施設長「いやぁ、人手不足なのに残念だよ…」
みほ「本当にごめんなさい…もう精神的にも限界で…」
施設長「診断書と退職願、たしかに受理するよ…療養してね」
みほ「はい…」
学生時代、私は戦車道という競技から多くのものを学んだ。
出会い 友情 人と人とのつながりの大切さ…
学生時代の友達もそれぞれ自分の進路へ向かい人生を全うしていた。
なのに今の私は…会社をやめ病院に通院中だ。
まほ「みほ、大丈夫か?体の具合は…」
みほ「うん…辞めてからかなり落ち着いてるよ…でも早く次のお仕事見つけないと」
しほ「みほ、まずは療養してからよ…また貴女が壊れてしまったらどうするのよ…」
みほ「お母さん…」
お姉ちゃんは西住流の師範代になった。いつか家元になる日も近いと思う。
そして離職した私をお母さんは責めなかった。
しほ「介護職は大変なお仕事よ、一言では表せないくらい…人の命を預かる大切な仕事…常に理不尽に耐えねばならないのだから…貴女は1年も良く頑張ったわ」
優しいお母さんの言葉に泣いた。
入社して無視をされるようになったのは1週間あたり
手際が悪い、教えた事を数回で覚えない
シーツの交換がへたくそ
休憩中は悪口も沢山言われた
けど笑顔でおじいちゃんやおばあちゃんが私に微笑んでくれて、それだけでも頑張ろうって思えるお仕事だった…けど
先輩「は?さっき教えたじゃん!一度教えたらすぐ行動できるようにして!」
みほ「そんな…回数をこなさなきゃ私…」
先輩「素人だなんていい訳が通用する世界じゃねーんだよ!人手不足なんだから一度教えた事を完璧にこなせ!」
みほ「が、頑張ります」
先輩「ちっ、早く隣の部屋のおむつ交換しにいって…」
みほ「は、はい…」
とても怖い先輩でした。
元不良のお姉さんで、介護と言う仕事に誇りを持っててとても優秀でした。
気に入らない事があれば上司にも反抗したりして彼女に逆らえる人は誰も居ません。
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