ガヴ「武装天使ガヴリズム」(26)
死立天魔学園!
問題を抱えた学生が飛ばされる最後の僻地!
ここで落ちこぼれの烙印を押されると後はない。
離島にして監獄。
天魔学園には、追い詰められた生徒たちを監視し、矯正する学生組織が存在した。
天魔五剣。
学園から帯刀を許され、実質学園を支配する五人の少女たちのことだ。
五剣筆頭……天真=ガヴリール=ホワイト。
美しき刃こと胡桃沢=サタニキア=マクドウェル。
魔獣使いの月乃瀬=ヴィネット=エイプリル。
心眼の白羽=ラフィエル=エインズワース。
自称盲目のタプリス。
ここに一人の転入生が現れたとき……壮大な物語が幕をあける!
ガヴロスでメアリがガヴに見えてきたので、何となく武装少女マキャヴェリズム風味のガヴリールドロップアウトを。
女子校だから女尊男卑なし。
まち子「ここが天魔学園ね」
生徒「見て、あの子人間よ」ヒソヒソ
生徒「五剣様が黙ってないだろうな」ヒソヒソ
まち子「おかしいわね。見かける生徒が天使と悪魔ばかりなのはなんでかしら?」
五剣室
ラフィ「転入生は人間らしいですよ」
サターニャ「不愉快ね。私は人間が大嫌いなの」
ヴィーネ「私は好きだけどなぁ」
サターニャ「あんたは優しすぎんのよ!ほんとに悪魔なの?信じられないわ」
魔獣イフリート「ガウウウゥ」
サターニャ「ひっ!」
ヴィーネ「こらチャッピー!サターニャが怖がってるじゃない」
チャッピー「きゅぅん」
ネトゲとは無縁ガヴ「皆の不満は理解している。なればこそ、転入生は私自ら管理し矯正しよう」
ヴィーネ「いいえ。ガヴの手を煩わせるまでもないわ。私に任せて」
ガヴ「ダメだ。今回の転入生、気になる部分がある……」
ラフィ「天使を倒したという話ですね?」
ガヴ「人間が天使を倒す。にわかには信じられん話だが、万が一にもヴィーネに怪我をさせるわけにはいかないからな」
ヴィーネ「ガヴ……」
サターニャ「ヴィネット、あんたすっかりガヴリールの腰巾着よね。五剣としての誇りはないの?」
ヴィーネ「ガヴのお世話が出来るだけで私は幸せだから。五剣の誇りなんていらないわよ」
サターニャ「……なによそれ。今のは聞き捨てならないわね!表出なさい!勝負よ!」
チャッピー「グワァァァァ」
サターニャ「ひっ……!」
ガヴ「落ち着けサターニャ。仲間同士争うことは私が認めない」
サターニャ「ガヴリールもガヴリールよ!五剣筆頭だからって一々命令しないでくれる?」
ラフィ「ワクワク」
サターニャ「この大悪魔胡桃沢=サタニキア=マクドウェル様に命令していいのは、この私だけよッ!!」キリッ
サターニャ「ふぅ……ポージング決まったわね」ニコッ
ガヴ「おめでとう。それで、転入生の件だが」
サターニャ「まあいいわガヴリール!あんたが転入生を矯正しなさい?もし失敗したら笑ってあげるから」
ガヴ「ラフィもそれでいいか?」
ラフィ「私はガヴちゃんにお任せしてますので」
ヴィーネ「無理しないでね」
ガヴ「ああ」
ガヴ「これにて五剣会議を終了する」
学園入口
マ〇コ「人間?あんた人間じゃない!」
まち子「見たところあなたも人間ですね」
マ〇コ「残念なことに、ね……」
まち子「残念?」
マ〇コ「……ええ。貴女もすぐわかるでしょうから簡単に説明してあげるわ」
マ〇コ「ここは共学とは名ばかりで、天使と悪魔が人間たちを支配しているのよ」
まち子「支配?」
マ〇コ「私たち人間は奴隷も同然。一度足を踏み入れたが最後……学園から自由に出ることもできないわ」
まち子「そんな!酷すぎます!」
マ〇コ「ご覧なさい。周囲は武装天使と武装悪魔だらけ」
まち子「……戦争でも始める気ですか?」
マ〇コ「彼女たちに帯刀を許可しているのは天魔五剣……要するにこの学園を支配する五人の生徒からなる『学生会』ね」
まち子「世も末……」
マ〇コ「何かあれば五剣はすぐに貴女を狙うわ。精々目をつけられないよう気をつけなさい」
まち子「…………」
マ〇コ「私から言えることは一つ。学園の秩序を乱さないこと」
まち子「わかりました。気をつけてみます」
マ〇コ「彼女たちに逆らっても待っているのは地獄だけ。それを忘れないで」
教室
ガヴ「ようこそ転入生。私がお前を管理することになった天魔五剣筆頭、天真=ガヴリール=ホワイトだ」
まち子(仮面の女の子?)
まち子「管理?」
ガヴ「お前の経歴は見せてもらった。今日から私の食事を作らせてやろう」
まち子「はい?」
ガヴ「お前、元調理部らしいな?」
まち子「そうだけど、天真さん……調理部所属だからって料理が得意という生徒ばかりではないのよ?」
ガヴ「気にするな。私がテストしてやる」
まち子「私に拒否権はないの?」
ガヴ「拒否するのは構わないが、そのときは矯正するまでだ」
マ〇コ(ああ言われて拒否なんてできないわね。安心したわ。今回は血を見ることはなさそうで)
まち子「そんなの間違ってる!」
マ〇コ(なっ!なにを言っているの!?)
ガヴ「なに?」
まち子「私は貴女のママにも、家来にもなったつもりはないわ!」
マ〇コ(なによこのデジャヴ!)
ガヴ「……くくっ。良い目をしている」ノリノリ
ガヴ「いいだろう!私自ら貴様の考えを矯正してやる!」ポチッ
まち子「教室が闘技場になった!?」
ガヴ「撤回はできんぞ転入生。貴様への矯正は確定事項だ!」
まち子「くっ……!」
タプリス「実況は私、タプリスにお任せあれ!」
ガヴ「ふっ」チャキ
まち子(弓?)
ガヴ「私の攻撃は次元をも超えて、確実に相手を仕留める」
ガヴ「さっさと得物を構えろ」
まち子(弓か……分が悪いね)
まち子「私のはこれよ」
ガヴ「手袋?防刃仕様か」
まち子(弓相手にどこまで通用するか……)ギュッ
ガヴ「往くぞ」
まち子(視線を逸らしたら……負ける!)
ガヴ「遅いな」ヒュン
まち子(消え……)
まち子「え?」ドコーン
タプリス「天真先輩の蹴りがぁぁぁ転入生の脇腹にぃぃヒィィィット!これは効いたかぁ!?」
まち子「……ハァハァ」
タプリス「立ち上がったぁぁぁ!転入生、ギリギリで防御に成功したようです!!」
まち子(……速い)
ガヴ「一撃で沈んではつまらんからな」
まち子(瞬間移動と弓……これは最悪の組み合わせかもしれないわ……)
ガヴ「お前に勝ち目はない。なぜなら、お前の唯一の勝機である近距離戦が、私には通用しないからだ」
まち子「…………」
ガヴ「敗北を認めて私の料理人になれ」ニヤッ
まち子(ここまでなの?……今のままじゃ私に勝ち目はない……)
まち子「だが断る」
ガヴ「なに?」
バコォォォン
タプリス「転入生地面に強烈な一撃ィィィ!何を考えているんだぁぁぁ」
タプリス「コンクリートが砕けてしまっています」
タプリス「ヤケクソなのか気合いを入れ直したのか!(……あとで修理するの大変なんですからね)」
まち子「……確かに私には勝機はないのかもしれない……」
まち子「けど……!私は立ち止まったりしない!たとえ敗北が決まっていたとしても!」
まち子「私は最後まで……運命に抗ってみせる!」バーン
タプリス「転入生謎のポージング!追い詰められて頭がおかしくなってしまったのかぁぁぁ!?」
まち子(お婆ちゃん、力を貸して)
ガヴ「いいだろう。その心意気や佳し!」
ガヴ「ならば私も全力でお相手しよう」ピカーッ
ヴィーネ「ガヴが仮面を外したっ!?」
タプリス「超激レアの光景です!天真先輩、セイントモードにチェェェェンジ!」
まち子「天真さんが七色に輝いている?」
ガヴ『人類に祝福あれ』ニコッ
タプリス「天真先輩の弓が黄金の刀に!これは決まってしまうのかァ!転入生絶体絶命!」
聖ガヴ(私の天衣はあらゆる攻撃を無効化します)
聖ガヴ(可哀想ですけど、これで終わりですね)
まち子(まさか、私が戦えるように武器をかえてくれたの?)
聖ガヴ「往きます!」ヒュン
まち子「応!」カキ-ン
タプリス「激しい攻防が続きます!転入生、天真先輩の斬撃を全て拳で弾いています!!」
聖ガヴ「やりますね」
まち子「あなたも」
まち子(このままではじり貧……)
タプリス「大丈夫なのか転入生!天真先輩の攻撃を弾くだけで精一杯の様子!」
まち子(必ず隙を突く……!)
聖ガヴ(このまま押し通します!!)
まち子「はっ!」カキィィン
聖ガヴ(斬撃の勢いを利用して私の刀を殴った!?)フラッ
聖ガヴ(なっ!?)
聖ガヴ(体勢が!これは……先程転入生が砕いた地面のコンクリート?)
聖ガヴ「くっ!足をとられる!」クラッ
まち子「この時を待っていたわ」ピトッ
タプリス「転入生、天真先輩のお腹に手を触れました!これはどういうことでしょう」
聖ガヴ「残念ね。私の天衣は無敵。物理攻撃は全て無効化されるわ」ニコッ
まち子「ふぅ……」カッ!
聖ガヴ「えっ?」
まち子「魔弾ッ!」ドギャァァン
聖ガヴ「ぐはっ……なん……なの……」
タプリス「天真先輩が吹き飛ばされたぁぁぁ!信じられません!転入生の攻撃が天衣を打ち破りました!」
聖ガヴ「な……なぜ……」
まち子「気よ。凝縮した私の気を貴女の体内に通した。攻撃ではないから、天衣とやらは機能しなかったのね」
聖ガヴ「ふぅ……私の敗け……ですね……」
まち子「いいえ。天真さんが本気を出してくれたから、私にも勝機が生まれたの」
まち子「貴女が卑怯な天使だったら、私は弓で倒されていたわ」ニコッ
聖ガヴ「最後まで諦めなかった貴女の勝利ですよ」ニコッ
タプリス「あ、はい。一応転入生の勝ちみたいです。天真先輩のお人好し加減を利用したようですね……皆さん解散」
ヴィーネ「私のガヴが……敗け……た」
ヴィーネ「転入生、覚悟しなさいよ」キッ
サターニャ「何なのよアイツぅぅぅ!私より先にガヴリールを倒すなんて!」
ラフィ(これは面白いことになってきましたね)ニヤニヤ
サターニャ「つまりアイツを倒せば……ガヴリールを倒したことになるじゃない!なぁんだ楽勝よね」
まち子「立てる?天真さん、仮面がないほうが絶対可愛いのに」
聖ガヴ「ふふっ、ありがとうございます。まだ辛いので手を借りますね」
聖ガヴ「あっ」フラッ
まち子「天真さん!」フニュッ
聖ガヴ「あん……」
まち子(転びそうになった天真さんを支えたら、胸を揉んでしまったわ……)
まち子「ごめんなさい」
聖ガヴ「いえ///」
ヴィーネ「……許さない」カッ!
ラフィ(あと一押し、ですかね)
まち子「こうして私の学園生活が幕をあけた」
まち子「天真さんとは友人となり、共に調理部で切磋琢磨する仲だ」
まち子「時々殺気も感じるけれど、天真さんが間に入ってくれて、私は平穏な毎日を過ごしている」
まち子「皆さん天真さんには甘いみたい」
まち子「このあとも鮮血のラフィの罠で窮地に立たされたり、ガヴの右腕を自称する悪魔に狙われたり、大悪魔をあしらったりするのだけど」
まち子「それはまた別のお話」
おしまい???
ガヴ二期がないと……私は……
あああああ
何を見てもガヴに見えてくるふしぎ
というわけで終わり
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