「希~。布団敷いてるの?」
なんだかお泊まりで布団を敷く瞬間ってワクワクして好きなのよね。
わかりきったことを、確認するように声をかける。
ここではあなたの存在が感じられないとじっとしてられない。
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あとは寝るだけ。
希は夜更かししたがったけれど、疲労と興奮を体に残して一緒に眠るのは素敵なことだと思うわ。
「うん。これで、終わりっと。歯ぁ磨いてくるね」
スタスタとルーティーンをこなす彼女を見ていると、自分がその中に組み込まれたように感じてますます興奮する。
敷布団の上に体を投げ出す。早く、希が現れないかな。部屋の角から視線を離さない。
風呂上がりの火照った体から熱が奪われていくのが心地い。
ここで、待っていよう。
「じゃあ寝ようか。電気消すよ?」
「消したらすぐこっち来てね」
希がふふっと笑う。しょうがないじゃない。
でも、少しの恐怖と暗闇が彼女を私に引き寄せてくれる。
急ぎ足で布団に横になるのを感じる。いい匂い。
胸が締め付けられる気がした。この時間が終わりに向かい始めたからだ。
希がうつ伏せになっているのがわかる。
きっとあまり眠くないのね。
「ねぇ。希。」
「なぁに?」
「動かないでね。」
そう言ってゴロゴロと転がり、希に重なる。
我ながら子供っぽいことするわね。
下では、うぐーなんて声が聞こえるけれど、楽しいから構いはしないわ。
鼻をうなじに擦り付ける。しっとりとしていて安心する。
いい匂いもするし、これ好きなのよね。
「恥ずかしいからやめて」
可愛いこと言っちゃって。別にいいじゃない。
あなたの方がいつもセクハラまがいのことをしてるくせに。
ここはひとつ、キューティーパンサーの妙技をお見舞いしてやろうかしら。
ヨジヨジと希を登り、耳元で優しくささやく。
希、抵抗しないで
びくっとしたきり動かなくなる希。ちょっと刺激が強かったかしら。
でも、なんだかいい気分ね。私の魅力にクラクラきちゃったの?
今度は耳に鼻を擦り付ける。甘い匂いが鼻腔をくすぐる。
耳の裏に沿って擦り付ける。
耳の凹凸を鼻で感じる。
希がまた少し震える。
あー。
耳に息吹きかけられるの嫌がる人いるわよね。
鼻息かかっちゃったかな。
なんだか悪いことしちゃったわ。
意識も薄れて来たし寝よう。
このまま。
も悪いなぁ。
ゴロゴロと転がり自分の布団に帰還。
「それじゃあ、おやすみなさい」
終わり。エッチはないよ
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