艦隊これくしょんの二次創作安価スレです
・独自設定・独自解釈
・若干のキャラ崩壊
・提督が少年
・登場するのは大体空母
以上の内容にご注意ください
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1482411959
提督「そろそろクリスマスだねぇ…」
冬も深まる寒い夜
自室の炬燵で暖を取りながら赤城と話をしていた
赤城「ですね」
赤城は適当に返事をしながら、ボクの剥いていたミカンを勝手に摘まむ
提督「ボクはね、クリスマスの予定がないんだよ」
赤城「そうですか…あむ」
提督「話聞いてる?ってか剥いてる先から食べるのやめてよ、自分で剥いてよ」
赤城「別に去年と同じように、執務室を飾って皆さんでお祝いでは駄目なんですか?」
提督「それが嫌だから、こうして話をしてるんじゃないか」
ボクは囲うようにミカンを腕の中に保護し、ミカンの筋を取る
赤城は渋々とした表情でミカンの皮を剥き始めた
まーた赤城さんがヤンデレになってしまうのか
赤城「提督、どうぞ」
赤城は皮の剥き終わったミカンをボクに差し出してきた
提督「えっ?ボクの為に剥いてくれたんだ、意外と優しいじゃないか」
赤城「いえ、筋を取って下さい。私、あんまり好きじゃないんですよ」
提督「自分で取りなよ」
赤城「ええ!?提督、さっきからずっとミカンの筋を取っていましたよね?」
提督「いや、ボクが食べるためだからね!?赤城はボクを自動的にミカンの筋を取ってくれる道具と勘違いしてるんじゃないか?」
赤城「てっきり私の為にしてくれているとばかり…」
赤城の中では、『皮を剥く→提督が筋を取ってくれる→美味しく食べる』の流れ作業の構図が完成していたようだ
提督「はぁ……もうそうじゃなくて、クリスマスだよ!!」
マイペースな赤城に振り回されながらも、なんとか話を本題に戻そうとする
赤城「はぁ…クリスマスですね」
提督「むぅ、テンション低くない?一大イベントだよ?」
赤城「私にはそれほど縁がないイベントですから。ん、すっぱい…」
赤城は筋を取るのを面倒くさがり、剥いたミカンをそのまま食べ始めていた
この作者の大和と赤城好きだわ
赤城「それで、提督はどうしたいんですか?」
提督「ズバリ……デートですよ!!」
赤城「はぁ…でも、ご予定が無いっておっしゃってませんでしたか?」
提督「うん、まだ誘って無い」
赤城「……あと五日ですよ?下調べとか、色々あるんじゃないですか?」
提督「だよねぇ…うん、もう遅いかなぁ…今更誘ったら迷惑じゃないかなぁ…」
赤城「う~ん……まあ、何とかなるんじゃないですか?」
提督「もう…適当なんだから」
筋を取り終わったミカンを口に運ぶ
今まで剥いてきたミカンの数よりはるかに少ないような気がするが、気にしないことにする
赤城「安心してください提督、フラれたとしてもこの赤城が当日はご一緒しますから」
提督「普段からずっと一緒だし有難みが……でも、一応ありがと」
赤城「お茶、要ります?」
提督「あんがと」
そんなこんなで、ゆるゆるとした時間を過ごしながら時間は過ぎてゆくのだった………
※クリスマスまで、あと五日
こんな感じの提督がクリスマスの予定を埋めたり埋められなかったりする、ルート分岐型ssです
意中の人とデートするもよし、盛大なパーティを開いてもよし、何も予定を決めなくてもよしな内容となっております
>>3
こ、今回はヤンデレとか無いから…(予定)
>>5,6
今回は艦娘界の名誉童貞大和さんの出番はありません。許して
過去にはこんなの書いてました。エッチな内容も含むのでご注意ください
【艦これ】赤城「提督が加賀さんに振り向いてもらいたいそうですよ」【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1467/14676/1467638333.html)
【艦これ】色んな艦娘と提督のお話 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454240309/)
【艦これ】艦娘とおねショタな恋愛話【安価コンマ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1423/14238/1423832637.html)
それでは、本編開始です
赤城「それで、提督は誰をデートに誘う予定だったんですか?」
提督「えっ?言わないと駄目かな」
赤城「言わなくても構いませんが、提督の手元からミカンが消えます」
提督「もう消えてるんだけど…」
赤城「私と提督の仲じゃないですか」
提督「まあね、うん。赤城は初期艦だし、一番長く一緒に居るしね。ボクの一番信頼してる相手だ」
赤城「では打ち明けてしまってもよろしいのでは?」
提督「そ、そうだね…手伝ってもらうつもりだったし……えっと…」
ボクがデートに誘う予定だった人は
1、常に仏頂面の加賀さん
2、素敵な大人な天城さん
3、控えめなお姉さん翔鶴さん
安価↓3までで最も2桁コンマの高いものを採用
ごめんなさい!!選択肢に漏れがあったので最安価します!!!
本当にごめんなさい!!
1、仏頂面で不愛想な加賀さん
2、素敵な大人な天城さん
3、控えめなお姉さん翔鶴さん
4、お姉さんというよりお姉ちゃん蒼龍
安価↓5までで最も2桁コンマの高いものを採用
4
>>20採用:4
提督「…そ、蒼龍」
赤城「あら、そうだったんですね。全然そんな素振り見せなかったじゃないですか」
提督「なんだろう…なんか、ちょっと気恥ずかしくてね」
赤城「ここで男を見せてやろうというわけですね、提督」
提督「他人事だからって…」
赤城は目を輝かせ、酷く乗り気になっていた
早速相談相手を失敗したような気がするが、もう遅い
蒼龍
二航戦の隙が多い方
甘く、時に厳しいけどやっぱり甘いそんな性格
確実に提督を異性として認識していない
赤城「蒼龍さんなら、快くデートを受けてくれそうですけど…」
提督「いやいや、考えてみなよ赤城。今のままだと……」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
蒼龍「え?クリスマスの予定ですか?」
蒼龍「私と?いいですねぇ!お外での食事なんてクリスマスっぽい!」
蒼龍「あ、飛龍も呼んでいいですよね?他の皆も呼んで、楽しいクリスマスにしましょうね!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
提督「絶対こうなるよ?」
赤城「成程…確かにこれはちょっと骨を折りそうですね」
提督「そういうわけで、作戦を考えよう」
赤城「作戦ですか。具体的には?」
提督「こう…異性として見てるんだよって伝える的な?とにかく、二人っきりになりたいんだよね」
提督「例えば……」
作戦案
安価↓3までを採用
まずひりゅーに事情を説明します
>>24-26採用
提督「飛龍に事情を説明をするとか」
赤城「はぁ…そうする事でどんな効果が期待されるんですか?」
提督「こう…上手く間を取り持ってくれないかなって」
提督「他にも、空母皆に声かけて協力を仰ごうかとも思ってるんだけど」
赤城「その作戦は果てしなく地雷の香りがしますね」
提督「そうかな?こうして赤城も手伝ってくれてるし、人手があるとそれだけ意見も出るからうまくいきやすい気もするんだけど」
提督「あとは……玉砕覚悟の告白だね」
提督「デートをしてから告白の方がロマンチックだけど、あえて先に告白する。そうでもしないと異性として意識してもらえそうもないし…」
赤城「なるほど。それくらいしないと振り向いてもらえませんよね。提督に男性的な魅力はありませんからね」
提督「うるさいな、そんなのボクが分かってるっての…」
痛いところをつかれ、口を尖らせる
今更男を磨こうにも時間が足りなさすぎる、多少強引な手を使ってでもデートに誘うしかないだろう
取り敢えず、これがボクの思いつく限りの作戦だった
決行をするのは明日からにしておこう
後日
朝早く起きて、今日の行動を決めることにする
提督「今日を含めて、クリスマスまであと五日。時間は無駄に出来ないな」
提督「……我ながら、行き当たりばったりだなぁ」
提督「いやいや、悲観は止めよう。楽観的な方が何とかなるさ」
提督「さて…昨日の作戦、どれを実行に移そうか?」
1、飛龍に事情を話す
2、空母達に協力を仰ぐ
3、直球告白
安価↓1
1
>>29採用:1
提督「…取り敢えず飛龍に事情を話そうかな」
提督「空母に手伝ってもらうにしても、飛龍の協力は一番大事な筈だし」
そういうわけで、飛龍の下へと向かった
提督「おはよう飛龍」
飛龍「ん、提督おはよっ!今日も寒いね」
提督「冬だしね、叶う事ならずっと炬燵で暮らしたいよ」
飛龍「ダメダメそんなんじゃ、大きくなれないよ?」
提督「むぅ…叶うことならって言ってるじゃん。ご飯食べて運動して、身長大きくする努力してるんだから、今は途中経過なの!」
飛龍「あはは、怒らない怒らない。それで、わざわざ来たって事は用事ですよね?」
提督「うん、ちょっと聞いてもらいたい話があるんだ…」
そしてボクが蒼龍が好きな事、二人っきりでデートをしたいと思っている
という事を説明した
飛龍「………」
飛龍は話を聞き終えた後、何故か沈黙している
提督「…飛龍?飛龍!…おーい?起きてる?」
飛龍「うわっ!あはは…お、起きてますって」
提督「突然黙るからビックリしたじゃないか。ちゃんと話聞いてたよね?」
飛龍「は、はい。ビックリしたのはこっちもですよ、蒼龍の事が好きだったなんて」
提督「ま、まぁね…でさ…」
飛龍「協力すればいいんですよね?任せてください!提督の恋路、お手伝いしますよ!」
提督「本当に!?ありがとぅ…大好き!!飛龍は今日好きなだけ食べていいよ!!ボクが何でも奢ったげる!!」
飛龍の腰に抱き付き、グリグリとお腹に頭を押し付ける
飛龍は苦笑いしながらボクを引き離す
提督「まだ朝ごはん食べてないから、話の続きはまた後でね!」
飛龍「あ、はーい」
そうして順調に作戦が進み、飛龍と別れたのだった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
奔放に笑う提督の背中を見送る
まさか、まさか提督は蒼龍の事が好きだったなんて全く予想していなかった
普段からそんな素振り見せてなかったのになぁ
私…飛龍は感慨深く、何度も頷く
こうして私に話をしに来たのは、直接蒼龍を誘う自信が無いからだろう
蒼龍は提督の事、全然意識してないみたいだし
勿論私は……
1、提督を手伝うつもり
2、邪魔をするつもり
安価↓3までで最も2桁コンマの数値が高いものを採用
満場一致!
採用:2
邪魔する理由は?
1、面白そうだから!!
2、え?提督は私のだよね?
3、もう○○の恋路を手伝うって約束しちゃったから、提督と蒼龍には悪いけど邪魔させてもらうね
安価↓3までで最も2桁コンマの高いものを採用
2
>>43採用:2
※おかしい…コンマ採用なのにいつもの展開過ぎる……
勿論、私は邪魔をするんだけど
提督が蒼龍の事が好きだったなんて…本当に困ったことになったわね
でも、今のこの状況は私に有利なはず
蒼龍はこの事を知らないし、提督も私の気持ちを知ってたら絶対にこんな相談は持ちかけなかっただろうし
有り難く、このチャンスを自分のモノにさせてもらおうっと♪
だって、提督は私のモノでしょ?
飛龍は朗らかな笑みの裏、その瞳に怪しく光る意思が宿っていた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
食事を終えて、改めて飛龍と今後の行動について話し合う
提督「最終目標は蒼龍と二人っきりでクリスマスデート!と、いうわけで飛龍にはその間者をやってもらおうと思うんだけど」
飛龍「はい!(私にとって都合の)イイ感じに蒼龍との仲を取り持ってあげますね!」
提督「まずは…状況確認かな」
提督「ボクの視点から見るに、蒼龍からは明らかに異性と思われてないと思うんだよ」
飛龍「そうですね!」
提督「いや、嬉しそうに言われると傷つくんだけど…」
提督「それでさ、飛龍から見て蒼龍はボクの事どう思っていると見える?」
飛龍「そうですね……」
飛龍の奸計
コンマ判定
1-4 思いつく限りの悪評
5 現状をそのまま伝える
6-9 ワザと期待させるようなことを言う
直下コンマ
コンマ判定:9 これでもかとよいしょする
飛龍「実を言うと……蒼龍も提督の事が好きだと思いますよ」
提督「……ホントに?え…ホント?」
飛龍「マジです」
提督「えっ?なんで?やだ…いやいや全然嫌じゃないけど!!」
提督「本当に言ってる?無関心なくらいだと思ってたんだけど…」
飛龍「ええ、蒼龍…ああ見えて本心を隠すのが上手いんですよ」
飛龍「直に好きと言っているのを聞いたわけじゃないんですけど、蒼龍の好みと提督の容姿がバッチリと一致するんです」
提督「し、身長低くてもいいの?」
飛龍「はい!」
提督「色白で、女顔だけどいいの?」
飛龍「バッチコイですよ!」
提督「ボク…子供だよ?」
飛龍「どんぴしゃでストライクゾーンです!!」
提督「………………」
提督の直感判定
5以上で違和感察知
直下コンマ
コンマ判定:2 海のリハク並
提督「えっ、どうしよう。これ、遠回りしなくても良くない?」
飛龍「というと?」
提督「いや飛龍に手伝ってもらって、外堀埋めてから誘うつもりだったんだけど、そんな回りくどいこと必要なさそうだなって」
提督「だから、素直に告白に行こうかと思って」
飛龍「ええっ!?」
提督「そんなに驚く事?むしろ、飛龍的にも手間が無くていいんじゃない?」
飛龍「ええ…ええっと……………ですね…ですねですね!いいですね!はい、良いと思います!」
何やら返事に間があったが、上手くいくかのシミュレートをしてくれていたんだろう
なんたって、少し冷や汗をかいていたがすぐに晴れやかな顔に変わったのだから
上手くいくと飛龍も思ってくれている
提督「じゃあ今から行って来る」
飛龍「ああ!ちょっと待って!今蒼龍はちょっと忙しくって…もう少しして落ち着いてからがいいと思いますよ」
提督「そお?じゃあ昼過ぎかな」
飛龍「んんぅ……はい!何とか間に合うかな…」
提督「何とか間に合う?」
飛龍「ああいえ!じゃあ私もちょっと用事を思い出したので」
提督「あ、うん。ありがとね!!ちゃんとお礼もするから!」
何やら慌てた様子で飛龍はどこかに行ってしまった
さて、ボクはボクで誘い文句を考えておくとしよう
まさか両思いだったなんて…ふふふっ
思わず、笑ってしまう
晴れやかな心持のまま、スキップをしながら自室へと帰ったのだった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
スキップをしながら自室に戻る提督
その後ろ姿を見つめる人影が一つ
偶然、飛龍と提督との会話を聞いてしまったその人物は………
1、安心と信頼の赤城さん
2、不動の幼馴染ポジ瑞鶴
3、幼馴染ポジその2のポンコツ担当葛城
安価↓4までで最も2桁コンマの高いものを採用
3
>>68採用:3、真打登場
葛城「……とんでもない場面に出くわしちゃったわね」
先ほどの二人の会話を思い返す
飛龍さんのあの対応、明らかな挙動不審だった
言ってる内容も到底事実とは思えない内容ばっかり
だけど普段は聡い提督も、明らかに自分にとって都合のいい話過ぎて完全に信じきってるみたいだった
そして何より、二人とも興奮しすぎてこうして盗み聞きしている私に気付いていなかったみたい
葛城「提督…どう見ても騙されてるわよね」
葛城「飛龍さんもどうしてあんな事を…?」
葛城「私…どうすればいいんだろう………」
葛城の方針
1、赤城か蒼龍あたりにこの事を密告する
2、提督の目を覚まさせてあげないと
3、面白そうだし、飛龍さんに加勢する
安価↓3までで最も2桁コンマの高いものを採用
満場一致
採用:3
葛城「……きっと飛龍さんの事だし、何か意味はあるのよね!」
葛城「普段から、あの提督にはからかわれっぱなしだし、ぎゃふんと言わせてやるんだから!!」
葛城は早速、飛龍の手伝いをすることにした
葛城「…飛龍さんは、提督と蒼龍さんとの仲をイイ感じに取り持つって言ってたわよね」
葛城「いい感じ…いい感じ……う~ん…」
方針を決めたはいいものの、足踏みしてしまっている
葛城は気付いていない、自分はなんだか微妙にずれた認識をしてしまっているという事に……
ところで、葛城は提督の事を……
1、はぁ!?べ、別に好きなんかじゃ…
2、嫌いよ嫌い!大っ嫌いなんだから!
安価↓3までで最も2桁コンマの高いものを採用
満場一致
採用:1、はいはいツンデレ
と、言うわけで今日の更新はここまでです
今回は蒼龍(無害)、飛龍(ヤンデレ)、葛城(ポンコツ)の三つ巴でお送りいたします
ではでは、お付き合いいただきありがとうございました
乙
そういや前回のツンデレ枠の天津風は仲人としては優秀だったけどヒロインとしては空気だったな
>>90
天津風は前回折角頑張ってたのに報われなかったので、いつかはメインで一本短編書いてあげたいなという気持ちはありますね
実はいつも赤城さんは特に気合入れて可愛く書いているので、好きだと言ってくれた方が居て舞い上がってたりします
大好きなんですよねぇ赤城さん
それではそろそろ再開です
提督「もうそろそろ、行ってもいいかな」
時刻は昼過ぎ
午後3時
そろそろ用事とやらも終わっているだろう蒼龍の下へ向かう事にした
胸はドクドクと脈打ち、体は冬だというのにぽかぽかと温かい
これからの事の期待に、胸を躍らせていた
蒼龍を探して廊下を歩いていた時――
葛城「提督!」
提督「ん、葛城。何の用?ボクちょっと急いでるんだけど」
葛城「あーえっと…蒼龍さんなら外に居ると思うな」
提督「ホント?ありがとう!!………って、どうしてボクが蒼龍探してるって知ってるの?」
葛城「あ~…それは、あれよ!飛龍さんにちょっと…ね」
提督「ふ~ん……」
コンマ判定
5以上で違和感感知
ポンコツ +1
直下コンマ
コンマ判定:2+1 やっぱり節穴
葛城「な、何よその目!疑ってるの?」
提督「別に、伝言ご苦労様」
ボクを手伝ってくれるなんて珍しいな、と思いながらもボクは言われた通り外に出たのだった
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
時刻は戻り、昼前
飛龍はやや焦っていた
飛龍「やっばぁ…調子乗っておだて過ぎちゃった…」
飛龍「提督が蒼龍と顔を合わせる前に、蒼龍と話をしとかないと」
どうするのがベストか
一度約束を取り付けさせて、ドタキャンさせるように仕組むべきか
もしくはさっさと玉砕させた方がいいかな?
飛龍はこれから自分がする事を考えながら、蒼龍の自室へと向かっていた
飛龍がこれからする作戦内容案
安価↓3までを採用
提督に対するドッキリという感じにする
>>97-99採用
一つ目の案としては、提督に対するドッキリという体
一度誘いを受けさせておいて、当日にドッキリでしたと蒼龍に裏切らせるパターン
二つ目の案は、提督のする告白を嘘告白だと蒼龍に知らせておく方法
提督が蒼龍に告白ドッキリをするからそれを逆ドッキリで振ってあげて、といった具合で口裏を合わせればいいかな
三つ目の案は、作戦というほどじゃないけど何もしない
正直、両思いだと勘違いして暴走している提督はこのまま勝手に自爆する気がする
その後、しっかりタイミングを見計らって慰めてあげるという作戦ね
採用する作戦
1、作戦1
2、作戦2
3、作戦3
安価↓3までで最も2桁コンマの高いものを採用
2
>>102採用:2
飛龍「うん…この作戦で行こうかな」
決意を固め、蒼龍の部屋を訊ねる
飛龍「ねえ蒼龍、ちょっと話があるんだけど」
蒼龍「ん?なぁに?」
飛龍「今日これから、提督から告白されるからそれをバシッと振ってあげて」
蒼龍「え?何々?全く話が見えないんだけど…」
飛龍「提督が告白ドッキリしかけようとしてるって知っちゃってさ、これを逆にドッキリし返したら面白そうじゃない?」
蒼龍「ふ~んドッキリねぇ…また提督も変なこと考えてるわねぇ」
飛龍「どうどう?やってくれるよね?」
蒼龍「うん、分かってる。断ればいいのね、まぁ本気でもそうじゃなくても断った気がするけど…」
飛龍「じゃ、よろしくね!」
問題なく口裏を合わせ、飛龍は安心して部屋を出た
コンマ判定
5以上で………
直下コンマ
コンマ判定:6 ちょっぴり違和感
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
突然やって来たかと思えば、自分の話したいことを言って直ぐに去っていた飛龍の背中を苦笑いで見送った
蒼龍「提督も妙な事をするけど、飛龍も何で楽しそう何だか…」
蒼龍「それにしてもどうして突然………って、そっかもうクリスマスよね」
蒼龍「ホンット悪趣味なこと考えるのね、私じゃなくても葛城あたりの方が面白そうな反応が見れそうじゃない?」
蒼龍「…………どうして私なんだろう?」
蒼龍「普段から私の事好きだって素振りも無いし、私だって提督が好きだなんて言ったことないし…」
蒼龍「そもそも、提督だって私が断りそうな事分かってそうよね」
蒼龍「飛龍だって、何も言わなくても私が断りそうなことくらいわかってそうだけど」
蒼龍「……………何だか不自然」
蒼龍「妙に辻褄が合わない気がする……提督…飛龍…それともどっちも?」
蒼龍「引っかかるなぁ……」
蒼龍は飛龍との会話に、確かな違和感を覚ていた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
提督「居ない……」
葛城に言われた通り外に出てみたが、蒼龍の姿は一向に見当たらない
提督「どこ居るんだろ…それとも葛城が嘘ついたのかな?しかしなんで嘘なんて……」
提督「…寒いなぁ。いったん帰ろう」
外は風が強く非常に寒い
すっかり心の熱も冷めてしまい、一度で直すことにした
だが、すぐに蒼龍は見つかった
蒼龍は廊下で葛城と話をしていた
提督「やっぱ中に入るじゃん、葛城嘘ついたんだな」
ボクは2人に近づいていくと、ボクに気付いた葛城はそそくさと去って行った
後ろめたい事があると言わんばかりだ
蒼龍「あ、ちょっと葛城!ってあら提督」
蒼龍の後ろから近付いていたからか、蒼龍は今ボクに気付いたらしい
提督「やあ蒼龍。あのさ、さっきまで外に居た?」
蒼龍「へ?ううん、ずっと部屋に居たけど」
提督「そっか………」
さっきまでは外に居たという事でもないらしい
つまり、葛城の有罪は確定だ
しかし何故葛城はそんなウソを言ったんだろう
蒼龍「あ、あのぅ提督…私に話があるんじゃない?」
提督「ああ…うん。そうなんだよ、ずっと探してたんだ」
蒼龍はそわそわと落ち着きなく周囲を見渡している
……さっきの葛城もそうだけど、目の前の蒼龍も妙に不自然だな
風に当たって興奮が冷めたからか、少し冷静になったらしい
………まあでも、それほど気にすることも無い…のか?
1、予定通り告白する
2、葛城と何の話をしていたか聞く
3、葛城を追いかけてみる
安価↓3までで最も2桁コンマの高いものを採用
採用:1
まあいいや、大事なのは蒼龍だ
ボクは予定通り告白することにした
提督「…大事な話なんだ。ずっと黙ってたけど」
提督「ボクは蒼龍の事が好きなんだ!」
蒼龍「そう…だったんですね」
蒼龍はあまり驚いた様子はない
覚悟をしていたというような、落ち着いた様子だ
提督「クリスマスの予定は決まってる?」
提督「もし、決まっていないならボクとデートに行きませんか?」
蒼龍の顔を見上げる
両思いだと話では聞いていたけど、それでも緊張はする
蒼龍は……
蒼龍の反応
1、バッサリと断った
2、頷いた
3、自由安価
安価↓1
1
>>116採用:1
途中ですが、ご飯食べるのでちょっと30分後くらいに再開します
蒼龍「ごめんなさい!!」
提督「えっ?」
それは、心のどこかで覚悟はしていた言葉だった
自分に都合のいい話を、信じたい気持ちからここまでの行動に繋がったと思う
しかし、こうして言われるとやっぱりとても心にこみ上げるものがある
提督「……そっか、やっぱそうなるよね」
飛龍に悪意があったとは思わない
ただ、上手くいくように応援しようとしてああいう風に誇張した言い回しを選んだのだろう
蒼龍「……やけにあっさり引き下がるんですね」
提督「あはは…なんとなく、こういう展開もある気がしててね」
蒼龍「………ごめんなさい。返事は保留でいいですよね?」
提督「へ?」
それは、予想外な一言だった
蒼龍の言うごめんなさいは『否定』ではなく『保留』の返答だったのだ
蒼龍「また、後で」
蒼龍はそういうと、どこかへと言ってしまった
ボクは思わぬ事態に、ボケっとその場で立ち尽くしていた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
提督「あはは…なんとなく、こういう展開もある気がしててね」
自嘲気味に提督は、寂しげに笑っていた
その顔で疑念は確信へと変わる
提督のこの告白は、決して冗談なんかじゃなかったのだと
先ほどの葛城が言っていた事
どういうわけか、あの子も飛龍が言っていた様に『提督が告白をすると思うけど』と言っていた
葛城は『提督は相当本気だと思うから、断ったとしても優しくしてあげて』と言っていたのだ
ここまで来て、何かを察せない私じゃない
恐らく二人とも提督の行動を本当に知っていた
その上で、葛城は私と提督の仲をギクシャクしないように取り計らおうと考えていたのだと思う
だけど飛龍のそれは、別の意思
……あまり考えたくないけど、悪意のようなモノを感じ取れた
私は、飛龍にその事を問い詰めずにはいられなかった
だから私は
蒼龍「………ごめんなさい。返事は保留でいいですよね?」
そう言って飛龍を探しに向かったのだった
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
提督「……………」
赤城「神妙な顔して、どうしたんですか?」
時刻は夜
場所は自室
あれから蒼龍とも飛龍とも会うことなく、一日が終わりそうになっていた
何とも言えな心持の中、炬燵でみかんの皮を剥いていた
赤城「蒼龍さんとの事、進展はありましたか?」
提督「……あったといえば、あったかもしれない」
赤城「はぁ…?煮え切らない感じですね」
提督「うん……結論から言うとね、ボクは蒼龍をデートに誘ったんだよ」
赤城「まあ、それで返答は?」
提督「ごめんなさいって」
赤城「それはそれは」
提督「返事は後でいいかって言われたんだよ」
赤城「それは良かったじゃありませんか」
提督「良かった……のかなぁ…あんまり脈がある感じでもなかったんだよねぇ。悩んでるとかそんな感じじゃなかったんだよ」
赤城「複雑ですねぇ」
赤城は呑気な相槌を打ちながら、ミカンの皮を剥いている
提督「赤城だったらこの状況、どう思う?好転してるように見える?」
赤城「嫌だと断られるよりはいいと思いますよ」
提督「つまり、最悪ではないと」
提督「……まあ悪いよりはいいか。しかしいつ返事くれるんだろう?」
赤城「そうですねぇ、早めに返事を頂かないとデートプランも考えないといけませんからね」
提督「赤城なら適当にご飯食べさせとけば喜ぶのになぁ」
赤城「まあ、私だってクリスマスには夜景を見ながら食事をしたいと思いますよ」
提督「やっぱりご飯じゃないか」
そんな事を話しているとき
部屋をノックする音が聞こえる
誰かが訪ねてきたらしい
提督「はーい!開いてるよ!」
炬燵から出たくないので、来訪者に中に入ってもらう事にした
来訪者
1、加賀
2、天城
3、翔鶴
4、瑞鶴
安価↓3までで最も2桁コンマの高いものを採用
採用:4
瑞鶴「こんばんは。う~寒い寒い…私も炬燵入れて」
恰好は褞袍にジャージと完全に部屋着だ
冷たい空気と共に、冷たい足がボクの足を蹴る
提督「ちょっ!冷たいってば!靴下履きなよ!」
瑞鶴「これから温かくするからいいじゃないの。えいっ!」
冷たい足を絡ませて来るだけじゃ飽きたらず、ボクの頬を両手で包む
提督「冷たっ!!や、やめてってば!」
瑞鶴「ほれほれ~ふふふっ!」
提督「あ、赤城もなんとか言って止めさせてよね!」
瑞鶴「赤城さん。お饅頭持ってきたんですけど食べます?」
赤城「いただきます!お茶淹れてきますね」
提督「速攻で買収されてる……」
暫くの間、瑞鶴に弄ばれた
瑞鶴はただの暇つぶしの為にやって来たらしく、ダラダラと三人で雑談に興じる
瑞鶴「提督さんは今年のクリスマス予定あるの?」
赤城「それが、今ちょっと複雑な状況なんですよ」
瑞鶴「そうなの?」
提督「埋まるかどうかの瀬戸際?まあ、相手の返答待ちって感じ」
瑞鶴「ふ~ん、デートでもするの?」
提督「うん」
瑞鶴「ふ~ん…………えええ!?デート!?」
提督「驚く事?」
瑞鶴「じょ、冗談のつもりだったんだけど」
瑞鶴「もしデートすることになったら、みんなでお祝いとかしないの?」
提督「そうなるね」
瑞鶴「ふ~ん…そうなんだ。残念」
瑞鶴はそう言いながらボクの足をツンツンと蹴ってきた
皆でお祝い…か
もし予定が埋まらなかったら、それも一つの選択だろうな
お茶をすすりながら、長い間3人で話をした
12月22日
結局昨日はずっと三人で駄弁って炬燵で眠ってしまっていた
蒼龍からの音沙汰はまだない
提督「…どうしようかな。早速行き詰ってしまった」
提督「返事の催促はなんだか印象悪い気がするし…」
提督「こういう時こそ飛龍に相談かな?」
提督「気が早いかもだけど、デートプランについても考えておかないといけないなぁ…」
提督「さて………」
これからする事
1、飛龍に相談
2、デートプランを考える
3、蒼龍に会いに行く
4、自由安価
安価↓1
1
>>129採用:1
提督「うん、こういう時こそ人の知恵を借りないとね」
提督「飛龍に会いに行こう」
そう決めて飛龍の自室に向かったのだった
イベント判定
1-3 飛龍が一人
4-6 蒼龍と飛龍
7-9 何か激しい争っているような声
直下コンマ
コンマ判定:3
部屋の扉をノックする
提督「飛龍?入っていい?」
飛龍「はーい、どうぞ」
明るく聞こえた声とは裏腹に、部屋の中は何処か肌寒い
どういうわけか妙に沈んだような空気を漂わせていた
提督「……?風邪でもひいた?」
飛龍「へ?ひいてないですよ」
提督「そう?何だか空気が淀んでる気がして…気のせいかな」
飛龍「気のせいですってもう。私はこの通り元気元気!」
そういつものように明るく笑顔を見せる
少し、心配し過ぎたかもしれない
早速相談をするとしよう
1、昨日の事を話す
2、蒼龍の様子を知らないか聞く
3、やっぱりそれよりも飛龍の事が気になる
安価↓1
3
>>133採用:3
提督「……」
蒼龍の事を相談しようかと思ったが、それよりも飛龍の事が気になった
笑顔を見せてくれているけど、その表情は空元気のように感じたからだ
提督「ホントに大丈夫?体調悪くない?」
飛龍「全然全然!大丈夫だから」
提督「……ん」
飛龍の額に手を添えるが、熱は平熱のようだ
……あ、熱くなってきた
飛龍の顔はみるみると赤くなっていっていた
飛龍「な、ななな…!」
提督「熱あるじゃん!もう、何かおかしいと思った。ほら、早く寝ないと」
飛龍「ええっ?ちょ、大丈夫だから」
提督「ダメダメ。体調悪い人は皆そういうんだから」
飛龍の手を無理やり引いて、ベッドに押し倒す
飛龍「ほ、本当に何でもないって…」
提督「はいはい布団かぶって。ね?」
無理やり布団をかぶせ、ベッドの上に寝ころばす
飛龍の顔は赤いままで、熱っぽさを携えたままだ
提督「最近は寒いからね、体調悪くしても仕方ないよ」
飛龍「提督…」
提督「割と平気そうだけど、今日くらいは大人しくしときなって」
提督「どうする?果物とか食べる?氷枕とか欲しい?」
提督「昨日は相談のってもらったし、何でもしたげるよ」
飛龍「………っ…」
飛龍は沈痛な面持ちで、顔を逸らして唇をかむ
飛龍「そんな…優しくしてもらわなくても」
提督「昨日のお礼だって言ってるでしょ?今のうちに我儘言っておいた方がいいよ」
飛龍「………」
飛龍の感情判定
5以上で罪悪感が勝る
直下コンマ
コンマ判定:7
飛龍「……実は…私、提督に話しておかないといけないことがあるんだ」
飛龍「昨日……蒼龍と喧嘩したん…だよね」
飛龍「それで…落ち込んでて、体調悪いみたいに見えてるんだと思う」
提督「そっか。でも、病は気からというじゃん?体調悪いのも本当なんだって」
提督「落ち込んでるとやる気も力も湧いてこないでしょ?」
飛龍「…ッ……あの、それで…喧嘩した理由なんだけど…」
飛龍は一呼吸おいて、決心したように口を開いた
飛龍「実は、蒼龍と提督が仲違いするように仕組んでた」
飛龍「それを見破られて、盛大に喧嘩した」
飛龍「あはは…だから、私…結構酷い女だったんだよ」
飛龍「相談受けた時から、二人を仲違いさせようって思ってた……全部、自分の我儘で」
飛龍「だから提督、あんまり私に優しくされると…その……心苦しいっていうか…」
飛龍は諦めたように、気の抜けた笑みを見せる
その告白は、罪悪感から来るものなのだろう
ボクは……
提督の返答
安価↓1
ちゃんとその事を自分から言ってくれたんだから許すよ
ただそんな事をした理由が知りたいな
>>140採用
提督「……ショックだな。信じてただけにね」
飛龍「だよね……」
提督「ん~、でも許してあげる。ボクは優しいからね」
飛龍「え?」
提督「ちゃんとその事を自分から言ってくれたんだから許すよ」
提督「た~だ~し。そんな事をした理由が知りたいな」
提督「その様子だとさ、何か理由があるんじゃないの?」
飛龍「それは……ううぅ……本当に言ってもいいのかな…」
飛龍「す、好き…だから。提督の事が」
提督「………そう来たか」
顔を真っ赤にし、布団をかぶって顔を隠しながら飛龍が言った一言は
なんとも面倒な、自分も今まさに頭を悩ませているモノだった
と、いうところで今日の更新はここまでです
蒼龍ちゃん有能、そしてさり気なく葛城も有能という
飛龍ちゃんはヤンデレとは言いましたが、いつものようなドロッドロな感じではないです
割とさっぱり純愛系です
あと明日と明後日くらいの更新でいい具合に終われそうですね
ではでは、お付き合いいただきありがとうございました
そろそろ再開です
飛龍「…め、迷惑だったよね?」
提督「人の好意に対して面倒なんてとてもじゃないけど言えないよ」
提督「ただ……うん、状況はとっても苦しく思うかな…」
飛龍「だ、だよねぇ…あはは……」
二人して乾いた笑い顔を見せる
まさか、クリスマス直前でこの状況の大どんでん返しである
もう本当に真剣に飛龍の想いに答えようとするなら、時間が足りなさすぎる
提督「う~んと……そうだな、まずは蒼龍と仲直りしよっか」
提督「今から蒼龍呼んできてあげるから、ボクに許してもらったってちゃんと説明して、謝って今回の件はそれで終わりにしよう」
提督「いいね?」
飛龍「…う、うん……」
飛龍は苦しそうに眉をしかめるが、何とか頷いた
相当苦しいだろうが、時間が経つほど素直に謝ったりできなくなるものだ
早ければ早い方がいい
ボクは一度、蒼龍を呼びに外に出た
飛龍の部屋を出てすぐ、意外な人物と鉢合わせた
葛城「あっ…」
提督「………何盗み聞きしてるんだよ」
葛城「べ、別にしてないわよ!ただ…ちょっと、扉の厚さが気になって…ね…」
提督「こんな苦しい言い訳初めて聞いた」
提督「まあいいよ、ちょっと待ってて。葛城とは話したいこともあるし」
葛城をその場に待たせ、ボクは蒼龍を呼びに行った
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
視点選択
1、蒼龍と飛龍
2、提督と葛城
安価↓1
提督に半ば強引に手を引かれ、飛龍の部屋に押し込まれた
飛龍はベッドの上に居て、半身を起こしてこっちを見ていた
昨日の事もあり、とても気まずい重苦しい空気が流れる
飛龍「……えと…お、おはよ」
蒼龍「うん…おはよ」
何とか挨拶はかわすが、それ以上言葉が続かない
扉一つ隔てた向こうで、葛城の煩い声が聞こえる
提督と何か話しをしてるんだろう
私がここに連れてこられた理由は分かってる
昨日、喧嘩したことが原因だろう
本当に、何時振りかも思い出せないくらい久々に本気で怒った
ちょっと言い過ぎたかなと思ったりしてるけど、それでも飛龍のしたことは酷い事だと思う
蒼龍の怒りポイント
1、自分を騙そうとしたこと
2、提督の恋心を弄んだこと
3、回りくどい方法をとった飛龍の事
安価↓3までで最も2桁コンマの高いものを採用
採用:3
飛龍「あ、あのさ!…ごめん…本当にごめん」
蒼龍「…それ、何に謝ってるの?」
飛龍「……私のエゴに提督と蒼龍を巻き込んだこと。二人を騙して、一人だけ得しようとしたこと」
飛龍「えと…提督は許してくれるって言って貰えた。だから……蒼龍にも謝りたい」
飛龍「本当にゴメン!!」
本当に反省した様子の飛龍に、ホッと胸を撫で下ろす
いつもの私の知ってる飛龍に戻ってくれたらしい
蒼龍「もう…二度とこんなのごめんだからね?」
飛龍「…はい」
蒼龍「うんっ、よろしい!私も許すわ」
飛龍「よ…良かったぁ……私、嫌われても仕方ない事したから…許してもらえないかと」
蒼龍「私と飛龍の仲でしょ?もう」
飛龍は本当に安心したように深く息を吐いていた
蒼龍「で、謝る相手は2人だけ?」
飛龍「……え?他に誰が…」
蒼龍「そこに居るでしょ?」
飛龍「…………葛城?」
蒼龍「違うわよ…もう、飛龍自身に。よ」
蒼龍「実を言うと、私が一番怒ってるのは飛龍がそんな回りくどいアプローチをしたって事なんだから」
蒼龍「何でそんな方法取らなきゃいけなかったのよ?」
飛龍「…う、だって…提督…蒼龍の事が好きだっていうから……」
蒼龍「だから仲違いを誘ったって?そんな後ろ向きでどうするのよ」
飛龍「いやぁ…それは、諦めてもらってからの方が障害も少ないし…」
飛龍「それに……もう言っちゃったけど、提督に好きだなんて言ったら迷惑だよ」
蒼龍「………」
好きな人には本命が居るという後ろめたさから、飛龍はイマイチ踏み込めずにいるらしい
…さて、どうしようか?
1、飛龍を焚き付ける
2、飛龍の背中を押す
安価↓1
蒼龍「……私、提督との約束保留にしてるって言ったよね」
飛龍「ああうん、そう言ってたね」
蒼龍「断ろうと思ってるんだ」
飛龍「ええ!?なんで?提督が悲しむよ!?」
蒼龍「私は飛龍に頑張れって言ってるの!!」
蒼龍「飛龍が提督の想いを尊重しようと思ってるみたいに、私は飛龍を応援してる」
飛龍「蒼龍…!」
蒼龍「だから次は、こんな回りくどい事しないで提督をデートに誘いなさい。いい?」
飛龍「うん…うん…!ありがとう!蒼龍大好き!!好き好き好き!!」
蒼龍「も、もう…それを提督に言いなさいってば…」
愁いや悩みが晴れたのか、途端に元気になった飛龍に抱き付かれる
本当にもう…世話が焼けるわ
そんな思いで、飛龍の背中を撫でてあげた
飛龍「私、今から提督に言いに行く!」
蒼龍「え、今から?」
飛龍「ぼやぼやしてたら誰かにとられちゃうかもしれないでしょ?」
蒼龍「そうだけど、その前に私が返事してあげないと…」
飛龍「だから蒼龍も来るの!ほらっ!」
すっかり元気を取り戻した飛龍に、強引に手を引かれる
如何にも私はこうして振り回される性分らしい
というか、飛龍はこの扉隔てた先に提督が居ることを知らないんだろうか?
こんなにも話し声が聞こえているのに、ああでもいるって知ってるから提督の声だって分かるのかもしれない
蒼龍「ふふっ……もう…」
私は困り眉で、飛龍に手を引かれた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
蒼龍の本音
蒼龍は提督の事を……
1、え、子供でしょ?やだもー
2、……もういいの、飛龍を応援するって決めたし
安価↓3までで最も2桁コンマの高いものを採用
満場一致
採用:1
蒼龍(提督には悪いけど…淡い初恋だったと、私の事は諦めてもらいましょう)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
時はやや遡り、蒼龍を飛龍の自室に詰め込んだその後
何だかバツが悪そうにしている葛城と二人、飛龍自室の前に居た
提督「よし葛城。話をしようか」
葛城「私は別に話なんてないけど…」
提督「そう?ボクの予想だと、葛城がこの事態を生んだ決定打だと思うけど」
葛城「わ、私…やっぱり余計なことした?」
提督「逆だよ逆。厄介な事になる前に収まってくれたって事」
提督「だから、ありがとね」
葛城「べ、別に…私が勝手にやったことだし……」
提督「やっぱり何かしてるんじゃん」
葛城「は、話すようなことじゃないって事よ!」
提督「どうせ自分が勝手に出しゃばったから、飛龍と蒼龍が喧嘩しちゃったと思って、怒られるのが怖くて話したくなかっただけなんでしょ?」
葛城「違うわよ!バカ!!バカバカ!!」
顔を真っ赤にして怒ってくる
相変わらずわかりやすい奴だった
葛城から話を聞いてみると、なんとボクと飛龍が密会していた時の会話内容を聞いていたらしい
明らかにボクが騙されると分かっていたが、その上で飛龍を手伝おうとしたらしい
『提督と蒼龍との仲をイイ感じに取り持つ』という飛龍の方便を真っ直ぐ受け止め、見事飛龍の思惑を打ち砕いたあたり何とも葛城らしい
今回ばかりはこの可愛いポンコツに感謝しなくてはならないだろう
葛城「……それで、その…蒼龍さんとのデート…どうなったの?」
提督「返事は保留。……でも、多分断られるかな」
葛城「何でわかるの?」
提督「あの保留は『ボクに対する返答を考える時間が欲しい』って意味じゃなくて『飛龍と話をする時間が欲しい』って意味だと思うから」
提督「まあもともと負け戦だったんだよ。ちょっと…自分に都合のいい夢を見ただけだよ」
葛城「…そっか」
提督「うん」
葛城「…………あの、さ…クリスマス…どうするつもり?」
提督「う~ん……」
提督の返答
1、まだ決めてないかな
2、去年と同じで、皆と祝おうかなって
3、自由安価
安価↓1
2
>>171採用:2
提督「去年と同じで、皆と祝おうかなって」
葛城「そうなの?」
提督「いやぁ、そもそもこんな時期にクリスマスの予定たてようってのがちょっと無理な話だったんだよ」
提督「蒼龍にもフラれるだろうし、無理にデートに固執しなくていいかなって」
葛城「そ、そう……そっか……ふ~ん…」
提督「葛城も暇でしょ?飾りつけとか手伝ってよ」
葛城「し、仕方なわね…もう…葛城が居ないと駄目なんだから…」
提督「別に居なくてもいいんだけど」
葛城「何よそれ!?さいってい!!」
提督「冗談だって。ごめんごめん」
興奮気味の葛城をどうどうと諌める
提督「そうだ、買い出しとか二人で行く?」
葛城「わ、私に来てほしいの?」
提督「いや行かないなら瑞鶴あたりを誘うけど」
葛城「行く!行ってあげる!」
提督「行きたいならそう言えばいいのに、素直じゃないんだから」
葛城「ホントにもう……鈍いんだから」
提督「鈍くないって。見え見えだよ?」
葛城「今のは聞こえてなくていいの!!」
提督「いや、だって声でてるし……」
そんな会話をしていると、飛龍の部屋の扉が開いた
どうやら話を終えたらしく、飛龍は晴れ晴れとした顔で元気を取り戻していた
提督「仲直り、出来たみたいだね」
飛龍「はい!お世話をかけました!」
提督「いいのいいの」
蒼龍「あの提督、保留にしてた返事ですけど…」
提督「ふふっ、言わなくても顔を見れば分かるよ」
提督「だからさ、今年もみんなでパーッとお祝いしよっか」
飛龍「え?」
蒼龍「え?」
提督「え?」
葛城「?」
間の抜けた声が連鎖する
葛城だけはよくわからないといった風に首をかしげている
提督「…え?って……え?嫌なの?」
ボクの返答に微妙な顔をしている蒼龍と、青い顔をしている飛龍
少し離れたところで二人はひそひそと話を始めていた
飛龍「……ど、どうしよう蒼龍」
蒼龍「提督…思ったより割り切りが早いわね…」
飛龍「こ、この状況で言わないと駄目?何だか空気読めてないみたいじゃない?」
蒼龍「た、確かにあのまま提督提案に乗った方が平和だろうけど……う~ん…飛龍次第かな…」
飛龍「どうしよ…普通にみんなで祝っても楽しいだろうなぁ…」
飛龍「え…ええいままよ!!」
飛龍は振り返ってボクの方に来ると、肩を強く掴んで
飛龍「クリスマス、一緒にデートしましょう!!」
そう、力強く言った
葛城「えええええええええええええええ!!??」
葛城が見事にボクの心を代弁してくれる
ちょっと失念してしまっていた、この事にも決着をつけておかねばならないだろう
しかし、困った
困ったことになった
自分の中で区切りをつけて、もうデートはいいやと思っていた時にまた話が降って来た
葛城「だ、駄目駄目!駄目ですよ!!」
当人の冷静なボクに反して、関係無い筈の葛城が大慌てだ
飛龍「なんで葛城が返事してるの?」
葛城「だ、だって…その…ふ、二人で買い物に行くってさっき約束したんです!!」
飛龍「ええ!?本当に!?」
提督「おいコラ、情報を歪めるな。クリスマスパーティの買い出しに行こうって話ね」
飛龍「な、なぁんだ……」
蒼龍「それで、結局提督のお返事は?」
提督「………しないと駄目だよね?」
蒼龍「当たり前です!」
提督「……う、う~ん……」
困った
本当に困ったことになった
飛龍
嫌いじゃない、当たり前だ
だけど…今まで蒼龍に向けていたような恋愛の感情はあまりない
そんな心持で、果たして誘いを受けていいんだろうか?
飛龍の本気の想いに対して、失礼じゃないだろうか?
そういう意味では、例年のようにクリスマスパーティをしようというのは安全策として丁度いい
飛龍との付き合い方を考えるきっかけにもなるだろうし、色んな人と楽しめて、極めて平和だ
……なんだか葛城がやけに張り切ってるのも気になるけど
ただ、飛龍との事を逃げてると捕えられるかもしれない
………それか、もういっそ……投げてしまってもいいかな?
だってもう時間ないよ?
面倒な気持ちもちょっとある
……さて…どうするか
1、飛龍とデート
2、例年通り、皆で祝う
3、全てを投げ出して、赤城とゆっくりする
安価↓から、最速で3票獲得したルートを進みます
採用:1
いや、こうしてボクの事を慕ってくれているんだ
今は好きと言えなくても…デートを通して好きになれれば、それはそれでいいと思う
飛龍の真っ直ぐな想いに答えよう
提督「決めた。一緒にデート行こうか飛龍」
飛龍「い、いいんですか!?」
提督「うん。ボク、デートなんて全然経験ないけどそれでもいいなら」
飛龍「勿論です!!やったぁ!やったよ蒼龍!蒼龍のおかげだよ!!」
蒼龍「あはは…良かったね」
飛龍は感極まっているのか、蒼龍を力いっぱい抱きしめている
蒼龍は困ったように笑いながらも、ちょっと嬉しそうだった
そんな姿を見て、この選択でよかったなとボクも思えた
…………ただ一人、涙目でおろおろしている葛城を除いて
提督「ごめんね葛城。買い出し、ボク行けなくなった」
葛城「……いいわよ別に。楽しんできなさいね!!ばか…」
寂しそうな葛城の背中に、ちょっと罪悪感が湧いたけど仕方のない事だ
その日の夜
飛龍とのデートの予定を立て終えて、後は当日を待つだけとなった
その事をいつものように炬燵で暖を取りながら、赤城に話をした
赤城「まあ、本当にデートの約束を……って飛龍さんとですか?蒼龍さんではなく?」
提督「うん。蒼龍にはフラれちゃった」
赤城「それで、どういう流れで飛龍さんと?」
提督「知らなかったんだけど、飛龍はボクの事好きだったんだよ」
赤城「なるほど、それでフラれたから鞍替えと。提督はフットワークが軽いですね」
提督「人聞き悪いこと言わないでよ。今までのボクの立場が蒼龍の立場に変わっただけだって」
提督「そう思うと、自分を慕ってくれてる人の気持ちに答えてあげたいなってさ。思うわけじゃん」
赤城「そう言えば今日、葛城さんに泣き縋られました」
提督「……葛城も、もうちょっと素直だったらねぇ」
赤城「ですねぇ。今時ツンデレは損ですよ」
中々残酷な事を赤城は言う
しかし、概ねその意見には同意だった
煎餅を齧りながら、熱いお茶を啜る
赤城と雑談をしていると、誰かが扉をノックする
今日もまた誰かがやってきたようだ
ボクは入るように、その扉の先の人物に声をかけた………
来訪者
1、加賀
2、瑞鶴
3、葛城
安価↓3までで最も2桁コンマの高いものを採用
2
>>186採用:2
やって来たのは瑞鶴だった
提督「また来たの?」
瑞鶴「別にいいじゃない。はい赤城さん、チョコ」
赤城「わざわざすみません。今お茶淹れてあげますね」
提督「もう、赤城餌付けするの止めてって。もっともっとって言い始めるよ?」
瑞鶴「赤城さんは犬か何かなの……」
なむなむと手を擦りながら、瑞鶴は冷えた体を炬燵に滑り込ませてきた
瑞鶴「そうだ、ウチの可愛い後輩が泣いてたわよ」
提督「…う~ん…あんまり言われると罪悪感湧くなぁ。ボクも葛城も誰も悪くないんだけど」
瑞鶴「何があったわけ?あの子、ずっと『提督の馬鹿ぁ』としか言わなかったんだけど」
提督「それはだね……」
そうして今日あったことを瑞鶴に説明した
瑞鶴「へ~…そんな事が。まさか飛龍さんがねぇ」
提督「まあそういうわけで、当日は飛龍とデートする事になった」
瑞鶴「そりゃあの子も泣くわ。提督にプレゼント用意してたし」
提督「おおぅ……そっか…それは流石に、ちょっと悪いことしたかな」
瑞鶴「まあこれであの子も、ちょっとは素直になってくれればいいんだけど」
提督「それを瑞鶴が言う?」
瑞鶴「何よ?私は自分の言いたい事を言うし、普通に素直な部類だと思うけど」
提督「瑞鶴、素直っていうのはねアレの事を言うんだよ」
そう言って指さすのは、目を輝かせて一人でチョコレート菓子を独占している赤城
ボクの分もあっただろうに、確実にもう食べてしまっている
提督「赤城、美味しい?」
赤城「はい!美味しいです!」
提督「ね?ああいうのを、素直って言うんだよ」
瑞鶴「…あれはただマイペースなだけだから…」
瑞鶴は頭を抱えて、首を横に振る
そんなこんなで夜は更けていく
クリスマス当日まで
1、飛ばす
2、飛ばさない
安価↓5までで多数決
多数決
採用:1
12月25日
予定を決めようと誓ったその日から、今日この日まで
色々とあったような気もするが、案外あっさりこの日を迎えたような気もする
しかし、予想していない結果にはなったような気がする
飛龍「お、お待たせ」
一緒に出ればいいと言ったけど、雰囲気を大事にしたいという飛龍の意見から、準備が出来た方から駅前で待つという約束をしていた
ボクの方が先についていて、今丁度飛龍がやってきた
薄く化粧をしており、服装もいつもと全く違う洋服だ
気合が入っているなと一目でわかってしまう
何だかその一生懸命さが、今はとても愛らしく映る
まさか飛龍とこうしてデートをすることになるなんて全く予想もしていなかった
提督「そんなに待ってないよ」
定型のような言葉を返し、手を差し出す
提督「行こうか」
飛龍「う…うん…」
飛龍はおずおずとボクの手を握り返してくれた
今日はクリスマス、町中何処に行ってもカップルで溢れかえるこの日
カップルとは言えないボク達だけど、町並みには違和感なく溶け込めていた
提督「それで、何処に行くんだっけ?」
デートプランはある程度話し合ったけど、殆ど飛龍に任せたのだった
男だしボクが考えるべきだと思っていたけど『誘ったのは私ですから』と飛龍が張り切っていたので、飛龍に任せることにしていた
飛龍「えっとまずは……」
飛龍渾身のデートプラン
安価↓3までを混ぜます
最後にラブホに行く
>>197-199採用
飛龍「まずは遊園地です!!」
提督「おお!カップルと言えばって感じだね」
飛龍に連れてこられた第一のスポットは、とある大型テーマパーク
クリスマスという日の為か、朝だというのに多くの人が列をなしていた
提督「お昼までに入場できるかな」
飛龍「ああ、そっちの一般入り口じゃなくてこっちですよ」
そう言われながら飛龍に手を引かれる
どうやら手筈は既に整えていたらしい、よく予約が取れたなと思うが運が良かったんだろう
予約番号の書かれたチケットのようなモノを係員に見せると、何故か妙な訝しげな眼で見られる
係員「……えっと、カップルでご予約の方ですよね?」
飛龍「はい、そうですけど?」
係員「ご姉妹では…?」
飛龍「カップルです!!」
係員「し、失礼しました。では、どうぞお楽しみになって下さい」
一悶着あったが、一応は入場することができた
とうの飛龍は『失礼ですね』とプリプリと怒っていたけれど
ボク達当人的には、心境は完全に初々しいカップルだったのだけれど、どうやら世間の目はそうでもないらしい
成人女性と、その隣りに居る頭一つ小さい子供が手を繋いでいてカップルだと思う方が稀か
せめて『姉弟』と呼んで欲しかったが
飛龍「本当に、失礼ですよね。そんなに提督って女顔ですかね?」
提督「自分では男とだと思うんだけどね。まあでも、カップルだと割引がきくでしょ?それ目当ての偽装カップルだと思われたんだよ、うんうん」
飛龍「……はっ、もしかして同性愛者だと思われたんですかね」
提督「……正直、子供と恋人同士ですって言う成人女性より幾らかセーフな気がするんだ」
飛龍「世知辛い世の中だなぁ…」
提督「流石にこればっかりはね……」
意外な所で自分たちがしようとしていることの不格好さを思い知らされる
こういう事を知るたびに、自分がまだ子供だというのがとても心苦しい
飛龍「ああもう!こんなんじゃダメダメ!目一杯遊びましょうね!」
提督「…うん!楽しみだ、遊園地なんて初めて来たし」
飛龍「ええ!?そうなんですか!?それは楽しませがいがありますね!」
飛龍「まずはアレ!アレ乗りましょう!!」
提督「わわっ…」
興奮した様子の飛龍に連れられて、この遊園地の目玉らしいジェットコースターに連れて行かれた
飛龍「あは!あははははは!」
提督「笑い過ぎだってもう……」
ボクの散々な状態を指をさして飛龍は笑う
果たしてこの娘は、今は仮にも恋人気分だというのを忘れているんじゃなかろうか
飛龍「だ、だって私の手を掴んで『お、落ちる!死なない?これ死なない?』って青い顔で…ぷっ…」
提督「こっちは初めての経験なんだからね!怖かったんだよぉ…」
飛龍「いやでも『死なない?』って、死にませんよ普通」
提督「あんなのに人間が乗るモノじゃないよ!」
飛龍「人間が乗るために作られたんですよ。ふふふっ、提督ってば怖がりなんだ」
提督「ふんっ、意地悪言うなら付き合ってあげない」
飛龍「ダメダメ!もっと付き合ってもらうんだから!次は―――」
半ば強引に飛龍に手を引っ張られて向かった先は…
1、絶叫系再び
2、お化け屋敷
安価↓1
2
>>203採用:2
飛龍「じゃん!お化け屋敷!怖がりな提督にぴったりですね、くふふっ」
提督「ボク、こういう系は平気だよ。オバケとか全然怖くない」
飛龍「ジェットコースター乗る前も同じようなこと言ってませんでしたか?」
提督「じゃあやってやろうじゃないか。ほら、行くよ」
手を繋いで、お化け屋敷の中に足を踏み入れた……
恐怖に対する耐性
0ほどビビり、9ほど肝が太い
直下コンマ:提督判定
↓2コンマ:飛龍判定
コンマ判定:8 平気
コンマ判定:6 強がるくらいならできる
飛龍「っ!」
飛龍の肩が大きく震える
入ったばかりの頃は平気そうに笑っていたが、徐々に余裕がなくなってきている
飛龍「ほ、本当に…提督は平気なんだね…」
提督「まあね。そう言ったじゃん」
繋いだだけの手は、いつの間にか強く絡み合っていた
飛龍は体を預けるように、腕を抱きしめるような形になっている
提督「飛龍、ちょっと歩きづらい」
飛龍「い、いいじゃないですか。恋人っぽいですよ」
提督「………」
こっそりと自由な方の手で飛龍の脇腹をつつく
飛龍「うひゃうっ!も、もう提督!!」
提督「ふふっ可愛い可愛い」
飛龍「そ、そんな言葉じゃ騙されませんよ!次やったら怒るから!」
そんな体をガチガチにこわばらせている飛龍と、なんとかお化け屋敷を踏破した
飛龍「はぁ…もうほとんど回ったかなぁ…」
すっかりと空は赤く染まり、日が落ちかけていた
朝から時間を忘れて遊び倒し、こんな時間になっていた
提督「時間が過ぎるのは早いな」
飛龍「残念ですけど、次で最後かなぁ…」
提督「最後は決めてるの?」
飛龍「もっちろん!遊園地の定番。最後は……」
1、観覧車
2、ナイトパレード
安価↓1
1
>>210採用:1
提督「観覧車か…」
小さな箱に詰められて、高い場所へと運ばれていく
何だか奇妙な感覚だった
高いところは苦手だし、怖いだろうなという気がしていたし、落ち着かない気持ちは今でもある
だけど、外の景色に目を奪われていた
真っ赤に燃える夕焼け
遠くに見えるそれが徐々に隠れていく
真っ赤に燃える空は、少しずつ暗い色を見せ始めている
目の前に座っていた飛龍が、ボクの隣に移動してきた
飛龍「外ばっかりじゃなくて、私も見てください」
眉をしかめ、むっと口を尖らせている
提督「外があんまりにも綺麗だからさ」
飛龍「もう駄目ですよ。こういう時は『キミの方が綺麗だぜ』っていう場面なんだから」
提督「そう言わずにさ、一緒に見ようよ。すっごく綺麗なんだ」
飛龍「……確かに、綺麗ですね」
提督「飛龍が連れて来てくれたおかげだよ。そのおかげで見れた景色だ」
飛龍「………うん」
飛龍はそっとボクの手の上に手を重ねてくる
ボクはそれをそっと包み込んだ
提督「好きなの?手を繋ぐの」
飛龍「…いえ、好きになったんです。だって提督から握ってくれたじゃない」
提督「……そっか」
飛龍はぎゅっと、強くボクの手を握り返した
最後まで行けそうだと思ったけど、無理そうなので今日の更新はここまでです
お付き合いいただきありがとうございました
クリスマスが終わりそうですがその前に終わらせます!!
ラブホ描写するけどR18では無いです!!許して!!
それではそろそろ再開です
日も落ち、月が昇り始めたころ
夕食にしようと飛龍に連れてこられた場所は…
提督「夜景の綺麗なレストランて言ってたけどこれ…」
公園だった
紛れも無く公園
レストランどころか、食事をする店ですらない
飛龍「いやぁどこも予約一杯で、仕方ありませんってば」
飛龍「でも夜景だけなら負けてませんよ」
提督「………確かに」
展望台にもなっているらしいこの場所から見える景色は、確かにとても美しいものだった
しかし外ということもあり、とても寒い
そのおかげなのか人は居らず、二人きりだった。そういう意味ではとてもいい場所かもしれない
飛龍「はいどうぞ」
飛龍から手渡されたのはファーストフード店のハンバーガー
飛龍「チキンもあるから、後で食べようね!」
提督「…飛龍ってあんまりお高いレストランとか好きじゃなさそうだね」
飛龍「あ、分かります?大きな声出すと怒られるし、量は少ないし高いし…こっちの方が私好み」
提督「ふふっ…まあ確かに。こういうのも、悪くないかもね」
寒さに震える身を寄せ合いながら、夜景を眺めてハンバーガーに齧り付く
お腹が減っていたこともあってか、直ぐにチキンも食べ終えてしまった
ほんの少し物足りなさを感じていた時
飛龍「あ、そうだ。忘れてた……じゃん!シャンパンです」
提督「ボクも飲むの?」
飛龍「アレ?お嫌いですか?」
提督「もう…皆には内緒だからね」
飛龍「ラッパのみだけど、許してくださいね。………んっ……ふぅ…はいどうぞ」
提督「………んっ!……んっんっ…ぷはっ」
飛龍「おお!いい飲みっぷり!」
嬉しそうに手を叩く飛龍をジト目で睨む
提督「悪いんだ飛龍ったら。ボクにお酒のませるなんて」
飛龍「拒まない提督も悪いんです」
提督「それもそだね…」
それから、シャンパンが無くなるまで二人で回し飲みをした
お酒が入ったからかぽーっとした気分になり、体が熱くなってくる
提督「……お酒なんて何時以来かな。お偉いさんの接待以来?」
飛龍「へぇ、提督もそういう事するんだ」
提督「そりゃあもう、この地位につくために色々体を売ったりしたよ」
飛龍「あはは流石にそれは冗談でしょ?」
提督「…まぁね……」
お酒を飲んでしまったからか、妙な事を口にしてしまう
つらつらと、言葉が吐き出される
提督「飛龍はさぁ、ボクの何が好きなわけ?いいとこある?」
飛龍「提督は割と不真面目ですけど、でも皆居てくれて有り難いなって思ってるよ?居ないと、絶対寂しい」
提督「そうかな?」
飛龍「それに優しいし、何より可愛い!」
提督「じゃあさ、ボクが年取ったら嫌いになるの?」
提督「ボクが飛龍より大きくなって、大人の男になったら嫌いになる?」
飛龍「そんなことない。提督だから、好きなんだから」
提督「……そっか」
恥ずかしくなって顔を逸らす
こういう風に真っ直ぐな行為を向けられた経験は、思えば一度も無い
自分には不釣り合いな言葉のようで、とてもむず痒い
提督「……今の気持ち、言っていい?」
飛龍「どうぞ」
提督「……モヤモヤしてる」
提督「好きだって言われるたびに、飛龍の事が好きになる自分が居るんだ」
提督「でもそれを素直に受け入れられない」
提督「自分の中で納得が出来ないんだと思う。自分の中でまだ、飛龍に好きになって貰えるだけの理由が無いんだ」
提督「どうすればスッキリする?飛龍に分かる?」
飛龍は困ったように眉をしかめ、一頻り唸った後
飛龍「………じゃ、じゃあ…き、キスとか…してみる?」
おずおずとそう訊ねてきた
提督「………そうすれば、素直に飛龍の事が好きになれるかな?」
飛龍「わ、分かんないけど……そのままじゃ、悔しいし」
提督「…じゃあ、行くよ?」
飛龍「ちょっと待って!……………どうぞ」
小刻みに震える飛龍の肩を掴む
目の前の彼女は、恐れるように強く目を瞑っている
恐る恐る突き出された唇に、そっと自分の唇を重ねた
重ねられた唇をそっと離す
飛龍はお酒で赤らんでいた頬を一層赤く染め、大きく目を見開いてかたまっていた
飛龍「あ、えと…私の事…好きになれました?」
提督「…………」
飛龍「私はもうなんかガーッ!て感じ。熱くて熱くて頭がおかしくなりそうなくらい」
飛龍「もう一回!って心が叫んでる」
飛龍「何回だってしたい…かな」
飛龍「本当に『好きだ!』って気持ちで、胸がいっぱいになるんだけど……提督は、そうでもない?」
飛龍は不安げな顔でボクの顔を覗き込む
身振り手振りを踏まえて熱く感情を表現をしていたかと思えば、しゅんとしおらしい顔を見せる
その姿が堪らなく愛おしく思えた
だからボクは飛龍の頬にキスをして
提督「ボクも熱くなってきたな。どこかで休憩する?」
そう、分かりやすく飛龍の行動を促した
提督「あははは!ベッド大きい!!」
飛龍「ほ、ホントに来ちゃった……」
ボク達は恋人たちの憩いの場、お城のようなホテル。というかラブホテルと呼ばれる場所に来ていた
二人用の大きなベッドをゴロゴロと転がるボクに対し、自体を冷静にとらえ始めた飛龍は顔を青くしている
提督「あ、ゲームあるんだ。一緒にやろうよ!」
飛龍「ああうん………じゃなくて!あの…続き、しないの?」
提督「飛龍はしたいの?」
飛龍「そ、そりゃあ…まぁ…」
提督「………そっか」
ボクは放り出していた体を改め、飛龍の方を向く
元よりここはそういう場所だ、そういう行為を期待して当然だ
提督「……でもその前に、気持ちはハッキリさせとかないとね」
提督「飛龍はさ、本当に後悔してないの?冷静に考えて?本当にボクでいいの?」
飛龍「……はい。私の心は最初っから決まってましたよ。提督の心、聞かせてくれますか?」
提督「………」
さて、何と返事しようか?
提督の返事
安価↓1
飛龍の事が好きだ付き合ってくれ
>>223採用
提督「…うん、悩んだよ。悩んださ」
提督「でも恋愛経験なんてあんまりないんだよね」
提督「だから、本当の恋とか本気の好きとかぶっちゃけよく分かんないよ」
提督「今のこの気持ちもさ、ただのまやかしかもしんない。でもね――」
提督「間違いようも無く、キミが好きだ」
提督「今、この瞬間…この人時の気持ちに嘘はないよ」
提督「飛龍の事が好き。どうか末永く、ボクに付き合ってくれないかな?」
飛龍「~~~~~ッ!!!」
ボクの言葉の返事とばかりに、飛龍はボクに抱き付いてきた
あまりの勢いにボクは押し倒されたような構図になる
飛龍「もう我慢しなくていいんだよね!?ね!?」
提督「あ、あんまりガッツクと引かれるよ」
飛龍「いいえ!もう言質は取りましたから!!ここから先は合法です!!規制解除です!!合法レイプです!!」
提督「レイプに合法もくそも無っ……んむぅ!!」
貪られるように唇を強引に奪われる
飛龍の手は予想を遥かに超えた力でボクの体を弄り、服を脱がしにかかる
舌を口の中に入れられ、唾液を強制的に喉奥へと流し込まれる
息が苦しい
そんな事に気を取られている間に、すっかり薄着になったボクの体を今度は指が這いまわる
飛龍の激しい愛撫に、徐々に徐々に抵抗する力、気力が薄れていく
ボクの心も、体も…徐々に飛龍に屈服していった……
エピローグ
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飛龍「も、もう機嫌直してってば」
提督「ふんっだ」
12月26日
激動のクリスマスを経て、ボクは自分の自室の炬燵で暖を取っていた
いつもいる赤城の姿は無く、今日は飛龍と二人きり
ボクは不機嫌だった
というのも、ボクの姿を見れば語るまでも無いだろう
全身の至る所に赤い痣が出来ており、とてもじゃないが人と会える姿じゃない
提督「ちょっと位強引なのは許してあげるけど、こんなキス跡つけるなんて…」
飛龍「ほっんとーにごめんなさい!調子に乗りました。自分を押さえられなくて」
提督「……本当に反省してる?」
飛龍「はい!次からは服の下に隠れる範囲にするから!」
提督「……なんだかあんまり反省してるように聞えないんだけど」
『はぁ』と溜息を吐いて、やれやれと首を振った
ボクの飛龍との初体験は中々大変な結果となったのだった
提督「……じゃあ、手だして」
飛龍「?」
首を傾げながらも差し出された手
その手をとって、指輪をはめた
提督「一日遅れになっちゃったけど、クリスマスプレゼント」
飛龍「うわぁ…うわぁ!ありがとうございます!!大好き!!」
提督「も、もう!やめてってば」
飛龍はボクに抱き付きキスの雨を降らせてきた
キスをされるたびにゾクゾクと背中に快感が奔る
体が一気に熱を持ち、息が荒くなる
ボクの体は一日の激しい行為で、瞬く間に開発され尽くしてしまったようだ
飛龍「あれれ?提督、興奮してる?」
提督「べ、別に…」
飛龍「いいんですよ。我慢しないで。ね?」
飛龍はボクの耳にと息を吹きかけるようにそう言い、ニヤリと笑う
ボクの両手を掴んだ飛龍が軽く体重をかけてくる
ボクはそのままに飛龍に押し倒された
…今度は、抵抗しなかった
恋をする、人を愛するというのは毒に侵されるようなモノなのだなと
ボクは初めて理解した
だけどその毒は抗いがたく、心地よかった
HAPPYEND 『キミの気持ちに答えたい/身も心も絆されて』
と、言うわけで何とかギリギリ12月25日以内に完結いたしました!
クリスマス特別編、如何だったでしょうか?
短い期間を設けて、期間内に終わらせるという安価スレの練習のようなモノでしたがいい具合に纏まって良かったと思っております
飛龍ちゃんメインは初めて書きましたね
普段書かないキャラだったので、魅力的に書けたかやや不安です
R18な描写を、Rで立てようかなと考えてます
というか今後R18な描写を置かせてもらう場所たてようかと思ってるんですけど、不定期更新でもスレ建てしていいもんなんですかね?
確実に2,3ヶ月放置すると思うのでちょっと踏ん切りがつかない
立ててどうぞ
以前書けなかった赤城との溺れるようなセックスや加賀と赤城に管理される提督もはよ
ぶっちゃけ生存報告さえあれば問題ない
>>230
マジすか?それだけでいいなら立てようかな…
色々書きためてから建てるつもりなので、ちょっと時間かかるかと思います
今回の飛龍ちゃんとの初夜と>>229さんが言っている前回書けなかった赤城さんと加賀さんの奴
あと赤城さんと加賀さんの目を盗んで逃げだした提督と、天津風とのほろ苦い一夜も書きたいですね
最近艦これ熱が上がって来たので、年明けごろにも艦これでスレ建てしたいなと考えてます
候補はこんな感じです
A案
【艦これ】大和「提督が好きなんですけれど……」【安価】(仮題)
大和さんがメインの安価スレ
他にも大井っちとか、重巡がヒロイン候補の予定
提督は素直で元気な子供提督
B案
【艦これ】速吸「提督さんが何かを悩んでいるらしいんです」【安価】(仮題)
一度挫折してしまった話のリベンジ
速吸と能代、そこに新たに鹿島を加えた三つ巴(提督含むと四つ巴?)がメインです
提督は肉体と精神の落差が激しい、枯れた心を持つ少年提督
C案
【艦これ】大淀「提督は思春期」【安価】(仮題)
大淀さんと時津風+金剛型がメイン
とある不幸な事件(主に榛名)によって片目を失い女性恐怖症気味の提督の心を溶かすお話
提督はツンデレ眼帯思春期少年提督
D案
色々な艦娘と提督のお話 その2(仮題)
以前やっていたような安価ではない短編の寄せ集め
利点としては上記全てをここに納められる
この四つですね
気分次第ではあると思いますが、見たいっていう声が多いものを立てようかなと考えてます
これ以外にもこういう話どうよ?っていうのがあれば大歓迎です
ではでは、ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございました
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