【プレイ日記】ハルドラ・イールの冒険者達【エルミナージュ】(1000)

――アレフガルド・ガライの町

商人「あ、魔法使いちゃん盗賊ちゃん、お久しぶり!!」

魔法使い「久しぶりね。元気だった?」

盗賊「ひさしぶりだったな!!とーぞくはげんきだったぞ!!りゅーおーもな!!」

竜王「ガウー」

商人「わ、竜王ちゃんも来てた!でもみんな元気そうで良かった!あ、あたしも元気だよ!どう?このガライの町も、だいぶ立派になったでしょ?」

魔法使い「ええ、町づくりは流石ね。今度はちゃんと時間も掛けたみたいだし…」

盗賊「もうろーやにははいらないのか?」

商人「入らないよ!!あたしだって反省するんだから!!」

魔法使い「はいはい。それで、今日は何の用事?町づくりの進捗報告…ではないわよね?」

商人「あ、それなんだけどさ。ほら、あたし達さ、神竜に願いを叶えてもらった後、ルビス様が新しく作った大陸に冒険に行ったでしょ?だけど…」

盗賊「なにもなかったな!!やっぱりルビスさまはへっぽこだな!!」

???(そんな、ひどい…)

魔法使い「まあ、あの辺はまだルビス様が作ったばっかりだったからね…それで?」

商人「で、これ…じゃーん!!ね、これ、見たことない?」キラーン

盗賊「おー、うえでみたことあるぞ!!えーと…オーブだな!!」

魔法使い「へえ、すごいわね、どこで見つけたの?でも…こんな金色のオーブは初めて見たわね」

商人「でしょ?これはきっと、ううん、絶対すごいものだって!!」

盗賊「すごいなしょーにん!!で、これどーやってつかうんだ?」

商人「え、それはその…えへへ」

魔法使い「…まさか私達を集めておいて分かりません、なんて事は…」

商人「ま、待って魔法使いちゃん!確かに今は使い方分からないけど、だからみんなを集めたの!ほら、三人寄れば…」

盗賊「もんじゃやきだな!!」

商人「違うよ!?文殊の知恵!!」

魔法使い「二人とも相変わらずね…でも、そうね…確か、調べたところによれば、オーブで蘇らせたラーミアには本来世界を渡る力があったという話だわ。なら、このオーブにもそんな力があるのかもね」

商人「世界を渡る!?じゃあ…あたし達、また上の世界に行けたりするのかな?」

盗賊「おー、またルイーダねえさんのごはんが食べれるのか?」

魔法使い「それは分からないけど…でも、ゴールドですもの、オーブの中でも飛びっきりの力が備わっててもおかしくはないはず…」

商人「そうそう、きっとそうだよ!!…でもやっぱり、肝心の使い方は…」

盗賊「まずはこまかくくだいて、なべにいれて…りゅーおー、ふみつぶすんだぞ!!」

竜王「がう!!」

商人「だ、ダメだよ壊しちゃ!?きっともっとスマートな使い方があるんだよ!!」

魔法使い「そうね、壊しちゃいけないわ。とはいえ、どうしたものか…」

盗賊「うーん、くだいちゃダメならとかして…」

魔法使い「うん、まずは食べる事から離れましょ?」

盗賊「なんでだ?みちなるものはまずあじをみるんだぞ!!」ペタペタ

商人「ああもう、そんなにペタペタ触って…って、盗賊ちゃん!?手、オーブ触ってる手!!」

盗賊「おお!?オーブのなかにはいったぞ!?」

魔法使い「まさか、これに直接入るのが使い方なの?」

盗賊「おおー、はいるはいる!!オーブのなかに…おお!?」シュルン!

商人「と、盗賊ちゃん!?は、入っちゃった、オーブの中に入って消えちゃった…ど、どうしよう魔法使いちゃん!?」

魔法使い「どうって…私達も入るしかないでしょうね。あの子を一人には出来ないし…竜王も良いわね?」

竜王「がう…イク」コクリ

商人「ま、待ってよ二人とも!確かに盗賊ちゃんはほっとけないけど、どこに繋がってるかも分からないし、危険な所だったら…」

魔法使い「危険な所ならなおさら一人にはしておけないわ。ほら、ぐずぐずしてないで行くわよ。これを触れば…」シュルン

商人「ま、魔法使いちゃん!」

竜王「ガウー!!」シュルン!

商人「りゅ、竜王ちゃんも行っちゃった…ど、どうしよう…って行くしかないんだけど…あーもう、待って、待ってってばー!!」シュルン…

――トランジェルダ城下町

盗賊「おー、ここどこだ?」キョロキョロ

魔法使い「盗賊!無事?」

竜王「ガウー」

盗賊「お、まほーつかいにりゅーおー!!なあなあ、ここどこだ?」

魔法使い「ここは…分からないわ。分からないけど…」

商人「み、みんな大丈夫!?幽霊とかいない!?」キョロキョロ

盗賊「お、しょーにんもきたのか?」

商人「って、ここどこなの!?町の人達も見たことないような格好だし…あ、あれってエルフ!?」

魔法使い「そうみたいね…エルフが人間と一緒に暮らしているのかしら…?」

盗賊「なあなあ、あっちのまるっこいおっちゃんはなんだ?まるやきにしたらおいしそうだな!!」

商人「しっ!物騒な事言わないでよ盗賊ちゃん。でも、エルフやあのおじさんだけじゃなくて、なんか…」

魔法使い「そうね。いろんな人種というか種族というか…とにかくいろんな人がいるわね」

盗賊「なあなあ、とーぞくはおなかへったぞ!!」

竜王「ヘッタゾ!」

商人「ふ、二人とも…ど、どうしよう魔法使いちゃん?」

魔法使い「どうしようって言われても…とにかく、ここがどこなのか聞いてみましょう――あの、すみません…」

町人「あら、見かけない格好の人だね。さてはあんた達もお触れを聞いてやって来た冒険者だね?」

商人「お触れ?」

町人「お触れならほら、あそこの人だかりに立札があるから、詳しくはあれを見るといいよ」

魔法使い「お触れ、か…とにかく行ってみましょうか」

商人「そだね…わ、すごい人だかり!」

盗賊「すごいひとだな!!どんなおいしいものがうってるんだ?」ワクワク

魔法使い「食べ物はないわよ…でもここからじゃ見られないわね。すみません、ちょっと…」

商人「おー、人混みを掻き分けて………戻ってきた!ね、どうだったの?」

魔法使い「お触れにはこうあったわ。『5つの指輪を探しだし、竜の牙の結界を再生したものには望むままの褒美を与える』って」

盗賊「のぞむままのほーび!?まいにちごちそう食べほーだいか!?ならとーぞくはゆびわをさがしたいぞ!!」

商人「と、盗賊ちゃん…でも、望むままのご褒美ってすごいね!その指輪、そんなに大事なものなんだ?」

魔法使い「なんでも、6つの指輪が作る結界のおかげで世界は平和だったんだけど、悪いやつが結界を壊してしまったみたいね。その上、指輪は散り散りになったみたい」

商人「ふうん…世界、って、やっぱりここはあたし達のいた世界と違うのかなあ?そんな指輪の話聞いたことないし…」

魔法使い「そうね、信じがたいけど、状況を考えるとね…とりあえず私達はアレフガルドに戻る方法を考えないといけないわ。といっても、聞き込み位しか出来ること無さそうだけど…」

盗賊「えー、それよりごはんが食べたいぞ!!」

商人「盗賊ちゃん、ちょっとだけ我慢しててね。それにしても――なんでこんなことに…はあ」

――

魔法使い「…結局、何も分からなかったわね…」

商人「誰もアレフガルドの事知らないんだもんねー…」

盗賊「おなかへったぞ!!おなかへったぞ!!」ギャーギャー

商人「そ、そうは言ってもお金もあたし達の持ってるゴールドじゃお買い物出来なかったし…こうなったら…」

魔法使い「こうなったら?」

商人「魔法使いちゃんだって考えてるでしょ?さっきのお触れだよ!あたし達は元々冒険者だし、それに世界を救った事だってあるんだよ?この世界もパパーっと救って、ご褒美をたんまりもらって…」

魔法使い「確かに、お金がないのは厳しいわね。アレフガルドに帰るにしても、それがいつになるかは分からないし、その間に生活するのにもお金がいるわ」

商人「でしょ?なら…」

魔法使い「でも商人気付いてる?私達今、何の力も無いわよ。魔力の行使の仕方が違うのか、呪文も使えなくなってるし…」

商人「え?そうなの?」

魔法使い「やっぱり気付いてなかったのね。そもそも、呪文が使えるならルーラで帰れるじゃない」

商人「あ…で、でも魔法使いちゃんだけが使えないだけかも…えっと、我に仇なす者よ、汝の魂、魔天に凍てつく星となれ!!ザキ!!――ほ、ホントに使えない…」

魔法使い「なんで試し撃ちがザキなのよ…」

商人「そんな…魔法さえあればお触れをクリアしてウハウハのご褒美生活だったのに…」

魔法使い「世の中そう上手くはいかないわね。でも…それでも私はさっきの貴方の案に賛成よ」

商人「え?どういう事?」

魔法使い「お触れのご褒美を狙うって話よ。いくら力が無くなったからといって、他にお金を稼ぐ当てもないし…そもそも、見たことのない世界での冒険、貴方はしたくない?」

盗賊「とーぞくはしたいぞ!!でもまずはごはんだぞ!!」

竜王「ダゾ!!」ガオー

商人「冒険…そうだね、元々はあっちの冒険が期待外れで、もっとすごい冒険がしたかったのは確かだし…うん、やろう!また冒険者を!!そしてご褒美で左団扇の生活を!!」

盗賊「まいにちごちそうのせーかつを!!」

魔法使い「欲望丸出しね…でも決まりね。また冒険者になりましょう。さて、冒険者になるには、まず…」

――

???「冒険者志望…しかも四人か、ちょうどじゃない」

???「お嬢様?あの四人が何か?」

???「何って、決まってるよ。さあ、行くわよ」

フードの女性「ねえ、あんた達。あんた達も冒険者志望なんだろ?アタシらもなんだ、どう?一緒に訓練所に行かない?」

商人「えっ…と、どちら様?」

フードの女性「あんた達、この町初めてなんだろ?案内してあげるって言ってんの。分かんない?」

魔法使い「親切なのは嬉しいけど…」

???「お嬢様、お嬢様はせっかち過ぎるにゃ。もうちょっとゆっくり…にゃあ!?く、首絞めちゃだめにゃ、くるし…」

フードの女性「うっるさいわねー。じゃああんたが話なさいよ」ポイッ

盗賊「おお!?ねこか!?しゃべるのか!?」

猫?「にぁああ…みぃは猫は猫でもワービーストなのにゃ。名前は…」

フードの女性「こいつの名前は非常食よ。素敵な名前だろ?」

商人「非常食!?」

フードの女性「そう、いざとなったらその身を犠牲にしてでもアタシのお腹を満たそうっていう美しい自己犠牲の現れさ」

非常食「食べられたくないにゃ!!食べられたくないにゃ!!」

魔法使い「ネーミングセンスが誰かに似てるわね…」

商人「そ、そうだね…あれ?盗賊ちゃん、おとなしいね」

盗賊「だって、そいつどくいりだぞ?食べれないぞ」プー

商人「え…え!?」

フードの女性「そこに気付くとは…やはり只者じゃないねあんた達。そう、冒険をしながらワービーストの毒抜き、美味しい調理法を探そうっていうのがアタシの目的さ」

非常食「にゃっ!?お触れのご褒美をもらってぐうたらな生活をするためじゃなかったにゃ!?」

フードの女性「目的は多い方が良いだろう?金を儲けて食卓に彩りが加わればより良いじゃないか」

非常食「彩りたくないにゃ!!」

盗賊「ねーさんすごいな!!とーぞくもこれを食べれるようになったらうれしいぞ!!」

フードの女性「あんたなかなか話が分かるね。ならちょうどいい、いっそアタシらパーティー組まないか?そっちとこっちでちょうど6人、ちょうど良いだろ?」

魔法使い「またいきなりね…ならまずはそのフードを取ってもらえるかしら?」

フードの女性「ああ、悪かったね…ほら」パサッ

商人「!?え、つ、角!?」

フードの女性「アタシはデビリッシュだよ。あんた達が魔人と呼ぶか魔族と呼ぶかは知らないけどね――気がすんだかい?じゃあパーティーの件も良いね?」

魔法使い「それは……」

盗賊「おー、ねーさんつのかっくいーな!!とーぞくはいっしょでいーぞ!!」

商人「え、ちょっ、盗賊ちゃん…」

フードの女性「決まりだね。アタシの事は魔戦士とでも呼ぶと良いよ。じゃあ訓練所に行こうか」

盗賊「おー、いくぞりゅーおー!!」

竜王「ガオー!!」

商人「あ、二人とも!!魔法使いちゃん、どうするの?」

魔法使い「まあ、ついて行きましょうか。どちらにしろ訓練所には行かなければならないみたいだし、それに…」

商人「それに?」

盗賊「おーい、なにしてるんだふたりとも!!はやくいくぞー!!」

魔法使い「ええ、今行くわ!…それに、あの子に振り回されるのは今に始まった事じゃないしね…」

商人「ああ、うん、そうだね…」

非常食「お二人も苦労をしてるんですにゃあ…」

魔法使い「そうね…貴方程じゃないとは思うけどね」

――訓練所

教官「なにボサッと突っ立ってんのさ。こっちきて、早いとこ登録しちゃいなよ!!」

商人「は、はい!なんか怖そうな教官…鞭持ってるし、それに…」

盗賊「あっちのねーさんもつのだな!!かっくいーな!!」

魔法使い「この世界では、ああいう人達も珍しくないのね」

魔戦士「人間ほど多数派じゃないけどね。さ、あんた達登録しちゃいな。ってどんな職業があるか分からないか」

教官「ああ、なら職業一覧を見せてやるよ、ほら」バサッ

戦士
魔術師
僧侶
盗賊
錬金術師
使用人
司教
狩人
闘士
遊楽者

召喚師
神女
君主

忍者

商人「わー、たくさんあるね…」

魔法使い「私達の世界より多いわね。同じような職業もちらほらあるけど…」

魔戦士「分かってると思うけど、アタシは戦士やるから。あんたは使用人だろ?」

非常食「にゃっ!?いやにゃいやにゃ、もっとかっこいい…にゃっ!?」

魔戦士「いいから大人しく使用されなさい、最終的には食材としてね」ギリギリ…

非常食「にゃ…握り…潰され…」ジタバタ

商人「ま、待って、非常食ちゃんが可哀想だよ!!」

魔法使い「そうね、それに貴方もやりたいのがあるんじゃないの?」

非常食「にゃー、やりたいの、と言われると…」

魔戦士「ほら、やっぱり使用人で良いじゃないか」

魔法使い「待って。特別やりたい職業がないなら、私達が決めた後に選んでくれる?そうすればパーティーバランスも取れると思うし…」

教官「そうだね、ちょうど6人居るんだし、ちゃんと前衛3人、後衛3人になるようにしないとね」

商人「あ、そういえばパーティーって6人でも良いんですか?あたし達てっきり4人かと思って…」

教官「パーティーは6人までだよ。もちろん少なくても構わないけど、その分苦労するだろうね」

魔法使い「そうでしょうね…でも前衛後衛の人数が決まってるのなら尚更バランスには気を使わないといけないわ。どうかしら?」

魔戦士「まあ仕方ないか。でもあんた、決定にはちゃんと従うのよ」

非常食「もちろんですにゃ!ありがとうございますにゃ、みぃの意見を聞いてもらえるにゃて…」
グスッ

魔法使い「泣くほど感謝される程の事じゃないけど…じゃあまずは…」

盗賊「とーぞくはとーぞくやりたいぞ!!」

魔法使い「そうね、それが良いと思うわ。じゃあ次、商人は?」

商人「な、ない…こんなに職業があるのに、商人がどこにもない!!なんで!?」

教官「なんでって、商人が冒険出来るわけないじゃないか。商人になりたいなら商工会にでも行くんだね」

商人「そんな事ないです!!商人だって冒険出来るんです!!」

魔法使い「ちょっと、落ち着いてよ!無いものは仕方ないじゃない!」

商人「だって…だってあたしはまた冒険でお金儲けたり鑑定したりあなほりしたりしたかったんだもん…」

魔法使い「気持ちは分かるけど…」

教官「なんだ、そういう事がしたいなら司教はどうだい?鑑定出来るし、鑑定料金が浮くからお金も貯まる職業だよ」

商人「え?司教!?魔術師呪文に僧侶呪文に…ホントだ、鑑定も出来る!!じゃ、じゃああたし司教になる!!超なる!!」

魔術師「お、落ち着いて…でもすごい職業ね。賢者みたいに2つの系統の呪文が覚えられる上に鑑定まで出来るなんて」

商人「へっへー、これで今回のめいんひろいんもあたしに決まりだね!!さ、次は魔法使いちゃんだよ!!やっぱり魔術師とか?」

魔法使い「そうね、それも良いけど…せっかく別世界で知らない呪文を覚えられるのだから、魔法使いに似てる魔術師よりも別の呪文を覚えたいわね」

教官「それなら錬金術師か召喚師だね。なんなら転職して両方覚える事も出来るよ」

商人「転職って簡単に出来るんですか?」

教官「能力次第だね。そこまで難しくはないさ」

魔法使い「なら…まずは錬金術師になろうかしら。そのあと召喚師になれば…」

魔戦士「召喚師っていったら、確か召還モンスターは強いけど本人はそうでもないはずだろう?ならもっといろんな呪文を覚えた方が良いんじゃないのか?」

魔法使い「そうなの?なら、錬金術師の後に、やっぱり魔術師にもなろうかしら?」

教官「ああ、それでも良いと思うよ。後はドラゴニュートの君だけだな、どうする?」

商人「へえ、こういうヒトってドラゴニュートって言うんだ」

魔戦士「知らないのか?頑丈な上にブレスも吐ける、前衛向けの種族じゃないか」

商人「そうなんだ…じゃあ前衛が良いのかな?どの職業が良いかなあ…」

盗賊「りゅーおーはくんしゅがいーぞ!!そうすればりゅーおーはホントにりゅーおーになるぞ!!」

商人「あ、それ良いね!」

教官「君主か、良いと思うけど、上級職の君主にはいきなりは大変だね」

魔術師「上級職?ああ、君主に侍、あと忍者が上級職なのね。ならどうすれば…」

教官「簡単だよ、戦士で修行を積んでから君主になればいい。実際、そうやって君主になる冒険者も多いよ。まあ君主になるまでビシバシ鍛えてやっても良いけどね、ハッハッハ!!」

竜王「…エンリョシマス」

商人「りゅ、竜王ちゃんが敬語しゃべった!!」

盗賊「じゃあせんしからだな!!りゅーおー、いいか?」

竜王「がう」コクリ

魔法使い「じゃあ決まりね。という訳で、残るは…」

商人「非常食ちゃんだけだね、どうしよ?」

魔戦士「そうだね、盗賊が後衛に回るなら残るは前衛だし、あんた闘士やりなさいよ」

非常食「にゃ、闘士ですにゃ?」

商人「え、でも他にも狩人とか、神女…は男の子には無理か」

魔戦士「そっちのあんた、召喚師やりたいんだろ?なら召喚師と相性の良い闘士がいた方が良いと思うね」

魔法使い「召喚師と闘士の相性が良いの?」

魔戦士「そ、詳しい説明はおいおいするけどね。非常食、あんたも良いね?」

非常食「にゃ、そういうことなら…よろしくお願いしますにゃ」

魔法使い「いいえ、こちらこそよろしくね」

魔戦士「でもなかなか良い具合に収まったわ。闘士は装備が少ないからね。あんたの装備に金かけるなんてまっぴらごめんだからね」

非常食「にゃ!?そんな理由で!?」

魔戦士「良いって言ったのあんただからね、さ、決まったから登録するよ」

非常食「にゃー、納得出来ないにゃー!!」ジタバタ

――

教官「はい、訓練終わり!!お疲れー!!」

商人「「お、お疲れ様です…あー疲れた…登録だけじゃなくて、職業ごとの訓練もやるんだね…」

魔戦士「そりゃ訓練所だからね、訓練もするさ」

盗賊「おなかへったぞー!!」ギャーギャー

竜王「ヘッタゾー!!」ガオー

魔法使い「そうね、私もお腹減ったわね。じゃあ何か食べに行きましょうか」

魔戦士「なら酒場だね。登録が終わったら酒場、ってのが流れらしいからね」

非常食「では行きますかにゃ…にゃ、他にも訓練を受けた人達がいたんですにゃあ」

商人「ホントだね、こんにちは!!」

竜戦士「おー、お疲れ!!いやあ、キツかったな!!」

狩人「どもっす。全くっすね…皆さんはパーティーなんすか?」

魔戦士「ああ、ついさっき会ったばっかりだけどね」

魔法使い「結局、成り行きでパーティー組むことになったわね…」

狩人「そうなんすか。全員駆け出しだと大変そっすね。俺らは先輩冒険者のパーティーに入れてもらえる事になったんすよ」

非常食「それは良いですにゃあ」

狩人「まあ、足引っ張らないようにしないといけないっすけどね…」

竜戦士「おめーは本当いつも心配症だよな!!冒険者になったからにはバリバリ活躍してお触れのご褒美もガッツリ貰うつもりだぜ、俺は!!」

盗賊「ごほーびはとーぞくたちのものだぞ!!」

竜戦士「ああ、こっからは競争だな、負けねーぞ!!…所でお前さ…お前だよ、そこの兄弟よお!!」

竜王「ガウ?」

竜戦士「お前…どう見ても幼く見えるけどよ…冒険者は一応10才からじゃなかったか?」ジロリ

商人「え、えーと、これには深い訳が…」

竜戦士「なーんてな!!聞いたぜ、なんでもドラゴンロードになるための修行なんだってな!こんな幼い時から修行…王様になるってのも大変だな!!」

魔法使い「ええ、まあ、そうね…」

竜戦士「頑張れよ!!じゃあまたな!!…ってすぐ酒場で会うかもしれないけどな!!」

狩人「じゃあそういう事で。どもっす」ペコリ

商人「じゃあまた!…ふう、竜王ちゃん、同族にはちゃんと幼く見えるんだね」

魔戦士「やっぱり幼いのかい?」

盗賊「うまれてからいちねんたってないぞ!!」

非常食「幼いどころか生まれたてですにゃあ…」

魔法使い「それにしても、やっぱりご褒美狙いの冒険者志望は多いみたいね」

魔戦士「そりゃそうでしょ。望むままの褒美だからね」

盗賊「まけてられないな!!」

商人「そうだよ、ご褒美をもらうのはあたし達だよ!!」

竜王「ガオー!!」

魔法使い「そうね、負けてられないわ…さあ、それじゃあそろそろ酒場に行きましょう」

商人「訓練所でお金も少し支給されたし、ごはん食べれるよ盗賊ちゃん!」

盗賊「おー、ごはん食べるぞ!!」

竜王「ガオー!!」

商人「ちなみに、エルミナージュを知らない人は…

ttp://www.s-f.co.jp/soft/ps2/elminage/aisatsu.htm

ここを読むと良いかもしれません!少なくとも書き手はこの挨拶が大好きみたいです!!」

魔法使い「まあ、気が向いたら読むと良いわね」

盗賊「きょうはここまでだぞ!!またまいにちかきたいけどこんかいはどーなるかわからないぞ!!」

魔戦士「そして毎日読む価値のあるものにしたいね。ないときは…豪華な肉料理で読者を釣るのも悪くないね」チラッ

非常食「なんでこっちを見るんですにゃ!?」

――マーシャの酒場

マーシャ「あら、新顔さん?私はマーシャ、よろしくね。この酒場はどんな素性の冒険者でも拒む事はないから、気軽に立ち寄ってね」

魔法使い「よろしくお願いします」

商人「初めまして!!この人がこっちのルイーダさん的人なんだね」

盗賊「おー、じゃあごはんつくってくれるんだな!!」キャッキャッ

マーシャ「ええ、食べたいものがあったら、遠慮せずに注文してね」

盗賊「おお!?なんでもいーのか!?」

マーシャ「何でもってわけにはいかないけれど、少しくらいのご要望には添えるわよ。あ、とりあえず席は…貴方達善のパーティーよね?」

魔戦士「もちろん」

非常食「恥ずかしげもなく断言したにゃ…」

マーシャ「じゃあそっちに座ってね、6人パーティーよね?」

魔法使い「ええ。じゃあ席に着きましょうか」

盗賊「ごはん!!ごはんー!!」

竜王「ゴハンー!!」

商人「ふ、二人とも、静かに…」

盗賊「ええと、あれとこれとそれと…」

魔法使い「ちょっと!お金あんまりないんだから、今までみたいに食べられないんだからね!」

魔戦士「しかしすごい食べっぷりだね。どうだい?ここに新鮮な肉があるけど」ムンズ

非常食「にゃー!!肉じゃないですにゃ!!」ジタバタ

盗賊「うー、どくをぬくほうほうはわかったのかせんぱい?」

魔戦士「そうだね、毒の大半が爪から腕にかけてに含まれてるから、現状では腕を長めに切り落とすしかないねえ」

非常食「切り落としちゃダメですにゃ!!」

魔戦士「ただ、それでも毒はいくらか残るし…難しいねえ」

盗賊「じゃあないぞーをとりのぞいてそこにどくけしそうをつめたらどーだ?」

魔戦士「ああ、それは良いね!さすがアタシが見込んだ後輩だよ」

非常食「ひ、ひどすぎますにゃ!!」

魔法使い「いつの間にか先輩後輩になってるしね…」

狩人「あれ、さっきの人達じゃないすか。どもっす」

商人「あ、ホントにまたすぐ会いましたね!」

魔戦士「あら、パーティーに誘ってくれたっていう先輩冒険者はどこにいるんだい?」

竜戦士「それがよ、もう冒険に出ちまったらしいんだよ。ったく、待ってるって言ってたのによお…」

商人「あー、それは…でも、冒険者なら冒険に出たくなるのは仕方ないですよね」

盗賊「そういえば…モグモグ…とーぞくたちは…モグモグ…いつぼーけんに…モグモグ…いくんだ…?」モグモグ…

魔法使い「食べながら話さないのよ…そうね、どうしようかしら?」

魔戦士「食事が終わったらすぐ行けば良いじゃないか。急がないと他の連中に先越されるよ?」

魔法使い「それはそうだけど、まずは情報を集めて…」

魔戦士「情報なんて現地で集めれば良いじゃないか。人間ってのはまどろっこしくていけないよ」

非常食「お嬢様がせっかちすぎるだけですにゃあ…」

商人「あのー、冒険に行くって、具体的に何処に?」

魔戦士「どこって、そりゃそこら辺にある洞窟とかさ。違う?」

狩人「いやまあそうなんすけど…駆け出しはまずお城に行って王様に挨拶しないといけないみたいっすよ」

竜戦士「俺らは先輩連中が挨拶してるから必要ないけどな!」

魔法使い「王様に?どこの世界でも面倒ね…」

魔戦士「そこは同意見ね。面倒だから、あんた達行って来なよ」

商人「ええ!?行かないんですか?」

魔戦士「面倒って言っただろ?アタシここで飲んでるから」

盗賊「とーぞくも食べてるぞ!!」モグモグ

魔法使い「となると竜王も盗賊と一緒でしょうし…商人は付いてきてくれる?」

商人「うん、お城も見てみたいし」

非常食「みぃも行きますにゃ」

魔法使い「あら、お嬢様に付いてなくていいの?」

非常食「問題ないですにゃ。むしろ少しの間でも離れて心の安息を…」

魔戦士「非常食!王様は物知りだろうからね、ちゃんとワービーストの上手くて美味い調理の仕方を教わってくるんだよ!」

非常食「そんなの教わって来ないですにゃー!!」

商人「あー、確かに離れた方が良いのかも…」

――トランジェルダ城

非常食「うにゃあ…立派なお城ですにゃあ…」キョロキョロ

商人「非常食ちゃん、そんなにキョロキョロしてたら迷っちゃうよ!…あれ?同行けば良いのかな?」

魔法使い「貴方も迷ってるじゃない…ほら、ここが謁見の間みたいよ、王様がいるわ――無礼のないようにね」

非常食「は、はいですにゃ」

商人「分かってるよ…こ、こんにちは王様!」

選王「今回の志願者はお前達か?」

魔法使い「はい、私達3人と、他にも仲間が居りますが…」

選王「御触れについては、色々と聞きたいことがあるだろう。だが、全てをいきなり話すわけにはいかんのだ。お前達の力量を試させて欲しい」

魔法使い「試す…?」

選王「トランジェルダの近くにクレイディアの洞窟 というものがある。まずは、クレイディアの洞窟より、ジュエルリング という物を取ってくるのだ」

商人「ジュエルリング…なんだか高そうな響き…」

選王「無事に持ち帰ることができたなら、その時、お前に私の知る事を全て話そう。よいな?」

魔法使い「なるほど、そのジュエルリングという物を取ってくる事で私達の力を示せ、という事ね」

商人「望む所だよね、やってやろうじゃん!!」

――マーシャの酒場

魔戦士「ふーん、じゃあまずはそのジュエルリングってのを見つけなきゃいけないのか。面倒だね」

商人「でも、冒険ですよ!いろいろあったけど、やっと冒険に出られるよ!」

魔戦士「まあね。じゃあ早速準備して出発しようか」

非常食「もうですかにゃ!?お嬢様はせっかちですにゃあ」

魔法使い「いえ、私も同意見よ。速やかに準備をして出掛けましょう」

魔戦士「なんだ、さっきと言ってる事が違うじゃないか」

魔法使い「恥ずかしい話だけど…私も冒険者だから、いざ冒険に出られるとなると…」

盗賊「わくわくするな!!」

魔法使い「ええ、未知のダンジョンで何が待ってるのか、楽しみで仕方ないのよ」

商人「あ、魔法使いちゃんも?実はあたしも…」

魔戦士「なんだ、あんた達思ったより面白そうな連中だね。じゃあ話は早い、早速準備と行こうじゃないか」

商人「はい!じゃあまずはお買い物だね!楽しみ~」

非常食「うにゃあ…冒険者とはみんなせっかちなのですにゃあ…」

――オランド商店

商人「へえ、ここがお店かあ…あ、店の人だ。こんにちは!」

オランド「どうも、いらっしゃいませ。オランド商店のオランドと申しま…」

子供「新米冒険者だよねー?カモだ、カモだ!財布の中身、全部おいてけー!」

魔戦士「なんだ、失礼なガキがいるね」

オランド「これ、ナーウィ!お客様に失礼じゃろう」

ナーウィ「うっさいなー」

商人「はは…えっと、お店のものを見ても良いですか?」

オランド「ええ、どうぞどうぞ…ナーウィ、お前さんは礼儀と気遣いを身に付けないといかん!商売にならんぞい」

ナーウィ「オランドに言われたくないよねー。この店、あたしが立て直したんだし」

魔戦士「ったく、生意気だねえ」

盗賊「そーだな、チビのくせになまいきだな!!」

魔法使い「貴方がそれを言うのね…さあ、早いとこ買い物を済ませましょう」

魔戦士「さて、じゃああたしはメイン武器は訓練所で支給されたロングソードでいいとして…サブは盾よりもショートソードを持って手数を増やそうかね?あとは革鎧も支給されてるし…毛皮の帽子に革の小手、靴はバスキンって所だね、これで出費は40GPか」

盗賊「じゃあおなじせんしのりゅーおーもおんなじものでいーな!!」

竜王「ガウ」コクリ

非常食「みぃは…支給品はバンテージとローブですにゃ。買い物はもう1つバンテージと、あとは毛皮の帽子にバスキンで30GPですにゃあ」

魔戦士「は?あんた何生意気に買い物してんのよ。裸で十分でしょ」

非常食「にゃー!いくら闘士でもレベル上がるまでは防具が欲しいのですにゃあ!!」

商人「まあまあ…あたしの支給品は杖とローブで、買い物は…バスキンだけで良いかなあ?」

魔法使い「後衛だからね。私も商人と全く同じよ。盗賊は?」

盗賊「ダガーとかわよろいをもらったけど、ダガーじゃこーえーからてきにこーげきがとどかないっていわれたぞ…」

商人「じゃあ鞭、ウィップを買ったら?で、ダガーは一応サブに装備しといて、あとはバスキンを買って…よし、みんな装備は調ったね!」

――クレイディアの洞窟

魔法使い「さて、あっという間に洞窟まで来たわね」

商人「いよいよ冒険だね、楽しみー!」

非常食「本当に皆さんせっかちですにゃあ…」

盗賊「はやくぼーけんにでないとかいてるやつもげーむはじめられないからな!!」

商人「ちょ、盗賊ちゃんその話は…」

魔法使い「なんの話をしてるのよ…さて、確認するけど、私達はこれからここでジュエルリングを探す事になるわ」

魔戦士「そのジュエルリングってのはどうやって探すんだい?まさかしらみ潰しじゃないだろうね」

商人「その件につきましては、王様からこんなものをもらってます…じゃーん、コンパス!!」

盗賊「おー!!…なんだこれ?」

魔法使い「これはジュエルリングを探す為の物なのよ。でもこのままじゃ何もしないから…」

商人「このフェイムをコンパスに捧げます!!すると…」シュフィーン

盗賊「おー、ひかったぞ!!」

魔法使い「この光が指し示す方向にジュエルリングがあるらしいわ。さあ、行ってみましょう」

盗賊「よーし、じゃあすすむぞー!!」タタタ…

魔法使い「ほら、暗い所で走らないの!…あら、あれは…」

非常食「立札がありますにゃあ。トランジェルダの紋章も書いてありますにゃ」

魔戦士「まずはこれを読めって事か…装備は整えたか?コンパスにフェイムは捧げたか?…なんだ、わざわざ書くまでも無いことばかりじゃないか」

魔法使い「待って、まだ続きがあるわ――北はアビの待つ場所、東は体力回復の泉、光の先にはジュエルリング…アビって何かしらね?」

商人「何だろうね…でも、回復の泉があるなんて親切なダンジョンだね!」

魔法使い「ダンジョンに親切心があるのかは分からないけど…確かに有りがたいわね。じゃあまずは…」

非常食「待って下さいにゃあ。まだ立札に何かついてますにゃあ」

商人「あ、何か紙切れがくっついてるね。えっと…お薬ないと死にますよ!魔印を持たない魔術師なんか役立たず!道具の事ならオランド商店へ…だって。これって…」

魔戦士「あの商店の生意気なガキの仕事か、なかなかやるじゃないか」

商人「確かに上手い広告の出し方…でもこれを読むと、魔術師呪文は魔印がないといまいちみたいたいだね…でもあれ高かったしなあ…」

魔法使い「まあ、町に戻ったらその時また検討すれば良いわ。先ずはこの洞窟の様子を見てみないと」

商人「そっか、苦戦するようなら買うのを考えるって感じでも良いかもね。じゃあとりあえず行ってみよー!」

非常食「ではまずどこに行きますにゃ?」

魔法使い「そうね、やっぱり最初に回復の泉の場所を確認した方が良いと思うのだけれど…」

魔戦士「まーたまどろっこしい事言ってるねえ。回復の泉なんて誰かがケガしてから探しても良いじゃないか。非常食なら死んでも構わないし」

非常食「構わなくないですにゃ!!」

盗賊「食べれる部分はよごさないでしぬんだぞ!!」

非常食「ひ、酷すぎるですにゃー!!」

魔法使い「すぐ仲間を食べようとしないのよ。まどろっこしいと言うけど…商人、私達のパーティーでは現状貴方だけが回復呪文を使える職業なわけだけど…」

商人「あ、そういえばそっか。あたし達っていつも回復呪文に苦労してるよねー」

魔法使い「そうね、それで今現在貴方回復呪文使えるの?」

商人「え?ううん、魔術師呪文しかまだ使えないよ」

魔法使い「…という訳なんだけど」

魔戦士「仕方ないねえ、じゃあまずは回復の泉を探すかねえ」

盗賊「そーだな、しょーにんがだらしないからしょーがないな!!」

魔法使い「決まりね、じゃあ行きましょうか」

商人「…えーと、あたしのおかげでパーティーの方針が決まった…んだよね?喜んで良い…かな…?」

魔戦士「ここが回復の泉か。なんだ、普通の泉じゃないか」

魔法使い「そう見えるけど…立札にああ書いてあったからにはきっと…」

商人「あ、みんな、ちょっと見てみて!」キュイーン

盗賊「おお!?なんかひかってるぞ!?」

非常食「それは…コンパスが光ってるのですかにゃ?」

魔法使い「コンパスの光が指し示す方向にジュエルリングがある…光は東を示してるわね」

商人「だね!じゃあ東に向かって…あれ?竜王ちゃん、どうしたの?」

竜王「マモノガ…イル…!」

魔法使い「!みんな、戦闘準備よ!」

――何かに遭遇した!

魔戦士「ここが回復の泉か。なんだ、普通の泉じゃないか」

魔法使い「そう見えるけど…立札にああ書いてあったからにはきっと…」

商人「あ、みんな、ちょっと見てみて!」キュイーン

盗賊「おお!?なんかひかってるぞ!?」

非常食「それは…コンパスが光ってるのですかにゃ?」

魔法使い「コンパスの光が指し示す方向にジュエルリングがある…光は東を示してるわね」

商人「だね!じゃあ東に向かって…あれ?竜王ちゃん、どうしたの?」

竜王「マモノガ…イル…!」

魔法使い「!みんな、戦闘準備よ!」

――何かに遭遇した!

魔戦士「敵は…スライム3体か、楽勝だね」

商人「えー!?あれがスライムなの!?か、可愛くない…」

魔戦士「何言ってるんだ、可愛い魔物なんていないだろ?」

商人「えー、だってあたし達の世界では…」

魔法使い「ほら、戦闘よ!集中しなさい!」

盗賊「よーし、ムチでひっぱたくぞ!!」パチーン

スライムは死亡した!

非常食「ではみぃも…にゃー!!」

スライムは死亡した!

非常食「うにゃにゃー!!」ドカッ

スライムは死亡した!

商人「おー、非常食ちゃんすごいすごい!!」

非常食「うにゃあ、それほどでも…!」ウニャーン

魔戦士「当然でしょ、自分の価値を示せなかったら即食材なんだからね」

非常食「が、頑張りますにゃ…理不尽ですにゃあ…」

魔法使い「でも非常食はすごかったわね…そういえば闘士って具体的にどんな職業なの?」

非常食「闘士は己の肉体で戦う職業なのですにゃ。連撃と呼ばれる連続攻撃が出たり、クリーンヒットで大ダメージを与えたりできますきゃ」ニャフーン

魔戦士「何偉そうにしてんの。訓練所で聞いた話そのまましてるだけのくせに」

商人「ふーん、話を聞いてるとあたし達の世界の武闘家に似てるっぽいね」

非常食「しかも、連撃が決まると相手の抵抗が下がりますにゃ!マヒや睡眠のような状態異常が入りやすくなりますのにゃ!」

魔法使い「ああ、召喚師と相性が良いって言うのもそういう事なのね?」

非常食「ですにゃ!召喚抵抗は他の抵抗と違ってちょっと下がるだけにゃのですが…それでも重要ですにゃ!」

魔法使い「なるほど、良く分かったわ、ありがとう――戦いを重ねるうちに、お互いの出来ることや苦手なことも把握していかないとね」

商人「そだね、それがパーティーだもんね!」

盗賊「なあなあ、これからどこいくんだ?」

魔戦士「そりゃ光の指し示す方だろう。そこが目的なんだからね」

商人「とはいえ、ここから先は行き止まりだし…」

魔法使い「直線で行けないなら、回り込んでいくしかないわね。北と南、それぞれに扉があるけど、どっちから行ったものか…」

商人「じゃあ北、北行こう!」

魔法使い「一応なんで北なのか聞きたいのだけど」

商人「カン!せくしーだいなまいつな女のカン!!」ドヤッ

魔戦士「セクシー?あんたが?」プッ

商人「な、なによ~、自分がちょっと出るとこ出てるからって…!」

魔法使い「当然の反応にも思えるけど…でも、他に根拠があるわけでもないし、とりあえず北に行きましょう」

魔戦士「まあ、どこに行くかに文句をつける気はないよ」

盗賊「じゃあきただな!!とびらあけるぞ!!」ドガン

魔法使い「ちょっと!それ扉開ける音じゃないわよ!」

盗賊「むー、なにもない…お?おくにもとびらがあるぞ!!」

非常食「にゃ、待って下さいにゃ、この扉は…」ガチャガチャ…

魔法使い「開かないの?カギが掛かってるのかしら…?でも盗賊、確か貴方訓練所でガキの開け方習ってたわよね?ちょっと…」

盗賊「うう~、このお~、てやー!!」ドカバギン!!

魔戦士「お、開いたね。やるじゃないか」

商人「え、ええ~!?」

魔法使い「すさまじく強引な解錠だったわね…」

魔戦士「成功したんだから良いじゃないか。さて、カギ開けまでした部屋だ、何もないなんて事はないだろうね?」

非常食「えー、お嬢様、な、何もないですにゃ…」

魔戦士「…後輩、食肉加工の準備を」

盗賊「がってんしょーちだぞ!!」

非常食「にゃー!!みぃのせいではないですにゃ!!」

魔法使い「なんで息ぴったりなのよ…ここに何もないなら、南に行くしかないでしょうね」

商人「むー、あたしのカンが外れた…」

魔戦士「セクシーダイナマイツな女のカン」プッ

商人「く…悔しい…!次こそ当ててみせるんだから…!」

魔戦士「この調子じゃ、次もどんなもんかねえ?」

魔法使い「別に勝負じゃないからね…」

――何かに遭遇した!

魔法使い「南に来たら、いきなりモンスター…!」

商人「えっと、でっかい蚊が2匹に、でっかい虫、あとこっちにも蚊…うえー、気持ち悪い…」

魔戦士「確かに気持ちの良い相手じゃないが、こんな奴らに苦戦してられないよ、そらっ!」ザシュザシュ

非常食「うにゃにゃー!!」ドカバキッ

竜王「ウガー」ザクザクッ

商人「おお、みんなすごい!あたし達後衛も…それっ!」ドカカッ

死亡した!死亡した!死亡した!死亡した!

盗賊「おー、らくしょーだな!!」キャッキャッ

魔法使い「そうね、まだ誰もダメージを負ってないし、まだまだ探索を続けられそうね」

魔戦士「もとよりこんなとこで引き返すつもりはないよ。さあ、さっさと進むよ!」

商人「おー!こっちには何かあるかな~?」

魔法使い「さて、こっちの部屋には何が…あら、他の冒険者?」

冒険者1「ほら、解錠は何百回やっても良いんだから、次さっさと試す!」

冒険者2「だから盗賊を仲間にしようって言ったのに…」ガチャガチャ…

魔戦士「どうやらまたカギが掛かってる扉があるようだね」

商人「よーし、盗賊ちゃん、また出番…」

魔戦士「待ちなよ。今開けたらあいつらも扉の向こうにご案内しちゃうじゃないか。あいつらが諦めて居なくなってからの方が良いと思うけどね」

商人「えー、でも…」

魔法使い「商人の気持ちも分かるけど…これは競争だからね。それに、盗賊をパーティーに入れてないのが悪いのよ」

盗賊「そーだぞ、とーぞくはやくにたつのにな!!」

非常食「…とかなんとか言ってる間に、いなくなりましたにゃあ」

盗賊「よーし、じゃああけるぞー!!」バキバキィ!

商人「あーあ、また…」

魔戦士「手っ取り早くて良いじゃないか。さあ、さっさと進むよ」

魔法使い「ええ。カギの掛かった扉の先…さっきは何もなかったけど、何かあると考えるべきね。竜王、さっきみたいに警戒よろしくね」

竜王「ガウ!」

――何かに遭遇した!

魔戦士「またスライムの群れか。レッドスライムも混じってるようだけど、こちらに気付いてないみたいだし、今回も余裕だね」

商人「よーし、じゃあそっと近付いて…とりゃー!!」ドカッ

非常食「みゃー!!」ドカバキッ

死亡した!死亡した!死亡した!死亡した!死亡した!

商人「やった、勝ったよ!…あれ?」

――宝箱が現れた

魔法使い「…唐突に宝箱が出てきたわね」

魔戦士「ここはダンジョンだよ?宝箱くらいあるさ」

商人「それはそうだけど…でも宝箱となると、確かまた盗賊ちゃんの出番だよね?」

魔法使い「宝箱には罠が掛かってるらしいからね…盗賊、慎重に開けるのよ」

盗賊「おー!!」ベキッ!バキッ!メキメキメキィ…!

魔法使い「だからもっと慎重に…」

盗賊「あいたぞ!!」パカッ

商人「なんであの開け方で無事なの!?」

魔戦士「それで、何が入ってた?」

商人「ちょっと見せてね…えっと、短刀と盾みたいだね」

魔法使い「へえ、複数入ってるのね。私達が昔開けた宝箱はでっかい箱にやくそう1つとかざらだったのにね」

魔戦士「さっきから気になってたんだが、あんた達は昔も冒険者してたのかい?」

盗賊「こーみえてもベテランだぞ!!」ドヤッ

商人「…なんだけど、いろいろあってレベル1からやり直しみたいで…」

魔法使い「まあ、詳しい話はおいおいね。それより今は冒険を続けましょう」

魔戦士「いろいろね…ま、アタシはあんた達の素性とかそんな興味ないけどね、大事なのは今こうしてパーティー組んでるって事さ」

非常食「全くですにゃあ。こんなワガママ放題のお嬢様を引き取ってくれる方がいるなんて…うにゃあ!?」

魔戦士「猫舌、って言うからにはあんまり火に掛けすぎると良くないのかねえ?後輩、あんたどう思う?」グイィッ

盗賊「そーだな、かるくあぶるだけでいーとおもうぞ!!」

非常食「た、たしゅへへ…」

商人「ストップ!!すとーっぷ!!」

竜王「テキ!!テキ!!」

魔法使い「くっ、奇襲!?」

ヴァンパイアバットの行動:鋭い牙 ブロブの行動:触手

非常食「にゃあ!?あんな遠くから攻撃されましたにゃ!」

魔法使い「後列から触手を伸ばしてくるのね、厄介だわ…大地の脈動、敵に食い付き動きを奪え!!――ロイド!!」ジジジッ

ブロブは麻痺した!

魔法使い「よし、射程持ちは押さえたわ、後は任せたわよ!」

魔戦士「ああ、行くよ!!」ザクザクッ

竜王「ウガー!!」ザクザクッ

死亡した!死亡した!死亡した!――

商人「ふー奇襲されたときはどうなるかと思ったけど、なんとかなったね!」

盗賊「お、またたからばこだな!!あけるぞ!!」ドガゴン!!パカッ

魔法使い「またそんな開け方して…」

魔戦士「何が入ってた?…なんだ、薬だけか」

商人「ホントだ、やっぱりこっちにもケチな宝箱はあるんだね」

魔法使い「ケチな宝箱…?でも5つ入ってたじゃない、そこまでケチでもないんじゃない?」

商人「あー、そうかもね、でもなー」

魔戦士「さて、ここからどうする?まだ余裕があると言えばあるが、前衛全員が傷を負いもしたが」

魔法使い「そうね…今日はまず最初の冒険だし、ここで引き返しても良いと思うのだけれど…」

盗賊「えー、でもすぐそこにとびらがあるぞ!!いかないのか?」

非常食「確かに、見るからに何かありそうな扉ですにゃあ…」

魔法使い「いえ、引き返しましょう。もう少し、もう少しと思う気持ちが失敗につながるものよ」

魔戦士「慎重だねえ。ま、今日はこのくらいでも良いかねえ」

商人「じゃあ帰ろう!あたし、帰ったら鑑定するんだ!楽しみ~♪」

魔法使い「そういえば今回手に入った物の鑑定がまだね。良いものがあると良いけど…まずは帰ってからね、じゃあ行きましょうか…」

――マーシャの酒場

盗賊「マーシャねえさん、ごはんー!!」バンッ

マーシャ「あんた達は…無事に帰って来たんだね」

商人「へっへー、あたし達はカンタンにはやられないよ!!マーシャさん、ここで鑑定してもいい?」

マーシャ「ええ、みんなそうしてるわよ」

商人「ありがとー!!じゃあさっそく…」

非常食「どんなアイテムなのか、楽しみですにゃあ」

魔法使い「本当ね」

魔戦士「高いのがあればいいけどね、どんなもんだい?」

商人「…よし!うん、全部終わったよー!全部っていっても3つだけだけど」

盗賊「なんだしょーにん、ぶじにおわったのか?みんなかんてーにしっぱいするしょーにんをきたいしてたんだぞ!!」

商人「そ、そんなの期待しないでよ!!」

魔法使い「みんなって誰よ…」

商人「うーん、高そうなのはこのアイアンシールド位かな?あとはダガーと傷薬だったよ」

魔戦士「アイアンシールドは良いんじゃないか?確か1000GPはしたはずしゃないか?」

盗賊「おー、じゃあきょうははごうかなごはんだな!!」バンバン

魔法使い「ほら、テーブルを叩かないの!」

盗賊「おなかへった!!おなかへった!!おなかへったー!!」バンバンバンバン!!

商人「ちょ、盗賊ちゃん静かに…」

女の子「ちょっと!!キミ達うるさいよ!!ここはみんなの酒場なんだから!!」

魔法使い「ほら、怒られたでしょ!…すみません、仲間が…」

盗賊「なんでだ?おなかへったからおなかへったって…むぎゃ!?なにするんだ、はなつまむな!!」ギャーギャー

女の子「キミがあまりにワガママだからお仕置きだよ。これからは静かに…」

盗賊「なんだとー!!ちびのくせになまいきだぞー!!」

女の子「なに?やる気ならやってあげるよ。でもここじゃ迷惑だから、表に出なさいよ」

盗賊「このー!!じょーとーだぞー!!」

魔戦士「お、面白くなったじゃないか」

商人「ええー!?と、止めないと…あ、二人とも待ってよー!!」

――

盗賊「ふぎゃっ!!ま、まいりましただぞ…」

女の子「これに懲りたら、酒場では静かにするんだよ?」

商人「わあ、盗賊ちゃんが負けた…」

魔法使い「まあ、いくら盗賊でもレベル1になったらね…それにしてもあの女の子、盗賊より小さいのに強いわね」

魔戦士「そりゃあの子はホビットだからね、小さく見えても魔法使い、あんたと同じ位の歳だろうさ」

商人「ええー!?ホビットって…あたし達の知ってるホビットと違う…」

狩人「あれ?リーダー、なんすかこの騒ぎは?」

魔法使い「貴方達は訓練所の…この女の子が貴方達の言ってた先輩冒険者?」

竜戦士「そうそう!あー、さてはうちのリーダーと一悶着あったな?こんなちんちくりんだけど気が強いっつうか跳ねっ返りっっつうか…いででで!!な、何を…ぐえっ!?」ドサッ

盗賊「おおー!!きれいなまわしげり!!」

魔法使い「倍以上身長差があるのに綺麗に頭に決まったわね…」

女の子「こら、情けないぞ!戦士が盗賊に負けてどうするの!」

魔戦士「へえ、あんた盗賊かい」

狩人「そうなんすよ、しかもレベルがもう11とかで…」

商人「あー、それは盗賊ちゃんも勝てないかあ…」

女の子「キミも狩人君も、パーティーを守る為にもっと強くなってもらわないと困るんだからね!盗賊の私になんか負けてたらダメだぞ!!」

竜戦士「つーか、おめーがおてんば過ぎるだけ…ぐおお!?し、尻尾踏むな…ぎゃあ!!」

盗賊「おおー!!みごとなかんせつわざ!!」

女の子「ホント、情けないんだから!!キミはもっと強くなる!!あとそっちの盗賊のキミは酒場ではもう少し大人しくする!分かった?」

盗賊・竜戦士「へい!!あねご!!」ビシッ

姉御「姉御って…昔からよくそう呼ばれるんだけど、こんな可憐な女の子に姉御はないよねえ?」

商人「は、はは…なんであたしの周りってバイオレンスな女のヒトばっかりなんだろ…」

――マーシャの酒場

姉御「――じゃあ改めてこっちのパーティーを紹介するよ。この新人二人は、もう知り合いだよね?」

魔法使い「ええ…それにしても二人とも、装備が随分と変わったのね。見違えた」

竜戦士「はっはー!!これが金の力って…いででで!!」

姉御「はい狩人君、模範解答」

狩人「いやあ、先輩達の援助のおかげっすよ」

姉御「良くできました!あと、こっちが魔術師、エルフね」

魔術師「………どうも」

姉御「あとこっちのご老体が司教。魔術師の師匠で、私達も師匠って呼んでるよ。ちなみに種族はノームだよ」

師匠「はじめまして、どうぞお見知り置きを」ペコリ

魔法使い「よろしくお願いします。では、こちらのパーティーを…私が魔法使い、この子が盗賊で、こっちが商人、こちらが魔戦士、非常食、竜王よ」

魔術師「非常食…?」

非常食「名前を紹介されるたびに視線が痛いですにゃあ…」

魔戦士「なんだ、名前が気に入らないのか?なら改名しようか、『今晩のメインディッシュ』なんてどうだい?」

非常食「それじゃすぐ食べられちゃいますにゃ!!非常食で良いですにゃ!!」

姉御「ふふ、変わったパーティーだね」

商人「ああ、やっぱり変に見られてる…」

魔法使い「でも…こんな事を言っていいのか分からないけど、こうやって他のパーティーと仲良くやろうとする人達がいるのは意外だったわ」

魔戦士「それは同感だね。アタシらはいわばライバルだろ?馴れ合って良いことなんかあるのか?」

姉御「そうだね、私達はもちろんライバルだよ。お触れのご褒美をもらうために競争もする。でも、それでも他のパーティーと仲良くしておいた方が良い事はあるんだよ」

商人「へえー、それはなんでですか?」

魔術師「…そのうち分かる、嫌でも…」

姉御「そうだね、ホントは分からないままの方が良いんだけどね」

魔法使い「…?」

姉御「それよりキミ達、宿はもう泊まったの?今日が初めて?」

非常食「はい、冒険者としては初めてですにゃあ」

姉御「そっか、じゃあ慣れるまで大変だね、馬小屋は臭いがキツいもの」

盗賊「うまごや?うまを食べるのか…ですか?」

商人「と、盗賊ちゃんが敬語を…!でも馬小屋って…?」

――ミアマックの宿屋

商人「ええー!?馬小屋で寝泊まりするの!?」

姉御「そう!冒険者たるもの、どんな環境でも寝られるようにしないとね!」

商人「そ、そうは言っても…盗賊ちゃんは大丈夫…盗賊ちゃん!?」

盗賊「おいしそうなうまだぞ…」ジュルリ

商人「だ、ダメ!!食べちゃダメ!!」

魔戦士「話には聞いていたが…まあ、確かに慣れるまでは大変そうだね」

商人「慣れるのかなあ…あれ?そういえば魔法使いちゃんは…」

魔法使い「…つまり、全ての呪文系統が7段階に別れている訳ね」

魔術師「そう…そして、レベルが2つ上がる毎に1つ上の段階の呪文が修得出来て…」

魔法使い「…となるとレベル13で全段階の呪文を覚えるという事ね。なら…」

姉御「あの二人、酒場からずっと魔法の話してるね」

商人「あー、魔法使いちゃんは魔法オタクだから…」

姉御「でも訓練所で初めて魔法を覚えたって感じじゃないよね?レベル1のはずなのに、不思議だね」

魔戦士「そういやあんた達は昔も冒険者してたって話だったかねえ?」

商人「あー、えっと、かくかくしかじかで…」

魔戦士「へえ、別世界から?そんな話があるのかねえ?」

商人「それは…なかなか信じてもらえないと思うけど…」

盗賊「こっちにくるときにレベルもさがっちゃったんだぞ!!」

魔戦士「世界を越えるとレベルが下がるもんなのかね。まあ、実際越えてみたこともないし…」

姉御「で?それで?キミ達の世界ってどんなだったの?やっぱりこっちとモンスターも違う?」

商人「え?えーと…」

姉御「町は?武器は?ダンジョンは?やっぱりそっちにもホビットいた?ねえ!」

商人「うわ、すっごいグイグイ来る…えっと…」

盗賊「あっちではラーミアっていうとりのせなかにのってぼーけんしたりしたんだぞ!!…です」

姉御「空を飛んだの!?すごいすごい!!じゃあ歩いてじゃ絶対行けないような所にも…」

魔戦士「ふっ、根っから冒険者って感じだねえ」

商人「あー、なるほど…」

魔法使い「…あら、随分と月も傾いてしまったわ。ごめんなさい、こんな時間まで付き合わせて…」

魔術師「大丈夫………楽しかった」

魔法使い「私もよ。じゃあ明日に備えて…なんだか賑やかね」

商人「…それで、あたし達は自分の船を手に入れて、それで…」

姉御「へー!!自分達の船!!すごーい!!」

魔術師「……リーダー、そろそろ…」

姉御「何?…え?もうそんな時間?」

魔法使い「随分と盛り上がってたようだけど…」

姉御「キミ達はすごい冒険してきたんだね!!とっても面白い話が聞けたよ!!」

魔術師「……リーダーは、冒険オタクだから…」

商人「魔法使いちゃんが魔法オタクなのと一緒だね!」

魔法使い「否定はしないけど…でも、そろそろ寝ないと…」

姉御「そうだね、明日も冒険があるからね!!でもね、私達いつもここで寝るから、また今度話聞かせて欲しいな!」

盗賊「わかりましたなんだですぞ!!」

魔法使い「どこの国の敬語なのよ…」

師匠「ほっほっ、女性陣はかしましいですな」

竜戦士「ったくよお、なんで女ってのはあんなに喋る事たくさんあんだ?」

狩人「話題が尽きないっすもんね」

竜戦士「女っていやあよお、俺は女があんな暴力的だとは冒険者になるまで知らなかったぜ、ったく…」

非常食「全く恐ろしいものですにゃ…」ウンウン

狩人「竜戦士さんは9割方身から出た錆だと思うんすけど…」

竜戦士「にしてもよお、顔面に回し蹴りはねーだろ!!」

非常食「ワービーストでもなかなかあそこまでの跳躍は出来ませんにゃ…」

狩人「まあ、ドラゴニュートは丈夫っすから…」

竜戦士「丈夫が理由で蹴られるなら俺もオメーみてえに人間がよかったよ…なあ兄弟、オメーも苦労してるんだろ?」

竜王「ダイジョブ…」

狩人「竜王君は真面目そうっすからねえ」

竜戦士「まるで俺が真面目じゃないみてーじゃねーか!!それによ、こういう真面目なヤツこそ遊びを覚えたら危ないもんだぜ?人間の姫様をさらったりしてよお…」

狩人「それじゃ竜王じゃなくて魔王じゃないっすか…そんなことしないっしょ…」

――翌朝

姉御「みんなおはよう!!朝だよ!!今日も冒険だよ!!」

魔戦士「朝から元気だねえ」

魔法使い「本当…元気…」ファ…

盗賊「お?なんだしょーにん、はやくおきるんだぞ!!」

商人「ん…体を傾ければ…自然にまぶたを閉じる…」

魔法使い「これは…久々の寝言タイムね…」

商人「パーティーを…2つ作ったのは…以前の失敗を…繰り返さないため…むにゃ…」

魔術師「…失敗?」

商人「前に…失敗した…SSは…プレイ日記をそこそこに…ゲームを進めすぎたのが一番の原因…日記では…最初のイベントクリアしてなかったのに…実際のプレイは…ストーリーを半分以上進めて…」

魔戦士「それじゃ記憶が曖昧になって、日記は上手く書けないだろうねえ」

商人「一応…メモはしてる…でもやっぱりダメだった…でも書き手は悪くない…エルミが面白いのが悪い…」

姉御「え?私は意思の弱さが悪いと思うよ?」

商人「もちろん…もう1つパーティーを作ったのには…まだ理由があって…察した人もいたみたいだけど…むにゃ…あれ?みんな起きてる…おはよ…」

魔法使い「おはよう。すごく長い寝言だったわね…」

商人「肝心なこと…書いてなかった…以前はそうやって失敗したから…今度はプレイを我慢出来なくなったとき…自由に動かせるパーティーがあれば…我慢しなくてすむ…だからパーティーがもう1つ…」

姉御「すごいね、立ったまま寝てるよ!」

商人「これはまさにコロンブスの卵…あたしすごい…」

盗賊「とくにすごくもなければしょーにんがかんがえたわけでもないぞ!!」

商人「…むにゃ!?あれ、あたし立ったまま寝てた…」

魔戦士「器用だねえ。さて、それより今日はどうするんだ?昨日の続きか?」

魔法使い「そうね、それでも良いし…そうだ、ねえ姉御、洞窟内の立札にアビがどうこうって書いてあったんだけど、アビって何かしら?」

姉御「アビ?ああ、私はとってもお世話になったよ、アビは」

商人「お世話に?」

姉御「強くなりたいなら、アビの所に行けば良いと思うよ。でも…ううん、6人なら大丈夫だよ、きっと!」

魔法使い「なにか引っ掛かる言い方ね。アビっていうのは一体…」

姉御「詳しくはナイショだよ。冒険者だもん、自分の目で見るべきだと思うよ!」

商人「うーん、確かにそれはそっか…じゃあ今日はアビの所に行く?あ、でも男の子達の意見も聞かないと…」

魔戦士「良いだろあいつらは。特に非常食なんかね」

魔法使い「そうもいかないでしょ…」

非常食「うにゃあ、では今日はアビというのの所に行くんですにゃ?」

魔戦士「そう、決定だから」

魔法使い「もう!まだ決定はしてないのよ、二人は大丈夫?」

竜王「ダイジョブ」

非常食「みぃも…大丈夫ですにゃ」

魔戦士「当たり前だろ。嫌って言ったら挽き肉だからね」

商人「また脅かして…」

竜王「よう!お先にダンジョン行ってるぜ!!」

魔法使い「おはよう。早いわね」

狩人「こっちは大体リーダーの鶴の一声でどうするか決まるんで…」

姉御「キミ達も急がないとダンジョンからお宝なくなっちゃうぞ!じゃ、お先ー」

商人「気を付けて!!…だね、あたし達も急がないと…」

盗賊「あ、まって!!おべんとうつくってくぞ!!」

魔法使い「はいはい、手短にね。こっちはそう速やかに行動出来ないわね…」

――クレイディアの洞窟

竜戦士「っしゃあ!!今日ダンジョン一番乗りだぜ!!…ってなんだあ?しけた洞窟だなおい!!」

狩人「そりゃあ、俺らまだ初心者っすから、そんなハードなダンジョンは…」

師匠「まずは地道に経験を重ねることが肝要ですぞ」

魔術師「急がば、回れ…」

姉御「ふふ、気持ちは分かるよ、冒険者だもんね。でも――まずは二人に、このパーティーの方針というか、冒険者の心得みたいなものを聞いてほしいの。いい?」

狩人「はいっす」

竜戦士「おう、なんだ?」

姉御「私達冒険者はね、自由で、武力もあるよね。だからいろんな人から頼りにされたり、頼み事されたり、依頼されたりもするの」

師匠「お触れなどはその最たるものですな」

姉御「そう。だからね、何をやろうか、どうしようか…そう迷うことも多いと思うんだけど、私達は勇者でも何でも屋でも、ましてやただのお人好しでもない、冒険者よ。だから――まずは冒険を目一杯楽しみましょう!良いかな?」

竜戦士・狩人「「はい!!」」

商人「やっとあたし達も洞窟に着いたね…あ、姉御達だ、作戦会議中かな?」

魔戦士「ちょっと遠いから何言ってるか聞こえないけど、こうやって遠くから見ると可愛らしいね、あの子は。まるで大人に囲まれてる子供みたいだ」

魔法使い「そうね、でもいつもパーティーの中心にいるわ、すごいリーダーシップよね…さて、私達も行きましょう。準備はいい?」

盗賊「おー!!いいぞ!!」

非常食「みぃも良いですにゃ。そういえば商人さん、昨日は魔印というのを欲しがってたみたいですにゃ。買わなくて良かったですにゃ?」

商人「あー、あれは…あたし、考えたらまだ火の魔法使えなくて…」

盗賊「ひのまほーもかいふくまほーもつかえないのか?ダメダメだな!!」

商人「さ、催眠呪文とかは使えるよ!!でも魔印って属性魔法を強化するみたいだし、火とか氷、あと雷の魔法を使えるようにならないと…」

魔法使い「今の所は無用の長物って訳ね。なら今やり残した事は無いわね。じゃあ――」

商人「しゅっぱーつ!!」

盗賊「おー!!」

魔法使い「さて、あの立札から北に行けばアビ…という事だったけど…」

竜王「…ナニカ…アル」

商人「え?あ、ホントだ、あれは…像?彫像だね」

非常食「見てくださいにゃ、台座に『アビ』と書いてありますにゃあ」

魔戦士「ふーん、じゃあこの大理石か何かで出来てる像がアビなんだね?これでどう強くなるっていうんだ?」

魔法使い「うーん、どういう事なのかしらね…」

盗賊「んー、いしじゃ食べれないぞ…」ペタペタ

商人「と、盗賊ちゃん、それ、像が…!」

盗賊「おお!?うごいたぞ!!」

*こんにちは!*

魔法使い「像が…喋った?」

――何かに遭遇した!

商人「ぞ、像と戦うの!?」

魔戦士「みたいだねえ。でもあれ、見てごらんよ」

Zzz…

非常食「…寝てますにゃあ」

魔法使い「何がなんだか分からないけど…とにかく攻撃しましょう。それっ!」ドカッ

竜王「ガー!!」ガキガギィッ

非常食「にゃー!!にゃー!!うにゃー!!」ドガドガバギッ

――アビは死亡した

商人「か、勝った…寝てる間に叩いてただけだけど…良いのかな?」

魔戦士「むしろこれで楽に経験を積めるって事じゃないかい?良いもんじゃないか」

魔法使い「なるほど、姉御達もこうやって鍛えたのかもしれないわね…」

非常食「確かに良い経験ににゃりましたけど…これでそんなに強くなったとは思えませんにゃあ…」

盗賊「なあなあ、さっきさわったらうごきだしたし、またさわればいーんじゃないのか?」

商人「そういえば、さっき倒したはずなのに、また元に戻ってるね」

魔戦士「じゃあ非常食、あんた触ってみな」

非常食「はいですにゃ…にゃ、また…!」

*こんにちは!*

――何かに遭遇した!

魔戦士「本当にまた動き出したね。ほら非常食、あんたが動かしたんだから責任持って倒しな!」

非常食「じ、自分で触れっていったのににゃあ…うにゃ!!にゃああー!!」ドガドガバギッ

――死亡した!

魔法使い「倒した…!すごいわね、非常食」

商人「ホントだね!それに、これを繰り返せば、あたし達も一気にレベルアップ出来るかも…!」

商人「…そして結局あたし達は合計12回もあの像を倒したのでした!!」

魔法使い「誰に説明してるのよ…でも、これでかなり経験が積めたわね」

盗賊「あれ?でもレベルあがんないぞ?」

魔戦士「何言ってんだ、レベルは宿に泊まらないと上がらないよ」

商人「えー、そうなんだ…!あ、ちなみにあたし達は夕べ宿に泊まって全員レベル2になりました!」

魔法使い「また誰かに説明しだしたわね…それはそうと、結局誰も傷を負わずに済んだわ。このまま戻ってレベルを上げても良いけど…」

魔戦士「傷もだけど、魔法だって誰も使ってないだろ?なら昨日の続きを探索しても良いと思うけどね」

盗賊「とーぞくもそうしたいぞ!!」

竜王「ガウ!」コクリ

魔法使い「そうね、消耗が0な訳だし、引き返す事も無いわね。じゃあ昨日の続きといきましょうか」

商人「おー!!」

魔戦士「さて…アタシらが昨日引き返したのはこの扉の先だったね」

魔法使い「ええ、ここで敵に奇襲されたわ。今回はより慎重に…竜王」

竜王「ムコウニ…イル」

商人「やっぱりモンスターいるんだ…でも今回は大丈夫だよね、行くよー!」バン!

――何かに遭遇した!

盗賊「よーし、たたかうぞー!!お?スライムしかいないぞ?」

魔法使い「…正直、拍子抜けだけど…でも油断は禁物…」

非常食「うにゃ!!」ドカバキッ

竜王「ガー!!」ザクザク

スライムは死亡した!スライムは死亡した!スライムは死亡した!

魔法使い「…思った以上に呆気なかったわね…」

――宝箱が現れた

商人「あれ?確か昨日もここで宝箱出たはずだけど…また宝箱?」

魔戦士「別に損してないから良いじゃないか。さ、後輩、開けてみな」

盗賊「おー!!」ガチャガキドガガンッ!!パカッ

魔法使い「何度見てもそれで開くのが不思議だわ…」

商人「うーん…あ、盗賊ちゃん、中身見せてね…」

非常食「何か良いものはありましたかにゃ?」

商人「えーとね、靴と、素材と…あとメイスかな?3つも入ってたよ!」

魔戦士「へえ、なら1つくらい当たりだと良いねえ」

魔法使い「そうね、戦力も上がるでしょうし…さあ、探索を続けましょう」

盗賊「おー!!つぎは食べものが欲しいぞ!!」

商人「そろそろお腹減ってきたんだね盗賊ちゃん…」

非常食「うにゃあ、昨日気になった怪しい扉の前まで来ましたにゃあ」

魔法使い「そうね、じゃあ開けて…」

商人「あ、待ってよ、まずはこの部屋を隅々まで調べたいな」

魔戦士「なんだ、ここまで来てまどろっこしいな」

魔法使い「まあ、扉は逃げないでしょうし…」

竜王「テキ!!テキ!!」ガオー

商人「!!み、みんな…!」

非常食「せ、戦闘開始ですにゃ!!敵は…前列はでっかい虫が2匹ですにゃ!」

魔法使い「奥は見えづらいけど…あれは…悪魔!?」

商人「あ、悪魔!?そ、そんなのが…」

魔戦士「どうでもいい、さあやるよ!!」

魔法使い「そうね、ここは戦わないと…やるわよ!!」

――何かに遭遇した!

魔戦士「まずは前列のジャイアントビートルを殺るよ!!そらっ!!」ザクザク

商人「あたし達は後列に届く武器持ってないもんね…それっ!」ドカッ

非常食「にゃ!前列は倒しましたにゃ!後列は…グレムリン3匹にゃ!」

グレムリンの行動:鋭い牙・鋭い爪 グレムリンの行動:鋭い牙・鋭い爪

魔戦士「ちっ!アタシばっかり狙いやがって!!そんなにアタシが魅力的かねえ?誰かさんと違ってさ!」

商人「ま、魔法使いちゃん、言われてるよ!!」

魔法使い「それは貴方の…いえ、良いわ。もう一息よ、それっ!」ガンッ

竜王「トドメッ!!」ザンッ

――戦闘に勝利した!!

魔戦士「ちっ、ちょいとダメージを受けすぎたかね。非常食!あんたが庇わないから…」

非常食「にゃっ!?み、みぃの方が防御力は低いですにゃよ!?」

魔戦士「口答えするのね…後輩、ミュージックスタート!!」パチン

盗賊「ほ~ら、おまえのなーいーぞおーを♪なげすてたいよーなそ~んな♪きもちなーのにー♪」

非常食「うにゃあ~!!ご勘弁なのにゃー!!」

魔法使い「何の歌よ…それより魔戦士、傷を治さないと」

魔戦士「治すったって、回復呪文ないんだろ?泉まで戻るしかないかねえ」

商人「ふっふーん!そう思うでしょ?でも魔法使いちゃんが傷薬を持っているの!何故なら昨日宝箱に入っていたのをあたしが見事に鑑定して…」

魔戦士「ああ、後輩が開けてくれた宝箱に入ってた奴だね。じゃあ遠慮なく使わせてもらって…」

盗賊「どういたしましてなんだぞ!!」

商人「ちょっと!あたしが…」

魔法使い「回復したなら行きましょう。あの怪しい扉は目の前よ」

商人「あたしが…」

竜王「ゲンキ、ダス」ポンッ

商人「あ、ありがと…竜王ちゃんだけだよ優しいのは…」

魔戦士「さて、例の扉だね」

非常食「カギはかかってないようですにゃ。開けてみますにゃ」ガチャリ

魔法使い「ここは…そう広くない部屋のようだけど…」

盗賊「ん?なあなあ、あそこになにかあるぞ!!」

商人「あ、ホントだ。これは…スイッチ、かな?」

魔戦士「非常食、押してみな」

非常食「にゃ、罠じゃないですかにゃあ…」カチッ

商人「…何も起きないね」

魔法使い「そうね…でも何の仕掛けでもないとは考えづらいわ。ここではない何処かで何かの仕掛けが動いたのかも…」

魔戦士「結局、ジュエルリングとやらはなしかい?面倒だね、ホント!」

魔法使い「そう簡単に手にはいったら試練にならないでしょうからね…でも1歩前進した、そう考えて良いんじゃないかしら?」

商人「うん、きっと順調だよ!この調子でいけば、きっとジュエルリングもすぐだよ!!」

魔戦士「だと良いけどねえ…」

魔法使い「…あれから色々と歩き回ってみたけれど…」

非常食「なかなかジュエルリングにはたどり着けませんにゃあ…」

商人「このフロアの3分の1くらいは踏破したんだけどねー。てゆうかこの地図便利だよね、歩いたとこ、歩いてないとこが一目で分かって!」

魔戦士「でもいくら歩いてない所を踏破するためとはいえ、少しそのコンパスとやらの光から離れすぎじゃないか?光の先にジュエルリングがあるんだろ?」

魔法使い「とはいえ、光の指し示す所にはたどり着けてない以上、色んな所を探索してみないと…」

盗賊「お?また扉があったぞ!!」

非常食「今度は小さな部屋のようですにゃあ。開けてみますにゃ…にゃ、暗くて…にゃあ!?」

魔法使い「え!?いけない、落とし穴…!」

*ピットだ!*

商人「いったあ~…み、みんな大丈夫!?」

非常食「うにゃあ、ひどい目に遭いましたにゃあ…」

竜王「スコシ、イタイ…」

魔戦士「っつう…!ったく、何も全員で落ちなくても良いじゃないか!」

魔法使い「全くね…油断したかしら…」

盗賊「いたいぞー!!あとおなかへったぞ!!」ギャーギャー

魔戦士「そうだねえ、アタシも何だかくたびれた気がするよ」

商人「あたしも疲れちゃったかな…ねえ、ここからなら出口も遠くないし、今日は町に戻らない?」

魔法使い「そうね、そうしましょうか。それにしても…ダメージを与える仕掛けがある落とし穴なんて、こっちの世界の落とし穴は陰湿ね…」

盗賊「マーシャねえさん、ごは…!ごはんー」

魔法使い「あの盗賊が大人しく…私達じゃここまで躾けられなかったのに、姉御は凄いわね…」

商人「そだね…さて、あたしは鑑定鑑定!」ガチャガチャ…

魔戦士「今日は結構な数アイテムが手に入ったが…何か掘り出し物はあったかい?」

商人「うーん、まずはこのハンドアックスでしょ、それから傷薬…あ、このメイスも良いかな?後は…」

非常食「胸当てと旅のマントもすぐ装備出来て良いですにゃあ。でもみぃが装備するものは無さそうですにゃ…」

魔法使い「あとは錬金に使う魔蒼石くらいかしらね、目ぼしいのは。まずまずの収穫じゃないの?」

商人「そだね。じゃあまずは…メイスはあたしがもらって良いよね?」

魔戦士「じゃあアタシは胸当てとハンドアックスを貰うよ」

魔法使い「斧を?そういう大きな装備は竜王の方が…」

魔戦士「良いんだよ、アタシはこういう武器の方が好きなんだ」

非常食「そうですにゃ、まさにお嬢様にピッタリの…うにゃあ!?」ベシッ!

魔戦士「懲りない猫だねえ。竜王、あんたは旅のマント使いな。アタシが胸当てはいただいたからね」

竜王「ガウ!」コクリ

商人「あと薬はあたしが持って…うん!結構ぱわーあっぷ出来たよね!」

――ミアマックの宿屋

姉御「あ、キミ達も今日は終わり?」

盗賊「あ、あねご!!おつかれさまなんだですぞ!!」ビシッ

商人「あ、姉御さんこんばんは!はい、あたし達も今日はおしまいです!んー、疲れたー!」ドサッ

魔法使い「貴方、何だかんだもう馬小屋に慣れてるじゃない…」

姉御「ふふ、さすが経験抱負な冒険者だね!でも今日はすごく充実した冒険だったみたいだね」

魔戦士「分かるのかい?ああ、商人はすぐ顔に出るからねえ」

魔術師「……とても分かりやすい」

商人「そ、そうかな…?」

姉御「アビの所には行った?」

魔法使い「ええ、そのおかげもあって、充実した1日になったわ」

盗賊「なんかいもたたかったんだですぞ!!」

姉御「そっかあ、じゃあ明日から何日かは冒険に出ないのかな?」

商人「え?どうして?」

魔術師「…レベルは、1泊で1ずつしか上がらないから…レベルがたくさん上がるなら……連泊しないと…」

魔術師「そうなの?少し不便ね…」

姉御「すぐ慣れるよ!それよりせっかくだもん、町の観光でもしてみたら?」

魔戦士「観光、ねえ…この町は大きいだけで、観光するような場所なんてあったかねえ?」

魔法使い「そういえば…観光ではないけど、確かお城には大きな図書館があったわね。モンスターやアイテムに関する本なんかは冒険者でも利用出来るみたいだけど」

姉御「ああ、あそこは便利だよ。私達もよく使ってるもの」

魔術師「いくら居ても…飽きない…」

魔戦士「へえ、図書館か。悪くないね」

商人「え?図書館とか行くの?意外…」

魔戦士「バカにしてるのかい?でも休みの良い暇潰しにはなりそうだね、明日は図書館に行ってみるかねえ?」

――翌朝

商人「レベル3!!」

盗賊「さーん!!」

姉御「ふふ、レベル3か、可愛いね」

盗賊「ありがとうですなんだぞ!!」

魔法使い「ほめられて…無いわよ…」フア…

魔戦士「しかしまだまだレベルは上がりそうだね。やっぱり今日は休息かい?」

魔法使い「…そう、ね…うん、そうなるわ…」

盗賊「おきろー!!」バンバン

魔法使い「わ、分かったわよ、叩かないの…」

姉御「そうそう、キミ達今日は図書館行くんだっけ?」

商人「あ、はい、そのつもりだけど…」

姉御「図書館の図鑑はね、倒したモンスターと見つけたアイテムしか載らないんだよ。だから私達の図鑑見て良いから」

商人「え?良いんですか!?いくらパーティーは複数あっても図鑑は1つだから私達が倒してないモンスターとか載ってると変になっちゃうからそうしなきゃいけないとしても!!」

魔戦士「物凄い説明口調だねえ。まあ見せてくれるっていうんだ、有り難く見せてもらおうじゃないか。じゃあ食事して出掛けようかねえ」

――トランジェルダ城内、図書館

商人「中に入るのは初めてだけど…広いね!」

魔法使い「そうね、冒険者向けの本は…ここね」

商人「あー、アイテム図鑑がある!どれどれ…あれ?値段が載ってない…」

魔法使い「図鑑に値段は変でしょう…第一、値段ならお店で見れば良いじゃない」

商人「そっかあ、そういえば手に入ったアイテムしか載らないって言ってたし、ならお店で見た方がいっかあ…ところで魔法使いちゃん、モンスター図鑑の方は?」

魔法使い「これは…すごく良いわね、体力や防御力、行動回数にブレスの有無とブレス属性、各呪文抵抗に属性攻撃力、属性防御力…」

商人「す、凄すぎて全部覚えられない…」

魔法使い「誰が書いてるのか知らないけど、これだけ詳細なデータが載ってるなんて凄いわ。私達の世界にも欲しかったわね…」

商人「魔法使いちゃん、戻ったら書いてみたら?きっと凄いのが出来るよ!」

魔法使い「そうね、戻れたら、ね…」

商人「そしてそんなに詳細な図鑑なら飛ぶように売れること間違いなし!それを一手に販売出来ればあたしが名実ともにアレフガルド1のせくしーだいなまいつ商人に…」

魔法使い「それ、セクシー関係あるの…?」

商人「あれ?そういえば盗賊ちゃんは…あ、いた!盗賊ちゃん、その持ってる本は何?」

盗賊「これはトランジェルダ食べあるきマップだぞ!!おいしいものたくさんのってるんだぞ!!」キャッキャッ

竜王「ダゾ!!」

魔法使い「読むのは良いけど汚したり折ったりしないのよ…そういえば魔戦士は…」

魔戦士「ほら非常食、とっとと持ってきな」

非常食「う、うにゃあ…こ、こんなにたくさん持てないにゃ…」フラフラ…

商人「そ、そんなに持ったら重いよ!ちょっと貸して…この本なんなの?」

非常食「ありがとうございますにゃ…これはみんなワービーストの食に関する本なのですにゃ。お嬢様はみぃ達の食文化に興味があるそうですにゃ」

商人「ワービーストの食文化…どんな物たべてるか、とかかな?」

非常食「そうですにゃ、お嬢様がみぃ達の文化に興味を持ってくれてとても嬉しいんですにゃ」ニャフーン

魔法使い「……非常食、ちゃんと本の中身を見た方が良いわよ…」

非常食「にゃ?どれどれ…にゃ!?ワービーストの解体の仕方!?にゃにゃ!?キレイな皮の剥ぎ方!?にゃにゃにゃ!?」

魔戦士「これだけあればあんたも美味しくなれるでしょ、感謝しなよ」

盗賊「おー、すばらしいな!!」

非常食「うにゃあ~!!酷すぎるにゃあ!!」

――二日後、ミアマックの宿屋

商人「レベル5ー!」

盗賊「ごー!!」

魔戦士「みんなレベルが揃ったねえ」

魔法使い「ん……」ファア…

姉御「レベル5かあ、私達もうかうかしてられなくなったね!!」

魔術師「……ええ」

魔戦士「さて、じゃあ今日から冒険再開だね?今日でジュエルリングを見つけちまいたいもんだがねえ」

魔法使い「そう上手くいけば良いけど…」

商人「そういえば姉御達はジュエルリング見つけたんだよね?こう、ヒントとか…」

姉御「ダメだよ、国に口止めされてるから!」

魔法使い「そうでしょうね、でないと試練にならないもの」

姉御「それに冒険者なんだから、それくらい自分達で見つけないとね!大丈夫、キミ達ならすぐだよ!!」

魔法使い「そうね、この試練は最初の最初。これくらい自分達でやらないと…じゃあ準備して出掛けましょうか」

盗賊「おー!!まずはごはんだな!!」

――クレイディアの洞窟

魔戦士「さあ、さっさとジュエルリング見つけるよ」

非常食「そうは言ってもお嬢様、地図を見る限りまだまだ踏破してない場所は多いみたいですにゃあ」

商人「だよね、まずはどこから行けば良いだろ?」

魔法使い「そうね、みんなまずは地図を見てくれる?私達は今まででこのフロアの南西部と南東部は大体歩いたわよね」

盗賊「あとはきたのほーだな!!」

魔法使い「そう、でも肝心のジュエルリングは南東部の未踏破部分。そしてそこへは南東部、南西部からは行けなかったわ」

商人「壁があって通れないんだよねー」

魔戦士「じゃあどう行けば良いんだ?北西部、北東部と回って南東部まで行くのかね?」

魔法使い「そうかもしれないし、もしかしたら階段を上り下りした先にあるのかもしれないし…とにかく、未踏破部分を地道に埋めていくしかないでしょうね」

魔戦士「やれやれ、面倒だが仕方ないね。じゃあとっとと出発するよ!」

商人「うん!今日こそこの試練をクリアしようね!」

魔法使い「さて、まずは南西部の未踏破部分だけど…」

商人「この辺はもうちょっとで踏破出来そうだよね…」

盗賊「もうまものもこわくないしな!!」

非常食「しかし油断は禁物ですにゃあ…」

魔戦士「何言ってんだ、より長く遠くへ探索するために強くなったんだ、どんどん進まなきゃレベルを上げた意味がないよ」

商人「それはそうだけど…あー、この部屋も何もなしなあ…結構広いのにね…」

魔法使い「そうね、でも地図は埋めないと…えっ?」

非常食「にゃにゃ!?景色が歪んで…にゃあ!?」

盗賊「おお!?たびのとびらみたいだぞ!!」

商人「こ、これってまさか、ワープ!?あ、あー…!」ニュイーン…

魔法使い「…ここは?」

魔戦士「景色が変わったみたいだね。しかしワープなんてものがあるのか、驚きだね」

商人「あたし達は初めてじゃないけど、いきなりだから驚いたよ!」

非常食「それでここはどこなのですにゃ?」キョロキョロ

魔戦士「地図を見てみなよ、今の位置が分かるんだろ?」

魔法使い「ちょっと待って…ここは北東部かしら…かなり移動したわね」

商人「え?でも確か北東部から回り込んでジュエルリングの所に行こうって話じゃなかった?なら…」

盗賊「ラッキーだな!!」

魔法使い「ラッキーかどうかは分からないけど…いずれ来ようとしてた方向に飛ばされたのはラッキーと言えるかしら…」

魔戦士「ま、せっかく飛ばされたんだ、この付近を色々見て回ろうじゃないか」

魔法使い「そうね。これでジュエルリングに近づけていたら良いんだけど…」

商人「…うーん、こっちの部屋には何もなし…そっちは?」

竜王「…ハズレ」

魔法使い「…そう。ならこっちは…あら、人がいるわね」

冒険者「おいおい、そっちには何もなかっただろ?全く、お前らってやつは…」フウ…

盗賊「なんだこいつ、食べるか?」

魔戦士「身ぐるみ剥いだほうが良いだろ」

商人「二人とも、あたし達善のパーティー!」

冒険者「ひ、ひいい!!」ドタバタ…

非常食「逃げましたにゃあ…」

盗賊「待てー!!…ん?これ、アビってやつだよな?」

商人「え、アビ!?じゃああたし達って…」

魔法使い「どうやら戻ってきてしまったみたいね。そう簡単にはたどり着けないか…」

魔戦士「さっきの奴の話だと、ここより北には何もないようだね」

商人「あの人を信じればだけど…ウソは言ってないっぽいね」

魔法使い「まあ、まだ行ってない所はまだまだあるし…じゃあ今度はこの部屋に入ってみましょう」

非常食「じゃあ扉を開けますにゃ…にゃ、誰か居ますにゃ!」

男「私はこの洞窟の管理職員。国からこの洞窟の管理を任されている者だ」

商人「洞窟に管理職員がいるんだ!」

男「この洞窟は我々が管理しているが…ここから先、地下はまだ管理が行き届いていない。お前達には早いだろう。引き返すがよい」

盗賊「なんだとー!!食べて…モガッ!?」フガフガ…

魔法使い「分かりました、引き返します…どうやらこの先には無いわね」

商人「他を探せって事だろうからね…」

魔法使い「ただ、地下はまだ早いとこと事は、階段の上り下りした先にある、という事は無さそうね」

魔戦士「あくまでもこのフロア内で解決するって事か。良いね、面倒臭くない」

魔法使い「さっきのワープみたいなのもあるから面倒じゃないとは言い切れないけどね…さあ、次に行きましょう」

盗賊「お、こっちのみちはまだいってないぞ!!」

商人「そだね、じゃあこの部屋に…あ!!」

――何かに遭遇した!

非常食「…レッドスライムですにゃあ」

竜王「がー」サクサクッ

――戦闘に勝利した

盗賊「お、また宝箱だ開けるぞ!!」ドガガンッ!!

魔法使い「だからもっと慎重に…盗賊!」

*おおっと 石つぶて*

盗賊「おおっ!?いしがとんできたぞ!!」

商人「だ、大丈夫盗賊ちゃん!?」

盗賊「かわしたぞ!!かいじょせーこーだぞ!!」

魔法使い「成功はしてないでしょう…でも無事ならよかったわ。次からはもっと慎重にして欲しいものだけど…」

魔戦士「しかしこの辺にも何もないねえ。ここら辺に何もないと八方塞がりじゃないか?」

魔法使い「そうね…あら、また他の冒険者だわ」

商人「ホントだ、やっぱりあのお触れを見たからなのかな?こんにちは!」

冒険者「お、おう…くそ、この辺にジュエルリングがある場所へ行ける通路があるって話だったんだが、何もないじゃねえか!」

非常食「この辺にですかにゃ?壁しかないようですがにゃ…」

冒険者「俺としたことがガセネタを掴まされたのか?…いや、もしかしてシークレット…?」

商人「しーくれっと…?」

魔戦士「シークレットドアの事だろうね。一見壁にしか見えない所に扉があるっていうやつさ」

魔法使い「そんなものが…でもどうやって見つければ…」

盗賊「なあなあ、ここちょっとヘンじゃないか?」

商人「え…?あ、盗賊ちゃん、しー!ここって…やっぱり、扉になってる!!」

魔戦士「お手柄だねえ、後輩。さっきの冒険者は…ああ、あっちに行ったようだね」

魔法使い「じゃあ彼に気付かれないうちに、急いで…でも本当、よく気づいたわね盗賊」

盗賊「これがとーぞくぎのーなんだぞ!!プラスいちだぞ!!あとでごちそうな!!」

商人「うん、帰ったらフンパツしちゃう!!さあ、さっきの人の言ってたことが本当ならこの先にジュエルリングだよね?気合い入れて行こー!!」

*まっくらやみだ!*

非常食「にゃ!?何も見えませんにゃ!」

魔戦士「はあ!?あんた猫なのに見えないの?」

非常食「にゃ、にゃあ…」

魔戦士「この役立たず!!『今からパーティーのおやつ』に改名するよ!」ドカバキ

非常食「か、勘弁して欲しいのですにゃ!あとにゃんで見えないのに的確にみぃを殴れるのですにゃ!?」

盗賊「おいしそうなにくのにおいがするからだぞ!!」

非常食「そんな匂いしないはずですにゃ!?」

魔法使い「ほら、暗闇でごちゃごちゃ動かないの!それにしても本当に何も見えないのね…」

商人「そそそうだね!?べべべつに暗いとこはそそそんなにこ怖くないけどど、ははは早く明るいとこいい行きたいね!?」

魔法使い「…そうね、誰より貴方のためにね…」

竜王「アッチ…スコシ、アカルイ…」

商人「え…?あ、ホントだ!さあ行こう、すぐ行こう!!」グイグイ

非常食「お、押さないで欲しいのですにゃ!?」

商人「あー、やっと明るい所に出た!!別に暗いからってどってことないけど、明るいと良いね!」

魔戦士「そうだな、誰かさんがパニックになったりしないからな」プッ

商人「えー!魔法使いちゃん暗くてパニックになったの!?しっかりしてよー!」

魔法使い「よくまあそこまで自分のことを棚に上げられるわね…でも明るい所に出たし、1度地図を確認しましょう」

魔戦士「だね。ここは…ああ、コンパスの光が指し示してた場所のかなり近くに来たじゃないか」

商人「そだね!でも本当に近ければまたコンパスが光り出すはずだけど、まだ光ってない…」

魔法使い「まだ何か仕掛けがあるのかもしれないわね。ここからはより慎重に行きましょう」

非常食「分かりましたですにゃ。では、さっきみたいなシークレットドアがあるかもしれにゃいので、部屋を隅から隅まで…にゃあ!?」ドサッ

*ピット*

盗賊「ふぎゃっ!?またおとしあなか!?いたい…」

魔戦士「っつう…!非常食、あんたが隅から隅までなんて言うから…!」

非常食「にゃー!!勘弁ですにゃ!!」

商人「いったあー…また全員で引っ掛かっちゃったね…」

魔法使い「本当ね。でも暗闇に落とし穴…こう仕掛けが多いって事は、目的地も近いのかも…」

魔戦士「ここまで来たら、まさか引き返すとは言わないよな?全員がダメージを負ったとはいえはおそらくたちかあ近いようだしな」

魔法使い「ええ、皆軽傷で済んだようだし、それに傷薬もあるし…」

商人「レベルアップしたから回復呪文も覚えたし!!」

盗賊「おー!!あしでまといだっきゃくだな!!」

商人「今まで足手まといだと思ってたの!?」

魔法使い「足手まといは流石に酷いわよ盗賊…さあ、呪文と薬で…」パアア…

竜王「モウダイジョブ」

非常食「元気が出ましたにゃあ」

魔法使い「これでよし。さあ、きっとあと一息よ、頑張りましょう!」

盗賊「おー!!はやくなんとかリングさがしてかえってごはんだぞ!!」

ヒイイイイ…ン!

商人「み、みんな見て!コンパスが…!」

盗賊「おー!!またひかってるぞ!!」

魔戦士「て事は、いよいよだね?」

魔法使い「ええ、かなり近付いてるのは間違いないわね…あ!あれは、あの扉は…」

非常食「頑丈そうな扉ですにゃあ。重そうだし、開けられますかにゃあ…?」

盗賊「おしてみるんだぞりゅーおー!!」

竜王「ウガッ!!」グググ…

ゴゴゴゴゴ…ゴオン!!

魔法使い「開いた…!」

魔戦士「何か仕掛けがありそうだったが、すんなり開いたね」

商人「もしかしたら…前にこの洞窟に来たとき押したスイッチ!」

魔法使い「ああ、それはあるかもしれないわね。いずれにせよ…いよいよね」

商人「そだね!さあ、何が出るかな?何でもかかってこい!!…オバケとか以外なら…」

魔法使い「締まらないわね…」

盗賊「お?だれかいるぞ?」

騎士?「お前達も冒険者志望か?ははは、最近は元気のある者が多いようだな、いや結構!」

商人「えーと、貴方は?」

騎士?「だがな、冒険者も楽な商売ではないぞ?危険も多く、死と隣り合わせで…」

魔戦士「話が長そうだねえ」

騎士?「なのに昨今の若い者は、誰も彼も一攫千金だの何だの…」クドクド

魔法使い「やっぱり最後まで聞かなきゃダメかしらね…?」

騎士?「確かに今は国難ではある。しかし、冒険者の他にもお前達がやるべき事は…」クドクド…

盗賊「いつまでしゃべってるんだー!!おなかへったぞー!!」ガオー

竜王「ヘッタゾー!!」ガオー

商人「ふ、二人とも…」

騎士?「何?やるのか?良いだろう。私はトランジェルダ王宮騎士団第一部隊隊長ボルパ。いざ尋常に勝負!!」チャキッ

魔法使い「…やるしかないようね。みんな、気を引き締めて!」

――何かに遭遇した!

魔戦士「相手は見るからに物理攻撃系だね。なら魔法が上手く効くんじゃないのか?」

魔法使い「ええ、やってみるわ…ロイド!」ジジジ…!

ボルパは抵抗した

商人「効かないの!?でもあたしも…夢の世界へまどろみ堕ちよ、我が魔導の初音と共に!!――ミサーマ!!」ポワワワワ…

――眠らせた

非常食「眠りましたにゃ!」

商人「やった!へっへー、魔法使いちゃんよりあたしの方が魔法上手いのかもね!!」ドヤッ

魔法使い「くっ…悔しいわ…」

魔戦士「さあ、今のうちに叩くよ!!」

盗賊「おー!!」ピシャッ

竜王「ガー!!」ザクザク

非常食「にゃああー!!」ドカバキッ

――ボルパは死亡した

商人「えっ!?もう勝ち!?」

非常食「寝てる間に勝ってしまいましたにゃあ…」

商人「やっぱりあたしの魔法が効いたね!!魔法使いちゃんのより!!」ドヤドヤッ

魔法使い「もう、しつこいわよ!それより…」

ボルパ「うむ、なかなか良い。我が騎士団に欲しい位だ」

盗賊「あれ?しぼうっていってなかったか?」

商人「と、盗賊ちゃん、しー」

魔戦士「レベル5程度の駆け出しを欲しがる騎士団ねえ…」

ボルパ「お前達の求めるジュエルリングはそこにある。持っていくと良い」

商人「やった!!ジュエルリングジュエルリング!!」

盗賊「どこだどこだ?おー、これか!?」

――ジュエルリングを入手した

商人「やった!!キレイだねー!!じゃあこれで…」

ボルパ「自分達の行動には全ての責任を持つ。それが冒険者の唯一の…」

非常食「また話が長くなりそうですにゃ…」

魔法使い「とっとと帰ろう。さあ、酒場で祝杯だよ!」

――トランジェルダ城下町

商人「んー、帰ってきたー!!」

盗賊「ごちそうやまもりだな!!はやくはやく!!」グイグイ

魔法使い「もう、引っ張らないの!ごちそうも良いけど、ジュエルリングを手に入れたらまず王様に報告すべきだと思うわ」

盗賊「えー!!ごはんごはんー!!」ギャーギャー

魔戦士「面倒だねえ。またあんた達で行ってきなよ、あたしら先に酒場に行ってるからさ」

商人「また!?たまにはみんなで…」

魔法使い「仕方ないわ。おなか空かせた盗賊がお城で騒ぎだしても困るし…」

商人「あーそっかあ…じゃあまたあたしも行こうかな」

非常食「みぃも是非連れてって欲しいのですにゃあ」

魔法使い「分かったわ、じゃあ最初にお城に行ったのと同じメンバーね。じゃあ行きましょう。3人とも、また後でね」

盗賊「おー!!さき食べてるからな!!」

――トランジェルダ城

選王「ジュエルリングを手に入れたか。確認のために見せて欲しい」

商人「はい、これ!」

選王「うむ、確かに――ではお触れの件について詳しく話そう。事は竜の牙と呼ばれる場所に端を発する。冒険者なら竜の牙の名は聞いたことがあるだろう」

商人「は、はい、もちろん!!…非常食ちゃん、知ってる?」ヒソヒソ

非常食「とても有名な所ですにゃあ」

選王「そこに神々が創ったとされる6つの指輪があってな、それが結界を作ってこの世界を他所から守っていたのだが…先日、何処からか現れた5人の闇の巫女達によって結界が破られてしまったのだ」

魔法使い「結界が…やっぱり私達がこの世界に来たのもその出来事と関係が…?」

選王「闇の巫女達は更に指輪も破壊しようとしたのだが、そこまで巫女達の思い通りにはいかなかった。指輪の1つは巫女達には触れられず、残りの5つもこの世界の何処かへ飛び去ってしまったのだ」

魔法使い「なるほど、お触れにあった指輪とはそういう物だったのですね」

選王「そうだ。お前達に頼みたいのはまさにその指輪の捜索だ。今度はこの指輪を探すためのコンパスをやろう」

商人「指輪もコンパスで探すんだ…」

選王「だが、コンパスだけでは指輪を探すことは出来ぬ。フェイムをコンパスに捧げねばコンパスは指輪の在処を示さないであろう」

魔法使い「という事は、まずはフェイムを手に入れろと…?」

選王「そうだ。フェイムは神々に認められた者にもたらされる。そなたらが世界を巡り、人々の悩みや困り事を解決してやれば、神々もお前達を認め、フェイムがもたらされるであろう」

非常食「にゃるほど、またお嬢様が面倒臭いと良いそうですにゃあ…」

選王「まずは世界を巡り、様々な人々の話に耳を傾ける事だ。他の町へ速やかに移動できるよう、こちらで手配しておこう」

魔法使い「ありがとうございます」ペコリ

選王「最後に…少ないがこれを渡しておく」ジャララ

3000GPを受け取った

商人「わあ…ありがとうございます!…アリアハンの王様よりはずっと太っ腹だね!」

魔法使い「そもそもあんな人と比べるのが失礼なのよ…」

選王「では下がって良い――健闘を祈る」

――マーシャの酒場

盗賊「あ、まほーつかいたちだぞ!!おーい、こっちこっち!!」ブンブン

魔戦士「先にやってるよ――ああ、やっとメインディッシュも来たね」

非常食「みぃの事ではないですにゃ!?」

魔戦士「ま、今日は食材にするのは勘弁してやるよ。ほら、あんた達も早く座りなよ」

魔法使い「今日はご機嫌ね…」

商人「じゃあ座ろっか!!あ、マーシャさん、ミルクくださーい!!」

魔戦士「ミルク…小娘だねえ」プッ

商人「な、なによ!!あたしはまだ若くてピチピチなんだからしょうがないの!!」

魔法使い「だからピチピチって言い方が若くないわよ…」

魔法使い「じゃあ改めて…乾杯!」

「「「「「カンパーイ!!」」」」」カチーン!

商人「いやー、でもやっぱ決め手はあたしの魔法だったよね、魔法使いちゃんのじゃなくて!!」ドヤッ

魔法使い「本当にしつこいわね…これからは私だって…」

魔戦士「で、城では何言われたんだ?」

非常食「それが、かくかくしかじかですにゃあ」

魔戦士「なんだ、面倒だね」

非常食「予想通りの反応ですにゃ…」

盗賊「しょーにん!!ごちそうやまもりだってやくそくだぞ!!」

商人「分かってるよ!!王様からお金ももらったし、今日はフンパツしちゃう!!…あ、そうだ、あたし鑑定もしないと…」

魔法使い「今?後にしなさいよ」

商人「え~、でも…そうそう、鑑定して要らないの売ってさ、お金が入ったらまたお店で装備を買いたいと思ってるんだけど」

魔戦士「ああ、良いんじゃないか。これからもっとハードなダンジョンにも行くようだろうしな」

商人「でね、あたし前から目を付けてた武器があって…」

姉御「やっほー!あれ?盛り上がってるね!もしかして…」

盗賊「あ、あねご!!」ビシッ

魔法使い「ええ。お察しの通り、ジュエルリングを手に入れる事が出来たわ」

竜戦士「おお、やるじゃねーか!!これでホントにライバルだな!!」

商人「そうだね…って、それ!!その剣!!」

竜戦士「あー、これか?これは姉御達に買ってもらったフランベルジュっていう…」

商人「それ、あたしも目を付けてたのにー!!」

狩人「あー…それは残念だったっすね」

魔術師「早い者勝ちだから…」

姉御「でもちょっと可哀想だね。うーん…あ、じゃあこれあげる!さっき宝箱から出てきたんだ!!」

魔法使い「これは…確か魔印という…」

師匠「攻撃呪文の威力を上げるものですな。これは炎の魔印なので、炎の呪文の威力が上がりますぞ」

商人「わあ…ありがとうございます!」

魔戦士「太っ腹だねえ。仕方ない、こっちはお返しにワービーストの肉を…」

非常食「にゃー!!さっき勘弁してやるって言ってたはずですにゃ!!」

姉御「良いよ、試練突破祝いだから!あ、そうだ。あと私達が見つけて使わないやつがお店で売ってるはずだから、見に行くと良いよ!」

商人「へえ、それは楽しみ!」

魔法使い「そっか、私達が試練をこなしてる間にも色んなダンジョンに行ってたのね…」

魔術師「色々な所に行った…光の庭、ウェーン廃墟、コートラスト、ハダーリマス…」

狩人「ハダーリマスはきつかったっすねえ。俺もう死亡回数が二桁行きそっす…」

非常食「苛酷ですにゃあ…でもそれで皆さん装備が新しいんですにゃ?」

商人「そうだよねー、特に姉御は色々新調してるね!その羽付の帽子とかスゴくかわいー!!」

姉御「あ、分かる?この帽子はウィングハットって言ってね、結構レアなんだ!あとこのイノセントマントも!あと靴はフォレストウォーカー!どう?」クルクルッ

竜戦士「いやー、ホントまごぶぇっ!!ま、まだ何も言ってででででで…!」

盗賊「おー!!まわしげりでダウンをうばってからのすばやいかんせつわざ!!」

姉御「分かるぞ、馬子にも衣装って言おうとしたな!!ホントデリカシーないんだから!!」

魔法使い「相変わらずすごい体術ね…魔術師、貴方も装備新しくなったのね。ローブと…その指輪も?」

魔術師「…グリーンローブと…真珠の指輪…」

商人「指輪!良いなあ、あたしもこういうの欲しい…よーし、鑑定したら早速お店に行ってみるよ!!」

師匠「ほほう、今鑑定ですかな?」

商人「はい!んー…よし、全部終わったよ!!あんまり良いの無かったけど…」

盗賊「なんだ、またしっぱいしなかったのか?きたいはずれだな!!」

商人「なんで!?上手くいったんだから良いでしょ!」

師匠「いや、見事な腕前ですな。私など良く触ってしまい、皆に迷惑をかけております」

姉御「迷惑なんてないよ、師匠が鑑定してくれなきゃ私達お金儲からないもの!」

魔術師「…そうです」コクリ

商人「へえ、師匠さんみたいなベテランでも失敗を…て事はやっぱりあたしの鑑定ってすごい!!超すごい!!」

魔戦士「小娘にも取り柄はあるんだねえ」

商人「と、取り柄ならたくさんあるよっ!!きゅーとさとかせくしーだいなまいつっぷりとか…!」

魔法使い「はいはい、それより買い物行くんでしょ。早くしないとお店閉まっちゃうわよ」

商人「あ、そうだ、じゃあ皆行こ行こ!!」

魔戦士「武器はウォーハンマーが良いか。防具はバシネットにプレートメイルに…」

非常食「うにゃあ!?お嬢様、みぃのお金も使っちゃダメですにゃあ!!」

魔戦士「うるさいねえ、ほら、あんたにはバンダナ買っといたから。ああ、ローブとマントは売っといたから」

非常食「うにゃあ!?靴とバンダナしかないにゃ!!せめて武人の黒帯を…」

盗賊「よし、りゅーおーはぶきをかえるんだぞ!!」

商人「このロングソード+1はすごいね!あと兜も新調しよ、はい、サレット!」

竜王「アリガト…」

魔法使い「後衛の私達は買うもの無いわね…」

商人「あー、あのさ魔法使いちゃん、あたし光の魔印買いたいんだけど良いかな?これがあれば回復魔法が強くなるんだけど…」

魔法使い「良いんじゃない?むしろ回復呪文が強くなるのならパーティーにとっても有益だわ」

商人「ありがと!じゃあ買うね!うーん、これでみんな結構強くなったんじゃない?」

魔戦士「そうだな、アタシは色々買えたよ。非常食もね」

非常食「バ、バンダナしか買ってませんにゃ!」

商人「はは…じ、じゃあ今日はもう宿屋で休もっか?」

魔法使い「そうね。色々あって疲れた1日だったわね…」

――翌日、ミアマックの宿屋

商人「レベル6ー!!」

盗賊「ろくー!!」ガオー

魔法使い「昨日は結構長い間冒険したから、みんなレベルアップ出来たわね…非常食?」

非常食「み、みぃは5のままですにゃあ…」

魔戦士「はあ!?あんたサボってたんじゃないだろうね?」

非常食「そ、そんにゃことないですにゃ!!一生懸命戦いましたにゃ!!」

魔戦士「怪しいねえ…『サボり生肉』にでも改名するか?」

非常食「ご、ご勘弁にゃあー!!」

魔法使い「非常食は種族と職業的に上がりづらいだけでしょ…そういえば姉御達はもう出掛けたのかしら?」

商人「あ、そういえば先に酒場でごはん食べてるから起きたら来てだって」

盗賊「おー、じゃあごはんだな!!」

魔法使い「そうね、じゃあ酒場に行きましょうか。でも姉御、何か話でもあるのかしら…?」

――マーシャの酒場

竜王「お、来たな!相変わらず朝遅えなあ!」

商人「それは誰かさんのせいだよねー」ニヤニヤ

魔法使い「く…それより姉御、何か…」

魔戦士「おーい、酒おくれよ!!」

商人「朝からお酒!?これから冒険だよ!?」

魔戦士「ちょっとの酒で酔ったりしないよ。あんたら、他所の世界から来たか知らないけど、もっと他種族の事を知った方が良いんじゃないか?」

魔法使い「確かに、その辺の理解は足りないかも知れないけど、朝からお酒はどうなのよ…」

盗賊「あねご、おはなしはなんですかなんですぞだぞ!!」

魔術師「…異世界語?」

姉御「あのね、キミ達今日はどこのダンジョン行くの?」

商人「どこって…とりあえず最初はマウレアの森って所が良いのかなって思ってたんだけど…」

非常食「危険度も低そうですしにゃあ」

師匠「そうですな、試練突破後最初のダンジョンとしては大変よろしいと思いますぞ、王様から危険な場所の話は聞いてますな?」

魔法使い「ええ、中心部は危険だから立ち入らないようにと」

姉御「そう、それとね、盗賊!」

盗賊「へい、あねご!!」ビシッ

姉御「あのダンジョンの宝箱のダンジョンにはテレポーターがよく出るからね、油断しちゃダメだよ!」

商人「テレポーター?」

狩人「テレポーターは、そのフロアのどこかにワープしちゃう罠なんすよ。道に迷う原因にもなるんすけど、何よりいしのなかにいる、が怖いんすよ…」

盗賊「いしのなか?」

姉御「テレポーターで岩ブロックにテレポートしちゃうとね
パーティー全員ロストしちゃうの!もう2度と復活出来ないんだよ!怖いね!」

魔法使い「ということは…」

魔術師「…冒険者達は…志半ばで朽ち果てた…この冒険の続きは…」

商人「君たちの目で確かめてくれ――ってヤツ?こ、怖いよ…」カタカタ…

姉御「そう、そうなったら誰も、キミ達も読んでる人達も誰も得しないからね、注意しないといけないよ!」

魔法使い「読んでる人達が何を指すのかは分からないけど…忠告は心に刻んでおくわ」

魔戦士「ま、あんたが解除に失敗しなきゃなんの問題もないんだ、大丈夫だろ?」

盗賊「おー!!まかせるんだぞ!!」

魔法使い「…とても不安ね…」

魔戦士「さて、じゃあ食事が終わったら早速ダンジョン行くか?」

姉御「あ、キミ達試練終わったばっかりなら、ダンジョンよりも他の町にも顔出さないとダメだぞ!!」

非常食「色んな町を廻って色んな人から話を聞くべきだと王様も言ってましたにゃあ」

魔戦士「そういやそんな話だったね。面倒だねえ」

魔法使い「仕方ないわ。困ってる人々を助けないとフェイムが手に入らないという事だし…」

盗賊「こまってる?みんなにごはんあげればいいのか?」

魔法使い「そういう人もいるかもしれないけど…」

魔戦士「ならあんたの出番だね非常食」チャキッ

非常食「にゃ、にゃんで肉切り包丁を構えるのですにゃ!?」

魔法使い「仲間を食料にしようとしないでよ…じゃあまずはこの町の人達に話をきいてみましょうか」

商人「そだね、もしかしたら悩んでる人がいるのかも!」

――

盗賊「さかばのマーシャねえさんはタルコスってひとをさがしてたぞ!!」

非常食「お父さんと言ってましたにゃあ。最後の冒険に行くと言ってから帰ってきてないそうですにゃ…」

魔法使い「もう覚悟はしてるって言ってたけど…冒険者っていうのは因果な商売よね…」

商人「うん…あ、あと宿屋のミアマックさんの奥さんが頭痛で寝てるって!」

魔戦士「宿屋の主人ねえ…あいつはアタシら冒険者に対して随分邪険にしてくれてるじゃないか。放っといても良いだろう?」

魔法使い「そう言わないでよ。馬小屋に泊まってばっかりでお金にならない冒険者に辛く当たるのは仕方ない部分もあるわ」

商人「でも商売人ならグッと飲み込まなきゃいけないと思うけどねー。そういえばヘーメの頭痛薬がどうとか言ってたけど、ヘーメって何だろ?」

非常食「ヘーメは地名ですにゃ。みぃ達ワービーストを始めとして、色んな種族が共存してる地域ですにゃあ」

魔戦士「これから他の町を巡るんだ、ヘーメにも行くことになるだろうさ」

商人「なるほど、じゃあその時頭痛薬も探してみた方が良いかもね」

盗賊「ほかのまちにいくならそのちいきのとくさんひんが食べたいぞ!!」

魔法使い「はいはい、分かってるわよ。じゃあ他の町にも行ってみましょうか。あんまり大変な頼み事されないと良いけど…」

――ノヴァ・カリス

魔戦士「ここはノヴァ・カリス。エルフ達の王国だね」

商人「へえ~、こっちのエルフは王国とか作っちゃうんだ…」

盗賊「おーこくはゆがんでるのよりむこーがわのほうがいいな!!」

非常食「それは個人個人で違うと思いますにゃあ…」

魔法使い「なんの話…?でも、人間嫌いっていう所は私達の世界のエルフと変わらないわね」

商人「そうそう!何なのあのお店の人!『人間か。用がないなら出ていってくれないか?』じゃないよ!商売ってのが全っ然分かってない!!」

魔戦士「そのくせ広場ではやたら頼まれ事をしたじゃないか。魔力で動く女の子の人形に、ロルファンとかいう花に…後は何だった?」

非常食「空飛ぶ船の話でしたにゃあ」

魔法使い「考えたくはないけど…もしかしたら嫌いだからこそ厄介事を押し付けてるのかもしれないわね…」

商人「ええー…まだこの国で行ってない所あったよね?もしかしてそこでも…」

魔法使い「エルフ王のお城ね。あんまり気が進まないけど…選王からも様子を見てくるように頼まれてたし、行くしかないわよね…」

――ノヴァ・カリス、セントラルパレス

エルフ王「ターナ!ターナ!!」

ターナ「あーん、王様あ~ん」クネクネ

魔法使い「…何よ、これ…」

商人「何だろうね…?でもあのターナ?さん、お嬢サマそっくりだね…」

魔戦士「アタシはあんなに品のない女じゃ無いつもりだがね。同じデビリッシュではあるがさ」

ターナ「ねえーん、王様あ~。アレ見せて、ア・レ」

王様「だからアレは…それに客人の前だ、その話は止さないか」

ターナ「もう、つまんない王様!」

王様「あ、待ってくれ!ターナ!!」

魔法使い「…本当に何なのかしら…選王はこんな様子を見てこいと…?」

王様「おお、そなたらは選王の使者であったな。すまんが、カーバンクルジュエルを持ってきてくれないか?カーバンクルジュエルならば、ターナもきっと満足してくれるはずだ。頼んだぞ!ターナ!ターナ!!」タタタ…

盗賊「カーバンクルジュエル?おいしいのか?」

魔法使い「多分違うと思うけど……私、エルフを嫌いになりそう…」

商人「あたしも…」

――ギガ・バザール

非常食「ここはギガ・バザールと言いますにゃ。名前の通りの商業都市で…」

盗賊「おー、おいしそうなものたくさん!!」キャッキャッ

竜王「タクサン!!」ガオー

魔法使い「ほら、二人とも勝手にあちこち行かないの!商人、二人を見てて…」

商人「わー、お店がたくさん!!あ、あっちは工芸品のお店だね!うわー、色々ある…あ、あっちは宝石店だ!!わーキレー…」

魔法使い「……ふぅ」

魔戦士「なんだい、せっかくギガ・バザールに来たんだ、あんたも楽しめば良いじゃないか」

魔法使い「そうしたいのは山々だけど…まずはやるべき事をやってから…」

盗賊「まほーつかい、あれ食べたいぞ!!マーメイドのしんぞー!!とーほーではふろーちょーじゅのクスリにもなるんだって!!すごくおいしそうだぞ!!あとミヅチのさしみとオークのとんそくと…」

魔戦士「ほら、後輩はあんなに楽しんでるよ」

魔法使い「楽しむのは良いけど、もうちょっと食欲の湧くものを食べて欲しいわ…」フウ…

商人「――それで結局、困ってる人はいたの?」

魔法使い「それでって…良いわね貴方は、私にやるべき事を任せっきりにして…」

商人「あ、あはは…ま、まあ良いじゃん、それで?」

魔法使い「特別困ってる人はいなかったわね。ああ、確かハルモニさんという人がマジカルパーティーというのに連れてって欲しいと言ってたわね」

商人「マジカルパーティー?なにそれ?」

魔法使い「さあ…よくわからないから、今回は断らせてもらったわ」

非常食「あと、ヒントを売ってるヒトがいましたにゃあ」

商人「ヒント?なんの?」

非常食「もちろん、みぃ達がこれからするような事に対するヒントですにゃあ」

商人「???ど、どういう…」

盗賊「こーりゃくぼんてきなものだな!!」

魔法使い「コウリャクボン…?よくわからないけど…後は大商長さんという人にも会ったけど、すぐ追い返されちゃったわね。まあ、私達みたいな駆け出し冒険者に構っている程暇じゃないだけでしょうけど…」

商人「ふうん、大商長さんかあ、ちょっと興味あったかな…あ、あたしも色々お店見てきたけど、冒険者向けのお店は誰も居なくてお買い物出来なかったよ…」

魔戦士「ま、ただ留守なだけならまた日を改めれば良いだけだろう?じゃあここでの用事は大体終わったね。次に行こうか」

盗賊「おー!!つぎのめいさんも食べるぞ!!」

――ヘーメ共同地区

非常食「にゃっ!ここはヘーメ共同地区ですにゃ!全ての種族を訳へだけなく受け入れる懐の深い地区なのですにゃ!」

商人「へー…あ、よろず相談所だって!ちょっと覗いて見ようよ!」

魔法使い「そうね、名前からして頼み事が多そうよね…失礼します」

ラットビー「お、新顔か?俺はラットビー、このよろず相談所を仕切っている」

魔戦士「相談所をねえ。面倒の塊にしか見えないが、物好きはいるものだねえ」

ラットビー「このヘーメ共同地区には色んな種族が共存してる。それ故にいさかい、揉め事も絶えない。お互い悪気はなくても習慣の違いからそうなっちまうんだな」

魔法使い「なるほど…種族によって色々違うのは、私達にも分かってきたわよね…」

ラットビー「ま、そういうわけだ。お前ら冒険者向けの依頼もあるから、是非解決してやってくれよな!」

商人「そうなんですか、どれどれ…へえー、結構アイテムに関する依頼も多いね!天老剣、フェニックスの羽毛…へえー、へえー!」ワクワク

盗賊「エンペラーバードのたまご!?とーぞくも食べてみたいぞ!!」ワクワク

魔戦士「なるほどねえ、面倒だとばっかり思ってたけど、依頼自体はまあ面白そうかもね。難易度は知らないが…」

魔法使い「そこよね、問題は…私達以外にも冒険者はいるでしょうに、それでもこうして残ってる依頼となると…まあ、出来るようなら解決していきましょうか」

商人「それじゃラットビーさん、お邪魔しましたー!!…そういえばさ、ギガ・バザールにいたヒント屋さんって、もしかしてこういう依頼のヒントを教えてくれたりするのかな?」

非常食「まさにそうだと思いますにゃ。また行ってみると良いですにゃ。お金は掛かりますけどにゃ…」

商人「あ、そっか…商売だもんね…でも便利そう…あれ?このお店は…お店だよね?『にゃんにゃんどぐぁ』って看板に書いてあるけど…」

魔戦士「入ってみれば分かるだろ。邪魔するよ」カランカラン

ネポラ「あ、お客さまー。にゃんにゃんどうぐやへようこそ。店主のネポラだよー」

盗賊「お?こっちもワービーストってやつか?どくいりだな…」

魔法使い「何でもお肉として見るんじゃないの。でも同じワービーストでも随分非常食と違うのね」

魔戦士「店主は見た目耳と尻尾以外は人と対して変わらないけど、こっちのバカ猫はほぼ猫だからね。ケダモノだよ」

非常食「にゃっ、ちょっとした個性の違いですにゃ!ところで店主さん、にゃんにゃんどぐぁってなんですにゃ?」

ネポラ「え?どうぐやだょどうぐやー。にゃんにゃんどうぐやー」

商人「う、うーん…あのねネポラちゃん、あの看板だとどうぐやじゃなくてね…」

ネポラ「え?えー、どうぐやじゃなくてどぐぁになってたのー?とうしよー、お店のとうろくもあれでしたのに…」シュン

非常食「にゃ、見た目はともかく、頭はみぃの方が良いみたいですにゃ!全く知恵が足りないのですにゃ!」ニャフーン

魔法使い「結構姿が猫そのものな事にコンプレックスでもあったのかしら…?」

ネポラ「ちえが足りない…?あ、そうだ、ちえのあんく!ちえのあんくがあればね、ネポラも頭よくなるかもしれないね。ちえのあんく、ほしいなー…」

――カレテゴ

魔戦士「ここがカレテゴ。宗教都市っていうのかねえ。辛気くさい、つまらない町だよ。でもまあ、とりあえず町巡りもここで終いかねえ」

盗賊「やっとさいごか?とーぞくははやくぼーけんにいきたいぞ!!」

商人「ホントだね。お店巡りも良いけど、そろそろダンジョンにも行きたいね。町巡りしてると色んな事頼まれるし…さっきのネポラちゃんだって、あれあたし達に知恵のアンク持ってきて欲しいって事だよね?」

魔法使い「おそらくね。まあ、あれも出来そうならって所ね。それでこの町はどこへ行ったら…」

非常食「にゃ、大聖堂ですにゃ。まずはあそこに行くと良いと思いますにゃ」

盗賊「えー、つまらなそうだぞ…」

魔法使い「とりあえず行ってみましょうか…こんにちは」

アルバシオス「こんにちは。私はアルバシオスと申します。どうぞよろしく。当聖堂では、ご希望される参拝の方々に少々長めではありますが、神々についての色々なお話をさせて頂いております。皆様も聞かれてゆきますか?」

盗賊「むー、やっぱりつまらなそうだぞ…」

魔戦士「しかも少々長めって言ったね。この手の人種は少々って言ったら少々じゃすまないからねえ」

魔法使い「言いたい放題ね…いいわ、なら私がお話を聞いていくから、貴方達は他を回って来たら?」

商人「え?じゃあお願いしようかな…」

魔法使い「貴方も行くのね…良いわよ、私一人できいてるから。全く、じっとしてられない人ばっかりなんだから…」

商人「うーん、魔法使いちゃんにはちょっと申し訳ないけど、正直お話つまらなそうだったし…魔法使いちゃんは、ああいうの好きだから良いけどさ…」

非常食「しかし一人でというのは…にゃあ、休憩所がありますにゃあ」

商人「参拝者の為の休憩所かあ…ちょっと休んでいこっか?あたし町巡りで疲れちゃった…」

非常食「ではそうしますかにゃ。失礼しま…」

ロンデルギウス「我輩はロンデルギウス、即ちドラゴンロード!!」

商人「!?!?は、はい!?」

ロンデルギウス「そなたら、なかなか強いそうだな?だが我輩の試練は乗り越えられるかな?」

竜王「ガウ…ウケル…」コクリ

商人「竜王ちゃん!?」

ロンデルギウス「その意気やよし!!では第一の試練は…シェーベ!!シェーベは時の迷宮なり!!その奥では時の聖水がこんこんと湧き出ているという!!」

魔戦士「シェーベか、確か面倒なダンジョンだと聞いてるがねえ…」

ロンデルギウス「まずはシェーベへ行き、時の聖水を汲んでくるのだ!シェーベの奥へ行くにはこれが必要だ、持っていくがよい!!」

時計台の鍵を手に入れた

商人「な、何がなんだか…あ、ありがとうございま…」

ロンデルギウス「我輩はここで諸君の健闘を祈っている!行け、行って弾けてみせろ!!」ガオー

商人「ちょ、ちょっと竜王ちゃん!勝手に変な事請け負っちゃ…!」

盗賊「りゅーおーもしょーらいドラゴンロードになるべきもの。おなじドラゴンロードどうしつうじるものが…」ウンウン

商人「そ、そういうものなの!?」

魔戦士「ま、さっきの試練とやらだって他の依頼や頼み事と同じで、出来たらやるで良いんだろう?それより、そこに売店があるけど、入らないのか?」

商人「お店?あ、入る入る!お邪魔しまーす!」カランカラン

ゾアーヌ「冒険者か?拙者はドワーフ侍のゾアーヌ。以後お見知り置きを…」

商人「こんにちは!へえ、ドワーフ侍なんてヒトもいるんだ…」

盗賊「あ、おにくのにおいがするぞ!!なあなあ、このおにくなんだ?このおにくなんだ?」グイグイ

ゾアーヌ「ああ、当店で扱っているのはエアリーバイダーの肉。見ての通り巨大故、鎧として装備する事も可能でごさる」

盗賊「おにくのよろい!?おかしのいえのじょーいごかんだな!!」

ゾアーヌ「しかし油断は禁物。エアリーバイダーの肉は怪鳥ワーグルの大好物との噂。これを鎧として着て町の外に出ると、忽ちワーグルに襲われてしまうとの事。拙者の話、努々忘れぬよう…」

非常食「にゃ、怖い話ですにゃあ。それにしても店主さん、店主さんは…」

ゾアーヌ「なんでごさるか?拙者に何か変な所でもあり申すか?あまりジロジロ見ないでいただきたい…」

魔戦士「あーあ、あんたがやらしい目で見るから。全く、あらゆる意味でケダモノ、畜生だね!」

非常食「にゃ!?ひ、ひどすぎますにゃ~!!」

盗賊「なんでだ?なんであのおにくかわないんだ!?」ギャーギャー

商人「だだってあのお肉高いんだもん!とてもじゃないけど買えないよ…それより、町巡りも終わったし、そろそろ魔法使いちゃんと合流しないと…あ、魔法使いちゃん!」

魔戦士「長話は終わったのかい?」

魔法使い「ええ、今ね。そっちはどうだったの?」

商人「えーと、かくかくしかじか…」

魔法使い「ドラゴンロードの試練…?また大変そうなものを請け負ったのね」

非常食「うにゃあ、でも色んな依頼を解決しないとフェイムが手に入らないのですにゃ…」

商人「大変そうな依頼ばっかりだったよね…指輪を探すためとはいえさ…」

魔法使い「大変な事ばっかりでもないんじゃない?ほら、さっきフェイムをもらってきたわよ」

魔戦士「へえ!やるじゃないか!」

魔法使い「さっきの話を聞き終わったらね。そもそもフェイムは神々に認められたら貰えるという話だったでしょう?大聖堂で神話や神々の話を聞くことは、神々を理解することに繋がる訳だし…」

商人「なるほど、それで貰えたのかあ!でもそんな楽に貰えるものなんだね!」

魔法使い「あら、楽だって言うならまた聞いてきたら?大聖堂の神官殿は何度でもお話してくれるそうよ?」ニッコリ

商人「え?えーと…そ、それよりやっと町巡りも終わったし、いよいよダンジョンだね!!楽しみ~!!」

魔法使い「逃げたわね…全くお調子者なんだから…」

――マウレアの森

盗賊「やっとぼーけんだぞー!!」

竜王「ダゾー!!」ガオー

魔法使い「二人とも、落ち着いて…気持ちは分かるけどね」

商人「町巡りもそれはそれで良いんだけどね、やっぱり冒険者は冒険しないとね!」

魔戦士「しかもやっとあのしけた洞窟以外の所に行けるからね。さ、早速出発しようか。どっちに行く?」

商人「東!!せくしーだいなまいつな女のカンで!!」

魔戦士「小娘がまた言ってるよ」

魔法使い「まあ、文字通り右も左も分からないからどっちに行っても変わらないし、良いんじゃないかしら?じゃあ出発しましょう」

非常食「あまり強い敵がいないと良いですにゃあ…」

魔法使い「まずは開けた所を歩ける見たいね」

商人「そだね、遠くから見たら鬱蒼としてそうだったけど…」

――何かに遭遇した!

商人「わ、もう敵!?相手は3人…ヒト!?」

魔戦士「ゴブリンだ!大した敵じゃない!」

魔法使い「後列には…グール、ブロブ、ジャイアントラットか…後ろは見知った敵だけね」

非常食「では攻撃しますにゃ!にゃ!!にゃー!!」ドカバキ

ゴブリンは死亡した ゴブリンの行動:ロングソード

竜王「グッ…ガアー!!」ザクザクッ

ゴブリンは死亡した ゴブリンは死亡した

商人「よし、あとは後列だけ…!荒ぶる力、敵を貪る炎となれ!!バラドス!!」ゴオオ…

グールは死亡した! ジャイアントラットは逃亡した

魔戦士「残りは1体…りゃあ!!」ガンッ

ブロブは死亡した

魔法使い「よし、やったわね。この森もそこまで強い魔物は居ないみたいね。ではこのまま進みましょう」

商人「…あれからもう一度戦闘があったけど、そんなに強い敵じゃなかったね」

盗賊「オークは…モグモグ…しぶとかった…モグモグ…」

魔法使い「なに食べてるのよ…」

盗賊「オークの…モグモグ…とんそく…モグモグ…」

竜王「モグモグ…」

商人「ふ、二人ともそんなの食べて大丈夫なの?」

魔戦士「火を通したなら大丈夫じゃないのか?アタシは遠慮するけどね」

非常食「みぃもですにゃ…それにしても、モンスターは倒したのに宝箱がでませんにゃあ…」

商人「んー、前の洞窟だと部屋に入った途端の戦闘の後に出てきたけど、森だとどうなんだろうね…」

盗賊「モグモグ…お?このくさむらにはいれないのか?」ガサガサ

魔法使い「草むら…?ああ、うっすら向こう側が見えるわね。ここから進めるのかしらね?」

非常食「では行ってみますかにゃ?草むらを掻き分けて…」

竜王「テキ!!テキ!!」

非常食「にゃにゃにゃ!?」

――何かに遭遇した!

魔法使い「敵は…人間?魔術師に見えるけど…」

魔戦士「メイジのようだね。後列にいたら厄介だけど、前列に2体だけだ、とっとと倒すよ!」

メイジの行動:バラド メイジの行動:バラド

魔法使い「っつう…!後列を狙ってきたわね」

商人「大丈夫!?このっ!!」ドカッ

非常食「ふにゃにゃー!!」ドカバキ

メイジは死亡した

魔戦士「そらあっ!!」ガンッ

メイジは死亡した

商人「よし、倒したよ!あ、宝箱だよ、盗賊ちゃん!」

盗賊「よーし、あけるぞ!!」ドカバキパカッ

魔戦士「解除成功、流石だねえ」

魔法使い「また乱暴な…成功してるから良いのかしら…?」

商人「中身はローブ、弓、薬かあ…鑑定しないとだけど、当たりは無さそうかなあ…」

魔法使い「まだ分からないじゃない。さあ、先に進むわよ」

非常食「にゃ、ここの茂みも怪しいですにゃ」

魔戦士「じゃあまた入ってみようかねえ」ガサゴソ

――何かに遭遇した!

盗賊「おお!?またひとだぞ!!」

魔法使い「戦士が二人に…奥はジャイアントビートルが2匹かしら?数も少ないし、一気に行くわよ!」

非常食「にゃー!!」竜王「ガー!!」魔戦士「おりゃあ!!」ドガバキガンッ

――戦闘に勝利した

盗賊「よーし、たからばこだー!!」ガンッパカッ

商人「開いた…!なんであれで開くんだろ…?中身は鞭と槍、さっきよりは期待できそうかなあ…」

魔法使い「強力な装備が欲しい所だけど、どうかしらね…」

商人「…うーん、あれから更に東に歩き続けてるけど、何もないね…」

魔戦士「誰が東に行くって行ったかねえ?セクシーダイナマイツな女の勘」プッ

商人「な、何よ、みんなで決めたでしょ!?」

魔法使い「はいはい、落ち着いてね…あら、ここから先は…みんな、地図を見て」バサッ

非常食「にゃ、ここから先は南東部なのですにゃ?」

魔法使い「そう、今まではこの森の南西部を探索してたけど、ここからは南東部。どうする?きっとここから先は魔物も強くなるわ」

魔戦士「そんなの進むに決まってるじゃないか…と言いたい所だけど、あんたらの魔力はどうだい?」

魔法使い「私はまあ大丈夫だけど…」

商人「あたしは…ちょっと僧侶呪文に不安が…」

盗賊「もうまりょくぎれか?なさけないな!!」

商人「うう…言い返せない…」

魔戦士「仕方ないねえ、ここまで結構な距離歩いたし、帰りも長いことを考えれば、引き返すのもやむ無しかねえ?」

魔法使い「安全に行くならそうでしょうね。じゃあ引き返す、良いわね?」

商人「はーい…もうちょっとレベル上げないと、なかなか長い間探索出来ないかなあ…」

魔法使い「…引き返す、と言っても、その瞬間に帰れる訳でもないわ。町に着くまで気を付けないと…」

商人「そだね…あ、ここってさっきモンスターが出てきたとこだ、みんな気を付け…」

――何かに遭遇した!

盗賊「てきだぞ!!こーもりとくさったおにく!!」

魔法使い「ゾンビとグールね、前の洞窟でも戦った相手ね。落ち着いて、行くわよ!」

非常食「ふにゃにゃー!!にゃー!!」ドガバキガンッ

竜王「ウガー!!」ザクザクッ

――戦闘に勝利した

魔戦士「あっけないねえ。お、また宝箱があったよ。開けてみな、後輩」

盗賊「おー!!」ドンガシャ カチッ

*おおっと 亡者の群れ*

非常食「にゃ!?た、体力が大幅に減らされる罠ですにゃ!!ふ、ふにゃー!?」プシュワー

魔法使い「っ…何とかかわせたわ。皆は?」

魔戦士「みんな回避したよ。バカ猫以外はね」

非常食「にゃ、にゃんでみぃだけ…」

――マーシャの酒場

盗賊「マーシャねえさん、ごはんー」トントン

魔法使い「音量が下がってるわね。姉御効果恐るべしだわ…」

商人「さーて、あたしは鑑定鑑定!」ガサゴソ

姉御「あ、今日も無事帰ってきたね!」

魔法使い「どうも。ええ、おかげさまでね」

狩人「町も廻ってみたっすか」

盗賊「いろんなとこのめーさでっかいよろいのおにくは食べれなかったけど…」

魔術師「…ノヴァ・カリスはどうだった…?」

魔法使い「………」

魔術師「……ごめんなさい」

魔法使い「何も言ってないわよ…」

竜戦士「あそこはエルフ以外の種族にはキツいよな。まあ俺らは人間じゃないだけまだマシだけどな!!」

狩人「ええ、人間はまあ、大変というか、その…」

魔術師「…気を使わなくても…いい…」

魔法使い「大丈夫、エルフがみんなあんなじゃないって事位は分かってるわよ」

魔術師「……ん」

師匠「そうですな、例え同じ種族といえど、それぞれに個性があるはずですからな。して、カレテゴは如何でしたかな?」

魔戦士「退屈な町だったねえ」

盗賊「おにくはおいしそうだったぞ!!食べたかったぞ!!」

魔法使い「私としては、神官殿から興味深いお話が聞けて良かったのだけれど…」

師匠「左様ですか、それは良かった。そちらの戦士殿の仰る通り、退屈な町ですからな。私としては、同胞も多く落ち着くのですが」

姉御「そうそう、カレテゴといえば、あそこの売店には女の子だけで行ってみた方が良いよ!」

狩人「男嫌いなんすよね、あの店主さん…」

非常食「うにゃあ、それでみぃも…」

魔戦士「あんたはあらゆる意味でケダモノだったからに決まってるだろ」

非常食「そ、そんな事ないですにゃ!」

魔術師「あと…ノヴァ・カリスの店には…人間以外で行くといい…」

狩人「あっちは人間嫌いっすしね…俺どっちの店でも嫌そうな顔されるんすよ…」

魔法使い「大変ね。でも、前魔戦士に言われた通り、私達ももう少し種族の違いについて学んだ方が良いのかもね…」

商人「よーし、鑑定出来たー!!」

師匠「おお、見事なものですな」

商人「え?えへへ、それほどでもあるかな~」♪

盗賊「しょーにん、またせいこうだけなのか?そろそろみんなからみはなされるぞ!!」

商人「な、なんで成功してるのに見放されるの!?」

魔法使い「みんなって誰よ…さあ、鑑定も終わったならそろそろ宿に戻るわよ」

非常食「にゃ、今日も疲れましたにゃ…」

竜王「ツカレタ…」

商人「竜王ちゃんもお疲れかあ…じゃあ宿屋に行ってゆっくり休もー!!」

魔戦士「馬小屋だけどね」

魔法使い「それは言わないでよ…」

――ミアマックの宿屋

魔法使い「…そういえば、鑑定の結果はどうだったの?」

商人「うーん、それが特別良いものはなかったかなー。せいぜいロングボウとハンドアックスってとこ」

盗賊「お、ならうってあしたもごちそうだな!!」キャッキャッ

商人「うーん、売っても高く無さそうだなあ。モップとかなんで宝箱から出てくるんだろ?」

魔法使い「誰が何を思って宝箱に入れたのかしらね…?」

魔戦士「それはそうと、この宿屋相変わらず態度悪いねえ。冒険者とはいえ、他の宿屋使えないもんかねえ?」

商人「あー…あー!!忘れてた!!」

魔戦士「なんだい、大声出して」

商人「頭痛薬!ヘーメに行ったら探してみるって言ってたのに!!」

魔法使い「ああ、すっかり忘れてたわね」

魔戦士「ヘーメの店っていうと、あの抜けた感じのワービーストがやってる店かねえ?」

商人「きっとそうだよ!店主の子と話してたらすっかりわすれちゃった!」

魔法使い「じゃあ明日買いに行きましょう…ノヴァ・カリスに行くよりは気が重くないしね…」

――翌日

非常食「うにゃあ、みぃもやっとレベル6、皆さんに追い付きましたにゃ…」

盗賊「レベルななー!!」ガオー

非常食「にゃにゃ!?早すぎますにゃ!」

魔戦士「あんたがサボって遅いだけだろ」グリグリ

非常食「い、痛いですにゃ!サボってないですにゃ!」

魔法使い「仕方ないわよ、盗賊はレベル上がるの早いらしいし…」

商人「非常食ちゃんは、っていうか前衛の3人はみんなレベル上がりにくい種族みたいだしね」

盗賊「とーぞくがいちばんだぞー!!」

魔法使い「はいはい、それより今日はまず昨日買い忘れた頭痛薬を買いに行くわよ」

魔戦士「ついでにノヴァ・カリスとカレテゴの売店に話を聞きに行こうかねえ」

商人「そうだね、ついでだし!じゃあ準備が出来たらレッツゴー!!」

商人「というわけであたし達はヘーメのにゃんにゃんどぐぁから頭痛薬を買ってきたのでした!!」

非常食「あっという間に買ってきましたにゃあ…」

盗賊「かいものなんてじみなものでじかんくってられないからな!!」

商人「あとノヴァ・カリスとカレテゴのお店でも姉御達のアドバイスに従ってお話を聞いてきたよ!」

魔戦士「また面倒事を頼まれただけだったけどね」

商人「カレテゴのゾアーヌさんからは水猫のぬいぐるみが欲しいと頼まれました!あとノヴァ・カリスのお店では聖なる種火!これはなんと持ってきたら100,000GP!!」

魔戦士「これは悪くないね、是非成し遂げたい依頼だよ」

商人「ホントホント!!」

魔法使い「お金の事だと意気投合するのね…」

商人「さ、あとは頭痛薬をミアマックさんに渡そ!きっと喜んでくれるよー!」

ミアマック「なんだお前ら、また来たのか…ん?そ、それは頭痛薬…?まさかそれ…」

魔法使い「ええ、奥さんにどうかと思って」

商人「高かったけどね…」ボソッ

ミアマック「そ、そうか、じゃあ早速かみさんに…」ドタドタ…

非常食「これで良くなると良いですにゃあ」

魔法使い「そうね…戻ってきたわね」

ミアマック「どうやらかみさんも落ち着いたようだ…その…あ、ありがとよ」

盗賊「でれたぞ!!ツンデレだぞ!!」

魔法使い「ツンデレ…?でも良くなったなら良かったわ」

ミアマック「礼と言っちゃあなんだが、錬金倉庫をただで使えるようにしといた。いつでも使ってくれ」

商人「あ、ありがとうございます!!…錬金倉庫ってなんだっけ…?」ボソボソ

魔戦士「錬金術師が錬金や鍛冶に使う場所だよ。今は使わないアイテムを置いておける場所でもあるけどね」

商人「へー、じゃあ今錬金術師の魔法使いちゃん大助かりじゃん!」

魔法使い「まだ錬金術に使う素材がほとんどないけどね…でも喜んでくれて良かったわね。この調子で他の依頼も解決出来ると良いけど…」

――フェイムを4つ手に入れた!

――マウレアの森

商人「買い物も人助けも終わったし、はまたほう冒険だね!」

盗賊「きょうもおいしそうなまものを食べるぞー!!」ガオー

竜王「タベルゾー!!」ガオー

魔戦士「しかしまたこの森か。ここもたいして強い敵もいいアイテムもないようだし、他当たっても良いんじゃないか?」

魔法使い「そうかもしれないけど…まだこの森も大して歩いてないし…もしかしたら何かあるかもしれないわ」

非常食「みぃはまだこの位の敵の方が良いですにゃあ」

魔戦士「情けないねえ。こんなんじゃ他の冒険者に先越されちまうんじゃないの?」

商人「そ、そんな事は…でも姉御達は結構危険なダンジョン冒険してるんだっけ。あたし達、追い付けるかなあ…」

竜戦士「おいおい、いくらなんでもデーモンヴァルキリー3体はやべーだろ!!」

デーモンヴァルキリーの行動:怨槍カヴィランエ

狩人「っはあ…!ま、また死にそっすよ…」ケホッ

盗賊「魔術師!まだ!?」

魔術師「――火の精霊をつついたら、海山野原もアッチッチ、見るもの全てが真っ赤っ赤、大地がおいしく焼けました――ラバラド!!」ゴオオオ…!

デーモンヴァルキリーは死亡した デーモンヴァルキリーは死亡した デーモンヴァルキリーは死亡した

師匠「ふむ、流石火属性最強呪文。良くやりましたぞ我が弟子よ」

魔術師「………はい」

狩人「た、助かったっす…どうも。しかしあれっすね、ホントにエルフって歌うように呪文唱えるんすね」

竜戦士「歌っていうよりお伽噺みたいだけどな。しかし呪文使うとイメージ変わるよな!!…お?なんだ照れてんのか?良いじゃねえか、真面目そうなお前の意外な一面みたいでででで、な、なんでだよ、何もしてねーだろ姉御!?」ミシミシ…

姉御「もー、ホントにキミはデリカシーないよね!魔術師が嫌がってるでしょ?」

魔術師「……子供の頃から……こうやって…唱えてた…から…癖で……」

師匠「何も恥じる事はありませんぞ我が弟子よ。魔術師が真に恥じべき事は魔術を扱えぬ事。其方は最早一流の魔術師、胸を張りなさい」

姉御「もう、親しき中にも、だぞ!ま、これから気を付ける事!それより…私のカンだと、ここを攻略すればきっと大きな成果が出るはず!今日中とは言わないけど、近いうちに必ず攻略するよ!」

商人「この森も結構歩いたけど、特に何もないね…」

非常食「ゴブリンが縄張りだというゴミ捨て場があっただけですにゃあ」

魔戦士「敵も大して強くないしね。さっき戦ったトロルなんかはでかくて驚いたが、一体だけでは恐れるに足らないね」

盗賊「ここはもういいぞ!!ほかにいくかおくにいくかしたいぞ!!」

竜王「シタイゾー!!」

魔法使い「うーん、そうは言っても私達のレベルでは…」

商人「でもさ魔法使いちゃん、確か魔法使いちゃんって必ず逃げられる魔法使えたよね?」

魔法使い「マハマハの事?確かに使えるけど…」

商人「ならちょっとくらい奥に行っても大丈夫じゃない?いざとなったら魔法で逃げればいいわけだし!」

魔戦士「確かにね、ここらの弱っちい魔物を倒してても仕方ないからな。それにほら、ちょうどここからは北西部だ」

魔法使い「うーん…分かったわ。でも少しだけよ、ちょっと魔物と戦ったら戻ってきましょう」

商人「やった!じゃあここからちょっと奥にしゅっぱーつ!!」

非常食「…なかなか魔物と出会いませんにゃあ…」

魔法使い「そうね、結構歩いてるんだけ…」

――何かに遭遇した!

商人「て、敵だー!!…ってあれ?ネズミが三匹と…メイドさん????」

魔戦士「なんでこんな森の中にメイドがいるのか知らないが…やる気なら応戦しないとね!」チャキッ

竜王「ウガー!!」ザクザク

非常食「にゃー!!」ドカバキ

――戦闘に勝利した

商人「やった!ここのモンスターも大したことないかもね!」

盗賊「らくしょーだな!!お、たからだぞ!!」ドカバキ カチッ

*おおっと 爆弾*キャボーン

魔法使い「えっ!?しまっ…!」

非常食「ふにゃー!!バクハツですにゃ!!」

商人「うわ、み、みんな大丈夫…え…?」

――魔法使いは死亡した

非常食「にゃ、うにゃあ…」

魔戦士「こいつは…まずい事になったかもね」

盗賊「な、なんでまほーつかいがたおれてるんだ!?と、とーぞくのせいなのか!?」

商人「お、落ち着いて盗賊ちゃん…ま、町に帰れば生き返らせる事出来るよね!?」

魔戦士「ああ、寺院でね。町に帰りさえすれば…」

非常食「そ、そうですにゃ!歩き回ったとはいえ、幸いにも今みぃ達は南西部との境界付近に居ますにゃ!町に帰るのも難しくないはずですにゃ!」

商人「そだね、南西部まで行けばモンスターも強くないし…盗賊ちゃん、魔法使いちゃんは大丈夫だから!それに前だってこんな事たくさんあったでしょ?大丈夫大丈夫!!」

盗賊「うう…そうだな、まえもよくあったもんな…」

商人「そうそう!!さ、早く帰って…」

竜王「テキ!!テキ!!テキ!!」ガオー

商人「え…?え…!?」

――何かに遭遇した!

盗賊「な、なんだこいつ!?かまきりか!?」

非常食「にゃにゃ、カマキリはカマキリでも…」

商人「あ、あたし達よりずっと…ううん、さっきのトロルよりも…もしかしたらこの森の木よりも大きいよ…!!」

魔戦士「噂には聞いてたが、これがドゥームマンティスか…!魔法使い無しでこいつは骨だね…」

竜王「ウウ…ウガー!!」ザクザクッ

商人「りゅ、竜王ちゃん…!そ、そうだよ、戦わないと…魔法使いちゃんが居ないなら、あたしが…ミサーマ!!」ポワワワ…

非常食「にゃ!?効かないですにゃ!やるしかないですにゃ!ふにゃー!!ふにゃにゃー!!」ドカバキ

盗賊「な、なんだこいつ、まだたおれないぞ!!」

ドゥームマンティスの行動:マンティスブレード ドゥームマンティスの行動:マンティスブレード

非常食「にゃ!?お嬢様、気を付けるのにゃ!!」

魔戦士「はっ!あんたに心配/
ティーン!!
/されるほど…!?」

魔戦士は首をはねられた!!

商人「そ、そんな…!」

非常食「ふー!!にゃー!!にゃー!!ふにゃにゃー!!」ドカバキゴキメキッ

ドゥームマンティスは死亡した

盗賊「おお!?やっとしんだぞ!!」

商人「つ、強かった…でも非常食ちゃん、すごかった…」

非常食「は、早く戻りましょうにゃ!!戻りましょうにゃ!!」

商人「ひ、非常食ちゃんも落ち着いて…ほら、もうすぐ南西部だから…」

非常食「にゃ、そうですにゃ。もう少し進めば…にゃ、南西部に入りましたにゃ!!これで…」

――何かに遭遇した!

商人「ま、またモンスター!?もう少しなのに…え、えと、えと、ど、とうしよう…」

竜王「ダイジョブ!!テキ、ヨワイ!!」

商人「竜王ちゃん!?…そ、そうだね、良く見たらゾンビとかカエルとか、大したことないのばっかり…!よーし、頑張って倒そう!!」

非常食「にゃー!!」ドカバキ

竜王「ガー!!」ザクザクッ

商人「よーし、あとは…バラドス!!」ボオオオ…

――戦闘に勝利した!

――トランジェルダ、イルドラハ寺院

非常食「ここが寺院ですにゃ。早速行きましょうにゃ!」

商人「そうだね…失礼しま…あれ?」

竜戦士「お、おめーら、お先してるぜ、なんてなハハハハハ!!」

狩人「笑い事じゃないっすよ…どうも、そちらは…二人っすか」

盗賊「あねごは?あねごもしんだのか!?」キョロキョロ

師匠「いえいえ、リーダーは魔術師の付き添いです。むしろリーダーだけが生き残って全滅を免れた形ですな」

商人「え?じゃあ皆さんも死んで…」

非常食「そ、そんなことより早くお嬢様を蘇生しますにゃ!神官さんは…にゃ!?なんで止めるのですにゃ!?放して下さいにゃ!!」ジタバタ

竜戦士「まー待てよ。今は女の蘇生中だ。男は外で待ってるのがデリカシーのある男って奴だぜ」

狩人「いつも自分が言われてるっすよね…」

商人「そういうものなんですか?」

竜王「そそ、なんせ蘇生中はスッポンポンだからな。この前、それを知らずに狩人の奴が姉御の蘇生中によお…」

狩人「そ、その話は良いじゃないっすか!そもそも自分だって俺と一緒に…!」

師匠

師匠「そういう訳なので、もう少し待っていただきたい。なに、もうすぐ終わるはずです…おお、噂をしたら…」

姉御「あれ?キミ達ここで会うのは珍しいね?」

魔術師「……どうも」

商人「あ、どうも」ペコリ

師匠「無事蘇生がおわったようですな。どれ、回復呪文を…」パアア…

魔術師「……ありがとうございます」

商人「へえ、生き返っても体力はあんまり回復してないんだ…」

非常食「にゃ、それより早く!早く二人を運びますにゃ!」

姉御「慌てなくて大丈夫だよ、私だって5回は死んでるけどこの通り元気だよ!!」

竜戦士「猫助よお、さっきも言ったが運んだら出てこいよ!」

姉御「あれ?珍しくデリカシーあるね」

魔術師「…リーダーが…いつも言ってるから…」

竜戦士「そうそう、こいつみてーに突撃したらいけねーぞ!!ハハハハハ!!」

狩人「その話もう止めましょうよ…」

盗賊「なあなあ、まほーつかいはいきかえるよな?いきかえるよな?」ユサユサ

商人「だ、大丈夫、きっと大丈夫だから…」

魔法使い「………んっ…っつう…!」

盗賊「ま、まほーつかい!!いきかえったのか!?」

魔法使い「……ここは?ああ…私死んで…」

商人「うん、でも無事生き返ったから!さ、薬塗って…」ヌリヌリ

魔法使い「ん…ありがとう…」

魔戦士「……ああ、これが死ぬって事か。いい気分じゃないねえ」

盗賊「おー!!せんぱいもいきかえったな!!」

商人「良かった、蘇生ってたまに失敗して灰になっちゃうって聞いてたから…あ、お嬢サマ、非常食ちゃんが心配してたよ!」

魔戦士「バカ猫が?はっ、心配する位なら代わりに死んで見せろってんだよ」

商人「なっ…そんな言い方…!」

魔戦士「でも、ま…しばらくは食用にはしないでおくかねえ」

商人「…!そ、それが良いと思うよ!さ、外で非常食ちゃんが待ってるよ、早く…ってお嬢サマ、服着て服!!」

魔戦士「やれやれ、死んだからか腹が減ったねえ」

魔法使い「私もよ。やっぱり死んだ影響なのかしら…」

盗賊「ごはんはたくさん食べるにかぎるんだぞ!!」

商人「流石に二人とも盗賊ちゃんくらい食べたらお財布がもたないよ…」

姉御「あ、ちゃんと蘇生出来たね!」

非常食「はいですにゃ、ご心配をお掛けしましたにゃ」

魔戦士「寺院でも会ったらしいね。そっちは全滅しかけたって?」

狩人「リーダー以外全滅っすね。まさかデーモンヴァルキリー3体と立て続けに戦うことになるなんて…」

姉御「みんな死んじゃったから物陰に隠れて隙を見て逃げ出したの!上手くいったよ!」

商人「か、隠れて!?」

師匠「リーダーの判断が非情に聞こえるやもしれませんが、パーティーは全滅しないことこそ肝要ですからな」

姉御「そういうこと!だから盗賊、キミもやばいと思ったらささっと隠れて生き残るようにしないといけないんだよ?」

盗賊「へい、あねご!!」ビシッ

竜戦士「一人でも生き残れば、こうやってまた酒場の美味い飯も食えるってもんだ、ハハハハハ!!」

魔法使い「そうね、身にしみて分かるわ…」

――翌日、ミアマックの宿屋

商人「んー、レベルアーップ!!」

盗賊「アーップ!!」キャッキャッ

魔法使い「全員レベルアップ出来たわね。厳しいエリアで戦ったのが大きいわね」

商人「そだね、じゃあ今日は…」

竜王「キョウ…ヤスミタイ…」

商人「え?なんで竜王ちゃん?」

盗賊「りゅーおーはもう1つレベルがあがるみたいだぞ!!」

非常食「皆さんレベルアップが早いですにゃあ…」

魔戦士「ま、いいんじゃないか?ドラゴニュートはレベル8からが本番だっていうし」

商人「そうなの?」

竜王「ガウ」コクリ

魔法使い「そう…じゃあ今日は休みましょうか。私達も1度死んで体に負担が掛かってるかもしれないしね…」

盗賊「ここを…こうやって…」カチャカチャ…

魔法使い「関心ね、盗賊の事だからてっきり休みには食べ歩きでもするのかと思ったけど、訓練所で罠解除の練習なんて…」

商人「盗賊ちゃんね、魔法使いちゃんを死なせちゃった事気にしてるみたいなの。だから…」

魔法使い「ああ、それで…冒険に危険は付き物だから、そんなに気にしなくても良いのに…」

商人「うーん、そうは言っても盗賊ちゃんの宝箱の開け方乱暴だったから…」

魔法使い「そうね、なんにせよ練習するのは良いことだわ。でも少し頑張りすぎじゃないかしら?」

商人「そだね。盗賊ちゃーん!そろそろごはんにしないー?」

盗賊「ん…もうちょっと…」ガチャガチャ…

商人「と、盗賊ちゃんがごはんに反応しないなんて…!」

魔法使い「明日雪でも降らないと良いけど…でも頼もしいわね、ふふふ…」

商人「うん、明日からは更に頼りになりそうだね!!」

――翌日、ミアマックの宿屋

竜王「アガッタゾー!!」ガオー

商人「えっと、これで盗賊ちゃんと竜王ちゃんがレベル8、他の4人がレベル7だね」

魔法使い「そうね…さて、今日はどうしようかしら?」

非常食「前回の敵は強かったですにゃあ。また安全な場所で…」

魔戦士「いや、前回の続きでいいんじゃないか?魔法使いが生きてたらあそこまで苦戦はしなかったはずさ」

魔法使い「でも…」

盗賊「こんどはわなかいじょもだいじょーぶだぞ!!」

魔法使い「盗賊…そうね、じゃあまた行ってみましょうか。でもまずは南西部の未踏の場所を埋めてからにしましょう」

商人「まだ何かあるかもしれないからね!よーし、じゃあ行ってみよー!!」

――マウレアの森

魔戦士「このシケた森も3回目か。今までロクな物が見つかってないねえ」

非常食「そういえば一昨日手に入れたアイテムの鑑定結果はどうだったんですにゃ?」

商人「それが…前回同様大したものがなくて…」

魔法使い「一応旅のマントと、稼いだお金でプレートメイルを竜王に装備させる事が出来たけど…大幅な戦力アップとはいかないわね」

竜王「シュビリョクハ…アガッタ」

盗賊「だいじょーぶだぞ!!こんどはとーぞくがすごいたからのはいってるはこをかいじょするからな!!」

魔法使い「ええ、期待してるわよ」

盗賊「まかせろー!!」ガオー

商人「ふふ、頼もしいね!よーし、じゃあマウレアの森三日目、冒険開始ー!!」

非常食「まずは南西部の探索ですにゃ?この辺は敵も強くにゃいですからにゃ、安心して…」

――何かに遭遇した!

商人「早速敵だね!ってうわ、地面から手が生えてる!?なんか前にも見たことあるような…」

魔法使い「マドハンドみたいよね。あれと一緒なら、そんなに体力もないと思うけど…」

盗賊「よーしりゅーおー、パワーアップしたりゅーおーをみせるんだぞ!!」

竜王「ウー…ガアア!!」ゴオー

商人「わ、ブレス…の攻撃範囲が広がった!?」

魔戦士「レベルが上がったからね!って1体も倒せてないじゃないか!そらっ」ドゴッ

クラウリングクロウは死亡した

非常食「ブレスは威力の振れ幅が大きいですからにゃあ…うにゃっ」ドカバキ

クラウリングクロウは死亡した クラウリングクロウは死亡した

魔法使い「ふう、見たことのない敵だったけど、体力が少なくて助かったわね」

商人「ホントだね。それに竜王ちゃんのブレスも強くなって、あたしの魔法だけだったこうはんいの攻撃が増えたよ!これで戦闘が楽になりそうだね!」

――宝箱が現れた

盗賊「お、とーぞくのでばんだな!!」

魔法使い「ええ、頼むわよ」

盗賊「おー!!まかせろー!!」カチャカチャ…

魔戦士「おお、慎重にやってるじゃないか」

商人「昨日たくさん練習したからね!これなら…」

*おおっと! 毒針*

盗賊「わ、あぶないぞ!!」ヒュン

魔法使い「盗賊、大丈夫!?」

盗賊「だいじょーぶ、よけたぞ!!でもしっぱいしたぞ…」シュン

商人「き、気にしないで!こんな事もあるよ!」

魔戦士「そうだよ、罠が発動しても避けたなら実質成功だろう?」

魔法使い「ええ、今回は全員無事だった事を喜びましょう。さあ、探索を続けるわよ」

非常食「このまま無事に進めば良いですにゃあ…」

*おおっと! 盗賊*

盗賊「うー、またしっぱいしたぞ…」シュン

魔法使い「大丈夫よ、次は成功するわ…それにしてもすごい反射神経ね…」

商人「そうだね、こっちで冒険始めてから今まで引っ掛かった石つぶてと毒針全部避けてるもんね。ある意味解除に向いてるのかも…」

魔戦士「さあ、探索の続きだ…お、ここから先は南東部か」

非常食「前回ピンチになったのは北西部でしたにゃ。どっちが大変でどっちが楽にゃんでしょうにゃ?」

魔戦士「さあね。行ってみりゃ分かると思うがどうだ?それともまだこの辺の探索を続けるかい?」

魔法使い「そう、ね…この辺の探索もまだ終わってはいないけど…」

盗賊「すすんだほーがきっとたのしいぞ!!おたからもきっとすごいのがあるぞ!!」

商人「うーん、確かに今まで行った所ではあんまり良いもの手に入らなかったし…あたしもこの先に行ってみたいな」

魔法使い「そうね、ある程度危険を冒さなければ良いものは手に入らないか…分かったわ、ただしあまり深入りはしないわよ、いい?」

商人「うん、全滅しない程度に行ってみようよ!」

魔戦士「さて、こっちのモンスターはどんなもんかね?」

――何かに遭遇した!

魔法使い「敵は…3体ね、両脇は確か土のエレメンタル、真ん中は…?」

非常食「あれはドライアードですにゃ。昨日お嬢様と図書館で調べましたにゃ」

商人「へえ、ホントに本読むの好きなんだ…」

魔戦士「あんたアタシを何だと思ってるんだい?ドライアードは呪文攻撃が厄介だ、まずはあいつから倒すよ!」

竜王「グオー!!」ゴオー

非常食「弱った所を…うにゃー!!」ドカバキ

ドライアードは死亡した 土のエレメンタルは死亡した

魔戦士「よし、残りを…そらあっ!!」ドゴッ

土のエレメンタルは死亡した

商人「やった、ラクショーだったね!」

魔法使い「そうね、油断するのは良くないけど…この分ならこっちの探索を進めても大丈夫みたいね」

――宝箱が現れた

商人「あ、宝箱だよ盗賊ちゃん!」

盗賊「おー!!こんどこそあけるぞ!!」カチャカチャ…

魔法使い「落ち着いてね、きっと大丈夫だから…」

盗賊「ここを…こうして…」カチャカチャ…

商人「頑張れ…」ドキドキ…

盗賊「ん、できたぞ!!」カチャッ ギイイイ…

魔戦士「おお、やったね!」

魔法使い「ええ、大したものだわ」

盗賊「へへー、これくらいラクショーだぞ!!」ドヤッ

商人「もー、さっきまで失敗ばっかりだったのに…でもこの調子でいけば、南西部より良いものがたくさん手に入るかも…うーん、期待が膨らむね!」

非常食「…あれから何回か戦闘ににゃりましたが、そんなに強い敵は出ませんでしたにゃあ…」

魔戦士「初物はいくつかいたが、タランティやコアトルはそこまで強くなかったね」

商人「タランティとコアトルってあの蜘蛛女と羽つきのヘビ?確かにそんな強くなかったね」

盗賊「ヘビはホネばっかで食べづらいぞ!!」

魔法使い「毒があるかもしれないからいきなり蛇を食べないでよ…それに強くないとはいえ初めて見る魔物も多いわ、慎重に…」

魔戦士「慎重に、とか油断しないで、とかそんなのばっかだねえあんたは。もっと大胆に行っても良いと思うがねえ」

魔法使い「そういう性格なのよ。こればっかりは仕方ないわ」

盗賊「かいてるやつがそーだからしかたないな!!」

商人「と、盗賊ちゃんその話は…あ、あれ?あれって…!」

竜王「テキ!!テキ!!」ガオー

――何かに遭遇した!

盗賊「まえはむしばっかりだな、かたくて食べづらそーだぞ…」

魔法使い「後ろは…エレメント系が多いみたいだけど、真ん中のビン詰めの小人は何物かしら…?」

魔戦士「あれはホムンクルスだ、錬金術師が作り出した人工の生命体だ!」

商人「じ、人工の生命体!?魔法使いちゃんもあんなの作れるの!?」

魔法使い「少なくとも今は無理ね、作りたいとも思わないけど…」

竜王「ブレス、ハクゾ!!」ゴオ-

パイクモスキートは死亡した ジャイアントビートルは死亡した

魔戦士「非常食、早く残りの虫を殺りな!!」

非常食「にゃっ、分かりまし…」

アントライオンの行動:引き寄せ

魔法使い「なっ…!?引っ張られ…!?」

非常食「にゃにゃ!?皆さんにゃぜ前に!?」

商人「な、何これ!?前列と後列が入れ換えられちゃった!!これ、まずいんじゃ…」

魔戦士「ちっ、バカ猫がもたもたするから…!3人とも、死ぬんじゃないよ!!」

盗賊「ま、まほーつかい、またしんだらダメだからな!!」

魔法使い「大丈夫よ…とは言い切れないけど…私達は攻撃を前衛に頼りすぎてきたから、前衛が後列に下げられると攻撃力が…」

魔戦士「問題ないよ、任せな――らあっ!!」ゴンッ

アントライオンは死亡した

商人「そっか、お嬢サマのハンマーは射程長いもんね!じゃあ残りのモンスターは…バラドス!!」ゴオオ…

竜王「ウガー!!」ゴオ-

魔法使い「我が魔力、地を走りて悪しき群れを縛り付けよ!!ラロイド!!」ジジジ…

ホムンクルスは麻痺した 土のエレメンタルは麻痺した

盗賊「おー!!まほーつかい、すごいな!!」キャッキャッ

魔法使い「まだよ!!一番厄介そうな魔物を止められなかったわ!気を付け…」

水のエレメンタルの行動:マグラス

商人「マ、マグラスってビャダルコ的な…!?皆、危な…」

非常食「ふにゃっ!?」カキーン

非常食は死亡した

商人「ひ、非常食ちゃん!」

魔法使い「まずいわね、魔戦士と竜王もダメージが大きいわ!急ぐわよ!」

魔戦士「ああ、この水のエレメンタルさえ倒せば勝ちだ!!いくよ!!」ゴガン!!

竜王「グ、グオー!!」ポッ…

商人「り、竜王ちゃんのブレスの威力が…!」

魔戦士「ブレスは体力と使用回数で威力が落ちるからね、それでも後列からはブレスでしか攻撃出来ないから仕方ないのさ!」

水のエレメンタルの行動:ブレス

魔法使い「…っ!こっちも体力が落ちてるから威力はほとんどないわね」

商人「よ、良かった…じゃあもう一度、バラドス!!」ゴオオ…

水のエレメンタルは死亡した ホムンクルスは死亡した 土のエレメンタルは死亡した――

商人「か、勝った…けど、非常食ちゃんが…」

魔戦士「ふう、死んだのが一人で済んで良かったよ。ほら、何してんだ、さっさと帰るよ」

商人「な、何してるって…!」

魔法使い「商人、魔戦士は言い方はあんまりだけど、言ってる事自体は間違ってないわ」

盗賊「ぜんめつしなければいいってあねごもいってたぞ!!」

商人「あ…そうだね、それにあたし達が無事に帰れれば非常食ちゃんも生き返らせる事が出来るもんね…」

魔戦士「アタシらが考えるのは死んだ奴の事じゃない、生きてるアタシらがどう無事に帰るかどうかさ」

魔法使い「そうよ。このフロアも少し深入りしてしまったわ、人数も減ったし、帰りはより慎重にいかないと…貴女にも頑張ってもらうわよ」

商人「うん、任せて!まだ魔力も少し残ってるし!!」

盗賊「よーし、かえってごはんだな!!」

商人「まずは非常食ちゃんを生き返らせるんたまよ!?」

――イルドラハ寺院

非常食「うにゃあ、ご迷惑をお掛けしましたにゃ…」

魔戦士「全くだね、前衛が後ろに回った挙げ句最初に死んでるんじゃないよ」

商人「まあまあ…結果的にあたし達は無事だったし…」

魔法使い「でも前衛にしては防御力が低いのは考えものよね…何かいい装備があれば良いのだけれど…」

非常食「にゃっ、お店には武人の黒帯という装飾品があるのですにゃ。でも高くて買えにゃいのですにゃあ…」

魔戦士「何言ってんだ、ケダモノなんだから裸で良いだろう?」

盗賊「そうびがおおいと食べるときジャマだからな!!」

商人「二人ともひどいよ…」

非常食「良いのですにゃ、みぃはいつもこうですにゃ…」

魔法使い「悟ってるわね…」

――マーシャの酒場

非常食「うにゃあ、今日もごはんが食べれる幸せを感じますにゃ…」

盗賊「ごはんとはこうふく。食のなかにこそこうふくはある…」ウンウン

魔法使い「深いわね…」

魔戦士「ところで小娘、鑑定結果はどうだったんだ?」

商人「あたしはコムスメじゃないけど、鑑定は無事終わったよ!」

盗賊「しょーにんまだしっぱいゼロなのか?もうダメだな!!」

商人「だからなんで失敗してないのがダメなの!?えっと、これ、非常食ちゃんが欲しがってた武人の黒帯だよね!」

非常食「にゃっ、宝箱から出てきたのですかにゃ!?」

商人「そうそう、しかも2つ!!」

魔法使い「良かったわね。これで前衛全員の守備力が上がったわね」

魔戦士「ケダモノなんて裸で良いのに、贅沢だねえ」

魔法使い「そう言わないのよ。死ににくくなったのは良いことだわ。これで次からの探索も少しは楽になると良いわね…」

商人「レベルアッープ!!」

非常食「みぃも上がりましたにゃ」

盗賊「むー、とーぞくとりゅーおーはあがらなかったぞ…」ブー

竜王「ムー…」ブー

魔法使い「二人は先にレベルが上がってただけよ。これでみんなレベル8になったわね」

商人「そだね、あたし解毒の魔法も覚えたし!」

魔戦士「ふうん、パーティー全体がレベルアップした感じだね。で、どうするんだい?」

商人「え?どうするって?」

魔戦士「これからの冒険さ。元々アタシらは指輪を探して闇の巫女とやらをしばいてご褒美もらって左団扇の生活するのが目的だろ?」

盗賊「そーだな、ごほーびでまいにちごちそーだぞ!!」

魔法使い「そんな邪な目標ではないけど…確かにそろそろ指輪探しに重点を置くべきかしら。でも…」

商人「でもあたし達まだフェイムもあんまり集まってないよね。結局指輪探しはまだ…」

魔戦士「だからそのフェイム探しさえろくにしてないじゃないか」

商人「あ…でも、依頼とか頼まれ事とかはみんな難しそうだし…」

魔法使い「そうね…でも確かにこのままじゃいけないかもしれないわね。何か明確な目標にむかって行動しないと…こういう時は先輩方に相談すべきかしらね…」

――マーシャの酒場

姉御「ふーん、フェイム探しかあ。でも今冒険してる所がいい感じなんじゃないの?」

商人「うーん、いい感じといえばそうかなあ?」

姉御「それに聞いた感じだと今冒険してるフロアはまだ行ったばっかりなんでしょ?もうちょっと色々歩いてみてもいいと思うけどね?」

魔戦士「でも最初のフロアなんかも粗方歩いたけど何もなかったよ。あの森、何もないんじゃないのかい?」

竜王「おいおい、最初のフロアなんてだいたい何もないだろ?入ってすぐの場所にそんなに期待すんなよ!」

姉御「そうだね、やっぱりダンジョンは深く潜ってこそだよ!それにフェイム集めはそんなに熱心にならなくても大丈夫!」

魔法使い「どういう事…?」

姉御「キミ達が指輪見つけたら私達がご褒美もらえないでしょ?」

商人「あーなるほどー、ってそんな訳にはいかないよ!?」

姉御「あはは、でもホント、まだまたそのダンジョンを探って見た方が良いと思うよ!でももしもどうにもならなかったら、ギガ・バザールでヒントを買えば良いと思うかな?」

魔法使い「ああ、そういえばそんなものもあったわね…でもまずはあの森をもう少し探索してみようかしら…」

――マウレアの森・南東部

商人「という訳であたし達は早速マウレアの森南東部までやって来ましたー!!」

魔法使い「また説明的ね…まあ南西部はもうほとんど苦戦しなくなったからね」

魔戦士「昨日の続きを歩けば何か新しい発見はあるかねえ…ん?」

盗賊「おー、いえがあるぞ!!ごはんだな!!」

魔法使い「他人の家でごはん決定しないの。でもこんな森の中に家…どんな人が住んでるのかしら?」

非常食「入ってみましょうにゃ。失礼しますにゃ…にゃ、誰もいませんにゃ」

盗賊「えー!?ごはんは!?」

商人「だからごはんは食べないからね!?でも、せっかく怪しい所を見つけたのに…」

魔戦士「ヒトが住んでた気配はあるし、どっか行ってるのかねえ。さて、この探索を収穫と取るか失敗と取るか…」

魔法使い「この家の事は気になるけど…仕方ないわ、他を当たりましょう」

商人「そだね、やっぱりそこまでモンスターも強くないみたいだし…あ!」

――何かに遭遇した!

非常食「にゃっ、手前のウネウネしてるのはブロブですにゃ!」

魔戦士「奥は…全部下級の悪魔のようだね。厄介な呪文を使うクラウリングクロウを先に殺ってしまいたいね、うらあっ!!」ゴンッ

商人「よーし、バラドス!!」ゴオオ…

クラウリングクロウは死亡した

非常食「クラウリングクロウがまだ1体残ってますにゃが…みぃ達は前衛を倒しますにゃ!にゃー!!」ドカバキ

竜王「ガー!!」ザクザク

ブロブは死亡した ブロブは死亡した

魔法使い「いい感じね!私は残りの後衛を止めるわ!ラロ…」

クラウリングクロウの行動:カラチャ

魔法使いは混乱した

商人「えっ!?ま、まずいよ、魔法使いちゃんが…!」

魔法使い「…ラロイド」ジジジ…

商人「あ、良かった、ちゃんと魔法唱え…」

魔戦士は麻痺した 竜王は麻痺した

非常食「にゃにゃっ!?どうしたのですにゃ!?」

魔法使い「私だって…私だって好きでこんな臆病な性格してる訳じゃないのよ!!」ガオー

盗賊「た、たいへんだぞ、まほーつかいがめんどくさくなったぞ!!」

商人「ちょっちょっと魔法使いちゃん、落ち着いて…」

魔法使い「BだBだBだBだって…」ゴゴゴ…

商人「こ、今回はまだ誰もそんなこと言ってないよ!?しっかりして!!」ユサユサ

魔法使い「皆して私…を………?私…あ、魔物がまだいるわよ、皆気を引き締めて!」

非常食「にゃ!?は、はいですにゃ!!」

商人「え、ええ~…」

――マーシャの酒場

魔戦士「いやいや、ビックリしたよ、まさか仲間の呪文で戦闘不能になるなんてね」クスクス

魔法使い「………面目無いわ」

非常食「ま、まあまあ、無事に戻って来られたから良かったですにゃ」

盗賊「しにんはでなかったな!!」

魔法使い「でも……私のせいで探索が中断してしまったし…」

魔戦士「だから死ぬより良いじゃないか、それに混乱したあんたはなかなか良かったよ。たまには混乱して息抜きしたらどうだい?」

魔法使い「あんな息抜き皆の迷惑じゃない…でもそうね、無事に戻って来られた事を喜ぶ事にするわ」

非常食「ですにゃ!それに元々モンスターの呪文のせいですにゃ、仕方ないですにゃ」

魔戦士「そうそう――小娘、あんたからも何か言ってやりなよ!」

商人「あわわわわわさわっ、さわっててて、かんててててて、さわわわわ…」

盗賊「しょ、しょーにんどーしたんだ?」

魔法使い「鑑定に失敗したみたいね…」

――翌日、ミアマックの宿屋

盗賊「レベルきゅー!!」ガオー

商人「今回のレベルアップは盗賊ちゃんだけかあ、だんだんレベルアップしにくくなってきたね」

魔法使い「前回は私が冒険を中断させてしまったから…」

魔戦士「おいおい、その話はもうなしだろ?それより、今日は昨日までとちがって北西部を探索したいんだが、どうだい?」

商人「北西部を?今までの南東部じゃダメなの?」

魔戦士「だって、昨日手に入れたアイテムも黒帯ばっかだろ?このバカ猫の装備品ばっかり手にはいっても頭に来るだけじゃないか」

非常食「ひ、酷いですにゃ!?」

魔法使い「そんな理由で…でも、実際非常食の装備はもう整ったのよね?なら、別のアイテムが手に入る可能性にかけてみるのも悪くはないかもね…」

商人「で、でつってあのかまかカマキリが出たとこでしょ?ちょっと怖いな…」

魔戦士「何言ってんだ、魔法使いが生きてれば麻痺させるなり逃げるなりどうにでもなるんだ。それに――首を飛ばされたアタシが良いって言ってんだ、文句ないだろう?」

魔法使い「そう、ね…じゃあ今日は北の方に行ってみましょうか。でもあくまでも慎重に、気を付けて行くように…」

――イルドラハ寺院

姉御「あれ?今日はいつにも増してズタボロだね!」

商人「ズタボロ…まあ3人も死んじゃったらそうかあ…」

盗賊「さんにんともなさけないな!!」

魔戦士「しかしやっぱり南東部より北西部の方が魔物が強いのかねえ?」

商人「うーん、どうだろ…」

師匠「いつからこの先に行くべきか、ここで戦い続けても大丈夫なのか…それは常に我々冒険者の悩みどころですな」

商人「ホントですね…前の冒険でもそうだったけど」

竜戦士「まあそう落ち込むなよ!!全滅しなかっただけ良かっただろ?それより早く3人生き返らせてやりなよ!」

商人「あ、そうだ、いけない!」

――翌日、ミアマックの宿屋

魔法使い「…ふう、昨日は厳しい結果におわったね、3人死亡か…ごめんなさい、また私が一番にしんで…」

商人「しょうがないよ、敵の魔法強かったし…それより今日はどうしよう?」

魔戦士「もちろん昨日の続きさ。昨日面白いもの見つけただろう?」

非常食「にゃ、何かありましたかにゃ?」

盗賊「これよりさきにははいっちゃダメだってカンバンがあったぞ!!」

魔法使い「あれは…立札にあったように、危険だから近づかない方が…そもそも私達あの先に進む前に引き返さざるを得なかったじゃない!」

魔戦士「問題ない、とは言わないけどね、何だかんだアタシらは全滅しないで帰ってきてる。今回だって大丈夫さアタシや竜王、小娘のレベルも上がったしね」

商人「コムスメじゃないよ!!」

魔法使い「……もう、分かったわよ。ただ…」

盗賊「しんちょーに、きをつけるんだぞ!!」

魔法使い「分かってるなら良いけど…分かってるのかしら…?」

――マウレアの森、北西部

商人「…このカンバンだよね…」

*これより先 森の中心部*
*静かなる森を荒らす者は、*
*守護者達の制裁を受けるであろう*

非常食「や、やっぱり引き返した方が良いと思いますにゃ…」

盗賊「こーやってひとをとーざけておいしいものをドクセンしてるやつがいるんだぞ!!」

魔法使い「そんなわけないでしょう…それより、非常食の言う通り、引き返すなら今だと思うのだけれど…」

魔戦士「ここまで来て引き返せって?そりゃないだろ、後は進むだけさ」

盗賊「そーだぞ、きっとおいしいものがあるぞ!!」

竜王「アルゾー!!」

魔法使い「…ふう、仕方ないわね…じゃあみんな、慎重に、は聞きあきたでしょうから…覚悟を決めてね?」

商人「う、うん…ゴクリ…」

盗賊「よーし、おいしいものどこだー!!」タタタ…

魔法使い「ああもう、気を付けてって…盗賊、待って!」

盗賊「ん?あ、モンス…モガッ!?」フガフガ…

商人「しー、静かに…まだ気付かれてないよね…」

魔戦士「だね。前列が精霊で、後ろが…」

非常食「で、でっかいですにゃ!でっかいスライムですにゃ!」

魔法使い「スライムってあんなに大きくなるものなのね…でも気付かれてないうちがチャンスよ、さあ、いきましょう!」

商人「おー!!バラドス!!」ゴオオ…

竜王「グオー!!」ゴオオ…

非常食「ふにゃにゃにゃにゃー!!」ドガバギズガンッ

――土のエレメンタルは死亡した 風のエレメンタルは死亡した 水のエレメンタルは死亡した グレータースライムは死亡した

魔戦士「はっ、どうだい、危険地帯とはいえちゃんと勝てたじゃないか」

魔法使い「今のは運が良かっただけよ。でも、本当にどうしようもないって訳ではなさそうかしら…?」

商人「うん、まだ決めつけられないけど…」

盗賊「よーし、どんどんすすんでおいしいものめざすぞ!!」

魔法使い「だから静かに…ここは…みんな待って。ここから先は北東部に入るわよ」

非常食「にゃ、北東部ですかにゃ?ええと、この森の入り口が南西部、今いる所が北西部、この前見つけた家があったのが南東部ですにゃ?となると…」

魔戦士「北東部はアタシらにとっては未知の領域だね。入口から一番遠い、つまり一番の奥地って事になるね」

商人「お、奥地かあ…いよいよ来るところまで来たね」

盗賊「おー、ついにおいしいものが!!」

魔法使い「…あるかどうかは分からないけど、とにかく、恐らくここが一番魔物も強い所のはずよ。何度も言うけど、気を引き締めて…」

魔戦士「心配性だねえ。ま、アタシらはともかくあんたは気を付けなよ、このパーティーの生き死にはあんた次第だ」

魔法使い「そうね…ええ、気を付けるわ。さあ、行きましょう」

商人「おー!!ちょっと怖いけど…」

――北東部

非常食「にゃ…今のところ魔物には会いませんにゃ…」

魔法使い「ええ、このまま…というのは都合が良すぎるかしらね…」

盗賊「お、なあなあ、なんかあるぞ」

商人「あれは…木?木だけど…すっごい大きい…」

魔戦士「神木とかそういう類いかねえ?アタシはちょっと居心地悪いね」

魔法使い「ああ、神聖さを秘めた木とデビリッシュでは相性が悪いのね…あら、根本に誰か…エルフかしら?」

エルフ少女「あら、こんな所に珍しいお客さん!」

非常食「にゃ、やっぱりこんな所に来るヒトはなかなかいないようですにゃ…」

エルフ少女「私はこの森にずっと住んでいるエルフです」

魔戦士「こんな見た目でも、エルフだから恐らく良い歳なんだろうねえ」

商人「あー、種族は違うけど姉御もそんな感じだもんね…」

エルフ少女「この森は今までずっと静寂が包んでいました。でも今は違うようです。魔物のせいなのか、闇の巫女の影響なのか…」

魔法使い「こんな森にも闇の巫女の影響があるのかしら…大変なものね…」

エルフ少女「私は何が原因なのか知りたいのですが、ご神木は答えてはくれません」

盗賊「バカだな、きがしゃべるわけ…モガッ!?」フガフガ

商人「盗賊ちゃん、しーっ」

エルフ少女「ああ、鏡の沼地にあるという魔法の鏡があれば、ご神木と話が出来るかもしれないのに…」

非常食「うにゃあ、木と話せるようになる鏡とは不思議なものですにゃあ」

商人「そだね、あたしは商人としてすごく気になるなあ、その鏡!」

魔法使い「鏡の沼地か…確か警報ではこの森と同じ魔物の強さだったわよね」

魔戦士「だね、どっちも警報1だ。なら話は早い、その鏡を取りに行かないか?」

商人「あ、あたしは賛成かな!魔法の鏡、見てみたい!」

盗賊「そっちにはおいしいものがあるかもしれないな!!」

魔法使い「それはあまり期待しない方が良いと思うけど…そうね、そこまで魔物がつよくないなら、行ってみても良いかもしれないわね。ただ…」

商人「ただ?」

魔法使い「この森から無事に出られたらだけどね…」

商人「あー、うん、そうだね…」

魔法使い「さて、もどらなければならないけど…もと来た道を引き返すか、別の道を探すか、どっちがいいか…」

魔戦士「そりゃ別の道だろう。ここから南へ行けばほぼ未踏だが、地図を見る限り踏破した場所までそう遠くない。地図を埋めつつ帰るのが良いと思うね」

商人「うーん、あたしはもと来た道を戻った方が良いと思うけど…」

盗賊「いまきたみちにはなにもおいしいものがなかったぞ!!べつのみちをいきたいぞ!!」

魔戦士「別に何がなんでも新しい道を探ろうって訳じゃないさ。ヤバくなったら来た道を戻れば良い」

魔法使い「そうね…じゃあそうしましょうか。少し南に行けば南東部に入るわ。最奥地のここよりは魔物も与し易いかもしれないし…」

非常食「にゃ、不安はありますが仕方ないですにゃ。みぃはお嬢様に逆らえないし…」ブツブツ

魔戦士「あんたも賛成よねえ?」グググ…

非常食「にゃ、は、はいですにゃ…」ミシミシ…

商人「こらー!!非常食ちゃんをいじめちゃダメー!!」

魔法使い「…ふう、やれやれね。この調子で無事に戻れるのかしら…?」

――南東部

非常食「にゃ、南東部に入りましたにゃ…にゃ!?」

――何かに遭遇した!

商人「わ、モンスター!あれって…トカゲ人間!?」

魔戦士「リザードマンだね、デカい方はリザードキングか?大したことない相手だ、と言いたいが…」

魔法使い「両方とも槍を持ってるのが怖いわね、後衛の私達が狙われると危険――脅威を彼方へ!!か弱き我等に脱兎の脚を!!――マハマハ!!」ポゥーン

――撤退した

非常食「うにゃあ、怖かったですにゃ…にゃにゃっ!?」

――何かに遭遇した!

商人「ま、またモンスター!?トカゲと鳥とでっかい虫!!」

盗賊「おー、おいしそーだな!!」

魔戦士「残念だが後輩、戦う余裕はないよ!魔法使い!」

魔法使い「分かってるわ――マハマハ!!」ポゥーン

――撤退した

盗賊「なんでだせんぱい!?なんで食べちゃダメなんだ!?」

魔戦士「あのトカゲは確かバジリスクだ。毒のブレスを吐くらしい。小娘はまだあまり解毒呪文を使えないんだろう?」

商人「あたしコムスメじゃないけど、解毒呪文は2回しか使えないかなあ…」

魔戦士「真ん中の鳥も確か石化のブレスを使ったはず。何より怖いのは後ろの蛾さ」

非常食「あれはきっとフラステリアですにゃ。燐粉で遠くまで攻撃出来る上に、燐粉には混乱の効果もあるらしいですにゃ」

商人「混乱かあ…確かに大変だね」チラッ

魔法使い「こっちを見ないでよ…それにしても、貴方達が魔物に詳しいのは助かるわね」

魔戦士「あんたらが無知過ぎるんだよ。ま、違う世界にいたってんなら仕方ないのかもしれないね。それより、南東部に来てからそれなりに歩いたが、安全な場所への道は見つからないね」

非常食「そうですにゃあ。これは引き返した方が良いかも知れませんにゃあ」

魔法使い「そうね、マハマハで逃げるにも私の魔力の問題があるし、これ以上の深入りは…」

竜王「テキ!!テキ!!テキ!!」

商人「え?また!?」

――何かに遭遇した!

魔戦士「これは…いよいよ覚悟を決めるようかね…」

商人「あの左の虎っぽい女の子、ちょっと怖いけど可愛い…かな?でもそれより、右側の…何、あのヒト…?」

盗賊「うえはニンゲンでしたがタコだな!!おいしそーだな!!」キャッキャッ

非常食「………うにゃあ…」

魔法使い「…厄介な相手なのね?」

魔戦士「全滅しないのを願うだけだね。竜王、あんたは魔法使いを庇ってな!タコ足が後列まで飛んで来るからね!非常食、アタシらは…」

スキュラの行動:ブレス

魔戦士は死亡した 非常食は死亡した 竜王は死亡した

商人「え?え?え!?み、みんな…」

盗賊「せ、せんぱい!!せんぱいが!!」

魔法使い「いけない…みんな、落ち着いて!逃げるわよ!マハマハ!!」ポゥーン

――撤退した

盗賊「せんぱい!!りゅーおー!!おにく!!」

商人「お、お肉じゃないでしょ!?それよりどうしよう?こんな危険な場所で前衛無しなんて…」

魔法使い「…そう、ね…盗賊、悪いけど前に立ってもらえる?前衛盗賊、後衛が私達二人よ」

商人「え?魔法使いちゃん…」

魔法使い「前に姉御が言ってたわよね。何より全滅しないのが大事だって。なら呪文を唱えられる私達が後ろに立つ方が良いわ。それに盗賊なら隠れられるから、私達よりは危険も少ないはず…」

商人「な、なるほど。でも…」

魔法使い「もちろん、盗賊が良いと言えばだけど…どうかしら?」

盗賊「だいじょーぶだぞ!!とーぞくはカンタンにしなないぞ!!」

魔法使い「ありがとう。でも前に立つからって死んで良いっていう訳じゃないからね。死なないよう最大限の努力をするのよ」

盗賊「まかせろー!!」ガオー

魔法使い「よし、そうと決まったら早速進みましょう。来た道を戻るだけだから迷うことはないはずよ」

商人「うん、分かった…モンスター、出ないと良いな…」

――北西部

魔法使い「もう少し、もう少しで安全な場所に…」

商人「うん、ここの茂みを抜ければ…」ガサッ

盗賊「お?カンバンがあるぞ!!」

魔法使い「この立札…!『これより先 森の中心部…』間違いないわ、行きに見かけた立札よ」

商人「て事は…危険な中心部を抜けたんだよね!?やった!」

魔法使い「ええ、まだ油断は出来ないけど…盗賊、よく危険な役割を受けてくれたわね、ありがとう」

盗賊「ぜんぜんへーきだぞ!!」

商人「あれからモンスターに会わなくて良かったね!」

魔法使い「ええ、まだまだ出口まで距離はあるけど、おかげで魔力も余裕があるわ。このまま一気に森を抜けましょう」

盗賊「おー!!かえってごはんだぞ!!」

商人「3人を生き返らせてからだよ!?」

――マーシャの酒場

魔戦士「ふうー、今回は危機一髪だったねえ。死んでたからよく分からないけど」

商人「ホント大変だったよ!よく3人生きて帰ってこれたよね!」

魔法使い「運も良かったわね。ほら盗賊、今日は私がおごってあげるわ」

盗賊「おー!!あれとこれとそれと…」

非常食「しかし流石ベテラン冒険者ですにゃあ。盗賊さんを前にして進むにゃんて…」

魔法使い「実力は足りなくても経験だけはね…」

魔戦士「いや、大したもんだよ。これなら明日から新しいダンジョンに行っても大丈夫だな」

魔法使い「あまり買いかぶられても困るけど…でも、新しいダンジョンはいつでも魅力的よね。良いわ、明日は鏡の沼地に行きましょう」

商人「やった!今回は戦利品ゼロだったから、明日はたくさんアイテム見つけようね!!」

――翌日、ミアマックの宿屋

盗賊「レベルじゅー!!」

魔法使い「早いわね…私はやっと9ね」

魔戦士「今日からは別のダンジョンだね?」

魔法使い「ええ、そのつもりよ」

商人「別のダンジョンかあー、良いアイテムがあるといいよね!あたし達、今のところレアなアイテム1つも当たってないし…」

非常食「うにゃあ、でもお店の品揃えを見る限り、他のパーティーさんもそんなに良いものは手に入ってにゃいようですにゃ…」

魔法使い「品揃えがほとんど変わってないものね…そう簡単に貴重品は手に入らないって事なんでしょうね」

商人「珍しいものもだけど、前回は何も持って帰ってこれなかったし、実はおサイフがピンチなんだよね…だから今回は数も欲しいな」

魔戦士「出来るだけ長いこと冒険したいとこだね。さ、準備が出来たら行こうか。やれやれ、やっとあのシケた森から解放されるね…」

――鏡の沼地

商人「うーん、沼地っていうだけあって湿っぽい所だね」

魔戦士「何だ、結局湿気た場所じゃないか」

魔法使い「さて、目標を確認するわよ。一番は、マウレアにいたエルフの少女が欲しがってた魔法の鏡を見つけることよ」

非常食「うにゃあ、魔法の鏡があるから鏡の沼地と言うんですかにゃあ?」

商人「どうなんだろうね?もしそうなら、地名にさえなるすごいお宝って事だよね!」

盗賊「んー?おにくのぬまちのほうがいいぞ!!」

魔法使い「そんな沼地があったら貴方の食費問題もたちまち解決ね…食費といえば、ある程度戦利品を稼いで懐具合を好転させるのも今回の目的の1つね」

商人「そうそう、これからどんどん旅が大変になっていったら、蘇生費用も嵩んできちゃう。今のうちに貯めれるだけ貯めないと…」

魔戦士「やれやれ、ご褒美で大金を得るためにまずは金がいるなんて皮肉だね。ま、ここはあの森より良いものがあると信じたいが、どんなもんかね…」

非常食「…ではここの草むらに分け入ってみますにゃ」ガサゴソ

――何かに遭遇した!

商人「ギャー!!お、おばけー!!」アタフタ

魔法使い「ちょっと、落ち着きなさい!…とはいえ、霊体には物理攻撃が効かないのよね…竜王!」

竜王「ガウ!!」ゴオオ-

エクトプラズムは死亡した ゴーストメイジは死亡した ファントムは死亡した

商人「や、やった!!へへー、ぜーんぜん大したことないね!」

魔戦士「でもいきなり霊体の群れが出てくるなんて、ここはこういう連中が多いんじゃないのか?」

商人「へ?ままままさか、べべべ別にこわこわい訳じゃなないけど、れれ霊体はた戦いづらいからね、ややっかいだよね!?」

盗賊「そーだな、やいても食べれないしな!!」

魔法使い「意見が一致してるようにも聞こえるけど、理由は全く違うわよね…でも確かに霊体が多いと大変だわ、そうでないと良いのだけれど…」

商人「あ、こっち行ってみない?ほら、向こう側に行けそう!」

盗賊「おー、あっちにはおいしいものが…おお!?」ツルッ

――滑った

非常食「ふにゃあ!?戻されてしまいましたにゃ!」

魔戦士「ここは通行不可って事かねえ?じゃああっちはどうだい?」

盗賊「よーし、こっちこそおいしい…わー!?」ツルッ

――滑った

魔法使い「また戻された…となると、残るはこっちの道だけ…」

盗賊「よーし、いくぞー!!おおっ!?おー、むこーがわにすべったぞ!!」

商人「やった、やっと進めたね!――でもこれ、戻れないよね…?」

魔戦士「こりゃあ元々ここにしか来れなかった、つまり誘い込まれたようなもんだが…さて、何が待ってるかね?」

魔法使い「ええ、いきなり暗雲が立ち込めてきた気もするけど、戻れない以上は進むしかないしね…」

商人「そういえばここの仕掛けってさ、アレフガルドにもあった滑る床にちょうど似てるね」

魔法使い「床じゃないけど、そうね…恐らく自然に出来てるであろうこれを仕掛けと呼んで良いかは分からないけど…」

盗賊「うー、ここはどのみちいってもぜんぶもどされちゃうぞ…」

非常食「にゃっ!?では閉じ込められたのですかにゃ!?」

魔戦士「ホントに閉じ込められたなら打つ手はないが…そういえばその滑る床とやらは、引っ掛かるとどんな罠が待ってたんだい?」

盗賊「ツルッとすべってしょーにんがしたにおちるんだぞ!!」

商人「し、下に落ちたのは盗賊ちゃんが押したからでしょ!?」

魔法使い「私達の世界の仕掛けは狭い足場の所に仕掛けてあって、1歩間違えると下の階に落ちるようになってたんだけど、ここは…待って、下に、足下に…」

魔戦士「足下に?ああ、この水溜まりがどうか…ん?この水溜まり、何かおかしいな…」

商人「ほ、ホントだ…この水溜まりに映ってる景色、ううん、映してるんじゃなくて、まるで別の場所みたい…!」

盗賊「このなかからべつのばしょにいけるんだな?よーし!!」ザブーン

魔法使い「ちょっと、盗賊…消え、た…?」

魔戦士「どうやらここに飛び込むしかないようだね、やれやれ…さあ、行くよ!!それっ!」ザブーン

魔法使い「ここ…は…?今までいた場所と同じ…いえ、何かが違う、何かが…」

商人「うん、空の色も変だし、なんか不気味…」

竜王「グルル…ツヨイ…テキノ…ケハイ…!」

非常食「うにゃあ、恐ろしい雰囲気ですにゃあ…」

魔戦士「ごちゃごちゃ言ってても始まらないよ、さあ進むよ」

盗賊「おー!!まずはこっちのみちだな!!」タタタ…

商人「ま、待って盗賊ちゃん…わっ!?」ツルッ

――滑った

魔法使い「また滑ったわね。今度は西に…」

非常食「うにゃあ、また戻れにゃく…にゃっ!?」

――何かに遭遇した!

商人「あれ?お嬢サマと似たようなヒトだけど、友達…じゃないよね…」

魔戦士「友達だったらどれだけ良かったか。あれはデーモンヴァルキリーだよ。聞いたことあるだろう?」

魔法使い「その名前は…!確か姉御達が全滅しかけたっていう…」

非常食「槍で後列も一突きの恐ろしいモンスターですにゃ。しかも3体もいますにゃ…」

魔戦士「さあ戦うよ!!誰か一人は必ず魔法使いを守るんだよ!!それから…」

デーモンヴァルキリーの行動:怨槍カヴィランエ

商人は死亡した

魔法使い「商人!!」

デーモンヴァルキリーの行動:怨槍カヴィランエ

竜王は死亡した

盗賊「りゅーおー!!だめ…」

デーモンヴァルキリーの行動:怨槍カヴィランエ

盗賊は死亡した

魔法使い「この…!ラロイド!!」ジジジ…

デーモンヴァルキリーは麻痺した デーモンヴァルキリーは麻痺した

魔戦士「ちっ、全員止められれば勝ちも見えたが…これは撤退だね、非常食!魔法使いを庇って…」

デーモンヴァルキリーの行動:怨槍カヴィランエ

非常食は死亡した

魔法使い「前衛まで一撃で死んでしまうなんて…!」

魔戦士「魔法使い、ぐずぐずするな!!逃げるよ!!」

魔法使い「ええ、分かってるわ!――マハマハ!!」ポゥーン

――撤収した

魔戦士「…ちっ、なんてこった、水溜まりに潜る前と敵の強さがまるで違うじゃないか!」

魔法使い「そうね、ここまで強いなんて…でも…」

魔戦士「ああ、何とか全滅は避けられた。何よりあんたが生き残ってるのが大きい。さあ、なんとしても帰るよ!!」

魔法使い「ええ、こんな所で全滅してられないわ。必ず…!」

魔戦士「さて…とは言ったもののどうやって帰るかだね」

魔法使い「それに関しては少し考えがあるわ。ほら、そこを見て」

魔戦士「そこ?ああ、さっき飛び込んだのと同じような水溜まりがあるね」

魔法使い「そう、さっきは飛び込んだらこっちの…水溜まりの中に入ってしまったわ。だからもう一度飛び込めば…」

魔戦士「だが、それじゃさっきと同じ場所に戻るだけじゃ…いや、さっきとは違う場所だから、出る所も違う場所なのか?ま、どのみち入るしかないだろうね」

魔法使い「ええ、ここにいても魔物に殺されるのを待つだけ、飛び込みましょう!」ザブーン

――表

魔戦士「ここは…空が明るい。どうやら戻れた…いや、さっきとは少し違う場所か」

魔法使い「ええ、さっきと同じ場所なら八方塞がりだったけど、違う場所に来られたなら脱出の可能性があるわ」

魔戦士「そうだな。そして、こっちの空が明るい方なら魔物も弱い。こっちで出来るだけ出口まで近付いて、行き詰まったらまた飛び込む、そういう事だね?」

魔法使い「ええ、それがベストだと思うわ。なんとしてもこの沼地から脱出しないと…行きましょう!」

魔戦士「まずは…ちっ、北にしか行けないか、遠ざかっちまうね」

魔法使い「仕方ないわ、次は…東ね、出口は南西にあるんだけど…」

魔戦士「どんどん遠ざかっちまうね。次は…南か」

魔法使い「次…も南ね。少しは近付いているけれど…」

――何かに遭遇した!

魔戦士「っと、オークか!万全ならどってこたないが、今は逃げるよ!!」

魔法使い「ええ、マハマハ!!」ポゥーン

――撤収した

魔戦士「ふう、やっぱりあんたが生きてて良かったよ」

魔法使い「それを言うのは戻ってからよ。次は…西!やったわ、出口よ!」

魔戦士「おお、着いたか!はは、運が良かったな!いや、あんたのおかげか」

魔法使い「いえ、流石に今回は運に助けられたわね。もう一度魔物が強い方に飛び込まずに帰ってこられたし…それにしても疲れたわね」

魔戦士「ああ、全くだよ。さあ、町に帰ろう。奴らを生き返らせたら、今日は祝杯だな――」

盗賊「かんぱーい!!」

非常食「かんぱーい!!ですにゃ!!うにゃあ、お二人はすごいですにゃあ…」

魔戦士「感謝の気持ちは肉になってあらわしなよ」

非常食「それはイヤなのですにゃ!!」

魔法使い「もう、今日は無事戻れただけで良いでしょう?ほら、商人も鑑定は後にしたら?」

商人「ちょっと待って…あー!今回も外ればっかりだあ…」

盗賊「やすものばっかりか?」

商人「うん、今回は四人死んだし大赤字だよ、とほほ…」

魔法使い「そう…無事戻れたのが何よりとはいえ、あまり赤字続きだと困るわね…」

盗賊「ごはんが食べれなくなったらいちだいじだぞ!!」

魔戦士「とはいえ、アタシらにはあの沼地は早すぎたようだねえ。またあのシケた森に逆戻りかね…」

商人「うーん、仕方ないね、お金もだけど、レベルも上げなきゃいけないし…」

竜王「モウスグ…クンシュニナレル…」

魔戦士「ああ、そういえばあんたは転職希望だったね。あんたが君主になれば、回復面はいくらかマシになるだろうね」

魔法使い「そうね、それなら竜王が転職するまであまり無理はしない方が良いのかもね…」

――マウレアの森、南東部

商人「うん、やっぱり中心部に行きさえしなければそんなに苦労しないよね!」

魔法使い「そうね、この辺で地道に…どうしたの非常食?」

非常食「うにゃあ…何か臭いませんかにゃ?」

竜王「ヒドイ…ニオイ…」

魔戦士「臭い?そんなのかねえ、…いや、臭うね、それも酷い悪臭だ」

商人「ほ、ホントだ、なんだろこの臭い…?」

盗賊「ううー、はながまがりそうだぞ…」

魔法使い「臭いはこの茂みの向こうからね。何が…これは、花…?ずいぶん大きな花ね…」

商人「こ、こんな臭い花が…ってこれロルファンじゃないの!?ほら、ノヴァ・カリスで頼まれたものの1つの…」

魔戦士「ああ、そんな話もあったねえ。しかし確か神殿に捧げるとか言ってたはずだが、こんな臭いの花を神殿に捧げるもんかねえ?」

盗賊「これもってけばいーんだな?うー、くさいけど…」ブウウーン…

魔法使い「待って盗賊、何か物音、羽音が…」

???「ちょいと待ちな!」

商人「わっ!?でっかいハチ…の女のヒト!?」

魔戦士「あれはまさかロイヤルハニーか?まずいね…」

???「ここはあたしらの縄張りだよ!勝手に荒らすんじゃないよ!おい、やっちまいな!」ピシャッ

商人「え…え…?こ、このモンスターは…!」

――何かに遭遇した!

非常食「うにゃあ、ドゥームマンティスですにゃ…」

魔法使い「これが貴方達が言ってたカマキリの化け物…!逃げられる状況じゃないわね、ロイド!!」ジジジ…

商人「き、効かない!?なら…ミサーマ!!」ポワワーン

非常食「うにゃあ、マヒも眠りも効きませんにゃ!」

ドゥームマンティスの行動:マンティスブレード マンティスブレード

竜王の首がはねられた

盗賊「りゅーおー!!」

非常食「にゃー!!ふにゃにゃー!!」ドカバキベギゴキャッ!!

ドゥームマンティスは死亡した

商人「や、やった、また非常食ちゃんがあのカマキリを…」

???「ちっ、こうなったらあたしが直々に相手してやるよ!かかってきな!」

――何かに遭遇した!

魔法使い「連戦!?相手は5体か…」

商人「あ、あの前列にいるムカデ、盾に隠れて攻撃しづらいよ!それに後ろのでっかい蛾…」

魔戦士「フラステリアだね。それにアルラウネにロイヤルハニー…残念だね、アタシらを助けに来る連中があの花に手を付けない事を祈るだけだね」

商人「そ、そんな!?諦めちゃったの!?まだやってみないと…」

ロイヤルハニーの行動:召喚

盗賊「おお!?てきがふえたぞ!!」

魔法使い「うそ…まさかあれは…ドラゴン!?ドラゴンを召喚したっていうの!?」

魔戦士「竜王無しでこれじゃあね…ふん、ダメ元だ、やってやるよ!!」

商人「そ、そうだよ!!やってみないと分かんないもん!!行くよー!!」

魔法使い「…ここは?…っつう!?」

魔術師「…目、覚めた…?」

姉御「あ、無事蘇生したね!!良かった良かった、これでロストでもしちゃったら寝覚めが悪いもん!!」

魔法使い「ここ…寺院?私は、私達は…」

姉御「残念!全滅しちゃったねー!」

魔術師「…リーダー…言い方…」

魔法使い「そう…仕方ないわね。でも他の皆は…?」

姉御「いないよー!!助けたのキミだけだもの!」

魔法使い「助けた…?貴方達が助けてくれたの?」

姉御「そ!全滅して森に転がってるキミの死体を引きずってきてあげたんだよ!」

魔術師「…リーダー…言い方…」

魔法使い「そう…ありがとう。何かお礼をしないと…」

姉御「あ、大丈夫だよ!!もうキミの有り金全部いただいたから!!」ニッコリ

魔法使い「………え?」

姉御「もー、キミ全然お金持ってないんだもん、危なく赤字だったんだよ?」

魔法使い「……?どういう…」

魔術師「…貴方は…まだこの世界の事…知らない…だから…1つだけ教えておく…」

魔法使い「……?」

魔術師「…お金に関して…ホビットはモンスターより…遥かに手強い……という事…」

魔法使い「………」

姉御「じゃ、そういう事だから、他のメンバーは頑張って自力で回収してね!あ、大丈夫!お金さえあればこの寺院で回収してくれるから!」

魔法使い「お金さえあればって…お金は貴方が…」

姉御「え?ふふふ、ダメだよキミ、自分が何者か忘れたらさ!大丈夫、生きてさえいればお金は稼げるよ!!ガンバ!!」

魔術師「…貴方は…錬金術師…それを…忘れないで…」

姉御「じゃね!!生きてて良かったね!!」バタン!

魔法使い「……行ってしまったわね。あれは…錬金術でお金を稼げという事かしら…?そうね、やるしかないわね…」

――ミアマックの宿屋

魔法使い「しかし所持金0なんてね…いえ、やるしかないのだけれど…」

ミアマック「ん?なんだ、今日は一人か?」

魔法使い「ええ…錬金倉庫を使っても?」

ミアマック「言ったはずだぜ、あんたがたならただで良いってな」

魔法使い「ありがとうございます…さて、早速取り掛からないと…素材になる鉱石は…5つしかないのね。錬金アイテムは2つしか作れない…やるしかないわね。まずはロックカウンタを作ってみようかしら…」

――ロックカウンタを錬金した

魔法使い「上手く出来たわ、早速商店に行ってお金にして…」

――オランド商店

オランド「はい、毎度ありがとうございます」

ナーウィ「なーんだ、掘り出し物じゃないのか、これだから新米冒険者は…」

魔法使い「それはまた今度ね。さて、次はいよいよ寺院に行って、誰か回収して生き返らせないと…」

――イルドラハ寺院

シスター「あら、また来たのですか?」

魔法使い「ええ、仲間の回収をお願いしたいのだけれど…」

シスター「そうですか、必要なご寄付はこちらになっています」スッ

魔法使い「…まるで料金表ね。ええと、回収料は……!?」

シスター「?失礼、どうかなさいましたか?」

魔法使い「……いえ、今回は出直してきます…」

シスター「?そうですか、ではまた…」

魔法使い「ええ、またすぐに来ます…まさか足りないなんて…もう1つ錬金アイテムを作って売るようね…」

――ミアマックの宿屋、錬金倉庫

魔法使い「これを…こうして…」

――ハトの呼鈴を錬金した

魔法使い「…ふう、きっとこれで大丈夫なはず…回収にあれほどの費用がかかるなんて…しかもあれはレベルで金額が変わるようね。レベルがその人の価値みたいで少し引っ掛かるけど、誰を生き返らせるか悩まなくて済む事だけはありがたい、かしらね…?」

――イルドラハ寺院

魔法使い「ふう、今度は足りるみたいね…すみません、仲間の回収を…」

シスター「はい、この方ですね、お待ち下さい」

魔法使い「…でも、お金は掛かっても便利なシステムには違いないわね」

シスター「…はい、お待たせしました、回収しましたよ」

魔法使い「ずいぶん早いわね…どういう仕組みなのかしら…では、蘇生は…」

シスター「はい、必要なご寄付はこちらになっています」

魔法使い「また料金表……足りない、けどこうして…はい、お願いします」

シスター「分かりました、しばらくお待ち下さい」

魔法使い「…外で待っているようね。この世界の蘇生は失敗して灰になる事もあるらしいけど、大丈夫かしらね…?」

シスター「お待たせしました。今、無事終わりましたよ」

魔法使い「無事に…良かったわ」

非常食「うにゃあ、これはどういった事で…??」

魔法使い「非常食、無事生き返って良かったわ、私達は全滅して…」

非常食「うにゃあ、そうだったんですにゃ…でもなんでみぃが最初なのですかにゃ?」

魔法使い「ええ、それはね、貴方のレベルが一番低かったから…つまり一番『安かった』からなの」

非常食「にゃ!?安かったですにゃ!?」

魔法使い「ええ、でもそれでも私の所持金では足りなかったから、貴方の所持金も使わせてもらったわよ」

非常食「にゃ、それは構いませんにゃ。ではこれからはどうしますにゃ?」

魔法使い「そうね…私達のお金を合わせれば、ぎりぎりもう1人回収してもらえるはずよ。その人のお金を使って蘇生したら、3人でお金を稼ぎにダンジョンに行きましょう」

非常食「にゃ、まずは誰を生き返らせますにゃ?」

魔法使い「まずは貴方のお嬢様にしようと思うの。心配でしょう?」

非常食「にゃ!?良いのですかにゃ?他の皆さんも…」

魔法使い「私の仲間達はこういうの慣れてるから大丈夫よ。さあ、魔戦士を生き返らせましょう。シスター、回収を…」

シスター「はい、お待ち下さい…お待たせしました」

非常食「にゃ、早いですにゃあ…」

魔法使い「では非常食、魔戦士のお金を…」

非常食「にゃ、お嬢様、怒らないで欲しいのですにゃ、失礼するのですにゃ…うにゃあ…」

魔法使い「どうしたの?」

非常食「蘇生には足りませんにゃあ…」

魔法使い「足りない、となると二人でダンジョンに来るしかなくなったわね…」

非常食「うにゃあ、不安は尽きませんにゃ…」

魔法使い「ええ、でもやるしかない…非常食、魔物よ!」

――何かに遭遇した!

非常食「にゃ、前はトロールですにゃ!」

魔法使い「トロールは任せたわよ、私は…ラロイド!!」ジジジ…

ブロブは麻痺した ブロブは麻痺した

非常食「にゃー!!ふにゃにゃー!!」ドカバギベギッ

トロールは死亡した

魔法使い「良いわよ、後は動けない敵だけよ!」

非常食「にゃ!ふにゃー!!」ドカバキッ

ブロブは死亡した ブロブは死亡した

非常食「にゃ、上手くいきましたにゃ!この調子なら早そうですにゃ!」

魔法使い「…と言いたい所だけど、町に戻りましょう…焦って宿に泊まらないで来たから、もう魔力が無いのよ。私とした事が…」

非常食「うにゃあ、それは仕方ないのですにゃ。でも焦りは禁物ですにゃ…」

非常食「にゃー!!にゃー!!ふにゃー!!」ドカバキッ

――アントライオンは死亡した

魔法使い「やったわね。それにしても非常食、調子良いわね」

非常食「にゃ、レベルが9に上がりましたからにゃ!」

魔法使い「昨日ちょっと戦った分で上がったのよね。二人だと1人ぶんの経験値が高いから…」

非常食「ですにゃ。それにこれでお金も貯まりましたにゃ。一旦帰ってはどうですかにゃ?」

魔法使い「そうね…ねえ、非常食。貴方と魔戦士には悪いんだけど、魔戦士を生き返らせるより先に他の皆を回収してもいい?」

非常食「にゃ?それは構いませんにゃ。他の皆さんも森の中では可哀想ですにゃ」

魔法使い「ええ、それもなんだけど…魔戦士はともかく、私や非常食は1人を回収出来る位のお金は持ってたわ。私は回収の対価で無くなってしまったけど…」

非常食「ホビットは抜け目ないですにゃ…」

魔法使い「だから、誰か1人を回収して、その人のお金でまた1人を回収して…を繰り返せば、全員回収出来た上に誰か1人蘇生することも出来ると思うのよ。どうかしら?」

非常食「にゃ、それは良いですにゃあ。もしかしたら1人と言わず二人、3人と生き返らせる事も出来るかもしれませんにゃ」

魔法使い「ええ、私もそれを期待してるのよ。よし、じゃあ帰りましょう。そろそろ私もあの子達の騒がしい声が聞きたくなってきたわ」

非常食「うにゃあ、みぃもお嬢様の声が…声が…聞きたくなって…きました…にゃあ…」

魔法使い「…無理に私に合わせなくて良いのよ…」

魔法使い「じゃあまずは…商人を回収するわね」

シスター「はい、少しお待ち下さい…お待たせしました」

非常食「うにゃあ、これは…なかおかお金を持ってましたにゃあ」

魔法使い「流石商人は貯めてたわね。それなのに手をつけるのは心苦しいけれど…このお金で竜王を…」

非常食「にゃ、こちらもなかなか…」

魔法使い「最後は盗賊を…この子はレベルが高いから少しお金も掛かるけど…」

非常食「これで3人…うにゃあ、これならもしかしてみんな生き返らせる事が出来るかもしれませんにゃ!」

魔法使い「かも、じゃなくてみんな生き返るわ。シスター、蘇生を…」

シスター「はい、お待ち下さいね」

魔戦士「っつ、ああ…ん、生き返ったのか…」

商人「痛たっ!?あ、あれ?ここどこだっけ…?」

盗賊「うう~、おなかへったぞ…」

竜王「ヘッタゾ…」

非常食「うにゃあ、皆さん生き返りましたにゃ!」

魔法使い「ええ、これで一安心ね。少しの間だったけど、長かった、わね…」

――マーシャの酒場

商人「あんまりお金ないけど…かんぱーい!!」

盗賊「かんぱーい!!」カチーン!!

魔戦士「はあ~、今回もひどい目にあったね」

魔法使い「行くところ行くところ魔物が強いわね…」

非常食「まだまだ地道にやらなきゃいけないですにゃ…」

魔戦士「ま、どっちみち今は金も無くなったし、安全に稼がないといけないだろうね」

魔法使い「そうね…現状複数死者が出たら厳しいわね…」

商人「それがさ、そこまで深刻でも無さそうだよ!見て見て、今回全滅する前に手に入ったお宝!」

盗賊「お?ほねでできたけんか?」

商人「これはね、獣骨の剣っていうの!あたし達が今まで見つけた武器の中じゃ一番だよ!!あとね、この穴あきローブと、あとながはなおうじっていう本が結構高く売れるはずだよ!」

魔戦士「へえ、本はともかくそのボロいローブがねえ?」

魔法使い「これは呪いの品よね?呪いの力を何が他に活用する方法でもあるのかしら…?」

商人「どうだろ…?とにかく、獣骨の剣は竜王ちゃんか誰かが使うとして、他を売ればそこまで金欠ではないよ!ここ最近で一番のピンチには違いないけど!」

魔法使い「結局金欠なのね…まあ竜王の転職の事もあるし、もう少し無理のない冒険をすることには違いないけれど…」

――翌日、ミアマックの宿屋

魔戦士「レベル10に上がったね。ま、呪文が使えないアタシのレベルが1つ2つ上がってもね」

魔法使い「そんなことないわよ。前衛がタフな方が助かるわ」

商人「そうそう!それより今日はやっぱりまたマウレアの森?」

魔法使い「まあそうね、今日は慎重に行動しましょう」

盗賊「まほーつかい、いつもそういってるけどさいきんぜんぜんだぞ!!」

魔法使い「う…それを言わないでよ…」

非常食「にゃ、でも今度こそは反省を踏まえて慎重にいきますにゃ?」

魔法使い「もちろんよ、今日は誰も死なない事が目標ね」

商人「そういえば最近は誰か1人は死んで帰ってきてたもんね。じゃあ今日こそ全員無事が目標だね!蘇生もタダじゃないし!」

魔法使い「結局お金なのね。まあ確かにその通りだけどね…」

――マウレアの森、北西部

非常食「うにゃあ、中心部にさえ行かなければ順調に戦えますにゃあ」

商人「だね!これでお宝さえ出れば言うことないけど…」

魔法使い「欲を言えばそうだけど、今日はまず無事に帰らないとね」

魔戦士「そうは言ってもまだまだ余裕あるだろ?もう少し先に進んでも良いだろ」

盗賊「お?このくさむらのなかはいるぞ!!」ガサガサ

商人「盗賊ちゃん、怪しい所見つけるの上手いよね…あれ?誰かいる…うわ、でっかいヒト!」

魔法使い「大きいわね…町では見掛けない種族のようだけど…?」

魔戦士「こりゃオーガだね。しかしみた所かなり弱ってるようだが」

盗賊「うーん、かたそうだぞ…」

商人「と、盗賊ちゃん、すぐ食べようとしないの!あのー、大丈夫ですか…?」

オーガ「ぐおおおお…腹が減って動けねえ…」

オーガ「コートラストのオーガのぶどうさえあれば…あれさえあれば…」

魔戦士「オーガのぶどうか。確かにオーガはコートラストでぶどう作りをしてるって話だね」

魔法使い「コートラスト…確かコートラストって…盗賊?」

盗賊「た、たすけないと…たすけてあげたいんだぞ!!くーふくはつらいんだぞ!!ふしあわせなんだぞ!!」

商人「と、盗賊ちゃんが人助けを…!でも…」チラッ

魔戦士「ああ、コートラスト要塞はこの森よりよっぽど危険な場所だと聞くよ。気の荒いオーガ達がウロウロしてるだろうしね」

盗賊「でもせんぱい…!!」

魔戦士「大丈夫だよ、オーガは見た目通り頑丈だ、あと何ヵ月か放っといても死にゃしないよ」

盗賊「ううー…」

魔法使い「オーガっていうのはそんなに丈夫な種族なのね、驚いたわ」

魔戦士「いや、流石に何ヵ月も持つかは分からないよ。丈夫な事には違いないがね」

商人「ええー!?」

魔戦士「そうは言っても、誰かのお願いを聞いて危険な場所に突っ込んでボロボロになるまでが最近のパターンじゃないか。危険だと分かってる場所にそうそう行ってられないだろう?」

魔法使い「そう…ね。でも盗賊がせっかく人助けをしようとしてるんだもの、すぐにとはいかなくてもそのうち助けてあげたいわね…」

――マーシャの酒場

非常食「にゃ、今日は無事に戻ってこられましたにゃ」

商人「うん、今日は黒字!!良いアイテムは出なかったけど…穴あきローブは値段的には悪くないし、今日はまずまず!!」

姉御「あ、みんな復活したの?早いね!」

魔法使い「ああ、姉御。お陰さまでね…」

盗賊「きゅーじょにカンシャしてるんだぞです!!」ビシッ

狩人「災難だったっすねえ。全滅もっすけど、その…」

魔戦士「何言ってんだ、おかげでこうしてまた冒険出来てるんじゃないか。ま、礼は言わないよ、対価は払ったみたいだしね」

竜戦士「ま、どっかの守銭奴にむしられたくなかったら全滅は止めででででで!!」ミシミシ…

姉御「だーれが守銭奴だ、誰が!!」グググ…

魔法使い「そうね、お金は別として、やっぱり全滅は嫌だから…」

商人「お金も別じゃないけどね!」

師匠「なに、お金は冒険をしていれば自然と貯まります。無理だけは禁物ですがな」

魔戦士「まーね、流石のアタシもこれからは無理は少なめにしとくよ。全滅しても何も良いことないからね…」

――翌日、訓練所

教官「よし、よし、良いね――よーし、合格だ!!じゃあ今日から晴れてあんたも君主だよ!!」

盗賊「おー!!やったなりゅーおー!!」キャッキャッ

竜王「…ヤッタゾー!!」ガオー

魔戦士「はあー、やっとこれで回復呪文不足から解放されるかね?」

魔法使い「だと良いわね…あら?竜王少し大人びたんじゃない?」

教官「ああ、転職すると一歳年を取るからね」

商人「どうゆう原理なんだろ…?でもそれだと魔法使いちゃんも転職するとき年取っちゃうね!」

魔法使い「………そうね」

盗賊「よーしりゅーおー、くんしゅになったしょしんひょーめーだぞ!!」

竜王「ガルル …アレフガルドハイタダイタ…」

非常食「にゃ、にゃんだか物騒ですにゃ…」

盗賊「よし、じゃあおーさまっぽいセリフそのさんじゅーなな!!」

竜王「セカイノハンブンヲオマエニヤロウ…」

商人「それじゃ魔王だからね!?」

魔法使い「さてと、竜王も君主になったし、私も一応レベル10になったし、今日はどこに行こうかしら…?」

魔戦士「それについてはアタシに少し考えがあるんだが…とりあえず竜王のレベルを上げたいわけだよね?」

非常食「にゃ、レベルが上がらないと回復呪文もままにゃらないですにゃ」

魔戦士「となるとだ、少し戦ってはレベル上げに宿屋に戻る事になるわけだが… れはまだ行ったことないダンジョンでやりたいんだ」

商人「レベル上げを行ったことないダンジョンで?」

魔戦士「ああ、その過程で魔物の強さを見極めて、攻略出来そうなダンジョンを見つける。で、竜王がある程度レベルアップしたらそのダンジョンを攻略にかかるってわけだ」

魔法使い「なるほど、良いかも知れないわ…とはいえ、あまりにも難易度が高そうな所もちょっとね…となると候補は光の庭、ウェーン、シェーベといった所かしら?」

商人「うーん、光の庭は姉御達が攻略してるっていうし、他が良いかなって思うけど…」

盗賊「とーぞくはコートラストいきたいぞ!!はらぺこオーガたすけるんだぞ!!」

魔法使い「コートラストは少し難易度が高そうだけど…少しなら行ってみても良いかもね。じゃあウェーン、シェーベ、コートラスト辺りに順番で行ってみましょうか?」

商人「そだね!新しいお宝もあるかもしれないし、楽しみ~!」

――ウェーン廃墟

盗賊「おお?ここまちなのか?」

魔法使い「廃墟、っていう位だから今はもう町とは言えないでしょうね…昔は栄えていたのでしょうけれど」

魔戦士「ああ、今にも亡霊の足音とか聞こえそうだねえ、カツン、カツンって…」

商人「ままま魔法使いちゃん、こわこわが怖がらなくてもだだだ大丈夫だよよ!?」

魔法使い「…その言葉、そっくりお返ししたいのだけれど…」

非常食「うにゃあ、ウェーンといえばカレテゴのお店の店員さんが水猫のぬいぐるみが欲しいと言ってましたにゃ。どんなものか興味ありますにゃ」

商人「あ、そういえばそうだったね!ちょっと、ちょーっとだけ元気が出たね魔法使いちゃん!」

魔法使い「私は別に元気無くなってないけど…」

非常食「にゃ、きっと可愛らしいぬいぐるみですにゃ。猫と言えば昔からマスコットですからにゃ」ニャフーン

盗賊「ん?ねこは食べものじゃないのか?」

非常食「ち、違いますにゃ!」

竜王「ウガー!!」ザクザクッ

――ベルセルクは死亡した

商人「やった!ここのモンスターもあんまり強くないね!」

魔法使い「そうね、このくらいならそう危険でもないかもしれないわね」

魔戦士「むしろ楽勝だね。少なくとも次の攻略候補にはしといて良いだろうね」

魔法使い「そうね…あら、宝箱よ、盗賊」

盗賊「おー!!まかせろー!!」カチャカチャ…

非常食「良いアイテムが出るといいですにゃあ」

商人「ホントだね!盗賊ちゃん、頑張れー!」

*おおっと 悪魔の目玉*

商人「わわっ、け、ケムリが…!み、みんな大丈夫!?」

魔戦士は石化した 非常食は石化した 竜王は石化した 魔法使いは石化した 盗賊は石化した

商人「え、ええ~!?こ、この廃墟であたし一人!?い、入り口が近いから良いけど…うう…」

――マーシャの酒場

魔法使い「うーん、まだ体が固まってるような気がするわね…」

魔戦士「ま、死ぬよりはマシだがね」

盗賊「つぎはしっぱいしないぞ!!ごはん!!」

竜王「ゴハンー!!」

商人「あーあ、一人で心細かったよ…」

魔法使い「悪かったわね、良く頑張ったじゃない」

魔戦士「小娘はあれだけ入り口が近くても怖かったのかい?情けないねえ」プッ

商人「ふーんだ、あたしコムスメじゃないし…よし、鑑定終わりー!」

非常食「にゃにか良いものはありましたかにゃ?」

商人「えっとね、これ、ブーメラン!後列から相手の後列にも攻撃が届くスグレモノだよ!じゃあこれ、盗賊ちゃんに、はい!」

盗賊「おー、あたらしいぶき!!」キャッキャッ

魔戦士「こいつは良いね。後輩の攻撃力不足は前から気になってたんだが、これで改善されるんじゃないか?」

魔法使い「ええ、ウェーンに行ったのは正解だったわね。さあ、明日はシェーベよ、明日も良い冒険にしたいわね…」

――翌日、シェーベ遺跡

――ワイバーンの行動:ブレス

魔戦士「くっ…!腐ってもドラゴンか!このっ!!」ドコッ

ワイバーンは死亡した

非常食「うにゃあ、ここはウェーンよりも魔物が強いようですにゃあ」

魔法使い「ワイバーンだったかしら?ドラゴンの中では最下級とはいえ、ちょっと歩いてる間に2回も遭遇したものね…」

商人「は、廃墟っていうのもちょっと、ちょーっとだけ怖いよね、べ別にあたしはほら何ともないけどほら、魔法使いちゃんは大変だろうなーって!」

魔法使い「…まあ、そういう事でも良いけど…」

魔戦士「これはウェーンよりは後回しだろうね。竜王は例のドラゴンロードの試練とやらをやりたいだろうけど」

竜王「ウガー…シカタナイ…」

盗賊「いつかまたくるぞりゅーおー!!」

魔法使い「そうね、もう来ないというわけでもないし…さあ、帰りましょう。魔物が強かった分、アイテムは強力だと良いけど…」

――マーシャの酒場

非常食「うにゃあ、全員生きて帰ってこられた喜びを感じますにゃあ…」

商人「そだね、死にさえしなければまず黒字だし!さ、鑑定鑑定…」ガチャガチャ…

魔戦士よ今日宿に泊まればおそらく竜王はレベル3か。君主はレベル4から呪文を覚えるんだったかな?」

魔法使い「確かそうだったわね。明日はコートラストに行って、明後日にはレベル4になるわね」

盗賊「そーしたらほんかくてきにぼーけんさいかいだな!!」

魔法使い「そうなるわね。今までの感じだとウェーンになりそうだけど…まあ明日終わって見てからね」

盗賊「とーぞくはコートラストがいいぞ!!あ、しょーにんかんてーは?」

商人「た、大したモノはなかかかかかかったたた…」

魔法使い「…また触ったのね…」

魔戦士「全く、小娘だねえ。しかし今日は使える装備はなしか。ちょっと歩いた程度だから何とも言えないが、装備的にもシェーベよりはウェーンかねえ…」

――コートラスト要塞

商人「このっ…バラドス!!」ゴオー

デーモンインプは死亡した デーモンインプは死亡した

魔法使い「後はオークね…ラロイド!!」ジジジ…

オークは麻痺した

竜王「ウガー!!」ザクザクッ

非常食「うにゃにゃー!!」ドカバキッ

オークは死亡した オークは死亡した オークは死亡した

盗賊「おー、とんそくたくさん!!」キャッキャッ

魔戦士「ちっ、魔物の数が多すぎるよ、どうなってんだい」

魔法使い「そうね、1回1回の戦闘での魔物の数が他とはかなり違うわね。強さはそれほどではないけど…ここはやっぱり後回しね…」

盗賊「むー…しかたないぞ…」テキパキ

商人「落ち込みながらも素早くオークを解体してる…」

魔戦士「しかし、仕方ないとはいえこのペースで大丈夫なのかねえ?他のパーティーにかなり先行されてるんじゃないのか?」

魔法使い「それは気になるけど…今は仕方ないわね…」

――光の庭、3F

魔術師「――世界がプルプル震えたよ 壊れて消えるの怖いよと この世の全ては吹き飛んで この物語はハイお終い――エンテルクミスタ」キュオッキィーン!!

ウィアードケルプは死亡した キャリオンクロウラーは死亡した ウィアードケルプは死亡した ツインスコビルは死亡した ツインスコビルは死亡した

狩人「こ、これが最強の呪文っすか…!すごいっすね、敵が全滅したっすよ…」

竜戦士「いや最強は良いがよお、もうちょっと強そうに呪文唱えてくれよ!!」

師匠「うむ、素晴らしい。最早教えることも無くなったようですな」

魔術師「………まだまだ…」

姉御「さーて、宝箱の開錠開錠!んー、よし!!あ、剣が出てきた!師匠、鑑定よろしく!!」

師匠「お任せ下さい…こ、これ…は…!?」

魔術師「…師匠!」

師匠「…!いや、申し訳無い、触ってしまったようです。しかし…これはただならぬ逸品のようですぞ」

姉御「師匠が見た途端に恐怖状態になる剣…これはもしかすると探してたアレがいきなり見つかったのかも!!よーし、じゃあ帰ってお店で鑑定してもらおうよ!!」

――マーシャの酒場

商人「よーし、鑑定終わり!今回はこれ、サレッドが見つかったよ!!竜王ちゃん、これあげる!!」

竜王「アタマボウグ…」

盗賊「よかったなりゅーおー!!」

魔法使い「流石に前衛でいつまでも毛皮の帽子じゃ心細いものね」

姉御「やっほー!!元気?」

非常食「うにゃあ、姉御さん。今日はいつにも増してゴキゲンですにゃあ」

姉御「うふふー、分かる?じゃーん!!今日はこれ見つけたの!!」シャキーン

魔戦士「ああ?なんだいその古臭い剣は?」

商人「ま、待って…それって、それって天老剣!?」

師匠「おお、分かりますかな、流石商人殿」

商人「え?いやー、それほどでもあるかなー」ドヤッ

魔法使い「何ドヤ顔してるのよ…それって物凄くレアな物よね?もうそんな物が手に入るような冒険をしてるのね…」

竜戦士「はっはー!!ボーッとしてると俺らが全部貰っちまうぜ!!」

商人「うう、そんな事言われると焦っちゃう…でも今は我慢我慢、そのうちきっと…」

――翌日、ミアマックの宿屋

魔戦士「今日はアタシと竜王がレベルアップか。アタシは11、竜王は4だね」

竜王「カイフクジュモン…オボエタ…」

商人「あーあ、パーティー唯一の癒し系の立場が…」

盗賊「もともとそんなたちばないぞ!!」

商人「そ、そんな事ないよ!!癒し系だよ!!」

魔法使い「何バカなこと言ってるのよ…それより今日からウェーンの攻略を始まるわよ。本当はもう2、3泊して竜王のレベルアップを待ちたい所だけど…」

非常食「他のパーティーにああも先行されてると休めませんにゃあ…」

魔戦士「だね。とっととウェーンを攻略しちまわないとね」

魔法使い「ええ、幸いにも目的の水猫のぬいぐるみは友好的なウンディーネが持っているという話だったはす。ロルファンの時みたいに強敵との戦闘はないはずよ」

魔戦士「問題はたどり着けるかどうかだけだね」

商人「よーし、頑張ってぬいぐるみ探そうね!!じゃあ行くよー!!」

――ウェーン廃墟

魔法使い「さて、今日から本格的な冒険に戻るわね」

商人「よーし、今日こそ、今日こそすっごいレアなモノ見つけるよ!!」

魔戦士「なんだい小娘、ずいぶんいきり立ってるじゃないか?」

商人「コムスメが誰かは知らないけど、あたし達ってあまりにもレア運無くない?姉御達は天老剣にイノセントマントに、お店にローズガントレットも置いてたよ!!」

魔戦士「あれは欲しかったねえ。高かったから買えなかったけどね」

非常食「フランベルジュより高いとは思いませんでしたにゃ…」

商人「それなのにあたし達は獣骨の剣とかブーメランで喜んでるレベル…どっちも姉御達見つけてるし!!戦力差は開くばかり!!」

盗賊「フランベルジュくらいとーぞくたちがかうべきだったとかいてるやつもこーかいしてるぞ!!」

魔法使い「何の話よ…姉御達は私達より難易度の高い場所で活動してるんだもの、ある程度アイテムに差が出るのは仕方ないとは思うけど…」

商人「にしても!!にしてもだよ、この差はあんまりだよ!!多分レア運吸いとられてるよ!!でもそれも今日まで!!今日は、今日こそはすごいの見つけてみせるんだから!!さあみんな、行くよー!!」

魔戦士「――へえ、このダンジョンは水路を船で進むんだね」

魔法使い「そうみたいね。昔は水の都みたいな所だったのかしら…?」

盗賊「これふねか?なんかしょぼいな!!」ユサユサ

商人「ちょ、盗賊ちゃん揺らさないで…」

魔法使い「確かに小さな船だけど…昔私達が使ってた船みたいなのが通れるほど大きな水路じゃないから仕方ないわね…」

非常食「そういえば皆さんは昔自分の船を持ってたそうですにゃあ。素晴らしいですにゃあ」

魔法使い「今持ってない以上何の自慢にもならないけどね…水路もだいぶ進んだわね」

魔戦士「お、あそこにはしごがあるよ。あそこからまた陸に上がれば良いんじゃないか?」

魔法使い「そうね。じゃあ上がってみましょうか。目的の水猫のぬいぐるみがすぐに見つかれば良いけど…」

魔戦士「いくつか建物と、その入り口の扉があるね。片っ端からいってみるかい?」バタン

――何かに遭遇した!

商人「モ、モンスターが3体!!ヘビ…トカゲ!?」

魔法使い「確かバジリスクと言ったかしら?毒のブレスを吐く厄介な魔物だったはず、気を付けて!」

魔戦士「一気に全滅させたい所だが、まだ竜王のブレスは範囲が狭い、小娘!呪文だよ!」

商人「あたしコムスメじゃないけど、もう魔法使っちゃうの!?先は長いし、節約したいな…」

魔法使い「じゃあ私がやるわ――戦火に目覚めよ、我が内に眠る竜よ!!その荒ぶる魂、吐息となりて敵を討て!!パムデウン!!」ゴオー

非常食「にゃにゃ!?ブレスですかにゃ!?」

魔法使い「…!やっぱり私のブレスでは力不足よ、とどめお願い!」

竜王「ウガー!!」ザクザクッ

盗賊「てやー!!」ヒュンヒュン

――バジリスクは死亡した バジリスクは死亡した バジリスクは死亡した

商人「やった!てゆうか魔法使いちゃん、ブレス吐けたんだ…いつの間にドラゴニュートになったの?それともドラゴラム?」

魔法使い「違うわよ、今のはパムデウンっていう錬金呪文でブレスが吐けるようになったの。でも体力のない私のブレスじゃたかが知れてたわね…」

魔戦士「ブレスは威力が体力に依存するからね。でも敵に痛手を与えるには十分だったよ。さて、この調子で探索が進めば良いが…」

商人「――悪意ある言葉、神の名において沈黙せよ!!タシフ!!」ピュイーン

――ビストーラは沈黙した

魔戦士「よし、厄介な悪魔も呪文が使えなければどってことないね!そらあっ!!」ガンッ

――ビストーラは死亡した

商人「やった!さすがあたし!!すごいでしょ?ね、ね?」

魔法使い「そうね、よくやったわ。盗賊、宝箱を…」

盗賊「おおー、まかせろ!!」カチャカチャ…

魔戦士「良いものが出ると良いがねえ…」

*おおっと テレポーター*

商人「え!?あ、これって――」ヒュオオーン

――

非常食「にゃにゃ!?こ、ここは!?いしのなかじゃないですにゃ!?」

魔法使い「待って、落ち着いて…大丈夫、ちょっと戻っただけよ」

盗賊「おおー、たのしかったな!!」キャッキャッ

商人「たたた楽しくないよーびっくりした!お願いだからテレポーターは止めてよ…」

商人「…このゾンビ犬め、燃えちゃえー!!バラドス!!」ゴオー

ゾンビファングは死亡した ゾンビファングは死亡した

盗賊「とおー!!」ヒュンヒュン

ゾンビファングは死亡した

非常食「やっつけましたにゃ!でも毒をもらってしまいましたにゃ…」

商人「待って非常食ちゃん…我が手は清め、友を蝕む穢れを祓わん…ビネムフィ!!」パアア…

非常食「うにゃあ、毒が消えましたにゃ。ありがとうございますにゃ」

商人「どういたしまして!!毒も傷も癒し系のあたしに任せてよ!!」ドヤッ

魔法使い「でもそろそろ魔力切れる頃じゃないの?」

商人「え?えーと…えへへ…」

盗賊「もうまりょくぎれか?なさけないな!!」

商人「しょ、しょうがないでしょ!ここ毒持ってる敵多いんだもん!!」

魔戦士「確かに腹立たしい敵が多かったね。全く、毒持ってる奴は例外なく腹立たしいよ」

非常食「言葉にトゲトゲがありますにゃあ…」

魔法使い「そういえば非常食は毒持ちだったわね…それはそうと、回復役の魔力が切れたなら戻るしかないわね。あと帰ったら竜王に光の魔印を買ってあげないとね。せっかく回復呪文が使えても、効果が低いとね…」

――マーシャの酒場

魔戦士「しかし今日はかなり広い範囲を踏破出来たんじゃないか?」

魔法使い「そうね、フロアの半分、とまでは行かないにしても、あと1、2回の探索でほぼ踏破出来そうね」

盗賊「まものもつよくないしな!!」

非常食「中には恐ろしい悪魔もいましたけどにゃあ…」

商人「んー、鑑定終わりー…」

魔法使い「あら、テンション低いわね。という事は今回は…」

商人「うん、あんまり良いの無かった…錬金素材位かな~」

魔戦士「ちっ、なかなか装備でパワーアップとはいかないねえ」

商人「うん…特に魔法使いちゃんは最初から全然装備変わってないよね?」

魔法使い「私は大丈夫よ、困ってないもの。でもそろそろ誰のでも良いから1つくらいすごい装備が欲しいわよね」

商人「竜王ちゃんの獣骨の剣とかも悪くはないけど…やっぱりこれ!っていうのが欲しいよね…」

非常食「にゃ、とりあえず買い物に行ってはどうですかにゃ?もしかしたら何かあるかもしれませんにゃ」

魔法使い「そうね、とはいえどうしてもお店だと姉御達のお下がりになるわけだけど…」

――オランド商店

ナーウィ「あ、また駆け出しがきたぞー!お前らは全然掘り出し物持ってこないからなー、この三流冒険者!」

オランド「これ!ナーウィ!」

商人「むー、言い返せないのが悔しい…さてと、まずは竜王ちゃんに魔印だよね?」

魔法使い「ええ、回復呪文の効果を上げないと…ああ、1つだけ売ってたわね」

魔戦士「売り切れる所だったじゃないか、危ないね。さて、他何かないかねえ」

盗賊「あ、りゅーおー、これどーだ?」シャキーン

魔戦士「ククリか、サブ武器には良いね、いつまでもショートソードじゃ格好つかないしね」

竜王「コレデ…コウゲキリョクアガル…」

魔法使い「まだまだ私達は火力不足。少しでも攻撃力は上げないとね。それにしても本当、これは!っていう武器が欲しいわね」

ナーウィ「ほんとほんと!頼むぞ駆け出し!」

商人「ははは、努力します…」

――翌日、ウェーン廃墟

アイウィングの行動:ビネム アイウィングの行動:ビネム アイウィングの行動:ビネム

非常食は毒を受けた 竜王は毒を受けた 商人は毒を受けた

魔戦士「ちっ!屋らしい敵だね!このっ!!」ドガッ

商人「き、気持ち悪いけど…バ、バラドス!!」ゴオー

アイウィングは死亡した アイウィングは死亡した アイウィングは死亡した

魔法使い「よし、商人、悪いけど早く解毒呪文を!」

商人「わ、分かってる…ビネムフィ…ビネムフィ…ビネムフィ…」パアアアアア…

竜王「ナオッタ、アリガトウ…」

非常食「いつもお世話になりますにゃあ」

商人「だいじょーぶ…あーあ、またこれで解毒魔法はもう使えないよ…」

盗賊「もうか?しゅぎょーがたりないぞ!!」

魔法使い「そう言わないの。今日も予定程ではないにせよ結構探索も進んだし、今日宿に泊まれば…」

魔戦士「竜王が解毒呪文を覚える可能性はあるね。そしたら明日はもっと長く冒険出来るだろうさ」

商人「そだね。じゃあ今日はもう帰ろうか…なんか今日も良いアイテム無さそうだけど…」

――翌日、ウェーン廃墟

商人「はあ…昨日も良いもの無かったね…あたし達の運の無さって…」

魔法使い「まあ仕方ないわよ…死人が出なかった分黒字だったんでしょう?」

非常食「にゃ、それに今日こそ良いものが出るかもしれませんにゃ」

魔戦士「とはいえ、あっちのパーティーの連中も言ってただろう?最初のフロアにはそんなに期待するなってさ」

盗賊「おー、つぎにいくのかせんぱい?」

非常食「にゃ、でもこのフロアはまだ踏破してませんにゃ」

魔戦士「そんなこと言っても、このフロアで虫やネズミと戦ってもろくにレベルも上がらないだろう?レベルアップの為にもアイテムの為にも、もっと先に行くべきだと思うがねえ」

魔法使い「確かに、ここの魔物ではレベルアップもままならなくなってきたわね…分かったわ、もっと先に進みましょう。今まで探索した分で、この先の道にもある程度見当が付いてるし…」

商人「そだね、もっと良いもの欲しいもん、多少危険でも、あたし達6人なら…」

盗賊「おー、またふねにのるんだな!!」ユサユサ

商人「ゆ、揺らさないで…」

魔戦士「多少揺らした位で落ちやしないよ、全く小娘は…」

商人「あたしコムスメじゃないけど、万が一があったら大変でしょ!」

竜王「テキ!!テキ!!」ガオー

――何かに遭遇した!

魔法使い「前衛は…トロールね、どうやって水面に立ってるのか気になるけど…」

盗賊「それはきっとふれちゃいけないんだぞ!!」

非常食「うにゃあ、深いですにゃあ…後ろには…にゃ!?精霊の群れですにゃ!」

魔戦士「ウンディーネ、ミヅチに水のエレメンタルか、呪文が厄介だね、気を付けなよ!」

非常食「前衛はみぃが倒しますにゃ!うにゃ!!うにゃにゃー!!」ドカバキゴキメキグギャッ!!

トロールは死亡した

商人「非常食ちゃん、すごい!!よーし、あたしも…炎の精霊よ、その巨大な翼を広げ――彼の敵に灰の抱擁を!!マバラド!!」ゴオオ-

魔法使い「倒すまではいかないわね、水の加護のおかげ…?私は動きを止めるわ、ラロイド!!」ジジジ…

ミヅチは麻痺した

水のエレメンタルの行動:マグラス

魔法使い「くっ、後衛を狙って…!?いけない…!」

魔戦士「ちっ、大丈夫かい!?」

商人「な、何とか平気…でも次は持たないかも…」

魔戦士「ああ、トロールがいなくなったから後は精霊共をぶちのめすだけだよ!!そらあっ!!」ゴンッ

竜王「ウガー!!」ザクザクッ

ウンディーネは死亡した

非常食「にゃー!!うにゃー!!」ドカバキッ

ミヅチは死亡した 水のエレメンタルは死亡した

商人「終わった…だ、大丈夫魔法使いちゃん!?」

魔法使い「ええ、何とかね…水上は丘より強い敵が出るようね、油断してた訳じゃないけど…」

魔戦士「確かに少し驚いたが、全員生き残ったらアタシ等の勝ちさ。それにほら、次のフロアはもうすぐだよ」

魔法使い「そうね、いよいよこの廃墟の北側に行くことになるわね…気は抜けないわね」

――ウェーン廃墟、市街地北

商人「ここから北のフロアかあ…南と会わせると、すごく大きな町だったんだろうね…」

魔法使い「そうね…でも今は廃墟、時の流れは残酷ね…」

魔戦士「さあ、感傷に浸ってる場合じゃないよ。ここから丘に上がれるみたいだね、行ってみるよ」

盗賊「んー、あんまりみなみとかわらないなー…」

非常食「にゃ、でも何やら恐ろしげな気配が…にゃにゃ!?」

――何かに遭遇した!

商人「あ、あれはお侍さんと…お侍さんのゾンビ!?な、なんで生きてるお侍さんと死んでるお侍さんが一緒にいるの!?」

魔法使い「何故って言われても…それより、後列にも侍のゾンビがいるわ、油断しないで!」

竜王「ウガー!!」ヒュッ

――落武者は切り返した!

竜王「ガ!?ウガー!!カ、カエサレタ…」

商人「え!?どうなったの!?竜王ちゃんが斬りかかったのに返されて…?」

魔戦士「つばめ返しだ!物理攻撃を切り返す事で、ダメージを受けずに反撃まで出来る侍の高等技だ!」

魔法使い「侍の…!なら直接攻撃は控えないと…パムデウン!!」ゴオー

――スケルトンは死亡した

非常食「にゃ、そうは言ってもみぃは殴らないと…か、返さないで下さいにゃ、うにゃー!!」ドカバキッ

――ロウニンは死亡した

商人「倒せた…!いつも返される訳じゃないんだね…そっか、高等技術ならいつもいつも出来ないよね、これならいける…?」

落武者の行動:刀 落武者の行動:青笹百刃

非常食「ぐにゃ!?よ、よく切れる刀ですにゃあ…」

商人「関心してる場合じゃないよ!ミサーマ!!」ポワワーン

落武者は眠った

魔法使い「よし、後列は私が…ラロイド!!」ジジジ…

落武者は麻痺した 落武者は麻痺した

魔戦士「よーし、これなら勝ったも同然だ、一人ずつ片付けるよ!!」

盗賊「おー!!ぼっこぼこだー!!」ガオー

商人「…ふー、さっきのお侍さん達はちょっと強かったね…それにやっぱりゾンビは苦手だよ…」

魔法使い「まあ私も得意ではないけどね…でもここはアンデット系がうじゃうじゃいる、という程ではないけど結構いるわね…」

魔戦士「廃墟だからね、在りし日の面影に囚われた亡者なんかも多いだろうさ」

商人「うう…やだなあ…」

盗賊「そーだな、やっぱり食べるならなまだな…」

非常食「うにゃあ、食事は町に帰ってからにしたいですにゃあ…」

商人「同じく…でもまだ帰る訳にはいかないよ、まだアイテム小手1つしか見つけてないもん!」

魔戦士「そうだね、せっかく奥まで来たんだから、もっとたくさん戦利品がないとね…お、部屋があるね」

盗賊「よーし、あけるぞー!!」バン!!

――何かに遭遇した!

魔法使い「魔物よ、気を付けて!相手は、エクトプラズムにゴーストメイジにファントムにゴーストシーフに…」

商人「お化けばっかりじゃん!もうアンデットはやだよ~!!」

非常食「うにゃあ…強かったし数も多かったですにゃあ…」

商人「うう…お化けとゾンビばっかりだったよ…」

魔法使い「そう言わないの。ほら、宝箱があるわ。盗賊、お願いね」

盗賊「おー、まかせろー!!ここを、こうして…あっ!!」カチッ

*おおっと 悪魔の目玉*

魔戦士は石化した 竜王は石化した 盗賊は石化した

非常食「にゃにゃ!?お嬢様!!」

商人「と、盗賊ちゃん、竜王ちゃん!?」

魔法使い「石化の罠…!危険な罠に引っ掛かったわね。探索はここで終了ね。でも、むしろ全滅しなかった事を喜ぶべきかしら…」

商人「そうだね、そうだけど…今回は今見つけた帽子とさっきの小手1つずつだけ…ああ、今回も外れの予感…」

――マーシャの酒場

魔戦士「ああ、肩が凝るよ。石化したせいかねえ?」

盗賊「いしになったらおなかへったぞ!!」パクムシャ

魔法使い「貴方はいつでもお腹空いてるじゃない…」

商人「あー…やっぱり今回も外れだあ…」ションボリ

非常食「にゃ、2つしか持って帰れなかったですからにゃあ…」

商人「それにしたって皮の小手と毛皮の帽子はないよ…あーあ」

魔法使い「まあ、今回はアクシデントがあったから仕方ないわ。次はもっとたくさん持って帰って来られるわよ」

魔戦士「明日にはまた竜王のレベルも上がるだろうしね」

非常食「みぃも上がりそうですにゃあ」

商人「うーん…そうだね、明日明日!明日頑張ろー!!」

――翌日、マーシャの酒場

魔戦士「全く、スペルブラスターに引っ掛かって麻痺とは、全く小娘だねえ」ハア-

盗賊「だらしないな!!」

商人「ス、スペルブラスターに引っ掛かったのは盗賊ちゃんでしょ!?あとコムスメじゃないし!」

魔法使い「はいはい、貴方は鑑定よろしくね…でも、一人が麻痺しただけで引き返して来ざるをえない現状は少しもどかしいわね…」

竜王「ソロソロ…マヒカイフク…オボエル…」

魔戦士「お、流石だねえ。どこぞの小娘とは違う」プッ

商人「コムスメじゃないし!!」

魔法使い「はいはい、それで鑑定結果はどうだったの?」

商人「それが…昨日よりは良いけど、見たことあるモノばっかり…あー、明日こそはすごいお宝をゲットしたいよ…」

――ウェーン廃墟、市街地北

魔法使い「ここまでは何事もなく来たけど…この扉の先が前回引き返した所ね…」

盗賊「しょーにんがマヒしたとこだな!!」

商人「盗賊ちゃんが解除に失敗したからでしょ!?」

非常食「にゃ、逆を言えばわにゃにさえ引っ掛からにゃければ大丈夫なはずですにゃ」

魔戦士「だね、魔物にやられた訳じゃない、必要以上にビビる必要はないよ」

魔法使い「確かにそうだけど、でも油断は禁物よ。準備は良いわね?じゃあ…開けるわよ!」バタン

――友好的なモンスターだ

商人「え!?え、えーと…こ、こんにちは…と、通っても…?」

魔法使い「良いみたいね…戦わなくて済んだのは良いけど、少し拍子抜けかしらね…」

非常食「…にゃ、この部屋は…にゃかに井戸がありますにゃ」

魔戦士「部屋の中に井戸ねえ、何か有るだろうねえ」

商人「そ、そうなのかな…そーっと…わっ!?」

――何かに遭遇した!

盗賊「おお!?まものだぞ!!食べるぞ!!」ガオー

魔法使い「待って盗賊!この魔物は…」

――友好的なウンディーネだ

商人「あ、このコが話に聞いてた友好的なウンディーネ?えっと、あたし達は敵じゃなくて…」

ウンディーネ「………」スッ

非常食「にゃ!?これは…可愛らしいぬいぐるみですにゃあ」フニャーン

――水猫のぬいぐるみを手に入れた

魔戦士「お、目的のモノを手に入れたね。目的のモノが手に入ったの、何気に初めてじゃないか?」

魔法使い「頭痛薬以来かしら…ダンジョンで手に入れたのは初めてね。やっとやり遂げたけど、ここまで長かったわね…」

商人「んー、このぬいぐるみ、可愛いねー!」

魔法使い「ぬいぐるみってこういうものよね…なんで私はぬいぐるみを着てたのかしら…」

非常食「着てたのですかにゃ!?それはそうと、これからどうしますにゃ?目的は達しましたがにゃ?」

魔戦士「そりゃこのまま探索を続けるんだろう?魔力の余裕もあるだろうしね」

商人「まあ、もうちょっとは大丈夫かな?」

竜王「マダ、ダイジョブ…」

魔法使い「私ももう少しいけるわね。じゃあもう少し進んでみる?」

盗賊「もうすこし食べなくてもだいじょーぶだぞ!!」

商人「よーし、じゃあ続けよっか?まだアイテムもあんまり見つかってないし…」

魔法使い「せめて1つ位、他のパーティーにも負けないような物が欲しいわよね…」

魔戦士「それくらいのモノがあれば冒険もらくになるだろうしね。ま、数多く持ち帰ればその可能性も上がる、少しでも多く手に入れて帰りたい所だねえ…」

商人「…探索を続けるとは言ったものの、あの井戸で行き止まりだったから南に戻ってぐるっと回って…」

盗賊「またきたにきたぞ!!」

魔法使い「誰に説明してるの…?まあ、道のりは長かったけど、前もって見当はついてたからそう難しい行程でもなかったけれど…」

非常食「にゃ、ここからまた未踏破の場所を埋めて…」

――何かに遭遇した! 敵の奇襲

アイウィングの行動:ビネム

竜王「グ…ドク…」

アイウィングの行動:ビネム

盗賊「おお!?ううー、ぐあいわるいぞ…」

アイウィングの行動:ビネム

魔戦士「くっ…奇襲か、しくじったね…!」

魔法使い「戦闘準備を!立て直すわよ!」

非常食「にゃ、皆さんに毒が回って大変ですにゃ!」

商人「ああ、解毒魔法を使わないと…!うう、この調子だとまた魔力が無くなりそう…」

魔法使い「――ふう、ここの敵は強すぎる、という事はないけど数が多くて手こずるわね…」

商人「ちょっと魔力が心配になってきたよ…」

盗賊「おなかへったー!!」

魔戦士「魔力がなくなったら仕方ないね、当初の目的も達成した訳だし、ここらが引き上げ時かねえ」

魔法使い「そうね、じゃあみんな船に乗って。引き返すわよ」

商人「はーい!うーん、今日は良いアイテムあったかなー?数はそれなりだし…」

竜王「テキ!!テキ!!テキ!!」ガオー

――何かに遭遇した!

盗賊「おお!?さかなのゾンビがいるぞ!!」

魔法使い「あとあれはミズチだったかしら?奥は…人魚?」

魔戦士「まさか…!竜王!魔法使いを庇いな!!魔法使い、マハマハだ!!」

マーメイドクイーンの行動:ラグラス

商人「ラ、ラグラスってマヒャド的な…!?み、みんな…!」

非常食「うにゃー!!…あ…」ガクッ

非常食は死亡した

魔法使い「非常食!いけない、マハマハ!!」ポゥーン

――撤退した

商人「ひ、非常食ちゃん!!い、今の敵なに!?あんな魔法…」

魔戦士「あれは恐らくマーメイドクイーンだ。普段は深海にいると聞いたが、何故こんな所にいるのか…」

魔法使い「とにかく、慎重に進みましょう。商人、竜王、回復をして――さあ、戻りましょ…」

――何かに遭遇した!

盗賊「おお!?またメスマーマンだぞ!!」

魔戦士「おいおい、なんでこんなにマーメイドクイーンがいるんだ!?おかしいだろう!」

魔法使い「逃げるわよ!!マハマハ!!」ポゥーン

――撤退した

魔法使い「ふう…まずいわね、もうマハマハは使えないわ。魔力が…」

商人「だ、大丈夫だよ、もうちょっとで南のフロアに着くし!それにしても、ここってあんなすごいモンスターがウロウロしてるような所だったんだね…」

――ウェーン廃墟、市街地南

魔法使い「…ふう、何とかこちらまで来たわね。まだダンジョンの中だから一安心とはいかないけれど…」

商人「うん、ここまで来ればあっち程のモンスターは…」

――何かに遭遇した!

盗賊「おお!?むしがたくさん!!…でもあんまりおいしくなさそうだぞ…」

商人「む、虫っていうか…虫っていうか…!こ、これってゴキブリ…しかもあ、あたしの顔の5倍くらいおっきい…!」

魔戦士「ゴキブリ?これはアルティメットランナーってんだよ、あといくらなんでもそんなにあんたの顔小さくないからね小娘」

商人「コムスメじゃな…ま、魔法使いちゃん、何とかしてよあれ!…魔法使いちゃん?」

魔法使い「………」コキーン

盗賊「おお!?まほーつかい、せきかしたのか!?」

商人「た、大変だよ…魔法使いちゃんが余りの光景に動けなく…」

――アルティメットランナーの行動:増援

商人「ぎゃー!!ふえたー!!た、助け…や、やー!!」

魔法使い「………」コキーン

魔戦士「ほら、しっかりしろあんた達!ったく、こんな事で他のパーティーに追いつけるのかねえ…」

姉御「さて、天老剣も手に入ったし、たまには他のダンジョンもね!」

師匠「良いアイテムが手に入ると良いですな」

竜戦士「つってもなあ、光の庭の3Fより良いもんなんてそうねえだろ」

狩人「いやあ、でも俺はブーメランのもっと強いのみたいなのが欲しいっすよ。敵も強くなってきたし、そろそろリーダーには後衛に下がってもらった方が…」

姉御「ん?狩人君私の事が心配なの?」

狩人「いや、そりゃ心配ってかその…」シドロモドロ

姉御「大丈夫だよ、狩人君は心配症だね!!」

狩人「…あ、はい」

魔術師「……鈍い…」

――何かに遭遇した!

師匠「む、あれはアルティメットランナー…面倒な敵ですな」

竜戦士「よっしゃ!!バリバリ狩ってレベルアップだな!!姉御!!…姉御?」

魔術師「もう…逃げた……」

竜戦士「いねーのかよ!!」

狩人「ああ、リーダー虫苦手っしたね…しかし電光石火っすね…」

竜王「ミンナ…サキニニゲタ…」

商人「ご、ごめんね竜王ちゃん、あそこまで増えるとあたし達じゃ打つ手ないし…」

魔法使い「マハマハが使えればみんな一緒に逃げられたんだけど…倒すにも逃げるにも魔力が足りなかったわね…」

魔戦士「ま、魔力があってもまともに戦えたかは疑問だけどね」

魔法使い「ぐっ…まさかあんな大きな…いえ、言い訳ね、ごめんなさい。次はきっと…」

姉御「やっほー!!なんか元気ないね?金欠?おごらないけど!!」

商人「あ、姉御こんにちは。さっきダンジョンでアルティメットランナーの大群にあって…」

姉御「あ、アルティメット!?」ビクッ

魔法使い「…?姉御?様子が変だけど…」

狩人「あー、一見無敵のうちのリーダーもアルティメットには弱くて…」

魔術師「…アルティメットというか…虫全般…」

竜戦士「ったくよう、普段はお転婆なのに虫ごときにでででで…!」ミシミシ…

姉御「虫には弱くてもキミには負けないぞ!!」ギリギリ…

盗賊「おー、さすがあねご!!」

魔戦士「なるほど、アルティメットを一匹捕まえて目の前で放せばフランベルジュくらい寄越すかもしれないね。あんた捕まえてきな」ギリギリ…

非常食「に、にゃあ、生き返ったばっかりのみぃをもっと労って欲しいにゃ…」ミシミシ…

師匠「はて、皆さんは悪のパーティーでしたかな?」

魔法使い「いえ、善です、一応…」

商人「あ、いけない、鑑定しなきゃ!」ガチャガチャ

狩人「皆さんは酒場で鑑定するんすね。俺らはダンジョンでやっちゃうっすけど」

魔術師「…リーダーが…酒場まで我慢出来ない…」

姉御「だってその場でパワーアップ出来るかもしれないでしょ?」

竜戦士「好奇心に勝てないだけじゃねーか姉御は」

姉御「そうとも言うかな、あははは!!…あれ?外ればっかだねー」

商人「うん、この忍者しょうじょきゅだけは初めて見たけど、誰も装備出来ないし…」

魔法使い「忍者装束、ね。それにしてもなかなか当たりが出ないわね…姉御達が羨ましいわ」

姉御「そう?ならキミ達も光の庭行ってみたら?3Fまで行けば良いものたくさんだよ!!全快の泉もあるから死人が出ない限り戦えるしね!!あ、でもキミ達まだ浮遊呪文使えないか、ざーんねん!!」

商人「ええー!?浮遊魔法はまだだよ…うう、早くすごいものがたくさん手に入る所に行きたいよ…」

――翌日、ミアマックの宿屋

魔戦士「レベル12か、竜王はレベル9だね?」

竜王「アタラシイジュモン…オボエナカッタ…」

魔法使い「そんな時もあるわよ、次はきっと覚えられるわ。それより今日はどうしようかしら?」

非常食「にゃ、ウェーンの目的は達成しましたにゃ。別のダンジョンに行っても良いようにゃ気はしますにゃ…」

盗賊「とーぞくはコートラストがいーぞ!!」

竜王「シェーベ…イキタイ…」

商人「うーん、あたしはもうちょっとだけウェーンに行きたいな。ほら、姉御達も光の庭の一番上で良いアイテム見つけたでしょ?だからあたし達もウェーンの一番奥に行ければ…」

魔法使い「良いものが手に入るかもしれない、か。確かにそうかもね…じゃあもう少しだけウェーン行ってみようかしら?」

魔戦士「アタシは構わないよ。ただその前に、このぬいぐるみを依頼主に届けるんだろ?」

商人「あ、そうだった!ゾアーヌさん、喜んでくれるかな…?」

――カレテゴ、売店

ゾアーヌ「…なんでごさる?このゾアーヌめに何か用でござるか?」ジロッ

商人「あ、あれ?歓迎されてない…?」

魔戦士「ああ、悪かったね。ほらケダモノ、とっとと出ていきな」ゲシッ

非常食「ふにゃあ~!ひどいですにゃ!!」

魔法使い「ごめんなさい、竜王もちょっと外してくれる?」

竜王「ガウ…」コクリ

ゾアーヌ「……おおー、それはまさに水猫のぬいぐるみ!くう~…!一撃必殺の可愛さでごさるな!」

商人「え?あ、はい…いきなりテンション上がった…」

盗賊「これをねーさんにあげにきたんだぞ!!」

ゾアーヌ「な、譲って下さると言うのか!?か、かたじけない…しかし…これは…たまらん可愛さでごさるな!」デレー

商人「ま、まあ喜んで貰えたし良かった…のかな?」

魔法使い「そうね、やっと本格的に誰かの役に立てたというか…」

盗賊「なあなあ、それよりここのおっきなおにく…」

商人「あ、エアリーバイダーの肉?うーん、高いからまたね、ね?」

魔戦士「ったく、勇んでウェーンに行ったはいいが、あんたがとっとと死んだおかげでたった2回戦っただけで出戻りだよ!!」ゲシゲシッ

非常食「にゃ、にゃあ、生き返ったばっかりのみぃを労って…」

魔法使い「そう邪険にしないのよ。グラディエーターとくのいちに集中攻撃されたら仕方ないわ」

盗賊「れんげきさいごまでもらってたな!!ん?いま食べればやわらかおにく…?」ジュルリ

商人「盗賊ちゃんすとーっぷ!!で、でもほら、戦闘は少なかったけど未踏破の所も結構行けたし、初めて見るアイテムもあったし…」

魔法使い「あとバシネットは竜王用の良い頭防具ね。結構今回は良いの出たわね」

盗賊「お、なんかへんなほんがあるな!!ほんはしきょーがそーびできるのか?しょーにんそーびしないのか?」

商人「え?いやいやいやあたしはほら後衛だから、本だと攻撃届かないしいらないかなーって…」

魔法使い「今日手に入った本は…東方怪聞百物語、か…商人にはとても装備出来ないでしょうね…」

商人「ぎゃー!!またアルティメット!!りゅ、竜王ちゃん、ブレス!!」

竜王「ガウ!!」ゴオオー

盗賊「ううー、こーげきあたんないぞ…」ヒュンヒュン

魔法使い「………ああもう、パムデウン!!」ゴオオー

魔戦士「やっと吹っ切れたかい、そらあっ!!」ガンッ

――アルティメットランナーの行動:増援

商人「あーもう!!また増えた!!バラドス!!」ゴオー

魔法使い「ここであんまり魔力使いたくないんだけど…パムデウン!!」ゴー

竜王「ガ、ガウー!!」ゴー

アルティメットランナーの行動:増援

商人「ひえー、終わんないよー!!誰か助けてー!!」

非常食「うにゃあ、なんとかみんな倒せましたにゃあ…」

魔法使い「仕方ないとはいえ、少し魔力を使いすぎた気がするわね…」

魔戦士「でも呪文を使わなきゃ根絶やしにはできないだろ、あいつらは」

商人「うーん、もっと範囲の広い攻撃魔法があれば良いんだけど…」

魔法使い「それはまだまだでしょうね。でも結果的にとはいえ、良い経験にはなったわね」

魔戦士「確かにこれからはレベル上げの難度も上がるだろうからな。だがこれからは今までより経験が積めるようにはなるだろうさ」

盗賊「もうすぐこのダンジョンのいちばんおくだな!!」

魔法使い「そうね、ただ今の私達が本当にそこで通用するのかはまだ分からないけど…」

商人「ちょっと不安だよね…」

魔戦士「なに、危なかったら逃げればいいさ。もう目的地は目前だ、今更引き返せないだろう?さあ行くよ!」

――ウェーン廃墟、宮殿跡

魔法使い「ここは…宮殿だったのかしら…?」

商人「そんな感じだね…ここまでの廃墟は城下町みたいな感じだったのかな…?」

盗賊「ごーかなものがありそうだな!!」

魔戦士「確かにね、これならお宝も期待出来そうだよ」

商人「あ、そういえば竜王ちゃん、さっきお魚に兜壊されてなかった?大丈夫?」

竜王「ダイジョブ…」

魔戦士「防御力的に鎧が壊されてたら大変だったろうが、兜なら何とかなるんじゃないか?」

魔法使い「そうね、それに武器や防具は壊されても修理出来るのよね?」

非常食「にゃ、お店に行けば直してもらえますにゃ」

商人「そっかあ、竜王ちゃん兜新調したばっかりなのに壊されてどうしようかと思ったけど、それなら安心だね!じゃあ張り切って探索してみよー!!まずこの部屋から…」ガチャ

――何かに遭遇した!

非常食「にゃにゃ!?デーモンヴァルキリーがいますにゃ!!」

魔戦士「他はデュラハンに…ちっ、ヴァンパイアか!厄介な連中だが…」

魔法使い「ええ、あっちはまだこちらに気付いてないわ、チャンスよ!ラロイド!!」ジジジ…

商人「あ、あたしの知ってるバンパイアじゃない…それっ、マバラドー!!」ズドド…!

竜王「ガウ!!」ゴオオー

非常食「にゃー!!うにゃにゃー!!」ドカバキバキッ

――デーモンヴァルキリーは死亡した デュラハンは死亡した ヴァンパイアは死亡した

魔戦士「よしっ!気付かれる前に倒せたね」

魔法使い「ええ…でも強そうな魔物だったわ、ここで戦い続けて大丈夫なのか…」

盗賊「んー…んー…おー、かいじょーできたぞ!!」パカッ

商人「あ、盗賊ちゃん見せて見せて!えっと、薬と…槍かあ!」

魔戦士「槍ねえ…前みたいにモップでした、なんて事にならないと良いけどね」

魔法使い「さすがにこんな奥地まで来てモップは勘弁して欲しいわね…」

非常食「にゃ、きっと良いものですにゃ。ここまで来ましたからにゃ…」

竜王「テキ!!テキ!!」ガオー

――何かに遭遇した!

魔法使い「魔物…!あれは、ミノタウロス!?後ろは悪魔が3体…」

魔戦士「レッサーデーモンは厄介だね。悪魔のアルティメットみたいな奴さ」

商人「ええーっ、サイアク…」

非常食「にゃ、とりあえずミノタウロスを倒さないと…にゃにゃー!!」ドカバキバキッ

竜王「ガー!!」ザクッ

ミノタウロスは死亡した

魔法使い「よしっ、いい調子よ!後は…!?悪魔達の後ろから誰か…」

――アンホーリーチャペルの行動:裁きの鐘 3ターン後に全員死亡

商人「うわっ…!な、なにこの音!?頭が…」

盗賊「うー、しょくよくがなくなるぞ…」

魔法使い「大問題ね…でも、この音は危険な予感がするわ…」

魔戦士「予感どころか、早く連中を倒さないと全滅するよ!小娘、最強の呪文を使いな!」

商人「コムスメじゃないし!!マバラド!!」ドドド…

――ナイトストーカーは死亡した

非常食「にゃ、これなら…」

――レッサーデーモンの行動:増援

商人「ふ、増えた!?アルティメットみたいってこういう事!?ど、とうしよう、早くしないと…」

魔法使い「この…ラロイド!!」ジジジ…

レッサーデーモンは麻痺した ナグパは麻痺した

魔戦士「よーし、このまま押しきれれば良いが…」

――メイドリカバリー 麻痺が回復した

商人「え…!?そ、そんな…!」

魔戦士「こりゃダメだね、レッサーデーモンとグレーターメイドに組まれたらアタシらじゃ突破出来ないね」

商人「で、でも、もう時間が…!」

非常食「にゃ、あの鐘の音が聞こえにゃい所まで逃げれば良いのですにゃ!魔法使いさん!」

魔法使い「分かったわ!マハマハ!!」ポウーン

――撤収した

盗賊「おー、きゅーしにいっしょーだな!!」

商人「ほ、ホントに危なかった…ここのモンスター、やる事がえげつないよ…」

魔法使い「逃げるのがやっとだったわね、この調子だと、ここでの冒険は…」

――何かに遭遇した!

盗賊「またモンスターだぞ!!食べれないやつだぞ!!」

商人「やだー、オバケばっかり!!」

魔戦士「霊体は霊体だが、ゴーストレンジャー、ゴーストヴァルキリー、ゴーストスマッシュとはね!強敵だ、全力で行くよ!」

魔法使い「ええ、負けていられないわ!」

ゴーストレンジャーの行動:バイオレントアロー

非常食「にゃ!?にゃあ…」ヨロッ

商人「ひ、非常食ちゃん…!」

ゴーストスマッシュの行動:バンテージ

非常食は死亡した

魔法使い「いきなり…!厳しいわね、でも…ラロイド!!」ジジジ…

ゴーストスマッシュは麻痺した

ゴーストヴァルキリーの行動:怨槍カヴィランエ

魔法使い「がっ…!あ、危ない…」フラッ

魔戦士「あまり良い状況じゃないね。後輩、隠れてな!!全滅だけは避けるんだ!!」

盗賊「おー!!」シユッ

商人「あ、あたしは魔法使いちゃんに回復を…」

ゴーストヴァルキリーの行動:怨槍カヴィランエ

魔法使いは死亡した

商人「そ、そんな…!」

竜王「ウガー!!」ゴオオー

魔戦士「このっ!!」ドガッ

ゴーストヴァルキリーは死亡した

ゴーストレンジャーの行動:バイオレントアロー

魔戦士「くあっ…!ちっ、この程度で…らあっ!!」ゴンッ

商人「そろそろ倒れて…!マバラド!!」ドドド…

ゴーストスマッシュは死亡したゴーストレンジャーの行動:バイオレントアロー

魔戦士は死亡した

盗賊「せんぱい!!このやろー!!」ヒュンヒュン

ゴーストレンジャーは死亡した

商人「か、勝った…でも3人も…は、早く町に戻らないと…」

――マーシャの酒場

商人「ふー、なんとか帰ってこれたよ、さあ鑑定鑑定…」ガチャガチャ…

魔法使い「それにしてもあそこの魔物は強かったわね…あまり長くは居られなさそうだわ」

魔戦士「考えどころだね、良いものが出るなら少し無理をしてでもあそこで粘るか、他の楽なダンジョンに回るか…」

非常食「にゃ、鑑定結果次第ですかにゃ?」

盗賊「どーなんだしょーにん?いーのでたか?」

商人「良いもの、って言われてもあそこのアイテム2つしか持ち帰れなかったんだけど…とりあえずこれはどうかな?朱塗りの槍っていうんだけど」

魔戦士「こいつは東方の槍か。なかなか良いじゃないか、アタシはウォーハンマーがいい加減力不足になってた所だよ。槍はあまり好きじゃないが、まあ仕方ない」

魔法使い「結構良いものが出たのね。なら…危険を冒してでもあそこで探索する価値はあるか…」

魔戦士「良いと思うよ、確かにあそこの敵は強いが全滅の危険はそこまででもなさそうだ」

商人「危ないと思ったら逃げればみんな死んじゃう事はなさそうだよね。よーし、じゃあ明日もウェーンの宮殿跡だね!」

――ウェーン廃墟、宮殿跡

商人「ま、またあの鐘鳴らすヒト!」

魔法使い「させない!ロイド!!」ジジジ…

アンホーリーチャペルは麻痺した

竜王「ガアー!!」ゴオオー

グレーターメイドは死亡した レッサーメイドは死亡した

非常食「にゃ、後は後ろの悪魔達だけですにゃ!!」

デーモンヴァルキリーの行動:怨槍カヴィランエ

盗賊は死亡した

魔戦士「ちっ、またデーモンヴァルキリーにやられたよ!!らあっ!!」ドスッ

魔法使い「全員止める…ラロイド!!」ジジジ…

デーモンヴァルキリーは麻痺した デュラハンは麻痺した ヴァンパイアは麻痺した

商人「やった!よーし、あとは倒すだけだよー!!」

竜王「ガウー…シンダ…」

魔法使い「大丈夫、盗賊はすぐに戻って生き返らせるから。でも困ったわね、宝箱を開ける係が死んでしまったわ…」

魔戦士「戦力面はともかく、解錠は後輩に頼りきりだったからね」

商人「魔法使いちゃん、宝箱開ける魔法なかったっけ?」

魔法使い「まだ覚えてないわ。罠を調べる呪文なら使えるけど――可能性と危険を秘めたるものよ、今その毒牙を白日の下へ――ポートル!!……これは……」

非常食「にゃ、にゃんですかにゃ?」

魔法使い「玉手箱、ね…」

商人「た、玉手箱って歳を取っちゃう…?や、やだよあたし!!」

魔戦士「なんだい、ちょっと年取った方がちょうど良いだろ小娘は」

商人「コムスメじゃないし!!」

竜王「…アケル」プシュー

*おおっと 玉手箱*

魔法使い「竜王!?なんで…あら、少し貫禄が出た…?」

魔戦士「おお、なかなか立派になったじゃないか」

商人「ホ、ホントに年取っちゃうんだ、危なかった…竜王ちゃん、ありがとう…」

――マーシャの酒場

盗賊「しんだらおなかへったな!!いただきまーす!!」ガブムシャ

竜王「ゼンメツシナイデヨカッタ」ガブムシャ

商人「少し流暢に喋るようになったかな竜王ちゃん?さーて、鑑定鑑定…」ガチャガチャ…

魔戦士「昨日は2つ持ち帰ったうちの1つが当りだったんだ、今日は5つだろ?期待するなって方が無理だがねえ…」

魔法使い「そう上手くいけば良いけど…でも今日は昨日ほど苦戦しなかったわね」

非常食「にゃ、相手の出方も分かりましたからにゃ」

竜王「アンホーリーチャペルヲトメタマホウツカイガヨカッタトオモウ」モグモグ

魔法使い「ありがとう…流暢になったのは良いけど違和感があるわね…」

魔戦士「むしろ今までが幼すぎたんだ、ちょうど良いじゃないか」

商人「んー、鑑定終わりー」ガチャガチャ

非常食「にゃ、テンション低いですにゃあ…という事は…」

商人「うん、今日は外れ…蘇生代よりは儲かると思うけど…」

魔法使い「まあ赤字じゃないなら良かったわ。あそこでの戦い方も少し分かったし、きっと次は良いものが出るわよ」

魔戦士「そう信じたいね。そろそろフランベルジュ並のが手に入っても良い頃だからねえ…」

――翌日、ウェーン廃墟、宮殿跡

商人「さあ、今日こそすごいお宝を手に入れてみせるよ!」

竜王「マイニチノヨウニソレヲキクナ」

商人「うっ…きょ、今日こそだよ!!…流暢になったのも善し悪しだね…」

魔法使い「歳を取ったといってもまだ4歳になったかどうかなんだけど…ドラゴンは成長が早いのかしら…」

盗賊「おー、ならりゅうぼくじょーをつくればこうりつよくおにくをせーさんできるな!!」

竜王「カンベンシテクダサイ…」

非常食「育ての親には勝てませんにゃ…」

魔戦士「目上の者を敬う気持ちは大事だよ。非常食、あんたももっとアタシを敬いな!」ゲシッ

非常食「にゃー!!これ以上敬えませんにゃ!!」

魔法使い「はいはい、無駄話はその辺にして、そろそろ魔物が出るわよ」

盗賊「このとびらのむこーだな!!りゅーおー、あけるんだぞ!!」

竜王「ガッテン!!」ガチャ

――何かに遭遇した!

商人「えー、またオバケ!?えっと、ゴーストレンジャー、ゴーストヴァルキリー、ゴーストスマッシュって…この前大変だったパーティーす!?」

魔法使い「ええ、しかも後ろにまだ一人いるわ。あれは…忍者、と言ったかしら?」

魔戦士「ゴーストサマーだな。かなり手練た忍者の霊だ。難しい相手だね…」

商人「よーし、まずは霊体を攻撃出来るようにしないと…我が手、我が牙、我が魂に祝福を!!――ハリアス!!」キュィィーン

魔戦士「よし、まずはレンジャーからだ、そらっ!!」ドスッ

ゴーストレンジャーの行動:バイオレントアロー

盗賊は死亡した

商人「そんな、早い…!」

竜王「ウガー!!」ゴオオー

ゴーストレンジャーは死亡した

ゴーストサマーの行動:素手 ゴーストスマッシュの行動:バンテージ

非常食「にゃにゃ、狙われてますにゃ!?」

商人「このっ…!マバラド!!」ドドド…

ゴーストスマッシュは死亡した

魔法使い「よし、この調子なら…!?」

ゴーストヴァルキリーの行動:怨槍カヴィランエ

魔法使いは死亡した

魔戦士「くっ、これ以上はまずいね、根性見せなよあんた達!!」

竜王「ウガー!!」ザクッ

ゴーストヴァルキリーは死亡した

商人「やった、あと一人…」

ゴーストサマーの行動:素手

非常食は死亡した

魔戦士「このバカ猫!そらあっ!!」ドスッ

ゴーストサマーは死亡した

商人「ま、また3人も…盗賊ちゃんが死んじゃったから、宝箱も開けられないし…」

竜王「イヤ、アケルゾ」カパッ

*おおっと 女神の口づけ*

商人「りゅ、竜王ちゃん!?今度は若返ったの!?…ってあれ?あんまり変わらない…」

魔戦士「女神の口づけは1歳ずつしか若返らないからね。しかし一回戦っただけでパーティー半壊じゃあね。ここでの稼ぎは早かったかもね…」

商人「ふう、3人だと心細いね…あ!」

――何かに遭遇した!

魔戦士「敵はまだ気付いてない、まず前衛のビストーラをやるよ、そらあっ!!」ドスッ

竜王「ウガー!!」ゴオオー

商人「あ、あれ?意外と体力多いね、倒せない…」

ビストーラの行動:ラフィリマ

竜王「カイフクサレタ!!ゼンタイカイフクダ!!」

ゴーストレンジャーの行動:バイオレントアロー

商人は死亡した

魔戦士「ちっ、しくじったね…竜王、ずらかるよ!!」

魔戦士行動:逃走は失敗した 竜王の行動:逃走は失敗した

ビストーラの行動:悪魔の爪

魔戦士は麻痺した

竜王「ガウ!?ゼ、ゼンメツダケハ…」ダダダ…

竜王の行動:逃走は失敗した――

姉御「あ、起きた起きた!!」

魔法使い「……姉御?という事は…」ササッ

姉御「そうそう、私の顔を見たら自分の懐を確認するの大事だよ!!」

魔術師「…自慢にならない…」

姉御「大丈夫、今回はキミお金たくさん持ってたから、誰か回収出来る位はまだあるはずだよ!!」

魔法使い「そう…でた助けてもらったのね。ありがとう」

姉御「良いよお礼は、一種の商売だから!!」

魔法使い「でも…また私達全滅したのね…」

姉御「あー、それだけどさ、あそこキミ達には辛すぎじゃない?キミを回収したのはウェーンの北だったけど、キミ達宮殿跡にいたんでしょ?」

魔法使い「ええ、そうだけど…」

姉御「あそこ私達もちょっと行ってみたけど、一回戦っただけで二人死んだよ?キミ達だともっとキツいでしょ?」

魔術師「…私と、狩人が…死んだ…」

姉御「という訳で、私達はあそこはオススメしないなー。シェーベにでも行ったら?」

魔法使い「そう…確かに戦闘は辛かったわね。みんなを生き返らせたら話し合ってみなければね…」

――マーシャの酒場

商人「うう…また全滅…しかもお宝も大したことなかったし…」

非常食「うにゃあ、また懐具合が厳しくなりましたにゃ…」

魔戦士「で?あの連中に、あそこは厳しいって言われたって?」

魔法使い「ええ、宮殿跡は姉御達でも苦戦したからお勧めはしないって…」

竜王「キビシイタタカイダッタ」

盗賊「すごくおなかへったな!!」

商人「うん、それにお宝も最初良かっただけだし、あそこにこだわらなくても…」

魔戦士「確かに厳しかったが、連中の忠告通りってのも少々シャクだねならこうこうしないか?とりあえず宮殿跡には行かず、その前の廃墟北の踏破を目標にするってのは」

魔法使い「なるほど…北なら宮殿跡程は敵も強くないわね。それに水猫のぬいぐるみを見つけてすぐに奥に進んだのは早かったのかも…」

竜王「ダンカイヲフムベキダッタ」

商人「そうだね、ちょっと急ぎすぎてたのかも…もうちょっと焦らず進むべきだったのかもね…また

――翌日、ウェーン廃墟北

商人「ひゃー、またオバケばっかり!!ハ、ハリアス!!」ヒュアアーン

魔戦士「よし、これで刺せる、らあっ!!」ドスッ

ゴーストファイターは死亡した

魔法使い「私は回復役の動きを止めるわ、ロイド!!」ジジジ…

――ゴーストプリーストは麻痺した

竜王「モヤスゾ!!」ゴオオー

エクトプラズムは死亡した ファントムは死亡した ファントムは死亡した

非常食「にゃにゃー!!」ドカバキッ

ゴーストシーフは死亡した ゴーストプリーストは死亡した

商人「よし、倒した!…ここの敵も結構強いね」

魔法使い「そうね…やっぱり私達は焦り過ぎてたのかもしれないわね…」

盗賊「とーぞくはおなかへったぞ!!」

魔戦士「ああ、アイテムも数が手に入ったし、そろそろ引き返すかねえ?また全滅はまっぴらだからね」

魔法使い「そうね、無事に帰るまでが冒険だし、ここは余裕のあるうちに引き返しましょう…」

非常食「にゃ、ここは油断のできにゃい所ですが、気を付ければ冒険を続けられそうですにゃ」

魔法使い「そうね、それはつまり本来はここ位がちょうど良くて、あそこはやっぱり早かったって事なんでしょうね…」

魔戦士「ま、ここを踏破するまでまだ2日はかかりそうだ。間にレベルアップして、出来れば装備も整えられれば良いがねえ」

商人「きっと大丈夫だよ!今日はたくさんアイテムが手に入ったし、この中にきっとお宝が…」

――何かに遭遇した! 敵は奇襲に成功

ゴーストレンジャーの行動:バイオレントアロー

魔法使いは死亡した

非常食「にゃ、にゃにゃにゃ!?にゃ、にゃにが

ビストーラの行動:ゼフェフス

魔戦士は死亡した

商人「え?え!?ゼフェフスってザキみたいな…しかもこのモンスター達、前回全滅したモンスターと同じ…!や、やな予感が…」

魔法使い「ここは…また寺院?」

姉御「ちゅーうーこーくーをーむーしーしーたーなー?」

魔法使い「あ…私達、また全滅…?」

魔術師「…懲りない人達…」

魔法使い「…そうね、忠告に従ってシェーベにでも行っていれば…」

姉御「あはは、じょーだんだよ!!ヒトの忠告を聞いてたら他のパーティーに後れを取っちゃうもんね!!」

魔法使い「まあ、そうでしょうけど…」

姉御「それでも私からもう1つだけ!!キミと商人ちゃんさあ、もう少しお店で装備を買った方が良いよ!!もう少し防御力上げられるはずだよ!!」

魔術師「…後衛は…お金がない時に買い物したまま…装備を変えない事が多い…」

姉御「そそ!!特にキミさ、最初に買い物してから装備変わってないでしょ?毛皮の帽子くらい買った方が良いよ、キミが死ぬと大変でしょ?」

魔法使い「そう…ね。この忠告はありがたく受け止めさせてもらうわ。ありがとう」

姉御「どういたしまして!!あ、今日はお金回収には足りない位しか残ってないと思うけど、師匠が特別サービスでキミの持ってたアイテム鑑定してくれたから、それ売って回収と蘇生に充てると良いよ!!」

魔法使い「…貴方達には助けられっぱなしね…」

姉御「いーよ!!そのうちキミ達に助けてもらう日が来るかもしれないからね!!じゃ、明日からも頑張ってねー!!」

魔法使い「ええ、また…ふう、流石に連続での全滅は経験がないわね。冒険だから危険はつきものとはいえ、こうも続くと落ち込むわね…」

商人「はあ…また全滅かあ…まあアイテムがそこそこだったから良いけど…」

盗賊「とーぞくのくつとよろいがあたらしくなったぞ!!」

魔法使い「硬い革鎧とフォレストウォーカーね。特にフォレストウォーカーは良かったわね」

魔戦士「相手は限定されるが攻撃力があがるんだからね、良いものだよ。あんた達二人も装備買い換えたしね」

商人「あたしは鎖帷子、魔法使いちゃんは毛皮の帽子を買ったよ。これで少しは死ににくくなると良いけど…」

魔法使い「そうね…ねえ、明日はどうする?宮殿跡どころか北でも全滅して…」

盗賊「あしたもいくぞ!!そーびあたらしくなったからな!!」

魔戦士「ああ、全滅したもののかなり長いこと冒険してた事は確かだからね。明日も同じで良いだろう」

魔法使い「そうね、奇襲さえ受けなければ全滅まではいかないはずだったし…慎重に進めば大丈夫よね…」

――翌日、ウェーン廃墟北

商人「もうちょっと…だよね?」

竜王「コノヘヤヲクマナクシラベレバオッケーダゾ」

商人「だよね…もうちょっと…もうちょっと…よしっ!これで良いよね?」

魔戦士「ああ、これでこのフロアも制覇だな」

竜王「キノウハミナミ、キョウハキタヲトウハデキタナ」

商人「うん、つまりこのダンジョン全体の三分の二以上を踏破出来たって事だよ!やったね!!」

魔戦士「確かにね、このフロア程度ならそこそこ歩き回れるって事だ」

竜王「レベルモイクラカアガッタシナ」

商人「そうそう、でもやっぱり…3人死んじゃったけど…」

魔戦士「リザードマンの槍と水のエレメンタルの呪文に後衛を狙われたらねえ。ま、前衛でしんだバカ猫は論外だけどね」

商人「ひ、非常食ちゃんも頑張ってるんだからそんなに言っちゃダメだよ…」

魔法使い「さて、今日はどこに行こうかしら?ウェーンは北まで踏破したし…」

盗賊「いよいよコートラストだな!!」

竜王「シェーベガイイトオモウ」

魔戦士「あたしは今日まで今の場所が良いと思うね。魔法使い、あんた転職希望だろう?」

魔法使い「ええ、次は魔術師が良いかと思ってるけど…」

魔戦士「なら、出来る限り今日あんたのレベルを上げて、明日には転職するのはどうだ?シェーベに行くにしても、今の場所よりは安全だ、転職直後のあんたにはちょうど良いだろうからね」

非常食「にゃ、もう1つレベルが上がれば錬金術師は良いのですかにゃ?」

魔法使い「ええ、錬金術師の最高レベルの呪文を覚える事が出来るわ。そうね、じゃあ魔戦士の言う通りにしようかしらね」

商人「魔法使いちゃんが魔術師呪文を覚えたらあたし達パーティーの攻撃力も上がるよね!そうしたら今までダメだった所でも戦えるようになるかも…?」

盗賊「おー、とんでるへび、おにくだー!!」ヒュンヒュン

コアトルは死亡した

商人「よーし、順調順調!アイテムも結構手に入ったし!魔法使いちゃん、レベルは上がりそう?」

魔法使い「うーん、まだ少しかかりそうね…」

非常食「にゃ、まだまだ余裕もありますにゃ、慌てにゃくても…」

魔戦士「余裕があるならどうだ、ちょっと宮殿跡に行ってみないか?」

魔法使い「宮殿跡?あそこは…」

魔戦士「レベル上げの場所を変えるって訳じゃない。入り口で1回戦うだけさ」

商人「うーん、でも…」

竜王「イチドダケナラワルクナイ。イイアイテムモテニハイルカモシレナイ」

魔法使い「気は進まないわね…でも、みんながそう言うなら、1度位は…」

盗賊「おー、きゅーでんのごーかおにくを食べるぞ!!」

商人「豪華なお肉は出ないと思うよ盗賊ちゃん…」

――何かに遭遇した!

商人「わっ、ででででっかいへびー!!」

盗賊「おお!?おっきなおにく!!」

魔戦士「ボースヘッズか、頭が2つの竜の一種だ、攻撃力はそこそこあるがブレスはない、与しやすい相手だ!」

魔法使い「私は後衛を止める!ラロイド!!」ジジジ…

コアトルは麻痺した フライングスティングレーは麻痺した

――ボースヘッズの行動:竜の牙+1

魔戦士「くっ…これしきで、らあっ!!」ドスッ

商人「いくらでっかくても眠らせれば…ミサーマ!!」ポワワーン

ボースヘッズは眠った

非常食「にゃ、チャンスですにゃ!!にゃー!!うにゃー!!」ドカバキッ

――ボースヘッズは死亡した

竜王「ノコリハカタヅケル!!ガアー!!」ゴオオー

コアトルは死亡した コアトルは死亡した フライングスティングレーは死亡した

魔法使い「ふう、上手くいったわね。比較的戦いやすい相手だったのが幸いしたわね…」

――ウェーン廃墟、南

魔法使い「…結局、レベルが上がる前に引き返す事になったわね…」

商人「仕方ないよ、みんな魔力的にも厳しくなってきたし…でもこの辺でちょうど良いモンスターが出てきてくれたら…」

――何かに遭遇した!

魔戦士「お、ちょうど良い魔物じゃないか、なあ?」

商人「ってあれ、アルティメットじゃん!!や、やだなあ…」

魔法使い「そう…ね……でもまだ気付かれてないようだし…竜王!」

竜王「ウガー!!」ゴオオー

アルティメットランナーは死亡した アルティメットランナーは死亡した アルティメットランナーは死亡した アルティメットランナーは――

盗賊「おー、みんなやけたな!!でもおいしくなさそうだぞ…」

魔法使い「食べちゃ駄目よ盗賊。でもこれでレベルが上がりそうだわ。アルティメットで上がるレベル…」

魔戦士「別に腹に入る訳じゃないんだ、何だって良いだろう?ま、なんにせよ最初の予定通りになった、良かったよ」

商人「そ、そだね…あー、気持ち悪い…」

教官「――よし!!これでアンタも魔術師だよ!!」

魔法使い「ありがとうございます。ふう…これで錬金術師はお終いね」

魔戦士「逃走呪文や麻痺呪文を使える回数が減って、戦い方を少し変えるようだね」

商人「あー、錬金術師じゃなくなると錬金魔法用の魔力が減っちゃうんだ。でもその代わり魔術師魔法が使えるようなやなるんだよね!」

非常食「にゃ、みぃ達の課題だった攻撃力不足が解消出来ると良いですにゃ」

教官「ところで、アンタもしばらく見ない間に君主っぽくなったね!」

竜王「オカゲサマデ」

盗賊「きのうかっくいーよろいをみつけたからな!!」

商人「そうそう、騎士の鎧は昨日の冒険一の収穫だったね!」

魔法使い「ええ、千早紅桜も良い装備だけれど、私達は装備出来ないし…でも宮殿跡まで行ったかいはあったわ」

魔戦士「やっぱり危険を冒せば相応の物が手に入るもんだね。安全か、強力な装備か…冒険者でいる以上、永遠に悩み続けるんだろうね…」

魔法使い「…私の転職も果たしたし、今日からシェーベね」

商人「うーん、ここなーんか怖い雰囲気だよね、何か不安になるよ…」

非常食「にゃ、紅い空がそう思わせるのですかにゃあ」

魔戦士「ったく、いつもいつもビビってばっかだねえ小娘は」

商人「あたしコムスメじゃな…あ、あれ?」ヒィィィ…ン

盗賊「おお!?コンパスがひかってるぞ!!」

竜王「ココニユビワガアルノカ?」

魔法使い「そうみたい…ね。指輪…やっと近づけたみたいね…」

盗賊「ゆびわのことなんてはんぶんくらいわすれてたけどな!!」

商人「と、盗賊ちゃん、それを言ったら…でも、いよいよ見つけたね、指輪!」

魔戦士「ご褒美への第一歩か。案外あっさり見つかったねえ」

魔法使い「まだ見つかった訳ではないわよ。ここからコンパスを辿って行かないと…でも確かにいよいよという感じね…」

商人「コンパスはほとんどまっすぐ北を指してるね」

竜王「チョクシンスルダケナララクダナ」

魔戦士「だといいが…ほら、行き止まりだよ」

魔法使い「でも、回り込めない訳ではないわ。西から行ってみれば…」

盗賊「このとびらのむこーか?あけるぞ!!」バタン!

非常食「にゃ、何もにゃいですにゃ。にゃ?また扉ですにゃ」ギィ…

魔法使い「通路が続いてるわね。コンパスはさらに北…また扉?いえ、これは…商人、地図を確認したいのだけれど…」

商人「うん、ちょっと待って……あー、このフロアはもう終わりだ…」

魔戦士「てえと、次のフロアか?なら今日中は無理かねえ?行き方も分からないし、何よりフロアを進めれば魔物も強くなる。転職したばかりで体力の低い魔法使いがいる今、無理をすべきじゃないと思うね」

非常食「にゃ、体力が低いと蘇生に失敗する可能性がありますからにゃあ…」

魔法使い「そうだったわね。危険はつきもの、とはいえ流石にロストは怖いわね…いずれにせよ、今日はこのフロアの探索を進めるしかないわね。指輪への目星が付いただけよしとすべきかしら…」

非常食「うにゃあ、ここのモンスターもなかなか強いですにゃあ…」

魔法使い「そうね、最初のフロアだけど、ウェーンの北とそう変わらない魔物もいるみたいね」

商人「その分お宝も良いのがあると良いけどね!盗賊ちゃん、罠解除出来そう?」

盗賊「んーと…んーと…あっ!!」カチッ

*おおっと プリーストブラスター*

竜王は麻痺した

魔法使い「竜王!商人、麻痺回復呪文は…」

商人「え、えっと…まだ使えない、かな?」

魔戦士「まだ使えない!?ったく小娘は…」

商人「あたしコムスメじゃないし!!」

魔法使い「はいはい、でも回復出来ないなら町へ戻るようね。でも、転職直後で魔力が少ないし、ちょうど良かったかもしれないわね…」

――マーシャの酒場

商人「さーて、鑑定鑑定…」ガチャガチャ…

魔法使い「でも、せっかくコンパスが反応したのに、指輪の所まで行けないなんてね…」

魔戦士「そう焦るなよ。あんたの体力が上がって呪文も強力なのを覚えた辺りに行けるようになるさ」

竜王「イママデモアセッテナンドモゼンメツシタ」

魔法使い「そう…ね。ごめんなさい、いつもなら私がいさめる側なのに…」

魔戦士「ま、コンパスが指輪に反応したのは初めてだからね、気持ちが流行るのも分かるさ」

盗賊「まずはたいりょくをつけるためにごはんを食べるんだぞ!!」

魔法使い「ふふ、そうね、私も何か食べようかしら…商人、鑑定結果は?」

商人「全然ダメ…やっぱり最初のフロアだし…」

魔戦士「だろうね。ま、アンクがあっただけ良いだろう。魔法使いがまた転職する時にはおそらく必要になるからね」

盗賊「てんしょくすればまたあたらしいまほーだな?」

魔法使い「そうだけど、今転職したばかりなのに気が早すぎるわよ…まずは魔術師として修行をしないと…まだまだレベル上げの日々ね…他のパーティーもこうなのかしら?」

ハルモニさん「わー、やーらーれーまーしーたー」バタリ

竜戦士「おいィ!!またあの女死にやがった!!これで2度目だぜ!?」

姉御「不思議だよねー、あの人死んでもしれっとギガ・バザールに戻ってるんだもの」

狩人「変な人っすよね…まあ、死んじゃうのは仕方ないんじゃないっすか?俺も良く死ぬし…」

姉御「そう!!狩人君、キミ死にまくるからあの子達のパーティーにレベル抜かれちゃったよ!!」

狩人「え、まじすか?あのパーティーっていうと…」

姉御「そう!!あの面白いへんてこなポンコツパーティー!!」

魔術師「…リーダー…流石に酷い…」

姉御「後輩に抜かれるなんてだらしないぞ!!しっかり生き残る努力をする!!分かった?」

狩人「は、はいっす…」

師匠「まあ、狩人殿も前衛ですからな。危険も多いでしょう。それに、今鑑定の難しい靴も手に入りました。これで狩人殿の防御力も上がるかもしれませんぞ」

姉御「お、良いね!!じゃあもう少し探索してから帰ろっか!狩人君、最後まで死なないんだよ?」

狩人「ど、努力するっすよ…」

商人「あ、姉御達だ!…あれ?狩人さん、元気ないね…」

竜戦士「あー、こいつ姉御に死ぬなって言われたのにまた死んだから落ち込んでんだよ」

狩人「はあ…まじ落ち込むっよ、あ足引っ張りまくりで…」

姉御「足引っ張ってるとは言ってないよ、ただしっかりしなさいってだけ!」

狩人「いやあ、すぐ死ぬわ攻撃力も上がらないわで…」ハア…

盗賊「きっとおにくがたりないんだぞ!!もっと食べるべきなんだぞ!!」

姉御「それ言えてる、脱草食系だね!!」

師匠「いやいや、攻撃力はともかく、防御力は上がりそうですぞ。先ほどの靴なのですが…」

商人「わ、すごい!!プラチナスリッパ!!」

魔法使い「誰がなんでプラチナでスリッパを作ろうと思ったのかしら…」

姉御「あ、良いね!!狩人君、これ装備してね!!」

竜戦士「お、良いな!!そしたらお前が今装備してる鉄のブーツを俺が貰えば二人で守備力アップだ!!」

狩人「いや、俺はやっぱりリーダーに装備して欲しいんすけど…」

姉御「キミさあ、死亡回数は?」

狩人「………に、20回…」

魔戦士「へえ、死にまくりじゃないか」

魔術師「…もう少し…オブラートに包んで…」

姉御「私は8回。どっちが装備すべきか分かるよね?」

狩人「………はいっす」ガックリ

魔戦士「ま、どのパーティーにも死にまくる足手まといがいるもんだね。そう思うだろバカ猫?」

非常食「み、みぃはまだ11回ですにゃ…」

商人「非常食ちゃん結構死んでるね。あたし一番少なくて4回だよ…」

魔法使い「私は7回ね。でも4回って事は貴方が死ぬと大体全滅するって事ね」

竜王「コウエイノカイフクガカリハダイジ」

魔戦士「そりゃ死んだら困るから後衛にいるわけだしね。ま、だからといって死にまくる前衛も仕事してるとは言えないねえ」

非常食「にゃにゃ、みぃも頑張ってるんですにゃ…」

狩人「仕事してるとは言えない…」ハア…

竜戦士「おいおい、こっちが飛び火しておちこんでるぜ…ったく、気持ちだけでもしっかりしろよなあ」

魔法使い「そうよ、前衛がいるおかげで私達は安心して呪文を唱えたりしてるわけだし、感謝してるのよ、非常食」

非常食「にゃ、その言葉に救われますにゃあ…」

商人「ここのモンスターと戦うのもだんだん慣れてきたね」

魔戦士「敵の強さにばらつきがあるからね、強い奴は強いが弱い奴は本当にザコだ」

魔法使い「そうそう苦戦もしてられないわよね…あら、今までとは違う雰囲気の扉ね」

非常食「にゃにゃ、地図を見るにこの扉の向こうは次のフロアのようですにゃ」

盗賊「つぎにいってみるのか?じゃああけ…ん?なにかかいてあるぞ?」

*崇高なる時の扉*
*未来は 2 の刻限に訪れる*
*時の扉は…*
*汝に開かれよう*

ゴゴゴゴゴ…ゴオ…ン!

竜王「トビラガアイタナ」

商人「これで次に行けるね!でもあの扉に書いてあったの、どういう意味だろ…?」

魔法使い「今はまだ分からないけど…進めるのならば進んでみましょう。さて、次のフロアの敵はどのくらい強いのか…」

魔戦士「ふん、見た目は南側とほとんど変わらないね」

非常食「ですにゃ…にゃ、またさっきみたいな扉がありますにゃ」

盗賊「またあけるか?あ、またなにかかいてあるぞ!!」

商人「さっきとおんなじような文章だけど…数字が違うみたいだね?」

*未来は 4 の刻限に訪れる*
*時の扉は…*
*汝を拒む*

ギャオーン

魔法使い「…!?何が…?」

竜王「トビラガナクナッテルゾ」

魔戦士「違うね、アタシらが飛ばされたんだ、地図を見てみな」

商人「えーと…あ、ホントだ、かなり後ろに飛ばされてる!」

魔法使い「どういう事…?何か扉が開く条件があるのかしら…?そういえば、この遺跡の入り口辺りに何か看板が立ってたわね…」

盗賊「ぜんぜんよまなかったな!!」

非常食「にゃ、あれを読んでればヒントがあったかもしれませんにゃ。失敗でしたにゃあ…」

魔戦士「ま、進めないなら仕方ない、他の道を探してみよう。しかし面倒臭そうなダンジョンだねえ…」

魔法使い「さて…この扉から小さな建物に入れるようね、開けてみましょうか…」ギィ…

――何かに遭遇した!

魔戦士「クラウリングクロウが4体に、後衛がデーモンインプ2体か、この構成だとその後ろも悪魔系だろうね、厄介なこった」

商人「あのマドハンドみたいなのって混乱魔法使うんだよね、やだな…」

クラウリングクロウの行動:カラチャ

盗賊は混乱した

盗賊「むー、おなかへったぞー!!」ガオー

商人「な、なんかいつもと変わってないけど!?」

魔戦士「後輩が暴れだす前にカタをつけるよ!!竜王!!」

竜王「モヤスゾ!!」ゴオオー

クラウリングクロウは死亡した クラウリングクロウは死亡した クラウリングクロウは死亡した クラウリングクロウは死亡した

魔法使い「竜王はブレスの威力がどんどん上がってるわね、すごいわ!インプの後ろは…」

非常食「にゃ!?ナイトストーカー、レッサーデーモン、ナグパですにゃ!」

ナグパの行動:ラバラド

商人「わっ、炎系の最強魔法!?あ、危ない!!」

魔戦士「っつう…!バカ猫、竜王、大丈夫だろうね!?」

非常食「にゃ、にゃんとか…」フラフラ…

竜王「カイフクスル、チノソコヨリイデシナゲキノオウヨ、イマワレラニナンジノジヒヲ…ラフィリマ…」パアアア…

商人「こ、怖い怖い、竜王ちゃんの魔法怖い!!」

魔戦士「でも全員回復したよ、いける!!らあっ!!」ドスッ

レッサーデーモンは麻痺した

非常食「にゃ、お嬢様の槍には麻痺の効果があるんですにゃ!うにゃー!!」ドカバキッ

デーモンインプは死亡した デーモンインプは死亡した

商人「よーし、あたしも…マバラド!!」ドドド…

ナイトストーカーは死亡した、ナグパは死亡した

魔法使い「よし、この調子よ、一気に畳み掛けるわよ!!」

盗賊「おー!!あくまなべにするぞ!!」

商人「しないよ!?」

魔法使い「…ふう、片付いたわね」

非常食「にゃ、やっぱりフロアが変わったら敵が強くなりましたにゃあ…」

盗賊「お、たからばこだな、かいじょするぞ!!」ガチャガチャ…

商人「ほっ…盗賊ちゃん、元に戻ってる…」

盗賊「よーし、あいたぞ!!」パカッ

魔戦士「宝箱の中は指輪が1つ、か。こんな大きな宝箱なのにしけてるねえ」

魔法使い「そうね、これが例の探してる指輪なら話は別だけど、そんなはずないものね…」

商人「でも、指輪ならそんな悪いアイテムじゃないはずだよ!やっぱりこのフロアは敵が強いだけあってアイテムも良いのが出そうだけど…」

竜王「イマハマダムリスルトキデハナイ。ミナミガワノフロアニモドルベキデハ」

魔法使い「そうね、私のレベルがもう少し上がるまでは止めておいた方が良いかもね…」

魔戦士「ま、南
もまだ半分以上探索が終わったないからな、それを済ませてからでも遅くはないさ」

商人「だね、何かあるかもしれないし!…オバケ以外でお願いしたいけど…」

魔法使い「やっぱりこっちでもう少し探索を…」

――何かに遭遇した!

商人「ぎゃー!!ま、またアルティメット!!しかもネズミも一緒!!」

魔法使い「………やるしかないわね…」

アルティメットランナーの行動:増援

盗賊「おお!?食べれないのがふえてもうれしくないぞ…」

竜王「ガー!!」ゴオオー

アルティメットランナーは死亡した ジャイアントラットは死亡した アルティメットランナーは――

魔戦士「よーし、残りを…」

アルティメットランナーの行動:増援

商人「ま、また増えた…こ、この…バラドス!!」ゴオオー

アルティメットランナーは死亡した ジャイアントラットは――

魔法使い「よし、あと少し…」

アルティメットランナーの行動:増援

商人「ひえー!!もうやだー!!」

商人「なんとか全部退治出来たけど…魔力をほとんど使っちゃったよ…今日は戻るようだね…」

魔戦士「ま、仕方ないさ。どのみちそろそろ…」

――何かに遭遇した!

非常食「にゃにゃ!?あのヒトは強力なマジックユーザーのはずですにゃ!!」

盗賊「まほーつかうのか?せーかくきつそーだな!!」

魔法使い「…何を根拠に言ってるのかしら?さて、厄介な敵だけど…」

竜王「ガー!!」ゴオオー

ハイアルケミーは死亡した

魔戦士「よし、一人は倒した!残りは…」

ハイソーサリスの行動:アルゲイズ

盗賊「わー、ゆれるぞー!!」グラグラ

魔法使い「じ、地割れが…商人、危ない!!」

――商人は地割れに飲み込まれた

非常食「にゃにゃにゃ!?た、大変ですにゃ!!」

魔戦士「ちっ、一撃死か!!全く、呪文ってのは面倒だね!!」

商人「うう…ヒドい目にあったよ…」

魔法使い「アルゲイズか、全体攻撃に即死効果までついてるのね。威力も即死の確率もそう多くはないみたいだけど…」

竜王「トリアエズカズヲヘラシタイトキニハイイナ」

商人「とりあえず減らされたよ…まあいいや、鑑定しなきゃ…」ガチャガチャ…

非常食「にゃ、呪文にも色々ありますにゃあ…」

魔戦士「使う方もよくやるよ。アタシはやっぱりひたすらぶった斬ってた方が楽しいね」

魔法使い「私は色々出来るのが魅力だと思うけど…」

盗賊「とーぞくは食べるのがいちばんたのしいぞ!!」

魔法使い「分かってるわよ…」

商人「ん、鑑定終わり!今日はこの真珠の指輪位かなー」キラーン

魔戦士「お、良いね。これはアタシが使わせてもらおうかねえ」

魔法使い「ええ、前衛が装備した方が良いと思うわ。私達は魔印なんかも装備しないといけないし。その魔印もそろそろ新しいのが欲しいけれど…」

――翌日、シェーベ遺跡

魔戦士「この辺りも結構探索が進んだね。この調子なら今日明日中に南側のフロアは全部踏破出来るかねえ?」

魔法使い「そうね、遅くとも明日にはしたいわね…」

盗賊「おお?へやのすみっこになにかあるぞ?」

非常食「にゃんですかにゃあ…にゃ、ガラクタの山ですにゃ」

商人「あ、何か掘り出し物はないかなあ?」ガサゴソ

魔法使い「止しなさい、こんなに山になってるもの、きりがないわ。それにしても、この遺跡に似つかわしくないガラクタね…」

魔戦士「何かが生活してるんだろ。オーガやゴブリン、コボルド辺りがね」

竜王「スメバミヤコダナ」

魔法使い「なるほど亜人種か…どんな所にも暮らしてる者達はいるものね。私達が昔いた世界では氷に覆われた大陸にも人が住んでいたものね…」

商人「…この扉の先だよね?開けるよ…」ギィ…

非常食「…にゃ、魔物は居ませんにゃ…」

魔法使い「とりあえず部屋の隅まで歩いて行きましょう…ここで行き止まりね」

盗賊「これでここはとーはだな?」

魔戦士「だね、結局あの後ガラクタの山がもう1つ見つかっただけか。」

商人「でも思ったより順調だったよね?」

竜王「テキモアマリツヨクナカッタナ」

魔法使い「そうね、最初に警戒した程じゃなかったわね。あまりレベル上げには向かなかったわ」

魔戦士「ま、アタシらが強くなっただけかも知れないがね」

商人「だといいけど…それよりあたし達、そろそろアイテム持てなくなりそうだよ」

魔法使い「こんなにアイテムが貯まるほど長く冒険出来たのは初めてかもね。ちょうど踏破もしたし、今日は帰りましょうか?」

魔戦士「だね、体力的にも良い頃合いだろうさ」

盗賊「よーし、かえってごはんだな!!」

――マーシャの酒場

魔戦士「今回は全員無事だったね。もうあそこの敵には苦戦しないね」

魔法使い「まだそうとも言い切れないわ。厄介な魔物は結構いたし…」

盗賊「りゅーおーはそせーまほーまだおぼえないのか?」

竜王「マダサキダトオモウ」

非常食「にゃ、蘇生呪文は高位の呪文ですからにゃ、にゃかにゃか大変なのですにゃ」

商人「そだね、蘇生魔法はそう簡単じゃないよね…はい、鑑定終わりー」

魔法使い「あんまり鑑定結果が良くなかったのね。貴方は分かりやすいわ」

商人「え?そうかな…確かに良くなかったけどさ」

魔戦士「小娘は単純だからねえ」プッ

商人「あたしコムスメじゃないし!!」

魔法使い「はいはい、ちょっとアイテム見せてね…そうね、素材以外は良いもの無いわね。でも私が錬金術師じゃ無くなったから錬金が出来なくなったのよね…他の錬金術師がいないパーティーはどうしてるのかしら?」

姉御「ああ、錬金術?それはもちろんこの酒場にいる錬金術師に頼むんだよ。キミ達にも紹介しとこっか」

魔戦士「この酒場にねえ。つまり、フリーの錬金術師がいるって事か」

商人「れ、錬金術師だって!魔法使いちゃん、ヤバイよ!」

魔法使い「?何がヤバイのよ?」

商人「だって、錬金術師っていったら、あたし並にきゅーとな女の子って相場がきまってるんだよ?あたしのライバルになるじゃん!せくしーだいなまいつさではあたしが勝ってるとしても…」

魔戦士「セクシーダイナマイツ?小娘がねえ」プッ

商人「コムスメじゃないし!!とにかく、これ以上きゅーとなライバルが増えたら…」

ドワーフ女「アタイに何か用かい?」

商人「へ?れ、錬金術師さん!?あ、えっと…」

魔戦士「はは、確かに色気の無さではタメはるか!ま、それでもちょっと負けてそうだがねえ」クスクス

商人「そ、そんな事ないし!!」

魔法使い「貴方が錬金術師?これからお世話になるかもしれないわ、よろしくね」

錬金術師「ああ、あんたらみたいなのがアタイのレベル上げと酒代を都合してくれるんだ、客はいくらでも歓迎だよ、ハハハハハ!!」

盗賊「うー…さけくさいぞ…」

商人「想像と大分違った…ライバルじゃないけど、うーん…」

非常食「にゃ、今日はシェーベの更に奥に行くのですかにゃ?」

魔法使い「そうね、遺跡に北側を探索して、出来れば神々の指輪を…といった所ね」

魔戦士「いよいよ指輪か。長かったねえ」

商人「でも魔法使いちゃん、この前は指輪のある所まで行けなかったよね?汝を拒む…とか扉にキョヒされて…」

盗賊「とびらなんかくだいて食べればいいんだぞ!!」ガオー

魔法使い「流石にそうは行かないでしょう…ちゃんと突破する方法があるはずだわ。それを探してみましょう。と言っても目星はついてるけど…」

竜王「イセキイリグチノタテフダダナ?」

魔法使い「そう、あれがきっとヒントになってるはず。今まではちゃんと読んでなかったけど、今日はきちんと調べてみましょう」

商人「謎解きかあ…あたし苦手」

魔戦士「ま、そこら辺は魔法使い、あんたが何とかしてくれるんだろ?期待してるよ」

盗賊「たのんだぞ!!」

魔法使い「貴方達も考えるのよ…」

――シェーベ遺跡

非常食「にゃ、これが例の立札ですにゃ?」

商人「そだね、読んでみよっか。どれどれ…」

*時の聖地シェーベ*
*時が全てを支配する地*
*抗う事すら出来ず翻弄されるのみ*
*我々は ただ歩むしかない*
*自らの歩みが*
*時の刻みに重なる者は幸いである*
*汝にナルゥの加護あらんことを*

魔戦士「なんだい?長々と小難しいこと書いてる割には何も分からないじゃないか」

盗賊「こんなめんどくさいカンバンはやきにくのまきにするぞ!!」ギャーギャー

魔法使い「止めなさい!どうやら自らの歩みが時の刻みに重なる者は…の部分が肝のようね」

商人「あ、何か分かったの魔法使いちゃん?」

魔法使い「分かった、とは言いがたいわね…とにかく、またあの扉まで行ってみましょう。何か分かるかもしれないわ」

――シェーベ遺跡、北側

盗賊「お、このまえもどされたとびらだな!!」

魔法使い「待って、その手前…ほら、祭壇みたいな物があるわ」

商人「そういえば南側にもあったよね。確か触ると…」

――汝の歩みは今 2 を数えた

非常食「にゃ、どこからともなく声が聞こえますにゃあ」

魔戦士「おそらくこの声があの扉を突破するヒントなんだろう。そのくらいならアタシにも分かるよ」

商人「え、そ、そうそうそうだよね、これがヒントだよ魔法使いちゃん!」

魔法使い「分かってなかったわね…、またあの扉へ行ってみましょう」

竜王「コノトビラダナ」

*崇高なる時の扉*
*未来は 7 の刻限に訪れる*
*時の扉は*
*汝を拒む*ギャオーン…

――

魔法使い「…ここは…また戻されたようね」

商人「ダメかあ…でも魔法使いちゃん、前来たときはなんか数字が違ったような…」

魔戦士「前は4、今度は7だったな」

非常食「にゃ、にゃにが違うのですかにゃ?時の聖地というからには時間によって変わるのですかにゃ?」

竜王「ゼンカイハヒダリ、コンカイハミギノトビラヲアケタ」

魔法使い「時間なのか、扉の左右の違いなのか…今度は逆側の扉を開けてみましょう。そうすれば何かが分かるかも…」

商人「じゃあ次は左の扉だね。えっと…ここ、だよね…」

*――未来は4の刻限に訪れる*
*時の扉は…*
*汝を拒む*ギャオーン

――

盗賊「ううー、またもどされたぞ…」

魔法使い「今回は4だったわね。じゃあ竜王の言った通り左右の違いのようね。あとはこれが何を意味するかだけど…」

商人「でもさ魔法使いちゃん、あたし達南側はこういう扉通ってここまで来たよね?汝に開かれよう…とか言われて」

魔法使い「ええ、それは確かだけど…」

盗賊「あのときはおなかすいてたぞ、おなかすいてればとおれるんだな!!ん?でもいまもおなかすいてるぞ???」

魔法使い「貴方はご飯食べてちょっとの間しかお腹一杯じゃないでしょう…」

魔戦士「確か南側では2の刻限に訪れるとかだったな。南側が通れて北側が無理って事は…」

竜王「スウジハナンイドカモシレナイ」

魔法使い「やっぱりそうなのかしら…こっちの方が難しい…そして私達はおそらく簡単な南側はクリア出来た…」

非常食「にゃ、確か立札には『自らの歩みが時の刻みに重なる者は幸いである』とありましたにゃ。運さえ良ければ突破出来るのかもしれませんにゃ」

魔戦士「当たりが出るまで繰り返すってかい?じゃああんたがやっときな、アタシらは酒場で飲んでるから」

非常食「うにゃあ!?それはないですにゃ!」

魔法使い「待って、自らの歩みが時の刻みに…確かさっきの祭壇みたいな物が言ってたのは…」

商人「え?確か汝の歩みは…って、あ、歩み!立札にあった…!」

魔法使い「ええ、汝の歩みと時の刻み、そのうちの1つはあそこで答えがもらえたのよ。もう一度祭壇に戻って、声を聞いてみましょう」

盗賊「さいだんは…ここだな!!」

――汝の歩みは今18を数えた

魔法使い「おそらくこの数字とあの扉の数字が合えば良いという事なんでしょうけど…」

竜王「コレハワレワレガアルイタカズカ?」

魔戦士「18…このダンジョンに来てからの数字じゃないようだね」

商人「入り口からならもっと歩いてるもんね…ならこのフロアに入ってから?」

魔法使い「それならフロアの入り口から入り直せば…いえ、それだと4の方から突破が出来ないわね。4歩いただけでは扉までたどり着けないもの…」

魔戦士「じゃあ瞬間移動の呪文がないと突破出来ないってかい?」

魔法使い「それならお手上げね。そうじゃないとしたら…」

盗賊「なあなあ、あゆみはいっかいしかかさならないのか?おなじほーにあるいたらなんかいもかさなるんじゃないのか?」

商人「…!ま、魔法使いちゃん…!」

魔法使い「ええ、すごいわ盗賊!なるほど、それなら…倍数?あの扉で示された数字の倍数で歩いて行けば…」

魔戦士「扉が開くかもしれない、か。面倒だがやってみる価値はあるか?」

商人「うん、もしそうなら盗賊ちゃん、お手柄だよ!!今夜はごちそうだね!!」

盗賊「おー!!じゃあかえってごはんだな!!」

魔法使い「扉を開けてからだからね…」

商人「…じゃあこの辺をウロウロして…ドキドキしてくるね」

非常食「ですにゃあ。にゃ、では…」グッ…

*――時の扉は…*
*汝に開かれよう*

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…ゴゥ…ン!

魔法使い「開いた…!」

盗賊「おー!!やったぞ!!」

商人「ね、ね、すごいよ盗賊ちゃん!」

竜王「コレデサキニススメルナ」

魔戦士「おいあんたら、はしゃいでる所悪いが、忘れてる事ないかい?」

商人「え?な、なに?」

魔法使い「…!コンパス…指輪ね!」ヒイイ…ン

非常食「にゃ、もうすぐ見つかりそうですにゃ!」

魔戦士「コンパスが示してるのは暗滅の指輪か。ここシェーベは時の聖地、立札にあった通り時間神ナルゥの加護があるはずの場所のはずだが、暗滅神の指輪があるなんて不思議なもんだねえ」

商人「へえ、お嬢サマ神様の名前とかちゃんと知ってるんだ…」

魔戦士「バカにしてるのかい?この世界にすんでりゃ嫌でも覚えるさ。ま、神々の世界の出来事なんてアタシらには関係ないさ。問題は指輪を手に入れられるかどうか。さ、行くよあんた達。指輪は目の前だ――」

商人「コンパスはずっと北を示してるけど…」

非常食「このまま行けば良いのですかにゃ…にゃにゃ!?コンパスの光が消えましたにゃ!?」

魔法使い「方向を示さなくなったという事は…もう示す場所に着いたという事かもしれないわ。探してみましょう」

盗賊「おー!!はやくさがしてごちそうを…おー!!これか?」キラーン!

魔戦士「そいつは…やったね、おそらくそれで当たりだ!」

商人「おー、またまた盗賊ちゃんお手柄だね!!」

魔法使い「ええ、でも本物かどうか確認してもらうためにも、早く帰って王様に見せて…」

???「待て」

竜王「ダレダ!?」

???「ようやく見つけたぞ…こんな小さな物に我々の計画が邪魔されるとは…腹立たしい!」

商人「え?え?計画?邪魔?こ、このヒト…!」

魔法使い「私達の敵側…闇の巫女の手の者ね!」

???「これを砕けば父上の降臨は磐石となる…お前達、悪いが指輪と共に滅んでもらう。これ以上計画を邪魔される訳にはいかないのでね。死にゆく者へも礼儀は惜しまん。我はフィリーヌ、参る!!」

魔法使い「はい、そうですかと滅びる訳にはいかないわね。さあみんな、戦闘開始よ!」

――何かに遭遇した!

盗賊「おお!?つっつきねーさんずだぞ!!」

魔法使い「デーモンヴァルキリーね。これが3体だけでも荷が重いのに、後ろにはビストーラが2体…」

魔戦士「即死呪文を使う悪魔だな。確かに面倒な連中だが…」

商人「相手は準備が出来てないみたいだよ、チャンス!」

非常食「にゃ、先手必勝ですにゃ!!」ドカバキッ

デーモンヴァルキリーは毒を受けた

魔法使い「私は…ラロイド!!」ジジジ…

デーモンヴァルキリーは麻痺した

商人「よーし、ラミサーマ!!」ポワワーン

デーモンヴァルキリーは眠った

竜王「ドクモマヒモスイミンモミンナオナジヤツダナ」

魔戦士「ったく、3人掛かりで1体しか無力化出来なかったのかい?そらあっ!!」ドスッ

ビストーラは麻痺した

商人「やった、即死魔法使う奴を止めたよ!!」

魔法使い「では私も後ろを…ロイド!!」ジジジ…

ビストーラは麻痺した

非常食「にゃ、後衛は二人とも封じましたにゃ!うにゃー!!」ドカバキッ

デーモンヴァルキリーは毒を受けた

デーモンヴァルキリーの行動:怨槍カヴィランエ デーモンヴァルキリーの行動:怨槍カヴィランエ

魔戦士「…はっ!アタシは1発喰らった位じゃ死なないよ!魔法使いは大丈夫だろうねえ?」

魔法使い「っつう…ええ、相手が毒を受けてたからか、それほどダメージを受けなかったわ!」

竜王「カズをヘラスゾ!!」ザクザクッ

デーモンヴァルキリーは死亡した

盗賊「てやー!!」ヒュンヒュン

ビストーラは死亡した

商人「よーし、いい調子!!これなら…あっ!?」

デーモンヴァルキリーの行動:怨槍カヴィランエ

商人は死亡した

魔法使い「商人!!」

魔戦士「はっ、東方じゃ死刑場の事を土壇場って言うらしいが、まさにそんな感じかねえ!?そらっ!!」ドスッ

デーモンヴァルキリーは死亡した

魔法使い「まだ余裕があるみたいね…でもそうね、どんな状況でもやれる事をやるだけだわ、竜王!貴方は攻撃は良いから、守備力を上げる呪文を!!」

竜王「ヤミノケンゾクタルワレラ、クロキコロモヲマトイテヤミニマギレン…ハロブカン」フュオオ…

非常食「あ、相変わらず怖いですにゃあ…」

魔法使い「良いわよ、今敵は前衛と後衛に一人ずつ、しかも両方麻痺してるわ!今なら補助呪文を掛け放題よ――より多き手、より速き足、より強き意志を我らは持たん――オラース!!」ギュイイーン

魔戦士「攻撃回数を増やせる呪文か、良いね!」

竜王「モウイチド…ハロブカン」フュオオ…

魔法使い「私もよ、オラース!!」ギュイイーン

盗賊「よーし、あとはたおすぞ!!」ヒュンヒュン

ビストーラは死亡した

魔戦士「らあっ!!」ドスッ

デーモンヴァルキリーは死亡した

魔法使い「仕上げよ、後ろに何がいるか分からない、呪文抵抗力を上げるわ――我らは困難に立ち向かう者達!不可視の鎧を纏い、仇名す者共に立ち向かわん!!ラポールフィ!!」ギュウウ…

盗賊「おー!!いろんなまほーつかえるんだな!!さすがまほーつかいだぞ!!」キャッキャッ

魔法使い「転職でレベルが下がって皆に多少なりとも迷惑を掛けたわ、このくらいはね…さあ、土壇場を切り抜けるわよ!!」

非常食「ですにゃ!敵は…にゃ!あのセフィリーヌとかいうヒトですにゃ!」

盗賊「お、うしろはひつじとタコあたまだぞ!!どっちもおいしそーだぞ!!」

魔法使い「タコ頭…マインドフレア!?確か姉御が…」

――数日前、マーシャの酒場

姉御「…でね、キミ達が前探索してたウェーンの宮殿跡に行ってみたんだけどさ、そこでタコ頭のすごい悪魔に会ったの!ラバラドだっけ?火の一番強い呪文撃たれてさ、隠れてた私以外全滅しちゃったんだよ!?」

――

魔法使い「…って言ってたわね」

非常食「にゃ、それは大変ですにゃ…」

魔戦士「たあっ!!」ドスッ

マインドフレアは麻痺した

盗賊「おー!!さすがせんぱい、ぜっこーちょーだな!!」

竜王「カイソウシタイミナカッタナ」

魔法使い「…そうね。でも…勝てるのなら何でも良いわ。厳しい戦いだと思ってたけど、あと一息…」

魔戦士「羊は放っとけ!まずこの槍女から倒す!」

非常食「にゃ!集中攻撃ですにゃ!」ドカバキッ

セフィリーヌは死亡した

盗賊「なんだ、つっつきねーさんずよりよわいな!!」

魔法使い「これで残りは2体、そのうち1体は麻痺してる…いけるわ!」

竜王「ガアアッ!!」ゴオオー

ブラックシープは死亡した

魔戦士「これで終わりだ、そらあっ!!」ドスッ

――マインドフレアは死亡した

セフィリーヌ「ぐぁ!?…ぬう!!わ、我が槍撃を退けるとは…何者だ、貴様ら…くそっ!」シュウーン

非常食「にゃ!?消えましたにゃ!」

魔法使い「どうやら退いてくれたようね。という事は…」

魔戦士「アタシらの勝ちだね。さ、後輩、指輪を拾っていこうか」

盗賊「おー!!これだな、やったぞー!!」キラーン

竜王「ヤッタゾー!!」ガオー

非常食「ついに手に入れましたにゃ!!」ニャオー

魔法使い「もう、確かに嬉しいけど、手に入れるべき5つの指輪のうち1つが手に入っただけよ。さあ、帰って王様に報告しないと…」

盗賊「そーだな!!かえってごはんだな!!」

魔法使い「報告よ、それにその前に商人を生き返らせないと…」

魔戦士「全く、こんな場面でとっとと死んじまう辺りが小娘だねえ」

魔法使い「そう言わないであげて。次からの指輪探しでは必ずこの子の力が必要になるわ」

魔戦士「分かってるさ。さ、さっさと帰って小娘を生き返らせて、アタシらで指輪手に入れたこと教えて悔しがらせてやらなくちゃね」

魔法使い「もう…困ったものね…」

商人「…そっかあ、指輪は無事に手に入ったんだね」

魔戦士「ああ、あんたがいなくても余裕だったね」

魔法使い「ちょっと!…商人、分かってると思うけど…」

商人「え?うん、分かってるよ、分かってるけど…皆には謝らなきゃ…」

魔法使い「そんな必要は…」

商人「ううん…ごめんなさい、読んでくれてる人達、めいんひろいんがいない戦闘はやっぱり華がなくてつまらなかったんだろうなって…」

盗賊「それであやまるひつようはないぞ、いっさいないぞ!!」

商人「ど、どういう意味よ!?」

盗賊「しょーにんにメインヒロインをきたいしてるやつなんてこのよには…」

商人「詳しく説明しなくて良いよ!!」

魔戦士「やれやれだねえ…」

魔法使い「全くね…さあ、元気になったなら王様に報告しに行くわよ。きっと喜んでくれるはずよ」

商人「そだね、ご褒美貰えるかもね!!」

盗賊「ごほーびでごちそうだな!!」

魔法使い「少しは物欲から離れなさいよ…」

選王「その指輪、暗滅の指輪だな?よく見つけた、素晴らしいぞ!!」

商人「いやー、それほどでもありますけど…」ドヤッ

盗賊「しょーにんしんでたのにえらそーだぞ…」

選王「カレテゴの者が躍起になって探していたが、お前達の方が一足早かったようだな」

魔戦士「探してたヤツなんて見たことないがねえ…」

非常食「にゃ、お嬢様、それは言っちゃダメですにゃ…」

選王「彼等には、私から書簡を送っておこう。お前達は、引き続き指輪を探してくれ」

魔法使い「は、承知しました」

商人「承知しましたー!!…あれ?ご褒美とかないんだ…」

商人「かんぱーい!!」

「「「「「かんぱーい!!」」」」」カチンッ

非常食「にゃ、正直デーモンヴァルキリーが並んでた時点で厳しいと思ってましたにゃ」

魔法使い「正直ね…でも今回は魔戦士に助けられたわ」

魔戦士「アタシがどうこうってより槍のおかげだけどね。ま、死んじまった誰かさんよりはね」プッ

商人「むー…つ、次はあたしのカツヤクで指輪ゲットしてみせるんだから!!」

魔法使い「ええ、期待してるわよ。真面目な話…これから闇の勢力もより指輪の捜索に力を入れてくるはずだから…」

竜王「センテヲトラレタワケダカラナ」

魔法使い「そういうことね…あら」

姉御「聞いたよ!!おめでとー!!すごいね、指輪一番乗りなんでしょ?」

盗賊「あ、あねご!!」ビシッ

魔術師「…おめでとう…」

魔法使い「ありがとう。まあ、運が良かったわね…」

師匠「いや、素晴らしい。王も喜んでくれたでしょうな」

商人「それはもう!!…ご褒美は何もなかったけど…」

竜戦士「そうなのか?王様なのにケチなんだなオイ!!」

姉御「ケチさならホビットは負けないよ!!で、そんな訳だから私達からお祝いはしないけど…良かったら後でお店除いてみてよ!今日は良いアイテムたくさん見つかったんだー!!」

魔法使い「へえ、じゃあ後で見に行こうかしら?」

商人「ていうかすぐ行こう!!今すぐ行こう!!ね、ね?」

魔戦士「ったく、落ち着きがないねえ…」

盗賊「それではまたなんだですぞ!!」ビシッ

姉御「じゃーねー!!………さて、私の言いたいこと、分かるよね?」ジロッ

狩人「あ、は、はいっす…」

姉御「悔しい~!!先越されたよ!!絶対私達が一番だと思ってたのに!!」ギャーギャー

竜戦士「まーなー、まさかあいつらがなー」

魔術師「…ぽんこつだって…油断してるから…」

姉御「あーもう!!…でも、私達だって指輪の在処にあてがないわけじゃない…よね?」

師匠「近日中には我々も指輪を手に入れられるでしょう。あわよくば、複数…」

姉御「だよね!!見てろよー、私達がすぐに追いつき追い越して見せるんだから!!」

狩人「わ、分かったっすよ、分かったっすからリーダー、テーブルから降りて…」

非常食「にゃ、お店では良い買い物が出来ましたにゃ」

魔戦士「アタシはローズガントレット、後輩はイノセントマント、そして竜王は豪雷の剣、これでかなり戦力もアップしただろうね」

魔法使い「ええ、それにしても姉御達、私達より数段上のアイテムを手に入れてるのね…」

竜王「ワレワレモヒカリノニワニイクベキデハ」

盗賊「しょーにんもくものうえあるけるまほーつかえるよーになったんだよな!!」

商人「え?うん、そうだね…」

魔法使い「元気ないわね?…ああ、お店の子、ナーウィだっけ?あの子が心配なのね…」

非常食「にゃ、落ち込んでいたようですにゃあ…」

魔戦士「あのオランドとかいうじいさん、体調悪そうだったがまさかこんなあっさり逝くとはね」

商人「うん…ちょっと心配だなーって…」

魔法使い「大丈夫よ、あの子なら。でも、気になるならまた様子を見に行ってあげたら?」

商人「うん、そだね、そうするよ」

魔戦士「ったく、他人ばっか気遣って、よくそれで今まで冒険者出来てたねえ」

魔法使い「冒険者だからいろんな人の痛みが分かる部分もあるわ。誰かを助けるのも冒険者だもの…」

ナーウィ「いらっしゃい!!オランド商店へようこそ!」

魔法使い「あら、元気になったのね」

ナーウィ「はい、昨日商店さんとちょっと…」

商人「そうそう、あたしのひろいん力でナーウィちゃんが復活したんだよ!」ドヤッ

ナーウィ「まあヒロイン力は関係ないんですけどね」

商人「ちょっ、話合わせてくれるって言ってたのに!」

魔戦士「はは、しかし生意気さがなくなった物足りなさはあるねえ」

ナーウィ「いやあ、あの後客足が遠退いてしまって…このままじゃいけない、と思いまして!」

魔法使い「そういえばお店の名前はそのままなのね」

ナーウィ「はい、名前を残しておけば、オランドの小言を思い出して身が引き締まるというか…」

非常食「にゃ、素敵な話ですにゃ。目上の人に恵まれるとは羨まし…にゃあ!?コメカミグリグリは止めて欲しいですにゃ!」グリグリ…

魔戦士「んー?まるであんたは目上の人に恵まれてないみたいな言い方じゃないか?そんな事はないよねえ?」グリグリ…

魔法使い「もう、止しなさいよ…」

――シェーベ遺跡

非常食「にゃ、今日も引き続きシェーベですかにゃ?」

魔法使い「ええ、このフロア位は踏破してしまいたいわね」

竜王「ダンジョンゼンブトウハシタイ」

商人「竜王ちゃんはドラゴンロードのヒトからの試練をクリアしたいんだったね」

魔戦士「あのドラゴンロード、怪しいおっさんにしか見えなかったが本当に試練をクリアする価値あるのかねえ…」

盗賊「もしなにもなかったらあのおっちゃんのしっぽをステーキにするぞ!!」

竜王「カンベンシテクダサイ」

魔法使い「私もそのステーキは遠慮したいわね…まあ、そもそもこのダンジョンの一番奥まで行ける保証もないけどね。今までのパターンだと、このフロアまでであとは後回しって事にもなりそうね…」

商人「最後のフロアは強いモンスターばっかりだもんね、ここもそうなのかな…?」

――シェーベ遺跡、北側

魔法使い「さて、ここの踏破を始めたいけど…考えてみたら面倒な所よね、ここは…」

商人「あの歩数を合わせなきゃいけない扉がイヤだよね…」

魔戦士「確かに面倒極まりないが、あの扉の手前側もいくらか探索すべき所があるようだ、まずはそっちから行ってみないか?」

非常食「にゃ、確かに扉の手前にもいくつか部屋がありますにゃ。前回は扉までまっすぐでしたからにゃあ…」

竜王「モクテキハユビワダッタカラナ」

魔法使い「そうね、でも今回はとりあえず目的もないし…」

盗賊「かたっぱしからだな!!」

商人「じゃあ東から!!きゅーとでせくしーだいなまいつな女のカンで!!」

魔戦士「セクシーの意味分かってんのかねえこの小娘は?」プッ

商人「コムスメじゃないし!!」

魔法使い「はいはい、じゃあとりあえず東から探索しましょう。何かあると良いけど…」

魔戦士「…さて、東側は大体歩いたが特に何もなかったね。キュートでセクシーダイナマイツな女のカン」プッ

商人「悔しい~…なんで何もないの…?」

盗賊「セクシーダイナマイツじゃないからだな!!」

商人「そんなハッキリ言わないでよ!!」

魔法使い「落ち着きなさいよ…東側は何もなかったけど、西側には何かあるかもしれないわ。行ってみましょう」

商人「うーん、西に何かあってもなあ…」ブツブツ…

盗賊「…お?なあなあ、あそこなんかへんだぞ?」

魔戦士「ああ、南側のフロアにもあったね、あんな感じのガラクタの山が…ん?ほら小娘、あれを見てみなよ」

商人「あたしコムスメじゃないよ!何があるって…え、ちょっ、あ、頭が、人の頭が転がってる!?!?まままま魔法使いちゃん、あたあたた頭が…」ビクビク

魔法使い「ほら、落ち着いて!よく見て、あれは人形の頭よ」

商人「に、人形!?……な、なーんだ人形じゃん、ひっくりしたー!」ホッ

魔戦士「ったく、人形の頭にビビるなんて小娘だねえ」

商人「コムスメじゃないし!!でも、すごく良くできてる人形だね、もうちょっとよく見てみたいな…」ヒョイ

???「デクに触るナッ!苛めると、後でドッカーンするゾッ!」ガオー

商人「しゃしゃしゃ喋った!?!?!?」

???「はーっ、まったく!デクがなにをしたっていうのダ!?失礼しちゃうゾ、あの忌々しいゴブリン!」

魔法使い「やっぱりここにはゴブリンが住んでたのね…」

???「えーと、そこの冒険者」

商人「え?あたし?」

???「うん、お前。デクに興味あルー?」

盗賊「食べれないヤツにはきょーみなんかないぞ!!」

???「本当は興味しんしんのくせニ」

魔戦士「どうやらこっちの話を聞く気は最初からないようね」

非常食「ですにゃ…」

???「仕方ない、デクから自己紹介してやるゾ!これを、あゆみよりと言うのダ!」

商人「はあ、どうも…」

???「デクの名前は……『デク』だッ!」

竜王「ソノマンマダナ」

デク「名前とか、分かんないヤ。まあ、細かいことは気にするナ。『名前なと、記号に過ぎヌッ!』…って、マスターが言ってタ」

魔法使い「マスター?貴女を作った人?もしかして…」

デク「よシ、自己紹介もしたシ、これでお前とデクはオートーモーダーチー!」

非常食「にゃ、友達になりましたにゃ…」

商人「なんかろくなことにならなそうだけど…」

デク「友達なラ、デクを助けるのが当然だナ?でハ、友に命じてやル!」

魔法使い「友達には命令はしないと思うけど…」

デク「デクの体、集めてこイ。足りないパーツ、足とか、手とか、胴体とか、沢山あル。頼んだ、友ヨー!」

魔戦士「やれやれ、結局また面倒事か。こんなの放っときゃ良いと思うが、うちのお人好し共は言うこと聞くんだろうねえ…」

非常食「にゃ、ではあの人形さんのパーツ探しですかにゃ?」

魔法使い「そうね、話を聞いた以上は放っておけないわ」

魔戦士「繰り返しになるが、アタシは放っときゃ良いと思うけどねえ…」

商人「そうも行かないよ。そういえば魔法使いちゃん、さっきあの子
事で何か気づいたことあったみたいだけど…」

魔法使い「あの子の事っていうか、前に頼まれてたでしょう?魔力で動く女の子の人形を見かけたら教えて欲しいって」

竜王「ノヴァ・カリスデキイタナ」

商人「あー、あそこかあ…あそこの事はあんまり思い出したくないけど、確かジルオールさんに…」

盗賊「むげんのソウルか?」

魔法使い「何の話よ…ジルオールじゃなくてジオールさんよ、後で報告に行くようかもね。まあ、あの国に行くのはあまり気が進まないけど…」

魔戦士「ならパーツ全部集めてからでも良いんじゃないか?どうせ全部集めるんだろ?」

商人「あ、そうだね、行く回数を減らせる!」

魔法使い「そうした方が良いかしらね…そこまで嫌わなくてもと思わなくもないけど、あそこの王様を思い出すとね…」

盗賊「お?またガラクタのやまだぞ!!」

商人「ホントだ、北側にもあったんだね。あ、そういえばさ、ここにあの子のパーツとかないかな?」

魔戦士「ほら、浅ましくゴミを漁るのはケダモノの仕事だろ?さっさとしなよ」ゲシッ

非常食「うにゃー!?ひどいですにゃ!」

魔法使い「もう、また乱暴して…私達も探しましょう…あ、竜王、そっちの…そうそれ、それって…」

竜王「ニンギョウノドウタイダナ」

盗賊「おー、パーツひとつはっけん!!」

商人「やったね!…でもパーツってあとどのくらいあるんだろ…」

魔法使い「さあ…少なくとも両手両足はあるんじゃないかしら?」

魔戦士「先は長いねえ。まだ探すのか?」

商人「んー、そろそろ持ち物がいっぱいになるし、帰らないと…」

魔法使い「まあ、ガラクタの山にパーツがあるのは分かったわ。明日南側も含めて探せば、大体見つかるんじゃないかしら?」

非常食「南側はもうガラクタの山の場所は分かってますからにゃ」

商人「よーし、じゃあ帰ろう!今日はアイテムがたくさんだから、鑑定が楽しみだよ!」

魔法使い「…ふう、帰り道で死んでしまったわ。油断したわけではないけれど…」

非常食「デーモンヴァルキリーやハイソーサリスが強かったですにゃあ…」

魔戦士「ま、逆に言えばあのレベルの魔物相手でも一人死ぬだけで済むようになったんだ、良い事だと思うがねえ」

魔法使い「そういう考え方も出来るけど…」

盗賊「しょーにん、かんてーは?」

商人「うーん、この翡翠の指輪位かな、あたし達のパーティーを強化出来るのは」

魔戦士「翡翠の指輪か、じゃあアタシが貰うかね」

魔法使い「良いんじゃないかしら、私や商人は魔印を装備するし、前衛の貴方が装備すべきだわ」

商人「非常食ちゃんは黒帯があるしね。竜王ちゃんでも良いけど…」

竜王「ツギミツケタラモラウ」

魔法使い「欲が無いわね…もっと欲しいものがあったら言って良いのよ?」

盗賊「じゃあごはんのおかわりとジュースとステーキとパイナップルとエビと…」

魔法使い「貴方には言ってないわよ…」

竜戦士「あー、確かこの辺だよな…お!」ヒィィィ…ン

姉御「コンパスが光った!ここを探せば指輪が見つかるよね!」

師匠「ええ、我々のフェイムの数ではピンポイントに探すしかなかったのですが…」

狩人「3Fから足を踏み外したおかげで見つけられたのはラッキーっしたね」

姉御「まあ見つけたのは結構前だけどさ、きっと手にいれようとしたら敵の精鋭が襲ってくるんじゃないかなーって様子見してたんだけど…」

魔術師「…指輪探しの…先を…越された…」

姉御「そう、もうもたもたしてられないよ!それに…」

竜戦士「連中も闇の勢力と戦ったが勝ったって言ってたしな。なら俺らだって大丈夫だろ」

狩人「相手が同じ位の強さとは限らないっすけどね…」

師匠「しかし、いつまでも放置しておく訳にはいきませんからな。良いきっかけとも言えるでしょう」

姉御「そういう事!さ、みんな、指輪を探すよ!もちろん、敵には気を付けてね!」

竜王「おお!!ぶった斬ってやるぜ!!」

ガヤガヤ…

商人「あれ?なんだか騒がしくなってない?」

盗賊「お、あねごだぞ!!」ビシッ

非常食「うにゃあ、姉御さん達が騒ぎの中心なのですかにゃ…にゃにゃ!?あ、あれは指輪ですにゃ!!」

姉御「あっちのパーティーも指輪を手に入れたって事かい?流石にやるね」

姉御「あ、キミ達!私達もついにキミ達に追いついたよ、見て、これが時の指輪!!」キラーン

魔法使い「指輪を…おめでとう、やったわね」

魔術師「…ありがと…」

竜戦士「はっはー!!これでお前達の優位は消えたな!!主人公交替の準備は出来てるか!?」

盗賊「なにをー、しゅじんこーはとーぞくだぞ!!」

商人「何言ってるの!?主人公はあたしだよ、めいんひろいんも兼ねてるけど!!」

魔法使い「何の話よ…」

商人「うーん、姉御達が指輪を手に入れたとなると、ちょっと焦っちゃうね…」

魔戦士「アタシらもこんな事してないで指輪探しをした方が良いんじゃないかい?」

魔法使い「頼まれ事を途中で投げ出す訳にはいかないわよ…それに、指輪を探すにしてもフェイムがないと仕方がないわ」

非常食「にゃ、まずは人助けをしてフェイム獲得というわけですにゃ?」

魔法使い「そうよ、まずは南側にあったガラクタの山にパーツがないかどうか確認して…」

――何かに遭遇した!

商人「あ、モンスター!あの混乱させるマドハンドみたいなのと、魅了する唇オバケ、苦手だよ…」

魔戦士「面倒で厄介には違いないが、こんな所で苦戦してもいられな…」

チャーミーリップの行動:ラピント

非常食は魅了された 竜王は魅了された

商人「え?え?こ、これって大ピンチじゃ…」

魔法使い「…はあ、今日も死んだわね…」フゥ…

竜王「モウシワケナイ」

魔戦士「まあ死ぬのも魅了されるのも仕方ないさ。問題は魅了された上に死んだ役立たずのケダモノがいるって事だよ、なあ?」ジロッ

非常食「うにゃあ、針のむしろですにゃ…」

盗賊「いよいよおにくになるべきときだな!!」

商人「すとーっぷ!!こんな時もあるよ、相手も悪かったし!」

魔戦士「そうは言うがねえ、最初のフロアの最初の敵にやられるってのはねえ。もたもたしてたらまた連中に指輪を見つけられちまうよ」

盗賊「ごほーびでごちそう食べれなくなるぞ…」

魔法使い「焦る気持ちは分かるけど、まだ探すべき指輪は3つあるわ。まずは自分達の出来ることをしましょう」

商人「そだね、それしか出来ないもんね。でも、やっぱり少し焦るなあ…」

非常食「…にゃ、地図によればこの辺だったはずですにゃ…」

盗賊「ん?おー、あそこにあるぞ、ガラクタのやま!!」

商人「ホントだね!あとはあの子のパーツがあれば…あった!!」

魔法使い「これは…左腕ね。さっき右足も見つけたし、これで昨日見つけた胴体と合わせて3つのパーツが見つかったわね」

魔戦士「あとはおそらく右腕と左足ってところか。しかし手足胴体と見事にバラバラにされたもんだね」

竜王「ヨホドノウラミヲカッタノカ?」

魔法使い「そうなのかしら…?あの子はゴブリンにやられたって言ってたし、質の悪いイタズラをされたんじゃないかしら…」

商人「うーん、多分そうじゃないかと思うけど、あの子の性格って色々問題起こしそう…」

盗賊「ワガママばっかりでめーわくなやつだな!!」

魔法使い「どの口が言ってるのよ…でも盗賊も以前よりはずっと良くなったわよね。これであと食費さえ抑えられれば…」

魔戦士「なんだ、あんたら長いこと一緒に過ごしてきてまだそんな期待してるのかい?アタシはもう諦めたがねえ」

商人「あーうん、無理なのは分かってるんだけど、それでも一縷の望みというか…」

魔戦士「ちっ、北側は例の面倒な扉がうざったいね」

魔法使い「そうね、あれがなければもっとスムーズに探索出来るはずなんだけど…」

非常食「にゃ、でも仕掛けは分かりましたからにゃ、今では結構スムーズに移動出来てますにゃ」

商人「うーん、でも手間な事には変わらないし…あれ?また扉があるけど…」

竜王「イママデトハチガウナ」

魔法使い「ええ、これは扉と歩数を合わせる訳ではなさそうね。どうやったら…」

魔戦士「おいおい、考えすぎだよ。ほら、鍵穴があるじゃないか」

商人「あ…フツーの扉だったんだ」

魔法使い「今までの扉が変わった造りだったからつい考えすぎてしまったわね…でも確かここの鍵は持ってたはずよね…」

竜王「カレテゴノドラゴンロードカラモラッテタ」カチッ ゴゴゴ…

盗賊「おー、あいたな!!」

魔法使い「扉の中は…下へ行くはしごが有るわね。まさかこの下にもあの子のパーツがあるわけじゃないわよね…?」

商人「こんな所までゴブリン達が来るかなあ…?それよりまずはこのフロアを探した方が良いんじゃないかな?」

魔戦士「だねえ、それに地図によればこの下が最終フロア、おそらく魔物も強力なはずだ」

魔法使い「そうね…じゃあまずは引き返して、このフロアであの子のパーツを探しましょう。でも、いずれはこの下のフロアにも行くことになるのでしょうね…」

盗賊「…んーと、んーと…あ、あったぞ!!」

魔法使い「左足ね。さっき右腕も見つけたし、おそらくこれで全てのパーツが見つかったわね」

魔戦士「やれやれ、散々歩き回って足が棒になったよ」

商人「あー、あたしもかもしかみたいな足になっちゃったなー」

盗賊「おいしそうだな!!」

商人「美味しそうじゃないからね!?」

魔法使い「何バカな事言ってるの…さあ、あの子の所に行ってパーツを渡すわよ」

非常食「うにゃあ、パーツを渡すのは良いですにゃ。でも、誰がこれを組み立てるのですかにゃ?」

商人「誰がって…え?あたし達?」

魔法使い「しかないわよね…私達に組み立てられるのかしら…?」

魔戦士「さあねえ。ま、あの人形よ喋れる訳だし、話聞きながらやればなんとかなるんじゃないか?もし無理ならあの人形を作った錬金術師の所に首ごと持っていけば良いさ」

商人「そっか、そだね。じゃああの子にパーツを渡して、出来るなら組み立てれば、いよいよ…」

竜王「ベツノナンダイヲタノマレルカモナ」

魔法使い「流石にそんな事は…ないと信じたいけど…」

盗賊「おーいちびにんぎょー、パーツぜんぶもってきたぞ!!」ドサドサドサドサ

デク「乱暴に扱うナッ!これからお前達が組み立てるんだからナ!」

商人「ああ、やっぱり…」

魔戦士「面倒だねえ、このままほったらかしでも良いだろ?」

デク「薄情者!友達だろウ!?」

盗賊「食べれないやつはトモダチじゃないぞ!!」

魔法使い「貴方の友達の規準って何なのよ…仕方がないわ、多分組み立ててあげないとフェイムも手に入らないでしょうし…」

竜王「シカタナイナ」

非常食「にゃ、ではやりますかにゃ…にゃ、このパーツは…」

デク「それは右腕ダ!左に付けるナ!」

盗賊「えーとえーと…あー、めんどくさいぞ!!くみたてるよりバラバラにしたほーがはやいぞ!!」ギャーギャー

商人「待って盗賊ちゃん!!ちゃんと組み立てたら今日はごちそうだから!!」

盗賊「おー、それならやるぞ!!」キャッキャッ

魔戦士「あんたら後輩の食費を懸念してたが、そもそもこうやって食べ物をダシにするからいけないんじゃないのかい?」

魔法使い「…やっぱりそうなのかしらね」

商人「あとは…ここをこうして…これで良いかな?」

デク「やっと出来上がったカ!遅かったナ!」

魔戦士「後輩、もう一度バラすか?」

盗賊「バラすのはとくいだぞ!!」

魔法使い「止めなさいよ、せっかく苦労してここまで組み立てたのに…」

非常食「ですにゃ、大変な作業だったのですにゃあ…にゃ!?にゃにか近づいて来ますにゃ!」

竜王「ゴブリンノムレダナ」

デク「ああアーッ!あいつラ、どこかで見たことあるゾ!」

ゴブリンA「そいつは…前に俺達がバラしてやった人形じゃねーか!」

デク「この悪いやつメ!もう許さないゾ!」

ゴブリンB「それはこっちの台詞だぜ!人の住処に押し入って来て、机を蹴飛ばしたり悪態ついたり好き放題…」

魔法使い「貴方…ろくなことしてないわね…」

商人「っていうかバラされたの自業自得じゃ…」

デク「よシ、友ヨ、任せタ、行ケー!」

非常食「にゃ!?行けとは戦えということですかにゃ!?」

ゴブリンC「やる気か!?よし、野郎共、こいつらに正義の鉄槌を下してやれ!」

ゴブリンA「おー!!」ザザザッ

商人「え!?ちょっ、まるであたし達が悪者みたいな言い方…」

魔戦士「アタシら善のパーティーに対して随分な物言いだね。良いだろう、やってやろうじゃないか!」

盗賊「おー!!ゴブリンのまるやきだぞ!!」

魔法使い「善ってなんなのかしらね…」

非常食「みぃにも分かりませんにゃあ…」

デク「ほラー!お前達もちゃんと戦エー!」

魔法使い「…気が進まないけど、黙ってやられる訳にもいかないし、仕方がないわね…」

商人「うう、なんでこんな事に…」

デク「デクは悪くなイ!デクは悪くなあーイ!バアーーカ!!」ベー

ゴブリンB「こいつ、まだ言うか!…ったく、おい、お前ら!今回は見逃してやるが、次までにそいつをちゃんと教育しとけよ!野郎共、引き上げだ!」

非常食「…にゃ、引き上げてくれたようですにゃ…」

デク「ふフ、デクの威光に恐れをなして逃げ出したカ。さテ、土産話も出来た事だシ、マスターの所に戻ろうかナ。という訳ダ、デクをノヴァ・カリスの青水晶の広場まで連れてケ」

魔戦士「はあ!?まだ仕事させる気か!?」

魔法使い「まあ、どうせノヴァ・カリスにはこの子を見つけた報告に行かなければいけないし、行くのは構わないけど…」

竜王「パーティーガイッパイデツレテケナイナ」

デク「あレェーー!?デクが参加出来ないじゃないカ!何考えてるんダ、バカァーー!」

商人「えーと、じゃあ一端戻って誰かを酒場に置いてこなきゃいけないって事?」

魔法使い「そうなるわね…ちょうど一人少ない姉御達に頼んでも良いかもしれないけど…」

魔戦士「ま、とりあえず町に戻らないか?考えるのは戻ってからでも遅くはないさ」

盗賊「おなかへったしな!!」

デク「ちゃんと戻ってこいヨー!」

魔法使い「分かってるわよ。思ったより面倒なつたなったけど、あと少しね…」

商人「姉御達は…いないかあ…じゃあとりあえず鑑定鑑定…」ガチャガチャ…

魔法使い「今回は誰も死なずに帰ってこられたわね。北側のフロアも大体踏破出来たし…」

非常食「にゃ、あのフロアの外周がまだ踏破出来てないのですにゃ…」

魔戦士「どうだろうね、外周は進入出来ない場所かもしれないしね、いしのなかだったり…」

魔法使い「もしかしたら下の階からしか行けないのかもしれないし、現時点では何とも言えないわね」

商人「よしっ、鑑定終わったよー!」

盗賊「お?きょうはいいものあったのか?」

魔戦士「小娘は分かりやすいねえ」プッ

商人「あたしコムスメじゃないし、そんな事言うとこれあげないよ?ほら、魔魂の槍、すごいでしょ!」

竜王「カナリイイブキダナ」

魔法使い「へえ、これは良い収穫があったわね。今魔戦士が使ってる槍より良いんでしょう?」

魔戦士「確かにそうだが…アタシはそれ、装備出来ないよ。竜王が使いなよ」

商人「え?なんで装備出来ないの?」

非常食「にゃ、名前は物騒にゃ槍ですにゃ。でもその槍は聖なる槍なのですにゃ」

魔戦士「前にも言ったはずだよ、あんたらはもう少しこの世界の種族の事を知った方が良いってね」

魔法使い「…ああ、デビリッシュは聖なる武器を装備出来ないのね…」

商人「そっか、魔族的ポジションだもんね…」

魔戦士「ま、良い武器には違いない。だから竜王がそれを使って、竜王の武器をアタシが使う、それで良いね?」

竜王「イイ」コクリ

商人「種族制限のある武器かあ…でもパーティーがパワーアップしたのは間違いないよね、あたし達にもようやく運が向いてきたのかも…」

非常食「にゃ、これからはきっともっと良い武器が見つかりますにゃ。後は姉御さん達を待つだけですにゃ」

魔法使い「それなんだけど…やっぱり姉御達に頼るより、自分達であの子を迎えに行った方が良いと思うのだけれど…」

魔戦士「なんだい、面倒事は他に押し付ければ良いじゃないか」

魔法使い「面倒事だからこそよ。考えてみれば、あの姉御が私達の頼み事をただでやってくれるとは思えないわ」

商人「あー、あたし達の死体回収も結構お金取られたんだよね…」

魔法使い「お金なら良いけど、今回はフェイムを取られるかもしれないし、そうなったら私達何のためにここまで苦労したか…」

魔戦士「フェイムをとられたらあっちが指輪探しで先行しかねない、か。確かにね…なら明日、誰かをここに置いてあの人形を迎えに行くようだが…」

盗賊「とーぞくがのこってもいーぞ!!」モグモグ…

商人「盗賊ちゃんを残したら酒場の食べ物全部食べちゃいそうだよ…」

魔法使い「いくらお金があっても足りないわね。あと、呪文を使えるメンバーは置いていけないでしょうし、体力の一番あるメンバーも連れて行きたいわね。となると、置いていくのは…」

非常食「うにゃあ、大方の予想通り置いてかれましたにゃ…」オアー…

錬金術師「なんだい、しょげちまって。こんな時は一杯やって管巻くに限るよ。何?酒は飲めない?ならこれだ、飲んでみな!」ズィッ

非常食「にゃ、なんですかにゃこれは…にゃにゃ!?ふにゃー!!ふにゃにゃー!!……にゃうーーん…」ゴロゴロ…

錬金術師「お、やっぱりマタタビジュースは効くね、ゴキゲンになったじゃないか、ははははは!!」

狩人「おやざあーっす…あれ?猫君一人っすか?」

姉御「ホントだ、ねえ何があったの?」

非常食「ふにゃ~?実はかくかくしかじかで…にゃ~…」ゴロゴロ…

竜戦士「あー、そりゃお前のとこの魔法使いが正しいぜ、ケツの毛までむしるからなうちの姉御は」

狩人「いやあ…流石のリーダーでもそんな事言わないっすよね?」

姉御「当たり前だよ!!ちゃんとお尻の毛って言うよ!!」

魔術師「…むしるの…?」

姉御「むしらないの!?あ、ホントに毛をむしる訳じゃないけどね!!フェイムなら4つ貰えたら3つはいただかないとねー♪」

狩人「ああ、ええ、そっすね…」

師匠「いやはや、リーダーは抜け目ないですからな」

竜戦士「抜け目ないってレベルかこれ…?」

商人「うーん、非常食ちゃんがいないとちょっとさみしいね…」

魔戦士「そうかい?たまにはいなくても良いだろあんなケダモノ」

盗賊「でもせんぱい、おなかがへったとき食べるものがないぞ!!」

魔戦士「ああ、確かに本来の仕事を全う出来ないのは良くないかもねえ」

魔法使い「本当に非常食にしないのよ…」

竜王「ヨホドキンキュウノトキダケダナ」

商人「緊急の時でもダメだよ!?そもそも非常食ちゃんには毒があるんじゃなかったの!?」

魔戦士「だから前にも言っただろう?腕を長めに切り落として…」

盗賊「ないぞーをくりぬいてどくけしぐすりをつめこむんだぞ!!」

魔戦士「でも一度試してみないといけないね。よし、酒場に戻ったらあのケダモノを捌いて、代わりに似たようなのを新しく見つけて 来て…」

魔法使い「…やめてよ本当に…」

デク「お。来た来タ。お迎えごくろウ!」

魔戦士「はっ、良い身分だねえ」

魔法使い「まあ、あとは連れて帰るだけだから…盗賊、悪いけど前衛をやってくれる?」

盗賊「おー、ポンコツはすぐこわれるからな!!」

デク「誰がポンコツダ!?」

商人「まあまあ…さあ、モンスターに襲われないうちに、早く…」

――何かに遭遇した!

魔戦士「ちっ、言った側から…!相手はチャーミーリップか!」

魔法使い「厄介な敵ね、3体もいるし…でも、チャーミーリップだけなら、まだなんとか…」

チャーミーリップの行動:ブレス

盗賊は死亡した

商人「と、盗賊ちゃん!!もー、そもそも魅惑のブレスで人が傷つくってどういう事なの!?」

魔法使い「私に聞かれても…でも、盗賊には申し訳ないけど、あの子を前列に立たせないで良かったわね…」

盗賊「うー、しんだからおなかへったのに…」ブーブー

デク「だらしないナ!我慢しロ!」

魔法使い「貴方の為に我慢してるんだけどね…さて、ジオールさんは…」

ジオール「……おっ」

商人「あ、ジルオ…ジオールさんだ、こんにちはー!」

デク「久しぶりだナ、マスター!」

ジオール「まったく…今まで何をしていた?」

デク「冒険ダ!!」

魔戦士「冒険、ねえ…ゴブリンにバラされてガラクタの山に転がってる事を冒険と言うのかねえ?」

デク「デクは友だちを見つけたゾ!こいつらダ!デクハ、こいつらと一緒に世界を巡るんダ!」

ジオール「君たち、なんというか…御愁傷様」

魔法使い「マスターでもそう思うのね…まあ私達は一緒に旅には出られないけど…」

デク「じゃあナ、マスター!」

ジオール「はいはい、またな……あ、君たち。ちょっと」コイコイ

商人「え?なんですか?」

ジオール「デクには内緒で、後でもう一度来てくれないか?」

魔法使い「内緒で…ですか?」

ジオール「あれを連れていくなら、渡したいものがある」

盗賊「お?おいしいものか?」

魔戦士「へえ、何だかわからないけど、貰えるんならもらいにくるよ」

ジオール「私の分まで、世界を見せてやってくれ。不出来な娘だが…頼んだよ」

商人「分かりました…うーん、あたし達が連れて歩く訳にもいかないんだけど…」

魔法使い「まあ、出来る限りの事をしてみましょう。さあ、あの子を連れて帰ってきたし、依頼は達成ね。難しくはないけど、手間だったわね…」

――フェイムを3つ手に入れた!

盗賊「マーシャねえさん、ごはんー!!」

商人「ただいま非常食ちゃん、さみしくなかっ…あれ?非常食ちゃん?」

非常食「うにゃ~ん、ごろにゃ~ん」ゴロゴロ…

魔戦士「このケダモノ…!マタタビに酔ったね!」

錬金術師「ああ、良い酔いっぷりだろう、ははははは!!」

商人「お、おばさんがマタタビあげたの!?」

非常食「うにゃ~、姉御さん達にもいっぱいおごってもらいましたにゃ~…たくさん愚痴も聞いてもらったのにゃ~…」ニャフ-ン

魔法使い「非常食…まさか姉御達に全部話したの?」

非常食「お尻の毛まで抜くつもりだったそうですにゃ~」ゴロゴロ…

魔法使い「…呆れた。酔っぱらうとこんなになるのね…でも姉御達に頼まないのは正解だったようね…」

竜王「ボウケンシャハジブンノアシデカセイデコソダナ」

商人「ホントだね。やっぱり面倒臭がっちゃダメだね…」

姉御「あ、いたいた!ふふふ、話は全て聞いたぞ!!」

商人「あ、姉御!?え、えっとあの、その…」

姉御「キミ達もやっといろんな事が分かってきたみたいだね!偉いぞ!!」

魔法使い「……どうも」

師匠「ほう、こちらが話にあった人形…魔傀儡ですな?ふむ…」

デク「ジロジロ見るナ!スケベジジイ!!」

魔術師「…口の……聞き方を…」チャッ

竜戦士「キレんなキレんな!!しっかし聞いてた以上に生意気だなこいつは!」

盗賊「でもこーすればどってことないぞ!!」スポッ

デク「アーッ!?頭を取るナー!」ギャーギャー

姉御「あはは、面白いね!!キミ、冒険したいんだっけ?たまにで良いなら私達が連れてってあげる!!」

狩人「ええ…まじすか…」

デク「おーッ、頼んだゾ、新しい友ヨ!」

魔戦士「お、一件落着か、良かったね、一番の面倒事を押し付けられて!!」

魔術師「………」ハア…

商人「そういえばジオールさんにまた来るように言われてたっけ…また何か頼まれるんじゃないの?」

魔戦士「それだとしてもその時は断れば良いだけの話だろう?ま、お人好しの誰かさん達は引き受けちまうんだろうけどねえ」

魔法使い「別にお人好しのつもりはないけど…」

ジオール「ああ、来たね。それにしても、物好きな事だ…」

魔戦士「別に好きでやってる訳じゃないがね、少なくともアタシは」

ジオール「いや、感謝してるんだ、これでも。あのデク人形が一人でほっつき歩いてたら何をしでかすか分からん。よろしく頼んだよ」

商人「あー、まあ頼まれてくれる人は見つけましたけど…」

ジオール「さて、来てもらったのはこれを渡すためだ。『ジオルーン』といってね」

盗賊「おおー、ついにむげんのソウルがわがてに!!」

魔法使い「なんの話よ…ジオールさん、これは?」

ジオール「暴れたりしてデクの体が破損したとき、自動的に修復する力を持っている。これを、君たちに渡そうと思う。どう使うかは君たちに任せるよ」

商人「ありがとうございます…わあ、これすごい物だね…これはデクちゃんに渡すのが一番だよね?」

魔法使い「そうね、じゃあまた酒場に戻って、これを渡して…」

魔戦士「あの酔っぱらいのケダモノを叩き起こさないとね。ったく、サボった上にマタタビ浸りとはね…」

姉御「あはは、かわいいねキミは!!さあもう一杯!!」

非常食「ふにゃにゃ~ん、にゃう~ん♪」クネクネ

竜戦士「おー、猫躍りか!!やるじゃねえか!!」ヤンヤヤンヤ

商人「ちょ、ちょっと!非常食ちゃんに飲ませ過ぎ!!」

姉御「あ、ごめんごめん、面白くてついね!!」

魔術師「…あんなの押し付けられた…ストレス発散に…」ブツブツ…

狩人「こ、怖いっすよ魔術師さん…」

魔法使い「そのあんなのに贈り物よ、デク。はい、これ」

デク「なんダ、このガラクタ?」

魔法使い「これは貴方のマスターが作ってくれた物よ。貴方が壊れても自動で直してくれるそうよ」

デク「ほほーウ!ならもらっとくカ!」

竜王「アリガタガッテナイナ」

盗賊「いらないならうってごちそうにしたほうがいいぞ!!」

魔法使い「まあそう言わないのよ。でもこれで本当に一件落着ね。さて、明日からどうしましょうか…」

魔戦士「特にやることないなら、今まで出来なかった事、やり残してたことをやれば良いんじゃないか?例えばさ…」

商人「鏡の沼地かあ…嫌な思い出しかないなあ…」

魔法使い「でも、ここにやり残した事があるのは確かね。まず、ここで魔法の鏡を探して…」

非常食「にゃ、魔法の鏡を手に入れたらマウレアの森に鏡を持って行って…痛たですにゃあ…」オアー…

魔戦士「ったく、二日酔いとは良い身分だねえ?ああ!?」ゲシゲシッ

商人「や、止めてあげてよ…でもマタタビでも二日酔いになるんだ…」

――何かに遭遇した!

竜王「デーモンヴァルキリーガイルナ」

魔戦士「後列はビストーラか、即死呪文が厄介な…」

ビストーラの行動:ゼフェフス

魔法使いは死亡した

盗賊「まほーつかい!!いきなりしんじゃったぞ…」

商人「ええー!?あの魔法怖すぎるよ…」

非常食「にゃ、というわけで今日も鏡の沼地に来てますにゃ」

魔法使い「昨日は不覚を取ったけど、今日も死ぬわけにはいかないわね…」

商人「でもやっぱり即死魔法は怖いよ…何とか防げないかなあ…」

魔戦士「防ぐ方法はあるだろうが、今のアタシらじゃせいぜい呪文を封じるかとっとと倒すしかないだろ」

竜王「ヤラレルマエニヤレダナ」

魔法使い「もっと錬金素材が集まれば、属性耐性を上げるっていう選択肢もあるんでしょうけど…今はそれしかないわね」

盗賊「てきにみつかるよりはやくかがみをみつければいーんだぞ!!」

商人「それが一番だよね…どうか魔物が襲ってきませんように…」

魔戦士「ダンジョンに来て願う事かねえ…」

魔法使い「さて、今までと同じ所を探索しても仕方ないわ。今日は今までと違う所から探索しましょう」

魔戦士「今まではまず北に行ってから水溜まりに飛び込んだが、今日はこの森に入ってすぐの所にある水溜まりから裏に行くんだな?」

非常食「にゃ、でも今までのルートから大きく外れると、これまで使っていた脱出ルートが使えなくなるかもしれませんにゃ」

魔法使い「ええ、だから危険は増すでしょうね。でも…」

竜王「ボウケンニキケンハツキモノダナ」

盗賊「みちのおいしいものがあるかもしれないしな!!」

魔戦士「ま、虎穴に入らずんば、だな。危険に見合うリターンがあれば良いがねえ」

商人「それも、行ってみないと分からないんだよね…」

魔法使い「そうね、冒険者は何事もまず冒険から。さあ、行きましょう!」

――鏡の沼地、裏

非常食「にゃ、やっぱりここの魔物は強いですにゃあ…」

商人「そだね…あとすごい不気味だよ、あのエドゥモーだっけ?あのモンスター、何なんだろうね…」

魔法使い「木の表面や岩肌に住んでる…2次元の魔物、といった所なのかしらね…」

盗賊「あれじゃ食べれないぞ…」

魔戦士「ま、昔東国で屏風から虎を出したったいう僧侶がいたって話を聞いたこともあるし、何とかすれば食べれるかもしれないよ」

商人「そんな僧侶がいるん…!?な、何!?なんか気配が…」

竜王「ムコウカラナニカキテルナ」

魔法使い「そうね…今ここを立ち去れば遭遇せずに済むのでしょうけど…」

魔戦士「正体は確かめたいね。あっちは…6人いるか?こっちと同じ人数だね」

非常食「にゃ、背格好もみぃ達と同じような…にゃにゃにゃ!?み、みぃ達そのものですにゃ!?」

盗賊「ど、どういうことだ!?あっちにもとーぞくがいるぞ!?」

魔法使い「分からない…けど…どうやら友好的ではないような……!?みんな、戦闘準備よ!!」

――何かに遭遇した!

商人「うわあ、自分達と戦うなんてやりづらいよ…特にあのきゅーとでせくしーだいなまいつなあたしを傷付けるなんて…」

魔戦士「まずは呪文使う連中を倒そうか。竜王、小娘を狙いな!!」

竜王「ガッテン!!」ドスッ

商人「ちょっとお!?あとコムスメじゃないし!!」

魔戦士「聞こえないねえ。さて、アタシは魔法使いを狙うよ、それっ!豪雷の剣!!」ゴロピカドーン!!

魔法使い「…まあ呪文使う敵から倒すのは分かるけど、あまりいい気分じゃないわね、私は前衛の足止めを…ラミサーマ!!」ポワワーン

非常食は眠った 竜王は眠った

非常食「にゃ、前衛が一人寝ませんでしたにゃ!あの魔物はみぃに任せて欲しいのですにゃ!!にゃー!!うにゃー!!にゃにゃにゃー!!うにゃうにゃうにゃにゃー!!」ドカバキベキガキドゴグチャアッ

盗賊「おー、すごいなひじょーしょく!!」

魔戦士「…ずいぶんアタシを楽しそうに殴るじゃないか。あんたの気持ち、よーく分かったよ」ニッコリ

非常食「にゃ!?まった、つい…じゃにゃくて、あの、全力を尽くして戦ってるだけですにゃ、本当にそれだけなんですにゃ…」
ま「よらよほとよほど日頃の鬱憤が溜まってたのね…」

非常食「うにゃー!!」ドカバキッ

魔戦士は死亡した

魔戦士「トドメまで刺すとはね…町に戻ったら楽しみにしてなよ、それっ!!」ゴロピカドーン

魔法使いは死亡した

魔法使い「ケンカしないでよ…魔界の手、大地を割いて、命あるものを地底へ引き込め!!アルゲイズ!!」ズガアン!!

――商人は死亡した

商人「わ、あの怖い魔法!?やっぱりあたしだけひきずりこまれるんだ…マバラド!!」ドドド…

非常食は死亡した 竜王は死亡した

盗賊「おー、とーぞくだけのこったぞ!!」

魔戦士「後輩、悪いが倒す――そらっ!!」ザクザクッ

――盗賊は死亡した

魔法使い「ふう、全員倒したわね」

商人「何だか後味悪いけど…でも誰も死なずに倒せたね!…あれ?あそこにあるのって…やっぱり!ほらみんな見てみて、鏡だよ!!」

――魔法の鏡を手に入れた

魔戦士「期せずして目的のアイテムを入手か、ラッキーだね。さ、町に戻ろうか。ここはやっぱり危険だし、それに…帰っておたのしみがあるからね…」ゴゴゴゴゴ…

非常食「うにゃー!!解いて欲しいのですにゃ!!解いて欲しいのですにゃ!!」ジタバタ

魔戦士「暴れるなよ、暴れたらきちんと皮が剥けないだろう?後輩、包丁の準備を」

盗賊「がってん!!」チャキッ

非常食「うにゃー!!今晩のメインディッシュになるのは嫌ですにゃ!!」ジタバタ

魔法使い「もう、その辺にしなさいよ…でも、魔法の鏡が手に入って良かったわ。あそこはあまら、長居したくないから…」

商人「そだねー、それにアイテムもあんまり良いの出ないし…」ガチャガチャ…

竜王「カンテイハオワッタノカ?」

商人「うん、全然良いの出なかったけどね…あーあ、モンスターが強い上にアイテムもイマイチなんて…」

魔戦士「ま、明日はマウレアに行くんだろう?そこで良いのが出るかもしれないじゃないか」

魔法使い「そうね、鏡をあのエルフの女の子に渡したいから、明日はマウレアでしょうね」

商人「魔法の鏡を使うとご神木と話が出来るんだっけ?なんで鏡で木と話が出来るようになるんだろうね?」

魔法使い「それは分からないわね…でも、鏡には太古より魔力が宿ると言うし…」

盗賊「ラーのかがみもそうだったな!!」

商人「あれは姿を映して正体を暴いたからまだ分かったけど、会話に鏡を使うんだよね…でも、よく分かんないからこそ楽しみだね!!早く鏡をあの子に届けたいなー!」ワクワク

非常食「うにゃあ、みぃも楽しみですにゃ。だからそろそろ解いて欲しいのですにゃ…」プラーン…

魔法使い「さて、今日は魔法の鏡をあのエルフの少女に渡しに行くわよ」

商人「おー!そういえば魔法使いちゃん、今日でレベル11になったんだっけ?」

非常食「にゃ、あとちょっとで魔術師の呪文も全部覚えますにゃ」

盗賊「おぼえたらてんしょくするのか?」

魔法使い「そうしたいんだけど…私、召喚師になるには幸運が足りないみたいなのよ」

商人「へー、魔法使いちゃんが運のよさ足りないなんて珍しいね?」

魔戦士「とはいえ少しなら何とかなるだろう?どのくらい足りないんだ?」

魔法使い「次とその次で幸運が上がれば、商店で売ってる幸運のアンクを使えば何とかなるはずだけど…」

竜王「ラックノタネミタイナモノダナ」

商人「それなら何とかなるのかな?でもレベル上がってもステータスが上がるとは限らないんだよね、こっちは…」

魔法使い「そうなのよね…まあ、それも含めて運次第、といった所かしらね…」

非常食「にゃ、見覚えのあるカンバンですにゃ…」

商人「『この先森の中心部…』ここから先が危ないんだったよね」

魔法使い「ええ、慎重に行きましょう…」ガサガサ…

――何かに遭遇した!

魔戦士「いきなりお出ましか!」

竜王「デカイスライムイッピキダケダナ」

盗賊「ひものにするぞー!!」ヒュンヒュン

非常食「うにゃー!!」ドカバキッ

――グレータースライムは死亡した

魔法使い「ふう、いきなりで驚いたけど、そんなに強くない敵で良かったわ。この調子で進めれば良いけれど…」

――何かに遭遇した!

盗賊「おー、おいしそうなとりとけもの!!」

商人「あっちはまだ気付いてないよね?チャンス…」

魔戦士「気付いてないうちに逃げるよ!!魔法使い!!」

魔法使い「分かったわ、マハマハ!!」ポゥーン

――撤収した

盗賊「なんでだせんぱい!?あのとりおいしそーだったのに!!」

非常食「にゃ、あの鳥はエンペラーバードといって、呪文も強力にゃ上に増援までしますにゃ。とても厄介な敵ですにゃ」

魔戦士「隣にいたアークレナードは補助呪文の得意な難敵、それにその前にいたフラステリアの恐ろしさは前にも話したね?」

商人「鱗粉で混乱させる虫だったよね。危険なモンスターの群れに遭っちゃったんだね…」

魔法使い「でも運よく逃げられて良かったわ。未踏地を埋めようとフラフラしてたけど、速やかに目的地まで行った方が良さそうね…」

竜王「ゴシンボクノトコロダナ」

魔法使い「ええ、ご神木は北東、でもここからはそんなに遠くないわ。寄り道しないで真っ直ぐ向かいましょう」

商人「うん、ここもモンスター手強いもんね。でも北東は一番入り口から遠いし、良いアイテムが有りそうだけどなあ…」

――北東部

魔戦士「…ちっ、気分が悪くなってきたね。神木ってヤツが近いみたいだ」

魔法使い「デビリッシュは大変ね…ああ、あったわね、ご神木」

商人「ホントだ、お嬢サマの言う通りだったね!」

竜王「ヤミニチカイカラコソセイナルモノニモビンカンニナル」

魔法使い「なるほどね…こんにちは、エルフのお嬢さん」

エルフ少女「旅の方…その手に持っているのは魔法の鏡では?あの…少しだけそれをお借りする事はできないでしょうか?この木と話をしてみたいのです」

商人「うん、その為に持ってきたんだよ!どうぞ!」

エルフ少女「ありがとうございます!それでは…」チャッ

神木「こんにちは、お嬢さん」

エルフ少女「ああ、夢みたい!マウレアの森と話ができるなんて!」

盗賊「ん?はなしてるのはきだぞ?もりじゃないぞ?」

魔法使い「おそらく…あの木がこの森の意志
のもの、あるいは代言者なんでしょうね」

神木「言葉は交わさずとも、私達のこころは通じているんだよ」

エルフ「ありがとう。でも1つだけ分からない事があるの…今まで、外の世界でどんな事が起きても、森が感情を表すことはなかった…でも、どうして今は悲しそうな顔をしているの?」

神木「それは………」

エルフ少女「うん」

神木「………」

エルフ「?」

盗賊「なんだ、だまってないでなにか…モガッ!?」フゴフゴ…

魔法使い「しっ!静かに…」

神木「…モンスターや、闇の巫女が色々と世界を悲しませているからね…」

エルフ少女「そう、やっぱり…」

神木「でも、心配はいらないよ。世界が変わろうと、このマウレアの森は変わらず君の隣にある」

エルフ少女「うん、ありがとう!…旅の方、ありがとうございました!」

非常食「にゃ、もう良いのですかにゃ?」

エルフ「はい!私はこれからもこの森で暮らします。機会があったらまたお会いしましょう!それでは…」ペコリ

商人「さようなら!ご神木とお話出来てよかったね!…ふふ、良いことすると気持ちが良いよね魔法使いちゃん!」

魔法使い「そうね、じゃあ私達も行きましょう……ねえ貴方、まだ話したい事があるんじゃないの?何か大切な…ねえ、マウレアの森、貴方は何を知ってるの?」

――マーシャの酒場

商人「よーし、鑑定終わり!今回はこれだね、メイス+1!これはあたしが使うね!」

魔法使い「ええ、貴方が使うのが一番だと思うわ。あと手に入ったのは…青笹百刃ね、良いものだけど侍が居ないからね…」

盗賊「あおざさ…なんてよむんだ?」

魔法使い「だから、青笹百刃よ」

盗賊「むー…」

魔戦士「さて、魔法の鏡絡みの仕事も片付いた。次はどうする?もうフェイムは十分集まっただろう?」

非常食「にゃ、指輪のうち少なくとも2つはそのダンジョンに入りさえすればあるかないか分かるはずですにゃ」

盗賊「おー、じゃああしたからゆびわさがしか?」

魔法使い「そうね、どのダンジョンにあるかが分かるだけで、実際に手に入れるのは大変でしょうけど…」

商人「指輪、どこにあるかなあ?私達が行こうとしてたダンジョン、竜王ちゃんが攻略したがってたシェーベか盗賊ちゃんが行きたがってたコートラストが良いよね」

竜王「シェーベハノゾミウスダナ」

魔法使い「すでに1つあそこで指輪を見つけてるからね…多分同じダンジョンに2つは無いんじゃないかしら?」

魔戦士「だろうね。あとマウレアにも無さそうだな、全部のフロア歩いたけどコンパスは反応しなかったよ。ま、明日は片っ端からダンジョンに入ってみるかい?」

魔法使い「そうね、入り口だけ入って、反応のあったダンジョンを探索してみましょう。あまり難しいダンジョンじゃないと良いのだけれど…」

――コートラスト要塞

ヒィィィィ…ン

商人「光った…!」

魔戦士「指輪はここと、あとさっき入り口で確認したニベーヌ湖底神殿か。どうする?こっちから先に攻略するか?」

魔法使い「そうね、ニベーヌは水中だから行動時間が限られるというし…こちらから探索を始めるべきでしょうね」

非常食「にゃ、こちらを攻略してるうちにレベルを上げられれば…」

竜王「ニベーヌモヨリミジカイジカンデコウリャクデキルカモナ」

商人「なるほど、強くなれば戦闘時間も短く出来るもんね」

魔法使い「そういうことね。じゃあ引き続きここの探索を始めましょう」

盗賊「おー!!はらぺこオーガたすけるんだぞ!!」

魔戦士「ああ、そんなヤツもいたねえ?まだ生きてると良いけどねえ…」

――居住区

ゴブリン「珍しいお客さんだね。トランジェルダとかノヴァ・カリスとか、最近どう?」

オーガ「なんだ?新しい居住希望者か?」

商人「へえ、このダンジョンって、オーガやゴブリン達の住み処になってるんだ…」

魔戦士「あんたさっき居住を勧められてたじゃないか。どうだい、住んでみたら?」

商人「や、やだよこんなアルティメットとかキャリオンクロウラーとかがうろついてる所に住むなんて…」

魔法使い「私もここは遠慮したいわね…あら、コンパスの光はここで消えてるけど…」

非常食「見当たりませんにゃあ。どういう事ですにゃ?」

竜王「ウエカシタニアルンジャナイカ?」

魔戦士「さっき見たところ、光は上を向いてた気がするよ。おそらく上だろうね」

盗賊「じゃあかいだんをさがすんだな?」

魔法使い「階段か梯子か、いずれにせよ上に登れる場所を探すようね。でも上といっても、どのくらい上がれば良いのか…」

商人「こういう建物で階段っていったら真ん中の通路を通った先だよね、行ってみよー!」バタン

盗賊「おー!!…お?オーガのおっちゃんだぞ!!」

門番オーガ「なんだ、テメェらは!?ここから先は遠さねえぞ!諦めて、さっさと帰れ!!」グイグイ

非常食「にゃにゃ!?押し返されてしまいましたにゃ…」

魔法使い「ここは通れそうもないわね。別の通路があれば良いけど…」

魔戦士「強行突破すれば良いんじゃないのか?」

魔法使い「ダメよ、さっき会った、私達に友好的な居住区のオーガやゴブリン達まで敵に回してしまうわ」

商人「あのヒト達、悪いヒト達じゃ無さそうだもんね…でも諦める訳にはいかないよね!」

竜王「カイガンガココニアルトモ、ココダケニアルトモカギラナイカラナ」

魔法使い「そうね、他のダンジョンと同じように、未踏地を全部踏破するうちに階段が見つかるかもしれないわ」

魔戦士「結局他のダンジョンとやる事は一緒って訳だ。面倒だが、まあこれも冒険かねえ…」

魔法使い「…ふう、結構歩いたわね…」

盗賊「ううー、もうもてないぞ…」

商人「盗賊ちゃんもアイテムいっぱいかあ。これ以上まみつけて見つけても持って帰れないし、そろそろ帰ろっか?」

魔法使い「そうね、魔力はまだまだ余裕があるけど、余裕があるうちに帰った方が良いわよね…」

魔戦士「アタシは疲れたよ、例の唇オバケに魅了されたバカ猫に殴られまくってね」ゲシゲシ

非常食「にゃー!!魅了されたら仕方ないのですにゃ、不可抗力ですにゃ!」

盗賊「とーぞくはおなかもへったぞ!!」

魔法使い「結構長い時間このダンジョンに居るものね…じゃあ帰りましょう、このフロアも半分食らいは踏破出来たし…」

商人「明日か、遅くても明後日には全部踏破出来そうだよね。ここの敵はもうあんまり怖くないし!その分お宝もあんまり期待出来なさそうだけど…」

商人「よーし、鑑定鑑定…あれ?なんだか賑やかだね?」

魔戦士「またあの連中だね。まさかまた指輪を見つけたんじゃないだろうね…なああんたら、何かあったのか?」

竜戦士「ああ、今日は姉御がレベル20になったって事でよ、こうやって祝ってるってわけだ」

姉御「へへー、すごいでしょ?ハイマスターまであと少しだよ!!」ドヤドヤッ

盗賊「はいますたー?なんだっけですだぞ?」

非常食「にゃ、ハイマスターは盗賊や戦士なんかだとレベル26ですにゃ。その職業毎のより強力な能力が…」

魔術師「……貴方も…飲みなさい…!」グイッ

狩人「ああっ、酔ってる魔術師さんは…!」

非常食「にゃ!?にゃにゃー!!店中のお刺身を持ってくるにゃー!!」ニャオー

盗賊「あー、それはとーぞくのだぞ!!」ガオー

魔法使い「………商人、鑑定は終わった?あら、このグリーンローブは良いわね、私がもらっても良いかしら?」

商人「ま、魔法使いちゃん、現実から目を背けないで…」

非常食「…にゃ、これでこのフロアは大体踏破しましたにゃ」

魔法使い「見つかったのは東側のフロアへ繋がる扉だけか…まあ八方塞がりよりはいいかしらね…」

商人「でもさ、このダンジョンって



西東

こんな感じの建物でしょ?東に行っても上には行けないんじゃない?」

魔法使い「いえ、今いるフロアの地図を見てみて。さっき非常食は大体踏破したと言ったけど、このフロアの北東部はまだだわ。そしてその北東部は東のフロアと繋がっている…」

魔戦士「東側のフロアのどこかからこのフロアの北東部に行けるかもしれない、そしてそこから上の階に上がれるかもしれないってとこか」

魔法使い「おそらく、だけれどね。いずれにしろ、未知のフロアがあるなら行くしかないわ」

商人「だね、とりあえず行ってみよー!!…あれ、盗賊ちゃん、どうしたの?」

盗賊「…あっちから食べものの気配がするぞ…」ゴクリ…

魔法使い「これから行く東側のフロアから?まあ、ここはダンジョンといっても居住区もあるくらいだし、食料が置いてあっても不思議ではないけれど…」

商人「わあ、屋外に出たね…それに結構広そう…」

非常食「にゃ、確かに食べ物…果物の匂いがしますにゃあ」

魔法使い「果物…そういえばマウレアで会った腹ぺこオーガが欲しいって言ってたの、確かぶどうだったわよね?もしかしたらここに…」

――何かに遭遇した!

商人「わ、モンスター!!…ってあれ?コボルドにネズミにカエルに…」

竜王「ニシガワトマモノノツヨサハカワラナイナ」

非常食「ふにゃにゃー!!」ドカバキッ

コボルドは死亡した ジャイアントラットは死亡した ジャイアントフロッグは死亡した――

魔戦士「こんなもんか。ここも探索自体は難しくないようだね。問題は広さか…」

魔法使い「そうみたいね。もちろん油断は出来ないけど、モタモタもしてられないわ。出来るだけ早めに攻略しましょう」

盗賊「おー!!まってろよ食べもの!!」

――オーガは死亡した オーガは死亡した

商人「ふう、やっぱりここはあんまりモンスター強くないね。あ、盗賊ちゃん、宝箱だよ!」

魔法使い「良いものが出れば良いけど…魔物の強さが西側と大差ない所を見るに、あまり期待は…」

盗賊「あっ!?」カチッ

――おおっと テレポート

非常食「ふ、ふにゃー!?………にゃ、ここは…?」キョロキョロ

魔法使い「…どうやらフロア内のどこかに飛ばされたみたいだけど…気を付けてね、盗賊…盗賊?」

盗賊「おおー!!ぶどーがなってるぞ!!」キャッキャッ

商人「あ、ホントだ!!ここ、ぶどう園だったんだ…あ、盗賊ちゃん、勝手に食べちゃ…!」

盗賊「んー、すっぱいぞ…もうちょっとあまいほうが…」

魔戦士「おそらくオーガの味覚に合った味だろうからね。ほら、あんたも食べてみな」グイグイ

非常食「にゃー!?酸っぱいですにゃ!!酸っぱいですにゃー!!」

魔法使い「なにやってるのよ…腹ぺこオーガの為に持って行きたい所だけど、勝手に持って行ったらいけないわよね。それに、この辺には小さなぶどうしかないようだし。このぶどう園を管理してるオーガに会えれば良いんだけど…」

商人「うーん、探そうにももうあたし達アイテム一杯だよ、一端戻ろうよ。明日出直して、それから管理人さんを探そうよ」

魔戦士「ま、仕方ないか。出直しは面倒だねえ…」

盗賊レベル17「レベルアーップ!!」ガオー

竜王レベル14「アーップ!!」ガオー

魔戦士レベル17「アタシも上がったよ、質はともかく量はかなり倒したからねえ」

商人レベル15「アルティメットとか倒したもんね…あたしは昨日上がったから今日は上がらなかったよ」

非常食レベル14「みぃも上がりませんでしたにゃ…」オアー…

魔戦士「はあ!?あんたまだ14なの!?」

非常食「み、みぃは中級職にゃので…」

魔法使いレベル13「私は今日で13になったわ。魔術師の最高レベルの呪文はエンテルクミスタしか覚えられなかったけど…」

商人「瞬間移動出来るティオメンテがないのは痛いね…でもエンテルクミスタもスゴい魔法なんでしょ?無属性のイオナズンみたいなさ!」

魔法使い「まあね…さ、私はまた転職させてもらうわよ。足りなかった幸運もお店でアンクを買えばなんとかなりそうだし。レベルがまた1からなのは痛いけどね…」

魔戦士「ふーん?その割には嬉しそうに見えるがねえ?」

商人「魔法使いちゃんは新しい魔法が覚えられるのが嬉しいんだよね?魔法使いちゃんは魔法オタクだから…」

魔法使い「ええ、特に召還呪文はあっちの世界には無かったから、覚えるのが楽しみなの。さ、早く訓練所に行きましょう」

非常食「にゃ、ウキウキですにゃあ」

教官「…よーし!!これであんたも立派な召還師だよ!!」

盗賊「おー、やったなまほーつかい!!」

魔法使い「ええ、いよいよ召還師か…」

魔戦士「よし、じゃあ早速強力な魔物と契約しに行こうか。非常食、あんたも働きなよ」

非常食「にゃ、任せて欲しいのですにゃ!」ニャオー

教官「張り切るのは良いけど、召還師は魔術師とは装備できるモノが違うからね、ちゃんと装備整えなよ!あと、レベルが低いと強力なモンスターとは契約しづらいからね、まずはレベルを上げないとね!」

商人「あー、やっぱり強いモンスターとは簡単に契約出来ないんだね…」

教官「でも弱い魔物でも肉壁にはなるからね、冒険がてら適当な魔物と契約しても良いと思うよ、気に入らなかったら別の魔物で契約を上書き出来るしね!」

魔法使い「それに、レベルが上がれば契約出来る魔物の数も増えるのよね…よし、じゃあまずはお店で買い物して、それからまた昨日の冒険の続きをしましょう」

盗賊「おー!!ぶどー食べるぞ!!」

商人「それが一番の目的じゃないからね!?」

商人「そういえばさ魔法使いちゃん、まだ魔術師の魔法1つしか覚えてないのに転職しちゃって良かったの?全部覚えてからの方が…」

魔法使い「それは大丈夫。そのレベルの――今回の場合は魔術師の7レベル呪文だけど――呪文を1つでも覚えていれば、後から覚える事が可能なのよ」

盗賊「そーなのか?」

魔法使い「ええ、実際に私は魔術師のレベル13になった時、エンテルクミスタと一緒にまだ覚えてなかった錬金術師の7レベル呪文、バイポートルも覚えたの」

非常食「にゃ、その職業じゃなくても覚えられるレベルになれば覚えられるのですにゃ?」

魔法使い「そうよ、それに伴って錬金術師の7レベル呪文の使用回数も2から3に増えたわ。だからそういう心配はほとんどいらないわ。もちろん、レベルが13になるまではエンテルクミスタが1回しか使えないわけだけど…」

魔戦士「ま、それも短い間の話さ。ああ、魔法使いの話は一般的な話で、錬金術師から狩人に転職した場合は少し勝手が違うって話だね」

魔法使い「ええ、その場合は使用回数が増えることはないみたい。ドレインされて減ることはあるけどね」

商人「へえ~。でもなんで職業変わったのに魔法が覚えられるんだろ?やっぱり勉強は続けてるの?」

魔法使い「それは…説明するには少し時間が必要ね。じゃあこの魔導書の758ページを開いてみて。ここから1794ページまでの呪文体系と各呪文の特徴、並びに魔力の行使方の差異について…」

商人「あ、うん、ごめん、その話は後で…」

盗賊「んー、すっぱいぞ…こっちは…あ、ちょっとだけあまいぞ!!」

魔法使い「もう、あんまりつまみ食いしないのよ…」

商人「うーん、けど地図を見てみるとさ、ここ、岩の場所多くない?昨日のテレポート、もしかして危なかったんじゃ…」

魔法使い「そうね、そう考えるとゾッとするわね…」

魔戦士「お、あそこに誰かいるじゃないか。あれがここの管理人じゃないか?」

商人「あ、ホントだ、すみませーん、ここの管理人さんですか?」

手入れ人「あんだ、おめぇら?こんな所まで来て、オラたちに喰われちまうでよ?」

非常食「にゃー!?食べられたくないですにゃ!!美味しくないですにゃ!!」

手入れ人「……いや、本当に喰いはしねえけどさ」

商人「な、なんだあ、びっくりした…あの、かくかくしかじかでぶどうが欲しいんですが…」

手入れ人「なに?マウレアの森で同胞が腹を空かせて倒れてるってか?オーガのぶどうが欲しいってか?だどもなあ…」

魔法使い「…駄目、なのかしら?」

手入れ人「オラにはなんとも言えんなあ…ダイアラス様にお伺いを立てるがええで」

魔戦士「ダイアラス…?居住区で聞いた名前かもしれないね。ここの王様みたいな話だったかねえ?」

商人「その王様に会えば良いんだね?よーし、行こっか!」

魔戦士「…にしても広いぶどう園だねえ、歩くだけで疲れちまうよ」

竜王「イケドモイケドモブドウバタケダナ」

盗賊「んー、こっちのあまいののたねをうえて、でできたやつからまたあまいたねをうえて…」

魔法使い「…ぶどうの品種改良案に夢中ね。もしかしてこの子は冒険者よりこういう仕事が向いてるのかしら…?」

商人「うーん、そうなのかも…」

魔戦士「あんたらは本当に自分等の評価が低いようだねえ。あんたら以外に後輩を上手く扱えるヤツがそうそういると思うのかい?」

商人「あー、それは…姉御も冒険者だしなあ…」

魔法使い「そうね…まあ、いずれにせよまだ冒険に付き合ってもらわないとね」

非常食「にゃ、皆さん、やっとぶどう畑が終わりそうですにゃ」

商人「あ、ホントだ…あれ?ねえ見てみて、あっちの端っこに通路みたいなのが…」

魔法使い「壁際を通ってるようね…待って、もしこのままずっと壁際を通ってるなら、ぐるっと回って西側のフロアの北東部に行けるかもしれないわ」

非常食「にゃ、にゃるほど、そこから2階に上れるかもしれませんにゃ!」

魔戦士「もし上に行けるなら、指輪と、おそらく王様なんかも上に住んでるだろうからね、全てが解決出来る可能性もあるってわけだ」

魔法使い「もちろん、この通路が階段に繋がっていればだけど…いってみる価値はあるわねそれにどっちみち未踏破の場所は行ってみないといけないし…」

非常食「にゃ、そろそろこの通路も終わるはずですにゃ…」

商人「隣のフロアに続いてると良いね…あれ?行き止まりだ、そんな…」

魔法使い「困ったわね、でもまだこっちに部屋が…盗賊?」

盗賊「んーと、ここを…こうだぞ!!」ガコン

魔戦士「…!!シークレットドアか!!」

魔法使い「行き止まりだと思ったけど、ここに隠し扉があったというわけね…盗賊、流石だわ」

商人「この先はまた西側のフロアだよね?やっと西側の未踏破部分に行けるんだね!よーし、どんどん進んで行こー!!」

非常食「りょーかいですにゃ!!…にゃ!?この部屋は何もありませんにゃ、また行き止まりですかにゃ?」

盗賊「ん?ここもあくぞ、えーと…それっ!!」ガコッ

魔戦士「いや、流石後輩だね、秘密発見の腕前は見事だよ」

魔法使い「私達のパーティーでは盗賊技能を持ってるのは盗賊だけだから、こういうのは盗賊に頼りっきりになるわね…」

盗賊「まかせろー!!あ、あとでごちそうな!!」キャッキャッ

商人「ま、またおサイフがピンチに…でも最近は冒険も黒字だし、何とかなるかなあ…」

魔法使い「ついに2階に来たわね。さて、まずはコンパスの光だけど…」

魔戦士「どうやら上や下を向いてる訳じゃなさそうだ。恐らくこの階だろう」

非常食「にゃ、では南へ向かいますかにゃ?」

商人「そだね、じゃあこっちの通路を…あ、あれ?なんか景色が…あ…!?」ギャオーン…

――

盗賊「おお!?ここどこだ!?」キョロキョロ

魔法使い「待って、地図を確認するわ…どうやらさっきの場所から大分離れた所にいるみたいね」

商人「え?ていう事は…テレポート!?」

魔戦士「それしか考えられないね。ったく、オーガやゴブリン達の住処にしては妙に凝った作りじゃないか」

竜王「ヒトスジナワデハイカナソウダナ」

魔法使い「そうみたいね。テレポートの罠が他に無いとも限らないし、慎重に進まないといけないようね…」

――何かに遭遇した!

魔戦士「敵か!たいして強くもないな、一気にやるよ!」ザクザクッ

竜王「ガアー!!」ゴオオー

コボルドは死亡した リザードマンは死亡した オークは死亡した

盗賊「まえはたおしたな!!おくもたおすぞ!!」ヒュンヒュン

魔法使い「私は…召還契約を試してみるわ。とりあえずあのケンタウルスにしようかしら?――目を、心を、魂を交わせ!!魔性の者よ、我が下に来たれ!!」ファーン…

非常食「にゃ、ではみぃが連撃を…うにゃー!!にゃにゃにゃー!!」ドカバキグシャゴシャァッ!!

――ケンタウルスは死亡した

魔法使い「ちょっと、非常食!狙いが…」

商人「ああ、契約が横の飛んでるヘビに…」

――契約に成功した

魔法使い「……まあ、弱い魔物でも肉壁にはなるっていうからね…」

魔戦士「本当にあんたは余計な事しかしないねバカ猫!!」ドカバキッ

非常食「にゃー!?ごめんにゃさいなのですにゃー!!」オアー…

商人「あ、あれ?また景色が変わったような…?」

魔戦士「またテレポートしたみたいだね。これはかなり面倒なダンジョンのようだよ」

――何かに遭遇した!

魔法使い「またたくさんいるわね…でも、見えてる範囲ではそう強い敵はいないみたいね…マバラド!!」ドドド…

商人「あたしも、マバラド!!」ドドド…

竜王「ガアー!!」ゴオオー…

レッグボールは死亡した デザートマーダーは死亡した ウィアードケルプは――

盗賊「あ、さいごのれつはくちびるオバケだぞ!!」

非常食「にゃ、チャーミーリップは気を付けて…」

チャーミーリップの行動:ピント

非常食は魅了された

魔法使い「非常食!?いけない…」

非常食「ふにゃー!!壁も!!畳も!!オフロも!!ベッドも!!全部!!紅マグロ!!にゃー!!」ドカバキッ

商人は死亡した

魔戦士「この…!!バカ猫がっ!!」

魔戦士「…まあ、いざこうなってみると、やっぱり少しは寂しいもんだね…」

盗賊「おわかれはかなしいぞ…でもしかたないんだぞ…」

竜王「ノコサズタベルゾ…」

非常食「ふにゃー!!申し訳ないのですにゃ!!もうしませんですにゃ!!だから食べるのは止めて欲しいのですにゃ!!」ジタバタ

魔戦士「緊急時の食材の分際で仲間の足を引っ張った罪は重いよ、アタシだって断腸の思いなんだよ、分かってくれるだろう?」

盗賊「さみしくなるんだぞ…」

魔戦士「そうだね、町に戻ったら代わりのワービーストを仲間に入れようか。名前は非常食2で…」

非常食「ふにゃー!!まだ世代交代はしませんですにゃ!!」

魔法使い「もう、その辺にしときなさいよ…でも、商人が倒れたのは痛手だわ。テレポートのせいで帰り道が分からないし…」

竜王「チズモタヨリニナラナイナ」

魔法使い「1階への階段に戻ろうにも、テレポートで何処かへ飛ばされてしまうからね…それに、これだけテレポートが多いって事は、もしかしたらテレポートを使わないと階段まで戻れないのかもしれないわね…」

魔戦士「そうなったらお手上げだね。後輩、非常食はとりあえず捌かないでおくよ」

非常食「にゃ、助かったのですかにゃ…?」

盗賊「おー!!みちにまよったときのためにとっておくんだな!!」

非常食「やっぱり食べる気なのですにゃ!?食べられたくないですにゃ!!」

竜王「ガアー!!」ゴオオー…

オークは死亡した オークは死亡した オークキングは死亡した

魔法使い「ふう、なんとか切り抜ける事が出来てるわね。召還したコアトルはあっという間に死んでしまったけど…」

魔戦士「誰かさんが召還契約の邪魔をしたからね!ったく、今日はろくなことしてないね!」ゲシゲシッ

非常食「ふにゃー!!で、でも何も言い返せませんにゃ…」オアー…

盗賊「ならおとなしくおにくに…おお!?またばしょがかわったぞ!?」

竜王「マタテレポートシタナ」

魔法使い「やっぱり地図も役に立たないようね。なら、未踏破の場所を片っ端から埋めていくしかないわね…」

魔戦士「全く面倒極まりないね。さ、もたもたしてられない、さっさと…なんだ!?また…」

非常食「にゃ!?また何処かに飛びましたにゃ!!」

魔法使い「こんなに頻繁にテレポートするなんて…!いけないわ、これは本格的に道に迷ってしまったかもしれないわ。そうなったら…」

盗賊「いよいよひじょーしょくをひじょーしょくに…」ジュルリ…

非常食「ふにゃー!?なんとしても脱出するのですにゃ!!」

魔法使い「パーティーメンバーが減ってしまうわね…」

魔戦士「――このっ!豪雷の剣で撃つよ!!」バリゴーン

レッグボールは死亡した

竜王「アクマハマカセロ!!」ドスッ

ビストーラは死亡した

魔法使い「ふう、なんでオークやゴブリン達の住む所に悪魔が出るのか分からないけど、上手く倒せたわね」

盗賊「りゅーおーのやりはすごいな!!」

魔戦士「魔魂の槍は悪魔に対しては他の3倍の威力があるからね、ああいう敵には抜群の効き目だよ」

魔法使い「3倍って凄いわよね…それにしても大雑把な効き目よね…」

非常食「にゃ、でも敵は倒せても道に迷ってしまっては…」

盗賊「そろそろかくごはできたのか?」

非常食「ふにゃー!!まだ諦めてませんにゃ!!」

魔戦士「ったく、往生際が悪いねえ。いい加減に…っと、この扉はまだ開けてないかねえ?」

竜王「ミトウハダナ」

魔法使い「そうね、小さな部屋のようだけど、は行ってみないと…!?」

*シュート*

盗賊「わ、わー!?おとしあなか!?」ヒューン

非常食「ふにゃー!?落ちますにゃ!!」ドサッ

魔戦士「っつう…どこだいここは!?」

魔法使い「ここは…どうやら1階に戻ってきたみたいね。幸か不幸か…いえ、おそらくこの上ない幸運よね」

非常食「にゃ、全くですにゃ!!生き長らえましたにゃ!!」ホッ

盗賊「あーあ…」

竜王「ザンネン」

魔戦士「ちっ」

非常食「にゃ、にゃんで喜んでくれないのですにゃ!?」

魔法使い「もう…それより行くわよ、まだここはダンジョンの中、無事に帰れるかどうかわからないんだから…」

商人「ん…あれ?ここって…寺院?あ、そっか、あたし…」

魔法使い「ええ、コートラストでね。さ、早く着替えて。酒場に急がないと…」

商人「え?なんで?そういえば他の人達は?」

魔法使い「酒場にいるわ。さあ、急いで。私だけでは止められないの」

商人「え?え?え?」

――マーシャの酒場

盗賊「ねーこにーくーおーすそーわけとつーたえーてーなんーてねー♪」

魔戦士「今日はちょっとー 浮わついてるー♪」

非常食「ふにゃー!!助けて欲しいのですにゃ!!助けて欲しいのですにゃ!!」ジタバタ

姉御「あはは、ホントに面白いねーキミ達は!!」

竜戦士「いや、お裾分けされても要らねーぞ…」

魔法使い「…こういう状況よ」

商人「すとーっぷ!!すとーーっぷ!!」

非常食「うにゃあ、何とか助かりましたにゃ…ありがとうございますにゃ、みぃのせいで亡くなったのに…」

商人「ううん、平気だよ、死ぬのは馴れて…はいないけど、珍しくもないし!」

盗賊「ううー、食べそこねたぞ…」

魔法使い「ほら、ちゃんとした酒場のメニューを頼みましょ?」

魔術師「…騒がしかった…」

魔法使い「ごめんなさいね…あら、貴方と師匠、杖が新しくなってない?」

商人「あ、それってもしかして炎のロッド!?あたし達の世界のいかづちの杖みたいなやつだ、すごい!!しかも2つも!!」

師匠「ほほう、分かりますか、流石ですな。これのおかげでかなり魔力が節約出来るようになりましたな」

魔法使い「凄いわね、フランベルジュと合わせて3つもただでマバラドが撃てる装備があるなんて…」

狩人「いやあ、本当に羨ましいっすよ、みんな装備が新しくなって…」

姉御「キミはこの前靴を新しくしたでしょ?」

狩人「防具はそうなんすけど、武器が…俺、未だに店売りのロングボウなんすけど…」

竜戦士「だから俺のフランベルジュ使えって言ってるじゃねえか!」

狩人「いやあ、やっぱり狩人は弓じゃないと…追撃出来ない狩人なんて狩人じゃないっすよ…」

魔法使い「そっちのパーティーでも全員の武器が強力な訳ではないのね。私達はいつもそちらのパーティーが見つけた武具を買って使ってるし、たまには私達がそっちの武器を見つけてあげたいけど…」

――翌日、コートラスト要塞、1F東側

魔戦士「…で、またここをぐるっと回って行かないといけないのか。面倒だねえ」

魔法使い「仕方ないわ。私がティオメンテを覚えれば何の問題も無かったんだけど…」

商人「それは言っても仕方ないよ!それに、こうやって歩けばモンスターと戦う事になるから、自然とレベルも上がるしね!」

非常食「にゃ、みぃ達はまだまだレベルを上げないといけませんにゃあ…」

竜王「ミジュクモノダカラナ」

魔法使い「そうね…次の指輪を探すのにもレベルが高い方が良いし…」

商人「そういう事!さあさあ、そうとなったらレッツゴー!!早く2階に行こう!!…盗賊ちゃん?」

盗賊「ん…ここのもすっぱい…こっちは…」モグモグ…

魔法使い「ぶどうのつまみ食いはその辺にして行くわよ…」

魔戦士「さて、やっと2階に着いたね。まずはどこに行くか…」

魔法使い「どこに行くか、と言っても…どうやら先ずは昨日と同じ所のテレポートしかないようね…」

非常食「にゃ、道は1本だけのようですにゃあ」

商人「じゃあここ真っ直ぐだね…あ、景色が変わった!こっちのテレポートって、旅の扉みたいにうにゅーんってならないから気づきにくいよね」

盗賊「あっちのほうがおもしろかったな!!」

魔法使い「あっちはあっちで酔いそうになったけど…じゃあここから未踏破の場所をしらみ潰しに歩いていくわよ」

非常食「了解ですにゃ………にゃ、大体歩きましたにゃあ」

商人「大きな部屋は大体歩いたよね。あとはこの辺の小さな部屋だけど…」

魔戦士「一番北の部屋は前に入ったね。その一つ隣はあんたが死んでた時に入ってシュートだった部屋だ」

盗賊「じゃあそのまたとなりだな!!はいるぞ!!」バタン!!

竜王「…マタケシキガカワッタナ」

魔法使い「ええ、ここからまた未踏破の場所に行ってみましょう。地図があまり頼りにならないとはいえ、こうやって地道にやっていけばいずれ指輪にも辿り着けるはず…」

非常食「にゃ、あの後もう1回テレポートをしましたにゃ…」

商人「アルティメットともたくさん戦ったね…」ゲンナリ

魔戦士「へばってる場合じゃないよ。ほら、コンパスを見てみな。大分近付いてるんじゃないか?」

竜王「オソラクコノトビラノサキダナ」ギィ…

魔法使い「コンパスの光は…消えた…!指輪はこの辺にあるわ、盗賊!」

盗賊「まかせろー!!………あったぞ!!」

商人「やった!!あたし達の二つ目、姉御達と合わせると三つ目の…」

???「お前達」

非常食「にゃにゃ!?いつの間に!?誰ですかにゃ!?」

???「その指輪…私に貸して。言う通りにすれば、命までは取らない」

商人「女の子…?デビリッシュの…!まさか、闇の巫女の一味!?ゆ、指輪は渡さないよ!!」

女の子?「渡す気はないのか…なら、死ぬしかないね」ザッ

魔法使い「やる気ね…!みんな、戦闘準備よ!」

――何かに遭遇した!

魔戦士「おいおい、ドラゴンがいるじゃないか!これらグリーンドラゴンか!」

非常食「後ろはカンナギとマインドフレアですにゃ!!呪文に注意ですにゃ!!」

魔法使い「あっちは強力な術師がいるのに、こっちは呪文が使えない…!竜王、後衛のカンナギを!」

カンナギの行動:結界

商人「わ、やっぱり結界張ってきた!魔法使わなくって良かった…」

盗賊「はねかえすんだな?」

魔戦士「ああ、呪文で一気に数を減らせないのは痛いね…そらっ!!」ザクザク

竜王「ハアッ!!」ドスッ

カンナギは死亡した

グリーンドラゴンの行動:ブレス

非常食は死亡した バジリスクは死亡した

魔法使い「非常食!!召還したバジリスクも…!新しく契約したばっかりだったのに…」

マインドフレアの行動:ラバラド

竜王は死亡した

盗賊「りゆーおー!!ま、まずいぞ…」

魔法使い「とにかく相手の動きを止めるわ!!マインドフレアには魔術師呪文が効きづらかったはず。なら…ロイド!!」ジジジ…

マインドフレアは麻痺した

盗賊「おー!!やったな!!」

グリーンドラゴンの行動:竜の爪

魔戦士「くっ…!流石にまずいね…」

商人「でもブレスも魔法も受けたのにまだ倒れないなんて凄いよ!このっ、ミサーマ!!」ポワワーン

グリーンドラゴンは眠った

魔戦士「よし、仕留めるよ!!」ザクザクッ

グリーンドラゴンは死亡した

商人「お嬢サマ、回復!!創命神よ、傷つきし我らの仲間に祝福を!!フィリマ!!」パアア…

魔戦士「よし、とりあえず体勢は立て直せたよ!敵も後ろから一人前に来たが…まさか…サマーか!?バカな、なんでこんな…」

サマーの行動:隠れた

盗賊「あ、どっかにかくれちゃったぞ!!」

サマーの行動:素手

魔法使いは首をはねられた

商人「ま、魔法使いちゃん!!」

盗賊「どこだー!!でてこーい!!あ、いたぞ、あそこだ!!」

サマーの行動:隠れた

魔戦士「ちっ、また…」

サマーの行動:素手

盗賊は首をはねられた

商人「盗賊ちゃん!!」

サマーの行動:素手

商人は毒になった

商人「うっ…ビネムフィ…」パアア…

魔戦士「よし、とりあえず毒は治ったね、だが…」

サマーの行動:素手

商人は首をはねられた

魔戦士「くそっ!!姿も見せずに淡々と…このアタシが恐怖を感じるとはね…!」

サマーの行動:素手――

魔法使い「…ここ…は…?馬小屋…?」

姉御「あ、起きた?もー、心配したんだよ?蘇生は成功したのになかなか目を覚まさないからさ!で、そのまま寺院に置いとく訳にもいかないから、宿屋まで連れてきたってワケ!!」

魔術師「…目が覚めたなら…良かった…」

魔法使い「そう、心配をかけたのね…ごめんなさい。そうだ、仲間を…」

姉御「あー、明日にした方が良いよ、もう夜だしね!女の子の夜の独り歩きは危険だよ?」

魔法使い「でも…そうね、分かったわ。ああ、遅くなったけど、また助けて貰ったのよね、ありがとう」

姉御「だからー、お礼は良いって!貰うものは貰ったから!!それに今回は魔術師の移動呪文でラクショーだったし!!」

魔法使い「そう…やっぱり移動呪文は便利ね…」

姉御「あとこれは独り言だけど、隠れてる相手にはラミアーフが有効だと思ったけど、なんか効かないみたいなんだよねー。DS版だからなのか1だからなのか…それとも効果はあるけどターン終了時にしか見つからない仕様なのかなあ?2とか3だとすぐ見付かったはずだけど…」

魔法使い「…何の話?」

魔戦士「まさかサマーとはね。惨敗だったよ」

非常食「うにゃあ、何も出来ませんでしたにゃ…」

竜王「メンボクナイ…」

商人「しょうがないよ、あんなに強いモンスターがいるなんて思わなかったし」

魔法使い「そうね、でも指輪を手に入れる為には、あの魔物達にも勝たないと…」

魔戦士「ま、幸いにも奴らにはアタシらの死んだ場所に指輪があったと気付かれなかったみたいだ。誰もそんな話はしてないようだからね」

盗賊「でもせんぱい、とーぞくたちはあのまものにかてないぞ?」

商人「うーん…ねえ、明日からどうしよう?当面の目標の指輪は今は無理そうだし…」

魔法使い「そうね…私としては、指輪はともかくとして明日もコートラストに行きたいわ。腹ぺこオーガの件もだけど、あそこまで攻略したんだもの、もう少し探索してみたいわ」

魔戦士「良いんじゃないか?あそこのダンジョン自体が難しかった訳じゃないからね。もう少しやってみるのも悪くないだろ」

商人「そうだよ!それに、あそこ2階まではあんまり良いもの無いけど、もっと上に行けばきっともっと良いものもあると思うし、そのうちレベルも上がってあのモンスター達も倒せるようになるだろうし!!じゃあ明日もコートラストに行こう!!ね?」

魔法使い「ええ、そうね。倒せるようになれば良いけど…いえ、今までも何とかなってきたし、きっと今回も何とかなるわよね…」

商人「コートラストに行こう!!…って意気揚々と乗り込んだあたし達でしたが、探索中にまた別のシュートで1階に落下したのでした…」

非常食「うにゃあ、しかも昨日持ち物を売り忘れたおかげですぐ戻ってくるはめになりましたにゃあ…」

盗賊「もちものがいっぱいになったぞ!!」

魔法使い「凡ミスばっかりだったわね…特にシュートはソーサレオ使っておけば防げたのに…」

魔戦士「ちょいと焦ってたかねえ?ただ、まだあそこに指輪があるらしいってが分かったのは収穫だっただろう?」

竜王「コンパスガヒカッテタナ」

魔法使い「そうね…それにそんなに長くは居なかったにせよいくらか経験は積めたし…新しい魔物とも契約出来たし、明日にはもう1体と契約出来るようになるかもしれないわ」

竜王「ソセイジュモンオボエタゾ」

商人「あたしも全体回復魔法が使えるようになったし、あたし達強くなってるよね?きっと、そう遠くないうちに指輪も手に入れられるよね…?」

竜王「ワレラニヨリコキカゲノコロモヲ…バブロカーム」キュイーン

盗賊「おー、ダンジョンにいるあいだずっとしゅびりょくあがるまほーだな!!」

商人「あたしも、今回は忘れないように…我が足元に風の靴、地より我らを解き放たん――ソーサレオ!!」ポゥーン

魔法使い「これでシュートや落とし穴には引っ掛からないわね。じゃあ私は――艷なる姿、魅惑の姿、色めき揺さぶる誘惑の姿をここに――出でよ、チャーミーリップ!!」ドゥン!

非常食「にゃ、にゃあ…嫌な思い出が甦り…にゃあ!?」

魔戦士「なんであんたが甦ってるのさ。殴り殺された小娘や連撃まで食らったアタシなら分かるけどさ」ゲシゲシッ

商人「あ、あたしは大丈夫だから!あとコムスメじゃないし!!」

盗賊「でもまほーつかいこそだいじょーぶか?これからあたらしいまものをしょーかんするたびにえーしょーかんがえるのめんどくさいなってかいてるやつが…」

商人「すとーっぷ!!その話はすとーっぷ!!」

魔戦士「しっかし面倒なダンジョンだねえ。来るたびにいちいち東側からぐるっと…」

商人「それにさ、仮に3階に行けたとしてさ、帰りもこの2階でテレポートを何回もして帰らないといけないんだよね?大変そう…」

魔法使い「そうね、だから出来れば3階を見つけた日に用事――ぶどうを貰う許可ももらいたい所ね…」

竜王「イドウジュモンガアレバナ」

商人「そうだけど…それを言っても仕方ないよ、それよりこの階だけど…」

非常食「にゃ、何回か来て、大体どこからどこにワープするか分かってきましたにゃあ」

魔法使い「ええ、地図も大分埋まってきたわ…見て、ここの扉の向こうは昨日落ちたシュートよ」

盗賊「きょうはだいじょーぶなんだな?」

商人「うん、ソーサレオかけたからね!じゃあこっちの扉を…あ、部屋が広くなった?」

魔戦士「ああ、ワープしたようだね。さて、ここからは未踏破だね。昨日はほとんど未踏破の場所に行けなかったが…」

魔法使い「今日は大丈夫。ソーサレオもあるし、万が一誰か死んでも竜王が蘇生呪文を使えるようになったから…」

竜王「マカセロ!!」ガオー

商人「うーん頼もしいね!じゃあ行ってみよー!!あたし達に怖いものはないよ!!…とは言い切れないけど…」

盗賊「いきおいだいなしだぞ…」

非常食「にゃ、この部屋は…にゃにゃ!?シュートですにゃ!!」

*だが 浮いている*

魔戦士「なるほど、浮いてりゃシュートで落ちもしないか、良いね」

商人「でしょ?さすがあたしの魔法!!」ドヤッ

魔法使い「別に貴方専用の呪文じゃないけど…この部屋がシュートなら、隣はワープかしら?」

魔戦士「ああ、だんだん掴めてきたね。ワープがあるのは、階段のある中央の通路か複数連なってる小部屋の中かのどちらかだ」

竜王「シュートモコベヤニアルナ」

魔法使い「ええ、だからこの小部屋の隣もワープかシュートのはず。さあ、入ってみましょ…」

商人「…あ、おっきな通路に出たよ!じゃあこっちに…」

魔法使い「待って!そっちは恐らくワープがあるわ、また戻ってしまうわよ」

商人「わわっ!?じゃあこっちに行けば…あ!1階へ下りる階段があった所と同じような感じの場所だ!」

非常食「にゃ、ではここを進めば…ありましたにゃ、上への階段ですにゃ!」

盗賊「おー!!やったな!!うえにぶどうをくれるやつがいるのか?」

魔戦士「恐らくね。ぶどうをくれるダイアレスとかいうやつは確かここの王様だ。そういう連中は高い所が好きなのさ。さ、さっさと行ってぶどうを寄越すよう言ってこないとね。すんなりくれると良いがねえ…」

商人「わ、下とはうって変わってキレイになったね…」

非常食「にゃ、床はじゅうたんですかにゃ?寝っ転がりたいですにゃころゴロゴロ…

魔戦士「何ダンジョンのど真ん中で気を抜いてるんだい!ダイアレスってのが王様なら、ここを真っ直ぐだろうね」

魔法使い「ええ、このじゅうたんの上を歩いていけば…いたわ、多分あの大男が…」

オーガ「余はコートラストを治めるもの、オーガロードのダイアレスなり」

盗賊「おっちゃんがダイアレスか?ぶどうがほしいんだぞ!!」

商人「す、すみません…えっと、かくかくしかじかでぶどうが欲しいのですけど…」

ダイアレス「なに、オーガのぶどうが欲しいと申すのか?…ほう、なるほどな。くれてやってもよい。だが、いかに同胞のためとはいえ、よそ者にタダでやるわけにはいかん」

魔法使い「では、どうすれば…?」

ダイアレス「余は絶対なる力の崇拝者。オーガのぶどうが欲しいと言うなら、1つ手合わせ願おうか」

非常食「にゃ、手合わせですかにゃ!?強そうですにゃあ…」

ダイアレス「余を打ち倒す事が出来たなら、オーガのぶどうはくれてやる。どうだ?」

魔戦士「はっ!やるしかないだろ、そっちこそ覚悟を決めるんだね!」

ダイアレス「その勇気だけは買ってやろう。ただ、気持ちだけでは余には勝てぬ。この腕で、その勇気もろとも打ち砕いてくれる!」

――何かに遭遇した!

魔法使い「あっちは一人か。余程腕に覚えがあるようね」

竜王「ヤルシカナイゾ!!」ドスッ

魔戦士「ああ、その通りだよ、らあっ!!」ザクザク

商人「相手が単独なら…秋よ来たれ!!彼の者の防護、枯れ葉の如く舞い落ちよ!!ロブティ!!」ポゥーン

魔法使い「私は…オラース!!」ギュイイーン

非常食「にゃ、後はみぃに任せて欲しいのですにゃ!!」ニャオー

盗賊「いけーひじょーしょく!!あーふーれーるーパワー、みーせつけろとーしー♪」

商人「ひじょーしょく!!」

盗賊「たーたーかーうのーさー、いーざーたーくーましーくー♪ぶっとばーせーさあ♪」

商人「ウィーラー♪」

魔法使い「誰!?」

ダイアレスは死亡した

商人「もう!?」

盗賊「どーだ!!まいったか!!」

魔法使い「貴方今回歌ってただけじゃない…」

ダイアレス「なんということだ…余が、膝を折る事になろうとは…」

魔戦士「はっ、口ほどにもないねえ」

竜王「ヤハリオーガロードヨリドラゴンロードダナ」

非常食「そ、そうなのですかにゃ?」

ダイアレス「仕方ない、オーガのぶどうはくれてやろう。ぶどう園の管理人に言って、貰ってくるがよかろう」

商人「やった!!これで腹ぺこオーガを助けられるね盗賊ちゃん!!」

盗賊「おー!!良かったぞ!!」

魔法使い「では王よ、失礼致します…さて、許可は貰ったし、ぶどう園に戻っても良いけど…」

商人「すぐに戻るのは勿体ないよ!ここで持ち物が一杯になるまで探索してこうよ!!」

魔戦士「ああ、アタシも同意見だね。せっかくこのダンジョンの最上階まで来たんだ、限界まで宝を持って帰るべきだね」

竜王「ココナラキョウリョクナアイテムガデソウダナ」

魔法使い「そうね、じゃあこのフロアを探索してから帰りましょう。思えばダンジョンの最深部をじっくり探索することは今まで無かったわね。出来なかったと言うべきかもしれないけど、今ならきっと…」

非常食「にゃ、今回はたくさんアイテムを持って帰れましたにゃあ」

商人「今回はダンジョン内で鑑定もして、いらないアイテム捨ててでも最上階のアイテムを持ち帰ってきたからね。もったいなかったなあ…」

魔戦士「今更ブーツや鎖帷子持って帰っても仕方ないだろう?それより早く最上階のアイテムを鑑定しなよ」

商人「そうそうだね、よーし!!」ガチャガチャ…

盗賊「これでパワーアップできるといーな!!」

非常食「にゃあ、しかしちょっとやそっとであのサマーには勝てそうもにゃいですにゃあ…」

魔法使い「それは…それに関しては、私に少し考えがあるの」

魔戦士「へえ、対策でも思いついたのかい?」

魔法使い「対策というか…」

商人「はい、鑑定終わったよー!!まずこれね、鉄仮面!!これはお嬢サマどうかな?あと鋼の小手!!これは竜王ちゃんね、あと…これ!大樹の杖!!」

盗賊「ん?ただのきのえだじゃないのか?」

魔法使い「これは…かなりの魔力を秘めてるわね、それも雷の」

商人「そう!炎のロッドみたいに魔法撃てたりはしないけど、あたし達が持ってなかった雷の属性攻撃力をぐぐっと上げてくれるスグレモノだよ!!」

非常食「にゃ、それは良いものが見つかりましたにゃあ」

魔法使い「魔戦士の仮面と竜王の小手もね。やっぱり最深部に行けば良いものはあるのね…私達ももう少し危険を冒しても難度の高いダンジョンに
挑戦するべきかしら…?」

姉御「お、盛り上がってるね諸君!」

魔術師「…その杖…良い…」

魔法使い「ええ、やっと私達にも良いものが手に入り始めたわ」

師匠「雷の属性攻撃力をあげるものはなかなかお目にかかれないですからな。いや、素晴らしい」

狩人「ゆ…弓はないみたいっすね…」ガックシ…

姉御「アイテムもだけどさあ…キミ達、強くなったよね?レベルいくつ?」

盗賊「とーぞくとせんぱいはじゅーきゅーだぞ!!…です」

魔戦士「明日には二人とも20になると思うよ」

竜王「げ、マジか…追い越されたじゃねーか!!」

姉御「こっちのパーティーは私の21が最高だから…ほとんど追いつかれちゃったね!!うーん、焦っちゃうなあ…」

師匠「焦りは禁物ですぞ、リーダー。こちらも冒険自体は順調そのもの、焦る必要はありませんぞ」

商人「すごい、もうちょっとで姉御達に追い付ける…ううん、一気に追い越しちゃおう!!…と言いたい所だけど…」

盗賊「ぶどうわすれてきたんだぞ…」

竜王「アシタモコートラストダナ…」

商人「と、いうわけであたし達は今日ぶどう園にぶどうを貰いに来ました!管理人さん、こんにちは!!」

手入れ人「おお、おめさんらか。どうだったよ?」

盗賊「きょかはもらったぞ!!おーさまたおしたんだぞ!!」ドヤッ

手入れ人「…なんと!?ダイアレス様を負かしちまったんか?うへえええ!?まあ、そういう事なら仕方ねえべ。ほれ、オーガのぶどう、持ってくがええ」

盗賊「おー!!サンキューおっちゃん!!」キャッキャッ

魔戦士「これで後は届けるだけだが…どうする?せっかくここまで来たんだ、また3階まで行って宝を漁るのも悪くないんじゃないか?」

魔法使い「漁るって…でもそうね、せっかく来たんだし、前回あそこで結構良いものが見つかったし…」

商人「うん、じゃあ今日も3階まで行ってみよー!!今日も良いものあると良いね!!」

非常食「にゃ、みぃもそろそろバンテージ以外の武器が欲しいですにゃあ…」

魔法使い「いけない、相手の呪文攻撃が激しすぎる…ロイド!!」ジジジ…

ゴブリンマジシャンは麻痺した

ハイアルケミーの行動:カラチャ

竜王は混乱した

盗賊「りゅーおー!!しっかりするんだぞ!!」ユサユサ

魔法使い「ここは…迷宮の可憐な花よ、此処に来たりて我が手足となれ!!出でよ、グレーターメイド!!」ドゥン!

メイドリカバリー:混乱が回復した

竜王「メンボクナイ!ガー!!」ドスッ

ハイアルケミーは死亡した

魔法使い「ありがとう、お役御免よ…来たれ、チャーミーリップ!!」ドゥン

チャーミーリップの行動:ブレス

ゴブリンマジシャンは死亡した

盗賊「おー、かった!!あぶなかったな!!」

魔法使い「戦闘開始してすぐにハイソーサリスのアルゲイズで3人倒されてしまったからね…竜王、蘇生をお願いね…やっぱり、まだまだ油断はできないわね…」

商人「へえー、危なかったんだね… でも早めにメイドさんと契約してて良かったね」

魔法使い「ええ、チャーミーリップが攻撃型だからと思って守備的なモンスター――と言っていいのか分からないけど――を2体目にという考えだったんだけど、結果的にうまく行ったわ」

魔戦士「死んでたアタシらには戦いぶりは分からないが、ある程度召喚師としての戦い方も小慣れてきたみたいだね」

盗賊「まほーつかいすごかったぞ!!もっといろんなまものでたたかうのみたいぞ!!」

竜王「カイテルヤツハシンドソウダゾ」

商人「そ、その話は…あ、そうだ!これが今日の鑑定結果だけど…魔法使いちゃんにはこれ、紋章のローブ!!」

魔法使い「紋章のローブ…これはかなり良いものなんじゃない?守備力も高いうえに呪文に対する抵抗力もあるみたい…」

商人「そそ、すごいでしょ?あとはこれ、鋼のヘアバンドなんだけど、誰が使う?」

魔戦士「アタシと竜王は頭防具は間に合ってるからね、非常食、あんた使いな」

非常食「にゃ!?良いのですかにゃ?」

魔戦士「そのかわりちゃんと働きなよ?そろそろあんたにも壁役として働いてもらうようだからね」

魔法使い「さっきは盗賊に頑張ってもらったわね。おかげで私も竜王も死なずに済んだわ。でも出来れば前衛の非常食に壁役はやってもらいたいわね」

非常食「にゃ、任せて欲しいのですにゃ!!」ニャオー

商人「じゃあ改めて…盗賊ちゃんお嬢サマ、レベル20おめでとー!!かんぱーい!!」

「「「「「かんぱーい!!」」」」」

魔戦士「アタシらはここんところ毎日のようにレベルが上がってるね。この調子ならハイマスターも近そうだ」

盗賊「おー!!アイテムぬすむぞ!!」ガオー

商人「そっか、盗賊ちゃんのハイマスターはモンスターからアイテム盗めるようになるスキルだもんね」

非常食「にゃ、そうなればいよいよみぃもバンデージ以外の武器が手に入りそうですにゃあ…」

魔法使い「確か魔物の持っている武器は呪いが掛かってる事が多いのよね?錬金術師の世話になることも増えそうね」

魔戦士「ま、アタシは呪いなんか効かないからね、後輩がぶん取って来たらすぐ装備出来るよ」

竜王「デビリッシュハノロイムコウダナ」

商人「へえー、すごいね!盗賊ちゃんと姉御、どっちが先にハイマスターになるかなあ?」

魔法使い「どうかしらね、でもこのペースで行けばもしかして…」

非常食「にゃ、その姉御さん達は今日は居ないのですかにゃ?」

魔戦士「そういや見ないね。ま、大方まだダンジョンにいるんだろ?」

魔法使い「そうかしら?私達結構遅くなってから帰ってきたけど…逆にもう宿屋に戻ってるのかもしれないわ」

商人「あー、そうかもね。じゃああたし達もそろそろ戻ろっか?明日はいよいよ腹ぺこオーガさんにぶどうを渡しに行けるね!!まだ元気だと良いけど…」

盗賊「おきろー!!あさだぞー!!バンバンバン

商人「もー、相変わらず朝弱いね魔法使いちゃんは!…でも、昨日とうとう姉御達来なかったね…」

魔戦士「連中、ロイヤルスイートにでも泊まったんじゃないのかい?でなければ…」

マーシャ「ああ、ここにいたのね。ちょっと良いかしら?」

盗賊「おー、マーシャねえさん、どーしたんだ?」

マーシャ「ええ、ちょっとお願いがあるんだけど…ほら、貴方達と仲良くしてたパーティーあるじゃない?元気なホビットがリーダーの…」

魔法使い「ああ、姉御達が何か?…まさか」

マーシャ「ええ、昨日結局酒場に来なかったの。今ミアマックさんに聞いたら宿屋にも来てないって言うし…」

商人「え…?もしかして姉御達、全滅…?」

魔法使い「恐らくそうでしょうね…確か姉御達は最近ハダーリマスを冒険してると言ってたわね。分かりました、では私達が捜索に行きましょう」

マーシャ「そう、ありがとう…そうだ、これ、あの子達が使ってた地図の写しね。捜索に使ってもらえれば…」

魔戦士「ああ、地図があればまあ助けられるだろ、ミイラ取りがミイラにならなきゃね。非常食!非常食!!ちょっと来な!!」

非常食「にゃ、にゃんですかにゃお嬢様!!」タタタッ

魔戦士「あんた今日留守番ね」

非常食「にゃんですと!?」オアー…

商人「ここがハダーリマスかあ…来るの初めてだよね?」

魔法使い「そうね、ここに来なければいけない依頼や頼まれ事もなかったはずだし…」

魔戦士「確かここら辺は良いアイテムが出るんだろ?さっさと死体の回収を済ませて探索と行こうじゃないか」

盗賊「りゅーおー!!したいをさがすまほーつかうんだぞ!!」

竜王「モウジャノチトダンマツマヲタドリ、シュウエンノチヘトミチビキタマエ…ゾンペリ…」ギュイイーン

魔法使い「あ、地図に姉御達の所在が示されたわ…え?」

商人「え?ど、どうしたの魔法使いちゃ…え?え!?す、すぐそこ…あとほんのちょっとの所だ…!」

魔戦士「あと1歩の所で力尽きたのか。確か連中は瞬間移動の呪文が使えたんじゃなかったかい?」

魔法使い「恐らく後衛が先に倒されてしまったんでしょうね。それで仕方なく歩いて帰ろうとしたけど、出口を目前に力尽きた…」

盗賊「はやくあねごをたすけるんだぞ!!」

商人「うん、すぐそこだし、早く合流しようね!そしたら…このダンジョンちょっと探索してくんだよね?」

魔法使い「せっかく来たしそうしましょう。なかなかここに来る事も無さそうだし…それに万が一私達が全滅しても、非常食が教会に頼んで回収してくれるでしょうから、気も楽だわ」

魔戦士「あのバカ猫はちゃんと留守番してるんだろうね?またマタタビ酔いでもしてたらただじゃおかないよ…」

非常食「うにゃあ、また置いてかれましたにゃあ…」オアー…

錬金術師「残念だったねえ。ま、そんな時にやることは1つだ、なあ?」ズイッ

非常食「にゃ、今日は飲みませんにゃ!!お仕置きが恐ろしいですにゃ!!」

錬金術師「じゃあなんか適当に食べなよ。ほら、メニュー」ズイッ

非常食「にゃあ、今皆さんはお腹空かせて冒険してますにゃ。みぃだけお腹一杯は悪いですにゃ…」

デク「そう言うナ!!デクのおごりダ、焼き魚おごってやル!!」

非常食「にゃ、お魚は生が良いですにゃあ…にゃ?デクさんはにゃんでこんなにお金持ってるのですかにゃ?」

デク「姉御達からもらったゾ!!デクのお金ダ!!」

非常食「にゃにゃ!?そのお金で姉御さん達を回収すれば良かったのではないですかにゃ!?」

デク「なんでダ、これはデクのお金ゾ!!」

非常食「うにゃあ、もしかしてお嬢様達が回収しに行く必要は無かったのではにゃいですかにゃ?みぃも置いてかれなくて良かったのではにゃいですかにゃ…?」

盗賊「おー、あねご!!みつけましただぞです!!」

魔法使い「さあ、回収してあげましょう…ごめんなさい、回収出来るのは一人だけ、もう少し待ってて…」

商人「ねえ、姉御はその…このまま連れてくの?生き返らせた方が…」

魔戦士「アタシらはこれからここの探索するんだろう?なら、よそのパーティーの奴に蘇生呪文なんて使わないで、自分らの為に取っておくべきだと思うがねえ」

魔法使い「そう…ね。それに…こんな事言うのはなんだけど、姉御を生き返らせて一緒に冒険したら…」

竜王「タイカヲセイキュウサレルナ」

商人「あー…じゃあこのまま連れてく?ちょっと可哀想だけど…」

魔法使い「そうしましょう。さあ、回収は終わったし、探索に移りましょう。せっかく普段来ないダンジョンに来たんですもの、今日は最深部を目指してみましょう」

盗賊「おお!?つよきだなまほーつかい!!」

魔法使い「さっきも言った通り、全滅してもなんとかなるからね…とはいえ、非常食がいない分の戦力ダウンはきちんと頭に入れて行動しなければね…」

魔戦士「ここは南東か…地図では北東が最深部のようだったね」

魔法使い「ええ、マウレアと同じような形ね。姉御達の地図にも、北東への道程は書いてないから、迷わないように…」

――何かに遭遇した!

商人「うわあ、右のデーモンヴァルキリーも気になるけど、何あの真ん中のヒト!?な、なんかきゅーとなあたしの天敵みたいな…」

魔戦士「サキュバスだな、気を付けなよ、レベルドレインされちまうからね」

魔法使い「危険な敵が多いわ、動きを止めて…ラロイド!!」ジジジ…

デーモンヴァルキリーは麻痺した

タイガーレディの行動:魔獣の爪

魔戦士「ちっ…!他と比べりゃ危険は少ないが、放ってもおけないね…!」

竜王「ウガー!!」ドスッ

タイガーレディは死亡した

サキュバスの行動:なめらかな指 サキュバスの行動:熱い吐息

商人「!?!?!?な、ななな何やってるの女同士で!?!?!?」

1レベルドレインされた

魔戦士「っ…!気を付けろって言っておいてこのザマだ、笑っちゃうね!くそっ、レベルが…」

魔法使い「ふう、色々あったけど何とか最深部まで来られたわ」

魔戦士「あーあ、思い出す度腹が立つよ、レベルドレインされるなんてね…くそっ!」

商人「お、落ち着いてお嬢サマ…で、でもドレインってあんななんだ…」ドキドキ

盗賊「どうあんななのかはごそーぞーにおまかせなんだぞ!!」

魔法使い「誰に言ってるのよ…さて、北東に来たし、これから…」

――何かに遭遇した!

商人「れ、霊体が2体!?あ、あれってサマーじゃない!?た、ただでさえ強いサマーが霊体に…!」

魔戦士「いや、サマーに限っては霊体の方が楽なはずさ。竜王!!」

竜王「ガー!!」ゴオオオ…

ゴーストサマーは死亡した

魔法使い「なるほど、体力が低いのね。じゃあ私は隣の侍の霊を…異国の気高く強き亡者よ、汝と固き契約を!!」パアア…

契約に成功した

魔戦士「わざわざチャーミーリップの契約に上書きしてまで契約を…?なるほどね、あんたの考えが分かったよ魔法使い、流石の切れ者だね」ニヤリ

商人「え?え?何?どういう事?」

魔法使い「詳しくは後でね。あとほめるのは全てが上手くいってからにして欲しいわ。でもここで良い魔物と契約出来たわ、奥地まで来たかいがあったかもしれないわね…」

盗賊「もうすぐでぐちだな!!あねごをいきかえらせるぞ!!」

魔戦士「まあ待ちなよ後輩、完全に安全が確保できる場所に着いてからだ」

魔法使い「そうね、姉御達も脱出直前で全滅したわけだし、ここで油断は…」

――何かに遭遇した!

盗賊「おお!?でっかいおっちゃん達だぞ!?」

魔戦士「ファイアージャイアントにフロストジャイアント…!ブレスが危険な相手だ、体力を減らすよ!!」ザクザクッ

商人「属性がバラバラだからまとめて攻撃出来ない…その光は天の怒り!!轟きと共に敵を討て!!ジアカラ!!」ズガーン

――抵抗した

魔法使い「効かなかった…!?なら動きを止める、ラロイド!!」ジジジ…

ファイアージャイアントは麻痺した

竜王「フロストジャイアントガノコッテルゾ!!」

フロストジャイアントの行動:ブレス

魔戦士は死亡した 竜王は死亡した ゴーストダイミョウは死亡した

商人「そ、そんな…!?ブレスが強すぎるよ…!」

盗賊「せんぱい!!りゅーおー!!」

魔法使い「落ち着いて二人とも!撤収するわよ、盗賊、悪いけど私を庇ってて!」

盗賊「おー、まかせろ!!」ササッ

魔法使い「相手は動きが早くないわ、商人!」

商人「うん、先に魔法を…ミサーマ!!」ポワワーン

フロストジャイアントは眠った

魔法使い「よし、もう大丈夫よ――マハマハ!!」ポゥーン

――撤収した

盗賊「あ、あぶなかったんだぞ…」

商人「怖かったね…姉御達が全滅したのも分かる気がするよ…」

魔法使い「本当ね…気を抜いたつもりはないけど、やっぱり帰るまで油断は禁物ね。でも何とか生き延びられたわ、さあ、帰りましょう…」

姉御「…ここ、寺院?そっか、私…あれ?キミ達は…」

魔戦士「お仲間じゃなくて悪かったね。先に言っとくが、貰うものは貰ったよ」

魔法使い「でも、無事に生き返って良かったわ。そうそう失敗することなんてないって分かってはいても、蘇生の時は怖くなるわね」

姉御「…助けてもらったんだ…ありがと」

魔法使い「貴方、いつも礼は良いって言ってるじゃない。私達も同じよ」

姉御「ふふ、そう言ってもキミはいつも礼を言うよ。私も同じ」

魔法使い「そう、ふふふ…」

姉御「でもなんで私服着てるの?キミ達が着せてくれたの?」

盗賊「あねごのそせーはりゅーおーのまほーでやったんですだぞ!!まほーだとふくかたまんまなんだぞですぞ!!」

商人「冒険者の魔法は冒険中にもつかうから、いちいち脱がさなくても良いようになってるんだって!じゃ、あたし達は行くから、お大事に!」

魔法使い「他の仲間達も早めに助けてあげてね。それじゃ…」

姉御「うん、また。本当にありがとうね……はあ、悔しいなあ、本当に悔しい、死ぬほど悔しいよ…でも。ここで舞台から降りる私じゃ、私達じゃないよ!まだまだご褒美貰うのは諦めないんだからね…!」

非常食「にゃっ!?み、皆さんお帰りなさいですにゃ!」モグモグ…

盗賊「あーとーぞくたちよりさきになにか食べてるぞ!!」ギャーギャー

非常食「にゃ、ちょっとだけなんですにゃ!ホントですにゃ!!皆さんが心配で食事もちょっとだけしか…」

魔戦士「ふーん、口から生魚の臭い垂れ流しながらよくそんな事が言えるねえ?」ギュウウウ…

商人「すとーっぷ!!さあさあ、鑑定の結果だよ!まず…じゃーん!!フランベルジュ!!」キラーン

魔法使い「フランベルジュ…!私達もついに…」

魔戦士「へえ、ついに手に入れたかい。ま、もうちょっと早めに手に入ってれば言うことなかったがねえ。じゃあアタシが使うかねえ」

商人「あとはこれ、魔術師の帽子だよ!ほら、あっちで魔法使いちゃんが良くかぶってたようなとんがり帽子!」

盗賊「おー、なつかしいな!!」

魔法使い「本当ね…でもこれ、私には装備出来ないわね…商人、貴方が装備したら?」

商人「え?えへへ、うん、最初からそのつもり…」

魔戦士「ったく、調子良いねえ」

非常食「今日は良い冒険だったのですにゃ。みぃも行きたかったですにゃあ…」

魔法使い「心配しなくても明日からはまた貴方にも頑張ってもらうわ。さて、明日は1日遅くなってしまったけど、いよいよマウレアにぶどうを届けに行くわよ」

盗賊「おー!!はらぺこオーガ、まってろよー!!」

魔術師「…彼女達に…助けられた…」

師匠「ふむ、彼等は流石に人間主体のパーティーですな。成長が著しい」

狩人「いやあ…同じ人間から見ても、あの人達は凄いっすよ」

竜戦士「つーかデクおめーよお、なんのために金持たせてると思ってんだ!!飯食ってねーで寺院行けよ!!」

デク「この金はデクのダ!!どう使おうが勝手だロ…アアー!?頭を外すナー!」ギャーギャー

姉御「全くもー!!…さて、みんな聞いて。私達は確かに、レベルではあのパーティーに追いつかれて、もしかすると追い越されたかもしれない。でも、あっちも結構揃ってきたとはいえ、まだまだ装備の方は私達が上だと思うの。指輪探しとか闇の巫女退治はまだまだ諦める必要はないはず、だよね?」

竜戦士「たりめーだろ!!諦めてたまっかよ!!」

魔術師「…追い越し返す…」

師匠「むしろ肝心なのはここから。1度全滅した位でめげている暇はありませんな」

狩人「っすね。別に俺らだって今まで逆境がなかった訳じゃないっすしね」

盗賊「うん、みんな分かってるね!指輪も、闇の巫女退治も、主人公奪取もこれから!!見てなよー!!」ガオー

――翌日、ミアマックの宿屋

盗賊「レベルアップしたぞー!!」ガオー

魔戦士「これで後輩はレベル22か。あっちのリーダーに追い付いたみたいだね。アタシはドレインされたから20に逆戻りだよ」

商人「残念だったね…あたしは今日で19、魔法使いちゃんは8だよね?」

魔法使い「ええ、私は毎日のように上がるわね。非常食と竜王は変わらず18と17ね」

魔戦士「あんた、魚なんか食ってないで一人でマウレアにぶどう持ってけば良かったじゃないか」ゲシゲシッ

非常食「にゃあっ!?それは無茶ですにゃあ~」オアー…

魔法使い「そんなに非常食を責めないのよ、昨日置いていったのは仕方なくなんだし、それに今日みんなで行った方が安全よ」

商人「うん、昨日はやっぱり非常食ちゃんが居なかったのが響いたよね。特に最後の巨人は、非常食ちゃんが連撃してたらブレスの威力落ちてたかもしれないし…」

竜王「ゼンエイガゼンメツスルコトハナカッタカモナ」

魔法使い「やっぱり、全員揃って冒険するのが一番よ。さあ、準備は良い?かなり待たせてしまったけど、今日こそはあのオーガにぶどうを渡さないとね…」

盗賊「おー、はらぺこオーガ、いきてたな!!ぶどうだぞ!!」

オーガ「あ、ありがてえ!ではさっそくいただきい!」パクッ

非常食「にゃ、凄い勢いで食べてますにゃあ…」

商人「よっぽどお腹が減ってたんだね。でも生きてて良かった…」

オーガ「う、美味い…最高に美味いぜ、涙が出ちゃう…やっぱりオーガはこの味だよな、ありがとう、恩に着るぜ!」タタタ…

魔戦士「おいおい、行っちまったよ、何も報酬は無しかい?」

魔法使い「そう言わないのよ、ほら、フェイムは手に入ったわ」

竜王「モウイラナイケドナ」

商人「大体指輪のある所は分かったもんね…じゃあこれからどうしよ?このダンジョンも一応探索進めるの?」

魔戦士「進めるなら最深部だろう、いくらこんなダンジョンでも最深部ならそこそこ良いアイテムがあるんじゃないか?」

魔法使い「そうね…じゃあ北東に行きましょうか」

盗賊「おー!!もりのめいさん食べるぞ!!」

商人「そんなのあるのかなあ…?」

――アークフェアリーの行動:ラフィリード

非常食「にゃっ!?また回復されましたにゃ!!」

魔法使い「ダメージを与えては回復され…きりがないわね、ラロイド!!」ジジジ…

アークフェアリーは麻痺した アルラウネは麻痺し

竜王「ガアー!!」ゴオオオ…

アルラウネは死亡した ナルヴは死亡した アークフェアリーは死亡した

商人「ふうー…やっぱり中心部のモンスターは強いね…」

魔戦士「中心部は強すぎるし他は弱すぎる。バランスの悪い森だよ、ここは」

魔法使い「そうね、アイテムを探すだけなら中心部の外が楽だけどレベルが上がりづらいし、中心部だとレベルは上がるかもしれないけどアイテム探しは捗らない…」

盗賊「おなかへったー!!」

非常食「にゃ、みぃも少し疲れましたにゃあ…」

商人「たくさんあるいたもんね。あたしも少し疲れたかなあ…魔力はまだあるんだけど…」

魔法使い「いえ、余裕のあるうちに戻りましょう。アイテムもかなり手に入ったし…」

竜王「イイノガアレバイイナ」

魔戦士「全くだね。苦労してぶどうを届けた割にはろくな報酬も無いし、レアなアイテムでも見つけなきゃやってられないね」

商人「鑑定終わったよー」ガチャガチャ…

魔法使い「あまり良いのが無かったようね…」

商人「全然無いって訳じゃないけど…まずこれ、アイアンウィップ。これは魔法使いちゃん用だね」

盗賊「おー!!てつのむちをふりまわすのか?まほーつかいのイメージにピッタリだな!!」

魔法使い「貴方の私に対するイメージって何なのよ…」

商人「あとこれ、雷の魔印。これも魔法使いちゃんが使う?」

魔法使い「じゃあそうさせて貰おうかしら…今回の目ぼしいものはこのくらい?」

魔戦士「悪くはないが、最深部のアイテムと考えるとイマイチだねえ」

非常食「フランベルジュみたいなのがほしかったですにゃあ…」

盗賊「それであしたはどーするんだ?」

魔法使い「ええ、明日はコートラストの指輪に再挑戦しようかと思うの。良いかしら?」

商人「え、でもあのサマーとかいうヒトに勝てるかなあ…?」

魔戦士「それは魔法使いに作戦があるんだろう?」

魔法使い「まあね…恐らく上手くいくとは思うけど…」

商人「うーん、まだちょっと怖いけど…でもいつかはまた挑戦しなきゃいけないんだもんね、よーし、行こう!!」

盗賊「んーと、たしかこのへんに…」ガサゴソ…

商人「…うーん、でもやっぱりちょっと怖いなあ…ねえ魔法使いちゃん、魔法使いちゃんの作戦、そろそろ教えてよ」

魔法使い「そうね…まず、私には、というか錬金呪文にはヴィッフィという呪文があるんだけど、これは味方の誰か一人に敵の攻撃を集中させる呪文なの。1度も使った事のない呪文だけど、今回はこれを使って戦うわ」

非常食「にゃ、誰か一人がサマーの攻撃を引き受けるという事ですかにゃ?しかし、その人が倒れたら…」

魔戦士「その為にこの間霊体のモンスターと契約したんだろう?」

商人「ああ、そっか!霊体なら普通の攻撃はすり抜けちゃうからサマーの攻撃も効かないんだ!?」

魔法使い「そう。更に言えば、攻撃を受け返すつばめ返しを持ってる侍の霊体なら一石二鳥だと思って、あのゴーストダイミョウと契約したのよ」

非常食「にゃるほど、さすがですにゃあ!」

竜王「コンドハイケソウダナ」

魔法使い「ええ、やってみないと分からないけど…みんな、来たわよ!」

少女「また来たの?何度来ても同じ、死ぬしかないよ」スッ

商人「わ、来た!でもこっちだって作戦があるんだもん、負けないよー!!」

――何かに遭遇した!

竜王「コンカイハドラゴンガイナイナ」

魔法使い「ええ、ブレスが怖かったけど、これでかなりやり易くなったわ。じゃあやるわよ――全ての目、全ての耳、全ての意識を彼の者に!!ヴィッフィ」ギャウーン

サマーの行動:隠れる 失敗した

非常食「にゃ、失敗しましたにゃ!」

魔戦士「あの時と比べてアタシらもレベルが上がったからね、そう簡単に隠れられないだろ、そらっ!!」ブォン

商人「あ、攻撃が当たらない!?なら守備力を下げて…ロブティ!!」ポゥーン

サマーの行動:素手 全く効いていない

盗賊「おー、からぶりしてるぞ!!」

魔法使い「目論み通りね!攻撃回数を上げるわ、オラース!!」ギュウーン

非常食「にゃ、にゃ、にゃー!!」ドカバキッ

竜王「ガアッ!!」ゴオオオ…

サマーは死亡した

商人「やった!!あのサマーを倒せたよ!!」

魔戦士「完全に作戦勝ちだな、あとはあのガキだけだ、らあっ!!」ザンッ

ゴーストダイミョウの行動:兜割り

非常食「ふにゃにゃー!!」ドカバキッ

レカレスは死亡した

盗賊「やったぞ!!あっけなかったな!!」

魔戦士「前の指輪を見つけたとき戦ったセフィリーヌとかいう女と同じだな。手下の方が強くて本人は大したことない」

レカレス「…やるね。もう少しだけ生かしておいてあげる」スウッ…

魔法使い「消えた…退いたみたいね。盗賊、指輪は見つけたわね」

盗賊「おー!!これだな!!」キラーン

非常食「にゃ、やりましたにゃ!!」ニャオー

商人「うん、やったね!!サマーにも勝てたしね!!」

――創命の指輪を手に入れた!

魔戦士「さて、せっかくコートラストに来たんだし、また3階でアイテム探しといくかねえ」

魔法使い「ここの魔物は油断は出来ないけどとても手強いという程でもないし、調度良い…あら?何か話し声が聞こえるわね…」

オーガ「おい、じじい!!ダイアレス様が引退なすったが、後継者は――」

ゴブリン「当然!わしに決まっておる!」

オーガ「ああ!?じじいボケたか!?誰がじじいなんかに――」

非常食「にゃ、王座の後継者争いですかにゃ?」

商人「も、もしかしてあたし達が王様を倒したせいで…?あ、あの、すみません、えっと…」

オーガ「なに見てるんだてめえらああ!!」

ゴブリン「盗み見とは感心せんのう」

商人「え!?いやその、そんなつもりじゃ…」

オーガ「俺様は今、このじじいのせいで怒り心頭なんだ。おい、じじい。話の続きはこいつら蹴散らしてからにしねえか?」

ゴブリン「良かろう、一時休戦じゃ」

非常食「にゃ!?みぃ達を蹴散らすのですかにゃ!?」

オーガ「俺様は他のオーガよりぶっちぎりで強い!!覚悟しやがれ!!」クワッ

――何かに遭遇した!

魔戦士「ったく、余計な事に首突っ込んで…」

魔法使い「言っても仕方ないわ、まずは後ろを…ラロイド!!」ジジジ…

オーガナイトは麻痺した ゴブリンは麻痺した

竜王「ガアッ!!」ゴオオオ…

ゴブリンは死亡した ゴブリンは死亡した

非常食「にゃ、ではあの強そうなオーガを…ふにゃにゃー!!」ドカバキッ

バルモアは死亡した

魔戦士「はっ、ぶっちぎりで強いって言ってた割には大したことないね!そらっ!フランベルジュだ!!」ドドド…

オーガは死亡した ゴブリンは死亡したゴブリンは死亡した

商人「いっけえー!!マバラド!!」ドドド…

オーガは死亡した

盗賊「おー、ごっついのはぜんめつしたな!!」

魔法使い「後は後衛の術師だけね…申し訳ないけど、前衛のみんなに呪文攻撃を受けてもらうわよ、ヴィッフィ!!」ギャウーン

ゴブリンマジシャンの行動:ラバラド ゴブリンマジシャンの行動:ラグラス

非常食「ふにゃー!?あっついですにゃ!!冷たいですにゃ!!」

商人「は、早めに倒さないと…来たれ業火!!深紅の竜となり、全てを喰らい飲み込み尽くせ!!ラバラド!!」ゴオオオ…!

魔戦士「連中は丈夫だね、だが…もう一度フランベルジュだ!!」ドドド…

ゴブリンマジシャンは死亡した ヨグマは死亡した

盗賊「あのゴブリンのじーちゃんもたいしたことなかったな!!」

魔法使い「呪文を使われる前に倒せたのが良かったわね。さあ、あと一人よ!」

竜王「ガアッ!!」ドスッ

ゴブリンマジシャンは死亡した

商人「や、やった倒した…!でもなんでこんな事に…」

魔戦士「ん、帰ってきたね、お疲れ。王様は喜んでたかい?」

魔法使い「ええ、『さすが私の見込んだ冒険者だ、残りの指輪も頼む』だそうよ」

非常食「にゃ、指輪はあと2つですにゃ?」

魔法使い「そうね、そのうち1つはニベーヌにあることが分かってるわね」

商人「鑑定終わったよー。赤い靴とか幻惑の短剣とかちょっと珍しいのもあったけど、一番はこれかなー」

盗賊「おお!?へんなマスクー!!」

魔戦士「これは確かファントムマスクとか言ったかねえ?見るからに呪われてそうだし、アタシが使おうかねえ」

魔法使い「それが良いと思うわ。このマスクを着ければ闇属性の攻撃を無効に出来るのね。凄いわね…」

竜王「コノヤリモダゾ」

非常食「にゃ、魔魂の槍も良いものですにゃあ。みぃもそろそろ強い武器が欲しいですにゃあ…」

商人「そのうちきっと見つかるよ!危険なダンジョンにも行けるようになったしね!」

魔法使い「そうね、さて明日はどうしようかしらね…」

盗賊「しょーにん、あれ食べたいぞ!!」

商人「また!?さっき食べたばっかりじゃ…」

竜王「アレヲタベルゾ!!」

商人「ええー!?竜王ちゃんもさっき…」

盗賊「レベルをあげるためにはたくさん食べないといけないんだぞ!!」

竜王「ダゾ!!」

商人「そ、そんなの聞いたことないけど…」

盗賊「おなかへったー!!」ギャーギャー

竜王「ヘッター!!」ギャーギャー

商人「ああもう!!『もう1日休めば3人がレベルアップするから』ってお嬢サマが言ったから今日は休みになったけど、これじゃお財布が干上がっちゃうよ…」

盗賊「ええと、あれとこれとそれと…」

商人「ま、待って盗賊ちゃん!ああ、魔法使いちゃんがいれば…魔法使いちゃんは錬金術師のおばさんと倉庫に籠っちゃうし、お嬢サマ達は図書館行ったし…あたしも食べ物以外のお店を見て回りたいよ…」

師匠「ほほう、お二人も読書…調べものですかな?」

魔戦士「調べものって程の事じゃないけどね。そっちは?」

魔術師「…魔術書を…」

非常食「にゃ、術師の皆さんは勉強熱心ですにゃあ」

師匠「そちらの魔法使い殿もなかなか勤勉な方ですな。あの方は?」

魔戦士「ああ、今日は別行動だよ。さ、非常食、行くよ」

非常食「にゃ、失礼しますにゃ…お嬢様、今日は魔物のお勉強ですかにゃ?」

魔戦士「これからますます強い魔物と戦うことになるだろうからね。アタシらの仲間は、そっちの知識はイマイチだからねえ…ああ、これだね…」パラ…

非常食「にゃ、強そうな魔物がたくさんですにゃあ…」

魔戦士「でもこの辞典は良いよ。魔物の呪文やら体力、弱点まで詳細に書いてある。誰が書いたか知らないが大したものだね。それに引き替え…」

非常食「にゃ…?お嬢様…?」

魔戦士「…何でもないよ。さ、学べるモノは学んでくよ、明日からまた冒険浸けだからね」

非常食「にゃっ、了解ですにゃ!」

魔法使い「悪いわね、面倒を頼んで…」

錬金術師「構いやしないよ、金さえ貰えればね。さて、空気の実が欲しいんだったね?」

魔法使い「ええ、次はニベーヌに行くことになるでしょうから…」

錬金術師「なるほどねえ。だがねえ、空気の実にはベクトレイムが必要なのさ。あんた達、結構冒険してるようだけど1個もベクトレイムが無いようだねえ」

魔法使い「え?そうだったかしら…?」

錬金術師「素材が無いと話にならないよ。まずはベクトレイムを見つけて来てからだねえ」

魔法使い「困ったわね…狙った素材なんてなかなか見つからないし…」

錬金術師「ああ、前に聞いた話だが、ハダーリマスなら良い素材があるらしいよ。確か北東って話だったかねえ?」

魔法使い「ハダーリマスの北東か…1度行ったわね」

錬金術師「あとはダンジョンをうろついてるピクニッカーから奪い取るって手もあるよ。眠らせて麻痺させて石にして動けなくすれば楽勝さ、ははははは!!」

魔法使い「……それはあまり気が進まないけど…そうね、まずはハダーリマスに行ってみようかしら?いずれにしろ、まだ盗賊は相手からアイテムを奪えないし…」

魔戦士「後輩はレベル25か。ハイマスターまであと1だね」

盗賊「ぬすむのたのしみだぞー!!」ガオー

商人「モンスター達が使ってる強力な武器防具があたし達も使えるようになるんだよね。一気にパワーアップ出来たりして!」

非常食「にゃ、ついにみぃにも新しい武器が…」ジーン

魔法使い「はいはい、それはレベルが上がってからね。今日はハダーリマスの北東に行くわよ。指輪を手に入れる為には何としてもベクトレイムを見つけなければいけないわ。そして現状、一番可能性があるのがここらしいの」

商人「でも北東って最深部だよね?モンスター強そうだね…」

魔戦士「だが、だからこそ素材以外にも強力なモノが手に入るかもしれない。それに…」

竜王「キョウリョクナマモノトケイヤクデキルカモシレナイナ」

魔法使い「ええ、ゴーストダイミョウと契約したのもこのハダーリマスだし、何より私ももう1体と契約出来るようになったわ。より強力な七人目を見つける事が出来たら…」

商人「冒険がグッと楽になるかもしれないね。よーし、じゃあちょっと怖いけど行ってみよー!!」

非常食「にゃ、今の所そんなに強い魔物とは会いませんにゃ…」

魔戦士「さっきのケルベロスは危なかったけどね。魔法使いの切り札のおかげで助かったよ」

盗賊「すごいまほーだったな!!」

魔法使い「でも私はエンテルクミスタを1回しか使えないから、もう今日は撃てないわよ。もうちょっとレベルが上がらないと…」

商人「あたしがそのうち使えるようになるから…そういえば魔法使いちゃん、さっき新しいモンスターと契約してたよね?」

竜王「キツネノマモノダッタナ」

魔戦士「アークレナードだね。体力もあるし、何よりサポート呪文が多彩な魔物だな」

魔法使い「ええ、サポート系の魔物も契約してた方が良いと思ってね…さあ、もう少し探索を続けましょうか」

盗賊「おー!!じゃあこっちに…あれ?からだが…」

商人「あ、か、体が軽く…!?わ、こ、これって…」ギャオーン

非常食「にゃ、さっきのは町へ飛ばされるワープだったのですかにゃ?」

魔法使い「そうみたいね…突然で驚いたけど、上手く使えばむしろ便利なものじゃないかしら…」

魔戦士「だな。特にワープのないあたしらにはありがたいな。ま、マウレアにもあった気がしたが…」

魔法使い「地図を見るとハダーリマスとマウレアは似たようなダンジョンだったけど、こんな所まで似てるのね…」

商人「はい、鑑定終わり!1個あった素材は魔蒼石+2だったよ。+2の素材なんて初めてだね!」

魔法使い「でも欲しいのはベクトレイムなのよね…まあ、素材が手に入りやすいのは確かみたいだし、また行ってみるしかないかしら…」

盗賊「ほかはなんかなかったのか?」

商人「あとはね、このファイアーブーツ!これは竜王ちゃん用だね、氷属性に対する防御も上がるけど、何より火の属性攻撃力が上がるから、ブレスも強くなるよ!!」

魔戦士「良いじゃないか、確かあっちのパーティーの竜戦士もフランベルジュを装備してるおかげでブレスの威力が高いって言ってたからね」

竜王「モヤスゾー!!」ガオー

盗賊「りゅーおー、ひかげんはだいじだからな!!」

商人「最後にこれ…コウモリのベルトっていうんだけど…これ、混乱しなくなるベルトなんだって。非常食ちゃんにどうかな?」

非常食「にゃ、良いのですかにゃ?」

魔法使い「そうね、黒帯より防御力は落ちてしまうけど、混乱で仲間に殴りかかる事が無くなるのは大きいわ、非常食に装備してもらいましょう…でもさすがに最深部ね、素材は残念だったけど、良いアイテムが結構出たわ。新しい魔物とも契約出来たし、そこまで苦戦した訳でもない。もう少しあそこを探索するのも悪くないわね…」

魔戦士「ちっ、面倒だからまとめて倒すよ!フランベルジュ!!」ドドド…

ウィッチは死亡した ハイソーサリスは死亡した フェアリーは死亡した

商人「まとめて倒せた!後ろから出てきたのは…アベンジャーとヘルライダーだっけ?」

魔法使い「その後ろにいるグリフォンも含めて、今の私達にはさほど強敵ではないわ、一気に…」

盗賊「あ、うしろはたおさないでほしいんだぞ!!」

魔戦士「了解、もいっちょフランベルジュ!!」ドドド…

竜王「ガアー!!」ゴオオオ…

アベンジャーは死亡した ヘルライダーは死亡した

魔法使い「グリフォンは…ロイド!!」

グリフォンは麻痺した

盗賊「よーし、じゃあそうびかいじょして…それー!!」シュッ

非常食「にゃっ、魔物の装備を盗みましたにゃ!?」

魔戦士「ついにハイマスターになったか後輩…!これからバンバン盗んでいくよ!!」

商人「へえー、これが今盗んだ魔獣の爪+1?見せて見せて!!…こ、これって盗んだっていうより剥ぎ取り…」

盗賊「こまかいことはきにしないんだぞ!!」

魔法使い「気になるわよ…なるけど、気にしても仕方ないのかもしれないわね…」

魔戦士「そういう事だね。非常食、やっとあんたにも新しい武器が見つかったようだね」

非常食「とても嬉しいのですにゃ!でも呪いを解かないといけませんのですにゃ…」

魔法使い「呪いの解除は町に戻ってから錬金術師に頼みましょう。出来ればここでベクトレイムも見つけて一緒に頼めれば良いのだけれど…」

商人「錬金術師のおばさん、1日いくらでお金取るからまとめて頼んだ方が良いんだよね…それより、もっと先に進んで見ようよ!未踏の場所もあるし、もっと素材を見つけたいし!」

盗賊「よーし、じゃあここはいるぞ!!…あれ?くらいぞ…」

非常食「にゃ!?どこからか声が…」

???「見てはならぬ。触れてはならぬ。関わってはならぬ」ギャオーン

商人「…あれ?ここ…外?あたし達ここに入って…あれ?」

魔法使い「どうやら部屋の外に飛ばされたようね。それにあの声…あの部屋には余程の禁忌があるのかしらね…?」

魔戦士「面倒そうだねえ。ま、どうせ入っても追い出されるし、放っとけば良いだろうさ。それより宝探しだ。ここは良いものがあるからね…」

非常食「にゃ、ここの魔物と戦うのも慣れてきましたにゃ…」

――何かに遭遇した!

商人「あ、モンスター!敵は1体だけ?」

魔戦士「トゥマシオ…!ブレスが来る前に体力を減らすよ、そらあっ!!」ザンッ

トゥマシオの行動:ブレス トゥマシオの行動:大気の揺らぎ

非常食は死亡した 竜王は死亡した

魔戦士「くっ…!間に合わなかったか…!」

商人「す、すごい威力のブレス…!雷のブレスって事は雷の魔法は効かないだろうし…ミサーマ!!」ポワワーン

トゥマシオは眠った

魔戦士「よし、今のうちに攻撃だ!!」ザンッ

盗賊「とーぞくはぬすむぞ!!」シュッ

魔法使い「こんな時にも盗むのね…ゴーストダイミョウ!」

ゴーストダイミョウの行動:兜割り

トゥマシオは死亡した

魔戦士「ふう、さすがに最深部だ、そう楽な相手ばかりじゃないか…でも収穫はあったし、危険を冒した甲斐はあったか?」

錬金術師「…よし、これで…出来た!空気の実だよ!」

魔戦士「へえ、これがねえ…で、こいつがあるとどのくらい水中にいられるんだ?」

錬金術師「23分って所かねえ?三層オラートの方はかなり良い鉱石だっただけに、もう少しベクトレイムが良質なら良かったんだけどねえ」

魔法使い「仕方ないわ、1つ見つけられただけでも良かったと思わないと…じゃあ次は、この2つの武器の呪いを解除してもらいたいのだけれど…」

錬金術師「はいはい、任せときなよ――ほれ、出来たよ!」ポイポイッ

非常食「にゃっ、ありがとうございますにゃ!やっとバンテージ以外の武器が…」ジーン…

商人「よかったね非常食ちゃん!盗賊ちゃんが盗めるようになったおかげだね!!」

盗賊「もっといろんなのぬすむぞ!!」キャッキャッ

魔法使い「武器だけじゃなく防具とかよ揃えたいわね。でも、せっかく姉御パーティーの狩人君用に弓も盗んで来たのに、あれはあまり強い弓じゃなかったのね…」

魔戦士「白銀の弓だろう?あれならただのロングボウの方がいくらかマシだろうね。呪われてないのだけは良かったがねえ…」

姉御「え~、そうだったんですかぁ?知りませんでした~。おじさん。ありがとー!!」キャピキャピ

冒険者「おう、また何でも聞けよお嬢ちゃん!」

姉御「はーい!!ありがとうございます~!」キャピキャピ

魔術師「…キャピキャピ…?」

竜戦士「あれで聞き出せるもんなんだな…どう考えてもキャピキャピよりドゴオオオンとかドカバキッとかの方がぐええええ!!」ドゴオオオンドカバキッ!!

姉御「はい、ご要望にお応えしたよ!!全くもー、人が一生懸命働いてるのにさ!!」

狩人「はは、お疲れ様っす…今回はなんの情報収集だったんすか?」

姉御「もちろん、次の行き先よ。明日からニカレス行くから」

師匠「ニカレス火山ですか、なかなかの難所ですな。恐らく、竜の牙を除けば一番危険なダンジョンかと…」

狩人「ハダーリマスより危ないんすか…どうしてまたそこへ?」

姉御「どうしてって、キミ新しい弓欲しいでしょ?破魔の弓っていったかな?それがそこそこ出やすいのがニカレスなんだって。キミ、あっちのパーティーが持ってきたヤツじゃダメだって言ってたでしょ?」

狩人「それは…でも、俺の我が儘で他の人達まで…」

姉御「あー、グチグチうるさい!!私が行くって決めたら行くの!!良い?」

狩人「あ、は、はい…すみません、ありがとうございます…」

姉御「お礼なら手に入ってからね!今までで一番危険なダンジョンなんだから、みんな気を引き締めて行くよ!!前みたいな事がないようにね!!」

商人「ねえねえ、今日はニベーヌに行くんじゃなかったっけ?」

魔法使い「その予定だったけどね…盗賊と魔戦士が、せっかく盗めるようになったんだからまずは色々盗みたいってね」

魔戦士「そのために昨日1日どの魔物が良いものを持ってるか調べた訳だ」

盗賊「そーだったのか?かいてるやつのそうさミスで1日よけいにしゅくはくしただけ…」

非常食「にゃにゃっ、そんな事はないですにゃ!!」

魔戦士「ただ泊まっただけなら別にスルーしても良いんだが、魔法使いのレベルが上がっちまったからごまかしも効かないしねえ」

商人「も、もうその話は良いでしょ!?それより、また3階まで上がらないといけないんだよね…」

竜王「ニカイノワープチタイヲヌケルノガメンドウダナ」

魔法使い「ふふふ、それは問題ないの。私、ついに魔術師の呪文を全部覚えたのよ」

商人「あ、じゃあ瞬間移動魔法も?」

魔法使い「もちろんよ――我らに翼を、世界に路を!!遠き彼の地へ翔ぶ方舟を!!ティオメンテ!!」シュティーン…

非常食「にゃ!?にゃにゃっ!?ここは…!?」

魔戦士「3階のようだね。確かにこれは便利な呪文だねえ」

魔法使い「ええ、でも私の、転職した者の魔力ではそんなに回数が使えないわ。せいぜい行きと帰りに使える位だと思ってて欲しいわ」

商人「十分だよ!それに、もうちょっとしたらあたしもティオメンテ覚えるもんね!」

盗賊「おー!!あとレベルひとつくらいでおぼえるのか?」

商人「え?えーと…みっつか4つ位かなあ…エヘヘ…」

竜王「チョットデハナサソウダナ」

魔法使い「見栄をはるから…それより魔戦士、ここでは何を手に入れたいのかしら?」

魔戦士「そうだな、やっぱりクルセイダーの着てるクルセイドアーマーかな。あれがあればアタシや竜王も霊体を攻撃できるようになる」

商人「へー、そんな便利な鎧があるんだ!」

盗賊「なあなあせんぱい、たしかほかにもほしいのが…」

魔戦士「まだ黙っときな後輩。このお人好し連中は、ピクニッカーから素材を盗むのをためらうかもしれないからね…」ヒソヒソ…

魔法使い「…何を企んでいるのかしら?」

非常食「にゃ、お目当てのクルセイダーはなかなか出ませんにゃ…」

――何かに遭遇した!

魔戦士「後列にピクニッカー…来たね!魔法使い、小娘!前列はアタシらがやるから後列はあんたらが足止めしな!らあっ!!」ザンッ

非常食「にゃー!!新しい武器の威力を見せますにゃー!!」ドカバキッ

ケンタウルスは死亡した ケンタウルスは死亡した

商人「あたしコムスメじゃないけど非常食ちゃんすごい…えっと、大地より生まれ、大地に抗うもの達よ、大地の力で大地に還れ!!ラストーマ!!」メカカカ…

シールドセンティピードは石化した ピクニッカーは石化した シールドセンティピードは石化した

盗賊「よーし、そざいぬすむぞ!!」シュピッ

商人「え!?そ、それってその人が集めてたヤツじゃ…」

魔戦士「何言ってるんだ?こいつはアタシらに襲いかかってきたんだ、魔物と一緒だよ。魔物が盗んで良くてこいつから盗んじゃダメってのは筋が通らないってもんだろう?」

魔法使い「それは…そうかもしれないけど…」

盗賊「どんどんぬすむぞー!!」シュピシュピシュピシュピッ

竜王「ヌスミオワッタラシマツスルゾ」ドスッ

――ピクニッカーは死亡した

魔法使い「これが…これがこの世界を救おうとする人間のやることなのかしら…?」

商人「うう…あのあともう1回ピクニッカーさんから素材を盗みました…良いのかなこれで…」

魔戦士「良いに決まってんだろう、アタシらはこれをこの大地を救うために使ってやるんだからね。決して私利私欲の為じゃない、だろう?」

盗賊「ぜんのパーティーだからな!!」

魔法使い「善悪って何なのかしらね…?最近分からなくなってきたわ」

商人「あたしも…」

非常食「にゃ、素材はともかく武器を盗むのは良いことですにゃ。みぃもやっと胸を張って皆さんの役に立ってると言えますにゃあ」ニャフーン

盗賊「すごかったな、ひじょーしょく!!」

魔法使い「大体の敵は一人で倒せるようになったものね。私も盗みの有効性を疑ってる訳じゃないけれど…」

魔戦士「だろう?ま、そのうち慣れるさ。それより、今日はもう持ち物が一杯だね。この辺で引き上げようじゃないか」

盗賊「おなかもへったしな!!」

魔法使い「そうね、何だか疲れたわ…でもパーティーが目に見えて強くるのは分かるし、喜ぶべきよね…」

魔戦士「さて、泥棒生活二日目はマウレアだ」

商人「その言い方止めてよ…」

魔法使い「ここの目的は何かしら?」

魔戦士「色々だな、薔薇のカチューシャやハニーメイルそれに…」

非常食「にゃ、それならついでにロルファンを取りに行きますかにゃ?」

盗賊「まえぜんめつしたやつだな!!」

商人「ロルファンかあ…全滅したのもイヤだけど、あれノヴァ・カリスでの頼まれごとなんだよね…」

魔法使い「そうね…まあ、気は進まないけど、ついでだし…」

魔戦士「よし、じゃあロルファンを取りに行くか。ま、今回は負けないだろうさ」

竜王「レベルアップシタカラナ」

魔法使い「だと良いけど…油断は禁物だからね」

非常食「ふにゃにゃー!!」ドカバキッ

ドゥームマンティスは死亡した

商人「やった!あのでっかいカマキリを倒したよ!」

ロイヤルハニー「調子に乗るんじゃないよ!このアタシが直々にヤキ入れてやる!」

――何かに遭遇した!

魔法使い「さて、ここからが正念場ね」

魔戦士「前衛はアタシらが受け持とう、らあっ!!」ザンッ

非常食「ふにゃにゃー!!」ドカバキッ

ケンタウルスは死亡した ケンタウルスは死亡した

商人「やっぱり非常食ちゃんすごい…よーし、ラストーマ!!」メカカカ…

アルラウネは石化した

ハニーメイルの行動:召喚

盗賊「おお!?またドラゴンよんだぞ!!」

非常食「にゃー!!ふにゃー!!」ドカバキッ

カッパードラゴンは死亡した

魔法使い「本当に凄いわね非常食、ドラゴンをあっという間に…ラミサーマ!!」ポワワーン

フラステリアは眠った

ロイヤルハニーの行動:召喚

竜王「マタドラゴンダナ」

魔戦士「ちっ、ロイヤルハニーを止めないときりがないよ!!」

魔法使い「魔力が尽きてきたわ。でも…ラロイド!!」ジジジ…

ロイヤルハニーは麻痺した フラステリアは麻痺した

非常食「にゃ、やっと止まりましたにゃ!!」

盗賊「よーし、あとはまかせろー!!」シュピシュピシュピシュピシュピッ

商人「おー、アイテム片っ端からだね!!」

魔戦士「よし、盗み終わったら片付けるよ竜王!!」ザンッ

竜王「ガッテン!!」ゴオオオ…

アルラウネは死亡した ロイヤルハニーは死亡した フラステリアは死亡した

魔法使い「ふう、勝てたわね…どんなアイテムが手に入ったのかしら?」

商人「ハニーメイルに薔薇のカチューシャにクィーンビートに…凄いね、ほとんど使えそうな位強い!!帰って解呪するのが楽しみだね!!」

錬金術師「よーし、じゃあ解呪するよ、ほほいのほい!!」シャキーン

非常食「にゃ、みぃはまた武器が新しくなりましたにゃ!!」ニャフーン

商人「あの後鋭い牙+3も盗めたんだよね!非常食ちゃん、どんどん強くなるね!」

錬金術師「あとあんたはこれもだろ?ほら、薔薇のカチューシャだ、呪いもだけど、女しか装備できない制限も解除しといたからね」

非常食「にゃ、ありがとうございますにゃ!」

魔法使い「今回は私も武器を新調出来たわ。このクィーンビート、かなり良いわね。非力な私でもそこそこダメージを与えられそうだわ。呪われてもいないし…」

盗賊「とーぞくもぶきをあたらしくしたいぞ!!」

錬金術師「よーし、じゃあこの毒蛾の燐粉なんかどうだ?攻撃力もだが、氷耐性も100パーセント、氷属性のダメージは全く効かなくなるよ」

盗賊「おー、なんだかすごそーだぞ!!」

錬金術師「最後にこれだ、ハニーメイル!!さ、装備してみな」

盗賊「おー!!…おお!?う、うごけないぞ…」プルプル

商人「と、盗賊ちゃん!?な、なんで…」

錬金術師「あ、いけないよ!呪い解除と間違えて防御力アップにしちまった、いやー失敗失敗!!」ガハハハハ

商人「そんな、せっかく手に入れたのに、書いてる人のミスでムダに…」

――ノヴァ・カリス、青水晶の広場

老婆「おお、見事なロルファンだね。これならパルテネスに捧げるのに相応しい」

魔戦士「そーかい、なら良かった。じゃあね」

老婆「お待ち。実はもうひとつ頼み事があってね」

非常食「にゃ、なんですかにゃ?」

老婆「このロルファンをパルテネスの神殿に捧げて来て欲しいんじゃ。まさかこの老いぼれにパルテネスまで行けとは言わんだろうね?」

商人「…えっと、ちなみに報酬は…」

老婆「報酬?そんなもの………カッカッカッ、ないわ!」

魔戦士「さて、この話はここまでだね、行くよ」スタスタ

老婆「待て待て、これも人助けじゃ、なあ?」

魔法使い「………気が向いたら」

盗賊「まほーつかい、イヤそうだな…」

魔法使い「…本音を言えば、この国自体がちょっとね…」

商人「あー…うん、分かる…」

魔戦士「へえ、お人好し共にしては珍しいね。ま、同意見だから良いがね。これでもアタシらは忙しいからね。さて、明日は泥棒生活か指輪探しか…」

姉御「あ、いたいた!キミ達、ちょっと良いかな?」

盗賊「おー、なんですかだぞあねご!!」ビシッ

魔法使い「相変わらず姉御には最敬礼なのね…」

姉御「キミさあ、最近盗みまくりなんだって?実は私もついにハイマスターになってさ」

商人「へえ、おめでとうございます!」

姉御「ありがと。でね、魔物から装備を盗むのは良いんだけど、盗品の置場所に困らない?店では売れないしさ」

魔法使い「盗品って…でも、確かにいずれ倉庫を圧迫しそうではあるわね」

姉御「でさ、ヘーメににゃんにゃんどぐぁってあるじゃない?あそこを盗品置き場にしようかって考えてるんだけど、それにはまず知恵のアンクがいるんだよね、だから…」

魔戦士「はーん、あんたの言いたい事は分かったよ。あの間の抜けたワービーストの頼みを聞く代わりに盗品倉庫を確保するってハラだね。それならこっちも好都合だ、話に乗せてもらおうじゃないか」

姉御「良いね、話が早くて!アンクはプリースト系の人達が持ってるから、見つけたらすぐ倒さないでちょちょっとぬすんじゃってよ!じゃ、頼んだよー!」タタタ…

盗賊「おー、まかせてくださいだぞ!!」ビシッ

商人「うーん、悪い話じゃないんだろうけど、あの子のお店の使い方を勝手に決めて良いのかな…?」

魔戦士「ま、アンク集めは冒険のついででも大丈夫だろうさ。それよりアタシらはこっちだよ」

盗賊「ゆびわだな!!」ガオー

魔法使い「ええ、この湖のどこかに指輪があるんだけれど…」

商人「おっきな湖だねー…あ、船があるよ。あれに乗ってみようか?」

非常食「にゃ、ここは風が強くて揺れますにゃあ…では出発ですにゃ」

魔戦士「コンパスの光は…かなり北だな。しかも下を向いてるようにも見えるが…」

竜王「ハシゴガアルゾ」

魔法使い「ここから一旦陸に上がって、陸にあるはしごを下りるようなのね…下りると水中ね、とりあえず下りてみましょうか」

商人「そだね、空気の実があるから水中でも大丈夫なはずだし!」

盗賊「おー、ホントにみずのなかでもへーきだぞ!!」ゴボゴボ

非常食「にゃ、この空気の実から空気がで続けているのですにゃ」ゴボゴボ

魔法使い「水中でも大丈夫だと聞いてはいたけど、実際に潜ってみると不思議なものね…とはいえ、制限時間があるのだからもたもたしてはいられないわ」

商人「うん、どんどん行ってみよー!!あっちの世界でも水中は無かったよね?どんなモノが待ってるかなー?」ワクワク

――何かに遭遇した!

盗賊「おー、アルティメット!!」

商人「ええー!?ワクワクが台無し…てゆーかなんで水中でも平気なの?」

魔戦士「そんな事言っても仕方ないだろう、そらっ、フランベルジュだ!!」ドドド…

アルティメットランナーの行動:増援

非常食「にゃ、増えましたにゃ!!」

商人「あーもう!!北風よ集え!!夜の涙を凍える刃と変えて――熱ある者共を切り刻め!!マグラス!!」カキキーン

アルティメットランナーは死亡した アルティメットランナーは死亡した アルティメットランナーは――

魔法使い「ふう、終わったけど…せっかくの水中なのにロマンも神秘性もあったもんじゃないわね…」

竜王「ガアー!!」ゴオオオ…

マーメイドは死亡した マーメイドは死亡した

盗賊「おー、やきにんぎょ!!」キャッキャッ

商人「食べちゃダメだよ盗賊ちゃん…でもせっかく人魚なんてロマンちっくなヒト達と会えたのに、襲いかかってくるんだもんね…」

魔戦士「魔物だから仕方ないだろう。しかし、どうやらコンパスが指し示す方向へは真っ直ぐにはいけないようだ」

魔法使い「そうね、どこかから回り込んで…あら?行き止まりだわ、戻らない…と…いけないわね」

盗賊「あれ?ドアがなくなってるぞ!!」

竜王「イッポウツウコウノトビラダナ」

商人「ええー!?どどどどうしよう魔法使いちゃん!?」

魔法使い「落ち着いて、いざとなったら移動呪文があるわ。それにまだ空気の実は大丈夫よ。さあ、すすんでみましょう…盗賊?」

盗賊「ここになにかかくれてるぞ!!」ドンガチャ

魔戦士「壁が扉に…シークレットドアか、でかしたね後輩」

非常食「にゃ、扉の向こうは…上に上るはしごがありますにゃ。とりあえず助かりましたにゃあ…」

商人「あ、あれ?このダンジョンの入り口に戻って来ちゃったよ!?」ガサガサ

魔戦士「さっきのはしごは脱出用か何かだったんだろうな。さて、ここからまた探索を再開するかい?」

魔法使い「そうね、魔力も持ち物も余裕はあるけど…また一から、となるとちょっとね…」

商人「じゃあこの辺少し探索したら帰ろっか?」ガサガサ…

――何かに遭遇した!

非常食「にゃ、プリーステスとユニコーンですにゃ!」

魔戦士「よし、ユニコーンはあたしがやるよ、後輩、プリーステスからアンクを!!」

盗賊「おー!!」シュピッ

商人「ご、ごめんなさい…ミサーマ!!」ポワワーン…

プリーステスは眠った

盗賊「よーし、ちえのアンクとったぞ!!」

魔法使い「じゃあ私は――神の僕たる清らかな魂、我が魔力と交わらん!!」パアアア…

――契約に成功した

非常食「にゃ、にゃあ…アイテムを奪った上にその身まで…」

商人「わ、悪い事してるわけじゃ…ない……よね?」

魔法使い「さて、今日もニベーヌよ。可能なら今日中に指輪まで辿り着きたい所だけれど…」

商人「昨日結構歩いたからその可能性は十分あるよね!」

非常食「にゃ、きっと見つけられますにゃ!」ニャフーン

盗賊「おー、ひじょーしょく、やるきだな!!」

非常食「にゃ、昨日の冒険でやっとみぃも服を着ることが出来ましたにゃ。頑張るのですにゃ!」

魔戦士「ケダモノに服なんか要らないと思うけどねえ」

魔法使い「そう言わないのよ。あと昨日の冒険では貴方も靴を新しくしたわよね」

魔戦士「ドワーフシューズだね。ま、ちょっと前に竜王と同じファイアーブーツが手に入ったから別にどっちでも良かったんだけどね」

商人「ファイアーブーツだと属性関係がフランベルジュと少し被るからドワーフシューズにしたんだっけ?」

魔戦士「ああ、ま、ドワーフシューズの錬金術呪文に対する耐性がとれほど役に立つかは分からないがね」

竜王「ナイヨリマシダナ」

魔法使い「前回の冒険の感じだと、地下1階のわりには結構良いアイテムが出るわよね。指輪もだけど、装備品も良いのが出ると良いわよね。さあ、そろそろ行きましょう――」

竜王「ガアアー!!」ゴオオオ…

アルティメットランナーは死亡した アルティメットランナーは死亡した アルティメットランナーは――

魔法使い「ふう、アルティメット多いわね…盗賊、宝箱があるわよ」

盗賊「おー、まかせろー!!…あっ!!」カチッ

*おおっと テレポート*

非常食「にゃ、にゃーー!?…にゃ…?ここは…いしのなか、ではないですにゃ?」

商人「うん、大丈夫みたい…盗賊ちゃん、お願いだから気を付けて…」

魔戦士「まあ、罠解除は後輩に頼るしかないからね。それより、ちょっと地図を見てみなよ。災い転じて、ってやつかね。コンパスの示す場所にかなり近付いたよ」

盗賊「とーぞくのおかげだぞ!!おれーはごちそうでいいぞ!!」キャッキャッ

商人「罠解除失敗でごちそう食べさせたらお財布が持たないよ…でも、もう少しであたし達3つめの指輪だね!」

非常食「にゃ、これで過半数がみぃ達の見つけた指輪になりますにゃあ……にゃ?にゃにゃ!?これは…!?」

盗賊「あれ?ひかりがきえたのにゆびわがないぞ!!もっとしたか?」

魔戦士「いや、違うね…上だ、上に向いてるんだ」

商人「ええー!?上にいたときは下を向いてるように見えたのに…無駄足だったの?」

魔法使い「いえ、上を歩いても――と言っても船で進んだのだけれど――たどり着けなかったわ。おそらく、この階から上に上るはしごがあるはず…それにしても一筋縄ではいかないわね。指輪ともなれば仕方ないのかもしれないけど…」

魔戦士「ふう、このフロアも大体歩いたね。ちっ、はしごなんてすぐに見つかると思ったんだがね…」

商人「あと調べてないのって、この扉の向こうだけだよね…」

*キーロック・アベニュー*

盗賊「これどーゆーいみだ?」

魔戦士「さあね、行ってみれば分かるだろうさ…っと、これは…」

竜王「カギツキノトビラダナ」

盗賊「とーぞくのでばんだな!!まかせろー!!」カチッ ギィ…

商人「開いた!さすが盗賊ちゃん…あれ?また鍵の扉だ」

盗賊「あけるぞー!!…あれ?あかないぞ…」ガチャガチャ

魔法使い「大丈夫、落ち着いてもう1回…」

盗賊「えーと、こうして…あいたぞ!!」カチッ

非常食「にゃ!?また鍵の扉ですにゃ!」

盗賊「あけるぞー!!」カチッ

魔戦士「よし、良いね後輩!?はあ!?また鍵の扉!?ふざけてんのか!?」

魔法使い「これは…こうやって空気の実の制限時間を削る罠の1つ?でもここはもともとダンジョンじゃなくて神殿だったはず。不思議なものね…」

商人「や、やっと鍵の扉ゾーンが終わったみたい…」

魔法使い「長かったわね。でも、これでこのフロアもほとんど制覇したわ。でも…」

非常食「にゃ、上に行くはしごが見当たりませんにゃ…にゃ!?はしごですにゃ!でもこれは…」

魔戦士「下に行くはしごじゃないか。ちっ、今は下には用がないんだよ!」

盗賊「もうもちものもいっぱいだぞ…」

竜王「マチニモドルカ?」

魔法使い「いえ、あと1部屋行ってない所があるわ。そこにいってからにしましょう」

盗賊「ここだな、あけるぞー!!…あ、はしごだぞ!!」

商人「ホントだ、やった!!上ろう上ろう…ふー、やっぱり外は良いね!」

魔戦士「空気はともかく、動きづらいは濡れるは、良いことないからねえ。だがこれで指輪のある場所にも目処がついたと言えるだろうね。どうする?このまま指輪を取りに行くか?」

魔法使い「それは…持ち物もだけど、魔力がちょっと不安ね…」

商人「うん、その辺のモンスターと戦うならともかく、指輪を取りに来る敵相手だと…」

盗賊「おなかへったぞー!!」

魔戦士「そうかい、なら無理する事もないかねえ。ま、ここまで来たら慌てる事もないだろうさ」

魔法使い「そうね…じゃあ町に戻りましょう。明日は決戦になるわね…」

商人「よーし、鑑定終わりー!!今日は結構凄いよ!!」

非常食「にゃ、良いものがあったのですにゃ?」

商人「うん、まずこれ、ウィングハット!!これはね、道具として使うと…えっと、ユニ、ユニコハット…?だっけ?」

魔法使い「ユニハコット、ね」

商人「そうそうそれ、ユニハコットの効果があるの!これはとりあえず魔法使いちゃんにね、あとはこれ、サンダーガード!!」

魔戦士「へえ、たしかそれは雷属性の攻撃を無効化出来るローブだね?」

商人「そう!でもこれどうしよう?あたしと魔法使いちゃんは紋章のローブ着てるし…」

盗賊「じゃあとーぞくがもらうぞ!!」

魔法使い「良いんじゃないかしら、盗賊は盗みのために装備を減らさないといけないし、守備力と属性耐性を持つこのローブはうってつけよ」

商人「そだね、じゃあこれは盗賊ちゃんに!!これでまたあたし達もぱわーあっぷできたし、明日もバッチリだね!!」

姉御「ちわー!!あれ?ずいぶん良いの見つけてるじゃない!」

盗賊「あ、あねご!!」ビシッ

商人「そうなんですよ!!あ、狩人さんも新しい弓ですね!」

狩人「そうなんすよ、ついに…ついに破魔の弓が…!」ジーン

魔法使い「そう、良かったわね…あら、貴方のその帽子は…」

魔術師「…貴方達が…見つけた帽子…」

商人「あ、あたしとお揃い!!でもやっとあたし達もそちらのパーティーが使うようなの見つけられるようになったね!」

師匠「ええ、いくつか使わせていただいてますぞ」

竜王「でも俺らは炎のロッドが余るくらいあるけどな!!」

非常食「にゃ、すごいですにゃあ…」

姉御「そうそう、あとカーバンクルジュエルをたくさん盗ってきたから、良かったら使うといいよ!!」

商人「カーバンクルジュエル…確かどこかで聞いたような…」

魔法使い「ちょっと思い出せないわね…」

魔戦士「やれやれ、よっぽどノヴァ・カリスに行きたくないと見える」

竜王「シカタナイケドナ」

姉御「え?ノヴァ・カリスとカーバンクルジュエルに何か関係があるの?」

非常食「にゃ、実はノヴァ・カリスの王様に、カーバンクルジュエルを持ってきて欲しいと頼まれたんですにゃ」

魔戦士「ただまあ、うちのパーティーの連中はどうもあの町が嫌いなようでね」

魔術師「………」

魔法使い「別にエルフが嫌いとか、そういう訳じゃないのよ」

商人「そうそう、ちょっと王様と町の人とお店の人が苦手なだけで!」

竜戦士「ほぼ全てじゃねーか!!」

姉御「でもそんなに苦手なら私達が届けてきてあげよっか?」

商人「え?でも悪いんじゃ…」

姉御「良いよ!!王様とコネが出来るなら悪くないし、ただでやってあげる!」

魔法使い「そう…悪いわね。じゃあ頼もうから?」

姉御「任せなさーい!!その代わり、アンクよろしくね?」

盗賊「おまかせくださいですだぞ!!」

商人「分かりましたー!!えへへ、厄介な仕事が1つ片付いたね!」

魔法使い「さて、今日はいよいよ指輪を取りに行くわよ」

魔戦士「敵も強いのが来るだろうが、アタシらも強くなったし大丈夫だろう。アタシはハイマスターになったしね」

商人「戦士のハイマスターって攻撃力がどんどん上がるんだっけ?」

魔戦士「ああ。盗賊みたいにハイマスターになったからといって劇的に変わる訳じゃないがね」

非常食「にゃ、戦士の攻撃力の上がり方は並みじゃにゃいですからにゃ、とんでもない攻撃力になりますにゃ」

盗賊「すごいなせんぱい!!」

魔法使い「そういう盗賊も攻撃力が上がるのよね…さて、準備は良いわね?そろそろ行くわよ」

商人「歩いて行くの?それとも魔法で?」

魔戦士「歩いて行ったらまた水に潜らなきゃいけないんだろう?アタシはゴメンだね」

魔法使い「それに、昨日もたどり着くまでにかなり消耗してしまったし、今日は呪文で行きましょう――ティオメンテ!!」キィーン!

非常食「にゃ、このまま道が繋がっていれば指輪まで行けそうですにゃあ…」ガサガサ…

商人「そだね…あ、コンパスの光が…!」

魔戦士「消えたね、どうやらこの辺にあるようだね」

盗賊「じゃあさがすぞ…あ、あったぞー!!」キラーン

魔法使い「やったわね、じゃあ…いえ、そう簡単にはいかないか…」

竜王「ナニカチカヅイテキテルナ」

???「そこのお嬢さん達、こんにちは。綺麗な指輪を持っているね。ちょっと私に見せておくれよ」

商人「や、やだよ!これは私達が見つけたの!」

???「おや、残念。それなら、こうするしかないね」ザッ

非常食「にゃにゃ!?やる気ですかにゃ!?」

魔戦士「そりゃそうだろう。さあ、やるよ!!ぬかるんじゃないよ!!」

――何かに遭遇した!

盗賊「まえにいるおちむしゃはりゅーおーがたおすんだぞ!!」ガオー

竜王「ガッテン!!」ゴオオオ…

落武者は死亡した 落武者は死亡した

魔戦士「後ろのヴァンパイアはアタシらでやるよ!!フランベルジュだ!!」ドドド…

商人「あたしも…マバラド!!」ドドド…

ヴァンパイアは死亡した ヴァンパイアは死亡した

非常食「にゃ、あっという間に2列とも倒しましたにゃ!!」

魔法使い「まだいるわよ!!敵は…見たことのない魔物ね…」

魔戦士「両脇がデスナイトか?中央には…こいつはフェイクエンジェルか!?」

商人「な、何だか強そう…後ろにはさっきのヒトもいるし…」

魔法使い「大丈夫!!まずは真ん中を倒しましょう!!」

ゴーストダイミョウの行動:兜割り

非常食「ふー、にゃー、にゃああー!!」ドカバキッ

フェイクエンジェルは死亡した

商人「やった!!この調子で…」

デスナイトの行動:イビルカリバー デスナイトの行動:イビルカリバー

非常食「にゃにゃー!?痛いですにゃ!!反撃ですにゃー!!」ドカバキッ

デスナイトは死亡した

竜王「ガー!!」ドスッ

デスナイトは死亡した

盗賊「よーし、あとひとりだぞ!!」ヒュンヒュン

魔戦士「とどめだ、らあっ!!」ザンッ

――ヘリオライザは死亡した

ヘリオライザ「おのれ、ぬかったわ!」

商人「へっへー!これがあたし達の強さだよ!!」ドヤッ

ヘリオライザ「だが、いまさら指輪なんぞ手に入らなかった所で大勢に影響はない」

魔法使い「どういう事…?いえ、本当ならこんなに必死に指輪を奪いに来ないはず。でも…」

ヘリオライザ「クックックックックッ…さらばだ、新創地の愚か者共よ!」キィーン…

非常食「にゃ、きえましたにゃ…」

盗賊「にげたのか?とーぞくたちのかちだな!!」ガオー

魔戦士「ああ、指輪も手に入ったよ。何か妙なことを言っていたが、魔法使いの言う通り負け惜しみさ」

魔法使い「ええ、なら良いのだけれど…とにかく、指輪が手に入ったのだから、今回は大成功よ。皆、胸を張りましょう」

商人「おー!!勝ったぞー!!」

――空間の指輪を手に入れた!

非常食「にゃ、指輪を手に入れた勢いで地下2階まで来ましたにゃあ」

魔法使い「地下1階でも結構良いものが出たもの、2階までくればきっともっと…」

魔戦士「だと良いがねえ。ま、アタシとしてはピクニッカーから素材が奪えただけで上出来た、なあ後輩?」

盗賊「おー!!たくさんとれたぞ!!」

商人「うーん、またあのおじさんには悪いけど…」

竜王「オソッテキタカラシカタナイナ」

魔戦士「そういう事さ。正当防衛の一種だね」

魔法使い「アイテムを盗むのが正当防衛なの…?ともかく、盗んだのもあってアイテムをもう持てないわね、帰りましょう」

盗賊「おー!!おなかへったぞー!!」

商人「そだね、それに強敵とも戦ったし疲れちゃった…後は鑑定で良いのが出れば良いな…」

魔戦士「さーて、指輪も手に入ったし、いよいよアタシらの冒険も佳境って所かねえ」

魔法使い「そうね、でもまだ…あら、商人、鑑定終わったの?」

商人「うん、今回はイマイチかなー」

盗賊「いいものなかったのか?」

商人「全然って訳じゃないんだけど…モーニングスターとか悪のサーベルとか…でも今のあたし達には要らないかなあ…」

非常食「にゃ、でも今日は指輪が見つかりましたからにゃ。指輪だけでも素晴らしい収穫ですにゃ」

商人「だよね!!じゃあ改めて、指輪ゲットを祝って――かんぱー…」

姉御「あれ?ずいぶん盛り上がってるね?」

盗賊「あ、あねご!!」ビシッ

商人「えっとですね、あたし達ついに…」

姉御「指輪を見つけたの?奇遇だね、私達もだよ、ほら!」キラーン

非常食「にゃにゃ!?どこで見つけたのですかにゃ!?」

魔術師「…ノヴァ・カリス…」

商人「あ、あー、あそこかあ…」

竜戦士「ああ、傑作だったぜ、あの国の王様が女にげふあっ!?」ズザザー

盗賊「おー!!みごとなまわしげりとがんめんスライディング!!」

狩人「竜戦士さん…こっちの王様にあんま喋んないように言われたじゃないっすか…」

師匠「そうそう、選王から言伝てがありますぞ。竜の牙に居座る闇の巫女達を倒すよう、改めて我々と貴方方への王からの司令、いや懇願と言った方が良いかもしれませんな」

魔戦士「なるほど、これで散らばってた指輪が全部集まって本当に冒険も佳境になったわけだ」

竜王「ノコルハヤミノミコダケダナ」

姉御「そういう事よ!指輪探しでは1歩遅れをとったけど、肝心なのは闇の巫女退治だからね!!負けないよ!!」

商人「あ、あたし達だって負けないよ!!」

魔法使い「そうね、平和になるのが第一だけど、ここまで来て巫女退治をされてしまっては少々格好悪いわよね」

盗賊「ほーびももらえないしな!!」

魔戦士「ああ、大事な事さ。何がなんでも負けないよ!!」

魔法使い「さて、いよいよ最後のダンジョンね…」

非常食「にゃ、いきなりラストですかにゃ!?」

魔戦士「魔法使いは慎重だ、まずは様子見って所だろう?どうせ1日2日で制覇出来るダンジョンじゃないばずだ」

盗賊「ちゃんと食べものがあるかしらべないとな!!」

魔法使い「食べものはともかく、どの程度の魔物が出るのかは知りたいわね。無理なら他のダンジョンを先に行けば良いし…」

商人「だいじょーぶ!!あたしも蘇生魔法覚えたもん!!1回しか使えないけど!!」

竜王「フタリガツカエルトアンシンダナ」

盗賊「しにまくってもだいじょーぶだな!!」

非常食「いくら生き返れても死にまくりは嫌ですにゃあ…」

盗賊「よーし、そうびかいじょしたぞ!!あとはぬすむだけ…」

ゴーストダイミョウの行動:兜割り

クルセイダーは死亡した

魔法使い「いけない、召喚した魔物がそのままだったわ!」

盗賊「あー、ぬすめなかったぞ…」

魔戦士「なんだ、らしくないな」

魔法使い「盗みを考えると、攻撃力の高い魔物は避けた方が良いかもね…神の声を聞き聖なる力を振るう、清らかな姿をここに――出よ、プリーステス!!」ドウン

竜王「コレデヌスミノジャマハサレナイナ」

商人「召喚魔法っていえばさ、さっきのヒドラは契約したかったねー。先制攻撃出来てチャンスだったのに…」

魔戦士「あれはこのバカ猫が全部悪いよ、張り切って死ぬまで殴りやがって!!」ゲシゲシ

非常食「にゃあー!?蹴らないで欲しいのですにゃ!!」ま
魔法使い「もう、終わった事は良いでしょう?でもヒドラも一人で倒してしまうなんて、非常食は本当に強くなったわね…」

――何かに遭遇した!

盗賊「またモンスターだぞ!!あのぶとーかみたいなねーさんのぶきほしいな…」

魔戦士「気持ちは分かるが後輩、後ろの連中が厄介で盗んでる暇は無さそうだ」

魔法使い「両脇にいるのはあのサキュバスね、真ん中は…」

非常食「ま、まさかアシュテリアですかにゃ!?」

魔戦士「のようだね、アシュテリアは結界を使うらしい、呪文は使うなよ!それにあっちの呪文にも…」

アシュテリアの行動:エンテルクミスタ

非常食「ふ、ふにゃー!?す、すごい呪文ですにゃ!?」

商人「ば、爆発した…!みんな、大丈夫…」

魔法使いは死亡した プリーステスは死亡した

魔戦士「くっ、だが魔物以外は一人で済んだとも考えられるね、さあ、反撃だ!!」ザンッ

非常食「にゃにゃー!!」ドカバキッ

ダークロードは死亡した レディスマッシュは死亡した

商人「あたしは念のため…我らは抗うもの!!奪われる事を拒絶するものなり!!サイドレイ!!」ギュウウーン

魔戦士「ドレイン対策か、良いね――さあ、一気に片付けるよ!!」

魔法使い「…ふう、さっきはごめんなさい。一人で倒れてしまって…みんな、気を付けて!」

――何かに遭遇した!

非常食「にゃ!?またモンスターですにゃ!!あれはグレーターデーモンですにゃ!!」

魔戦士「増援さらると厄介だね、一気にやるよ!!」ザンッ

竜王「ウガー!!」ゴオオオ…

グレーターデーモンは死亡した

グレーターデーモンの行動:増援

盗賊「おお!?ふえたぞ!!」

魔法使い「これは面倒ね、一気に倒さないと…ラバラド!!」ゴオオオ!!

グレーターデーモンは死亡した グレーターデーモンは死亡した

グレーターデーモンの行動:増援

グレーターデーモンの行動:ラバラド グレーターデーモンの行動:ラバラド

魔法使い「くっ、呪文が強力だわ、長引かせる訳にはいかないわね、早く――」

グレーターデーモンの行動:増援

商人「ああもう!!全然減らないよー!!」

魔法使い「ふう、何とか倒せたけど、かなり魔力を使ってしまったわね…」

商人「あたしも…ねえ、もうちょっとしたら戻らない?」

盗賊「 おなかもへったしな!!」

――何かに遭遇した!

商人「わ、ホントにモンスターだらけだね…あ、サキュバスとえっと、アシュテリアだっけ?さっき勝てた相手だし…」

サキュバスの行動:ラピント

非常食は魅了された

魔法使い「非常食!?いけない…」

非常食「ふ、にゃー!!」ドカバキッ

竜王は死亡した

非常食「もいっちょですにゃー!!」

商人は死亡した

盗賊「しょーにん!!りゅーおー!!」

魔戦士「あー!!本当バカ猫だよ!!蘇生呪文の使い手ばっかりピンポイントで狙いやがって!!」

魔法使い「ダメね、撤収よ――マハマハ!!」キィーン…

盗賊「あーりがとー、みんなすきだよー♪」グツグツ

魔戦士「鈍いねーこ、くっちゃくちゃ喋る猫♪」グツグツ

竜王「マートーメテー、ネコニクポトフー!!」グツグツ

「「「にえてーるーなべのなかー♪」」」グツグツ

非常食「にゃー!!熱いのですにゃ!!ポトフーになのは嫌ですにゃー!!」ジタバタ

魔法使い「ほら、その辺にしなさいよ…」

魔戦士「いや、パーティーを壊滅寸前まで追いやった罰として皆の栄養になって貰わないとね」

非常食「にゃー!!栄養じゃない形でパーティーの為に働きたいですにゃ!!」

商人「ねえ、非常食ちゃん…非常食ちゃんに提案があるんだけど…」

非常食「にゃ!?なんですかにゃ?」

商人「今回の冒険でね、このとりかへばや物語っていう本が見つかったんだけど…これで非常食ちゃんを女の子にしちゃえば、みんなにいじめられなくなるかも…」

非常食「にゃにゃにゃ!?予想だにしない申し出ですにゃ!?」

盗賊「おー、メスになればおにくやわらかだな!!」キャッキャッ

非常食「にゃー!?結局食べられるのですかにゃ!?」

魔法使い「もう、騒がしいわね…でも今度のダンジョンはある程度は通用したけど、冒険し続けるかは難しいラインね。どうしようかしら…」

――シェーベ遺跡

商人「という訳で、今日は久しぶりにシェーベに来てみました!!」

魔法使い「久しぶりに、と言っても今日はまだほとんど探索してない地下1階だけどね」

魔戦士「ここには確か竜王の用事があったはずだね?」

竜王「ドラゴンロードノシレンダナ」

盗賊「あー、あのおっちゃんか!!わすれてたぞ!!」

魔法使い「忘れてた訳ではないのだけれど、なかなか来る機会が無くてね…という訳で今日はレベル上げも兼ねてここへ来てみたの」

魔戦士「竜の牙を探索しながらレベル上げても良いんだが、あそこまでサキュバスがうろついてるとレベル上げの場所としてはどうかねえ?」

商人「シェーベの地下ってこのダンジョンの一番奥だよね?きっと良いアイテムがあるよね、楽しみー!じゃあ行ってみよー!!」

非常食「にゃ、ここは前にちょっとだけ来ましたにゃあ…」

魔法使い「指輪を手に入れたついでに来たわね。確かここは…」

盗賊「あ、ここすべるゆかだな!!それー!!」サーッ

商人「わ、わわ、滑るー!?」サーッ

非常食「にゃ、ずいぶん滑って来ましたにゃ。ここから…にゃにゃ!?ゆ、床が回りますにゃあー!!」フォンフォン

盗賊「おおー、ぐるぐるだー!!」フォンフォン

商人「ま、回るー……あ、や、や、っと止まった…あれ?魔法使いちゃん、みかがみのたて装備してたでしょ?どこにやったの?」

魔法使い「何言ってるの、アリアハンのお弁当屋さんに預けたでしょう?」

盗賊「お、べんとーやのおにくがあるぞ!!いただきまーす!!」ガブリ

竜王「ギャー!?シッポ!!シッポ!!」ジタバタ

魔戦士「…後衛達はみんな回転床で混乱したようだね。やれやれ…」

商人「うーん、仕掛けはいやらしいけど、モンスターはそんなに強くないね」

魔法使い「強すぎず弱すぎず、レベル上げにはちょうど良いんじゃないかしら」

魔戦士「霊体が多いのがうざったいし強力なドラゴンもいるが、ドラゴンはそう数も多くないようだな」

魔法使い「さすがにこんな遺跡の地下には大量にドラゴンが住める空間はないんじゃないかしら?」

非常食「にゃるほど…にゃ?盗賊さん、どうしましたにゃ?」

盗賊「んっと、ここにへんなのあるぞ!!」

魔法使い「これは…スイッチかしら?押したら何らかの仕掛けが動くのでしょうね。罠かもしれないけれど…」

魔戦士「悩んでても仕方ない、押すよ」カチッ

商人「あ、ちょっ…え?え?な、なんかすごい音が…」ゴゴゴゴゴ…

竜王「トマッタナ」

魔法使い「何が起こったのかしら…とにかくこの部屋から出てみましょう…あら?床が…」

盗賊「おー、すべるゆかがすべらなくなったぞ!!」

魔戦士「なるほどね、これで滑っていけなかった部屋にも行けるようになったって訳だ。全く、面倒な仕掛けを作るねえ」

商人「でも、これでかなり歩きやすくなったよ!もう仕掛けはなあああああ…!」フォンフォン…

魔法使い「…回転する床はそのままなのね…」

魔戦士「そういえばここでは何を手に入れる必要があったんだったかねえ?」

竜王「トキノセイスイダナ」

商人「確か、時の泉からこんこんと湧いてるっていう話だったよね…でも、こんな廃墟にそんな井戸があるのかなあ?」

魔法使い「あのドラゴンロードの言葉を信じればね…でも、そろそろ見つかっても良い頃よね…」

非常食「上に上るはしごならいくつか見つかりましたがにゃあ…」

盗賊「うー、そろそろおなかへった…あ!」

商人「え…?あ、泉だ!すごい、こんな廃墟にこんなキレイな泉が…」

魔戦士「見るからにただの泉じゃないようだね。さ、ここの水を汲むんだろう?早いとこ済ませちまいなよ」

竜王「ジャアクムゾ」チャプン…

魔法使い「ふう、これで依頼は達成ね。色々あったけど、1日で済んで良かったわね」

商人「あとはあのドラゴンロードさんに渡すだけだね!よーし、じゃあ帰ろっか!」

――時の聖水を手に入れた!

魔法使い「うーん、まだ頭がくらくらするわね…」

非常食「回転する床ばっかりでしたからにゃあ…」

盗賊「しっぽかじってごめんなりゅーおー、つぎはもっとおおきくなってからかじるんだぞ!!」

竜王「カンニンデス」キュウーン…

魔法使い「やけに情けない声で鳴いたわね…」

商人「はい、鑑定終わり!まずこれは中立の鎧、今お嬢サマと竜王ちゃんが着てる騎士の鎧よりちょっと防御力が高いの!」

魔戦士「これはアタシが貰うよ、そもそも竜王は善だからこれは装備出来ないねえ」

魔法使い「竜王の方が防御力が低いから、本当は竜王に装備してもらえれば良かったんだけど…」

商人「そんな竜王ちゃんにはこれ、宝石の胸当て!これは防御力は騎士の鎧と変わらないけど、ちょっとだけ雷に耐性があるの!」

竜王「アリガタイ」

魔法使い「今回は前衛がいくらかパワーアップ出来たわね。最も、ダンジョンの最深部に行ったのだからこのくらいは当然かもしれないけれど…」

ロンデルギウス「よし、良くやったぞ!我輩の意志が伝わったのだな。嬉しく思うぞ!」

竜王「アリガタキシアワセ」

魔戦士「そんなに畏まる相手なのかねえ…」

ロンデルギウス「では、さっそく失礼して…んぐっ…んぐっ…ごっくん!!プッハァァァァ!!うまい!!」

盗賊「おいしそーだな…」ゴクリ…

魔法使い「ただの水じゃないのかしら…?」

ロンデルギウス「さあ、次の試練を言い渡そう!!次の試練の地は…ニベーヌ!!」

非常食「にゃ!?まだ試練があるのですかにゃ!?」

ロンデルギウス「ニベーヌ湖底神殿の最奥に、古の騎士の霊が出ると言う!その亡霊に勝負を挑み、勝利してみよ!」

商人「ええー…亡霊かあ…やだなあ…」

ロンデルギウス「さあ行け、冒険者よ!!熱き血潮を!魂を!ほどばしらせるのだ!!」ガオー

魔法使い「次はニベーヌか…厄介なダンジョンばかりなのは気のせいよね…?」

魔戦士「またこのダンジョンか。濡れるわ時間に追われるわで最低なダンジョンだねえ」

盗賊「でもせんぱい、さかながとれるぞ!!」

魔法使い「あんまりのんびりと魚を捕ってる暇もないけれど…まあ、このダンジョンも半分近くは攻略ずみなのは助かるわね…」

非常食「にゃ、目的地が最奥と分かっているのもありがたいですにゃ」

商人「よーし、バリバリ進んで見よー!!」

魔戦士「やけにやる気だねえ小娘は。そんなに装備を整えたのが嬉しかったのかねえ?」

商人「あたしコムスメじゃないけど、ついに炎のロッドも買ったし、光の魔印は+1に変えたし、雷の攻撃属性と各種属性防御力が上がるカーバンクルジュエルも買ったの!!」

魔法使い「私もカーバンクルジュエルを買ったわ。雷の魔印よりこれの方が属性攻撃力が高いのよね」

非常食「にゃ、術師の皆さんはパワーアップしたのですにゃ?」

魔戦士「ま、そう遠くないうちに闇の巫女達とも戦うようなんだ、パワーアップはするに越したことはないさ。さ、さっさと探索を始めて、用事を済ませようじゃないか」

魔法使い「さて、それなりに時間があるとはいえ、限られているのは確かだから早く動きましょう」

――何かに遭遇した!

魔戦士「っと、お出ましか!バスドラゴンにバスゾンビか、ここまで深く潜ってもこの程度の敵なんだねえ、そらっ!!」ザンッ

商人「あたしは…炎のロッド!!」ドドド…

非常食「ふにゃにゃー!!」ドカバキッ

バスドラゴンは死亡した バスドラゴンは死亡した バスゾンビは死亡した

盗賊「おー、らくしょーだな!!」

魔法使い「油断は出来ないわ、ここはまだ最深部ではないのだから…」

商人「うん、とりあえず早く下に降りたいよね…あ!」

竜王「シタニオリルハシゴガアルナ」

魔戦士「へえ、ずいぶんあっさり見つかったねえ。まあこちらとしては都合が良い、とっとと降りようじゃないか」

盗賊「メモとりながらだとじかんもかかるしな!!」

魔法使い「何の話よ…」

商人「こ、ここがこのダンジョンの最深部かあ…やっぱり少し暗い気がするね…」

魔法使い「深く潜るほど太陽から遠くなる訳だからね。さあ、進みま…」

――何かに遭遇した!

非常食「にゃにゃ!?くのいちにグラディエーターですかにゃ!?こんな海の底にどうやって…?」

魔戦士「後ろにはメイジ、ロマ、アルケミストか。空気の実でも使ってるのかねえ?そらっ!!」ザンッ

商人「よーし、炎のロッド!!」ドドド…

竜王「ガアー!!」ドスッ

くのいちは死亡した グラディエーターは死亡した メイジは――

商人「よーし、片付いたね!後ろの敵は…え!?ひ、火の玉!?」

魔戦士「びびってんじゃないよ小娘!!あれはウィルオーウィスプだ、さっさとやるよ!!」

商人「コムスメじゃないし!!このっ、炎のロッド!!」ドドド…

魔法使い「火の玉には効いてない…?呪文への抵抗が強いのかしら?なら竜王のブレスだけど…」

魔戦士「前にいる虫共が邪魔だね、らあっ!!」ドドド…

非常食「ふにゃにゃー!!」ドカバキッ

シールドセンティピードは死亡した シールドセンティピードは死亡した トナフェルは死亡した

盗賊「よーし、ブレスだぞりゅーおー!!」

竜王「ガアー!!」ゴオオオ…

ウィルオーウィスプは死亡した ウィルオーウィスプは死亡した

魔戦士「あとは真ん中の気味悪い魔物だけだ、そらっ!!」ザンッ

フラットウッズは死亡した

商人「やった!でも地下3階まで降りてきたら不気味なモンスターが増えてきたね…」

魔法使い「まあ仕方ないわね、海底ですもの、今までにないような魔物もいるはずよ」

商人「うーん、分かってはいるけど…」

――何かに遭遇した!

非常食「にゃ!?あれはゴーグルアイで…」

商人「来た、ゴーグルアイ!!その体ぶち壊して中身のお金全部あたしのもの!!そりゃあああ…!!」

魔法使い「もう、さっきまで嫌そうだったのに、文字通り現金ね…」

非常食「ふにゃー!!ふにゃにゃー!!」ドカバキッ

エアリーバイダーは死亡した

盗賊「おー、でっかいくじらたおしたぞ!!かいたいして…」

魔戦士「残念だが後輩、空気の実がもう持たない、そろそろ地上に戻るようだよ」

盗賊「えー!!おにくー…」

商人「仕方ないよ、このまま戻らなかったら全滅しちゃう…でもクジラとか幽霊とかはともかく、羊とかピクニッカーの人とかどうやって海のなかで溺れずにいたんだろ…?」

魔法使い「どうなのかしら…?空気の実を使ってるようにも見えなかったし…」

非常食「にゃ、鍛え方が違うのですかにゃ?」

魔法使い「鍛えればなんとかなるのかしら…でも私達は上に戻らないと…ティオメンテ!!」キィーン

魔戦士「あーあ、海の中は体が冷えるよ。こんな時はやっぱり酒だね」グビッ

魔法使い「私はお茶にするわね…非常食は?」

非常食「にゃ、ホットミルクが良いですにゃあ」

盗賊・竜王「「ヤキニク!!」」ガオー

魔法使い「肉食ね…商人…は鑑定中か…」

商人「ん、終わったよー。あたしもお茶もらおうかな…」

竜王「コンカイハハズレカ」

商人「うん、素材以外は特にないかなー。この迷いのメイスなんかは初めて見つけたけど、呪われてそうだし…」

魔戦士「アタシは呪いでも構わないが、メイスだと用無しだねえ」

魔法使い「そう…最深部まで行ったから期待したのだけれど、仕方ないわね…」

商人「でも、あそこには明日も行くし、明日こそはきっと良いものが出るよ!明日も頑張って…あれ?盗賊ちゃんは?」

魔戦士「ああ、後輩ならさっき皿を持って出てったよ。じょうほーしゅーしゅーするぞ!!とか言ってたね」

魔法使い「情報収集…?盗賊が珍しいわね。何か企んでるのかしら…」

盗賊「あさだぞー!!おきろー!!」バンバンバン

魔法使い「分かってる…わよ…」ファ…

魔戦士「いつまで経っても朝が弱いねえ。それに引き換え後輩のバイタリティはさすがだね」

商人「そういえば昨日盗賊ちゃん情報収集してるとか言ってなかった?何を調べてたの?」

盗賊「とてもみみよりなじょーほーだぞ!!」ドヤッ

魔法使い「やけに自信満々ね…」

盗賊「ニベーヌにはエンペラーバードのたまごがあるらしいんだぞ!!エンペラーバードのたまごはなまでよし、ゆでてよし、めだまやきでよしのしょくざいなんだぞ!!」

魔戦士「ああ、確かエンペラーバードの卵は三大珍味の1つだったかねえ?」

商人「えー、でもダンジョンで採れた卵を生で食べるのはちょっと…」

盗賊「たまごはかんぜんほーそーされてるからなまでもだいじょーぶだぞ!!だいいちきんがはんしょくするようならたまごからひよこにかえれなくなって…」

魔法使い「はいはい、もう、食べ物の蘊蓄になると長いんだから…じゃあ、盗賊としてはニベーヌでエンペラーバードの卵を探したい訳ね?」

盗賊「食べたいんだぞ!!」

魔戦士「まあ良いんじゃないか?どうせ今日もニベーヌに行くんだし、精々探索が一日長くなる位のもんだろう」

商人「お嬢サマ盗賊ちゃんには甘いよね…濡れるから嫌とか言ってたのに…」

魔法使い「まあ、盗賊は反対しても一人で行きそうだしね…じゃあ、古の騎士の霊探しと平行して卵も探しましょう。でも確かエンペラーバードは魔物としては厄介だった気もしたけれど…」

盗賊「よーし、たまごさがすぞ!!」タタタ…

商人「盗賊ちゃん、走っちゃ危ないよ!!でも、本当に水のなかに鳥の巣があるの?なんか不思議…」

魔法使い「ただの鳥じゃなくて魔物だから、という事なのかしらね…分からないけど」

非常食「世の中不思議なことだらけですにゃあ」

魔戦士「さて、この地下2階も前に地下3階へ下りるはしごを探してるときいくらか歩き回ったからね、そう時間も掛からないだろう」

魔法使い「だと良いわね…とりあえずこっちね…この扉を開けて…」

商人「あ、また扉だ、この先は…また部屋があって…あれ?行き止まりだ」

盗賊「むー、たまごがないぞ…」

魔法使い「流石にそんなに簡単には見つからないわよ。さあ、引きかえしましょう」

非常食「うにゃあ、時間が限られてるのにこれは痛いのですにゃあ…」

商人「えっと、ここは…引きかえしたら下に下りるはしごの所まで来ちゃったね」

魔法使い「仕方ないわね。それに、この辺りははしごを見つけてすぐ下りたから、あまり探索が進んでないから、ちょうど良いとも言えるわ」

盗賊「よーし、じゃあこのとびらを…あ!!とりだぞ!!」

竜王「エンペラーバードカ?」

魔戦士「の、ようだが…今なら奇襲出来るよ、行くよ!!らあっ!!」ドドド…

非常食「にゃー!!ふにゃー!!」ドカバキッ

商人「うーん、結構可愛い鳥だけど…ごめんなさい――天と地を廻り我が手に集い、全てを灼き尽くす業火と成りて暗き世界を呑み尽くせ!!ラバラド!!」ゴオオオ…!!

エンペラーバードは死亡した エンペラーバードは死亡した エンペラーバードは死亡した

盗賊「よーし、たまごたまご…あった!!」キャッキャッ

魔法使い「ここはあの鳥の巣だったのね…でも見つかって良かったわ」

商人「そだね、今日中に見付かったのは大きいね!…あれ?盗賊ちゃん、卵食べないの?」

盗賊「むー、ここじゃごはんがないからなまはダメだし、うみのなかだとゆでるのもやくのもむずかしいんだぞ…」

非常食「にゃ、それは残念ですにゃあ」

魔法使い「じゃあ戻ってからのお楽しみね。さあ、卵も見つけたし、幸い下に下りるはしごもすぐそこにあるわ。昨日の探索の続きをしましょう」

商人「あと10分位は潜ってられるもんね。その間に見つかると良いね!」

魔戦士「――よし、他は仕留めたよ!!後輩!!」

盗賊「おー、ぬすむぞ!!」シュピシュピッ

非常食「にゃ、念願のクルセイドアーマーを盗めましたにゃ!」

竜王「ジャアカタヅケルゾ」ドスッ

クルセイダーは死亡した

商人「やった、クルセイドアーマーが手に入ったよ!!でもこれで持ち物結構一杯になっちゃったかな?」

魔法使い「まだ少し余裕があるわね、時間も6分位はあるわね」

魔戦士「23分もあれば結構潜ってられるものだな」

商人「ホントだね、最初はちょっと心配したけど…」

盗賊「かいてるやつがメモとりながらだからな!!」

魔法使い「何の話よ…でも、盗みになると時間を使ってしまうわね。水中では盗みは控えた方が良いのかもしれないけど…」

――何かに遭遇した!

魔戦士「お、ピクニッカーだよ後輩!!」

盗賊「よーし、ぬすむぞ!!」ガオー

魔法使い「言ってるそばから…」フウ…

商人「はい、鑑定終わりー。今回宝箱からは良いもの出なかったかな。破魔の弓とか、もう少し早く出てきたらね…」

魔戦士「ま、アタシはクルセイドアーマーが手に入ったからいいさ。後輩のおかげだね」

盗賊「とーぞくの…おかげ…」モグモグ…

魔法使い「どうやら卵はおいしいようね、口数が減ってるわ。でも魔戦士、その鎧は守備力がかなり下がるんじゃない?大丈夫なの?」

魔戦士「まあ確かに下がるが、それでもバカ猫くらいはあるからね。実際戦ってみて、足りないと感じたら錬金術にでも頼るさ」

商人「そっか、錬金術は防具の守備力も上げれるんだよね…あ、錬金術っていえばさ、そろそろ錬金倉庫が一杯になりそうなんだけど…」

非常食「にゃ、盗んだ物も倉庫に入ってますからにゃあ…」

魔法使い「そうね…なら、今度錬金術師に頼んで質の悪い素材を処理してもらいましょう。それらの素材を使ってアイテムを作って、それをお金にしてレベルアップの足しにしてもらえば…」

魔戦士「錬金術師のレベルが上がれば錬金を頼むアタシらにもメリットがあるって訳だね。ま、それで良いんじゃないか?ただ、これからもアイテムは増え続けるだろうからね、そのうち根本的に対処しないとね…」

姉御「ふーん、順調みたいじゃない、良いね、ふーんだ」ヒック

魔術師「…飲みすぎ…」

盗賊「あ、あねご、どーしたんですかだぞ?」

狩人「あー、この前コートラストでピクニッカーから山ほど素材を盗んだんすけど…」

師匠「錬金倉庫でフリーズしてしまいましてな。全てが水の泡になってしまったといあ訳です」

商人「あー、それは…残念でしたね…」

竜戦士「つーかリーダーよお、元々知恵のアンクを集めに行ったのに素材ばっか盗んでるから、バチ当たったんじゃねーの?」

姉御「だって…だってピクニッカーを前に盗まずなんていられないもん!!それが盗賊だもん!!」ヒック

魔戦士「ああ、その気持ちは良く分かるよ、なあ後輩」

盗賊「ピクニッカーはぬすむためにいるんだぞ!!」

デク「いエ、誰かがせっせと集めたものを横取りするのはいけないでス」

魔法使い「…妙に良い子になったわね…」

竜戦士「ああ、そいつは悪だったから合流が面倒だってんで姉御が無理やり善に変えたんだよ、ほら、おまえらがなんかのぬいぐるみ貰ったったいうウンディーネの井戸でよ」

商人「無理やり変えたの!?良い子になったのは良いけど、これはこれで物足りないような…」

――翌日、ニベーヌ湖底神殿

魔法使い「さて、今日こそは例の古の騎士の霊を見つけられると良いけれど…」

商人「そういえばさ、さっきヘーメにエンペラーバードの卵を持っていったら喜んでくれてたね!」

非常食「にゃ、ずいぶん前に頼まれてましたからにゃあ」

盗賊「ううー、とーぞくのだったのに…」

魔法使い「貴女はもうたくさん食べてたじゃない…それに、エンペラーバードは巣に行かなくても卵を持ち歩いているらしいわ。今度会ったら盗めばまた食べられるわよ」

魔戦士「だな。巣があったって事はあの鳥自体もあのダンジョンにそこそこいるんだろう、ならまた見つける事もあるだろうさ」

商人「そうそう!それにさ、早く古の騎士の霊が見つかったら、またあの巣に行ってみよ?そしたらきっとまた卵食べられるよ!ね?」


盗賊「おー、そーだな!!よーし、こんどはめだまやきだぞ!!やくのはまかせたぞりゅーおー!!」

竜王「ガッテン!!」

商人「竜王ちゃんのブレスじゃ卵焦げちゃいそうだけど…」

魔法使い「私はどちらかというと、エンペラーバードが絶滅しないかが心配ね。根こそぎ食べないと良いけど…」

商人「そういえばさ、姉御達は知恵のアンク探してるって言ってたよね。あたし達も探さなくて良いのかな?」

魔戦士「そりゃあ探した方が良いだろうが、そもそこっちはいくつか見つけてるはずだよ。見つけてないのはあっちだ、だろう?後輩」

盗賊「とーぞくはふたつぬすんだぞ!!」

竜王「アッチハマダゼロダナ」

魔法使い「まあ、アンクを持ってる敵が出たらその時に…」

――何かに遭遇した!

商人「あ、あれってマスタープリースト!あのヒトはアンク持ってたよね?」

非常食「にゃ、噂をすればですにゃあ」

魔法使い「それは良いけど、後ろの…確か指輪探しの時に戦ったフェイクエンジェルよね?」

魔戦士「ああ、危険な相手だね。後輩、盗みはさっさとやっちまいな!」

盗賊「おー!!」シュピッ

フェイクエンジェルの行動:エンテルクミスタ

非常食「にゃー!?大変な呪文ですにゃ!?」

商人「いったあ…で、でも誰も死ななかっ…」

リッチの行動:ジアカラド

竜王は死亡した

魔法使い「竜王!竜王が落ちるのはまずいわ、非常食、早めにあのリッチから倒して!」

非常食「ラジャーですにゃ!!にゃにゃー!!」ドカバキッ

リッチは死亡した

商人「竜王ちゃん、待ってて…その道、汝が歩む道にあらず…帰り来たれ!強き魂よ!!リゼフェス!!」キュアーン

竜王「イタカッタ…」

魔戦士「よし、生き返ったね、これで…」

フェイクエンジェルの行動:ラバラド

魔法使いは死亡した 商人は死亡した

盗賊「まほーつかい!!しょーにん!!」

魔戦士「ちっ、アンクを盗んでる暇はないか…らあっ!!」ザンッ

マスタープリースト は死亡した

竜王「クラキモンヲフタタビクグリ、メイフヨリモドレ…リゼフェス」キュアーン

商人「うう…ん、竜王ちゃんの詠唱、寝覚めが悪いよ…あ、魔法使いちゃん!?魔法使いちゃんは私が…リゼフェス!!」キュアーン

魔法使い「…ふう、残りはフェイクエンジェルだけかしら…?全開でいくわ、ラバラド!!」ゴオオオ…!

非常食「ふにゃにゃー!!」ドカバキッ

フェイクエンジェルは死亡した フェイクエンジェルは死亡した

魔戦士「ふう、終わったね。流石に最深部ともなると敵の呪文も協力になるね」

商人「ホントだね、油断出来ないなあ…あ、盗賊ちゃん、アンクいくつか盗んでたよね?知恵のアンクあった?」

盗賊「えっと、たいりょくとわんりょくとこううんのアンクしかないぞ…」

魔法使い「そう…残念だったけど仕方ないわね、今回は運が無かったわね」

非常食「にゃ、あれだけの猛攻を受けながらではにゃかにゃか盗みにも集中は出来ませんにゃあ…」

魔戦士「ま、またチャンスはあるだろうさ。さ、先に進むよ、今の戦闘で少し時間を使ってしまったからね」

魔法使い「ええ、急ぎましょう。古の騎士の霊にたどり着かなければ…」

商人「――いっくよー!!炎のロッド!!」ドドド…

ゴーストレンジャーは死亡した ゴーストヴァルキリーは死亡した

非常食「にゃにゃ、残りはアークメイドだけですにゃ!!」

魔法使い「任せて――棘に包まれた水底の花よ、我が下にて乱れ咲け!!」パアアア…

契約に成功した

盗賊「おー、メイドねーさんとけーやくしたな!!」

魔戦士「しかもメイド最高レベルのアークメイドだ、確か石化まで治せるはずだよ」

商人「すごいね!今のメイドさんと契約出来ただけでも今日の冒険は価値がるね!でも…」

魔法使い「ええ、一番の目的を果たさないと…次はこの部屋に……ここは…?」

竜王「アヤシイヘヤダナ」

商人「う、うん、部屋の中にまた部屋があるよ…あたしのカンも怪しいって言ってるよ…」

魔戦士「カンねえ…ま、今回はアタシも同感だけどね。ここがアタシらの目的地の可能性はある、が…」

魔法使い「問題は残り時間よね。空気の実は残り5分位かしら。行けそうといえば行けそうだけど、もし古の騎士の霊が強敵で、戦闘が長引いたら、溺れて全滅もあり得るわ」

魔戦士「それは上手くないだろうね。口惜しいが、今日はここまでだね。また明日出直しだ、面倒だねえ…」

錬金術師「ほい、これで良し。あんた達の装備の呪文抵抗を上げといたよ」

商人「やった!おばさんありがとー!!」

魔法使い「私と商人は紋章のローブ、盗賊はイノセントマント、そして竜王は昨日見つけたマジックアーマーの抵抗を上げたわ。竜王も良い防具が見つかって良かったわね」

竜王「テイコウモシュビリョクモアガッタゾ」コクリ

盗賊「これでつぎのてきにもまけないな!!」

魔戦士「どうだろうね、古の騎士の霊、って事はどっちかっていえば物理攻撃主体だろうからねえ」

魔法使い「そうね、でも闇の巫女がそうだったように古の騎士の霊が単体で出てくるとは限らないわ。もしかしたら古の魔術師の霊なんかと一緒かも…」

商人「ええー、オバケは控えめに出てほしいなあ…」

魔戦士「ま、古の騎士の霊に限らず、昨日の魔物みたいに呪文が強力な敵がこれからは出てくるだろうからね、抵抗は上げておいて損はないさ。さ、準備が出来たら行くよ」

錬金術師「お、出発かい?頑張ってくるんだよ!!」

盗賊「おー!!おばさん、またな!!」

非常食「にゃ、またこの部屋に来ましたにゃ…そしてこの部屋の中のあの部屋に…」

魔戦士「きっと古の騎士の霊がいるだろうね。とはいえ、これでいなかったら笑い者だねえ」

商人「うーん、別にオバケはいなくても良いけど…」

魔法使い「そうもいってられないでしょう?開けるわよ…」ギィ…

盗賊「お?ふわふわういてるよろいだぞ!!」

商人「よ、鎧っていうか、なんか向こう側透けてるし!!」ビクビク

騎士の霊「神殿騎士…だが…しかし…護らねば…身を捧げ…渡さぬ…この紋章に…忠義…の…」

盗賊「…?どこかでこーゆーやつみたことあるな…」

魔法使い「そうね、あっちの世界の…幽霊船に乗ってた人達がこんな感じだったわね…」

魔戦士「幽霊船ねえ、やっぱり溺れて死んだ連中は無念なものなのかねえ?」

騎士の霊「止めねば…沈んでしまう…我が勤め…最後の…我は…ニベーヌ…騎士…神殿…騎士!」

――何かに遭遇した!

魔法使い「話によれば、この神殿は氷の魔印+3の暴走で水没したという事みたいだけど…」

非常食「にゃ、さっきの話を聞くと賊か何かが入ったようでもありますにゃあ」

魔戦士「アタシは真実なんて興味ないね。今目の前に敵がいる、それだけだよ」

商人「うん、相手にどんな事情があるにせよ、あたし達だって負けられないし…俗世の剣に祝福を、迷いし魂に新たな道を!!ハリアス!!」ギュイイーン

非常食「にゃ、これでみぃも霊体を攻撃出来るようになりましたにゃ…」

古の騎士の霊の行動:瘴怪波

盗賊「おお!?き、きもちわるいぞ…」

魔法使い「これ、は…?体力が…」

商人「うう…HPが半分減らされたような感じ…」

竜王「グタイテキダナ」

魔戦士「あまり長引かせたくない相手だね…さあ、一気にやるよ!!」

盗賊「おー!!食べれないやつはさっさとたおすぞ!!」ガオー

非常食「にゃ、みぃが連撃で倒して…ふにゃあ!?」

切り返した!古の騎士の霊の行動:アルヴァースター

非常食「ふにゃー!?攻撃したのに攻撃されましたにゃ!?」

商人「い、今のってつばめ返し!?武器攻撃をダメージ受けずに切り返せるって…」

魔法使い「それなら呪文で攻撃するだけよ――空よ雲よ、我に応えよ――天神!!その怒れる槍撃で我が眼前の闇を切り裂け!!ジアカラド!!」ズガーン

盗賊「おー!!さいきょーのかみなりまほー!!」

商人「これなら効いたはずだよね、あと一息…」

古の騎士の霊の行動:フィリード

魔法使い「フィリード!?完全回復呪文まで使うの!?神殿騎士はだてじゃないわね…」

古の騎士の霊の行動:ブラッフィ

非常食「にゃ、今度は隠れて…」

古の騎士の霊の行動:アルヴァースター

竜王は死亡した

商人「竜王ちゃん!?つ、強い…」

古の騎士の霊の行動:アルヴァースター 古の騎士の霊の行動:アルヴァースター

魔戦士は死亡した 非常食は死亡した

盗賊「せんぱい!!おにく!!」

商人「こ、このままじゃ…リゼフェス!!」キュオーン

竜王「ウウ…ツヨイナ…」

魔法使い「竜王が復活したとはいえ、1度前衛が倒れてしまったから私達が前になってしまったわね。危険な状況だけど、逆に…」

古の騎士の霊の行動:アルヴァースター

魔法使いは死亡した

商人「ま、魔法使いちゃん!?何か作戦がありそうだったのに…リゼフェス!!」キュオーン

魔戦士「…ちいっ、生き返らせてもらって悪いが、アタシに何とか出来る状況でもないね…」

商人「そ、そんな弱気なこと言わないで…」

古の騎士の霊の行動:アルヴァースター

商人は死亡した

盗賊「しょーにん!!うー、かくれてばっかでずるいぞ!!とーぞくもかくれるぞ!!」シュッ

古の騎士の霊の行動:ロブカンド 古の騎士の霊の行動:オラース 古の騎士の霊の行動:ラタシフ

竜王「コウゲキシテコナクナッタナ」

魔戦士「ああ、あいつは後輩を見つけられないんだ。前衛の後輩を攻撃出来ないから、手をこまねいてる…今のうちに体勢を立て直すよ!!」

竜王「ガッテン!!リゼフェス!!」キュオーン

非常食「うにゃあ、痛かったですにゃあ…」

魔戦士「グチグチ言ってんじゃないよ!!ほら、敵が見つかったよ!!さっさと攻撃しな!!」ドゲシッ

非常食「ふにゃー!?攻撃しても返されますにゃ!!」オアー…

竜王「マホウツカイモイキカエラセルカ?」

魔戦士「ああ、生き返っても前衛だからね、すぐまた死ぬ危険はあるが…あいつの呪文がないと恐らく勝てないだろうさ、生き返らせな!!」

竜王「ガッテン!!リゼフェス!!」キュオーン

魔法使い「…っつう…状況は?」

魔戦士「ああ、今後輩が…」

盗賊「あ、みつかった…」

古の騎士の霊の行動:アルヴァースター

盗賊は死亡した

魔法使い「…あまり良くないようね」

魔戦士「だからあんたを生き返らせたのさ。あの敵は後輩が隠れてる間呪文を乱発した。今ならあんたのゼオナダルで倒せるかもしれない」

非常食「にゃ、戦闘中に唱えられた呪文の分だけ強くなる攻撃呪文ですにゃ!?」

竜王「イチゲキヒッサツダナ」

魔戦士「フィリードで全快される以上、一撃で倒す以外手段が無いのさ。倒せる程かは分からないが…」

魔法使い「ええ、やってみるわ。でも、非常食。あなたも攻撃するのよ」

非常食「にゃっ!?しかしみぃが攻撃しても返されてしまいますにゃ…」

魔法使い「大丈夫よ。まず、私は倒される前にウィングハットを使ったわ。これで貴方は後衛からでも攻撃が届く。でも相手は攻撃が貴方まで届かない…」

魔戦士「なるほどね、今ならリスクなく攻撃出来るわけか!」

魔法使い「そうよ。反撃さえされなければ
貴方の攻撃が一番破壊力があるわ」

非常食「にゃ、やってみますにゃ!」

魔戦士「頼むよ、魔法使いはアタシが庇っとくからね――さあ、行ってきな!!」

非常食「いきますにゃ!!にゃー!!にゃー!!ふにゃにゃー!!」ドカバキベキゴキィッ!!

竜王「カエサレナイナ」

魔法使い「ええ、これなら…」

古の騎士の霊は死亡した

古の騎士の霊「沈んでゆく…沈んで…し…ずん…」スウ…

非常食「にゃ、消えましたにゃあ…」

魔法使い「ええ、哀しい敵だったわね。そして強かったわ…竜王、二人を生き返らせてあげて」

竜王「ガッテン、リゼフェス!!」キュオーン

盗賊「ううー、おなかへったぞ…」

商人「あれ…?あのオバケは…?え、倒したの!?な、なーんだ残念!あたしが倒す予定だったのになー」♪

魔戦士「あ、小娘、後ろに騎士の霊が!!」

商人「ぎゃー!!………って何もいないじゃない!!それにコムスメじゃないし!!」

魔法使い「もう、切なげな雰囲気が掻き消えたわね…さあ、目的も果たしたし、後は…」

盗賊「もくてきはまだだぞ!!たまごをとりにいくんだぞ!!」

商人「あー、そんな話だったね。まだ空気の実は時間あるかな?」

非常食「にゃ、16分ほどありますにゃ」

魔戦士「よし、じゃあ卵採取といくか。後輩、今度はアタシにも少し食べさせてくれよ」

盗賊「おー、せんぱいもどーぞなんだぞ!!」

魔法使い「…本当に乱獲になりそうね。エンペラーバードの生息数ってどんなものなのかしらね…?」

非常食「にゃ、エンペラーバードの巣に着きましたにゃ」

盗賊「よーし、じゃあたまごを…あ!!」

ギャーギャー

商人「ま、また鳥達が怒ってるよ!!あ、襲ってきた!!」

――何かに遭遇した!

魔法使い「さて、申し訳ないけどまた卵を…え?鳥以外にも魔物が…!」

竜王「キョジンダナ」

魔戦士「ファイアージャイアントにフロストジャイアントか!強敵だが、確かフロストジャイアントは強力な剣を持っていたはずだ。後輩、頼むよ!」

盗賊「おー、まずはそうびをはずして…」チャッ

非常食「みぃはファイアージャイアントを倒しますにゃ!!ふにゃー!!」ドカバキッ

ファイアージャイアントは死亡した

魔法使い「フロストジャイアントは動きを止めるわよ…ロイド!!」ジジジ…

フロストジャイアントは麻痺した

エンペラーバードの行動:増援

竜王「トリガフエタナ」

商人「と、盗賊ちゃん、早く盗んで…」

盗賊「それー!!ぬずみぞ!!」シュピッ

魔戦士「よし、後輩の仕事は終わったよ、後はアタシらだが…」

エンペラーバードの行動:増援

魔法使い「盗んでる間に鳥だらけになったわね…数を減らすわ!冥府の主よ、地底の門を開き、汚れし群れを闇に飲み込め!!アルゲイズ!!」ズガァン!

エンペラーバードは死亡した エンペラーバードは死亡した

エンペラーバードの行動:増援

商人「ま、また増えた…あたしも、アルゲイズ!!」ズガァン!

エンペラーバードは死亡した エンペラーバードは死亡した

非常食「にゃー!!ふにゃにゃー!!」ドカバキベキゴキィッ

エンペラーバードは死亡した エンペラーバードは死亡した

エンペラーバードの行動:増援

盗賊「おお!?どんどんふえるぞ!!」

魔法使い「きりがないわね…ここで残りの魔力も使い果たすつもりで殲滅しましょう!!」

商人「うん!経験値ガッポリもらうよ!!行くよー!!」

非常食「うにゃあ、何とか勝てましたにゃあ…」

竜王「サイゴトリノシタイダラケダッタナ」

魔法使い「次々と呼ばれたからね…でも空気の実の制限時間内に倒せて良かったわ」

商人「そだね…はい、鑑定終わり!まずこれだね、銀の靴。そこそこの守備力で獣人に対する倍打効果があるよ!これは…」

魔戦士「じゃあアタシが貰おうかね。竜王はファイアーブーツの方が良いだろう?」

竜王「ブレスノイリョクガアガルカラナ」コクリ

商人「あとこれはそよかぜの服っていって、睡眠に対する抵抗があるローブなんだけど…今これ欲しい人いないよね…」

魔法使い「そうね、私と商人は呪文抵抗のある紋章のローブだし、盗賊はサンダーガードがあるものね。まあ、無理に装備することもないわよ」

魔戦士「だね。あ、あとアタシは後輩が盗んできた凍結剣を貰うよ。これもフランベルジュと一緒で使えば呪文の効果があるし、何より片手装備なのが良い。サブにもう1つ武器が持てるよ」

盗賊「おー、せんぱいにとーりゅーか!?」

魔法使い「戦士の攻撃力アップを考えれば、手数を増やした方が良いでしょうね。さて、今日はもう休みましょう。あのドラゴンロードに報告しなければいけないけれど、今日は疲れてしまったわ…」

商人「だね、じゃあまた明日だね!」

ロンデルギウス「素晴らしいぞ!お前たちの実力は並大抵ではない!」

竜王「アリガタキシアワセ」

商人「また畏まってる…このヒト、そんなにすごいヒトかなあ…?」

ロンデルギウス「古の騎士の霊も、これで安らかに眠れる事だろう!根拠はないが、我輩はそう確信している!」

魔法使い「根拠ないの…?勢いだけじゃない…」

ロンデルギウス「だが、次の最終試練ではどうかな?自身の知恵と力だけでは、越えられぬものがあるのだ!それを知れ!」

非常食「にゃ!?まだあるのですかにゃ!?」

ロンデルギウス「舞台は、ハダーリマス渓谷!ここには血の聖杯がある。この聖杯を満たしてくるのだ!血の聖杯までの扉は我輩が開けておいた。あとはお前達が行くだけだ!」

魔戦士「行くだけ、ねえ…本当に行くだけで済むモノかねえ?」

ロンデルギウス「我輩はここで君達の帰りを待とう。成功を祈っている。行け、行って弾けてみせろ!」ガオー

商人「…という訳であたし達はハダーリマスにやってきました。またここに来るとは思わなかったな…」

魔法使い「前にも来たけど、その時は聖杯なんて見つからなかったわよね。どこにあるのかしらね…」

盗賊「いってないとこぜんぶいけばみつかるぞ!!」

魔戦士「まあ、面倒だがそれしかないかねえ?まずはこの南西フロアからかねえ?」

非常食「にゃ、ここもまだまだ未踏破の場所がありますからにゃあ…」

商人「でもここは結構良いものが手に入るし、冒険自体はきっと有意義になると思うよ!」

魔法使い「そうね…でも、ここのアイテムは姉御達が粗方見つけたと思うけど…」

竜王「ホノオノロッドナンカダナ」

魔戦士「ここでおいしいのは宝箱のアイテムだけじゃないさ。後輩が盗むものもあるし、召喚契約したいような強力な魔物もいる」

盗賊「ぬすみはまかせろー!!」ガオー

魔法使い「確かに私もそろそろ新しくて強力な魔物と契約したいわね…じゃあ行きましょう。色々やることがあるとはいえ、聖杯というのが早く見つかれば良いけれど…」

非常食「…にゃ、この南西のフロアも大体踏破しましたゃ」

商人「そだね、まだちょっと残ってるけど…あ、あそこから北西に行けるよ、どうしよう?」

魔戦士「進んじまっても良いんじゃないかい?聖杯なんて大層な物が、こんな入り口近くにあるとも思えないしねえ」

魔法使い「確かにそうかもしれないわね。それに、南東や北東はそれなりに探索したけれど、北西はほぼ手付かず。何かがある可能性が高いわね」

盗賊「おいしいものやぬすめるものもな!!」

竜王「ケイヤクシタイマモノモイルカモナ」

魔法使い「そうね、このフロアにもいない訳ではなかったけれど…キメラとか、もう少しレベルが低い時に会っていれば是非契約したかったわね」

商人「キメラってさあ、あんななんだね…あたし達の世界じゃへんてこ鳥みたいだったのに…」

盗賊「あれはおいしかったな!!」

魔法使い「私達は食べなかったけれどね…さあ、では北西に行きましょう。北西はほとんど未知のフロア、気を引き締めるわよ」

非常食「うにゃあ、北西も南西と魔物の強さはあまり変わらないようですにゃあ」

魔法使い「そうね、1度に出てくる魔物の数は少々多いようだけど…」

魔戦士「増えた分の大半は久し振りに見るようなザコだ、問題じゃないだろう」

商人「でも数が多いと時間がかかるよね…あ、あれ?ここから先は北東へ行っちゃうよ?」

盗賊「かくしとびらもないぞ…」キョロキョロ

魔法使い「もうこのフロアには行ける場所はないわよね…といっても、地図を見るとまだ半分も踏破してないけれど…」

魔戦士「地図を見る限りだと、南西の別の場所、もっと西からから北西の行けない部分に行けるようだね。さてどうする?戻ってこのフロアの別の場所を探索するか、北東に行くか…」

盗賊「もどるのはめんどーだぞ!!」

竜王「ジカンモカカルナ」

魔法使い「そうね、今日はこのまま北東へ向かいましょう。北東も、まだ探索してない部分は多いわ。最深部だから気を付けないといけないけど…」

商人「でも最深部だからこそ良いアイテムがみつかるかもよ!」

魔戦士「強力な魔物と契約出来る可能性も大きくなるしね。よし、じゃあ行ってみようじゃないか」

盗賊「おー!!すごいのぬすむぞー!!」ガオー

非常食「うにゃあ、このフロアは流石に強い魔物が多いですにゃあ…」

魔法使い「ケルベロスにグリフォン…強力な魔獣がうようよいるわね。出来れば契約したいのだけれど、上手くいかないわ…」

魔戦士「強い魔物ほど契約しづらいらしいからね、仕方ないさ。ま、そのうち一匹くらい捕まるだろうさ」

コッペロ「いやいや、それにしても皆さんお強いですね。私は逃げ回るだけでいっぱいいっぱいだったのに」

盗賊「ん?おっちゃんだれだ?ひじょーしょくにごうか?」

商人「と、盗賊ちゃん、このヒトはコッペロさん!鉱石集めにここに来た商人さんだよ」

竜王「ピクニッカーミタイナモノダナ」

盗賊「おお!?じゃあそざいぬすむぞー!!」ガオー

魔法使い「止めなさい、この人を連れて南東に行くのよ。そうすれば鉱石をおすそ分けしてくれるらしいわ」

コッペロ「ええ、よろしくお願いします。いやいや、皆さんみたいな方々に護衛をしてもらえるなら心強いですなあ」

魔戦士「期待してもらってる所悪いが、アタシらももう持ち物が持てなくなりそうだ。今日は戻って、南東に行くのは明日以降になるけど良いのかい?」

コッペロ「ええ、もうしばらくここで遭難してたようなものですから、あと1日や2日はへっちゃらです」

商人「うーん、前の腹ぺこオーガさんといい、この世界のヒト達って遭難に強いよね…」

魔法使い「生命力が強いのか、食い溜めが出来る体なのか…いずれにせよ丈夫なようね…」

コッペロ「なるほどなるほど、ここが冒険者の酒場…私のような商人は滅多に来ることがありませんのでね」キョロキョロ

魔戦士「ま、冒険者以外に用はないだろうね」

魔法使い「それにしても、今回も魔物との契約は上手くいかなかったわね…」

盗賊「そんなときもあるぞ!!ごはん食べてげんきだすんだぞ!!」

魔法使い「そうね…貴方みたいに、ごはんで全部解決はしないけれど…」

商人「はい、鑑定終わりー!!」

コッペロ「おお、もう終わったのですか?見事な鑑定の腕ですね」

盗賊「ん?いつもさわってしまってるぞ!!」

竜王「キョウモ15カイイジョウハジョウタイカイフクジュモンツカッタゾ」

商人「そのその話は良いから!!こ、今回はこのクリスタルアーマーとかがあるけど、竜王ちゃんもお嬢サマも使わないよね…」

魔戦士「アタシらはそれぞれお気に入りがあるからね」

商人「だよね…あとはフランベルジュとかファイアーブーツとか…もっと早く出てくれればなあ…」

コッペロ「いや、素晴らしいじゃないですか!これで物足りないとは…」

魔法使い「私達も、ほんの1、2週間ほど前なら喜んでいたのだけれど…でもこれはきっと喜ぶべき事よね、今まで強力だと思ってたアイテムが物足りなくなったっていうのは…」

コッペロ「ほうほう、これが冒険者が泊まる馬小屋ですか…うーん、独特の臭いですね…」

竜戦士「おい、なんだこのおっさんは?」

非常食「うにゃあ、このヒトはハダーリマス渓谷で遭難しかけてたところをみぃ達が見つけて…」

コッペロ「私、本来はギガ・バザールで店を開いているのですが、商品の仕入れをしようとした所遭難しかけたという次第です」

狩人「ああ、そういえば店員が誰もいない店あったっすね…ってあの店、かなり前から誰もいなかった気がするっすけど…」

竜戦士「よく生きてたなおっさん!!ま、いかにもしぶとそうだもんな!!」

コッペロ「いやいや、流石にあそこのモンスターには参りましたよ…」

狩人「ああ、ハダーリマスは魔物強いっすよね。俺も何回死んだか…」

竜戦士「で、なんでまたハダーリマスに行ったんだお前らは?」

竜王「ドラゴンロードノシレンガアッテ」

竜戦士「あー、あのカレテゴのおっさんか!胡散臭いけど、なんか只者じゃなさそうだよなあ」

狩人「いやあ、俺には胡散臭くしか見えなかったっすけど…」

非常食「うにゃあ、次々と試練を言い渡されてますにゃあ…今回の試練で終わると良いのですがにゃあ…」

魔法使い「さて、南東に連れていけば良かったわんだったわね?」

コッペロ「ええ、南東には良質の鉱石が採れる場所が有るんですよ」

魔戦士「そいつは良いね。場所を覚えたら、アタシらも後で行ってみるかい?」

商人「あ、良いかも!」

非常食「にゃ、南東には以前も行きましたにゃ?」

魔法使い「ええ、やっぱり良い鉱石があるっていう話でね」

盗賊「くーきのみをつくるためだな!!」

竜王「ピクニッカーモタクサンイタナ」

魔戦士「ああ、採掘と盗みで鉱石を山ほど手に入れられるな。なかなか期待出来そうじゃないか」

商人「うーん、端から聞いてるととても善のパーティーの会話には聞こえない…」

魔法使い「そうね…盗みは程々にして貰わないとね…」

商人「南東かあ…前にもちょっと来たよね」

非常食「にゃ、全滅した姉御さん達を探して…にゃあっ!?」ドサッ

*ピット*

盗賊「わー、おとしあなだぞ!?いたい…」

商人「いったあ…あ、そうだ、ソーサレオかけなきゃ…我らが足よ、大地と反目し――宙に旅する新たな靴を!!ソーサレオ!!」フォーン…

盗賊「おー、ういたぞ!!」キャッキャッ

魔戦士「しかし、改めて周りを見てみると穴だらけじゃないか。なんなんだここは?」

コッペロ「そう、これこそが採掘場が近いという証なんですよ」

魔法使い「なるほど、鉱石を掘った跡なのね…」

商人「にしても、こんなあちこち穴だらけなんて…そんなに鉱石がたくさんあるの!?」

竜王「キタイダイダナ」

魔戦士「むしろこんなに採掘の跡があるならもう枯渇しててもよさそうだがねえ…仮に鉱脈が残ってたとして、奪い合いにならないもんかねえ?」

非常食「にゃ、そんなことは…不安ですにゃあ…」

盗賊「…お?あそこになにかあるぞ!!」

コッペロ「あったあった!これですよ!!」ガサゴソ…

商人「おおー、鉱石がたくさん…」ゴクリ…

魔法使い「これは…すごい場所があったものね…」

コッペロ「これでよし、と。さあ、ギガ・バザールに戻りましょう」

魔戦士「ま、戻るといってもアタシらの荷物がいっぱいになるまでは付き合ってもらうがね。ん…?」

何かに遭遇した!

竜王「プリーストガイルナ」

盗賊「アンクもってるやつだな!!よーし、ぬすんで…」

コッペロ「わわわ、襲われる!?バ、バラドス!!」ゴオー…

プリーストは死亡した プリーストは死亡した

魔戦士「おいおい、盗む前に倒しちまったじゃないか!」

コッペロ「え!?倒しちゃまずかったんですか!?」

商人「うーん、なかなかアンク集まらないね…」

魔法使い「まあ、そう簡単にはいかないわよね…でも改めて考えてみると、10個って多いわよね…」

――何かに遭遇した!

非常食「にゃ、またプリーストですにゃ!」

コッペロ「わわ、また襲われる…!」

魔法使い「まずいわね…コッペロさんが動く前に済ませましょう、ウィングハットを使うわ!!」キュイーン

魔戦士「おお、これで後ろにいる奴からも盗みが出来るって訳だな、後輩!」

盗賊「おー、ぬすむぞ!!」シュピシュピシュピシュピッ

竜王「チエノアンクガフタツトレタナ」

魔戦士「よし、後は用無しだ、凍結剣!!」シャピキーィーン!!

プリーストは死亡した ビショップは死亡した プリーストは死亡した

盗賊「こんかいはうまくいったな!!」キャッキャッ

コッペロ「こ、これは強盗なのでは…」

商人「ち、違います!襲ってきた相手からその、せ、戦利品をですね…」ゴニョゴニョ…

魔法使い「まあ、そう見えても仕方ないわよね…」

商人「さて、本日の鑑定結果は残念な感じだったのですが…魔法使いちゃんがサキュバスと契約しました!!」

盗賊「あのセクシーねえさんだな!!しょーにんとまぎゃくの!!」

商人「そ、そんな事ないよ!!ライバルだよ!!」

魔戦士「ライバル?」プッ

魔法使い「またそういう事言って…コッペロさんの話では、サキュバスを召喚して堕落のマントの力を解放すれば、別の強力なマントに変わるという事だったわよね?」

コッペロ「ええ、私もアイテムが変化する模様を直接見たわけではないのですが、確かな情報ですよ」

非常食「にゃ、では今から試してみるという訳ですにゃ?」

竜王「マントハミセカラカッテキタゾ」

魔戦士「呪いが効かないアタシが解放すれば、万が一があっても問題ないだろう。さ、魔法使い、サキュバスを召喚してみなよ」

魔法使い「ええ――妖しの姿、誘惑の化身、堕落の姿を今ここに――出でよ、サキュバス!!……?」

商人「あれ?出ない?なんで…」

魔法使い「………あ!もしかして、コッペロさんがパーティーにいる間は呼べないんじゃ…」

コッペロ「ええ!?あ、私が召喚枠を使ってるから…」

魔戦士「なんだ、盛り上がりが台無しだな。じゃあおっさんをギガ・バザールに送り届けてからだな。やれやれ…」

コッペロ「いやあ、みなさん。本当に助かりました、ありがとう」

商人「いえいえ、どういたしまして!」

魔戦士「言葉はいらないんだよ、報酬寄越しな」

魔法使い「ちょっと、少しは言葉を選んで…」

コッペロ「では、約束の…」

オーガ「おい、ギガ・バザールのチビども!聞きやがれ!」

非常食「にゃにゃ!?オーガですにゃ!しかも怒ってるようですにゃ!?」

コッペロ「いけませんね、はは、見つかってしまいましたか」

魔法使い「見つかってしまった?貴方一体…」

オーガ「この街に、俺たちが採掘権を持っている場所で勝手に採掘を行った盗人野郎がいる!素直に名乗り出るならよし、さもなくば同等の額の品物を力づくでいただいていくぞ!」

商人「ちょ、ちょっとコッペロさん!?これって…」

コッペロ「あちゃー…ねえ、冒険者さん。どうでしょう?追っ払ってはくれませんかね?」

盗賊「お、いいぞ!!オーガにくたくさんだな!!なんにんまえかな…」ヒイフウミイ…

魔戦士「待ちな、後輩。確かにオーガに後れをとるアタシらじゃないが、流石に数が多すぎる。こんなおっさんの為に命を張る必要は無いね」

魔法使い「その言い方はどうかと思うけど…私達は法を侵した貴方を庇う事は出来ないわ。名乗り出れば許してもらえるようだし、ここは頭を下げた方が…」

商人「うん、悪いのどう考えてもあたし達だよね…」

コッペロ「わかりました、返しましょう…すみません、私です!皆さんが採掘権を持っている場所だとは知らなかったもので…」クドクド…

非常食「うにゃあ、許して貰えますかにゃ?」

魔法使い「大丈夫だとは思うわ。聞く耳を持たないという感じではなかったもの…」

魔戦士「まあな。それにオーガだって別に戦争したい訳じゃないだろう。そりゃあオーガとホビットの戦争ならオーガが勝つだろうが、ギガ・バザールには金があるからね」

商人「なるほど、お金にものを言わせれば戦争だって…あ、コッペロさん解放されたみたい!」

オーガ「てめえ、次にやったら命はないと思えよ!」

コッペロ「というわけで、鉱石は全て取り返されてしまいました。いやあ、悪いことは出来ないものですね――だから、お互いに報酬もありません。まあ、恨みっこなしでいきましょうよ」

魔戦士「おいおい、ふざけるなよ!…ったく、仕方ないねえ」

魔法使い「今回は骨折り損のくたびれ儲けね。ふう…」

商人「コッペロさん、遅いね…確かビルケさん?に呼ばれたって言ってたけど…」

魔戦士「ビルケはかバザールくつくっ屈指の大商人でこの街の元締めだ。ま、きつくお灸を据えられてるんだろうさ」

非常食「うにゃあ、とんでもない事に付き合わされましたにゃあ…」

竜王「モドッテキタミタイダゾ」

コッペロ「いやあ、まいった、まいった!ビルケもグレーな事にはたいがい目を瞑ってくれるんですが、今回は絞られました」

盗賊「ん?しぼられたのにやせてないぞ?」

魔法使い「そういう絞られたじゃないわよ…」

コッペロ「とはいえ、私もオーガと戦争する気はないのでして。ま、厳重注意といった所ですか」

商人「うーん、仕方ないですね…」

コッペロ「そうそう、ビルケに皆さんの事を紹介しておきましたよ。腕のたつ冒険者がいるってね」

商人「え、大商人とのコネが出来たの!?」

コッペロ「後で役員テントに顔を出してみたらどうです?いい儲け話があるかもしれませんよ」

商人「も、儲け話!!行こう行こう!!」

魔戦士「アタシも儲け話は嫌いじゃないねえ」

魔法使い「そうね、じゃあ行ってみましょうか。でも…これってまた頼まれごとをされるパターンじゃないかしら?こんなことばかりしてて良いのかしら…?」

商人「というわけで、ギガ・バザールの元締めビルケさんにフェニックスの羽毛を頼まれたあたし達はニカレス火山にやってきたよ!!」

盗賊「あねごのはなしではここにフェニックスがいるんだぞ!!」

非常食「うにゃあ、フェニックスとはまた強そうなモンスターですにゃあ…」オアー…

魔戦士「何情けない事言ってるんだ、フェニックスの羽毛さえ手に入れられればきっと大商人の事だ、報酬がタンマリ貰えるに違いないさ。冒険者はこうでないとね」

魔法使い「張り切ってるわね…でも私達にとってはフェニックスは未知の魔物、しかもフェニックスの羽毛はフェニックス自身から盗む必要があるらしいわ。上手く行けば良いけど…」

商人「大丈夫だよきっと!!なんとかなるって!!」

魔法使い「お金が手に入りそうだから強気ね…悪いわね竜王、ドラゴンロードの試練の途中だったのに…」

竜王「ダイジョブ」

魔戦士「さて、じゃあ早速行ってみようじゃないか。火山の内部は溶岩が流れてる所もあるらしい、ソーサレオを頼んだよ小娘!」

商人「任せてよ!!コムスメじゃないけどね!!」

魔法使い「ふう…流石に火山の内部は暑いわね…」

非常食「うにゃあ、蒸し焼きになりそうですにゃあ…」オアー…

盗賊「むしやき?こうつごうだな!!」キャッキャッ

非常食「うにゃあ、焼けませんにゃ!!焼けません…にゃ!?」

――何かに遭遇した!

魔戦士「魔物だな!火のエレメンタルに…しめた、フェニックスだよ!!」

商人「しかもまだあっちはあたし達に気付いてない…チャンス!!ミサーマ!!」ポワワーン

フェニックスは眠った

非常食「にゃ、では前衛を倒しますにゃ!!」ドカバキッ

火のエレメンタルは死亡した

盗賊「よーし、まかせろー!!」シュピッ

魔戦士「よし、上手く1回で羽毛を盗めたね、流石だよ後輩!」

竜王「アトハカタヅケルゾ」ドスッ

フェニックスは死亡した

魔法使い「やったわね、拍子抜けなくらいあっさり手に入ったけど…さて、このダンジョンに来る機会ももうないかもしれないし、このまま探索を続けましょう」

商人「あの後もう1つフェニックスの羽毛を盗む事が出来たね、良かった!」

非常食「にゃ、確かヘーメのよろず相談所でもフェニックスの羽毛は欲しがってましたにゃ。1度に2つの依頼がこなせましたにゃあ」

魔戦士「ま、アタシはそっちの依頼はどうでもいいがね。さて、持てるアイテムもあと少しだ、もう少しで…」

――何かに遭遇した!

魔法使い「魔物よ!前衛にブラックシープとマインドフレア、後衛の2体は…両方サキュバスね」

非常食「にゃ、まずは前衛を片付けますにゃ!!」ドカバキッ

ブラックシープは死亡した マインドフレアは死亡した

サキュバスの行動:引き寄せ

商人「わわっ!?あ、あたし達後衛が前衛に引き寄せられて…」

サキュバスの行動:なめらかな指 熱い吐息

商人「あ、ちょ、だ、ダメ、ああっ、あっ…!」

――しばらくお待ちください…

1レベルドレインされた

商人「うう…ひどいよ…」ズウウン

魔法使い「うん、その、気を落とさないで…」

――翌日、ギガ・バザール、役員テント

商人「うう…昨日はヒドい目にあったよ…」グスン

魔戦士「そんなに気にする事かねえ?ほら、それより商売だよ、せっかくフェニックスを相手にして盗ってきたんだ、さぞかし高値で買い取ってくれるんだろうねえ?」

魔法使い「だと良いけど…こんにちは。フェニックスの羽毛を持ってきました」

ビルケ「あぁ、これこれ!ご苦労だったね、これは駄賃だ、取っておきな」ジャラララ…

非常食「にゃにゃにゃ!?こんにゃにですかにゃ!!」

商人「いちじゅうひゃく…ご、ごじゅうまん!?せいぜい十万くらいかなって…」

竜王「サスガダイショウニンダナ」

魔法使い「本当ね、流石に驚いたわ…」

ビルケ「これで、ぐっすり眠れるってもんだ。夜が楽しみだねえ」

商人「よ、喜んでくれて何よりです…うーん、スゴい…」

魔法使い「依頼をこなした甲斐があったわね。紹介してくれたコッペロさんにも感謝しないと…」

魔戦士「あれだけ振り回されたんだ、このくらいあっても良いだろうさ。しかし、こっちは後に来た方が良かったかねえ?どう考えてもヘーメのよろず相談所がこれより金を出すとは思えないからね」

非常食「うにゃあ、先にこれだけ報酬を貰うとガッカリしてしまうかもしれませんにゃあ…」

――ヘーメ協同自治区、よろず相談所

商人「はい、ラットビーさん、フェニックスの羽毛持ってきたよ!」

ラットビー「おお、やるじゃねえか!良いぜお前ら、なかなか見所がある」

魔戦士「ま、ついでだからね。でなきゃこんな金にならない依頼なんてねえ…」

ラットビー「確かに金にはならないが、そうだな…どうだお前ら、この街の書記長に会ってみないか?」

魔法使い「書記長に?また突然な話ね…」

ラットビー「会ってみろよ、な?よし来い!」

非常食「うにゃあ、強引なヒトですにゃあ…」

商人「ホントだね。でも、書記長かあ…また偉いヒトとのコネが出来そうだね!」

盗賊「おいしいもの食べさせてくれるのか?」ワクワク

魔法使い「それはどうかしらね…?まあ、会ってみて損は無さそうだけど、問題は…」

竜王「ホントウニアッテクレルカダナ」

商人「あー、あの様子だとアポなしだもんね…でもまあ、行ってみようよ、ね?」

非常食「にゃ、また何か頼まれないと良いですにゃあ…」

――ヘーメ書記長室

ラットビー「ハッハー、トリンクルテー!」バンッ!

トリンクルテ「げえっ、ラットビー!?」ピュイーン…

商人「あ、妖精さんが逃げた!けど…」

ラットビー「ひさしぶりしゃねえか~」ワシワシ

竜王「ツカマッタナ」

トリンクルテ「やーめーろーよー、はーなーせーよー!」ジタバタ

ラットビー「全く、偉くなったら相談所にも顔を出さなくなってよー」

トリンクルテ「今のボクはヘーメの書記長なんだぞ!昔みたいに…」

魔戦士「ったく、なんなんだこの茶番は」

魔法使い「どうやら二人は昔馴染みみたいだけど…」

盗賊「まるやき、くしやき、すあげ、むしやき…はねはむしって…」ブツブツ…

トリンクルテ「お、おい!?あいつボクを見て何か言ってるぞ!?」

商人「と、盗賊ちゃん!?妖精さんは食べ物じゃないからね!?」

ラットビー「…というわけで、ヘーメの書記長トリンクルテだ。物凄く偉いんだから、失礼のないようにな!」

トリンクルテ「この流れでお前が言っても、何の説得力も無いけどな…それで今日はどんな厄介事を抱え込んで来たんだ?ボクの仕事を増やすなよ!」

ラットビー「いやいや、今日は本当に良い話だ。こいつらを紹介しようと思ってな。いろいろとうちの相談事を解決してくれてるんだが、かなりできる奴らなんだよ」

商人「え?えへへ、それほどでもあるかなー」♪

トリンクルテ「ふうーん…」

ラットビー「でだ。お前が余興で開いてる武術大会あっただろ。こいつらなら、停滞ぎみだった武術大会を盛り上げてくれるんじゃねえかってな」

トリンクルテ「あー、なるほど!それは面白そうだね!」

非常食「うにゃあ、話がどんどん進んでますにゃあ…」

ラットビー「だから言っただろ?じゃあ俺は戻るから、後よろしくな」バタン!

トリンクルテ「じゃあ早速だけど、武術大会やってみる?」

魔法使い「いきなりね…でもまあ、腕試しならしてみようかしら?」

トリンクルテ「そうこなくちゃ!君達の力は、ロンビーノ先生にどこまで通用するかな?はりきって、ゴー!!」

――何かに遭遇した!

商人「わ、いきなり始まった!?ってなにこの子!?リスかな?かわいー!!」

盗賊「こっちもおいしそうだな…」ジュルリ

魔法使い「二人とも、悪いけどこの子は殴らなきゃいけないらしいわよ」

魔戦士「時間制限があるようだな、さっさとやるぞ!!らあっ!!」ザクザクッ

非常食「にゃ、小動物マスコットの座は譲らないのですにゃ!!ふーにゃー!!」ドカバキッ

商人「ええー…そんな座あったんだ…」

魔法使い「さて、私が攻撃してもたかが知れてるし…変化と幻惑の主、その知恵と力を我に貸し与えよ!!出でよ、アークレナード!!」ドゥン!

魔戦士「キツネか、手数があるから良いかもしれないね!」

盗賊「とーぞくはどーぶつばいだだぞ!!」プシャー

竜王「ガアッ!!」ドスッ

商人「あ、もうすぐ時間だよ!みんな、らすとすぱーと!!」

非常食「にゃ、頑張りますにゃー!!」ニャオー

魔法使い「さて、結果はどうだったのか…」

トリンクルテ「おー、やるじゃん!優勝、おめでとう!」パチパチ…

商人「え、優勝!?やった!!」

トリンクルテ「じゃあ、記念品を何かあげないとね。そうだなあ…これなんかどう?」

ハイアセデク公の外套を手に入れた!

魔戦士「なんだ?ずいぶん大層な外套だな」

盗賊「うー、食べるものじゃないぞ…」

商人「まあまあ盗賊ちゃん、これは結構すごいものだと思うよ!…どう使えば良いのかは分からないけど…」

トリンクルテ「また遊びに来てよ。待ってるからさ」

魔法使い「ええ、腕試しにはちょうど良いし、また来ても良いわね」

非常食「にゃ、次はもっと良い結果を出しますにゃ!!」ニャオー

商人「だね!トリンクルテさん、さようならー!!」

盗賊「つぎは食べるぞ!!」ガオー

魔法使い「食べちゃダメだからね…」

トリンクルテ「ダメだなー、ロンビーノ先生を驚かせる位じゃないと」

姉御「ん~、悔しい…あの子達はどのくらい出したの?」

狩人「えっと…なんかこっそり2回やってますね…1回目が4408で、2回目が今の最高記録で…8644!?」

竜戦士「あいつら闘士がいるからなあ、でかい数字は出るし当り外れもでかい」

姉御「で、私達は?」

魔術師「…1939…」

竜戦士「歯が立ってねーな…」

師匠「我々は呪文攻撃がメインですからな、ある程度は仕方ないでしょうな。それに、おそらく1回目は戦闘中に召喚呪文を使ったのを、2回目は戦闘前から出して少しでも手数を増やしたのでしょう」

魔術師「…あと…呪文攻撃が使えなくても…あの人達は…オラースがある…」

姉御「手数を増やす呪文かあ…私達にはないもんね。ん~、でもやっぱり悔しいな…いつか勝つためにも強くならなきゃね!さ、行くよみんな!!」

竜戦士「おお!!負けっぱじゃいらんねーからな!!」ガオー

魔法使い「…よし、サキュバスを召喚したわ、魔戦士!」

魔戦士「ああ、堕落のマントの力を解放してみるよ!」ギュイーン

商人「わ、サキュバスが消え…あ、あれ?マント…変わってない?これって黒夢の外套…!」

非常食「うにゃあ、本当にアイテムが変化しましたにゃあ…」

盗賊「まっくろいマントだな!!まえからまっくろだったけど!!」

魔戦士「どうやらこれはドレインに抵抗があるみたいだね。それに守備力もなかなかのもんだ。クルセイドアーマーに代えてから守備力が気になってたからね、ちょうど良かったよ」

商人「うーん、ドレインに抵抗があるのはうらやましいけど、あたしは魔印とか外せないしなあ…それより、あのドラゴンロードさんの試練だけどさ…」

竜王「コノフロアニチノセイハイガアルハズダナ」

魔法使い「ええ、実は前回来たときに目星はついてるのよね。コッペロさんがいたから調べはしなかったけど…」

非常食「にゃ、血の聖杯とはどんなものなのですかにゃあ。物騒な名前ですにゃあ…」

商人「ちょっと怖いよね。でも行ってみないと…」

魔法使い「さあ、怪しい扉の前に来たわよ」

非常食「うにゃあ、いかにもな扉ですにゃあ…失礼しますにゃ…」ゴゴゴ…ゴオン!

商人「わあ、中暗い…あ、何かあるよ?あれ…台座?の上に…」

竜王「サカズキダナ」

魔戦士「これがおそらく血の聖杯だろうね。これは…以前は血で満たされていたようだね」

魔法使い「ええ、このどす黒い感じはおそらくそうでしょうね。さて…これもおそらくだけれど、私達はこれを満たさなければならないわ」

盗賊「ちをいれるのか?」

魔戦士「そうなるだろうね。まずアタシが…っと、アタシの血は要らないようだね。ほらバカ猫、あんたやってみな」

非常食「うにゃあ、じゃあ…痛いですにゃあ…」ポタポタ…

竜王「イレルゾ」ポタポタ…

魔法使い「少しずつ満たされていくわね。次は私が…っつう…!」ポタポタ…

商人「あ、あたしも…あれ?なんか杯が…」

魔戦士「小娘の血は要らないってさ」

商人「コムスメじゃないし!でもなんで…」

盗賊「じゃあとーぞくは…あれ?とーぞくもだめだぞ?」

商人「どういう事だろ?えっと、確かドラゴンロードのヒトはあたし達だけじゃ出来ないみたいな事を言ってた気がするけど…」

魔法使い「私達だけでは出来ない………もしかしたら、各種族の血が必要なのかしら?でも、それなら何故魔戦士の血は要らなかったのか…?」

魔戦士「ああ、アタシらデビリッシュは――そして恐らく魔傀儡もだが――この世界にとっては不純物だからね、必要なくてもおかしくはないさ」

商人「そうなの!?」

魔戦士「要するに『神々が造った種族じゃない』って事さ。アタシらは神々と敵対する闇の勢力の末裔、魔傀儡は人間達が造った模造生命だ。神々からはあまり良い目では見られてないだろうね」

魔法使い「そう…でももしそうなら、各種族の血が必要という説が有力かしら?となると確かに私達だけでは難しいわね…」

盗賊「あねごたちにもやってもらうよーだな!!」

非常食「にゃ、それにオーガやゴブリンの血も必要ですにゃあ」

商人「となると、コートラストのヒト達にも協力してもらわないと…」

魔戦士「ちっ、とことん面倒な仕事だねえ」

魔法使い「そうね…でも、乗りかかった船だし、最後までやってみましょう。それにしてもこんな大掛かりな…儀式?が必要なんて…この行為の、この聖杯の意味は何なのかしらね…」

魔戦士「…うん、さっき後輩が盗んでくれたこの鮮血のダガー、サブ武器としてはかなり良いね」シュッシュッ

盗賊「おやすいごよーなんだぞ!!」

商人「うーん、種族的に大丈夫とはいえ、よくそんなザ・呪いみたいなダガー装備出来るよね…」

魔法使い「デビリッシュの特権よね、私達には…」

――何かに遭遇した!

非常食「にゃ、マスタープリーストですにゃ!」

魔戦士「アンクが盗れるよ後輩!」

竜王「マズトナリノテキヲカタヅケルゾ」ドスッ

――マスターアルケミストは死亡した

盗賊「よーし、ぬすむぞー!!」シュピシュピシュピシュピシュピッ

非常食「にゃ、盗み終わったなら倒しますにゃ!!」ドカバキッ

――マスタープリーストは死亡した

商人「やったね盗賊ちゃん!アンク見せて…あれっ!?知恵のアンクだけない…」

魔法使い「盗賊がすでにアイテムを1つ持ってたから全部盗みきれなかったのね。それにしても知恵のアンクだけがないなんて、不運ね…」

――マーシャの酒場

商人「はい、鑑定終わりー。今日はこの新月の外套が出たけど、装備したいヒトいないよね…」

魔戦士「アタシと竜王は闇耐性は間に合ってるし、バカ猫は防御力低下の邪魔だし、後衛にも装飾品の余裕は無いねえ」

魔法使い「まあ、闇属性への完全耐性があるんですもの、今は必要なくてもいずれ欲しくなるかもしれないし…」

姉御「お、今日も冒険してたね~」

盗賊「あ、あねご!!」ビシッ

商人「あ、姉御ちょうど良い所に!実はかくかくしかじかで…」

姉御「ふーん、色んな種族の血が必要なわけなんだ?良いよ、それくらいなら」

師匠「ふむ、しかし我々が狩人殿かデク殿を外して錬金術師殿を連れていっても足りない種族がありますな」

魔戦士「オーガとゴブリンは、面倒だがコートラストを当たってみるよ。だが残るフェアリーがいないね」

竜戦士「フェアリー?フェアリーならついさっき冒険者登録済ませたばっかの遊楽者が居たぜ、ほら、あそこによお」スッ

???「あ、皆さんお久しぶりです~」ノシ

魔法使い「え!?あ、あの方は…!?」

商人「な、なんでこんな所に居るの!?」

魔戦士「なんだい、あんたらの知り合いかい?」

盗賊「ルビスさまっていうへっぽこだぞ!!」

ノレビス「へっぽこ!?あ、私ルビスじゃなくてノレビスですから!」

商人「はあ、またそれですか…」

非常食「にゃ、この方はどのような方なのですかにゃ?」

ノレビス「メインヒロインです!!ヒロインは遅れてやって来るんです、ピンチに!!」ドヤッ

魔法使い「それヒーローじゃないかしら?それにピンチという程でもないけど…」

商人「そうそう、あとめいんひろいんあたしだし!!」

姉御「ねえねえ、キミ達と知り合いって事はこのヒトもキミ達が前にいた世界のヒトなんだよね?」

ノレビス「ええ、この人達には私の世界を救ってもらったんですよ!」

魔術師「…私の…世界…?」

ノレビス「ええ、私世界の創造主ですから!」ドヤドヤッ

狩人「なんつーか…個性的っすね…」

魔戦士「全くだ、随分痛々しいのが知り合いなもんだねえ」

ノレビス「痛々しい!?そんな、ひどい…」

魔法使い「そういえばノレビス様、今回は一人なの?」

ノレビス「ええ、あんまり人数が増えると色々大変だろうなと思って!」

商人「あー、まあ…」

盗賊「せっかくきてもどのパーティーにもはいれないぞ!!ひとりたびか?」

姉御「ああ、それならたまになら私達が連れてってあげるよ。たまにね」

ノレビス「はい、貴方はそう言ってくれると思ってました!」

狩人「そこまで分かってるなら前衛職の方が良かったんすけど…なんで遊楽者なんすか?」

魔法使い「大方『遊』の字に惹かれたんでしょう?」

ノレビス「え!?そそそそんな事はないですよ!?」

魔術師「…惹かれたのね…」

ノレビス「えっと、本当は神女とかが良かったのかな~とは思ってたんですけど、ほら、神女とか僧侶って神に仕えるものって感じじゃないですか?ほら、私どっちかと言うと神じゃないですか!」

魔法使い「………」

姉御「あはは、本当に面白いねー!!キミ達の世界ってこんな面白いヒトたちばっかりなの?」

商人「えっと、ごめんなさい、一緒にして欲しくないです…」

――翌日、ニカレス火山

商人「と、いうわけであたし達は今日ニカレス火山にやって来ましたー!」

魔法使い「何が『というわけで』なのよ…」

非常食「うにゃあ、オーガとゴブリンを仲間にするためにコートラストに行ったのですにゃ…」

魔戦士「そしたら何故か逆にここで売ってるハイ枝切りバッシャーを買ってくるように頼まれた、と。ったく、アタシらはいっつもいっつも良いように使われてるねえ」

魔法使い「まあ、頼まれたものは仕方ないわね…何だかどんどん目的から遠ざかっていってる気もするけど…」

盗賊「ぶどーがとれないのはいちだいじだぞ!!えだきりはひつようだぞ!!」

商人「うーん、あんなになってるんだから高いところにあるいくつか位採れなくても、とも思うけど…それより魔法使いちゃん、ノレビス様放っといて良かったの?」

魔法使い「まあ、良くはないのかもしれないけど…正直、ノレビス様に構ってると話が進まないのよね…」

盗賊「めんどくさいからな!!」

商人「あー、うん、そうだね…」

――マーシャの酒場

姉御「よし、じゃあデクにはお留守番してもらって、代わりに錬金術師をパーティーに入れて…よし、じゃあハダーリマスに出発するよ!」

ノレビス「って、待って下さいよ!私も連れてってくれるんじゃないんですか?」

姉御「ああ、あの子達がオーガとゴブリンを連れて来るって言ってたから、ぽんこつ女神様はその時連れてくから」

ノレビス「ぽんこつ女神!?」

狩人「だから前衛職にしておけば…」

師匠「ノレビス様、今回はパーティー編成の都合で仕方なくこういう形をとらせていただいています。何卒ご理解を…」

姉御「そうそう、それにハダーリマスはレベル1だと大変だよ?ただでさえぽんこつなのに」

ノレビス「わ、私はぽんこつじゃありません!きっと他の誰かです!!」

錬金術師「おや、じゃああたいって事にしようかねえ。ぽんこつとはいえ女神なんて嬉しいねえ、あはははは!!」

狩人「…竜戦士さん、突っ込んで下さいっすよ…」

竜戦士「明らかに面倒そうじゃねーか、お前がやれよ…」

魔術師「…この世とあの世の境目に、地獄の神様こんにちは、嬢ちゃんこっちへいらっしゃい…」ブツブツ…

竜戦士「おいぃ!!いくら煩いのが嫌いだからってゼフェフス撃とうとしてるんじゃねーよ!!おめーのそういうとこおかしいからな!?」

狩人「そもそも魔術師さん僧侶呪文使えないじゃないっすか…」

商人「えっと、確かハイ枝切りバッシャーはこの火山でサイクロプスが売ってるっていう話だったよね?」

魔法使い「ええ、地下に行くとマグマで熱いから、恐らく地上のフロアにいるんじゃないかと思うんだけど…」

非常食「にゃ、なかなか見つかりませんにゃあ…」

盗賊「…ん?ここ、なんかへんだぞ!!」ゴソゴソ…

魔戦士「変?お、後輩、そいつはシークレットドアじゃないかい?」

竜王「ココカラサイクロプスノトコロニイケルカモナ」

商人「あー、サイクロプスの鍛冶屋さんなんていかにも人里離れた所好きそうだもんね、こういう分かりにくい所にいてもおかしくないかも!」

盗賊「よーし、じゃああけて…わ!!ゆかがないぞー…」ピュィーン…

非常食「ふ、ふにゃー!?落ちますにゃー!?」ピュィーン…

商人「ひ、ひえー!?な、なんでこんな目にー…!」ピュィーン…

魔法使い「…っつう…ここは…地下1階ね…」

魔戦士「シークレットからの落下とはね、性格悪い仕組みだねえ…お、ほら見てみなよ。梯子があるよ。地下へのね」

竜王「イママデイケナカッタトコロダナ」

魔法使い「そうね…でも更に進んで良いものかしら?恐らく、いえ間違いなくこの先にサイクロプスの鍛冶屋は居ないわよ」

盗賊「ぼーけんしゃたるものみちがあったらすすむんだぞ!!」

魔戦士「あはは、そうだね。アタシも後輩と同意見だ。それに、コートラストやここの北側でもいくらか宝を手にいれて来たからね、どっちにしろ今日はそう長く冒険は出来ないさ。なら…」

商人「ちょっと未知のフロアを覗いてみよう、っていう訳だね?あたしもそれが良いかなあ」

魔法使い「そうね…じゃあ進みましょうか。せっかく今まで来られなかった所に行けるんですものね」

魔戦士「ああ、もしかしたら凄いお宝があるかもしれないしね」

非常食「うにゃあ、凄く恐ろしい魔物が居たりしないと良いですにゃあ…」

商人「あー、それはちょっと不安かも…」

非常食「うにゃあ、暑いですにゃあ…」

商人「うん、しかもここ、フェニックスとか火のエレメンタルとか熱々のモンスターばっかりだし…」

魔法使い「まあ、暑い所に火属性の魔物が集まるのはごく自然な…」

――何かに遭遇した!

盗賊「おお!?なんだこいつ、へびか?ドラゴンか?」

竜王「ヤタラナガイナ」

魔戦士「こいつは…ルーツレステイルとか言ったか?確か…」

ルーツレステイルの行動:アルゲイズ

商人「わ、わー!?じ、地割れが…!落ちる落ちる落ちる!!」アタフタ

非常食「にゃ、にゃー!?あ、危ないのですにゃ!!」

魔法使い「…ふう、危なかったわ。みんなは無事?」

商人「だいじょーぶ!!即死系には即死系だよ――虚ろなる者よ、地の底より来たりて魂の緒を刈れ!!ゼフェフス!!………あれ?」

竜王「フハツダナ」

魔法使い「貴方、本当に即死系の呪文好きよね…何がそんなに貴方を惹き付けるのかしら…?」

商人「…はい、鑑定終わりー…あーあ、今日は+2素材が2つあった以外は何も収穫無しだよ…」フゥ…

非常食「うにゃあ、こんな時もありますにゃあ」

ノレビス「へえー、この世界にも面白いモノがたくさんありますね~」ガチャガチャ…

盗賊「ノレビスさまおいてかれたのか?せんりょくがいつーちだな!!」

ノレビス「そ、そんなことありませんよ!?また次の機会には連れてってもらえるんです!」

魔法使い「そういえばルビス様はなんでノレビスと名乗っているの?ここで偽名を使う必要は無いわよね?」

ノレビス「え?それはそうですけど、ノレビスと名乗るといかにも冒険者です!!っていう感じで気が引き締まるんですよね!」

魔戦士「気が引き締まる、ねえ…」

ノレビス「それに、この名前で冒険した時の美しい思い出を無下には出来ませんし!」

盗賊「うつくしいおもいで…?あそびにむちゅーになっててカラスとかアリクイとかにころされたのがうつくしいのか?」

ノレビス「そ、それは…!こ、今回はあんな事ありませんから!」

魔法使い「だと良いけど…その懐のタロットが悪さしそうで怖いわね…」

姉御「…よし、みんな血は注いだわね?じゃあついでに探索していきましょう」

錬金術師「お、良いねえ、フィールドワークは久しぶりだよ。レベルも上げたいしねえ」

狩人「錬金術師ともなると大体錬金倉庫に入り浸りっすもんね。まあ錬金術師さんは酒場にも入り浸ってるっすけど…」

師匠「しかし、レベルを上げたいのは我々も同じ。特に私は早く蘇生呪文を扱えるようにならないといけませんからな」

竜戦士「だなあ、結局の所あいつらと差がついたのは蘇生呪文の有無だよなあ。誰か死んだら即引き返すようじゃ、なかなか探索も進まねーもんな」

魔術師「…僧侶でも…仲間にすれば…」

姉御「そうだね、それかせめてデクがリカバリー使えれば良かったけどね。でもこういう回復に困るパーティーって誰かさん好みだからね、仕方ないよ!」

竜戦士「誰か知らねえがドM野郎だなそいつは…」

魔術師「…死ねば良いのに…」

錬金術師「誰の事か分からないけど散々に言われてるねえ、きっと人徳もないんだね、あはははは!!」

狩人「本当、誰の事なんすかねえ…?」

商人「あ、姉御達だ、おかえりなさーい!」

姉御「ただいま、あー、疲れたよ!」

狩人「まあ、錬金術師さん以外はレベルも上がりそうだし、良かったじゃないっすか」

盗賊「ん?おばさんレベルあがらないのか?」

竜王「ああ、探索始めてすぐに死んじまったからな」

非常食「にゃ、その錬金術師さんはどこですかにゃ?」キョロキョロ

師匠「ああ、何でも酒場に行くと稼いだお金がすぐに消えてしまうので、先に寺院に寄付してくると…」

ノレビス「へえー、意外と堅実なんですね~」

商人「そうだね、ノレビス様とは違うみたいだね」

ノレビス「なっ!?わ、私だってケンジツですよ!?むしろケンジツの女神ですよ!」

魔法使い「タロットを使いたくてうずうすしてるヒトが堅実と言えるのかしらね…?」

盗賊「ん?おるすばんのせんりょくがいにはつげんけんはないぞ!!」

ノレビス「そんな、ひどい…」

魔戦士レベル37「今日も枝切りなんとかを探すのかい?こんな事してるヒマあるのかねえ?」

魔法使いレベル26「とはいえ、受けてしまったからね…今日見つかれば良いけれど…」

竜王レベル29「ツゴウヨクイケバイイケドナ」

商人レベル31「でもこの寄り道のおかげでレベルも上がってるし…ほら、あたしあと一息でハイマスターだよ!」

盗賊レベル40「おー、すごいな!!とーぞくはとっくになってるけどな!!」ドヤッ

非常食レベル30「うにゃあ、みぃはもう少しかかりそうですにゃあ…」

魔法使い「盗賊はずいぶん上がったのね…こちらの世界の盗賊はレベルが上がりやすいとはいえ…」

商人「魔法使いちゃんと竜王ちゃんの転職組はまだ少し低いね、仕方ないけど」

魔戦士「竜王はドラゴニュートの君主だからね、転職してなくとも上がり方は遅かったろうさ」

商人「そっかー…あれ?竜王ちゃん、元気ないね…?」

竜王「ドラゴンロードタニシゲ…」ショボーン

盗賊「きっとじゅーでんしてかえってくるからげんきだすんだぞ!!」

魔法使い「誰の話かしら…?」

魔戦士「おいおい、サイクロプスの鍛冶屋とやら、どこにもいないじゃないか!」イライラ

非常食「にゃ、にゃあ…お嬢様、落ち着いてですにゃ…」オアー…

商人「でもホント、どこにいるんだろ…もしかしたらやっぱり下の階なのかなあ?」

魔法使い「あんな暑い所には…と思ってたけど、サイクロプスには関係ないのかもしれないわね…そういえば非常食、さっき盗賊が盗んだ鷹の爪はどう?」

非常食「にゃ、サブ武器としてはなかなかですにゃ。今まで使ってた魔獣の爪+1よりも良さそうですにゃ」

商人「良かったね!さっき知恵のアンクも盗めてたし、盗賊ちゃんは絶好調だね!」

盗賊「でももちものいっぱいだぞ!!あとおなかへったぞ!!」

魔法使い「そう、ならそろそろ戻って…え!?い、いけない、シュートが…!」

商人「わ、お、落ち…!!?」

*だが 浮いている*

竜王「ソーサレオカケテタナ」

商人「あ、そ、そうだった、忘れてた…でもこんな所にシュート?今日はもうムリだけど、明日はシュートで落ちた先を調べなきゃダメかなあ…?」

魔法使い「…シュートに落ちる前にもう少しこのフロアを調べてみたけれど…やっぱり何もないわね…」

魔戦士「おまけにどっかのバカ猫はまたサキュバスに魅了されて竜王を殺すしねえ。ほら、あんたと一緒に入る鍋の具は何がいい?それくらいは選ばせてやるよ」ゲシゲシッ

盗賊「にくっていえ、にくって!!」ゲシゲシッ

非常食「うにゃー!?もうしませんにゃ!!もうしませんにゃ!!」オアー…

魔戦士「あんたのもうしないは聞きあきたんだよ!さ、そこに座んな、まず皮を剥いてやるよ」チャキーン

非常食「うにゃー!!助けて欲しいのですにゃ!!」ジタバタ

商人「や、やめなよ、可哀想だよ!!」

魔法使い「そうよ、その辺にしておきなさいよ、全く…」

魔戦士「分かってないねえ魔法使いは。アタシはね、このバカ猫の所有者としての責任を果たそうとしてるだけさ。アタシだって断腸の思いなんだよ?」ニヤニヤ

魔法使い「とてもそうは思えないけど…ほら、早く先に進むわよ。せっかく姉御達に手伝ってもらったのに、肝心の私達が手間取っていたら申し訳ないもの…」

竜王「ケッキョクシュートカラオチタナ」

魔法使い「あれ以上あのフロアを探しても仕方なさそうだものね…でも、こんな暑い所に誰か住んでるものなのかしら…?」

魔戦士「ま、サイクロプスの鍛冶屋らしいからね、アタシらとは暑いと感じるラインが違うのかもしれないよ」

商人「うーん、そういうものかなあ…あれ?ここ、この部屋…なんか他と違うね?もしかして…」

竜王「ダレカスンデルカモナ」

魔法使い「本当にこんな所に…?失礼して…あ、サ、サイクロプス…!」

サイクロプス「なんだ…?俺の作ったブツでも欲しいのか…?19800G.Pだな」

商人「わ、結構高いね…」

魔戦士「仕方ないねえ、非常食!あんた払いな。さっきのヘマはそれで勘弁してやるよ、安いもんだろう?」

非常食「にゃ!払いますにゃ!!喜んで払いますにゃ!!」ジャラジャラ…

サイクロプス「…持ってけ」

盗賊「おー、これがぶとうしゅーかくばさみか?」

魔法使い「ハイ枝切りバッシャーね。これは武器としても使えそうな出来映えね…」

魔戦士「全くだね。さ、バカ猫、まずはあんたの首で試し斬りだよ、そこに直りな、」スチャッ

非常食「ふにゃー!?約束が違いますにゃー!!」

商人「はい!!来ましたハイマスター!!」バーン

盗賊「おー!!おいわいにおにくをよういするぞ!!」チャキーン!

非常食「にゃ!?にゃぜ包丁を用意しながらみぃを見るのですかにゃ!?」

魔戦士「何故って、手頃な肉があんたしかないからさ」

魔法使い「その辺にしなさいよ…司教のハイマスターは呪文の威力が上がるのよね?」

商人「そう、魔術師の魔法の攻撃力と僧侶の魔法の回復力両方上がるの!!上がり方はそれぞれの専門には敵わないけど…でも両系統威力が上がるのは司教だけだよ!!」

盗賊「おー、なんかすごそうだな!!」

魔法使い「実際凄いのよ、そもそも呪文の威力がレベルで上がるのは司教と魔術師、あと僧侶だけだしね」

魔戦士「ま、これからアタシらの体力も上がってくれば、今までの回復量では間に合わない可能性もあるからね。少しでも威力が上がるのは良いことだよ」

竜王「ロードハアガラナイカラナ」

魔法使い「仕方ないわね、ロードはロードで強力な能力があるのだから…さて、今日はまずコートラストね」

盗賊「ぶどーしゅーかくばさみをもってくんだな?」

商人「そうそう、このハイ枝切りバッシャーを渡せば、きっとオーガとゴブリンのヒトたちも仲間になってくれるよ!そしたらドラゴンロードの試練もクリアだね!」

魔戦士「ったく、長かったよ。さ、さっさと行って済ませるよ。アタシらにはやることがたくさんあるんだからね」

手入れ人「お、噂をすれば…」

バルモア「なんだ、お前達に頼んでたのか」

非常食「にゃ、前に戦ったヒトたちですにゃ?」

ヨグマ「ここに来たということは、ハイ枝切りバッシャーを持ってきてくれたのか?」

商人「へへー、はい、これ!」シャキーン!

手入れ人「ありがてえ!これで収穫が出来るだよ!」

ヨグマ「貸しが出来たのう。困った事があったら、3階の玉座まで来ると良いぞ」

バルモア「ぶっちぎりで力になるぜ!!」

「はい!じゃあ早速…ティオメンテ!!」キィーン!

――コートラスト要塞、3階

ヨグマ「なんじゃ、早速困りごとか?」

商人「はい!かくかくしかじかで…」

ヨグマ「そうか、では儂らが仲間に…っと、このままではパーティーに空きがないのう。パーティーの人数を減らしてきてくれんと一緒に行けんぞ」

非常食「うにゃあ…そうでしたにゃあ…」

バルモア「お前ら…ぶっちぎりでバカだろ…」

姉御「…で、仲間に出来ずに引き返して来たんだ?キミ達って意外と抜けてるよねー」

魔法使い「返す言葉もないわ…」

姉御「じゃあ4人パーティーでまた行くようなんでしょ?良かったら私達が行ってあげるけど?どうせそこのぽんこつ女神様も私達が連れてくつもりだったし」

ノレビス「ぽんこつじゃないですよ!?可愛いげがあるだけです!」

魔戦士「ああ、そうしてもらえるなら良いねえ、手間が省ける」

ノレビス「スルー!?そんな、ひどい…」

師匠「しかしそれでは最後の手柄だけを我々が奪うようで申し訳ない気もしますな」

姉御「それもそっかー…じゃあこうしよう、私とぽんこつ女神様と魔法使い、貴方が一緒に行くの!これなら良いでしょ?どう?」

魔法使い「それは…私は構わないけど…」

竜戦士「姉御とそっちの魔法使いとぽんこつにオーガの戦士、ゴブリンの司教ってか?とんでもねえでこぼこパーティーだなおい!」

姉御「何言ってるの?キミも行くの!前衛が一人空いてるでしょ?」

竜戦士「はあ!?いや、俺は遠慮いでででで…!」

姉御「よし、満場一致だね!じゃあ早速、まずはコートラストからだね!!」

商人「うわあ、強引…いつもこうなのかなあ…?」

魔法使い「…さてと、ティオメンテで玉座の間に来たけれど…」

竜戦士「へえー、あんた召喚師なのに魔術師呪文と錬金呪文まで使えるのか、やるなあおい!」

ノレビス「私もそのうち魔術師呪文使えるようになりますよー。あ、タロットなら今すぐにでも…」

姉御「それは後でね!さあ、オーガとゴブリンを仲間に入れよう、こんにちはー!!」

ヨグマ「おお、また来たのか。今回は空きがあるようだな、よろしい、同行させてもらおう」

バルモア「俺様が力を貸すからには全力でぶっちぎりだ!!良かったな!!」

姉御「よろしくね!よし、じゃあ早速ハダーリマスに行くよ!」

ヨグマ「ほう、ハダーリマスに何かあるのかな?」

魔法使い「実はこういう訳で…」

バルモア「なるほどな!!俺様の血ならぶっちぎりですげえ!!試練とやらもぶっちぎりだぜ!!」

ノレビス「私の血も凄いですよ~。もう本当、こう…とにかく凄いんです!!」

魔法使い「二人とも何も具体的な話が出てこないんだけど…」

姉御「あはは、良いんじゃないの?さあさあ、この乗りと勢いでハダーリマスまでレッツゴー!!」

ノレビス「はーい、頑張りますよ~」

竜戦士「不安しかねえんだけどな…」

――マーシャの酒場

盗賊「…モグモグ…まほーつかいと…モグモグ…あねごは…モグモグ…なかよくやってるのか…?」モグモグ…

師匠「聡明なお二人の事です、上手く折り合いをつけるでしょう」

魔戦士「聡明ねえ…ま、あっちは知らないが、魔法使いは誰彼構わずケンカするようなガラじゃないだろう」

狩人「そっすね、こっちのリーダーもまあ、ケンカとかはしないっすよ、ケンカとかは…」

魔術師「…もしもの時の…為の…サンドバッグも…連れてった…」

商人「さ、サンドバッグって竜戦士さんの事?酷い…」

非常食「心の底から同情しますにゃ…」

竜王「キョウダイ…」

魔戦士「ま、確かにサンドバッグは必要だね。さ、非常食、こっちにおいでよ」ニッコリ

非常食「にゃー!?にゃぜこのタイミングで呼ぶのですかにゃ!?」

姉御「さあ、これが血の聖杯だよ!3人とも、ちゃちゃっと血を注いで!それとも私が血を出させてあげよっか?」ニッコリ

バルモア「なんだかぶっちぎりでヤバそうな予感がするぜ!!俺は自分でやるぜ!!」ポタポタ…

ヨグマ「では、儂も…」ポタポタ…」

ノレビス「ノレビスのスペシャルな血が入りますよ~!」ポタポタ…

魔法使い「さて、これでおそらく全ての種族の血が注がれたと思うけど…あら?聖杯が…」

竜戦士「おいおい、聖杯が光ってるじゃねえか!?血を注がれて光る聖杯ってまともなモンなのか!?」

姉御「あはは、危ないものかもねー!でも、これで試練とかいうの終わりでしょ?」

魔法使い「ええ、おそらくは…でも、こんな事をする意味って何なのかしら…」

姉御「もー、難しく考えすぎ!!それより、せっかく変わったメンバーで来たんだから、ちょっと冒険してこうよ!!ほら、北の方まだ地図が埋まってない所あるし!ね、キミもそう思うよね?」ギリギリギリ…

竜戦士「いだだだだだはい!!俺もそうしたいと思ってたから!!思ってたから!!」ギャーギャー

バルモア「あいつ、ぶっちぎりでヤバイな…」

ノレビス「いえいえ、女性はああでないと~」

魔法使い「…そういうものかしら?いえ、考えるだけ無駄な気もするわね…」

――何かに遭遇した!

竜戦士「っしゃあ、やるぜオラァ!!」ザクッ

バルモア「ぶっちぎりで叩きのめすぜ!!」ザンッ

ヨグマ「後衛の相手は儂が…ラミサーマ」ポワワーン

ノレビス「よーし、タロットです~!みんなみんな、私に夢中になーれ!!恋人!!」ジャン!

モンスターは魅了された

魔法使い「成功した…?ノレビス様、成功したのはいいけれど、あまりタロットは…」

ノレビス「更に更に~、命中率アップ!!星!!」ジャン!

――ドロー失敗 モンスターの命中率が上がった

魔法使い「ノレビス様!!タロットは引けば引くほど成功率がさがるのよ!!」

ノレビス「あ、あれー!?」

姉御「あ、待って!魅了で味方を攻撃するようになった敵が命中率上がったっていうことは…」

ウンディーネの行動:水泡弾 ウンディーネは死亡した

ノレビス「す、凄いですよ!!コンボですよ!!ほら、私の必殺ニューコンボ!!」キャッキャッ

魔法使い「たまたま全てが上手くいっただけじゃない…いつもこう上手くいくとは限らないのに、これで調子に乗ってタロットを連発しないといいけれど…」

ノレビス「うふふ~、やっぱりタロットって凄いです!!この調子で…」

――何かに遭遇した!

姉御「前にキメラ、後ろがタイガーレディ、サキュバス、デーモンヴァルキリーかあ、ちょい厄介かもね」

魔法使い「そうね、まずは…」

ノレビス「はいはいはーい!!タロット使いまーす!!恋人!!」ジャン!

ドロー失敗 冒険者達は魅了された

バルモア「うおー!!じじい、ぶっちぎりでぶったぎるぞ!!」ザンッ

ヨグマは死亡した

魔法使い「…っ!?な、何が起こったの…?」

ノレビス「うふふ~魅了しちゃいましたよ~うふふ~」キャッキャッ

魔法使い「…全く、こうも予想通りにしでかすなんて…」

バルモア「うおっ!?何がどうなったんだ!?」

魔法使い「正気に戻ったのは私とバルモアだけ…?それにしても、なんで魅了されたヒトって回復係を真っ先に攻撃するの?このままじゃ全滅よ、マハマハ!!」ポゥーン

――撤収した

商人「あ、お帰りー!…あれ?ノレビス様とヨグマ…さんは?」

魔法使い「それなんだけど…竜王、ちょっと寺院まで来てくれる?」

姉御「二人死んじゃってさ、蘇生をお願いしたいの!」

竜王「ガッテン」

師匠「ふむ、大変な冒険だったようですな」

バルモア「ああ、俺様がいなければぶっちぎりでやばかったな!!」

竜戦士「俺はもうこのメンツでの冒険はごめんだな。いや、このメンツってーかあのぽんこつと一緒はな…」

盗賊「ノレビスさまか?やっぱりへっぽこだな!!」

姉御「そう?私はたまになら面白いかなって思うけど!」

竜戦士「はあ!?俺は絶対にいやだだだだだ…!!」ギリギリギリ…

魔術師「…サンドバッグを連れてって…正解だった…」

狩人「まあ、そういう事なんすかね…」

ノレビス「ただいまー!!みんなのノレビス、今帰りましたよ!!」

非常食「うにゃあ、お疲れ様ですにゃあ…」

ヨグマ「全く、小僧のせいでとんでもない目にあったわい」

バルモア「俺様のせいじゃねえだろ!!ぶっちぎりであいつのタロットのせいだろ!!」

魔法使い「全くよ、まさかタロットしか使わないとは思わなかったわ…」

竜戦士「何がひでえって、このぽんこつフェアリーだからレベル1でも素早さがそこそこあって、敵を全滅させる前にタロットが使えちまうって所だよな…」

ノレビス「でもでも、私タロットで必殺技を開発したんですよ!!恋人でみんな魅了してからの星失敗!!名付けて惑星ノレビスター!!」ドヤドヤッ

魔術師「………?」

ノレビス「あ、分からないですか?惑は誘惑の惑で、魅了の事じゃないですか、それに星のスターをかけて…」

狩人「いや、別に説明してもらわなくても…」

姉御「っていうかダサいね!!」

魔戦士「本人並みに痛々しいね」

魔術師「…センスのかけらも…ない…」

盗賊「やっぱりノレビスさまはへっぽこのダメダメだな!!」

ノレビス「総スカン!?そんな、ひどい…」

ロンデルギウス「お…おお…!なんという勇者、なんという魂!!未だ成功者のない、我輩の試練を、こうも乗り越えるとは!」

竜王「アリガタキシアワセ」

商人「やっぱりまたかしこまってる…」

ロンデルギウス「ところで、お前達は感じているか?ハダーリマスに眠る、忌まわしき力を。今まで眠りについていたようだが、血の聖杯を満たした事により…目を覚まそうとしている!!」

魔戦士「はあ!?どういう事だい!?」

ロンデルギウス「うーむ、さすがの我輩といえども、こんなことは想像もしていなかったぞ。さて、困ったな…」

魔法使い「ちょっと!困ったな、で済まされる話じゃ無いんじゃないの!?」

ロンデルギウス「………よし、お前達!あの気配の正体を確かめて来てくれ!」

非常食「にゃ、なんだか思い付きで言ってるようにゃ…」

ロンデルギウス「それが、我輩からの究極の試練!最高級の魂の伝導!!汝、勇者であれ!!」ガオー

盗賊「ん?またしれんなのか?」

魔法使い「ああもう、全く面倒な事に足を突っ込んだものね。今更止められないし…」

商人「ホントだね…しかも今回は大変そうだし…」

魔法使い「さて、忌まわしき気配というのはいまいち分からないのだけれど…気になる所といったら…ここよね」

非常食「にゃ、以前『見てはならぬ、聞いてはならぬ』と言われて入れなかった部屋ですにゃ?」

商人「ここかあ…ちょっと怖いなあ…」

盗賊「おいしいものがあるかもしれないぞ!!」

魔戦士「ま、目を覚まそうとしているって事は、まだ覚めてないかもしれないからね、その時は目覚める前にタコ殴りすれば良いさ」

魔法使い「それはちょっと気が引けるわね…」

竜王「ハイッテミルゾ」ギィ…

商人「わ、真っ暗!?あ、な、な、何か奥に…う、動いた!?」

――二人で参れ…

盗賊「へ?あ、と、とばされるぞー!?」

魔法使い「ま、また!?す、凄い力だわ、やっぱりこの部屋の主が忌まわしき気配の正体なの…?だ、ダメ、飛ばされ…」ギャオーン…

商人「うーん、二人で参れ…なんて言われたけど、誰と誰が行けば良いのかなあ?」

魔法使い「そうね、一人はやっぱり…私が行くわ」

盗賊「まほーつかいが?だいじょーぶなのか?」

魔法使い「まず第一に、あそこに行く二人は、あそこに辿り着くまでに無事でいなければならないわ」

商人「あ、そっか。なら移動魔法を使えるあたしか魔法使いちゃんのどっちかは必要って事だよね?でもそれなら回復魔法を使えるあたしの方が…」

魔戦士「いや、正直今回は無事で帰れない可能性もかなりある。なら、小娘よりは魔法使いが行った方が次回以降の対策を立てやすいだろうさ、頭のできを考えればね」

商人「あたしコムスメじゃないけど、対策とか言われるとなあ…じゃあ、もう一人は…?」

竜王「コウゲキリョクノアルヤツダロウナ」

魔戦士「ああ、それでいて壁になれる奴…あんたが行っといで、非常食。やる事は分かるね?」

非常食「にゃ、みぃの連撃で敵を倒しますにゃ!!」

魔法使い「よし、じゃあ明日は私と非常食でハダーリマスに行きましょう。あまりいい結果は持ち帰れないかも知れないけれどね…」

商人「うーん、あの二人、そろそろあの場所に着いたかなあ?」

魔戦士「そろそろ着いただろうさ、その為の魔法使いでもあるからね」

竜王「ティオメンテガアルカラナ」

盗賊「あのふたりでよかったのか?しぬかのーせーがたかいならしょーにんのほうが…」

商人「どういう意味!?」

魔戦士「ま、それも間違っちゃいないだろうが、魔法使いにはもう1つ考えがあったんだと思うよ」

盗賊「おー、ひさくってやつか!!」

魔戦士「魔法使いは召喚師だ、召喚モンスターを上手く使おうっていうハラだろうさ。戦闘中に出す分には問題ないだろうし、上手くすれば召喚枠は数に入っていない可能性さえある」

商人「あー、なるほど!!さすが魔法使いちゃん、そこまで考えてたんだあ!」

魔戦士「ま、アタシの推測だけどね。でも魔法使いなら考えてるはずさ」

竜王「サスガダナ」

ノレビス「ホントですね~。我が世界を救った英雄は考えることが違いますね!」

商人「あ、ノレビス様いたんだ…」

盗賊「ノレビスさまはなんでなかまっぽいかんじではなしにはいってきたんだ?ノレビスさまはこっちじゃないぞ!!」シッシッ

ノレビス「そんな、ひどい…」

非常食「うにゃあ、やっぱり二人だけとなると心細いですにゃあ…」

魔法使い「大丈夫よ、ここに来る前に錬金術師に骨のスリッパをつくってもらったもの、例えここで死んでも町に帰れるわよ」

非常食「死ぬこと前提なんですにゃあ…昔々、帰りの食料も持たずに遠くの島へ旅立った船乗り達の話を思い出しますにゃあ…」

魔法使い「その船乗り達は勇敢だったのか、愚かだったのか…?私達はどちらかしら?さあ、まずは召喚をするわ、そうね…様子を見たいから、最初はアークメイドね、来なさい!!」ドゥン!

非常食「にゃ、これで3人ににゃりましたが、あの扉の向こうに行けますかにゃあ…」ガチャリ…

魔法使い「…!通れた…という事は…」

非常食「にゃ、召喚枠は数に入らないのですにゃ?良かったですにゃあ…」フニャー…

魔法使い「ええ、では進んでみま…な、何!?この気配、あの姿…!」

非常食「にゃ、にゃんにゃのですかにゃ!?ドラゴンのようにも、魔獣のようにも見えますにゃ!?」

魔法使い「どうやら鎖で繋がれてるようだけれど…あの鎖、もう朽ち果ててるわね…鎖としての用をなしてないわ…それに…」

非常食「うにゃあ、明らかに歓迎されてませんにゃ…にゃにゃ!?き、来ましたにゃ!!」

魔法使い「戦うしかないわね…さあ、行くわよ非常食!!」

――何かに遭遇した!

非常食「うにゃあ、とても強そうなモンスターですにゃあ…」

魔法使い「あの爪は恐ろしいわね、非常食、警戒して…」

ドラゴンケンタウロス2世の行動:竜の爪+2 竜の爪+2

非常食「ふにゃー!?い、痛いですにゃ…」

ドラゴンケンタウロス2世の行動:瘴怪波 ドラゴンケンタウロス2世の行動:瘴怪波

魔法使い「くっ…体力がどんどん削られてしまうわ、いけない、次の攻撃で…」

ドラゴンケンタウロス2世の行動:竜の爪+2 竜の爪+2

非常食「にゃむさん!!…にゃ?じ、自分を攻撃してますにゃ!?」

魔法使い「どうやら混乱しているようね。でもチャンスよ非常食!!」

非常食「ですにゃ!!にゃー!!ふにゃー!!」ドカバキッ

魔法使い「よし、かなりダメージを与えられたわね。こちらはアークメイドのおかげで体力も元に戻るし…え…?」

非常食「にゃにゃにゃ!?モ、モンスターの傷がみるみる塞がっていきますにゃ!!」

魔法使い「傷が…完全に治ってしまったわね。つまり、時間を置かずに致命傷を与えないといけない、という訳ね…」

非常食「にゃ、でもみぃの連撃が決まれば…ふにゃー!!」ドカバキッ

ドラゴンケンタウロス2世の行動:竜の爪+2 竜の爪+2

アークメイドは死亡した

魔法使い「くっ…でもいずれにせよ、回復よりも攻撃力が必要ね…アークレナード!!」ドゥン!

ドラゴンケンタウロス2世の行動:瘴怪波 ドラゴンケンタウロス2世の行動:瘴怪波

非常食「うにゃあ、1発は自分に向かって撃ったのでたすかりましたにゃあ。でもまた傷が塞がってしまいましたにゃあ…」

魔法使い「そうね、何か手を打たないと…」

ドラゴンケンタウロス2世の行動:竜の爪+2 竜の爪+2

非常食は死亡した

魔法使い「非常食!失敗したわ、良く考えればまだ出来る事はあったのに、非常食が倒れてしまっては…」

ドラゴンケンタウロス2世の行動:竜の爪+2 竜の爪+2――

魔戦士「…ふう、バカ猫バカ猫と言い続けて来たけど、居なくなってみるとさみしいもんだね…」シンミリ

盗賊「とーぞくはわすれないぞ…」シュン…

竜王「オシイヤツヲナクシタ…」ションボリ

ノレビス「あれー?3人しかいないんですか?他のヒト達はどうしたんですか?」

魔戦士「ああ、小娘は魔法使いの付き添いで寺院にいるよ。バカ猫は…非常食は、ロストしちまってね…」

ノレビス「ろ、ロストですか!?そんな…」

盗賊「さみしくなったんだぞ…」

ノレビス「そう…だったんですか…それは…あれ?キッチンの方から物音が…え?な、鍋が動いて…!」

非常食「ふ、ふにゃー!!まだ食べられたくないのですにゃ!!助けて欲しいのですにゃ!!」ジタバタ

ノレビス「こ、これは…!?あ、分かりました!ちょっと前に流行ったねこなべって奴ですね!」

非常食「にゃっ!?違…」

魔戦士「ああそうだよ、からさつじっくり出汁を取ってね、それから…」

非常食「ふにゃー!!違いますにゃ!!」ギャーギャー

商人「ただいまー!お待たせ…あ、また非常食ちゃんいじめてる!!こらー!!」ドタバタ…

魔法使い「…と、いうわけで完敗だったわ…」

商人「非常食ちゃんロストしかけたもんね…」

非常食「うにゃあ、それは魔物とは関係にゃいのですにゃ…」

魔戦士「ま、負けは織り込み済みだろう?問題はどう対策を練るかだ。まずはメンツだが…」

商人「あたしが行こっか?やっぱり回復魔法があったほうが…」

魔法使い「いえ、また私が行ってみるわ。もっと色んな手段を考えるべきだったのよ。ブラッフィとか…」

非常食「うにゃあ、敵は前衛への攻撃が主でしたからにゃあ、みぃが隠れればそうそう全滅はしないと思うのですにゃ」

盗賊「かくれてもレベルがひくいとすぐみつかるぞ!!」

魔法使い「そこは問題ね、あの強敵相手にどれだけ隠れていられるか…それと、工夫の余地があるとすれば非常食の武器ね」

商人「武器?あ、鍛冶錬金で倍打を付けたりとか?」

魔戦士「いや、バカ猫の連撃があるんだ、麻痺武器なんかの方が良いかもしれないよ」

魔法使い「私は両方の可能性を考えるべきだと思うけど…麻痺と連撃なら、契約も狙えるわね」

商人「そっか、そんなに強い敵なら、逆に契約出来れば…!」

竜王「キョウリョクナミカタニナルナ」

魔法使い「まあ、そう簡単に契約は出来ないと思うけれど…いずれにせよ、少し準備が必要かもしれないわ。特に、麻痺武器を使うなら魔物から手に入れないと…」

魔戦士「さて、まずは麻痺武器を探さないとね。麻痺武器となると、ウィルオーウィスプの不思議な波動かシールドゼンティピードの麻痺の牙辺りだがねえ…」

盗賊「ウィルオーウィスプねらいでニカレスにきたぞ!!」

商人「麻痺の牙は麻痺発動率40パーセントだけど、不思議な波動は50パーセント!!当然、不思議な波動の方が良いんだけど…」

魔法使い「ここでウィルオーウィスプに遇った記憶があまりないのよね。上手く見つけられれば良いけれど…」

竜王「デキレバキョウデジュンビハオワラセタイナ」

非常食「うにゃあ、でも出来ればレベルも上げたいものですにゃあ…」

魔法使い「ブラッフィで隠れた時、レベルが高い方が見つかりにくいでしょうからね。でも、上手く麻痺が決まれば隠れる必要も無くなる訳だし…」

商人「そうそう、倍打の武器はどうしよっか?今非常食ちゃんが装備してる鋭い牙+3くらい強いのが欲しいよね」

魔戦士「それならここにはケルベロスもいたはずだからね、そいつから盗めば良いさ。後輩、頼んだよ」

盗賊「まかせるんだぞ!!」ガオー

魔法使い「私も、何か強力な魔物と契約したいけれど、どうなるかしらね…」

商人「昨日戦ったすごく強いモンスターと契約するって話だったのにここでもまだ契約したいんだ…魔法使いちゃん、魔法の事になると欲張りだよね…」

ウィルオーウィスプの行動:不思議な波動

竜王は麻痺した

竜王「シ…ビ…」

商人「任せて!我に宿るは祓いの力!!ここに充ちるは癒しの光!!サーマエイス!!」キュィン…

竜王「ナ、ナオッタゾ…」

盗賊「よーし、ぬすむぞー!!」シュピッ

魔戦士「よし、盗んだね、後は…らあっ!!」ザクザクッ

ウィルオーウィスプは死亡した

魔法使い「ふう、意外とあっさりとウィルオーウィスプに会えたわね。しかもシールドゼンティピードも一緒だったなんてね」

非常食「にゃ、後はケルベロスにも遇えれば今日は言うことなしですにゃあ」

魔戦士「なんとか呼び寄せられないものかねえ…そうだ、非常食、あんたが寄せ餌になって…」

非常食「ふにゃー!?なんでそうなるのですにゃ!?」

商人「もー、まだ非常食ちゃんをいじめ足りないの?」

盗賊「たりないぞ!!」ガオー

魔法使い「ハッキリ宣言されても困るわね…」

魔戦士「よしよし、ケルベロスから鋭い牙+3も盗れたね、これで盗むべきものは盗むんだかねえ」

魔法使い「そうね、これであの魔物に挑む準備は出来たわね。後は私達次第よ、非常食」

非常食「にゃ、分かっていますにゃ!…自信はにゃいですがにゃ…」

盗賊「だいじょーぶ、おいしそうだぞ!!」

非常食「そんにゃ自信いりませんにゃ!!」

商人「もー、非常食ちゃん以外にも食べるものくらいあるでしょ?…あれ?なんだろこの部屋…」

竜王「ホカノヘヤトチガウナ」

魔法使い「そうね、他と比べて立派というか…あら、部屋の真ん中に…」

非常食「にゃ、台座がありますにゃ。にゃにか光っているような…」

魔戦士「ちっ、気分が悪いね。どうやら聖なる力の類いだね」

魔法使い「聖なる力の…あ!これは前にノヴァ・カリスで頼まれた聖なる種火じゃないかしら?」

盗賊「おー、あのはらのたつまちだな!!」

商人「腹の立つって…でも、確かにあの町の依頼じゃねー…別に持ってかなくても良いんじゃないかなあ?」

魔法使い「そう、それなら仕方ないわね。100000G.Pは惜しいけれど…」

商人「よーし、持って帰ろ?頼まれたら断れないのが冒険者だもんね!さ、ノヴァ・カリスへゴーゴー!!」

魔戦士「ったく、やれやれだね。ま、こうして見つけた以上は持って帰らない理由はないね。さ、帰ろうじゃないか」

魔法使い「待って。気が付かなかったけれど、この部屋は呪文が使えないみたいだわ。部屋から出ないと…」

盗賊「おー、じゃあかえるぞ…おお!?なんかでぐちにいるぞ!!」

火種の守護者「我は聖なる火種の守護者なり。例え、燃え移した火種であっても、この炎を持ち出すことはまかりならん。速やかに火種を戻してくるのだ」キュィン…

魔法使い「――え…?ここは部屋の…戻されてしまったようね」

魔戦士「つまり、火種を戻さない事には帰れないって訳か。これじゃ持ち出しは不可能かねえ」

盗賊「かえれないとごはんが食べれないぞ!!こんなひだねいらないぞ!!」ポイッ

魔法使い「ちょっと、盗賊!それは聖なるものだから、そんな扱いをしては…」

商人「待って、魔法使いちゃん!…うん、もしかしたら…盗賊ちゃん、ひょっとしたらふぁいんぷれーかもよ!!あたしの商人としてのカンだけどさ!」

盗賊「そーか?ならかえってごちそうだな!!」

商人「うん、たくさん食べさせてあげる!!」

魔法使い「そんな約束して良いの?でも…お金もうけに関しては、貴方の勘を頼りにした方が良いかもね…」

魔戦士「ま、商人の勘ってなら良いだろうさ。セクシーなんたらの勘とか言われると信用ゼロだがね」

商人「なんで!?きゅーとでせくしーだいなまいつなあたしのカンが…!」

魔法使い「はいはい。じゃあ火種も手放したし、部屋を出て…うん、あの守護者はいなくなったわね。じゃあ地上に戻りましょう、ティオメンテ!!」キィーン

非常食「にゃ、本当にここに昨日捨てた聖なる種火があるのですかにゃ?」

商人「うん、きっとあるはず…ほら、ここだよ!」

魔法使い「ここは…確かごみ捨て場…」

ゴブリン「なんだ、てめぇらは!?ここら一帯のゴミは、全部このオレ様のものだぞ!!どうしてもゴミを漁りたかったら、オレ様に1000.G.P払いな!」

商人「払う払う!!…ふふふ、これから手に入るお金に比べたら1000G.Pなんて安いもんだし…はい!」ジャラッ

ゴブリン「よし、漁っていいぞ!!気が済むまで、浅ましく漁れ!!」

盗賊「よーし、じゃああさるぞ!!これはどーだ?」キラーン

魔法使い「キラーン、とか言ってるけどただのがらくたね…仕方ないわ、もう1000G.P払って…」

竜王「コレハドクケシグスリダナ」

商人「あ、あれ!?えっと…鎖帷子にロングボウ、ブーツが二足…あれ?あれ!?」

魔戦士「あーあ、所詮は小娘の勘だったか…」

商人「コムスメじゃないし!!えっとえっと…あ、こ、これ!!これだよみんな!!」ポッ…

ゴブリン「おおい!?火は危ないだろ!さっさと持って帰れよ!!」シッシッ

商人「言われなくてもこんなごみ捨て場に長居なんかしないよ!!じゃーね!!…へっへー!!どう?あたしすごいでしょ?ね?ね?」ドヤドヤドヤッ

魔法使い「すごいどや顔ね…まあ今回は確かにお手柄だったわねさて、後は…」

盗賊「なあなあ、せんぱいたちまだか?」モグモグ…

商人「もうちょっとじゃないかなあ?でもちょっと悔しいなあ、あたしが種火を手に入れた立役者なのに…」

魔法使い「仕方ないわよ、ノヴァ・カリスのお店のエルフは人間嫌いなんだから…あ、ほら、帰ってきたわよ」

魔戦士「やれやれ、やっと終わったね。ま、金になるだけお使いの中ではかなりましな方だけどねえ。ほら、後輩」ジャラララッ

盗賊「おー!!あれとこれとそれをたのんで…あれも食べて…」

商人「ちょっとー!!お金はまずあたしに渡してよ!!」

魔法使い「そう怒らないのよ…ノヴァ・カリスは変わりなかった?と言っても、デクの件で行ってからそう日もたってないけれど…」

非常食「にゃ、特に変わりないようですにゃ。にゃ、種火を渡したお店で新しい防具が出来たようにゃのですにゃ。ただ…」

竜王「ソウビデキルノハエルフダケダッタ」

商人「へー、でも新しい防具かあ、ちょっと見てみたいね」

魔戦士「買ってきてやっても良かったんだがね、それを買うと今回の報酬の半分以上が飛ぶからねえ」

魔法使い「そんなに高いの?でも、エルフに装備できるなら姉御のパーティーの魔術師にでも…」

非常食「にゃ、魔術師さんには装備できませんなゃあ…鎖帷子の一種なのですにゃ」

商人「なーんだ、あたし達の知り合いで装備できるヒト居ないのかあ…でもそういえば鍛冶錬金術で種族制限も解除出来るんだっけ?」

魔法使い「解除するためには相当な質の素材か錬金術師の腕前が必要だし、現状あまり現実的ではなさそうね。もしかしたらいつか必要になるかもしれないけれど…」

錬金術師「じゃあ、この鋭い牙+3と痺れ粘糸を強化すれば良いんだね?」

魔法使い「ええ、鋭い牙+3は呪い解除と竜への倍打を、痺れ粘糸は呪い解除と、出来ればで良いけど麻痺発動率のアップをお願いしたいわ」

錬金術師「お安い御用だよ。最近あんた達は金払いいいからねえ。昔ははした金しか払ってくれなかったけどね、ははははは!!」

商人「か、駆け出しの頃はお金無かったから…」

魔戦士「今は金に困らなくなったからねえ。正直、別に闇の巫女たちを倒す必要もないんざゃないかって位だね」

非常食「にゃ、お嬢様、それを言ってはいけませんにゃあ…」

錬金術師「ま、あたいは払ってさえくれればなんでも良いけどね。ほら、2つとも出来たよ!」

魔法使い「ありがとう。じゃあこれ…」ジャラララッ

錬金術師「毎度!!あんた達のおかげで、ハイマスターももうすぐだよ、ははははは!!」

商人「もうすぐって、おばさんまだレベル18じゃ…」

錬金術師「だからあと8じゃないか、あんた達がガンガン鍛冶錬金を利用してくれればあっという間さ、よろしくね!!ははははは!!」

非常食「うにゃあ、あまり期待されても困りますにゃ…」

魔法使い「とにかく、これで装備の準備は出来たわ。あとは骨のスリッパを用意すれば準備は完了ね。今度こそあの魔物を倒したい所だけれど…」

非常食「うにゃあ、またここに来ましたにゃあ…今度は勝ちたいですにゃあ…」

魔法使い「そうね、準備はしてきたし、きっと…さあ、部屋に入って…アークメイドを召喚するわ!!」ドゥン!

非常食「にゃ、まずはメイドさんに回復してもらいながら体勢を整えて…にゃっ!?にゃにか聞こえますにゃ!?」

――二人で参れ…

キィィーン…

魔法使い「…ここは!?…部屋の外、ね…」

非常食「にゃ、どういう事ですかにゃ!?前回は召喚モンスターと一緒でも良かったはずですにゃ!?」

魔法使い「…仕方ないわ、グレーターメイドは戻して…」キュバッ

非常食「うにゃあ、一人減ると心細いですにゃあ…」

魔法使い「そうね、でも出来ないものは仕方ないわ。非常食、まず最初に貴方にブラッフィをかけるわ。それまでに倒れないでね!」

非常食「にゃ、頑張りますにゃ!」ニャオー

――何かに遭遇した!

ドラゴンケンタウロス2世の行動:瘴怪波

非常食「にゃ、自分に撃ってますにゃ!!」

魔法使い「やはり混乱したままみたいね、助かるわ…ブラッフィ!!」ギュィーン

非常食「にゃ、隠れた所から奇襲しますにゃ!!」ドカバキッ

ドラゴンケンタウロス2世の行動:瘴怪波

魔法使い「くっ…後衛の私もこればっかりは受けてしまうけれど…でも瘴怪波だけで死ぬことはないわ、来なさい、アークメイド!!」ドゥン!

非常食「ふにゃー!!ふにゃにゃー!!」ドカバキッ

魔法使い「なかなか麻痺が決まらないわね。今のうちに攻撃回数を増やして…オラース!!」ギュィーン

ドラゴンケンタウロス2世の行動: ドラゴンケンタウロス2世の行動:

非常食「にゃ、攻撃して来ませんにゃ!古の騎士の霊の時と一緒ですにゃ!」

魔法使い「非常食が見つからない限りは全滅の心配はないわね…なら色々試して見ようかしら…ミサーマ!!」ポワワーン

ドラゴンケンタウロス2世は眠った

非常食「にゃにゃ!?寝ましたにゃ!!」

魔法使い「どこかの魔王みたいね…でもチャンスよ、非常食!!」

非常食「はいですにゃ!!ふにゃー!!」ドカバキッ

魔法使い「なかなか麻痺も連撃も決まらないわね、チャンスなのに…!」

非常食「にゃ!?見つかりましたにゃ!!」

魔法使い「目も覚まされたわね…ブラッフィ!!」ギュィーン

非常食「にゃ、また隠れましたにゃ!!ふにゃー!!」ドカバキッ

魔法使い「もう一度…ミサーマ!!」ポワワーン

ドラゴンケンタウロス2世は眠った

非常食「にゃ、良く寝る魔物ですにゃあ…」

魔法使い「意外ね…でも今度こそ畳み掛けるわ、非常食!作戦変更よ、武器を痺れ粘糸から鋭い牙+3に持ち替えて!契約したかったけど、倒してしまいましょう!」

非常食「にゃ、了解ですにゃ!にゃー!!ふにゃにゃー!!」ドカバキベキゴキィッ

魔法使い「連撃が決まったわね!今度こそ…」

――ドラゴンケンタウロス2世は死亡した

非常食「にゃー!!やりましたにゃ!!」ニャオー

魔法使い「ええ、貴方のおかげよ非常食。でも、本当に強敵だったわ…」フウ…

ロンデルギウス「ハダーリマスは落ち着いたようだな!良くやった、本当に良くやった!!」

竜王「ナカマタチノオカゲデス」

魔戦士「今回はほとんど魔法使いのおかげだったね。あとは装備を盗んで揃えた後輩もね」

盗賊「おー、がんばったぞ!!」

非常食「にゃっ!?み、みぃも…」

商人「大丈夫、分かってるよ非常食ちゃん!」

ロンデルギウス「だがしかし、そのドラゴンケンタウロス2世とやら、何者なのであろ」

魔法使い「…まさかそれも調べろなんて言わないでしょうね…」

非常食「にゃ!?も、もう勘弁して欲しいのですにゃあ…」オアー…

ロンデルギウス「…危険は去ったことだし、それくらいは我輩が自分で調べるとしよう」

商人「ほっ…良かったあ…」

魔戦士「ま、さすがにこれ以上は付き合いきれないからね。さて、ならばいよいよまた竜の牙攻略といこうかねえ?」

魔法使い「そうね、かなり、本当にかなり寄り道してしまったけれど、いよいよね…」

商人「うん、危なく本当の目的忘れる所だったよ…」

盗賊「おー、ひさしぶりだなここ!!」キョロキョロ

商人「ホントだね…それにしてもこの塔、外から見るとすごーく高いよね。何階位まであるのかなあ?」

非常食「にゃ、確か9階まであるという話ですにゃあ」

盗賊「おー、シャンパーニよりずっとたかいな!!」

魔法使い「そうね、私達の世界にはなかった高さね…」

魔戦士「おそらく闇の巫女たちは最上階だろうね。ったく、面倒だねえ」

竜王「オレナラチカフカクニスルナ」

商人「うーん、それはそれで魔王みたいだね…」

魔法使い「さて、一度来たことがあるとはいえ、私達は1階しか歩いていないわ。上の階は未知数、そしておそらく下よりも強力な敵がいるはずよ。皆、油断しないでね」

非常食「にゃ、あんなに恐ろしい魔物にも勝ったみぃ達ですにゃ、しかも今回は全員そろってますにゃ!きっと大丈夫ですにゃ!」

魔戦士「へえ、言うようになったじゃないか。なら、ガンガン先に進んじまおうかねえ?」

盗賊「おー!!はしから食べるぞ!!」

商人「そういうダンジョンだったっけ!?」

魔法使い「前回はこの階の東側を探索したから、今回は西側に来てみたけれど…」

商人「こっちも何も無さそうだよねー…でもやっぱりモンスター強いね…」

魔法使い「さっきのアシュテリアのエンテルクミスタ2連発は辛かったわ…私は一発目で死んでしまったけれど…」

魔戦士「抵抗し損なうと後衛には辛いようだね。ま、竜王と小娘の両方が死なない限りは何とかなるさ」

商人「コムスメじゃないし!!…でも、このままこっちも何もないと、どうやって2階に行ったら良いのか…盗賊ちゃん?」

盗賊「んー、ここ、なにかあるぞ…うがー!!」バダンッ!

魔法使い「これは…!シークレットね。お手柄よ、盗賊」

魔戦士「ああ、流石だね。盗賊技能も冴えてるし調理もいける。ところで非常食、アタシと後輩が作った冒険用携帯鍋の入り心地はどうだい?ったく、まーたサキュバスに魅了されて小娘を殺しやがって!」

非常食「にゃ…出し…」モゴモゴ…

商人「か、可哀想だから出してあげてよ!!あとコムスメじゃないし!!」

魔法使い「ここは…待って、この先は前回入口付近までテレポートさせられた地点よ」

非常食「にゃ、という事は前回探索した場所と繋がったのですにゃ?」

商人「ええー!?じゃあ上にいく階段はどこにあるの!?」

魔法使い「慌てないでよ、まだ調べてない場所はいくつかあるわ」

魔戦士「だね。まずは少し戻ってみようじゃないか…ほら、ここだよ」

商人「ここかあ…あ、みんな地図を見てみて!ここ、このあたし達がまだ踏破してない部分が部屋だとすると…」

竜王「ナニカアリソウナカタチダナ」

魔法使い「そうね、おそらくはここに階段か、それとも何か重要な施設が…開けてみましょう」ガチャリ…

盗賊「おお!?かいだんだぞ!!」

商人「やった!これで上まで行けるね!」

魔戦士「よし、行ってみようじゃないか。持ち物はまだ余裕があるね?」

盗賊「まだもてるぞ!!」

魔法使い「じゃあ行ってみましょうか。ここから先は更に魔物が強いかもしれないわ、慎重に行きましょう…」

商人「ふーん、2階も1階とあんまり雰囲気変わらないね」

魔法使い「そうね、でも気を付けてね。あまり端を歩くと下の階に落ちてしまうわよ」

非常食「にゃ、危ないですにゃあ」

――何かに遭遇した!

魔戦士「お、マスタープリーストがいるよ。出番だよ後輩!」

盗賊「おー!!アンクぬすむぞ!!」シュピシュピシュピシュピシュピッ

竜王「アトハカタヅケルゾ」ドスッ

マスタープリーストは死亡した

魔法使い「これでそろそろ知恵のアンク10個集まったんじゃないかしら?」

商人「そだね、アンク盗んだから持ち物いっぱいになっちゃったし、帰って確認してみよっか?」

魔戦士「これで上手くすれば錬金倉庫に余裕が出来るね。しかし集めるのに時間が掛かったねえ」

非常食「うにゃあ、姉御さん達は全然集めてくれませんでしたにゃあ…」

商人「よーし、鑑定終わりー。今日は珍しい物はあったけど、あたし達が使う物は無かったなあ」

魔法使い「仕方ないわ、いつもより良い物が見つかる訳ではないもの。それにしても、今になって初めて氷の魔印を見つけたのね…」

竜王「イマサラダナ」

魔戦士「素材は+2がでたんだけどねえ。ああ、確認したら知恵のアンクは10個になってたよ」

盗賊「おー、そろったな!!」

非常食「盗賊さんのおかげですにゃあ。早速持って行ったらどうですにゃ?」

魔戦士「いや、それは明日だね。忘れたのかい?今日はやる事があるだろう?」

商人「え?何かあったっけ?ってお嬢サマと盗賊ちゃん、なんで料理の準備始めてるの?」

盗賊「みりょーされてなかまをころしたわるいやつをしめるんだぞ!!」

魔戦士「ま、アンクが集まったお祝いに丁度良いタイミングになったね。さ、こっち来なよ非常食?」ニッコリ

非常食「「ふ、ふにゃー!?勘弁なのですにゃー!!」ジタバタ

商人「うーん、ネポラちゃん喜んでたね!!」

魔法使い「ええ、それにアンクに頼らないで自分の力で学ぼうとする姿勢が良かったわね」

魔戦士「そうかい?せっかく集めたのに使わないとはねえ。ま、アタシらは渡すまでが仕事だからね、そのあとはどうでも良いさ」

非常食「にゃ、あのワービーストはまだまだなのですにゃ。たくさん勉強すべきなのですにゃ」

魔戦士「同族相手だとずいぶん偉そうだねえ、バカ猫のくせに」

盗賊「ほとんどひらがなばっかでしゃべってばかまるだしだもんな!!」

商人「そ、そうだね…それよりも、あのお店の今後の方針がさあ…0G.Pで仕入れて0G.Pで売るなんて…」

竜王「ショウバイニナラナイナ」

魔戦士「ま、アタシらとしては倉庫代わりに使おうとしてたんだ、丁度良かったじゃないか」

商人「それはそうなんだけどさ…商売人としてはちょっと…」

魔法使い「まあ、本人が一生懸命考えた末の結論だし、少し見守りましょう。もしかしたら自分で気がつくかもしれないもの」

非常食「にゃ、賢くなるためには試練が必要なのですにゃ」ウンウン

魔戦士「おや、良いこと言うじゃないか。じゃああんたにも試練を与えないとね。さ、キッチンにおいで」コイコイ

非常食「にゃー!?その試練は要らないやつですにゃ!!」

姉御「へー、本当に倉庫代わりになったね!!」

狩人「なんか申し訳ないっすね、ただで使わせてもらうのもだし、アンク集めも任せっぱなしで…」

竜戦士「まあ良いじゃねえか、せっかく使えるようになったんだから使おうぜ!!お、この竜皇剣良いじゃねえか!!」

魔術師「…火を吹ける…貴方には…要らない…」

師匠「この武器で使えるのはパムデウンですからな、ブレスとは少々違いますが、それでも必要はないでしょうな。名前はドラゴニュート向けのようなのですが…」

ネポラ「ねえねえ、おきゃくさんもぼうけんしゃなの?みんなしゅぞくがちがうんだね」

姉御「そうだよ!種族が同じだと逆に問題が多かったりするんだよ!そういう問題を始めから避けるために全員別種族にしたの!」

魔術師「…色恋沙汰…とか…」

狩人「えっ?ぞうだったんすか!?」

師匠「問題は未然に防ぐ、リーダーは流石ですな」

狩人「へー、そっすか…」

姉御「何沈んでるの?それよりほら、こっちのこれとか良くない?これを…」

ネポラ「はい、まいどありー。やっぱりお金とらないとみんなりようしてくれるね。ネポラあたまいー」

竜戦士「あ、あえ、そうだな…」

――竜の牙

魔戦士「さーてと、今日もこの塔だ。しっかりやりなよ非常食!」

非常食「にゃ、お任せくださいですにゃ!」ニャオー

商人「昨日は2階に行けたよね。今日も2階から?」

魔法使い「いえ、1階の未踏破の所に行ってみましょうか。もう何かあるとは思えないけど、一応ね…」

魔戦士「1階は中央部分に入れてないね。他の階から降りてこなければならないのか、それともシークレットでもあるのか…」

盗賊「シークレットならまかせるんだぞ!!」ガオー

魔法使い「ええ、頼りにしてるわよ。じゃあみんな、気を付けて行きましょう」

商人「おー!!今日で3階まで行きたいね!」

魔戦士「やはり1階には何も無かったね。となると、中央には上から降りてくるようなのかねえ?」

魔法使い「そうね…テレポーターという可能性もあるけれど…いずれにせよ、今は進むしか…」

――何かに遭遇した!

ダークロードの行動:悪のサーベル レディスマッシュの行動:鷹の爪 サキュバスの行動:引き寄せ

アシュテリアの行動:エンテルクミスタ

非常食は死亡した 商人は死亡した

竜王「キシュウ!!キシュウ!!」

盗賊「わー!?ひきよせられたぞ」ギャーギャー

魔戦士「おいおい、これはまずいんじゃないかい?魔法使い!!」

魔法使い「分かってる――マハマハ!!」ポゥーン

――撤収した

盗賊「ううー、ボロボロにされたぞ…」

魔戦士「やはり油断できないようだね。それにしても、小娘はともかく、前衛のバカ猫の貧弱さときたら…あとでお仕置きだね」

魔法使い「ほどほどにしてよ…」

商人「あとあと結構すぐに上に行く階段みつかったね」

魔法使い「ええ、敵は強いけれど、ここまでは順調と言えるわね」

魔戦士「そうだね、バカ猫の貧弱さ以外はね」ゲシゲシッ

非常食「ふにゃー!?次は死なないようにしますにゃ!!」オアー…

盗賊「つぎはないぞ!!いますぐおにくだぞ!!」ガオー

非常食「ふにゃー!?勘弁なのですにゃー!!」ドタバタ…

商人「二人ともー、ここ下よりも足場狭いから気を付けてね!!」

魔法使い「そうよ、落ちたら大変…」

非常食「にゃー!?逃げにゃいと…にゃ!?、あ、足場が…にゃあああぁぁぁー…」ピュィーン…

竜王「オチタナ」

盗賊「まっさかさまだな!!だらしないな!!」

商人「盗賊ちゃんが追いかけたからでしょ!?」

魔法使い「…ふう、やれやれね。じゃあ私達も降りないと…」

魔戦士「ったく、手間ばっかりかけるバカ猫だよ!!ま、食料が減っても困るからね、捕まえに行こうかねえ」

商人「もー、お嬢サマ素直じゃないなあ…」

非常食「うにゃあ、申し訳ないのですにゃあ…」

魔戦士「全くだよ、手間ばっかり掛けさせて!!」ゲシゲシッ

盗賊「つぎはないといったぞ!!ひきにくにするぞ!!」ガオー

魔法使い「落ちた原因は貴方でしょう…それより、今度こそ慎重に…」

――何かに遭遇した!

アシュテリアの行動:タロット 恋人

ドロー成功 冒険者達は魅了された

サキュバスの行動:滑らかな指 熱い吐息

魔戦士は1レベルドレインされた

非常食「ふにゃー!!おさしみはみぃのものですにゃ!!」ドカバキッ

商人は死亡した

魔戦士「くっ…!?ちいっ、またドレインされたよ!!しかもバカ猫はまた回復役を…今回のお仕置きはハードになるよ!」

魔戦士「なあ魔法使い、あんた確かケルベロスが召喚出来たね?ちょっと見せておくれよ」

魔法使い「ケルベロスを?構わないけど…深き処の番人よ、獄炎と共に立ち上がれ!!出でよ、ケルベロス!!」ドゥン!

魔戦士「へえ、流石だね…ああ、そういえば小娘がさっきあんたを呼んでたよ、確かあっちに行ったかな?行ってみなよ」

魔法使い「あっちに?変な所にいるのね…」

魔戦士「ああ、小娘の考える事は分からないね…さて、行ったね。後輩、準備は良いね?」

盗賊「おー!!ここにおいしそうななまにくをよういしたぞ!!」

美味しそうな生肉「ふにゃー!!解いてほしいのですにゃー!!」ジタバタ

竜王「カリョクモモウシブンナイナ」

魔戦士「ああ、地獄の番犬の吐く炎なら一瞬で焼肉さ。さあ、ケルベロス…」

商人「すとーっぷ!!非常食ちゃんをどうするつもりなの!?」

魔戦士「ちっ、小娘に感づかれたか…」

盗賊「まるやきにするぞ!!」

商人「ダメに決まってるでしょ!?あとコムスメじゃないし!!」

魔法使い「商人、ここにいたのね…何の騒ぎ?…いえ、良いわ、大体分かったから…全く、貴方たちも飽きないわね…」

ノレビス「あ、お帰りなさーい!!今日は良いものでましたか~?」

盗賊「それをいまからかんていするんだぞ!!そんなこともわからないなんてノレビスさまはへっぽこだな!!」

ノレビス「そんな、ひどい…」

魔法使い「もう、今回はノレビス様何もしてないでしょう?そんなに責めないのよ」

魔戦士「今回は、ね。いつもはやらかすためだけに存在してるようなもんだからねえ」

ノレビス「そ、そんな事ないです!ちょっとだけかわいげが暴走するだけです!!」

魔法使い「かわいげ…かわいげって何かしらね…?」

商人「はい、鑑定終わったよ!!今日の目玉はこれ、サーガブリンガー!!」キラーン

盗賊「おお!?かっくいーけんだな!!」キャッキャッ

商人「これはね、かなり高い攻撃力だけじゃなくて、魔法抵抗力に混乱付与まで付いたすごい剣なんだよ!!じゃあこれは…お嬢サマが使う?」

魔戦士「じゃあそうさせてもらおうか。どれ、これは…なるほど、小娘の言う通りなかなかのもんだね」

商人「コムスメじゃないし!!」

ノレビス「あはは、小娘ですか~。じゃあやっぱりメインヒロインは…」

盗賊「まちがってもノレビスさまじゃないぞ!!」

ノレビス「そんな、ひどい…」

魔戦士「さて、今日もこの塔を登るようだねえ」

商人「気が重いよね、高いしさ…でも、2階から3階には1日で行けたし、今日は4階まで行けるかも?」

魔法使い「そうだと良いわね、塔はだんだんと狭くなるはずだし…」

竜王「カノウセイハタカイナ」

非常食「うにゃあ、でも高くなるほど魔物は強くなりそうですにゃあ…」

魔戦士「なんだい、この前はずいぶん強気な事を言ってたじゃないか」

魔法使い「そうよ非常食、私達はあのドラゴンケンタウロスを倒したのよ。この塔の魔物もきっと大丈夫よ」

非常食「にゃ、そ、そうですにゃ…」

商人「それに、魔法使いちゃんもそろそろハイマスターだよね?召喚魔法が強くなれば、もっと冒険が楽になるね!」

魔法使いレベル31「そうね、あと1レベルでハイマスター、そうなれば私が召喚した魔物達も強化されるのよ」

盗賊「おー、すごいな!!」

魔戦士「しかも契約もレベルが上がるほど楽になるんだろう?良いじゃないか、まずは今日4階への階段を見つける事、後は魔法使いのハイマスターが目標になるかねえ?」

魔法使い「そうね、召喚師はあまりレベル上がるのが早くはないけれど…さあ、行きましょう」

魔法使い「竜の牙3階も2日目ね。ここは足場が狭いのも厄介だけど…」

非常食「にゃ、一方通行の通路がありましたにゃ。あれは大変ですにゃ」

商人「だね、気を付けないとね。あ、待って。地図見たらちょっと気になる所があるからさ、1回引き返して良いかな?」

盗賊「ん?ひきかえせないぞ!!」

非常食「にゃ!?早速ですにゃ!!」

魔戦士「今通ったはずの所に壁があるね。仕方ない、進むしかないだろうね」

魔法使い「いざとなったら転移呪文があるけど、今は温存した方が良いでしょうね。じゃあこっちに行ってみましょうか」

商人「はーい。こっちかあ、こっちは…な、なんか嫌な予感が…」チラッ

盗賊「あー!!またもどれなくなってるぞ!!」

竜王「ヤッカイダナ」

魔法使い「本当ね。この階、こんな仕掛けばかりなのかしら…」

商人「あー!?また戻れなくなった!」

魔戦士「ちっ、これは流石に転移呪文を使った方が良いんじゃないか?」

魔法使い「そうね、この階に上ってきた階段にもうすぐ着くみたいだわ。塔を一周してきてしまったのね…商人、途中まで戻りましょう」

商人「りょーかい!!ティオメンテ!!」キィーン

非常食「にゃ、ここはこの階の一番北辺りですかにゃ?」

魔法使い「ええ、ここからさっきとは違う道を進んでみましょう」

魔戦士「じゃあまずはこっちだな。次は…こっちか?」

商人「順調だね!じゃあ次はこっち…で…あ、あれ?ちょっと待って、地図を…あ!?」

竜王「マタモドレナイナ」

魔法使い「しかも、このまま進むとまたさっきと同じ塔を一周した辺りに着くわね…」

盗賊「なんだ?とーぞくたちまいごなのか?」

魔戦士「転移呪文が有る限り迷子って事はないだろうが…しかし面倒な造りだねえ」

商人「ホントだね。しかもここまだ3階だもんね、上に行くほど仕掛けも難しくなっていったら…」

非常食「うにゃあ、考えたくありませんにゃあ…」

盗賊「うー、あれからおなじようなとこなんしゅーもしてるぞ…」

魔戦士「転移呪文にだって限りはあるだろうからね。まだ使えるのかい?」

商人「まだ大丈夫だけど…あ、ほら見て、怪しい扉があるよ!」

非常食「にゃ、ここから塔の内側に…にゃ!?開きませんにゃ…」

盗賊「きあいがたりないんだぞ!!そんなおにくはおにくだぞ!!」ガオー

魔法使い「入れないのは仕方ないわよ。今はこの先を進んで…」

商人「って、また後ろに戻れなくなったよ!?どうなってるの!?」

魔戦士「やれやれ、これは1回町へ戻るべきじゃないかい?」

魔法使い「いえ、待って…ほら、地図を見てみて。私達、迷いながらもかなりこの塔を歩き回ったわ。その中で行ってないのはこの辺り…」

商人「あ、ここならティオメンテですぐ近くまで行けるね!行ってみよう、ティオメンテ!!」キィーン

非常食「にゃ、扉の前に着きましたにゃ。この扉は…開きますにゃ!中には…にゃにゃっ!!」

竜王「ノボリノカイダンダナ」

魔法使い「やっぱりあったわね、良かったわ。これで上に進めるけど、4階はもっと厳しいのでしょうね…」

商人「えーと…じゃあこっち行ってみよっか」

竜王「コッチダナ」ガチャリ

非常食「うにゃあ、4階は3階と違って特に仕掛けはないのですにゃ」

魔法使い「今の所は、だけどね…無事に進めるなら、それに越したことはないわ」

魔戦士「魔物も下と変わらない顔触れのようだしね。このままどんどん進みたい所だが…どうだい後輩?」

盗賊「むー、もうもちものがいっぱいだぞ…」

商人「そっかあ…うーん、もうちょっと進みたい所だったけど…」

魔法使い「仕方ないわね。それにもうちょっとと思った所で引き返すのも安全の為には良いかもしれないわ」

非常食「うにゃあ、全滅しては元も子もないですからにゃあ…」

魔戦士「ま、もう持ちきれないくらいアイテムが手に入ったって事だ、もしかしたらレアで強力な物もあるかもしれないよ」

商人「それもそうだね!よーし、じゃあ今日は帰ろっか!」

ノレビス「あ、今日もアイテムたくさんですね~」

魔法使い「そうね、持てなくなるまで帰ってこない訳だからね」

魔戦士「で、どうなんだい小娘、鑑定結果は?」

商人「あたしコムスメじゃないけど、そうだね…今日は素材が多かったかな?」

非常食「にゃ、5つもあったのですにゃあ」

竜王「ワルクハナイナ」

魔法使い「全て+2の素材だものね。でも素材だけだと物足りない気はするけど…」

商人「他?他はこれかな、雷の魔印+1。これは今装備してるカーバンクルジュエルより雷の属性攻撃力を上げられるよ!」

盗賊「おー、すごそうだな!!」

魔法使い「これは貴方しか装備できないし、必然的に貴方の物ね」

商人「そういう事になるね!よーし、これで雷の魔法もぱわーあっぷ!!」

ノレビス「へー、商人さん雷の呪文使えるんですか~、勇者みたいですね!」

魔法使い「ノレビス様…?雷の呪文は遊楽者も使えるようになりますけど…」

ノレビス「え?あ、ももももちろん分かってますよ?」アセアセ

魔戦士「ったく、本当にぽんこつだねえ」

姉御「よーし、それじゃあの子達が探索しきれなかった部分をカバーしつつ、あわよくば闇の巫女を倒しちゃう感じで行くよー!!」

狩人「おーっす!!」

竜戦士「いやしかしよお、あいつらを利用して美味しい所だけ貰おうってなんつーかいでででで!!」ギリギリ…

姉御「水を指すような事言うなー!!…ま、言いたい事は分かるよ。でもね…若い二人に聞くけど、ここは現代の冒険者はほとんど未踏の最高級ダンジョンだよ?ワクワクしないの?」

「「…します!!」」

姉御「ふふふ、よろしい!前も言ったけど、冒険を楽しむことが第一だよ!師匠達も良いね?」

魔術師「…異論は…ない…」

師匠「ええ、私はリーダーに着いていくだけですよ」

ノレビス「はい~、ラストダンジョンに連れてきてもらって嬉しいです~」キャッキャッ

魔術師「…リーダー、確認…私達は誰か死んだら…引き返すけど…」

姉御「うん、あのぽんこつ女神様が死んでも冒険は続行!早い話みそっかすだからね!!」

竜戦士「みそっかすならいいがよお、タロットで掻き回すからたち悪いんだよなあいつは…」

狩人「…いやー、ここの魔物は強いっすね、3人も死んじゃったっすね…」

竜戦士「まー敵の本拠地だからなあ、つーかおめーサキュバスに魅了されて姉御を殺してんじゃねーよ!!」

狩人「み、魅了されての追撃は狩人にはありがちな事故なんで、勘弁して欲しいっすね………はーっ、リーダー怒るかなあ…」ドヨーン

竜戦士「まあ怒りゃしねえだろうがよ…」

ノレビス「うーん、すごいつよさですね~ここの魔物は~」ノホホーン

竜戦士「…おい、なんで一番死にそうなあいつが生き残ってんだよ…」

狩人「いやあ、運が良いんじゃないっすかねえ…」

ノレビス「そーなんです、私女神ですからね!!」ドヤドヤッ

狩人「…女神ならタロット失敗しないで欲しかったんすけど…」

ノレビス「え?ま、まあそういう事もありますよ!!」

竜戦士「あと毒にするタロットと狩人のコンボはじーさんが生きてる時だけだぜ?失敗して毒まみれになったらこのレベルになって毒で全滅なんて情けねえ事になるからよお」

ノレビス「分かってますよ、適材適所のタロットを引きます!!」

狩人「いや、戦闘での行動タロットだけとかいう蛮行を辞めていただきたいんすけどね…」

非常食「にゃ、今誰かの声が聞こえた気がしましたにゃ」

魔法使い「声が?私には聞こえなかったけれど…」

盗賊「きこえたぞ!!すごくアホっぽいこえだったぞ!!」

商人「アホっぽい!?うーん、でも確か今日は姉御達もここに来るって言ってたよね?声がしたなら姉御達じゃないかなあ?」

魔戦士「ああ、ならあっちのパーティーにぽんこつが一緒に付いていってるんじゃないかい?それならアホっぽい声の正体も分かったようなもんだね」

竜王「バンジカイケツダナ」

魔法使い「まあ、確かに姉御達以外にはここに来る実力のある冒険者はいないでしょうから、おそらくそうなのでしょうけれど…あまりぽんこつぽんこつ言わないのよ…」

盗賊「そーだよな、へっぽこでもあるもんな!!」

魔法使い「そういう意味じゃ…まあ良いわ、それよりノレビス様、あっちのパーティーに迷惑かけてないかしらね…?」

商人「魔法使いちゃん…ホントにかけてないと思ってる?」

魔法使い「………」

非常食「にゃ、魔法使いさんでさえ絶句してしまいましたにゃあ…」

魔法使い「さて、今日は4階からよ。今の所は仕掛けもないようだけれど…」

商人「そだね、下が大変だったからすごく楽に感じる…ぎゃっ!?」ドサッ

*ピット*

盗賊「うー、おとしあなにおちたぞ…」

魔戦士「ちっ、ちゃんと浮遊呪文をかけときなよ小娘!」

商人「ご、こめん、最近落とし穴なんてなかったから油断してた…でもあたしコムスメじゃないから!!」


魔法使い「私も注意を怠っていたわ、ごめんなさい。さあ、商人がソーサレオをかけたし、先に進みましょう」

非常食「うにゃあ、ではこちらに…にゃ、小さな部屋がたくさんありますにゃ」

魔戦士「お、鍵の掛かった扉があるよ。後輩、やってくれるね?」

盗賊「まかせるんだぞ!!えっと…んっと…こうやって…あれ?…ここをこう…こうだぞ!!」ガチャリ!

商人「あ、開いたね!流石盗賊ちゃん!じゃあ早速中に…あれ?何もないよ!?」

魔法使い「鍵の掛かった部屋なのに何もないのね。じゃあ別の部屋に…」

盗賊「あ、こっちにシークレットがあるぞ!!」

商人「わ、盗賊ちゃんまたお手柄!よーし、じゃあシークレットドアの先に行こああああ…!」ピューン…

魔戦士「シークレットの先は床が無くなってるとはね。なかなか意地の悪い仕掛けじゃないかさて、小娘を迎えに行くようかね、やれやれ…」

商人「うう、ティオメンテで戻って来れたから良いけど…」

魔法使い「さっきのは仕方ないわ、扉を開けたら床がないなんて思いもしないもの」

非常食「にゃ、次は気を付ければ良いのですにゃ」

商人「そ、そだね…じゃあえっと、さっきの続き…わ!あたし達、こんな迷路みたいな所にはまってたんだ…」

魔戦士「迷路というか、四方が扉の小部屋だらけの場所だったようだね。さて、ここの攻略となると面倒な事になりそうだがねえ…」

盗賊「めんどーならほかにいけばいいぞ!!あっちにいくぞ!!」

商人「えー、でもこっちの方がいかにも怪しい感じが…あ、あれ?」

竜王「カイダンダナ」

魔法使い「私達が迷い混んだ場所のすぐ近くにあったのね。いかにも怪しい難所を近くに作って階段への目をそらす…これも一種の罠かしら」

魔戦士「そんな大層なものでもないだろうが…なんにせよ後輩のおかげだね」

盗賊「おー!!セクシーなんとかのカンよりとーぞくのカンだぞ!!」ドヤドヤッ

商人「くっ…悔しい…次はあたしのカンで階段を見つけてみせるんだから!!」

魔法使い「勘ばかり頼りにするのもどうかと思うけれど…」

魔戦士「これでこの塔も半分といった所か。先は長いねえ」

非常食「にゃ、でもお嬢様、だんだんと1階ごとの探索時間は減ってますにゃ。半分は過ぎたかもしれませんにゃ」

魔法使い「確かにそうなんだけど…私達は今まで塔の内側は出来ていないのよね。状況によっては更に時間が掛かるかも…」

商人「うーん…でも、4階は仕掛けらしい仕掛けもなかったし、もしかしたらここから上は順調にひええええー!?か、風が強くて…」ビュー

盗賊「うわー、とばされるぞー!!」ビュー

魔法使い「みんな、大丈夫?どうやら強風によって強制的に移動させられてしまうようね」

魔戦士「それがこの階の仕掛けなのかねえ?こういう時はバカ猫の出番だよ、あんたが前を歩きな」

非常食「うにゃあ、みぃが飛ばされたら皆さん引き返すのですかにゃ?生け贄のようですにゃ…にゃ、ここまでは大丈夫ですにゃ」

盗賊「よーし、じゃあそこまでいくぞわああああ!?かぜがふいてきたぞー!?」ビュー

魔法使い「み、みんなが揃ってから風が吹いて…い、いけないわ、この先は…!」

商人「ゆ、床がないー!?ま、また落ちるうううー…」ピューン…

非常食「うにゃあ、なんとかまた5階まで戻って来ましたにゃあ…」

魔戦士「ったく、役に立たないバカ猫だよ!」ゲシゲシッ

商人「しょ、しょうがないよ、非常食ちゃんが行った時には風が吹いてなかったんだから。でも、困った仕掛けだね…」

魔法使い「そうね…最後はあちこちから吹く風になすがままになってしまったわね。風が吹く所を避けて通るようにしないと…」

非常食「にゃ、でも1度通った所は地図で確認出来ますにゃ。次は避けられますにゃ」

盗賊「うー、めんどうだぞ!!とーぞくのカンですすめばきっとだいじょーぶだぞ!!」

商人「ま、待ってよ盗賊ちゃん!」

魔法使い「そうよ、もう少し慎重に…」

商人「今度はあたしのカンで階段を見つける番だから!」

魔法使い「番…?」

竜王「フアンダナ」

商人「な…竜王ちゃんまでそういう事言うの!?だいじょーぶ、きゅーとでせくしーだいなまいつなあたしのカンなら…」

非常食「にゃっ!?そこはさっき風が吹いた…にゃああああー!?」ビュー

魔法使い「ちょ、ちょっと!この場所はさっきと同じ下に落ちる…ああっ!」ピューン…

商人「な、なんでまた落ちるのー!?」ピューン…

魔戦士「…という訳で小娘の醜態と楽しいアトラクションの巻はお仕舞いだよ」

商人「楽しくないし醜態じゃないしコムスメでもないから!!」

魔法使い「そうね、他はともかくあれは醜態よね…」

商人「ま、魔法使いちゃんまで…」

盗賊「やっぱりなんとかのカンはやくたたずだったな!!」

竜王「ダメナホウニサエテタナ」

商人「うう…ひどいよみんな、言いたい放題…ううん、ひろいんに逆境はつきもの、みんなあたしのきゅーとさに嫉妬して…」

魔法使い「はいはい、それより鑑定結果はどうだったの?」

商人「え?あ、えっとね、めぼしいものはこのドラゴンキラーとホーリーロッドかな」

盗賊「おー、こっちにもドラゴンキラーあるのか?」

商人「形は違うけどね…でもあたし達が今必要なのはないかなあ?」

非常食「うにゃあ、残念ですにゃあ…」

魔法使い「まあ、こんな日もあるわね。明日はきっと良いものが出るはずよ」

魔戦士「だと良いがねえ…ま、そう信じた方が気分は良いけどねえ」

商人「うん、きっと明日は良いものが出るよ!!そして明日こそあたしのカンでダンジョン攻略を…」

姉御「ああそうそう、今日はみんなに謝らなきゃいけない事があるんだ」

師匠「ほう、なんでしょう?」

姉御「あのさ、やっぱりぽんこつ女神様連れてくのムリだね!タロットばっかり使ってさあ、ちょっと言いにくいんだけどさ、役立たずだよね!」

ノレビス「ええっ!?」

魔術師「…当然…」

狩人「まあしゃあないっすよね、タロット以外の事もやってもらわないと…」

ノレビス「そんな、ひどい…」

竜戦士「いや、ひでーのはおめーの行動だからな!?」

ノレビス「うう、なぜこんな…いえ、こっちのパーティーがだめなら…ヨグマさーんバルモアさーん!!」

ヨグマ「わしらに何か用かな?」

ノレビス「ええ、かくかくしかじかで新しいパーティーを…」

バルモア「お前とパーティー!?ぶっちぎりで嫌な予感しかしねーな!!」

ノレビス「そこをなんとか!これこれこういう計画で…」

バルモア「おお!?ぶっちぎりで面白そうじゃねーか!!」

ノレビス「ですよね、よろしくお願いします!!…ふふふ、今に見てて下さいね、ぽんこつとかへっぽこと言われ続けたこのノレビスの名誉回復の時を!!」

非常食「うにゃあ、またあの風が吹く所に行くのですにゃあ…」

魔法使い「そうね、今日中になんとか攻略したいけれども…」

商人「だいじょーぶ!!あたしのカンで…」

盗賊「はあてにならないからとーぞくのカンですすむぞ!!」

商人「なんで!?あたしのカンだって…」

魔戦士「見事に落下したねえ、セクシーなんとかのカンで」プッ

商人「むむむ…今度こそあたしが…」

魔法使い「別に誰が階段見つけたって良いじゃない…さあ、行くわよ」

非常食「にゃ、そういえば昨日女神様が何か用かな企んでいたようですにゃ。大丈夫なのですかにゃ?」

魔戦士「問題ないだろう、今すぐ何か出来る訳じゃないさ」

竜王「レベルガレベルダシナ」

魔法使い「あの方、結構強い魔物との戦いについていってるらしいから、結構レベル上がったみたいだけれど、それでもまだ一桁でしょうからね…あまり無茶をしないと良いけれど…」

魔戦士「さて、昨日は面白小娘劇場で終わったけど、そのおかげで避けるべき場所が大体分かったね」

商人「コムスメでも面白劇場でもないから!!でも確かに昨日風に吹かれた所は避けて通れるよね」

魔法使い「ええ、慌てて行ってはいけない所に行かない限りは大丈夫よ。だから先走ったりしないのよ」

商人「な、なんであたしに言うの!?落ち着きのない盗賊ちゃんとかに…」

盗賊「しょーにんにおちつきないっていわれたくないぞ…」

竜王「クツジョクテキダナ」

商人「み、皆揃って酷い…」

魔法使い「まあ、私達も気を付けるし、大丈夫…ほら、もう階段が見つかったわ」

盗賊「おー、あっというまだな!!」

魔戦士「ああ、早かったね。これじゃバカ猫を調理する前に6階に上がっちまうよ。なあバカ猫、今日は鍋日よりだろう?あんたも鍋の中に入るくらいにね」

鍋の中身「にゃ…!出し…!」ガンガン…

商人「もー、かわいそうだから出してあげなよ!!」

魔戦士「ったく、なんでマスターアルケミストみたいな婆さんに魅了されて竜王を殺すかねえ。本当バカ猫には困ったもんだよ」

魔法使い「そうね…そろそろ何らかの対策をしないと、パーティーの生死に関わるわね…」

商人「いよいよ6階まで来たね!5階は風の仕掛けがあったけど、6階はどんなだろうね…」

魔戦士「さあねえ、ま、進んでみれば分かるだろうさ。さ、バカ猫、先を歩きな」グイグイ

非常食「うにゃあ、やらかした身としては逆らえませんにゃあ…」オアー…

商人「非常食ちゃん、あたしも先に行く…って痛い!?な、何かにぶつかったよ!?」

盗賊「なにいってんだしょーにん、なにもない…ふぎゃっ!?」ガンッ

魔法使い「二人とも大丈夫?ここは…壁があるわ!」

非常食「にゃにゃ!?何も見えませんにゃ!?」

竜王「ミエナイカベダナ」

商人「見えない壁!?うわあ、すごく大変そう…」

魔戦士「全くだよ、面倒だねえ。ま、仕方ないさ、ぶつかったら別の方向に行く、で進むしかないね。そらバカ猫、そっちは進めるかい?ん?」ガンガンッ

非常食「ふにゃー!?壁に押し付けちゃダメですにゃ!!」

盗賊「お、ひじょーしょく、あっちはかべがないみたいだぞ!!」グイグイ

魔法使い「ちょっと!そっちは床もない…」

非常食「にゃー!?お、落ちますにゃー…」ピューン…

商人「ああー、なんか見たことある光景が…」

魔戦士「ったく、何度落ちれば気が済むんだい?」

盗賊「かいてるやつがまぬけだからわるいんだぞ!!かじるぞ!!」ガブムシャ

商人「盗賊ちゃん!そんなのかじったらお腹壊すよ!」

竜王「バイキンアツカイダナ」

魔法使い「何の話をしているのよ…それより、すぐまた6階に戻って…」

――何かに遭遇した!

非常食「にゃ、またサキュバスとアシュテリアですにゃ!」

商人「わ、このヒト達苦手…でも、3人だけならなんとか…」

アシュテリアの行動:タロット 恋人

ドロー成功 冒険者達は魅了された

非常食「にゃ!?ふにゃー!!マタタビが一番なのですにゃ!!」ドカバキッ

竜王「ニクダゾー!!」ザンッ

――魔戦士は死亡した 魔法使いは死亡した 商人は死亡した 非常食は死亡した 竜王は死亡した

盗賊「んー…?ん?なんでみんなしんでるんだ!?あ、セクシーねえさん!!ねえさんにやられたのか?かくれて…にげるぞー!!」

逃走に成功した

盗賊「みんなしんじゃったぞ…まちにかえっていきかえらせるぞ!!じゃあここからとびおりてかえるぞ!!それー!!」ピューン…

――4階

盗賊「またとびおりるぞ!!それそれー!!」

――3階

――2階

――1階

盗賊「んーと、たしかもうすぐでぐち…」

――何かに遭遇した!

盗賊「あ、へっぽこざむらいとほねとしたいざむらい!!またかくれてから…にげるぞー!!」タタタ…

――逃走に成功した

盗賊「よーし、にげきったぞ!!みんなまってろよー!!…でもおなかへったな、ひじょーしょくは食べても…うーん…」

魔法使い「…ここは…うっ…ここ…寺院…?じゃあ私は…」

魔戦士「ああ、死んだんだよ。ま、アタシもだがね」

商人「あたし達、全滅したの…?ううん、姉御達はいないし、って事は…」

盗賊「とーぞくがみんなつれてかえったんだぞ!!」ドヤッ

魔法使い「貴方が?みんなという事は、貴方以外は全滅だったのね…ありがとう、大変だったでしょう?」

盗賊「かくれてにげただけだぞ!!たいしたことないぞ!!でもきょうはごちそうだな!!」

魔戦士「ああ、好きなだけ食べなよ。流石後輩だねえ」

商人「うん、今日はフンパツして…ってあれ?」

魔法使い「どうしたの、商人?」

商人「え?ううん、なんでもないよ!!さ、盗賊ちゃん、酒場に行こ?ね?」

盗賊「おー!!食べるぞー!!」ガオー

商人「うん、レッツゴー!!…あのね魔法使いちゃん、盗賊ちゃんはみんなお金で生き返らせたみたいなの。あたしか竜王ちゃんを生き返らせてから魔法で蘇生させればお金節約出来たんだけど…」

魔法使い「ああ、そういう事ね。まあ今回は多目に見てあげなさいよ」

商人「分かってるよ、盗賊ちゃん頑張ってくれたし、もし全滅してたら倍以上お金掛かってたしね…でもこれで久しぶりの赤字だあ…とほほ…」

非常食「にゃ、今日は冒険お休みなのですかにゃ?」

魔法使い「ええ、ああもドレインを使う相手がいると、経験値を溜めておくのは良くないと思うのよ。だから今日は休んでレベルをあげてもらうの。といっても、経験値がそんなに貯まってるのは盗賊だけだけどね」

商人「ドレインされると、次のレベルまでの経験値も全部吸われちゃうんだもんね…」

魔法使い「だから本当はもっとこまめにレベルを上げるべきなんだけれどもね。あと今日休みにするのは…」

魔戦士「状態異常対策だろう?バカ猫の魅了もだし、昨日みたいにタロットで全滅しかけても面白くないからねえ」

魔法使い「ええ、というわけだから今日は錬金術師にみんなの状態異常回復力を上げてもらう鍛冶錬金をしてもらおうと思うの。錬金術師、よろしくね」

錬金術師「ああ、任せときな。まずは猫からだね、次に…」

商人「これをやれば、状態異常に強くなるの?」

魔法使い「本当はそうしたいけれど、それはなかなか難しいから、状態異常になった後にすぐ回復しやすくしようと思うの」

魔戦士「ま、状態異常一つ一つに対策するよりは効率が良いからねえ、それで良いんじゃないかい?」

錬金術師「よーし、これで終わりだ!!といっても、素材の関係で五人ぶんだけだよ。良いかい?」

魔法使い「ええ、盗賊には今回我慢してもらいましょう。まずは良く被害を出す非常食、それに回復呪文を使う二人を優先しないと…」

魔戦士「ま、それが良いだろうね。さて、これで幾分バカ猫もましになったわけだ。これからはもっと働いてもらうよバカ猫!」

非常食「にゃ、任せて下さいなのですにゃ!!」ニャオー

姉御「さてと!鬼の居ぬ間になんとやら、あの子達が休んでる間にダンジョン攻略だよ!!」

竜戦士「つってもここの魔物強えしなあ…もう狩人死んだしな」

狩人「」

魔術師「…相変わらず…打たれ弱い…」

師匠「今回は即死呪文ですからな、仕方ありますまい。それより、我々も耐性等を見直さないといけない時期ですな」

姉御「そだね、帰ったら…」

――何かに遭遇した!

敵が奇襲に成功 ケルベロスの行動:瘴怪波 キメラの行動:ブレス ケルベロスの行動:ブレス

魔術師「…奇襲!」

竜戦士「いや、こりゃあまず…」

ノレビス「さあ、鬼の居ぬ間になんとやら、私達は冒険しましょう!!」

デク「どこかで聞いたような台詞ですネ。そして何故ここなのですカ?」

ノレビス「私達は近いうちに決起の時が来ます。その時のために、実力と装備の両方を上げなければ!!特にバルモアさんは武器売っちゃってありませんし」

バルモア「あー!?誰だ俺の武器を売った奴は!?ぶっちぎりでひでーやろうだ!!」

ノレビス「というわけで、両方が整うここ光の庭3階でですね…」

――何かに遭遇した!

デク「アー!?モンスターでス!!」

バルモア「おいおい、俺は素手だぞ!?ぶっちぎりでヤバいじゃねーか!!」

ヨグマ「慌てる出ない、儂の呪文があるわ。生と死は釣り合う天秤の如し、汝ら、我らの生の為に――」

ノレビス「はいはいはーい!!タロット使いまーす!!愚者!!」ジャン!

――ドロー失敗 冒険者達は眠った

タイガーレディの行動:魔獣の爪 タイガーレディの行動:魔獣の爪

ノレビス「むにゃ…はっ!?こ、これは一体…ま、不味いですよ、ここは一発逆転の死神で!!」ジャン!

ドロー失敗 ノレビスは死の世界に連れ去られた

タイガーレディの行動:魔獣の爪 タイガーレディの行動:魔獣の爪――

マーシャ「…というわけだから、よろしくね。2件の回収作業は大変でしょうけど…」

魔法使い「いえ、これも冒険者の務めですから…」

商人「そうそう、任せて下さい!!…ふう、でもやっぱり大変だね…」

盗賊「はやくあねごをたすけにいくんだぞ!!はやく!!」グイグイ

魔法使い「ちょっと、落ち着きなさい!姉御達だけでなく、ノレビス様達も助けないと…」

盗賊「あんなのどーでもいーぞ!!あねごをたすけにいくぞ!!」ギャーギャー

商人「あんなのって…ノレビス様だけでなく、ヨグマさん達もいるし、無視は出来ないよ…」

魔戦士「ま、ヨグマとバルモアにはドラゴンロードの試練で世話になったしね、放っとくのも寝覚めが悪いかねえ」

竜王「ダナ」ウンウン

非常食「うにゃあ、しかし姉御さん達はともかくノレビス様達はあまりお金持ってなさそうですにゃ。ちゃんと蘇生出来るんですかにゃ?」

魔法使い「蘇生は問題ないはずよ、ヨグマさんが蘇生呪文を使えたはずだから。それより他の仲間の回収は…商人?」

商人「そっか、お金持ってないとあたし達の取り分もあんまり期待できないのかあ…やっぱりノレビス様は無視して…でもなあ、うーん…」

魔法使い「…無視はしちゃだめだからね…?」

商人「あ、ほら見てみて!ノレビス様達の遺体が見つかったよ!!」

魔戦士「さてと、じゃあヨグマを回収するんだね?」

魔法使い「そうね、蘇生呪文の使い手を生き返らせるのが良いと思うわ」

商人「ていうか、今生き返らせちゃおうか…冥府に迷いし魂よ、我が示す光の道に導かれ、再び現世に還り来たれ!!リゼフェイド!!」キャーン

ヨグマ「…む?これは…そなたらは…そうか、儂らは全滅したのか」

魔法使い「そうね。それで悪いけど連れて帰れるのは貴方だけよ。後、他の仲間の回収はそちらでお願いね」

ヨグマ「ああ、それは仕方ない…助かった、礼を言う」

盗賊「れいはいらないぞ!!もらうものはもらったからな!!」

商人「ちょっとしかなかったけど…あのー、残りのお金で他の仲間の回収って出来ますか?」

ヨグマ「むう…まあやるしかないのう…」

魔戦士「ま、ちょうど良いんじゃないかい?流石にあのぽんこつも死んでりゃ悪さ出来ないだろうしね」

盗賊「おー!!めーあんだなせんぱい!!」

魔法使い「名案…名案、なのかしら…?まあいいわ、じゃあヨグマさんを酒場に送ったら今度は姉御達の捜索ね」

盗賊「おー!!はやくいくぞ!!」

商人「あー、更新が滞りまして…」

魔法使い「何の話を誰にしているのよ…ほら、姉御達が見つかったわよ」

盗賊「あねご、たすけにきましたですだぞ!!」タタタギュムギュム…

魔法使い「ちょっと!竜戦士君を踏んでるわよ」

竜王「フビンダナ」

商人「じゃあ姉御を生き返らせるよ…リゼフェイド!!」キャーン…

姉御「ん………ああ…また助けてもらったんだ、ありがと…」

盗賊「れいにはおよばないのですだぞ!!」

魔戦士「例によって金はいただいたからね」

商人「そうそう、それにあたし達が助けてもらった回数の方がまだまだ多いし!!」

姉御「そうだね、キミ達前は全滅しまくってたよね、人の忠告も聞かないし…」クスクス

魔法使い「そうね、懐かしい、かしらね…さ、姉御、酒場に送るわよ」

姉御「ありがと…あーあ、完全に立場逆転だなー…」

――イルドラハ寺院

姉御「さてと、結構お金取ってくれたね~…とはいえ、一人回収出来ればそのヒトのお財布から払うだけだけどね、よろしくシスター!」

シスター「はい、では竜戦士さんを回収します」

姉御「うん、蘇生もよろしく!…さて、蘇生が終わる間はどうしてよっかなー…あれ?錬金術師?どしたのそのケガ?」

錬金術師「いつつ…ああ、あんたかい…それがね、ヨグマに頼まれてお金稼ぎについていったんだけどね…」

姉御「お金稼ぎ?ああ、ぽんこつ女神様達も全滅したってシスターが言ってたっけ。で、お金が足りなくて宝箱の解錠の為におばさんが呼ばれてたって訳だね?それが…あ、それでケガしたんだ!!」

錬金術師ああ、それであたいもお金を持ってないからね、あのパーティーは今野晒しって訳さ。ヨグマはあたいが寺院に引っ張って来たけどねえ」

姉御「ミイラ捕りがミイラになったね。なら私達がぽんこつ女神様の方を回収してあげるしかないかあ…」

錬金術師「ああ、そうしてもらうと助かるねえ」

竜戦士「おーい姉御、全員回収したぞ!!あと魔術師を蘇生してもらってるから寺院に戻ってくれ!!」

姉御「あ、うん、分かったー!でも今日は休まないとね…明日には助けてあげなきゃね!」

狩人「へ?なんかあったんすか?」

師匠「どうやら我々以外にも遭難者がいたようですな。やはり敵も相当本腰をいれてこちらを叩きにきていると見えますな」

錬金術師「それは違いないだろうが、あのぽんこつ女神様のパーティーはそれとは原因が違いそうだけどねえ…」

竜戦士「あー、タロットで全滅してそうだよな…ホント、勘弁だぜあのタロット好きにはよお…」

魔法使い「さて、諸々は姉御達に任せて、私達は竜の牙の探索を進めるわよ」

商人「うん、この6階って見えない壁がいやらしいけど…」

魔戦士「探索する範囲自体はかなり狭いからね。次の階への階段を見つけるのもそう難しくはないはずさ」

盗賊「よーし、すすむ…ふぎゃっ!?またみえないかべだぞ…」

商人「盗賊ちゃん、こっちから回り込んでみようよ…ほら、通れたよ!」

魔法使い「次は…あそこの扉を開けて…」

竜王「トオレタナ」

魔戦士「範囲が狭いから少し探ればすぐ次への道は見つかるね。ほら、こっちだよ」

盗賊「こっちは…おー、かいだんがあったぞ!!」

魔法使い「やったわね。これで7階へ行けるわね。後は…」

魔戦士「ああ、鍋の中身をどうするかだね。また魅了されて後輩を死なせるようなバカ猫の調理方法をね」

盗賊「やわらかくなるまでにこむぞ!!」

鍋の中身「にゃ…たす…!」ドンドン…

魔法使い「もう、その辺にしなさいよ…」

非常食「うにゃあ、外の空気はおいしいですにゃあ…」

商人「大変だったね、閉じ込められて…」

盗賊「お、とびらがあるぞ!!んー!!…あかないぞ…」グイグイ…

魔法使い「下の階にもあったわね、こういう開かない扉が。まあ開かないものは仕方ないわ、他を当たってみましょう」

商人「そだね…うわあ、この階、壁際のほんの少しのスペースしか足場がないよ…落ちないように…わっ!?と、盗賊ちゃん押さないで!!」

盗賊「ほらほらー!!いそいでいくぞー!!」グイグイ

魔戦士「ほら、あんたも急ぎなバカ猫」ゲシゲシッ

非常食「ふ、ふにゃー!?落ちてしまいますにゃ!!」ジタバタ

魔法使い「もう、ふざけるのも大概にしなさい!慎重に、ゆっくり進まないと…」

竜王「マタオチルカラナ」

商人「このダンジョンに来てから何回も落ちたもんね。もう落ちたくない…あれ?これって…」

盗賊「おー!!うえにのぼるかいだんだな!!」

魔戦士「なんだ、ずいぶんあっさり見つかったじゃないか」

魔法使い「そうね、だんだん狭くなってるとはいえ、こんなに早く見つかるなんて…ここを上れば8階ね、いよいよ敵の本拠が近付いて来ているわね…」

商人「へへー、今日は2つも上の階に進めたね!」

魔戦士「順調なのは良いことだね。さて、この階は…」

非常食「にゃ、変わった扉がありますにゃあ」

魔法使い「これは…下の階にもあった、開かずの扉に似ているけど…」スッ…

ゴゴゴゴゴ…

盗賊「おお!?まほーつかいがさわったらひらいたぞ!!」

竜王「フウインガトケタナ」

商人「わ、すごい!魔法使いちゃん、何やったの?」

魔法使い「いえ、ただ触っただけよ。まるで入ってくるように仕向けているかのようね…」

非常食「にゃ、どうしますにゃ?」

魔戦士「どうもこうも、行くしかないだろう?このダンジョンに入った時点で危険は承知さ」

商人「そ、そうだね、行くしかないよね…うーん…」

魔法使い「不安なのは分かるわ。でも進まないとね…さあ、行きましょう!」

商人「…ふう、さっき盗賊ちゃんが罠の解除に失敗した時はどうなるかと思ったよ。気を付けてね」

盗賊「つぎはちゃんとやるぞ!!」

魔法使い「毎回ちゃんとやってね。ミミックだったから良かったものの、テレポートなんかだったら大惨事よ。それはそうと、あの扉の封印を破って塔の内部に入ってみたけど…」

魔戦士「呪文による侵入が禁止されてる以外は特に変わりないようだね。敵は強くなったが、それは上の階に来たからだろうしね」

商人「うん、見たことないモンスターがいたりして、ちょっと大変…」

――何かに遭遇した!

魔法使い「また敵よ、ホムンクルス達ね!さあ、やるわよみんな!!」

非常食「にゃー!ふにゃー!!」ドカバキッ

――ホムンクルス+1は死亡した ホムンクルス+1は死亡した ホムンクルスは――

盗賊「たいしたことなかったな!!あ、たからばこだぞ!!こうやって…あ!!」カチッ

――おおっと コブラの呪い

魔法使い「くっ、これは…!みんな、大丈夫…」

魔戦士は麻痺した 非常食は麻痺した 竜王は麻痺した 商人は麻痺した 盗賊は麻痺した

魔法使い「みんな麻痺してしまったわね。私に回復は出来ないし、今日の探索はここまでね…それにしても盗賊が立て続けに解除失敗するなんて、魔物が強くなったように罠も強力になるのかしら…?」

――マーシャの酒場

商人「あーあ、危なかった…でも全滅しなくて良かったね!」

魔戦士「アタシらのパーティーは呪文が使えるやつ一人生き残れば帰ってこれるからね、そう簡単に全滅しないさ」

盗賊「とーぞくひとりでもいきのこれるぞ!!」

魔法使い「そうね、この前は盗賊のおかげで助かったわね」

魔戦士「ああ、その後輩にご褒美だ、逆にパーティーを全滅させたがる生肉を用意したから煮るなり焼くなりすると良いよ」

非常食「ふにゃー!?申し訳ないのですにゃ!!」

魔法使い「またやってる…それより、今日もノレビス様は帰ってこないのかしら?」

商人「あー、確か姉御達が助けに行くって言ってたよ。光の庭は姉御達のホームみたいなものだし、ついでに冒険してくるんじゃない?」

魔戦士「連中は竜の牙で苦戦してるようだからね、稼ぎやすい所でレベル上げも間違ってはいないだろうさ。ま、アタシとしてはあの五月蝿いぽんこつにはもうしばらく留守でいて欲しいけどねえ…」

姉御「うん、やっぱりここなら苦戦はしないね!」

狩人「そっすね…ところでリーダー、ここに来た目的は…」

姉御「分かってるよ、死体回収でしょ。ほら、あそこにあるわ」

竜戦士「へえ、腐敗とかしてねえんだな。まあここ高地だしな、涼しいからなあ」

魔術師「…まだ…そんなに…時間も…経ってない…」

師匠「さて、誰を回収しますかな?」

姉御「デクでしょ。盗賊技能があるからお金稼ぎやすいし、なんだっけ、ジルオール?のおかげで自動回復もついてるでしょ?」

魔術師「…ジオルーン…」

姉御「だっけ?そんな訳だから一人でもお金稼ぎやすいでしょ?だからデクを連れて帰るよ」

狩人「うっす…良いんすかね女神様放っといて…」

竜戦士「ああ、まあ、良いんじゃねーか?」

魔術師「…邪魔だし…」

狩人「それ言っちゃいけないやつじゃ…」

商人「あ、姉御達だ、お疲れ様ー!」

姉御「お疲れー。って、そんな疲れてないけどね」

竜戦士「馴れたダンジョンだしなあ」

デク「ご迷惑をおかけしましタ」ペコリ

魔法使い「あら、デクを連れてきたのね」

姉御「それが一番だと思ったからね。でもこれからが大変だよ、キミ達お金持ってないしねー」

魔術師「…おかげで…ほぼタダ働き…」

狩人「ま、まあお互い様っすから…」

師匠「さて、我々はこの辺で失礼しますかな。今日は装備を整えないと…」

魔戦士「なんだい、来たばっかりでもう行くのかい?」

姉御「ふふ、私達もキミ達に追いつくためにやることやらないとね。じゃあね!」

盗賊「さよならなんだですぞ!!」

魔法使い「何語よ…でも姉御達も本気ね。冒険もいよいよ終盤になってきたわね」

商人「うん、あたし達も負けないようにしないとね!!」

非常食「にゃ、今日は8階からなのですにゃ?」

魔法使い「ええ、そして今日からは下りになるみたいよ。帰ってくる前に、下りの階段を確認したの」

盗賊「ん?ここきゅーかいまであるんじゃないのか?」

魔戦士「そのはずだけどね。アタシらは今まで、塔内部の外側を上ってきた。そしてこれからは内側を下る。もしかしたらその過程か、あるいは一番下で頂上に上る方法があるのかもしれないね」

魔法使い「ええ、かもしれない、ではなくて必ずあるはずよ。そして、それはもうすぐかもしれない…」

竜王「マダマダカモシレナイケドナ」

商人「そうだね、何も分かってないわけだし…」

魔戦士「思ったより長丁場になる可能性もあるね。じゃあ後輩、その時の為に手頃な肉を今のうちに捌いておこうか」

盗賊「おー!!くびきってちをぬくぞ!!」

手頃な肉「ふにゃー!?勘弁ですにゃー!!」

魔法使い「さて、この封印の扉を開けないと…」

商人「ま、また封印されてたりしないよね?」

魔戦士「さあてね、あっちがアタシらにびびってるならありえるかもね。どれ…」ゴゴゴゴゴ…

非常食「にゃ、開きましたにゃ!」

竜王「ビビッテハイナイヨウダナ」

魔法使い「この世界の魔王的な相手ですもの、私達に怯えたりはしないわよ。さあ、行くわよ」

盗賊「ん?かいだんどっちだ?ちずにかいてないぞ!!」

商人「あ、魔法使いちゃん書き忘れたの?珍しい凡ミス!」

魔法使い「貴方達みんな麻痺してしまうんですもの、私だって慌てるわよ…でも記憶にはちゃんとあるわよ、こっちよ」

非常食「にゃ、階段がありましたにゃ!」

魔戦士「流石だね魔法使いは。どこかの小娘じゃこうはいかないだろうねえ」

商人「コムスメじゃな…あ、別にあたしに言ってる訳じゃないよね、うん、そうだよね!」

盗賊「まちがいなくしょーにんのことだぞ!!」

商人「そ、そんなにはっきり言わないでよ!」

非常食「にゃ、塔の内側とはいえ魔物が強くなる訳ではないようですにゃ」

魔法使い「外側と変わらないようね。となると、下に行くほど戦闘は楽になると考えられるけれど…」

魔戦士「戦闘だけがダンジョンじゃないからねえ。それよりアタシは気になってる事があるんだが…」

商人「へ?何々?」

魔戦士「この塔を上ってくる間に、開かない扉があっただろう?もも、うた内側からなら開くんじゃないかと思ってね」

魔法使い「なるほど…ならまずは扉を目指してみましょうか。地図に扉があった場所は描いてあるから、たどり着くのもそう難しくはないはずよ」

商人「扉があった方向に歩いていけばいいはずだよね…あれ?何もないけど…」

盗賊「しょーにんはだめだな!!ここにかくしとびらがあるぞ!!」ガチャリ…

魔戦士「後輩も流石だね。やはり小娘とは違うねえ」クスクス

商人「あたしコムスメじゃない…けど、今回は盗賊ちゃん様様だなあ…じゃあシークレットドアを開けて…あ、扉だよ!」

竜王「フウインサレテルナ」

魔法使い「ええ、でも8階の扉の封印も触っただけで解けたし、今回も…」ゴゴゴゴゴ…

魔戦士「開いたね。なるほど、塔の内側には呪文では来れないが、こうやって封印を解けばまた上から来なくても済むって訳だね」

商人「あ、なるほど!次はもっと低い所から始められるんだね!なんか親切な作りだね!」

魔法使い「ダンジョンの親切はあまり信用できないわね、罠かもしれないし…でも、塔にも人が住んでいると考えれば、親切な作りでもあながちおかしくないのかしらね…」

竜王「ロッカイマデキタナ」

商人「6階かあ…確か6階は何か仕掛けが…あいた!?」ゴンッ

魔法使い「もう、6階は見えない壁があったでしょう?気を付けてよ」

盗賊「だめだめだな!!」

商人「うう…ここは慎重に進まないと…あ、そういえばこの階も外からじゃ開かない扉あったよね?」

非常食「にゃ、確かこっちですにゃ…にゃ、ありましたにゃ」

魔戦士「どれ、開くかどうか…開くようだね」ゴゴゴゴゴ…

魔法使い「これで6階からも出入り自由ね。さて、あとは階段ね…」

商人「よーし、この調子で階段も見つけあ痛あっ!?」ゴンッ

盗賊「しょーにん、もうみえないかべわすれたのか?だめだめだな!!」

商人「ううう、なんでこんな目に…」

魔法使い「注意力が足りないからでしょ…」

魔戦士「さて、小娘の醜態以外は順調にここまで来れたね」

商人「コムスメじゃないし!!愛嬌があるだけだから!!」

盗賊「ん?あいきょーってまぬけっていみなのか?」

魔法使い「いいえ。商人、盗賊が間違って覚えるから嘘はいけないわ」

商人「う、嘘じゃな…うん、間抜けって意味じゃない…間抜けって意味じゃないよ!!」

魔戦士「やれやれ、やかましいねえ。それより、この5階はどんな仕掛けがあったか覚えてるんだろうねえ?」

商人「も、もちろんだよ!!えっと、そう、風が吹いて飛ばされちゃうの!!」

魔戦士「ああそうだったね。ほら、先歩きなバカ猫」ドンッ

非常食「にゃっ!?押さにゃいで…にゃああ!?」ピューン…

商人「あ、非常食ちゃん!?また非常食ちゃんをいじめて…」

魔法使い「貴方も大概いじられてるけれどね…でももう少し慎重に進まないといけないわ。どこからどこに飛ばされるか分からないし…」

魔戦士「とはいえ、どこに行ったら飛ばされるかは結局飛ばされてみないと分からないだろう。というわけだ、ほらほら」ゲシゲシッ

非常食「にゃ、押さにゃ…ふにゃあああー!?」ピューンピューンピューン…

盗賊「おー、あっちこっちとばされたぞ!!」キャッキャッ

商人「あああ、可哀想な非常食ちゃん…」

魔法使い「もう4階…ここまで怖いくらい順調に下りてきたわね」

魔戦士「順調なのは良いことさ。この調子でもっと下まで行けると良いけどねえ」

商人「ねえねえ、4階って何も仕掛けがなかった所だよね?」

非常食「にゃ、3階でさんざん迷ったからホッとした記憶がありますにゃ」

竜王「ヒョウシヌケダッタナ」

魔法使い「でも、3階に下りたらまた厄介な事になるかもしれないわね。でも私達も強くなってるし、きっと大丈夫よ」

非常食「にゃ、強きですにゃあ」

盗賊「まほーつかいはあたらしいまものとけいやくしてゴキゲンなんだぞ!!」

魔法使い「ふふ、そろそろ体力のある回復役が欲しかったからね。プリーステスじゃ物足りなかったから、今度契約したアークフェアリーには期待してるのよ」

魔戦士「ま、回復役が強化されたのは良いことさ。とはいえ、アタシとしたらケルベロスさえいけば文句ないけどね、焼き肉にも使えるし」チラッ

非常食「にゃっ!?にゃぜこっちを見るのですかにゃ!?」

魔戦士「さて、問題の3階だが…魔物の方は大して強くないようだね、やっぱり」

商人「そ、そうかな…あたしさっきのフェニックスとかビックリしたけど…」

非常食「にゃ、あんな火属性のカタマリみたいにゃ魔物がこんな所にいたのは驚きでしたにゃあ」

魔法使い「そうね。それよりも、上ってくる時は苦労した3階だけれど、内部はあの一方通行の仕掛けはないみたいね」

竜王「ケイビガアマイナ」

商人「うーん、もしかして中に入られる事は予想してなかったのかなあ?でも、これなら簡単に進めるね!まずは外と中を出入り出来るように封印の扉を探して…」

盗賊「あ、ここシークレットドアだぞ!!」ガチャリ

魔戦士「お、やったね後輩。いつもならシークレットドアの先に封印の扉があるが、今回は…ああ、あったね」ゴゴゴゴゴ…

魔法使い「これで3階も後は階段を見つければ…うん、あったわ、あそこよ」

非常食「にゃ、次は2階ですにゃ。でも…もしかしたらそろそろ…」

商人「う、うん、決戦が近いかも…でも、今のあたし達なら、どんな敵でもきっと…!」

魔法使い「いよいよ2階まで下りてきたわね…あとはもう1階しかないわ」

魔戦士「さて、何が待っているかねえ?」

非常食「にゃ、恐ろしいですにゃあ…でも行かないといけませんにゃ、では…」

盗賊「そろそろごはんだな!!」

商人「ええー!?今まさに決戦かも!っていう時に…ここまで来て町まで戻るの!?」

魔戦士「そうだね、小娘の言うことも一理あるか…じゃあ後輩、ここで食事を済ませちまおうか。ほら、ここにいきのいい肉もあるしね」

盗賊「おー、じゃあいまからやきにくだな!!」

非常食「にゃー!?勘弁ですにゃー!!」ジタバタ

商人「すとーっぷ!!あとコムスメじゃないし!!」

魔法使い「仕方ないわね、ここで仲間が減っても困るし、町まで戻りましょうか。それにここの封印も解けたし、明日はこの階から探索を始められるわ」

商人「うーん、仕方ないか、アイテムもそろそろ持ちきれなくなってきそうだし…」

盗賊「よーし、じゃあもどってごはんだな!!あしたへのけーきづけにとっておきのにくをやくぞ!!」キャッキャッ

非常食「ふにゃあああー!?戻る意味がないのですにゃー!!」

盗賊「よーし、ごはんごはん…マーシャねえさーん!!」

商人「さーて、あたしは鑑定鑑定…」ガチャガチャ…

魔法使い「今日は色んな階の宝箱を開けたから、色々なアイテムが入っているかもしれないわね」

非常食「にゃ、良いものがあると良いですにゃあ」

魔戦士「ん?なんであんたこんな所にいるんだい?あんたはキッチンだろう?」

非常食「ふにゃー!?解体されたくないのですにゃー!!」

商人「もー、またやってる!ほら、鑑定終わったよ!今日はこれ、天使のサンダル!!防御力も高くて闇に対する耐性もあって、聖なる属性を増幅する力まであるの!」

魔法使い「すごいじゃない。それは回復呪文が使える貴方が持つべきね」

商人「え?天使のサンダルだけに天使みたいなあたしが持つべき?それほどでもあるかなー」ニヤニヤ

盗賊「しょーにん、みみわるくなったのか?かわいそうだな」

商人「本気で哀れまないでよ!!…それにしても、なんだか今日は酒場が物足りない気がするけど…」

魔法使い「私もそう思うわね。何故かしら…」

魔戦士「そうかい?アタシは今日は落ち着くと思うがねえ」

竜王「シズカダナ」

非常食「うにゃあ、何が足りないんですかにゃあ…?」

デク「ふウ、みんな生き返らせる事が出来て良かったでス」フウー…

ヨグマ「しかしよく皆を生き返らせる金があったのう」

デク「ヘソクリを隠してたんでス。姉御さん達に見つからなくて良かったでス」

ノレビス「ホントは書いてる人が忘れてただけですけどね~」

バルモア「それ、ぶっちぎりで言っちゃダメなやつだろ…」

ヨグマ「しかし、これでお主の計画も実行出来るというものだのう」

ノレビス「ええ、あの人達があと1歩の所までラストダンジョンを攻略したら、最後のおいしい所だけはいただこうという頭脳的な作戦です!」

デク「今日酒場で話を聞いたラ、早ければ明日にも竜の牙を攻略してしまうと言っていたのデ、急いで生き返らせたのでス」

ノレビス「ふふふ、ありがとうございます!これで私の野望、このSS乗っとりも完了というわけです!!」ドヤッ

ヨグマ「まあ、まだ何も始まっていないがのう」

バルモア「なあ、今まで積み上げてきたこのSSがぶっちぎりで壊れるんだが、それは良いのか?」

デク「さア、分かりませン…」

ノレビス「ふふふ、あの人達はここまで来たんですね。では私達はその続きをやっておいしい所をいただきましょう!!」

ヨグマ「まあ、平和になれば誰が闇の巫女を倒そうと文句はないはずだのう」

バルモア「よし、やるからにはぶっちぎりだぜ!!で、上に上がれば良いのか?」

デク「下でス。どこかに下に行く階段があるはずですガ…」

ノレビス「あ、ほらほら見てください、ここに階段がありますよ~」

ヨグマ「ふむ、では下りてみるか…さて、ここからどこに行ったら…」

ノレビス「あ、今度はシークレットドアですよ~」ガチャッ

バルモア「おお!?封印されてる扉じゃねえか!!ぶっちぎりで怪しいぜ!!」

デク「ここハ…ア、入り口のすぐ近くでス。これならこのダンジョンに入ってすぐに塔の内側に入れますネ」

ノレビス「さすが私、お手柄です!!…あ、でも他の人達が続いてくると不味いから封印したままの方が…」

ヨグマ「さすがにそうはいかんじゃろう。さて、後は闇の巫女達のもとへどう行くかだが…」

ノレビス「ふふふ、あの後すぐに8階へのワープを発見!!」

ヨグマ「しかもすぐそばに9階への階段があふとはな」

バルモア「ぶっちぎりで運が良いな!!」

デク「いよいよ最上階ですネ。闇の巫女との決戦でス」

ノレビス「じゃあ早速上ってみましょう!!…おー、流石に高い、良い景色!!」

バルモア「そうか?闇の気配みたいなもんでよく見えねえが…」

ノレビス「せっかくですからもうちょっとはじっこに行って景色をよく見てみましょ…」

――何かに遭遇した!

ヨグマ「むっ!?あれはまさかメデューサ…!」

メデューサの行動:ストーマ

バルモアは石化した

ヨグマ「むう、まずいな、まずは小僧の石化を治さなければ…」

ノレビス「そのための時間稼ぎをしますね!!タロット、愚者です!!」

ドロー失敗 冒険者達は眠った

コカトリスの行動:くちばし コカトリスの行動:くちばし メデューサの行動:ラストーマ…

魔法使い「ん…朝は辛いわね……さて、そろそろ準備を…」

魔術師「…まだ…いたの…?うるさい人達は…もう行った…」

商人「え、ええっ!?も、もしかしてあたし達の先を越そうと…た、大変だよ!!」

姉御「それでね、お知らせが来たよ!!はい、これ!!」

魔法使い「これは…?これは………捜索依頼、よね…」

盗賊「ノレビスさまたちぜんめつしたのか!?めーわくなやつらだな!!」

魔法使い「いよいよ最終局面っていう時にね…仕方ないわね、今日は捜索を…」

姉御「ああ、良いよ。私達が捜索しとく。キミ達はやる事、あるんでしょ?」

魔戦士「良いのかい?あんたらだってアタシらの先を越したいんだろう?」

姉御「それはそうだけどね。今回の件はキミ達が一番頑張ったのは確かだから、譲ってあげる!あ、でも全滅したら私達がやっちゃうけどね!!」

魔法使い「そう…ありがとう。必ず良い報告が出来るように努力するわ」

姉御「ん、気を付けてねー!!」

竜戦士「おーい、準備出来たぞー…ん?なんだ、あいつらに譲って俺らは捜索か?姉御もお人好しになったなあ」

姉御「何言ってるの、私程のお人好しはそんなにいないぞ!…それに、ぽんこつ女神様達にはちょっと用があるからね。私としたことが抜かったよね、デクのヘソクリを見抜けないなんて…うふふふ…」クスクス…

狩人「あ…リーダーの一番怖い顔っすね…」

商人「あ、ノレビス様達9階に行けたんだ!?」

非常食「にゃ、という事はみぃ達も9階に行けるのですにゃ?」

魔法使い「転移呪文を使えばね。本来なら、横取りするみたいで悪い気もするのでしょうけれど…」

魔戦士「今回はあっちが先にやってるんだ、遠慮する事はないだろう?」

竜王「アッチノジゴウジトクダナ」

商人「じゃあ9階に飛ぶね!あ、でも9階ともなればモンスターも強いだろうし、慎重に行かないとね。ノレビス様達も全滅したわけだし…」

盗賊「ノレビスさまたちがぜんめつしたのなんてなんのさんこうにもなさないぞ!!よわっちいからな!!」

魔法使い「言ったら悪いけど、そうよね…いずれにしろ、私達は同じ目に遭うわけにはいかないわ。慎重に行きましょう」

非常食「ですにゃ。にゃ、そういえば姉御さん達はノレビス様達の回収に来ると言ってましたが…大丈夫ですかにゃあ?」

魔戦士「確かに9階の魔物を相手にして回収しなきゃならないのは大変そうだが…連中の事だ、何とかするはずさ」

盗賊「あねごたちならだいじょーぶだぞ!!」

商人「うん、今は人の心配より自分の心配だよね。さあ、行くよー!!」

竜王「ガアアッ!!」ゴオオー…

デュラハンは死亡した デスナイトは死亡した デュラハンは死亡した

盗賊「おー、かったぞー!!」ガオー

商人「ふう、最上階だから敵もすごく強いのかなあって思ったけど、そんなに大したことなかったね!」

魔法使い「たまたま楽な相手だったかもしれないけれどね」

魔戦士「ま、だからと言って連中に勝てる相手か?って言われるとね」

非常食「うにゃあ、実際全滅してますからにゃあ…」

商人「でも、ここにはラスボス的なヒト達がいるんだよね?どこにいるのかなあ…?」

盗賊「あ、あっちにたくさんひとがいるぞ!!」

竜王「ゴニンイルナ」

魔法使い「5人…闇の巫女達と同じね…!いよいよね、ノレビス様達が進んだおかげで、思ったより早く遭遇したわね」

商人「そだね…よ、よーし、じゃあ行って…」

魔戦士「まあ待ちなよ。まずは敵情視察からだろう?という訳だバカ猫、あんたほぼ猫なんだからただの猫のふりして敵の様子見てきな」ドケシッ

非常食「ふ、ふにゃー!?無茶にも程がありますにゃー!!」オアー…

魔法使い「いくらなんでも無理でしょう…」

非常食「にゃ、にゃーん、ふにゃーん…」ゴロゴロ…

モカレ「あれ?猫だよ」

ターナ「こんな所に猫なんているんだねえ」

レカレス「あの猫は…」

セフィリーヌ「ああ、あの冒険者どものパーティーにいたワービーストだ!!」ギロッ

非常食「にゃっ!?やっぱりばれましたにゃ!!」

魔戦士「ちっ、ばれたか。ったく、役に立たないねえ」

商人「し、仕方ないでしょ!てゆーか無理だし!」

ヘリオライザ「やはり来たな、忌々しき冒険者達よ。我らを退けて指輪を集めたようだが全てはもう…遅い!」

魔法使い「遅い…?」

ヘリオライザ「さあ、アイローク!今こそ魔王として降臨の時!この新創地の全てが我らの物よ!!」ゴゴゴゴゴ…

盗賊「おお!?ここにもまおーがいるのか!?」

竜王「マガマガシイケハイダナ」

魔法使い「魔王…!恐ろしい気配、そして恐ろしい姿ね…でも、今更相手が魔王だからと言って怯む私達ではないわ!さあ、行くわよ!!」

――何かに遭遇した!

姉御「…なーんて、そろそろ始まってる頃かな?」

魔術師「…多分…」

竜戦士「なんだ、気になるのか?」

姉御「そりゃあね、なんだかんだで付き合いも長いし…」

師匠「ふむ、ならば我々も行ってみてはどうですかな?どうせ死体回収を頼まれているのですから、ついでに様子を見に行っても…」

狩人「いやー、ちょっと危険じゃないっすか?」

竜戦士「そりゃ危険だろうがよ、それは俺らが体張る所だろ?」

狩人「あ、そっすね。あ、え、えっと、リ、リーダーの事は俺が命にかえても守り…」

姉御「よし、じゃあ行ってみようか!世界の命運を決める最後の戦いだもんね、見なきゃ損損!!さ、みんな行くよー!!」ガタッ

魔術師「…待って…準備する…」

狩人「………」

竜戦士「ああうん、まあ、帰ってきたらいくらでも話聞いてやるからよ…」

魔戦士「前衛はセフィリーヌとレカレスと言ったか?どっちも知った顔だね」

魔法使い「ええ、そういった意味ではやりやすいわね」

非常食「にゃ、確か結界を使う相手がいましたにゃあ」

商人「あ、そうだった!じゃあエンテルクミスタでドカーンって訳にはいかないかあ…」

盗賊「しんでもしょーにんだけだからだいじょーぶだぞ!!」

商人「何一つ大丈夫じゃないよ!!じゃあまずは…我が同胞よ、光を纏え!!邪悪な力を遠ざけよ――ハロブカン!!」ギュウウーン

魔法使い「守備力を上げる呪文ね、なら私は――見えざる障壁よ我らが前に!!災厄の手より我が身を守れ!!ラポールフィ!!」ギュイイーン

竜王「ジュモンテイコウヲアゲタナ」

魔戦士「まずは跳ね返されない呪文からか、慎重だねえ」

魔法使い「戦った事のある相手もいるけれど、まだ未知の相手もいるわ、慎重で悪い事はないはずよ」

魔戦士「分かってるさ、でもアタシの出来る事は決まってるからね――らあっ!!」ザクザクッ

竜王「ガアアー!!」ゴオオー…

レカレスは死亡した

商人「やった!まず一人、この調子で行くよー!!」

魔法使い「前衛は一気に片付けてしまいたいわね…非常食!」

非常食「にゃー!!任せて下さいにゃ!!ふにゃー!!」ドカバキベキッ

セフィリーヌは死亡した

盗賊「なんだ、たいしたことないぞ!!たー!!」ブシャアー

商人「うん、前衛は倒しきったし、後衛にも少しだけどダメージが入ったね!!これなら…」

ヘリオライザの行動:メイドリカバー

非常食「にゃにゃっ!?メイドリカバーですかにゃ!?」

魔法使い「後衛へのダメージは全部回復されてしまったわね…」

魔戦士「あのヘリオライザとかいう女がいる限り、中途半端な攻撃は全部回復されちまうって訳かい?面倒だねえ」

商人「しかも状態異常も回復されちゃうよね。前戦った時は気にならなかったけど…」

盗賊「じゃあまずはあのおばさんからたおすんだな?」

魔法使い「そうしたい、所だけれど…後ろにいた魔物が、前に出てきたわ…」

商人「ま、魔王…!?これが…!」

魔戦士「さて、正念場ってやつだねえ。あんた達、ぬかるんじゃないよ!!」

非常食「にゃっ!!負けませんにゃ!!」

魔術師「――お空の神様怒ったよ ピカピカピカピカ怒ったよ 空からどっかん雷が ビリビリ撃たれて死んじゃった――ジアカラド」ズガーン

メデューサは死亡した

姉御「よっし!!強かったけど、何とかなったね!!」

狩人「いやあ、勝てないかと思ったっすけど…」

師匠「狩人殿の速攻で沈黙させられたのが効きましたな。さて、遭難者の捜索ですが…」

魔術師「…いた…」

竜戦士「ん?なんだ、死んでるのは一人で後はみんな石化か?もしかして俺らと同じ敵と戦ったのか?」

姉御「かもね。さて、じゃあ今回もデクかな、回収するのは。ちゃんとこの前ヘソクリを隠してたオトシマエをつけてもらわないとね…ふふふ…」

狩人「そ、そっすね…でも本当はあの女神様を生き返らせて、最後の戦い見届けさせたかったっすけどね…」

竜戦士「俺が死んだせいで蘇生呪文が切れちまったからなあ…でもよ、ここからあいつらは少し遠いがよお…近寄れそうにねえなあ。どうせ生き返らせても見れはしなかったんじゃないか?」

狩人「つーか大丈夫なんすかねあのヒト達…?なんかすごい邪悪な気配がするんすけど…」

姉御「あー、大丈夫でしょ。確かにここからだと良く見えないけどさ、短くない付き合いしてきたから、なんとなく分かるよ、どんな顔してるかもさ。あの子達、今とっても…」

魔法使い「――さあ、オラースで手数を増やすわよ!それから…商人?」

商人「ふふふ、魔法使いちゃんさ、魔王と戦ってるのにすごく楽しそうだね」

魔法使い「そう?そうかしら…そうかもね。でも、そういう貴方だって…」

盗賊「ふたりはいくたのたたかいをくぐりぬけたたたかいのもうじゃ。つよきてきをまえにするとたましいがふるえるせんとうみんぞく…」スチャ

商人「変な設定増やさないでよ!!あとインテリめがね持ってきてたの!?」

魔戦士「ま、これが片付けば国から褒美が出るからね、気持ちが浮わつくのも分からないではないさ。後輩、こいつらに勝ったらロイヤルスイートに泊まろうじゃないか。この大陸中の食べ物が食べられるよ」

盗賊「いますぐしぬんだぞまおー!!」ガオー

商人「す、すごいやる気!!」

魔戦士「ほらバカ猫、あんたも頑張ったら馬小屋から豚小屋にランクアップしてあげるよ、頑張りな」

非常食「ランクアップしてませんにゃ!?」

魔戦士「ぐちゃぐちゃうるさいねえ…らあっ!!」ザクザクッ

竜王「マオウノナヲイタダクゾ!!」ドスッ

――アイローク-1は死亡した

商人「やった!!でも魔王の称号は要らないよ!?」

魔法使い「ほら、まだ終わってないわよ!敵は3人も…」

ヘリオライザの行動:瘴怪波

盗賊は死亡した

商人「と、盗賊ちゃん!?あたしを庇って…」

魔戦士「うろたえるんじゃないよ!!後輩が何故あんたを庇ってたのか分かるだろう?」

商人「あ、うん!盗賊ちゃん、生き返らせるからね…リゼフェス!!」キョウーン

盗賊「んー、おなかへったぞ…」

非常食「にゃ、後は倒すだけですにゃ!ふにゃー!!」ドカバキベキッ

モカレは死亡した ヘリオライザは死亡した

竜王「コレデサイゴダゾ!!」ドスッ

――ターナは死亡した

商人「やった…やったんだね…!あ!ま、魔王達がみんな闇の中に…!」ゴゴゴゴゴ…

非常食「闇の中に消えていきますにゃ…にゃ!?誰か残って…」

魔法使い「あれは…ヘリオライザ、だったかしら…」

ヘリオライザ「…失敗、か…神を…崇め…神に…仕えて…」

盗賊「ううー、これははなしながくなる流れだぞ…」

商人「と、盗賊ちゃん、我慢我慢!」

ヘリオライザ「私の生がこれで終わりなら…何のために…なんの…」

魔戦士「確かに長そうだね。さっさと帰って褒美を貰った方が良いんじゃないかい?」

魔法使い「貴方まで何言い出すのよ…」

ヘリオライザ「名もなき冒険者達よ…今回は、お前達の勝利だ…だが…百年…千年の時を経て…」

盗賊「ひゃくねんもせんねんもまてないぞ!!いますぐかえってごはんだぞ!!」

商人「ちょ、ちょっと盗賊ちゃん!?書いてる人はちゃんと写真撮ってまであの人の台詞再現しようとしてるんだから、もう少し待って…」

盗賊「またないぞ!!おなへったぞ!!」ガオー

魔戦士「はっ、こりゃもうタイムリミットだね。さ、帰ろうじゃないか」

魔法使い「良いのかしら、まだ話すことありそうなのに…」

姉御「…闇の気配が引いたみたい。終わったのかな…」

竜戦士「あー、それっぽいな。なんか…遠くから見てても騒がしいが…」

魔術師「…あのヒト達…らしい…」

狩人「はは、そっすね。でもリーダー、なんか声掛けに行かなくて良いんすか?おめでとう、とか…」

姉御「え?ふふ、良いよそういうのは後で。それより早く帰らないとね、あのヒト子達より先にさ」

竜戦士「ああ?なんでそんなに急ぐんだよ?」

師匠「リーダーは彼らの成し遂げた事へのお祝いをしたいのでしょう。その為の準備を帰ってしなくては、と。そうですな?」

狩人「あー、なるほど。さすが師匠はリーダーと付き合い長いだけありますね。ってえと、そのお祝い、ってかパーティー?っすか?はリーダーのおごりで…?」

姉御「え?まさか!あの子達は望むだけのご褒美が貰えるんだよ?おごってもらうのはこっち!!さ、早く帰ってたーくさん酒場で注文して、ぜーんぶあの子達のツケにするわよ!!ほら、早く早く!!」

竜戦士「…さすがだなうちのリーダーは…」

魔術師「…リーダー…らしい…」

選王「待ちかねたぞ!ついにやってくれたようだな!」

魔法使い「はい、遅くなりましたが…なんとか全うすることが出来ました」

選王「竜の牙を覆っていた暗雲も消え去り、モンスター達も影を潜めた。世界は闇の魔の手から解放されたのだ」

魔戦士「全く、清々しくなっちまってねえ…アタシは息苦しいよ」

非常食「うにゃあ、お嬢様はまたそんにゃ事を…」

選王「約束だったな、望むだけの褒美をやろう!」

1000000GPを手に入れた!

盗賊「おおー!!ごはんひとつきぶんはあるな!!」

魔法使い「もっとあるわよ…一月で食べ尽くさないのよ…」

竜王「ムズカシイナ」

選王「さあ、表へ出てみるがいい!お前達の凱旋を祝って、群集が集っているぞ!」

商人「ええー!?そういうの苦手なんだけど…」

魔戦士「はっ、キュートでセクシーダイナマイツなあたしが~なんて言ってるわりには小心者だねえ」

商人「むっ!良いよ、行けば良いんでしょ?さあ、みんな行くよ、さあさあさあ!!」ドタバタ…

魔法使い「ちょっと、待ちなさいよ!…ふう、全く、あの子はいつまで経っても落ち着きが無いわね…」

――マーシャの酒場

非常食「うにゃあ、パレードは疲れましたにゃあ…」

姉御「あ、お帰りー!!待ちかねたぞ!!やったね!!流石だぞ!!」

魔法使い「姉御…ありがとう。貴方達にも沢山助けて貰って…」

盗賊「あねごがいなければダンジョンでしたいのままころがってたぞですだぞ!!」

魔術師「…それは…お互い様…」

師匠「ええ、我々も貴方方が居なければ今こうしてここにはいなかった。そして、お互いを支えあって、最後に栄冠を手にしたのは貴方方だ。胸を張って下され…おめでとう」

魔戦士「ま、知らない奴らにギャーギャー言われても何とも思わないが、知った顔のあんた達にそう言われると悪い気はしないね」

狩人「いやホントすごいっすよ皆さんは…おめでとうございます」

竜戦士「やったな兄弟!!おれも鼻がたけーぞ!!」バンバン

竜王「アリガトウ」

魔法使い「それにしても…ずいぶん準備が良いわね。もうテーブル中に皿が並んで…」

姉御「そりゃあ、私達もキミ達が奮闘してたのを遠目で見てたからね、キミ達が勝ったのは分かったからさ、こうして先に準備をしてたわけ!!お金の心配もないしねー」ニコニコ

商人「へ?お金の心配がないって…ま、まさか!?マーシャさん、このお代って…あー!!あたし達に請求が!!」ギャーギャー

魔法使い「…そういえば前に言われていたわね…ホビット相手にお金の事では勝てない、か…この件に関しては最後まで勝てなかったわね…」

商人「うわあ、ベッドふっかふか…」ゴロゴロ…

魔戦士「まるで姫君にでもなった気分だねえ。ま、悪い気はしないね」

盗賊「ひめだぞー!!」ドタバタ…

商人「もー、盗賊ちゃん落ち着いてよ!!でも、こんなにのんびりしたの久しぶりだなあ…そうだ、この世界に来る前に…この世界に…あー!!も、元の世界に戻る方法、まだ見つけてない!!」

盗賊「なんだしょーにん、まさかもくてきわすれてたのか?」

商人「そ、そそそそんなことないよ!?」

魔戦士「忘れてたんだね、全く小娘は…」

商人「コムスメじゃないし!!でも魔法使いちゃんだって…あれ?魔法使いちゃんは?」

魔法使い「ただいま…もう、まだだらだらしてたの?まあ、たまの休息だし良いけどね」

商人「ま、魔法使いちゃん、元の世界に戻る方法だけど…」

魔法使い「ああ、それなら今お城でこんなのを貰ってきたわ。ほら、見て」カチャ…

盗賊「ん?なんだこのふるくさいの?」

魔戦士「これは指輪探しに使ったコンパスみたいだが、またずいぶん古びてるねえ」

商人「これが元の世界に戻る事と何の関係があるの?」

魔法使い「これは王様から聞いた話なんだけれど…この世界には6柱の神の祭壇があって、その全てを見つけて祈りを捧げると、神の世界が垣間見れるという伝説があるらしいの。て、そのさあ祭壇を探す為に必要なのが…」

商人「そのコンパスって事?で、でも神々の世界を垣間見れるって、つまり神様の世界に行けるかもしれないって事!?それなら、もしかしたら…」

魔法使い「ええ、そこから私達の世界に繋がってるかもしれないし、神々が私達を元の世界に戻してくれるかもしれない。もちろん、確証は無いけれど…やってみる価値はあると思うわ」

盗賊「まほーつかい、ちゃんともどるほーほーをかんがえてたんだな、さすがだな!!しょーにんとはぜんぜんちがうな!!」

商人「ぐっ…え、えーと、でもこれからの目標は決まったね!!祭壇を探して…あ、でもロイヤルスイートって1週間泊まるんだっけ?じゃああと何日か休んでから…あれ?誰かノックしてる?」コンコン

魔戦士「なんだ、バカ猫かい?お前にもちゃんと豚小屋を用意しただろう?」

魔法使い「なに言ってるの、他の二人もちゃんと部屋を用意してあるわ。でも、誰かしら…あら」

姉御「ふふふ、話は聞かせてもらったぞ!!その祭壇、私達が見つけてあげる!!」バーン

商人「ど、とこで話を聞いて…それより、祭壇を探してくれるって…」

姉御「その祭壇探し、一筋縄ではいかなそうでしょ?だから私達がやって、キミ達とのレベル差を埋めようって事よ!!あと面白そうだし!!」

魔法使い「それは…私達は構わないというか、むしろ有り難いけれど…良いの?」

姉御「良いも何も、キミ達あと200レスもない中で帰る方法探さなきゃいけないんだよ?ここからダラダラ祭壇探しなんてやってたら、あっという間にスレ無くなっちゃうぞ!!」

商人「ちょ、姉御その話は…っていうか次スレはないの!?」

姉御「ない!!」バーン!!

魔戦士「なるほど、じゃあこれは任せるしかないようだねえ。ま、こっちとしても悪い話じゃないけどねしかし、これからは慌ただしくなりそうだねえ…」

やった!まだ続くぞ!!(喜び)

でも次スレはないのか…(悲しみ)

魔術師「…これが…ボイドの祭壇…」キュイイイイ…ン

竜戦士「わりとあっさり見つかったな、楽勝じゃねーか!…なんだ姉御、不満そうだなあ?」

姉御「だって…あんまり簡単でさあ…レベルもほとんど上がらなかったしさー」

狩人「あー、ダンジョンにあった3つの祭壇は全部入り口のフロアにあったっすからねー…」

師匠「しかし、見つからないよりは良いですからな。それにしてもリーダーは流石ですな。こうも簡単にどの祭壇がどこにあるかを探り当ててしまうとは」

姉御「簡単だよ、ちょっと下手に出ればほとんどのヒトが教えてくれるもん、特に男はね!でもヘンだよねー、ホビットはともかくさ、人間の男も私にホイホイ情報教えてくれてさ。人間って特別やらしいのかな?狩人君もそうなの?」ジロッ

狩人「へ?いやいやいやそそそそんなことは…」アタフタ

姉御「ふふふ、何慌ててるの?ジョーダンだよ!!」

狩人「………あ、はい…」

魔術師「………残酷…」フウ…

竜戦士「あー、それよりよお、祭壇全部見つけはしたけどよ、ギガ・バザールにあったやつはどうするんだ?」

姉御「あれは私達の手には負えないからあの子達に任せましょ。全部見つける、っていう約束は果たしたし!」

師匠「ふむ、我々には無理でも今の彼らならば問題ないでしょうからな。では町に戻りますかな、我が弟子よ」

魔術師「…はい。――魚が川を上るよりも 鳥が大空を舞うよりも 早く遠くへ行けるよう 秘密の抜け道見つけるよ――ティオメンテ」キィーン

姉御「――と、いう訳だから、後は頑張ってね!!大丈夫、キミ達なら余裕余裕!!じゃーね!!」バタン!

魔法使い「あ、待って…行ってしまったわね。しかし1日で見つけてくるなんて流石ね…」

盗賊「あねごならとーぜんだぞ!!」キャッキャッ

魔戦士「しかし、連中でも手に負えない祭壇ねえ…ずいぶん厄介なものが残ったようだねえ」

商人「あ、あのさ…お嬢サマは、あたし達の元の世界に戻る方法探しも手伝ってくれるの…?」

魔戦士「はあ?何言ってるんだ?当たり前だろう?」

魔法使い「良いの?その…ここから先は私達の問題だし、どんな危険があるかも分からないわ。無理に…」

魔戦士「はっ!あんた達から見て、アタシはそんなに冷たく見えてたのかねえ?ここまで来て見捨てたら、寝覚めが悪いなんてもんじゃないだろう?――可愛い後輩もいるしね」

盗賊「おー、ありがとうなんだぞせんぱい!!」キャッキャッ

魔戦士「それに、こんな面白そうな事アタシ抜きでやろうなんて思ってたのかい?最後まで付き合ってやるさ」

商人「お嬢サマ…ありがとう!」

魔法使い「ええ、助かるわ、本当に…」

魔戦士「良いよ礼なんて、むず痒い」

魔法使い「そうね、ふふふ…さて、そうなれば休みが終わったらまた冒険ね。まずはあの姉御達にも手に負えないと言わしめたギガ・バザールの祭壇だけれども…」

商人「…じゃあ、非常食ちゃんもまた一緒に冒険してくれるんだね!」

非常食「にゃ、もちろんですにゃ!…それにしても、お嬢様がそんにゃに仲間思いだったにゃんて…うにゃあっ!?」ギギキ…

魔戦士「ほうほう、じゃああんたの言う通り仲間思いじゃないアタシは仲間を一匹捌いちまおうかねえ」ギリギリ…

魔法使い「もう、止めなさいよ…それより、コッペロさんの所にあるという祭壇だけれど、どんな難題が待っているのか…それも、行ってみれば分かるわね。こんにちは、コッペロさん…
ギィ…
コッペロ「おや皆さん、良い所に来ましたね。実は奇妙な墓石を手に入れまして。何か秘密がありそうなのですが、買い手もつかず困って…どうかしましたか?」

商人「ね、ねえ、コンパスが光ってるよ!あれってもしかして…」

魔法使い「祭壇、のようね。姉御の言う通りだったわね…コッペロさん、話を続けてもらえるかしら?」

コッペロ「はあ…そこで、皆さんにご相談。この墓石、買い取っていただけませんか?」

商人「えっと…おいくら万円?」

コッペロ「今なら450,000G.Pでお売りしましょう」

商人「よ、よんじゅうごまん!?」

魔戦士「ずいぶんふっかけてくるじゃないか。こいつ、こっちの足元見てるんじゃないのかい?」

魔法使い「……でも、買うしかないわね…コッペロさん、買わせていただくわ」

コッペロ「まいどあり!いやあ、助かりましたよ、感謝します」ホクホク

商人「うーん、やっぱり高すぎたんじゃ…」

コッペロ「ところで…この墓石にはどんな秘密があるのですか?」ワクワク

魔戦士「おいおい、あんたはそれも含めてあの金額で売り渡したんだろう?売った後にそれを聞くのはご法度ってもんじゃないかい?」

コッペロ「あ…そうですね、失礼しました」

魔法使い「それでは失礼するわね…さて、この墓石に祈りを捧げれば良いのかしら?」

盗賊「いのりをささげるってどーするんだ?」

商人「え、えーと…神様神様、どうか私達をお導き下さい…」

魔法使い「そんな感じで良いのかしら……あっ!?こ、これは…」

竜王「ヒカッテルナ」

非常食「にゃ、にゃー!?光に飲み込まれ…!」キィーン!

コッペロ「な、なんですか今の光は!?皆さん…?あ、あれ?皆さんはどこに…」キョロキョロ

――

あらあら、可愛い子羊ちゃん達が迷い混んで来たこと

商人「え…?誰の声…?ここは…?あたし達は…」

女性?「どうしようかしら?このまま送り帰してしまおうかしら?うーん………」

魔法使い「ま、待って!何がなんだか分からないけれど、追い返される訳には…」

女性?「まあ、いいわ。ここはエルミナージュ。そして、私はヒズベルト。よろしくね」

魔法使い「エルミ…ナージュ?ここは…」

ヒズベルト「ここはどういう所で、私は何者か、よね?エルミナージュは、神々によって産み出された世界に起きた、すべての出来事を記録している場所」

商人「す、全て!?」

ヒズベルト「貴方達のいたハルドラ・イール以外にも沢山の空間と大地が存在している…というのは、貴方達なら何となく分かるかしら?アレフガルドの英雄さんたち?」

魔法使い「そんな事まで…!」

盗賊「それでねーさんはなんなんだ?」

ヒズベルト「私は、私の役目は、エルミナージュの情報管理。流れ着く情報は膨大で…目の前のあなたを見つめ、言葉を聞いていながらも、私の片方の目と耳は、無限の事実を受け止めているわ。今、まさにこの場においても」

魔戦士「つまり、あんたは全知全能ってやつなのかい?」

ヒズベルト「全能てではないわ、残念だけどね。それに、機構は実体への干渉は許されない。それがエルミナージュの法だから」

商人「あの、あたし達…」

ヒズベルト「アレフガルドへ帰る方法ね?良いわよ、迷子を送り届ける位なら出来るわ。ただし、条件があるの。それはね――」

商人「この世界に住み着いた大魔公っていう魔物達を全部倒したらアレフガルドに帰してあげるって行ってたけど…大魔公って、名前だけでも強そう…」

非常食「うにゃあ、気が滅入りますにゃあ…」オアー…

魔法使い「仕方ないわね、別世界に渡るには相当なエネルギーが必要で、そのエネルギーを得るためには強力な力を持つ大魔公を倒さなければならない、って言われたらやるしかないわ」

魔戦士「しかし、不干渉が法だっていう割りには随分親切にするじゃないか、あの女は。怪しいんじゃないのかねえ?」

魔法使い「まあ、迷子くらいなら、という話みたいだし、それに不干渉が法のあの場所に私達が居る、という事態も好ましくないとは言っていたけれど…」

竜王「キベンダナ」

商人「うーん、あたしはただ親切なだけだと思うけど…」

魔法使い「いずれにしろ、私達には他にすがるものがない以上、言う通りにするしかないわけだけれど…大魔公はそれぞれ非常に強力な魔物だというし、前途は多難のようね…」

商人「はー、疲れた…」

姉御「お、お帰りー!!どう?進展あった?」

非常食「にゃ、かくかくしかじかですにゃ」

竜戦士「へー、別世界になあ!そりゃすげえけど、別世界からここにホイホイ帰ってこれるもんなのか?」

魔法使い「ええ、私達もよく分からないけれど、行き来は出来るわね」

姉御「へー、じゃあ後で私達も行ってみようよ!!良いよね?」

魔戦士「ま、別に減るもんじゃないしね、良いんじゃないかい?」

姉御「やった、ありがとー!!別世界かあ、楽しみだなあ…」ワクワク

狩人「いや、別世界は良いんすけど…魔物とか強くないんすか?」

盗賊「あんまりかわらなかったぞ!!」

竜王「オモッタホドデハナカッタナ」

商人「うーん、でもヴァンパイアロードだっけ?あのひとはすごく強かったよ…」

師匠「ふむ、やはり警戒が必要なようですな」

魔法使い「ええ、でも思ったよりは進めたわね、持ち物が一杯になるまで探索出来たし…」

商人「うん、後は良いアイテムが出れば言うこと無かったんだけどね…今回は特になしだよ、とほほ…」

商人「…はーっ、今日も疲れた…そして今日もまた良いもの無しかあ…」ガッカリ

魔法使い「まあ、まだ2日しか探索してないじゃない。それに、アイテムはともかく、あのフロアの探索は6割か7割は終ったわ」

盗賊「じゅんちょーだな!!」

竜王「テキモタイシタコトナイナ」

魔戦士「楽勝って程ではないが、まああの位ならね。危険なやつも居ない訳じゃないが…」

姉御「ただいまー!!ちょっとー!あそこのモンスターすごい強いじゃない!!ヴァンパイアロードとかアークデーモンとかさ!!」

魔術師「…全滅…しかけた…」

商人「あ、ご、ごめんなさい…でも姉御達も全滅はしないで戻ってきたじゃない」

竜戦士「ま、俺らもようやく蘇生呪文が使えるようになったからな、じーさんさえ死ななきゃ何とかなるわけだ」

狩人「全快の泉があるっすからね。でもあそこのモンスターはまじやばいっすよ、リーダーもそろそろ後衛に下がって…」

姉御「狩人君?私と狩人君、どっちが先に死んだ?どっちがたくさん死んだ?」

狩人「………」

商人「あ、あー、そちらも大変ですね…」

デク「やっと皆さんを生き返らせる事が出来ましタ…一人でマウレアの森でお金稼ぎは大変でしタ」

バルモア「ぶっちぎりでよくやったな!!」

ヨグマ「しかし、復帰早々難易度の高そうな所に来たが…大丈夫なのかのう?」

ノレビス「ご心配なく!!今日はここのヒトとお話に来ただけですから!!あ、皆さんは少し外しててもらって良いですか?」

バルモア「一人で話するのかよ!!ぶっちぎりで不安だな…」

ノレビス「大丈夫大丈夫!!じゃあ、ちょっと行ってきますね!!失礼しまーす!!」ガチャ ギィ…

――

ヒズベルト「また迷子?それともお客さん?今日来たホビットちゃん達のパーティーといい、いきなり賑やかになったわね」

ルビス「初めまして、ヒズベルトさん。私も名前は知っているし、貴方も私を知っているでしょうけれど」

ヒズベルト「あら、今日は冒険者のノレビスさんではなく精霊ルビス様として来たんですか?」

ルビス「ええ。単刀直入にお尋ねしますが、私の――アレフガルドの人達を帰す約束をしたそうですね?」

ヒズベルト「ええ、それが何か?」

ルビス「困ります、勝手なまねをされては」

ヒズベルト「あら、私は迷子を家に帰すだけのつもりですけれど。家主さんは、迷子が家に帰るのは不都合なんですか?」

ルビス「いえ、それは考えすぎですよ~…ほんの少しだけ」

ヒズベルト「少しだけ、ですか」

ルビス「ええ。とにかく、私に断りもなくそういう事をされては困ります」

ヒズベルト「困りましたね、あの子達にはもう約束してしまったし。ここでルビス様に許可をいただければ、何も不都合はないのですけど?」

ルビス「ええ、構いませんよ。その代わり、条件があります」

ヒズベルト「条件、ねえ。ご存じの通り、このエルミナージュは不干渉が原則です。あまり私に出来る事はないのですけれど」

ルビス「貴方なら上手いことやるでしょう?あの人達を帰す手筈だって、貴方の力をもってすれば簡単なはずです。それを、エネルギーを集めるなんて嘘をついて…廃地であの人達を暴れさせれば、廃地で暴れた狼藉者が機構に乱入してきたから、仕方なく狼藉者を追放した、という大義名分が立つ。これなら、不干渉の原則を逆手に取れるし、貴方はその地位を守れるし、あの人達は帰れる。貴方の筋書きはこうでしょう?」

ヒズベルト「全てお見通しなのですね。でも、それが貴方の条件を聞く事には繋がらないかもしれませんけど」

ルビス「問題ありません。私の条件は、あの人達を帰す時、私を立ち会わせて欲しいというだけです。なんなら、あの人達と一緒に追放してくれても構いません」

ヒズベルト「なるほど、自分の目の届かない所で事がなされるのは嫌だと。でも、本当にそれだけでしょうか?私があの子達を帰す時、何か細工でもするつもりでは?」

ルビス「ふふふ、それはヒミツです。でも、私だって私の世界の英雄達を無下に扱うつもりはないですから」

ヒズベルト「英雄達は、ですか。まあいいわ、その条件、受けましょう。神々の承認を得ていない大地の創造主の条件なんて、本来あまり飲みたくないけれど…」

ルビス「ふふふ、貴方の言う神々は傲慢ですね。全てが自分達の思う通りになると思っている。承認を得ていない私の大地は神々から言わせれば闇の領域、と言った所ですか?」

ヒズベルト「…お話が終わりなら、そろそろ引き取ってもらいましょうか」

ノレビス「はい、では冒険者のノレビスに戻りますね。ではまた~」バタン

ヒズベルト「ふふ、面白い人。あの子達も厄介な人の庇護下にいるのね…」

ノレビス「ただいま帰りました~」

魔法使い「あら、ノレビス様。生き返ってたのね」

ノレビス「ええ、皆さんがエルミナージュに到達したと聞きまして、これはアレフガルドの創造主としてヒズベルトさんと頂上対談を行わなければと!!」ドヤッ

盗賊「ん?ちょーじょーってへっぽこのちょーじょーか?あのねーさんもへっぽこだったのか?」

魔戦士「流石にそれは失礼だね後輩、へっぽこやポンコツはこのポンコツのワントップ、しかも断トツだよ」

盗賊「そーだな、ねーさんしつれーしたんだぞ!!」

ノレビス「私に失礼はないんですか!?」

非常食「にゃ、あのヒトがいると賑やかになりますにゃあ…」

竜王「ウルサイダケダゾ」

商人「あははは…あれ?賑やかっていえば姉御達は?」

マーシャ「それなんだけど…はい、これ」

魔法使い「これは…捜索依頼?今度は姉御達なのね…」

ノレビス「全滅ですか?迷惑なヒト達ですね!!」

盗賊「どのくちがいってるんだ?めーわくのおやだまみたいなへっぽこっぷりなのに」

ノレビス「そんな、ひどい…」

盗賊「あねごたちはかいしゅーしたからぼーけんのつづきやるぞ!!」

商人「はやっ!でも残り少ないから急がないとね…」

魔法使い「何の話…?まあ、実際には姉御じゃなくて蘇生呪文を使える師匠を回収して蘇生もしたんだけれど…」

魔戦士「ま、回復の泉が近くにあったから蘇生はサービスだね。それより、あのじいさんから気になる情報を聞いたね」

非常食「にゃ、回復の泉の近くに何かがあるみたいという話にゃのですが…」

竜王「アレナンダ?」

魔法使い「あれは…何かの石碑?碑文があるわね…といっても、数字しか書いてないわね…」

商人「これ…確か竜の牙の頂上で似たようなの見たような…」

魔戦士「とはいえ、数字だけじゃ何も分からないねえ。ま、下の数字は、2つの数字が並んでるようにも見えるから、何かの距離か期間か、そういうモノを表してるのかもしれないがね」

盗賊「あさごはんからおひるごはんまでのじかんだな!!」

商人「絶対違うと思うけど…」

竜王「アッチニモナニカアルゾ」

非常食「にゃ、あれは台座ですかにゃ?」

魔法使い「そうね…何かただならぬ力を感じるけど…」

魔戦士「明らかに怪しいが、かといって調べない訳にもいかないね。という訳だバカ猫、ちょっとさわってみな」グイグイ

非常食「にゃっ!?またみぃがイケニエに…にゃにゃー!?」ピカー

商人「わっ、何か光って…わーっ!?」ピカー

――忘れられた地、三層

魔法使い「ここ、は…?似たような景色だけれど、さっきとは違う場所に来たみたいね…」

商人「う、うん…しかもなんか雰囲気が…」キョロキョロ

魔戦士「ああ、空気が良い感じに淀んできたね。ほら、バカ猫も深呼吸してみな、気持ち良いだろう?」グイグイ

非常食「ふにゃー!?き、気分が…」

商人「もー、止めなよ!!…でも、デビリッシュのお嬢サマが良い空気って言う時は、大体モンスターが強い所なんだよね…」

魔法使い「そうね、今までの所はそこまで魔物も強くなかったけれど、ここからはそうはいかないかもしれないわ。慎重に進まないと…」

盗賊「うー、おにくのけはいがないぞ…」

魔法使い「お肉の気配…?まあ、確かに生き物は魔物位しかいないようだけれど…」

魔戦士「しかし殺風景な所だねえ。空気はうまいが、あるのは月と炎と冷たい大地だけってのがねえ」

商人「ホントだね…いくつか建物はあるみたいだけど、みんな廃墟同然だし…」

非常食「にゃ、でも大魔公と呼ばれる魔物達は何人もいるのですにゃ?」

魔法使い「そうね、この建物の中にも…あら」ガチャ

竜王「ソトニデテシマッタナ」

魔戦士「しかもご丁寧に一方通行のドアときた。またやり直しか、面倒だねえ」

商人「あ、じゃああっちの建物行ってみようよ、あっちの方が小さいからすぐ見て回れるかも!」

魔法使い「そうね、じゃあ行ってみようかしら。何かあれば良いのだけれど…」

盗賊「おにくとかな!!」

商人「盗賊ちゃん、お腹減ったの?もうちょっと我慢して、ね?」

魔法使い「さて、この建物も大分奥まで来たけれど…」

盗賊「おにくのけはいはしないぞ…」

非常食「にゃ、でも何か、恐ろしい気配がするようにゃ気がしますにゃ…」

魔戦士「空気が濃密になってきたよ。恐らく、この扉の向こうに…」ガチャ…

*デュークス・テリトリー あらゆる世界に座する者*

魔法使い「この部屋は…!?つ、土が、大地が盛り上がって…!」

商人「わわっ!?す、すごく高くなったよ!?こ、これって…」

竜王「リュウノキバニスコシニテルナ」

魔法使い「そうね、でもこれは、まるで…!」

商人「ぎゃ、ぎゃー!?め、眼が!!つ、土の塔にたくさんの眼が!!」

魔戦士「これは…明らかに睨まれてるようだね。どうやら友達になりたい訳じゃあ無さそうだね」

魔法使い「それはそうでしょう…みんな、来るわよ!!」

――何かに遭遇した!

商人「あ、あのでっかいのはまだ後ろにいるから、今戦うのは…ゾンビにエクトプラズムに、土のエレメンタル!?なんか拍子抜け…」

魔法使い「相手の前衛を倒す前に、強敵と戦う準備をしましょう…オラース!!」ギュイイーン

商人「じゃああたしは、ハロブカン!!」ギュイイーン

非常食「にゃ、では倒しますにゃ!!」ドカバキッ

盗賊「とーっ!!」ブシャー

ゾンビは死亡した エクトプラズムは死亡した ゾンビは死亡した 土のエレメンタルは死亡した 土のエレメンタルは死亡した

魔戦士「よし、一掃したよ!さあ、来なよデカブツ!!」

商人「わ、来た!…うーん、近くで見るとホントおっきい…」

ゼフカカの行動:奇岩弾

盗賊「ふぎゃっ!?い、いたい…」フラフラ…

魔法使い「盗賊!後衛にも攻撃が飛ばせるのね、私達も気を付けないと…」

商人「待って盗賊ちゃん、回復を…」

ゼフカカの行動:奇岩弾

盗賊は死亡した

商人「と、盗賊ちゃん…!」

魔戦士「慌てるんじゃないよ!!あの攻撃力は危険だ、倒すのを優先じゃないかい?ま、どっちにしろアタシらが出来るのは…」ザクザクッ

非常食「にゃ、攻撃だけですにゃ!!」ドカバキッ

ゼフカカの行動:奇岩弾

竜王「グッ…!マダヘイキ!!」

魔法使い「流石に頑丈ね!さあ、私も攻撃に回るわ、ジアカラド!!」バリゴーン

商人「盗賊ちゃん、待っててね、このモンスター倒したらすぐ生き返らせるから…あたしも、ジアカラド!!」ドゴーン

ゼフカカの行動:奇岩弾

非常食「ふにゃっ…!だ、大丈夫なのですにゃ!!ふにゃー!!ふにゃにゃー!!」ドカバキゴキベキィッ

――ゼフカカは死亡した

魔戦士「よし!!さ、後輩を生き返らせてやりな。頑張ったね後輩…」

商人「うん、リゼフェス!!」キュアーン

盗賊「ん…おにくなかったぞ…」ムクリ…

魔法使い「生き返ったらお腹減ったのかしら…?でも、恐らく今のが大魔公のうちの一体なんでしょうけど、思ったよりは苦戦しなかったわね」

商人「あたし達、また強くなりすぎたのかも?でもこの調子なら町に帰る前にもう一体位倒せるかも!!よーし、どんどん行ってみよー!!」

魔法使い「…次の大魔公も近そうね…」

商人「うん…なんていうか…臭う…」

非常食「うにゃあ、鼻が曲がりそうですにゃあ…」

魔戦士「淀んだ空気は嫌いじゃないが、流石にこの臭いはね…さあ、恐らくここが臭いの元だが…」ガチャ…

*デュークス・テリトリー 古き巨人達の王*

盗賊「ううー、とても食べれなさそうなおにくのにおいだぞ…」

竜王「アレガハッセイゲンダナ」

魔法使い「あれは、腐肉の塊…?さっきの魔物程ではないけれど、これもまた大きいわね…」

商人「そうだね…って動いた!?これ、ヒト…巨人!?巨人の腐肉が動いて…!」

非常食「うにゃあ、動いたら臭いが…にゃ、襲って来ますにゃ!!」

魔法使い「この部屋に入ったのは間違いだったかしら…?でもこうなったらやるしかないわね、いくわよ!!」

――何かに遭遇した!

魔法使い「この大魔公のお供はポイズンジャイアントだけなのね。相手は2体だけか…」

非常食「にゃ、とりあえず前を倒しますにゃ!!ふにゃー!!」トカバキゴキィッ

魔戦士「しぶといねえ、そらっ!!」ザクザクッ

ポイズンジャイアントは死亡した

商人「やった!!あとはあの臭い巨人だけ…」

コンダールの行動:ブレス

竜王「グオッ!?ドクノブレスダゾ…」ゲホゲホッ

商人「りゅ、竜王ちゃん!待っててね…ビネムフィ!!」キューン

盗賊「おー、りゅーおーどくなおったな!!」

魔法使い「ええ、ここから…」

コンダールの行動:ブレス

非常食は死亡した

商人「非常食ちゃん!?」

魔戦士「ちっ、バカ猫は体力が無いねえ!!これからって時に…!」

魔法使い「やられっぱなしという訳にはいかないわね…私の召喚した魔物にも働いて貰わないとね、アークレナード!!」

アークレナードの行動:魔獣の爪+1 アークレナードの行動:魔獣の爪+1

盗賊「おー、きつねにくやるな!!」

商人「ま、待って…き、傷が治って…ううん、傷口が腐肉の中に埋もれていく…!もしかして、1度にダメージをたくさん与えないと倒せないの!?」」

魔法使い「ならば1度に与えきるだけよ!ジアカラド!!」ドゴーン

商人「非常食ちゃん、生き返らせるからね…リゼフェス!!」キュアーン

非常食「にゃ…?にゃ、戦いますにゃ!にゃー!!」トカバキゴキィッ

アークレナードの行動:魔獣の爪+1 アークレナードの行動:オラース アークレナードの行動:魔獣の爪+1

商人「うわ、アークレナードちゃんもホントに強いね…」

魔法使い「私のレベルが上がるほど召喚した魔物の強さも上がるのよ。普通のアークレナードとは訳が違うわ」

コンダールの行動:ブレス

竜王「グッ…オオー!!」ズンッ

――コンダールは死亡した

魔戦士「はっ、最初はどうなるかとおもったが、そこまででもなかったねえ」

魔法使い「そうね、何とかなったわ。残りの大魔公もこの程度なら良いのだけれど…」

盗賊「へっぽこなてきとさいしょにたたかったのはたまたまだぞ!!てきとーにすすんでるんだぞ!!」

魔法使い「なんの話よ…それより商人、今回のアイテムは鑑定出来た?」

商人「うーん、良いのって言ったらこの地割れ太鼓なんだろうけど…あたし達楽器演奏出来るヒトいないし…」

ノレビス「あっ、はいはいは~い!!それなら私が使いますよ~。どんどーん!!」キャッキャッ

ヨグマ「ふむ、タロットばかり使わなくなるのは助かるのう」

魔戦士「使うなら勝手に使えば良いがさ、アタシらはませ店に売るからね、買って使ってくれよ」

ノレビス「そんな、ひどい…」

商人「あとはこれ、白銀の胸当てなんだけど…竜王ちゃんもお嬢サマも、鎧はお気に入りがあるもんね…」

魔戦士「そいつは…ちょっと貸してごらんよ、これを身につけて…そらっ!!」ドコゲシッ

非常食「ふにゃー!?キックがいつもの2倍痛いですにゃ!?」オアー…

盗賊「おー、すごいなせんぱい!!」

竜王「ジュウジンバイダダナ」

魔戦士「という訳だ、これはバカ猫お仕置き用に売らずに取っておこうか」

非常食「ふにゃー!?勘弁なのですにゃー!!」

魔法使い「取っておかないからね…もう、でも今回も戦力アップにはならなかったわね…」

盗賊レベル58「けーけんちがたくさんたまったからにはくしたんだぞ!!」

商人レベル43「盗賊ちゃん、レベル上がったよね…もう60も間近だもんね」

魔法使い39「盗賊はレベルアップが早いからね。魔戦士も…」

魔戦士レベル51「アタシもドレイン2回もされてなければもっとレベルが上がってたんだけどねえ」

商人「ドレイン…思い出したくない…」ドヨーン…

非常食レベル42「うにゃあ、大変でしたにゃあ…」

魔法使い「でも、これだけ上がれば、余程の事がない限り全滅する事はない、と信じたいけれど…」

竜王レベル39「テキモツヨクナルダロウカラナ」

商人「で、今日は2層目に来てるんだよね…あの台座、触る度に違う所に運ばれるのかなあ?」

魔法使い「どうでしょうね…とりあえず、この階層も探索を始めましょう。ここにはどんな魔物が、大魔公達がいるのか…」

盗賊「こんどこそおにくだな!!」

非常食「うにゃあ、それはどうでしょうにゃあ…」

魔法使い「…また、闇の気配が濃くなって来たわね…」

魔戦士「ああ、とても良い空気だ…ただ、この先に待ってるのは、今までに無さそうな強敵かもしれないねえ」

非常食「にゃ、嫌な気配はここからしますにゃ…」ガチャ…

*デュークス・テリトリー 誇り高きレンザー家*

竜王「アクマガイルナ」

商人「う、うん…でも、なにあの悪魔…!?す、すごいオーラが…」

峻厳なる悪魔「ほう、これは珍しい客人だ。我々の手を逃れたものが、まだおったとは…いや、違う」

魔法使い「貴方が、世界をこんな風に…?」

峻厳なる悪魔「貴様、この大地の生まれではないな?さては新創地ハルドラ・イールか。ヒズベルトめ、余計な真似を…」

盗賊「おっちゃん、ヒズベルトねーさんをしってるのか?」

峻厳なる悪魔「ふふん、まあ、よい。我に出会ったなら…同じことよ」

――何かに遭遇した!

非常食「ふにゃー!!ふにゃにゃー!!」トカバキゴキィッ

サキュバスは死亡した デーモンヴァルキリーは死亡した

商人「やった、前衛の悪魔達は倒したよ!!あとは…」

ダリシアマルテの行動:魔斧バルタギアス

商人は死亡した

盗賊「しょーにん!!このおっちゃん、つよいぞ!!」

ダリシアマルテの行動:魔斧バルタギアス ダリシアマルテの行動:魔斧バルタギアス

竜王は死亡した アークレナードは死亡した

魔法使い「竜王と召喚したアークレナードも一撃で…!これは……せめて弱点を探らないと、ミサーマ!!」ポワワーン

ダリシアマルテの行動:魔斧バルタギアス ダリシアマルテの行動:魔斧バルタギアス

魔法使いは死亡した 盗賊は死亡した

魔戦士「ちぃっ!!非常食!!あんたの連撃だけが頼りだよ、気合い入れな!!」

非常食「にゃ!!ふにゃー!!」トカバキゴキィッ

魔戦士「よしっ、眠って…ちいっ!もう眼を覚まして…!」

ダリシアマルテの行動:魔斧バルタギアス ダリシアマルテの行動:魔斧バルタギアス――

商人「…と、いうわけで惨敗だったよ…姉御達に寺院で回収してもらったけど、あたしからお金を受け取った姉御はホクホク顔だったよ…」

魔戦士「今のアタシらから取ればそりゃあ大儲けだろうからねえ。にしても強かったねえ…」

竜王「カテソウモナイナ」

魔法使い「そう思いたくはないけれど、今のままではそうでしょうね…」

非常食「うにゃあ、みぃ達もパワーアップしないといけませんにゃあ…」

盗賊「パワーアップといえばそうびだぞ!!しょーにん、こんかいはいいのなかったのか?」

商人「うん、持ち帰れたのは鑑定してみたんだけど…猫目石の指輪、マジックアーマー、プラチナスリッパっていう珍しいのが色々見つかったけど、あたし達が使うようなモノは…」

非常食「うにゃあ、残念ですにゃあ…」オアー…

魔戦士「ま、アタシらが使うものが出てないだけで、珍しいもの自体が出てない訳じゃない。そのうちアタシらが使うものも出るさ」

魔法使い「そうだと良いわね。さて…当面はあの悪魔との戦闘は避けたいわね。でも、同じ大魔公でもそう苦戦せずに倒せた魔物もいるわ。ということは…」

竜王「ヨワイヤツヲサガシテタオスンダナ」

商人「そうだね、それしかないよね…でも、弱い大魔公でも倒せばレベルが上がるし、そのうちさっきの悪魔にだって…!」

魔法使い「ええ、いつか勝てるはずよ。いずれにしても、私達は諦める訳にはいかないわ。必ずやり遂げましょう」

盗賊「おー、つぎは食べるぞ!!」ガオー

商人「今日はまた3層目なんだ?」

魔法使い「そうね、たまたまかもしれないけれど、3層の大魔公の方が与し易かったからね」

盗賊「おにくはなかったけどな!!」

非常食「にゃ、それよりお嬢様、昨日手に入ったプラチナスリッパは装備しないのですかにゃ?見た目のステキでお嬢様にピッタリだと思うのですにゃあ」

魔法使い「そういえば、プラチナスリッパの方が守備力が高いのよね」

魔戦士「何言ってるんだろうねえこのバカ猫は。今履いてる銀の靴じゃないと、あんたをお仕置きする時困るだろう?」

竜王「ジュウジンバイダダカラナ」

非常食「ふにゃー!!だから変えてほしいのですにゃ…うにゃあ!?」ドゴゲシッ!!

盗賊「おー、すごいいりょく!!」キャッキャッ

商人「もー、止めなよ!!」ギャーギャー

魔法使い「…全く。白銀の胸当てを取っておかなくても、結局非常食は2倍で蹴られるのね…」

非常食「うにゃあ、ひどい目にあいましたにゃあ…」オアー…

盗賊「ねこぎゃくたいSSだからしかたないな!!」

商人「猫虐待SS!?そ、それより、また怪しい気配がするんだけど…」

竜王「コノヘヤカラダナ」バタン

*デュークス・テリトリー さいきょーのまほうつかいなの!*

ふしぎなおんなのこ「あなたはだぁれ?れでぃのおへやにだまってはいるなんて、なんてしつれいなひとたちかしら」

盗賊「なんだ?ひらがなばっかりでよみにくいぞ!!」

商人「そ、そうだね…」

ふしぎなおんなのこ「ぷんぷん!イラおこっちゃったからね!おぎょうぎのわるいひとはおしおきしちゃうよ」

盗賊「ひらがなばっかりのあほっぽいやつになんかおしおきされたくないぞ!!」

魔法使い「貴方ねえ…それより、この子の魔力は…!」

魔戦士「こんなちびすけでも、やっぱり大魔公って所か。ちっ、今回も楽ではないかもねえ」

ふしぎなおんなのこ「そおれ、どっかーん!」

――何かに遭遇した!

非常食「にゃ、相手の前衛はジョーカーとアークメイドですにゃ?

魔法使い「ええ、どちらも厄介な相手、特にジョーカーはアルゲイズが恐ろしいけれど…」

魔戦士「術師が前に出たら怖さ半減だね、そらあっ!!」ザクザクッ

非常食「にゃ、早めに倒しますにゃ!!」ドカバキッ

ジョーカーは死亡した アークメイドは死亡した

商人「やった、あとはあの子だけ…」

イラの行動:召喚

盗賊「おお!?てきがふえたぞ!!」

竜王「イフリートトフェニックスダナ」

魔法使い「強力な魔物を呼んだわね。やっぱり一筋縄ではいかないみたいね…」

アークレナードの行動:オラース アークレナードの行動:ユニハコット

非常食「にゃ、後列も攻撃出来るようになりましたにゃ!!」

商人「さすが魔法使いちゃんが呼んだアークレナードちゃん!!あたし達も負けないよー!!」

イフリートの行動:バラドス

魔戦士「はっ、大した呪文じゃないね、そらっ!!」ザクザクッ

非常食「ふにゃー!!」ドカバキッ

イフリートは死亡した イフリートは死亡した フェニックスは死亡した

イラの行動:ラバラド イラの行動:エンテルクミスタ

非常食「ふにゃー!?も、物凄い呪文ですにゃー!!」

商人は死亡した

竜王「グッ…アブナイ…」フラフラ…

魔法使い「商人!竜王も危ないわね、二人が倒れたら総崩れよ!!早く倒さないと…」

非常食「にゃ、頑張りますにゃ!!にゃー!!ふにゃー!!」ドカバキベキッ

イラは眠った

魔戦士「寝た!?所詮はガキだね、さあ、畳み掛けるよ!!」ザクザクッ

盗賊「おー!!」ブシャー

非常食「まだまだいきますにゃ!!ふにゃー!!」ドカバキベキッ

――イラは死亡した

商人「よしっ、何とか倒せたね!」

非常食「にゃ、寝てくれたので助かりましたにゃあ…にゃ?あれは…」

イラの真水晶を手に入れた

魔法使い「これは…大魔公を倒した証になるものね」

盗賊「ゼフカカとコンダールをたおしたときもあったけどかきわすれてたな!!」

商人「そ、その話は…でも、これで3体の大魔公を倒したよ!!」

魔戦士「一回負けたとはいえ、順調と言えるんじゃないかい?で、どうする?このまま次の大魔公になだれ込むかい?」

魔法使い「そうね、まだ余裕もあるし…次の大魔公を探しに行きましょうか。ただ、見つかる前に荷物が一杯になったら…」

竜王「マチニカエルンダナ?」

商人「そだね、アイテム捨てるようになったらもったいないもんね!」

盗賊「びんぼーしょーだなー」

非常食「にゃ、アイテムは捨ててもごみ捨て場で拾えるのではにゃいですかにゃ?」

商人「うーん、ごみ捨て場はちょっと…臭うし、それにただしゃないし!!」

魔戦士「やれやれ、今やごみ捨て場に払う金なんてはした金だと思うがねえ。ま、大魔公を目指しつつ、ってプランに異論はないけどね」

魔法使い「じゃあ行きましょうか。次の大魔公にも勝てると良いのだけれど…」

非常食「にゃ、結局あまりアイテムは手に入りませんでしたにゃ」

魔戦士「あのちびすけと戦うまではバカスカ出てたんだけどねえ…で、恐らくこの先が…」

魔法使い「ええ、また大魔公でしょうね。ただ、今まで私達が倒した大魔公達とは少し…いえ、かなり雰囲気が違うわ。気を付けましょう…」ガチャ…

*デュークス・テリトリー 胎動する幾つかの死*

まとわりつく闇「愚かなり、アイローク!我らを差し置き、新創地へ立ち入り、あまつさえ失敗するとは!」

まとわりつく闇「しかシ、あの人間の巫女。新創地の結界を解くとは、なかなかやりおル。手下を持つのモ、一考に値するカ?」

まとわりつく闇「そこの貴方。命が惜しければ、私達の下僕におなり」

商人「え?な、何?これって…」

まとわりつく闇「やめておけ。やはり新創地は、自らの手で汚してこそ意味がある」

まとわりつく闇「そうだナ」

まとわりつく闇「エルドをつまみに、闇の祝杯を…」

まとわりつく闇「クックックッ…左様、左様」

まとわりつく闇「というわけだ。んで良いぞ」

魔法使い「なんだか訳が分からないけど…みんな、やるわよ!」

――何かに遭遇した!

商人「まず相手の前衛は…あれ?蚊とか蟻とか、虫ばっかりだよ?」

非常食「うにゃあ、冒険を始めたばかりの時に戦った魔物ですにゃあ」

魔戦士「なめられてるのかねえ?ま、楽なのは良いさ、そらっ!!」ザクザクッ

商人「後列も大したことなさそう、そーれっ、炎のー、ロッド!!」ボボボッ

パイクモスキートは死亡した アントライオンは死亡した ジャイアントビートルは死亡した プリーストは死亡した ビショップは―


魔法使い「よし、2列片付いたわね、後はサインが4体と、あの…あの、悪魔、なのかしら?」

竜王「カオトショクシュダラケダナ」

盗賊「うう、あんまりおいしくなさそうだぞ…」

商人「あ、あれは流石に食べれないんじゃ…それにしても気持ち悪いね…」

非常食「まずはサインを倒しますにゃ!!にゃー!!ふにゃー!!」ドカバキベキッ

魔戦士「そらあっ!!」

サインは死亡した サインは死亡した サインは――

ゾーズの行動:死のブレス

竜王は死亡した

魔法使い「竜王!回復役が倒れると危険だわ、商人!」

商人「う、うん!リゼフェス!!」キュォーン

竜王「ウ…イキカエッタゾ…」

魔戦士「よし、これで持ち直して…」

ゾーズの行動:死触手

商人は死亡した

盗賊「あー!!しょーにんが!!」

竜王「イキカエラセルゾ、リゼフェス」キュォーン

商人「うーん、よく寝た…あ、あれ!?戦闘中!?」

魔法使い「貴方ねえ、寝ぼけてる暇は…」

ゾーズの行動:死のブレス

竜王は死亡した アークレナードは死亡した

非常食「うにゃあ!?ま、またあのブレスですにゃ!!」

商人「あたしと竜王ちゃんが交互に死んじゃってるね…リゼフェス」キュォーン

魔法使い「私はまたアークレナードを召喚し直して…」

ゾーズの行動:死触手

魔法使いは死亡した

魔戦士「魔法使い!!ちっ、これは長引いたらじり貧だよ、バカ猫!!やる事は分かってるね?」

非常食「にゃ、早く倒しますにゃ!!ふにゃにゃー!!」ドカバキベキッ

商人「もう、早く倒れてよ~…魔法使いちゃん、死んでる場合じゃないよ、リゼフェス!!」キュォーン

魔法使い「うう…不覚だったわね、来なさい、アークレナード!!」ドゥン!

アークレナードの行動:オラース アークレナードの行動:魔獣の爪+1

ゾーズの行動:死触手

盗賊「ふぎゃっ!?だ、だいじょーぶだぞ!!」ガオー

魔戦士「良く耐えたよ後輩!!そら、くたばんな!!」ザクザクッ

竜王「ガアー!!」ドスッ

――ゾーズは死亡した

商人「や。やった、勝ったよ!!」

魔法使い「ふう、何とか倒せたわ。でも、強敵だったわね…」

非常食「にゃ、にゃにか落ちてますにゃあ」

ゾーズの死触手を手に入れた

魔法使い「これで倒した大魔公は4体…残りどの位いるのか分からないけれど…みんな、ちょっと地図を見てもらえる?」

盗賊「んー?おー、このフロアもけっこうあるいたな!!」

魔戦士「ああ、そしてこれだけ未踏の場所が無くなったという事は、このフロアに大魔公がいる場所はもう無いんじゃないか、って言いたいんだろう?」

魔法使い「ええ、だからとりあえずこのフロアの探索は今日で終わりで良いと思うの。明日…レベルの上がりかた次第では明後日になるかもしれないけれど、次に来た時には別のフロアに行きましょう」

商人「別のフロアっていうと…あのすごく強いヒトがいたあそこだよね…」

竜王「テモアシモデナカッタナ」

魔戦士「ま、あいつだけが飛び抜けて強かった可能性もあるからね、あいつを避ければまた何体か倒せるんじゃないのかい?」

魔法使い「そうね、みんながみんなあんな強さではないと思うわ。それに、あの大魔公を避けて戦っている間に…」

盗賊「レベルがあがるな!!」

商人「そだね、あたし達ももっと強くなれば…よーし、じゃあ今日は帰ろっか?帰って鑑定すれば、もしかしたらぱわーあっぷできるかもしれないもんね!!」

盗賊「かんてーけっかはダメダメだったぞ!!やっぱりしょーにんのかんてーはダメだな!!」

商人「べ、別に鑑定の腕が悪いからアイテムが悪くなる訳じゃないでしょ!?」

魔法使い「それにしても、ここに来てから戦力アップに繋がるアイテムが1つも手に入ってないのは痛いわね…」

魔戦士「実はろくなものが無いんじゃないのかい?少なくともアタシらにとってはさ」

非常食「にゃ、そうではないと信じたいですにゃあ…それで、今日はこの2層を探索するのですにゃ?」

魔法使い「ええ、レベルを上げるためにまた2日も休んだし、万全の状態で望めるわ。良いアイテムが手に入らなくても…」

竜王「レベルハウソツカナイナ」

商人「そだね、もう大魔公も4体倒してるし、あたし達も強くなってるんだよね」

盗賊「しょくしゅあくまをたおしたあとちょーしにのってぼーけんつづけてたらヴァンパイアロードにぜんめつされられそーになったけどな!!」

商人「そ、それは言わないでよ…」

*おおっと マジックドレイン*

商人「わわっ!?魔力が…」

魔法使い「くっ…マジックドレイン…!」

盗賊「ううー、しっぱいしたぞ…」

魔戦士「ま、たまには失敗もあるさ。冒険が続けられない程じゃないんだろう?」

商人「うん、それは大丈夫だけど…お嬢サマ相変わらず盗賊ちゃんには甘い…」

魔法使い「実際、失敗は仕方ないもの。それより…また邪悪な気配が近付いてきたわ。それも、今までで一番殺伐とした…」

竜王「サッキガスゴイナ」

非常食「うにゃあ、殺気を隠そうとも押さえ込もうともしてませんにゃ…それに血の臭いも凄いですにゃあ…」ガチャ…

*デュークス・テリトリー 剣の舞 深紅の雨*

商人「うわあ。すごい血の臭い…あれ?誰か踊ってる…?」

魔戦士「はっ、あれが踊りっていうのかい?そこら中であんな踊りされたら、この世は真っ赤に染まっちまうよ。それこそ…この部屋みたいにね」

盗賊「おにくやさんよりちまみれだぞ…」

魔法使い「こんなお肉屋さんは嫌ね…でも、どうやら私達も一緒に踊らなければならないようね。さあみんな、やるわよ!」

何かに遭遇した!

盗賊「おお!?イカのむれだぞ!!」

商人「テンタクルス、だっけ?このモンスターはあっちの世界のとあんまり変わらないね」

魔戦士「雑魚はさっさと片付けるよ、らあっ!!」ザクザクッ

非常食「ふにゃー!!」ドカバキベキッ

テンタクルスは死亡した テンタクルスは死亡した テンタクルスは死亡した

魔法使い「後ろも倒すわよ、アークレナード!!」

アークレナードの行動:魔獣の爪+1

商人「それっ、炎のロッド!!」ドドド…

ゴブリンマジシャンは死亡した オーガナイトは死亡した ゴブリンは死亡した

商人「なんか異様なヒトだけど、仲間は普通っぽいね。さあ、次は誰?」

竜王「サマーガイルナ」

魔法使い「サマーには嫌な思い出があるけど…でも、今なら問題ないわ、やるわよ!」

アークレナードの行動:魔獣の爪+1

竜王「ブレスダ!!」ゴオオ…

ハイニンジャは死亡した サマーは死亡した ハイニンジャは死亡した

商人「よーし、取り巻きは片付いたね!あとはあの…」

ヴェルキリオスの行動:カーニバルソード カーニバルソード

アークレナードは死亡した

盗賊「あー、きつねにく!!」

ヴェルキリオスの行動:カーニバルソード ヴェルキリオスの行動:カーニバルソード

竜王は死亡した

魔戦士「おいおい、こいつもシャレにならない攻撃力だね!さっさと倒さないと…らあっ!!」ザクザクッ

非常食「にゃー!!ふにゃー!!」ドカバキベキッ

商人「竜王ちゃん、ごめんね…まずはみんなの回復から、ラフィリード!!」キュァーン

魔法使い「回復役が一人ではじり貧だわ…小さき身体に大いなる力!!古の魔力の化身よ、今此処に!!アークフェアリー!!」ドゥン!

非常食「ふにゃー!!ふにゃにゃー!!」ドカバキベキゴキッ

商人「おお、非常食ちゃん絶好調じゃない!?――竜王ちゃん、お待たせ…リゼフェス!!」キュァーン

竜王「グ…イタカッタゾ…」

ヴェルキリオスの行動:カーニバルソード カーニバルソード

魔戦士「くっ、そう簡単に死にやしないよ…!」

ヴェルキリオスの行動:カーニバルソード ヴェルキリオスの行動:カーニバルソード

非常食「う、うにゃあ、すごい攻撃ですにゃあ…でも負けませんにゃ!!ふにゃにゃー!!」ドカバキベキゴキィッ

アークフェアリーの行動:ラフィリード

ヴェルキリオスの行動:カーニバルソード ヴェルキリオスの行動:カーニバルソード

商人は死亡した

魔法使い「商人!また回復役が…厳しいわね、でも非常食の攻撃でかなり相手も弱ってるはずよ!盗賊、悪いけど非常食を庇っててくれる?」

盗賊「おー!!このおにくはとーぞくたちのだぞ!!」

非常食「お肉じゃないですにゃ!!」

ヴェルキリオスの行動:カーニバルソード ヴェルキリオスの行動:カーニバルソード

盗賊「ふぎゃっ!?…ううー、しにそうだぞ…」フラフラ…

魔戦士「いや、良くやったよ後輩!!バカ猫!!後輩の踏ん張りを無駄にするんじゃないよ!!」

非常食「任せて下さいにゃ!!にゃー!!ふにゃー!!ふにゃにゃにゃー!!」ドカバキベキゴキグシャァッ

ヴェルキリオスは死亡した

竜王「タオシタゾ!!」ガオー

魔法使い「やったわね!今回は非常食の連撃さまさまね…」

商人「ん…あれ?モンスター、居なくなってる…あたし達、勝ったの?」

魔戦士「ああ、小娘がサボってる間にね」

商人「コムスメじゃないしサボってた訳でもないよ‼でもそっかあ、あんなに強そうだったのに、勝てたんだ?」

魔法使い「ええ、非常食のおかげでね。すごい活躍だったのよ」

非常食「にゃ、今日は調子が良かったのですにゃ」ニャフーン

盗賊「ちょーしがいいってことはおいしいっていうことだな‼食べごろだな‼」

非常食「そういうわけではないですにゃ⁉」

魔法使い「もう、すぐ食べる話になる…それより、これからどうしようかしら?このまま進んでもいいけれど…」

竜王「マリョクガスコシフアンダナ」

商人「マジックドレインが効いてるね…ねえ、今日はもう戻っても良いんじゃない?」

魔戦士「アタシはそれで良いと思うよ。大魔公も1人倒したし、今日の成果としては十分だろう?」

非常食「うにゃあ、では戻りますかにゃ?」

商人「うん、そうしよ!あ、そういえば書いてるヒトがスマホ代えたから、ドラクエ3のあたし達のデータは無くなっちゃったみたい…でも、みんなの心の中にあたし達は生きてるからね‼」

魔法使い「何の話よ…」

姉御「あれ?私達久しぶりだね?」

魔術師「…スレ数的に…余裕が出来そうだから…穴埋めに…」

狩人「そ、そういう話はちょっと…そ、それよりなんでここに来たんすかね?」

竜戦士「そりゃおめー、あいつらと同じ場所じゃ辛いに決まってるじゃねえか」

師匠「ここは我々のレベルに丁度良いだけでなく、金も稼げますな。それに…」

姉御「運良く氷の魔印+3でも手に入ったら戦力大幅アップだからね‼それに、お金を稼げば、寺院で1人に集中してレベル上げする事も出来るし!」

狩人「へえ、誰のレベル上げるんすか?」

姉御「キミに決まってるでしょ!キミが掃射追撃を使えるようになれば、私達の攻撃力不足も解決されるふんだからね‼」

狩人「あ、はい。努力します…」

姉御「あーあ、本当なら私達も大魔公とかいうのの1人でも倒して、あの子達助けて挙げたかったけどねー」

竜戦士「まー、流石にそいつは無理だろうな…」

商人「あーあ、昨日も良いアイテム無かったよ…」

魔戦士「そうかい?あのアイアンメイデンなんかは良さそうだったじゃないか」

魔法使い「何に使うのよあんなもの…それにしてもアイテムに恵まれないわね」

盗賊「やったかんてーのうでがダメダメなんだな‼」

商人「だから鑑定結果と鑑定の腕は関係ないよ‼あと鑑定の腕も良いから‼」

魔戦士「ま、験担ぎに次はあっちの爺さんに鑑定してもらうのも良いんじゃないか?」

竜王「アッチハウンガイイシナ」

商人「うーん、でもあたしの方がレベル高いし…でも昨日はあたしだけレベル上がらなかったなあ…」

盗賊「だいまこーたおしたときしんでたからな‼」

魔法使い仕方ないわ、そういう日もあるわよ。それより、そろそろ今日も出掛けるわよ」

非常食「にゃ、残りの大魔公も少ないはずですにゃ」

魔戦士「ああ、そろそろ決着がつけば良いが、一度負けてる大魔公がまだ残ってるからねえ」

商人「あの強い悪魔だよね…近い内にまた戦わなきゃいけないんだよね…次は負けない、と思うけど、うーん…」

非常食「…にゃ、大魔公はあとどのくらい居るのですかにゃあ」

商人「どうだろ…?3層と同じならここにも4体、つまりあと2体なんだけど…」

魔法使い「普通に考えればそうね。でも、普通に考えたなら2層より3層の方が強い大魔公がいるはずだけれど…」

魔戦士「そういうわけではなかったからねえ。ま、あと少しだとは思うが…まずはここだね」ギィ…

*デュークス・テリトリー welcome to Nyop'n world*

盗賊「んー、なんてかいてあるんだ?」

魔法使い「ちょっと…分からないわね。でも、もっと分からないのはあの、部屋の中央にいる…」

奇妙な生き物「Prin nyos. Pnyo this wayNyop!」

商人「え…えっと?」

奇妙な生き物「No Pnyos Without me.I Prin you」

竜王「サッパリダナ」

奇妙な生き物「If you Nyop the Rinp.Hwoooom…Nyop or die?Hahaha!」

魔法使い「…⁉分からない、分からないけれど、敵意が…」

奇妙な生き物「Nyoooooooop!」

何かに遭遇した!

商人「前にいるのって…サマエルってやつじゃない⁉あのモンスター怖いんだけど…」

魔法使い「そうね、でもそれだけに契約したいのよね、召喚師としては…」

商人「いやその、強さだけしゃなくて、見た目も…」

盗賊「おにくついてないもんな‼」

商人「お肉の話じゃないよ⁉」

魔戦士「おいおい、戦いに集中しなよ!らあっ‼」ザクザクッ

魔法使い「ごめんなさいね。私はオラースを唱えて…アークレナード!」

アークレナードの行動:魔獣の爪+1

盗賊「ほねにようはないぞ‼たー‼」プシュー

切り返した!

盗賊「おお⁉ふせがれたぞ‼」

竜王「ツバメガエシダナ」

魔戦士「後衛からの攻撃なら防がれても返されはしないみたいだね、アタシらは気を付けないといけないが…」

非常食「にゃ、気を付けますにゃ!ふにゃー‼ドカバキッ

竜王「フンッ」ドスッ

サマエルは死亡した

商人「やった!怖いやつを倒したよ‼」

ニョップリンの行動:瘴怪波

魔法使い「くっ…体力が奪われる…!」

ニョップリンの行動:瘴怪波

魔戦士「2連発⁉流石に辛いね…」

商人「うう…ま、待って、今回復を…」

ニョップリンの行動:混乱のブレス

魔戦士は死亡した 非常食は死亡した 竜王は死亡した アークレナードは死亡した

盗賊「おお⁉みんなしんじゃったぞ‼」

魔法使い「前衛が全滅…⁉いけない、商人!」

商人「わ、分かってる!リゼフェス‼」キュオーン

竜王「ウウ…」

ニョップリンの行動:ニョップンスラップ デプルス因子

盗賊は死亡した

魔法使い「盗賊!二人とも、蘇生に回って!来なさい、アークフェアリー‼」ドゥン!

ニョップリンの行動:混乱のブレス

魔法使いは死亡した

商人「魔法使いちゃん…!このままじゃ…リゼフェス‼」キュオーン

竜王「リゼフェス」キュオーン

魔戦士「…くっ、きつい連続攻撃だったね…」

非常食「うにゃあ、強いですにゃあ…」

アークフェアリーの行動:ラフィリード

商人「アークフェアリーちゃん、いりがとー‼でも、せっかく前衛がみんな生き返ったのに、今前衛が後衛になっちゃったから攻撃が届かないよ…」

魔戦士「何言ってんだ、魔法使いをイキカエラセテ呪文で射程を伸ばせば良いだろう?」

商人「あ、そっか!リゼフェス‼」キュオーン

魔法使い「…っつう…状況は…」

非常食「にゃ、ユニハコットをお願いしますにゃ!」

魔法使い「ユニハコット…攻撃が届かないのね、分かったわ、ユニハコット‼」ギュウウー

魔戦士「よし、勝負はここからだよ‼さあ行くよ‼」

非常食「ふにゃー‼」ドナバキベキッ

ニョップリンの行動:混乱のブレス

魔法使いは混乱した

魔法使い「あれは…?ああ、確かサマンオサのキッチンにも居たわよね」

商人「お、落ち着いて魔法使いちゃん!いくらゲテモノ揃いのサマンオサのキッチンでも、あんなに変な生き物はいなかったよ⁉」

魔戦士「混乱なら防御させとけばしのげるさ。それより、相手のブレスはずいぶん威力が落ちてきたみたいだね」

竜王「ブレスハツカウホドイリョクガオチルカラナ」

ニョップリンの行動:瘴怪波

非常食「にゃ…!この攻撃も一撃で死にはしませんにゃ!」

商人「もしかして、この大魔公決め手に欠ける感じなのかな?今なら安全かも、リゼフェス‼」キュオーン

盗賊「…うー、おなかへったぞ…」

魔戦士「よし、みんな生き返ったね、後は攻めるだけだよ、らあっ‼」ザクザクッ

非常食「ふにゃー‼ふにゃにゃー‼」ドカバキッ

魔法使い「よし、このままならいけそうね」

商人「あ、正気に戻った!」

ニョップリンの行動:混乱のブレス

盗賊「なんだ?ぜんぜんきかないぞ!!」ガオー

商人「もうほとんどダメージ無くなったね!本当に後一息…」

ニョップリンの行動:デプルス因子

3レベルドレインされた

非常食「ふ、ふにゃー⁉レベルが下がってしまいましたにゃ‼」

盗賊「だ、だいじょーぶかひじょーしょく⁉とーぞくはしんぱいだぞ‼」

非常食「にゃ、盗賊さんがそんにゃに心配してくれるにゃんて…」ウルッ

盗賊「おにくのとーきゅーはさがってないか⁉うまみせーぶんはおちてないか⁉」

非常食「ふにゃー⁉お肉の心配でしたにゃ‼」

竜王「タアッ」ドスッ

ニョップリンは死亡した

魔戦士「よし、最後はあっさり終わったね。こちらの損害は0か、みんなお疲れ」フウー

非常食「みぃのレベルは損害ではないのですかにゃ⁉」

商人「ドレイン辛いよね非常食ちゃん…ああ、また嫌な思い出が…」

魔法使い「ドレインは残念だったけれど、また大魔公を倒す事は出来たわね…あら」

ニョップリンのプリンを手に入れた

盗賊「おお⁉おいしそうだな‼」ジュルリ

商人「ええー⁉絶対お腹壊すよこれ!」

魔戦士「まあ、如何わしいモノには違いないだろうがね…それより、これからどうする?次の大魔公を探すかい?」

魔法使い「そうね…今日はもう町へ戻っても良いんじゃないかしら?あれほどの激闘だと、流石に疲れたわ…」

竜王「マリョクモスクナクナッタナ」

非常食「うにゃあ、みぃはドレインされたレベルを少しでも取り戻したかったですにゃあ…」

魔法使い「じゃあ、もう少しだけ魔物と戦ってから戻りましょうか。アイテムもまだまだ持てるし…」

魔戦士「ま、確かに今すぐ戻るのはもったいないかねえ」

商人「じゃあもうちょっと頑張ろー‼あ、最近誤字が増えてるのは、新しいスマホに慣れてないからだそうです、多目に見てね‼」

盗賊「べつにいままでもすくなくなかったけどな‼」

魔法使い「誰に何を言ってるのよ…」

マジカルパーティー主催者「へっへー!この程度では、まだまだ!ナンビーノ先生をなめちゃいけないよ!」

ノレビス「ううう、久々の出番で良いところ見せたかったのに…」

ヨグマ「まあ、今の儂らではこれが限界かのう」

姉御「あれ?ぽんこつ女神様じゃない、こんな所でどうしたの?」

デク「ア、姉御さんたチ。ここではマジカルパーティーというものが出来ましテ…」

師匠「ほう、興味深いですな。我々もやってみますかな?」

魔術師「…必ず…優勝…」ゴゴゴ…

狩人「おお、やる気っすね。とはいえ俺とリーダーは役に立てなそうっすけどね…」

姉御「ま、良いんじゃない?やってみよー‼」

ーー

主催者「すごいすごい‼あなた達が優勝よ!」

竜戦士「おー、やったな!ブレスも効果あって良かったぜ‼」

バルモア「おお、ぶっちぎりですげーじゃねーか‼」

ノレビス「く、悔しいです…こうなったら、あの人達に頼むしかありません‼あの人達ならきっと優勝してくれるはず…」

竜戦士「他力本願かよ…」

ノレビス「という訳なんです‼敵討ちお願いします‼」

魔法使い「お願いします、と言われても…まあ、個人的には興味はあるけれど…」

魔戦士「ま、良いんじゃないかい?アタシは役に立てないけどね」

商人「やってみようよ、面白そうだし‼でも、姉御パーティーを越えるのは難しそうだよね…」

竜王「ジュツシシュタイノパーティーダカラナ」

魔術師「…出来るものなら…やってみれば…」

竜王「お、珍しく強気だな。でもまあ、おめーの魔力にはそうそう勝てないだろ」

狩人「というか、武術大会では完敗っすからね。魔力では勝ちたいっすよね…俺何もしてないっすけど…」

姉御「と、いうわけで私達はキミ達の挑戦を受けて立つ‼存分にかかってきなさい‼」

盗賊「おー、まけないんだぞですぞ‼」

魔法使い「貴方達二人とも呪文使えないじゃない…」

商人「うーん、でもあたし達、人数は多いんだから負けたくないよね!」

ノレビス「頑張って下さいね!私のために‼」

盗賊「べつにノレビスさまはどーでもいーぞ‼」

ノレビス「そんな、ひどい…」

ーー光の庭、3階

魔法使い「さあサキュバス、最後よ!」

サキュバスの行動:ゼオナダル

非常食「にゃ、最後にゼオナダルを唱えてくれましたにゃ!」

魔戦士「召喚呪文を使うのは良いアイデアだったね。ま、100%思うようにとはいかないが…」

商人「でも、これは結構行ったんじゃない?結果は?」

主催者「へっへー!この程度では、まだまだ!ナンビーノ先生をなめちゃいけないよ!」

盗賊「おお⁉まけたのか?」

商人「えっと、あたし達は1950で2位でしょ、姉御達は…」

竜王「2379ダナ」

非常食「にゃにゃ⁉思ったより差がありましたにゃあ…」

魔法使い「流石に専門職には勝てなかったわね。召喚でなんとか差を埋めたかったけれど…」

商人「ダメだったかあ…レベルはあたし達の方がずっと上なのに、魔術師ってすごいんだね…」

非常食「という訳で負けましたにゃ…」

盗賊「かんぱいだぞ…」

魔術師「…当然…」

竜戦士「まー今回は大体お前のおかげだな、流石だよ」

狩人「っすねえ。改めて、頼もしいヒトと冒険してるんすねえ…」

姉御「そんな後衛を支えられるよう、私達ももっと頑張らないとね!」

魔法使い「逆に私達は物理に頼る所が大きいわね。こうしてみるとよくわかるわね…」

魔戦士「良くも悪くもバカ猫次第の所はあるね。ま、アタシも昨日の冒険で新しい武器が手に入ったからね、今までよりは貢献出来るはずさ」

商人「そうそう、お嬢サマにはダイヤモンドブレード、竜王ちゃんにはマンティスグローブが手に入ったよ‼これでぱわーあっぷだね‼」

竜戦士「てえ事は、そっちの戦士の剣は売ったのか。後で見に行って見るか」

狩人「あー、装備の見直しはしたいっすね」

ノレビス「うんうん、各々のパーティーが各々を支え合う、良い関係ですね!」

盗賊「ノレビスさまはいらないけどな‼」

ノレビス「そんな、ひどい…」

商人「装備は、全部片付いた後に、余裕があったらね‼」

魔法使い「誰に話してるの…?それより、今日は休みという事で良いのね?」

魔戦士「ああ、経験値を溜めたまま冒険してるとドレインが怖いからね」

非常食「うにゃあ、ドレインは怖いものですにゃ…」

ノレビス「ふっふっふっ、皆さんお休みの所悪いのですが…」

盗賊「なんだ、ノレビスさま?ノレビスさまにようはないぞ、あっちいけ‼」シッシッ

ノレビス「ふふふ、そんな事言っていられるのも今のうちですよ!皆さんが休んでる間、私達はまたマジカルパーティーに挑戦して来たんです。その結果がこちら‼」バーン

商人「え、え、何?…う、うそ、1948?!あたし達と2しか違わない…」

魔法使い「驚いたわ、一体どうやって…」

ノレビス「それはヒミツです。でもこの調子だと、明日には皆さんは追い越せそうですね~」ドヤドヤドヤッ

ヨグマ「今日魔印の属性攻撃を鍛冶であげたからのう。明日にはもっと数字が出るだろうて」

バルモア「明日にはぶっちぎるな‼」

ノレビス「という訳です、貴方達は私達の記録の下で大人しくしてると良いですよ、それじゃあ‼」~♪

商人「く、悔しい…負けてられないよ魔法使いちゃん‼」

魔法使い「あのねえ、私達の目的はマジカルパーティーじゃないでしょう…それにしても、どんな手段を使ったのかしら…?」

魔法使い「さて、今日は冒険の前にやる事があるわ。まずは黒夢の外套を作りましょう。サキュバスを召喚して…」ドゥン!

魔戦士「アタシが堕落のマントの力を解放するよ、そらっ‼」キュワワワーン

*黒夢の外套に変化した*

盗賊「おー、まえもつくったなこれ‼」

魔法使い「ええ、これはね。そして次が今日の本題よーー小さき者、蠢く者、おぞましき大群の王よ、光の下に‼出でよ、インセクターロード‼」ドゥン!

非常食「にゃ、この前契約した魔物ですにゃ?」

魔法使い「ええ。後は竜王、その王の剣の力を解放してもらえる?」

竜王「ガッテン」キュワワワーン

*クリムゾンブレードに変化した*

商人「わっ!こ、これ…これ、凄くない⁉」

魔戦士「ああ、こいつは想像以上だね。アタシは多少強力でも闇耐性のある魔魂の槍を手放す程の価値があるかは疑問だったけど、これは装備しない手はないね、装備変えなよ竜王」

竜王「ソウスルカ」

魔法使い「この剣は片手武器だし、闇耐性は盾で補えば良いんじゃないかしら?じゃあ一旦町に戻って装備を考え直しましょう。おそらく錬金も必要になると思うし…」

商人「あ、錬金はあたしもしたい!ノレビス様達にに負けないように魔印とか鍛え直して…」

魔法使い「…やる気があるのは良いけど、今日はマジカルパーティー行かないわよ…」

錬金術師「さて、まずは礼を言わせてもらえるかい?あんた達のおかげで、あたいもハイマスターになったよ、有難うね」

商人「わー、おめでとうございます‼」パチパチ

魔戦士「あんたがハイマスターになるのはこっちとしても都合が良いからね。後で分解待ちの装備をまとめて分解してもらうよ」

錬金術師「ああ、任せとくれ。さて、まずはこの立派な剣に霊倍打だったね?」

魔法使い「ええ、これで竜王も今までと変わらず霊体を攻撃出来るわ」

商人「あとはあたしの魔印とかエンペラーバードの属性攻撃を上げて…あ、自動回復も欲しいなあ…」

魔戦士「後はバカ猫の自動回復ももう少し上げてもらおうかねえ。ったく、すぐ死ぬからねえこのバカ猫は…」

非常食「うにゃあ、面目ないのですにゃ…にゃ、後はサブ武器だけでも良いのでみぃにも霊倍打をお願いしますにゃあ…」

魔法使い「後は私と商人の魔術抵抗も上げ直して、それから…」
錬金術師「はいはい、なんでも言っとくれ。あんた達は上客だからね、あはははは‼」

商人「上客かあ、悪くない響き…でもハイマスターになるとホント便利だね、錬金術師って!」

魔法使い「ええ、これで一気に体勢が整った気がするわ。これなら残りの大魔公とも勝負出来るはず…」

魔戦士「そう願いたいね。ま、以前みたいに一方的にやられはしないと思うがねえ」

商人「うーん、どうだろ…他にもまだ大魔公は残ってるだろうし…」

竜戦士「おー、これかあっちの戦士が使ってた奴は。良いな、こいつに変えるかー」

狩人「そういや竜戦士さんほぼずっとフランベルジュ使ってたっすもんね…」

師匠「流石にそろそろ力不足を感じてきましたからな、良い武器が手に入って良かったですな」

姉御「えー、こっちの剣の方が良くない?ほらこれ」

竜戦士「おお、これも良いなー…ってこれドラゴンキラーじゃねーか‼装備出来ねーよ‼」

姉御「え?そうなの?」

狩人「竜戦士さんが装備したら呪われちゃうっすよ…」

竜戦士「ドラゴニュートの俺がドラゴンをキルする武器を装備出来る訳ねーだろ‼」

姉御「なーんだ、残念…呪われる所ちょっと見たかったのに…」

竜戦士「分かってたのかよ‼」

魔術師「…もう…騒がしい…」

狩人「はは…他は何か良いのないっすかねー…そういや後衛のお二人は、昨日見つけた魔法の月桂冠とか装備しないんすか?」

師匠「我々は沈黙を防ぐ魔術師の帽子がありますからな。高い魔術抵抗は魅力ですが、今は必要ありますまい」

姉御「そっかあ、せっかく良いの見つけたのにね。ま、またなんか見つければいっか、私達運は良いからね‼じゃ、他買うものないなら出掛けるよ‼今日も頑張るよ‼」

商人「二人とも、新しい武器の使い心地はどう?」

竜王「カナリイイナ」

魔戦士「ああ、なかなかの切れ味だよ。久しぶりに装備の充実を感じるね」

魔法使い「それは良かったわ。地図を見る限り、大魔公は残り二人だと思うわ。一人は、私達が全滅したあの悪魔。残りは…」

盗賊「ここにいるんだな‼」バン!

*デュークス・テリトリー 闇に降り立つ鮮烈の女帝*

非常食「うにゃあ、やっぱり凄い威圧感ですにゃあ…でも…」

商人「うん、今までの闇の気配とはちょっと違うような…あ、誰かいる!」

裁きの声「ようこそ、招かれざる客人。ここは、わたくしの宮殿。冥き星の法廷」

魔法使い「法廷…?それに、彼女の持っている天秤は…?」

裁きの声「真の戦いは、信念の中にあり。心の炎に従うならば、もはや善悪は無意味」

盗賊「なんだ?むずかしいことはわからないぞ‼」

裁きの声「貴方の信念、この秤にかけたら如何程かしら。さあ、剣をお取りなさい。闇の立法、とくとご覧あれ」

何かに遭遇した!

魔戦士「さあ、雑魚はさっさと倒すよ‼」ザクザクッ

非常食「ふにゃー‼」ドカバキッ

サイクロプスは死亡した

竜王「ガアッ‼」ゴオオオ…

ナルヴは死亡した ウィルオーウィスプは死亡した ナルヴは死亡した ウィルオーウィスプは死亡した

魔法使い「よし、順調ね!」

商人「だね!でも…あのヒトは強そうだね。それに、そんなに悪そうな気配じゃなかったのに…」

盗賊「なかまはわるそーだな‼」

魔戦士「マヨカルにレイスか。バカ猫にも一応霊倍打を付けといて良かったね」

非常食「ですにゃ‼…にゃ⁉にゃんですかこの音は…」ゴーン ゴーン…

裁きの鐘 カウントダウンが始まった

盗賊「ううー、あたまがくらくらするぞ…」フラフラ…

商人「こ、この音って確か…早く倒さないと全滅しちゃう奴だよね⁉」

魔法使い「ええ、急がないと…まずは前の2体から…」

魔戦士「邪魔だよ‼そらあっ‼」ザクザクッ

竜王「オオッ‼」ザンッ

マヨカルは死亡した レイスは死亡した

ヒルデの行動:タロット 正義 ドロー成功 善の戒律は祝福された

魔法使い「正義のタロットは確か…善の戒律の者の攻撃力を上げる効果だったはず…」

盗賊「ばかだなあのねーさん、とーぞくたちもパワーアップするぞ‼」キャッキャッ

魔戦士「全くだ、墓穴を掘ったねえ」

商人「ふ、二人とも中立だったよね⁉」

非常食「とにかく攻撃しますにゃ‼ふにゃー‼」ドカバキベキッ

ヒルデは眠った

魔法使い「寝た…?チャンスよ、畳み掛けるわ、アークレナード‼」

アークレナードの行動:魔獣の爪+1 アークレナードの行動:魔獣の爪+1

盗賊「それー‼」プシャー

魔戦士「くたばっちまいな‼らああっ‼」ザクザクッ

ヒルデは死亡した

魔法使い「ふう、今日も疲れたわね…商人、鑑定の結果は出た?」

商人「うん、見てこれ、この前見つけたばっかりのダイヤモンドブレードが2つも…」

非常食「うにゃあ、1つ見つけて喜んでいたのに…」

竜王「トクベツレアデモナカッタノカモナ」

魔法使い「そうかもしれないわね。まあ、余ったなら他のパーティーに使って貰えば…」

魔戦士「待ちなよ。1つは良いが、もう1つはアタシが使うよ。鍛冶錬金を使えば、ダイヤモンドブレードの二刀流も可能だろう?」

盗賊「おー、にとうりゅうかっくいーぞせんぱい‼」キャッキャッ

商人「え、でも確かメインサブ解除ってかなり良い鉱石を使わないといけないんじゃ…」

魔戦士「そんな事言うがねえ、もう大魔公もあと1体くらいなんだろう?なら出し惜しみする必要ないじゃないか」

魔法使い「そう、ね…あとあの悪魔さえ倒せば、私達のこの世界での冒険も終わりなのね…」

商人「あ…そっか、そだね…」

魔戦士「おいおい、何辛気くさい顔してるんだい?元の世界に戻れるんだ、もっと喜んだらどうなんだい?」

盗賊「うー、でもせんぱいともおわかれなんだな…」

魔戦士「あんたまで…あのねえ、まだ終わってないんだよ?しんみりするのは全部済ませてからにしてもらえないかねえ」

魔法使い「…そうね、私達には、まだもう少しだけやる事が残ってるわね…全部終わらせてから、それからね、思い出に浸るのは…」

姉御「ーーふうっ。これで今日もみんなレベルアップ出来そうかな?」

狩人「そっすね。でもリーダー、最近いつにも増して冒険に熱心っすね?」

姉御「え?だってほら、もうすぐあの子達居なくなるんでしょ?なら、この世界は私達がいれば大丈夫‼って胸を張って言えるようでなくちゃ!」

師匠「ふむ、せっかくの門出に心配事があっては申し訳ないですからな」

魔術師「…もうすぐ…お別れ…」

竜戦士「あー、なんだかんだ寂しくなるよな。あ、そういえばあのポンコツも同じ世界の住人だったよなあ?あいつも一緒に居なくなるのか?」

狩人「あー、どうなんすかね?まああの人達と一緒に行くんじゃないっすか?」

姉御「そっか、酒場も静かになっちゃいそうだね。あれほどのポンコツな逸材はなかなかいないもんねー」

魔術師「…ポンコツな…逸材…?」

狩人「そういやあのヒト今何やってんすかねえ?」

師匠「あの方なら確か、マジカルパーティーに行くと言っていましたな。なんでも我々の記録を塗り替えるのだとか…」

魔術師「…塗り替える…」ピクッ

竜戦士「おいおい、むきになんなよ。でもまあ、俺らもまた行ってみるか?」

姉御「うーん、塗り替えられるのもシャクだし…いいよ、明日行ってみよー‼あ、あの子達も誘おっか?」

魔術師「…負けない…」ゴゴゴ…

ノレビス「第一回‼ドキドキ☆マジカルパーティー最強決定せーん‼」

姉御「わー‼」パチパチ

竜戦士「そんな大会だったのか…」

師匠「ふむ、皆で切磋琢磨しあって高みを目指す、なかなか良い事だと思いますぞ…我がデシヨ、そう落ち込むものではありませんぞ」

魔術師「…負けた…前回より…ほとんど伸びなかったし…」

竜戦士「あー、それは多分俺のせいだよ、ほら、今はフランベルジュ装備してないしよ…」

狩人「この大会は楽器以外は装備してるもので、って決まりなんすよね…」

姉御「それにしてもポンコツ女神様達は伸びたねー、3000超えなんてさ!」

ヨグマ「まあ、タロットのおかげだのう」

ノレビス「そうです、タロットの魔術師を引けば呪文ダメージが2倍‼やっぱりタロットは凄いですね‼」ドヤドヤドヤッ

魔術師「…悔しい…」

デク「結果ハ、デク達が3099、姉御さん達が2398でしタ。後はあの方たちだけですガ…」

バルモア「あいつらなら呪文が得意なモンスターと契約してから来るって言ってたぜ‼ぶっちぎりでセコい奴らだな‼」

姉御「あの子達って、ああ見えて負けず嫌いだよねー。だからこそあそこまで強くなれたのかなあ?」

竜戦士「かもなー。まあうちにも負けず嫌いはいるし。いつかまたリベンジだな‼」

魔法使い「4つなる魔力の本質よ、我が元へと来たれ‼」パアア…

契約に成功した

非常食「にゃ、呪文が得意な魔物と契約出来ましたにゃ!」

商人「うーん、でももうちょっと魔術師!って感じのモンスターが良かったなあ…」

魔戦士「贅沢だねえ、小娘のくせに」

商人「コムスメじゃないし‼だって、やるからには勝ちたいよ‼」

魔法使い「気持ちは分かるけど、もう時間がないわよ。今日中に行くって言ってしまったし…」

盗賊「あねごたちをまたせてるんだぞ‼はやくいくんだぞ‼」

商人「わ、分かったよ…でも、そもそも魔法使いちゃんがサキュバスをマントに変えちゃったから改めて契約しなきゃいけなくなったんだよ?」

魔法使い「貴方、サキュバス嫌いだって言ってたくせに…まさかマジカルパーティーで大会なんてすると思わなかったのよ」

竜王「トツゼンダッタカラナ」

魔戦士「ま、アタシらは何も出来ないが、名を残せるなら悪くないさ。そのための努力もね。さあ、行くよ」

商人「おー‼ノレビス様には負けないよー‼」

ノレビス「さあ、さんざん待たせた不届き者達の結果は如何に⁉ 」

盗賊「ノレビスさまほどふとどきじゃないぞ‼」

姉御「あは、確かにね!デク、結果を発表してよ!」

デク「はイ、結果ハ…2808でス!」

盗賊「おお⁉にいか‼」

バルモア「ぶっちぎりで優勝だな‼」

魔術師「…最下位…」

竜戦士「あー、運が悪かっただけだよ。そう気を落とすなよ、な?」

狩人「そっすよ…あー、俺も呪文覚えとけば良かったっすかねえ。狩人だと錬金呪文と相性良いんすよね…」

師匠「しかしそれだと狩人としての成長がおくれますからな、致し方ありますまい。何、これを糧により精進すれば良いだけです、我が弟子よ」

魔法使い「それにしても、ノレビス様達が優勝は意外だったわ。まさかタロットが有効だなんて…」

ノレビス「ふふふ、貴方達が世界を救って名を残すように、私もこれで名を残しました‼」ドヤッ

魔術師「…消してみせる…」ゴゴゴ…

商人「わ、燃えてる…でもあたし達が二位になれたのはやっぱり召喚モンスターのおかげだよね。あと、魔法使いちゃんの血の盟約だね」

魔戦士「召喚師のレベルが上がれば魔物のレベルも上がる訳だ。もう少しレベルを上げれば追い越せそうだが、まあ勘弁してやるかねえ…」

商人レベル49「うーん、ノレビス様に負けたのは未だに悔しいけど…昨日はちょっと良いアイテム出たよね!」

魔戦士レベル60「アゾットの剣だね。ま、アタシらには装備出来ないが、初めてのアイテムを見つけるのは悪くない気分だね」

盗賊レベル67「レベルもあがったしな‼」

非常食45「にゃ、みぃもドレインされる前くらいまでレベルが戻りましたにゃ」

竜王45「サンニンオナジダナ」

魔法使い45「そうね、転職経験のある私と竜王に、ドレインされた非常食が並んだ形ね。そして、残る大魔公はあと1体…」

商人「あの悪魔だよね。今度は勝てるかなあ…?」

魔戦士「やってみなきゃ分からないけどね、ま、アタシは行けると思ってるよ」

魔法使い「そうね、今度こそ倒せると思うわ。そしてそれが…私達の、今回の旅の終点ね…」

商人「うん、そだね…」

魔戦士「まーた暗くなってるのかい?この前も言ったように、まだ終わってない、そうだろう?一度負けたあいつを倒さないと、いつまでも旅は終わらないよ」

魔法使い「ええ、分かっているわ。今度こそ、今度こそはきっと…」

盗賊「おー‼けちょんけちょんにしてやるぞ‼」ガオー

商人「…ふう、またここに来たね…」

非常食「にゃ、相変わらずすごい気配ですにゃあ…」オアー…

竜王「アイツハツヨカッタナ」

魔法使い「ええ、久しぶりに手も足も出ない、という感じだったわ。でも、あれから私達も強くなってる…」

魔戦士「ぐたぐた言うのは終わりだ。さあ、決戦だよ。後輩、そこの扉を開けておくれよ」

盗賊「おー‼たのもーだぞ‼」バタン!

峻厳なる悪魔「ふん、再び客人かと思えばまたお前達か。手加減なぞしてやらんぞ?」

商人「の、望むところ‼…ではないけど、今度は負けないからね‼」

非常食「にゃ、倒してみせますにゃ‼」ニャオー

峻厳なる悪魔「ふん、何度来ても…同じことよ」チャッ

魔法使い「いくら貴方が強くても、そう何度も負けてはいられないわ!さあみんな、戦闘開始よ‼」

何かに遭遇した!

魔戦士「雑魚はさっさと退いてもらうよ‼そらあっ‼」ザクザクッ

非常食「ふにゃにゃー‼」ドカバキベキッ

商人「ーー大地に遍く精霊達よ、我が大魔導の初音を聞け‼いっくよー、エンテルクミスタ‼」キュオピィーン!

ヘルライダーは死亡した ケルベロスは死亡した ヘルマスターは死亡した

魔法使い「やるわね商人!私も…ジアカラド‼」ドゴーン!

アークデーモンは死亡した

盗賊「おー、ふたりともまほーすごいな‼」キャッキャッ

竜王「ザコハカタヅイタナ」

魔戦士「ああ、あとはあいつだけだ、らあっ‼」ザクザクッ

非常食「ふにゃー‼…にゃ、にゃかにゃかあたりませんにゃ…」

ダリシアマルテの行動:魔斧バルタギアス

竜王は死亡した

商人「そ、そんな…⁉まだ耐えられないの⁉」

魔法使い「落ち着いて!次が来るわよ!」

ダリシアマルテの行動:魔斧バルタギアス

盗賊は死亡した

魔戦士「ちっ!他の大魔公の攻撃なら一度は耐えた後輩が…!」

魔法使い「やっぱり長引かせるのは危険ね…アークレナード!」

アークレナードの行動:魔獣の爪+1

非常食「今度は当ててみせますにゃ‼ふにゃー‼」ドカバキベキッ

ダリシアマルテは眠った

商人「眠った⁉み、みんなチャンスだよ‼」

魔戦士「分かってるよ‼いくら守備力が高くても、今なら当たる‼喰らいな、ダイヤモンドブレードの二刀流を‼そらあっ‼」ザクザクッ

ーーダリシアマルテは死亡した

非常食「にゃっ⁉や、やりましたにゃ‼さすがお嬢様ですにゃ‼」

魔法使い「勝った…?勝ったのね、良かった、これで…」

盗賊「…んー、おなかへったぞ…ん?あのあくまのおっちゃんどこだ?」キョロキョロ

魔法使い「あの悪魔なら倒したわよ。凄かったのよ、最後の魔戦士の一撃、いえ二撃ね」

盗賊「おー、さすがせんぱい‼」キャッキャッ

魔戦士「ま、良い鉱石使って二刀流にした訳だからね、これくらいはやるさ。それより、やっと終わったね」

非常食「ですにゃ…にゃ?あれは…」

ダリシアマルテの魔斧を手に入れた

竜王「アノアクマノオノダナ」

魔法使い「これで大魔公は全員倒したはずよ。後は、
ヒズベルトが約束を守ってくれるなら、これで私達はアレフガルドへ帰れるはずよ」

盗賊「じゃあこれからヒズベルトねーさんのところにいくのか?」

魔法使い「いえ、まずは町に帰りましょう。大魔公を倒して疲れたし、何より…」

商人「うん、姉御達や町のみんなにお別れ言わないとね…」

非常食「うにゃあ、お別れなのですにゃ。寂しくなりますにゃあ…」

魔戦士「ったく、バカ猫だねえ。もともとこの為に冒険してきたんだ、もっと喜んでやりなよ」

非常食「うにゃあ、それはそうですが…そうですにゃ。皆さん、おめでとうございますですにゃ」

魔法使い「ありがとう、非常食。でも、本当に終わったのね。なんだか力が抜けてしまったわ…」

姉御「そっかあ、帰れる事になったんだ。おめでとう、だね」

魔法使い「ありがとう。貴方達には本当にお世話になったわね…」

非常食「にゃ、何度も全滅しては助けられましたにゃあ…」

狩人「まあ、それはお互い様っすからね。後半は俺らの方が助けられっぱなしだったっすし…」

商人「でも、結局助けられた方が多かったよね?あたし達最初の頃本当全滅ばっかりで…」

竜王「フツカレンゾクゼンメツシタリナ」

師匠「しかし前半の全滅と後半では救出難度も金額も違いますからな、一概にどちらがより助けられたとは言えますまい」

竜戦士「ま、それらも含めてお互い様だよな、冒険者はよ」

魔術師「…装備も…おかげで整った…」

魔戦士「それもお互い様だけどね。ま、アタシらはまだまだここで冒険者やるし、これからもよろしく、だけどね」

非常食「ですにゃ」

姉御「あ、みんなが行っちゃう訳じゃないんだもんね。これからもよろしく!でも四人…五人か、居なくなっちゃうのは寂しくなるかもね」

盗賊「あねごともおわかれなんだぞ…」シュン

竜戦士「ちびすけもさすがにしおらしいな。まー、もう会えないとなればなー…」

姉御「え?なんで?もう会えないの?」

狩人「いやいやリーダー、このヒト達は故郷の世界に帰るって話をっすね…」

姉御「だからさ、帰れるって事は行けるって事じゃないの?」

商人「えーと、あたし達はヒズベルトさんに特別に…」

姉御「でも、キミ達の世界にこっちの世界に来れる手段があったんでしょ?ならこっちにキミ達の世界に行ける手段があるかもしれないじゃない?」

魔法使い「…なるほど、それもそうかもしれないわね…」

姉御「私達は冒険者。これからも冒険を続けていれば、世界を行き来するなんて朝飯前…になるかもよ?」

竜戦士「そう簡単に行くかあ?…いや、それを可能にするのも冒険者か」

師匠「やはりリーダーは流石ですな。この年寄りの好奇心、探求心も刺激してくださる。有難い事です」

姉御「まだ老け込むには早いからね師匠!ま、そういう訳だから。だからサヨナラざゃなくてさ、何て言うのかな…」

盗賊「またいつか、だな‼」

姉御「あ、それ良いね!じゃあキミ達、またいつか‼」

商人「うん、またいつか‼」

魔法使い「ええ、またいつか。この世界にももう随分深く関わったし、また見に来られたら良いわね…それに、貴方達に私達の世界を、アレフガルドを見てもらいたいし…」

姉御「あ、行きたい行きたい‼そうだね、その気になればあのヒズベルトとかいうヒトの弱みを握ってでもそっちに行くよ!」

商人「あ、姉御、あのヒトには聞こえちゃうよ…」

商人「久しぶりのロイヤルスイート‼おふとんだーいぶ‼」バフッ

魔戦士「おいおい、その馬小屋臭い体でベッドに入るんじゃないよ。ったく小娘は…」

商人「あたしコムスメじゃないし、馬小屋臭くないし‼…でも風呂入ってからにしようかな…あ、そういえば盗賊ちゃんは?」

魔法使い「盗賊なら食堂に行ったわよ。ごちそうを食べつくすぞ‼とか言いながらね」

商人「あ、そっか。ホントに食べ尽くさなきゃ良いけど…」

魔戦士「それにしても、またロイヤルスイートに泊まるなんて思いきったじゃないか。ケチなあんたがさ」

商人「ケチじゃないよ、ケンヤクカだよ‼だって、もうお金持ってても仕方ないし…」

魔法使い「そうね、最後に贅沢してもバチは当たらないわよね。急いで帰る理由もないし…」

魔戦士「はっ、帰れると決まったら余裕だねえ」

商人「姉御はああ言ってたけど、帰って来れる保証もないし、最後くらいゆっくりしたいよ。さー、それじゃ寝るよー‼」

魔法使い「お風呂入るんじゃなかったの…?」

魔戦士「全くだ、馬小屋臭い体で寝てもろくな夢見ないよ」

魔法使い「全滅する夢なんか見たりしてね」クスクス

商人「そんな夢見ないよ‼お金のお風呂で泳いでる夢見るんだから‼…でもお風呂は忘れてたよ、行ってこよ…」

魔法使い「ええ、お風呂に入ればきっと良い夢が見られるわよ、きっと…」

商人「………あれ?お金のお風呂は?ロイヤルスイート…」キョロキョロ

盗賊「しょーにん、ついにぼけたのか?かわいそうだな…」

商人「哀れまなくて良いよ‼それよりここって…」

魔戦士「ったくしょうがない小娘だねえ。ここはあの忘れてた地の深層じゃないか」

非常食「にゃ、まさかあのダンジョンに続きがあったとは思わなかったですにゃあ」

竜王「マモノモキョウリョクソウダナ」

商人「えっ…と、私コムスメじゃないけど、まだ何がなんだか…魔法使いちゃん?」

魔法使い「……ええと…」

魔戦士「なんだ、あんたまで呆けてるのかい?困ったもんだよ」

商人「あーっ‼あれだね、ちょっとスレが余りそうだから1日だけ続きやって埋めよっかーみたいな?」

魔戦士「お、珍しく察しが良いじゃないか。ほら、分かったらとっとと行くよ」

盗賊「おー‼おいしいもの見つけるぞ‼」キャッキャッ

魔法使い「…私だけが事態を飲み込めていないようね。まあ、冒険するだけならいつもと同じね…」

非常食「…うにゃあ、ここの魔物は強いですにゃあ」

商人「うーん、なんだろうね。モンスターのメンツはそんなに変わらないんだけど、数なのか組み合わせなのか…」

盗賊「うー、もうあのほねみたくないぞ…」モグモグ

魔法使い「サマエルね。それにしてもベヒモスをあっという間に捌いたわね盗賊…」

魔戦士「流石肉の事なら誰よりも…おい‼隠れろ‼」

商人「え?な……え⁉こ、こ、こ、これって…!」

魔法使い「な…!気配だけで押し潰されそうだわ!こんな、こんな存在が…!?」

竜王「オソロシイ…」カタカタ…

商人「りゅ、竜王ちゃん…で、でもこの、これは…隠れてやり過ごすしか…」

盗賊「なんだこのでっかいかげ?とーぞくは食べれないやつなんかにまけないぞ‼」ガオー

魔法使い「ちょっ、盗賊⁉いけな…」

何かに遭遇した!

商人「こ、こうなったらやるしかないけど…」

創命神影イルドラハの行動:炎のブレス

魔戦士「くっ…!いきなり強烈じゃないか!」

非常食「にゃ、でも耐えられない程ではにゃいですにゃ!ふにゃにゃー‼」ドカバキッ

魔法使い「頼むわよ、アークレナード!」

アークレナードの行動:魔獣の爪+1

商人「あたしも続くよ、ジアカラド‼」ドゴーン!

盗賊「おー、ふるぼっこだな‼」

創命神影イルドラハの行動:ラフィリード

竜王「カイフクシタナ」

非常食「にゃにゃ⁉今までのダメージが帳消しですにゃ‼」

創命神影イルドラハの行動:炎の腕+1、輝く指

アークレナードは死亡した

魔法使い「アークレナード!くっ、どうやら厳しい戦いになりそうね…!」

創命神影イルドラハの行動:炎の腕+1、輝く指

竜王は死亡した

魔戦士「おいおい、歯が立たないじゃないか!なんなんだこいつは⁉」

魔法使い「分からないけど、このままズルズルいくわけには…商人、竜王の蘇生を!来なさい、アークフェアリー‼」ドゥン!

商人「あ、回復はアークフェアリーちゃんに任せるんだね?じゃああたしが…」

創命神影イルドラハの行動:炎の腕+1、輝く指

非常食は死亡した

創命神影イルドラハの行動:炎の腕+1、輝く指

魔戦士は死亡した

盗賊「おお⁉せんぱいもおにくもしんじゃったぞ‼」

魔法使い「これは…後はウルマクルに頼るしか無いのだけれど…商人、『健康と回復』は示されている?」

商人「ご、ごめん、あたしには示されてないよ…魔法使いちゃんもダメなんだね?」

創命神影イルドラハの行動:炎の腕+1、輝く指

盗賊は死亡した

商人「ああっ⁉もう、なんでこんな時に『健康と回復』が出ないの⁉それに、この…この魔物、強すぎるよーー」

商人「うわあっ⁉」ガバッ

盗賊「なんだしょーにん、どーしたんだ?」

魔戦士「ったく、寝惚けてるんだね小娘は」フゥ…

商人「あたしコムスメじゃないし‼…ってあれ?夢?だったの??」

魔法使い「もう、本当に寝惚けてるのね。せっかくのロイヤルスイートなのに、良い夢見られなかったのね」

商人「あ、うん、そうだね。なんかすっごく強い敵にボコボコにされてさ…」

魔戦士「全滅したのかい?ったく、夢の中でまで全滅しなくても良いじゃないか」

盗賊「しょーにんだからしょーがないな‼」

商人「そんな、ノレビス様だからしょうがないみたいに言わないでよ‼」

魔法使い「ノレビス様に対する敬意とか無いのね…」

魔戦士「ま、夢で良かったんじゃないかい?実際にしたら金がかかるしねえ」

商人「そっか、そうだね。夢だったから良かった…な訳ないよ‼」

魔法使い「ど、どうしたの⁉」

商人「負けっぱなしで終われないよ‼もうスレも残り少ないから修行パートははしょるけど、あの神影だけには勝つ‼絶対かーつ‼」ガオー

魔法使いレベル46→74「あれから随分経ってしまったけれど…みんな強くなったわ」

魔戦士レベル62→98「ああ、後輩は100を超えたね。アタシももう少しだったが…」

盗賊レベル69→102「100こえたぞー‼」ガオー

非常食レベル45→70「煮夜、魅威は強者との闘いのみを望む煮夜…」ニャウン…

竜王レベル45→68「アレフガルドダケデハタリヌ、アリアハンヲワガモノニ‼」ガオー

商人レベル50→79「お、男の子二人はノリが変わったね…」

魔戦士「ったく、バカ猫の癖に生意気なんだよ」ゲシゲシッ

非常食「ふ、ふにゃー⁉蹴っちゃダメですにゃ‼」オアー…

魔法使い「レベルが上がっても貴方達は変わらないのね…さあ、レベルも上がったし、またあの敵に挑もうかしら?」

盗賊「とーぞくはいろいろぬすみたいぞ‼」

商人「そっか、レベルが上がったから今まで盗めなかった物も盗めるかもね。じゃあどうしよっか?」

魔戦士「なんでも、この前の敵は滅多に会えない敵らしいじゃないか。なら、奴を探しながら、途中会った魔物から武具をぶんどるって形で良いんじゃないか?」

魔法使い「なるほど、それが良いかも知れないわね。その過程でまたレベルアップ出来るかもしれないし…」

商人「よーし、じゃあ行ってみよっか?今度は負けないぞー‼…たぶん」

竜戦士「おいおい、あいつらまた随分強くなったな…」

姉御「なんかね、エルミナージュで昔戦った敵と連戦したんだってさ」

魔術師「…ドラゴン…ケンタウロスとかいう…」

師匠「ふむ、詳細不明の強敵でしたな。あの魔物相手に連戦出来るのは彼ら位のものでしょうな」

狩人「そーなんすね…俺らも真似すれば強くなれるのかとおもったんすけど…」

姉御「真似なら出来るよ、ううん、私達ならもっと上手く出来るよ‼確かお店にドラゴンキラー売ってたよね?あの子達が今使ってるのの他にもう1つさ」

竜戦士「ああ⁉だから俺は装備出来ねーよ‼」

姉御「キミじゃないよ、狩人君が持つの!狩人君の速攻なら、相手が動く前に倒せるでしょ?」

竜戦士「あー、なるほど…で、お前あんなバカでかい剣使ってちゃんと魔物に当たんのか?」

狩人「え、あ、えーと…ど、努力するっす…」

師匠「ふーむ、まずはレベル上げからですかな…」

魔術師「…レベル上げの…為の…レベル上げ…?先が長い…」

魔法使い「…あんなに勇んで出発したのに、まさか深層で全滅するなんて…」

竜王「フツウニゼンメツシタナ」

盗賊「ぬすもーとしてたらみんなしんだぞ…」

商人「流石にドラスグロリアとスフィンクスを相手に盗みだけに集中するのはまずかったね…」

魔法使い「挙げ句盗めたと思ったら逆鱗だったし…私もいろんな魔物と契約しようとしたけど上手くいかなかったわ…」

魔戦士「レベルが上がれば、単純な強さだけでなく盗みや契約も楽になるはずだったんだけどねえ。それよりバカ猫、なんでアタシの武器ちゃんと準備しなかったんだ⁉ドラゴンキラーのまま冒険に出ちまったじゃないか‼」ゲシゲシッ

非常食「ふにゃー⁉そ、それはお嬢様が悪…ふにゃー、蹴っちゃダメですにゃ‼」オアー…

商人「もー、よしなよ!…でももしかして、あたし達まだまだ強さが足りないんじゃ…」

魔法使い「かもしれないわね。契約や盗みを狙わなければもっと戦えたと信じたいけれど、この結果は自信無くすわね…」

商人「…あれから、またドラケンさんと戦ったり深層に行ったりしたけど…」

魔法使い「やっぱりダンジョンに行くのが一番効率は良いわよね。経験値、アイテムが手に入って、契約や盗みも狙えて…」

盗賊「とーぞくはこくようせきのブーメランをてにいれたぞ‼あとついにりゅうのつめをぬすめたぞ‼」ガオー

非常食「にゃ、これでみぃも久々にパワーアップなのですにゃ‼」

魔戦士「竜の爪+3みたいな武器を装備出来るようにするにもあんたらは呪い解除が必要だし、そのための鉱石も冒険で手に入る訳だしねえ。ま、問題は…」

竜王「ジカンダナ」

商人「うーん、まだ70近くあるし、大丈夫だと思うけど…」

盗賊「いざとなったらへーしやおやぶんたちのでばんをなくせばいいだけだな‼」

商人「う、うーん、それもちょっと…」

魔法使い「兵士の出番…?まあ、いくら帰るのを急いでいないとはいえあまりもたもたするのもね。とはいえ、あの神影に勝てるようになるにはどのくらいかかるのか…」

非常食「にゃ、見当もつきませんにゃあ…」

盗賊「なんといわれよーとしんえーたおすまではおわらないんだぞ‼」

商人「書いてるヒトの負けず嫌いに火が付いちゃったから…でも、どっちの希望にも沿える方法が1つだけあるよ!」

魔戦士「神影を今すぐ倒す事だね。それが目的なんだから当たり前だけどね」

魔法使い「そう思って深層まで来たのだけれど…今日は会えなかったわね」

竜王「イツデモアエルワケジャナイカラナ」

非常食「うにゃあ、非常に辛い1日だったのですにゃ…」オアー…

商人「非常食ちゃん…ヴァンパイアロードにドレインされて、またレベル下がったから元気ないね…」

魔戦士「ったく、ふんどしでも装備しときなよバカ猫が!」

魔法使い「仕方ないわ、売り切れだったんですもの…」

商人「それ以前に、ふんどし締めてる非常食ちゃん可愛くないよ…」

魔戦士「ま、魔物との契約は進んだんだ、パーティー全体としては上手くいってるんじゃないかい?」

魔法使い「そうね、ソウルスレイヴと、何よりメデューサと契約出来たのは良かったわ。体力のある回復役を手に入れられたのは大きいわね」

商人「ソウルスレイヴはレベル上げ用だよね?アークメイドと毎ターン交代で召喚すればいつも全快に近くなるっていう…便利だけど、そろそろレベル上げは終わりにしたいよね…」

盗賊「ん?なんでみんなどーせでてもふびんなめにしかあわないやつのことがそんなに…」

商人「と、盗賊ちゃん、しー!」

魔法使い「あら、あの人何か不憫な目にあってたかしら?」

商人「………うん、今正に不憫というか…」

魔戦士「へえ、不憫な目にあうと人気が出るらしいよ、あんたも人気者にしてやるよ」ゲシゲシゲシッ

非常食「ふにゃー⁉みぃは人気が出なくても構いませんにゃ‼」オアー…

魔法使い「また貴方達は…それより、今日も神影と会うために忘れられた地に来ているわ。前と違って2層目と3層目を歩いているのだけれど…」

竜王「コッチノホウガマモノガヨワイシナ」

商人「うん、ていうか深層で探す意味はあんまりなかっ…あ、ああ‼」ビクッ

魔戦士「この気配…来たね‼」

盗賊「きょうはあえたな‼こんどはまけないぞ‼」ガオー

魔法使い「ええ、相変わらず恐ろしい気配だけれど…今度は勝ってみせるわ‼いくわよ‼」

非常食「にゃ、やってやりますにゃ‼」ニャオー

何かに遭遇した!

魔戦士「アタシの武器には両方とも神影への倍打が付いてる、一気に仕留めるよ、そらそらあっ‼」ザクザクッ

非常食「にゃ、みぃの新しい爪もですにゃ‼」ドカバキッ

魔法使い「私はオラースを唱えて…みんなの攻撃を更に強力にするわよ!」キュイイーン

商人「みんなこの日に備えて準備してきたもんね!これなら…」

創命神影イルドラハの行動:炎の腕+1、輝く指

魔戦士は首をはねられた!

盗賊「せんぱい‼」

魔法使い「クリティカル⁉いけない、次が来るわ!」

創命神影イルドラハの行動:炎の腕+1、輝く指

竜王「グッ…!タエタゾ!」

商人「竜王ちゃんは特殊抵抗アップがあるから簡単には首切られないよね!あたしはお嬢サマを…リゼフェス‼」キュオーン

魔戦士「くっ…!やってくれたじゃないか!」

魔法使い「落ち着いて!大丈夫、体勢は大きく崩れなかったわ、ここからよ!」

創命神影イルドラハの行動:炎の腕+1、輝く指

アークレナードは死亡した

非常食「にゃ、召喚してた魔物が‼」

魔法使い「大丈夫、また召喚すれば良いだけよ‼それにしても、やはり苛烈な攻撃ね…」

竜王「ハヤクタオスゾッ‼」ザンッ

盗賊「とーぞくもあたらしいぶーめらんだぞ‼」ヒュンヒュン

創命神影イルドラハの行動:炎の腕+1、輝く指

非常食「ふにゃー⁉にゃ、にゃんとか持ちこたえましたにゃ…反撃するのですにゃ‼ふにゃー‼」ドカバキベキッ

創命神影イルドラハは毒を受けた

商人「毒⁉た、確か毒ってそのヒトの体力が多いほど効き目が強いはずじゃ…こ、これっていけるんじゃない⁉」

魔法使い「ええ、このまま運良く…」

創命神影イルドラハの行動:フィリード

魔戦士「はあ⁉全快しやがったよ‼」

盗賊「むー、ひきょーだぞ‼ボスがベホマつかっちゃいけないんだぞ‼ボスしっかくだぞ‼」ブーブー

魔法使い「ベホマじゃないわよ…状態異常も治せるからベホマより強力だけど…私はまたアークレナードを…」ドゥン!

創命神影イルドラハの行動:ブレス

非常食は死亡した

商人「ひ、非常食ちゃん‼さっきの攻撃は何とか耐えてたのに…リゼフェス‼」

非常食「にゃ、フラフラしますにゃあ…」

魔法使い「まずいわね、一旦アークレナードは引っ込めるわ、アークメイド、お願い!」ドゥン!

メイドリカバリー:魔戦士は全快した 非常食は全快した

魔戦士「よしここから立て直して…」

創命神影イルドラハの行動:炎の腕+1、輝く指 創命神影イルドラハの行動:炎の腕+1、輝く指

魔戦士は首をはねられた! 非常食は死亡した

竜王「フタリタオレタゾ!」

商人「だめだよ、このままじゃ…我が願い、魔力に乗りて神界に届け‼奇跡の星よ、遠き空より降り注げ‼ウルマクル‼」プァーン

魔戦士「くっ…なんだ?いつもと違って傷が残ってない…?」

非常食「にゃ、全快ですにゃ‼」

魔法使い「商人がウルマクルを使ったのよ!悪いわね商人、それを使うとレベルが下がってしまうのに…」

商人「ううん、前と違って今回はいけるかもしれないもん、出し惜しみはしないよ‼」

魔法使い「そうね、私が使えれば良かったんだけれど…アークレナード‼」ドゥン!

アークレナードの行動:魔獣の爪+1

非常食「にゃ、みぃも続きますにゃ‼ふにゃにゃー‼」ドカバキベキゴキィッ

創命神影イルドラハは眠った

盗賊「ねむったな、うえのまおーみたいだぞ‼それー‼」ヒュンヒュン

竜王「ウオオッ‼」ザクッ

魔戦士「そのままずっと眠ってな‼そらあっ‼」ザクザクッ

商人「あ、目が覚め…」

非常食「もいっちょですにゃ‼ふにゃー‼」ドカバキッ

魔戦士「いいかげんーーくたばっちまいな‼」ザクザクッ

ーー創命神影イルドラハは死亡した

魔戦士「ーーったく、あんた達もう何日も居ないんだろう?最後はロイヤルスイートに泊まれば良いじゃないか」

商人「うーん、でもさ…」

盗賊「…それで、しんえーがどーん‼でブレスがグアーっ‼で……」

姉御「ええー⁉じゃあこう、ガガッ‼と来た感じなの⁉」

盗賊「ガガッ‼でゴゴー‼でどーん‼なんだですだぞ‼」

魔法使い「…あれで良く会話を成立させてるわね…」

魔戦士「ま、ああやっておしゃべり出来るのも最後かもしれないし、仕方ないかねえ」

魔術師「…ありがとう…私達の…為に…」

商人「ううん、あたしもみんなといろんなお話したいし、一番お世話になった馬小屋にも…」

盗賊「しょーにんはうまごやのにおいがにあうおんなだからな‼」

商人「似合わないよ⁉臭いが似合うって何⁉」

魔法使い「確かに馬小屋には世話になったわね。この世界の冒険者は劣悪な環境にも負けず、逞しいわよね…」

姉御「キミ達が一番逞しかったんだけどね!つまり一番馬小屋が似合うって事!」

商人「ええー…そんなのやだ…」

魔法使い「まあ、一番馬小屋に泊まったのは私達だから、間違ってはいないのでしょうけれど…それにしても、馬小屋とはいえもうすぐお別れとなると寂しいものね…」

魔戦士「あれから6日も馬小屋に泊まって…ったく、もうレベル上げても意味ないっていうのにねえ…」

商人「でも、お嬢サマ達はまだ冒険者続けるんでしょ?」

魔法使い「……ん、おはよ…」

盗賊「お、いちばんのねぼすけがおきてきたぞ‼しゅっぱつだな‼」

魔法使い「…何も言い返せないのが悔しいけど…」

ミアマック「おい、お前達この町から離れるんだって?寂しくなるな…元気でな」

マーシャ「これで最後かもしれないって言うから見送りに来たよ。いつかまたね」

ナーウィ「お客さんが居なくなると武器の仕入れが滞っちゃうよ!また来て色んな物を売ってくださいよ!」

ヨグマ「お主達には世話になったのう。さらばじゃ、またな」

バルモア「ぶっちぎりでまた会おうぜ‼」

デク「バラバラになったデクを助けてくれた恩は忘れませン。また会う日まデ!」

商人「みんな、ありがとう…あれ?姉御達は…」

マーシャ「もう冒険に行ったよ。あんた達の世界に行く方法を1日でも早く探してやるってね」

盗賊「きっとまたあえるんだぞ‼」

魔法使い「そうね…じゃあみんな、またいつか…」

姉御「ーー行っちゃったね…」

竜戦士「ったくよう、こんな物影でこそこそ見てないで堂々とお別れすりゃ良いじゃねーか」

姉御「そうはいかないよ。私達はこの世界では先輩なんだからね、冒険者たるものこうあるべし!って姿を見せないと…」

竜戦士「はいはい、ホントカッコつけというか…」

魔術師「…意地っ張りと…いうか…」

姉御「でも私だって心は痛んでるんだぞ‼あっちには人間の女の子も多かったし、狩人君の恋人候補にどうかな~って考えてたんだよ?ほら、特に商人ちゃんとかキミと同い年だったでしょ?ちょうどいいかもねーなんて考えてたんだけど…」

狩人「あ、あー、そういうのはホント、間に合ってるんで…」

姉御「ホントに~?私と同じで冒険が恋人とか言い出したら手遅れなんだからね、あはははは‼」

狩人「ぼ、冒険が恋人っすか…」フウ…

姉御「ま、またいつか新しいコ見つけてきてあげる‼私はこう見えても顔が広いんだからね‼」

狩人「あ、はあ…」

師匠「いや、流石はリーダー、パーティーメンバーの私生活のサポートも抜かりないですな」

竜戦士「…なあ、最近気づいたんだがよ、じーさんもちょっと天然入ってるよな…」ヒソヒソ

魔術師「そんな事…!………少しだけ…」

ヒズベルト「いらっしゃい。皆とお別れは済ませてきたようね」

魔法使い「ええ、待たせてしまったかしら?ーーあら」

ノレビス「もー、待ちましたよ‼待ちくたびれました‼」ブーブー

商人「あれ?ノレビス様、なんで?」

ノレビス「なんでって、私もアレフガルドに帰るんですよ‼決まってるじゃないですか‼」

盗賊「ん、ノレビスさまはべつにアレフガルドにいらないぞ?」

ノレビス「私の作った世界ですよ⁉」

魔戦士「帰るのは良いが、席は足りてるんだろうね?五人は帰せないなんて言わないでおくれよ」

ヒズベルト「ええ、問題ないわ。貴方達の努力が実って、エネルギーは得られたし、貴方達の女神様も手伝ってくれるって言っているわ」

ノレビス「そうそう、私のパワーも足せば余裕です‼」ドヤッ

非常食「にゃ、にゃらノレビス様はご自分だけで帰っても良いのではにゃいですかにゃ?」

ノレビス「一人だと寂しいでしょう⁉」

魔法使い「……はあ。でも、帰るのに支障がないなら構わないけれど…じゃあ、もう良いかしら?」

商人「うん。お嬢サマ、非常食ちゃん、さよなら!…またいつか‼」

竜王「マタイツカ」

魔戦士「ま、アタシらもあんたらの世界への行き方を探してみるよ、なんたってアタシはあんたらより寿命が長いからね、あんたらがヨボヨボの婆さんになった頃変わらぬ姿を見せつけに行ってやるさ」

商人「な、あたしだってアンチエイジングしっかりやるし‼……元気でね、魔戦士さん」

魔戦士「あんたもね、商人。竜王、後輩、魔法使い、あんたらもね」

盗賊「きっとまただぞせんぱい‼」

魔法使い「ええ、またいつか…ヒズベルトさん、お願いします」

ヒズベルト「良いのね?じゃあ…お帰りなさい、貴方達の在るべき処へーー」キイィ…ン

商人「わ、光に包まれて…!」

ルビス「……それっ!」ヒュィン!

竜王「ガッ⁉」ヒュオン

魔法使い「竜王⁉竜王だけ先に…」

ヒズベルト「さようなら、勇敢な冒険者達ーー」

魔戦士「行っちまった…か。なあ、あいつらはちゃんと帰れたんだろうね?最後少しごたついてたようだが?」

ヒズベルト「心配しなくても、ちゃんとアレフガルドに帰したわ。私はね」

魔戦士「……あのポンコツは?ちゃんとやることやったんだろうねえ?」

ヒズベルト「さあ?」

魔戦士「…ちっ。まあいいさ、アタシに出来ることは無さそうだからね…アタシらは冒険者だ、またいつかここに来るよ。邪魔したね。行くよ、非常食!」

ヒズベルト「良いの?貴方達は。彼女達と同じように、貴方達も…」

魔戦士「何いってるんだい?アタシらはこっちで生きてくんだよ…行くよ」

非常食「にゃ、待って欲しいのですにゃ!し、失礼しますにゃ!」ペコリ バタン!

ヒズベルト「…ごめんなさいね、私にも言えない事はあるの」

ーー

非常食「にゃ、お嬢様、みぃ達は…」

魔戦士「…猫の森には帰れない 帰る道だって覚えてない♪…ってね、行くよ、みぃ」

非常食「にゃ、お嬢様、みぃを…」

魔戦士「なんだい、やっぱり非常食と呼ばれた方が良いのかい?行くよ非常食」

非常食「うにゃあ~、そうではないのですにゃ‼待って欲しいのですにゃーー!……」

商人「…あ、あれ…?ここ、あたしの家、あたしの部屋…?」

魔法使い「ええ、あっちの世界に飛ばされる前に居た…」

カンダタ「な、何の物音…やや⁉み、皆さんこんな所に⁉今までどこへ行っていたんですか⁉」

盗賊「おー、おやぶん‼ひさしぶりだな‼」

カンダタ「おお、元気か⁉いやー、皆さん急に居なくなるから、私も勇者さんも心配していたんですよ!」

魔法使い「ごめんなさい、心配かけてしまって…私達も、好きで居なくなった訳では無いのだけれど…」

カンダタ「いやいや、でもこうして皆無事に帰って来て良かったですよ、四人共…おや、竜王はどこです?」キョロキョロ

商人「え?…あ、ホントだ、竜王ちゃんは⁉」

盗賊「なんでいないんだ⁉みんないっしょじゃないのか⁉」

魔法使い「どういう事かしら…?そういえば、私達より先に竜王は転送されていたみたいだわ。どこか別の場所に行ったのかしら…?」

商人「この町の何処か別の所に居るのかも…探してみようよ‼」

盗賊「おーい、たどこだりゅーおー‼」バタバタ…

カンダタ「あ、皆さん!…やれやれ、忙しい人達だ…おや?」

勇者「す、すみません!今皆さんの声がしたような…あ、あれ⁉気のせい…?」

カンダタ「あ、勇者さん。皆さん帰って来たのですけれど、また直ぐに出掛けてしまって…」

勇者「ええー⁉また冒険に行ったんですか⁉わたし、もう置いてかれるの嫌です‼皆さーん‼…」バタバタ…

カンダタ「勇者さん、皆さんは町に行っただけで冒険に出たわけでは…!ああ、何故みんなああも落ち着きが無いんでしょうか…」

ーー

商人「うーん、居ないね…」

盗賊「どーゆーことだ⁉ルビスさまがいやがらせしたのか⁉」

魔法使い「ルビス様がそんな事しないと思うけれど…でも、ルビス様が何かした可能性はあるわね。精霊のほこらにいってみましょうか」

商人「そ、そうだね。じゃあ早速行こうよ‼」

盗賊「おー、おやぶんにでかけるっていってくるぞ‼」タタタ…

魔法使い「あまり慌てないのよ!…ルビス様なら、何か知っているとは思うけれど…」

商人「うん、でもあのヒト、ちゃんと帰って来てるのかなあ…?」

エルフ「だからー、私達もルビス様がいきなり居なくなって困ってるの‼行ったかなんてこっちが聞きたいなんだから‼」

商人「でも、一緒に帰って来るって言ってたし、そろそろ…」

エルフ「帰って来てないものは帰って来てないの!私達もルビス様が居なくて忙しいんだからね‼ほら帰った帰った‼」バタン!

精霊「…帰りましたか?さすが貴方は門前払いの名人ですね」

エルフ「冗談じゃ…!私だって、人間は嫌いだけど、この世界を救ってくれたあの3人には感謝してるの‼それをこんな…ルビス様⁉」

ルビス「しー。あんまり大きな声を出さないで下さい。あの人達に聞かれてしまいますよ」

精霊「そうそう、せっかくルビス様は居留守してるんですから、しー」

エルフ「そもそも誰のせいでこんな…!まあ良いわ、あの様子だと、別の世界にまで行った目的は果たしてきたんでしょ?」

ルビス「ええ、竜王の追放ーー将来的なこの世界の脅威を取り除く事には成功しましたよ」

魔法使い「…とりつく島もなかったわね」

盗賊「なんでだ⁉やっぱりルビスさまがいやがらせしてるのか⁉」

商人「そんな事ないと思うけど、でもまだ帰って来てないとも思えないし…」

魔法使い「どうも、ほこらの中からあのエルフと精霊以外にも気配がするような気もするのだけれど、ここは結界が強力だからはっきりとは分からないわね。仕方ないわ、一旦帰りましょう」

ーー

エルフ「ところでルビス様、四人を他の世界に送ったのはあの金色のオーブなんだよね?あれで竜王だけを送ってれば、こんな面倒な事にはならなかったんじゃないの?」

ルビス「だって、あの3人は冒険をお望みでしたから、私から冒険の贈り物です‼」

精霊「ルビス様はお優しいですね!」

エルフ「はあ…その余計な気遣いのせいでこんな事に…」

ルビス「でもあのオーブ、勇者さんも行くかと思ってもう一人ぶんあっちに送れるだけの魔力がまだ残ってるはずなんですよね。少し気がかりですけど、今まで他に送られた人はいないからきっと平気ですよね‼」

エルフ「…不安しかないけど…」

「ここか…やっと辿り着いたな…」コンコン

カンダタ「はい、どなたでしょう?あいにく今この家の者は出払っていて…あ、ああ、貴方は兵士さんでは⁉」

兵士「カソダタさんですか⁉久しぶりですね…」

カンダタ「いやいや、また会えるとは思いませんでしたよ‼どうやってこちらに⁉」

兵士「ええ、ラーミアのおかげで…来られたのは俺一人で、仲間は置いてきてしまいましたが…あいつらは今居ないんですか?」

カンダタ「ええ、今少々ごたついてて…でも、しばらく待っていれば帰って来るはずですよ。ささ、中でお待ちください」

兵士「そうですか、じゃあ失礼して…そうか、やっと、やっと会えるんだな…ん?カソダタさん、これは…?」

カンダタ「ああ、その金色のオーブは商人さんが見つけてきたものでしてね、何でも新しい冒険のカギかもしれないんだとかで…」

兵士「冒険の…あいつらはまだ冒険を続けようとして…おお⁉な、なんだ⁉」キイィイイイ…ン!

カンダタ「やや⁉な、何ですか⁉オーブが光って…」

兵士「う…おお⁉吸い込まれ…」ギュウウウン

カンダタ「ああっ、兵士さん…!へ、兵士さんが吸い込まれて、居なくなって…こ、これは一体…?」

姉御「よーし、今日もみんな頑張ったね!さあ後は鑑定鑑定!」

狩人「はあ…今日も死んだっすよ…」

魔術師「…軟弱者…」

師匠「狩人殿は我らを守るために前衛として戦っていてくれる訳ですからな、感謝していますぞ」

竜戦士「にしてももうちょい死なねーようにしねえと…ん?どうしたんだ姉御?」

姉御「ん、あそこにいる人間の男の人がちょっとさ…」

狩人「え?た、確かにちょっとハンサムっすし背も結構高いっすけど、そんな…」

姉御「何言ってるの?あの人の格好っていうか雰囲気さ、あの子達に似てない?」

師匠「魔法使い殿達にですかな?さて…しかしリーダーの勘は当たりますからな」

竜戦士「ホビットの勘に盗賊の勘に…あー、女の勘は当てにならないてててて‼か、関節極ってるああああ‼」ギャーギャー

姉御「もー、ほんっと余計な事しか言わない口だよね‼ま、話聞いてみれば分かるよ、ちょっと呼んできてよ」

狩人「はいっす…すみませーん、そこの…兵士さんっすかね?ちょっとお話を…」

師匠「ふむ、ではあの魔法使い殿達と知り合いで、彼女達と同じ世界から来た、と…」

兵士「はあ、俺自身も分からない事だらけなんですが…」

姉御「そういえばあの子達も金色のオーブがどうこう言ってたかもね。やっぱり世界を超える手段はあるんだね、私達もあっちに行ける手段だって…」

竜戦士「おいおい、その話は後だろ。あんたとしてはやっぱり元の世界に戻りたいんだろ?」

兵士「もちろんだ、その為に長い旅を続けてきたっていうのに…」

狩人「災難だったっすね…」

姉御「でさでさ、その長い旅を続けてきたのは誰に会うため?魔法使い?商人?まさか盗賊じゃないよね?」

兵士「そ、それは…」

姉御「あー、歳から考えれば魔法使いかな?他の二人は子供っぽいもんねー。でも魔法使いはねえ、私と一緒でそういうのより冒険だろうからなー、望みは薄そうかなー?」

「「ぐっ…」」


姉御「?なんで狩人君まで『ぐっ…』なの?変なの、あはははは‼」

竜戦士「おい、女の勘って奴はそっち方面には働かないのか?」ヒソヒソ

魔術師「…リーダーは…特別…」

姉御「話戻すけどさ、元の世界に戻りたいなら、やっぱりヒズベルトに頼むしかないよねえ?となるとまた大魔公とかいうのを倒さなきゃならないわけで…」

兵士「大魔公がどれ程のものかは知らないが、帰る為にやらなきゃならないのなら、やらない理由はない。どうしたら良い?教えてくれ」

竜戦士「そりゃあ冒険者になってパーティー組むのが一番、というかそれしかねーよな?姉御、俺らのパーティーに入れるのか?」

姉御「んー、それでも良いけど…多分あっちのパーティーの方が良いと思うよ、確かまだメンバー探してたし」

狩人「あっちのパーティーすか…ああ、ちょうど来たみたいっすよ」

魔戦士「…さて、面子も増えたし、明日から本格的に冒険になるよ。バカ猫共、アタシの為にキリキリ働くんだよ」

非常食「にゃっ、分かりましたにゃ!…にゃんでこっちに来たにゃ?こっちに来てもお嬢様にこき使われるだけだと言ったはずにゃ生肉!」

生肉「うにゃあ、ワタクシ非常食さんがお困りになってると聞いて、居ても立ってもいられなくなったのですにゃ」

非常食「ここに来てはいけなかったのにゃ。そんな名前まで付けられて…」

晩御飯「にゃふふ、キミたちはやがてお肉になる運命にゃ。可愛そうににゃー。お嬢様のお気に入りで、伝説の戦闘民族そっくりの名前をもらったボクとはえらい違いにゃー」

非常食「今夜すぐにでも食べられそうな名前に聞こえるがにゃあ…」

魔術師「…あんな感じの…パーティーだけど…」

兵士「あ、あのパーティーか…それが最善ならそうするしかないが…」

魔戦士「…ふーん、あの連中の世界からねえ?ま、戻りたいってんなら協力してやらなくもないよ。まだ数が足りないしね」

兵士「ああ、そうさせてもらえると助かる。ありがとう」

非常食「にゃ、あの人達は恩人なのですにゃ!あの人達の知り合いなら助けない理由はないのですにゃ!」

師匠「ふむ、やはり共通の知人がいるというのは良いですな。円滑に事が進む」

生肉(僧侶)「うにゃあ、よろしくお願いしますにゃ」ペコリ

晩御飯(盗賊)「キミは新参者にゃんだから、ボク達の事を良く聞くにゃ。サボったらダメにゃ」

魔戦士「で、仲間になるってんなら、あんたには侍にでもなってもらわないとね。アタシらは魔術師呪文の使い手がいないからね」

兵士「侍…良く分からんが、それが良いならそうしよう。じゃあ改めて、よろしく頼む」

魔戦士「ああ、明日から早速冒険に出よう。五人いれば、そう時間はかからないはずさ」

姉御「うんうん、上手くまとまったね。ひとまずは良かった!」

兵士「あんた達にも世話になったな…全く、俺の人生は周りに世話をかけっぱなしだ」

竜戦士「冒険者なんてそんなもんだろ。ま、これからよろしくな」

狩人「よろしくっす!」

姉御「よーし、じゃあ今日は兵士歓迎パーティーだよ‼あの子達が残したお金でパーッとやろー‼」

商人「うーん、結局見つからなかったね竜王ちゃん…どこ行ったのかなあ…あれ?」

カンダタ「み、皆さん、帰って来てたんですか⁉た、大変なんですよ‼」ドタバタ…

盗賊「お⁉どーしたんだおやぶん?りゅーおーがみつかったのか?」

カンダタ「い、いえ、そうではないんだが…へ、兵士さんが、兵士さんが来たんですよ‼」

魔法使い「兵士?兵士ってあの…上の世界から来たの?」

カンダタ「そうなんですよ、私びっくりしちゃって…でも大変なのはそれじゃないんですよ‼兵士さん、そのオーブに触れたら吸い込まれて、何処かへ…」

商人「す、吸い込まれた⁉た、大変だよ魔法使いちゃん‼竜王ちゃんだけでなく兵士さんも…」

魔法使い「そう…これはあっちに繋がっていたのよね…カンダタさん、あの人はどうやってこちらに?」

カンダタ「へ?えっと、確かラーミアのおかげとかなんとか…」

魔法使い「なるほど、ラーミアか…もしアレフガルド中を探しても竜王が居ない場合、このオーブや、難しいかもしれないけれどラーミアの力をなんとか借りて、また別の世界へ探しに行くようかもしれないわね…」

商人「なるほど、ラーミアちゃんの力を借りれば…って兵士さんは⁉兵士さんはどうするの⁉」

盗賊「このオーブにすいこまれたならいきさきはあねごやせんぱいのいるせかいじゃないのか?ならしんぱいないぞ‼」

魔法使い「盗賊の言う通りよ。それにここまで来られたならあの世界からも戻ってこられるはずよ、私達みたいにね。さあ、それより今後の事だけど…」

商人「え、ちょっ…ええ~っ⁉」

魔法使い「でもこのオーブの事を調べるにしても、何から手を付ければ良いのか…こういう物に詳しそうなヒトといったら…」

商人「やっぱりルビス様じゃない?なんとか会える方法を考えて…そうだ!ルーラじゃダメでも、ティオメンテならほこらの中に入れるんじゃない?」

魔法使い「どうかしらね…あの結界を抜けられるかどうか…」

盗賊「おー、あっちのまほーもつかえるのか?」

魔法使い「全部ではないけれど…召喚呪文もいくつか使えるわよ」

盗賊「おお⁉じゃあきつねにくだしてほしいぞ‼」

魔法使い「貴方食べる気でしょう…でも試しにアークフェアリーでも呼んでみようかしら、出でよ‼」ドゥン!

カンダタ「おおお⁉す、凄い、何もない所に人、いえ、妖精ですか⁉こんな呪文が…」

商人「ホントだ、使えるんだね召喚呪文…あ」

盗賊「あ」

魔法使い「あ」

ルビス「あ」

「「「「…………」」」」

ルビス「な、何が…あ!アークなフェアリーの私が召喚されてしまったのですね⁉ル、ルーラ!!」パラララ‼

盗賊「あー‼にげたぞ‼」

魔法使い「大丈夫よ、もう一度召喚すれば…」ドゥン!

ルビス「ひ、ひえ~⁉」ワタワタ

カンダタ「な、何が起こってるんですか⁉」

商人「えっと、とにかくあのヒトを逃がしちゃダメなんです‼」

カンダタ「わ、分かりました‼うおおー‼」シュババッ

ルビス「ふふふ、このルビス、貴方のようなモブっぽいヒトに捕まるようなマヌケじゃありません‼ルーラ‼」パラララ‼

しかし なにもおこらなかった。

ルビス「な、何故…?はっ、こ、これは自宅や町のダンジョン化⁉しかしこの業はボスレベルでなければ出来ないはず…貴方は一体…」

カンダタ「ふふふ、このカンダタ、今ではこの3人の足下にも及びませんが、昔は中ボスを2度も務めた経験があるのですよ‼」ババーン‼

ルビス「そ、そんな、まさか…!」

盗賊「おおー‼すごいぞおやぶん‼ルビスさまなんかめじゃないな‼」キャッキャッ

商人「

魔法使い「何がなんだか分からないけど…とにかく逃げるのは防げたようね…」

商人「よーし、マホトーンとタシフで魔法を封じたよ‼これでもう…あっ⁉もしかしてこれじゃ喋れない⁉」

魔法使い「大丈夫よ、喋れなくても意思の疎通は出来るはずよ、ルビス様程の方ならね。でなければ…私と商人は石化呪文のストーマを使えるわ。喋らないなら、また石像にしましょうか…」

ルビス「~~⁉」フルフル

盗賊「あとはしょーにんがどこかにうりとばすぞ‼フローラだいさくせんだぞ‼」

商人「ビアンカじゃないの⁉」

盗賊「おさなにじみのじょーよりかねとアイテムだってかいてるやつも…モガッ⁉」フゴフゴ…

魔法使い「はい、そこまでね。さあ、ルビス様?」

ルビス(私の名前はルビス…今、貴方達の頭に直接語りかけています…)

カンダタ「おお⁉凄いですね!」

商人「凄いけど…この前フリいる?」

ルビス(何事もカタチが大切なのです…)

商人「あ、はい…」

魔法使い「さて、何から話してもらおうかしら?まずはやっぱり竜王の行方だけど…」

盗賊「ルビスさまがいやがらせしたのか?」

ルビス(…仕方ありません、お話しましょう。竜王は私が追放しました)

商人「つ、追放⁉」

カンダタ「な、何故そのような事を⁉」

ルビス(竜王はこの世界の災いの種…芽が出ないうちに処理させてもらいました)

盗賊「りゅーおーがあばれるのがしんぱいなのか?そんなことさせないぞ‼」

魔法使い「…と言いたい所だけれど…ルビス様の懸念は私達の死後ですね?」

ルビス(貴方達も人の子…永遠を生きられる訳ではありません)

商人「そ、それはそうだけど…」

魔法使い「それで、何処に追放したのかは…教えて貰えるものかしら?」

ルビス(私にも分かりません…ただ、とても遠い所です…)

商人「そんな…」

ルビス(大体ですね、ビアンカ派は多数派なんだからもっとおおらかに構えていれば良いのです。フローラ派も少数である事を自覚して謙虚に…)

商人「そ、その話題は危険だよ‼でも、あたしも男の子だったら逆玉の輿狙っちゃうなあ…」

カンダタ「お金持ちと結婚というのは魅力的に感じますねえ」

盗賊「そもそもゲームのけっこんのことでむきになるなんて…」

商人「それだめー‼それ以上はだめー‼」

魔法使い「もう、話が逸れてるわよ。聞きたいことはそんな事じゃなくて…」

ルビス(ええ、分かっています。エルミナージュ1が3DSのDL版で昨日発売された話ですよね?)

商人「ええー⁉そうだったの⁉」

ルビス(写真だけとはいえフェイスロード、スタイルロードもあるそうです。BGMが3と同じなのは少し寂しいですが…)

商人「そ、それって例えばあたしのせくしーだいなまいつなスタイルロードで出来るって事⁉す、凄いよ、これは買わなきゃだよ‼」

魔法使い「商人!もう、商売の事になると熱が入っていけないわね…」

ルビス(でも、こんな事言ってますけれど、我々としては今クリアしたばっかりなのですぐに手は付けられませんね…)

商人「そだねー、もうちょっと時間を置いてからにしたいし…」

盗賊「そのうち2とか3もでるかもしれないぞ‼」

魔法使い「まだこの話題続くの…?」

魔法使い「話が大きく逸れたけれど…私達はルビス様のお話を聞いてなお、竜王を探しに行きたいと思っているわ。それは止めなくても良いのかしら?」

ルビス(仕方ありません。不本意ですが、貴方達には一度この世界を救われています。私が邪魔立てすることは出来ません)

商人「あの世界に私達を飛ばしたのは追放したかったからじゃないの?」

ルビス(あれは貴方達が冒険をしたがっていたので…)

魔法使い「まあ、確かにそうだったわね…」

盗賊「おかげでせんぱいとかあねごとかにあえたもんな‼」

商人「そうだね、そのためにあの金色のオーブを探してきて…あ、そういえばあれ、ルビス様の物なの?」

ルビス(はい、私が創ったものです。世界を渡る力を込めて…)

魔法使い「世界を渡る…という事は、あの世界以外の所にも行けるのかしら?」

ルビス(ええ、ただその調整をしてあげるほどお人好しではありません)

商人「そうだよね、私達が竜王ちゃん連れ戻したらルビス様は困るもんね…」

魔法使い「であるならば、自分達であのオーブの使い方を探るしかないわね。でなければラーミアとなんとかコンタクトを取るか、あるいは全く別の方法を…」

商人「あーあ、神竜に会えたらなー。同じドラゴンだし、きっと探すの手伝ってくれたのに…」

魔法使い「まあ、それは言っても仕方ないわね。それよりルビス様…」

ルビス「はい?あ、喋れる」

商人「魔法の効き目なくなったんだ。でももうにげても仕方ないよね」

盗賊「ん?とーぞくがルビスさまのまりょくぜんぶマホトラでとったからにげれないぞ‼」

ルビス「そんな、ひどい…」

魔法使い「仕事が早いわね…ルビス様、あの時エルミナージュで竜王だけを追放したけれど、あれが出来るならいつでも竜王を追放出来たのでは?あのタイミングでなくても、私達があちらに行く前、卵の時にだって…」

ルビス「あの方法はかなり無理矢理なので…また大穴を開ける危険もあるんですよ」

商人「あー、ギアガの大穴みたいな…でも、私達があっちに言った後ルビス様もあっちに行ったけど、それは…」

ルビス「ええ、おっきな穴開かなくて良かったです」

商人「あ、はい…」

魔法使い「さて、ならどうやって竜王を探すべきか、どんな方法を取れば良いか…」

カンダタ「そういえば兵士さんはラーミアの力を借りたと言っていましたが…もしかしたらラーミアもこっちに来ているのでは?」

商人「えっ…あ、そ、そうだよ、魔法使いちゃん‼」

盗賊「おー‼おやぶんさえてるな‼」

魔法使い「それは…盲点だったわ。いえ、当然考えるべき事だったのに…行きましょう、ラーミアを探しに!」

姉御「あけーがーつきがーぼくのゆめをーゆらしているー♪」

狩人「ご機嫌っすねリーダー…」

竜戦士「姉御はいつも大体ご機嫌だろ。それより今日はここの三階に行くんだろ?確か初めてだよなあ?」

狩人「ああ、それでご機嫌なんすかねえ?」

魔術師「…未知には…心が踊る…」

師匠「この年寄りも全く同感ですな。いやはや、未知とはこうも我々を駆り立てるものなのですな」

竜戦士「まーな、俺も嫌いじゃないけどよ」

姉御「前にも言ったよね?私達は冒険者、まずはーー」

「「「「冒険を楽しみましょう」」」」

姉御「そ。今日もいつも通り全力で、冒険を楽しみましょう‼良いね?」

狩人「っす‼」

魔術師「…ぼくのーめーに、うつーるーものは みーしらぬー ひろいせかいー…♪」

竜戦士「お、おめーも珍しくご機嫌じゃねーか。どこまーでーもー♪

竜戦士「つづーくーそらとー♪」

姉御「キミは歌わなくていいや」

竜戦士「なんでだよ⁉」

狩人「いや、音が…」

竜戦士「てめえ…!じゃあてめーが…」

師匠「かーわいたーさむいーだいちー♪」

姉御「お、師匠上手い‼」パチパチ

竜戦士「やるなじーさん‼ゆめーのー…」

姉御「よし、じゃあしゅっぱーつ‼」

竜戦士「おいっ‼聞けよ‼」

魔術師「…プッ!」

狩人「ははは!じゃあ行くっすかねー!」

竜戦士「おいっ‼だからおめーら…!!」

ーー

晩御飯「かぜーがーさけんでるー これでやっとー やっときみはー じゆうにゃと♪」

魔戦士「かーぜーははげしくーねーこーをたたいてーわらーっているー」ドカバキベキゲシゲシィッ

非常食「ふにゃー⁉猫を叩いちゃダメですにゃー‼」オアー…

生肉「ああっ、非常食さん!」

兵士「おいおい、あんまり乱暴にするなよ。お前も大丈夫か?」

非常食「にゃ、平気ですにゃ。お嬢様はああ見えても考えているのですにゃ。兵士さんが仲間になるまでみぃは叩かれなかったのですにゃ」

兵士「どういう事だ?俺が悪いのか?」

非常食「にゃ、違いますにゃ!お嬢様は止めてくれる人がいないと叩かないのですにゃ。コミュニケーションの1つなのですにゃ」

魔戦士「さあ、まずはこの辺りで戦闘に慣れてもらうよ。いきなり大魔公って訳にもいかないからね。非常食、分かってるだろうね」

非常食「にゃ、新入りの皆さんはみぃが守りますにゃ‼」ニャオー

魔戦士「そうかい、分かってるかい。聞いた通りだ、今晩は非常食の肉で晩餐だよあんた達。晩御飯、解体は任せたよ」

晩御飯「ぼくをーよーぶー
にくーのーこえがー たーしかにー きこえているー」ニャーン

非常食「にゃにゃ⁉そんなこと言ってませんにゃ⁉」オアー…

兵士「これもコミュニケーションなのか…?他種族との付き合いは難しいな…あいつらはどうしてたんだろうな、あいつらは…このむーねーにー ほしーのーようにーまーだみぬーきみがーひかるー…か…ーー」」

勇者「皆さん、居ますか⁉あれ、ここにも居ない…」

カンダタ「ああ、勇者さん。皆さんならさっき帰ってきた後、また出掛けましたよ」

勇者「またですか⁉うう、なんでいつもすれ違いなんでしょう…」

ルビス「今すぐ行けば間に合うんじゃないですか?ガンバ‼」

勇者「あ、ルビス様、どうも」ペコリ

ルビス「反応薄くないですか⁉」

勇者「それより皆さんどこに…あれ?歌が聞こえる…」

カンダタ「おや、これはガライさんの歌声ですかね?どうやら広場で歌っているようですね。あの人も旅から帰ってきたのでしょうか」

…夢の王国は どこに消えた 光満ちる 孔雀の庭…

ルビス「きーんとぎんの てーんしたちのー♪」

勇者「がくのしらべー♪って、歌ってる場合じゃないです!皆さーん‼」ドタバタ…

ルビス「ふふふ、行っても間に合わないですけどね。あの三人が居なくなる以上、勇者まで手放す訳にはいかないですからね…」

カンダタ「え?何か?」

ルビス「いえいえなんでもありませんよー。くずーれーおちてゆくー♪…」/

盗賊「あーっ‼いたぞ‼ラーミアだぞ‼」

商人「どこどこ⁉…あ、見つけた‼」

魔法使い「ラーミア!久しぶりね、私達が分かる?」

商人「あ、ラーミアちゃん座ったよ!これ乗って下さいのポーズだよ!」

盗賊「おー、りゅーおーのいるところわかるのか⁉…わからないかー」

魔法使い「そう、残念だけど、こんなすぐに見つかるとは思ってないわ。貴方、上からこっちに来られたのよね?他の世界にも行ける?」

商人「わ、凄い反応!行けるってさ‼じゃあみんなラーミアちゃんに乗って乗って‼さあ、出発だよー‼」

盗賊「おー‼ぼくをーよーぶー きみーのーこえがー たーしかにー きこえているー♪」

商人「このむーねーにー ほしーのーようにーまーだみぬーきみがーひかるー♪」

魔法使い「そうね、竜王がきっと私達を呼んでいるわ。さあ、行きましょう‼ラーミア、お願いね‼」

盗賊「しゅっぱーつ‼」ガオー

僕を呼ぶ 君の声が 確かに聞こえている…

ーー

ーー

タダ ヒトリ ボクハ ヒトリ ムジン ノ コウヤ ニ タツ…

ーー完

*数字は神影打倒時点

プレイ時間:115:13:10
発見アイテム:247(30)
遭遇モンスター:244
達成イベント:37

魔戦士レベル113 HP778 死亡39 だとう

魔戦士 打倒1232

非常食レベル79 HP571 死亡66 打倒1600

竜王レベル79 HP564 死亡46 打倒1160

魔法使いレベル86 HP354 死亡34 打倒161

商人レベル89 HP409 死亡32 打倒527

盗賊「レベル119 HP548 死亡41 打倒340

魔法使い「補足するなら、非常食のレベルは再三のドレインで低くなってるわね。私や竜王は転職によるものね」

商人「魔法使いちゃんは戦闘を召喚した魔物に任せてる部分があるから打倒数はのびなかったよ!」

盗賊「あしたからはそーびだな‼」

魔戦士 AC-7
メイン ダイヤモンドブレード
サブ ダイヤモンドブレード
頭 ファントムマスク
体 クルセイドアーマー
手 ローズガントレット
足 銀の靴
装飾1 イノセントマント
装飾2 黒夢の外套

商人「お嬢サマはダイヤモンドブレードを見つけるまでの長い間サーガブリンガーと鮮血のダガーの二刀流だったんだよ。今の武器になったのはつい最近だね。防具は結構長いこと使ってるけど」

魔法使い「ちなみに、銀の靴を最後まで装備してたのは、やっぱり…」

非常食 AC-24
メイン 竜の爪+3
サブ 竜の爪+3
頭 薔薇のカチューシャ
体 ローブグラディ
足 バスキン
装飾1 武人の黒帯
装飾2 コウモリのベルト

商人「非常食ちゃんもつい最近までは鋭い牙+3と鷹の爪の二刀流だったよ。あと、こうしてみるとバスキンは装備してなくても良かったね、別に鍛冶もしてないし、闘士は防御力上がるし…」

魔法使い「防具は魔戦士と同じく、かなり長い間このままね。元々闘士は装備が限られてるし…」

盗賊「ねんまつでいそがしーからつづきはあしたいこーな‼」

竜王 AC-19
メイン クリムゾンブレード
サブ ホーリーガード
頭 フラワーヘルム
体 マジックアーマー
手 マンティスグローブ
足 ファイアーブーツ
装飾1 光の魔印+1
装飾2 黒夢の外套

商人「竜王ちゃんの武器はしばらく魔魂の槍だったよ。クリムゾンブレードに変える時、魔魂の槍で補ってた暗黒耐性を確保するために盾はホーリーガードにしたの」

魔法使い「ちなみに、竜王の法印保護区は23.2%。無いよりは良いけど、頼りにするにはまだまだ心細い感じね」

魔法使い AC+2
メイン 炎の鞭
頭 ファントムマスク
体 紋章のローブ
装飾1 フェニックスの羽毛
装飾2 カーバンクルジュエル

商人「ファントムマスクって…魔法使いちゃん、もうちょっとおしゃれにも気を使ってよ…」

魔法使い「人にかめのこうらやおなべのふたを装備させてた貴方がそれを言うのね…私だってレースの手袋なんかがあったらそっちを装備したかったけれど…」

盗賊「あねごがひとつもってるだけだったんだぞ‼ちなみにイノセントソードもあねごだけがもってたぞ‼」

商人「あー、あのヒト達に運を吸われてたんだ…」

商人 AC0
メイン 炎のロッド
頭 魔術師の帽子
体 紋章のローブ
足 天使のサンダル
装飾1 雷の魔印+1
装飾2 エンペラーバードの卵

商人「あたしはずっと炎のロッド‼あときゅーとさを演出する天使のサンダルがちゃーむぽいんとだよ‼」

魔法使い「典型的な術師の装備、といった感じだけれど…氷系の呪文はほとんど使わなかったから、エンペラーバードの卵は他のものでも良かったかもしれないわね」

盗賊 AC4
メイン 黒曜石のブーメラン
体 サンダーガード
装飾1 イノセントマント
装飾2 フェニックスの羽毛

盗賊「とーぞくはぬすみをするからけーそーなんだぞ‼しゅびりょくがひくいたいせーじゅーしだぞ‼」

魔法使い「盗賊の武器は長い間毒蛾の鱗粉だったのよね。氷耐性がある、どちらかといえば守備的な選択ね。盗賊は装備を切り詰めたいから装備には一苦労するわよね…姉御も裸にマントで良いよ!なんて言って狩人君に必死で止められてたわ」

商人「姉御ももうちょっとおしゃれに気を使うべきだと思う…」

姉御「…あ、スペース余った?おまけで私達の死亡数を報告するよ!私25、竜戦士29、狩人君58、師匠34、魔術師31だよ‼狩人君死にすぎ‼」

狩人「こ、この情報いるっすか⁉」

魔法使い「と、いうわけで、ここまで読んでくれてありがとうございました。このSSは…」

盗賊「エルミナージュ3DSばんのせんでんのためのものだぞ‼」

商人「書き始めた頃はそんな情報のかけらも無かったよね⁉でもPC版は発売されたばっかりだったっけ?」

魔法使い「PC版もあるのよね。どれが一番快適なのか…さておき、このSSについてだけれども…特に話すこと無いのよね」

盗賊「かきたいことかいたしな‼」

商人「あ、上でいただいたコメントのこのSSの再現~で思い出したけど、今回は特に突拍子もないパーティーって訳じゃないんだよね。人数もまっくすだし…」

盗賊「もっとへんなしばりでもよかったな‼」

魔法使い「その辺は、もし次があるなら…ね。『次』は、書いてる人のやる気次第だけれど…」

商人「書いてるヒトのやる気が出ないと竜王ちゃんはずっと行方不明のままです…」

盗賊「そうなったらルビスさまのせーだぞ‼ぜんぶルビスさまがわるいんだぞ‼」

ルビス(そんな、ひどい…)

魔法使い「とはいえ、今回はルビス様の方がひどいから仕方ないわね…ああ、残り少ないスレだけれど、何か聞きたい事があれば…」

商人「例によって、データは全部メモってるからね!」

盗賊「ノートにきたないじではしりがきだからしらべるのじかんかかるけどな‼」

魔法使い「ほぼ毎日更新、とのことだけど、逆に毎日更新しないとすぐサボり癖が出るのよね、この書き手は…さておき、召喚呪文ね。レベル1から、まずゴーストダイミョウね。これは書き手のお気に入りなの、霊体+ツバメ返しの組み合わせが好きなのよね。次がアークメイド、これは緊急の回復役。私は回復呪文使えないから…次がアークレナード、これが一番使ったかしらね。そして次がメデューサ。結局真実の盾は手に入らなかったけれど…次がインセクターロード。これ、一度子クリムゾンブレードを作ったのに消えなかったのよね。何故かしら…?そしてソウローテイト、これはマジカルパーティー用。最後にソウルスレイブはこれも回復役ね。ドラコンケンタウルス相手に、これとアークメイドを交互に出して回復し続ける、という感じに使ったわ」

商人「あたしは武器は炎のロッドかな、呪文はゼフェフス‼…と言いたいんだけど、司教の呪文習得速度だとゼフェフス覚える頃には効く相手があんまりいなくて…でも、竜王ちゃんはカマキリ相手に良く使ってたよ‼」

盗賊「とーぞくはサンダーガードすきだぞ‼とーぞくしかもってないんだぞ‼」

魔戦士「それでーもアタシはねこーをけるー ぎんのーくつでーねこをー♪ほら、あんたも銀の靴と自分を焼き肉にしてくれる炎系の呪文が好きだって言いな!」ゲゲゲゲシィッ

非常食「ふにゃー⁉みぃは竜の爪+3が…蹴っちゃダメなのですにゃー‼」オアー…

姉御レベル44「あ、また出番?そうだね、やっぱり他の誰も持ってないレースの手袋とかイノセントソードが良いかな。ほら、誰も持ってないの持ってるって気分良いでしょ?」

師匠レベル33「術師たるもの好き嫌いや得手不得手があってはなりませんが…やはりパーティーを救う回復呪文、それも全体回復呪文を良く使いましたな」

狩人レベル31「えーと、やっぱり俺は狩人っすからね、破魔の弓が一番っすけど…このレベル情報もいらないっすよね?」

魔術師「…一人だけ…ハイマスターじゃない…私は…

魔術師レベル36「…エンテルクミスタ…」

竜戦士レベル40「おめーがエンクミって言うと洒落になんねーんだよな…俺はやっぱり長いこと使ってたフランベルジュだな。あとおめーら、そろそろ狩人を許してやれよ…」

ノレビス「はいはーい‼私はタロッ

盗賊「いじょーだぞ‼ちなみにれんきんじゅつしはレベル38だぞ‼」

ノレ「そんな、ひどい…」

ーーおまけ、エルミナージュ、司書の部屋

魔戦士「さて、いよいよ今日から大魔公との対決だ。覚悟は出来てるね?」

兵士「ああ、誰も使えない錬金呪文を覚えてから侍になったからな、戦力的にもやることはやったよ。さて…」ギィ…

ヒズベルト「あら、あなた達…随分強くなったのね。それなら………少し、面白い体験をしてみない?」

非常食「にゃ、面白い体験ですかにゃ?一体どんにゃ…」

晩御飯「ボクは面白いこと大好きにゃ。是非体験したいにゃ」

ヒズベルト「じゃあ、目をつぶって…そうよ、良い子ね…」フッ

生肉「にゃっ⁉暗くなりましたにゃ⁉ひ、非常食さん…」ミーミー…

ヒズベルト「あなた達は少し、頑張りすぎたみたいね。この先は神々の領域。人が立ち入ることは叶わない。法が乱れ、律が破られるなら、私はあなた達の世界を閉じなければならないわ。だから、お戻りなさい。全てを忘れて、人として生き直すためにーー」

兵士「な、なんだ、一体」

ヒズベルト「またいつか、会いましょうねーー」ヒィィィ…ン

ーートランジェルダ城下町

魔戦士「ほら、あんたたち、何ぐずぐずしてるんだ。さっさと王の所に行って、お触れの闇の巫女を倒して褒美をもらうんだよ‼急ぎな‼」

非常食「ふにゃー‼待ってくださいにゃー‼」タタタ…

兵士「…お触れ?そうだ、俺は俺の世界に帰るために、冒険者になって、金わ稼ぐためにお触れを…なんだ?何か…分からん。ただ、今やらなければならないのは…おおい、待ってくれーー」

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