前川みく「手作りのお菓子が食べたい?」 (24)
みく「画面の前のみんにゃ、こんにちはー、前川みくにゃ!」
響子「こんにちは。五十嵐響子です!」
みく「今日は女子寮からお送りするよ」
響子「所で、どうして私が呼ばれたんですか? しかもプロデューサーが撮影まで」
みく「えっとね、この前Pチャンが事務仕事終わった瞬間、アイドルが作った手作りお菓子食べたいって言い出したの。むせび泣きながら……」
響子「泣きながらですか!?」
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みく「うん。最近Pチャン忙しかったでしょ? たぶんあまりの忙しさに頭おかしくなっちゃったんだと思う」
響子「で、でも! 私たちのために頑張ってくれた結果ですから!」
みく「みくも流石に可哀想だなって思ったから、しょうがないにゃあって承諾しちゃったけど、みくはお菓子作りなんてそんなにしないし、せっかくならってうちのプロダクションで最も家庭料理が上手いであろう響子チャンにお願いしたのにゃ!」
響子「そうだったんですね。でもなんで寮なんです? 事務所の調理室の方が設備も揃ってますし」
みく「手作りのお菓子が食べたいから、わざわざ調理室を用意しなくても寮でも設備的には問題ないんだって。でも、それは建前で、実際はただ男子禁制の寮に入ってみたかっただけらしいにゃ。プロデューサーだからって寮に入るの許してもらえたんだって。職権乱用にゃ。ドン引きにゃ」
響子「アハハハハ……」
みく「それで、撮影は料理番組に出る時のための練習になるからだって」
響子「なるほど! だから番組形式だったんですか」
みく「どうも今のPチャンの目標が響子チャンをチュ○ボーですよに出演させてマチ○アキに文句を言わせず☆3つを出してきてもらうことらしいにゃ。意味わからんにゃ。みく、最近Pチャンの気持ちが全くわかんないよ……」
響子「私のためだったんですね……五十嵐響子、頑張ります!」
みく「卯月ちゃんの持ちネタ奪うのはやめてあげて」
響子「それじゃあ、そろそろ作っていきましょうか」
みく「今日のメニューは簡単とろとろプリンにゃ! 材料はPチャンに用意させたよ」
響子「えっと、材料は『生クリーム100cc、牛乳300cc、砂糖40g、卵2個と卵黄2個分、粉ゼラチン5gを水大さじ2でふやかした物』ですね。これでだいたい四人分だそうです」
みく「それと、カラメルソース用に『砂糖50gと水大さじ1』ね」
響子「基本的に混ぜるだけなので、お菓子作り初心者の方でも簡単に作れますよ」
みく「早速料理開始にゃ!」
響子「まず、卵と砂糖を泡立て器で混ぜます」
みく「砂糖が溶けるまでしっかり混ぜるにゃ」
響子「分量はしっかり量ってくださいね。お菓子作りは化学とも言いますので。こんな風に言ってしまうと、難しいと思うかもしれませんが、逆に言えばしっかり分量を量り、手順通り行えばそう簡単に失敗はしません」
みく「へー。みく、お菓子作りは初心者だけど、せっかくだからこれからはいろいろ作ってみようかな」
響子「お菓子作りはストレス解消にもなると思いますよ。甘いものも食べられて一石二鳥です! ただ、お菓子に入ってる砂糖やバターの量をその目で見ると、お菓子を食べるの控えようと思う気持ちも生まれます……」
みく「アイドル的にそこは大事にゃ……」
響子「さて、鍋に牛乳を入れて温めます」
みく「煮立たせない程度に温めるにゃ!」
響子「温まったら、水でふやかしておいたゼラチンを入れて混ぜます」
みく「ゼラチンがちゃんと溶けるようにしっかり混ぜてね」
響子「溶けましたか? 溶けたら、この牛乳をさっき作った砂糖を入れた卵の中にいれちゃいます」
みく「また泡立て器で混ぜるにゃ! でも本当にほとんど混ぜてるだけなんだね」
響子「混ざったら粗熱が抜けるまで待ちます。その間にカラメルソース作っちゃいましょう」
みく「カラメルソースは『砂糖50gと水大さじ1』だったよね?」
響子「それをフライパンに入れて……あ、その前に熱湯を用意してくださいね」
みく「はーい」
響子「正直言うと、このカラメルソース作りが一番難しいポイントだと思います」
みく「温めるだけじゃないの?」
響子「すぐ焦げちゃうんですよ。それはもう真っ黒に……」
みく「……」ゴクリ
響子「カラメルソースが焦げ付くと部屋中焦げ臭くなるし、何よりフライパンを洗うのが大変なんです……」
みく「そんなのみくに作れるかなぁ……」
響子「大丈夫です! 難しいと言っても、火から上げるタイミングを間違えなければ、大惨事にはなりませんから!」
みく「よーし、気合入れるにゃ!」
響子「お湯も沸きましたね。それじゃあ火をつけて……」
みく「ドキドキするにゃ……」
響子「そんなにすぐ焦げたりはしませんよ。色が変わったらすぐに火から上げましょう」
みく「ムムムム……あっ、色が変わってきた!」
響子「フライパンをさっと火から上げて、ぐるぐる混ぜます」
みく「もう火を入れてないのにどんどんカラメルソースの色になってきたにゃ」
響子「余熱でもどんどん火が入っちゃいますから、色が変わったらすぐに火から上げてください」
響子「良い色になりましたね。ここにさっき入れた熱湯を少しずつ入れましょう」
みく「わっわっ、すっごく跳ねるにゃああああああ」
響子「ごめんなさい言い忘れてました! この時にとっても跳ねるので気をつけてください」
みく「もう手遅れにゃあああああああ」
響子「少しずつ入れながら混ぜて、全部で50ccくらい熱湯を入れましょう」
みく「よかったー。だいぶ落ち着いてきたみたい」
みく「ぐーるぐーる混ぜて……あれ? なんだかこのカラメルソースゆるくない?」
響子「ゆるく見えるかもしれないですが、冷やすと固まるので大丈夫ですよ」
みく「いい香りー」
響子「成功してよかった……そうだ、急いで冷やせる容器にカラメルソースを入れちゃってください」
みく「了解にゃ!」
響子「使ったフライパンはすぐに洗っちゃいましょう」
みく「急いで洗わないと、カラメルソースが固まって大変なことになっちゃうから気をつけてね」
響子「カラメルソースは粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やしてください」
みく「さっき作った卵液の粗熱も取れたみたい」
響子「この卵液をこし器でこしましょう」
みく「この作業必要なの?」
響子「殻座などが取れて、口当たりが良くなるんです。大切な作業ですよ」
みく「なるほどにゃー」
響子「さて、こした卵液を入れたボウルより、一回り大きいボウルに氷水を入れます」
みく「氷水は入れ過ぎないように気をつけるにゃ」
響子「氷水を入れたボウルの上に卵液を入れたボウルを乗せて、冷やしながら生クリームを入れます」
みく「そして混ぜる!」
響子「しっかり混ざったら、卵液を器に移して冷蔵庫で冷やして完成です」
みく「やったにゃ! 冷えて固まった物がこちらに……」
響子「ありませんので、ゆっくり待ちましょうか。せっかくなんで寮の皆の分も作っちゃいましょう」
みく「Pチャンもカメラ止めて手伝うにゃ! ほら早く早く!」
数時間後
みく「猫侍面白かったね。玉之丞チャンとっても可愛かったにゃ。みくも猫侍出たい!」
響子「次回作にあやめちゃんが出演するって言ってましたよ」
みく「ぐぬぬ……流石忍ドルにゃ……」
響子「そろそろプリン冷えたんじゃないですかね?」
みく「見に行くにゃ! ってPチャンもうカメラ回してるの!?」
みく「わぁ……ぷるぷるしてる」
響子「ちゃんと固まったみたいですね」
みく「それじゃあ、せーのっ」
「「簡単とろとろプリン完成です!」」
みく「初心者のみくでも簡単に作れてよかったにゃ」
響子「カラメルソースは別にしてあるので、沢山かけても、プリンだけをそのままで食べても美味しいですよ」
みく「あれ? そういえばPチャンが買ってきた材料のなかにまだ何か……きな粉?」
響子「そういえば、以前このプリンに砂糖の入ったきな粉をかけると美味しいってプロデューサーが言ってました。ちなみに砂糖入りきな粉はきな粉と砂糖を2:1で、そこに塩をひとつまみ入れて作れます。甘いのが好きならきな粉と砂糖を1:1にしてみてくださいね」
みく「え!? このプリンのレシピって響子チャンが探してくれたんじゃ……」
響子「いえ、プロデューサーに教えてもらいましたよ?」
みく「Pチャン料理できるの!?」
響子「さっきも普通に手伝ってたじゃないですか」
みく「……みくたちの貴重な休日を……わざわざ使ってあげたのに……自分で作れるなら自分で作れにゃああああああああああああああああ!!」
おわり
急にプリンが食べたくなったのに材料もないのでSSにしました
とても簡単で美味しいのでよかったら作ってみてください
黒蜜なんかをかけても美味しいかもしれません
作り方を簡単にまとめたものを貼っておきます
お付き合いありがとうございました
生クリーム100cc
牛乳300cc
砂糖40g
卵2個と卵黄2個分
粉ゼラチン5g+水大さじ2
これでだいたい四人分
卵と砂糖を泡立て器で混ぜる
鍋に牛乳を入れて煮立たない程度に温める
水でふやかしたゼラチンを入れてしっかり溶かす
溶けたら卵と砂糖を混ぜた物に入れる
粗熱が抜けるまで待つ
その間にカラメルソースを作る
熱湯を用意する
カラメルソースは砂糖50gに水大さじ1
色が変わったら火から上げる余熱があるから早めに
焦げないように混ぜて熱湯を入れる(50ccくらい)
粗熱の取れた卵液をこし器でこす
一回り大きいボウルに氷水を用意してその上で卵液を冷やしながら生クリームを入れて混ぜる
後は器に移して冷蔵庫で冷やす
砂糖入りきな粉の作り方
きな粉と砂糖は2:1 甘いのが好きなら1:1
塩をひとつまみ
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