【デレマスSS】うさぎ「おい、あんず」杏「なに?」 (25)

更新ペースは気分次第(遅い)なのでそれでも付き合える人だけ見て下さい。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1498055773

うさぎ「また俺の腹から腸が抉れてきたから縫ってくれよ」綿ボロボロ

杏「え~、嫌だよめんどくさい」

うさぎ「ご主人が引きずったり枕にしたり雑に扱うからこうなったんだろうが」

うさぎ「物は大切にしなさいって実家のお母様にも散々言われてただろうに…」

杏「はぁ、うるさいぬいぐるみだなー」

うさぎ「うるさいってなぁ、俺はご主人の事を思って言っているのだぜ?」

杏「余計なお世話なんだけど」

うさぎ「アイドルになってその自堕落な性格も多少はマシになると思っていたのに全然変わらないのな」

杏「変わらないのが杏の魅力だからね」

うさぎ「こんな調子であのプロデューサー野郎は本当にご主人をプロデュース出来てるのか?」

杏「それなりに頑張ってるんじゃないの?うさぎもいつも見てるでしょ」

うさぎ「自分の持ち主を任せる身としてはそれなりじゃあ困るんだよ、今度あいつにガツンと言ってやるからあいつのデスクまで連れてってくれ」

杏「それこそめんどくさいよー」

杏「て言うかプロデューサーにはうさぎの言葉は聞こえないじゃん」

うさぎ「それもそうか…… ち、今回だけは見逃してやるぜ」

杏「なんでそこでうさぎが偉そうにしてるのかな」

うさぎ「そう言えばきらりちゃんって可愛いよな」

杏「どうしたの急に」

うさぎ「いや、なんだかんだ言って、結局俺の修繕をしてくれたり洗って綺麗してくれるのはいつもきらりちゃんだよなーっと思ってさ」

杏「だからなに」

うさぎ「俺の実質的持ち主って実はきらりちゃんなんじゃね?」

杏「ふーん、そんな事言うんだ」

うさぎ「な、なんだよ…文句あるのか?」

杏「文句はないけどなんかムカつく…だからこうしてやる!」ぶんぶん

うさぎ「うぎゃー、俺を振り回すのはやめろ~、出るから!まだ腹が抉れたままだから出ちゃいけない物が色々出ちゃうから~!!!」

数分後

うさぎ「ふぅやれやれだぜ、危うくご主人に殺される所だったぜ」

杏「うさぎの自業自得でしょ」

うさぎ「ひぇー怖い怖い、どうやら俺のご主人にはサドっ気があるらしい」

杏「うるさいなぁ」

うるさい「へいへい」

杏「……………」

うさぎ「この前事務所でよ」

杏「うわ!」びく

うさぎ「な、なんだ!ご主人!!」

杏「いきなり話かけてくるのやめてくれないかな?びっくりするからさあ」

うさぎ「んな事言われても自分で動く事のできない身の上としては、喋る以外に意思疎通の方法がないから無理な相談だな」

杏「それでも最初はもっと小さな声でそっと囁く位で話かけるとかあるじゃん」

うさぎ「ケ、ご主人なあ、この俺にそんな女の子向けの可愛いお人形みたいな女々しい真似しろって言っているのか?」

杏「いやお前は女の子向けの可愛いお人形でしょ」

うさぎ「女の子向けねぇ、でもよぉ、俺の持ち主であるご主人がそもそも…」

うさぎ「女の子って柄か(笑)」

杏「うるさい」チョップ

うさぎ「痛、ちょっと待てって、人形の話は最後まで聞こうぜご主人」

うさぎ「暴力ってのはな、間抜けな独裁主義者共の十八番なんだからよぉ」

杏「はぁ、今回は特別に最後まで話を聞いてあげる」

うさぎ「こほん、では改めまして」

うさぎ「ご主人って女の子と言うよりかはむしろ幼じょ……」

杏「あぁん!」

うさぎ「すみません、なんでもありません!今度から出来るだけ優しく話しかけれるよう善処させていただきます!」

杏「うむ、最初からそうしておけばいいんだよ」

うさぎ「それにしたって、うちのご主人の沸点は低過ぎやしないか?やっぱカルシウムが色んな所に足りてねぇとしか…」ボソ

杏「それでうさぎは何の用で私に話かけてきたの?」

うさぎ「別にそれ程の用って事でもないんだけどな」

杏「え~、それ杏が聞かないとダメ?」

うさぎ「おうよ、この家で俺の話相手なんて言ったらご主人くらいしか居ねぇからな」

杏「じゃあ、ゲームしながらの流し聞きな~」ポチッ

うさぎ「ひぇー、相変わらず俺の扱いがひでぇや」

杏「それで?早く話さないと聞かないよ」ピコピコ

うさぎ「この前事務所でよ、話をしてたんだよ」

杏「ふ~ん、誰と?うさぎと喋れるの何て結構限られてると思うんだけど?」ピコピコ

うさぎ「まあ、大体いつものメンバーだよ」

うさぎ「まずサバオリくんとピニャコラ太だろ、他はペロさんに『あの子』後はシイタケくんとかかな?」

杏「他のメンバーはともかくシイタケくんって喋れるんだ……」ピコピコ

うさぎ「まあキノコ枠は定期的に担当が変わるんだけどな(遠い目)」

杏「あー(察し)」ピコピコ

うさぎ「ま、そんな感じのメンバーで話てたんだよ」

杏「それで」ピコピコ

うさぎ「その話の内容ってのが『理想の持ち主(飼い主)選手権』って言うんだけど」

杏「なにそれ君達、私達(持ち主)が居ない間すごいノリノリじゃん」ピコピコ

うさぎ「で、その議論結果から言うとトイストーリーのアンディかきらりちゃんかの究極の二択になった訳よ」

杏「結局それか、いくらなんでもうさぎはきらりの事好き過ぎでしょ」ピコピコ

うさぎ「いいじゃねか、きらりちゃん最高だろ?」

うさぎ「その前の前くらいに話した『リカちゃんかバービー好みはどっち』談義の時も、バービー人形のような理想の頭身でリカちゃんみたいな可愛い顔したきらりちゃんが結局最強って事になったし」

杏「普段、うさぎ達が何話てるか大体察しはついたよ…」呆れ

うさぎ「まあ要するにきらりちゃん最高って訳なんだよ!」

杏「で、その話を私にしてどうしたい訳?」ピコピコ

うさぎ「ご主人!俺にきらりちゃんのペンライト買ってくれ!!!」

杏「嫌だよ、何が悲しくて私がきらりのペンライト買わないといけないのさ!」

杏「それにうさぎは買ってあげてもペンライト振れないだろ?」

うさぎ「はぁ、わかっとらんな~ご主人は」

うさぎ「こう言うのは振れる振れないじゃなくて、気持ちの問題なんだよ」

うさぎ「これだから素人は」やれやれ

杏「別に私は素人でもいいよ、後買わないからな?」

うさぎ「えー、いいじゃん、普段大した事に金なんか使わないんだからよぉ」

杏「それは印税生活の為の貯金だし…」

うさぎ「毎回そのいい訳で逃げれると思うなよ」

うさぎ「別にいいじゃん、ご主人もきらりちゃんの事は嫌いじゃねぇんだろ?」

杏「まあ、嫌いじゃないけど…」

うさぎ「ならペンライト位、買ってもバチは当たらねぇんじゃないのか?」

杏「いやだってさ……」

うさぎ「だって?」

杏「なんか恥ずかしいじゃん///」

うさぎ「……………」

杏「な、なに?何か文句でもあるの?」

うさぎ「ぎゃははは、そう来たか案外可愛い所あるじゃねーかよ、ご主人惚れ直したぜ ぎゃははは」

杏「う、うるさい!」

うさぎ「わぁああー、だから俺を振り回すのはやめてくれぇ~~、取れる耳が取れちゃうから~」



後日
杏のマンションにて


きらり「うきゃー、杏ちゃん、きらりのペンライト持ってりゅ~」

杏「そ、それは杏のじゃなくてうさぎがだな……」あたふた

きらり「ふぅん、そうなんだにぃ」ニヤニヤ

杏「絶対信じてないだろ!」

きらり「信じてるよ~」ニヤニヤ

杏「いやきらりは絶対わかってない!わかってないから!!」

きらり「うぷぷ、わかってりゅ、わかってりゅ~」ニヤニヤ

杏「もぉ~、うさぎの馬鹿ぁ!!」


うさぎ「きらりちゃん単品も良いけど、やっぱあんきらが至高だぜ」


うさぎ「多田 李衣菜、あいつはロックだぜ」

杏「いきなりどうしたの?」

うさぎ「この前、事務所で転がってたら、李衣菜が俺を拾ってくれて、ついでに千切れかけてた耳を縫い直してくれたんだよ」

うさぎ「俺はあいつのロックな心意気に感服したね、もうすっかりファンさ」

杏「うさぎってすごく現金な奴だよね」

うさぎ「それは持ち主に似たんだと思うぞ?」

杏「だろうね」

杏「まぁ、良かったじゃん、よく見たら耳元綺麗になってるし」

うさぎ「だろ?一見じゃじゃ馬に見えるが、あいつ案外嫁スキルが高いみたいなんだよな、そこもまたロックだろ?」

杏「はいはい、そうだね」

うさぎ「なんだ、その生返事は」

杏「はぁ、とりあえずまた今度私がそれとなくお礼を言っとくよ」

うさぎ「うん、そうしといてくれ」


うさぎ「前川みく、あいつ程の猫チャンアイドルを俺は見た事がないね!」

杏「うさぎ、この前も似たような気がするけど?」

うさぎ「何言ってんだ気のせいだろ」

杏「そうかな?まあいいけど」

杏「で、なんでみくの話をし始めたの?」

うさぎ「今日事務所の道端で転がってたら拾ってくれて、ついでに洗濯して貰ったんだ」

うさぎ「俺はみくにゃんの優しさに感動したね、今じゃもうすっかりファンの子猫だぜ」

杏「いや、やっぱこの前も似たような話してたよね?」

杏「こんな短期間で何人のファンになってるのさ、いくらなんでも惚れっぽ過ぎでしょ」

うさぎ「そーいうご主人こそ、こんな短期間で何回俺をそこら辺に転がしてくれているんだって話だけどな」

杏「まさか私がうさぎを落とす度に それを拾うアイドルのファンになっていくつもり?」

うさぎ「いやいや、さすがの俺もそこまで尻軽じゃねぇって」

杏「ならいいけど…」

うさぎ「所で美城専務、あの人の仕事への情熱には前々から目を見張る物があると俺は思っていてだな……」

杏「もう、アイドルですらないって言う……」げんなり


別日

事務所の廊下

うさぎ「昨日の今日でまた道端に落とされた…」

うさぎ「最近気付いたんだが、俺を落とすご主人にも問題があるが、そのご主人を運搬するプロデューサーの野郎にも問題があるんじゃないかと思った」

うさぎ「あの野郎、人のご主人をまるでぬいぐるみを運ぶかの様な雑さで運ぶからなぁ」

うさぎ「そりゃあ俺が振り落とされるのも仕方ねえ」

うさぎ「野郎、次あったらシメてやる」

こずえ「うさぎー…」

こずえ「なに…しめるのー…?」

うさぎ「おう、こずえか」

うさぎ「ちょっとプロデューサーの野郎をシメようと思ってな」

こずえ「ぎゅー…ってぇ?……」

うさぎ「あー、こずえ それは違うシメるだな」

こずえ「んー……そうなのー…」

うさぎ「うん、そうなんだよ」

うさぎ「まあ、冷静に考えればこずえ知らなくてもいい言葉だ、今のは忘れてといてくれ」

こずえ「りょーかい…」

うさぎ「……………」

こずえ「うさぎー……」

うさぎ「ん?なんだ?」

こずえ「なんで…ゆかに……おちてるー……?」

うさぎ「これは床に落ちてるじゃないぞ」

うさぎ「天気が良いから日光浴と洒落込んでただけだ」

うさぎ「別にご主人に忘れられて、無様に落ちてるとかそう言うんじゃない」

こずえ「そうなんだー……」

うさぎ「そうなのだぜ」

こずえ「それじゃ……うさぎー……ばいば
ーい……」てくてく

うさぎ「おい、ちょっと待て!」

こずえ「なにー…?」

うさぎ「よくよく考えてみれば、お前みたいな小娘を一人でうろつかせるのも、良くねえからな」

うさぎ「俺がエスコートしてやるよ」

こずえ「えすこおとー…?」

うさぎ「一緒に目的地まで着いて行ってやるって言う意味だ」

こずえ「でも…こずえ……ひとりでいけるよぉー…」

うさぎ「一人じゃ危ないだろ」

こずえ「あぶないのー…?」

うさぎ「あぁ、それはもうとてつもなく危ないね」

こずえ「そっかぁー…」

うさぎ「そうなんだ」

こずえ「じゃあ…うさぎと……いっしょにいくー…」

うさぎ「おう、そうしろ、そうしろ」

うさぎ「てな訳で早速俺を拾ってくれ」

こずえ「わかったー……」しゃがみ込む

こずえ「………………」

うさぎ「ん?こずえどうした?」

こずえ「ふわぁ…ねむい……」

こずえ「うさぎー……ねていー…?」

うさぎ「いやいや、こんなばっちぃ床で寝ちゃ駄目だからな?」

こずえ「でも…うさぎも……ねてるよぉ……」

うさぎ「お、俺はいいんだよ」

こずえ「なんでー…?」

うさぎ「なんでもだ」

こずえ「そっかー……」

こずえ「じゃあ…こずえ……がんばるー…」うさぎ拾う

うさぎ「そうしてくれ」

こずえ「うさぎー…あんずの…におい…するのー……」

うさぎ「まあ、俺はご主人の持ち物だからな」

こずえ「いい…におい……」

うさぎ「そうか?自分の体臭なんて普段意識しねぇから全然わからん」

こずえ「こずえもー……いい…におい……なるー…」

うさぎ「ん?」

こずえ「こずえもぉ……」

こずえ「あんずの…もちもの……なるのー……」

うさぎ「んん?」

うさぎ「なんでこずえは毎回そう斜め上の発想になるんだよ」

うさぎ「若いうちから、うちのご主人の持ち主になるなんてそんなロクでもねぇ事言うんじゃねえ」

うさぎ「んな事しなくても、こずえは十分いい匂いだぞ?」

こずえ「そうー…?」

うさぎ「そうだよ」

こずえ「そっかー…じゃあ……やめるー…」

うさぎ「そうしてくれ、本当にそうしてくれ」

うさぎ「そう言えばこずえは何処に向かってるんだ?」

こずえ「んー…わからない……」

うさぎ「でも事務所にいるって事は仕事なりレッスンなりの用事で来たんだろ?」

こずえ「たぶん…?」

うさぎ「ありゃ、これは相当な困ったちゃんを偶然捕まえちゃったみたいだぞ」

うさぎ「おい、こずえ」

こずえ「ふわぁ…なにぃ……」

うさぎ「とりあえずご主人の所に行こう、そこにプロデューサーの野郎もいるだろうからな」

こずえ「わかったー……」

こずえ「…………」

うさぎ「どうしたんだこずえ?早く行こうぜ?」

こずえ「うさぎー…」

こずえ「…どこに…いけばいいのー……?」

うさぎ「おっと、すまん、そうだったな、俺とした事が場所を言い忘れていたぜ。」

うさぎ「こずえ、トレーニングルームに行ってくれ」

こずえ「りょーかーい……」

こずえ「……………」ぴた

うさぎ「んん?今度は何で立ち止まったんだ?」

こずえ「こずえ…つかれたー……」しゃがみ込む

うさぎ「今度はそうきたか、まあ子供がアテもなくそこら中を歩きまわってたらそりゃ疲れるか…」

うさぎ「うむ、こうなったら仕方あるまい奥の手を出そう」

こずえ「おくのてー…?」

うさぎ「こずえ、俺の腹にあるポッケをちと探って見てみ」

こずえ「うん…」さぐり

うさぎ「どうだ何かあったか?」

こずえ「あったー……なに…これ…?」

うさぎ「ふふふ、それはだな、プロデューサーの野郎がご主人を買収する用に隠し持っているアメ玉の入った小箱だ」

こずえ「なんで…うさぎが……それ持ってるー…?」

うさぎ「なあに簡単な話だ、プロデューサーの野郎がアメ玉を忘れた時の緊急時用に俺のポッケの奥に隠してただけだよ」

うさぎ「木を隠すなら森の中って言うだろ?俺のご主人、俺の持ち主の癖して俺の扱いクソ雑だからな」

うさぎ「悲しい事にこんなちょっと俺を調べれば分かる様な事もわかりゃしねーんだよ」

こずえ「そっかぁ…うさぎ……かわいそー…」

うさぎ「可哀想とか言うんじゃないやい(泣)」

うさぎ「こずえ、その中にあるアメ玉食って良いぞ」

こずえ「いいのー…?」

うさぎ「おう、その代わりもうちょっと歩くの頑張ってくれよ、な?」

こずえ「わかったー…こずえ……がんばるー…」

こずえ「ついたぁ……こずえ…疲れた」

うさぎ「お疲れさん、よく頑張ったな こずえ」

こずえ「うん……がんばった………」

うさぎ「で、うちのご主人は今何処にっと……」

こずえ「…いった………」

うさぎ「よーし、ならそのまま俺を連れてご主人の元へ…ってうぎゃあ!!!

こずえ「あんずー………」てとてと

杏「あれ、こずえ?どうしたの」

こずえ「あんずに……あいに…きた………」ぎゅー

杏「ふーん、そっかそっか、そりゃご苦労様」なでなで

こずえ「…もっと……なでてー……」

杏「はいはい」なでなで

うさぎ「いや、大体予想はさ、出来てたんだよ?でもよ……」

うさぎ「いくらなんでも、ここまで一緒に来たこの俺をご主人を目の前にしてポイ捨てして駆け寄りに行くか!?」

うさぎ「こんなハードボイルドなうさぎさんをほって、真っ先にご主人の所に向かうだなんてあの幼女、うちのご主人のこと好き過ぎだろ」

うさぎ「まぁ、可愛いから許すんだけどよ……」

うさぎ「許すんだけどよ……さすがにこれは酷過ぎるぜ」

うさぎ「ポイ捨てられた弾みで物陰に滑り込んでしまったし」

うさぎ「これ結局清掃員のおばちゃんに拾われて落とし物BoXで一晩過ごすいつものヤツじゃん」

うさぎ「今日も持ち主がずっと回収しに来ない怨念とストレスの溜まった落とし物達の愚痴聞かねぇといけねぇのか………」

うさぎ「はぁーあ、それでもやっぱ床は冷たくて気持ちいいなー」ぐったり


数時間後

仁奈「あれ?これは あんずおねーさんのうさぎでごぜーます。」

うさぎ「おっと、おじさんがちょっとお昼寝の間にちょっと新展開が来たっぽいぞ」

うさぎ「おーい、仁奈ちゃん助けておくれーって まぁ聞こえないんだろうけど一応言ってみる」

(*仁奈にはうさぎの声は聞こえません)

仁奈「うわぁ、かわいいなぁ」ぎゅー

うさぎ「ふん、乳臭ぇガキに抱かれたって大人なうさぎのこの俺は動じないのだぜ」

うさぎ「と言いたい所だが俺のこの布と綿で出来た身体が本能的に女児に抱かれる事に至福を感じてしまうぅ」

仁奈「うさぎさん お前はいったいどうしてこんな所にいるですか?」

うさぎ「なんでだろうなー、きっとだらしないご主人に忘れ去られて、その後天然系幼女にも忘れ去られたからかなー」遠い目

仁奈「うーん、あんずおねーさんはもう帰っちゃったしどうしよう」

仁奈「あ、そうだ!うさぎさん今日は仁奈のお家でお泊まりするでごぜーますか?」

うさぎ「お、本当か?そりゃありがたい話だぜ」



仁奈の家


仁奈「ただいまー」

うさぎ「お邪魔しまーす」

うさぎ「おぉ、仁奈ちゃんお前結構良い家に住んでんのな さてはお前の家ちょっと金持ちだな?」

仁奈「家に帰ったらまずは手洗いうがいをするでごぜーますよ」

仁奈「うさぎさんはそこのソファーに座って待っててくだせー」うさぎを置く

うさぎ「うわー、なにこのソファー すげーふかふかじゃん」

うさぎ「って まぁ俺の身体自体が元々ふかふかしてるから、どっちが柔らかくてふかふかしてるのか よくわからないんだけどな」

うさぎ「しかし、家のソファーに座らせて貰えるなんてぬいぐるみとしてはVIP待遇の扱いじゃん」

うさぎ「ご主人なんて帰ってそうそうそこら辺へポイだぜ、ポイ」

うさぎ「たまにどこぞの中世の処刑みたいな感じで吊るされたりするし、家に来て数秒でもう扱いに天と地ほどの差を感じるぞ」

仁奈「うさぎさん、おまたせー」

うさぎ「おう、仁奈ちゃん 早速満喫させて貰っているぜ」

うさぎ「後は出来ればテレビを付けてくれれば俺は嬉しいぞ」

うさぎ「今日はきらりちゃんが出る番組が二本もあるからな。見逃す訳にはいかないんだ」

うさぎ「うむ。意思疎通が出来ないにも関わらずきらりちゃんの番組を映してくれる辺り仁奈ちゃんにも中々見所があるとみた」

仁奈「そろそろ夜ご飯にするですよー」

仁奈「うさぎさんも一緒にご飯を食べましょー」

うさぎ「おぉ すげー、俺用にちゃんとおもちゃの食器と料理を並べてくれてるぞ!」

うさぎ「なんだろう、俺はこの飯を食らう事は出来ないのにめちゃくちゃ嬉しいこの気持ち……」

うさぎ「これが女児の純粋な優しみと言うやつなのか」

仁奈「それでは一緒にいただきまーす」

うさぎ「いただきまーす」

うさぎ「はあ、もしかしたら俺は今ぬいぐるみとしての幸せを一生分噛み締めているのかも知れん……」悟った目

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom