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陽介「悪りぃ!待たせちまって・・・ってあれ、悠は?」
完二「30分くらい遅れるらしいっす」
クマ「ほらヨースケー、一番遅れて来るのはヒーローことセンセイに決まってるクマ。
走ってきて損したクマよ」
陽介「うるせーよ!そもそもお前のミスで遅れたんだろーが!」
千枝「まあとりあえず1回目の乾杯しちゃおうよ!」
直斗「ええ、先に初めてくれ、との連絡でしたから」
クマ「ささ、ヨースケ、飲むクマ!」
雪子「とりあえず花村くんのビール注いじゃうね」キリッ
りせ「お酌にも華麗さを感じる・・・さっすが雪子先輩」
千枝「じゃ、乾杯の挨拶は花村が」
陽介「え、俺かよ!んじゃそうだな。えーっと本日はお日柄もよく
りせ「花村先輩、そんな堅いのいいから」
陽介「そうか?それじゃ、特別捜査隊13周年おめでとう!乾杯!」
一同「かんぱーい!」
完二「花村先輩はどうっすか?最近は」
クマ「ヨースケの話なんて聞いてもツマランクマよ?クマ、毎日仕事の愚痴ばっかり聞いてもう飽きてるクマ」
陽介「愚痴の原因の多くはお前の仕事がいい加減なことなんだよ!」
直斗「そういえばクマくんもジュネス歴13周年ですね」
陽介「俺は14周年だな」
りせ「花村先輩とクマは3年おきくらいに異動してるよね。稲羽には戻ってこないの?」
陽介「異動願いは一応出してるんだけどなー。稲羽組はどうなんだよ?」
千枝「そうそう、私も聞きたい!どうなのよーあんたたち」
雪子「私は相変わらずかな。あ、でもね、最近は私の意見が板場で取り入れられてるの!」
完二「まじっすか、伝統の宿が…」
雪子「別にお料理の仕方を指図するわけじゃないから。例えば、女性には一品、甘味をサービスしましょうとか、そういうの」
直斗「なるほど。そういう女性視点は天城先輩、むしろ優秀ですから」
雪子「直斗くん、いまむしろって言った?」
完二「でも、男だって甘いもんは食いたいってやつもいますよ?俺だってそうだし」
陽介「じっさい、ジュネスの食品売り場のデータ見てると、男一人で来てる客が結構チョコレート買ってたりするしな」
完二「でしょ!さっすが花村先輩わかってる。あ、ビール空いたな」
雪子「お代わり頼もうか。みんなもう空くよね」
千枝「あたしまだビールでいい!これから肉くるんだよ!」
りせ「あたしファジーネーブル!」
雪子「ファジーネーブル、それいいね。私もそうしよう。直斗くんは?」
直斗「そうですね。キューバリブレにしましょう」
陽介「なんだみんなカクテルばっかか。ここって日本酒あるんだよな?」
雪子「うん、結構置いてあるよ」
陽介「それじゃ・・・お、桑乃都あるじゃん!これにしよう!」
クマ「あ、これ八王子店勤務になったときにヨースケがよく飲んでたお酒クマ!クマもこれクマ!」
千枝「東京に地酒なんてあるの?」
陽介「あるある!澤乃井なんかは結構有名だぜ?」
雪子「じゃ、お猪口2つね。すいませーん!お代わりお願いしまーす」
『オマッチャッセノッキャッサマライテンデース』
悠「悪い、ちょっと仕事が長引いてな」
りせ「悠先輩おっそーい!」
雪子「え、後ろ・・・」
クマ「ナナちゃんクマー!」
菜々子「こんばんわ、クマさん!みなさん!」
陽介「菜々子ちゃん、大きくなったなぁ・・・」
完二「3年前に会ったときと、そんなにタッパは変わってないでしょ?」
陽介「お前はほんとダメだなあ」
クマ「そんなことじゃ、ダメ男ナンバーワンの座がヨースケから移動しちゃうクマよ?」
完二「ぁんだと?」
雪子「菜々子ちゃん、女らしくなったよね!」
菜々子「え、そうかな、ありがとう!」ニッコリ
千枝「うんうん!私なんか負けちゃうよー」
陽介「確かにな」
千枝「あ?、花村なんか言った?」
直斗「菜々子ちゃんも、もう二十歳ですね」
りせ「それじゃ菜々子ちゃんも今日は・・・?」
悠「ああ、一緒にお酒を、っていうつもりで連れてきた」
菜々子「お手柔らかにお願いします!」
クマ「やったクマー!」
雪子「お兄さん!お酒じゃんじゃん持ってきて!」
悠「いや、お手柔らかにと」
直斗「梅酒サワーなんかどうですか?」
陽介「まあそのへんだろ、とりあえず乾杯しちゃおうぜ。すいませーん、梅酒サワーと…お前はお猪口、で、いいだろ相棒?」
悠「いきなり日本酒か、いいだろう」
千枝「それじゃ、全員揃ったところで、改めてかんぱーい!」
一同「かんぱーい!」
菜々子(コクッコクッ)「おいしー!ジュースみたい!」
悠「ほどほどにしておこうな」
菜々子「うん!」
悠「それでみんな、どんな話をしてたんだ?」
完二「稲羽組の近況報告からーってとこだったんですけど、天城先輩しか喋ってないっすね」
悠「それじゃ完二はどうなんだ?」
雪子「完二くんのところ、最近ほんとうに繁盛してるよね」
りせ「そりゃもう、ワタシが巽屋の広報部長ですから」
菜々子「菜々子、りせちゃんがあみぐるみのイヤリングつけてテレビ出てるの見たよ!」
千枝「『ダーリンがつくってくれたイヤリングなの!』だもんなー」
直斗「巽くんの作品はどれもかわいいですよね」
りせ「ちょっと直斗くん、カンジを誘惑しちゃダメ!」
直斗「そ、そんなつもりでは」
悠「豆腐屋も開けてるんだろう?大変だな」
りせ「うん、でもお豆腐は、いまは週1だけしか開けてないから、ほんとうにおばあちゃんの味を細々守ってるだけってカンジかな」
クマ「あのオイシーお豆腐はなくしちゃだめクマよ!」
りせ「ありがと、クマ」
千枝「りせちゃんはすごいよ!女優、巽屋の広報部長、豆腐屋の女店主、3足のワラジだもんね」
陽介「クマはせめて1足、ジュネスの仕事くらいちゃんと出来てくれよな・・・」
菜々子「・・・あの・・・」モジモジ
陽介(ん?これはあれか?)「菜々子ちゃん、お手洗いならそこ左に行って突き当りだよ」
菜々子「・・・ありがとう!」
陽介(どうよ、俺も察せる男になったんだぜ?)ドヤァ
女性陣「・・・」ジトー
雪子「ダイレクトにお手洗いって。デリカシーがない」
千枝「あんた、ずーっと菜々子ちゃんに注目してたの?」
直斗「やれやれ、ですね」
りせ「やっぱり花村先輩は花村先輩かぁ」
陽介「なんでだよ!」
悠「陽介、お前、ずっと菜々子を見てたのか?」
陽介「お前まで参戦するなよ!やめやめ!俺がダメってことでいいよ!」
りせ「じゃー、菜々子ちゃんが戻ってくる前に。悠先輩と千枝先輩と直斗くんは、今もシャドゥワーカーやってるんだよね?」
雪子「シャドウって東京にもやっぱりたくさんいるの?」
悠「ああ、いるからシャドウワーカーが必要なんだ」
直斗「出張も結構ありますけどね」
千枝「正直なとこ、みんなもやってくれたら楽なんだけどなーって思うよ」
陽介「まぁ、世のためになるし、大事な仕事だってのはわかるけどな」
クマ「カンジやリセチャン、ユキチャンは、実家を背負ってるから仕方ないクマ、でもヨースケは別に・・・」
悠「クマ、ジュネスも世のために必要な、大切な仕事だ」
クマ「センセー!クマ、頑張るクマ!ヨースケにも頑張らせるクマ!」
陽介「俺はいつも頑張ってるっての!」
菜々子「ただいま。何お話ししてたの?」
悠「ああ、仕事の話だよ。あまり話せないんだけどね」
菜々子「お兄ちゃんも千枝さんも直斗さんも、平和を守る大事なお仕事してるって、お父さんがよく自慢げに言ってるよ」
千枝「いやー、照れますなあ」
直斗「あまりおおっぴらに言わないでほしいですけどね」
菜々子「でも、『まさか里中が東京にひっぱられるとはなあ。もっと鍛えてやればよかった』ともよく言ってるかな」
完二「いやーいい話っすね!」
陽介「いい話か?里中がダメダメだからってことだろ?」
千枝「誰がダメダメだ!研修もそこそこのタイミングで、ソッコーで異動になったからってだけだわ!」
悠「真田さんがどうしても、といって強引に異動させたらしいからな」
千枝「ほら!ほら!花村、聞いた?よし、もう今日は花村のオゴリね!おにーさん!サイコロステーキ追加!あと一番高い赤ワイン一本持ってきて!」
陽介「お前、容赦無さすぎるだろ!」
悠「里中!」
千枝「ご、ごめん、ちょっと調子乗っちゃったかな・・・?」
悠「グラス2つで頼む」
直斗「あ、これ鳴上先輩だめなやつですね」
完二「飲み物また全員分注文しますか」
直斗「僕たちで適当に頼んじゃいましょう」
りせ「ところで、職場で出会いとかあるんですか?」
雪子「そうそう、完二くんとりせちゃんだけとっとと結婚しちゃったけど、なかなか後が続かないじゃない?」
陽介「そういや、シャド・・・じゃなくて、あの職場にいる人たちって女性は美人ばっかりだったろ?どうなん?」
悠「テレッテさんから聞いた話だと、みんな共通で好きだった人がいたらしいんだけど、誰も恋愛が成就しなかったらしくてな」
クマ「フタマタクマ?」
直斗「二股どころか数えきれないくらい、かけていたらしいですね」
陽介「うわ、それ最悪だな」
悠「そ、そうだな・・・」
陽介「?」
雪子「あとは、菜々子ちゃんの近況がまだかなー?」
菜々子「え、わたし?」
直斗「今年で短大卒業ですよね、進路はどうするんですか?」
悠「それなんだが」
菜々子「あの、菜々子、お兄ちゃんのお嫁さんになります!」
「「「えっ」」」
悠(まずい、女性陣の酔いが醒めた!)
陽介「お、おい!相棒、ちょっとトイレ付き合えよ!」
悠「あ、ああ」(ナイスだ陽介!)
雪子「ちょ、ちょっと鳴上くん!」
陽介「危なかったな」
悠「ああ、あの淀んだ空気に、菜々子のバリアントダンスだ、恐ろしい…」
陽介「お前はソウルブレイクとデビルタッチでも喰らったみたいになってるよ」
千枝「はあ、やっぱりそっかー」
直斗「覚悟はしていましたが…」
りせ「まあしょうがないよ」
雪子「菜々子ちゃん、おめでとう!」
クマ「ヨヨヨ、クマ、ナナちゃんが幸せになってうれし泣きしちゃうクマ!」グスッ
菜々子「ありがとう!菜々子、素敵なお嫁さんになります!」
完二「くぁー!りせ、聞いたか?いじらしいじゃねーか!」ウォーン
陽介「相棒、とりあえず、おめでとう」
悠「ありがとう」
陽介「そして菜々子ちゃんのこのタイミングでのカミングアウトは、お察しする」
悠「ありがとう」
陽介「だが相棒、菜々子ちゃんをあの場に放置するのはちょっと…」
悠「そうだな、俺としたことが、菜々子を守れないなんて許されない、戻るぞ、陽介!」ダッ
陽介「な、おい、相棒!」
悠「菜々子ー!」
菜々子「お兄ちゃん、お帰り!」
悠「ちょっと急に外してしまって、すまなかった」
菜々子「うん?菜々子は大丈夫だよ?」
雪子「菜々子ちゃん、違うでしょう?」
千枝「そうそう!ここで言わなきゃ!」
菜々子「あ、うん、えっと…お帰り、あなた!」
悠「な、菜々子ーーー!」ダキッ
終わりです。
大人になった千枝ちゃんと菜々子ちゃんと飲みに行きたい。
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