ところでさ、プロデューサーはこの後時間ある？一緒にお昼でもどう？」

武内P「すみません、午後の仕事について確認しておきたい事があるので……」

未央「い、いやいいんだよ？ごめんね忙しいのに変なこと言っちゃって」

武内P「……あの、本田さん」

未央「何？」

武内P「……それではまた午後に」

未央「……うん」

未央「はぁ……別に、気になんてしてない。……って言えないなぁ」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

みく「あ、いたいた。李衣菜チャンこっちこっち！」

未央「みくにゃん？」

李衣菜「未央ちゃん探したよー」

未央「リーナも何？」

李衣菜「何って、未央ちゃん誕生日でしょ？」

未央「え？覚えててくれたの！？」

みく「当たり前にゃ。未央チャン、はい。プレゼント♪」

李衣菜「私からはこれ！」

未央「わぁー！ありがとう！！みくにゃんは猫耳で、リーナはヘッドホンかぁ！ありがとう♪」

みく「え？李衣菜チャンアクセサリーにするって言ってたじゃん！？」

李衣菜「いやだって、『アレ』があるし………」

みく「だからってヘッドホンじゃみくのネコミミとかぶるにゃ！？」

李衣菜「しょーがないでしょ！？急だったんだから！！」

みく「みくのネコミミ普及計画はどうなるにゃ！？」

李衣菜「どのみちネコミミ普段使いするようなのはみくちゃんだけだよ！！」

みく「何だと―！！」

李衣菜「やるかー！！」

未央「ちょちょっ！？喧嘩しないでってば！」

みく「うぬぬぬぬ……！」

李衣菜「ぐぬぬぬぬ……！」

未央「ていうかリーナ『アレ』って？」

李衣菜「えっ！？えっとね……」

みく「なんでもないにゃっ!?気にしないで！」

李衣菜「そうそう!!気にしないで！」

未央「そ、そう？」

みく「それじゃあみくたちはこれで！」

李衣菜「またね！」

未央「う、うん、またね……ずいぶんと慌ただしかったなぁ」

凛「未央、ここにいたんだ」

未央「しぶりん？」

卯月「未央ちゃんおはようございます」

未央「しまむーも。二人そろってどうしたの？」

凛「決まってるでしょ――――誕生日おめでとう。未央」

卯月「おめでとうございます、未央ちゃん♪」

凛「ほら、プレゼント。誕生花のサフランだよ」

卯月「私からはハンドクリームです。乾燥しがちな季節ですから、ちゃんとケアしてほしいなって」

未央「二人ともありがとう！すっごく、すっごくうれしいよ！！」

凛「喜んでくれたなら、私たちも嬉しいよ」

卯月「はい！」

未央「ならさ、お礼ついでに一緒にお昼食べない？」

凛「いいけどプロデューサーは？さっきまで一緒だったんでしょ？」

未央「……知らない」ﾌﾟｲｯ

卯月「凛ちゃん」ｺｿｯ

凛「……はぁ、プロデューサーは相変わらずだね」ﾎﾞｿｯ

未央「プロデューサーの事はいいから早く行こ？」

凛「はいはい」

卯月「ふふっ、何にしましょうか？」

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卯月「それじゃ未央ちゃん、お仕事頑張ってください」

凛「誕生日だからってはしゃぎすぎないようにね」

未央「わかってるって。——――しぶりん、しまむー、ありがと♪」

卯月「はい♪」

凛「ん」

未央「それじゃあ私もそろそろ行くね？」

凛「未央」

未央「何？しぶりん」

凛「プロデューサーの事、もうちょっと待ってあげて」

未央「え？」

凛「なんていうか、プロデューサーがどんな人かだなんて未央が一番よく知ってるでしょ？」

未央「……」

凛「だから、もうちょっと信じてあげて」

未央「……ん」

卯月「……行っちゃいましたね」

凛「ていうかそんなに気づいてほしいなら自分で言えばいいのに」

卯月「気づいてもらえるのが嬉しいんですよ。特にプロデューサーさんに」

凛「……卯月はいいの？」

卯月「……今日は、未央ちゃんの誕生日ですから」

凛「……そっか、卯月はお姉ちゃんだね」

卯月「はい、お姉ちゃんです♪」

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武内P「……」

未央「プロデューサー、ごめんね？待たせちゃった？」

武内P「いえ、まだ時間はありますから気にしなくて大丈夫ですよ」

未央「ん、じゃあ早めに行こ？打合せとかあるし」

武内P「ええ、そうですね」

未央「……プロデューサー」

武内P「はい、なんでしょうか？」

未央「……なんでもない。早く行こ？」

武内P「……はい」

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未央「今日のお仕事しゅーりょー！！」

武内P「お疲れさまでした」

未央「プロデューサーもお疲れー！」

武内P「本田さんもとても頑張っていましたね」

未央「そりゃあね、この仕事楽しいし！」

武内P「それならよかったです」

未央「それじゃあ私はもう帰ろっかな」

武内P「あ、ちょっと待ってください」

未央「何？」

武内P「その、ちょっと時間をいただけますか？」

未央「……うん」

・
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未央「今日のお仕事しゅーりょー！！」

武内P「お疲れさまでした」

未央「プロデューサーもお疲れー！」

武内P「本田さんもとても頑張っていましたね」

未央「そりゃあね、この仕事楽しいし！」

武内P「それならよかったです」

未央「それじゃあ私はもう帰ろっかな」

武内P「あ、ちょっと待ってください」

未央「何？」

武内P「その、ちょっと時間をいただけますか？」

未央「……うん」

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未央「……わざわざ事務所に戻るなんて何の用なの？」

武内P「本田さん」

未央「はいはい、何？」

武内P「いえ、ちょっと……」

未央「もう、どうしたの？」

武内P「いえ、その、ですね……」

未央「うんうん」

武内P「………あの、本田さん」

未央「う、うん」

武内P「……ｯ！！」ｽﾞｲｯ

未央「えっ！？」

武内P「あなたに、伝えたいことがあります」

未央「な、何？そ、そんな急に……」

武内P「本田さん」

未央「う、うん」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

武内P「その……これを」ｽｯ

未央「え？」

武内P「お誕生日、おめでとうございます」

未央「え？……え？」

武内P「早めに言い出そうとは思っていたのですが、その、どのタイミングで何と言って渡せばいいのかと思ってしまい」

未央「今日、私の誕生日だって、知ってたの？」

武内P「もちろんです」

未央「そう、なんだ」

武内P「あの、受け取っていただけますか？」

未央「……うん。開けていい？」

武内P「ええ」

未央「……イヤリング。これって、星？」

武内P「はい、何を贈ればいいのか迷っていたのですが、皆さんの助言を受けてこれが良いのではと……」

未央「……なるほど。『アレ』ってそういうことか」

武内P「その、どうでしょうか？」

未央「ん、ちょっとまって。……はい♪どう？似合ってる？」

武内P「……ええ、とても良く似合ってます」

未央「そっか。……んふふ♪そっか。あーあ、私バカみたい」

武内P「ど、どうしたのですか？」

未央「私さ、今日が特別な日だって思いたかったの。みんなに祝ってもらって私はすっごく幸せだって」

武内P「……」

未央「お昼の時にさみくにゃんとリーナ、しぶりんとしまむー。ほかにも色んな人から祝ってもらったんだ」

未央「で、実際みんなが祝ってくれて私はすごく嬉しかった。でもさ、プロデューサーが何も言ってくれなかったら私きっと、ちょっとだけ……ほんとにちょっとだけ、残念だなって思ってた」

武内P「本田さん……」

未央「めんどくさいって思う？……私はそう思うな。でもさ、私をアイドルにしてくれた。私の人生を変えてくれた貴方には私が生まれたことを祝って欲しかったんだよ」

武内P「……」

未央「だから、ありがとうプロデューサー♪仲間に、友達に、貴方に祝福された私は……世界で一番幸せです♪」

武内P「ええ、私も……今日という日を心から嬉しく思います」

未央「……もうすぐクリスマスだね」

武内P「はい」

未央「みんなでパーティーとかできるといいんだけど」

武内P「そう、ですね……今からだと難しいと思いますが……」

未央「うん、わかってる。ごめんね。変なこと言っちゃって」

武内P「そんなことありませんよ。気持ちはわかりますから」

未央「……プロデューサーも変わったね」

武内P「そうですか？」

未央「でも、それでいいんだろうね」

武内P「……はい」

未央「それにしても、ふふっ……イヤリングかぁ♪」

武内P「本田さん？」

未央「これは、プロデューサーが選んでくれたんだよね？」

武内P「はい、あまりこういうのに詳しくないので皆さんに助言を頂いたのですが……」

未央「プロデューサー、女の子にアクセサリーなんて贈ると本気にされちゃうよ？」

武内P「え？」

未央「だからさ、こういうのは私だけにして」ｽﾞｲｯ

武内P「あ、あの」

未央「プロデューサーが不器用なのも優しいのもわかってるけどさ、あんまり不用意に女の子に優しくすると―――――私みたいになっちゃうからさ」ｽﾞｲｯ

武内P「あの、ちょっと近すぎませんか……？」

未央「さっきのお返しだよ？」

武内P「で、ですが……」

未央「プロデューサーぁ……」ｷﾞｭｯ

武内P「本田さんっ！？本当に、これ以上は……」

ﾐｸﾁｬﾝ､ﾄﾞｳｼﾖ!?

ｺﾉﾏﾏｼﾞｬﾔﾊﾞｲﾆｬ!?ﾐﾝﾅ、ﾄﾂﾆｭｳﾆｬ!!

ｳﾂﾞｷ！ｲｸﾖ!!

ﾊｲｯ!!








ﾊﾞﾝｯ!!ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ!!





未央「へっ！？」

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｻﾞｯ!!


みく「……」

李衣菜「……」

蘭子「……」

美波「……」

アーニャ「……」

きらり「……」

莉嘉「……」

みりあ「……」

杏「……」

かな子「……」

智絵里「……」

凛「……」

卯月「……」




未央「み、みんな？あれ？ど、どうして？」

みく「せーのっ」









『未央ちゃん！誕生日おめでとー！！』

未央「え？え？え？何？何？」

みく「今から未央ちゃんの誕生日パーティーを開催するにゃ！！」

李衣菜「そういうこと♪」

未央「え？え？だって、リーナとかからプレゼントもらったし、みなみんたちはそもそもオフなんじゃ……」

美波「だからオフの子たちで集まって準備してたの。といってもお菓子とジュースぐらいだけどね？」

未央「な、なんでわざわざ……」

李衣菜「あのねー未央ちゃんは散々ほかの人の誕生日パーティー主催してたのになんで自分はされないと思うのさ？」

みく「自分を除外する当たり未央ちゃんらしいといえばそうだけどにゃー」

凛「ていうか、いつまでくっついてんの？」

未央「え？」

武内P「……あの」

未央「わああああああっ！？」ｻｯ

卯月「いくらなんでもそういうのは良くないと思います」

未央「えっとね、これはねその……」

みく「隙間からこっそりのぞいてたけどPチャンと話してた時の未央チャンの顔はまさしくあれだったにゃ」

李衣菜「あれって？」

みく「メスの顔!!」

李衣菜「直球すぎるでしょ……」

蘭子「たとえ、この日がそなたの生誕祭であろうと、その行いは些か強欲すぎでなはいか！？（ずるいですよ未央さん！！？）」

アーニャ「ダー。同感です」

莉嘉「なんだか未央ちゃん大人っぽかったよねー」

みりあ「なんだろー、みりあもあったかくなっちゃった」

美波「みんな、その辺にしとかないと……」

未央「ぜ、全部みてたの……？」

杏「まるっとね」

きらり「杏ちゃん。未央ちゃん、きらりたちもその、タイミングを伺ってただけなんだよ？」

智絵里「そ、そうなんです。サプライズパーティーだから驚かせようって……」

かな子「だから、その……とりあえずお菓子食べよっか？」

未央「ッ！！」ﾀﾞｯ

ｶﾞｼｯ

凛「主賓がどこ行こうっていうの？」

卯月「そうですよ未央ちゃん？」

未央「ヤダヤダ離して！」

凛「話なら聞くよ？とりあえず座ろっか？」

卯月「主役なんですから真ん中ですよね♪」

未央「あんなの見られて落ち着いていられると思う！？」

凛「普段は小心者だ。なんて言ってるくせにずいぶん大胆だったね？」

みく「みく達に気づかなかったのが運の尽きにゃ」

李衣菜「あんまり邪魔したくはなかったんだけどね」

未央「ならもっと早く来るか、もしくは気づかないふりして入ってきてよ！！？」

李衣菜「私たちもまさか未央ちゃんがそこまでするとは思ってなかったからさ」

みく「スキャンダルの芽は早めに潰すに限るにゃ！」

未央「うう……」

武内「あの、本田さんはあくまで日ごろの感謝を。ということだったのかと……」

未央「そう！そうなんだよ！！別にそんないやらしい事とか別にね！？」

みくー「よーしみんなー！パーティーを始めるにゃー！！」

未央「無視っ！？」

凛「未央は何飲む？」

未央「え、オレンジジュース……ってしぶりん！！」

卯月「未央ちゃん、未央ちゃんが本気なら私、私は……」ｳﾙｯ

未央「しまむーは何で泣いてるの！？」

卯月「泣いてません！私、笑顔が自慢ですから♪」

未央「そんな健気すぎる顔で言われても！？」

かな子「はーい♪ケーキだよー」

杏「ホール3つは多くない？」

かな子「え？人多いから大丈夫だよー」

杏「……いや、それ6号サイズじゃん無理じゃない？」

莉嘉「お姉ちゃんも仕事終わったから今からくるって」

かな子「ほら♪残ったら私やプロデューサーさんが頑張るから」

杏「……とりあえず杏はイチゴが多い部分を食べたいな」

凛「未央、確かに色々あったし気持ちはわからなくないけどさ。アンタは私たちのリーダーなんだからもうちょっと節度を持ってさ……」

卯月「私だって……だけど、未央ちゃんならって決めたのに……私は迷ってばっかりで……」ｸﾞｽｯ

未央「しまむーは泣いてるし、しぶりんは滾々と諭してくるし何これ！？誰か助けてよ！？」

蘭子「たとえ太陽の眷属が相手であろうと、光と闇の使徒である我は一歩も退かぬ！！（私は、諦めませんから！）」

アーニャ「ミオ。あんまりくっつくの、嫌、です」

未央「増えた！？」

ﾜｰ!ｷｬｰ!





武内P「……本田さん、誕生日おめでとうございます」








武内P「誇ってください。貴女はこれだけの人から祝福される人なのですから」

みく「いいセリフで締めようとしてるけど」ｶﾞｼｯ

李衣菜「プロデューサーも当事者なんですよ？」ｶﾞｼｯ

武内P「……私はどうすれば」

みく・李衣菜「「行ってこい」」ｹﾞｼｯ

ｱｰ!!ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰﾄﾞｺｲｯﾃﾀﾉ!?ﾜﾀｼ、ｽｯｺﾞｲﾀｲﾍﾝﾅｺﾄﾆﾅｯﾃﾙﾖ!?

ｿｳﾀﾞﾈ､ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰﾆﾓﾊﾅｼｷｺｳﾄｵﾓｯﾃﾀﾝﾀﾞ

ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰｻﾝﾜﾀｼﾊ、ﾜﾀｼﾀﾞｯﾃ……!!

ｿﾉ､ﾄﾘｱｴｽﾞｵﾁﾂｲﾃｸﾀﾞｻｲ……









みく「まさしく、姦しいってやつにゃ」

李衣菜「私たちも含まれてるでしょ？」

みく「あったりまえにゃ！！アイドルが姦しくなくってどうするにゃ！」

李衣菜「まぁ、なんにしても」

李衣菜「これからもよろしくね、未央ちゃん」

みく「にゃ」









終