青葉「えぇっ、下着泥棒ですかっ!?」 (36)
コウ「あぁ。最近、近所で出没してるらしいんだ!」
青葉「怖いですね…」
コウ「だけど、盗んで去る際に顔を見たって人がいたみたいで、その人の証言をもとに似顔絵を作成したから、見かけたら通報してくれって手配書を貰ったんだよ!」
青葉「そうなんですか。でしたら早く捕まるといいですね!」
コウ「だな。それにしてもこの似顔絵、どこかで見たような顔だけど、誰だろうな?」
青葉「八神さん、見覚えがあるんですか!? って、あれ、私にも見覚えが……?」
コウ「青葉もかっ?!」
青葉「はい…」
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青葉「でも、誰でしょうねぇー?」
コウ「まっ、そんなにあせることはないさ。そのうち思い出すだろう!」
~翌日~
青葉「おはようございまーす!!」
コウ「おーい、りんにひふみん。あったか?」
りん「う~ん、ないわ~!」
ひふみ「うぅん。見つからない…よ……コウちゃん」
青葉「って、あれ、どうされたんですか?」
りん「あっ、青葉ちゃんおはよう。」
コウ「おぅ、おはよう青葉! それより青葉、私の替えのパンツとズボン…知らないか?」
青葉「いえ、ご存知ありませんが…。」
コウ「そっかぁ~。あぁーー、どこにいったんだろうっ!?」
青葉「あのぅ、八神さんの替えの下着とズボンがどうかされたんですかっ?」
ひふみ「無くなった……の」
青葉「えっ?」
りん「それが昨日の夜まであったはずのコウちゃんの下着とズボンが、朝気が付いたら無くなっていたみたいなの!」
青葉「ええぇぇーーっ!?」
はじめ「おはようございまーす」
ゆん「おはようさん」
青葉「あっ、はじめさんにゆんさん!」
はじめ「なになに、この騒ぎ?」
ゆん「どないされたんですか?」
りん「実は~カクカクシカジカ~な訳なのよ…」
はじめ「マジでっ!?」
ゆん「それは一大事ですねっ?!」
青葉「ハッ、もしかして!?」
ひふみ「青葉ちゃん…何か…知ってる……の?」
青葉「昨日、八神さんが言ってた「下着泥棒」の仕業かもっ!?」
コウ「あっ、それだ! それかもしれないっ!!」
りん・ひふみ「「えっ!?」」
ゆん「な、なんやそれっ!?」
はじめ「下着泥棒って、もしかして最近近所で出没してるっていう……アレの?」
ゆん「まぁ、青葉ちゃんの言う通り下着泥棒って可能性は…」
ひふみ「無くは…ない…けど……」
りん「でも、それだと盗まれるのは下着だけよ。無くなったのは下着だけじゃなくてズボンもだから、同一犯って考えるのもねぇ…」
コウ「だが、可能性としてはある! よぉ~し、私がとっつかまえて下着とズボン取り返した後で、罰として警察に突き出してやるー!!」
ひふみ「コウちゃん……なんだか…意気込んでる…」
りん「というか、そもそもコウちゃん捕まえられるのっ!?」
コウ「分からねぇが、やれば出来るだろ、やれば!」
ゆん(無鉄砲すぎますわ、八神さん…)
はじめ「じゃあ、私も協力します!」
青葉「私も! 八神さんが困っているのに放ってはおけませんから!」
コウ「ありがとなはじめ、青葉! そうだ、もちろん。りんとゆん、ひふみんも手を貸してくれるよな?」
りん「えっ?」
ひふみ「え、えぇと……」
ゆん「う、ウチは!?」
コウ「ほらっ、りん、手を貸してくれ! 頼むー?」
りん「(ハッ、コウちゃんからのお願いっ!?///)わ、分かったわ!!///」
コウ「おっしゃあー!!それでこそ、りんだ!」
はじめ「ゆんー、頼むよー?」
ゆん「八神さんの問題やのに、どうしてはじめが……。でも、まぁ、八神さんが困っているのを放っておくのはウチも嫌やし、手を貸しますよ!」
はじめ「おー、流石はゆん!!」
青葉「ひふみ先輩もご一緒に、お願いします?」
ひふみ「う……うんっ////(可愛い…青葉ちゃんの…頼みっ……///。それに…コウちゃんの……為っ!)」
青葉「ひふみ先輩っ!!」
コウ「うぉーー、ゆんとひふみんも助かるよ!!」
ゆん「でも、協力って言っても何をすればええんですか?」
りん「そうね。具体的な策がないと、協力も何もないわよね」
コウ「ふふふっ、それなら大丈夫♪」
ひふみ「えっ?」
コウ「もう思い付いているからさ!」
青葉「どんな策なんですか、八神さん!?」
コウ「パンツで誘き寄せるんだ、下着ドロを!!」
はじめ「パンツで、ですか?」
コウ「下着泥棒なんだから盗むのは当然「女のパンツ」だ! だから作戦はこうだ……私らのパンツをあるだけ用意してから盗まれやすい場所に設置しておいて、それを盗みに来たところを全員で取り押さえるんだ! どうだ、いい作戦だろ?」
りん「わ、私達の下着でっ!?/////」
コウ「もちろん。だってパンツの数が多い程、寄ってくるものだろ…泥棒って?」
ゆん「そ、そうですけどっ……/////」
ひふみ「さ、流石に…自分のし、下着を…用意…するのは……ちょっとっ…/////」
青葉「いいかもしれませんね!」
はじめ「そうだね!」
りん・ゆん・ひふみ「「「えっ!?/////」」」
コウ「そうだろー!! よぉし、まずは各自、家にあるだけのパンツを持ってきてここに集まってくれ!」
青葉「今からですか? でも、今からですと……」
はじめ「あっ、そっか! 私は自転車だから大丈夫だけど、青葉ちゃんとかは電車だったよね?」
コウ「それじゃあ、お金渡すからタクシーを使え! あっ、領収書はしっかりと貰って来いよ? しっかりと経費で落とすんだからな!!」
青葉「ありがとうございます!!」
はじめ「流石は八神さんっ♪」
コウ「はははっ、それほどでもないさ!」
りん(家から下着を持ってくる為だけにタクシーだなんて………コウちゃんの考えが読めないわ……)
ゆん(どないにしてもこの作戦やらなあかんの……。それにしてもはじめの奴、なんであんなん乗り気なんやろっ……)
ひふみ(あぁ……、真面目な青葉ちゃんのキャラが崩れて…………)
その後……
「~下着(パンツ)の束~」ジャーン
ひふみ「っ/////」
コウ「よぉし、とりあえず集められるだけ集められたな!!」
はじめ「当然ですよ! 家にあるのをありったけバックに入れて持ってきましたからね!」
青葉「私もです!」
りん「うぅっ/// 流石に恥ずかしいわっ~/////」
ゆん「同感ですっ/////」
コウ「何言ってるんだ、りん達だって協力するって言ったろ? 今更恥ずかしがるなって!」
りん「で、でもぉっ/// ねぇ、ここは私たちじゃなくて警察に任せた方が賢明なんじゃ……?」
ゆん「そうやなー。ウチらはド素人やさいか、犯罪を取り締まるのは警察やもんな。」
はじめ「いえ、警察なんかあてになりませんよ!!」
ひふみ「どう……して?」
はじめ「実際に被害届が出てるのに…警察は一向に下着泥棒を逮捕できていないからですよ!!」
ゆん「あぁ……成る程なー。そういやあ、そうや!」
コウ「おっ、はじめも良い所に目を付けるな~!!」
青葉「確かにはじめさんの言うとおりです。」
ひふみ「一理ある…かも……」
りん「で、でも……」
コウ「要するにりんは下着を見られるのが恥ずかしいから終いにしたいじゃないの?」
りん「そ、それは……///」
ゆん「図星ですね…」
りん「もぅ、分かったわよっ/// その代わり約束して……取り押さえたらすぐに下着を回収する事///。後、取り押さえる前もくれぐれも無茶はしない事!!」
コウ「分かってるって!」
ひふみ「でも、下着泥棒って…事は、危ないもの……とか…持って…いない……かな!?」
はじめ「その時は私がいるから安心してください! 毎日の自転車通勤で体も鍛えてありますし! それに最近、護身術も始めましたので。」
青葉「本当ですかっ、はじめさん!?」
はじめ「うん。マジ最近だけどね!」
ひふみ「それなら……ホッ」
ゆん「というか、ウチははじめが護身術を始めたことすら初耳やけどな…」
コウ「という訳でさっそく仕掛けに行く……と、言いたい所だけど、今はまだ昼間だからもう少し暗くなったら仕掛けに行こうか!」
ひふみ「暗く……?」
コウ「下着泥棒って決まって夜に活動するから、そこを狙う為だよ!」
ゆん「仕掛けておくって言いますけど、一体にどこに仕掛けるんですか?」
コウ「ウチらの会社から歩いたところに良い住宅地があって…そのうちの一軒家の庭の物干し場所だよ!」
りん「他人の家の庭じゃないのっ!?」
コウ「大丈夫♪ 皆がパンツを取りに行ってる間にその家の住人に訳を話してさ…見事に借りることに成功したんだよ!」
ひふみ「借りた……の?」
青葉「でも、良く借りられましたね?」
コウ「まぁ、そこは私の名前を使えば十分♪ 住人がフェアリーズストーリーのファンだったから、喜んで使っていいって言ってくれたんだよ!」
はじめ「流石は八神さんっ!」
青葉(ここでも改めて八神さんの凄さを知った瞬間です!!)
コウ「ちなみに物置も好きに使っていいって許可が出てるから、見張る際は皆でそこに隠れようか!」
ゆん「ちゅうことは今日はウチら一晩一緒になるってことですか!?」
コウ「そうなるな!」
ひふみ「なんだか前の泊まり込みみたい」
りん「そ、そうねっ……/////」
コウ「よぉし、下着泥棒めっ、覚悟しろーー!!」
りん「…………」
青葉「んっ?(なんだか、遠山さんの様子が??)
~就業中~
ゆん「う~ん?」
はじめ「どうしたの、ゆん? さっきから妙に考え込んじゃってさ?」
ゆん「いやあ、朝ちょいと話をした八神さんの下着とズボンが消えた事件で疑問が……なぁ」
青葉「疑問、ですか?」
ゆん「うん。あのなぁ、青葉ちゃんは下着泥棒かもしれへん言うとったけど、実際下着泥棒って会社とかビルに侵入するやろかって思うってなぁ……?」
青葉「うーん?」
はじめ「でも、会社とかビルに泥棒が侵入するって話は度々ニュースで取り上げられてるし、疑問に思う事ってないんじゃ……」
ゆん「そうかもしれんけどな! 普通、会社に侵入する泥棒って大抵は現金とか金目の物とか、とにかく金が目的やろ? でも、実際に無くなったのはズボンと下着だけや!」
はじめ「だから最近、出没している下着泥棒って事になったんでしょ? ズボンはおいといて、パンツは盗むのでも明らかだし。」
ゆん「う~ん。でも、ウチは…下着泥棒がわざわざウチらの会社に侵入して八神さんの下着を盗んでゆくことが変や…って思うとっただけで、別に皆が下着泥棒って思うんならそれでええが…」
青葉(…………うーん?)
コウ「はいはい! 無駄話はそこまでだ。さっさと仕事に掛かれよ、仕事に!!」
青葉「あっ、八神さん」
はじめ「はーーい!」
ゆん「八神さん、ちょいええですか?」
コウ「なんだー?」
ゆん「手配書って昨日、配られたって言うとりましたけど、ウチにもその手配書見せてください?」
コウ「おぅ。そういえば、ゆんは見てなかったな?」
はじめ「そういえば、私…散々下着泥棒の話したのに、手配書全然見てなかったな!?」
ひふみ「あ、わ、私も……」
りん「あっ、コウちゃん、私もよ!」
コウ「おぅ。一気に来るなら、一気に見せるよ! ほら、これだ?」
りん「どれどr……!?」
ひふみ・ゆん「「!?」」
はじめ「へぇ~、これが下着泥棒か…。それにしても髪が長いし、服装も見るからに女っぽいよね、この泥棒…。」
コウ「だろー、はじめもそう思うだろ?」
青葉「私も昨日見せてもらった時に最初は女性かと思いましたよ!」
コウ「でも、下着泥棒だから、手配書の人物は男に違いないし、世の中には女っぽい男もいるんだな。」
はじめ「おぉ~、男の娘って奴だ!!!」
青葉「男の娘って、見た目は女性だけど、実は性別は男性だ、というあれですか?」
はじめ「そうそう!」
はじめ「それにしても髪型がウェーブが掛かっていてロングヘア、眼鏡に、しかもおしゃれにストールなんか巻いてるよ! 凄いセンスだな!!」
青葉「う~ん、でもやっぱりどこかで見たような顔ですね……?」
コウ「あぁ、そうそう。昨日、私と青葉は、どこかで見覚えがあるなぁ~って感じたんだよな?」
はじめ「ほんとですかっ? でも、二人が知っている人間なんて……う~ん?」
りん「コウちゃん……」
コウ「んっ、どうした、りん?」
りん「この手配書の人……間違いないわ…。ほら、あの人よ…いつも会ってるでしょ?」
コウ「えっ?」
ひふみ「青葉ちゃん……」
青葉「なんでしょうか?」
ひふみ「青葉ちゃんが……真面目に…見て…考えれば…見覚えがあるって……違和感が…解ける…と思う……よ」
青葉「えっ?」
ゆん「……はじめ」
はじめ「なに?」
ゆん「この手配書の人の特徴をもういっぺん言うてみい? さすれば、はじめにも誰だか分かるやろ…」
はじめ「えっ?」
コウ「いつも会ってる、あの人……」
青葉「手配書の人物……身近な……」
はじめ「確か、髪型がウェーブが掛かっているロングヘア、眼鏡に、ストール……」
回想の葉月しずく『やあ!』
コウ・青葉・はじめ「「「あっ!?」」」
コウ・青葉・はじめ「「「葉月さんだ(です)----!!??」」」
りん「えぇ…。信じられないでしょうけど、この手配書の人物はどう見ても葉月さんに間違いないわ……」
コウ「おいおい、嘘だろ!?」
青葉「そうですよ! 絶対に葉月さんである訳がありませんっ!?」
はじめ「そうそう。ディレクターとしての地位はおろか、一番上の人間だよ!? それに普段はあんなに優しい人なのに…」
ゆん「せやけど、この手配書ウチらから見れば、葉月さんに間違いあらへん…。見間違いっぽく証言してもこの手配書が証拠や!」
青葉「ですが、下着泥棒は男ですよ? それにこの手配書が出回れば、葉月さんだってすぐに職務質問とかかけられるんじゃ!?」
ひふみ「むしろ……下着泥棒=男って…イメージが強すぎた…せいで本当は…女だったって…見抜けなかった……のかも…しれない。それに警察だって……泥棒は男だって…捉えている……ようだし、もし葉月さんが……間違われても……女性だからってすぐに…解放してもらえる……可能性はある……かも。」
コウ「おぉー、ひふみん、なんだか推理力が鋭い!!」
青葉「じゃあ、最近出没し、目撃された下着泥棒って葉月さんなんでしょうかっ、やはり!?」
りん「分からないわ…。ただ、私も絶対に葉月さんでないと信じたいの…けど…」
青葉「けど? けどってなんでしょうか、遠山さん?」
りん「あっ、うん。ここ最近、葉月さんの様子がおかしかったの…」
一同「えっ?」
ひふみ「おかしいっ…て……どういう……意味?」
りん「それがね、夕方になると決まって家の用事とか別の都合があるって言って帰ることが多くなったのよ。前では夜遅くまで残ってたり、残業も良くする人なのにって思って…。」
コウ「そんな事が…。普段からあの人と良く話す私も気付かなかったな…そこは」
りん「それに帰る前にはしきりに時間を気にしていたり、「今度こそは」って呟きながら意気込んでいたり、地図を見返すこともあったわ。特に最近はメモを取ることも多いし。」
ゆん「仕事の一環じゃないんですかっ、それ?」
りん「そうね。それだったらいいのだけれど。それで、とりあえず葉月さんに前述の事を確認したら「大丈夫だ!」ってはぐらかされちゃって…。正直、私だけじゃなくてうみこちゃんも気にしてるらしいの…葉月さんの不審な行動を。」
青葉「うみこさんも、ですか?」
りん「えぇ。うみこちゃんから「葉月さんが最近、早く帰る事が多くて仕事も捗らないから困る」って愚痴を聞かされたの」
はじめ「それはお疲れ様です!!」
コウ「それ以外に細かな事は確認とか、実際に私物をこっそり見て確かめたりしなかったの?」
りん「確かめられなかったわ。私は他の人に対する余計な詮索はあまり好まないの…。それにコソコソ周りを嗅ぎ回るのもいけないと思って」
青葉「それじゃあ、まだ葉月さんの行動の正体を掴めていないんですか。」
りん「そうなのよ。ごめんなさい、私の性格のせいで詳しい事まで知る事が出来なくて…」
はじめ「仕方ないですよ。遠山さんは温和で、優しいんですからそこはしょうがないと腹を割らないと!」
りん「ありがとう♪ ………」
りん「…………下着、泥棒っ…」ボソッ
青葉(えっ?)
はじめ「でも、手配書といい、最近下着泥棒出没と同時に始まった葉月さんの怪しい行動といい、これは何か臭いますね……」
青葉「でも、よく考えたら葉月さんを疑うのはおかしいんじゃないでしょうか?!」
りん「青葉ちゃんの言う通りよ。葉月さんは絶対に違うわ。常に周囲を立てて、誰よりも私たちを気に掛けてくれているもの!」
ひふみ「わ…私もやっぱり違う…と思う。手配書が…葉月さんそっくりの…人って可能性も…あるし……」
ゆん「確かに。それに女の人が犯人やったら、どないして下着を盗む必要があるって疑問も出てくるやさかい」
はじめ「そうだね。葉月さんを疑うなんてどうかしてるって!」
コウ「でもさ、良く良く考えたら、あの人って変態っぽい所はあるしなぁ…」
コウ以外の一同「!?」
コウ「その証拠にメンバーを女だけで固めてるし、可愛い女の子が好きだって前に言ってたから」
コウ以外の一同「しずく『あはははっ♪』、『イィ、イィネっ////』、『膝枕してもらえないか?君のハリのあるふ・と・も・もで~っ/////』」←葉月しずくの今までの事を頭で思い返している一同
青葉「なんだか、庇う気持ちが……薄れてきた、ような気が…」
りん「うーーん…………」
ひふみ「っ!」←冷ややかな目になる。
ゆん「なんやろか…葉月さん=下着泥棒を重ねると、ホンマに同一人物に思えてきたわ」
はじめ「はははっ…………」
コウ「その、あれだ…。ひとまず確認しようじゃないか、もしあの人ならその時は覚悟を、別人だったら安心して私の私物を返してもらってから警察に突き出すって事でいいだろ! はいはい、仕事して、仕事!!」
~就業後~
ゆん「ホンマに行くんですか?」
はじめ「私らの下着わざわざ持ってきたからちゃんと下着泥棒ホイホイって奴を作動させないとね。」
りん「そうね。あれ、青葉ちゃんは?」
ゆん「青葉ちゃんならお手洗いに行きましたよ」
ひふみ「コウちゃん……まだ?」
コウ「ひとまず入口まで降りてていいよ! 私もすぐに来るから!」
ひふみ「うん……」
りん「分かったわ。なるべく早くね、コウちゃん」
コウ「大丈夫だって、すぐに来る!」
りん「そう言えば、コウちゃん?」
コウ「んっ?」
りん「コウちゃん、また下半身下着(パンツ)のまま寝てたでしょっ!?」
コウ「あっ、やっぱバレた!!」
りん「当たり前でしょ! それに下着だって黄色(パンツ)なんて、流石の私でも驚きよっ!?」
コウ「マジでっ♪?」
りん「前に赤色を見た時もそうね。とにかく、それだけよ! じゃあ、ちゃんと来てね、コウちゃん」
コウ「おぅ! おっと、準備準備っ!?」
(トイレから出てきた)青葉「………。」
~とある一軒家の物置~
コウ「とりあえず、パンツは物干しにセットし終わったから、後は物置の中から見張るだけだけど…」
青葉「少し狭いですね……」
りん「大丈夫かしら?」
はじめ「ちょっ、ゆん、もう少し向こう詰めてよっ!?」
ゆん「無茶ゆうなや!? ウチの方だって狭いねん!!」
ひふみ「うぅ……きつい」
コウ「流石に六人はきつかったと反省はするけど、ひとまず下着泥棒を捕まえる為だと我慢しよう!」
~3、4時間後~
はじめ「ZZZ」
ゆん「ZZZ」
ひふみ「~ZZZ」
青葉「ふわぁ~、眠くなってきましたね…」
りん「しょうがないわ。もう夜中の一時過ぎだものね…」
コウ「はじめにゆん、ひふみんはもう寝ちまってるな!」
りん「ねぇ、コウちゃん、やっぱりもう諦めましょうよ? 流石に寝不足だと明日の仕事に差し支えるわ。」
コウ「何を言ってるんだ!? ここまで来たのにさ!!」
青葉「八神さんに遠山さん、言い争いh……んっ? あっ!?」チラッ、ビクッ
外にいる人影「」コソコソ
コウ「んっ、どうした?」
りん「青葉ちゃん、どうかしたの?」
青葉「いえ、外に怪しい人影がっ?!」
コウ「なにっ……どれどれ?」チラッ
人影「」ゴソゴソ
コウ「あっ、ほんとだ!?」ビクッ
りん「そうね、私達の下着に……ってっ!?」ビクッ
青葉「下着泥棒じゃないですかっ!?」ビクッ
コウ「よしっ、一気に取り押さえるぞ!」
青葉「はい!」
りん「えぇっ!?」
はじめ「んっ?」
ゆん「な、なんですかっ?」
ひふみ「なにっ……?」
コウ「おっ、皆も起きたか?」
ゆん「少し騒がしゅうって…」
ひふみ「何か…あった……の?」
りん「大変なのよっ!?」
はじめ「何が?」
青葉「それが下着泥棒が現れて、私たちの下着をっ!?」
はじめ・ゆん・ひふみ「「「えぇぇっっっーーー!?」」」ビクッ
コウ「シィーーーー、声が大きいよっ!?」
はじめ「あっ、すみません!」
ゆん「それで、どないするんですか?」
りん「コウちゃんが今から一気に取り押さえようって言ったところでゆんちゃんたちが起きちゃったから」
ひふみ「気を…取り……直して…皆で…捕まえるん……だね」
青葉「はい!」
コウ「よぉし、気を取り直して今度こそ行くぞ! 準備はいいか?」
一同「」コクン
コウ「今だっーー!!」スッ
~外~
人影「」ゴソゴソ
バタンッ!!
人影「!?」ビクッ
コウ「下着泥棒、覚悟ーーー!!」ガバッ
青葉「うわああーー!!」ガバッ
はじめ「とりゃあーーー!!」ガバッ
ゆん「えいーーー!!」ガバッ
りん「えいっ!!」ガバッ
ひふみ「う、うわぁ…///」ガバッ
人影「わぁぁっーー!?」ドサッ
コウ「よぉし、取っ捕まえたぞーー!!!」
青葉「はい!」
はじめ「よっしゃあ、やりましたね、八神さん!」
ゆん「久しぶりにあないな声をっ///」
りん「久しぶりに張り切っちゃったわ///」
ひふみ「うぅ~っ///(恥ずかし…くて、声が……出せなかっ…た///)」
人影「イタタッ、何をするんだっ……!」
ゆん「えっ、この声って……」
人影「んっ?」
りん「あ-っ!?」
コウ「んっ?」
青葉「えっ?」
はじめ「あっ?」
ひふみ「っ!?」
葉月「って、あぁっーー!?」
一同「はっ、葉月さんっ!!??」
葉月「や、八神っ!? それに遠山くんに涼風くん、飯島くんに篠田くん…それに滝本くんもっ!!??」
葉月「一体、ここで何をやっているのかね?!」
コウ「それはこっちの台詞ですよ……」
青葉「ど、どうして葉月さんがっ!?」
りん「それに私達の下着に手を触れている所を見る限りだと…」
葉月「なにっ、君たちの下着?? えっ、この下着は八神たちのかねっ!?////」
コウ「えぇ!」
ひふみ「っ////」コクッ
はじめ「そうです!」
葉月「なんだとーっ!?////」
ゆん「驚きつつも興奮するってどういうこっちゃなっ!?」
りん「やはり、下着泥棒は葉月さん……」ササーッ
葉月「えっ?」
コウ「マジかよっ!? 私らの上司だから無実だって信用してたのにっ!?」ササーッ
葉月「えっ、ちょっ!?」
ひふみ「っ……」ササーッ
葉月「ま、待ってくれっ!? ち、違う…私は下着泥棒じゃっ…!!??」
青葉「えっ!?」
はじめ「今までありがとうございました…」ササーッ
ゆん「」ササーッ
葉月「あぁ~、誤解だっーーー!!?? そんなに距離を取らないでくれっーー!!!???」
青葉「ちょっと皆さんっ!? 様子が変です、葉月さんの話をしっかり聞k…警察官「ここか、下着泥棒がいる現場は?」タタタッ
青葉「えっ!? あれっ、どうしてここに警察官がっ?」
コウ「私がすぐに携帯で呼んだんだよ!」
警察官「この女が手配書の下着泥棒ですか?」
はじめ「間違いありません! 触って、盗もうとしていましたし!!」
葉月「ご、誤解だっ!? これには訳があって…だな…」
警察官「見る限りだと手配書の人物に間違いないですね。はい、窃盗の容疑で逮捕!!」
ガチャン♪←手錠を掛けた
葉月「えぇぇっっーーーー!!??」ビクッ
青葉「えぇっーー!?」ビクッ
警察官「それにしてもまさか、女とはねぇ……」
葉月「違う!! 私は下着泥棒じゃないんだっ!?」
警察官「はいはい。詳しい事は署の方で聞くからね!」
警察官「あっ、それと皆様のご協力感謝致します!」
ゆん「ごくろうさんです~」ペコ
りん「お疲れ様です」ペコ
ひふみ「っ……」ペコリ
警察官「ほらっ、行くぞっ? さっさと歩け!!」グイッ
葉月「わぁ~、濡れ衣だぁっーーー!!?? 私は犯人ではない~~っ!?」ズルズル
青葉「は、葉月さぁーーんっ!!??」
青葉「あぁー、葉月さんが……」
はじめ「青葉ちゃん、もういいんだよ」ポンポン
コウ「それにしてもあの人が本当に下着泥棒だったなんて…。」
ゆん「いくら女の子が好きでもあないになったら終いですね」
ひふみ「無理……。受け入れ…られそう…にない……」
りん「これから先、うちの会社はどうなるのかしら……。葉月さんが逮捕された以上、ディレクター不在のままでしょうし。しかも下着泥棒で捕まったなんて世間に知れれば…間違いなく信用はガタ落ち。スポンサーも離れて、ゲームも絶対に売れなくなってしまうわね……」
青葉「あっ、あのぅ……?」
りん「んっ、何かしら青葉ちゃん?」
青葉「その…やっぱり葉月さんが下着泥棒なんておかしいのではっ…?!」
コウ「まだ言ってるのか? 現に手配書もあるし、本人だって現場に現れて私らの下着に触ってたんだぞ?」
青葉「そうですけど、葉月さんのあの慌てふためく様子も変でし……た…し!?」チラッ、ビクッ
コウ「んっ、どうした、青葉?」
青葉「あっ、あれ見てください……」スッ←指をさしている
はじめ・ゆん・りん・ひふみ「「「「えっ?」」」」チラッ
人影「」ゴソゴソ
コウ「うぉっ、私らがそっぽを向いてうちに下着を触っている奴が、他にもっ!?」ビクッ
ゆん「いつの間にっ!?」ビクッ
はじめ「ってか、誰!?」ビクッ
りん「ねぇ……?」
コウ「んっ、どうした、りん?」
りん「私達の下着……バッグに詰めてるわ…」
人影「」ゴソゴソ
はじめ「ほんとだっ!?」
ゆん「じ、じゃあ……」
ひふみ「別の……下着…泥棒っ!?」
青葉「皆さん、取り押さえましょう!」
りん「わ、私は警察に連絡するわ。もしもし……」
コウ「よぉし、りん以外の私らで行くぞー!! せーのっ!!」
タタタタタタタタタッ
人影「?」チラッ
コウ「うぉぉぉーー!!」ガバッ
青葉「うわああぁぁーー!!」ガバッ
ゆん「えいーー!!」ガバッ
はじめ「やあああーーー!!」ガバッ
ひふみ「う、うわぁっ~///」ガバッ
人影「うっ!?」
人影「うわぁっーーーーー!!??」ドサッ
その後……
~警察署前~
葉月「はぁ……」
青葉「あっ、葉月さーーん!!」
葉月「おっ、涼風くんたちじゃないかっ!!」
警察官「いやあ~、ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ありません! あなたを連行した後にそちらの遠山さんからご連絡を頂きまして……」
りん「///」
警察官「別の下着泥棒を取り押さえたという内容だったので、急いで駆け付けて下着泥棒を逮捕し、取り調べを行ったところ「ここ最近出没している下着泥棒は私です」と自供されましたので、葉月さんの容疑は晴れた、ということで……私の誤認逮捕です! 本当に申し訳ありませんでした!!!」ペコリ
葉月「いえいえ、気にすることはありませんよ! 私もあんなところであんな事をしてたから下着泥棒と間違えられたようなものですので!!」
~道中~
りん「葉月さん、申し訳ありません!!!」ペコリ
はじめ「疑ってしまってすみませんっ!!」ペコリ
ゆん「ウチはなんちゅう事を!! すみませんでした!」ペコリ
ひふみ「申し訳……ありませ…んっ///」ペコリ
コウ「すみませんでしたー!!」ペコリ
青葉「私もです!葉月さんの無実を信じながらもあの時、しっかりと止めていれば!?」ペコリ
葉月「いやいや、私は別にそこまで気にはしてないよっ!? 頼むから、皆頭をあげてくれないかっ!?」
りん「で、でも……」
葉月「過ぎた事はもう良いさ♪ それに君たちは私の可愛い部下だ、許そうじゃないか!!」ニコリ
一同「葉月さん~っ////」ジィ~ン
青葉「あっ、そういえば、葉月さんはなぜあの現場に? どうして私達の下着を触ったのですか??」
はじめ「あっ、そういえば!?」
ゆん「それに手配書の謎も解けてませんよっ?」
葉月「あ、あぁっ!? その事は今、説明しよう!! 実は……」
ひふみ・はじめ・ゆん「「「えええぇぇぇっっっーーーーー!!!???」」」
りん「は、葉月さんも……」
コウ「下着泥棒を捕まえようとしていたって、本当なんですかっ!?」
葉月「あぁ。親戚の子が会社近くの住宅地に住んでいてな…下着泥棒にお気に入りの下着を盗まれたって事を聞いて、これは放っておけないと思って助けようと思ったんだ! 下着泥棒を独自に追って捕まえることが出来れば、世間の貢献になるし、下着も取り戻すことが出来れば親戚の子も喜ぶなぁと思って!! そこで下着泥棒の逃げた場所や被害場所を独自に調べ、地図で道を把握したり、聞き込みもしたんだ! それと夜は下着泥棒に会えないかと思い、巡回もしてたんだよ!」
りん「成る程。それで最近やけに帰りが早かったんですね…」
葉月「そういう事だ! ちなみに私の顔が手配書に載ったのも、偶然下着泥棒を追いかけている時に運悪く主婦から下着泥棒と間違えられた事があってな…。どうやら、その主婦が私を下着泥棒だと勘違いで証言してしまったことが原因らしいんだよ!」
ひふみ「それで…手配書…に……」
はじめ「でも、現場にいたのは下着泥棒を張っていたということで納得がいきましたが、どうして下着を触るなんてことを?」
ゆん「そうやね。あないな事をしたせいで葉月さんを下着泥棒だと勘違いしてしまったんやし」ジィィィィ
葉月「あ、あれは、風で下着が飛びそうになったから戻そうとしただけで……」アセアセ
コウ「風なんてありませんでしたけど?」ジィィィィ
葉月「えっ!?」
青葉「も、もしかして…葉月さんっ///!?」
りん「つい、魔が差してしまった、という訳ではありませんよねっ?」ジィィィィ
葉月「そ、そんな、訳…ない…じゃない…かっ!!??」アセアセ
ひふみ「慌てて……ます…よっ!?」
ゆん「葉月さん、図星なんですねっ?」ジィィィィ
葉月「うぅっ……」
りん「葉月さんっ!!」
葉月「す、すまない!!! つい……///」アセアセ
青葉「ま、魔が差して、つい下着を触ってしまったんですね!?」
葉月「うむ。君達の下着と知らなかったとはいえ、ついどんな可愛い子のだろうと想像したら、いつの間に触っていてねっ……///// で、でも盗む気があった訳じゃないからそこは勘違いしないでくれっ!?」アセアセ
コウ「やっぱりあのまま刑務所に入れておくべきだったかな?」ジィィィィ
葉月「す、すまないと言ってるだろうっ!?/////」アセアセ
青葉「あっ、そういえばもう一つ……八神さんの下着とズボンってどうなりましたか?」
コウ「あ、そうそう。実は今、警察が下着泥棒の家を調べてるみたいでさ…見つかり次第連絡してくれる事になったんだよ! それで連絡貰ったら、すぐに取りに行くつもりだからさ!」
青葉「そうですか……」チラッ
りん「………………」
プルルッ♪
コウ「おっ、電話だ! はい?」
コウ『はい……。えっ、そうですかっ!? 分かりました……』
はじめ「八神さん、どうしたんですか?」
コウ「それが、下着とズボン…見つからなかったんだって!!」
ゆん・ひふみ「えっ!?」
葉月「んっ、下着とズボン? 八神、どういうことだ??」
コウ「あっ、それが……カクカクシカジカ」
葉月「なにぃっーー、替えのズボンと下着が無くなったって!?」
はじめ「それも社内で無くなったみたいで、それで最近出没してる下着泥棒の仕業ではないかと思い、八神さんは下着泥棒を捕まえようとして。」
ゆん「ウチらは巻き込まれたんです…」
葉月「そういう事か。八神たちが他人の庭先を借りてわざわざ下着を吊るしていた理由は、そういう事だったのか……」
コウ「しかも警察の話じゃ、下着泥棒の奴は私らの会社になんて侵入してないって証言してるみたいで……」
ひふみ「じ、じゃあ……コウちゃんの…下着…とズボン…は盗まれたん…じゃ…なかった……の!?」
青葉「…………皆さん、ちょっとよろしいでしょうか?」
はじめ「んっ?」
葉月「どうしたのかね、涼風くん?」
青葉「実は分かってしまったんです……八神さんの下着とズボンが無くなった理由が…」
ゆん「えぇっー!?」
ひふみ「あ、青葉ちゃん……がっ!?」
コウ「マジでーっ!?」
りん「!?」
青葉「はい。下着とズボンが無くなった原因は、遠山さん…ですよね」
りん「!!??」
葉月「なにっ!?」
コウ「り、りんがっ!?」
はじめ「げ、原因って事は……」
ゆん「遠山さんが盗んだってことなんですか!?」
ひふみ「そ、そんな……りんちゃん…う、嘘…だよ…ねっ!?」
コウ「ってか、どうして青葉がそれを知ってるんだよ?」
青葉「八神さんがズボンと下着が無くなったと騒いだ後に遠山さんの様子が少しおかしいのに気付き、下着を集めた後も必死で警察に任せようと言って止めようとした所も何か理由があると思いまして…」
りん「………」
ひふみ「で、でも…それだけ…じゃ……怪しいって…証拠には……」
青葉「遠山さんが関わっているって事を確信したのは、会社を出る間際です。私がトイレに出た時に遠山さんは八神さんとこう話していました……『下着だって黄色(パンツ)なんて、流石の私でも驚きよ』って?」
コウ「あっ、青葉!? もしかして、あの時…私がりんと会話した後に私にパンツの話題を振ってきたの……って」
~回想~
青葉「八神さん!」
コウ「あっ、青葉か! どうした?」
青葉「またパンツ姿で寝ていたんですかっ?」
コウ「べ、別にいいだろ?」
青葉「それに黄色の下着っていうのも本当なんですかっ///」
コウ「なんだ? さっきのりんの話を聞いてたのか?」
青葉「はい。」
コウ「黄色って言っても昨日買ったばかりの新しいやつだぜ!まだ誰にも見せてないし、買ってからすぐにデスクの中にしまったんだよ!! そもそも盗まれたのは…実はその黄色のパンツでさぁ……。夜に替えのズボンと一緒に出しておいたのがマズかったかなー?」
青葉「えっ?!」
~回想終了~
葉月「それがどうしたのかね?」
青葉「私は好奇心で八神さんに下着の話をして、その時に八神さんは……盗まれた黄色の下着を誰にも見せないでデスクにしまい、夜に替えのズボンと一緒に出しておいたと証言しました!!」
はじめ「えっ、つまり、どういうこと?」
青葉「つまりは黄色の下着は八神さん以外、誰も知らないということなんです!」
ゆん「えぇっ!? 誰も知らないってさっき、青葉ちゃんは遠山さんの話……を…あぁっ!?」
青葉「気付きましたか、ゆんさん?」
ひふみ「も、もしかして……りんちゃんが…コウちゃんに……対して「下着だって黄色なんて、流石の私でも驚きよ」って……言ってた…けど、そもそも……誰も見ていない…なら、りんちゃんが……コウちゃん……の下着を黄色……なんて……知っている…のは…おかしい……!?」
はじめ「あっ、そうかぁ!?」
葉月「なんだとっ!?」
青葉「皆さんも気付かれましたか?」
コウ「そうだよな……。知らないし、話してもない事をりんが知ってるなんてな……」
りん「………………」
青葉「これが怪しいという証拠です、遠山さん! 本当の事を仰ってください!」
りん「…………負けたわ、青葉ちゃん。頭が良いのにね……」
りん「そうよ。コウちゃんの下着とズボンは私が持ってったの……」
コウ「どうして、なんだよ!? どうして盗んで!!」
青葉「いえ、遠山さんは盗んだわけではありませんよね?」
りん「えぇ。実は昨日……」
~回想~
~夜 イーグルジャンプ~
りん「いけない、いけない。忘れ物しちゃった……あっ?」
コウ「ZZZ」
りん「コウちゃんが寝てるわ。静かにしないと……んっ?」
「黄色の下着とズボン」
りん「黄色の下着……コウちゃんいつの間に買ったのかしら? それにしても下着がしわだらけ……随分無理にどこかに押し込んでおいたのでしょうね…。それにズボンまでもしわが……これじゃあみっともないわ!」
りん「そうだ! 今から持って帰って急いで洗濯と乾燥、アイロンを掛ければ綺麗になるわ! それに明日の朝返せば間に合うし、そうしようかしらね♪」
~回想終了~
りん「そういう訳で持ち帰って綺麗にはなったのだけれど、つい家に置き忘れちゃって! 出社したら、コウちゃんが無くなったって騒いでて、持ってくるのを忘れたのには気付いたのだけれど、ついそれを言いそびれちゃって……」
コウ「そういう事だったのか…」
ひふみ「りんちゃんの……優しさが招いた…ことだった…なんて……」
はじめ「真面目な遠山さんのうっかりだったんですね、無くなったのは!」
葉月「ふむ。猿も木から落ちる、弘法も筆の誤りとは良く聞くが、本当だったんだな!」
ゆん「まぁ、しょうがない事ですね…」
青葉「これが全てだったんですね!」
りん「ごめんなさい、コウちゃん、それに巻き込んでしまった皆も!!」
コウ「別にいいって。それに私の為にやってくれた事だったし、別に責める気なんてないよ!」
葉月「そうだよ、遠山くん。むしろ、人間には誰だって間違いはあるものさ!」
りん「ありがとう。コウちゃんの下着とズボンはまた明日、改めて持ってくるわね!」
コウ「あぁ!」
ひふみ「良かった……。これで…一件落着……だね///」
はじめ「そうですね!」
ゆん「それにしても、青葉ちゃん、よう分かったなー? 外部じゃなくて、内部の人だって?」
青葉「あぁ、それはゆんさんの言葉のおかげですよ!」
ゆん「ウチの?」
青葉「はい。ゆんさん、こう仰っていましたよね……『下着泥棒がわざわざウチらの会社に侵入して八神さんの下着を盗んでゆくことが変や」って?」
ゆん「あぁ、言うたなぁ」
青葉「それで確信したんですよ! ゆんさんの疑う通りなら会社に侵入する下着泥棒なんて、まずいない。普通は一軒家や住宅地を狙うって! それでですよ!」
ゆん「そっかぁ……。やっぱ、ウチの疑いは間違いあらへんかったちゅう訳やな!」
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