「Pさん……本当なの？ 本当にマスコミに……」

P「ああ、俺が迂闊だった……。まさか入り口で張られてるなんて……。
今朝の記事は文字だけだったが、来週の続報で写真も載せるらしい。
ちひろさんからの情報だからほぼ間違いないはずだ……」

「そ、そんな……。こんなことになるなんて……」

P「ファンからの抗議やネットの炎上、他誌からの取材の申し入れ……、
スポンサーから説明の要求も届いた……。
このままだとCM関連はすべて白紙……いや、違約金が発生して会社に大損害をもたらすかもしれない……」

「た、たったあれだけで……あれだけのことで……。全てが終わっちゃうの？
たった一回……誘惑に負けて……Pさんと……」

P「すまない。全面的に俺が悪い。
俺がお前を連れ込んだりしたせいで、ファンや関係者の皆を裏切ることになってしまった。
悔やんでも悔やみきれないが……」

「ううん、違う！ あたしが、あたしがあなたの誘いにのったから……、
あなたの誘惑を嬉しいと思ってしまったから……！！」

P「いや、間違っていたのは俺だ。
一回だけなら、バレなければ、そんな甘い考えがあったんだろう。
お前はまだ未成年……常識的に考えて、社会的に悪いのは全て俺だ……くそっ！！」

「ちがう！！ あれはあたしがっ！！ あたしもあなたとっ！！」

P「いいんだ……。お前は責任を感じなくて……。
もうすぐ記者会見が開かれる。
そこでは『気分が悪くなったので休むために入った、中ではやましい事実は何もなかった』そう伝えろ。
『体調が悪く、プロデューサーが強引だった為、断り切れなかった』
そう言い張るだけでいい。あとは俺が可能な限り責任をとる……。
今さらこんな風に体裁を繕っても……仕方ないんだろうけどな……」

「Pさん……」

P「あまり心配するな。
スポンサーの親会社に響子が繋がりをもっててな、
そちらの方から働きかけて、説明と説得に協力してくれるらしい。
だからきっと……大丈夫だ」

ガチャ

ちひろ「プロデューサーさん。記者会見の準備ができました」

P「……わかりました」

「Pさん……あたしっ……！」

P「……いいんだ。お前はただこの原稿を読めばいい」

「原稿……」

P「さぁ、読んでみるんだ、法子」

椎名法子「……………………」

椎名法子「私、椎名法子が不◯家でパフェを食べたという記事は全くの事実無根であり、
ドーナツ以外のものは口にしていないこと、
今後も一切口にしないことをここに誓います！」

P「よし。OK！」

ちひろ「さぁ、会場に向かいましょう。説明責任を果たさなければいけません」

P「行くぞ、法子」

法子「………はい！」

スタスタ……バタン

乃々「……………………」のそのそ。

乃々「お隣さん……輝子さんは……いない。
まゆさんは……あ、気絶してる」

まゆ「 」(白目)

乃々「えっ、もりくぼがツッコまなきゃならないんですか……？
本気ですか……？
むぅーりぃー……」

乃々「……………………」

乃々「………………な、なんでやねん」////

その後、(途中までしか話を聞いていなかった)まゆの相談を受けた
美優、留美、瞳子がテレビ局各社で各々の記入済み婚姻届(偽造)をうっかり置き忘れるという方法を用い
状況を混乱……もとい情報を撹乱し、Pを支援。

記者会見会場では、突如乱入した三村かな子が拘束時間７時間にも及ぶ甘味についての演説を行い、
そして同時に出入口を塞ぐように設置されたグランドピアノを木場真奈美が全力で演奏、
更にはクライマックス、天井より舞い降りた電飾付きウエディングドレス姿の佐久間まゆがPとの婚約を電撃発表し、
報道陣は混乱、事件は有耶無耶になり、収束した。
(Pの首は飛んだ)

この事件で一時はショックのあまりドーナツも人並み程度にしか喉を通らなくなった法子であったが、
友人T子(仮名)の献身的な介護もあり、2日後、得意のショーケース一列一気食いを披露する程度には緩やかな回復を見せた。

人のあるべき道、人道を外れると誰もが不幸になる。
そんなお話である。

ついでにPの「お礼ならなんでもする」という条件を取り付けた響子が各所で暗躍し、
なぜか法子に付くスポンサーが３倍に激増したらしいが、
具体的にどのような働きかけがなされたのか、詳細は不明である。

おしまい。

法子可愛いですよね。
うっかりこれを読んでしまった人は、森久保乃々に清き一票を。

なんかもう疲れてたんです。
色々失礼しました。