【咲-Saki-】京太郎「静かに待つ身に憧れて」 (939)

・京太郎SSです。
・メイン阿知賀、その他数校。
・闘牌描写は相当簡易的。
・安価は時折あるかも。 基本非安価、即興。
・割と設定は重め。
・但し世界設定改変の関係上あらたそが阿知賀にいない。

上記を理解して麻雀楽しんでね!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1481507702

立ったようならゆっくり。

須賀京太郎、15歳。
身長182、金髪の長身を持ったどこにでも居そうな男子高校生。
出身は長野県。
最近麻雀を覚えた、文字通りの初心者。

そんな彼に、なれなかった物語。
そんな彼が、変わってしまった物語。
そんな彼と、離れてしまったーーーー物語。

全ての始まりは、過去から始まる。

ざあざあと、季節外れの雨が降っていた。
手には、軽くなってしまった包み。
いつも着ている、動きやすい私服では無くて。
黒い、動き難い小さな服を身に纏って。
ぽつんと、家の隅に座っていた。

京太郎「……。」

なにも、かんがえられない。
なにも、かんがえたくない。

遠くから聞こえる話し声。
かわいそうに、とやってくる見知らぬ人。
黒い、黒い。
小さな、お葬式。

切っ掛けは、なんだったのだろう。
春休み、入っていたハンドボールクラブの練習試合。
いつも忙しそうにしている父さんが、珍しく休みが取れたと言ってきて。
良い機会だから、と。
父さんと、母さんと、飼っていたカピバラと。
みんなで、応援しにきてくれると聞いて。
頑張らなくちゃ、と思ったのが昨日。

クラブのみんなで移動する、運動場。
父さん達と別れて、バスで先に移動して。
練習しながら、まだかな、まだかな。
やってくるのを楽しみにしていた。

だけど、練習が終わっても。
試合が始まっても。
試合が終わっても。
みんなは、顔を見せなかった。

京太郎「(……急な用事でも出来たのかな?)」

少し、寂しかったけど。
仕方ないかな、とも半分諦めていた。
いつものこと、なのだと。

だけどーーーーいつものことじゃない、と知ったのは。
それからすぐ、慌ててやってきた先生の口からだった。

交通事故。
居眠り運転のトラックが、車に突っ込んだ。
みんな、死んでしまった。

そう、先生に聞かされても。
何が何だか全く理解出来なかった。
家族がいなくなる。
昨日まで、あんなに楽しく話をしていたのに。

よく、わからなくて。
なにも、かんがえられなくて。

病院で、寝ているような父さんと母さんの上に掛かった白い布。
手に握っていたらしい、緑の健康祈願のお守り。
端っこに付いた、赤い染み。

それだけが、妙に頭に残った。

そうして、俺は此処にいる。
日本中、あちこちに住んでいる親戚が集まって。
何かを話しているらしいけど教えて貰えずに。
たった一人で、写真を見る。

叫び声が聞こえた。
岩手から早くに来た、おばさんの声。

写真を見る。 笑った、父さんの顔。

困った声が聞こえた。
東京に住む、おじさんの声。

写真を見る。 二人並んだ、小さな写真。

静かな声が聞こえた。
九州の、おばあちゃんの声。

写真を見る。 笑った、母さんの顔。

何も聞こえなくなった。

写真からは、家族の声は聞こえない。

そうして、暫くの話が済んだらしく。
俺は、来ていたけれど声の聞こえなかった。
たった一人の親戚……奈良の、おじいちゃんのところに行くことになったらしい。

何の話をしていたのか。
聞いても誰も、教えてくれない。
その声と、顔を見て初めて。
たった一人になったのだと、分かってしまった気がする。

引っ越しは朝早くから。
いるもの、いらないもの。
教科書と、ゲームと、ボールと、写真。
選り分け、捨てて、量を減らして。

京太郎「引っ越すことになった。」

そう、近くの姉妹に伝えたのは。
引っ越す直前、その二時間くらい前だった。

宮永姉妹。
おっちょこちょいで、すぐ迷子になって、だけど二人の仲はいい。
そんな、どこにでもいるような二人に告げて。
帰ってきた返事は、涙だった。

京太郎「……悪いな、急な都合で。」

咲「京ぢゃぁん……。」

照「……咲、泣いても、変わんない、よ。」

そんな、照ちゃん……姉のほうの目からも、反射する水が見えていた。

京太郎「連絡先が分かったら、手紙送るよ。」

慰めのつもりの、そんな言葉。
その言葉に、更に泣き出す咲と照ちゃん。
……二人を落ち着けて、家に戻るまで。
予定よりも、倍以上かかった。

そして、長く住んだ長野を離れる時間になった。
奈良までは、新幹線を乗り継いで移動する。
隣には、一緒に暮らす事になった、おじいちゃんとおばあちゃん。

祖父「もう、良いのか?」
京太郎「……うん。」

そうか、と。
それ以降は黙ってしまったおじいちゃんを隅に。
ゆっくりと、新幹線は動き出した。

景色が、少しずつ変わっていく。
思い出が、少しずつ離れていく。
なのに。
俺の心は、揺れないで。
何も浮かばないでーーーーそのまま。
ぎゅっと、服の裾を掴んでいた。

……小学校、四年に上がる前の。
そんな、小さな話。

とりあえずここまで。
午後か夜に出来たらもう少しやるかなー?

乙ありがとうございます。
ちょっと確認したいんですが、阿知賀編でレジェンド教室が始まった具体的な年代表記って有りましたか?
記憶が正しければのどっちがいる頃=小6には既に始まってた、くらいしか無かったと思うんですが。

晴絵の台詞では阿知賀に3年通って2年麻雀教室したらしいから
大学4年で卒業して実業団にいったと考えると憧や穏乃が小5、小6の間だろうね

>>19
あ、ありがとうございます。
そっか、二年って台詞見逃してたか。

京太郎「行ってきます。」

そう、誰もいない家に声を掛け、外に出る。
おじいちゃんやおばあちゃん、とは言ったものの。
未だに歳を取ったようには思えない元気さを持つ二人。
五十代に上がったばかり、というのもあるのだろう。
近くの旅館で、板前を続けるおじいちゃん。
同じ職場で、仲居を勤めるおばあちゃん。
仕事の関係上、どうしても朝が早くなってしまう二人は申し訳無さそうにしていたけれど。
それはそれ、と考えてしまっていた。

まだ、学校は始まる時期ではない春休みの最中。
言ってしまえば探検、周囲の場所探し。
それが終わって、夕方になるくらいには家に戻る。
そんな日常が、始まっていた。

余り同年代の子供も見掛けない散歩。
春休みの宿題とか、或いは何処かに出掛けているのか。
おばあちゃんは「子供の数も減った」と、来た次の日に呟いていたのを覚えている。

京太郎「……どうしようかな。」

まだ慣れてないのだから、山側には行き過ぎないように。
そう、無口な部分があるおじいちゃんに変わって教えてくれた、おばあちゃんの言葉。
なんとなく、その言葉に逆らうつもりは浮かんでこなくて。
結局、いつも通りに駅の方へと歩いていく。

静かな家。
自然豊かな通り道。
前の、長野とはまた違った景色。
何処か、離れた場所に来てしまった事に気付いて、鼻を小さく鳴らした。

京太郎「手紙も、出さなきゃな。」

ある程度、落ち着いてしまったというのもあるのかもしれない。
だからこそ。
引っ越す前の姉妹と約束した、手紙。
今の住所と、電話番号と、生活。
書くのは苦手でも、約束は破りたく無かった。

そんな時、だろうか。
前、駅の方から声が聞こえてきた。

??「待ちなさいよー!」
??「へへーん!」

女の子、だろうか。
若干高い声、それが二つ。
走りながら会話しているのか、少しずつ此方に向かってくる。
なんとも無しに、駅側に歩き続けてみれば。
互いに近付いているからか、視界に影が二つ見えた。

??「ん?」
??「だから待ちなさいって……!」

向こうも、此方に気付いたらしい。

ジャージ姿の女の子と、それを追っていた私服の女の子。
私服の方は、息を整える為に大きく呼吸をしていた。

??「あれ、見ない顔?」

何処か、きょとんとした顔を浮かべたジャージ姿の女の子。
なんとなく、警戒する必要も。
離れる必要も無い、と思った。

京太郎「こないだ、引っ越してきたんだ。」

だから、そんな風に自己紹介をしていた。

そんな、道の片隅の小さな出会い。
それが、これから長い付き合いになる。
高鴨穏乃ーーーーシズと。
新子憧ーーーー憧との、初めての対話だった。

次回は松実姉妹編かな。
ある程度進んだら他校系も多少安価が入るかも。

少しだけ。

京太郎「……あれ、珍しいな。」

四月の終わり。
学校生活にも慣れてきた(と、言うより慣れざるを得なかった)頃。
半日授業を終えて、家に戻ってみれば。
居間のテーブルの上に、小さな巾着袋が一つ置いてあった。
おばあちゃんの財布。
普段、とても大事にしていて。
置いていくとも思えなかったのだけど――――うっかりでもしてしまったのだろうか。

京太郎「……。」

働いている旅館、というのは実は此処からかなり近い。
ただ、働いている仕事場は、子供の遊び場では決して無い。
用も無ければ近付いて欲しくない、と言ったことは時折漏らしていた。
だけれど。

京太郎「(忘れ物届けるのなら、良いよな。)」

今日は、そんな大義名分がしっかりと有るのだ。
少しだけなら。
邪魔はしない。
そんな、小さな悪戯心が浮かぶくらいには――――落ち着いていたのかもしれない。


家を出て、今の俺の足で大体20分も歩いただろうか。
松実館、と書かれたしっかりとした。
ある意味では歴史のある、ある意味ではやや地味な旅館が視界に入る。

京太郎「(流石に……正面からは、不味いよな。)」

幾ら忘れ物を届けるためとは言え、仕事中に正面から行くわけにもいかない。
入り口の隅、細い通路のようになった場所を見つけて足を踏み入れる。
幾つかの機械が小さく音を立てて動いている。
そのまま進めば、小さな入口と。
もう一つ、瓶を入れるケースが幾つか積まれた、やや大きめの入り口が更に奥に見えた。
恐らくは此方だろう、と思う大きめの入口に近づいて、小さくノックを重ねた。


??「……子供?」

戸を開けてでてきたのは。
父さんくらいだろうか、綺麗な白い服を着た男の人。
誰だろう、と考えているのか首をひねっている。

京太郎「あの、すいません。 八坂(やさか)のじいちゃんはいますか?」

??「あん? お前、八坂さんのお孫さんか何かか?」

京太郎「はい。 本当は、おばあちゃんになんですけど。 忘れ物があって。」

??「そっか。 少し待ってろ。」

礼儀正しく出来ただろうか。
少しばかり緊張しながら、小さく一息。


祖父「……京太郎?」

少しばかり待った後。
ひょっこりと、先程のおじさんと同じような服を着たおじいちゃんが扉から顔を出した。

京太郎「うん。 これ、おばあちゃんのやつだよね? 忘れてたみたいだから。」

祖父「んあ、ああ、財布忘れてたのか……。 しょうがないやつだなぁ、全く。」 苦笑

京太郎「じゃ、俺帰るから。 仕事頑張ってね。」

祖父「ああ。 ……俺からしっかり渡しておくよ。 ありがとな。」 ワシャワシャ

京太郎「良いって。 ……おじいちゃん、その服似合ってるよ。」

祖父「大怪我だけはするなよ。」


京太郎「(いつもより、喋れたなぁ……。)」

こうして、ずっと暮らしていて気付いたこと。
無口でなく、おじいちゃんは照れ屋だったこと。
どう、話していいか分からなかっただけなのだということ。
殆ど会ったことも無いのに、俺を家族として扱ってくれていること。
たった一ヶ月だけど、それらは幾らでも浮かぶ――――幸せの記録。

そんなことを思い返しながら、道路を戻ろうとした。
そんな時。

A「おい、また変人がいるぞ!」

B「今日こそ脱がしてやろうぜ!」

そんな声が、耳に入ってきた。


京太郎「(……脱がす?)」

その声の方を向いてみると。
何やら、こそこそと相談をしている二人の男子。
その先に、何やらすごい格好の人がいた。

眼鏡、はまあわかる。 俺は違うけど、掛けないと見えない人がいるから。
マスク、もまあ分かる。 風邪でも引いたのなら大事だ。
そして、マフラー。 4月も終わり、5月に入ろうとする時期に。
後、妙にもこもことした上着を羽織った……多分、女の人。
学校指定、というものはないけれど。
それでも、靴は男子が履くものでは決して無かった。

京太郎「(……つまり。)」

男子の話から考えるに。
いつもあんな格好をした人を脱がそう、と考えているわけか。


――――関わらなくても良い。
そんな考えが浮かばなかった、とは言わない。
ただ、なんとなく。
そう、なんとなくそんなことをさせるのが恥ずかしかった。
たったそれだけの理由。
だから。

A「おい変人! その服脱いでみろよ!」

??「ひゃう……。」

B「嫌なら脱がしてやるから!」

京太郎「……何やってんの?」

そう、声を掛けた。


A「……誰だお前。」

京太郎「こないだ転校してきた須賀京太郎。 で、何やってんだ?」

B「うるせーな! お前に関係ないだろ!」

その女子(?)はぷるぷる震えて動かない。
今のうちに何処かに行ってくれれば良いのだけれど、仕方なし。

京太郎「関係ないけど。 だからって、お前らがその人脱がしていい理由になんの?」

A「うっせーよ! お前には関係ねえ!」

B「さっさとどっか行っちまえよ!」

話が通じない。
今まで散々某姉妹の面倒を見てきた経験上、こういうトラブルに巻き込まれたことが無かったとは言わないけれど。
その中でも、かなり上位に来る……馬鹿が二人。

京太郎「いや、だからな?」 ダメダコイツラ

A「生意気なんだよ転校生!」

B「黙んないなら黙らせてやる!」

そして、大きく振りかぶったパンチが飛んでくる。


京太郎「おっと」 ヒラリ

正直に受ける理由もない。
少しだけ離れた場所からのパンチだから、少し横に避けるだけで簡単に避けられた。
……そして、避けた先には小石。
あ、転んだ。

A「…………ッ」 ナミダメ

B「お、おいA。 大丈夫か?」

A「お、覚えてろよ転校生!」 ナミダメダッシュ

B「あ! 待てよA!」 アトオイダッシュ

京太郎「(……え、いや何だったの?)」

勝手に転んで、なんか言われて走っていった。
どうするのが正しいんだろう、この場合。


其処に残ったのは、俺と変人さん。
その変人さんは特に動くこともなく、俺を見ているような気がした。

京太郎「……えーと、お邪魔でした?」

??「う、ううん……。」 フルフル

京太郎「なら、いいんですけど……。」

気まずい雰囲気、とでも言えば良いのか。
若干冷たい空気が俺達の間に走って、少しばかり寒気を感じる。
……見れば、変人さんは目に見える程に震えているけれど。

??「あ、あったかくない……。」 プルプル

京太郎「……送りますから、早く帰りましょう。 また絡まれるかもしれませんし。」

言ってしまえば、乗りかかった船――――だっけ。
一度関わってしまった以上、どうせだから最後まで関わろうと思った。

??「……う、うん。」 ギュ

……手を握る必要はあるんですか?


これが、おじいちゃん達が働く、松実館の姉の方。
松実宥――――宥さんと。
後からやってきて、また一騒動を起こした妹の方。
松実玄――――玄さんとの。
出会いのきっかけになった、そんな話。

次で若干早まるけど麻雀教室、ですかねー。
次回終了時くらいに安価があるかもー、と。

実際今の書き方で読めてるなら幸い。
眠くならなければ後一話くらいは投げておきたいけれど。


穏乃「ねえねえ京太郎! 聞いた!?」

京太郎「何をだよ……というか朝から元気だよな、シズ。」

6月中旬。
ここに越してから早三ヶ月。
すっかりと生活にも慣れ、ある程度平穏な日々を送り始めていた、そんなある日。

穏乃「阿知賀のレジェンドが、麻雀教室開いてるんだって!」

誰だその恥ずかしい名前。


憧「だから早いってば、シズ、京太郎!」 ゼエゼエ

京太郎「え、俺まで?」

穏乃「私に追いつける時点で自慢していいと思うよ!」 エッヘン

五月蝿いだったらそんな速度で走るな野生児。
長野ではクラブに入っていたからか、体力自体にはそこそこ自信があったものの。
この野生児には勝てずに悔しい思いをしたものだ。
最近では、普通の道なら負けずに並走出来るくらいにはなってきたけど。

京太郎「なぁ憧、レジェンドって何?」

憧「え、京太郎知らな……いよね、転校してきたんだし。」

穏乃「あ、そういえばそうだっけ。」 ハテナ

京太郎「既にその事実を忘れてるのか、お前は……。」 ハァ


曰く。
晩成高校、とかいう40年近く勝ち続けている、この辺でも麻雀優秀校として有名な高校があって。
それを、4年前。
当時無名だったこの学校の麻雀部が、その晩成高校を打ち倒して。
全国大会に勝ち進んだ。
その時のエースが、当時高校一年だったそのレジェンド、だとか。

京太郎「……自分で名乗ったわけじゃないよな?」 ドンビキ

穏乃「えー、カッコイイじゃんレジェンド! なんかこう、レジェンド!って感じで!」

憧「まあ、恥ずかしいのは分からなくもないかなー……。」 アハハ

京太郎「シズの価値観は良く分からない……。」

大体常にジャージだもんな、お前。

原村も来るの?


京太郎「(ただ、そんな人が大学の選手権にも出ない?)」 ハテナ

何かが、あるのか。
深くは、聞けなかったけれど。

京太郎「……まあいいや。 で、その良く分からない恥ずかしい教室は何処でやるって?」

穏乃「阿知賀学院。 場所わかる?」

京太郎「いや、正直分からん。 なんだっけ、今年から共学にした場所だっけ?」

私立阿知賀女学院。
正確には、元・女学院。
周囲の高校の統廃合や生徒数の減少、建物の老朽化(おばあちゃんが言ってたのを聞いたまま、だ)が原因で共学にしたらしい、そんな中高一貫校。
要するに、その母校で子供たちに麻雀を教える教室がやっていると。

>>54 まだ小4

憧「京太郎は行ってみない?」 クイクイ

京太郎「袖引っ張んな。 ……まあ、行ってみてもいいけど。」

此方には、ハンドボールクラブなんて無かった。
それどころか、ボールに触ると無性に悲しさがこみ上げてきてしまうようになっていた。
それは、どんなボールでも似たような状態になってしまう……心の傷だから、と。
そう、おばあちゃんは。 優しく抱きしめながら、説明してくれた。
だから、やることもなく。
丁度いい切っ掛けになれば、と。 行ってみることにした。

京太郎「……あの二人も捕まえてみるか。」 ボソ

……ついでに、最近良く遊びに行く先の二人も捕まえることにして。


【阿知賀学院】

京太郎「……見事なまでに誰もいねえ!」

学校が終わって、その帰り道。
教室で出待ちして、不審者とその妹を捕まえて。
若干無理矢理にやってきてみれば。
スッカスカの教室にやってきたのは俺達五人。
後先生の机の前でプルプルしてる女の人、推定レジェンド。
そんな合計六人。

宥「な、何ここ~?」

玄「お姉ちゃん! 麻雀クラブらしいのです!」

穏乃「あれ、おかしいな。 もっといるって聞いてたのに。」 アレレ

憧「誰に聞いたのよ、シズ。」

穏乃「憧のおねーちゃん。」

シズ、それ騙されてねえ?


??「おおう……やっと生徒が……。」 フラフラリ

京太郎「……大丈夫ですか? 目死んでません?」

やっと来てくれた、と言う目が半分。
漸く来やがったか、と言う妬ましい目が半分。
多分それが入り交じった、そんな複雑な思いが伝わってくる推定レジェンド。

穏乃「あの、麻雀素人なんですけど。 教えて貰えるんですか?」

??「ああ、うん。 その為の教室だからね。」

宥「……あ、私達は少しだけならやったことあり、ます。」

??「ああ、露子さんの子供でしょ? 可愛くなっちゃって。」

誰だろう、その人。
それはそれとして、不審者……いい加減失礼だな、宥さんと玄さんは少しだけど打てる、というのは聞いたことがあった。
主におじいちゃん経由で。
……おじいちゃんとおばあちゃんの仕事が終わるまで、半分の日は松実館で待つようになって早一ヶ月。
あの時の出会いが、こんなことになるとは思いもしていなかった。


??「それはさておき。 まずは自己紹介から。 赤土晴絵、人呼んで阿知賀のレジェンド! 宜しく!」 ババーン

穏乃「おおー!」 メキラキラ

憧「…………。」

京太郎「……あの、恥ずかしくないんですか?」

晴絵「」

あ、凹んだ。


その後、(地味に落ち込んだままで)簡単にルールやら基本的な事を教わって。
一回、試しで打ってみよう。
そう言われて、おずおずと習ったばかりの麻雀を打ってみる。
お試し、慣れるため、楽しんで。
そんな理由付けも、あったのだろうけど。

京太郎「(……白と、緑と、赤い牌。)」

白、と呼ばれる三枚で1翻になるとかいう、三元牌と言う名の麻雀牌。
浮かぶのは、あの時の色。
赤と、緑と、白。
そればかりが、俺の手元にやってきたのは。
何かの嫌がらせだったのかと、そう思ってしまう。

晴絵「……ふぅん。」

そんな、俺の手牌を見て。
レジェンド……赤土先生が、何かを言いたげにしていたのが、印象的だった。


楽しかったかそうじゃないか、で言えば間違いなく楽しかった。
楽しかった、のだけど。
――――これから先、長く付き合っていくことになる、とは。
この時、全く思っていなかった。

只の、お遊びだと思っていたから。
只の、気まぐれだと思っていたから。

レジェンド遭遇編、終了。
というわけで多少安価を取りたいのですがー

基本は違うよ?
詳しくは>>1

現状出す予定の学校は以下のとおりです。
・白糸台
・宮守
・永水

他に出すとしたら1校くらいなんですが、好きな高校有りますかー、という話です。

ああ、臨海も出せるか……。
まあ今から24時くらいまでの短めですが、好きなのがあったら。

モンブチか千里山りょーかい。


京太郎「……親戚付き合い?」

七月も終わりに掛かる頃。
半ば、習慣になりつつあった麻雀教室から戻ってきた夜のこと。

祖母「そう。 京太郎の家は参加したこと無かったと思うけどね。」 オチャー

京太郎「確かに、参加した記憶は無いかなぁ……。」

長野にいた頃は、両親が忙しいのもあってか。
基本、クラブや勉強、或いは姉妹の面倒を見ているのが常だった。
……なんで同時に逆方向に向かえるんだろう。
しかもどっちも目的地じゃなかったし。

京太郎「それで……何するのさ、おばあちゃん。」




祖母「なぁに、夏休みに子供が遊びにくるってだけだよ。」

京太郎「親は抜きにして?」

祖母「そうさ。 私らはお盆辺りが一番忙しいからね。 子供だけなら夏休みがあるだろう?」

確かに、言われればそうだけど。
つまり。
夏休みの間、良く知らない親戚の子供が来る、と?

祖母「岩手と千葉と、後は東京か。 大したことじゃ無いよ。」

京太郎「十分大したことだよ、おばあちゃん……。」 ハァ

抜けている、というよりは。
多分、動じない性格のせいなのだろうな、と思った。

一旦離席しますん。
永水と千里山は冬休み、かな。


それから数日。
俺と、仕事を半日で切り上げて来たおばあちゃんは駅のホームにやってきていた。

京太郎「おばあちゃん、もう来てるの?」

祖母「多分ね。 いつも通りなら、だけど。」

一人でも男がいれば良いなぁ。
基本的に女が多くなる家系にあるらしく、数少ない知ってる名前は女のみ。
大体が入り婿、とかいう奴なので。
まあ、殆ど期待はしてないんだけど。

祖母「ほら、いたいた。 彼処の三人だよ。」


示した先を見てみれば。

ぐったりした女の子。
あっちこっちをはしゃいで見ている女の子。
そんな二人を捕まえて抑えている女の人。
うん、知ってた。

京太郎「……え、あれ?」

祖母「そうよ、あの三人。」

出来れば関わりたくないんだけど。


祖母「三人とも、良く来たねぇ。」

そんな俺の内心を知らずと、おばあちゃんは近付いて声を掛けていた。
慌てて後ろについて行く。

??「ん……よろしく。」 ダルーン

??「やっほー! 久々、おばあちゃん!」

??「だからお前らは…! お祖母様、お久しぶりです。」 ペコリ

あ、苦労人がいる。
ちょっと同情。


??「ん……と、誰?」

そんな定番の挨拶の後、俺に気付いたのか。
死んだ魚のような目をして此方を見る女の子。

京太郎「えーと……須賀京太郎。 君は?」

何と無く、歳上っぽかったので、曖昧な敬語。
正直、初対面の親戚にどう接して良いか分からない。

??「小瀬川白望……よろしく」 ダルーン

あ、はい。

??「ああ、君が、か。 私は弘世菫。 そっちのバカが大星淡だ。」

俺の事情をある程度知っているのか。
若干、可哀想というか……同情の目線を向けられる。
一番、やめてほしいことなのに。


淡「よろしく!金髪!」 ヘラ

京太郎「お前人の話聞いてないっていうかお前もそうだろ。」 ハァ

だが、そんな暗い考えも直ぐに消えてしまった。
馬鹿のおかげというか、怪我の光明?というか。
ある意味、シズに似てる。

祖母「……仲良く出来そうで何よりだね。」

そんな光景を見ていたおばあちゃん。
小さく息を吐いたのは。
多分安心から、だろうか。

祖母「それじゃ、家に行こうか。 今日はご馳走だよ。」

わぁい、と声を上げる一人。
静かに礼をする一人。
歩くのが億劫そうに歩く一人。

…あれ、そう言えば。
こいつらと同じ屋根の下に住むの?

遭遇編終了。
少しずつ京ちゃん強化していくけどプロは誰が良いだろう。

何と無く好きなので大沼さんとはやりん、うたたん辺りかなー…。
うたたんだけは接触難しそうだけど。


……家の前が騒がしい。
若干ぼうっとした頭で、それを認識した。

穏乃「京太郎ー! 誰こいつー!?」

淡「あんたこそ誰よー!」

時計を見れば、朝の7時半。
朝から元気だなぁ、と思うのが半面。
朝から騒ぐな馬鹿共、と思うのが半面。

……無視しちゃダメだろうか。

白望「……無視すると、面倒になるよ?」 ダルーン

あ、おはようございます。


晴絵「で、連れて来たと。」

京太郎「なんとかならない? レジェンド。」

晴絵「いやまぁ、なんとかならない事は無いけど……。」

家の前で騒がれても迷惑だ。
それを理解したのか、してないのか。
憧と、俺と、後菫さん。
ある意味で苦労人三人で、問題児二人と動かない一人を引っ張って来た。

晴絵「麻雀のルール分かるの? この三人。」

菫「あ、はい。 私と其処のぐーたら…シロは、ある程度。」

え、初耳。


京太郎「……何処で?」

菫「知らんのか。 お祖父様……八坂さんはかなりの打ち手だぞ?」 ハァ

京太郎「えっ、嘘っ!?」

白望「んー……多分、物置、かな? 今の京太郎の部屋で、やってたから。」 ダル

つまり、置き場所が無いから移動したのか。
……教えて欲しかったよ、おじいちゃん。

晴絵「あー……まあ、打てるならいいや。 憧、悪いけど牌譜取ってくれる?」

憧「仕方ないかー。 じゃあ最下位抜けねー。」


そして、大分打ってきて。
色んなことを教わって始めて分かる、目に映る異常。

三元牌が、明らかに偏る。

最低でも初手で2~3枚。
酷い時には7枚とか。
更に引く牌もやたらと三元牌が湧いてくる。
宥さんや、玄さんと打つ時には偏りが変動するけれど。
それでも。
ほぼ常に対子か、暗刻が成立するからアガろうと思えばアガれてしまう、という異常。

京太郎「ツモ。 えーと……白、ドラ1。」 バタン

菫「またか! またそれか!」 ワタシノイッツー

晴絵「相変わらずひっどい手牌だことで……。」


京太郎「……でもさー、赤土先生。 菫さんとシロさんはどーなのさ。」

晴絵「シロちゃんのはアンタと似た様な感じだけど。 菫ちゃんのは完全な技術よ、技術。」 ミカンセイダケド

こっちが吐き出す牌を見透かす様に、待ち受けてくる菫さん。

時折長く考えるけど、その後にヤバい手がやってくるシロさん。

白望「……ん、ロン。 リーチ一発、三暗刻、ドラ2。」

穏乃「」 チーン

あ、振り込んだ。


晴絵「だから、シズはもっと相手の河をちゃんと見なきゃ。」

穏乃「……字牌の地獄待ちとか想定してないよレジェンド……。」

ただ、そんな中で一番ヤバかったのが此奴、淡。

まず、アガリが遠くなる。
いや、これに関しては俺は対処しやすい。
やってくる牌に偏りがある以上、それを前提にすれば良いから。
問題はもう一つ。

淡「だぶるりーちっ!」 ゴウッ

おいやめろ。
毎回それやるのやめろ。


京太郎「ぜってぇぶっ倒してやる……!」

淡「やれるもんならやってみればー?」 キャッキャ

菫「こいつらは……」 ハァ

白望「……考えすぎると、良くないよ?」 ダル

菫「だったらお前もしっかりしてくれよシロ…!」

憧「(大変だなー、菫さん…)」

日が暮れる時間。
俺たちの一日は、こんな感じで日々を過ごしていた。

六人組パート終了。
次は…松実姉妹と色んなお勉強。

どうでもいい連絡:清澄メイン格上昇、鬼強化。
具体的には魔王と大魔王。


まだどこもやっていない読書家つながりでかじゅてるのコンビがみたい
久まこは風越で

>>102
テルーに咲さん、かじゅにのどっちタコス……?
正直何とか対処できる穴がかじゅタコス+(オカルト持ちの前提で)のどっちくらいなんですけど……

まあ色々組み替えてはいます。
問題はその関係で誰が何処行ったか悩みそうになる所。
もう少しして時間があれば後一話。


京太郎「最近ずっとこんな感じで……。」 ハァ

玄「なるほどなるほど。 それは大変なのです。」

宥「親戚、だもんね~。」 ホワァ

8月上旬ももう終わり、そろそろお盆に差し掛かるという時期。
何かと面倒を見てくれていたおじいちゃんおばあちゃんたちの帰りが遅くなり始めた。
まあ、それは分かっていたことなのでいいんだ。
ただ。

京太郎「だからって、川水浴?の水着買いに行くって言って5人で行くかな……。」 ズーン


宥「でも、京太郎くん。 一緒について行きたかったの?」

京太郎「絶対に嫌です。 けどそれはそれ、じゃないですかね?」

玄「変なのー。」

そんな理由で一人ハブられた俺。
ちょうど、レジェンド教室も本日はおやすみ。
行く宛もなく、結構な頻度で顔を見せていた松実館、その一室にある宥さんの部屋に遊びに来ていた。

京太郎「いや、こう。 一人だけ阻害されると若干、ですね?」

宥「まあ、一人じゃあったかくないよね。」 アハハ

玄「何かやることとか無かったのです?」


京太郎「宿題は片付けてますし、家事は今四人で分担してますし、麻雀は一人じゃ検討しか出来ませんしー……。」

宥「家事?」

京太郎「ええ。 最近はおじいちゃんに少しずつ習ってたりしてるんです。」

どうせ、教室が無い時は時間があるのだ。
シズや憧に引っ張り回されたり、宥さん達とほんわかするのも楽しいけど。
どうせだから、という理由で簡単なものから習い始めてみていたりする。

京太郎「まあ、まだまだなんですけど……。」

宥「凄いと思うけどなぁ。」

玄「でも、京太郎くん。 検討しか、って。 お家にパソコンとか無いのです?」


京太郎「パソコン、ですか?」 ハテナ

確か、インターネット回線、とかいうのはあった気がする。
時折おじいちゃんがカタカタ弄っていた機械があったけど、あれのことだろうか。

玄「今はパソコン使えば、いつでも打てる時代ですのだ。」 エッヘン

京太郎「……マジですか。」

すげー。 文明の利器すげー。
家の中のもの殆ど目向けてなかったら驚きだ。

宥「普通に頼むと、ちょっと高いから。 おじいちゃん達に相談してみたら?」 ホンワカ

京太郎「そう……ですね。 お盆が終わったらそうしてみます。」


京太郎「……でも、どうせきたんですから何かしてたいですねー。」 ダル

玄「おねーちゃん、どうしますです?」 アツイ

宥「んー……。 お母さんの部屋に、麻雀の本とかあったはず、だし。 見てみる?」 アッタカーイ

なんでクーラーじゃなくてヒーターが入ってるんだろうなぁ、この部屋……。
いや、もう大分慣れてきちゃうくらいには通ってるんだけど……。

京太郎「そうしてみますかー……。」

宥「ん。 じゃ、手伝ってね。 京太郎くん。」 ニコッ

多分、通ってる理由の何割かは。
こうやって小さく笑う笑顔の為なんだろうなぁ、と。
湯だった頭で思った。

次で川水浴→夏祭り、かなぁ。
夏祭り誰メインにしよう。 決まんねえ。

若干時期はずらしても良いんだけどね。
何しろ小4~小6だから……成長度合いで、こう。

>>1
存在はするけど阿知賀編みたいな参入シーンが存在しないから背景モブと同義。

まあ魔王組に比例するように強化は積むけれども。
取り敢えず投下は明日です。


キャッキャ

京太郎「(別に学校指定のでよくねーかなー……。)」

川水浴、とやらに引っ張り出されて山道を登ること暫し。
いい加減面倒に感じてきた頃、目的地らしき川辺へと到着していた。

憧「覗いたら潰すからね!」

京太郎「お前のを覗いて誰が楽しいんだ……?」 マガオ

おかしい、正しいことを言ったはずなのになんで本気で殴られそうになったのだろう。
アレが宥さんやら玄さんだったら……と、ちょっとだけ思って直ぐに頭を振った。


京太郎「(そもそも、参加メンバーがなぁ……。)」

シズ、憧、淡に菫さん、シロさん。
ぺたん、ぺたん、ぺたん?、すらっと、ぷよん。
いまいち淡だけは分からないが、親戚三人はそれぞれ違った風に(普段は、真っ当にしててくれれば)綺麗だとは思う。
シズは……なんだろう、完全に悪友といえば良いのだろうか。 全く考えもつかない、とでも言うか。
真逆に憧は、最近大人びようとしているようには見えていた。 見えているだけだ。
そんなメンバーな以上。

京太郎「(俺はこれなわけだしさぁ……)」 ガッコウシテイ

早くして欲しい。
いい加減一人でいるのは飽きた。

穏乃「ごめん、おまたせ!」


京太郎「おせーよ……っつーか、お前は普段と変わんねーな、マジで。」

穏乃「これが一番楽なんだもん!」 スクミズ

だろうと思った。
万年ジャージ女、シズにしてみれば動きやすいか否かが一番大きな区別ポイントなのだろう。
全く、これっぽっちも期待しなくて正解だ。 畜生。

憧「うー……。」

京太郎「なんで唸ってんのお前。」

憧「だってさー……。」

憧の姿は子供が着ていそうな、腹の部分が見えた上下に別れた水着。
正式名称なんてわからないが、変に気取ったのよりは大分マシには見えた。 絶対言わないけど。


淡「ねー、どうかなーキョータロー。」 ギュ

京太郎「抱きつくなアホ! ……い、色は合ってるんじゃないか?」 アセ

若干くすみがかった俺の金髪と違って、淡の奴は光に包まれてるようにも見える映える金髪。
それと合わせたのだろうか、黄色の、憧みたいに別れた奴を着込んだ淡のそれは妙に似合っていた。
少なくとも、誰もいない川水浴用では無いとは思う。 それ結構高かっただろ。

菫「全く……。 京太郎くんにも迷惑を掛けるな。」 ハァ

京太郎「菫さん程じゃないですよ。 ……カッコいいというか綺麗ですね。」

菫「ん、有難う。」 ニコッ

菫さんのは、俺達とは2つ上というのもあってか。
スラッとした全身を活かすような、青みがかった水着だった。
なんと言えば良いんだっけ。 ワンピース? そんな感じのやつ。
単純に綺麗だった。



白望「……。」 ボー

京太郎「……あの、シロさん?」

白望「……どうしたの? 京太郎。」 ボー

京太郎「いえ、あの。 ……凄いお似合いです。」

白望「…………そう。」

何故かシロさんのは白味が強いビキニ(っていうんだっけ?)っぽいやつ。
名前と掛けたのだろうか。
ただ、その髪色と言い、スタイルと言い。
彼女は少しだけ離れた世界の人間なんじゃないか、と。
そう思わせる何かがあった気がする。

白望「…………行く?」 クイ

京太郎「行きますけど。 ……珍しく積極的ですね。」

白望「……ん。」


穏乃「おーい京太郎! 早く早くー!」 バシャーン

淡「冷たっ! やってくれたなシズー!」 バシャーン

菫「全く。 ま、たまにはいいか。」 フフッ

憧「妙に達観してますよね、菫さん。 ……ま、一緒に遊びましょう!」 バシャーン

四人は、もう遊び始めている。
俺一人だけ全員を待っていたのに酷い仕打ちだ。

白望「…………ね。」

京太郎「……行きますか!」

そんなこと、考えていても始まらないから。
首を振って、思考を切り替えた。


その日。
遊び疲れて、夕方になるまで俺達ははしゃぎ続けた。
……最終的に、疲れて動けなくなったシロさんを背負う事になったのは余談だろうか。
……何かが背中に当たっていたようなきがするのは無視した。 無視した。

おしごと。
つぎはなつまつりー

阿知賀のは…その…酷かったね…。
菫さんよりはたかみーのが好きだけど役割の関係落選。


夏祭り。
大体、何処の町や場所でも開かれるもの。
屋台が並び、人が増え、花火が空へと舞い上がる。
そんな、夏の風物詩。

京太郎「夏祭り、かぁ。」

去年までは、宮永姉妹と出掛けていた。
妙に大人ぶる照さん。
あちこちに歩き出す咲。
両手に花だ、と笑われたっけ。

実際は、両手に犬と猫みたいな状況だったけど。
どっちがどっちかは黙っておくことにする。


そんな、去年までの出来事を思い出す。
一年間で、色々変わったこと、変わらなかったこと。
前者は多くて、後者は殆どなくて。

時折送って、戻って来る手紙からの変化を感じる。
この部分は照さん。 中学校で、麻雀部に入りたいとか。
この部分は咲。 最近読んだ、洋書についての感想。
余り本に関しては興味も無かったけれど。
時間は多くて少ないのだと知ってしまったから。
お勧めでも聞いてみようか。
ただ、手紙の束になりそうで怖いけど。


そんな手紙の返事を封筒に入れ、誰もいない家に声を掛けて外に出る。
周囲は静かに、熱を高めている。

祭りまでは、もうすぐだ。

影が薄くなりがちな宮永姉妹パート。
夏祭り…今回は淡と憧、その次の話が菫さんかなぁ。
仕事中だから簡易的だけど。

髪型……深く決めてないけど、ポニテかロングかな。
最近伸ばし始めて、今が肩甲骨くらいまでの感じ。


小さく響く鈴の音。
わいわいと聞こえる人の声。
あちこちに漂う複雑な香り。
夕暮れ時、祭りの日。

京太郎「すげえ人の数……。」

淡「東京みたいだねー。」 ムグムグ

憧「え、東京っていつもこんななんだ…。」 アゼン

そんな日に、俺たちは三人で屋台を見回っていた。



シズは実家に連れて行かれ。
シロさんと菫さんは、浴衣に着替えるとかで一旦別行動。
淡は最近成長したからか仕立てが間に合わず。
そして憧は、巫女服姿。

京太郎「しかしさー、巫女さんが出歩いて良い訳?」

憧「いーのよ、私は継ぐ訳じゃ無いんだし。」

淡「へんなのー。」

忘れがちになるけれど、これでも憧は神社の娘。
普段はそんな素振りは見せないけれど、こうして着替えてみれば。
確かに、少しだけ清らかな気はした。


京太郎「しかし良いのかなー、こんなテキトーな服で。」 フダンギ

憧「え、何。 京太郎も着替える気だったの?」

京太郎「最近身長伸びたから脚が見えちゃう、って言うんで。 おばあちゃんが買ってくれるみたいなんだけど。」

淡「私も身長とー、後上の方がキツくてさー。」 アハハ

京太郎「太ったんじゃね?」

笑顔で脛を蹴るのをやめろ。


淡「でもさー。」

暫く逃げ回ったり、追いかけ回したりした後。
ぽつり、と淡は漏らしていた。

淡「もうすぐ、夏も終わりなんだよね。」

普段、バカみたいに騒いでいる奴とは思えない口調に。
一瞬、言葉が詰まったのは否定しない。

夏が、終わり。
三人は帰って。
また、今迄の日々が戻って来る。
ただ、その事実に。


憧「バカねー。」

ただ、そんな俺たちに声を掛けたのが一人。

憧「来年も、その次も、まだまだあるじゃん。」

だから、と。

憧「また来て、遊んで。 ずっと先、また何処かで会えば良いじゃん。」

そんな風に、気楽に。
彼女は、言い放った。


白望「めんどくさい……。」 ダル

菫「良いから歩け! 悪い、待たせた。」

その言葉に、返事を返す前に。
遅れていた二人が、合流してきた。

菫「……? 何かあったか?」

いいえ、なんでも。
何故か、口に出せずに。
首を振って答えていた。


空は暗くなり、時間は進み。
ぱぁん、と空に響く大輪の花。

そうだな、また。 いつでも会える。

気恥ずかしくて、言葉に出せなくて。

空を彩る様々な色を受けた、みんなの顔を。
ただ、そっと見詰めていた。

誰にも、気付かれないことを祈って。

……ヒロイン誰だ、このSS。
おっかしいな、のどっちのポジに淡がいる……。

ひぃ、おかえりください。
今のとこ可愛く書けてれば良いんですが。
京太郎が若干達観した子供化してるから好みも変わりそう。

みんなおもち好きね。
夜は…1~2話やれれば良いかな。


8月の末。
さよなら、とは言わなかった。
ただ、全員で。 また会おう、と。
それだけを告げて、元の家へと戻っていった。

どこかがらんとした家の中。
だからといって、寂しさがあったりするわけでは全くない。


カチカチ

Kyou>>あー、其処かー。
Violet>>ふふん。 中々に大きいだろう、満貫直撃だ。
White>>でもさっき、倍満親っパネ喰らってたよね……?
Violet>>ぐぬぬ。
Blossom>>はいはい、まだ南場残ってるでしょ。

帰る前に教わっていた(――――と言うより、全員で作った)、ネトマ用の各個人のID。
それらを使って、こうしていつでも話もできたから。

Kyou>>ただ、たいぴんぐ? これはどーしても慣れないなー。
Violet>>そのうち授業でも入ってくるぞ?
Kyou>>うっげ、まじで。

時には文字で。
時には、ビデオカメラみたいなのを介して顔を見ながら。
こうして打ち合うことが出来る。


「System:Aoi さんがログインしました」

京太郎「……ん。 五人目か。」 カチカチ

Kyou>>増えたし通話繋がない?
White>>……打つのダルい。
Violet>>お前は何の為にこうしてるんだ。 ……そうだな、招待するぞー。
Blossom>>あ、起動するから待ってー。

どうせなら、玄さんたちも来ればいいのに。
そうすれば8人、二卓立つのだけど。


京太郎「(何より……。)」

こうして、機械を通して打っていると牌の偏りがない。
時折、まあ普通にやってくるとしてもそれだけだ。
普通に切っていけるし、普通に他人が持っていることもある。
相手の手牌を予想する勉強になる、とでも言うべきか。
変な偏りがないぶん、各個人の打ち方の癖もでていてこれはこれで面白かった。

憧「あ、あー。 繋がったー?」

京太郎「顔見えてるのに繋がったも何もなくないか、憧。」

憧「ふっきゅ。 う、うっさいわね!」 マッカ

何より、手が飛んでこないのが平穏だ。


菫「全く。」 クショウ

白望「……あれ、淡は?」 ダル

穏乃「おーっす。 淡なら今日は用事だって言ってなかった?」

京太郎「そうだっけ……? いつ聞いたんだよ。」 ハテナ

穏乃「えーと……ああ! メール来てたんだった!」

京太郎「先に言っとけ!」


わいわい、がやがや。
ある意味では五月蝿く。
ある意味では楽しく。
6人に加えて、宥さんと玄さん、後はレジェンドか。
打った結果を検討して。
それを踏まえて一人を狙い撃ちして、逆襲喰らって。

気付けば、レジェンド教室inネットみたいになりつつあった。

京太郎「……あー、そうだ。 ちょっといいか?」

そして、帰ってきた手紙を見て思いついたことが一つ。


憧「ん、どーかしたの?」

京太郎「いやな。 俺の……なんだ、腐れ縁みたいな姉妹がいるんだけど。 そいつらも実は麻雀やるみたいなんだよ。」

菫「……腐れ縁? なのに知らなかったのか?」

京太郎「なんか家族以外じゃ打ったことがないタイプの上に人見知り気味でさ……。」 ハァ

白望「……つまり、誘ってみたいってこと?」 ダルダル

憧「姉妹、ってことは二人、かぁ。 人増えるのは良いと思うけど、どう?」

菫「私も構わない。 知らない相手と打ちたければフリーの部屋にでも行けばいいしな。」

……概ね好意的、か?
問題は、あのポンコツ姉妹がいじれるかどうかなんだけど。


京太郎「じゃあ一応手紙に書くだけ書いてみるってことでー。」

穏乃「ねー、折角だし一回打ちたいんだけど!」

白望「……ん、やる?」

憧「私はちょっとパスー。 お風呂空いたって言うし入ってきちゃうね。」

京太郎「じゃあ俺も入るか。 シズぅ、焼鳥にしてやる……!」

穏乃「おお! 来い京太郎!」 ゴッ

そんな、日常の一欠片。
また一つ、欠片がくっついて、広がった。

@全国大会魔境化フラグその1。

姫様ところたん以外の天照大神が子供のころから打ってるとかとんでもないな

>>163
(多分全員揃う)

割と姫様自体はなんとでもなるんですよね……。 直接接触してもしなくても。
問題はころたんだ。 どうすればいいのだ。 何も思いつかねえ。

んあー、何かしら接触する点無いかなー。
可能なら小6までになんとかしておきたいんだけど……

原作が高2で6年前だから……えーと、時系列合わせると小5か。 まだ存命中だな。
楽なのはとーかラインか……あー、一応教授が親だからその縁で行けるかな……?


秋。
食欲の秋。
芸術の秋。
色んなものが有るけれど。
俺等の場合は、若干ずれているような気がする。

穏乃「おー、流石に綺麗に染まってるねー!」

9月も終わり。
暑さのピークが過ぎ、若干の残暑も消え去り始めた頃。
後宥さんがぷるぷる震え始める時期(らしい。 確かに震えてた)。
たまの息抜き、と称して。
レジェンド教室の4人と俺は、紅葉狩りに来ていた。


若干いつもの時期よりは早く染まった、というのもあったのだろう。
普段のシズとの山登りよりは明らかに気楽な散歩みたいなもの。

京太郎「流石にすげーな……。」 パシャリ

長野から持ってきていた、デジカメで一枚写真を撮る。
元々は、俺のものではなかったのだけど――――それは、それだ。
扱いに慣れきっているというわけでは無いけど。
それでも、最低限の扱いくらいは出来る。

玄「おー。 良いカメラです。」

京太郎「結構きれいに映るみたいなんですよね。 一枚みんなで撮りますか。」

玄「賛成なのです!」 フンス

と、言うわけで一枚。
この写真は後でみんなにネットで送って自慢する予定です。


憧「結構気分いいわよねー、こういう山道。」

宥「そ、そそそそそうかな」 ガタガタ

京太郎「宥さん! 無理しないで!?」 ギュ

まあ、一部ミノムシみたいな人もいるけど。
この時期に貼るカイロと持つカイロ両方万全な人って殆ど見ないんだけど。
良く売ってたな。 いや、寧ろ去年に買い溜めたりしてるのだろうか。

穏乃「わ、だいたーん。」

京太郎「……やめろ。 やっててちょっと恥ずかしいんだから。」

宥「あったか~い。」 ホワァ

それでも寒い時、何故か手を握ると安心するらしいのがこの人らしいといえばこの人らしい。


憧「……。」 ジー

京太郎「……なんだよ憧。」

憧「べっつにー。」 プイ

ほんとに訳が分からない。
誰か説明してくれ。
説明されたからと言っても納得するとは限らないけど。

京太郎「変なやつ……。 まあ、ちょっと俺上行って写真撮ってくる。」

宥「あ、うん。 私達は……どうする? 此処で御飯にする?」 プルプル

玄「お、お姉ちゃんが大丈夫なら……。」

…………平気だろうか。


京太郎「流石に上の方と下だと景色が違うんだな……。」

もう一枚、ぱしゃり。
だんだん楽しくなってくる。
写真を撮るのが趣味、と言う人の気持ちが分かるような気がする。

京太郎「あーとーはー……。」

そんな調子で、一歩上へと進もうとして。
ずるり、とも。
ぬるり、とも違う。
不可思議な、何かを越えた気がした。


京太郎「――――は?」

景色は一変していた。
見知らぬ土地。
見知らぬ景色。
そんな中に佇む、一つの屋敷のような建物。

京太郎「え、なにこれ……。 神隠し?」 マッサカー

……笑っていても、何も変わらないのだけど。
笑顔を固めたまま、一枚写真を撮った。


京太郎「……。」

割と冗談じゃない。
前に進むことは真面目に躊躇われた。
と、なれば進むべき方向は後ろしか無い。
後ずさりするように、一歩戻る。

……再び変わる、元の景色。
元の匂い、元の場所。
ただ、目の前には若干波打つような何か。

…………え、本当になにこれ。


迂闊に触れるのも怖い。
写真に映るのか、と思ってデジカメを通してみれば映らない。
でも目の前には有る。 なにこれ。
頭の中がクエスチョンマークで一杯に埋まる。

京太郎「(……良し、見なかったことにしよう。)」

少しだけ考えて、出した結論は逃走。
一人でよかった。
割と本気でそう思った。
出来る限り早足で、山道を降りていく。

……誰かが、見ていた気がするけど知らない。 何も知らない。


その後可能な限り急いで降りれば、既にお弁当の準備は出来ていて。
全員が自分で作ったり、家の人に作ってもらったモノを突付き合うような楽しい一幕があったけれど。
不可思議なアレで頭が一杯で、味が余り理解できなかった。

…………お陰で。 宥さんには泣きそうな目をされるし。
憧からは軽蔑の目で見られるし。
割りと散々だったことだけが不服だ。 くそう。

※例のアレ※


宥「ごめんね? こんなこと頼んじゃって。」

京太郎「いえ、俺は良いんですが……寧ろ、俺なんかで大丈夫なんですか?」

宥「其処は……八坂さんの判断、だから。」

10月の半ば頃。
松実館では、季節外れの風邪が流行していた。
いた、というのは風邪に掛かった人物が全員休暇を取って休んでいるから、なのだけど。
そのせいで、現状てんてこまい。
特に厨房の追い回し……要するに、雑用係は一人を除いてほぼ全滅。
しかし、土日だけで人を集めるわけにもいかず。
厨房を預かるおじいちゃんの判断で、急遽俺が起用されることになった。

……まだ小学生なんだけど。


まあ、正式に雇うわけでもなく。
時期的に、若干外れているというのもあって。
精々が普段の倍忙しい手伝い、或いは洗い物と言った所。

祖父「一度しか見せん。」

そう言って、山のようにあった洗い物を見る見る間に綺麗にしていたおじいちゃん。
家と、仕事場の差に驚きはしたものの。
其処まで集中しているんだ、と逆に感動さえしてきた。
実際、料理に集中するのは自分でモノを作り出すのと同じく、楽しいことなのだから。
準備と後片付けまで含めての共同作業。

京太郎「(……良し、っと。)」 キュッ

ある程度昼の洗い物も片付いて、三々五々に分かれての休憩時間。
時間がどうしてもズレてしまうから、ぐぅと鳴る腹の音は御魔化せない。
若干恥ずかしさが立ったから、顔を伏せそうになってしまった。


祖父「……ああ、京太郎。 お嬢さん方が呼んでたぞ。 行って来い。」

おじいちゃんが、賄い(皆で食べる、余った材料を使った料理と言っていた)を作りながら。
思い出したように、休んでいる俺に話しかけてきた。

京太郎「……え? 宥さんと玄さん?」

祖父「贅沢もんだなぁ、お前も。」

苦笑いのような、遠い昔を見るような。
そんな不可思議な目。

祖父「松実さんも苦笑いしてたよ。 ほれ、とっとと行け。」

京太郎「え、うん、行くけどさ……。」

一体何なのか。
正直お腹ぺこぺこなんだけど。


玄「あ、来たのです!」

宥「お疲れ様ぁ。」 ホワァ

京太郎「え、なんです……?」 ビクリ

取り敢えず、言われるままにやってきた宥さんの部屋。
万年のように出てる炬燵の上には、幾つかの料理――――料理?

京太郎「あの、これって……?」

宥「手伝ってくれてる、から。 その御礼かな?」

玄「味は……分かりませんけど、二人で心を込めて!」 ニパァ

……ああ、知ってておじいちゃん連れてきたな。
道理で、厨房から離れて二人のお父さんの所に顔出しに行ってると思った。

京太郎「でも、手伝いくらい、ですよ?」

宥「……食べたくない?」 プルプル

京太郎「そうは言ってません!」

最近若干ずるいぞ、宥さん。



宥「はい、あーん。」

玄「此方も。 あーん。」

京太郎「……。」 モグモグ

……餌付けされてる鳥?
……絶対、絶対に誰にも言えない秘密がまた一つ増えた。
美味しかったのは間違いない。
味だけじゃなく、何かが違うのは分かったから。
けど、それはそれとして。
恥ずかしいのは恥ずかしいんだよ!

恋愛感情、恋愛感情ってなんだ(うごごごご

今の内に確認。
永水って姫様がトップ、霞さんが悪い神の身代わり、はっちゃんが悪石で鬼門関連の風水、はるると巴さんが祓い役、で良いんでしたっけ。


咲「買ったよー!」

今年最後の月が迫り始めた頃。
唐突に掛かってきた電話に出たら、開幕こんな声が聞こえてきた。

京太郎「人違いです。」

咲「えっ、嘘!?」

嘘だよ。
つーか電話のルールくらい守れ。
幾ら番号を教えてから二度目の電話だとはいえ。


京太郎「あのなぁ……。」 ハァ

実際、言って分かるからまだ良いんだ。
方向音痴に関しては言っても何しても治らなかったから。

京太郎「……まぁいいや。 買ったって、例のパソコンか?」

咲「そ、そう。 お姉ちゃんと一緒に。」

京太郎「ああ、照さんもか……。 だけど中途半端な時期だよな?」

咲「お年玉と……後はお父さん達から貰った!」

毟り取った、じゃ無いよな?
泣き落とした、でも無いよな?


京太郎「んじゃ……あー、一時間くらいしたら集まり始めるから、その頃に起動だけしといて。」

咲「分かった。 お姉ちゃんにも言っとくね。」

京太郎「頼んだ。 久々に新しい仲間か……楽しみだ。」

咲「負けないからね!」

京太郎「言ってろ。」

互いに遠慮しない会話。
随分と久々な気がする。


京太郎「じゃ、今の内に片付けすっから。 切るぞ。」

咲「あ、お姉ちゃんから。 「負けない」だって。」

……それはこっちの台詞です、照さん。
電話を切って、風呂の用意とか片付けしながら。
ぐっ、と拳を握った。


……余談だけど。
照さんはスロースターター気味な部分があるけど確かに強かった。
咲は「牌が見えない……。」とか寝言言ってた。
何言ってんだあいつ。

次、永水とか千里山、後はころたん。
千里山…ときりゅー辺りかな…

人がいるのかいないのか。

2時くらいから続き予定。


京太郎「やっと着いたぁ……。」

新幹線に乗って早二時間。
そこから乗り継いで大体三時間半くらい。
今、俺は奈良ではなく。
遥か南、鹿児島にまでやってきていた。


理由としては至極単純。
父さんと母さんが死んでから既に9ヶ月が経つ訳だけど。
父方の祖母である婆ちゃんに、幾つかサインを貰う必要があったから。
無論、忘れていたとかでもない。
今年は妙に仕事が忙しく、漸く手が空いたから改めて顔合わせ、と言った理由もあった。

京太郎「(無理は出来ないだろうし……。)」

既に爺ちゃんは亡くなり、現在は一人で色々とやっているとかなんとか。
言ってしまえば、ある意味で俺が須賀家の後継者になる訳で。
若干煩わしいけどごめんな、と。
何が待っているのか、俺自身怖い。


恐らく、変な事だけは無いと思うけれど。
そう思いながら、駅の外へと一歩踏み出して。
……見知らぬ巫女服の人がいた。

京太郎「……。」

行けば分かる人がいる、とは聞いたよ。
けどあれじゃ無いよな。
まさか違うよな。
そう信じながら視線を合わせないように移動しようとして。

巫女「須賀様、ですか?」

そうだったよ畜生。


車で移動する事約10分。
その間、特に会話も無く。
妙に重い空気を乗せたまま、車はややこじんまりとした民家の前へと止まる。

巫女「此方でお待ちです。」

京太郎「あ……はい。」 ダラダラ

どういうポジションでどういう仕事してんだ婆ちゃん。
それを聞くのが凄い怖い。


父祖母「おや、良く来たね。」

京太郎「来たけどさ、婆ちゃん……何あれ。」 グッタリ

もう緊張とか考えとか全部消えて疑問だらけなんだけど。

父祖母「何、って。 そういやそんなことも説明されて無いんだったか。」

京太郎「……はい?」

父祖母「私は霧島神境の祓方巫女頭。 ちょっと頼むくらい普通なんだよ?」

京太郎「…………はい?」

え?


父祖母「ま、移動までは時間あるんだ。 ゆっくりしてきな。」

京太郎「いやいやいやいや何それ!?」 ガタッ

巫女頭、という意味合いは良くわからない。
ただ間違いなく、人を普通に使える立場ということくらいか。

父祖母「なぁに、孫の自慢くらいしたって良いだろう?」 カラカラ

京太郎「そういう問題じゃ無くてね!?」

何で俺が振り回されてるんだろうか。


父祖母「冗談は抜きにして、帰るのは明日だろ? 一度、顔合わせと紹介には行くからね。」

京太郎「いや、霧島神境ってアレだろ!? 男子禁制とかって話の!?」

父祖母「あんたみたいなのは別。」

それに、と。
一拍置いて更に口から出た言葉。

父祖母「最近、一回足踏み入れてるんだよ? 京太郎。」

…………えっ。

ヤバイ級強化フラグその1。

(霞さん出るかどうか決まってない…というか多分この時期だと地元じゃないかな…)

しかしすこやんは一体どれだけ強いんだろう…。
出てる描写的にはバケモン以外の何物でもないから師匠とかで出しづらい

夜は……また昨日と同じくらいで2~3やれれば良いほうかな。
SSを重ねて時間を進めていくスタイル。


京太郎「……んで、婆ちゃん。」

父祖母「なんだい京太郎。」 トテトテ

京太郎「なんで神社に行くだけなのにこんな階段あんの!?」

父祖母「修行を兼ねて、ってことだよ。」 ホッホ

俺は下の方の男性も入れる方でいいんだけど!?


半強制的に、俺は地獄のように続く階段を登らされた。
正直、山登り並みにキツイんだけど。
シズやら憧に連れられて山行ってなきゃ多分途中で音を上げるレベル。
これが普通だとすると、巫女さんってどんな足を持ってるんだろうか……。

京太郎「……あれ?」

ふと、そんな思考を遮るように何かを越えた気がした。
例えるなら、壁。
或いは境界線。
何かに触れた訳じゃないのに、何かを越えたのがはっきりと分かる。


父祖母「ほら、やっぱ越えられるじゃないか。」 ヤレヤレ

京太郎「お願いだからちゃんと説明してくれるかな!?」

父祖母「此処はね。 ”本当に危険な人”か、女か、或いは資格が無いと階段を登ってた筈なのに迷う仕掛けがしてあんのさ。」

京太郎「いや、それファンタジーでしょ……?」 ンナワケネーダロ

父祖母「大体年に10人くらい、邪な気持ちとか悪戯半分で登った人が山で迷子になってるんだけどねえ。」 ヤレヤレ

此処怖い。 帰りたい。


京太郎「え、じゃあなんで俺は入れんの……?」

父祖母「うちの血を継いでる、ってのもあるけど。」

じ、っと。
身体の中を見られるように、目を覗き込まれる。

父祖母「何かが有るんだろうねえ。 長生きはしてみるもんさ。」 カラカラ

京太郎「婆ちゃん、まだ60後半……。」 ハァ

溜息を吐きながら、登った先――――視線を少しだけ横に向ける。
一組の家族、だろうか。 此方に向かってくるのが見て取れた。


眼鏡を掛けた、やや神経質そうな男の人。
それを支えるようにした、おっとりとした女の人。
その間辺りにいる、小さな女の子。
……普通に男の人いるんだけど。

父祖母「あの方は許可出した人だからね、京太郎。」

内心見透かしたように言わないで、婆ちゃん。

男「ああ、須賀さん。 すいません、私はこれで。」

父祖母「なんだい、もう戻るのかい?」

男「ええ。 妻と娘を残していくのは少し心苦しいですが、若干急ぎなので。 それでは。」

そう告げると、足早に階段を降りていく。
……何だったのだろうか。


父祖母「ふむ。 丁度いい、京太郎。」

京太郎「なんだよ婆ちゃん。」

向こうの二人、此方ずっと見てるぞ。
早く対処しなくていいのか?

父祖母「私はあの奥さんと少し話がある。 子供の方を頼むよ。」

京太郎「急に何言い出してんだ婆ちゃん!?」 ヤダヨ!

父祖母「じゃ、頼んだよ。 すいませんね、お待たせして。」

女「いえ……それより、その、大丈夫なんでしょうか?」

父祖母「はっきりとはいえませんが……もう少し詳しく見てみましょうかね、此方に。」

人の話を聞け。
置いていくんじゃない。


ぽつん、と置いて行かれた俺と女の子。
妙な頭につける……アクセサリー?が目立つ。

京太郎「あー……………………。 取り敢えず、名前聞いていいですか?」

どうしろというのだ。
せめてもう少し言っていけ。
そもそもなんで呼んだんだ……顔合わせじゃなかったのか……!?

??「あ、ああ。 ……天江衣、小学五年だ。」

え、嘘。 年上?

※死亡フラグ

後一話書くかなぁ……。


京太郎「えーと……天江さん?」

衣「衣でいい。 で、お前は?」 カシゲ

京太郎「須賀京太郎、さっきの婆ちゃんの孫……でいいのかな?」

衣「ほう。 あの方の。」 ジー

身長差、も有るんだろうけど。
今の俺が確か150ちょっと。 それに対して頭一つ分は違う。
どーみても、年上には見えなかった。


京太郎「取り敢えずどうします?」

衣「母上が戻るまではまだ時間も有るだろう。 散策でも行くか?」

京太郎「ま、待機する部屋も分かりませんしね……。」

せめてそれくらい説明していって欲しい。
鳥居の先、何処かで見たような建物へと近付いていく。
どっかで見たようなきがするんだけど、何処だかが思い出せずに首を捻った。

京太郎「あんま中ウロウロしても良くないでしょうし……外、ですかね。」

衣「うむ。 では供をせよ、きょーたろー。」

俺は子分ですか。


何処か楽しそうに散歩を始める衣さん。
まあ、見た目通り子供らしい、というのは有るんだろうなぁ、とは思った。

衣「おー、木々が凄まじいな。」

京太郎「綺麗に手入れされてるんでしょうねえ……。」

衣「手入れ、か。 枝を落としたりか?」

京太郎「それも有るでしょうけど。 見る限り、邪魔になる木を切り落としたりもしてそうですねー」

視線の先には、幾つか点在する切り株。
まあまず切り倒したんだろうなー、とは思った。


そのまま、建物を一週。
少しだけだけど、確かに時間は潰せた。
さて、これからどうするか――――と思った矢先。
建物から、二人ほどの影が現れた。

一人は眼鏡を掛けた、年上そうな知的的な人。
もう一人は一見すると無口そうな、幼そうな少女。
何方も巫女服で、それに加えて若かった。
多分、俺と同じくらいだろう。

京太郎「……ん、お迎えとかですか?」


??「あ、はい。 巫女頭様のご指示で、お二人を案内するようにと。 私は狩宿巴、と申します。」 ペコ

??「……同じく、滝見春と申します。」 ペコリ

衣「ふむ。 どーする、きょーたろー。」

京太郎「俺に振らないで欲しいんですけど……まあ、行きましょうか。」

巴「助かります。 では案内しますので……此方に。」

先導していく狩宿さん。
それに続いていく俺達。
……若干だけど、二人の声が変だなぁ、と思えたのは。
ある意味では、偶然だったのかもしれない。

祓い組合流パート終了。
姫様は次ー

すこやんよりは遥かにマシだからセーフセーフ。(高1で麻雀始めてアレのはずだから成長期間と速度が絶対おかしい
個人戦第一グループで天照大神が直接対決とか見てみたい。

※若干時間軸は先です。

かちり、かちり。
マウスの音が響く。

京太郎「うーし、それロン! んできっちり捲った!」
マンガンデス

淡「あー! 京太郎なんてことをー!」 ウググ

京太郎「リーチ掛けたお前が悪いんだよ!」

それと、1組の男女の声。


特殊なフリー対局。
顔が見えてるのは、俺と淡だけ。
後はチャットすらない、無言の戦い。

京太郎「即リー体質なんとかしろよお前……。」

淡「一番勝率良いんだよ!?」 ガルル

京太郎「時と場合によるだろ。」

ああ言えばこう言う。
自由気まま、楽しげな此奴は外で飼う猫のようだと、時折思う。


淡「うー、もう一回!」

京太郎「はいよ、終わったら寝る。」

……まあ、それでも。
楽しげに打つ、此奴の顔は。
見てて飽きない。
だから、そのままでいてくれ、と。
対局希望を押しながら、そう思った。

あわあわ誕生日記念SS。
本編書かなきゃ。


木製の廊下を滑るように進む。
老朽化、古びているんだろうな、という予想は外れて。
しっかりとした柱などは、綺麗に磨き上げられたもの。
一言で言うなら、神聖さ、だろうか。
あちこちから感じるその気配と並ぶようにして、部屋の窓からはいくつかのパソコンや電子機器。
そんな、何処かミスマッチな内装が。
霧島神境の中の、第一印象だった。

京太郎「……神社、なのにパソコン?」 アレ

巴「ああ、不思議に思われますか?」

京太郎「イメージとは違うなー、とは。」


巴「例えば、私は地元が指宿ですけど、春ちゃんは喜界島です。」

巴「その他にも、屋久島とか、果ては伊勢神社に出てる方もいますし。」

巴「そういう人と連絡取り易いように、進んで取り入れてる感じですね。」

場所を言われても理解は出来ない。
ただ、まぁ。
手紙や電話じゃ遅い、簡単な用事が済ませられることは分かる。


衣「便利、なのか?」

春「……うん。」 コクリ

京太郎「まあ間違いなく便利ですよ。 離れた知り合いと顔も見れますし、麻雀だって出来ます。」

これは実体験込み。
若干どころじゃなく高いけど、それだけの価値はある。

衣「ほう。」

春「……するの? 麻雀。」

京太郎「ええ、割とガッツリ。」


巴「……と。 此処です。」

案内された場所は、やや中心から外れた一室。
どうぞ、と言われるままに戸を開けて。

中に、誰かがいた。

同じような巫女服姿の、またもや少女。
顔にも覚えは無いし、何故いるのかも分からない。
そもそもあれ、多分微睡んでる。


なのにも関わらず。
俺以外の三人は、固まったように動かなかった。
いや、動こうとはしているのか?
ただ、若干顰め顔をするだけ。

衣「……妙な気分だ。」

巴「姫様……。」

姫?
あのなんか寝てるだけの子が、姫?
全く持って分からない。

京太郎「えーと……入らないんですか?」


衣「何も感じないのか? きょーたろー。」 ジッ

京太郎「? ええ、何も。」

巴「……。」

何やら焦ったような顔をする巴さん。
いまいち理解しづらいけど、動こうとしている春ちゃん。
……起こせば良いのか?
ふと、そう思い立って。
どうするか、一瞬考えて。
取り敢えず、頭を。
ポン、と手で叩いてみた。

??「ふにゅう……。」

あ、起きた。

姫様編終了。
まあ後々京太郎のオカルト系は分かれば良いですね。

さて帰宅。
希望有りましたし色々書きましょうかねー


巴「姫様、なんであんなところで寝てるんですか!」

小蒔「ちょっと眠くて……つい?」

巴「つい、で妙なもの降ろされても困るんですよ!」 クドクド

……なんでも。
あの人は神代小蒔、と言う名前の文字通り、この神境の”巫女姫”みたいな扱いらしい。
どう見てもただほわほわしてるだけの、女の子なんだけど。


衣「……なあきょーたろー。 お前は本当に何なのだ?」

京太郎「……いや、只の小学生だよ?」

聞いた話だと。
あの時、三人は妙な重圧に襲われていたらしい。
上から降りかかる、文字通りの強い重力のようなものを。
「ある程度は慣れているつもりでしたが。」とは、巴さんの談。

……なんで俺は普通に動けたんだろう。
見逃された? 弱っちぃから? だとしたらちょっと悲しい。


衣「恐らくだが――――。」 ジー

京太郎「……え? 何です?」 ジリジリ

近い。
思わず逃げる。
また近づかれる。
また逃げる。

春「……何してるの?」

逃走劇。


京太郎「でー……此処で何するつもりだったんですか!?」

逃げよう。
話を切り替えて、興味をそちらに向ける。
多分今の俺に出来る最善の選択のはずだ、うん。

巴「ああ、そうでした。 色んな流れが見たいらしいので――――。」

隣の部屋に通じる襖を引っ張る。
……妙に新しい。 と言うかこの場に似付かわしくない。
最新式自動麻雀卓。

巴「私以外の四人で打って頂けます?」

……えっ。


京太郎「俺も!?」

巴「ええ。 嫌ですか?」

衣「衣は別に構わんが……。」 マタキュウダナ

小蒔「いつものやつですね!」 キラキラ

みんな乗り気だと。
いや、嫌いって訳じゃないし寧ろ好きだけど……。

京太郎「(何か試されてる気がして怖い……。)」 ヒヤアセ


結局、打った結果は色々大惨事。
具体的には、入った春ちゃんがハコワレでぶっ飛んだ。
白がくれば小三元ツモれてたんだけど、まあ其処は仕方ない。
まあ、それは仕方ない。 だけれども。

衣「どうなってるのだきょーたろー!?」 ガタガタ

京太郎「何がですかぁ!?」

小蒔「強いんですねっ!」 キラキラ

一局終わった直後にこんなことされても意味が分かりません。
誰か説明してくれ、本気で……!

(永水&衣対面編終了。 この裏でネットに誘ってます


年末。
大体お餅撞いたり、大掃除したり、年末年始の休みに入ったり。
人それぞれ違う事を済ませた大晦日、の夜。

穏乃「おーい京太郎ー。」

何故か、此奴は我が家にやってきた。


京太郎「何しに来たんだよ。 もうすぐ年明けるんだし帰れよ、心配してんじゃないのか?」

穏乃「んー、うちならへーき。 でさ、明日初詣行かない?」

京太郎「電話で済んだだろ!?」 ナニイッテンダコイツ

穏乃「流石にこの時間に掛けるのは迷惑でしょー?」

京太郎「人の家に来るのは迷惑ではないというのか、お前は……!」 イッパツタタク

穏乃「やーめーてー。 で、どう?」

いや、別にいいけどさ。
お前と二人か。
……他の皆とは別で行くことになりそう。


一日明けて、元旦。

穏乃「はい、あけましておめでとー!」

京太郎「はいおめでとう。 今年も宜しく……はいいんだが、マジでお前と二人か。」

穏乃「何ー、嫌なのー?」 ムスー

京太郎「どっか行くなよ、混雑してるだろうから。」

穏乃「子供扱い!?」

勝手にどこか行くやつは子供扱いでいいと思うんだ。
なあ咲に照さん。 後シズ、お前もだ。


京太郎「うわー、やっぱ人多いなー。」 ザワザワ

穏乃「どうしても今日はねー。 多分どっかに憧いるから探そっか!」 ダッ

京太郎「お前は人の話聞いてないのか!?」 グイ

穏乃「ぐふっ……。」 ゴホゴホ

京太郎「なんでどいつもこいつも俺の周りの奴らは……。」 ハァ

もう少し癒やしが欲しいです。
面倒見続けるのは正直疲れるんで。


穏乃「だってさー。」 ブーブー

京太郎「うっせ。 ほれ、勝手にどっか行くなよ。」 テギュ

穏乃「え。」

京太郎「あん? どーした?」

穏乃「んー、いいや。 何でもない!」

京太郎「変なやつ……。」

その後。
お守り販売所にいた憧を見て指差して爆笑したりした。
楽しかったけど痛い。 笑顔で蹴りはやめろよ彼奴。

シズパート終了。 次はクロチャーかなぁ

後一話やっとこうかな……


玄「ねえ、京太郎くん。」

京太郎「はい、どうしました玄さん。」

炬燵の中、蜜柑を食べながら。
ただ、取り留めのない会話。
普段張り付いている宥さんの姿はない。
多分、温室あたりにいるとは思うのだけど。
その内確認しに行ってみようか。


玄「来年からどうなっちゃうのかなー。」 ムグムグ

京太郎「来年、と言いますと?」 ムグムグ

玄「おねーちゃんは進学するし、色々と別れちゃうこと。」

京太郎「其処はまあ、年齢差ありますし……。」

玄「おねーちゃんは阿知賀行くみたいだし、私もそうなんだけど。 今、麻雀部も無いわけ、だしさ。」

確かに。
レジェンドがいた頃を最後に、阿知賀学院の麻雀部は潰れて久しいという。


京太郎「だから、と言っても。 俺達の関係が変わるわけじゃないですよねー。」

玄「中学校、何処行くとか考えてる?」

京太郎「はっきりとは。 ……奨学金出るなら阿知賀行きたいかなぁ、とかは思いますけど。」

玄「……奨学金、かぁ。」

京太郎「お爺ちゃんたちにあんまり負担かけたくないですし……。」

正直、中学校行くのに出るとは全く思えないけど。
そんな小さな希望だけを漏らしてみる。


玄「ね、京太郎くん。」

会話のテンポは変わらずに。
何処か楽しそうに、ぽつりと。

玄「大会、出てみない?」

京太郎「……大会、ですか?」

玄「そうです。 実質、五年生になってからになるけど……。」

……大会、か。
小学生を集めたやつだと男女混合で最初から予選。
中学校以降だと予選は最初男女で分けて、決勝で混ぜて選ぶ。
団体は……出られるけど大体女の人5人が勝ち上がっていく、んだっけ。


玄「上手くすれば……こう、推薦? みたいに。 呼ばれるかもしれないよ?」

京太郎「あー……。」

確かに、阿知賀にはこの一年通ってほぼ顔パスになってる。
先生とかにも顔は知られてるし……ありえるんだろうか。

京太郎「でも、俺程度じゃ。」

玄「やってみなきゃ分からないのです。 ……最初から諦めるんですか?」

……そうやって煽られるのも辛いんですけど。


京太郎「……やれるだけ、ですよ?」

玄「大丈夫です。 赤土先生の教え子ですし……皆もいます。」

京太郎「……頼んでみますかぁ。」

実際、どこまで力が及ぶのかは分からない。
少なくとも、俺よりずっと早く始めた奴らが参加するのが大会だろう。
それでも。
勝ってみたい、と言う気持ちが有るのは間違いないから。

玄「優勝できたら、何かご褒美でも考えときます。」

……ま、この人の応援のためにも。 やれるだけやってみる。

※5年生/7月に予選参戦フラグが立ちました。(シノハユの予選時期参考。 間違ってたら指摘くだされ

現在考えてる能力的に言うと、相当有利/圧倒できるのがころたんとか淡。
逆に此方が不利になりえるのが咲さん……かな。 或いは姫様。
テルーはギギギー次第だけど相性自体は互角。

……こうして書いてみると相当やべーな。


憧「ん、これ。」

2月の中旬。
いつも通りに生欠伸しながら学校に向かった。
その途中で、なんか手渡されたブツ。

京太郎「なにこれ。」

憧「いいから受け取りなさいよ。」

え、何か渡されるようなものあったっけ。


京太郎「中身がわからないと怖くてしょうがねーんだけど。」

憧「い・い・か・ら!」 グイグイ

え、マジで何。
中身言えよ。

穏乃「おはよー、二人共ー。」

あ、救世主。

京太郎「助かった! シズ、助けて!」

穏乃「ほへ? ……あ、京太郎、これあげる。」 ガサガサ

お前もか。 お前もか。
救世主が反転したぞ。


京太郎「何なんだよそれ!?」 ジリジリ

穏乃「へ? 今日14日じゃん。」 エ?

憧「あ、こらシズ!」 アセ

14日。
14日。 何かあったっけ。
えーと、確かなんかそわそわしてる奴らがいたような……。
んー……なんだっけ。 忘れた。

京太郎「えーと…………。」 ウーム

憧「完全に忘れてるやつだわコレ。」


穏乃「バレン何とかだよ!」 エッヘン

憧「言えてないわよシズ。」

バレン…………ああ、バレンタインデー?
あれ、それって今日なんだっけ。

京太郎「かんっぜんに関係ないと思って忘れてたわ……。」

穏乃「京太郎一杯貰いそうなのに。」 ブー

京太郎「俺は貰えない側だと思ってる……。」

義理で四人から貰えるくらい、じゃないのか?


憧「まあ、シズが言っちゃったし。 ありがたく受け取りなさいよね。」

京太郎「はいはい。 あんがと、憧にシズ。」

帰ったら食ってみよーっと。
あんまりチョコチョコしたのは好きじゃないから少しずつだけど。

憧「お返しは期待してるからね。」

京太郎「買ってたら小遣い吹っ飛びそう……。」

何か作ってみるかな……。
レジェンド辺りなんか知らないかな、お菓子作り。
お爺ちゃんは和食とかに特化してるから知らないんだよなー。

……その後。 宥さんと玄さん。
ついでに郵送されてきた幾つかを見て嫌な顔になった。

次、宥さん編/4年生終了


3月。
卒業の時期、別れの時期。
とは言っても、この辺だと大体二択。
阿知賀に行くか、或いは阿太中に行くか。

宥「もう、卒業なんだぁ……。」

そんな中、唯一2つ上の宥さんが卒業していく。


京太郎「とは言っても、殆ど変わんないんですけどね……。」

俺達は空いてる日とかやってる日があれば阿知賀に行ってるし。
最近はなんか労働力として見られてるのか、以前のように料理場で洗い物したり。
後は憧やシズと走ってたり、宥さんとか玄さんとゆっくりしたり、ネトマしたり。
そんな、今までと変わらない日々。

宥「でも、寂しいものは寂しいんだよ?」

京太郎「それは分かりますけどね。」


京太郎「変化しない物はない……って、学びましたから。」

家族や友人、住まいに生活。
この一年、俺も相応に変動していた。
だから、というのも有るのかもしれないけど。

宥「……京太郎くん、大人みたいだね。」

京太郎「俺が? まさかまさか。」

何も出来ない、ただのアホな子供です。
変な思い込みは勘弁してください。


宥「そうかなぁ。」 フフ

京太郎「そうですよー。」

ただ、変化し続ける日々の中。
その美しさは変わらない、染井吉野の桜の木の下。
変わるような、変わらないような。
そんな、日常の話を続けた。


 <四年生が終了しました。>

 <現在能力覚醒度:10%>

 <雀力:???(公式戦未出場)>

 <家庭力:そこそこ(ひとり暮らし出来る一歩手前)>

 というわけで午後にも投下できるようならー、一旦おつ。

一応現状の予定:
小5:小学生大会&ころたん
小6:多分大会&レジェンド教室終了
今出てるキャラで大きな変動が起きる過去持ちっていましたっけ……宮永姉妹除いて


そして、四月。
俺達は五年に、玄さんは六年に。
小学校だからか、其処まで何かが変わることもないけれど。

Moon>>うー……これだ!
Flower>>あ、それカン!
Kyou>>じゃ、槍槓。
Flower>>ちょっ!?
Komaki>>わー!

……ネトマするための部屋も、其処まで変わらずに。
去年までに比べればそこそこ人数が増えてきた、といった所。

あ、ちょっと修正。
Flower>>あ、それカン! → あ、それカン! でもっかいカン!


Kyou>>割と死んでる待ちのつもりだったんだが……。
Flower>>……え、なにこれ。
Moon>>白・中にドラ3つ乗って槍槓乗って……。
Komaki>>後は自風牌、ですか。
Flower>>何するの京ちゃん!
Kyou>>お前ネットマナーって知ってる?

いや、運が良かった。
何か行けそうだな、と思って集まってたドラになってた白抱えてたら中まで集まったし。
明らかに出ないだろうなー、と思った所が出たんだから。


京太郎「あ゛ー……。」 ギシィ

身体が軋む。
ちょっと根を詰めて打ち過ぎただろうか。
まあ、大会に出る旨を告げたら。

菫「私達はでられないからな。 その分鍛えてやろう。」

白望「……中学の個人戦出ないの? 菫。」

菫「あー……そうだな、それもいいな。」

照「出るの? なら私も出ようかな。」

……こんな感じで波及しただけなんだけど。


ざっと解ってるだけで、小学生だと俺に淡、咲辺り。
玄さんとかは出ない代わりに色々やってくれる、らしいので頭が上がらない。
後レジェンド。

晴絵「あ、出るんだ。 じゃあ色々フォローしてあげる。」

そう言って一週間程で奈良の目ぼしい記録見つけてくるってどういう事なんだろう。
昔出たことが有る、とか懐かしそうな目はしてたけど。
当時何があったかまでは知らないし。

京太郎「まー、もうすこし打っとくかなー。」

実際の卓と、ネットじゃだいぶ違う。
それは分かってるけど――――こうしてるのは、楽しかった。

※小学生の部が魔境に近付きました。

実際原作高3組で中学位から大会出てたのがどれくらいいるんですかね……。
長野だとキャップとか部長は確定でかじゅは大会経由じゃなくてカード麻雀から始めたタイプだった気がするけど。

かじゅは麻雀始めたの高校生からだった気がする
絹も高校からだし
永水勢は周りの反応から見て高校からだと思う
すばら・和・タコス・泉は中学でも出てる
わかるのはこれくらいしか無いや

>>333
ありがとございます。
夜に6月くらいまでは進めたい。 問題は6月が長引きそうな点


五月の連休、その頭の日。
此奴はまたいつも通りにやってきた。

穏乃「最近遊び行けてないしどっか行かない?」

京太郎「相変わらず急だなお前……。」

穏乃「憧はいいって言ってたんだけどねー。」

京太郎「いや、別にいいけど何処行く気だ……?」

穏乃「んー……大阪!」

遠いわ。


憧「流石に人多いわねー。」

穏乃「わー……色々有る。」 ジュル

京太郎「マジで来やがったよ……!」

放って置いたら勝手に何処かに行きそう。
憧も特に止めずに寧ろ行く気満々だった。
そういう理由もあって、嫌々ながら付いてきた。
……一応お婆ちゃんに相談したら、「甲斐性だ」とか言われたけど何のことだろう。


そんなやりきれない思いを抱えながら、何かどっかに行きそうな二人を捕まえて動く。
お好み焼き? 美味そうだな。 だからって走っていい理由じゃない。
たこ焼き。 いい匂いだな。 だからってふらふら向かっていい理由じゃない。

京太郎「やっぱ来たの間違いじゃないか……これ……。」 ハァ

穏乃「はふぇないのひょーたろー」 モグモグ

京太郎「口に物入れながら喋んな!」

憧「(あ、危うくやるところだった……。)」


もうやだこいつら。
そう思いながら、近くにあった公園のベンチで休む。
隣のベンチには、中学生くらいの人が休んでる。

京太郎「あー面倒見るのもう嫌だ……。」

あの二人はなんかまだ歩き足りないみたいで、色々見てくると言っていた。
……なんか結果が予想できるし、財布に金は残しておこうと思う。

京太郎「(下手に動くと迷うし……勉強でもしてるか。)」

荷物から取り出したのは、レジェンドから勧められた一冊の麻雀の指南本。
……はやりんって誰だ。 しかも地味にサイン入ってるし。 ファン?


京太郎「(ただ書いて有ることは割と真っ当なんだよなー……。)」 フムフム

無駄に写真とかが目立つけど。
どのタイミングで鳴くべきか。
どの牌なら効率が上がるか。
そういった事に重点が置かれた本。

京太郎「ただ此処は俺なら一巡待つんだけどなぁ……。」

まあ、人それぞれ。
取り入れる部分だけ取り入れればいいわけで。

……と思って。
ふと、隣のベンチを視界に入れた。

寝てる、というか呼吸が荒い――――ように見えた。


京太郎「って、ちょっと……!? 大丈夫ですか!?」

揺らしてみても、息が整う事はない。
ぜいぜい、と呼吸を繰り返しながら細い目で俺を見た。

???「ぁー……だいじょーぶ、いつものことやで、ぼーず……。」

京太郎「どう見ても大丈夫じゃないです! 救急車ー!」

病人(っぽい、と判断した)の大丈夫は当てにならない。
仮に無駄になるとしても、病院に行ってもらったほうが良いと判断した。


大急ぎでやってきた救急車に後を頼み、念の為連絡先を記した紙を渡して貰えるように頼む。
その場での検査では、やはり体調……と言うより、何かが悪化しているのは確実だと。
体温計で8度5分。
……良く平気とか言えたなあの人!

去っていく救急車を見ながら。
万が一を避けられた、と思って一安心……のような気がする俺。
はて、何かを忘れているような。

…………結局、二人が戻ってきたのは五時手前。
ついでに財布も空。
……頬引っ張るだけで許してやった自分を褒めたい。

(出会いフラグ①

色々と原作読み返してみると年齢間違って覚えてる事に気付く。
この齟齬どうすっかな……まあ院とか……いや、それならいっそ此方に引き寄せて強化計画切り替えるか……


――――静かに、雨が降る夜だった。

京太郎「……は?」

父祖母「良いかい? もう一度だけ言うよ。」

唐突に掛かってきた電話。
時期は6月。
梅雨の時期、いつものようにネトマを打っていた時。
唐突に掛かってきた電話。
其の旨を告げ、電話に出た先。

父祖母「半年前覚えてるね? 天江さんのご両親が亡くなったそうだ。」


京太郎「え、あの人達が……!?」

父祖母「”そうさせない”為、だったんだけどね。」

やりきれないように、何かを漏らす。
俺は、何も知らない。
あの時と、ネトマ中に繋いでいるパソコンを介した会話で、何度か挨拶をした程度だ。
ただ、婆ちゃんは何かを知っていたのだろう。

京太郎「……それを俺に言って、どうするの?」

父祖母「あんたに私の代理を頼みたい。 無茶を言ってるのは承知だけどね。」

確か、今の住いは東京。
行けなくはない――――確かに、行けなくはないのだ。


京太郎「……俺?」

父祖母「そうだ。 どうしても無理、というのなら欠席にするしか無いんだよ。」 ハァ

聞く限り。
現状、絶対に外せない儀式の最中。
もしこの場――――神境から離れれば、どうなるか分からない、と。

京太郎「無理、とは言わないけど……。」

そもそも脚がない。
それに、詳しい住所を知るわけでもない。
……それに対しては、聞けば済む話では有るか。


京太郎「……なんとかしてみる。」

父祖母「悪いけど……頼むよ。」

電話が切られ。
先ずは、一つ深呼吸を置いた。
……自分とダブらせて、見た。
あの時の感情が思い浮かぶ。
必死で、それをかき消す。
そんなことをしても、何も変わらないからこそ。


京太郎「……って訳で、悪いけど今から準備する必要がある、抜ける。」

咲「衣ちゃんが……。 うん、分かった。」

淡「でもさ、脚あるの? 京太郎。」

京太郎「其処が問題なんだけど……おじいちゃん達が戻ってきたら相談してみるつもり。」

菫「必要ない。」

…………え、何?
何処かと電話していたみたいだけど、菫さん。

菫「今我が家にも連絡があった。 龍門渕の親戚が亡くなった、とな。 天江、というらしいからほぼ間違いない。」

京太郎「龍門渕……は何か聞き覚えありますけど、知り合いなんですか!?」

菫「ま、家同士の付き合いというやつさ。 面倒だろ?」

どんな情報網してるんだ。


菫「家の都合もあって、出るのは明日になるが……どうする? 行くか?」

京太郎「行きます。 お願いしても?」

菫「おいおい、そんな仰々しくする必要はないさ。 親戚で、弟みたいなものだろ? 君は。」

……ヤバイ、カッコいい。
一瞬、パソコン上だけど見惚れそうになった。
ただ、これで脚は手に入った。

京太郎「ですか……ね。」 クショウ

菫「ま、”まだ”男としては早いしな。」

……からかうのもやめて下さい。


一晩明けて。
お爺ちゃん達に説明し、始発の電車に乗って東京。
大凡の到着時間を告げてあったのもあって、スムーズに移動した矢先。

やや大きめの家、というよりは屋敷に近いような、暗い葬式を示す飾り付けがされた家。
それが、今の衣さんの家で。

衣「…………。」

彼女の心を示すような、家だった。


???「……衣。」

その前にいるのは、金髪の少女。
少なくとも俺は見覚えがない。

菫「龍門渕のお嬢さんだよ。 京太郎も少し違ってれば知り合ってただろうな。」 コソ

やや遠巻きにそれを見る俺達。
あの気持ちは良く理解できる。
一瞬にして全てがなくなったような、虚無。
何も考えたくなくなる、そんな思考で埋め尽くされる。

京太郎「……衣さん。」

だからこそ、一歩前に出る。


???「……貴方は?」

京太郎「須賀京太郎、と言います。 衣さんの……友人、みたいなものです。」

若干怪しまれている、というよりは信用されない目を向けられる。
それもそうだ。 こんな時に、俺みたいな小学生が近付くんだから。

京太郎「似たような経験をした、俺から。 一言だけ、言わせて下さい。」

???「似たような……?」

敢えて、その言葉を無視した。


京太郎「……一人で考えても、何も広がりませんよ。」

実感したこと。
事実感じたこと。
多分、あのまま長野にいたら俺は腐っていた。
だからこそ、こう言い出す。

京太郎「目の前の、人と話して。」

京太郎「飲み込んで、理解して。」

京太郎「泣いて、頑張るしか無い……と思います。」

京太郎「俺は、そうでした。」


それだけを言って、下がった。

???「あ、ちょっと!」

菫「龍門渕の。 ……彼奴の其のことには触れないでやってくれ。」

???「って、貴女は弘世さん。 ……随分お早いですね?」

菫「私はどちらかと言えば彼奴の付き添いだよ。 だからこそ、だな。」

???「付き添い? 貴女程の家の方が?」

菫「言っただろう? 須賀、だ。 縁戚でね。」

???「……何処にでも有る名字でなくて、あの須賀、ですか?」

菫「そうだよ。 ま、色々あってね。」

…………離れていく間。
立ち直ってくれればいい、と。
素直に思った。


その後で、あの人に自己紹介された。
龍門渕透華、龍門渕財閥の一人娘。
恐らく、最終的に衣さんを引き取ることになる、と。

京太郎「……だったら、落ち着いたら伝言をお願いできますか?」

透華「伝言、ですの?」 ハテ

京太郎「ええ。 ……単純ですから。」

京太郎「全国大会を見ていてくれ、と。」

透華「……大会?」

京太郎「俺からの、応援みたいなものです。 一度経験していますから。」

このことに関しては、先輩だから。
そう、笑ったつもりだった。

さて、次で地方大会編でござんす。 この話はここまで。


7月、全国大会予選、奈良大会。
上位四人までが全国大会に進める、個人戦。
最初だけはスイスドロー、で半荘一回。 
絞ってからは半荘を二回。 総点数で決着をつける。
そんなはず、なんだけども――――。

京太郎「ツモ。 三色。」

京太郎「ロン。 リーチ一発小三元。」

京太郎「ツモ。 あ、ごめんなさい大三元です。」

……あれ?


待て、落ち着け俺。
こんなに簡単に上がれるはずがない。
こうやって俺を混乱させておいて実際には突き刺してくるんだろう――――!
あ、その牌漏れるんだ。 じゃあロン。

憧「何あれ、虐殺?」

宥「まあ、仕方ないよねぇ……。」 アハハ

穏乃「京太郎、現実だと私らくらいしか打たないもんねー。」

あれ。
いや、なんでそんな顔されるの?


京太郎「なぁ、俺何かひどいことした?」

玄「周囲の子には酷いことしたと思うのです。」

京太郎「えっ。 普通に打ってただけですよ!?」 ガーン

憧「強くなりすぎた、ってのもあるだろうけど……多分、そっちもあるかなぁ。」

手元の書類。
レジェンド謹製の各個人対策ノート。
正直危険そうな相手についてだけ書いてあるけど、ここまで綺麗に嵌まるとは。
さすレジェ。


京太郎「まあ、特に問題なく準決勝までは行けたしいいんでしょうけどね……。」

宥「あはは。 頑張って、ね?」

とりあえず卓で常に一位でいたら普通に準決勝に行けてしまった。
これでいいのか正直不安。

京太郎「いいのかなぁ……。」

憧「アンタはそのままでいいのよ。 多分、ね。」

多分かよ。


結局。
準決勝は普通に相手を箱にして勝利。
決勝では、最初に狙い打ちされたけどツモってきっちり逆転。
狙い撃ちするのはいいですけど、その隙を全員で狙ってちゃ楽しくないですよね?
麻雀って本来楽しむものでしょう?

アナウンサー「圧倒的、ですね。」

???「一人だけ腕の違う子がいるねー。」

アナウンサー「プロの目から見て、どうです?」

???「多分、教えた人が相当やるんだと思う。 或いはー……ま、いいか☆」

アナウンサー「いや良くないです。」

とりあえず。
全国までの切符は手に入れたから、良しとしよう。

@魔物と毎日のように打つ+オカルト起動+レジェンドに因る分析(シノハユ参照)=虐殺
にわか先輩、2つ学年が違って良かったっすね。
……と、まあ本日ここまで。 お疲れ様。

あからさまに強化され続ける京ちゃん。
想定外に強くなりすぎたらアラフォー召喚の儀式でもいいかな……(

流石にオリキャラライバルは難しいからのー。
一人くらいいてもいいとは思うけど能力考えるのがめんどくさい。

ちまちま書いていこう。


白望「……来た。」

京太郎「また早いですねシロさん。」

白望「ん。 ……まあ、始発だし。」

7月後半。
奈良に来て、二度目の夏休み。 超暑い時期。
そして、二度目の親戚との直接的な会話の時期。
あ、宥さんはいつも通りマフラーでした。 今朝見かけた。


白望「菫と淡は明日だってね。」 ウゴキタクナイ

京太郎「みたいですね。 流石お嬢様とアレ、ってとこでしょうか。」

白望「……去年、宿題一つ持ってくるの忘れてたみたいだよ。 淡。」

京太郎「ああ……だから今年遅いのか……?」

色々有るしなぁ、ポスターとか読書感想文とか。
因みに俺は面倒なポスターは早めに処理するタイプ。
感想文? 自由なのでいいから前もって咲に勧められたので書いておいた。

白望「……というわけで、今日は二人。」 ダル

京太郎「そうですねー。」

この人、面倒臭がりだけど空気は悪くしないから気は疲れないんだよな……。


京太郎「お爺ちゃん達は今日は仕事なんで。 帰りは遅くなると思います。」

白望「いつもどーりね……。」 ダルダル

京太郎「と、なると何しましょうかねー……。」 ンー

白望「二人、だしね……。」

そんなぐだぐだとした会話をしながら、家へと向かう。
……玄関先、いつかの大阪で見たような制服の子がいる。

京太郎「……あれ?」

???「んあ。 ……あー、どうも。」

京太郎「はぁ……えーと。」

なんと言っていいんだ、この状況。


白望「……んーと……。 誰?」 カシゲ

???「あ、そやな。 園城寺怜……其処の子に、こないだ助けてもらった感じや。」

京太郎「あ、はいこないだはどうも。 須賀京太郎と言います。」

あ、シロさんが動いてくれた。良かった。
……怜さん、と。

京太郎「あのー、それでどんな感じの用です……?」

怜「こないだのお礼。 ちょお遠かったけど……これ、どーぞ。」

手渡しされたのは、幾つかのまんまお土産。
こないだよりは大分マシに見える体調。
ただ、それでも何処か白い。 存在が希薄というか。


白望「んー……悪い子、じゃないとは思うよ。」 ボソ

何かを考え込んだような後、こっそり囁いてくるシロさん。
こういうところは信頼というか、頼りにしてる。

京太郎「……とりあえず、上がっていって下さい。 お茶くらいなら。」

怜「助かるわー。 療養に此方来てんねんけどなー。」

京太郎「療養……ですか?」

怜「見て分かるやろけど、あんま身体強くなくてな?」

あ、はい。
それは見ればわかります。


怜「休みくらいは、自然の近くで……って、私の両親がな。」

京太郎「まあ、確かにこの辺は大阪よりは緑ありますけどね……。」

後地味に温泉。
山々に囲まれているから、そういう意味では自然豊富だけど。

怜「学校の関係もあるから、実質2~3週間やけど。 もし会ったらよろしゅーな。」

京太郎「はーい。」

白望「……ん。」 ムスー

京太郎「シロさん?」 クビカシゲ

京太郎「……なんでもない。」

さて、空いた時間何しよう。
何故か、シロさんが不機嫌になってたけどよくわからないし。

※この後めっちゃ三麻した。
というわけでやっと怜出没。 どっかでりゅーかがPOPして大体終わりかなメイン勢……。
ヒロイン誰だうごごごご。

とりま夏休みパートで誰ヒロインにするか三人くらい決めるか。
誰か見たいヒロインいるー? 能動的に外すキャラもいれば優先するキャラも居るけど敢えてシークレット。

気付けばなんだこれ

とりあえず一話だけ投げてお茶を濁す。
今回は特に意見募集関係ないやつです。

7月も終わり。
大会はまあ、当然のように(普通無いと思うんだけど)優勝してしまった。
全国は9月。 それまでは鍛えようと思う。
思うんだけど――――。

晴絵「京太郎、アンタ一体何したの。」

京太郎「は?」

何か、レジェンドが頭抱えてる。


晴絵「大会で優勝したわよね。 私もネットで見たけど。」

京太郎「え、うん。 勝ったけど?」

決勝以外は割とあっさり。
シズみたいに、後半なんか空気が重くもならないし。
憧みたいに、鳴けば大概シャンテン数。 或いは一発載せてきたりもないし。
玄さんみたいに、ドラ抱えられるから手が安くなったりもないし。

宥「京太郎君、がどうかしたんですか?」 シンパイ

宥さんみたいに、中と萬子、後は赤ドラが持っていかれることもないし。


晴絵「いや、勝ったことを別に攻めるわけじゃないのよ。 寧ろそれは褒めるべきことだし。」

京太郎「え、じゃあ何? すげー気になるんだけど。」

晴絵「牌譜見たんだけどさ。」

晴絵「明らかに後半、出る牌引く牌じゃないもの出たり引いてたりしてたけど、何かしたの?」

京太郎「……は?」

いや、確かに超危険牌普通に切られたり。
地獄待ちになってしまった牌を一巡で引いてきて大物手になったりはしたけど。


京太郎「偶然でしょ?」

晴絵「あのね。 仮にも全国出場経験者がンな牌落としたりすると思う?」

それに、と。
何かを前置きするように。

晴絵「私が注意するように言った中には、多分あんたらみたいな感じのがいたのよ。」

晴絵「にも関わらず、大半がその傾向出せずに落ちてる。 何かしたのか聞きたくもなるでしょ。」

宥「……運が悪かっただけ、とか?」

晴絵「それならいいんだけどねえ……。」


晴絵「ま、全国用のも作ってあげるけど。 多分警戒されてるから注意しなさいよ、京太郎。」

京太郎「いや、正直咲と淡がいる時点で注意も何も全力だし……。」

言ってないけど、衣さんの事も含めて。
目指すは優勝。

宥「優勝出来れば、皆嬉しいだろうしねえ。」 アッタカーイ

京太郎「教え子が優秀ならレジェンドも就職先見つかるよ多分。」

晴絵「アンタその無駄な気配りやめなさいよ……。」

京太郎「だって三年だろ? 仕事大丈夫?」

あ、崩れ落ちた。


京太郎「3人はどっか遊び行ったしなー。」

憧とシズと淡。
精神年齢が近いのかどーなのか、大概彼奴等は一緒にいる。

宥「シロちゃんは?」

京太郎「玄さんが引っ張っていったので、多分何処かの温泉ですかね……。」

玄さんも玄さんで、宥さんとは別にシロさんと仲がいい。
正直姉妹のスキンシップかもしれないけど、目の前でやらないでもらえますか。

京太郎「なので、多分……俺と宥さんと、菫さんくらいですかね。」

宥「じゃ、早めに帰ろ? 菫ちゃん待たせるのもあんまり、良くないし。」 ギュ

京太郎「ですか、ね。 色々と、また勉強しましょうか。」 ギュ

手を握り、握り合って。
松実館、恐らくは厨房か客室で手伝ってる菫さんの元へと歩いていく。
……影が、ゆっくりと伸び始めた。
手は、離さないまま。

とりあえず一話こんなもん。 後三話くらいですかね。
買い物行ってからになりますんでここまで。


穏乃「えーと……此処って関が原?」

憧「ねえシズ。 織田信長が奇襲仕掛けた戦いなのにそれは早すぎると思わない?」

穏乃「歴史とか苦手だよー!」

京太郎「お前が得意な教科ってなんなんだよ……。」

穏乃「体育!」

京太郎「聞くんじゃなかった!」 ハァ

8月頭。
どうせやってないであろう宿題を片付けるためにまとまって勉強会。


淡「あわー。 絶対量がおかしいよこれー」

京太郎「毎日コツコツやりゃ終わるだろうに……。」

淡「じゃあ京太郎はどんくらい進んでるのさ!」

京太郎「もう終わった。」

穏乃「見せて!」 ガバッ

京太郎「俺は男でも女でも平等に殴れる男になりたい。」 ゴゴゴ

穏乃「暴力はんたーい!」 ギャー

とっとと終わらせるぞ。
それが済んだらおやつにするんだから。


穏乃「」 ズーン

淡「」 ズズーン

憧「二人ほどゾンビがいるけど。」

京太郎「進めてない奴らが悪いんだろ……。」

そう言いながら、食材入れを見る。
確かこの間買ってきたホットケーキミックスがあったはず。
これでパッパと作ればいいか。

憧「しかしどこまで器用になるの、アンタ。」

京太郎「男ならこれくらい出来て普通じゃねーの?」 タマゴワリー

憧「他の男友達を見てみなさいよ……。」

お前普段男から距離取ってるのにそういう所見てるのな。
お前自身はどうなのか聞いてみたいけど。


京太郎「……そういや、誰も作れないな。」

憧「でしょ? それが普通なのよ。」

京太郎「でも出来たほうがかっこよくね?」

憧「その価値観は良く分かんないわ……。」 ハァ

えー。
なんでも出来るスーパーマンってカッコイイじゃん。
何か間違ってんのかな。


京太郎「まー、いいや。 出来たやつから持ってってくれー。」

憧「はいはい……って私が?」

京太郎「欠食児童に餌先に与えないと暴れそうだし……。」

憧「児童……子供…………ふきゅ。」

おい、今の声なんだ。
いいから持ってけ。
俺も食ったら軽く打ちたいんだ。

8時くらいから後二話くらいー?

カプスレの方にも一話ぶん投げたいしガリガリ書くよー。

小蒔「…………。」 スゥスゥ

京太郎「(ネトマしながら寝るってどうなってるんだろう……。):

現在、憧を入れた親戚3人+1で麻雀中。
やることもないのでネットに繋いで暇だった小蒔さんと一緒にネトマ。
最近、暇な人を捕まえてやるのが多くなりつつ有るわけだけど。

京太郎「(前は寝てなかったよな……?)」

其のはず。


ただ、寝ながらこの人普通に打ってくるんだよな。
しかも打ち方が微妙に変わって。

京太郎「あ、それチー」 タンッ

小蒔「…・…。」 フゥム

最初は寝ながら打ってくることに戸惑って声を掛けてたけど起きないのを理解した。
それ以降は無駄だと割り切って、普通に打ってるけど。

小蒔「……むにゃ。」 リーチ

京太郎「(うわぁ、門前型だぁ……。)」

変わりすぎて対応が相当つらい。


小蒔「……はっ!」 ツモ

京太郎「あ、おはようございます。」

うっげえ親っパネェ……。
やべえ、焼鳥だけは避けてるけど原点割ってる……。

小蒔「あ、おはようございます! ……って、また寝ちゃってました?」

京太郎「ええ、いい寝顔でした。」

そしてクソ火力でした。
ただ、寝てる時の小蒔さんも何処か楽しそうに打つんだよなぁ。


小蒔「ご、ごめんなさい……。」

京太郎「いやいや、いいんですけど。 楽しそうですし。」

小蒔「へ? 楽しそう、ですか?」

京太郎「ええ。 なんというか、ワクワクしてたり笑ってたり。 そういう……気配みたいな?」

小蒔「九面様……が楽しそうに?」 エッ

俺は何も聞いてないぞ。
聞いたら面倒になりそうだから何も聞いてないぞ。

京太郎「まあ、まだ後東4局残ってますし。 続けましょう?」

小蒔「あ、はい!」


ただ、また直ぐ寝てしまう。
打ち方が変幻自在、その場その場によって違った形に変化する。
ある意味、これはトッププロ相手にしてるようなものと考える。
自分の打ち方を貫く人もいれば、変えてくる人もいるだろうから。

京太郎「(――――先ずは、勝つ!)」 タンッ

勝率を上げていこう。
せめて、ネトマで勝率5割。
完全にデジタルと、変な引き寄せが合わされば相当俺は強く成れるはずだから。

(姫様、ネトマで神降ろしラーニング

ちょっち此方仕上げちゃうのでここまでってことでお願いしまーす。
ハーメルンかなぁ……

おっしゃ明日から再開! おやすみ!


京太郎「最近思うんですけど。」

白望「……うん。」

京太郎「なんでシロさん俺に近いんです?」

白望「……なんとなく?」

京太郎「いや、何となく、って。」 アセ

何でも無い昼下がりの、そんな時間。
珍しくやる事も無かったのでボーッとしてると。
日光浴でもしてたようなシロさんが背を傾けてきた。


京太郎「理由がある訳じゃ無いんですよね?」

白望「そうだけど。」

京太郎「まぁ、嫌とは言いませんが。」

白望「身長差、楽。」 ダルー

あ、はい。
分かりやすい座椅子みたいなものですね。


京太郎「ってそうじゃなく。」

白望「じゃあ、何?」

京太郎「一応、男と女の人な訳でして。」

白望「……そうだね?」

京太郎「そうだね、って貴女……。」

え、何。
何とも思ってないの?


白望「……何かするの?」 ゴローン

京太郎「別にしませんけど。」

白望「……じゃ、良いよね。」

……この人の考えが読めない。
本気で何考えてるの?
猫か何か?

白望「」 ダルーン

京太郎「(色々成長してきてるんだけどなぁ……。)」 ハァ

言っても分からないんだろうなぁ。
諦めるか。

こあくまシロさん。

うーい


さて、問題の時期がやってきた。
小学生全国大会。
全国から256人が集まって鎬を削る大会、なのだけど。

京太郎「……何か見られてね?」

咲「そりゃそうだよ、京ちゃん。」

淡「当然だと思うけどー。」

お前らに言われるとなんか凄い屈辱。


京太郎「一応聞くけど、お前ら成績はどーだったの。」

咲「え、長野一位。」

淡「千葉一位だけど。」

京太郎「で、俺が奈良一位。 ……そりゃ見られるよな!」

やけに親しげに話す一位集団。
警戒もするし近寄りもしないよな! そりゃそうだよな!
やっべえ気付いてなかったよ俺!

京太郎「はぁ…………。」

咲「え、どうしたの!? 頭痛とか!?」

そうだよ頭痛だよ。


京太郎「警戒されたくなかったんだけど……。」

淡「無理でしょ。 この淡様がいるんだから!」 ババーン

京太郎「はいはい道の真ん中で立たない。」 ズルズル

淡「あっ、ちょっ、服伸びる……!」

ザワザワ
何してんだ彼奴等
あれ長野一位の宮永じゃないか? エッアノミヤナガ
其の隣は千葉一位の大星じゃない……。
隣の誰だ タシカナライチイ

……あれ、何か俺だけ扱い薄い。


京太郎「何か既にお前らに復讐したい気分なんだけど……。」

咲「いいよ! 当たったら本気でやろうね!」

淡「決勝じゃないかなー」 アハハ

……俺等全員が決勝に上がったとして。
其の卓がどんな変化起こすのかが凄い怖いんだけど。

京太郎「大丈夫かな……。」

???「(無理だと思うな☆)」

あ、誰か見てた。

大会(1)終了。

誰が出ても酷いことになりそう……


京太郎「あ、ごめん。 それロン。」

A「ま、また…………!?」

京太郎「うん。 白・中・自風牌のみね」

A「…………。」 ナミダメ

アナウンサー「あの卓酷いことになってませんか?」

???「あのアガり方はちょっと酷いかなー☆」


咲「カン。 もいっこカン。 これもカン、で嶺上開花です。」

B「それ何度目!? え、細工してるんじゃ……!?」

咲「えー、麻雀って楽しいですよね!」

B「」 パクパク

C「(楽しくないです)」

D「(いじめってこういうのかな……。)」

咲「じゃ、次行きましょう!」


淡「はーい、カン! でツモ! 裏ドラ3つ頂きー!」

E「何、この初牌……。」

F「(何度目だよ、あのダブリー……。)」

G「(俺の能力が……働いてない……!?)」

淡「はいはい、次行こっか次。 待たせてるんだよねー。」

アナウンサー「あの三卓可笑しいですよね!?」

???「魔境の年なのかなぁ……。」 ヒヤアセ


京太郎「映像で見た。 お前ら周囲にトラウマ撒くのやめろよ!?」

咲「そういう京ちゃんだって! 何あのアガり! 字牌ばっかじゃん!」

淡「強いやつが勝つ! それが常識でしょ?」

京太郎「その考えしてると誰も打ってくれなくなるぞ、マジで。」

淡「あわっ!?」

咲「お、脅すのやめようよ……。」

いいえ、脅しじゃありません。 マジです。


京太郎「あー……こんな時間か。 飯食ったら準決勝の発表だろ?」

淡「ね、ねえキョータロー。 いなくなるって嘘、だよね?」

京太郎「マジだけど。」

淡「や、やだよ!」

……何か勘違いしてねーかな、此奴。
まあいいか、関係ないし。

咲「……ご飯?」

京太郎「……ファミレスでいいよな。」

お前らが一人で飯に行けるとは思えません。
俺は行ったことあるけど! 一人で!!!

小学生らしいドヤ顔です。
尚年を取ると……(ここまで


京太郎「思えばやり過ぎてしまったかもしれん……。」

淡「なにそれ、漫画の台詞?」 ケラケラ

京太郎「いやまあそうだけどさー。」

咲「二人共、なんでそんな余裕なの……?」 ガタガタ

京太郎「え、だって…………?」

淡「ねえ……?」

点数を見ろ点数を。


咲「私なんてギリギリだったよ!」

淡「あのね、サキ。 最後相手の顔見た?」 マガオ

京太郎「いや、俺も映像で見ただけだけどさ……。」

相手泣いてたの気付いてた?
必死で何かやろうとしたけど無効化されてた感じだぞ? あれ。

咲「え、ごめん。 急いでて見てなかった。」

京太郎「なんでナチュラルに外道やってんのお前……。」

咲「ええっ!?」


管理側「あのー、そろそろ始まりますので……。」

京太郎「あ、はーい。」

淡「もう始まるんだー。」

咲「ほ、ほら! 行こうよ!」

京太郎「露骨に逃げたな……まあいい。」

だって、なぁ。


京太郎「決勝戦じゃ逃げ場無いもんな……」 ゴッ

淡「だよねー!」 ゴゴッ

咲「わ、私は楽しめればいいけど……。」

京太郎「そう言ってるお前が一番ひどいけど、まぁ。」

特に、今回は。

京太郎「負けられねえ理由もあるんだよ。」

なあ、見ててくれると嬉しいんだけどな。
衣さん。

戦闘前。

とりあえず全4冊購入……。
シノハユは色々参考になるので助かります。


京太郎「(……まぁ、予想してたけどさ)」

咲「(え、なにこれ)」

淡「(うー……。)」

憩「はい、自摸ですーぅ。」 パタン

京太郎「(……どうなってんだ、あの人。)」

決勝戦。
相手は大方の予想通り、今年の優勝候補。
荒川憩。


京太郎「……ん、ポン。」

淡「え、また!?」 ビクッ

咲「特急券……。」

京太郎「(淡は良い。 シャンテン数が3くらいになるんだ、安定しない効果は特に無視できる)」

京太郎「(寧ろ、問題はダブリー”する時”と”しない時”の違いか……。)」 チラッ

淡「……よっし、リーチ!」

憩「手が読めないのは面倒ですねーぇ。」 タン

京太郎「……それだ、ロン。」


憩「はいはいー。」 スッ

京太郎「……どうも。」

京太郎「(問題はこれから、なんだよなぁ……。)」

アナウンサー「おーっと、荒川選手が振り込みました。 どう思われますか? 瑞原プロ。」

はやり「……んー、わざと、かな?」

アナウンサー「敢えて……ですか?」

はやり「うん、見てて☆」


憩「じゃーぁ。 今度こそ、リーチ。」 ゴッ

京太郎「(不味…………ッ!?)」 ゼンリョクデオリ

淡「……ッ!」 タン

咲「それカン! ……これ、かな。」 タン

憩「残念ですけど、それでーすぅ。」 ロン

はやり「……ね?」

アナウンサー「いや、何がですか。 何が見えてるんですか。」

はやり「んー……縛り、みたいな?」

アナウンサー「はぁ……。」 ナニイッテンダコノヒト


京太郎「(……負けられねえのに……!)」

咲「(点差的に、誰でも勝てる可能性あるのがまた……。)」 チラッ

淡「(私が負ける……!?)」

憩「じゃ、オーラス。 ……ごめんなぁ?」

京太郎「……は?」

憩「ダブル立直。」 タン

咲「此処で……!?」


京太郎「(……通れ!)」 タン

咲「(……分かんない、けど。 やるしかない!)」 タン

淡「(んー……通る!)」 ダン

スッ

憩「……自摸。 ダブリー、一発……で、アガりやめですぅ。」

アナウンサー「おおーっと! 最後は呆気ない幕切れだー!」

はやり「いや、最後のは……ま、言っても分かんないよね★」

アナウンサー「あ、あの。 瑞原プロ? 妙に当たり強くありません?」

はやり「気のせいだよ★」 ゴッ

京太郎「……届かなかった、かぁ。」

小学五年生:全国2位。
これが、結局。
今年手に入れられた、記録だった。

決着。
まあ全国クラスにはまだ届かない。

(だって原作上位勢って始めて5ヶ月で東海王者とか普通にいるし……)
まあまだ成長途中ですからね。
個人戦上位4人は狂ってます……結局3位までは分かるが4位誰なんだあの世界。

やっぱ三年なのかなぁ。
まあ初手テスカトリポカとかいう言霊が飛び交う世界だけども……

去年時点(二年時)だと分かってんのがテルーとガイトさんと憩さん、であと一人だっけ。
まあ弄くればなんとかなる、かな。

もう少しやっとこ、遅れ気味だし

ぶっちゃけ高校生の大会を20が解説、よりははやりんならありそうだし……?(元々の目指してた方向性としても


京太郎「あー……。」

憧「何叫んでんの? アンタ。」

京太郎「いやー、なんか気が抜けちゃってさー。」

憧「寝言は寝て言うものよ?」 ハッ

穏乃「おお、憧の当たりが強い……。」 ガタガタ

京太郎「しかたねーだろ、後ちょいで逃したんだし……。」

憧「(どう見ても少しじゃなかったけど)」


憧「で、ハルエ。 京太郎が腑抜けてるからなんとかしたいんだけど。」

晴絵「なんで私に話を持ってきた。」

憧「え、だって私が知ってる中じゃ一番強いし。」

晴絵「条件次第じゃ八坂の爺様とかも怖いんだけどなー……。」

京太郎「あのー、無視しないでもらえるー?」

晴絵「ああごめんごめん。 でもどーしたもんかねー。」 ハァ

俺が知るか。


穏乃「んー、じゃあさー、レジェンド。」 キョシュ

晴絵「はい、シズ。 何か意見有るの?」

穏乃「別のことして遊んだりしたらどーだろ。」

晴絵「ふぅむ。 まー、気分転換は悪くない手か。」

京太郎「俺の意見無視してどんどん進んでない?」

晴絵「え? 意見出せる立場だと思ってるの?」

京太郎「酷くね、このレジェンド(仮)」

晴絵「仮って何仮って! しかもカッコカッコトジまで!」


晴絵「そうか……そうかぁ……。 じゃあ仕方ないよねえ……。」 ユラリ

憧「ハルエが怖いんだけど、シズ」

穏乃「全部京太郎が悪いんだよ!」

憧「そりゃそうだけど!」

京太郎「待て、お前らにも一割くらい責任あるだろ」 アセアセ

晴絵「よし決めた。 ちょっと連絡してくる!」

京太郎「は、誰に。」

晴絵「え、宥と玄当たり。 知り合いでもいいけど今仕事で忙しいからなー。」

京太郎「……何を?」

晴絵「二人に遊びに連れて行かせようと思う。」

…………は?

次回、レジェンド考案デート(爆笑)。
はやりんとか何処で出していいか迷います。

クリスマスだし若干未来の話しでも書こうかな。
誰にすっかなヒロイン……

まあ明日起きたら書きましょう。
多分今後出る予定のキャラとかかもなぁ……おやすみなさい。

※未来の話です。
※現在出ていないキャラが出ます。
※ifです。

京太郎「さて、この辺だって話だけど……」 キョロキョロ

ヴーッヴーッ

京太郎「ん、メール……?」 カチ

???「だ~れだ。」 メオオイ

京太郎「……何してるんですか、咏さん。」 ハァ

咏「あれ?バレバレだった?」 ヘラヘラ

京太郎「そりゃ此処に呼び出したの咏さんでしょーに。」

現在クリスマスイヴ。
本来バイトのはずだったけど急遽用事で呼び出されてこんな形。
と言うかこの人、仕事どうしたんだ一体。


咏「正直誰かと一緒にいると思ってたんだけどねぃ。」 ヘラヘラ

京太郎「皆俺以外といますよ。 寂しいクリスマスです。」

咏「(絶対牽制しあったとかだと思うんだけど)」

京太郎「んで、どーかしたんですか?」

咏「んや。 今日っぽかり空いてねぇ。 んで、京太郎捕まえられたしー?」 ガシッ

京太郎「一体何をする気なんですか社会人……!」

咏「一回り違わないんだからへーきへーき。 色々教えちゃるから買い物行こうぜぃ?」

京太郎「その為の呼び出しか……! ……いや、まあ、いいですけど。」 ハァ

咏「おや意外。」

京太郎「だって、別に咏さん嫌いではないですし。」 サラリ

咏「……そういうとこ、卑怯だぜ?」 カアア

京太郎「卑怯ですよー、俺は。 さて、行きますか。」 グイ

咏「あ、ちょ、待って……!」

……聖なる夜。
此後何があったかは想像におまかせする。

後一本……どうしよ、見たいキャラどーぞ。
プロ勢だと多分咏さんが一番好き。 打ち方の豪快さと言い性格といい。

はやり「でー、なんで私なのかなー☆」

京太郎「いや、あの。」

はやり「私忙しかったりするんだけども★」 ゴッ

京太郎「嫌だったら良いんですけどね……。」 ハァ

はやり「……ん?」

京太郎「お忙しいって聞いてたんで、気晴らしに誘ったつもりだったんですけど……。」

はやり「……へ?」

京太郎「嫌なら良いですよ嫌なら。」 プイ

はやり「ご、ごめんね?」

京太郎「色々と準備もしてたんですけどねー」

はやり「準備……?」

京太郎「無駄になっちゃうなー」

はやり「あの、だから、えーと……。」

京太郎「……と、まあ弄るのはこれくらいにして。」

はやり「いや……え? 弄る?」

京太郎「色々苛立ってたのも分かりますよ(年齢が年齢だし)」

はやり「(今絶対なんか考えた)」

京太郎「まあ、一年の疲れを癒やす意味で、どうです? 料理くらいは用意してますよ。」

はやり「あー、うー……いいの?」

京太郎「無駄になった食材を見る勇気があるんでしたら。」

……若干ずるいけど。
ま、いつもの仕返しだ。 これくらいは許されるだろう。

はやりん編。
小5時点だと23(24)で咏さんも……えーと20(21)か。
出そうと思えば出せる年代なんだよな……

咏さんと酒飲みたい(昼間の発言

良し、出すか。
夜辺りに


宥「えーっと……赤土先生に言われたんだけどぉ……。」

玄「一体何するんです?」

京太郎「俺に聞かないで下さい……。」

いつもの思いつきなんで。
後多分八つ当たり。

玄「何処か行きたい所あります? 京太郎君。」 フンス

京太郎「いえ、特には……?」

宥「あんまりあったかくないところは嫌、かなぁ……。」 プルプル

玄「んー……じゃあ、ちょっと遠出するのです!」

何処に行く気ですか。


『次は、大阪――――大阪――――。』

玄「というわけで来たのです!」

京太郎「なんで!?」

玄「欲しい服とか諸々あって?」 クビカシゲ

宥「く、玄ちゃぁん……。」 プルプル

京太郎「……宥さん震えてますけど。」

玄「お姉ちゃんも少しは外出ないと駄目なのです!」 カラダニワルイ

宥「そ、そう言われてもぉ……。」

京太郎「大丈夫なんですか今日。」

玄「赤土先生から一応、指示のメールは来たんだけど……。」 メルメル


メール『手を繋いでラヴラヴカップルみたいに動くと良いよ☆』

京太郎「見なかったことにしていいですか」 シゴジャネーカ

玄「私もそうしたいくらいなのです。」 ハズカシイ

宥「?」

京太郎「……まあいいです。 何買いに行くんですか。」

玄「先ずは…………アレ!」 ビシィ

『ランジェリーショップ』 ←アレ

京太郎「帰っていいですか。」 ナニイッテンノコノヒト

宥「だ、駄目だよぉ……。」


玄『わ、おねーちゃんまた……。』

宥『く、玄ちゃん……恥ずかし……。』

京太郎「(俺はこんなところで何をしているんだ)」 ※店前待機

京太郎「レジェンドに後で嫌がらせのメール送っとかないと……。」

?「……んお?」

??「ん、どうかしたん?」

京太郎「(しかし超恥ずかしいから早く出てきてくれないかな……。)」

?「京太郎やん。 何してるん?」

京太郎「へ…………?」 ウエムキ


京太郎「怜さん。 あれ、お久しぶりです!」

怜「つーてもほんの二ヶ月ちょいくらいやけどなぁ。」 ネットデハカオミテタケド

??「怜、この子誰なん?」

京太郎「そういやそうですね、初めまして、ですか。」

怜「あー。 この子がほら、前私助けてくれた子やねん。」

京太郎「その説明で良いのか分かりませんけど……。 須賀京太郎です。」

??「清水谷竜華……怜の親友、ってとこやね。 怜助けてくれてあんがとな?」

京太郎「いえいえ、俺は何もしてませんし。 ちょっと通報しただけです。」

竜華「でも助けたことには変わりないんやろ? ならあんがと、やね。」 フフッ

京太郎「(美人でいい人だ……!)」


玄「お待たせしましたので……。」

怜「んで、これからどないするん?」

竜華「時間があるんやったら……。」

京太郎「いえ、ちょっと……。」

玄「……。」 ムー

宥「玄ちゃん?」 アッタカクナイ

玄「おねーちゃん、あれ……。」

宥「……声、掛ければ大丈夫だよ? 京太郎君、なんだから。」

玄「……うん。」

京太郎「……あ!やっと出てきた! 玄さんに宥さん!」

怜「お。 お二人さんもお久しぶりー。」

宥「……ええ、お久しぶりです。 園城寺さん。」 ゴッ


怜「……何? 買い物か何かってトコ?」 イラッ

宥「ええ、ちょっと三人で。」 ニコッ

玄「ごめんなのです! お待たせしちゃって!」

竜華「ああ、成程……。」 フム

京太郎「(声出しちゃいけない気がする)」 ピキーン

今声出したら絶対厄介なことになる。
息を潜めるんだ、俺……。

竜華「せやったら、ご飯くらいは一緒せーへん? 近くに良いお店あるんよ。」

玄「……どーする? 京太郎君。」

京太郎「おまかせします……。」

怜「只の買い物だったら私達も一緒してもえーよな? 一人寂しそうやったし。」 ニコッ

宥「こういう所に男の子は入れないと思いません?」 ニコッ

京太郎「(その前に、これどうにか出来るの?)」

※なんとかなりました。

クロチャー、嫉妬に目覚める。


11月。
山の合間にある、阿知賀の辺りは結構急に寒くなり始めてきた。

京太郎「うぉ、寒っ……。 ジャンバー出さないとなぁ。」

この間の大阪の時に買ってきたのはある。
ただまだ仕舞いっぱなし。 今度出さなければ。

穏乃「おいーっす!京太郎!」

憧「あ、おはよ。」

京太郎「シズ……お前さぁ、ホントさぁ……。」 ハァ

穏乃「うゆ?」

京太郎「見てて寒いんだよ! もう少し着ろ!」

憧「あ、それは同意。」


穏乃「えー。」

京太郎「寒くないのか……?」

穏乃「うん! こうしてればいつでもへーき!」 ダダダダ

京太郎「……憧。」

憧「諦めたほうが楽になるわよ……。」

言うだけ言うけど基本諦めっすか……。


それから、少したって放課後。

晴絵「うーし、来たわね全員!」

京太郎「どーしたレジェンド。」

玄「何か私達に言いたいことがあるとか言ってましたのです。」

宥「な、なんだろ……。」

玄「ボーリング行こうと思ってたのに……。」

ああ、あのなんか立ってるボーリング場。
前に一回遊びに行ってから行ってないなー。

晴絵「じゃじゃーん。 これ!」 バッ

京太郎「何々……子供向けのプロ説明会?」


晴絵「知り合いに貰ってねー。 まあ知り合い自体は出られなくなったみたいなんだけど。」

京太郎「……その言い方からすると、知り合いが”開催側”なんだけど。」

晴絵「大人の女には秘密があるのよ☆」

うわウザい。

憧「ハルエ、無いわー」

穏乃「赤土先生……。」

玄「……ノーコメントなのです。」

宥「あったかくない……。」

京太郎「全員からボッコボコにされてるな、レジェンド。」

晴絵「」 チーン


京太郎「まぁ……プロ、か。」

実際テレビとかで見かけるくらい。
其処まで熱心に誰かを追いかけてるとかいうわけでもなく。
何となく、好きな打ち方の人を覚えているかどうかレベル。

京太郎「行ってみるのも有り、か…?」

宥「……いい経験に、なると思うよ?」 ニコッ

京太郎「そうです、かね……?」

憧「いちいち考えてないで、行ってから考えたら?」

穏乃「えーと……来月だね! 此方での試合の遠征のついでみたい!」

京太郎「それもそうか。 ……行ってみるかぁ。」

※プロ登場フラグ。
但しはやりんあたりは暫く先。



クロチャーが中1りゅーかのおもちをスルーしてる…だと…

>>539
おもち度<嫉妬
つまり…………?

微かに嫉妬してる女の子って良いと思います(こんばんは


ワイワイガヤガヤ

プロA「はい、じゃあ初心者はこっちー。」

プロB「ある程度打てる子は此方なー。」

12月。
例の、プロ大集合の日。
言ってしまえば感謝祭、のようなものらしい。

京太郎「結構人いるなぁ……。」 キョロキョロ

晴絵「ま、そりゃそうでしょうよ。」

玄「お、おもち……。」 フラフラ

宥「玄ちゃん?」 ニッコリ

……なんかお爺ちゃんに渡された、目深帽を被っての今日の参加。
普段帽子なんて被らないから、何かものすごい違和感がある。


晴絵「解ってるわよね、京太郎。」

京太郎「なんで俺だけこんなのを……。」 メンドクサイ

晴絵「面倒臭い事に巻き込まれないように、よ。」

憧「あー……。」

宥「……に、似合ってるよ?」

京太郎「お世辞は良いです……。」 ハァ

いや、なんとなくは分かるよ。
仮にも小学生大会二位なんだから多分囲まれるのは分かるよ。
面倒臭い。

穏乃「たまには変わっていいと思うけどなぁ。」 ジャージ

京太郎「そういうお前は普段と変わんねえじゃんか……!」


晴絵「ほらほら。 折角なんだし自由行動ってことで。」

京太郎「へーい……。」

結局何処が集まったんだ……?
奈良のチームもあるにはあったはずだけど勝率ボロボロで解散寸前だったはずだし……。
そんなことを思いながら、各チームの出身を見てみる。

京太郎「(延岡と、横浜と、北海道ねえ……何処だ延岡。)」

周囲を見てみれば、確かに色んなチームの制服を着た人がいる。
そんな中に混じって、スーツ姿のおばさんもちらほらいたりいなかったり。
端的に言って、凄い疎外感があった。

憧「で、どーすんの?」

京太郎「付いてきたんだお前……。」

憧「宥姉もいるわよ。」

宥「あ、あはは……。」


京太郎「いや、その辺は良いけどさ。」

憧「何? 私は駄目で宥姉はいいっての?」

京太郎「なんで怒ってるんだよお前……。」

憧「別に怒ってないわよ!」

宥「お、落ち着こう?」 オロオロ

京太郎「あのなぁ……。」 ハァ

憧「何よ!」

京太郎「目立つからやめろ、な?」

ほら、回りが見てる。


憧「~~~~ッ!」 ダッ

京太郎「あっ、おい! 憧!」

何なんだ彼奴。
急に走って何処か行っちまいやがった。

京太郎「……何だ彼奴、急に。」

宥「……京太郎君。」

京太郎「あ、はい。」

宥「追いかけてあげたほうが、良いよ?」

京太郎「え、でも……。」

宥「私は大丈夫。 だから、ね?」

……そうは言われても。
実際、何処まで追いかけて良いものか。

宥「多分――――ね、ずっと後悔すると思うから。」


京太郎「後悔、ですか?」

宥「ほら、早く。」

そんな形で、宥さんに押し出されるように走り出す。
一体、何がどうなのか分からないけれど。
後悔、と言われると。
追いかけるしか、無かった。

宥「……今日は、譲ってあげるね。 憧、ちゃん。」

ぽつり、と。
呟かれた言葉は、聞こえずに。

(プロ出せるか不安になってきた顔
続きは気力があればもう少し後に

子供だから我慢が効かないのです。
良く分からない苛立ちが先立ってその場にいられなくなった感じ


暫く走り回ってみれば。
意外と早く見つかった。
いや、正確に言えば。

憧「…………ばか。」 グスッ

理由は分からないが。
人気の少ない場所で、泣いているのを見つけたのだけど。


憧「…………。」 グスッ

京太郎「……おい、憧。」

なんで泣いているのかが分からない。
なんで逃げ出したのかが分からない。
ただ、それでも。
何となく、俺が悪いような気はしていた。

憧「…………。」

京太郎「あー……俺、何かしたのか?」

憧「…………関係、無いわよ。」 グスッ


京太郎「……ンな嘘つくなよ。」

憧「嘘じゃないわよ……。」

京太郎「バレバレすぎるだろ……。」

憧「嘘じゃ、無いってば……。」

京太郎「じゃあなんで泣いてんだよ!」

憧「どうでもいいでしょ! 馬鹿ァ!」

只の言い合い。
只の罵り合い。
原因不明だからこそ、話し合いがどんどん悪化していく。

京太郎「どうでも良かったらこんなトコ来てねえんだよ!」

憧「五月蝿いわよ……馬鹿!」


??「はいはい、お二人さーん。」

だからこそ、だろうか。
途中で、誰かが割り込んできた事に。
助かった、と思ってしまったのは。

??「折角こんなトコまで来てんのに、何喧嘩してんだっつーの。」

若干ヘラヘラとしたような、和風の少女。
俺より少しだけ、背の小さいような。
それでいて、妙に貫禄のある姿形をしていた。

京太郎「……は、誰?」

憧「………・。」

??「誰、とは失礼だけどねぇ。 まあいっか、ガキンチョだし。」

お前に言われたくはない。


??「ま、なんでだかは私はどーでもいーし、知らんけど。」

憧「……なら、なんで。」

??「このイベント潰れっとめんどくせーことになるからさ。」

そう言って、小さく楽しげに嗤った。
どうでもいい、といったその口で。

??「折角麻雀のイベントに来てんだ。 ちょい相手してよ、お二人さん。」

明らかに、挑発するような口振りで。
そう、言葉を発してきた。

…………何故だろうか。
憧に向いていたはずの怒りが。
その少女に、向いた気がしたのは。

というわけで本日ここまで。
子供ってめんどくせー。 byどっかのロリっぽい和風

(そろそろ思春期入れたかったから、かな……。)

こんなもんですよ、色々ぐちゃぐちゃしてる状況なら。
もう少しでマシになる筈なんで暫くお待ちください。
……小学生からは無理あったかなー?


?「ほい、ツモ。」

ぱたん、と倒された牌。
冷や汗だけが背筋を走った。

??「おいおい、どんな豪運だよ。」

?「そう言いながら止めてるじーさんに言われたくはねーかなー。」

目の前で笑う二人。
目の前が暗くなる、俺。

隅で行われている、人気の無い小さな卓。
にも関わらず、重圧が凄まじかった。


??「ったく、年寄り引っ張り出しやがって。」

?「十分現役だろー? こないだ競り負けたし。」

からからと。
牌の音が聞こえる。

憧「……ん、これ。」 タン

京太郎「……。」 タン

通る。
通ってくれ。
ある意味で、願いながらの一打。

??「悪りぃが通らんよ、坊主。」 パタン

なんでこんなことになっているのか。


京太郎「(なんだよ、これ……。)」

考えても。
考えても、どうにもならない。
他の三人は、何処か楽しそうだというのに。
俺、は。

??「なぁ、坊主よ。」

京太郎「……はい?」

??「お前、何で麻雀やってんだ?」

京太郎「なん、で……?」

……なんで、と問われることだっただろうか。


??「その顔には憶えがある。 だから、まぁ。」

点棒を指に挟みながら。
その老人は、問うて来た。

??「ジジイの節介だ。」

今と、昔。
前と、今。
その、違い。

??「気ィ抜けてる奴には何も起きねーよ。」

京太郎「気……?」

??「やってて楽しいか? 悔しいか? 何だよ、その諦めた顔は。」

?「妙に親切だねぃ、じーさん。」

??「うっせ。」

……。


憧「あの、さ。 京太郎。」

京太郎「……ん。」

憧「……ごめん、ね。」

今のお前に、謝られる事はない。

憧「私、カッとなっちゃってた。」

今、すっげぇ恥ずかしいんだから。

憧「ただ。 こうしてるのは、楽しいよ。」

やる気が起きない。
ただの、どうでもいい。
俺の、逃げだったんだから。

京太郎「……すいませんでしたぁ!」

だから。
今、出来る事をしよう。


京太郎「いやー、負けた負けた!」

それから、何回か卓を囲んだ。
殆ど競り負けたり、トバされたりだったけど。
普通に。
楽しかった。

??「ガキはそんくらいで良いんだよ。 ったく世話掛けやがって。」

京太郎「あ、えっと……その。」

?「謝るのはもう良いっつーの。 しっかし最近の子供もやるねぇ。」

憧「…あ、あはは。」

??「そらそーだ。 そいつ、今年の全国二位だぞ。」

?「ほーん。 男子で。」

それはそれは、と笑われる。
……小さいけど、なんなのこの人。


そろそろ、イベントも終わる。
だから、こそ。

京太郎「あのー……。」

??「あん? 何だよ?」

京太郎「名前、聞いても良いですか…?」

ぽかん、とした顔の後で大爆笑。
なんか笑われる事したか?

??「気付いてねーのかよ!」 ゲラゲラ

?「ボケ過ぎだっつーの!」 ヒーッ

憧「京太郎、アンタ……。」

京太郎「?」


??「ま、良いか。 大沼秋一郎、一応プロやってんだがな。」

?「三尋木詠。 同じくプロだぜぃ?」

……え、マジで。

結局。
もう一度頭を下げて。
何か爆笑されるまま、何故か連絡先を交換して。

忘れられない、12月のその日は。
終わりを告げた。

京太郎、叩きのめされる。
多分こういうの無しで(レジェンド除く)突っ走っちゃったのがアラフォーだと思います。

咏さんの私服姿かぁ……。 何か大正風味な気がする。
さてもう少し進めるか、永水寄りの話


京太郎「ふぁあ……。」

小さな欠伸と共に、電車から降りた。
正直に言ってしまえば、面倒臭い。
それよりももっと言い表せるような言葉があるんだろうけど、思いつかない。

京太郎「(元旦までには帰れるらしいけど……。)」 ハァ

去年もやってきた、鹿児島の神境。
今年も今年とで、冬休みになったのだから遊びに来い、との祖母の一喝。
折角憧やシズ、宥さんたちと遊ぶ予定があったのだけど。

……まあ、それは元旦に出かける予定でチャラ、ということにしてもらおう。


京太郎「まあ、今年は変な迎えが無いだけマシかなぁ……。」

但し、去年みたいな仰々しい迎えがいるなら行かない、との取引の末。
一応迎えはやるけど、道に迷わないため。
そんな取引が成立して、ある意味安心していたのだ。

京太郎「…………ん?」

つい、今の今までは。


巫女服がいる。
いやまあ、それはいい。
鹿児島、特に霧島神境のお膝元だ。
去年も此方に滞在している時にちらほら見かけた。

京太郎「……何、あの、え?」

見るからに、俺と歳は近いと思う。
ただ、先ず間違いなく年上。
顎に手を添えて、時計をちらほら見ながらホームを見ているのだ。
恐らく、迎えは彼女なのだろう。
問題は、だ。

京太郎「(……何だあの胸。)」 ヒトジャネエ

体の一部分に関してだ。

京太郎「(玄さんがいなくて良かった、本当に良かった……!)」

だって、いたら大恥かくところだっただろうから。


?「……あ。」

向こうが此方を見つけたのだろう。
足元が見えないような、滑るような動きで此方に近付いてくる。
正直に言えば怖い。

?「……須賀様、ですか?」

京太郎「あ、はい。 そうですけど……。」

なんだ、様って。
相変わらず此処に来るとむず痒くなる。

?「迎えに上がりました。 石戸霞と申します。」 ペコリ

京太郎「あ、あのー……。」

霞「……はい?」

京太郎「背中が痒くなりますし、正直様付けされるような人間じゃありません。 ……普通にしてもらえません?」

霞「は、はぁ……コホン。 こうで、いいのかしら?」

京太郎「……助かります。」 ハァ


霞「……あんまり、男の子と付き合いがある訳じゃないけど。」

京太郎「それはそうだと思いますけど……?」

霞「……変わってるわね。」 ニコッ

……あ、ちょっとくらっとした。
年上の人が相手だとどうも調子が狂う。

霞「……なんて呼べば?」

京太郎「須賀京太郎、ですから。 何とでも呼んで下さい。」

霞「じゃ、京太郎君、と。 宜しくね。」 ニコニコ

京太郎「ええ。 霞さん。」 ニコッ

……顔が赤く無いと良いんだけど。
早く着かないかな。
未だ歩き始めたばかりなのに、そんなことを思ってしまった。

(1/不明パート)


禍福は糾える縄の如し、とかいう言葉があるらしい。
それを知ったのは、大分昔。
母さんがまだ家に居た頃。
偶然に、口から漏れたのが切っ掛けだった。
意味としては、不幸と幸福は表裏一体。
何方かがくれば、何方かもくる。
そんな風に教わった覚えがある。

さて。
今の俺にとっての禍福、とはなんだろう。
禍、要するに不幸は冬休み前半の予定が潰れたこと、なのだとすると。
幸福……幸福。

小蒔「京太郎様!」 ギュー

……え、これ?
というか、様?


京太郎「……何があったんですかコレ。」

巴「長老様方がね。 中学入ったら本格的に修業始めるって言い出して。」

京太郎「……で、嫌がって?」

巴「いいえ。 先ずは、人間関係から。」

……人間関係から?
つまり、巫女としての調整だから。

京太郎「……男子禁制を本格的に、と?」

巴「ま、元々永水女子……そう言った場所に行くのは決まってたんだけど。」

京太郎「……じゃあ、何で俺は?」


霞「ちょっと、貴方の立場は特殊だから。」

そう言いながら、襖を開けて入り込んできたのは霞さん。

京太郎「特殊、ですか?」

霞「ええ。 六女仙……って言っても分からないわよね。」

京太郎「仙人…いや、仙女、ですか?」

巫女だし。
ちょっと興味があって、伝承系を読み耽った時期がある。
咲と互いに勧め合うくらいには、読んだけど。

霞「簡単に言うと、小蒔ちゃんに付き従う六人。」

巴「要するに私達よ。」

えーと、霞さんに巴さん、春……半分は知ってるのか。


霞「で、須賀って言うのはね。」

一呼吸、溜めた。

霞「性別に関係無く、家として見守る外部顧問、みたいな感じかしら。」

京太郎「外部……?」

霞「そ。 まぁ、実際は祓う部署関連に付くのが多いのだけど。」

飽くまで立場として、ということらしい。
まぁ、男子禁制の場所に普通に男がいればそりゃ不自然だ。

巴「時折、巫女じゃどうしようもないのをなんとかして貰ったり、ね。」

京太郎「……なんですかそれ。」

巴「昔の話よ、昔の。」


巴「だから、立場としては私達と同格。」

霞「来たかったらいつでも歓迎するわよ?」

それは分かりました。
気が向いたら、で。
……それより。

京太郎「……なんで張り付いたままなんです!?」

小蒔「zzz...」

霞「……気に入ってるから、とか?」 ウフフ

やめて。
恥ずかしいし胸当たりっぱなしで動けない……!

2/解説。
次回、多分うっかりスケベ手前……?

念の為次スレからはR板のが良いかな…

描写的に怖いんで念の為、レベル?
まぁまだ小学生ですから全くありませんけど!

小学生進み過ぎじゃないっすかね……。
今日も隙を見て更新しておこう

(そういや生乳スレって何処でしたっけ……。 なんか見覚えはあるけど

阿知賀で過ごす○年だったっけ?


京太郎「……。」 ハッハッ

朝の、冷たい空気の中を走る。
最近、麻雀がまた楽しくなったのは良い。
ただ、その反動で家の中にいることが多くなって。
こうして、朝は軽く走ることにしていた。

京太郎「とりあえず……こんなもん、かなぁ。」 ハァハァ

とは言え、今いるのは普段住む奈良ではない。
ある程度見知ったと思える距離を往復する程度。
それでも、背中は汗でびっしょり。
出来れば早く汗を流したい。
そう思いながら、今の位置を確認した。


京太郎「(結構近くまで来ちゃったか……。)」

気付けば、何往復かしていた為か。
神境の分かりやすい目印、石階段が遠巻きに見える。
ついでだし、顔を出しておこうか。
或いは、汗もあるし早めに帰るか。
何となく、悩んだ。

……コインをポケットから取り出して、跳ね上げる。
表なら帰宅。
裏なら顔出し。
くるくると回転して落ちてくる。
それをキャッチしてみれば――――。


京太郎「……帰るか。」

出た目は表。
だったら、出来るだけ急いで帰りたい。
その勢いで、もう一走り。

…………思えば。
あと少しでも。
後、ほんの少しでいいから。
時間を潰して帰ればよかったと。
そんな風に思うことになるとは。


家。
正確には、父方の祖父母が住んでいた家。
今は祖母一人で住んではいるが、メインは神境の一室なのだと以前教わっていた。
ただ、今回は此方にいる。
理由は良く分からない。
多分、俺の部屋を用意する余裕がなかったとかだとは思う。

……後は、時折。
神境ではなく、此方に泊まり込みで知識面での修行をさせることがあるとも。
此方の理由は単純。
何も知らない状態だと、寧ろ神境の神聖な気は危険しか無いから。
……聞いてて何度か首を傾げたけど。
まあ、そういうものとして覚えていた。

京太郎「ただいまー……。」 ガラッ

家の扉を開ける。
……見知らぬ、履物。
誰か、来ているのだろうか。
お客さんが来ているのなら、失礼のないようにしなければ。


京太郎「ばーちゃん、誰か……。」

いつもの調子で、居間の扉を開けた。

父祖母「おや、京太郎。 風呂はもうちょい待ってな。」

春「……どうも。」 ペコリ

お前か。
いや、それはいい。

京太郎「なんつー格好させてんだよ!?」

目の前にいたのは。
何故か、居間の筈なのに。
水に濡れて、肌に張り付いたような薄着を着た春だった。


春「…………?」 ピッチリ

京太郎「いや、なんでそんな不思議そうなんだよ!?」

春「……普通だよね?」

京太郎「ちげーよ!?」

必死で目を逸らす。
ただ、どうしても目に入る。

父祖母「はーん。」 ニヤニヤ

京太郎「(笑うんじゃねえ……!)」

……駄目だ、暫く誂われる。
そう、確信した。

(若干のアレなイベント

>>600
あ、それか。 ありがとーございます。(言い忘れてた


カーン カーン カーン

何度も、鐘の音が響く。
はぁ、と手に息を吹き付けた。
12月と1月の合間。
新年を迎える、丁度その日。
去年は出なかった、初詣の許可が出た。


京太郎「……。」 プルプル

出た理由。
それ自体は極めて単純だ。

宥「……ごめん、待たせた……よね?」

玄「お待たせしましたのです!」

京太郎「いえ……。」

どうしても外せない用事で、おじいちゃん達と松実さん達がいないから。
とは言っても町内会程度、ではあるのだけど。
一人……いや、二人にしておくのを嫌がったからだ。
過保護だなぁ、と皆が笑っていたと。
家に帰ってきたお婆ちゃんが言っていた。


京太郎「……それにしても。 振り袖、ですか?」

宥「うん。 お母さんのを、仕立て直したやつなんだけど。」

玄「初詣は決まってこれ。 去年は去年で着てたでしょ?」 クルクル

京太郎「確かにそうですけどね。」

実際、俺も和服。
今年、お婆ちゃんに叩き込まれた。
お陰である程度は着れるし着付けも出来る。
髪の色には合わないけど、まあこれはご愛嬌。

京太郎「普段と違う姿だと、新鮮ですからね。」


宥「……そう、かな?」 テレ

玄「おねーちゃん、似合ってるよ!」

京太郎「そういう玄さんだって。」

明るいオレンジ柄の玄さん。
やや暗い、深い緑の色の宥さん。
それぞれが、それぞれのイメージを崩さずに着込んでいる。
袖に手を入れて、まるで時代劇に入っているような気分になった。

宥「京太郎君も……うん、新鮮。」

京太郎「はは、ありがとうございます。」


流石に下駄までは履けない。
だから、それっぽい草履。
一歩、神社の方へと歩いて。

京太郎「こうしてるのも寒いですし……眠くなる前に、行きませんか?」

玄「賛成!」

宥「全く、玄ちゃんも。」 フフッ

そして、二人から手を伸ばされた。
……真ん中で繋ぐのは、少しどころじゃない程恥ずかしいけれど。
そう、望まれたのだから。
今日くらいは――――そう、在ろうと。
その手を、取った。

(1月終了

おはようございます。
年明けまで後今日入れて3日、か。
新年用のSSとか用意しましょうかねえ……。
まあ3日で300レスは無理だしToLOVEるみたいのは中学入ってからだな……


クラスメイトA「…………な、なあ。」 ソワソワ

クラスメイトB「お、おう。」 ソワソワ

京太郎「(なんでこいつらこんなそわそわしてるんだ……?)」

2月の中旬。
要するにバレンタインデー。
去年のホワイトデーは割と地獄を見たので、ある程度覚悟して。
ついでに、外国のバレンタインデーに添って用意をしてきた。

……準備中、半分は変な目を。
もう半分はニヤニヤとした目をされたのが印象的だったけど。
何か言いたいなら口で言ってほしい……なぁ、20代後半の新人Dさんよ……!


穏乃「おーい!」

ガタッ ガタッ

京太郎「おう、シズ。 どーした?」

穏乃「あー、ほら。 私忘れちゃいそうだからさ。 これ、京太郎に。」 っチョコ

京太郎「おう、ありがたく貰っとく。 ……んじゃ、俺からもほれ。」 っクッキー

穏乃「……え? なんで京太郎から? まさか女だったとか!?」

京太郎「ぶっ飛ばすぞ!? なんか、外国だと男から渡すのも普通にあるらしいからさ。」

穏乃「へー。」

…………何故だろう。
背中から視線を感じるのは。


憧「ん……あれ、シズもいるの?」

京太郎「おう、憧。 今此奴から貰ったトコ。」

憧「へー。 あ、じゃあこれ私からも。」

そして二つ目。
まあ去年の例からしてもこの二人は確実だっただろうから気にしてない。

京太郎「サンキュー。 じゃあ俺からも、ほい。」

憧「アンタからも? ……ああ、外国式だっけ?」

京太郎「おう、流石にお前は知ってたかー。」

そんなふうに話していれば。
自然と休み時間は過ぎていく。
……おかしい、視線がまた強くなった。


その後、玄さんと宥さん、後レジェンドからも貰って。
家に帰ってみれば、そこそこの数の宅配便。
宛先は全部俺。
しかも冷蔵品。
…………予想はしていたけれど、これ全部食うのか、と。
頭痛を抑えながら、数を数えた。

……17、だと。
よく見れば中には例のプロの人、咏さんからも一つ。
何してるんだあの人……!?

翌日、ちょっとした雑談で。
総数の話をしたら、友達に襲われた。
何故だ。 此方は食い切るので必死だと言うのに。

富めるもの飢えるものの気持ち知らず。

京咏下さい(定期

後一話くらいはやるか……。
そういや咲世界にU-12とかU-15とかありましたっけ

絶対ウザいだろうね……。 >>1の近くにもいましたけど。 こういうやつ。
やっぱ原作だとアジア大会とかの表記くらい……ですよね。
或いは(学生だけど)ミョンファのプロ云々くらいか?


京太郎「……はぁ。」

いやまあ、散々殴られたり泣かれたりすればある程度は納得する。
するのだけど。
”誰が本命なんだ?”
その言葉には、本気で首を傾げた。

本命。
つまり、一番好きな人――――と言う意味でいいのか。
そう、問い掛けられて。
初めて、それを認識したからだ。


3月。
卒業、そして別れの時期。
俺の知り合いで言えば、まず最初に浮かぶのは玄さん。
次いで、時折顔を見るようになってきた衣さんに透華さん。
それから巴さんに小蒔さん……と言った所か。
見事なまでに同い年か年上しかいないことに若干苦笑が浮かぶ。

どうなのだろう。
好意を持っているから、渡すのか。
数年来の付き合いだから、渡すのか。
或いは――――。

そんなことに気付いてしまってからは、考えが纏まらない。


京太郎「とりあえず、今日も打つか……。」

麻雀を打っている怜は、思考リソースの殆どを費やすからか。
そう言った、迷いが浮かんでこないのは不幸中の幸いだった。
ただ、これが正しいことなのかは分からない。
分からないなりに、不味いとは認識しながら。

憧「京太郎? どーかしたの?」 ヒョコ

京太郎「うわっと!? な、何だよ憧!」

憧「別に普通に声掛けただけなんだけど……。」 カンガエゴト?

京太郎「……悪い、全く気付かなかった。」 アセリ

だからこそ、今までの距離でいるのに戸惑ってしまう。


憧「変なの。 しずは先行ってるってさ。」

京太郎「そうかー。」

落ち着いて、息を整える。
気付かれないように。
落ち着いて、話ができるように。
多分、これは自意識過剰なんだろう。
絶対そうだ。
だと、しても。

憧「じゃ、行こ?」 テノバシ

こうした、動作に反応し掛けてしまう。
慣れるしか無いと、分かっていても。


京太郎「……今日も、負けねーぞ?」

憧「玄もやる気出してくるでしょうけどねー。」

だから、手を取った。

何でもなかったはずの事が。
とても大きい事なのだと。
そう、嫌でも認識することになる――――春が、訪れた。


 <五年生が終了しました。>

 <現在能力覚醒度:30%(+α)>

 <雀力:インターミドル出場レベル(公式戦:全日本小学生大会二位)>

 <家庭力:かなり(ひとり暮らしは余裕)>

というわけで、一旦ここまで。

尚ここまで書いといて最終ヒロインは決まってねーです。
多分別ルートで書くとかになるんかな……複数行けるトコは複数とかで


奈良にやってきて、三度目の四月が訪れた。
同じ学校だった先輩たちはみんな卒業していき、今いるのは俺達だけ。
とは言っても、全く会えない訳じゃない。
それどころか、阿知賀で本格的に再開した麻雀部・兼麻雀教室は段々と熱を帯び始めていった。
後は、バイト先。
既に顔見知り、の枠を越えて修行じみたことになっているけれど。
これはこれで楽しいから、色々学んでいる。

そんな生活の中、少しだけ変化があった。

和「転校してきた、原村和です。」

転校生。
それも、同じクラスの。


クラスメイトA「出身何処!?」 ワイワイ

和「ええと、あちこちを転々と?」 オドオド

クラスメイトB「趣味はー?」

和「あ……麻雀、とかでしょうか。」

クラスメイトB「へー。 おい、京太郎。」

京太郎「んー? どうしたー?」 ヤッベシュクダイワスレテタ

クラスメイトB「原村さん、趣味麻雀だってさ。」

京太郎「いや、それを俺に言われてどうしろってんだよ……。」

今は宿題やらないと担任に叱られるってのに……!


B「ほら、なんだっけ! 阿知賀の!」

京太郎「あー、レジェンドの教室?」

和「れじぇんど……?」 ナンデスソレ

B「えーとな……。」

Bが必死になって説明してる。
それをほー、と理解しているような、理解していないような転校生。
そんなのを聞きながら必死で宿題埋め……よっし出来た!


京太郎「あぶねーあぶねー。」 フー

和「えーと……須賀くん、でしたっけ?」 エート

京太郎「そうだけど……どうかした? 転校生さん。」

和「原村和です。 えーと、その……。」

京太郎「?」

B「一度麻雀教室行ってみたいんだとさ。 連れてってやれよ。」

京太郎「俺か? いやまー、別に今日も行くからいいけど。」

お前じゃないんだ、B。


B「俺は塾あるから、さ。」 ガックシ

京太郎「あー……大変だよな、お前も。」

B「も、じゃねえよ!」 ナンデオマエダケ

京太郎「う、うっせえ!」 オレモイソガシインダヨ

和「……楽しそう、ですね?」

……まあ。
同い年の、打てるやつが増えたってだけで十分ではあるけど。
後で憧とシズにも紹介しないと。


~教室で~

和「SOA」

京太郎「いや、うん。 玄のアレはそうだよな。」 アガレナカッター

和「貴方のもですよ!」 イカサマ!?

憧「なんか一瞬で溶け込んだわね」 テキ?

穏乃「いいじゃん! 打てるんだしさ!」 ワーイ

晴絵「麻雀教室も活発になってきたわねー……。」 シュウショクサキドウシヨ

良いことじゃん、レジェンド。

4月終了。
続きはたぶん夜ー、一旦おつかれ。

そらそうでしょうね、感情欠如してるように書いてるし。
魅力が欠片でもあればいいですね

当たり前だけど、感情の欠如とアスペは違うんだよなあ
アスペにしか見えないのは技量だな、こりゃ

一部分だけが欠けててそれを認識する、までが五年の目標。
元々感情に気付きにくいって点も有りますけど明確に欠けてるのは一部分だけ。
(=能力に覚醒める切っ掛けは後天的な場合トラウマや何らかのリスクを負ってる面から

で、それに気付いたから自分と周囲が対応するのがこれ以降の話です。
どうせだし一話投げていこうかの

>>651
せやな! 技量の無さだな!


4月の終わり。
言ってしまえば春も半ばを過ぎる頃、と言った辺り。
ずっと、悩んでることが一つ。

例の一件。
お爺ちゃんに話をしてみた所。
急に、真剣な目をされた。


曰く。
「お前は、それに関して言ってどう思った?」

答えた。
「悪いことをしたとは、思う。」

更に問われた。
「口に出した時は?」

更に、答えた。
「正直、何も。」


いいか、と。
他には、話すな。
言っていい相手は、お前が本当に信頼できる相手だけだ、と。

祖父「京太郎、お前は隠すのが上手い。」

祖父「悪いこととは言わん、きちんと理解しているなら使えることもある。」

例えば、麻雀の一件。
対人の遊戯、戦いである以上。
絶対に、精神面での好調不調は影響する。
その、波が極端に少ない。
お前はそういうタイプなんだろう。
だけど、それとはまた別だ。

普段、物静か。
口を殆ど開かないにも関わらず。
あの時は、饒舌だった。


祖父「だから、気付かなかった。 ……気付こうとしなかった、のか。」

祖父「”言われた側の感情を理解する”能力が、薄い。」

恐らくは、あの葬式の時。
可哀想に。
大変だね。
そう、口では言われたけれど。

”ただ、言われただけ。”

それに、幼いながらに気付いてしまったこと。
それから、逃げようとしていたこと。
その蓋が、厚く、厚く重なって。
今に、至ってしまった。

祖父「……強者の、驕りの状況に近いな。」

そう、呟いた。


驕り。
ただ、言うだけ。
言った側は、それを忘れて。
言われた側は、いつまでも残る。

祖父「すぐに直せ、と言われても直せるものでもあるまい。」

じゃあ、どうすれば。
そう、問い返した。

祖父「だから、考えろ。」

祖父「一人で、無く。」

祖父「多数と話して、理解してみろ。」

話は終わりだ、と。
部屋から立ち去った後も。
言われた言葉が、突き刺さり続けた。
自分では、そんなつもりは無かったのに。
単純な話だと思っていたのに。

それが、傷付ける事だったなんて。

……信頼できる、相手。
誰に話して良いのか。
浮かんでは消えて。
ずっと、悩んでいる。

はい、というわけでここまで。
実際言い放つだけ言う奴はいますけど、ね。 リアルにも。

さて。
明日が年末ってのもありますしなんか特別なの書きますか。
誰メインが良いですかね。

姫様かアコチャーか……。
すげえどっかで見た組み合わせ。 軽く思案します、投げるとしても明日ですけど

※ルートとしてはアコチャールート経由姫様も一緒END。
※時期的には高校三年くらい。

ぺちぺち、と。
寝ている頬を叩かれた。
無造作にそれを払いながら、ゆっくりと目を覚ましていく。
こういうことをやってくる相手は、大概いつも同じだ。
目を開けた先。

京太郎「……早いなー、憧。」

憧「おはよ、京太郎。 ご飯できてるわよ。」

その相手――――新子憧。
幼い頃と比べ、羽化したように可愛らしくなった幼馴染は。
にこり、と笑みを浮かべて。
枕元に膝を立てて、俺を見ていた。


憧「早い、って言っても。」

そしてもう一つ。
枕元に置いてある、電波時計を指す。

憧「普段の京太郎が起きる時間よりはゆっくりしてるわよ。」

普段、朝起きれば軽く町内をランニング。
その習慣は、小学生の頃からの継続だ。
ただ、週に一回、土曜日の朝。
この時だけは、必ず休むようになっていた。

京太郎「とは言ってもな……飯の用意までしたんだろ?」

憧「お祖母様と一緒にね。」

理由は単純。
いつしか、付き合うようになっていた。
彼女が、その日だけは泊まり込むからだ。


京太郎「あんまり一人だけで仲良くなると小蒔さんも拗ねるぞ……?」

恐らくは、隣の部屋で寝ているのだろう。
巫女姫様……小蒔さんの寝姿を浮かべる。
巫女姫としての特権、後は霧島神境の特異的な地形をフルに活かしてか。
”何かがあればすぐに戻れる”、この山間の地で。
彼女は、拠点を此方に移していた。

憧「大丈夫よ、私よりずっと仲いいもの。 二人。」

そう、笑顔で言われれば。
流石に反論することもなく、両手を上げて詫びるしか無い。


――――欠けていた、感情が戻ってきた。

そう、何となく。
俯瞰的に理解できたのは、いつだっただろう。
憧に、話してからか。
泣かれてからか。
小蒔さんに、話してからか。
優しく、抱き留められてからか。

昔のことを思い出せば、後悔と羞恥で一杯だし。
あの時の友人に謝れば、笑って流された。
俺よりずっと大人だった彼奴にも、今では彼女がいる。
将来は結婚したい。
そんな風に、照れくさそうに呟いていたのが強く。
印象的だった。

京太郎「じゃあ、小蒔さん起こすの頼んでいいか?」

憧「良いけど……?」

京太郎「……ちょっと、やりたいことあってな。」


憧が部屋から出ていって、から。
それとは反対側の、小さな一室。
仏壇が飾られた部屋へ。
線香を灯してから、鐘の音を一つ。
こぉん、と反響する音の中。
手を合わせた。

――――父さん、母さん。

――――俺は、今。 こうして生きていられます。

――――皆の手助けがあって。 許しがあって。

――――だから。 精一杯、生きていきます。

前は。
仏壇に、手を合わせる意味を理解できなかった。
けれど。
今は――――言葉が伝わる、と信じられる。
これも、心境の変化なんだろうな。
そんな風に、想いながら。


小蒔「あ! 京太郎様!」

憧「はいはい。 早く食べちゃおっか。」

京太郎「……だな。」

部屋から出たところで。
階段から降りてきた二人と出会う。
普段と変わらない二人と。
変えてもらった、一人で。
ずっと、生きていく。

……だから。
空で、見ていて下さい。
心の、中で。
小さく、願った。

ED風味っぽく。 ここまでー。
読んで頂いて有難う御座いましたっ(いや投下自体は夜辺りに一話くらいしたいけど

はいこんばんは。
最終的にはこんな形にしたいんですよ!

そういやアニメ今日だって気づかなかったので早めに。
中学以降は多分話の中での速度がゆっくりになります。


5月の半ば。
”他人の気持ちを理解する。”
口で言えばそれだけのことなのに。
実際にやろうとしてみれば、相応以上に大変なことだと気付かされた。

京太郎「……ポン。」

宥「……あ、ゴメン。 自摸。」 パタン

玄「うえええ……おねーちゃん……。」 リーチナノニ

憧「宥姉の手は毎度怖いのよねー……。」


誰に言って良いのか。
誰に言っていけないのか。
言えばどうなるのか。
言わなければ――――。
そんなことを、考えていたからだろうか。

宥「……京太郎君、ちょっといい?」

京太郎「はい?」

宥「んーと……二人で。」

京太郎「構いませんけど……。」

宥さんに、そう声を掛けられたのは。


付いて行った先は、宥さんの部屋。
もう顔パス、というよりはある意味従業員やアルバイトとして認識されている気すらする。
笑う人達を見て。
楽しそうだな、とは――――思えたけれど。

宥「……ね、京太郎君。」

京太郎「どうしたんですか……?」

相手は中学二年。
言ってしまえば、ある意味で”憧れのお姉さん”で”一人にしておけない人”の、宥さん。
最近は、二人きりというのも無かったからか。
こうして、部屋でいるのも。 随分久しぶりと感じていた。

宥「……何か、悩み事?」

そう、聞かれるまでは。


京太郎「――――え。」

気付かれていた……?
いつから?
何故?
そう、言葉を漏らすのが精一杯。

宥「……たった、二年だけど。」

宥「ずっと、見てたんだよ?」

迷って。
何かを隠して。
でも、何か変わった。
そんなことに。
気付かないわけ、無いよ。
そう、漏れた言葉に。

……絶対、この人には敵わないと。
そう、思った。


京太郎「……敵いません。」

宥「教えて、くれる……?」

京太郎「……少し、時間下さい。」

ずっと、見ていた人に。
多分、憧やシズとは違った目で。
玄さんとも、違った目で。
姉としての、目を持つからこそ。
気付かれて、しまったのだろう。

宥「……話せない、こと?」

京太郎「……言うのが、恥ずかしいことですから。」

言葉を、絞り出した。


――――そう、と。

囁く様に漏れた言葉を最後に。
宥さんは、普段のように戻った。
……戻して、くれた。

だから。

有難うございます、と。

……そう、胸の中で返すのが。
精一杯、だった。


<松実宥との関係が一部変化しました>

<須賀京太郎の精神が…………?>

……というわけでここまでどす。
最初に用意してたヒロインの内、”姉”の立場からのフォローでしたとさ。

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします

おはよーございます。
正月だけど少し進めたい


6月の半ば。
ボーリング場からの帰り道。

京太郎「おろ。」

穏乃「あれ、京太郎?」

京太郎「……え、何その格好。」

阿知賀学院の制服を着たシズに出会った。


穏乃「似合うー?」 クル

京太郎「いや、似合うとかじゃなくてな……?」

穏乃「え、じゃあ何?」 キョトン

京太郎「なんで阿知賀の制服着てんの?」 アセ

穏乃「これ? 私はほぼ進学先決まってるからー。」

京太郎「理由になってなくねえ!?」

穏乃「だから、先に試着ってことで借りてきた!」 ババーン

京太郎「時期尚早にも程がある……!」

誰か止めなかったのか。


穏乃「だってさー。」

京太郎「ん?」

穏乃「皆、阿知賀行くんだよね?」

京太郎「あー……。」

どうなんだろう。
俺は阿知賀行く気ではいるけど。
奨学生になれるか。
後は――――憧は、聞いていない。
彼奴の場合、どうなるかがわからない。

穏乃「行けたらいいなぁ。」

京太郎「行けるとは思う……が。」

穏乃「だって、さ。」


穏乃「寂しいじゃん。」

京太郎「まあ、そりゃあ……。」

穏乃「私も――――京太郎も。」

京太郎「……俺?」

穏乃「気付いてないの?」 キョトン

京太郎「は、何が?」

穏乃「……いつも、寂しそうな顔してるよ?」

――――え?

穏乃「だからさー。」

穏乃「皆で、遊びたいよね! 和も一緒に!」

……寂しそう?


シズと別れた後で。
胸中で、思う。

宥さんに、気付かれて。
シズに、心配されて。

……だったら、憧や玄さんも?

直接――――聞く、勇気は。
持ち合わせて、いなかったけれど。


<高鴨穏乃との関係が一部変化しました>

<須賀京太郎の精神が…………?>

第二ヒロイン(ry

無事完結したら安価もやってみたいなぁ……

中学以降はもう少し砂糖っぽくしたいけどどう書けばいいかわからないの

まあ前者かな……ありがとうごぜーます。
少なくとも此奴の周囲だと静かにすすめるほうがあってそう。


6月の半ば。
――――二度目の、全国予選前日。
楽しんでくる、と言いたかった。
勝ってくる、と言いたかった。

ただ、それを言うには。

玄「どうかしたのです?」

京太郎「あの、ですね? 明日知ってますよね?」

玄「勿論なのです!」 フンス

京太郎「じゃあなんで俺ら、温水プール何か来てるんです!?」

若干、空気が緩い。


玄「なんか、とは何なのです!」 プンスカ

京太郎「……じゃあ言い換えます。 何目当てですか?」

玄「……色んな調査ですよ?」 メソラシ

京太郎「ちゃんと答えて下さい……。」 ハァ

玄「………・後、おもち。」

京太郎「絶対そっちメインですよね!?」

玄「じゃあ京太郎くんは嫌いなんですか!?」

京太郎「……ノーコメント。」 メソラシ

いや、まあ、うん。


玄「じゃあ良いじゃないですか!」

京太郎「いや、俺は良いですよ俺は。」

問題は。

和「お、お待たせしました……。」 フルフル

玄「おお……!」

京太郎「はい、止まりましょうね?」 ナンデオレガ

連れてきたこっちの方だよ。
本来なら宥さんに任せようと思ってたけど。
若干季節外れの風邪を引いたあの人は出禁。
お見舞いに行こうにも客商売だから……。
俺からの感染もあると不味いので会いにもいけない。

……本当に玄さん、一つ上なんだよな?


和「あの……須賀くん?」

京太郎「大丈夫か……?」

和「ええ、それは。 変じゃないです、よね?」

京太郎「あー……まあ、似合ってるん、じゃないか?」

玄「おーい、置いてきぼりは泣きたくなるのでやめてほしいのです。」

京太郎「じゃあ、お願いですから普通で……。」 ハァ

玄「善処はしますのです!」 シャシントラナキャ

和「(……ついてきて良かったんでしょうか。)」


京太郎「なんだかなー……。」

玄「どうかしました?」

京太郎「いや、調整したいところなんですけど……。」

玄「? 何言ってるんです?」

京太郎「はい?」

玄「眉間に皺寄せて、楽しめなきゃ勝てるものも勝てませんよね?」

京太郎「(それを玄さんが言うのか……。)」

こないだ部屋でネトマしてて泣かされてたのに……。
いやまー、あの面子は分かるけど。
照さんに菫さんに竜華さんだったし……。


京太郎「まあ、楽しんできたいですけどね。」

玄「応援行きますよ!」 グッ

京太郎「……ありがとう、ございます。」

ちょっとだけ、気が楽になった。
いや、なんというか。
馬鹿してる感じがして。

玄「……うん。」

京太郎「?」

玄「変に悩んでないで、楽しんでくれば良いんです!」

玄「頑張って!」 ナノデス

京太郎「……です、か。」

……そう、だな。


和「次、向こうのプール行ってみませんか?」 タタタ

京太郎「おう……行ってみるか!」

玄「行くのです!」

……楽しむ、か。
そうだな。
多分、玄さんなりの励ましなんだろうし。
あんまり和と話す機会も多くない。
この機会に――――楽しんでみるか。


<松実玄との関係が一部変化しました>

<原村和との関係が一部変化しました>

<須賀京太郎の精神が…………?>

3人目。
クロチャーは女友達枠です。

乙だけど忘れてるよ

<須賀京太郎の下半身が一部変化しました>

あと鷺森レーンまで行ったのにこけし登場させないなんて近年稀に見る鬼畜

>>717
出しても良いんだけど一度出すとなんだかんだで継続して出そうなので割り切ってます。
完全にモブ枠にしてるからな……

現時点の反省点:キャラ出しすぎた
好きなキャラだらけではあるのだが。 シロとか宥姉とかアコチャーとか。


京太郎「なぁ、憧。」 カリカリ

憧「なーにー?」 ポリポリ

7月の半ば。
無事に大会は終了。
宥さん達も軽く試す意味合いで出たらしい、インターミドル個人戦は2位・3位を付けて全国確定。
大会本番は来月。
それもあって、現在はレジェンドとの特訓&麻雀漬け。
それに対して、俺は。

京太郎「ト。ポ一本くれ」 カリカリ

憧「ん、はい。」

若干早く始まった夏休みの宿題を片付け中。


京太郎「サンキュー。」

憧「にしてもアンタも生真面目っていうかなんて言うか。」

京太郎「早めに片付けないとなんか変な気分になるんだよなー。」 ポリポリ

憧「分かんなくはないけど。」

京太郎「なんつーか、勉強が習慣に入っちゃった感じ?」

憧「運動しなさいよ運動。 唯でさえ体格良いんだから。」

京太郎「走ってはいるけどさー。」

なんというか、気負うところが全くない。
咲とはまた別の意味で、打てば響く関係と言うか。


京太郎「そういや憧さー。」

憧「何よ。」

京太郎「中学どうする気?」

憧「考え中。 麻雀したいから……って考えてたんだけど。」

京太郎「……まぁ、阿知賀でも出来なくは無いしなぁ。」

憧「気付いてる? 大半アンタの影響だって。」

京太郎「は? 俺?」 ナンデ

……何もした覚えはないのだけど。


憧「アンタが玄や宥姉引っ張ってきて。」

京太郎「アレは何となくだったんだけどなー。」

憧「親戚誘ってワイワイやって。」

京太郎「行く所無かったからだよ。」

憧「で、去年は準優勝でしょ?」

京太郎「だから……。」

憧「はい、言い訳しない。」 ビシッ

京太郎「言い訳じゃなくてだな……。」 ハァ

憧「アンタは自己評価が低すぎんのよ。 前々から思ってたけど。」

京太郎「……俺が?」


憧「気付いてないんでしょ、やっぱり。」

京太郎「ああ……ええ……?」

憧「少しくらいは誇っていいのよ。」

ま、と付け加えるように。

憧「度を越したら、私が何とかするから。」

笑顔で、言われた。
……ああ、と返すしか無かった。

何を理解しているのか。
何を、知っているのか。
それは、理解しづらいけど。
ただ。
ちゃんと見ていてくれることだけは、分かった。


<新子憧との関係が一部変化しました>

<新子憧は感情に気付き始めました>

<須賀京太郎の精神が改善されています>

幼馴染枠でしたっと。
咲さん? ……ふ、ふぁーすと幼馴染。

(たしかにやってることは嫁だな……

いつもの夏休み話。 とりあえずシロメインで少し考えよう。
いい加減ガイトさんも出さないと臨海が凄まじいことになってしまう……


7月末。
いつものように集まった3人。
……の、筈だったのだけど。

京太郎「……もう一度言ってもらえます?」

白望「ん。 ……一度、うち来ない?」

京太郎「……いつですか?」

白望「……来年、くらいかな。」

なんでそうなった。


京太郎「えーと……理由聞いてもいいですか?」

白望「いつも……こっちばっかり、だし。」

京太郎「それはそうですが……。」

親戚の家に遊びに行くのは別に構わない。
構わない、のだけど。

京太郎「両親忙しいんじゃ……?」

白望「……うん。」 コクリ

京太郎「その間は?」

白望「……二人?」

何言ってるんだろうこの人。


京太郎「あのですね?」

白望「……うん。」

京太郎「仮に、仮にですけど。 行ったとして二人じゃないですか。」

白望「……そうだね。」

京太郎「なんとも思わないんですか!?」

え? みたいな表情しないで欲しい。
あんまり表情変わらない人だけど、今のそれは何となく分かるぞ。

白望「………………い。」

京太郎「……はい?」


白望「……京太郎なら、いい。」

京太郎「…………え?」

白望「だから。」

京太郎「そうじゃなくてですね!?」

白望「じゃあ……どういうこと?」 カシゲ

京太郎「なんですか急に!?」

え、何、どういう意味!?
二人でもいいってどういうこと!?


白望「……だから、考えといてね。」

京太郎「あの、シロさん!?」

そのままどこかに去っていった。
……若干頬が赤かった気がしないでもない。
のは、置いといて。
どういう意味なんだ……なんで急に……?

そもそも。
なんで、俺だけ?

以上ー

なんでこんなことを言ったのかは中学編で!


京太郎「……分からん。」

あれから大体2~3日。
隙を見て色々考えたり、話をしてみているが。

なんであんなことを言ったのかが分からない。
いや、正確に言えば。
何となく理由は想像は付くのだけど。
どうしてそうなったかが、分からない。


宥「……どうかした?」

京太郎「あー、いえ。 ちょっと考え事してただけです。」

そんな今日は松実館の手伝いの日。
最初はちょっとした手伝いの筈だったのに。
気付けば既にバイトみたいな扱いであっちこっち。
未だ奨学生だけど、良いのだろうか。

宥「考え……?」

京太郎「ちょっとありましてねー……。」


宥「相談なら……乗るからね。」

京太郎「ええ、有難うございます。」

宥「ううん。 いつも、助けてもらってるし。」 ニコリ

ただ、これは相談できることじゃない。
と言うか、したら余計面倒になる気がする。
何となくの、直感だけれど。

京太郎「いえ……助けて貰ってるのは、俺の方ですよ。」


京太郎「心配してもらえてるだけ、感謝してます。」

宥「……ううん。」

京太郎「宥、さん?」

宥「そうじゃ、なくて。」

京太郎「?」

宥「……だけじゃ、ないの。」

京太郎「……え?」

宥「助けて、助けてもらって――――だけ、じゃない。」

……え?


京太郎「あの、それって……?」

宥「……まだ、内緒。」

……。

京太郎「内緒、ですか。」

宥「……京太郎くんが、話してくれるか。」

或いは、と。
一旦置いて。

宥「私に……勇気が、出れば。 ちゃんと、言いたいな。」

……そうですか。
俺から……あのことを、言える日が来るのだろうか。
……いや。
高校に入るくらいまでには――――何とか。

覚悟を、決めたい。
そう、思った。


宥「――――だって。 恥ずかしいから。」

その、言葉は。
互いに、聞かなかったことにした。

若干宥さん攻め始め。

次誰が良いですかね……永水以外で

ふいふい。
関係表記はもう少し書いたほうが良いかな、メモメモ


淡「ねー、キョータロー。」 ベター

京太郎「貼っ付くな。 どうした淡。」

淡「んー、何か気のせいかもしれないけどさー。」

京太郎「おう。」

淡「皆の気配、何か違わない?」

京太郎「……あー。」


8月頭。
俺がちょっとした都合で一日だけ阿知賀を離れていた翌日。
戻ってきたら。

菫「ほう……?」

憧「……ふぅん?」

白望「……成程。」

宥「……うん。」

皆さんお揃いで、何かを話し合っていた。


京太郎「……何アレ。」

淡「分かんない。 なんか宥が皆集めてて、気付いたら。」

京太郎「お前は。」

淡「寝てた!」 ペカー

京太郎「(誰も起こしに来なかったのか……。)」

淡「たださ、なんか嫌な予感しない?」

京太郎「その辺の空気読めるんだお前……。」

淡「馬鹿にしないでよ!」


京太郎「だとしても……離れてる間何か変わったことは?」

淡「えー……。」

京太郎「ほれ、思い出したら何かしてやるから。」

淡「って言ってもなー。 昨日、何か手紙届いてたくらい?」

京太郎「……手紙?」

淡「うん、憧宛てだったみたい。」

京太郎「……うーん?」

淡「思い出したんだから約束守ってよ!」


京太郎「はいはい……何が望みだ。」

淡「んーと……こうしてて!」

京太郎「……は? こんなんでいいの?」

淡「こんなんだからいいの!」

……良く分からんやつ。
なんか背後に張り付くイソギンチャクみたいなのを意識から外しつつ。
……今、なんか嫌な気配漂わせてる人達の共通点を考えた。
が、浮かばないので。

……正直怖いのだけど。
後で確認することにした。


<手紙が届きました>

<各人の何かが変化しました>

<大星淡との関係が一部変化しました>

<須賀京太郎は恐怖を憶えています>

……うん、急変イベント。


……それから、何かがおかしい。
いや、おかしいというのも何か違う。
より正確に言うなら、”少し違う”。
例えば宥さん。
本来あの人は余り動かない、どちらかと言えば内向的な人だ。
それが、少しでも動いている。

……良い、変化ではある。


例えば、シロさん。
彼女も、基本極度の面倒臭がり。
だけど、何かをしようとしているようにも見える。

例えば、菫さん。
色々な事を知っている、所謂お嬢様のこの人。
それが故に、身に付けた様々な事を根底に色々と世話を焼いている。
寧ろ、そういうことが好きではない人なのに。

例えば――――。


京太郎「……なぁ、憧。」

憧「ん、なーに。」

京太郎「……何してんの? お前。」

憧「何って……料理?」

京太郎「そりゃ見りゃ分かるけど。 なんでうちで。」

憧「今日おじいさん達いないんでしょ? それで。」

京太郎「俺が作ればいい話だよな!?」

憧は憧で、妙に世話を焼いてくるようになった。


憧「何?嫌?」

京太郎「嫌、っつーかなー……。」

最近、少しずつ変わってきている此奴の評判は高い。
女子にバレないようにやってる人気投票でほぼ上位にいることからも分かる。
それを嫌、なんて言ったら周囲に張り倒される。
それは分かる。
俺でも分かる。
だけども。

京太郎「……なんか、絶対あったろ?」

それは間違いない、と思っている。


憧「……何か、って?」

京太郎「内容までは知らねーけどさ。」

憧「…………そう。」

ただ、こうやって。
聞いてもそれ以上は教えてくれない。
それが、良いことなのか。
或いは、悪いことなのかは全く分からない。
ただ。

憧「……アンタに、悪いことじゃないわよ。」

彼女に、そう言われれば。
俺は、それ以上踏み込めないだけだ。


憧「……大丈夫。」

何が、と。
口に出せたかは分からない。

憧「私、だって………………だから。」

だから。
彼女が呟いた言葉が、何かも。
聞こえなかったし。
聞こうともしなかった。

――――聞く、勇気が。
俺には、無かった。


<手紙の影響が波及しています>

<新子憧の感情が明確になりつつあります>

<須賀京太郎の勇気が足りません>

……唐突?
それだけ大きな出来事の手紙が届いたんです。

ペルソナ的表記。
器用:達人級
知識:博識
勇気:なくはない
寛容さ:情け深い
根気:筋金入り
ニブさ:普通

後一話くらい投げておきたい所


穏乃「ねー、京太郎。」

京太郎「んあ? 珍しいなこんな時間に。」

なんだかんだで数日が経過した。
周囲の異変も、少しずつ日常に埋没し始める。
何もしてこなかった人が、動いて。
何かをし続けていた人の負担が、減る。
要するに俺に暇な時間が増えた。

そんな、昼下がり。
突然シズが訪ねてきた。


穏乃「ちょっとお願いがあるんだけどさ。」

京太郎「……お願い?」

お前が?
俺に?

京太郎「珍しいな。 別にいいけど、どうした?」

穏乃「あーんと、えーっとね。」

京太郎「?」

煮えきらないのも珍しい。


穏乃「これ!」 バッ

京太郎「……これ?」

なんだかモジモジしてるようだったけれど。
後ろから出したのは。

京太郎「シズんとこの和菓子?」

ただ、店で見るような包装もなく。
簡単な、スーパーの惣菜を入れるプラスチックのようなのに入った。
幾つかの、色取り取りの饅頭のようなモノ。

京太郎「……見たことねーな、これ。」


穏乃「食べてみて!」

京太郎「……え、良いのか?」

恐らくは新商品……だろうか。
見た目は多少崩れているが、それでも店に出す試作品辺りとしては上々過ぎるくらいのモノ。

穏乃「じゃなきゃ持ってこないってば。」

京太郎「それもそうか……んじゃ、貰う。」

……味見役なら、幾らでも女子がいると思うんだが。


京太郎「……お、美味い。」 モチ

穏乃「え、そう?」

京太郎「店に出るなら時折買うくらいには。」

塩気が丁度良く餡の甘さを活かしているというか。
甘すぎず、さりとてしっかり甘さを感じられる味。
こういうのは結構好き。

穏乃「え、ほんとにほんと!?」 ズイッ

京太郎「ちけーよ! いや、こんなことで嘘つかねえって。」 モグモグ


あからさまにほっ、とされると反応に困るのだけど。
いつも明るく、元気な此奴が違った一面を見せる。
ちょっとだけ、照れくさい。

京太郎「シズも食えよ、美味いし。」

穏乃「……うん、じゃあ一個。」

……どうにも、調子狂うな。


<高鴨穏乃はあからさまにほっとしています>

<結局二人でこっそり食べきりました>

<須賀京太郎は発売を心待ちにしています>

というわけで本日は以上です! お疲れ様!

おはよーございます。
今週中に何処まで書けるか。


夏休みに入ってから、妙に記しておきたいことが多い。
これもまた、その一つ。

白望「……ねえ、京太郎。」 ノックノック

京太郎「……あれ。 どうかしましたか、シロさん。」

(互いに)用事を済ませて、軽く何局か打ち合った後。
夜、そろそろ寝ようかと言う頃。
急にシロさんが訪ねてきた。


白望「……ん、ちょっと。」

京太郎「別に構いませんけど……。」

とりあえず部屋に入れて、クッションを勧める。
とは言っても、一人部屋だから一つ。
俺は仕方なしにベッドに腰掛けた。

京太郎「……それで?」

白望「……ん。」


白望「……京太郎に、聞きたいことがあって。」

京太郎「聞きたいこと、ですか。」

白望「……とは言っても、簡単なんだけど。」

京太郎「ええ、まあ構いませんけど。」

白望「もし、さ。」

そう、一息置いて。

白望「長野に帰れるとしたら。 どうする?」

――――はい?


京太郎「ちょっと、待って下さい。」

それはどういう意味だ。
たった一人で、か?
と言うか、急に言われても困るのだけど。

京太郎「何がどうしてそうなったんです!?」

白望「……聞いてない?」

京太郎「何も聞いてませんし理解できませんって!」

白望「……言ってないんだ。」

……何が。


白望「……龍門渕から、なんか手紙が来たんだって。」

京太郎「……手紙?」

……前の、憧に届いたとかいうやつか?

白望「……すごい簡単に言うと、挑戦状、かな。」

京太郎「全く理解できないんですけど……。」

白望「……だから、ね?」

帰りたいか、帰りたくないか。
それだけ、教えてくれる?
そう、問い掛けられた。


そもそもなんで憧に、なのかがわからない。
なんで俺に関してのものなのに。
なんで?
ただ、まぁ。

京太郎「現時点で帰る気はないですけど……。」

咲や照さんがいるとは言え。
普通にネットや手紙で話せるし。

白望「……そ。 そのままでいてくれれば、良いけど。」

……何、これ。


<手紙の内容が一部発覚しました>

<須賀京太郎は意味がわからなくて動揺しています>

<小瀬川白望はそのまま京太郎の部屋で寝ていきました>

……さて、ちょっとだけ前触れ。

うーん、料理勝負イベントやろうかな……


……さて。

憧「しず! 負けないからね!」

穏乃「憧なんかに負けないよ!」 ウガー

……とある昼下がり。
遊びに来ていた二人が、同時に言い出したのだ。
「私が料理作ってあげる」と。

白望「……今日の担当、私なんだけど。」

唯一、むくれていたシロさんを無視して。


京太郎「そもそも作って貰わずに俺自分で作れるんだけど……。」

因みに、一度こういったことがある。

憧「え?」 ニコリ

穏乃「……嫌?」 ウルッ

白望「ふーん……。」 ジトメ

菫「成程成程……。」 レイトウビーム

……こんな感じになったので、二度と否定しなくなった。
淡? 彼奴は食う側らしい。
全員が向こう側じゃなくて本気でよかったと思ってる。


憧「~♪」

とは言え、もう飯は食った後。
つまり、自ずと出てくるのはデザート系になりそうなのだが。

京太郎「(甘いのそんな好きじゃないんだけどなぁ……。)」

溜息も吐きたくなる。
当然、二人は俺のために作ってくれてるのだけど。
知り合いに言えば絶対ぶん殴られる。
あの二の舞いは勘弁だし。
同時に言って何の意味があるのだ。
だから、文句は言わないし、喜んで食うのだけど。


穏乃「出来たよ!」 ドン

憧「私も!」 ドドン

それを知ってか知らずか。
それなりに量があるホットケーキのようなものが×2。

京太郎「……なあ、これ全部食うの?」

割と未だ腹一杯なんだけど。


憧「流石にそんな酷いことしないわよ。」

穏乃「四人分!」

ああ、俺とシロさんも含めてなのね。

白望「……採点してあげる。」

……シロさんも、そんなに上から言わなくても良いんですよ?
と言うか言わないで頂けると嬉しいんですけど……。

穏乃「くっ……!」

ほら、調子に乗りやすいのが一人。、


穏乃「憧! 一時休戦!」

憧「いや、もう出来てるから!」

白望「……掛かってくると良い。」

京太郎「……で、食って良いのか? おーい。」

……結局、食い始めるまでに時間が掛かったのは言うまでもない。


<二人の料理の腕が上昇しました>

<カロリーの摂取のし過ぎで運動量が増えました>

<四人はこれはこれでいい、と胃う結論に至ったようです>

……というわけで此処までです! お疲れ様!


九月。
緑も段々と赤へと色を変え。
山の色合いが変わり始める時期。

宥「あったかくない……」 フルフル

京太郎「相変わらずですね、宥さん……。」

玄「おねーちゃんのそれにも、大分慣れたかな?」

京太郎「慣れざるを得なかったといいますか。」 ハァ

にも関わらず。
相変わらずこの部屋は妙に蒸し暑かった。


宥「ぅぅ……。」 モゾモゾ

京太郎「こたつむり…。」

玄「いつも出てるんだけどね。」

良く知ってます。
夏休み中旬くらいには消えてますけど。
その分ボイラー室にいますもんね。

京太郎「しっかし……。」

玄「ん?」

京太郎「いつくらいからこうなんです?」


ふと、気になった。

京太郎「少なくとも、俺が知る限り……で、二年前から間違いないですけど。」

玄「……いつからだっけ? おねーちゃん。」

宥「……小学生入るくらい、かなぁ。」

京太郎「産まれた時から、じゃないんですか。」

病気ではない、とは知っていた。
極度に寒い、となればそれは感覚の異常関連の病気を最初に疑うから。


宥「……うん。」

その視線は、寂しそうで。
何かを、思い出すようで。
俺の知り得ない、何かが係わったのだろうと。
そんな風に、思った。

だから。

近付いて、寄り添った。
喪われた何かの、代わりになればと。
新しい、何かの。
根底になれればと。


宥さんは、嬉しそうに。
玄さんは、羨ましそうに。
俺は、ただ暑さに耐えながら。

永く、短く。
不可思議な時間を、過ごした。

側に、柔らかさを感じながら。


<須賀京太郎は優しさが上昇しました>

<松実宥は心があったまりました>

<松実玄は不可思議な感情を持て余しています>

という小話。

余裕があればもう一本宥姉辺りで。


9月下旬。
今年の小学生大会は、会場の都合で来月。
つまり、本番は直ぐ側まで迫っている。
とは言え、今から大慌てで準備してもほんの少ししか変わらないだろう。
レジェンド自身も、そんな感じで笑って話していた。
だから、というか。
何故か、というか。

宥「……お願いできる?」

京太郎「当然やりますよ?」

宥さんの手伝いをすることに異存はない。


京太郎「それで、俺は何を?」

宥「うーんと……そっちの、種を広げてくれるかなぁ?」

京太郎「ああ、このプレーンのを。」

と、言うのもだ。
この時期、阿知賀は文化祭を行うらしい。
細かい日程はその時時で変わるのだけど。
それでも、大体が秋に行われるというのは変わらない。

そんな中、宥さんのクラスは凄まじく簡単なクッキーの販売をすることにしたとか。


種を広げて型で取って焼けば完成。
至極単純で量が作りやすいお菓子。
しかも焼き菓子だからある程度長期間置いておける。
そんないくつかの利点を重ねた、はいいものの。

京太郎「はい、じゃあ後は焼くだけですね。」

宥「……助かっちゃったぁ。」

実は。
宥さん、クッキーを作ったことがない。


バレンタインのチョコを見る限り、普通に料理はできる。
まあ、歴史ある旅館の長女ということもある、のだろうけど。
ただ、何故か作ったことがなかったという。
曰く。

宥「……どんな形にするかで、いつも悩んじゃうから。」

ちょっとズレているような気もするが、其処が宥さんの良いところでもある。
旅館側の大きなオーブンに放り込んで、後は待つだけ。

京太郎「……ま、後は十分くらい待って少しずつ様子見ましょう。」

宥「う、うん。」 アセ

……珍しく、二人きり。


そう考えると、妙に緊張してくるから不思議なものだ。
今までは、こんなことはなかったのに。
少なくとも――――去年までは。

宥「……あの、さ。」

京太郎「……はい。」

宥「……お礼、したいんだぁ。」

京太郎「お礼?」

宥「うん。 今日の。」

京太郎「そんな、お礼して貰うような事じゃ。」

宥「……したいんだ。」


年上、それもよく見知った女性。
そんな人からの、お礼。
……何が適正なんだろう。

京太郎「……えー、じゃあ受け入れますけど。」

多分、てこでも変えないだろうし。

京太郎「……一体何を?」

宥「そう、だなぁ。」 ンー

そうだ。
そう、呟いた後。

宥「……デート、しよ?」

――――え?

軽く聞いてみますか。
デート(仮)の行き先どこがいい?

原作見るに、電車でも使わないとボーリングくらいしかなさそうだしなぁ……。
少し離れて散歩+カラオケとかか?

なんか年齢と言動が恐ろしい程不一致。ませてるとかそう言う次元ではなく。高校生前後としてみたら面白かった。

>>831
せやろな。
成長すれば言動と一致してくるんだけどね。


さて、少しだけ時間が進む。

阿知賀学院の文化祭の後の、祝日。
俗に言うところのシルバーウィーク。
そんな一日に。

京太郎「マジかよ……。」

朝早く、駅に一人待っていた。
主に二つ。
電車と、宥さん。
知り合いに。
見られないようにして欲しい、と。
それが、彼女の頼みだったから。


早く来て欲しい、というのが半分。
ぶっちゃけ暇だ、というのが半分。

一応、誰と出掛ける旨はおばあちゃんには伝えたけれど。
お祖父ちゃんは、何処か楽しげで。
お婆ちゃんは、何処か昔を思い出す渋い顔をしていた。

……一体昔に何があったと言うのか。
聞きたいような、聞きたくないような。

宥「……京太郎くん。」

と、そんな事を考えていれば。
待ち人の姿が見える。


京太郎「あ、おはようございます。」

宥「ううん、ごめんね。 抜け出すのに手間取っちゃった。」

抜け出して来たのかこの人。
……まあ、まだ小学生相手だもんなぁ。
変な目で見られるんだろうし。

京太郎「電車……は、もうすぐみたいですよ。」

宥「良かったぁ、間に合って。」 ニコリ

いつもの桃色のマフラーに、若干どころじゃなく早いセーター。
普段通りの、この人。
では、無い。


余り、ではなく。
初めて見る、首元の意匠。
恐らくは、ネックレスの類い。

宥「あ、来たね。」

少しだけ気になったそれから目を逸らし。
言葉通りやってきた、電車へと意識を向けた。
小さく鳴る開閉音。
足を、中へと運んだ。

デート(1)。
これ終わったら文化祭当日に戻ってアコシズかなぁ。
順番逆だったぜ。


あれやこれ。
ショッピングモールの帰り道。
両手には、幾つかの紙袋。

京太郎「結構買いましたね……。」

宥「うん、あったかそうだったし……。」

京太郎「まあ、この時期なら早いところは冬物売り出し始めますか。」

秋物が多量に並ぶ中。
隅の方に置かれた、冬物コーナー。
真剣な目でそれらを見ていた彼女は、若干近寄り難かった。


良く、知り合いに言われる言葉。
”大人っぽい”
”落ち着いてる”
言い換えればそれは、子供らしくない。
背伸びしすぎてる、ということになるのかもしれないけど。
確かに、早く成長したいというのは間違いない。

宥「……大丈夫?」

京太郎「あ、はい。」

両手に持ってる紙袋で手が一杯なんだから。


立ち並ぶ紅葉の道を歩いて行く。
時折、笑いながら。
時折、眺めながら。

地元とは違う、俺達を知る人は恐らくいない場所。
通りすがる人も、当然見知らぬ人ばかり。
だから、たった二人の時間。

宥「……どう、だった?」

京太郎「どう、と言いますと?」


宥「楽しかったかな……って。」

京太郎「ああ、それは間違いなく。」

宥「……そう?」

京太郎「あんまり服とか気にしませんからねー。」

着られれば良い、とまでは言わないが。
大概が自分視点で良さそうなものを買うだけ。
他人の目を気にする、ということは余り経験にない。
……例外は憧くらいか。

宥「なら、良かったかな。」 フフッ


宥「また……誘ったら、行ってくれる?」

京太郎「今度は別の場所も行ってみましょうよ。」

宥「……別?」 ヘ?

京太郎「ゲーセンとかそっちも!」

宥「い、行ったこと無いなぁ……。」 フルフル

京太郎「大丈夫ですって。」

そんな、他愛もない話。
途切れて、繋げて、また途切れて。


駅前近く。
宥さんの口元から、何処かで聞いた歌が聞こえた。

そう、確か。
学校の授業でも聞いた、曲。

静かに、遠く。
近く、囁く様に。
その歌を聞きながら。
あと少しの距離を、歩いていった。


<デートイベントを完遂しました>

<須賀京太郎は居心地の良さを感じています>

<松実宥のマフラーとセーターが増えました>

とりあえずここまで、昨日できなかった分!

次々誰にしよっか

そろそろエロ解禁でしょ?
おもちか耳年増が良い

のどっちかねえ……。
>>847
確定じゃないよ! 場合によっては程度だよ!




少しだけ、時間は遡る。




穏乃「わー!」

憧「流石に人数多いわねー。」

阿知賀の文化祭。
”元”は付くけれど。
名門女子校としての知名度は地元ではそこそこ高い。

それもあってか、共学化した今は。
あちらこちらに男子が多く見受けられている。

京太郎「さっすがになー。」

大体、男6に女4くらいだろうか?


憧「なんでこんなに多いのかしら。」

京太郎「そりゃあなぁ……。」

許可制じゃなく、自由制。
しかも……ってなると、今年くらいは顔を出そうってやつもそこそこいるもんだろ。

穏乃「そんなに多いのって変かな?」

京太郎「ま、俺達には関係ないだろ。」

何せまだ子供だし。
変に走り回ったりしなきゃ問題ないし。
何より生徒の一部とは顔見知りだし。


穏乃「だよね!」

憧「じゃ、どこから行く? 玄のとこ!?」

京太郎「なんでもいいけどさ……。」

シズ、真面目に走らないでくれよ。
憧、お前も同じような目してるからな。

穏乃「んー、京太郎、何処がいい?」

京太郎「俺に振るの!?」


憧「じゃあ誰に振るのよ!」

京太郎「お前らが決めてくれません……?」

穏乃「えー。」

わいのわいの。
結局、全部行くことになるのだから。

……上から下へ、という方針で決まったけれど。
学校を回る間中。
俺の両手は、埋まったままだった。


<両手に花と噂されました>

<以後のことを考えると頭が痛いそうです>

<回る間、二人はずっと笑顔でした>

とりあえずこんな形で、っと。
中学に入るくらいに次スレに行きたいところっすね

寝る前にもう一話投げておきたい……


和「そう言えば、須賀くん。」

京太郎「ん?」

文化祭から数日後。
学校のある平日、とある休憩時間。
珍しく、和が話しかけてきた。

京太郎「めずらしーな、どうかしたのか?」

和「いえ、ちょっと。」


京太郎「煮えきらないなー。」

和「……なら聞いちゃいますけどいいんですか?」

京太郎「いーけど。」

和「こほん。」

一体何事だ。

和「貴方が憧と穏乃を弄んでたって聞いたんですけど。」

京太郎「ゴフッ」

何だそれ。


京太郎「え、何その噂……。」

和「え? こないだの文化祭に行った子が言ってたんですけど。」

京太郎「噂じゃなかった!?」

和「え、ってことは本当に……?」 サイテーデス

京太郎「俺はそんなこと出来ねえからな!?」

……話して理解してくれるだろうか。
何故か顔真っ赤にしてるんだけど。


京太郎「……って訳でさ。」

和「……えーと、纏めますよ? 二人が自分から手を繋いできた、と?」

京太郎「他のやつに言うなよ!?」

和「そんなに大きい声出したら気付かれますよ!?」

京太郎「お、おう。 悪い……。」 ヒソヒソ

和「まあ、元々三人の仲がいいのは分かってましたけど……。」 ハァ

……まあ、そりゃそうだよな。


和「分かりました。 私の方で何とか言ってみます。」

京太郎「無理な気がするんだけど……。」

和「ふざけて、とかまあ言い方次第ですから。」

京太郎「……悪い。」

和「いえ。 でも、そうですね……。」

京太郎「おう?」

和「今度、四人で遊んでくれれば。 それでいいですから。」

京太郎「……忘れずに誘う。」

そういうことになった。


<四人で遊ぶ約束をしました>

<原村和は若干物足りない顔をしています>

<須賀京太郎は少し安心しました>

というわけでおやすみなさーい

玄投下して……怜竜かなぁ、久々な気がする。
ころたん関連はもうちょい後

しかしこうして書いてるとネタが途切れるってマジなんですね。
時折摂取しないと無理だ。


10月の頭。
大会まで後二週間ほど、差し迫ったとある日。

玄「京太郎君京太郎君!」 バン

京太郎「……んぅ。 朝からどうしたんですかっていうかなんで家の中に」

玄「八坂さんに上げてもらった!」

何してくれてんだお婆ちゃん(思い込み)。


京太郎「……着替えるんで待ってて貰えます?」

何か妙に疲れが抜けなくて。
軽く走ったけど、途中でダウン。
家に帰って二度寝してたところに玄さん。

玄「あ、うん……じゃなくて、大丈夫?」

京太郎「何がです、か?」 フラー

玄「顔色真っ青。 ちょっとごめんね。」


京太郎「って、ちょ……!?」

玄「んー……うん、やっぱり熱ある。」 ピト

手を額に。
近いからか、或いは体調が悪いからか。
心臓が妙に響く。

玄「私のは治ったらでいいから、今日は寝てたほうがいいかな。」

京太郎「熱、ですか……。」

玄「お薬持ってくるね、休んでて。」

そのまま、部屋から出ていって。


京太郎「ぁー…………。」 バタリ

なんでだろう。
普段はもっと近かったり、笑いあったり。
後は……なんだ、おもち? について色々言ってくる人なのに。

ああしていれば。

……それ以上は、考えずに。
とにかく休もうと、目を閉じた。


<熱でダウンしました>

<松実玄は甲斐甲斐しく世話を焼いています>

<違った一面に気付いてしまいました>

というわけで出かけるのでとりあえずここまで。

怜竜やって菫さんやって……その次はまた募集かな。
ころたんは冬休み。


怜「来たでー。」

竜華「急にごめんなぁ。」

京太郎「いや、別に良いんですけどね……。」

創立記念日。
三連休として重なっているらしい、二人の学校。
部活、というよりは麻雀か。
それに打ち込みたい、と言い出したのはつい先日。
地元でやればどうですか、と聞いては見たけれど。

怜「たまには他の強いんとも打ってみたいんよ。」 とのこと。

それで頭を下げられて。
知り合いだから、という名目で。
ウチに二人ほど泊まり込む。

……ああ、正確に言えばもう少しいるんだけど。


憧「どうぞー」 ニコニコ

宥「……いっぱい打とうね?」 ニコニコ

笑ってるはずなのになんか怖い。
というか背中が寒い。

竜華「良い勝負出来るとええねえ。」 ニコニコ

怜「負けへんでー」 ニコニコ

……笑ってるん、だよな?
それだけなん、だよな?

……と、何か眠いので明日続きぶん投げまーす


実際、打ってる間は特に何もない。
何となく普段より攻撃気味に打ってる気がする、くらいだろうか。
問題は、何回かに一度の休憩の時間だ。

憧「京太郎、お茶入れるの手伝って。」

宥「京太郎君、お茶菓子ってある?」

怜「お構いなくー。 お菓子なら持ってきてるでー。」

竜華「ちょっと良さげなん、ウチから持ってきたんや。」

こうしてお茶会みたいになるのだけど。


憧「でも、竜華さん妙に攻撃的に打ってますよね。」

竜華「そうでもないで? お婆ちゃんの教え通りかな?」

怜「竜華のお婆ちゃんはものごっつ強いからなー。」

宥「へえ……。」

こうして話しているだけ。
そう、それだけなのに。


……なんで、俺の隣を取り合うんでしょうか?
現在は竜華さんと憧。
その前は怜さんと宥さん。
笑っている筈なのに。
皆さん、文字通り美少女揃いだし。
隣にいるのは嬉しいはずなのに。

背筋が時々凍るのは、なんででしょう?


<京太郎は恐怖の感情を取り戻しつつあります>

<四人は妙に攻撃的な気がします>

<園城寺怜と清水谷竜華は妙に好意的です>

まあ怜と竜華は”唯一”の男友達、且つ恩人ブーストが入ってるから……(震え声


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テルーのAAできてた、かわいい

ああああああテルーのも書きたいいいいいいいいい


照『もしもし、京ちゃん。』

京太郎「あれ、電話なんて珍しいですね。」

大会前日。
出かける用意をしていれば、急にパソコンからの連絡。
なにかと思って繋いでみれば、見慣れた……うん、見慣れた顔。
宮永照、幼馴染のポンコツ姉妹の姉の方。

顔が見えてるのに、普通に電話の掛け方をしてくる人。


京太郎「どうかしたんですか? もう……って程遅くは無いですけど。」

照『うん、大会明日でしょ?』

京太郎「そうですけど。」

照『応援はいけないから。』

そこで切られると地味に傷つくんだけど。

京太郎「……続けて下さい。」

照『うん。 だから先に声かけておこうって。』

こないだ咲に聞いた話だが。
なんでも、一時期別居するだのしないだのとかいう話になっていたらしい宮永家。
とは言っても数年前、笑い話で済んだらしいけど。
……するかしないかを麻雀で決めるのは若干ロックすぎやしないか。


京太郎「割と思うんですけど。」

照『うん?』

京太郎「いつもそんな感じで動いてませんよね?」

流石に中学生になったんだし、まともになってくれてると信じたい。
いや、此処数年直接会ってないから怖いけど。

照『馬鹿にしないで欲しい。』 ムスー

京太郎「馬鹿にはしてませんって。」

照『他の人達がどっかに行っちゃうだけ。』

変わってねえ。


京太郎「……深くは聞きません。」

照『話戻すよ。』

京太郎「お願いします。」

照『それで、大会の方は大丈夫?』

京太郎「まあ、おそらく……ですかね。」

照『咲、また強くなったよ。』

……あの謎のカン連打強化されてるのか。
何故かネトマだと発動しないっぽいんだけど。

京太郎「まあ、俺も負けませんよ。」

照『どうかな。』


照『まあ、私もその分強くなったけど。』 フンスー

京太郎「個人戦荒らしすぎなんですよ!」

インターミドル個人戦。
テレビで見てただけだが、この人のアガり方本気で怖い。
親番でノセたら一瞬で吹っ飛ぶ。 こわい。

照『でも、対抗してくる相手いるよ?』 ンー

京太郎「知ってます……。」

それに平然……とまでは言わないけど。
対抗手段を持ってる人達は本気でどうなっているのだろう。

照『……まあ、うん。』


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              . ̄/: ::::::::/ /:::/:::::::ヽ !  """   ;    /:::::::::/!. /::::/:::リ::::`、             乂______ノ
                  i: :::::/  |::/::::::::::::::λ     _    i:/:::/ /,ノ:/:::::::/::::、::::i
                  ! :::/    Y::::::::::::/:::丶    `┴―' リ::/ ノ::'"´::::/::ハ::::: ト:::!
                  ヽ:i      |::::::::;イ:::::::::::: `>、      Vイ::::::::::::/::::ノ |::: :! !:i
                    `     !:::::/ |:::::/ ̄  ト、 `ー--‐' ´,.ノ:i::::イ::/-‐ ´  |:: ノ レ
                                /:::::  ̄Τ: ̄:::::::::::ヽ、
                          _,,...-‐:i´:::::::::::::::::::||::::::::::::::::::::::::|`ー-..、


画面越し。
映像越し。
それでも、久々に見る笑顔。

――――ええ、と。
どこまでやれるかは分かりませんけれど。
全力で。



<全体的に魔境化が進んでいます>

<宮永咲は大分魔王化してきてる気がします>

<約束をしました>

テルー編。
……一年で強いのって誰だろう、決勝……。

原作的に言えば決勝戦大将四人なんだろうけどこのSSだと大分変わってるんで……。
誰だ……モモ当たりを極悪化すればいいのか……?

NPCでもいいけどさー。
うん、現状タイトル詐欺なのは認める。
ただ安価は次回以降だわな。

※と言うか、正確に言っちゃえば”原作での決勝戦絡みは何処かで出したい”くらいなんだよね。
ヒロインにする気はねえけど出しておかないと唐突に沸いてくる俺TUEE化するのがアレってだけなので。

まあ長々とやってきてはいるが安価スレも立てっかぁ……?
人がいるんならだけど



京太郎「ぁー……。」

大会が、終わった。


結果は、去年と同じ。

原因はわかっている。
決勝戦、去年と同じ三人と。
もう一人、妙に存在感のない女子。

今年は男子も準決勝までは上がってきていたから、楽しみにしていたのだが。
それを打ち破り、上がってきたその少女は。
何処か、希薄だった。


今までと同じ――――いや。
淡の押し付けてくる手牌干渉も、夏までと比べて何処か強く。
咲の、嶺上牌が見えているようなカンによる嶺上開花による手数。
そして、俺の今までと同じ。
役牌を引き寄せて、手数で上がっていく形。

そんな中に、異物が紛れ込んだように。
鳴こうとしても、気付けば忘れている。
アガろうとしても、気付けば先に切られていてアガれない。

其処にいることだけははっきりしているのに。
時折、見失う。
時折、三麻を打っている気がしてくる。


そんな形で、点数が稼げる訳もない。
そんな形で、差がつくわけもない。

結果だけを見れば、準優勝。
ただ、その点差は2000点とかその程度。
たった、一人。
小さく稼いでいった、見知らぬ少女は。

何事も無かったかのように――――姿を消した。

優勝、と。
その結果を、誇ることもなく。


<準優勝しました>

<狂化された少女が現れました>

……で、ですね。
ちょっと考えがごちゃごちゃしてきたんで安価に走っていいでしょうか。
一度冷静にならないと多分また変な方向に爆走しそうなので。

……どういう形式のが良いんだろう。
麻雀要素は有りにするとして……恋愛も有りだろ。
ペルソナ的にステータス用意すれば良いのかな。

(高1最強さんは多分原作のどっちと同じくらいじゃねえかな……強さ

ぶっちゃけのどっちってオカルトをガン無視してるから自身に干渉するオカルト系統無視する気がするんですよね。
爽とかの肉体干渉も絶対”偶然”でスルーする気がする。 耐えられるかは別として。

というわけでR板に安価立てました。
アドレスって貼って良いんだっけ?

確かアウトって聞いたな

>>924
あー、じゃあすいませんけど調べて下さい。
咲の安価、のやつです。

書くよ? ただペースは若干落ちると思います。
タイトル詐欺って言われたしちょっと中学から本気出すから。


京太郎「正直、なんだあれ……。」 ハァ

普通に打ってて相手を見逃すはずがない。
何しろ、こっちは門前のみに固執するタイプでは無い。
寧ろ、鳴きを重視して動くくらいだ。

にも関わらずの、結果。


咲や淡にも確認してみたが、結果は同じ。
見逃した。
気付かなかった。

ぶっちゃけて言えばバケモノみたいな二人がこう言うのだ。
つまり、相手もそれ以上に何かがあるのは間違いないだろう。

晴絵「はいお疲れさん。 頑張ったね?」

京太郎「なぁ、レジェンド。」

晴絵「わかってるわかってる。」


晴絵「先に言っとく。 何かされた訳じゃないよ。」

京太郎「……は?」

晴絵「テレビで見てただけだけど。」

一息、置いた。

晴絵「一瞬私や憧なんかも見失ってた。」

京太郎「それって……。」

晴絵「そういう子、なんだろうね。」

……ぬらりひょんか何か?


京太郎「次にあったら何とかしたいけど……。」

晴絵「難しいと思うよー?」

ただ、何とか出来てこその教え子だろう。
対策……思い付かないけど。

晴絵「ああ、憧が待ってたから。 家寄って行きなよ?」

京太郎「分かった。」

今は。
とりあえず、報告してこよう。


<狂化の一部が明示されました>

<何やら憧に用事があるそうです>

本日ぶん。

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