夏休み小学生ぼくの一日(28)
朝
母「ラジオ体操の時間やで。起きて」ユサユサ
ぼく「ええ……眠いし……」
母「あーあ、これやと皆勤賞の賞品も無しやな」
ぼく「まあそれでも……」
母「行け」
ぼく「へいへい、行く行く、行けばええんやろ……ねむ」ポリポリ
近くの公園
ぼく「おはよう」
友達「眠そうやなあ」
ぼく「眠いんや……そこに座るか」
友達「もう始まるで」
ぼく「一番後ろに居ればバレへん」
友達「そういうこっすいことには頭回るな」
ぼく「なぐるぞ」
テーンテテテテテーンテテテテ
友達「始まっとるでおい」ユサユサ
ぼく「zzz」
友達「まあいいか」
……イチニサンシ、ゴロクシチハチ……
友達「zzz」
???「おい」
ぼく「……ん?」
おっちゃん「まじめにやらんとスタンプ押したらんぞ」
ぼく「ごめんごめん、ちゃんとやるから」
おっちゃん「お前もや」コツン
友達「いたっ」
イチニサンシ、ゴロクシチハチ……
おばちゃん「はい今日は終わり。スタンプ押すで並んで」
ぼく「よっしゃ!」ダダダダ
おっちゃん「お前はちょっとは遠慮しろ」
友達「ほんとにな」
ぼく「うるさいわ!おばちゃん早く早く!」
おばちゃん「はいはい。元気やね」ポン
ぼく「ありがとう」
帰り道
ぼく「きょう遊べるよな?」
友達「うん。10時からでいい?」
ぼく「オッケー。……なんで10時からしか遊んだらアカンのかなあ」
友達「そりゃあお前みたいなんが夏休みの宿題やらんからと違うか?」
ぼく「人聞き悪いな。いちおう毎年間に合っとるからな……一夜漬けやけど」
友達「ほら、そーゆーとこやぞ」
ぼく「だまれ」
家
ぼく「ただいま」ガチャ
母「朝ご飯できとるよ」
ぼく「ナイス。いただきまーす」
母「手え洗えや」
ぼく「はいはい」ジャバジャバ
母「はいは一回」
ぼく「はいはい」
母「バカにしとるんか?」
ぼく「はいはい」
ボカッ
ぼく「殴らんでもええやろ!」
家
ぼく「ただいま」ガチャ
母「朝ご飯できとるよ」
ぼく「ナイス。いただきまーす」
母「手え洗えや」
ぼく「はいはい」ジャバジャバ
母「はいは一回」
ぼく「はいはい」
母「バカにしとるんか?」
ぼく「はいはい」
ボカッ
ぼく「殴らんでもええやろ!」
ぼく「ごちそうさま」
母「今日も友達と遊ぶんやろ?その前に宿題やりな」
ぼく「へーい」
母「いっつも直前になって慌てるんやから、今やっときな」
ぼく「へいへい……でも何からやればええかな」
母「漢字は?手え動かすだけやぞ」
ぼく「そうやな。一番ラクかもしれん」
30分後
ぼく「ああ~だるいわ~」カリカリ
母「手だけ動かせ。口は今いらんぞ」
ぼく「はいよ……テレビ見ていい?」カリカリ
母「集中できるのならいい」
ぼく「やったー」プチ
キョウノウンセイハー
ぼく「うわふたご座最下位やん」カリカリ
母「大変やな。なんかあったらアカンで今日はうちに居ったら?」ニヤッ
ぼく「その手には乗らんぞ」カリカリ
2時間後
母「どこまで進んだ?見せて」
ぼく「ヒアユーアー」ズイッ
母「やるやん。もうすぐ10時やから遊びに行ってもいいで」
ぼく「イエス!」
母「水筒入れたで忘れんといてな」
ぼく「サンクス」
母「外人か」
ぼく「行ってきまーす」
母「気いつけてな」
ぼく「はいよ……今日もあっついなー」ジリジリ
友達「迎えにきたでー」
ぼく「おう、じゃあ公園行こか」
友達「何する?」
ぼく「ドッチは昨日死ぬほどやったからな。野球でもするか」
公園
ぼく「もう何人かおるやん。おーい!野球しよー!」
友達何人か「「「いいよー!」」」
ぼく「いい感じにその辺にベース書いて」
友達「へーい」ザーッ
ぼく「ルールはいつものやつな」
友達2「あ、グローブもってへんわ俺」
ぼく「かしたるわ。ほれ」
友達「さすが遊ぶのは本気やな」
ぼく「『は』とは何や。『は』とは」
友達「よーし来いや」
ぼく「じゃあいくで」パアン!
友達「……やっぱ球速いなあ」
ぼく「今度から様付けで呼んでもらってええで」
友達「」イラッ
ぼく「次いくで」
友達「死ね!」カキン!
ぼく「うっわ!友達3!捕れ!」
友達3「無理や!ごめーん!」ダダダダ
ぼく「あかん!もうホームやぞあいつ!」
友達「今度から様付けで呼んでもらってもええで」ニヤッ
1時間後
友達「ちょっと休憩しよか」
ぼく「うん」ゴクゴク
友達「水筒のお茶くれ」
ぼく「いいよ」
友達「ありがとう」ゴクゴク
ぼく(変顔)
友達「」ブフッ
ぼく「吐くなよもったいない」
友達「しばくぞお前アホ」
2時間後
ぼく「もう昼やからいったん解散でいい?」
友達「そうやな。飯食ってからまた集合しよか」
ぼく「昼から何する?」
友達4「ザリガニ捕りは?」
友達「いいやん。じゃあ2時に用水に集合な」
ぼく「オッケー」
家
ぼく「ただいま」
母「おかえり。ご飯食べてまたどっか行くんやろ?」
ぼく「うん。ザリガニ捕りに行く」
母「ちゃんと世話できる分しか持って帰ってきたらアカンで」
ぼく「わかっとる。昼ご飯は?」
母「冷や中」
ぼく「やった!」
用水
ぼく「ちゃんと網持ってきた?」
友達3「うちなかったわ」
ぼく「じゃあバケツ持ち兼選別係な」
友達3「りょーかい」
友達4「選別って?」
友達「そういえばお前来たことないもんな。まあ見とればわかる」
ぼく「じゃあいくで」ザバー
友達3「バッチこーい」
友達4「すくったヘドロの中から生き物を取りだすんやな」
友達「そうそう。結構魚も捕れるで」
ぼく「次いくでー」ザバー
友達4「俺もー」ザバー
友達3「ちょっ……ヘドロ飛んできとるんやけど!くさいし!」
ぼく「見ろ、友達2。持たざる者は虐げられる運命なんや……」
友達2「かわいそうやなあ」
友達3「やかましいわ殺すぞ」
ぼく「もう夕方か」
友達「帰る?」
友達3「そうしよか」
友達2「まあアホみたいに取れたしな。山分けタイムや」
ぼく「ドラフト制な」
友達「おっけー」
家
ぼく「ただいまー」ガチャ
母「おかえりー。シャワー浴びな。もうタオルも準備してあるし」
ぼく「ありがとう」
母「その後スイカあるで」
ぼく「よっしゃ」
シャワー後
母「はいスイカ」
ぼく「めっちゃ冷えとるやん!うまいわ」シャクシャク
母「……あのさ」
ぼく「なに?」
母「あんたさ、中学受験するやろ?」
ぼく「まあ兄ちゃんがやったからな。ぼくもするしかないやろ」
母「来年の夏はさ、こうはいかんでな。塾の夏期講習もあるし……」
ぼく「わかっとる。だから今楽しんどるんや」
母「じゃあいいけど……」
ぼく「来年から本気だす」
母「それアカンやつや」
夜
ぼく「もう寝よかな」ウトウト
父「ただいま。ジュース買ってきたで」ガチャ
ぼく「なに?」
父「コーラ。あとアイスもある」
ぼく「さすがわが父」
父「へいへい。飲んだら寝ろよ」
ぼく「わーった」
ベッド
ぼく(今日は楽しかったなあ)
ぼく(……来年な。そろそろまじめにやらんとアカンのやろうなあ)
ぼく(兄ちゃんは県一番の私立中高一貫に行った。……それも主席で)
ぼく(まあ……勉強できるに超したことはないやろうけど)
ぼく(まあ、今の……うちだけは……目一杯遊んでも……いい……やろ)
ぼく「zzz……」スヤスヤ
終わり
お目汚し失礼しました
急に小学生の頃が懐かしくなって書いた。だいたい実話です。
中学受験してよかったと思うけど、夏休みがつぶれるのはちょっと嫌だった……
という話を友達としていて思いついた。
小学生の夏休みというのは、人生の中でも本当に充実している時間だと思います。
本当にうらやましい。
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