海未「全く穂乃果は…」 (16)

穂乃果「お疲れ様~」

絵里「あら?穂乃果、お疲れ様」

穂乃果「あれ?絵里ちゃん一人?」

絵里「ええ。まだ誰も来てないの」

穂乃果「ふ~ん。で、部室で一人で漫画読んでるんだ?珍しいね?」

絵里「クラスの子が貸してくれてね。面白いわよ?」

穂乃果「うん。知ってる。穂乃果ん家にもあるもん。それより穂乃果は絵里ちゃんが食べてるお菓子の方が気になる」

絵里「も~意地汚いわね。欲しいの?」

穂乃果「欲しい!絵里ちゃんがくれるのならば是非!」

絵里「ふふ。じゃあ、少しだけよ?」

穂乃果「はーい。頂きまーす。ん~美味しいね」

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ガチャ

海未「ごきげんよう」

絵里「あっ、海未」

穂乃果「海未ちゃん遅かったね。何してたの?」

海未「私は今日日直だったでしょう?提出物を職員室に運んでいたんです」

穂乃果「あ~そっか」

海未「ことりもそろそろ来ると…穂乃果?あなたまた間食を…またダイエットしたいのですか?」

穂乃果「え?あ~これは」

海未「わざわざ学校に持ってきて…しかも、部室で漫画読んでましたね?あなた学校に何しにきてるのですか?」

絵里「あっ、海未?あのね」

海未「絵里?甘やかしてはダメですよ?どうせ漫画を読みながらお菓子をつまんでグータラしてたんでしょ?」

穂乃果「してないよ!」

海未「じゃあ、これはなんなのですか?あなたは生徒会長なんですよ?わかってるのですか?少しは自覚を持って行動して下さい」

穂乃果「 持ってるよ!失礼だよ!」

海未「どうだか…だいたいあなたは普段からだらしないのです。それが今現在の行動に表れているんですよ。要は弛んでいるのです!」

穂乃果「だって、絵里ちゃん」

絵里「あっ」

海未「すぐに絵里に助けを求めない!!」

絵里「いや、違うの…」

海未「いえ、違くありません。はっきり言った方が穂乃果の為なのです。少しは絵里を見習ってですね…」

穂乃果「もうやめた方がいいと思う」

海未「穂乃果の言うセリフではないでしょ!」

絵里「私なのよ」

海未「そうです。それを言うならせめて絵里のセリフでしょ?」

絵里「違うの。漫画を読んでたのもお菓子を食べてたのも私なの。穂乃果じゃないの」

海未「え?」

穂乃果「うん。だからやめた方が良いって言ったのに」

海未「あ、あの…」

絵里「…」

海未「ま、まあ、絵里もたまには気をぬく事もありますよね」

絵里「そ、そうね…」

穂乃果「なんで?なんで、絵里ちゃんの時はそうなるの?おかしくない?」

海未「ほ、穂乃果は普段の行いが…」

穂乃果「でも、現段階でだらしなかったのは絵里ちゃんなんだよ?」

海未「そ、それはそうですけど」

穂乃果「まずは穂乃果を疑った事を謝ってよ」

海未「ですから穂乃果は普段の行いが悪いから疑われるのであって」

穂乃果「酷いよ海未ちゃん」

絵里「ごめんなさい」

海未「いや、謝らないで下さい」

穂乃果「そうだよ。謝るのは海未ちゃんなんだから」

絵里「いえ、私がだらしなかったのは本当の事なんだから…そのせいで穂乃果が疑われたんだし」

海未「ですから、それは穂乃果の普段の行いが」

絵里「違うの。私は普段からしっかりしてるって思われがちだけど本当はそんな事ないの」

海未「絵里?」

穂乃果「絵里ちゃん?」

絵里「そこら辺にいる女子高生とたいして変わらないの!家ではゴロゴロしたりグータラしたり結構するの」

穂乃果「え、絵里ちゃん?どうしたの?」

絵里「もう、この際だから言わせて貰うわ」

海未「わ、分かりましたから」

絵里「わかってくれた?」

海未「だ、大丈夫ですから落ち着いてください」

穂乃果「そ、そうだよ。今はちょっと陽気で気さくなお姉さんくらいに思ってるから。ね?」

絵里「なら、良いけど」

「誰?」

穂乃果「そうなんですよ」

希「あっ、穂乃果ちゃんや。誰かと一緒なんかな?少し驚かしたろ」

ガバッ

希「だ~れだ。ワシワシ~」

穂乃果「き、キャア」

希「ふふふ、穂乃果ちゃん少し成長した~?前にワシワシした時よりも」

穂乃果「希ちゃん?」

教師「東條さん?」

希「え?」

教師「何してるの?」

希「せ、先生?え?何で?」

穂乃果「今そこで偶然会ったんだよ」

教師「あなた…何をしてるの?」

希「あ、あの?」

教師「あなた普段そんな感じなの?」

希「いや…私は…」

穂乃果「え?希ちゃんは先生の前だと違うの?」

希「何を言っとるん?仕返し?ワシワシした仕返しなん?違いますから。普段からこんな事ばかりしてるわけではないですから」

先生「そうなの?」

希「そ、それはそうですよ。さっきのはたまたまです」

先生「そう。ほどほどにね」

希「は、はい!」

先生「それじゃあ、私はこれで。また明日学校で」

穂乃果「はい。サヨナラ~」

希「サヨナラ…」

希「…」

穂乃果「希ちゃんって先生の前だと態度変わるんだね?」

希「いや、そんなには変わってないやん」

穂乃果「先生の前でももっと飄々としてると思ったよ」

希「いや、ウチはいつも通りやけど?」

穂乃果「さっき普通に私って言ってたけどね」

希「いや、聞き間違いじゃない?」

穂乃果「いや…そだね」

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