少年「はあ?女にして生け贄にする?」 (10)
邪教徒「さよう。お前は我が邪神さまの花嫁となるのだ。喜ぶがいい」
少年「いや意味わかんない。だいたい俺男だから花嫁になんてなんねーし」
邪教徒「これから女になるのだ。邪神さまの奇跡の力によってな」
少年「花嫁が欲しいなら本当の女探せばいいだろ。どうして男を女にするんだよ」
邪教徒「我が邪神さまは神のご多分に漏れず処女の生け贄を求めておられるのだが」
少年「神ってやなやつばっかだな」
邪教徒「大変好みがうるさくてな。真なる処女というものを追い求めていらっしゃるのだ」
少年「それでなんで男を女にするってことになるんだよ。普通に女でいいじゃん」
邪教徒「いや……普通の女だと、齢十四、五にもなれば恋の一つや二つしたことがあるだろ?」
邪教徒「一度でも男を好きになった女は体の関係なくても処女ではないわ!というのが邪神さまの主張でな」
少年「心狭いな、その邪神」
邪教徒「そこで我は考えた。幼女を連れてきて急成長させればいいじゃんと」
少年「犯罪の度合いが上がってる……」
邪教徒「だがそれでも邪神さまはお許しくださらなかった。女は物心ついた時から女……この娘、男児にちゅーしたことあるからダメだ!と」
邪教徒「邪神さまには相手の心や記憶を読むお力があるのだ……」
少年「もはや病気だな。そこまで行くと」
邪教徒「ならと我は次は赤子をつれてきた。さらに急成長させ、見た目は美女中身はまっさらと、これこそ邪神さまの求める真なる処女!と思ったのだが……」
邪教徒「邪神さま、いや流石にコミュニケーションを取れない相手だと罪悪感ハンパないから無理……と」
少年「まあ見た目大人でも中身赤ちゃんじゃな」
邪教徒「それではと次は年相応の美少女をつれてきた我は、その美少女の記憶を生活に必要な最低限のものを残し消すという案を思い付いた」
邪教徒「これまでの人生の記憶がなければ、と。これならいける、そう確信したが……」
邪教徒「記憶がなくても男と触れあったことがある女は無理!と仰られた……神には心や記憶だけではなく因果も分かるらしいのだ……」
少年「ふーん」飽きた
邪教徒「数々の生け贄を用意したが、どれも邪神さまを満足させることはできなかった……」
邪教徒「真なる処女などこの世界には存在せぬもの、邪神さまに捧げられる生け贄など存在せぬのかと絶望しかけたその時……!」
邪教徒「我はついに思い付いたのだ、起死回生の妙案を!」
邪教徒「生粋の美少女がダメなら美少年を女にすればいいじゃんと」
少年「いやいやいや。それっておかしくねえ?」
邪教徒「ほう。なにがだ」
少年「お前の神、さんざん男の気配がする女がダメだったじゃん。元男の女とか受け入れられるわけないじゃん」
邪教徒「ふっ、我はちゃんと行動を起こす前に確認を取ったのだ、邪神さまにな。曰く……」
邪教徒「精通前の男児なら女体化OKとのことだ!むしろ萌えるとも!」
少年「変態だ!お前もその神も!」
邪教徒「元男ということが女社会にすれておらず女なりたてというのが大変興奮するとおっしゃっておられた」
少年「う……あ……」変態に言葉もない
少年「あ!そ、そうだ俺!好きな相手いるし!へへーん、恋したことあるなら」
邪教徒「その相手、女であろう?」
少年「当たり前だろ。俺ホモじゃねーし」
邪教徒「百合なら問題なし!とのことだ」
少年「は?百合?」
邪教徒「簡単にいうと女同士ということだ」
少年「な、なら最初から女好きの女にしろよ!!」
邪教徒「それは我も思い付いたのだが、元から女のレズは引く見てるのはいいが花嫁にはしたくないと言われてな」
邪教徒「とにかく!貴様は邪神さまの花嫁となるのだ!なーに安心しろ。お前ならば美少女間違いなしだ」
少年「そんなことでいやがってるんじゃねえ!!」
邪教徒「それに邪神さまは一応神だ。一生遊んで暮らせる」
少年「一生遊んで……?」
邪教徒「邪神さまもたっぷり可愛がってくれよう」
少年「やっぱいやだー!!!キモいキモいキモい!」
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