千川ちひろ「不動産売りの女」 (20)

千川ちひろ「私は千川ちひろ。昔は結構いい人だったお父さんと二人で暮らしてます」

ちひろ「お父さんはパチンコと競馬と競艇と女にはまってしまい優しかった頃の生活様式が一変してしまいました」

ちひろ「週末になると私が汗水流して働いて稼いだお金とお父さんが稼いだお金を手に遊び呆けてくる酷い親です」

ちひろ「たまに大当たりしたといってお土産を買ってきてくれたり美味しいご飯を食べさせてくれるお父さんは割りと好きです」

ちひろ「一家の破滅を避けるためリスクヘッジの観点から駐車場経営をしていましたが、最近は不動産にも手をつけ始めました」

ちひろ「いつものようにさんざんな結果で帰ってきたお父さんを励まそうと寒空の下不動産を売りにいきました」

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ちひろ「不動産…不動産は要りませんか…?」

ちひろ「今こちらのアパートでしたら敷金礼金なしで即日入居できますよ!」

「今どき不動産とか…」

ちひろ「庭付き一戸建て、今ならガレージもつきますよ!」

「さすがにすぐには決めれないわ」

ちひろ「不動産…不動産…」

町行く人に声をかけても誰も不動産に興味を示しません

ちひろ「うぅ…寒いです…お腹もすきました…」

ちひろ「確かマッチ売りの少女はマッチを擦って…」

その時目の前の家が目に入りました

ちひろ「誰の家かわかりませんけど…仕方ないですね…」

ちひろはお父さん行きつけのキャバクラのマッチに火をつけそのおうちに投下しました

ちひろ「あぁ…暖かい…」

冬の乾燥した空気のなか、家はどんどん燃えていきます

モバP「お…俺の家が…」

プロデューサーさんは遠目に自分の家が燃えていくのをただただ眺めていました

ちひろ「凄い…トリュフにフォアグラ…それにキャビアまで…」

プロデューサーさんの家が燃えてちひろにごちそうの幻覚を見せます

しかし幸せな時間はそう長く続きません

ちひろ「燃え尽きてしまいました…」

ちひろ「もっと燃やしてもいいですよね…クリスマスですもの!」

今日はクリスマス、神様は少しの贅沢をちひろに許します

ちひろ「あぁ…綺麗ですね…」

ちひろは二軒目の家に火をつけました

今度はそう簡単には燃え尽きない少し大きめの家です

モバQ「お…俺の家まで…」

プロデューサーさんは長い年月をかけて建てた自宅(ローン残り18年)が燃えていくのを眺めていました

ちひろ「凄い…ケーキにフォアグラ…キャビアまで…」

ちひろは相変わらず幻覚を見ていました

町中のプロデューサーさんの家が焼きつくされました

ちひろ「もう燃やせる家が残ってない…」

ちひろ「ありがとうございます神様…こんなわがままに付き合ってくださって…」

ちひろはクリスマスの寒空の下、ゆっくりと地面に倒れ、そのまま静かに眠りにつきました

辺りには、なにもありません

終わり

モバPの家を燃やしたくなってむしゃくしゃしてやりました
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