ガヴ「……」ｷﾞｭｩｩ

ヴィーネ「……えっと」

ガヴ「……」

ヴィーネ「何か、嫌なことでもあったの？」

ガヴ「……」ﾌﾙﾌﾙ

ヴィーネ「そう……」



ガヴ「……」ｷﾞｭｰ

ヴィーネ「……」

ガヴ「……」

ヴィーネ「……でも、それならどうしてハグをするの？」

ガヴ「……」

ヴィーネ「……ガヴ？」

ガヴ「……別に。ただ何となくだよ」ｷﾞｭｯ

ヴィーネ「……そうなんだ」

ガヴ「……」ｷﾞｭｰ

ヴィーネ「……」



ヴィーネ「……じゃあ、なんで私なの？」

ガヴ「え？」

ヴィーネ「その、なんでハグする相手が私なのかなー……って」

ガヴ「……嫌なのか？」

ヴィーネ「え？」

ガヴ「ヴィーネは、私にハグされたくないのか？」

ヴィーネ「い、いや、そういう訳じゃないけど……！」

ガヴ「……」

ヴィーネ「ただ、ほら。ハグするだけなら、サターニャやラフィでもいいじゃない？」

ガヴ「……」

ヴィーネ「だから、なんで私なのかなーって……」

ガヴ「……」

ガヴ「……サターニャは絶対に嫌がるし、ラフィにこんな事したら多分からかわれるだろ」

ヴィーネ「……」

ガヴ「でも、ヴィーネなら平気だって……そう思ったから」ｷﾞｭｯ

ヴィーネ「……なるほどね」



ガヴ「……」ｷﾞｭｩｩ

ヴィーネ「……」



ヴィーネ「……まあ、別にいいわよ」

ガヴ「……」

ヴィーネ「ハグくらい、好きなだけさせてあげるわ」

ガヴ「……ほんと？」

ヴィーネ「うん」

ガヴ「……」

ヴィーネ「でも、満足したらちゃんと宿題の続きをやるのよ？」

ガヴ「……ヴィーネが教えてくれるなら」ｷﾞｭｯ

ヴィーネ「はいはい」

ガヴ「……」ｷﾞｭｰ

ヴィーネ「……」



ガヴ「……」

ヴィーネ「……」



ガヴ「……」

ヴィーネ「……あの、ガヴ」

ガヴ「……なに？」

ヴィーネ「……やっぱり、ちょっとだけ手を離してもらってもいいかしら」

ガヴ「えっ」

ヴィーネ「その、お手洗いに行きたくなっちゃって……」

ガヴ「……」

ヴィーネ「……ガヴ？」

ガヴ「……どれくらいかかる？」

ヴィーネ「えっと、小さい方だから、たぶんそんなには……」

ガヴ「……」

ヴィーネ「ごめんね、すぐに戻ってくるから」ｽｯ

ガヴ「あっ……」

ヴィーネ「……」ｽﾀｽﾀ



ガヴ「……」




～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

ｼﾞｬｰ…




ｶﾞﾁｬｯ




ヴィーネ「……ふぅ」




ﾀｯﾀｯﾀ…




ヴィーネ「え？」




ｷﾞｭｯ




ヴィーネ「きゃっ！」

ガヴ「……」

ヴィーネ「ガ、ガヴ？どうしたの？」

ガヴ「……」



ガヴ「……遅い」

ヴィーネ「え？」



ガヴ「……すぐに戻ってくるって言ったのに」ｷﾞｭｩｩ

ヴィーネ「えっと……」

ガヴ「……」

ヴィーネ「その、まだ2分くらいしか経ってないと思うんだけど……」

ガヴ「……」

ヴィーネ「……ガヴ？」

ガヴ「……うっさい。いいから部屋戻るぞ」ｸﾞｲｯ

ヴィーネ「あっ、ちょ、ちょっと！」

ガヴ「……」ｸﾞｲｸﾞｲ

ヴィーネ「もー！分かったから、引っ張らないで！」

・
・
・
・
・
・




ガヴ「……」ｷﾞｭｩｩｳ

ヴィーネ「……」



ガヴ「……」ｷﾞｭｩｩｳ

ヴィーネ「……あの、ガヴ？」

ガヴ「なに」ｷﾞｭｩｩｳ

ヴィーネ「ちょっと、力が強くないかしら？」

ガヴ「……そんなことない」ｷﾞｭｩｩｳ

ヴィーネ「いや、でもさっきより……」

ガヴ「気のせいだよ」ｷﾞｭｩｩｳ

ヴィーネ「……」

ガヴ「……」ｷﾞｭｩｩｳ

ヴィーネ「……」

ガヴ「……」ｷﾞｭｩｩｳ

ヴィーネ「……」

ヴィーネ(……やっぱり、今日のガヴはどこか変よね)

ヴィーネ(いつもなら、こんな風にハグなんてしてこないだろうし……)



ガヴ「……」ｷﾞｭｩｩｳ

ヴィーネ「……」

ヴィーネ(……さっきはああ言ってたけど、本当に何もないのかしら)

ヴィーネ(気になるけど、ガヴが言いたくないなら無理に聞き出すのも悪いわよね……)



ガヴ「……」ｷﾞｭｩｩｳ

ヴィーネ「……」

ヴィーネ「……」



ヴィーネ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「んっ……」ﾋﾟｸｯ



ヴィーネ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「……」ｷﾞｭｯ

ヴィーネ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「……」

ヴィーネ(……ま、その辺は後で考えましょう)

ヴィーネ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「……」ｷﾞｭｩｩ

ヴィーネ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「……」

ヴィーネ(……それにしても、ガヴの髪って結構ふわふわしてるわね)

ヴィーネ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「んぅ……」

ヴィーネ(前のお人形さんみたいなサラサラの髪も好きだけど、これはこれで……)

ヴィーネ「……ふふっ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「……」

ヴィーネ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「……」ｷﾞｭｰ

ヴィーネ(なんだか、甘えん坊の妹ができたみたい)

ヴィーネ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「……」

ヴィーネ(私に妹が居たらこんな感じだったのかな？)

ヴィーネ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「……」

ヴィーネ(……こんなに手がかかる妹、居たら大変だろうけどね)ｸｽｯ

ヴィーネ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「……」ｷﾞｭ…

ヴィーネ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「……」

ヴィーネ(……)

ヴィーネ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「……」

ヴィーネ(……本当は、そろそろ宿題をやってもらおうと思ってたけど)

ヴィーネ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「……ん」

ヴィーネ(でも、なんだかガヴも気持ち良さそうにしてるし……)

ヴィーネ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「……」

ヴィーネ(……そうね。もうちょっとだけ)

ヴィーネ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「……」

ヴィーネ(もうちょっとだけ、このままで……)




ヴィーネ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴ「……」

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～



-1時間後-




ヴィーネ「……」ｳﾄｳﾄ…




ヴィーネ「……」




ヴィーネ「……はっ！」ﾊﾟﾁﾘ


ヴィーネ(い、いけない……完全に寝ちゃってたわ)


ヴィーネ「えっと、ガヴは……」ﾁﾗｯ




ヴィーネ「……あら？」

ガヴ「……」ｶﾘｶﾘ…


ヴィーネ(普通に宿題やってる……)





ヴィーネ「ガヴ？」

ガヴ「ん？……ああ、起きたんだ。ヴィーネ」

ヴィーネ「うん。……ごめんね、寝ちゃってたみたい」

ガヴ「別にいいよ。それより、ここの解き方教えてくれない？」

ヴィーネ「いいわよ。どこ？」

ガヴ「この(2)の問題なんだけど……」



ヴィーネ(……やっぱり、いつものガヴに戻ったみたい？)

ヴィーネ「えーっと……この問題はaとbをまとめてXとおくの。それで二項定理の式に当てはめれば解けるわ」

ガヴ「なるほど、流石ヴィーネ。……それで答えは？」

ヴィーネ「そこは自分で考えなさい」

ガヴ「ちぇっ。ケチ」



ヴィーネ(もしかして、さっきまでのガヴは私の夢だったのかしら)



ガヴ「……」ｶﾘｶﾘ…

ヴィーネ「……」



ヴィーネ(でも、夢にしては感覚がはっきりしてたし……)



ヴィーネ「……」

ヴィーネ「……ねぇ、ガヴ」

ガヴ「なに？」ｶﾘｶﾘ…





ヴィーネ「ハグはもういいの？」

ガヴ「……」ﾋﾟﾀｯ




ヴィーネ「……」

ガヴ「……」

ヴィーネ(フリーズした……)

ヴィーネ「えっと、ガヴ？」

ガヴ「……」

ヴィーネ「おーい……」

ガヴ「……」




ガヴ「……」





ガヴ「……な、何の話？」ﾌﾟｲｯ

ヴィーネ(いや、無理があるでしょ)

ヴィーネ「何って、さっきあんなに私に抱きついてきてたじゃない」

ガヴ「やだなー。私がヴィーネに抱きつくなんて、そんなことある訳ないじゃん。ははは……」

ヴィーネ「ガヴ」

ガヴ「な、何？」

ヴィーネ「耳、真っ赤よ」

ガヴ「え……」



ヴィーネ「……」

ガヴ「……」

ヴィーネ「……ガヴ」

ガヴ「……」

ヴィーネ「もう大丈夫なの？」

ガヴ「……うん」

ヴィーネ「そう。なら良かったわ」

ガヴ「……」

ヴィーネ「……」

ガヴ「……」

ヴィーネ「ねぇ、ガヴ」

ガヴ「……」

ヴィーネ「ハグってそんなに……」



ガヴ「ああああ！！もういいだろその話題は！！」

ヴィーネ「ガ、ガヴ？」

ガヴ「それよりほら！さっさと宿題終わらせるぞ！」

ヴィーネ「う、うん……」

ガヴ「……」ｶﾘｶﾘ…

ヴィーネ「……」

ガヴ「……」ｶﾘｶﾘ…




ｷﾞｭｯ




ガヴ「え？」



ヴィーネ「……」ｷﾞｭｩｩ

ガヴ「ヴィ、ヴィーネ？」



ヴィーネ「……なるほど、確かにこれは気持ち良いわね」ｷﾞｭｩｩ

ガヴ「えっと……」

ヴィーネ「ふふふ……♪」

ガヴ「あの、何故急にハグを？」

ヴィーネ「だって、さっきガヴがあんなに気持ち良さそうにハグしてたから、つい試したくなっちゃって」

ガヴ「い、いや、だからそれは……！」

ヴィーネ「……」ｷﾞｭｰ

ガヴ「というか、抱きつかれてると宿題が出来ないんだけど……」

ヴィーネ「いいじゃない。ちょっとだけよ、ちょっとだけ」

ヴィーネ「満足したら、また宿題を教えてあげるから」

ガヴ「えー……」

ヴィーネ「ね？いいでしょ、ガヴ」ｷﾞｭｯ

ガヴ「……」




ガヴ「……はぁ、仕方ないなー」




ガヴ「分かったよ。ちょっとだけね」

ヴィーネ「ふふっ♪ ありがとう、ガヴ」ｷﾞｭｰ


-おしまい-