京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」エピローグ (125)

▼ご注意▼

 1.百番煎じの京太郎スレ

 2.キャラ崩壊&ご都合主義

 3.>>1の独自解釈による設定

 4.元々安価スレの予定だっため、ぶつ切り&描写薄

 5.麻雀素人による酷い闘牌描写

 6.チョロイン

 7.京太郎主観

以上のことを許容できない方はブラウザバックをオススメします


前スレ
京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」県内編
京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」県内編 - SSまとめ速報
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京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」全国編
京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」全国編 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1457264550/)


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              わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ







「第71回全国高校生麻雀大会個人の部、優勝、須賀京太郎君!」

「――はい!」


 名前を呼ばれ、応答。ゆっくり、一歩一歩確実に、表彰台を登る。

 一歩ごとに、麻雀を始めてからの思い出が溢れてくる。

 桃子、淡。和、久さん、染谷先輩、優希。数絵、憩さん、絃さん……。

 数えきれないくらい、多くの人達との出会いがあった。

 麻雀が俺にもたらしてくれたもの。苦しいこと、悔しいこと。辛いこと悲しいこと、色々あった。

 だがそれだけじゃない。みんなとの出会いはもちろん、喜び、楽しさ、感謝。

 あらゆることが詰まっていた半年間。その結果が今、俺の前にある。

 係りの人――たぶん旭日新聞社の社長とかだろう――にかけられたメダル、渡された優勝盾。

 ライトに照らされた台の上で、俺は周囲を見渡した。

 右には憩さん、左にはなんと和が。明暗で見づらいが、そう遠くない場所に桃子たちや久さんたちもいる。

 焚かれるフラッシュの波の中、俺は心からの笑顔を浮かべていた。



   1位  須賀 京太郎  (長野)  +804  
   2位  荒川  憩    (長野)  +775  
   3位  原村  和    (長野)  +734  
   4位  宮永  照    (東京)  +727  
   5位  天江  衣    (長野)  +696  
   6位 辻垣内 智葉    (東京)  +650  
   7位  大星  淡    (東京)  +612  
   8位  神代  小蒔  (鹿児島) +571  
   9位  宮永  咲    (長野)  +530  
  10位  真屋 由暉子 (北海道) +449  
  11位  姉帯  豊音   (岩手)  +413  
  12位  福路 美穂子  (長野)  +367  
  13位  東横  桃子   (長野)  +320  
  14位 清水谷 竜華   (大阪)  +261  
  15位  藤原  利仙  (鹿児島) +245  
  16位  霜崎  絃    (長野)  +204
  17位  百鬼  藍子   (静岡)  +178
  18位  薄墨  初美  (鹿児島) +149
  19位  弘世  菫    (東京)  +122
  20位 小瀬川 白望   (岩手)  +100

  21位  南浦  数絵    (長野)  + 81
  22位  小走  やえ   (奈良)  + 41
  23位  竹井  久    (長野)  + 20
  24位 佐々野 いちご  (広島)  +  5
  25位  鶴田  姫子    (福岡)  - 14
  26位  江口 セーラ   (大阪)  - 39
  27位  愛宕  洋榎   (大阪)  - 55
  28位  白水  哩    (福岡)  - 71
  29位  末原  恭子   (大阪)  - 98
  30位 龍門渕 透華   (長野)  -120


8月3週  個人戦  優勝後 2人まで選択してコミュ


 由暉子・照  2d100=85・58  由暉子 成功  照 普通

 01~32    失敗
 34~65    普通
 67~89    成功
 90~98   大成功
 ゾロ目   超成功



「少し、喋り過ぎたかな」


 表彰式は19時30分から執り行われた。

 時間的には問題ないはずなのだが、その後のインタビューが問題だった。

 優勝に感極まって少し饒舌になったのが悪かったのか、1時間の予定がだいぶ押してしまったのだ。

 とはいえまだ未成年であるために、21時を過ぎることだけは避けられたのだが……。

 今日は龍門渕さんが再びの祝勝会を計画してくれていたのを俺は知っている。

 誰かが優勝ないし入賞すると確信していたのだろう。

 その開催時間が21時からの予定であった。

 一応、インタビューが終わってから先に始めていてほしい旨をメールしておいたのだ。

 ハギヨシさんも準備やらがあるだろうということで、送迎の申し出は断り俺は電車で帰ることにした。

 会場周辺はまだお祭り騒ぎ。笑い声と光が夜闇の中から浮かび上がるよう。

 俺が電車を待ってホームのベンチに腰掛けてそれを眺めていると、いつの間にか隣に誰かが座っていた。


                      -‐ ━━ ‐-
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                / : :.:/ .:/ / \   `¨     人 /:. :∨
            / : :.:/ .:/ / : :ノえト .__....-=≦:.:.:/:.:.|: :|
              / : :.:/__厶斗 ´|  `L∧:.:_|:.:.:|/:.:.: | : :
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   |′  |: |: : :.|Lノ ̄ 人          \]/        人.:. |
   l    八从 : | |    |:.l〕iト  ___    [[      /lノ|:. 八
.          \ |    |:.|〈  `ー      '   、 Τ  | |:/
.             |    |:.|ノ__       ‘, Χ  |ノ'
.             |    |/--  `       ‘, _〕  |

                 「綺麗……ですね」

「真屋さん」


 茫洋とした瞳で祭りの賑わいを見やる真屋さんは、その身長以上に小さく見えた。

 俺が見つめたままでいると、ホームを新幹線が通り過ぎていく。

 風に髪を巻き上げられ、釣られたように俺へと視線を向けた少女は間違いなく涙を流さず泣いていた。


「私、結構人気になったんです」


 ぽつりと、逆巻く風に呑まれそうな小さい音がこぼれる。


「先輩たちも頑張ってくれて……ネットでも可愛いって……芸能事務所も、大手が何社も……」


 喜ばしいはずなんですけどね。そう紡がれた言葉。俺は――






            特殊判定 1d100=68  失敗





「ほんとに、いいのか真屋さん」


 思わずそう問いかけていた。今の彼女は誰がどう見ても、一人ぼっちで嘆く少女。

 間違っても喜んでいるようになんて見えない。


「一人ぼっちだった私を見てくれたのは、先輩たちだけですから」


『意思なき者は喰われる、芸能界は魔窟だわ』


 ふいに絃さんの言葉が蘇った。真屋さんは絆に囚われ、決して望まぬ道を進もうとしている。

 俺は……何も言えない。言えなかった。一体俺が真屋由暉子の何を知っているというんだ?

 何も知らない男の言葉がどうして届くというのか。無意識に歯が軋んだ。


「――これで女子高生真屋由暉子は終わりですね。もう行かないと」


 焦燥に喉を焼かれた俺を余所に、電車は無情にも真屋さんを連れ去ろうと滑り込んできた。

 無機質に正確なダイヤ。それでもなお削り合う世界に向かう少女。


「応援、するよ。だから困ったことがあったら思い出してくれ。力になるから」


 電車の中に入った真屋さんはきょとんとした顔でこちらをまじまじと見つめてくる。

 子供に何ができるというのか、などと馬鹿にされるかもしれない。

 だが俺の本心に違いないのだ。泣いている女の子を見過ごせない、俺自身の我儘。


「            」


 数秒間固まっていた真屋さんは、透き通った笑顔を浮かべて唇を動かす。

 だがああ、扉は閉まってしまった。ガラスとアルミ合金の戸は音を遮るのに十分すぎる。

 俺の前から滑っていく彼女。知らずに数歩、縋るように足を動かし。

 ただ加速度的に離れていく距離を見ているしかできなかった――――








    「須賀京太郎くん。私の、由暉子の最初で最後のファン」







 真屋さんを見送った後、すぐに俺の目当ての電車もやってきた。

 取り返しのつかないことをしてしまった、できなかったような気がする。

 インハイチャンプとなったはずの自分の手を見て、俺はその虚無感を握りしめながら帰路に着いた。

『次は 龍門 龍門 です Next Station is Ryumon――』

 俺の気分など関係ない。気付けばもうホテル最寄りの駅だ。

 不思議と閑散とした電車内を一瞥し、大きくため息を一つ残して俺は電車を降りた。

 そうしてまばらながらも途切れることのない人波に従って駅を出てしばらく。

 近道も兼ねて俺はあの公園を通ることにした。しかしそんな俺を阻むように現れた人影。


「待ってたよ、須賀君」

「えっ。……宮永照さんが、なんで」






  1d100=59  失敗 






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  ∠./‐' /:::::::::::/   > 、      ̄    /v、::ヽ:::丶:::::::.. : :!
       /::/::::/ _,ノ:::::::::` r 、     ,  イ、/  ' !::::/\::::.、: :!
     /::/;/  `ヽ、__;ィ:|:ー-`〒´-‐:':´::|    レ'  ヽ;ハノ
    //        _,..-'´:|::::::::::::||:::::::::::::::::!丶,、
        _,... -―'::´:::| :::::::::::::::::::::||:::::::::::::::::::::::::|:`ー-、

             「お別れを言いに来た」

「お別れ……?」


 人影は宮永照さん。咲のお姉さんだった。

 その彼女がなぜ俺を待っていたんだろう。そう思って訊ねれば返ってきた言葉は別れ。

 あまりの唐突さに俺は鸚鵡返しに声を発するしかできない。






  1d100=96  成功





「そう、お別れ」


 戸惑う俺を見据え、しかし照さんはしっかりと言った。別れを告げに来たと。


            ,.  ´ ̄ ̄ `  、__
          /   ,      / /⌒Y
         /    /    ,:       | ̄\
        .:'    '  /__/   ,      |   \__
       /    /  ///\/ /   .'   '    {` ̄
     /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´   // /   、   、
       { { Ⅵ /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \
       | |  {/       ∨ィ=、}/  ,  |、 }  ̄
       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |
        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从
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////////////>、  {、     〉
/////////////(_)}   ∨、_,イ/\
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/> ´   --、 ∨ム  //////////////}
     ´¨¨ヽ\〉 ∧///,イ/////////// |
        - \///{/イ//r- 、///////∧

「な……なんでですか。どうしてですか! 咲とは話せたはずでしょう!?

                   お姉ちゃんと仲直りできたんだって、あいつは!」

「須賀君に負けてしまったから。そうでなかったら、プロチームに練習生として合流する予定だった。

 でも、それもお母さんが蹴っちゃって。私は海外武者修行する」

「そんな、俺の……せい……」


 錯乱する俺とは裏腹に照さんは至極落ち着いた様子で淡々と理由を告げる。

 照さんの言をそのまま受け取るならば、彼女の国外行きは俺のせいということになる。

 しかし俺の呟きは、誰でもない宮永照さんが強く否定する。


「違うよ。須賀君の“おかげ”。これでやっと、あの人の妄執から逃れられる」


 “せい”ではなく“おかげ”。

 俺が呆然としていると、困ったように言葉を付け加えた。

 タイトルを取れば帰ってこれる、と。






  1d100=72  失敗





 つまり、海外で賞を取るまで帰国しない、できないということか。

 せっかく咲との和解も成ったのに、あんまりではないか。

 俺と照さんの関係は咲を挟んだ間接的なもの、あるいはただの競技上のライバル。

 どうすればよかったのか。どうしようもなかったというのか。

 拳と歯が軋み、それでも止まらない。俺はなんて無力なのか。

 目の前僅か数歩先に佇む女性の今にも壊れてしまいそうな透き通った笑顔。

 この表情を俺は何度させてしまうのか――――






  1d100=96  成功





「泣かないで、京ちゃん……んっ」


 行き場のない後悔に苛まれる俺。そんな俺に照さんが無拍子に近付き、白くなった拳が彼女の手に包まれる。

 思わず力を緩めたその手に指が絡められ引き寄せられた。

 体が前に傾いだ。絡められていた指が片方外され、左の頬に添えられる。

 視界一杯に広がる彼女。目が閉じられ、重なった。



 遠くから響いてくる、アスファルトが削られるようなざらついた音。

 それがすぐ近くで悲鳴を上げて止まる。


「んっ……時間切れ」

「――――待っ、照さん!」


 手を伸ばした俺から逃げ去る照さん。ヒステリックな怒鳴り声のほうへと駆けていく。

 俺はその様子をただ見ているしかできなかった。

 荒々しく走り出した車を視界の向こうに捉え。


「泣いてるのはあなたじゃないかッ」


 そう独り言ちた。

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     ′  ./ .:::::/ .::::::/::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::. : ::::. ハ:::::: i
     ′:. / ::::/ :::::::/:::::::::/ : ::::::::::::::::::::::::::::::::::, :::::::: i::::: |
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   /::::::::::′:::::′  .′:::/:i:::i::i::::::::::::::::::::::::::    ...::::::::|::: :|
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.//    ヾi:::::i:::::::i:i:i:::::i:i:::i::|:::::i::::::::i'::::::i::::::::::::::::::′i:::::/:::::i
.´     少:::::::',:::::l:i::i:::::i:゙、ト:|::::ヘ:::::::i:'::::|:゙::::::::::::/i::/i::/::::::::i\
    /  |::::::::::、:ハ ヾ:i  、.i   ヘ::::i::',::i ゙、:::::/ iノ. i/::::i:::::i  \
  /   |::::::::::ハ ヾ ゞ.    ,丶i ゙:j  ヘ/ / 厶::::ハ:::i    丶

 ∧ヾ   |:::::::/    ヽ.、   ._ ヾ.,    イ   /::/i::::′      ゝ_
../ ∧ヽ.  |::::/.      i > _  ̄ . r  ./.  // i:/         /.:/i_
.i  ∧ヽ  |:/       丶    ̄    /  /  レ         /.:// ヽ


8月4週  東京  予約イベント消化

        44       怪我
        01~20     失敗
        21~50     普通
        51~80     成功
        81~98    大成功
        ゾロ目    超成功

                         〈  '" `〈_,,/ ,rー─ l、
                         |    l '゙、,/ _,,、 }
                             l    ノ   `-!゙'ヽ /
                          \          /
.                          〉ヽ 、    /
                          /      ̄y"
               _ _         /        /
            ,,..:::"::::::::::::::::::::゙ ヽ   /        /
             /;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`:,/        /
           //::::::::::::;::::;彡;::::::::::::::::::/      /
        ,:"::::::;へ;:// メル乂::i:::y'         /
       ,/'i:::/;:;/Χ    ` ゙ \;V       /
      ,l゙ レ'::::;/,.__/ ゙   , -─ t/         /  ___
      | |::::/:l" ̄ヾ     __ i         ソ /     \
      | l;:/:::| " "      '' ̄~V       / l       さ  l
         ゙'i;ッl   _ ' _ " "/     /   |  観  あ   |
        /::\  レ   丿 ,イハ     ,〈  <   光  !  |
       (/l:::i::/:::>、_ー _,,.r"i ∧   /ヘヽ  |  よ       |
         ヾN/ ./、| /.//ハ ヘ, / / 〉 .|.  ぉ      .|
         .r「'/ i i / /  l/ ヽ. ∨//   .l   !       l
       〈 ,〃 l/ /   .∧   \,〉〆     \ ___ /

「さぁーって、それじゃ東京観光と洒落込みましょうか!」


 久さんの音頭に従って、みんなおーとかわーとか思い思いに歓声を上げている。

 インハイも終わり、普通であればさっさと長野に帰らなければならないところだが。

 『抜かりはございませんわ!』との龍門渕さんの一声で東京滞在の延長が決まったのだ。

 清澄と風越の面々は宿泊場所が使用申請期間をオーバーしてしまうため行く当てがなかったのだが、

 そこはそれ龍門渕透華の出番である。

 さすがに俺達のようにスイートルームを用意することは叶わなかったが、

 ツインベッドルームを人数分寄越してのけた。

 とはいえせいぜい2,3日のこと。恐縮している時間が惜しいということでさっそく遊びに繰り出した次第である。

 ちなみに俺達のスイートルームは8月いっぱいまで抑えてあるらしい。さすがにそこまでいる気はないが。

 そんなわけで俺達は今、雷門の前である。

 外国人観光客なども目立つが、俺達須賀、清澄、鶴賀、龍門渕(7人)、風越(4人)という26人の団体ともなれば負けていない。

 主に俺や憩さん、和に注目が集まっているが……それでも目立つことが好きな龍門渕さんはご満悦。

 他のみんなもテンションが上がっているようではしゃいでいるので気にしていない様子だ。

 楽しまないのももったいない。俺は息を一つ、気持ちを切り替えて遊び回るのだった。


「あー、みんなとはぐれちまったな」

          _____
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「あはは、そうだね京ちゃん。でも電話したんでしょ?」

「そうなんだけどな。みんなも結構バラバラになってるっぽくて……再集合にちょっとかかりそうだ」


 テンションが上がった高校生たちの群れ。それがどうなるかと言えばお約束とも言える離散の憂き目に遭っていた。

 ひとまず俺は迷子にならないようにと目を配っていた咲を確保することには成功したのだ。

 周りが楽しそうにしている中、一人寂しそうな様子だったのも目を配った理由の一つ。

 十中八九、照さんのことだろう。照さんと咲はラストの対局で同卓だった。

 そうならばある程度話す時間も取れたはずだし、実際仲直りできたということも聞いている。

 だからこそ、照さんが国外行きという事実は咲の胸に重くのしかかっているはずだ。






  1d100=81  大成功





「……俺、昨日の夜に照さんと会ったんだ」

「え?」

「それで、さ。照さん、海外行くって」

「うん……。私も聞いた。負けたお姉ちゃんをあの人は許さないだろうって。

 白糸台のことをぬるま湯って言ってたからたぶん、海外で揉まれることになるって」


 俺の告白に一瞬驚いた咲だったが、すぐに立ち直った。

 そしてやはり、俺が聞いた話は咲も既に聞かされていたらしい。

 それにしては咲の様子は落ち着いている。寂しい以上の気持ちは見えない。


「そっか……。やっぱ、俺のせいかな。照さんは“おかげ”って言ってくれたけど」

「ううん。お姉ちゃんの言う通りだと思う。お姉ちゃんはようやく、自分の人生を歩めるようになったんだから」


 思わず漏れた弱音。しかし咲はそれも受け止めてくれた。


「……それにね、お姉ちゃんならすぐにでも帰ってくるよ。それが無理なら……私が迎えに行くから!」


 くすりと笑いながらそう言ってのける咲。本気でそう思ってはいるだろうが、少し無理しているように見えた。

 一番哀しんでいるだろう咲に弱音を吐いてしまった俺は――


「泣いてもいいんじゃないか。今なら他に誰も居ない」


 今度は俺が咲を受け止める番だ。

      /: : : : : : : : : : :, : : : : : : : : : : : ヽ: : : : : : : : .  ヽ
      /.: : : : : : : : : :/: : : : .i: : : : : : : : : :l : : : : :i .     ヽ
     i     . : : :l: : i: : . |   l    |:  l:  l     ハ
     .l     i  l  li   l  , |    i  l  l l :i i   ハ
     | . : :| : : : :| i: : l: : |l _,,/!‐'´:/i : : 'ー/|‐ ;;l ,_ l: :l: : l: :.l: .  l
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     |: : : :l : : : : l l: :|;,=ニiiii卜  !/ ゞiiiiiiヾ,i/ i/: : :i: : :|  \l
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      l i!: :ハ\: :l(´`)ニ=-C .::::::::::::. Cー(´`)//: :リ: : :|
      l!:l: : :l;ヽ, ゞ  :::::::::::     ,  :::::::::: !´: : :| \|
       ! 'l: |\~ヽ、               リ: : :/il   `
           l! ヽ!\ゝ     ,,:‐.. ..;;,、   /:./|/ i
              '| `丶、 `~ ̄~~  〆|/';/
           /´i;l    `>ー,.イ´ー、,,_

         〆i´  ヽ、     l  l ヽ ヽ ~ーニ,,,_
       /i  |    \      |  iヽヽ    ~゙ヽ、
     /  |  |\    \ー‐、 〆|   |.\\     ヘ
    /    |  |  \   \   |   |  ヽ ヽ i   ハ

             「――うんっ。ありがと」


 少し俯いた咲。肩を震わす。俺はそれを抱きしめ、胸に咲の顔を押し付けた。

 微かな嗚咽と、確かに感じる滲み。背や頭を撫でながら、俺はただ受け止め続けた。





宮永咲の好感度がぐーんと上がった



「行くじぇ咲ちゃん!」
「わっ、待って待って優希ちゃんっ!?」
「ゆーき、そんなに引っ張ったら咲さんが転んじゃいますよ」


 みんなとの合流も済み一段落。咲もだいぶ吹っ切れたのか、楽しそうに笑っている。

 それを見て安心した俺は、ふと思い立って皆と別れ単独行動を取ることにした。

 浅草は観光地だったからなのかやや視線が気になっていたのだが、

 普通の町に紛れてみれば俺を気にするような人もまるでいない。さすがは大都会東京か。



 そうしてすっかり気を抜いていたせいか、気が付くのが遅れた。

 物陰から突如覆いかぶさってきたむにゅんという圧迫感。

 どこか懐かしく安心するような匂い。滑らかながら温かみのある感触。それは


                     _  \ー- 、
                   ∠二 _  ̄\ヽ   !
              -=_,,ニ二_   ヽ  )}  }
              / _,, -‐     ゝ   ノ、
                 / /              ヽ
              / /                 }
            .ノ       /           ヽ`ヽ、
          /.     /     /    l   !   l   ヽ
         /  /    /     / /   .}   l .l  }ヽl⌒ )
         ./  /       / /}∠!_  ./l__l__ l  l  l
        / ./ /   {  /7____|  /´j_∠!_/! リ  }
       (/{  { /   \{/(。::厂`;ノ ´(。厂)トノ\人
         乂 .八ハ  /   l ,,,`¨      ¨,,, ∧    ,ゝ
           `   )/从  l、      `   / }   .l
           _,,,../l \{::\   , 、 ./、ノヽ/)ノ

        ,, -<//////∧ \::::>..._ ,,..イ∧ ヽ
      /  \ ヽ/////∧  \  / .}///l  }
    ./      .、.}/////∧   〉∧ .|///l  l
  /        }.l//////∧  ,.ヘV∧ .l.//∧ .l
 /             ////////∧/ }::::} Y////∧ノ
.〈         , イ/////////∧ノ:ハ:ヽl.//////\
./\      / }////////////∧イ  Vl.////////ハ

                「京太郎捕まえた」

「白望さん?」


 様々な要素から圧し掛かってきたのが白望さんであることを見抜いた俺である。

 しかしなぜここにいるのだろうか。素直に考えれば観光なのだろうが……。


「先生、観光してこいって」


 やはり観光か。しかしそれならばなおさらここにいるのはおかしい。

 なぜなら俺は観光地から外れるように歩いてきたからだ。


 一晩で劇的に変わってしまった自分や仲間たち以外の周囲からの視線を重荷に感じて逃げてきたと言ってもいい。


「抜けた。逢いたかったから」

「えっ。嬉しいですけど、それなら連絡とかしてくれれば。運よく逢えたからいいものの……」

「デート」チュッ


 実際に逢えたからともかく、普通は町中で偶然遭遇するなどということはまずないのだ。

 そう苦言を呈する俺だが、白望さんは取り合う気はないようで……。

 俺の首筋に吸い付いたり襟足に鼻を埋めたりとじわじわとアプローチしてくる。

 そうされているとどうにもむらっとしてくるのは、健全な男子としては仕方がないことだ。

 とはいえさすがにすぐに押し倒すというのはあまりにも酷いだろうし、今でこそ途切れているが人目もある場所なのだ。

 どうにか自制心を振り絞って、白望さんへと声をかける。


「わかりました、わかりましたから! デートしましょう!

 なので、とりあえず背中から降りてもらっていいですか?

 降りないならこのままお持ち帰りしちゃいますよ?」

「……ちょいタンマ。

                    / / `ヽー、     ー、   `ー /´
               _ -‐ァ'/       ´⌒ヽ  、 ヽ、_ 彡 ´
              /⌒ィ'´ /            ',  \  ヽ
                /´ア´ /  / /       !   ',   ヽ
            ({ /  ノ  / /       ! l    \   、   \
             `Y ィ´   / /    i l  '.   、 ヽ.  ',_  `ー-
             / /    /イ/i{    j{ j  、      \ ヾ  ̄´
            , ィア,' イ  /`7~ヽ   ハ 八  (ヽ    ト、 }  ー、
           j/ / { { イzx、_エ、  j |~~、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j

             ´ {  ヽハ、{i  佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ }  〉ハ    ヽ.
             ∨   ハ `  ̄   \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ     ハ
              ヽ { j! !    、     } ヽ!  〈 /フ   j!  / リ
               `ヘハ ト          j       /´j}   ハ ノ
                  `  \  ゚ `   /    / ノ j_ノ ´
             _ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ    / `7=ュ。_

            イ  「ニニニ7   人j  ハ   〈  /ニニニ´⌒ヽ
           ´ i  ニニニ{  /l] `Y  ',   V /ニニ/    '.
               l  ニニニ、/!  [! (   '.   Vニニ7       }
      /     ハ  ニニニニニ|  マ、  ィハ    Vニ7        ′
     /       ',  ニニニニニ|  マ、ィ´  。    V       /

 ――――――――――――――――――――――――ん、京太郎ならいいよ」


 やられっ放しは癪だと意地を張って言った冗談。

 しかし白望さんは麻雀をしているときのように真剣な表情で長考した。

 そのまま数分間が過ぎ……許可が下りてしまった。え?


「ほら。あっち」


 硬直した俺に背中の彼女は指で進むべき道を指示した。

 俺は真っ白になった頭を抱え、素直にその指示に従ってしまう。

 いや、頭の中は大混乱で何も考えられない状態なのだ。

 白望さんの操縦が上手いのかそんな俺をしっかりと導き……

 ついには気付けば白望さんが逗留しているというタワーマンションの一室に身を置いていた。

 携帯端末はメールかチャットを受信しているのか、ぶるぶると震える。

 俺がそれに気付き条件反射的に手を伸ばそうとしたのだが。


「はい、返信しといた」


 白望さんが常のダルがりはどこに行ったのか、別人のように手際よく返信してしまったではないか。

 送信された文章を確認すると文体までしっかり擬態されている。

 知り合いに捕まったから夕方までそっちといると。嘘は何一つ含まれていない。

 この人、実はすごい出来る人なんじゃないか……?

 俺が愕然としている中、状況はさらに進む。白望さんは自身の携帯も操り連絡を済ませ、そうしてから服を脱ぎ捨てた。

          \ー―――‐`         }
            \         --- 、 __ノ_⌒ヽ
           /⌒    /     /    Y^ ,
         ー=≠       /           |   ',
.        /     /      / /         \_
        /     /     / / /        /      Y´
       ./  / /   / _/_/イ_/,  、__/ ∧
       | /./ /   /´/|/´-l/   // /`^ヘ |   | l|
      八{ /  j/ ll ∧ :|芹苧豕 /l/苧豕, ∧|   | l|
        / イ / Ν/-、| | 乂_ソ}/   ヒソノ∧八 リノ
          .{  | \、_jノ        、   ,   ∨
          \八  厂〕ト       _  人  i|\)
            ./)/ ヽ.ノ/}> 、   ´_ イ   )ノ /
          .′     V{、    ,〈
           {      V.\   ` <、_
          |         '.V, `ヽ   ヽ  `ヽ
         ィ≦ニニニニ=- 、} V,   _   \  V        f^}__
           《ニニニ=-――‐-Y、V,´    `  .> ´  ̄ ` 、   .rく\ }
           ∨{ニニニニニニニニ{ニ\ハ、      \        >、/、 ヽ ヽ
          `ヽニニニニニニ八ニニ\Yrz、 _   ‘.  _.rク⌒}〈 \ ノ

            {ニ≧=-<∧ニニニヽノ个へー.、 .}rく>‐一 ヘハ  /_}
             乂ニニニニニ`込ニニニニ\}  .}⌒´K      }_} /ニリ
             {_ヽニニニニニニ\ニニニニヽ.ノ  .ノニヽ  、___〉|/ニ/
                  |ニ∨ニニニニニニ.>--=≦`¨ニニニ}/    }}ニ}=/
              》ニ∨ニニニニニニニ}ヽニニニ}ニニニ/、    八|∧
             ハニニ∨ニニニニニニj_ハニニニ!ニニニ{、_.>イニニlニ八

                〈ニ}ニニ∨ニニニニニニニニニニニl|ニニノ .}ニニ八ニ}/
              八_|ニニニヽニニニニニニニニニ.斗<   {ニニ/ニニ|
             /ニニニニニニニ\ニニニニ> ´      |ニ/ニニニ!
            /ニニニニニニニニニニニ>-<          |/ニニニニ|
         /ニニニニニニニニニニニニニ/      /     Vニニニニ{
          /ニニニニニニニニニニニニニ/      .{!      Vニニニニ|
       /ニニニニニニニニニニニニニニ′       ′       'ニニニニ|
       ./ニニニニニニニニニニニニニニ′              ニニニニ!
      /ニニニニニニニニニニニニニニニ′=- ._          }ニニニ八
     ./ニニニニニニニニニニニニニニニ.′    「水フ- _       .|ニニニニ∧
    /ニニニニニニニニニニニニニニニハ            =- .  从ニニニニ∧
   ./ニニニニニニニニニニニニニニニニ{  '.           /=-`ヽ{ニニニニニニ}
   /ニニニニニニニニニニニニニニニニニ|  .}=‐- .    /. イ      .Vニニニニニl|
  .《ニニニニニニニニニニニニニニニニニl|  .|     `ヽ/´         }ニニニニニニ|
   \ニニニニニニニニニニニニニニニニl  {、 ノ  イ          |ニニニニニニ|

                    「お風呂。シよ?」


 時刻は午前11時。昼下がりの堕天使の誘いに、俺は耐える術を知らなかった――――





小瀬川白望の好感度がぐぐぐーんと上がった


「シロ!」「まったくもー、連絡あっただけいいけどさっ」


 時間は……午後4時くらいか。ベッドの上で余韻に浸っていた私を叩く声はチームメイト達のもの。


「やっぱり寝てる!」「シロらしいよー」

「寝てない」パサッ

「「「――えっ!?」」」「!?」


 ベッドに寝そべっているのを見てぷりぷりと怒り出す胡桃に、ぽやんと柔らかい笑みを浮かべるトヨネ。

 飛びこんできたエイスリンを受け止めようと体を起こしたことで、かけていたシーツがするりと落ちた。


「……? あ、忘れてた」

「忘れてたって……あんたなんで裸なの!」

「うーん? 何か変なにおいがするよー」クンクン

「!」カキカキ  『SE――パシンッ


 驚き固まったみんなを見て、私は京太郎との情事の後から裸のままだったことを思い出した。

 塞は私の呟きを聞いて顔を赤くしながら怒鳴りつけてくる。

 仕方がないだろうと思うものの、面倒だから言葉にはしない。

 京太郎が上手いのが悪いのだ。処女だった私にほとんど負担をかけず、ドロドロに融けるような感覚を与えたのだから。

 最初はまだいい。股間の鈍い痛みが漂う私の意識を繋ぎ止めていたから。

 しかし途中から、痛みが薄れてしまってからはもうダメだった。

 私にできるのは京太郎という雄へ縋りつき、もたらされる快感を彼の望むように受け入れることだけ。

 ……思い出したら少し濡れてきた。その感覚に意識が引き戻され、同時に胸元の違和感が強くなった。

 触れてみると、乳房のたぶというか、汗疹ができやすいエリアに粘りを感じた。

 掬い取るように指を走らせて見てみると、少し乾いて粘性が増した京太郎の○液だった。

 みんなも私の指先に注目し、トヨネ以外はそれが何か気付いたようだ。


「な……ちょっ、男!? 男と密会して「ペロッ コクン」って飲んだ!?」

「……? え、あ! せ、せー○? 初めて見ちゃったっ」アワワ


 指に乗ったソレを舐め取り、嚥下。味は良くないし喉に絡みつくようで不快だ。

 でも京太郎の一部を体に取り込んだ感覚が私の脳を舐る。頬が熱くなり、たまらずほうっとため息が漏れた。

 そうしていると塞が腰を隠しているシーツをばさりとはぎ取ってしまった。

 それどころか私の足を掴み、見えるように広げた。

 その動きでとろりと京太郎の○液が流れ出てきたことが感覚で分かった。


「……もったいない」

「ハア。色々言いたいことはあるけどね、ちゃんとピルは飲んだんでしょうね?」


 塞の言葉に思わず目を逸らした。飲んだフリをして京太郎を騙したのだから。


「……飲みなさい。相手が誰だか知らないけど、現代女として最低限のマナーなんだから」


 トヨネたちがきゃーきゃーと騒ぎだしているが、なおも私は塞の言葉に首肯しない。

 業を煮やしたのか、塞は顎を掴んで強引に呑ませにかかってくる。

 いささか本気で抵抗しようかとも思ったが……。


「とにかく、子供を辛い目に遭わせないためにも今はダメ。私も協力してあげるから、お願いシロ」


 悲しそうな目で切々と訴えてくる塞の様子に、抵抗する気も失せた。

 薬を飲まなければ妊娠していたという確信があっただけに、少し恨めしい目を向けてしまうのは許して欲しいところだ。

 それでも、残り半年の高校生活だと思えばこの騒ぎも良い想い出になるんだろう。

 相手は誰だとかどうだったのかだとかを聞き出そうとして来る胡桃たちをいなしながら、夏の抜けるような空を見上げた。

                        イ/
                   > '"  /
                 /   ,, - ''"‐‐-  ,,_       ,
               /!   = 、        ` ‐-- ''"/
               -(   ´   ヽ、 ̄` -      彡
            / ゝ-   ,,      ー--  ニ==彡
          イ  /  /   ヽ         -= ヽ、 __
         (〃 イ     イ   "'' - ,,       ヽ ヽ -=`
          イ   ,'   ,' l  丶    `"''<"''<  }      >
        / /    /! !  ,  !   ヽ ,,     ヽ  ) /"' -‐<
       ( /  // !  l    、  \~"''<  ヽ ./     ヽ、
         {  /〃  il  ̄  三 \ゝ - ,,斗= ミ ヽ} ヽ  }\ 、`
         ゝ { ヽ l}/弐芯示    ´ 以:゚:リ/ l }  l/ 丶) ヽ)
           j   、!  ゝ‐ '       `¨´  ' / 丶  ヽ
          / l   lヽ',       '     '''  ,' '   } ',   }
           / l   、              /   / / /〃
          ∧ 、、 、ヽ     -    /ノ, ノイ ノイ
             `  ̄   >     < |_ ´
                   r‐|      ィ `ヽ
                 __ ノ  `''', /、´    〉< ,,
            -   ̄  |  /\/\  /: : : : : : <
          r'"| : : : : : : : :! / >:::::::::::< \∧: : : : : : : :} \

         /  l : : : : : : : :|' /::::/ .ヽ:::\   j : : : : : : : |  ヽ
        ./    ! : : : : : : : ',, \:/   ',:/  / : : : : : : :/    ヽ
        l     ! :/ : : : : : : 、          /: : : : : : :ヽ| !   ヽ |
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       /     ,': : : : : : : : : : : :、  /: : : : : : : : : : : :',/     \
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      /___     ,: : : : : : : : : : : ..:::...\: : : : : : : : : : : : ..::,          /
    ヽ   /`ヽ   ',::... : : : : : ...:::::::::::::::::..\::... : : : : : :...:::::,      /
      ー/    --ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::::::::::::::::イ丶-,-- ''".∨
      /     /   ',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::/     ',     ∨


 白望さんを抱いた後、俺はさりげなく皆と合流し観光に戻った。

 とはいえ有名どころも回って夕食を摂り、土産を軽く見繕ってホテルに戻ったのだが。

 明日は皇居を見てから原宿や新宿を見て回る予定だ。そして明後日の昼頃に帰りのリニアに乗る手はずになっている。

 そうして明日以降の予定を確認していた俺の耳に、ドアを叩く乾いた音が届いた。

 時刻は20時。他のみんなは大浴場に行ったり家族が押しかけて祝われていたりでいないはず。

 なによりインターホンではなくドアを叩くというのはどういうことなのか……。

 訝しがりながらもドア前のカメラを確認してみると、そこには巫女服。

 背の高さ、何より胸元を押し上げる……圧倒するモノを見れば小蒔さんでないことが分かった。

 石戸さんだ。ますます疑問が募るものの、それも直接聞いてみれば解決するだろうと俺は安易に考え、彼女を迎え入れることにした。


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                      从:::::|″ ゙,.    //  |:::::: |
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              「夜分遅くに申し訳ございません」

「いえ、そこは別にいいんですけど……どういったご用件で?」


 ドアの前で60度に身体を傾ける石戸さんを促して椅子に座らせ、冷蔵庫に入っていたドリンクを勧める。

 恐縮して自分でやろうとする石戸さんを抑えてグラスにあけて差し出した。


「はい。須賀様がうちの小蒔と逢引していた際に失礼な態度を取ってしまったことを改めて謝罪させていただきたく」


 逢引……? ああ、おそらく長野で小蒔さんと逢ったときのことか。

 今にして思えば鹿児島にいるはずの小蒔さんと石戸さんがなぜ長野にいたのかというのも、

 あの瞬間移動らしい何かで行き来していたのだろうと納得するものである。

 しかしあのときのことは既に謝罪され、俺もそれを受け入れて終わったはずだ。なぜ今更。


「須賀様が」

「その須賀様ってやめません? 石戸さんのほうが年上ですし、様付けはどうも居心地が……」

「……しかし、いえ、分かり――分かったわ、京太郎さん。だったら私のことも霞と呼んで?」

「はあ、霞……さん」


 霞さんの須賀様呼びに居心地が悪く、不作法だが言葉を遮って訂正を要求した。

 その結果なぜか俺まで名前で呼ぶことになったが……

 美人を名前呼びできるのは悪い気はしないので特にごねずに従うことにした。


「京太郎さんは今更何の話かと思っているでしょうけど、こちらの事情がだいぶ変わったの。

 小蒔ちゃんが京太郎さんに寵を受けて以来、巫力が大きく増したのだけど……。

 そのことが本家のお歴々に知られてしまって。

 最初こそどこの雑種が珠に傷をつけたのかと宣う輩もいたのだけど、

 京太郎さんがインハイで示した力を見て掌を返したのよ」


 そこまで話した霞さんは、暑いわね、と言いながら巫女服の胸元を肌蹴させ扇ぎだした。

 ちらちらと覗く深淵が如き谷間に目を吸い寄せられるが、それと同じくらい気になることを先に処理してしまわなければ。


「掌を返した、ってどういうことですか」

「簡単な話なのよ。どこの馬の骨かと思っていたら、京太郎さんの力は明らかに素戔嗚尊直系の征する力。

 私達霧島神宮は瓊瓊杵尊とその側近達、九面神を祀る社。

 天照大神の力までは手に余るというのが実情だったのだけれど……あなたの存在がそれを変えた。

 天照大神は、弟神である素戔嗚尊をなんだかんだ愛してらっしゃったから、その力を御するのに役立つ。

 本家のお歴々はそう皮算用をしているのよ。

                ---
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         |:::八从斧苧ミxl厶厶イ- 、从::::|:::|l::|
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    リ  /     |:::〈   /   /         ,
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   \ \{::{`l≧====≦三三三三三l  |:::l:::| 〉

 ふふっ。京太郎さんのその眼……すごいわ。まるで乳房を舐られているようで……。先っぽが固くなってきちゃう」


「えっ」


 直前まで真面目な話だったのに、突然の変質。

 確かにどうしても気になってしまって霞さんのおっぱいを凝視してしまっていたが……。

 それにしたっておかしい。ほうっと熱い吐息を漏らし、濡れた瞳を俺に向けてくる。


 対面に座っていた霞さんがおもむろに立ち上がると、止める間もなく俺の膝上に腰を下ろす。

 そうして首に左腕を絡め、さらには俺の右腕を掴むと袂にむにゅりと差し入れさせた。

 溺れそうなほどに暴力的な柔肉が俺の腕を襲い、本人の申告通りに乳首は痛そうなくらいに屹立している。


「んっ だからぁ ぁんっ 、教えた通りに ぁっ、体を使ってっ 籠絡してこいって ひゃうっ♪」


 甘えるように俺の首元にキスしながら、俺の指を誘導して胸を蹂躙させ乳首を転がさせる。

 嬌声に脳が痺れる。しかしこのまま流されるのは霞さんのためにはならない。

 いわゆる枕営業みたいなものなのだ。そうして俺の歓心を惹けと命令されて。


「霞さん、こんなの良くないですよ。……大人に命令されたからって、自分を粗末に扱っていいわけがなんむっ!?」

「んちゅっ ちゅっ はぁ。勘違いっ、しないで?

 私 ちゅっ そんな軽い女じゃないの むちゅっ 。

 あっあんっ♪ 京太郎様のこと、お慕いしております……! んっふあっ♪

 霞はもう、あなたの虜なの。全部、全部京太郎様に捧げます!

 望むならば他の娘をあなたのものにだってするわっんくっ♪

 だから、京太郎様のおち○○んを霞の女○に挿し込んで、孕ませてぇっ!」


 口内を丹念に浄めるように舐りながらも言の葉を紡ぐ様は実に健気で。

 胸を弄ぶ腕を誘う必要がないと判断した彼女は俺の下半身に手を伸ばし、

 それはもう愛おしくてたまらないのだと理解させられるような心のこもった愛撫を施してくる。

 頭ではこの状況の異常さをはっきりと認識している。

 だが霞さんの言葉は全て真実なのだと、嘘偽りが欠片も混じっていないのだと確信してしまった。


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      /     {∠二二二二二二ニ=\            //
    /    _ノ二二二二二二二二二≧=-   ___  -= /
   /     {二二二二/二二二二\二二二\   /  /

「んあっ……? やぁ! もっとっ……ぁ? 京太郎様っ♪」


 彼女の思慕が本物なのだと理解してしまえば、俺の理性など薄紙一枚ほどの強度にもならない。

 胸元で幸福を甘受していた腕を名残惜しいが引き抜き、それに気付いた霞さんは幼子のようにむずがって強請る。

 俺はその反応に頬を緩ませながら両脇に腕をかけ、一気に体を向き合うように入れ替えさせた。

 そうしてから少女の唇を貪り、両腕が首元に回されたのを確認してから巫女服を剥ぎ取るように胸をまろび出させる。

 遠慮呵責も無く、俺はその果実を思うままに蹂躙した。

 そのうちに霞さんの足は俺の腰をがっしりと固定するように絡みつき肉の圧力で快感を与えようとぐりぐりと動かされる。

 どこまでも俺のためにという動き。それを利用して俺は椅子から立ち上がり、軽く悲鳴を上げる少女に構わずベッドに直行した。

 その勢いのままに荒々しく体ごとスプリングに押し乗り、一度合わさっている唇を離す。

 唾液の橋が幾筋もかかり、霞さんの口の端からは受け止めきれなかった獣欲の証かよだれが溢れて艶めかしく光る。

 彼女の瞳は既に理性の色も無く、ただ目の前の俺を求め、愛し、石戸霞という形を殺せと訴えかけてくる。


「孕むまで、孕んでも、何度だってシてやるからな、霞」

「ふぁい……きょーたりょしゃま……♪」


 俺はついに理性を完全に手放した。絨毯の上には酒精の香る空き瓶が転がっていた――



 窓から差し込む光。最高級ホテルの高層階でなければ小鳥のさえずりが聞こえるだろう、爽やかな陽気。

 目を覚ました私は、そんな外の様子とは対極のような淫靡なら匂いに包まれた部屋をぼんやりと見回した。

 真下に視線を落とせば、愛しい彼の姿。彼の声、彼の匂い、その肌の感触。

 思い出すたびに下腹部がきゅんと疼く。

『孕め』

 彼は確かにそう言った。小蒔ちゃんの身代わりでしかなかった私にだ。

 あの情事の最中、彼は他でもない私自身を求めてくれた。

 許されるなら、ああ! 許されるならこのまま彼の子を孕み、何度だって産んでみせよう!

 そう、許されるならば、だ。

 石戸霞にそれは許されないのだ。

 神代小蒔が愛する男。であるならば、彼の子を産み落とすのはまず我らが姫巫女でなければならない。

 そうしてからやっと、私が孕むことを許されるだろう。

 我が主様――京太郎様はお優しい。自らの子であれば自らの手で育てることを望むだろう。

 しかし主様はまだ学生の身。食い扶持を真っ当に稼ぐのは難しい。

 その才をもってすれば裏の世界で稼ぐことも不可能ではないだろうが、そんな危険なことはさせてなるものですか。

 であれば、あと3年は小蒔ちゃんが子を産むことはない。

 その子がある程度育つまで……2,3歳になるまでは、5年程度。

 その時私は23歳か。現代では適齢期であるものの……私はそこまで我慢できるだろうか?

 主様との繋がりが断たれないよう、慎重に動いて枕元に置いておいた避妊薬を手に取る。

 手の上の錠剤をじっと見た。飲まねばならない。心臓が早鐘のように打たれ、おとがいから汗が落ちる。


「――んぁ?」


 主様がお起きになられる。私は急いで錠剤を口に放り込み、嚥下……してしまった。


「おはようございます、京太郎様」

「あー、おはよう……霞? なんで泣いてるんだ」

「え?」ツツーッ


 眠たげな瞳を一瞬で吹き飛ばして私を心配する彼。彼の手が顔に触れ、触れた場所に水が広がるような感覚。

 慌てる主様を見ながら、私は自分の涙に驚いて無様を晒してしまっている。

 なぜ自分が泣いているのか。

 彼の力強い腕が私を引き寄せ、しっかりと抱きしめられる。

 頭に添えられた手が私を首筋に埋めるように何度も撫でるように動いた。


「だって……私はまだ妊娠しちゃいけないから……」


 思わず漏れた一言。私も彼も、一瞬固まった。それでこぼしたことに気付いたのだ。


「……俺はまだ学生だから子供が出来ても面倒を見れない。辛い思いをさせてごめん。

 自分で孕ませてやるって言っておきながら、許されることじゃないよな」


 後悔を滲ませた声音でそう告解し、ついには昨夜のことは忘れて別のもっといい男と恋をしてくれとまで。

 イヤダ 嫌だ! 私には京太郎様さえ居ればそれでいいのだ。

 彼がいない世界などこちらから願い下げ。私の全ては彼のもの。既にそう誓った。

 小蒔ちゃんの後でもいいから、傍にいさせて。

 そんな言葉が私の口から染み出るように溢れ、それを聞いた彼は瞑目し、言った。



「――分かった。だが勘違いはやめてくれ。

 俺が誰をどのくらい愛するかは、俺だけが決めることだ。

 小蒔さんのことは確かに愛している。でも霞が誰かの代わりだなんてことはないんだ。

 俺が石戸霞を愛するのは俺がそうしたいから。他の何者も関係ない。俺の意思だ」


 私の耳元で囁かれた宣言。なんて傲慢で自分勝手なのか。

 堂々たるハーレム宣言で、その主導権も須賀京太郎が握る彼による彼のための世界。

 こんなことを言われては百年の恋も冷めるのかもしれない、普通ならば。

 だがどうだろう。私はどうだろうか。

 この最低な暴君を前にして、そう、むしろ胸が高鳴るのだ。

 彼はこう言っている。神代など関係なく、霞個人を愛している。そしてそれは私がどう思おうが変わらない。

 子を為すのも彼が望んだ時期、望むだけの人数を。


「はい。京太郎様……♪」


 こうして私は紛れもなく彼の女になった。たとえ未来がどうであろうと、

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                                           霞はあなたのものです――――――――


というところで一旦休憩とさせていただきます。

また夜頃に投下始めます。

お読みいただきありがとうございました。

感想・ご意見・ご要望等ございましたらどしどしどうぞー

一旦乙
結構失敗多いな今回

テルーは毒母から離れられたのが幸いだな
由暉子にも救いがほしい

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」 
↓ 
信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか? 
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ 
いちいちターキー肉って言うのか? 
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」 
↓ 
鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。 
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋 
↓ 
信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw 
んな明確な区別はねえよご苦労様。 
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」 
↓ 
>>1「 ターキー話についてはただ一言 
どーーでもいいよ」 
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです 
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ! 
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469662754/)


余談
7 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:06:48.44 ID:10oBco2yO
ターキー肉チーッスwwwwww
まーたs速に迷惑かけに来たかwwwwwwwww

9 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:12:33.84 ID:LxY8QrPAO
>>7
はいNG設定


この速さである
相変わらずターキー肉くん=>>1という事を隠す気も無い模様

31 ◆xmciGR96ca4q sage saga 2016/07/28(木) 12:50:19.79 ID:g6WSU+sH0
昨夜寝ぼけてスレ立てミスったんで憂さ晴らしも兼ねて久々のロイミュ飯でした。書き溜め半分残り即興なんで色々アレかもしれませんがアレがアレなんでアレしてください何でもシマリス(熱中症

建てたら荒れると判ってるスレを憂さ晴らしに建てる
つまり>>1は自分の憂さ晴らしにs速を荒らして楽しんでる

うーん、いつも通りのクズ>>1で安心するわー

イベント消化のアレコレがユキや照を失った喪失感を埋めるためのように見えなくもないなこれだと



テルーとのコミュ回数に執念を感じた

投下再開していきますー

>>36
照と由暉子の特殊コミュ判定はゾロ目or95以上で成功扱いでした
なので成功しないのもむべなるかな

>>40
照の特殊判定は全て成功することで海外行きを阻止もしくは一緒に行くことが可能でした
とはいえ1回1回の判定自体は気の利いた言動ができるかどうかの判定です
判定2回目は咲のことを言及できるか、4回目は照がキスしてくるか

>>37
由暉子は……はやりのように実績や看板があるわけでもなければ際立ってクレバーなわけでもないので……
この結末自体は絃さんに語らせていたように、介入できなかった時点で必然です

>>39
言われてみれば確かに(塞翁が馬)


「あー……」


 俺は昨晩からのことを思い返し、静かにへこんでいた。

 霞に対しての態度、なんと傲慢で自分勝手だったことか。

 しかも自分で妊娠させようとしておきながらその言葉を翻すようなことまで言ってしまった。

 どうにも昨夜の俺はおかしかった気がするが、それでも前言を翻すのは男としてよろしくない。

 結局朝の時間は霞と過ごし、お互いの汗や体液をシャワーで流したり寝室の乱れを片したりした。

 その際に見つけた酒瓶――ウィスキーの烏龍茶割りを見た時に色々察するところがあったわけだが。

 ラベルは大手飲料会社の烏龍茶と瓜二つで、そのせいで気付けなかったのだろう。

 霞もそれを見た時は口元を手で隠してコロコロと鈴を鳴らすように笑っていた。

 俺は恥ずかしさのあまり頭を軽く掻いて誤魔化したが。



 そんな感じで支度を済ませた俺達だが、霞は今日の便で鹿児島に戻るとのことですぐに辞去していった。

 無論連絡先も交換済みである。


「御用があればいつでも申しつけ下さい。諏訪は霊山がありますから、すぐに駆け付けますわ」


 とのことで。色気たっぷりの嫣然とした振る舞いに危うく理性を飛ばされそうになった。

 麻雀だけでなくそっち方面の防御力も俺は低いのかもしれない……。


 なんにせよ、東京観光二日目である。今日は和や龍門渕さん達の伝手で、阿知賀の面々と合流しての観光の予定である。

 なぜ初日から合同でないのかと言うと、

「京太郎君をぽっと出の女に渡すわけにはいかないじゃない?」

 という久さんの言葉で粗方察することができた。

 おそらくだが、和や龍門渕さんたちは面識のある阿知賀女子を引き入れることに肯定的だったが

 久さんや憩さん達が難色を示したのではないだろうか。

 個人的にはチームメイトのみんなとは長野に帰ってからゆっくり遊びに出かけようと考えていたから、やや放置気味なのである。

 しかしそれに痺れを切らした桃子達を見て、実は甘えたがりな可愛い久さんも悪乗りしたのだろう。

 その結果、俺を囲い切れずに単独行動を許したのは彼女たちにしてみれば痛恨事だろう。

 そんなことの後でも俺のプライベートを尊重してくれているのか。

 部屋に強引に押しかけることはしないのは感謝すべきことだ。


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           |:.:.:.:.小   , ,    '    , ,  : /:.:.:.∧:.} リ
           l.:.:.:.:.:| }ゝ-!            jハ:.:.:.:j/}:.|
          :。.:.:.:{ {:j:八    -==ァ     イ }/ j:ノ
            ゚:。.リ  \{≧ュ。.    ィ:jソ  ″ /
           ゞ    イニ}  ` ´  {ニヽ

              ィニ//      ゝ|ニ\_

        ┬==≦ニ/ニ7____    __,.|ニニムニニニニニlヽ
       /ニ|ニニニ/ニニニ|`-―――‐一´|ニニニムニニニニ|ニム
.      /ニニ:|ニ7ニニニニニ|          |ニニニニ}ニニニ=|ニム

            「はーい、お疲レジェンド」

「ハルエ、それは寒すぎ」

「ああ! お姉ちゃんが凍えてっ」

「あはは……。和、優希ちゃん、それと須賀君、久しぶり!」

「今日はよろしくお願いしま……」

「寒い」ガタガタ

「えっと、よろしくお願いします……?」


 待ち合わせ場所に辿りつくなり掛けられた謎のセリフ。

 それを窘める新子さんに真夏にセーターを着ていながらも震える松実さん、

 姉を心配する松実さんに苦笑いしながらも元気に挨拶してくる高鴨さん、

 語尾が消え入るような小ささだがしっかり者の雰囲気な鷺森さん。

 しかし赤髪の大人の女性は誰だろうか?


「本日はよろしくお願いいたしますわ。赤土先生もご健勝なようでなによりです」

「赤土……赤土……ああ! 阿知賀のレジェンドっすか!」

「龍門渕さんご丁寧にどうも。そう! 阿知賀のレジェンドこと赤土晴絵とは私のことだよ!」


 龍門渕さんの言葉で桃子には思い当る人物がいたようだ。

 赤土晴絵さん、というらしい。……そういえば雑誌に阿知賀の監督兼コーチのOBがいると書いてあった気もする。


「小鍛治健夜にインハイでレ○プされて麻雀やめたとか」

「レ○プて。確かにボッコボコにされたけどさあ……。

 でもま、私もまたプロ目指すことに決めたから今度は勝つ」

「え、ハルエプロ試験受けるんだ」

「まーねー。熊倉先生の口利きもあるし、須賀君のおかげで吹っ切れたから」


 格好良く決めた赤土さんだったが、桃子が口にした情報には思わず苦笑い。

 それでもすぐに気を取り直し闘志を燃やしている。

 そしてプロを目指すという発言に憧たち阿知賀の面々と和が反応していた。

 どうやらまだ彼女たちにも言っていなかったことらしい。


「俺のですか? 失礼ですけど、俺は赤土さんのことも知らなかったくらいで何もしてないような」

「ははは、まあ私が勝手に君を見て勇気をもらったってだけだからね。

 女子と比べたら明確な差があると言われる男子学生がインハイチャンプだよ?

 それを見せられたらやっぱ、諦めきれないって。

 今年のプロ試験は受験者数かなり増えるんじゃないかなー」


 なにやら俺のおかげだという。

 確かに言われてみれば、俺のインハイ団体個人両優勝というのは男子として快挙だ。

 純粋なフィジカル以外では30歳辺りから頭角を現し始める現代男性である。

 にもかかわらず弱冠15歳で頭脳と運が問われる麻雀で実績を出した。

 道半ばで夢を諦めた人々からすればこれ以上ない火付け役になっただろう。

 快挙だという自覚はあるが、そこまで具体的な効果を考えてもいなかった俺としては

 ありきたりな激励を投げるくらいしかできないが……。


「はあ、まあその、頑張ってください」

「ありがと。さて! そんじゃ大人として青少年の引率やりますか。

 あんたらの中じゃ大人は久保さんだけってことで大変そうだしね」

「ええ……。池田ァ! お前も福路たちから目ェ離すんじゃねーぞ!」

「ひぃっ!? 分かってるし! だから怒鳴らないでほしいっていうか」

「グダグダ言ってんじゃねェ! さっさと出発だッ!」


 実は同行してくれている風越のコーチさんによる理由のない叱責が池田さんを襲う。

 その様に俺達は思わず笑いながら、夏の終わりを吹き飛ばすように東京を巡る――――。


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           「京太郎♪」
                    「京太郎くん♪」

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 どうしてこうなった。

 今俺は新子さんと和の二人に釣り出されて東京のどことも知れぬ路地裏にいる。

 幸い近くにごみ溜めなどは無いようで、ネズミはおろか虫も見当たらない。

 鈍銀色のパイプや積まれた段ボールが絡み合い完全な死角と化している不思議な場所だ。


「の、和、本当に大丈夫なのよね?」

「もちろんです。優希や咲さんは穏乃が抑えてくれますし、部長たちは灼さんが」

「巨乳達はクロが抑えるし荒川憩は宥に目が向いてしまって離れる決心がつかないと」

「その通りです、完璧な計画でしたね」


 ……つまりだ、和が友人たちをかち合わせて俺の捜索に出れないように画策した上で俺を掻っ攫ったというわけだ。

 新子さんはもじもじと内股を擦り合わせ、手を口元に寄せてこちらをちらちらと見てくる。

 和はそんな新子さんに見せつけるようにその豊満な体を俺に擦りつけ、艶めかしい嬌声を上げる。


「あー……和? 新子さんも。どういうつもりなのか説明してくれないか」

「憧の男性恐怖症克服訓練に協力していただこうと思ったんです」

「いやいやいや、それでどうして俺をこんな人気のない所に連れ出すんだよ」


 和は説明(?)をしながらも俺のズボンのチャックを降ろし、下着に手を差し入れてくる。

 押し付けられた和の胸、甘えるように吸い付いてくる唇。

 俺が少しかがんでやると嬉しそうに目を細めて舌を絡めてくる。

 あの清楚な和がどうしてここまで淫乱になってしまったのか。

 新子さんがそんな驚愕を顔に貼り付けて、生唾を呑みつつじっと視線を向けてくる。


            __  ......
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   r--、/ -    ̄   、{ニニ≧、 /ニニニハ
   {i!/   /        Vニニニヽ-、ノニ〈
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 i  .{ i i iノ从 ト、!r==ミ、/!/  /ニニ} iニニ\
. 从l/i ∧ ! f笊 `  .んハ》 7r./ニニニ} !ニニニハ
  ゝ从ル.圦ら}    ゝ-'    レ´ ̄! `´ ヘ
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    / / ヽ  υ     ' ./   /´ ̄ ̄`ヽヽ 、
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 }///!  !///!´  /:::::::::::::∧             /`¨¨¨´/  i!ノi i!  ゚。            /
ノ////  ///  /::::::::::::::::::∧              /    /   j(/ j゚。  ヽ          /
.//// <ヽ    {::::::::::::::::::::::::}ヽ        <    /      ij      ヽ      ′


「ふきゅっ……そんな大きいのがほんとに……?」
「あ、ああ……すごい……。あの和がこんな顔するなんて……」
「えっ、えっ!? な、中に……。ちょ、まだするの!?」
「うー……。の、和……私も……うん、うん。これをこうして……あむっ」
「んふーっ♪ らめ、あたまのなかがきょうたろうでいっぱいになりゅのぉ」
「ちょうだいっ あこのおま○こにきょうたろうのぶっといのっ」
「痛っ。あっ、待ってまだ動かさないでっ!? のっ和待って、初めては全部旦那様にあげたいのっ」
「んっ ふぁぅっ あっ ふきゅっ~~~~!?」
     __

  / : : : : : : : : : ヽ                         _ ―
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: : : : \: :\: :\: /: :ハ: ヽ:.ゝ:V:/:、___  彡' . <: :/  _ ≦   ̄ ̄  ミ::_、 _
: : :_斗匕示ミ: : : :V⌒ v: : }: : : :V/: ----==ニニ彡 __彡: : : : / ___ _ _ノ⌒ヽ__ヽ ̄ ^¨¨¨
:八: :从>沙' 从: :{ { 八:_:|__V/:._. :へ:__: : : : : : : : __≦: :  ̄ ̄:__( __、
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ゞx芍 // _  .}: : :Y:/: : : :.:.:.:/|: : |: : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : :./: : /:.|    {____
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. 八 !   |:|: :.:| /     `r<: : : : : : ゝ: : : ≧--彡⌒ヾ_  <  _-------   _
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 本当にどうしてこうなった。

 俺の目の前には跪くようにして口で“お掃除”する二人。

 和はもう慣れたものとどこか余裕を感じさせる雰囲気だが、新子さん……いや、憧は別だ。

 何かヤバイ薬でも打たれたのかというくらいに瞳孔が開き、それでいながら熱に浮かされたように瞳は鈍く煌めく。

 和を押しのけるようにして吸い付くとひょっとこのように口を窄めて、

 どこにそんな力があったのか不思議なほどの吸引力で吸い上げてくる。

 和も憧も服は3人の体液でドロドロ、この状態で町中に戻るのはさすがに無理なのではなかろうか。


「近くにお風呂屋さんがあるんです。きちんと調べておきました」ドヤァ


 俺の心中を察したか、替えの服を取り出しながら和が実に見事などや顔でそう告げる。

 それを見た俺は、和の指導でついさっきまで処女だったとは思えないほどの

 巧みな口技を披露する憧に放出し、色々と諦めたのだった――――
 . ― 、

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__\|比|i       /: : : : : : : \ : : : : : : __ヽ,_       /|ヽ ノ |  |      __|
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  八 A/   |: : : | |:⊥\: :ヽ ,イ圷刎',Ⅳ|: : : :|: ∧   ', ' _|    /   .|__ノ
___    八: : :|: |ヘ!_ \_:ヽ乂zツ || ,|: : : :|: : ∧   . | _i_      |
 奈良      /\|i: |:∧⌒ ,        |「 l: : : :|: : : ∧ /.|ヽ⊥ ⊥  「 ̄ 「 ̄ |
 円光    i : / .|: |' 人   _ __,  /l|: !: : :.:ト 、 : ∧ ./| |ニTニ|  .|__.|______|
―――    i / 〈\l   '>  _/入リ ′: :/   >∨.:| 二Т二    .|
  01      |:| 〈\}  / } : /   ト __/ : : :′ / -ァ:.:.| ―┴―    .|
―――    |:|  {ア⌒⌒ヽ∧  Γ 7: : :i:| ,ィ / ///ヽ      \./ ̄ ̄\
円 現     l |  Υ   \}: :ヽ  ', /|: : :.|:| /´ /: /|: : :\    /       ',
光 役     | ゚。  ヽ    〈: : {\.∨∧: : |:|'   / /_」: : : : :\   '         /
中 中    ',: :\ ∧     ': :/\ Y__,∧: |:|  /:/:| : : : : : : : : :.  \____,/
○ ○     \: :.:|/|    ト{   廴| /`     / | : : | : : i: : : ‘, ,     \
生 生    ,,∠\|: ′    ヽ, //:∨/    j  { : : | : : |: : : : l /―┼―‐ \
   ハ   ,ィく::/:::::_| 人     /∨∧/     /  \:/: /|/|/|/  __|__   \
新 メ  `{:::::||: Υ::::::ヽ|\/}/:/ /    ./     Υ    /      .|
子 撮 \〉:::||::: |:::::::::::::::::::::::_人/      /  r     厂,    \  ̄ ̄ ̄ ̄
憧 り   {: ̄ ̄|:::::::::::::::::,∠ ノ      ∧   \」     }ヽ    \    \
      、 \::::/\::::::「>r┘   __/\ > ミ __彡、 〉 \   \    \
     /\ く (⌒),>-<⌒\ _⊥\≠=≧<__/ | | /{:::\.\   \

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       {   /          __    -=≦´ /         ヽ \
=======     ,       r<´   \    \    / 現 役 中 ○ 生  ,  \
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ACHIGA   !///        \///ハ/  / \    \  .≧=‐--‐=≦\


「和……やってくれたわね」

「なんのことでしょうか部長。私はちゃんと東横さんに声をかけて行きましたよ?」

「モモちゃんは反則ですよーぅ……」


 久さんと憩さんが恨めしげな目を向けているが、当の和はどこ吹く風。

 というかもしかしてあの場に桃子がいたのだろうか。

 視線を桃子に向けると……ハンディカメラを振ってニヒルな笑みを作るではないか。


「N県A女子校1●才 真夏の路上セ○クス お嬢様のお下品フ○ラ  って感じっす」


 うん、ばっちり撮影しやがったらしい。いやまあ、あのカメラは今時珍しい完全閉鎖型のカメラだ。

 データチップをPCに取り込まない限りは絶対にネット流出しないタイプ。

 ソーシャルカメラがある以上、ハッカーにとっては町中は自由に覗ける場所と言って過言ではないのだが、

 それでも政治家の不倫現場をすっぱ抜かれたことでデータ保存だけはできないよう対策されたのだとか。

 閑話休題。

 とにかく桃子が撮影したとしても流出しなければいい。


        /:/: : : : : /:. :. : : : :.八:. :. :. : :. :.| |: : : : : : : : |:. : : : :|: : |: : : : : :‘,
       ' /: : : : |: :|: : : :|:. : :.| |: : : : : : : | |\: :_: : : : |:. : : : :|: : |: : : : : : :‘,
.      i ハ: : : : |: :| : : ∧: : :l ハ: : : : : : T〔 ̄「 :|: : : :|:. : : : :|: : |:. :. : : : : :.|
.      | | |:. : :| |: :无Τ: :Г| ト、: : : : :N  ヽ|\: :|:. : : : :|: : |:. :. : : : : :.|
.      | | |:. : :| |: :| V \ l |/  \: :| ,ィ㌘宥ミx |:. : : : :|: : |:. :. : : : : :.|
.      | | V:. : :|: :V |〃示芯ミx    \| ♭  Л Ч: : : : :|: : |:. :. : : : : :.|
      ヽ| V: : |: :ヽ癶{ ♭_,Л         乂こシ 个: : : : |\|:. :. : : : : :.|
          \ |: : : :メゝ弋こソ             |:. : : :.| |:. : : : : : : :.|
             |: : : :ハ     ,      /i/i/i/i  |: : : : : | |:. :. : : : : : :′
             |: : : : :} /i/i/i             |:. : : : :.|ノi : : : : : : : ,
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             |:. : : : : : : :.「 ̄. . ≧=一≦¨´.. .. ../:. :// : : : : : : /ヽ|
             ヽ:. : : : : : :.|.. .. . . . . . . . . . . . .. ../:. :〃:. :. : : : :./. . . . \
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            /. . \: : : : |.. .. .. .. .. . . .. .. .. ..厶//:. : : :./.. .. .. .. . . .. .. .. ..`

         「京太郎くん、今夜時間をもらってもいいかな?」

「松実さん」

「宥って呼んでって言ったよね?」

「あっはい、宥さん」


 周囲のじりじりとした雰囲気の中、すっと近付いてきた松実さん――宥さんである。

 その申し出を俺が断る理由もない、特に考えもせず了承した。

 そのことに愕然としたのは久さん達である。再び出し抜かれたとあっては穏やかではいられないようだ。

 とりあえず、観光中に軽くフォローしておくか、と俺は皆を促して食事に向かうのだった。


 暗く寒い場所から一気に浮上する意識。体に感じる重みと暖かさに絆され、目を開く。

 すると目の前には男性の顔。整った造作ながら、どこか安心感を覚えさせる抜けた雰囲気。

 金色の短髪はそんな雰囲気を跳ねのけ引き締めるよう。

 寝ぼけた頭が少しずつ動き始めてきた。とりあえず彼の背に回したままの腕が痺れているのが分かる。

 起こさないように腕を外し、解す。体を動かしたことでお腹の中が少し引っ張られるようにひりついた。

 最後はあのまま寝てしまったのだと思い至る。

 私と彼の首と腰を固定するように巻かれた二本のマフラー。

 彼が外に出そうとするから最初は足で押さえたのだが、普段の運動不足が祟ったのかすぐに限界がきたのだ。

 だから上になるフリをして腰を玄ちゃんのくれたマフラーでぐるぐる巻きにした。

 そうしてから互いの首をもう一本のマフラーで巻いて、離れられないようにした。

 思い出すと心と全身がじんわりと暖かさを増す。

 彼と密着しているからお腹を撫でることはできないけれど、それでも確かに感じる熱。

 私を、違う、私の寒さを灼き尽そうと言わんばかりの力。私はすっかりその熱に依存し、想いが溢れてくる。

 彼の寝顔を見つめていると、不意に涙がこぼれた。


 とめどなく流れるそれはなんなのか。

 ああ、松実宥という存在はようやく解放されたんだ。

 昨日までの私は京太郎くんによって殺され、熔かされ、打ち直された。

 この涙は、これまでの松実宥を閉じ込めていた氷、松実宥の過去そのもの。

 だから私は涙を押しとどめようと目を閉じた。

 今の私なら、この氷水も温め、温泉にだってできるはずだから――――

                         ,...-''´ ̄ ̄゛`.ヽ.、.
                            /./../...://...,.........\
                     /ィ/::::::/::://:/:::::::/::::::....l ?

                        ///:{{:::ィ‐ナt:ハ::::::iハ:::::{:::::|.  ?
                    |//:::ん't元ぅ| { ?::l{ t-ん::l:: | |

                       /:::::,;|'´じ熱`   ?`'tぇミ|ノノ:: l l
                    /i:::::/:l x x x     も温ツ.:: / l
           ,..-っ      i::l::l/:/   __’ ?x x x ?/::: /: //
          //ニヲ, _....,-‐イ::|:|::l:??  ヽ_>    /::::ハ: //
         _/ /ニフ/::::ノ⌒く|:::?;|\:\--..、___  //:/ノ//

      /'´::i'´ レ´ツ'´ ̄\:.:.:|::::::::|:.:.:. ̄: ̄:.:.:.:.:. ̄'//:.?/:/
     //::::::|  {´ノi,,l,,..-‐''\|::/:::|\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/イ::::/:|::|
     /::/::/{、_/´/ l ,,/ ___ノ/::::/:.:.:.:`:ー:―:./::/:::/‐:r、{?
      ? |/-/    ソ´,,,,,二ブ:::/⌒ヽ-:、_:_:_:./:::/:/、:{??.}} |ィ
  ,,-‐''´ ノi/  /     {:.ノ:r'二_ソ,へ:.:.:.ヽ|:::i/ i\??V り

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    /    ..{::::::::::::......       /??:.:ー:ヘ ?:::\r{____,,,,ハ |:?
,,,,-イ      人:::::::::::::::::::...     /   '´ ̄   ̄ノ    / l:::::??
/:.:{      //}:::::::::::::::::::::::... ??i...........         }    `i.|::::::.??
:.:.:.:.:|     //;       ○ ? l:::::::::::::::::::::......  /  i   {.ト;i:::: i?
:.:.:.:.:{___,...ィッ'"´./   /       ?:::::::::::::::::::::::::.?|   ?  .ド,?:::::::||:|
::::_;::-‐'"´  ?/  /        i \:::::::::::::::::::イ|    \| \}:::ノ.リ
:/      ノ-‐'´             ?  `  ''´/:.:.|:|     `i  ?
       /       ○     ?     / |:.:.:||      ノ  ?|
  _,..-'´                ?  ?/  |:.:.:リ     }    ii
,..< `ー-,                     \ /   l:::::?    /   ?ll
    -'´                   `i  ??:::::?_/:|    ||
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          ○                  |   ??::::::::::::l::l::?   ||
                     {`ー-?    \::::::::::|....}   ||


「京太郎くん、またね」チュッ


 宥さんはそう言って7時には部屋を出ていった。

 なんでも阿知賀女子の面々は赤土監督の自家用車で来ていたらしく、8時には東京を発つのだとか。

 連絡先と一緒に松実館という、宥さん達の実家の旅館の優待券を俺の手に握らせた。

 今のご時世会おうと思えば札幌――鹿児島間でも2時間かからないとはいえ、やはり別れというのは寂しいものだ。

 東京での約3週間。色々な人と出逢い、戦い、別れてきた。

 俺の人生でも間違いなく最も濃い期間だった。

 仲良くなった人達に改めてメールで挨拶をしつつ、身支度を進めていく。

 リニアの発車時刻は10時。朝食を済ませたら一服入れる程度の時間はあるが準備し直すほどの時間は無いからだ。


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   「やっと長野に帰れるわね」

「そうっすねぇ。これでようやく京ちゃんが女を増やすこともなくなるっす」

「ふふふっ。京太郎君なら分け隔てなく愛してくれるから大丈夫よ」

「それもいいですけど、次は国麻に向けてまた練習しないと」

「数ちゃんは真面目だじぇ。」


 桃子が失礼なことを言った気がしたが聞かなかったことにしよう。

 そして優希の言うように数絵は真面目すぎやしないだろうか。

 それが数絵の良い所ではあるのだが……長野に帰ったら一日デートするという約束を忘れてやいないか少し心配だ。

 そんな風にみんなしてどこか気の抜けたくつろぎ空間を切り裂いたのは。


「んあ、悪ぃ、電話だ」PiPiPi! PiPiPi!

『遅い!』

「淡? 遅いって……2コールで出たじゃないか」

『淡ちゃんが電話してあげてるんだから0コールでしょ!』

「また無理難題を……。しっかし懐かしいな。前もこんなやりとりした気がする」

『……そだね。ま、それはいいの! 今すぐリニアの外出てきて』

「そろそろ発車時刻なんだけど」

『いいから! すぐ! 急いで! Hurry up!』

「分かった、分かりました。……なんか呼ばれたから行って来る」

「やりとりからして淡ちゃんっすね」

「よく分かるな。そういうことだから」


 膝に乗った桃子に断り、俺はリニア列車の搭乗口に向かう。

 車内とは違い差すような日光に目が眩む。思わず手で目を庇い、軽くよろめいた。


                                       ¨ ̄ ̄ ̄¨  、
                                    /   _/ ̄} ̄`ー-、
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                              /   .| {.〃⌒ヽ |/〃⌒ヽ |:|   》
                              //   ./| |.{i. (^ノ i}  {i (^ノ i}リノ  /
                  -‐=ニニ二二二二二二 /   ./:::|::::ヾ 二ノ  ヾゝ.イ|: /
.              /                  /   ./:: ∧::∧  丶 フ   |:|r,人
              ((                  //   ./::::/::::\. \┌--‐ /「/^i \
.              ヽ             /.::/   ./ /:     ‐-┐ヽ. /  {  ヽ\ 二二二ニニ==‐
                      /..::::/   /:〈     -==}  i}     }   .}\\         ヽ
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               -‐=='´         ∨/ ‐-‐::::::/      /        }
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.   {{.   {                                      {二二二ヽ_
.    \__〕                                  {_____〕

                       「どーん!」ガバッ

「うわっ、あっぶね!」ググッ


 軽快な足音に気付き身構えていたおかげか、淡の飛びつきにどうにか踏み止まることに成功した。

 バランスを取ろうともがいたせいで飛びついてきた淡の尻を鷲掴みにしてしまったが、

 当の淡はそんなことお構いなしと俺の胸元に頬ずりすることに夢中だ。


「――ふぅ、ちょっと満足。また離れちゃうね、キョータロー」

「俺は長野で淡は東京だしな。しょうがないって」

「テルも居なくなっちゃったし……そっち行くね」

「は? いや、そうなれば嬉しいけどさ」

「イトも今年で卒業だし、春大会には3年だから出れないでしょ?

 だからこの淡ちゃん様がキョータローのチームに入ってあげようというのだよ!」


 最初の切なそうな雰囲気はなんだったのか。

 淡がそのたわわに実った胸を張り、堂々たる転校宣言。

 もしそれが実現すれば俺は嬉しいが……。清澄は公立だから特待生制度はないのだ。

 転入試験とか色々と大丈夫なのだろうか?


                       ´              \__

                         /                    マ三三三三三三ニ=-
                  /     /           \     ∨ /⌒> 三三三ニ=-
                         ,′          ヽ           \三三三ニ=-
                   /     _/ │  ∧          .     | ニ二  -=ニ\三三三ニ=-
.                /    / /│ '|  |\  :.       :. i   |\        ̄`丶三三三
           __/      / /  │/│  |   :. |\       :.   |             \三三
         _/´/ /    /| \| | |  |  |│ ::.     |   八   ー―‐=ニマ三\  マ三
       厂| |∨//    人 レl   | ト-|  |  |│ ::.     │ \ \       `マ三)  }三
__,,...  -┤│レ/゙∨   /\l |_|斤テ外八 ^ト--|/--│              ー=ニ二 `マ  /_三
       ││|{ {.  /  ∧ンリ 乂ツ   \|斗テ外、.|       卜、        丶、______ く_三三
       | ∨\八  {  /  Y::/::/  ,    乂)ツ 》│    | /\       \≫==≪\ マニ三
__,,,... -‐ヘ_ \,,>\∨廴_,人          ::/::/ / リ│  │  >ー──=ミ〃    `ヽ∨ニ三
          ̄    \__,))       ヽ      ∠/_7  イ /⌒)丿    \_ノ{ -‐~‐- }ノ三三
                      ≧=‐   -=≦ / ∧|/ / ,.二二二二∨|\___/| ̄ -=

                                 / /  厂∨ / -――=マ 〉|      |
                               ((⌒´     ∨ 〈       ∨/l.     │
                                           `ーヘ      ∨|     │
                                         `、      ヽ、____丿
                                               \     \

「シツレイなこと考えてたでしょ! 淡ちゃんはこう見えて割と成績もいいんだから!」

「こう見えてって自覚あるんじゃねーか!?」

「あ。えへっ?」

「可愛く笑ってもダメだからな?」


 淡は自身の容姿をよく理解しているから、自分を可愛く見せる方法も熟知している。

 そんな淡の渾身の笑顔、さすがの一言だがそれで誤魔化されるほど付き合いは浅くない。

 そんな俺に意地になったのか……。


「むぅ。ならしょーがない。奥の手っ♪」チュッ――――


 可愛らしい啄むようなキス――ではない。

 それはそれは情熱的な、溶け合うような濃厚なキス。

 周囲の人達からの視線が集まるのが分かる。

 驚きに固まる俺を起こすように鳴り響いた発車を知らせるベル。

 列車に戻らなければ置いて行かれてしまう。俺が動こうとしたのに気付いた淡は両手で顔をがっしりとホールド。

 仕方なく掴んだままだった淡の尻にさらにもう片手を追加、持ち上げるようにしてドア前まで後退する。

 さてこれからどうしようかと躊躇したところで淡が蠢かせていた舌を抜き、最後とばかりにじゅるっとバキューム。

 勢いに驚き少し重心を後ろに下げたところでドンっと突き飛ばされた。

 その直後に閉まり始めるドア。

 ドアの向こうで口周りにべっとりとついた唾液をぐいっと漢らしく袖で拭う淡。

 その先にある瞳に確かに見えた熱、獲物を見据えた獰猛な笑顔。

 大星淡という少女の魅力が引き立てられる情景。

 慌てて立ち上がり窓に張り付く俺。

 流れていく距離。

 目が合う。

                        ____
                      ´      `丶

                    /              \
                        /        \    ヽ
                 /   ,イ            ヽ    .
                     // |  |   ' ト、           .
                 j/  ;  |  | │:!∧     i    :
                /  i |¬|ト│ |八--:一   i    i
                .:   Ν 八八 Ⅴ´\ハ         |    
               i:  Λ x= ミ \ル‐ =ミV:| │  i │   
               | i  iハ   .       |.:| │  i │
               | i  i:  :. "       ""  ; :| .:|  i :.
               | i:. ∨込.  マ::::フ   / イ :リ  i  :.
               人八 ∨ 个ト  ,,_  <「∨ :/i   i  :.
                    /\[  |  __j_」   ∨∠:リ  リ   ::、
                /  リ jレ'´ 乂    У∨   ∧     \
                  /  /  /ー  --/ /  /⌒>、    \
                  / / /  /   广⌒゙ア  /  ///⌒\   \
            /     /   /  /   /  厶イ     ,  \ \
                 /   イ\   ,゙ /   __/   {//       |   \ \
             //  /イ 「\\_/  .:::´:::八 ∨ ′     | \      ヽ
              (/ ノ   人;::::\[__/ ::::::/::/ \∨{        人     ∨)_ノ
           \{    /   >::[_[\__;;;/    )У       〉   ト、 │
                 \__{ /::::::::几::::::\      〈          /|   |ハ |
                    [__∨::::::::∨| \::::::丶    込,,______ノ |  /  ∨
                   |__7 :::::::: ノ│  〈:::::::::|    〈 [_____________〕 |  ,   /

 淡は本気だと、理解した。


ということで今日はここまででー

ダシオシミ!

一応ラストまで既に書き終えてはいるのですが、せっかく1スレ目から半年になるので区切りよく行こうかなと


それではここまでお読みいただきありがとうございました

感想などなどどしどしおなしゃす!

52と53の間飛んでない?
あと18禁描写あるんだからこの痛じゃなくSS速報Rでやったほうがいいよ

>>61
そこはあえて描写せず、という形です
書いたら言い訳できない18禁レベルになりそうだったので

憧のところはAAが際どいですが、あれくらいの文章表現ならせいぜい15禁だと判断しました
そこ以外でしたら夜更新分で問題になりそうな場所はないかな、と

ユキと照の判定がクッソむずいのは、今まであんまりかかわってこなかったからなのかもともと最難関判定だったのか。
シナリオ攻略の決め手は京太郎がパトロンになれるほどの資金力と芸能界に対する太いパイプが必要だったのかな。
そんなもの用意する方法があったかどうかは微妙だけど

>>69
照も由暉子も前提として好感度15以上でのイベントを起こしていて、
かつ好感度30以上ならば無条件で京ちゃんの側に留まる選択をします
親や恩人をかなぐり捨ててでも、という目安がそのラインなので

今回はイベントを起こせていないので超絶難易度になりました
由暉子は……10万点の荒稼ぎとかしなければもうちょっと穏便でした
はやりんの弟子ルートとかでクッションが入り、レイプ目にはならないで済む予定が……


ちなみに霞さんがこの時点で31、インハイ終了直後の咲さんが29です
チームメイト達は全員40オーバーで、面識あるだけの長野勢は11止まりです
11だと……カッコいいとは思うけど「まだまだ体を許すことはない。でもデートくらいなら喜んでする」くらいです

それじゃ投下再開していきますー

2月2日の京ちゃん誕生日からですから、ちょうど半年でしたね……


8月4週   長野


「くそっ、どっち行った!?」「そっちも見失ったの!?」「土地勘あるガイド役雇っておきなさいよ!」


 物陰に身を隠して数分、どうにか撒けただろうか。

 今日は長野に帰ってきた翌日。

 昨日は昨日で清澄の商店街の人達やOBOG、

 それだけでなく長野の各地から俺達を迎えるためか長野駅に数千数万人が集合していた。

 桃子は早々にステルスしてしまったからともかく。

 他のみんな、特に危なっかしい咲や美穂子さん、色々な意味で人気のある和あたりを庇って俺がもみくちゃにされた。

 おかげで今も少し体のあちこちが痛いのだ。

 着替えるときに気付いたが、痣になっていた。


「きょ うたろ 」

「うおっ……対木さんか」

「久し ぶ り」


 か細い声で名前を呼ばれ、思わず誰かと振り返る。

 するとそこには対木さんが微かに分かるかどうかという微笑みを浮かべていた。

 首をかしげる様子はその体躯が小さいこともあり可愛らしさが際立っている。


「ちょっと、マスコミに追い回されててな。コンビニ行くのすら苦労するよ」

「そう    こっち  」


 何をしているのか、と聞きたかったのだろうと思い答えた俺。

 そんな俺の袖を対木さんが掴み、くいっくいっと引っ張って促してくる。

 手ぶらの俺をみて、まだコンビニに行けていないのだと分かったのだろう。

 ……人混みが苦手そうな対木さんのことだ、もしかしたら穴場を紹介してくれるつもりなのかもしれない。

 そうして対木さんのおかげでちょっとした買い物を済ませることができた俺は、

 そのまま対木さんに引っ張られて家にお邪魔することになった。

 手ずからお茶やお菓子を出してくれたのは失礼ながら意外に思ったものだ。

 なにはともあれご厚意に甘えてリラックスしていると、不意に対木さんがソファに身を沈める俺に跨る。


「対木さん?」

「名前で 呼んで?」


 じっと見つめてくる瞳。違和感。

    そうだ、対木さんは普段片目をリボンで隠している。

 そのリボンが今は外されていた。

 それに気付き改めて晒された左目を見――――


『契約完了   ご機嫌いかが? 我が主』


『すまんの、京太郎。せっかくの夏休みじゃというのに』

「いえ。染谷先輩にはお世話になりましたし、ご恩返しみたいなもんっすよ」

『そう言うてくれると助かる。んじゃ、明日はよろしく頼むけぇ』

「はい。それでは失礼します」プツッ


 染谷先輩との電話を終え、息を一つ。

 内容は簡単だ。全国での活躍もあり目出度くroof-topの知名度は急上昇。

 お客さんが増えに増え、たまらず咲や和に応援を依頼……したものの、

 準優勝チームのメンバー(しかも美少女)が打ち子をする雀荘ともなれば客は余計に増えた。

 知り合いに掛け合って増員するにしても時間がかかる。

 そこでついに俺にまでお声がかかったというわけなのだ。

 俺が入ったところで解決するかと言えば否だろうしむしろ悪化しそうな気もするが……。

 和目当ての不埒者からガードするのが主な役割なのかもしれない。

 思えばインハイが終わってからろくに牌に触れていなかった。ちょうどいい錆落としでもあるか。



【真相解明!王者と清澄麻雀部】
【激写!チャンプのお盛んな女性事情!】
【徹底分析 最強男子の打ち筋】
【プロ麻雀界も注目?婚活女子の魔の手】
【外相「その調子で百人産ませ」】
【2X日、霧島神宮が婿取りに動いた!?】
【【羨ましい】女子高生雀士を語るスレpart.2054【妬ましい】】
【【インハイチャンプは】男子麻雀を憂うスレPart.800【超ヤリチン?】】


 チラリと横目で見たモニターのヘッドラインにはそんな見出しが並ぶ。

 虚々実々様々な噂や無責任な記事。分かってはいても気が滅入るのはどうしようもない。


「京ちゃん、さっさと寝ないと明日に響くっすよ?」

「すんなり寝かせてくれれば余裕なんだけどな」

「私達をこうしたのは京太郎くんですから、責任を取っていただかないと」

「うちはもう公認っすからいいっすけど、おっぱいさんのとことかはきちんと親御さんに挨拶しに行くって約束っすからねぇ」

「母にはもう話を通していますし、既に説得済みだと言ってましたから。

 後は形として挨拶してもらえれば大丈夫なはずです」


 ベッドに寝そべっている桃子と……和。

 桃子はラフなTシャツと下着だけという寝巻。

 和はあちこちにスリットが入った、むしろスリットが本体と言わんばかりのシルクのネグリジェ。

 ちらちらと覗く秘部や胸の先端に性欲はいや増すばかり。

 自分の精力の底がまるで見えないほどに増大している気がするのはやや不気味だ。


「さあ、明日に備えて……和にあなたのものって印を刻んでください、京太郎くん♪」


――翌日 メイド雀荘『roof-top』――

「4番卓須賀君指名で~す!」「6番卓お会計!」「2番咲ちゃんおねがーい!」
「3番かつ丼出前っす!」「9番卓入りますっ」「8番軽食セット3つ入りました!」


 おかしい。

 午前中はまだ良かった。

 和や咲目当ての若い男は二人が即行で飛ばしていたし、

 俺は男性客でも麻雀をきちんと楽しみたいというお客さんに割り当てられることが多かった。

 ほどほどに手を抜いての接待プレイにはやや手を焼いたがどうにかこなせたし、

 本気でやってほしいというお客さん相手には全力でお相手した。

 さすがに東一局役満ロンが出たときは俺含めみんな苦笑い、サービスでもう一局無料となったが。

 おかしくなったのは午後に入り、14時過ぎあたりからだ。

 ちょくちょくと女性客が見え始め、それに比例して俺への打ち子指名が急増したのだ。

 そのお客さん達のほとんどが本気打ちを希望していたから回転自体は良好なのだが……。

 その分俺は何度指名されたか。10回までは数えていたがそれ以降は覚えていない。

 そんな怒涛の接客も潮を引き……時刻は既に19時過ぎ。

 メイド雀荘としての営業は18時で閉め、21時から昔ながらの雀荘としての営業となる。

 とはいえ夜の部は学生に手伝わせるわけにもいかないし、

 そもそもが昔からの常連さんが大半で今でも忙しくはならないのだとか。


                     ___
                    __r¬ブ--ヘ、_r¬-、
              /_厂、/   、 ∨ /ヽ>

              / 〈 、/      ト\ `´   \
            /   厶y′    ドミミv彡l    l
               l / ,√´   ‐-、_/  `^^゙l   ヽl
           | / レ´   , ,≦ニミヽ    |    〉
          _ノ  〈イ   ,イ〈了⌒」゙ ヽ  z_=ヽ、 V!
           /     从i  トヘヾ 辷ソ ;-、/7,ハVハ  lハ
         l  /   八 `‐'   `ー,,-'′ ヽヒ'ソイ丿 ル′
         レ'〈     ` ー、      ,、_   ` ,,ーl´イ
      ___ 丿  ン  /  lヽ    丶二7   八 \
   / ̄`,二ユ`ー<レ'八、ィ」 \         イ   ,ハノ
.  /  /   └、‐-\-‐´ `¬-、`-r<  八_ン′
   〕ヽ/       \__ \  r===ミr个、ゝイ --;¬─‐-、
.  厶 {     /   r┘ーヘ、{{  /ソ小K´ ̄l|__/       l
 /   ヘ  /    `¬ニソヘヾ=≠″| lヾ\_リ _i} -y    |
 !  __ ハ、/       __ ,、 〉」     | |│|`´lヽヘ∠-‐- 〈
   ̄〕,〈       /,∠ニヽ\ ̄`-Lj-Ll __」   V__,、--¬、
   \ゝ、    ///  ,⊆ニユ、         ̄`ヽ二_  j 〉
      ̄`辷ス´ /    ヾニ二ヽ\_    __r-─ヘ、_厂 {
          \      /7⌒ ̄ ̄/  \    \}__ ヽ
              l\    l  レ     '     ヽ    〉 \\
            l  \     /           〉__/ ヽ  ヽ.〉
    , --─-- 、 ヽ  /\   /    _,、--´ ̄           l
.  〈           \∨   ヽ--ニ ̄   \ _         |
   ヽ         〈                l ̄ ̄`ー---‐′

「京太郎、お疲れさん。男共のあしらいのつもりでお願いしたんじゃが……すまんかったのう」

「あはは……」


 苦笑いで精一杯である。麻雀を嗜む女性には美人が多いとの噂は間違いではなく、

 俺がお相手したお客さん達の外見偏差値はかなり高めだったのではないだろうか。

 別に接客相手の外見など関係ないのだが、それでも美人に喜んでもらえるのは男冥利に尽きるのだ。

 ……中には胸を押し付けてくる人もいて役得だったというのもある。

 それでも疲れるものは疲れるのだ。椅子から立ち上がるのも億劫である。


「まこ、須賀さんもお疲れのようだからせめて晩御飯を御馳走になってもらいましょ」

「そうだなあ。まさかあのまこが男を連れてくるなんて……父親としては娘はやらん、とか言うべきか?」

「じゃかあしいわっ! ほんにすまん、京太郎。わしにできることなら今度なんでもしたるけぇ、許しとくれ」

 染谷先輩は顔を赤くして申し訳なさそうな表情をするという器用なことをしている。

 頼りになる先輩も高校二年生、親には敵わないらしい。

 そしてここぞとばかりに畳みかける先輩の御両親。


「まあ! 何でもするだなんて! まこ、弱った相手を籠絡しようなんていつの間にそんな恋愛上手に!?」

「何!? お、俺達今日は家空けた方がいいか……?」

「須賀さん、和ちゃんや久ちゃんと比べたら貧相な娘だけど、どうかよろしくお願いします」

「なっ……何阿呆なこと言うとるんじゃ!? 待たんかい! 夜の営業はどうするんじゃ――行ってしもうた」


 示し合わせたかのような手際でさっと店を出ていったご両親。

 染谷先輩は呆然とドアの方へ手を伸ばしていた。

 数瞬の間を置き、染谷先輩はため息とともに気分を切り替えたのかこちらをちらっと見る。


「まあ、しゃあないの。……風呂でも入りんさい。背中でも流しちゃるけぇの」


 赤くなった顔を見せまいとそっぽを向く染谷先輩は、とても可愛らしく魅力的だった――――

                     _,....
                      r'´::::::::`ヽ
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                  !      ヽ、!、::::::!:::://::::/iノ レ
                 `ー----、   ヽ/i;ノ |i/__
                      >、    ´`ー!フ´  `ヽ
                   _, -‐ i.!´ヽ i ,..-‐// i   , -ヽ
                 _/   i .!、 `ヽ   /   i / i   \
              , -‐'´ ヽ  i .| ヾー--',´      i | |    \
          _ -‐ ´   \\、 .| |    ̄     、 ゙、 、 |   ,..-`、
         r‐'ヽ      \ヽ i.|          \ ヾ、 |  ,ィ´    〉
          |   丶        `コ           ヽ_ヾ! /,イ    /
           |     | \   _, -‐ ´゙、::...   ゙、:::...... __/ `ュ/    /
           !     !  `ー'     丶:::::  `_,ニ´,..-‐1__レ'´/    /
        |     |           ヽ:二二__-‐', -‐ ´  Y   /


「おめでとう須賀!」「きゃー! 須賀君だっ!」「優勝おめでとー!」「モテモテ妬ましいぞ須賀ー!」


 そんな声に苦笑いしながら応える。9月に入り夏休みが明け、学校が再開された。

 友人・顔見知りはもちろん、見覚えのない人達からもこうして祝福の声がかけられる。

 残念ながらかけられるのはありがたい祝福ばかりでなく、妬みや怒り、カメラのフラッシュも洪水のように押し寄せる。

 そんなことがもう数日も続いていた。

 良識あるメディアなどはさすがに学校からの自粛要請を受けて既に撤退しているが、

 ゴシップ誌やスポーツ新聞などの記者はともすれば無断での学校内侵入までする。

 清澄高校には俺や桃子といった優勝チームメンバーだけでなく、

 全国区の美少女となった和など清澄高校麻雀部もあるのだからマスコミからすれば垂涎なのかもしれない。


「うーん、追い回されて梁山泊にも行けてないっすね」

「京ちゃんたちがお世話になった雀荘だっけ?」

「そうっす。そこでお世話になったお礼も兼ねて祝勝会でも、って憩さんと絃さんが準備しようとしたんすけど」

「一挙手一投足をカメラに狙われたらうんざりです」

「まったくだじぇ。タコス買うのも苦労するじょ」

「優希は関係なく買ってるじゃねーか。ネットでもタコスって渾名つけられてるぞ」

「ふふん! 私をタコスと呼ぶとは分かってるじぇ」

「ゆーき……」


 心なしかみんな疲れた顔をしている。おそらく俺も同じだ。どうしたものか。

 しかしこの悩みは存外早く解決されることとなる。




『持つべきものは力、ですわ!』


                   l´    ,'::\ヽ∨//_ ヘ:l:.   ',

                   l     !| ̄  ̄/' ´     ',ト::    ',
.                    ,'   Ⅵ    /'        l!∨   ',
                  /   :,'_!|__.{(   _≦千‐<へヽ

.                 //レ//「 ',l -- ´ \   ‐‐ /  ',iヽヘ`ト、
                 //ノヘ // -ヽ_‐   |  , ====ミ  !|:: :: `\
               //  :::i! ! '´ ̄ ̄`  /      ` jレi::: :::.  ', \
.              ///   :::|ヘ.',        '        /!´ !::::   ∧ `',
              // {    ::::|  ト     ー-....‐:::丶l    ,'  }:::   ノ  i!
.             l ! ヽ   :::\.ヘ    ',::::::::::::::::,'     -'/:::  /ヘ. j!
              ヾ / \   ::ヽ人    ヽ:::::; -'-‐っ /「/:::  :::   ∧
.              ∨  ::\  ∨!>   . /, ィ≦ イ  /:  ∧::    ヘ
              /   ::/ ヽ :∨::_レ ´ ヽ _.,ィl }┤ ::|:::  / ∨    \
.             /    /   !_ |/  \  ヽ'‐ヘ」つ、:!:: :{  ::\    :::\
              /  --‐‐ フ::::::ヽ       /´__   l  ├──-ヽ _  ::\
.           / / \ イ::::::::::::::::::::ト  r‐‐   {/ /   ヽ::: \     |  `.i \ ト、
.           /  !  イ⌒ヽ:::::::::::::::::∧ヽ    __ 、イト 、   / \ ヽ   l      \ \
        / /` 彡'      ∨:::::::::::::::∧ク ̄ // .!', `ヾ /、    Y: i   !   |、   \ \
.     / /イ           ∨:::::::::::::イ.  /イ  | ヘ   `i }   ノj/ i  ,'   ,┐、    ヽ
  ___./_/´            ∨::/ ヾ//i !.  !|ヽ\ /,'   / :::i /   ' ::| \   ∧ 、ヽ


 と言ったかどうかは知らないが、そう、龍門渕透華さんだ。

 彼女がご両親にかけあい、なんやかんやして長野清澄に平穏がもたらされたのだ。

 長野は龍門渕の御膝元。足場の治安を守るのも財閥の務めということらしく、

 噂ではスポンサー引き上げなどもちらつかせたかなり強い工作をしたのだとか。

 おかげで俺達はそれはもう盛大なパーティを、梁山泊の人々はもちろん、清澄麻雀部はじめ龍門渕や鶴賀・風越なども巻き込んで開催した。


 その費用は当然龍門渕が……と思いきや違った。


「おう、坊主のおかげでちょっとした小遣いが作れてよ」
「これだから博打はやめられねェ」「馬鹿野郎、俺らからすりゃァ博打にもならん」
「勝ちが見えた勝負だったからねェ。賭けたもん勝ちさ」


 おそらくだが、インハイの裏でそれを対象にした賭博が行われていたのではないだろうか。

 思わず眉をひそめたが、その恩恵に与ってしまった以上は強く咎めることもできない。

 オッズが100倍はあったと聞けば、それでもなお賭けてくれたという事実に確かな信頼が感じられてむず痒い。


 そんなこんなでパーティも終わり……。

 とはいえ色々な手配を龍門渕さんがしてくれたのは分かっている。

 東京での祝勝会で流された映像も提供されていたから確かだろう。

 これまでも龍門渕さんからは様々な恩を受けている。どうにか返せないものか?

 和とのネトマ中にそう悩みを打ち明けてはいた、いたが……。

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      ト!二ニニニニニニニヘ!       ,ィ {ヽ!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:> ´
    ハ/////,/ Y ヽ///////レヘ!ヽレ' }/!/':.:.:.(___):.:.::.:.:.:.,;ィ''´ ̄  ',´
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  //////////,\/≦三三三ヽイー /    ,      .::::: ト、 /  ,
  //////>≦三三三三三三ニハ   !     ,::      .::::::: }. `´  /
  r≦三三三三三三三三三三}三}ノ!.!    {:::.    ...::::::::: /,   }/
  三三三三三三三三三三三ニi!リト、>=ー- 、  ...:::::::: //  .i
  三三三三三三三三三ニ> ´三三ハ ヾ_    \  ,..:イ /   !
  三三三三三三三三> ´三三三三ハ. く      ∨   / __   ,′
  三三三三三三三/三三三三三三i∧_ヽ     }:.     / /
  三三三三三三/ニ三三三三三三三/!\     !:     /
  三三三三> ´ヽ.ニ三三三三三三三|/|ゞ`      / /

  三三> ´///// ` <三三三三三三}/}ヽ \    / /
  > ´/////////////` <三三三三,j/トく   ` ̄´ ,
  ////////////////////`ヾミ三三// ヽ        ノ
  ////////////////////////` ミ//!ヾ{___> ´ ̄
  ///////////////////////////{//////!

「須賀君、そう硬くならないでくれたまえよ。

 大財閥の長などと呼ばれているが今の私は単なる一父親に過ぎん」ゴゴゴゴゴ

「アッハイ」

     !       !:.:.:.:ノ          !       ! /∨      i!
    !       ム  ヽ     _    !       !i!   ∨       i!
     !.       ハ    ,.  ´    i       i!i!   ∨      i!
    !       !ヽ          !       ! i!   ∨    i!
    !        i !  ヽ        !       ! !          i!
    !       ! !     ヽ     _ !       ! !ヘ          i!
    !       ! !   /  ヽ-.<!´ ! !       !'´  ∨        ヘ
    ! !      i! i! /       > 、! !     ! !   ヽ         ヽ
    ! !      !__/          ! !      ! !     ` < _ > 、\
   _ ノ .!      ! .{           ! !     ! !            ! ̄ ̄> 、
.,ィ´! ! !       ! .{           ! !     ! !           ,'        > 、
.  ! ! !.     ! 、           ! !     ! !            ノ         / ` 、
   ヽ! !.     !  ヽ         ! !     ! !         /         /    ヽ
    ! !       !    \.         ! !     ! !       /        / /      i

「ホホホ、あなたったら……。ごめんなさいませ須賀君。あなたの力は同性には効果が薄いようですわね」

「きょーたろーの力は素戔嗚と大国主。龍封じの一族の婿に相応しい。

 ころもとしてもとーかを共に愛しむことに否やはないぞ!」

「衣!? えっ、そういうお話ですの!?」


 絶賛龍門渕家の食卓に招かれ中である。


 天井には煌めくシャンデリアがいくつも見える、縦長の食堂部屋。

 漫画でもそうそうお目にかかれないザ・貴族といった風情。

 当然饗される料理は……美味しくないわけではないのだが……。


「まったく……。我が娘ながらこう鈍いのは先が不安になる。

 萩原をつけているとはいえ、これではいつ毒を盛られても不思議はないな」


 そうなのだ、運ばれてくる料理は皆一様に冷めていた。

 何も俺に冷や飯を食わせようなどということではない、むしろ最大限の饗応だと思われる。

 現代の技術ならば毒見後に味を損なわず加熱しなおすことも可能ではある。

 だがそれをあえて冷めたまま出す。つまり、この皿は毒見済みである、というメッセージなのだ。


「何から何まで、ありがとうございます」

「ふむ、須賀君は分かっているようだな。オカルトは確かに恐ろしいが、何より恐ろしいのは……な」

「あなた。そんなツマラナイお話をせっかくの席でするものではありませんわよ。

 そんなことよりもわたくしは透華と須賀君の馴れ初めが聞きたいですわ」

「お母様!」


 残念ながら俺に鈍感スキルはないらしく……。

 龍門渕家が全力で俺を囲い込みに来ているのを察してしまった。

 ちらりと視線を飛ばしたハギヨシさんにはそれはもう背筋が寒くなる笑みを向けられ。

 コースの締めの皿がお赤飯だったのはまあ、そういうことだ。

 その後のコーヒーは味がしなかったが、仕方のないことのはずだ。


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       「それでは、ごゆるりと」

「ありがとう、沢村さん」


 しずしずと頭を下げている沢村さんにそう告げて、俺は部屋の中に入る。

 なぜ沢村さんがいるのかと言えば……彼女が今回の俺の滞在中のメイドだからだ。

 道案内だけでなく、まさか風呂の中までついてきてあまつさえ体を洗われるとは思っていなかったが。

 幸いだったのは風呂内用のメイド服であり、防水のためか肌は極力晒されないデザインであったことだ。

 水着とどっちがいいか、などと真顔で訊かれたときは思わずむせた。

 メイド服のほうを指定した後に薄らと笑っていたし、からかわれたのだろう。

 しかし沢村さんのスタイルで水着――何故かマイクロビキニだった――を着られたらさすがに理性が危うかったに違いない。

 それでもどこでそんな手管を覚えたのか、

 やたらと情欲を高めるようなそれでいてその場で暴発したくはならない絶妙な洗い方には参った。

 あの洗い方はつまり、部屋で待つ人との逢瀬に向けたウォーミングアップなのだろう。


「ようこそいらっしゃいました、須賀さん……いえ、京太郎と呼ばせていただきますわね」

「ええ、こんばんわ龍門渕さん」

「どうか透華、とお呼びくださいまし」


 透華さんは儚げな笑みを浮かべている。

 その装いはいっそ気持ちの良いほどに無駄の排された状態。

 全裸ではない。大事なところだけがぼやけるように少し厚くされた、シースルーの紫色の布地。

 豊かな金髪は邪魔にならないように毛先を括るようにしてまとめられている。

 ベッドに膝を揃えて優雅に腰掛けている様は深窓の令嬢、

 括られた髪を気にするように揮われる腕の所作は嫋やかで蠱惑的だ。

              /:.:.:.:.:.:.:ト、:.:.:.:.:.:.ヽ, - ¬ ー -/:.:.:.:/ ヽ:.:.:.:.:.:\

                l:.:.:.:.:.:.:.;!  `ヽ>-<..-:.:-:./`ー〈、   ヽ:.:.:.:.:.:.:ヽ
                 {:.:.:.:.:.:.:.l    ,f    ! ヽ¬' l.   ヽ     \:.:.:.:.:.:.',
               l:.:.:.:.:.:.:l   !l   !ト>yr ヘ)'!li.    \    丶:.:.:.:.',
              l:.:.:.:.:.:.:!  //   _l_!_ l !  _ 斗   ヽ ヽ     丶:.:!
              ヽ:.:.:.:./  /イ  l l _.._`ゞヽ , =ミヽ   ヽ\ヽ     `
               ヽ:./,イ/イ'.  !."!:::::ト ,ツ.l::::リ小  ヽ.ヽヽ',        t、
                 ,r//./  ./小` ´  ,  `´ /|ハ   ヽ!ヽ)!        !l
                 f/ / ,! l   l !lト ヽ、 ー ‐ , .イノ .l_l.   / ´ 丶、 __ ,. シ
                l! / / l l  l ヽヽ ,ノ><イ_`rベ `ー 〈_, _ `丶ー- ニ <、
                メ / ヽヽ キ  ̄l ,:rt〉ミ_- !``Y-'‐'  ー!:.`Y` ー、  ``\
                  /.〃/  ,>、 ヽ 〃ツ ドヽ⊂二 <´  ./_/:.:.:.l     〉   `ト、
              //' i /  ヽト.! ー'il ゞ=''  /`ーr¬'ー-:r_'_     ;! .   j l
                j ' , ィ ´  ヽージ    l〉 ゞ〉  《 /l´ 丁 ` ` ¬`-<.ヽ ヽ ノノ
             //      , ィ/|.     ,      / ー !  ヽ\ ヽ   \`´
              / l    ̄`< /_l.リ    /l     l lヽ  ヽ   \ヽ ! ` 丶、\


「……透華さん。嫌なら嫌だと言ってください」

「ふふっ。京太郎さんはお優しいですわね。でも心配はいりませんわ。

 むしろあなたのほうが良いのかとお聞きしなければなりませんわね……」

「それは」


 何とも答えづらい。一人の男としてはここまでの据え膳を用意されては喰わねば失礼すぎる。

 だが、桃子たちを思えばここで龍門渕に囲われてしまうのを良しとするわけには……。


「ええ。何を懸念しておられるか私にも分かりますわ。ですが、それも含めて心配ご無用。

 お父様とお母様は私と京太郎さんを結婚させたいようですけれど……。

 そんな御膳立て、この龍門渕透華には余計なお世話ですわ!

 私、愛する殿方の寵愛は自分の力で勝ち取ると決めていますの」

                  / /        ./ ヘ Y.           \   |  j
                 / /        /   ヤ |      -―‐t `  |. /
                    /      .//\ /,ヘ .|   イ  7  | ヽ レ
                  ’/..     /,イ   /へ レ       /  ハ
              / /      \ /./    /′  ̄`ー‐-≦7.    ハ  ’
                 / /      /ヽ/   /'            .::  /  .ヘ  }
            / /      不、 lハ   {|            .::: /    }
            //       / { ;;;≧x、V |        /  /.    / ’
           //       ./. 弋__ツヘ  | ー=--――十 ./    / /
          //         ,イ  """      ノ   て≧芯x_ノ ./    / /
.       / ./  //     |               弋;;;__ ツクイ     / /
    /  ./  //    |. ハ       r:      """/介     ヤ /
   /   /'  / i     |.  ヽ    ト、         /"/ |    マ
 /   /{   { . |     ||./{ >、 ヽ ` ァ   ー‐' /__ ヤ   |. ヽ
    _廴_込 ヽ、   | |´   ヘ \  __  _チ'´ _. ヽマ    ヽ
    {      ヽ  `  .ト.!     ヘ      / ∨「〈.', マ¨ :.  マ     ハ ト、
    λ         マ  } .ハ ヽ    ヽ  /_  .| | マ、 ー-、  ヽ  / .l ! ::._
   / ハ.       /ヤ /ハ| ) /ミ≧≦チ_,マ  ヽ` く ̄¨¨¨.    \,.へj ̄`ヽ
.  / / ヤ    /   У′ リ / ィチ>二<< マ  フ`ーへ   ヽ    `ソ `ヽ ヘ
 / /  ヤ   /   /   / レ// / 厂|、ヾ、\、/    />  _`ー  /   `マヘ
  /     マ  .i   /  /  / /  / /  | ヽヘヽ \  ,イ /   // ̄`ヽ{     マ ヽ
      ヽ 八  .{       | .|  ./ /|   | iマヘ. > >/ | λ.  |.{三三/       .〉`

 狩人のような笑みを浮かべる透華さん。

 自信に満ちた笑顔はその魅力を最大限に引き出している。

 この笑顔をもっと早く見ていたら、もしかしなくとも惚れていただろう。


「まあ甲斐性というものもありますから、私を選んでくださっても愛人を何人囲おうが構いませんけれど。

 お父様たちも最低限、男の子を一人龍門渕として育てられるなら説得もできますもの」


 付け加えるように囁かれたその言葉は、とても冗談とは思えなかった。

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――――XX年後――――


(あの後、一息ついたところで衣さんも乱入してきたんだっけ)

「須賀選手、お時間です。準備お願いします」

/        | 从   |            \ ∨/        ,  /
       _∨∧ :.             ` \           ,:_ノ> 、_
 ,  <//////{/{{`∧         、              /  }}//////> 、
´//////////// l| ,∧             _    ∧  ||///////////>
/////////////从 {   、         _  ィ -vノ    ' } /'/////////////
/////////////{/∧   l\   ー=≦__ ,   ´   /' / イ∧/////////////
/////////////|//∧  :. \               / / /'////}/////////////

       「はい、ありがとうございます。……っし、やるか」


 青年は思い出から立ち返り、自らの頬を張って気合を入れた。

 そうしてから一歩一歩確かめるように踏み出し、電気の落とされた暗い通路に身を投じた。



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  /  ′   | : : : :i  ',:',: : : : : i ',: ', 、: : : : :i: : : : : :.i: : : : : i
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: : : : -|: : : : : :i.  ',: i ̄` ',i ヽ.: : :i ´‐ 、   \:i i: : : : : i: : : : : |
´.     |: i: : : :ハ  ≧i ‐-   \: i ‐彳干圷ヾ i: : : : :.リ: : : : : i
     i:ハ: : : i: i 斤ハ  ミ、   ゞi  ち:::::::;ハ ゞ: : : :/ : : : : : :i
     i:i .ト.: :i: :i. ', ⊃:::::ノ:i       弋:::::丿ソ i: : :./⌒ヾ: : : :.i
.      ',} i:ヽ.:i: :i  弋二丿         ─ ´  j: : /   i: : : :.|
       i: : ヘ.: :i                 / ´    /: : : : |
        i: : : : : ハ      '              /.: :: : : :|
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      i: : : : /i::::::::::>          / |:::::::::::::i: : : : : :./i |
       i: : : / i::::::::::::::::::::>  __    ´   |:::::::::::::i: : : : :./. i i
.     i: : /  iハ:::::::::::::::::::::::::│       |__ .: : : : :/ . i/
.      i: /    ',::ゞ::::::::::: -┤         ゙y   /: : :/
.       i/      ヽi 、/ /.ノ       /  /: :/ゞ _
        __ -‐   ̄  /       /   //      ‐-
     y ヘ         i. __  /     ´
    ヘ ',::',          i´    `/
   /  ', ',::',        i      /




『彗星のように消えた元インハイチャンプ、帰ってきた宮永照!

 グランドマスター小鍛治健夜も成し遂げられなかったリオ東風大会で金メダルを獲得し、

                                     ついに日本へ凱旋を果たしました!』






 コツリ コツリ  


 暗闇の中響く、靴音。


 真っ直ぐ進む先には微かだが眩い光が見えている。




.   / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
  /  .:.:.:.|:.:.:.:.|  :.: : ||:.:.:.:.:.:.:| |:.:.\ | :.:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
  /  .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. /  .:.:.:.: |:.:.:.:.|  \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|

/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |

ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/
      |:.:.:八|:.:.八      r-,     /:.:.:.:/
      |:./  \:.:{\          /  |:.::/
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>

.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´   




『宮永照の妹にして現王牌、四枚揃えば敵は無し――――宮永咲!

 雀聖決定戦に満を持しての登場、現雀聖とは幼馴染だったいわば因縁の決戦です!』






「咲さん、ついにプロとしてお姉さんとの対局ですね」

「そうじゃのう。しかし和、それに数絵も……おんしらぁここに居ってええんか?」

「家から一番近い雀荘がここですから。家で見るのも寂しいもの」

「今ではチェーン展開しているとはいえ……本店はサービスもいいですからね。

 さすがに子供たちの面倒を見ながらでは落ち着いて見れません」

「まあ、おんしらがええなら構わんが。お、もこと絃さんも来たの」

「お 待  たせ」

「さすがに子供達には縮地移動はまだ早いわ」

「絃さんもすみません、子供たちの世話をいつも看てもらって」

「慣れているから平気だわ。これでも何人も皇帝を育てた経験があるの。

 京太郎さんの血が入った子達、必ず一角の大人物にしてみせるわ」


 青年の道が明確に変わったのは、あの夏の日。


 ちょうど今と同じように蒸し暑い日だった。


 今日みたいな大事な試合前にはふと彼の頭をよぎることがある。





                 もし麻雀に取り組まなかったら、どんな人生を歩んだのだろう。






        /   /  //  . :〃  . :iト、|:. |             ヽ    ヽ  ヽ
      乂 .′ / ,イ .:/ !   . :i| |:. |\: .                  ハ
      .′ i`ーァ′/ ! .:i |   . : | |:. |  \: .  ヽ: .  ____ i-‐ ´   .
     .′  !/ . : ′| .:| |   . : | |:. |   \: .        ̄| ̄ ̄ `ヽ:
        /i|  :|. :|  | .:| |   . : ! |:. |_,,-‐====‐\   . : :|   . :|: . i
    j〃 . :i|  :|. :|‐===┼-  | : j   -‐     \: .    . : |   . :|: . |
    /  . :i|  :{. :!  \八  . : | jノ   , -‐ __,,.⊥   . : }   . :|: . 人
   ′ . : 八  Ⅵ ≫=ミ、 . : !     ≫≦Y⌒'マハ:、  . : .′ . :|: . : .\
   i . :i    . :\{ハ 《  )i:::::::ハ\{     ″{ .)::i::::::::::}::} 》 . : /  . :/!: . \: .\
   | . :|   . :i   '. ヾ い;::::::jj         八∨乂 _;ノ:ノ  . :/  . :  |: .    : .`ー-
   | . :|   . :| . :| . :l'.   V辷ク            ゞ゚-‐ '  . :/   . :/ . :|: .  .
   | . :|   . :| . :| . :|ハ               /    . :/   . :/ .:.:|: .    : .
   | . :|   . :| . :| . :| :.       ,        /  . . : .′ . / . : :|: .     : : . .
   | . :|   . :| . :| . :|  :.             /  ,. : ,イ  . :/  . : 人: .       : : : . . .
   |..:i:|   . :| . :| . :|   ゝ.     、   ノ .′ // / . : : /  . :.:/  \: .\: .
   l :从  . : :| . :| . :{   / > .        { /'   / . : / . : : .:′    \: .\: .
   乂{: \. : :!\〉、:\_/   . : .:〕jッ。.     . ィV`ヽ /. :/ . . : :/       \: .\: . .
    `\ \{   \;/  . : .://{{   ` ´ | |│ ,// . : .:/             \: .\: . .



『豊作の須賀世代でも人気は上位、現雀王にして先日は対子杯で圧勝劇を見せた大星淡!

 対子杯の勝利は娘に捧げるとほんの1ヶ月前に出産した双子の娘さんの写真を公開した親馬鹿でもあります!』


『新子アナは大学で一緒でしたっけ、大星プロと』

『そうですよ。大星プロってあれで意外と勉強はできるんです、ほんと意外ですけど』

『大星プロも新子アナも東大ですからねえ。そういうイメージ全然わかないです』

『京t……須賀選手と関わった人は割と東大とか行った人多いですし、一緒の大学に行くために頑張ったのかもしれません』

『須賀選手ですか。去年の結婚式はテレビカメラも入ってかなり大々的に執り行われました。

 新子アナは良かったんですか?』

『私は別のタイミングでちゃんと挙式やってますから』

『他局ですけど竹井アナと福路プロのコンビもでしたか。

 あ、つまり長野出身者でまとめてだったんですか?』

『いやー、どうでしょ。たまたま妊娠してないタイミングの人達が重なっただけなんじゃないかと。

 小瀬川プロと真屋さんも挙げてますし』

『なるほどー』


「なんや下世話な話になっとんなあ」

「怜ぃ、うちの膝枕でんなこと言うても締まらんで?」

「ええやん。私は妊婦なんやから安静にせんと」

「それ言うたらうちもやで……?」

「ふふふっ。相変わらずお二人は仲がよろしいですね」

「おっ、宥さんやん。さりげなく妊娠一番乗りキメた人は言うこと違うなあ」

「そ、それは京太郎くんに私の力を制御しやすくするためってお願いしたから……」

「それで3人生んでるってのもおかしな話やけど、ま、ええわ」

「怜ったら、なんや性格悪ぅなってない?」

「私はようやく一人目生めるいうのに宥さんはもう3人やで。可愛い嫉妬やん」

「あはは……。スポンサーでもあるから何も言えない」

「未来視が進化・強化されて怜は投資家でも有名人やし」

「1兆円を握る女、園城寺怜とはうちのことやで!」



 光が近づき、室内からの圧力が肌をぴりぴりと焼く。


 青年はその気配に口が綻び、楽しい麻雀の予感に心が沸き立つのを押さえられない。




「霞ちゃーん! そろそろ京太郎さんが出てきますよ!」

「姫様も霞ちゃんも元気ですねー」

「はっちゃんは先週済ませたばかりですし、まだ寝ていた方がいいんじゃ?」

「巴さんも夜泣きであんまり寝れてない」

「うちの子は春の子と違って黒糖じゃ泣き止んでくれないからねぇ」

「ふぅっふぅっ。よっこい、しょっと」

「霞ちゃん、大丈夫ですか?」

「大丈夫よ。ありがとう小蒔ちゃん。ようやく賜った二人目ですもの。この不自由さも愛おしいくらいだわ」

「はいはい、京ちんを愛してるのは分かるけど、自分を大事にしないのはいけませんよーぅ」

「そのための憩さんです!」

「あはは、頼りにされるのは嬉しいですねーぇ」

「はやりさんの時と比べたら楽」

「はるると憩さんは産婆さんがすっかり板に付いちゃって」

「憩はお医者の先生ですし、本職ですよー」

「うちは一応外科なんやけど……」




 光がギリギリ直接照らしていない、世界の狭間を前にして青年は立ち止まる。


 そしておもむろに片手をあげ、ぱしん、と音が鳴った。

        |:::l:::::i∧.::.:|    ,    .::.::.  ∧i:::::!:::\:::\:::i
        |:::i:::::i:::∧|          ∧::i:::::!:i:::::::ヽ:::∨
        |:::i:::::i::i::个ト .   ` ´   . イ::::!::i:::::!:ト、:::::::i::::i
        |:::i:::::i::i::::|::|::i::i` --  ´!::|::::i:::::i:::!::::i::! ::::ノ|:/
        八:i\!八从斗ト、     /i`丶:!::/:::j::::ノリ i/ ノ'
        __ヽ斗</: : :.| {ハ_ハ! |: : : }厶厶イ/ /'

      / : : : : : : / : : : |, Y三Y , |: : : :',: : : : :`丶

     /: : : : : : : : / : : : : | 〉ニ〈  :! : : : :',: : : : : : : :∧
      !: : : : : : : : : \: :/! {ニニ} l\: /: : : : : : :./:.∧

 気配の薄い、クノイチのような儚い美を纏った女性が激励を囁く。


 一歩踏み出せばそこは闘争の天獄。気も手も抜けない、修羅場。


 青年は女性がすっと消えたのを確認し、あらためて正面を見据えて深呼吸する。






『そしてェ! 抱いた女は星の数! 手にした金は持ちきれぬ!!  強さは誰も疑わず!!!

 現十段、現雀聖の須賀京太郎! 三冠目を目指してこの場に立った!

 雀聖決定戦、いよいよ――――――――――――――――――――――――――――――』


 青年がスポットライトの下に進み、それを見据えて待ち受けるのは三人の女。


 赤い髪を無造作に流すサイボーグのような冷徹さを窺わせる女。


 茶髪を括ってポニーテールが風にたなびく細い女。


 波打つ金の髪を不可思議な力に揺蕩わせ勝気な笑みを湛える女。


 青年は赤髪の女と視線を合わせ数瞬。


 茶髪と金髪に視線を走らせアイコンタクト。

 意を得たりと微笑む二人。待ち望んだ時が、来た。






                    「 「 「 お か え り 」 」 」









                    「ただいま」













             京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」
   
                                                 ――完――


これにて完結です。

半年間という長いような短い期間でしたが、ここまでお読みくださりありがとうございました!

温かい言葉や身に沁みる言葉をかけてくださった読者の皆様のおかげもあり、ここまでどうにかこぎつけることができました。

本当にありがとうございました。

感想等ございましたらどしどしどうぞー

お疲れ様でした!
無事に完結されたのが嬉しいです。

あと京太郎は結局何人と結ばれたのか時系列で示していただけると有り難いです。

>>111
詳しい時系列までは設定していませんが……

大学卒業時点で

東横桃子45・原村和48・南浦数絵48・荒川憩52・神代小蒔26・石戸霞31・大星淡55・松実宥33  とは婚姻届け提出済み


その後数年をかけて

霜崎絃43・清水谷竜華26・園城寺怜30・小瀬川白望36・福路美穂子28・竹井久44・対木もこ24
・瑞原はやり09・新子憧27・姉帯豊音16・龍門渕透華31・天江衣32・染谷まこ32・真屋由暉子15

と結婚した感じです

ちなみに横の数字は本編終了時のそれぞれの好感度になります

はやりんは……由暉子救出時のあれこれで一気に爆上げ、押しかけ女房に、みたいな

由暉子だけアナウンサーやプロでもなく“さん”呼びでしたが、ギリギリだったせいで芸能界追放状態になったためです

その時には龍門渕と神代が色々動いてくれた的な話も設定だけはありますw

完結お疲れ様でした
ドラマチックな展開が読んでいて楽しめました
はやりんがいけるとは思わなかったなぁ~
次回作があれば楽しみにしています。

お疲れ様でした。

ヒロインsの描写も良かったけど
闘牌描写、プロとアナの実況もそれぞれの味がありなかなか読みごたえがあって楽しませてもらいました

ユキに救いがあったのもほっとした

完結まで見れて良かったです、本当に乙


>>1の過去作があれば教えてほしい

>>115
由暉子は救いかというと……。由暉子の大活躍はほんとに完全な運の暴発だったので
後の国麻や来年以降のインハイで活躍するかというとやや難しく
そうなると話題性を期待してスカウトした事務所も庇えなくなっていき、
18歳になったのを機に見限られ、枕強要されるも脱がされるところで限界になり逃亡
国麻で上京してた京太郎と遭遇し――――

みたいな話は頭にはあったりします。あ、ちなみにちゃんと処女で処女作です

>>114
はやりんは合宿での勝利ボーナスですねー
手加減状態とはいえ勝てるとは思ってなかったので

次回作は……あらすじまで出来上がってるのはFEを意識したファンタジーものっすね
全然煮詰まってないので投稿するとしても半年以上先でしょうけれども

なんか変な言い方になってしまった

過去作はないので、これが処女作です

おつでした

つうか宮永姉妹は姉妹そろって何人に先越されてるんだか

これからなのかアラフォーこじらせて独身で終わるのかちょっと気になる

女孕ませまくる事が正当化しててエピローグの数年後無双する京太郎は昔何かのスレで見たな
アレの相手はムダヅモだった気がするけど

数絵ェ……

長期にわたりお疲れ様でした

しかし、よく刺されなかったね

>>118
咲は照が帰ってくるまで待つ、ということにしたらしいです
結婚相手が京太郎かどうかは設定してませんが……皆さんが望めば京ちゃんと結婚するかと

>>120
ちゃんと描写外でデートしました(震え声&目逸らし)

>>121
>>119さんのご指摘通り、男性が優秀なら助成金や保育施設の優先使用権などがあるので
よほどの事情がなければハーレムに入っておいた方が色々お得だったり……
そういう社会で道徳教育でもごにょごにょな感じですから、独占系のヤンデレでもなければ愚痴ったりする程度です
まあ京ちゃんはオカルトの無自覚発動でヤバイ、という蛇足設定もござい

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